JP3942485B2 - リムホイールおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤを取り付ける車両用のリムホイールおよびその製造方法に関する。詳しくは、高い操縦安定性を確保しかつ重量増加を抑えつつ車両に伝達される振動を抑制し、乗り心地の向上、車内騒音の低減等を長期にわたり確実に実現することができ、しかも高い生産性を有するリムホイール、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の操縦安定性と乗り心地性、静粛性を高次元で両立する高機能化が、特に高級車領域で進められている。かかる要請の下、車内騒音に対して、その大きな要因であるタイヤ空洞共鳴音を抑えるべく、副気室をリムホイール内に設け、この副気室と連通孔の寸法を調整するなどによりヘルムホルツ共鳴吸音器として作用させる技術が実開平1―39103号、実開平1−90601号、特開平1−115701号、特開平1−115702号、欧州特許0936083号等に開示されている。
【0003】
しかしながら、ヘルムホルツ共鳴吸音器の作用を利用する上記公知文献記載の技術は、必ずしも充分な改良効果を有しておらず、あるいはいくつかの問題点を有しており、未だ実用化に至っていないのが現状であった。
【0004】
かかる状況下において、リムと該リムの径方向外側に配置される複数の蓋部材との間に形成され、周方向に間隔をあけて設けられた複数の側壁により分割された複数の副気室と、この副気室とタイヤ主気室とを連通させる連通部とによりヘルムホルツ共鳴吸音器を構成することで、自動車の大きな要求性能である乗り心地や静粛性が有意に向上し、実用的なリムホイールが得られることが見出され、先に、本出願人により特許出願がなされた(特開2002−079802号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開2002−079802号公報記載のリムホイールにおいては、それまでのヘルムホルツ共鳴吸音器を構成する技術に比し、静粛性、操縦安定性および振動乗り心地性において大幅に優れており、十分に実用に供し得るものである。よって、同公報に開示されているような副気室を備えたリムホイールを確実にかつ高い生産性にて製造することが求められている。
【0006】
そこで、本発明の目的は、かかる求めに応じ、高い操縦安定性を確保しかつ重量増加を抑えつつ車両に伝達される振動を抑制し、乗り心地性の向上、車内騒音の低減等を長期にわたり確実に実現することができ、しかも高い生産性を有するリムホイール、およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成とすることにより上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、下記に示す通りである。
【0008】
<1>リムと、該リムの外周面上に周方向に環状に形成された縦壁と、該縦壁の径方向外端部と一方のビードシートとの間に固着された円環状ゴム部材とにより形成され、周方向に適宜間隔をあけて設けられた複数の側壁により分割された複数の副気室を備え、前記円環状ゴム部材にタイヤ主気室と前記副気室とを連通させる連通部を有し、前記副気室と前記連通部とでヘルムホルツ共鳴吸音器が構成されていることを特徴とするリムホイールである。
【0009】
<2>前記<1>のリムホイールにおいて、前記リムに、底部位置がビードシートよりも径方向内側に位置する凹状のウエル部が形成されているリムホイールである。
【0010】
<3>前記<1>または<2>のリムホイールにおいて、隣接する側壁間の周方向長さの略中央に連通部を有するリムホイールである。
【0011】
<4>前記<1>〜<3>のいずれかのリムホイールにおいて、前記副気室が3室以上設けられているリムホイールである。
【0012】
<5>前記<1>〜<4>のいずれかのリムホイールにおいて、前記側壁がゴム部材により形成されているリムホイールである。
【0013】
<6>前記<1>〜<5>のうちいずれかのリムホイールを製造するにあたり、
リムホイール鋳造時に前記縦壁をリムと一体的に成型する工程と、
成型されたリムの、縦壁の径方向外端部と一方のビードシートとの間に、各副気室に対応するように複数の前記連通部を穿設した円環状のゴム部材を固着する工程と、
を包含することを特徴とするリムホイールの製造方法である。
【0014】
<6>前記<5>のリムホイールの製造方法において、前記ゴム部材を加硫接着により固着するリムホイールの製造方法である。
【0015】
<7>前記<5>または<6>のリムホイールの製造方法において、前記側壁を前記円環状ゴム部材と一体的に成型するリムホイールの製造方法である。
【0016】
前記<1>の本発明のリムホイールは、形成された副気室がタイヤ主気室との連通部を有してヘルムホルツ共鳴吸音器として機能する。副気室の体積、連通部の断面積と長さといった各寸法は、下記式、
f0:共鳴周波数(Hz)
V:副気室体積(cm3)
S:連通部総断面積(cm2)
L:連通部長さ(cm)
N:連通部個数/気室
R:ホイール径(inch)
に従い設定することにより、効果的な空洞共鳴音低減を達成することができる。
即ち、最初にリム径を決め、その後、副気室体積V(cm3)、連通部総断面積S(cm2)、連通部長さL(cm)、連通部個数Nを決定することにより、効果的にタイヤ空洞共鳴音を低減することができるリムホイールが得られる。ここで、上記式の左項は、ヘルムホルツ共鳴周波数を表している。タイヤ主気室内の空洞共鳴周波数は、タイヤとリムの周長によって決まり、径の小さいタイヤでは、この周波数は高くなり、径の大きなタイヤでは低くなる。上記式の右項は、タイヤサイズ、リム径に応じた最適な設定周波数範囲を求めたものである。
【0017】
また、前記<1>の本発明のリムホイールは、縦壁の径方向外端部と一方のビードシートとの間に円環状ゴム部材を固着することにより副気室が形成されている。このように、収縮性を有するゴム部材を副気室の蓋として使用することにより、タイヤのエア漏れの懸念が全く無いだけでなく、副気室の密封性が長期使用においても永続的に維持される。しかも、ボルトや溶接といった接合作業を排除することができ、高い生産性を有する。さらに、ゴム部材は金属部材等に比し軽量であり、副気室の形成において大幅な重量増加を招くこともない。
【0018】
前記<2>の本発明のリムホイールは、リムに、底部位置がビードシートよりも径方向内側に位置する凹状のウエル部を形成したことで、タイヤビード部をウエル部に落とし込むことができ、従来通りタイヤをリムに組み付けることができる。
【0019】
前記<3>の本発明のリムホイールでは、隣接する側壁間の周方向長さの略中央に連通孔を設けたことで、上記式に従い、効果的な空洞共鳴音低減を達成することができる。なお、連通部は各副気室に対し1個に限定されるものではなく、
連通部の径や数を調整するだけで、共鳴周波数設定を変えることができることから、連通部の数、位置および径はタイヤサイズに応じ適宜定めればよい。
【0020】
前記<4>の本発明のリムホイールでは、副気室が3個以上の密閉側壁によって周方向に3気室以上に仕切られていることによって、共鳴吸音遅れが生じることなく、タイヤ空洞共鳴音を効果的に低減することができる。好ましくは、副気室数は4室以上であり、より好ましくは5室以上である。
【0021】
前記<5>の本発明のリムホイールでは、前記側壁をゴム部材により形成することで、副気室間の気密性を高めることができ、減音効果が向上するので、好ましい。但し、回転バランスを悪化させないように、各側壁は同寸法で、周上等配分位置に設定することが好ましい。
【0022】
前記<6>の本発明の製造方法は、縦壁をリムホイール鋳造時に成型することができる。また、縦壁の径方向外端部とビードシートとの間に円環状ゴム部材を固着することにより副気室が形成され、ボルトや溶接といった接合作業を排除することができる。即ち、リムホイール本体とは別に成型した円環状ゴム部材を接合するだけであるため、製造工数やコスト、重量の増加が少なく、また、回転バランスも損なうことがない。
【0023】
前記<7>の本発明の製造方法により、ゴム部材を良好にリムに固着させることができる。
【0024】
前記<8>の本発明の製造方法により、副気室の気密性をより高めることができる。側壁の気密性が高い程減音効果が向上するので、好ましい。また、円環状ゴム部材に側壁を一体的に成型することにより、製造工数の低減を図ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
図1〜3に示すように、本発明の一実施形態に係るリムホイール1においては、タイヤ10がこのリムホイール1のリム2に装着されることにより、タイヤ10とリム2との間に密閉されたタイヤ主気室11が形成される。
【0026】
なお、図示する好適例においては、リムホイール本体には、タイヤ装着時にタイヤビード部を落とし込むための凹状のウエル部7が形成されている。このウエル部7の底部は、ビードシート4よりもタイヤ径方向内側に位置している。
【0027】
ウエル部7は、適宜、軸方向に幅広または径方向内側に深い構造とすることができる。ここで、径方向内側に深い構造とは、ビード部とホイールベース部の径差が大きいという意味で、ブレーキスペースに余裕がある場合は、ホイールベース部の径を小さくすることで径差を大きくできるが、余裕がない場合はビード部の径を大きくして、タイヤ高さを小さくする(タイヤ外径を同じにする)、いわゆるインチアップ手法により径差を大きくすることができる。
【0028】
図1および2に示すように、副気室6はリム2と、リム2の軸方向外周面上に周方向に環状に形成された縦壁3と、縦壁3の径方向外端部と一方のビードシート4(矢印IN方向側)との間に固着された円環状ゴム部材5とにより形成されている。また、この副気室6は、図3に示すように、周方向に適宜間隔をあけて設けられた複数の側壁9により分割されている。本実施形態では5室の副気室6が配置されている。側壁9の端部は、円環状ゴム部材5に密着しており、各副気室6は完全に独立している。
【0029】
側壁9は、リムホイール鋳造時に縦壁3とともにリム2と一体的に成型してもよく、あるいは、円環状ゴム部材5と一体的に成型してもよい。
【0030】
ウエル部7を軸方向に幅広にすることに対しては、実質的に大きな制約はないため、ウエル部7を幅広化としつつ、副気室6の所望体積を得ることはできるが、より大きな体積を確保できるという観点からは、径方向内側に深くした方が好ましい。
【0031】
即ち、リム2にウエル部7を形成しつつ、所望体積の副気室6を形成するには、縦壁3をリム2の軸方向略中央に配置することが好ましい。これにより、従来通りタイヤをリムに組み付けることができる。
【0032】
本実施形態に係る円環状ゴム部材5においては、図1に示すように、円環状ゴム部材5の幅方向の一端部が、リム2の裏側(矢印IN方向側)のビードシート4に形成された段部4Aに係合し、例えば、接着剤または加硫接着等により固着されている。
【0033】
円環状ゴム部材5の幅方向の他端部は、縦壁3の径方向外端部に、同様に接着剤または加硫接着等により固着されている。
【0034】
ここで、円環状ゴム部材5を確実に固着するためには、円環状ゴム部材5の径を、リム2に形成された縦壁3およびビードシート4に形成された段部4Aの径よりも小径に形成する必要があるが、この場合、特に側壁9の数が少ないと、副気室6の周方向中央部付近で円環状ゴム部材5が周方向内側に凹んでしまう傾向がある。これを防止するために、円環状ゴム部材5には、周方向に沿って支持部を設けておくことが好ましい。これにより、円環状ゴム部材の凹みを防止して、副気室を確実に形成させることができる。支持部は、例えば、図6(イ)、(ロ)に示すように設けることができる。図中の矢印は周方向を示す。図6(イ)に示す支持部12aは、円環状ゴム部材5aの幅方向中央部付近に、周方向に沿って連続する壁状に設けられている。また、図6(ロ)に示す支持部12bは、円環状ゴム部材5bの幅方向中央部付近に、周方向に沿って適宜間隔で柱状に設けられている。支持部は、円環状ゴム部材と同材質にて一体的に形成することができ、円環状ゴム部材をリム2およびビードシート4に対し固着する際に、接着または加硫接着等の手段により、同様にしてリム2の軸方向外周面表面に固着することができる。支持部は円環状ゴム部材と別個に形成した後一体化するものであってもよく、また、その形状や設け方についても図示する例には制限されない。
【0035】
本発明の他の実施形態に係る他の円環状ゴム部材5Aにおいては、図4に示すように、この円環状ゴム部材5Aの幅方向の一端部が、リム2の裏側(矢印IN方向側)のビードシート4面に直接、例えば、接着剤または加硫接着等により固着され、他端部は、縦壁3の径方向に係合する係合部5Bを有し、この係合部5Bと縦壁3の径方向側面との間で固着している。
【0036】
さらに、図5に示すように、係合部5Bのゴム厚を肉厚とすることにより縦壁3を兼ねさせることもできる。
【0037】
円環状ゴム部材5には、各副気室6に対して1個づつ連通部8が形成されており、副気室6は連通部8を介してタイヤ主気室11に連通されている。また、図6(イ)に示すように、支持部を周方向に連続する壁状に設ける場合には、副気室が実質的に分割されるため、図示するように、分割された副気室の夫々に対し連通部8aを設ける必要がある。
【0038】
本実施形態では、この副気室6と連通部8とでヘルムホルツ共鳴吸音器が構成されている。
【0039】
ここで、リムホイール1にタイヤ10を組立てた場合、前記式を満足するように、各部の設定を行う。タイヤ主気室内の空洞共鳴周波数は、タイヤとリムの周長によって決まり、通常の乗用車用タイヤでは、250Hz近傍が空洞共鳴周波数である。軽自動車用のタイヤではこの周波数が高周波になり、トラック用の大きなタイヤでは低周波になる。
【0040】
なお、一つのリムホイール1に対する副気室6の総内容積は、タイヤ主気室11の体積の2%以上25%以下であることが好ましく、中でも3%以上15%以下が更に好ましい。
【0041】
本実施形態のリムホイール(7 1/2JJ×17)1にタイヤ(225/55R17)10を装着したときのタイヤ主気室11の体積は約35000cm3であり、4つの副気室6の総体積は1200cm3(300cm3×4個)であり、4つの副気室6の総体積はタイヤ主気室11の総体積の3.4%である。
【0042】
本発明の製造方法において、リムホイール1の鋳造時に縦壁3をリム2と一体的に成型する場合、従来の鋳造法をそのまま適用することができる。また、縦壁3の径方向外端部と一方のビードシート4との間に、円環状ゴム部材5を固着するにあたっては、加硫前の生ゴムを円環状に貼り付けた後、加硫接着することが好ましい。あるいは、予め加硫した円環状ゴム部材5を伸長させ拡径して装着してもよい。なお、この場合、接着剤等で固着しておくことが好ましい。連通部8は、副気室6に対応する箇所に、予めリムに固着する前に穿設しておくことが製造上、好ましい。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
従来のリムホイールとタイヤとの組み合わせ品(比較例)と、本発明の適用されたリムホイールとタイヤとの組み合わせ品(実施例)とを試作し、ロードノイズ評価ドラム試験を実施した。
【0044】
コントロール品:7 1/2JJ×17の通常のアルミホイールに225/55R17サイズの通常の乗用車用タイヤを装着したものである。
【0045】
実施例:図1に示す構造のリムホイール(側壁数4個)にコントロール品と同様の乗用車用タイヤを装着したものである。
【0046】
タイヤ主気室の体積約35000cm3に対し、副気室の総体積は1200cm3(タイヤ主気室の3.4%)であり、連通孔の径は0.8cm、連通孔の長さは0.4cmである。
【0047】
それぞれの実施例と比較例の共鳴周波数は、上記式に従い、それぞれ約222Hzとした。ロードノイズドラムは直径3mで、表面に一般的な道路形状を模したアスファルトが貼り付けてある。タイヤを荷重4900N(500kgf)でドラムに押し付け、速度60km/hで走行させた際の、各方向のドラム軸力を測定し、周波数解析を行った。
【0048】
上下方向の軸力の周波数解析を行った結果、実施例では、比較例に比し空洞共鳴ピークが約6dB低減した。
【0049】
また、実施例および比較例のタイヤを乗用車に装着し、テストコースにて、テストドライバー二人による実車走行を行い、操縦安定性試験、振動乗り心地試験を実施した。
【0050】
操縦安定性に関しては、駆動性、制動性、ハンドル応答性、操縦時のコントロール性を総合評価し、振動乗り心地試験に関しては、良路走行時振動、悪路走行時振動、段差などの特殊路走行時振動、車内騒音を総合評価し、コントロール(比較例)を100とした時の指数で実施例のタイヤを評価した。指数の数値が大きいほど良好である。実施例の結果は、操縦安定性が110、振動乗り心地性が115、車内騒音が155であった。
【0051】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、高い操縦安定性を確保しかつ重量増加を抑えつつ車両に伝達される振動を抑制し、乗り心地性の向上、車内騒音の低減等を長期にわたり確実に実現することができ、しかも高い生産性を有するリムホイール、およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るリムホイールの要部を示す回転軸に沿った断面図である。
【図2】図1に示すリムホイールの軸直角方向から見た側面図である。
【図3】図1に示すA−A線に沿う軸直角断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るリムホイールの要部を示す回転軸に沿った断面図である。
【図5】本発明の更に他の実施形態に係るリムホイールの要部を示す回転軸に沿った断面図である。
【図6】円環状ゴム部材に対する支持部の設け方の一例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 リムホイール
2 リム
3 縦壁
4 ビードシート
4A 段部
5,5a,5b 円環状ゴム部材
6 副駆室
7 ウエル部
8,8a,8b 連通部
9 側壁
10 タイヤ
11 主気室
12a,12b 支持部
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤを取り付ける車両用のリムホイールおよびその製造方法に関する。詳しくは、高い操縦安定性を確保しかつ重量増加を抑えつつ車両に伝達される振動を抑制し、乗り心地の向上、車内騒音の低減等を長期にわたり確実に実現することができ、しかも高い生産性を有するリムホイール、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の操縦安定性と乗り心地性、静粛性を高次元で両立する高機能化が、特に高級車領域で進められている。かかる要請の下、車内騒音に対して、その大きな要因であるタイヤ空洞共鳴音を抑えるべく、副気室をリムホイール内に設け、この副気室と連通孔の寸法を調整するなどによりヘルムホルツ共鳴吸音器として作用させる技術が実開平1―39103号、実開平1−90601号、特開平1−115701号、特開平1−115702号、欧州特許0936083号等に開示されている。
【0003】
しかしながら、ヘルムホルツ共鳴吸音器の作用を利用する上記公知文献記載の技術は、必ずしも充分な改良効果を有しておらず、あるいはいくつかの問題点を有しており、未だ実用化に至っていないのが現状であった。
【0004】
かかる状況下において、リムと該リムの径方向外側に配置される複数の蓋部材との間に形成され、周方向に間隔をあけて設けられた複数の側壁により分割された複数の副気室と、この副気室とタイヤ主気室とを連通させる連通部とによりヘルムホルツ共鳴吸音器を構成することで、自動車の大きな要求性能である乗り心地や静粛性が有意に向上し、実用的なリムホイールが得られることが見出され、先に、本出願人により特許出願がなされた(特開2002−079802号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開2002−079802号公報記載のリムホイールにおいては、それまでのヘルムホルツ共鳴吸音器を構成する技術に比し、静粛性、操縦安定性および振動乗り心地性において大幅に優れており、十分に実用に供し得るものである。よって、同公報に開示されているような副気室を備えたリムホイールを確実にかつ高い生産性にて製造することが求められている。
【0006】
そこで、本発明の目的は、かかる求めに応じ、高い操縦安定性を確保しかつ重量増加を抑えつつ車両に伝達される振動を抑制し、乗り心地性の向上、車内騒音の低減等を長期にわたり確実に実現することができ、しかも高い生産性を有するリムホイール、およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成とすることにより上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、下記に示す通りである。
【0008】
<1>リムと、該リムの外周面上に周方向に環状に形成された縦壁と、該縦壁の径方向外端部と一方のビードシートとの間に固着された円環状ゴム部材とにより形成され、周方向に適宜間隔をあけて設けられた複数の側壁により分割された複数の副気室を備え、前記円環状ゴム部材にタイヤ主気室と前記副気室とを連通させる連通部を有し、前記副気室と前記連通部とでヘルムホルツ共鳴吸音器が構成されていることを特徴とするリムホイールである。
【0009】
<2>前記<1>のリムホイールにおいて、前記リムに、底部位置がビードシートよりも径方向内側に位置する凹状のウエル部が形成されているリムホイールである。
【0010】
<3>前記<1>または<2>のリムホイールにおいて、隣接する側壁間の周方向長さの略中央に連通部を有するリムホイールである。
【0011】
<4>前記<1>〜<3>のいずれかのリムホイールにおいて、前記副気室が3室以上設けられているリムホイールである。
【0012】
<5>前記<1>〜<4>のいずれかのリムホイールにおいて、前記側壁がゴム部材により形成されているリムホイールである。
【0013】
<6>前記<1>〜<5>のうちいずれかのリムホイールを製造するにあたり、
リムホイール鋳造時に前記縦壁をリムと一体的に成型する工程と、
成型されたリムの、縦壁の径方向外端部と一方のビードシートとの間に、各副気室に対応するように複数の前記連通部を穿設した円環状のゴム部材を固着する工程と、
を包含することを特徴とするリムホイールの製造方法である。
【0014】
<6>前記<5>のリムホイールの製造方法において、前記ゴム部材を加硫接着により固着するリムホイールの製造方法である。
【0015】
<7>前記<5>または<6>のリムホイールの製造方法において、前記側壁を前記円環状ゴム部材と一体的に成型するリムホイールの製造方法である。
【0016】
前記<1>の本発明のリムホイールは、形成された副気室がタイヤ主気室との連通部を有してヘルムホルツ共鳴吸音器として機能する。副気室の体積、連通部の断面積と長さといった各寸法は、下記式、
f0:共鳴周波数(Hz)
V:副気室体積(cm3)
S:連通部総断面積(cm2)
L:連通部長さ(cm)
N:連通部個数/気室
R:ホイール径(inch)
に従い設定することにより、効果的な空洞共鳴音低減を達成することができる。
即ち、最初にリム径を決め、その後、副気室体積V(cm3)、連通部総断面積S(cm2)、連通部長さL(cm)、連通部個数Nを決定することにより、効果的にタイヤ空洞共鳴音を低減することができるリムホイールが得られる。ここで、上記式の左項は、ヘルムホルツ共鳴周波数を表している。タイヤ主気室内の空洞共鳴周波数は、タイヤとリムの周長によって決まり、径の小さいタイヤでは、この周波数は高くなり、径の大きなタイヤでは低くなる。上記式の右項は、タイヤサイズ、リム径に応じた最適な設定周波数範囲を求めたものである。
【0017】
また、前記<1>の本発明のリムホイールは、縦壁の径方向外端部と一方のビードシートとの間に円環状ゴム部材を固着することにより副気室が形成されている。このように、収縮性を有するゴム部材を副気室の蓋として使用することにより、タイヤのエア漏れの懸念が全く無いだけでなく、副気室の密封性が長期使用においても永続的に維持される。しかも、ボルトや溶接といった接合作業を排除することができ、高い生産性を有する。さらに、ゴム部材は金属部材等に比し軽量であり、副気室の形成において大幅な重量増加を招くこともない。
【0018】
前記<2>の本発明のリムホイールは、リムに、底部位置がビードシートよりも径方向内側に位置する凹状のウエル部を形成したことで、タイヤビード部をウエル部に落とし込むことができ、従来通りタイヤをリムに組み付けることができる。
【0019】
前記<3>の本発明のリムホイールでは、隣接する側壁間の周方向長さの略中央に連通孔を設けたことで、上記式に従い、効果的な空洞共鳴音低減を達成することができる。なお、連通部は各副気室に対し1個に限定されるものではなく、
連通部の径や数を調整するだけで、共鳴周波数設定を変えることができることから、連通部の数、位置および径はタイヤサイズに応じ適宜定めればよい。
【0020】
前記<4>の本発明のリムホイールでは、副気室が3個以上の密閉側壁によって周方向に3気室以上に仕切られていることによって、共鳴吸音遅れが生じることなく、タイヤ空洞共鳴音を効果的に低減することができる。好ましくは、副気室数は4室以上であり、より好ましくは5室以上である。
【0021】
前記<5>の本発明のリムホイールでは、前記側壁をゴム部材により形成することで、副気室間の気密性を高めることができ、減音効果が向上するので、好ましい。但し、回転バランスを悪化させないように、各側壁は同寸法で、周上等配分位置に設定することが好ましい。
【0022】
前記<6>の本発明の製造方法は、縦壁をリムホイール鋳造時に成型することができる。また、縦壁の径方向外端部とビードシートとの間に円環状ゴム部材を固着することにより副気室が形成され、ボルトや溶接といった接合作業を排除することができる。即ち、リムホイール本体とは別に成型した円環状ゴム部材を接合するだけであるため、製造工数やコスト、重量の増加が少なく、また、回転バランスも損なうことがない。
【0023】
前記<7>の本発明の製造方法により、ゴム部材を良好にリムに固着させることができる。
【0024】
前記<8>の本発明の製造方法により、副気室の気密性をより高めることができる。側壁の気密性が高い程減音効果が向上するので、好ましい。また、円環状ゴム部材に側壁を一体的に成型することにより、製造工数の低減を図ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
図1〜3に示すように、本発明の一実施形態に係るリムホイール1においては、タイヤ10がこのリムホイール1のリム2に装着されることにより、タイヤ10とリム2との間に密閉されたタイヤ主気室11が形成される。
【0026】
なお、図示する好適例においては、リムホイール本体には、タイヤ装着時にタイヤビード部を落とし込むための凹状のウエル部7が形成されている。このウエル部7の底部は、ビードシート4よりもタイヤ径方向内側に位置している。
【0027】
ウエル部7は、適宜、軸方向に幅広または径方向内側に深い構造とすることができる。ここで、径方向内側に深い構造とは、ビード部とホイールベース部の径差が大きいという意味で、ブレーキスペースに余裕がある場合は、ホイールベース部の径を小さくすることで径差を大きくできるが、余裕がない場合はビード部の径を大きくして、タイヤ高さを小さくする(タイヤ外径を同じにする)、いわゆるインチアップ手法により径差を大きくすることができる。
【0028】
図1および2に示すように、副気室6はリム2と、リム2の軸方向外周面上に周方向に環状に形成された縦壁3と、縦壁3の径方向外端部と一方のビードシート4(矢印IN方向側)との間に固着された円環状ゴム部材5とにより形成されている。また、この副気室6は、図3に示すように、周方向に適宜間隔をあけて設けられた複数の側壁9により分割されている。本実施形態では5室の副気室6が配置されている。側壁9の端部は、円環状ゴム部材5に密着しており、各副気室6は完全に独立している。
【0029】
側壁9は、リムホイール鋳造時に縦壁3とともにリム2と一体的に成型してもよく、あるいは、円環状ゴム部材5と一体的に成型してもよい。
【0030】
ウエル部7を軸方向に幅広にすることに対しては、実質的に大きな制約はないため、ウエル部7を幅広化としつつ、副気室6の所望体積を得ることはできるが、より大きな体積を確保できるという観点からは、径方向内側に深くした方が好ましい。
【0031】
即ち、リム2にウエル部7を形成しつつ、所望体積の副気室6を形成するには、縦壁3をリム2の軸方向略中央に配置することが好ましい。これにより、従来通りタイヤをリムに組み付けることができる。
【0032】
本実施形態に係る円環状ゴム部材5においては、図1に示すように、円環状ゴム部材5の幅方向の一端部が、リム2の裏側(矢印IN方向側)のビードシート4に形成された段部4Aに係合し、例えば、接着剤または加硫接着等により固着されている。
【0033】
円環状ゴム部材5の幅方向の他端部は、縦壁3の径方向外端部に、同様に接着剤または加硫接着等により固着されている。
【0034】
ここで、円環状ゴム部材5を確実に固着するためには、円環状ゴム部材5の径を、リム2に形成された縦壁3およびビードシート4に形成された段部4Aの径よりも小径に形成する必要があるが、この場合、特に側壁9の数が少ないと、副気室6の周方向中央部付近で円環状ゴム部材5が周方向内側に凹んでしまう傾向がある。これを防止するために、円環状ゴム部材5には、周方向に沿って支持部を設けておくことが好ましい。これにより、円環状ゴム部材の凹みを防止して、副気室を確実に形成させることができる。支持部は、例えば、図6(イ)、(ロ)に示すように設けることができる。図中の矢印は周方向を示す。図6(イ)に示す支持部12aは、円環状ゴム部材5aの幅方向中央部付近に、周方向に沿って連続する壁状に設けられている。また、図6(ロ)に示す支持部12bは、円環状ゴム部材5bの幅方向中央部付近に、周方向に沿って適宜間隔で柱状に設けられている。支持部は、円環状ゴム部材と同材質にて一体的に形成することができ、円環状ゴム部材をリム2およびビードシート4に対し固着する際に、接着または加硫接着等の手段により、同様にしてリム2の軸方向外周面表面に固着することができる。支持部は円環状ゴム部材と別個に形成した後一体化するものであってもよく、また、その形状や設け方についても図示する例には制限されない。
【0035】
本発明の他の実施形態に係る他の円環状ゴム部材5Aにおいては、図4に示すように、この円環状ゴム部材5Aの幅方向の一端部が、リム2の裏側(矢印IN方向側)のビードシート4面に直接、例えば、接着剤または加硫接着等により固着され、他端部は、縦壁3の径方向に係合する係合部5Bを有し、この係合部5Bと縦壁3の径方向側面との間で固着している。
【0036】
さらに、図5に示すように、係合部5Bのゴム厚を肉厚とすることにより縦壁3を兼ねさせることもできる。
【0037】
円環状ゴム部材5には、各副気室6に対して1個づつ連通部8が形成されており、副気室6は連通部8を介してタイヤ主気室11に連通されている。また、図6(イ)に示すように、支持部を周方向に連続する壁状に設ける場合には、副気室が実質的に分割されるため、図示するように、分割された副気室の夫々に対し連通部8aを設ける必要がある。
【0038】
本実施形態では、この副気室6と連通部8とでヘルムホルツ共鳴吸音器が構成されている。
【0039】
ここで、リムホイール1にタイヤ10を組立てた場合、前記式を満足するように、各部の設定を行う。タイヤ主気室内の空洞共鳴周波数は、タイヤとリムの周長によって決まり、通常の乗用車用タイヤでは、250Hz近傍が空洞共鳴周波数である。軽自動車用のタイヤではこの周波数が高周波になり、トラック用の大きなタイヤでは低周波になる。
【0040】
なお、一つのリムホイール1に対する副気室6の総内容積は、タイヤ主気室11の体積の2%以上25%以下であることが好ましく、中でも3%以上15%以下が更に好ましい。
【0041】
本実施形態のリムホイール(7 1/2JJ×17)1にタイヤ(225/55R17)10を装着したときのタイヤ主気室11の体積は約35000cm3であり、4つの副気室6の総体積は1200cm3(300cm3×4個)であり、4つの副気室6の総体積はタイヤ主気室11の総体積の3.4%である。
【0042】
本発明の製造方法において、リムホイール1の鋳造時に縦壁3をリム2と一体的に成型する場合、従来の鋳造法をそのまま適用することができる。また、縦壁3の径方向外端部と一方のビードシート4との間に、円環状ゴム部材5を固着するにあたっては、加硫前の生ゴムを円環状に貼り付けた後、加硫接着することが好ましい。あるいは、予め加硫した円環状ゴム部材5を伸長させ拡径して装着してもよい。なお、この場合、接着剤等で固着しておくことが好ましい。連通部8は、副気室6に対応する箇所に、予めリムに固着する前に穿設しておくことが製造上、好ましい。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
従来のリムホイールとタイヤとの組み合わせ品(比較例)と、本発明の適用されたリムホイールとタイヤとの組み合わせ品(実施例)とを試作し、ロードノイズ評価ドラム試験を実施した。
【0044】
コントロール品:7 1/2JJ×17の通常のアルミホイールに225/55R17サイズの通常の乗用車用タイヤを装着したものである。
【0045】
実施例:図1に示す構造のリムホイール(側壁数4個)にコントロール品と同様の乗用車用タイヤを装着したものである。
【0046】
タイヤ主気室の体積約35000cm3に対し、副気室の総体積は1200cm3(タイヤ主気室の3.4%)であり、連通孔の径は0.8cm、連通孔の長さは0.4cmである。
【0047】
それぞれの実施例と比較例の共鳴周波数は、上記式に従い、それぞれ約222Hzとした。ロードノイズドラムは直径3mで、表面に一般的な道路形状を模したアスファルトが貼り付けてある。タイヤを荷重4900N(500kgf)でドラムに押し付け、速度60km/hで走行させた際の、各方向のドラム軸力を測定し、周波数解析を行った。
【0048】
上下方向の軸力の周波数解析を行った結果、実施例では、比較例に比し空洞共鳴ピークが約6dB低減した。
【0049】
また、実施例および比較例のタイヤを乗用車に装着し、テストコースにて、テストドライバー二人による実車走行を行い、操縦安定性試験、振動乗り心地試験を実施した。
【0050】
操縦安定性に関しては、駆動性、制動性、ハンドル応答性、操縦時のコントロール性を総合評価し、振動乗り心地試験に関しては、良路走行時振動、悪路走行時振動、段差などの特殊路走行時振動、車内騒音を総合評価し、コントロール(比較例)を100とした時の指数で実施例のタイヤを評価した。指数の数値が大きいほど良好である。実施例の結果は、操縦安定性が110、振動乗り心地性が115、車内騒音が155であった。
【0051】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、高い操縦安定性を確保しかつ重量増加を抑えつつ車両に伝達される振動を抑制し、乗り心地性の向上、車内騒音の低減等を長期にわたり確実に実現することができ、しかも高い生産性を有するリムホイール、およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るリムホイールの要部を示す回転軸に沿った断面図である。
【図2】図1に示すリムホイールの軸直角方向から見た側面図である。
【図3】図1に示すA−A線に沿う軸直角断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るリムホイールの要部を示す回転軸に沿った断面図である。
【図5】本発明の更に他の実施形態に係るリムホイールの要部を示す回転軸に沿った断面図である。
【図6】円環状ゴム部材に対する支持部の設け方の一例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 リムホイール
2 リム
3 縦壁
4 ビードシート
4A 段部
5,5a,5b 円環状ゴム部材
6 副駆室
7 ウエル部
8,8a,8b 連通部
9 側壁
10 タイヤ
11 主気室
12a,12b 支持部
Claims (8)
- リムと、該リムの外周面上に周方向に環状に形成された縦壁と、該縦壁の径方向外端部と一方のビードシートとの間に固着された円環状ゴム部材とにより形成され、周方向に適宜間隔をあけて設けられた複数の側壁により分割された複数の副気室を備え、前記円環状ゴム部材にタイヤ主気室と前記副気室とを連通させる連通部を有し、前記副気室と前記連通部とでヘルムホルツ共鳴吸音器が構成されていることを特徴とするリムホイール。
- 前記リムに、底部位置がビードシートよりも径方向内側に位置する凹状のウエル部が形成されている請求項1記載のリムホイール。
- 隣接する側壁間の周方向長さの略中央に連通部を有する請求項1または2記載のリムホイール。
- 前記副気室が3室以上設けられている請求項1〜3のうちいずれか一項記載のリムホイール。
- 前記側壁がゴム部材により形成されている請求項1〜4のうちいずれか一項記載のリムホイール。
- 請求項1〜5のうちいずれか一項記載のリムホイールを製造するにあたり、
リムホイール鋳造時に前記縦壁をリムと一体的に成型する工程と、
成型されたリムの、縦壁の径方向外端部と一方のビードシートとの間に、各副気室に対応するように複数の前記連通部を穿設した円環状のゴム部材を固着する工程と、
を包含することを特徴とするリムホイールの製造方法。 - 前記ゴム部材を加硫接着により固着する請求項6記載のリムホイールの製造方法。
- 前記側壁を前記円環状ゴム部材と一体的に成型する請求項6または7記載のリムホイールの製造方法。
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