JP3928074B2 - ポルフィリン蓄積型除草剤耐性遺伝子 - Google Patents
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Description
関連出願
本願は、1995年7月20日出願の国際出願PCT/US95/09098の一部継続出願である。
発明の分野
この発明は、植物および藻類細胞にポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を付与するDNA断片類、これらDNA断片類を含むプラスミド類および微生物類、これらDNA断片類を使用して植物および藻類細胞にポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を付与する方法、並びにこのような除草剤に対する耐性を付与するためにこれらDNA断片類が導入された植物類および藻類に関するものである。
関連技術の記載
市販その他により入手可能な若干の種類の除草剤で有効成分として使用されている1群の周知の化合物は、光の存在下で除草活性を発揮するが、暗所では除草活性を発揮しない。このことが、それらに対する一般的名称としての光依存性またはポルフィリン性除草剤の語を導いた。最近、これらの除草剤が植物類および藻類において高濃度のポルフィリン蓄積を誘導することが示され、そのため、これらは現在「ポルフィリン蓄積型除草剤」[続医薬品の開発(翻訳:ザ・デベロップメント・オブ・メディカル・ドラッグ・プロダクツ;コンティニュエーション)、18巻、農薬の開発II、16章、16-1節;岩村俶、上野民雄および鴨下克三編、東京、広川書店刊]または単に「ポルフィリン性除草剤」と呼ばれている。エム・マトリンジェ、ジェイ・エム・カマドロ、ピー・ラッベ、、アール・スカラ(バイオケミカル・ジャーナル260巻231頁(1989年)およびエム・マトリンジェ・ジェイ・エム・カマドロ、ピー・ラッベ、、アール・スカラ(FEBSレターズ245巻35頁(1989年)は、ポルフィリン蓄積型除草剤(以下、ポルフィリン性除草剤ともいう)が単離したプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(以下、「プロトックス」という)を阻害することを報告した。
ほとんどの作物用植物類はこれらのポルフィリン性除草剤に対する耐性を示さないので、このような作物が栽培されている場合これらの除草剤を農地で使用することができなかった。もしポルフィリン性除草剤に対して耐性をもつ作物を開発できたならば、これらの作物に対してこのような除草剤を使用できる。このことは作物の管理を容易にし、農業用途におけるこれらの除草剤の価値を高めるであろう。この理由から、作物用植物類に対してポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を付与する方法を開発することが望ましい。
発明の要約
この目標を念頭において、この発明者らは、ポルフィリン性除草剤に特異的耐性を示す単細胞緑藻類クラミドモナス・レインハルティのRS-3と称する変異株について研究した。この藻類の野生株は、通常ポルフィリン性除草剤に高い感受性を持つ。この発明者等は、クラミドモナス・レインハルティのRS-3株から単離した葉緑体断片類において、ポルフィリン性除草剤によるプロトックス活性の阻害が、野生株の葉緑体断片類におけるものより顕著に低いことを見出した。そこで、この発明者等は、RS-3変異株から単離した全核DNAからゲノムDNAライブラリーを作成し、ポルフィリン性除草剤に対する耐性の原因をなす遺伝子を含むクローン類を単離することに成功した。すなわち、この発明者等は、ポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を植物および藻類細胞に付与しうるDNA断片類を得ることができた。
したがって、この発明の一つの目的は、植物または藻類細胞中で発現されたときポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を付与する、単離精製したDNA断片、上記DNA断片を含むプラスミド類および微生物類を提供することである。この発明によるDNA断片は、好ましくは、藻類のゲノムを含むDNAにおける1個またはそれ以上の部分のヌクレオチド配列を有するか、または藻類のゲノムにおける1個またはそれ以上の部分を含むDNAのヌクレオチド配列に高い相同性を有するヌクレオチド配列を有する。
この発明の別の目的は、上記DNA断片が発現される上記植物または藻類細胞に上記DNA断片を導入することを含む、ポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を植物または藻類細胞に付与する方法;および、上記DNA断片を導入し、それにより上記植物または藻類細胞に除草剤耐性を付与した、上記DNA断片が発現される上記植物または藻類細胞である。
この発明の他の目的は、下記特徴:
a)ポルフィリン蓄積型除草剤に耐性を示す単細胞緑藻類クラミドモナス・レインハルティの株から得たDNA断片に由来するヌクレオチド配列を含み;
b)XhoI、PstI、PstI、PstI、PstI、PstI、BamHI、SalI、SalI、およびXhoIに対する制限部位を含み、図1(a)に示す制限地図を有し;
c)分子の大きさが約3.4kbであり;
d)その中で発現されたときポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を植物または藻類細胞に付与すること、
を有する単離精製したDNA断片、またはその生物学的に機能する均等物を提供することである。
この発明の外の目的は、下記特徴:
a)ポルフィリン蓄積型除草剤に耐性を示す単細胞緑藻類クラミドモナス・レインハルティの株から得たDNA断片に由来するヌクレオチド配列を含み;
b)EcoRI、XhoI、PstI、PstI、PstI、PstI、PstI、BamHI、SalI、SalI、XhoI、およびHindIIIに対する制限部位を含み、図1(b)に示す制限地図を有し;
c)分子の大きさが約9.9kbであり;
d)その中で発現されたときポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を植物または藻類細胞に付与すること、
を有する単離精製したDNA断片、またはその生物学的に機能する均等物を提供することである。
この発明の他の目的は、下記特徴:
a)ポルフィリン蓄積型除草剤に耐性を示す単細胞緑藻類クラミドモナス・レインハルティの株から得たDNA断片に由来するヌクレオチド配列を含み;
b)EcoRI、XhoI、PstI、PstI、PstI、PstI、PstI、BamHI、SalI、SalI、XhoI、HindIII、およびKpnIに対する制限部位を含み、図1(c)に示す制限地図を有し;
c)分子の大きさが約10.0kbであり;
d)その中で発現されたときポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を植物または藻類細胞に付与すること、
を有する単離精製したDNA断片、またはその生物学的に機能する均等物を提供することである。
この発明の外の目的は、下記特徴:
a)ポルフィリン蓄積型除草剤に耐性を示す単細胞緑藻類クラミドモナス・レインハルティの株から得たDNA断片に由来するヌクレオチド配列を含み;
b)EcoRI、XhoI、PstI、PstI、PstI、PstI、PstI、BamHI、SalI、SalI、XhoI、HindIII、BamHI、SalI、HindIII、およびKpnIに対する制限部位を含み、図1(d)に示す制限地図を有し;
c)分子の大きさが約13.8kbであり;
d)その中で発現されたときポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を植物または藻類細胞に付与すること、
を有する単離精製したDNA断片、またはその生物学的に機能する均等物を提供することである。
この発明のその目的は、前記DNA断片類またはその生物学的に機能する均等物のいずれかを含むプラスミド類および微生物類と;植物または藻類細胞に、上記DNA断片類またはその生物学的に機能する均等物を機能的に作動できるように導入し、その結果上記DNA断片類またはその生物学的に機能する均等物が上記植物または藻類細胞中で発現され、DNA断片の発現が形質転換植物または藻類細胞にポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を付与することを含む、ポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を植物または藻類細胞に付与する方法を提供することである。この発明のDNA断片類により機能的に作動できるように形質転換されたインビトロ培養細胞は、ポルフィリン蓄積型除草剤に対して、少なくとも0.01μMの濃度、好ましくは0.03μMの濃度、最も好ましくは0.1μMの除草剤濃度で耐性であるのが好ましい。試験化合物として化合物Aまたは化合物Bを使用する場合、濃度範囲は、好ましくは0.01ないし0.3μM、さらに好ましくは0.03ないし0.6μM、最も好ましくは0.1ないし0.3μMである。その他の場合、範囲は0.01ないし30μM、さらに好ましくは0.03ないし10μM、最も好ましくは0.1ないし3μMの間である。形質転換植物類またはその組織の耐性試験に用いる除草剤濃度は、これらの範囲の上端またはそれ以上であり、当業界で典型的な実験法により通常の技術者によって決定することができる。インビトロ細胞または形質転換植物類もしくは藻類体の除草剤耐性試験に用いる除草剤は、好ましくはN−フェニル−テトラヒドロフタルイミド化合物である。N−(4−クロロ−2−フルオロ−5−プロパルギルオキシ)フェニル−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド(化合物A)または7−フルオロ−6−[(3,4,5,6)−テトラヒドロフタルイミド]−4−(2−プロピニル)−1,4−ベンズオキサジン−3(2H)−オン(以下、「化合物B」という)が、この目的に特に好ましい。
この発明の他の目的は、上記DNA断片類またはその生物学的に機能する均等物が機能的に作動できるように導入されている植物類または藻類を提供することである。
この発明のさらに外の目的は、配列番号1に示すヌクレオチド配列を含む単離精製ゲノムDNA断片;上記DNA断片を含むプラスミド類および微生物類;ポルフィリン性除草剤耐性を、上記cDNAが発現される植物または藻類細胞に付与する、上記DNA断片によりコード化されたmRNAに対応するcDNAを導入することを含む、ポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を植物または藻類細胞に付与する方法;および、配列番号1に示されるヌクレオチド配列を有する、上記DNA断片によりコード化されたmRNAに対応するcDNAが導入された、上記cDNAが発現される植物類または藻類を提供することである。
この発明のさらに外の目的は、組み換えプラスミドまたは形質転換微生物の作成、植物および藻類細胞にポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を付与する関連DNA配列の同定に有用なプローブの作成、およびポルフィリン蓄積型除草剤に対して耐性をもつ植物類または藻類の作成のための(除草剤耐性の)遺伝子マーカーとしての、本書中に開示したDNA断片類またはその生物学的に機能する均等物のいずれかの使用を含む。
この発明のDNA断片類またはその生物学的に機能する均等物は、以下「本件核酸断片類」または「本件DNA断片類」と称する。具体的な個々の断片類は、その制限部位および分子の大きさにより指定する。
この発明は、上記DNA断片類またはその生物学的に機能する均等物を含むプラスミド類(以下「本件プラスミド類」という)、これらDNA断片類またはその生物学的に機能する均等物を含む微生物類(以下「本件微生物類」という)、これらDNA断片類またはその生物学的に機能する均等物を含む植物類または藻類(以下「本件植物類」という)、並びにこれらDNA断片類またはその生物学的に機能する均等物を使用してポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を植物または藻類細胞に付与する方法を包含する。
本書中で使用する用語に関して述べると、「DNA断片類」の語は、本件断片類だけでなく、これらの断片類の縮重異性体および遺伝学的に均等な修飾形態にも当てはまる。ここにおいて、「縮重異性体」は、そのヌクレオチドの塩基配列が元の断片類に縮重的な関係を持つ異性体;すなわち元の断片類と本質的に同一の遺伝情報を含む対応mRNAまたはcDNAを意味するものとして用いる。ここにおいて、「遺伝学的に均等な修飾形態」は、塩基の変更、付加、または欠失を受けたが本質的に元の断片類と同一の固有遺伝情報を含むDNA断片類を意味するものとして用いる。
後者の具体例は、そのヌクレオチド配列が本件核酸断片類に高い相同性を示し、常用のDNA−DNAまたはDNA-RNAハイブリダイゼーション技術により容易に単離されるか、または既知のPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法を用いて増幅され、常用の形質転換技術により普通ポルフィリン蓄積型除草剤に対して感受性をもつ植物または藻類細胞に導入したときこれらの除草剤に対する耐性を付与する能力を有するDNA断片類を包含する。
「ポルフィリン蓄積型除草剤」または「ポルフィリン性除草剤」の語句は、光依存性除草剤、すなわち光の存在下では感受性植物を殺害するが、暗所では除草活性を示さず、適用された植物に高濃度のポルフィリン蓄積を誘導する化合物に当てはまる。これらの除草剤は、例えば、オキサディアゾン、フルプロパシル、[N−(4−クロロ−2−フルオロ−5−プロパルギルオキシ)フェニル−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド](以下化合物Aという)、アシフルオルフェン、ラクトフェン、オキシフルオルフェンのようなジフェニルエーテル系除草剤、並びに以下のもの:ペンチル[2−クロロ−5−(シクロヘキサ−1−エン−1,2−ジカルボキシイミド)−4−フルオロフェノキシ]アセテート、7−フルオロ−6−[(3,4,5,6)−テトラヒドロフタルイミド]−4−(2−プロピニル)−1,4−ベンズオキサジン−3(2H)−オン(以下「化合物B」という)、6−[(3,4,5,6)−テトラヒドロフタルイミド]−4−(2−プロピニル)−1,4−ベンズオキサジン−3(2H)−オン、2−[7−フルオロ−3−オキソ−4−(2−プロピニル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンズオキサジン−6−イル]ペルヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−1,3−ジオン、2−[(4−クロロ−2−フルオロ−5−プロパルギルオキシ)フェニル)]ペルヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾロ[1,2−a]ピリダジン−1,3−ジオン、2−[7−フルオロ−3−オキソ−4−(2−プロピニル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンズオキサジン−6−イル]−5,6,7,8−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3H−オン、2−[3−オキソ−4−(2−プロピニル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンズオキサジン−6−イル]−1−メチル−6−トリフルオロメチル−2,4−(1H,3H)−ピリミジンジオン、2−[6−フルオロ−2−オキソ−3−(2−プロピニル)−2,3−ジヒドロベンズチアゾール−5−イル]−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド、1−アミノ−2−[3−オキソ−4−(2−プロピニル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンズオキサジン−6−イル]−6−トリフルオロメチル−2,4−(1H,3H)−ピリミジンジオンおよびこれらの化合物の類似体を包含する。
本件核酸断片類は、そのヌクレオチド配列の人工合成により作成することができる;しかし、さらに代表的には、ポルフィリン蓄積型除草剤に耐性を示す単細胞緑藻類クラミドモナス・レインハルティのRS-3と称する変異株から単離される。上記RS−3株は、登録番号CC−2674としてクラミドモナス・ジェネティックス・センター(宛名:アメリカ合衆国、27708−1000、ノースカロライナ州、ダラム、デューク・ユニバーシティ、ボックス91000、デパートメント・オブ・ボタニー、DCMBグループ)に保存されている。したがって、RS−3株は分譲により公衆が入手することができる。下記に示すように、本件核酸断片類を含むプラスミド類を宿した微生物類もまた、ブタベスト条約の規定の下に寄託されており、それゆえ自由に入手できる。これらの微生物類に宿されたプラスミド類は、常用の技術により容易に抽出することができ、本件断片類は図1(a)−1(d)に示す制限地図を参照して採取することができる。例えば、PCRまたはその他の部位指向性の突然変異誘発技術を用いてこれらの断片類に特異的改変を導入し、または本件核酸断片類に高い相同性を示す他のDNA断片類を単離するためのプローブとして、本件核酸断片類またはそれらに対応するcDNA類、PCR産物、またはオリゴヌクレオチド類を使用し、上記の同族体を生成することができる。
この発明の適用性に関するそれ以上の範囲は、下記の詳細な説明および図面から明らかになろう。しかし、この発明の思想と範囲内における種々の変更と修飾がこの詳細な記載から当業者に明らかになるのであるから、下記の詳細な説明および具体例は、この発明の好ましい実施態様を示すものではあるが、単に説明のために示すものである。
【図面の簡単な説明】
この発明の上記およびその他の目的、特徴、および利点は、添付図面と下記の詳細な説明からさらによく理解されるが、これらはすべて説明のみを目的とするものであり、この発明の範囲を限定するものではない;図中、
図1(a)−1(d)は、ポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を付与する種々の大きさのクローンしたDNA断片類の制限地図を示す。断片類の大きさは図1(e)中の数字(kb)で示す。略号:B=BamHI;S=SalI;P=PstI;X=XhoI;E=EcoRI;H=HindIII;K=KpnI;C=ClaI。
図1(a):Xho3.4と称する3.4kbのDNA断片;
図1(b):Hind9.9と称する9.9kbのDNA断片;
図1(c):Hind10.0と称する10.0kbのDNA断片;
図1(d):Eco13.8と称する13.8kbのDNA断片;
図1(e):コスミドクローン2955(Cos2955)に收容された約40kbのDNA断片。
図2は、Xho3.4断片を挿入断片として含むpBSプラスミドの構造を示す。制限部位間の距離(kb)は挿入断片中の数字により示す。
図3は、Hind10.0断片を挿入断片として含むpBSプラスミドの構造を示す。制限部位間の距離(kb)は挿入断片中の数字により示す。図1(c)および2にPstI部位を示す。
図4は、Eco13.8断片を挿入断片として含むpBSプラスミドの構造を示す。制限部位間の距離(kb)は挿入断片中の数字により示す。図1(d)および2にPstI部位を示す。
発明の詳細な説明
以下に示すこの発明の詳細な説明は、当業者によるこの発明の実施を補助するために提供されるものである。ここに検討した実施態様の修飾および変更をこの発明による知見の思想または範囲を逸脱することなく当業者がなしうるかもしれないが、そうであるとしても以下の詳細な記載はこの発明を不当に制限するものと解釈されてはならない。
ここに引用した各文献の内容は、全体としてこの引用により本書中に含ませるものとする。
概観
本核酸断片類は、ジェイ・サンブルック、イー・エフ・フリッシュ、およびティー・マニアティス著、モレキュラー・クローニング第2版、コールド・スプリング・ハーバー・パブリケーションズ刊(1989年)のような刊行物に記載された常用の遺伝子操作プロトコールにより得られる。具体的に述べると、ゲノムDNAを、イー・エイチ・ハリス著、ザ・クラミドモナス・ソース・ブック、610−613頁(第12章)、サンディエゴ、アカデミック・プレス刊(1989年)記載のようなプロトコールにしたがって、変異株RS−3から抽出する。すなわち、クラミドモナス・レインハルティの細胞を溶解し、プロテーゼおよびSDSまたはサルコシルのような界面活性剤処理によりDNAを抽出する。次いで、ゲノムDNAをフェノール・クロロホルム抽出、遠心分離などを含む常用技術により抽出して蛋白質を除き、その後DNAをエタノール沈殿により回収する。こうして得られたDNAは、よう化ナトリウム・エチジウムブロミド密度勾配遠心分離によりさらに精製することができ、核のゲノムDNAに相当する下端の主バンドを回収する。こうして得られた核のゲノムDNAをSau3AIのような適当な制限酵素を用いて部分消化する。こうして得られたDNA断片類の両端にT4リガーゼを使用してリンカーまたはアダプターを付加する。必要ならば、過剰の遊離リンカーまたはアダプターをゲルろ過により除き、次いで断片類をλファージに由来するもののような適当な市販のコスミドベクターまたはファージベクター挿入することができる。インビトロパッケージングにより生じたファージ粒子をエシエリキア・コリに遺伝子移入し、固形培地上にコロニーまたはプラークを作らせる。ハイブリドコスミドを收容する個々のエシエリキア・コリクローンを分離し維持することにより、または混合物中のエシエリキア・コリもしくはファージ粒子を分離し維持する常用の方法により、ゲノムDNAライブラリーを得ることができる。
この発明前には、いずれかの植物または藻類の種からポルフィリン性除草剤耐性遺伝子が単離確認されたことはなかったので、このような遺伝子の推定ヌクレオチド配列に対応するオリゴヌクレオチドプローブを合成し、このプローブを放射性同位元素または蛍光標識でラベルし、これを本件DNA断片類を含むゲノムDNAクローンの選択に使用することにより、上記ゲノムDNAライブラリーをスクリーニングするのは実際的でなかった。それゆえ、本件DNA断片類を含むゲノムクローンは、ポルフィリン性除草剤に感受性をもつクラミドモナス・レインハルティ株を、この生物に通常使用される形質転換技術を用いて、コスミドライブラリーのゲノムDNAで形質転換(ケイ・キンドル、プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・ユーエスエイ、87巻1228頁(1990年);ジェイ・イー・ボイントンおよびエヌ・ダブリュウ・ギルハム・メソッズ・イン・エンザイモロジー:レコンビナント・DNA、第H部、アール・ウー編、カリフォルニア州、サンディエゴ、アカデミック・プレス刊、217巻510頁(1993年))してポルフィリン性除草剤に対する耐性を付与しうる核ゲノムDNA断片を含むハイブリドコスミド類を単離することによりスクリーニングした。こうして得られたハイブリッドコスミドクローンの制限地図を作成し、種々の制限断片をpブルースクリプトベクターにサブクローンし、通常の感受性をもつクラミドモナス株に対してポルフィリン性除草剤耐性を付与したサブクローンを選択した。出発材料として本件DNA断片類および本件プラスミド類を使用して、3.4kb断片のヌクレオチド配列をサンガーの方法(エフ・サンガー及びエイ・アール・クールソン、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー、94巻441頁(1975年);エフ・サンガー、ニクレンおよびエイ・アール・クールソン、プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・ユーエスエイ、74巻5463頁(1977年))またはこの方法の改良法により決定した。これにより大きな9.9,10.0、および13.8kbの断片またはこれらに対応するcDNA類の配列は、同一の方法により決定することができる。ポルフィリン性除草剤耐性遺伝子の転写開始部位は、エム・ビナ−ステム等(プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・ユーエスエイ、76巻731頁(1977年))並びにソルナー−ウエブおよびアール・エイチ・リーダー(セル、18巻485頁(1978年))が報告したプライマー延長法を用いて、またはエイ・ジェイ・バークおよびピー・エイ・シャープ(プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・ユーエスエイ、75巻1274頁(1978年))が報告したS1マッピング法により、これらの重複断片類の1種またはそれ以上中に位置を決定することができる。代表例をあげると、遺伝子発現の制御をつかさどるプロモーター配列類は、転写開始部位の約1kbないし10kb上流の領域に見られる。ポルフィリン性除草剤耐性を付与する遺伝子のプロモーター領域は、標準的クラミドモナス形質転換技術(ケイ・キンドル、プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・ユーエスエイ、87巻1228頁(1990年))およびキメラレポーター構築物を使用して決定することができる。例えば、転写開始部位の上流の種々の長さの領域を、GUSまたは酵素学的に決定した抗生物質耐性コード化体のような適当な異種レポーター遺伝子に結合することができる。これらの構築物を、形質転換を使用してクラミドモナス・レインハルティに導入し、レポーター遺伝子の発現を監視することにより、最終的にポルフィリン性除草剤耐性を付与する遺伝子のプロモーター領域を決定することができる。さらに、転写終結配列は、1種またはそれ以上の重複したクローン化ゲノムDNA断片類内の、停止コドンの下流にある3'非コード領域中に見られるポリA付加シグナルのさらに下流に存在すると予想される。
除草剤耐性形質転換体は、3.4kb断片より約80倍高い頻度でRS−3の13.8および10.0kb断片から得られた。このことは、13.8および10.0kb断片が全コード化配列プラス上流および下流の制御要素を含み、除草剤感受性受容体株の核のゲノム中に非相同的およびランダムに組み込んでいることと符合する。逆に、3.4kb断片で見られた低い形質転換頻度は、この断片がRS−3遺伝子の一部分のみを含んでおり、受容体の除草剤感受性RS−3遺伝子内に相同的組み換えにより組込まれ、発現されることと符合する。核nit−1遺伝子を用いた実験でオー・エイ・ソデインドおよびケイ・エル・キンドル(プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・ユーエスエイ、90巻9199頁(1993年))が示したように、クラミドモナス・レインハルティの核形質転換体は、相同的組み換えよりも極めて大きな頻度でランダムな非相同的組み換えにより生じる。
以上の記載を下に示す実施例中に詳細な記載するが、この発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
クラミドモナス・レインハルティゲノムDNAライブラリーの作成
単細胞緑藻類クラミドモナス・レインハルティのポルフィリン性除草剤耐性変異株RS-3(クラミドモナス・ジェネティックス・センター、GB−2674株)を、200μE/m2/秒の光合成活性照明下、0.03μMの化合物Aを含む、7mMNH4Cl、0.4mMMgSO4・7H2O、0.34mMCaCl2/2H2O、25mM燐酸カリウム、0.5mMトリス(pH7.5)、1ml/lハトナー微量要素、および1ml/l氷酢酸からなるTAP液体培地(イー・エイチ・ハリス、ザ・クラミドモナス・ソースブック、サンディエゴ、アカデミック・プレス、1989年、576−77頁)中、混合栄養で5日間振盪培養した。初期定常増殖期の細胞を含む培養液6l(7.6×106細胞/ml)を収穫した。細胞を遠心分離(8,000×g、10分間)で集め、10mMトリスHCl、10mMEDTA、150mMNaClからなるpH8.0のTEN緩衝液50mlに再けんだくし、再遠心分離し、再びTEN緩衝液50mlに再けんだくした。これに20%(w/v)SDS5ml、20%サルコシル5ml、およびプロテアーゼ(ベーリンガー・マンハイムNo.165921)5g、1Mトリス・HCl(pH7.5)10ml、およびCaCl20.11gからなり脱イオン蒸留水で全容100mlにしたプロテアーゼ溶液4mlを徐々に加えた。これを、溶液を4℃において24時間びん中でゆっくり回動することにより混合した。次いでフェノール−CIA(TEN緩衝液であらかじんめ飽和し等容量のクロロホルム:イソアミルアルコール、24:1、v/vと充分混合したフェノール)60mlを加え、同一のびん中で内容物を室温において1時間回動した。
次いで、内容物を遠心分離(15,000×g、20分間、室温)し、(上の)水層をとり、2倍容量の95%(v/v)エタノールとゆっくりであるが完全に混合し、内容物を−20℃で一夜静置してDNAを沈殿させた。得られた沈殿を遠心分離(15,000×g、20分間、4℃)で集め、氷冷した70%(v/v)エタノールで1回洗浄した。過剰のエタノールを除き、DNAの沈殿を窒素気流下室温で5分間乾燥した。
次いで、乾燥した沈殿を10mMトリス(pH7.5)60mlに溶解し、薄明下、以下のものを添加した:10倍濃度TEN緩衝液8ml、エチジウムブロミド溶液(10mg/ml)0.4ml、10mMトリス・HCl(pH7.5)9.8ml、およびよう化ナトリウム(NaI)飽和TEN緩衝液120ml。容器を穏やかに倒立させることにより内容物を混合し、25mlを8個の遠心管にそれぞれ分配した。これらを、ベックマン70Tiローターで超遠心(44,000rpm、40時間、20℃)した。超遠心後、核DNAからなる下端の主バンドを長波長UV照射で可視化し、大容量シリンジを使用して採取した。このバンドのDNAを再びベックマン70Tiローターで超遠心(44,000rpm、44時間、20℃)した。精製核DNAバンドは、上記と同様に採取した。
1−2容量のTEN緩衝液で飽和したイソアミルアルコールを加え、次いで(上の)アルコール層を捨てることにより、採取した核DNAの溶液からエチジウムブロミドを抽出した。この工程を3回繰り返した後、2.5倍容量の氷冷エタノールを加えることによりエチジウムブロミドを除去した核DNAを沈殿させた。採取した沈殿を氷冷95%(v/v)エタノール中で2回洗浄し、少量の10mMトリス・HCl(pH7.5)に再溶解し、−20℃で保存した。この試料の一部を100倍に希釈し、260nmおよび280nmの吸光度を測定することによりDNAの濃度と純度を定量した。
こうして得たゲノムDNA25μgを、50mMNaCl、10mMMgCl2、および1mMジチオトレイトールを含有する10mMトリス・HCl緩衝液(pH7.5)277μl中で制限酵素Sau3AI0.83単位と37℃において15分間反応させることにより部分消化した。反応混合物を、トリス緩衝液(pH7.5)で平衡した等容量のフェノール、次いで等容量のクロロホルムで抽出した。3M酢酸アンモニウムを加えて最終濃度0.4Mとし、次いで2倍容量の氷冷エタノールを加えた。溶液を充分混合し、試料を−20℃で一夜保存後にDNAの沈殿が生成した。卓上遠心機で遠心(10,000rpm、10分間)して沈殿を採取し、70%(v/v)エタノール中で洗浄し、再遠心した。次いで、沈殿を(10mMトリス・HCl、0.1mMEDTA/2Naからなる)TE緩衝液20μlに再けんだくし、脱イオン蒸留水70μl、0.5mMトリス・HCl(pH8.5)および1mMEDTAからなる10倍濃厚CIAP緩衝液10μl、およびCIAP(子うし腸アルカリホスファターゼ)1単位を加えてDNAを脱燐酸した。総容量100μlを37℃で60分間インキュベートし、0.5MEDTA(pH8.0)3μlを加え68℃で10分間熱処理して反応を停止させた。DNAを上記のようにフェノールおよびクロロホルム抽出し、酢酸アンモニウム含有エタノールを添加して沈殿させた。
沈殿を70%(v/v)エタノールで洗浄し、採取したDNAをTE緩衝液に再溶解して最終濃度0.5μg/mlにした。次いで、市販コスミドベクターSuperCos−1(ストラタジーン社)を、製造元提供のSuperCos−1指示マニュアルに概説されたプロトコールにしたがって準備した。ベクターを制限酵素XbaIで消化し、CIAPで脱燐酸し、制限酵素BamHIで再消化し、エタノール沈殿で回収し、TE緩衝液に再溶解して最終濃度1μg/mlにした。調製したゲノムDNA断片2.5μgを、調製したSuperCos−1ベクター1μgに、反応緩衝液(1mMATP、50mMトリス・HCl(pH7.5)、7mMMgCl2、および1mMジチオトレイトールからなる)20μl中で、T4DNAリガーゼ2単位を加えて4℃で一夜インキュベートすることにより連結した。次いで、こうして生成したハイブリッドコスミド0.5μgを市販のインビトロファージパッケージングキット(ギガパックIIXL、ストラタジーン社)を使用してエシエリキア・コリ感染能をもつλファージ粒子にパッケージした。次いで、このハイブリッドコスミドを收容したλファージを下記方法によりエシエリキア・コリNM554株(ストラタジーン社)に形質導入し、これらのエシエリキア・コリ細胞に50μg/mlアンピシリン含有のLB平板培地(10g/lNaCl、10g/lバクトトリプトン、5g/l酵母エキス、pH7.5、1.5%(w/v)寒天)上でコロニーを作らせた。形質導入のプロトコールは以下の通り:(1)エシエリキア・コリNM554株の1コロニーを培地(5g/lNaCl、10g/lバクトトリプトン、pH7.4,0.2%(w/v)マルトース、10mMMgSO4)50mlに接種し激しく振盪しながら37℃で一夜培養した;(2)細胞を遠心分離(4,000rpm、10分間、4℃)で集め、10mMMgSO4に再けんだくしてOD600を0.5とし;(3)この細菌けんだく液25μlを上記で調製したハイブリッドコスミド收容ファージ粒子液の1/20希釈液25μlと混合した。混合物を室温で30分間静置してファージをエシエリキア・コリに感染させた。次いで、LB培地(10g/lNaCl、10g/lバクトトリプトン、5g/l酵母エキス)200μlを加え、けんだく液を37℃で1時間インキュベートしてアンピシリン耐性を発現させた。次いで、けんだく液を、50μg/mlアンピシリン含有LB平板培地上にプレートし、37℃で一夜インキュベート後コロニーを生成させた。アンピシリンマーカーの形質転換効率は1.7±0.1×105形質転換体/DNAμgであった。こうして得たハイブリッドコスミド含有エシエリキア・コリのコロニーを滅菌した爪楊枝で個々に取り上げ、それぞれ50μg/mlアンピシリン含有LB培地0.5mlを含むマイクロタイター(ファルコン、24穴)の穴へ移し、振とうせずに37℃で24時間インキュベートした。それにより個々のクローン10080を420マイクロタイタープレートに分離した。次いで、培地187.5μlを各穴からとり、各8クローンを合わせて(合計1.5ml)1260のマイクロチューブに入れた。各マイクロチューブの細菌を遠心(10,000rpm、5分間、室温)してペレットにし、DNA抽出した。マイクロタイタープレートに残った細菌を、等容量の30%(w/v)グリセリン添加後−70℃で凍結した。次いで、これらのプレートを−20℃で保存した。
実施例2
ゲノムDNAライブラリーのスクリーニング
ゲノムDNAライブラリーのスクリーニングに使用する種々の実験法を以下に記載する(方法A、B、およびC)。
A.DNA抽出
実施例1で生成したゲノムDNAライブラリー含有エシエリキア・コリからのコスミドDNAの抽出、および形質転換対照として使用したプラスミドpARG7.8(アール・デビューキー、エス・パートン、アール・ディー・ロカイクス、EMBOジャーナル、8巻2803頁(1989年))の抽出は、標準的抽出法(例えば、ジェイ・サムブルック、イー・エフ・フリッシュ、ティー・マニアティス、モレキュラー・クローニング、2版コールド・スプリング・ハーバー・パブリケーションズ、(1989年)、I巻1.38−1.39頁)によって実施した。具体的プロトコールの記載は以下の通り。
各マイクロチューブ内の細菌ペレットを溶液I(50mMグルコース、25mMトリス・HCl(pH8.0)、10mMEDTAからなる)100μlに完全にけんだくし、これに溶液II(0.2NNaOH、1%(w/v)SDSからなる)200μlを加えた。各マイクロチューブに栓をし、チューブを5−6回倒立させることにより内容物を穏やかに混合し、チューブを氷上において冷却した。次いで、氷冷した溶液III(5M酢酸カリウム60ml(pH4.8)60ml、氷酢酸11.5ml、および脱イオン蒸留水28.5mlからなる)150μlを加え、内容物を充分混合し、チューブを氷上で5分間冷却した。次いで、チューブを卓上遠心機で遠心(10,000rpm、2分間、4℃)し、上清を採取した。採取した上清に等容量のフェノール:クロロホルム(1:1、v/v、pH7.5)を加え、ボルテックスで内容物を完全に混合し、チューブを再び卓上遠心機で遠心(10,000rpm、2分間、4℃)し、上清を採取した。クロロホルムで再抽出後、上清にエタノール900mlを加えて混合した。チューブを氷上で冷却してDNAを沈殿させ、卓上遠心機で遠心(12,000rpm、2分間、4℃)して沈殿を採取した。沈殿を70%(w/v)エタノール中で洗浄し、再び卓上遠心機で遠心(12,000rpm、2分間、4℃)して沈殿を採取した。過剰のエタノールを、チューブの栓をとり室温で10分間エタノールを蒸発させることにより除去した。こうして採取した沈殿をTE緩衝液(10mM)トリス・HCl(pH7.5)、0.1mMEDTA・2Naからなる)50μlに再溶解してDNAを可溶化した。
B.ガラスビーズ法による形質転換
ガラスビーズ法による形質転換を使用する場合、ケイ・キンドルが報告した方法(プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・ユーエスエイ、87巻1228頁(1990年))にしたがった。実際に使用したプロトコールを以下に示す。
最初に、単細胞緑藻類クラミドモナス・レインハルティCC−425株(アルギニン要求性arg−2、細胞壁欠損cw−15)を、7mMNH4Cl、0.4mMMgSO4・7H2O、0.34mMCaCl2・2H2O、25mM燐酸カリウム−0.5mMトリス(pH7.0)、1ml/lハトナー微量要素、および1ml/l氷酢酸からなるTAP液体培地(イー・エイチ・ハリス、ザ・クラミドモナス・ソースブック、サンディエゴ、アカデミック・プレス、1989年、576−77頁に記載)+50μg/mlアルギニン中、細胞密度が1−2×106細胞/mlになるまで混合栄養で2日間培養した。培養液を遠心(8,000×g、10分間、20℃)して細胞を集め、少量のTAPに再けんだくして最終密度2.8×108細胞/mlにした。
滅菌ガラスビーズ(0.45−0.52mm)0.3gを入れた滅菌した小型試験管に、この細胞けんだく液0.3ml、プラスミド0.5−1.0μgまたはライブラリーDNA1−2μg、および20%(w/v)ポリエチレングリコール(PEG)0.1mlを加え、穏やかに攪拌し、次いでボルテックスミキサーを用いて高速で15秒間渦動させた。試験管を2分間静置し、さらに15秒間同様に渦動させた。
次いで、細胞けんだく液を、固体培地(組成:a)形質転換マーカーとしてアルギニン要求性を使用する場合:TAP培地+1.5%(w/v)寒天;またはb)形質転換マーカーとしてポルフィリン性除草剤耐性を使用する場合:TAP培地+0.1μM化合物A+50μg/μlアルギニン+1.5%(w/v)寒天)2枚上に1平板あたり0.2mlでプレートし、照明下にコロニーを形成させた。
C.パーティクルガン法による形質転換
パーティクルガンによる形質転換のプロトコールを使用する場合、ジェイ・イー・ボイントンおよびエヌ・ダブリュー・ギルハムの報告(メソッズ・イン・エンザイモロジー:レコンビナントDNA・第H部、アール・ウー編、カリフォルニア州、サンディエゴ、アカデミック・プレス刊、217巻510頁(1993年))にしたがった。実際に使用したプロトコールを以下に記載する。
最初に、単細胞緑藻類クラミドモナス・レインハルティCC−48株(アルギニン要求性arg−2)を、7mMNH4Cl、0.4mMMgSO4・7H2O、0.34mMCaCl2・2H2O、25mM燐酸カリウム−0.5mMトリス(pH7.0)、1ml/lハトナー微量要素、および1ml/l氷酢酸からなるTAP液体培地(イー・エイチ・ハリス、ザ・クラミドモナス・ソースブック、サンディエゴ、アカデミック・プレス、1989年に記載)+50μg/mlアルギニン中、細胞密度が1.5−3×106細胞/mlになるまで混合栄養で2日間培養した。培養液を遠心(8,000×g、10分間、20℃)して細胞を集め、少量のHS培地(500mg/lNH4Cl、20mg/lMgSO4・7H2O、10mg/lCaCl2・2H2O、1,440mg/lK2HPO4、1.2g/l無水酢酸ナトリウム、1ml/lハトナー微量要素からなる)(イー・エイチ・ハリス、ザ・クラミドモナス・ソースブック、サンディエゴ、アカデミック・プレス、1989年に記載)に再けんだくして最終密度1.14×108細胞/mlにした。この細胞けんだく液1mlを、42℃に予熱したすでにHS培地1ml+0.2%寒天(ディフク・バクト・アガー)を含んでいる小型試験管に加えた。穏やかに混合後、けんだく液0.7mlを、50μg/μlアンピシリンを含むHSHA寒天(500mg/lNH4Cl、20mg/lMgSO4・7H2O、10mg/lCaCl2・2H2O、1,440mg/lK2HPO4、720mg/lK2HPO4、2.4g/l無水酢酸ナトリウム、1ml/lハトナー微量要素からなる)(イー・エイチ・ハリス、ザ・クラミドモナス・ソースブック、サンディエゴ、アカデミック・プレス、1989年に記載)2枚上にそれぞれプレートし、暗所で乾燥して細胞を平板の表面上に固定した。
次に、マイクロチューブに金粒子60mg(直径1μm、デュポン・バイオテクノロジー・システムズ、デラウエア州、ウイルミントン7556)およびエタノール1mlを加え、ボルテックスミキサーを用いて最高速度で2分間渦動させた。次いで、遠心分離(10,000rpm、1分間、室温)して金粒子を回収し、この洗浄操作を3回繰り返した。次いで、回収した金粒子を滅菌蒸留水1mlに再けんだくした。粒子を同じ遠心操作で再び回収し、この洗浄工程を更に2回繰り返した。最後に、金粒子を滅菌蒸留水1mlに再けんだくした。この粒子けんだく液50μlをマイクロチューブに加え、ボルテックスミキサーで攪拌しながら、これにDNA(1μg/μl)5μl、2.5MCaCl250μl、および0.1Mスペルミジン20μlを加えた。攪拌を3分間続け、その後遠心分離(10,000rpm、1分間、室温)して沈殿を回収した。沈殿した金粒子をエタノール250μlを再けんだくし、再び同一の遠心操作により回収し、最後にエタノール60μlに再けんだくした。上記のように調製したクラミドモナス細胞に、こうして得たDNA被覆金粒子をパーティクルガンを用いて打ち込んだ。その直後に、細胞を寒天板の表面からガラス棒で穏やかにこすることによりHS液体培地1.5ml中に回収した。このけんだく液の半量を2種類の選択寒天平板培地(組成:a)形質転換マーカーとしてアルギニン要求性を使用する場合:培地+1.5%(w/v)寒天;b)形質転換マーカーとしてポルフィリン蓄積型除草剤耐性を使用する場合:TAP培地+0.3μM化合物A+50μg/μlアルギニン+1.5%(w/v)寒天)上にそれぞれ散布し、照明下にコロニーを形成させた(75−90μモルm-2秒-1)。
上記の実験方法は、ゲノムDNAライブラリーのスクリーニングに使用した。スクリーニング方法の詳細は、第1次、第2次および第3次スクリーニング工程に分けて下に示す。
1.第1次スクリーニング
受容体である単細胞緑藻類クラミドモナス・レインハルティCC−425株(アルギニン要求性arg−2、細胞壁欠損cw−15)を、ガラスビーズ法(詳細は上記参照)を用いてpARG7.8(プラスミドDNA)およびライブラリーDNA(48個のクローンから抽出したDNA類の混合物)で形質転換した。各形質転換実験のうち半分の細胞(3.0×107細胞)を、アルギニン独立栄養性表現型で示される形質転換度数の測定に使用した。残りの半分(3.0×107細胞)を、ポルフィリン性除草剤に対する獲得耐性について試験した。この実験は198回繰り返し、ライブラリーの総計9,504個の個別クローンをスクリーニングした。スクリーニングした5.8×109細胞から総計7,046個のアルギニン独立栄養体を得た。これらすべてのアルギニン独立栄養性コロニーが真の形質転換体であると仮定すると、形質転換度数は平均して1.2×10-6である。さらに、スクリーニングした5.8×109細胞からポルフィリン性除草剤耐性を示す(すなわち化合物Aの存在下で発育する)1個のクローンが得られた。このコロニーはまた、アルギニン欠乏培地でも正常に発育し、液体培地中で培養すると運動性の喪失を示した。
ポルフィリン性除草剤耐性を示すコロニーを生じさせたコスミドを含む48個のクローンのDNAプールは、Cos2953−Cos3000と称する。
2.第2次スクリーニング
受容体である単細胞緑藻類クラミドモナス・レインハルティCC−48株(アルギニン要求性arg−2)を、パーティクルガン法(詳細は上記参照)を用いて表1に示すDNA類で形質転換した。結果も表1に示す。
24個のクローンCos2953−Cos2976を含むDNAプールによる形質転換は、化合物Aに耐性を示すコロニーを生じさせ、ポルフィリン蓄積型除草剤耐性遺伝子がこのプール中に含まれるべきことを示した。
3.第3次スクリーニング
受容体である単細胞緑藻類クラミドモナス・レインハルティCC−48株(アルギニン要求性arg−2)を、パーティクルガン法(詳細は上記参照)を用いてCos2953−Cos2976DNAプールを形成する各クローンから上記のように調製したハイブリッドコスミドDNAで形質転換した。これらの結果を表2に示す。クローンCos2955に含まれるハイブリッドコスミドによる形質転換のみが、化合物Aに耐性を示すコロニーを生じさせた。
この結果を確認するため、Cos2955からの精製ハイブリッドコスミドDNAを、ミニカラムプラスミド精製法(キアゲン社)または塩化セシウム密度勾配遠心分離法を用いて調製し、上記と同一のプロトコールを使用して形質転換実験を繰り返した。これらの結果を表3に示す。Cos2955DNAによる形質転換は、化合物Aに耐性を示す数々のコロニーを再現的に生じさせ、ポルフィリン性除草剤耐性遺伝子がこのハイブリッドコスミドDNA中に含まれるべきことを示した。
実施例3
制限地図の作成およびサブクローニング
クローンCos2955から得たハイブリッドコスミドをCsCl密度勾配遠心分離法で精製した。精製したハイブリッドコスミドDNA(以下Cos2955DNAと称する)または下記のように分離したそのサブクローンを、制限酵素EcoRI、SalI、BamHI、ClaI、KpnI、XhoI、PstI、およびHindIIIを単独または組み合わせて消化し、こうして生成した断片の大きさを0.8%アガロースゲル電気泳動(25V、15時間)で推定した。単独または2重消化における各断片の大きさを分析して制限地図を作成した。この結果を図1(e)に示す。PstI部位を、図1(a)に示す3.4kbDNA断片中で決定した。Cos2955DNAは、下記の制限酵素に対する部位を含んでいる(順序通り、部位間の距離(kb)は括弧内に示す):ClaI(4.4)BamHI(3.1)BamHI(6.6)BamHI(8.2)ClaI(3.1)EcoRI(1.4)XhoI(0.6)PstI(0.5)PstI(0.1)PstI(0.4)PstI(0.1)PstI(0.5)BamHI(0.1)SalI(0.2)SalI(0.9)XhoI(5.1)HindIII(2.8)BamHI(0.2)SalI(0.8)およびHindIII。ポルフィリン蓄積型除草剤耐性を付与するCos2955中の核DNA断片の分子全体の大きさ(核酸の長さ)は、約40.4kbである。
Cos2955および市販のプラスミドpBluescript−IIKS+(pBS、ストラタジーン社)を個々の制限酵素または2種の制限酵素の適当な組み合わせで切断し、フェノール/クロロホルムで抽出し、DNA断片類をエタノール沈殿で採取した。pBSベクターを必要ならばCIAP処理で脱燐酸し、T4リガーゼを用いてpBSベクターと消化したコスミド2955DNA断片類を連結した。このようにして得たハイブリッドプラスミドを、電気穿孔法(12.5KV/cm、4.5ms)によりエシエリキア・コリXL1−Blue株に導入し、2%(w/v)X−galを塗布したLB寒天平板(10g/lNaCl、10g/lトリプトン、5g/l酵母エキス、1.5%(w/v)寒天からなり、1mMIPTGおよび50μg/mlアンピシリンを含む)上に散布した。これから白色のコロニーを分離した;すなわち、pBSベクターを取り入れ、したがってアンピシリン耐性であり、pBSベクターのクローニング部位に挿入されたCos2955d挿入断片に由来するDNA断片を有し、それゆえ色が白いクローンである。分離したコロニーをアンピシリンの存在下で培養し、次いでプラスミドDNAをこれらのコロニーからアルカリ溶解法(ジェイ・サムブルック、イー・エフ・フリッシュ、ティー・マニアティス、モレキュラー・クローニング、2版コールド・スプリング・ハーバー・パブリケーションズ、(1989年)、I巻1.38−1.39頁)で単離した。単離したプラスミドをクローニングに使用した制限酵素(類)で再消化して挿入断片を切り離し、得られた挿入断片の大きさを再び0.8%(w/v)アガロースゲル(75V、5時間)電気泳動で推定した。目的とする大きさの挿入断片が得られたら、正しいDNA断片がクローンされていることを確認するためにそれを更に制限酵素分析にかけた。このようにしてクローンされたDNA断片類を図1(a)−1(d)に示す。ポルフィリン性除草剤耐性突然変異rs−3を含むクローンを同定するため、受容体であるクラミドモナス・レインハルティCC−48株(アルギニン要求性arg−2)をパーティクルガン法(詳細については上記参照)によりCos2955のpBSサブクローンから得たDNAで形質転換した。化合物Aに耐性を付与できたCos2955のpBSサブクローンは、Eco13.8、Hind10.0、およびXho3.4断片を含んでいた。これらの結果から、これらのDNA断片がポルフィリン性除草剤耐性突然変異rs−3を含むことが確認された。
除草剤耐性形質転換体は、3.4kb断片より約80倍高い頻度でRS−3の13.8および10.0kb断片から得られた(表4)。このことは、13.8および10.0kb断片が全コード化配列プラス上流および下流の制御要素を含み、除草剤感受性受容体株の核のゲノム中に非相同的およびランダムに組み込んでいることと符合する。逆に、3.4kb断片で見られた低い形質転換頻度は、この断片がRS−3遺伝子の一部分のみを含んでおり、受容体の除草剤感受性RS−3遺伝子内に相同的組み換えにより組込まれ、発現されることと符合する。核nit−1遺伝子を用いた実験でオー・エイ・ソデインドおよびケイ・エル・キンドル(プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・ユーエスエイ、90巻9199頁(1993年))が示したように、クラミドモナス・レインハルティの核形質転換体は、相同的組み換えよりも極めて大きな頻度でランダムな非相同的組み換えにより生じる。
Eco13.8は、ポルフィリン性除草剤に耐性を付与することができる、約13.8kbのDNA断片であり、下記の制限酵素に対する部位を含んでいる(順序通り、部位間の距離(kb)は括弧内に示す;この表示法は続けて使用する):EcoRI(1.4)XhoI(0.6)PstI(0.5)PstI(0.1)PstI(0.4)PstI(0.1)PstI(0.5)BamHI(0.1)SalI(0.2)SalI(0.9)XhoI(5.1)HindIII(2.8)BamHI(0.2)SalI(0.8)およびHindIII(0.1>)KpnI。この断片に対する制限部位の地図を図1(d)に示す。Hind10.0は、ポルフィリン性除草剤に耐性を付与することができる、約10.0kbのDNA断片であり、下記の制限酵素に対する部位を含んでいる:EcoRI(1.4)XhoI(0.6)PstI(0.5)PstI(0.1)PstI(0.4)PstI(0.1)PstI(0.5)BamHI(0.1)SalI(0.2)SalI(0.9)XhoI(5.1)HindIII(0.1>)KpnI。この断片に対する制限部位の地図を図1(c)に示す。さらに、Hind10.0断片は、制限酵素部位HindIII(2.8)BamHI(0.2)SalI(0.8)HindIIIを含む約3.8kbのDNA断片を削除した上記Eco13.8断片の誘導体である。Hind9.9(図1(b))は、約0.1kbの断片を削除することによりHind10.0から誘導される(図1(b)および図1(c)参照)。Xho3.4は、ポルフィリン性除草剤に耐性を付与することができる、約3.4kbのDNA断片であり、制限酵素:XhoI(0.6)PstI(0.5)PstI(0.1)PstI(0.4)PstI(0.1)PstI(0.5)BamHI(0.1)SalI(0.2)SalI(0.9)XhoIに対する部位を含んでいる。この断片に対する制限部位の地図を図1(a)に示す。Xho3.4は、制限酵素部位XhoI(5.1)HindIII(2.8)BamHI(0.2)SalI(0.8)HindIII(0.1>)KpnIを含む約9.1kbのDNA断片および制限酵素部位EcoRI(1.4)XhoIを含む約1.4kbのDNA断片を削除した上記Eco13.8断片の誘導体である。
上記断片すなわちEco13.8、Hind10.0、およびXho3.4(図2−4参照)が挿入されたpBSプラスミドを含むエシエリキア・コリ株類は、27708−1000、ノースカロライナ州、ダラム、デューク・ユニバーシティ、ボックス91000、リサーチ・ドライブ、LSRCビルディング、DCMBグループ、エリザベス・エイチ・ハリス博士方、クラミドモナス・ジェネティックス・センターに寄託されている。これらの寄託物は、それぞれ、P−563、P−564、およびP−566と名づけられている。Cos2955を含むエシエリキア・コリも、クラミドモナス・ジェネティックス・センターに、P−561の名で寄託されている。さらに、エシエリキア・コリXL1−BLUE/Eco13.8は、1995年7月19日に、アメリカ合衆国、20852、メリーランド州、ロックビル、パークローンドライブ12301、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに、ブダペスト条約の規定下に寄託され、寄託番号ATCC69870が付与された。
実施例4
Xho3.4DNA断片のヌクレオチド配列の決定
実施例3記載のようにして得たXho3.4DNA断片のヌクレオチド配列を、α−35S−dATPラベルを使用して、サンガー酵素的配列決定法(シクエナーゼ・バージョン2.0キット、USB社)により決定した。このプロトコールを以下に記載する。
実施例4記載のようにして得たXho3.4d断片、この断片を含むプラスミド、またはXho3.4断片の1.7kbPstI−XhoI断片を含むプラスミド約5μgを、0.2MNaOH、0.2MEDTA中、37℃で30分間インキュベートした。DNAをエタノール沈殿で採取し、70%(v/v)エタノールで洗浄した。この沈殿に、脱イオン蒸留水7μg、シクエナーゼアニーリング用緩衝液(5倍濃度)2μl、プライマー1μlを加えて、最終組成を40mMトリス・HCl(pH7.5)、20mMMgCl2、50mMNaClおよび5μg/lプライマーとした。この溶液を65℃で2分間加熱し、30分間を要して30℃以下の室温に放冷した。次いで、溶液を氷上に置いた。この混合物に、0.1MDTT(ジチオトレイトール)1μl、標識混合物(1.5μMdGTP、1.5μMdCTP、1.5μMdTTP含有)2μl、[α−35S]dATP(10μCi/ml、1000Ci/mモル)0.5ml、およびシクエナーゼ・バージョン2.0T7DNAポリメラーゼ3単位を加えた。溶液をよく混合し、室温で約5分間反応させた。同時に、4本のマイクロチューブ個々にG、A、T、およびCをラベルし、これらに各ddNTP反応溶液(80μMdGTP、80μMdATP、80μMdTTP、80μMdCTP、50μMNaCl、および、ジデオキシdGTP、ジデオキシdATP、ジデオキシdTTP、またはジデオキシdCTPのいずれか8μMからなる)2.5μlを加えた。これらのチューブを37℃で1時間予備インキュベートした。次いで、標識反応完了混合物3.5μlをこれら4チューブのそれぞれに加え、すばやく混合し、37℃で約5分間反応させた。反応停止液(95%ホルムアミド、20mMEDTA、0.05%ブロモフェノールブルー、および0.05%キシレンシアノールFF含有)4μlを加えて反応を停止させ、直ちに混合した。この試料を、8M尿素−6%(w/v)ポリアクリルアミドゲル電気泳動(約65ワット、約4時間)で分析し、ゲルを乾燥して、コダックXAR−5フィルムを感光させ、得られたオートラジオグラムから配列を決定した。得られたヌクレオチド配列を配列番号1に示す。
実施例5
ポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を付与する生物学的に機能する均等DNA断片類
本書中に開示する核酸配列、またはその生物学的に機能する均等物のそれぞれは、この発明にしたがって使用することができる。本書中で使用する「生物学的に機能する均等物」の語句は、本書中に記載する特定の核酸配列と同一または類似の生物学的活性を示す、すなわち機能的に作動できてそれらが発現されるように植物または藻類細胞に導入したときそれらがポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を付与する、核酸配列を指す。
例えば、本書に記載した核酸配列は、塩基の置換、追加、または欠失により改変して、インビトロおよびインビボでポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を付与する蛋白質を暗号化する、生物学上機能的に均等な核酸類を生成することができる。更に、遺伝学的暗号の縮重のため、本書に記載のものと実質的に同一のアミノ酸配列を暗号化しインビトロおよびインビボでポルフィリン性除草剤耐性を付与する別のDNA配列類を、この発明の実施に使用することができる。これらは、限定されるものではないが、本書に記載のゲノムDNA類、または蛋白質配列内に生理学上機能的に均等なアミノ酸残基を暗号化する別の暗号で置換することにより改変され、したがってサイレントな変化を生じる対応mRNA類もしくはcDNA類の、全部または一部を含むヌクレオチド配列を含む。同様に、この発明により暗号化された、ポルフィリン性除草剤耐性を付与する蛋白質またはその誘導体は、限定されるものではないが、配列中の残基を機能的に均等なアミノ酸残基で置換してサイレントな変化を生じた改変配列を含めて、実質的に本書中に記載したDNA配列により暗号化されるアミノ酸配列の全部を含有するものを含む。例えば、配列中の1個またはそれ以上のアミノ酸残基を機能的均等物として作用しサイレントな改変を生じる、同様な極性をもつ他のアミノ酸で置換することができる。配列中のアミノ酸の置換は、そのアミノ酸が属するグループに属する他のものから選択することができる。例えば、代替え可能な非極性(疎水性)アミノ酸には、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、およびメチオニンが含まれる。代替え可能な極性中性アミノ酸には、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、およびグルタミンが含まれる。代替え可能な陽性荷電(塩基性)アミノ酸には、アルギニン、リシン、およびヒスチジンが含まれる。陰性荷電(酸性)アミノ酸には、アスパラギン酸およびグルタミン酸が含まれる。
ゲノムDNA類の変異体、対応するmRNA類またはcDNA類、および本書中で意図されている蛋白質は、天然に産するゲノムDNA類、対応するmRNA類またはcDNA類、および本書中で検討した蛋白質に対して、75%を超える相同性、好ましくは85%を超える相同性、最も好ましくは95%を超える相同性を有するべきである。この相同性を決定するには、2種の蛋白質(または核酸)を、対応する残基が最大数になるようにギャップと挿入を用いてならべる。(2種の蛋白質の)相同性は、対応するアミノ酸の数をアミノ酸総数プラスギャップおよび挿入で割り100倍して得られる。
本書中に開示した核酸断片類の生物学的に機能する均等物は、例えば、ジェイ・オスナ、エイチ・フローレス、およびエックス・ソベロン(クリティカル・レビュー・イン・マイクロバイオロジー、20巻107−116頁(1994年))が報告したような突然変異技術により作成することができ、実施例2に記載したクラミドモナスの形質転換およびスクリーニングにしたがって選択することができる。
実施例6
クラミドモナス・レインハルティ以外の生物からのポルフィリン蓄積型
除草剤に対する耐性を付与するDNA類の単離
クラミドモナス・レインハルティから得たRS−3遺伝子に対応するcDNAの推定アミノ酸配列に基づく縮重オリゴヌクレオチドプライマーを合成し、真性細菌類、らん藻類、藻類、および高等植物から均等な遺伝子またはcDNAを単離するために使用することができる。逆転写酵素(イー・エス・カワサキ、PCRプロトコールズ、3章21頁、イニス等編、サン・ディエゴ、アカデミック・プレス(1990年))を使用するPCR技術およびこれらの宿重オリゴヌクレオチド類を、藻類および高等植物から得た均等cDNA類の増幅に使用することができ、これらはエム・ベバンが報告したpBIN(ヌクレイック・アシッズ・リサーチ、12巻8711頁(1984年))もしくはゼット・スバブ等が報告したpZ597(プラント・モレキュラー・バイオロジー、14巻197頁(1994年))のような双子葉植物用のまたはディー・ベッカーらが報告したpDBI(プラント・ジャーナル、5巻299頁(1994年))もしくはブイ・バジルらが報告したpBARGUS(バイオ/テクノロジー、10巻667頁(1992年))を使用する単子葉植物用の適当な形質転換/発現ベクター中に容易にクローン化することができる。これらのベクター中のcDNA類を発現する形質転換植物は、下記のような確立された技術を使用して分離することができる。別法として、縮重ヌクレオチドをλZapII(ストラタジーン)のようなλファージベクター中の作物用植物のcDNAライブラリーをスクリーニングするためのプローブとして使用することができる。対応するcDNAは、下記のような単子葉または双子葉作物用植物に導入するための適当な形質転換/発現ベクターに移入することができる。真性細菌またはらん藻類の場合、縮重オリゴヌクレオチドをゲノムライブラリーのスクリーニングに直接使用することができ、適当なコード化配列を下記のような作物用植物のためのこれら形質転換/発現ベクターの1つに移入することができる。
実施例7
ポルフィリン蓄積型除草剤耐性のための作物用植物および藻類の形質転換
本書中に記載した研究により、植物または藻類にポルフィリン性除草剤耐性を付与することができるDNA断片類を同定した。作物用植物は、これらのDNA断片類またはその生物学的に機能する均等物を導入することにより、ポルフィリン性除草剤に耐性にすることができる。この発明は、作物栽培中のポルフィリン性除草剤の使用を可能にし、したがってこのような作物に関する雑草の制御と栽培管理を容易にする。
クラミドモナスrs−3耐性変異は優性(アール・サトウら、ACSシンポジウム・シリーズ、559巻、ポルフィリン性農薬、エス・オー・デュークおよびシー・エイ・レベイズ編、7章91頁(1994年))であるため、適当な上流および下流調節配列の制御下にあり本件DNA断片類に対応する全長cDNAを、ポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を欠く作物用植物に導入して、作物用植物にポルフィリン性除草剤耐性を生じるためにRS−3耐性遺伝子を利用できるようにすることができる。
双子葉作物用植物の場合、キメラRS−3耐性構築物を、エム・ベバンが報告したpBIN(ヌクレイック・アシッズ・リサーチ、12巻8711頁(1984年))またはゼット・スバブ等が報告したpZ597(プラント・モレキュラー・バイオロジー、14巻197頁(1990年))のようなバイナリー・アグロバクテリウム・ベクターに挿入し、エイ・ヘケマら(ネイチャー、303巻197頁(1983年))らによるトリペアレンタル・メーティングによりアグロバクテリウムに移入し、カルベニシリンおよびカナマイシン含有培地上で同時培養することにより農学的に望ましい栽培品種の葉のディスクへ形質転換することができる。カナマイシン耐性カルスから苗条を再生させ、標準的植物組織培養プロトコール(エム・ベバン、ヌクレイック・アシッズ、リサーチ、12巻8711頁(1984年))を使用して発根を誘導することができる。カナマイシン耐性植物は、ポルフィリン性除草剤耐性レベルについて検定し、耐性に関して予期される3:1優性分離を感受性栽培品種との交配で確認することができる。特定の作物種に対する育種システムに応じて、除草剤耐性形質転換体を自家受粉または感受性栽培品種との戻し交配で繁殖させて純系育成除草剤耐性系統を樹立することができる。この方法を適用できる双子葉植物の作物の例には、アルファルファ、いんげんまめ類、キャベツ、にんじん、クローバー、綿、種々のうり類、亜麻、えんどうまめ類および農業経営学上重要な豆科植物、ピーナッツ、胡椒、いも類、大豆類、ビート類、ひまわり、たばこおよびトマトが含まれる。
単子葉作物用植物の場合、Adh1プロモーターおよびイントロンまたはAct1プロモーター並びにnosターミネーターと融合した、ディー・ベッカーらが報告したpDBI(プラント・ジャーナル、5巻299頁(1994年))またはブイ・バジルらが報告したpBARGUS(バイオ/テクノロジー、10巻667頁(1992年))のような単子葉植物用発現ベクター中に、全長RS−3cDNAを構築物中のGUS遺伝子を置換して挿入することができる。種に応じて、キメラプラスミドを、胚形成カルス、未成熟胚、胚盤組織、未成熟花序、小胞子、またはプロトプラストに、パーティクルガン形質転換により導入し、両プラスミドにより暗号化されたbar遺伝子が耐性を付与するカルス、苗条、および植物を、グルフォシネートの存在下、選択条件下で再生させることができる。次いで、グルフォシネート耐性遺伝子導入植物は、ポルフィリン性除草剤耐性のレベルに関して検定し、耐性に関して予期される3:1優性分離を感受性栽培品種との交配で確認することができる。特定の作物種に対する育種システムに応じて、除草剤耐性形質転換体を自家受粉または感受性栽培品種との戻し交配で繁殖させて純系育成除草剤耐性系統を樹立することができる。この方法を適用できる単子葉植物の作物の例には、大麦、トウモロコシ、飼料作物、燕麦、玉ねぎ、稲、らい麦、もろこし類、砂糖きび、および小麦が含まれる。
このようなポルフィリン性除草剤耐性を獲得した作物用植物を栽培すると、これらの作物用植物に対するこのような除草剤の使用が便利になる。これは、簡単で有効性が高い雑草の管理を可能にし、農業用途におけるこれら除草剤の価値を高める。更に、本件DNA断片類をプローブとして使用することにより、本件DNA断片類に高度の相同性を示す他のDNA断片類を作物植物中に同定することが可能になるであろう。これは、その作物用植物がポルフィリン性除草剤に対する耐性をもつか否かを、除草剤で実際に処理する前に定性的および/または定量的に評価することが可能になるであろう。その上、この遺伝子は、植物の遺伝子操作研究および植物の分子生物学/バイオテクノロジーにおける耐性型遺伝子マーカーとして使用することができ、したがって大きな工業的用途を有するであろう。
以上、この発明を説明したが、これを多くの方法で変更できることは明らかであろう。このような変更は、この発明の精神と範囲からの逸脱と解すべきでなく、すべての当業者に自明な修飾は、下記請求項の範囲内に含むと解されるものである。
配列表
(1)一般的情報
(i)出願人:サトウ・リョウ
ボイントン・ジョン・イー
ギルハム・ニコラス・ダブリュー
ハリス・エリザベス・エイチ
(ii)発明の名称:ポルフィリン蓄積型除草剤耐性遺伝子
(iii)配列の数:1
(iv)通信の宛名:
(A)宛名:バーチ、スチュワート、コラッシュ・アンド・バーチ、エルエルピー
(B)街番地:ピー・オー・ボックス747
(C)市名:フォールス・チャーチ
(D)州名:バージニア
(E)国名:アメリカ合衆国
(F)郵便番号:22040−3487
(v)コンピューター読み込み方式:
(A)メディアの型:フロッピーディスク
(B)コンピューター:IBMPCコンパーティブル
(C)オペレーティングシステム:PC−DOS/MS−DOS
(D)ソフト:パテント・イン・リリース#1.0、バージョン#1.30
(vi)本願データ:
(A)出願番号:特許、新規
(B)出願日:1996年7月19日
(C)分類:
(vii)原出願データ:
(A)出願番号:特許PCT/US95/09098
(B)出願日:1995年7月20日
(viii)代理人情報
(A)氏名:マーフィー・ジュニア・ジェラルド・エム
(B)登録番号:28,977
(C)件名/ファイル番号:2185−154F(PC)
(ix)遠隔通信情報:
(A)電話:703−205−8000
(B)ファックス:703−205−8050
(2)配列番号1の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:3381塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:無関係
(D)トポロジー:無関係
(ii)配列の種類:DNA(ゲノム)
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:YES
(vi)起源:
(A)生物名:クラミドモナス・レインハルティ
(B)株名:RS−3
(xi)配列の記載:配列番号:1
Claims (10)
- 配列番号:1記載のヌクレオチド配列を含む、分離精製したDNA断片。
- 請求項1記載のDNA断片を含有するプラスミド。
- 請求項2記載のプラスミドを含有する微生物。
- 請求項1記載のDNA断片を植物または藻類細胞に導入することを含む、ポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を植物または藻類細胞に付与する方法。
- 請求項1記載のDNA断片が導入された、植物または藻類。
- 配列番号1のヌクレオチド配列あるいは配列番号1のヌクレオチド配列に対して少なくとも85%同一であるヌクレオチド配列を含む単離されたDNA分子であって、該単離DNA分子は、それを発現する植物あるいは藻類の細胞にN−(4−クロロ−2−フルオロ−5−プロパルギルオキシ)フェニル−3、4、5、6−テトラヒドロフタルイミド若しくは7−フルオロ−6−[(3、4、5、6)−テトラヒドロフタルイミド]−4−(2−プロピニル)−1、4−ベンズオキサジン−3(2H)−オンに対する抵抗性を付与する。
- 請求項6のDNA分子を含むプラスミド。
- 請求項7のプラスミドを含む微生物。
- 請求項6のDNA分子が導入され、該DNA分子が発現されている植物あるいは藻類。
- 請求項6のDNA分子を植物若しくは藻類の細胞に導入し、該DNA分子を発現している植物若しくは藻類にポルフィリン蓄積型除草剤に対する耐性を付与する方法。
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