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JP3973295B2 - 高耐熱性無機繊維の製造方法 - Google Patents

高耐熱性無機繊維の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、断熱材、フィルタ材またはプラスチック、金属、セラミックス、コンクリート等の強化材等その他広範な用途に使用される無機繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属の弾性率及び高温強度の改善、セラミックスの靱性の改善等を目的として、Al2 3 系、SiC系等の連続繊維をその強化材として適用するための研究開発が活発に行われている。
Al2 3 系繊維は、高温における耐酸化性が良好なことや溶融金属に対して比較的安定であることなどから、上記用途への適用が期待されている。しかしながら、Al2 3 系繊維は、例えば1200℃以上の温度においてその強度が低下するなど、セラミックス強化用としては耐熱性が十分に高くない。
したがって、高温における耐酸化性が良好な酸化物であって、Al2 3 系繊維以上の高耐熱性を有する繊維の開発が待たれている。
【0003】
米国特許第5,605,870号には、10poises以下の粘度を有する溶融液より製造されるセラミックファイバーが開示されている。この繊維は、それ自体公知のいわゆる melt extraction法により製造され、非晶質相及び/又は結晶相から構成されている。しかし、クレーム1の記載によると、「結晶粒径がlinear matt surfaced line より放射線状に増加する」との限定があり、本発明による各々の結晶質相が繊維中に均一に分散して存在し、かつその粒子径が揃っている無機繊維とは異なるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような現状を鑑みて、本発明者らは、室温においても高温においても高強度を有し、高温における耐酸化性が良好な酸化物繊維を得るべく鋭意研究を重ね、本発明に記す新規な無機繊維を見出した。
すなわち、Ln(Lnは少なくとも一種の希土類金属元素)、A(AはAl,Cr,Fe及びGaからなる群から選択される少なくとも一種の元素)及びOから構成される溶融液を回転ロールに接触させて冷却し、細線状に凝固させて製造されるLn、A、及びOから構成される繊維を700〜1700℃で加熱することにより製造される、結晶質のLn3 5 12相、結晶質のLnAO3 相及び結晶質のA2 3 相からなる群から選択される少なくとも二種の結晶質相から構成される無機繊維が、室温においても高温においても高強度を有することが見出された。
【0005】
本発明の目的は、室温から高温までの引張強度が大きく、断熱材、フィルタ材またはプラスチック、金属、セラミックス、コンクリート等の強化材等その他広範な用途に好適に使用することができる無機繊維を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、結晶質のLn3 5 12相(Lnは少なくとも一種の希土類金属元素、AはAl,Cr,Fe及びGaからなる群から選択される少なくとも一種の元素)、結晶質のLnAO3 相及び結晶質のA2 3 相からなる群から選択される少なくとも二種の結晶質相から構成され、室温から1200℃の温度範囲で高い強度を有する無機繊維に関する。
【0007】
この無機繊維は、Ln(Lnは少なくとも一種の希土類金属元素)、A(AはAl,Cr,Fe及びGaからなる群から選択される少なくとも一種の元素)及びOから構成される溶融液を回転ロールに接触させて冷却し、細線状に凝固させて製造されるLn、A、及びOから構成される繊維を700〜1700℃で加熱することにより製造されるものである。
ここで、「結晶質」とは、透過電子顕微鏡観察によって結晶格子像を確認することができる相の原子構造を意味する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明におけるLnとしては、Er,Yb,Dy,Y,Gd,La,Sm,Ce,Pr,Nd,Eu,Tb,Ho,Tm及びLuからなる群から選択される少なくとも一種の希土類金属元素が挙げられ、特に、Er,Yb,Dyは得られる無機繊維の強度が高くなるので好ましい。
【0009】
Aとしては、Al,Cr,Fe及びGaからなる群から選択される少なくとも一種の元素が挙げられ、特に、AがAl及び/又はCrの場合は得られる無機繊維の高温強度が高くなるので好ましい。
【0010】
本発明の無機繊維におけるAの割合は、A2 3 換算で10〜90モル%の範囲にあることが好ましい。
本発明の無機繊維は、Ln3 5 12,LnAO3 ,A2 3 で表わされる結晶相の群から選ばれる少なくとも二種の結晶相(例えばA2 3 でもAが異なれば異なる結晶相)で構成される実質的に結晶質相のみよりなるものであるが、結晶粒界には非晶質相が存在し得る。
また、本発明の無機繊維の形状は、特に限定されないが、円形又は円形に近い断面を有することが好ましい。本発明の無機繊維は連続繊維としても短繊維としても使用できる。
無機繊維の横断面の寸法は、断面形状にもより一概ではないが、3〜50μmの直径を有するものが良く、5〜30μmの直径を有するものがより好ましい。
【0011】
本発明の無機繊維の室温、好ましくはさらに1200℃における引張強度は、1.5GPa 以上、好ましくは2.0GPa 以上であることが望ましい。
本発明の無機繊維は、高い強度を有し、室温より1200℃までの温度範囲ではその強度はほとんど温度依存性を示さないことから、例えば、セラミックスの強化用繊維や高温炉の断熱材等として特に有用である。
【0012】
本発明の無機繊維は、Ln、A及びOから構成される溶融液を回転ロールに接触させて冷却し、細線状に凝固させて製造されるLn、A、及びOから構成される繊維を700〜1700℃で加熱することにより製造される。
700〜1700℃での加熱前の繊維(以下、中間繊維と記す)は、特願平9−353270号に記載された方法によって製造される。以下、その方法について詳細に説明する。
【0013】
溶融前の原料としては、一般的にはLnの酸化物及びAの酸化物が用いられるが、溶融したときに酸化物になるものであれば良く、水酸化物、炭酸塩等を用いても良い。原料の形態としては、粉体、成形体、焼結体、凝固体のいずれでも良く、また、これらの二つ以上が組み合わさったものでも良い。
【0014】
前記の原料の溶融方法は、少なくとも該原料の回転ロールに接触する部分をその融点以上の温度に加熱することが可能な方法であればいかなる方法でも良く、加熱源として、例えば、アーク、レーザー、電子ビーム、光、赤外線、高周波等を用いることができる。高周波を用いる場合は、該原料が室温近傍においてほとんど導電性を有さないために、導電性を有しかつ該原料の融点より高い融点を有する坩堝に該原料を収容する必要がある。例えば、Mo,W,Ta,Ir,Nb等の坩堝が好適に用いられる。また、原料が粉体である場合も上記のような材質の坩堝や支持台を用いる必要があるが、この場合は上記坩堝に加えて、水などによって冷却を施したCu製の坩堝や支持台等を使用することもできる。原料が粉体である場合以外でもこれらの坩堝や支持台等を好適に使用することができる。
【0015】
原料の溶解は、大気中、不活性ガス中、還元性ガス中、炭化水素ガス中、真空中などいかなる雰囲気中で行われても良いが、原料の融点以下の温度において酸化されやすい坩堝等を用いる場合は、アルゴンガスやヘリウムガスなどの不活性ガス雰囲気中または真空中などで溶解を行うことが好ましい。また、アークにより原料を溶解する場合は、アークが発生するに十分なアルゴンガス等が雰囲気中に含まれている必要がある。
【0016】
回転ロールの材質には特に制限はないが、熱伝導率が大きいものや高融点金属などがロールの寿命や得られる繊維の品質の安定性の点で好ましい。具体的には、Cu、Cu合金、Mo,Ta,W,Ir等を好適に使用することができる。
回転ロールと溶融液との接触は、例えば、溶融液に回転ロールの先端を回転接触させる、あるいは回転ロール上に溶融液を落下させるなどのいずれの態様でも良い。
ただし、回転ロールの形状としては、その先端が溶融液と小さい面積で接触することが可能なものが、得られる繊維の断面形状を均一にするのに都合が良く、例えば図1に示すように、先端にV字型の突起を有する回転ロールを好適に使用することができる。
【0017】
このような回転ロールを溶融液に接触させる際の回転ロールの周速度は10m/sec 以下であることが望ましい。周速度が10m/sec より速い場合は、断面積が一定の繊維を得ることが難しくなる場合があるためである。
【0018】
本発明の中間繊維を製造する装置としては、例えば図2に示すような機構を有するものを使用することができる。W電極(1)と水冷を施されたCu製坩堝(2)の間に発生させたアーク(3)により溶解されたLn、A及びOから構成される溶融液(4)をCu製坩堝を横方向に移動させることにより矢印の方向に回転するロール(5)に接触させ、細線状に凝固させることで上記元素より構成される中間繊維(6)を得るものである。
【0019】
中間繊維から本発明の無機繊維への転換は、中間繊維を700〜1700℃で加熱することにより行われる。熱処理の温度、時間、昇降温速度等を適宜選択することにより目的とする無機繊維を得ることができる。
中間繊維の加熱方法は、該繊維を700〜1700℃に加熱することが可能な方法であればいかなる方法でも良く、加熱源として、例えば、通電により発熱するSiC,MoSi2 などの発熱体、高周波、レーザー、電子ビーム、光、赤外線等を用いることができる。
【0020】
一般的には、Al2 3 ,SiC等のセラミックス、Mo,Ta,W,Ir,Nb等の高融点金属製の坩堝等に中間繊維を収容して、坩堝ごと加熱を行う、または、同様の素材からなるドラムに中間繊維を巻き取り、ドラムごと加熱を行うなどの方法が用いられる。他にも、所定の温度に昇温された管状炉の炉内に繊維を連続して通す方法などを適用することもできる。
また、より高い強度を有する繊維を得るためには、結晶が繊維方向に成長するように、中間繊維が繊維の片側から繊維方向に徐々に加熱を受けるような一方向加熱を行うこともできる。この場合の加熱処理は、上述のような管状炉の炉内に繊維を連続して通す方法によっても可能であるが、レーザー、電子ビーム、光、赤外線等を用いて、繊維又は被加熱部を繊維方向に移動させる方法を適用することもできる。
【0021】
中間繊維の加熱処理は、大気中、不活性ガス中、還元性ガス中、炭化水素ガス中、真空中などいかなる雰囲気中で行われても良いが、用いられる坩堝、ドラム等の材質により制限を受ける場合がある。
【0022】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明についてさらに具体的に説明する。
実施例1
原料にはα−Al2 3 粉末とEr2 3 粉末を用いた。α−Al2 3 粉末とEr2 3 粉末をモル比で前者を81.1、後者を18.9の割合でエタノールを用いた湿式ボールミルによって混合し、得られたスラリーからロータリーエバポレータを用いてエタノールを除去した。
得られた混合粉末をステンレス製のダイスを用いて一軸プレスにより直径10mm、高さ10mmの円柱状に成形し、次いでこの円柱状成形体をアークにより溶解しボタン状の凝固体を得た。
このボタン状凝固体を図2に示す水冷を施したCu製坩堝(2)に収容し、その後、図2の機構が収容される系内を−0.04MPa のアルゴンガス雰囲気にし、W電極とCu製坩堝の間にアークを発生させた。アークによってボタン状凝固体を溶解し、この溶解状態を維持したまま、Cu製坩堝を移動させて、2m/sec の周速度で回転する先端に30°のV字型突起を有する直径70mmのCu製ロールに接触させ、平均直径15μmの連続繊維を得た。
次いで、この中間繊維をAl2 3 製の坩堝に収容し、MoSi2 製の発熱体が装着された箱型の電気炉を用いて空気中で加熱処理を行った。1000℃/hrの速度で昇温し、1400℃で2hr保持した後に降温し、平均直径14μmの連続繊維を得た。
得られた繊維は、Cu−Kα線を用いたX線回折及び走査電子顕微鏡観察により、複数の100〜150nmのEr3 Al5 12相及び複数の100〜150nmのAl2 3 相から構成された結晶質であり、各々の結晶相が繊維中に均一に分散して存在していることがわかった。
また、この繊維の引張試験を、室温の場合は負荷速度2mm/min 、スパン25mmの条件で、1000℃及び1200℃の空気中の場合は負荷速度2mm/min 、スパン100mmの条件で行った。測定された室温、1000℃及び1200℃での引張強度の平均値を表1に示す。
【0023】
実施例2
原料にα−Al2 3 粉末とYb2 3 粉末を用い、その混合比をモル比で前者を83.7、後者を16.3とした以外は実施例1と同様の方法で連続繊維を得た。
得られた繊維は実施例1と同様の分析により、複数の100〜150nmのYb3 Al5 12相及び複数の100〜150nmのAl2 3 相から構成された結晶質であり、各々の結晶相が繊維中に均一に分散して存在していることがわかった。
また、この繊維の引張試験を実施例1と同様にして行った結果を表1に示す。
【0024】
実施例3
原料にα−Al2 3 粉末とDy2 3 粉末を用い、その混合比をモル比で前者を78.9、後者を21.1とした以外は実施例1と同様の方法で連続繊維を得た。
得られた繊維は実施例1と同様の分析により、複数の100〜150nmのDy3 Al5 12相及び複数の100〜150nmのAl2 3 相から構成された結晶質であり、各々の結晶相が繊維中に均一に分散して存在していることがわかった。
また、この繊維の引張試験を実施例1と同様にして行った結果を表1に示す。
【0025】
実施例4
原料にα−Al2 3 粉末とY2 3 粉末を用い、その混合比をモル比で前者を82、後者を18とした以外は実施例1と同様の方法で連続繊維を得た。
得られた繊維は実施例1と同様の分析により、複数の150〜200nmのY3 Al5 12相及び複数の150〜200nmのAl2 3 相から構成された結晶質であり、各々の結晶相が繊維中に均一に分散して存在していることがわかった。また、この繊維の引張試験を実施例1と同様にして行った結果を表1に示す。
【0026】
実施例5
原料にα−Al2 3 粉末とGd2 3 粉末を用い、その混合比をモル比で前者を78、後者を22とし、中間繊維の加熱処理温度を1300℃とした以外は実施例1と同様の方法で連続繊維を得た。
得られた繊維は実施例1と同様の分析により、複数の120〜160nmのGdAlO3 相及び複数の120〜160nmのAl2 3 相から構成された結晶質であり、各々の結晶相が繊維中に均一に分散して存在していることがわかった。
また、この繊維の引張試験を実施例1と同様にして行った結果を表1に示す。
【0027】
実施例6
原料にα−Al2 3 粉末とSm2 3 粉末を用い、その混合比をモル比で前者を69、後者を31とした以外は実施例5と同様の方法で連続繊維を得た。
得られた繊維は実施例1と同様の分析により、複数の120〜160nmのSmAlO3 相及び複数の120〜160nmのAl2 3 相から構成された結晶質であり、各々の結晶相が繊維中に均一に分散して存在していることがわかった。
また、この繊維の引張試験を実施例1と同様にして行った結果を表1に示す。
【0028】
実施例7
原料にα−Al2 3 粉末とLa2 3 粉末を用い、その混合比をモル比で前者を77.5、後者を22.5とし、また回転ロールの周速度を1m/sec にした以外は実施例5と同様の方法で連続繊維を得た。
得られた繊維は実施例1と同様の分析により、複数の120〜160nmのLaAlO3 相及び複数の120〜160nmのAl2 3 相から構成された結晶質であり、各々の結晶相が繊維中に均一に分散して存在していることがわかった。
また、この繊維の引張試験を実施例1と同様にして行った結果を表1に示す。
【0029】
実施例8
原料にCr2 3 粉末とEr2 3 粉末を用い、その混合比をモル比で前者を78、後者を22とした以外は実施例1と同様の方法で連続繊維を得た。
得られた繊維は実施例1と同様の分析により、複数の150〜200nmのErCrO3 相及び複数の150〜200nmのCr2 3 相から構成された結晶質であり、各々の結晶相が繊維中に均一に分散して存在していることがわかった。
また、この繊維の引張試験を実施例1と同様にして行った結果を表1に示す。
【0030】
実施例9
原料にCr2 3 粉末とGd2 3 粉末を用い、その混合比をモル比で前者を80、後者を20とした以外は実施例1と同様の方法で連続繊維を得た。
得られた繊維は実施例1と同様の分析により、複数の150〜200nmのGdCrO3 相及び複数の150〜200nmのCr2 3 相から構成された結晶質であり、各々の結晶相が繊維中に均一に分散して存在していることがわかった。
また、この繊維の引張試験を実施例1と同様にして行った結果を表1に示す。
【0031】
実施例10
原料にGa2 3 粉末とGd2 3 粉末を用い、その混合比をモル比で前者を69.2、後者を30.8とした以外は実施例1と同様の方法で連続繊維を得た。
得られた繊維は実施例1と同様の分析により、複数の150〜200nmのGd3 Ga5 12相及び複数の150〜200nmのGa2 3 相から構成された結晶質であり、各々の結晶相が繊維中に均一に分散して存在していることがわかった。
また、この繊維の引張試験を実施例1と同様にして行った結果を表1に示す。
【0032】
比較例1
原料にα−Al2 3 粉末とZrO2 粉末を用い、その混合比をモル比で前者を62、後者を38とし、また回転ロールの周速度を0.5m/sec にした以外は実施例5と同様の方法で連続繊維を得た。
得られた繊維は実施例1と同様の分析により、複数の100〜1500nmのZrO2 相、複数の100〜1000nmのAl2 3 相から構成されており、相対的に粗大な結晶相がロールの接触部分から放射線状に成長していることがわかった。つまり、この繊維の組織は不均一であることがわかった。
また、この繊維の引張試験を実施例1と同様にして行った結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003973295
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、高温における耐酸化性が良好な酸化物であり、室温から高温までの引張強度が大きく、断熱材、フィルタ材又はプラスチック、金属、セラミックス、コンクリート等の強化材等その他広範な用途に好適に使用することができる無機繊維が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の無機繊維の中間繊維の製造に用いる回転ロールの形状の一例を示す図面である。
【図2】図2は、本発明の無機繊維の中間繊維の製造に用いる装置の機構の一例を示す図面である。
【符号の説明】
1…W電極
2…Cu製坩堝
3…アーク
4…溶融液
5…ロール
6…中間繊維

Claims (6)

  1. Ln(Lnは少なくとも一種の希土類金属元素)、A(AはAl,Cr,Fe及びGaからなる群から選択される少なくとも一種の元素)及びOから構成される溶融液を回転ロールに接触させて冷却し、細線状に凝固させて製造されるLn、A、及びOから構成される繊維を700〜1700℃で加熱することにより、結晶質のLn3512相、結晶質のLnAO3 相及び結晶質のA23 相からなる群から選択される少なくとも二種の結晶質相から構成される高耐熱性無機繊維を製造することを特徴とする高耐熱性無機繊維の製造方法
  2. AがAl及び/又はCrである請求項1記載の高耐熱性無機繊維の製造方法
  3. 各々の結晶質相が繊維中に均一に分散して存在し、かつその粒子径が揃っていることを特徴とする請求項1又は2記載の高耐熱性無機繊維の製造方法
  4. 希土類金属元素が、Er,Yb,Dy,Y,Gd,La,Sm,Ce,Pr,Nd,Eu,Tb,Ho,Tm及びLuからなる群から選択される少なくとも一種の元素であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高耐熱性無機繊維の製造方法
  5. 希土類金属元素が、Er,Yb及びDyからなる群から選択される少なくとも一種の元素であることを特徴とする請求項4に記載の高耐熱性無機繊維の製造方法
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法により製造された高耐熱性無機繊維。
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