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JP4019128B2 - 抗ヘルペスウイルス剤 - Google Patents

抗ヘルペスウイルス剤 Download PDF

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JP4019128B2
JP4019128B2 JP31102396A JP31102396A JP4019128B2 JP 4019128 B2 JP4019128 B2 JP 4019128B2 JP 31102396 A JP31102396 A JP 31102396A JP 31102396 A JP31102396 A JP 31102396A JP 4019128 B2 JP4019128 B2 JP 4019128B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硫酸化多糖の医薬用途に関し、さらに詳細には、硫酸化多糖を有効成分とする抗ヘルペスウイルス剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘパリンやデキストラン硫酸などの硫酸化多糖は、ウイルスの細胞への吸着段階を阻止し、ウイルスの増殖を抑制することが報告されている。特公平2−7577号公報には、動物由来のムコ多糖類及びその硫酸化物の中で、コンドロイチンポリ硫酸、コンドロイチン硫酸A(コンドロイチン−4−硫酸)の硫酸化物、コンドロイチン硫酸C(コンドロイチン−6−硫酸)の硫酸化物及びヘパリンが、強い抗エイズウイルス活性を示した旨の記載がある。また、同公報中には「抗エイズウイルス活性の発現は、S含量(スルホン酸基または硫酸基)と密接な関係があり、S原子を含まないものはすべて活性を示さなかった。さらにS含量が増すに従って抗エイズウイルス活性が強くなった。」との記載がある。
【0003】
ヘルペスウイルスの多くは、細胞表層上のヘパラン硫酸に吸着することが知られており、比較的高分子量のデキストラン硫酸はヘルペスウイルスに対して吸着阻止・増殖抑制作用があることが知られている(特開昭58−918号公報)。なおコンドロイチン硫酸の作用に関して、ヘパラン硫酸を細胞表層に発現しない変異細胞を用いた実験において、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸B及びコンドロイチン硫酸Cが単純ヘルペスウイルス(以下、単にHSVということもある)の前記細胞への吸着を抑制することも知られている(Banfield, B.W., et al., Virology 208, 531-539(1995))。ただし、この結果はあくまで細胞表層上のヘパラン硫酸を欠損した変異細胞を用いた実験であり、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸B及びコンドロイチン硫酸Cが、ヘパラン硫酸を細胞表層に発現している細胞へのHSVの吸着を、これらコンドロイチン硫酸単独で抑制することを示しているものではない。なお従来、コンドロイチン硫酸Eが抗ウイルス活性又は細胞へのウイルスの吸着を阻止することは知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、各種硫酸化多糖に抗ウイルス活性があることが知られている。本発明が解決すべき課題は、抗ウイルス活性を有することが知られている上記硫酸化多糖を上回る抗ウイルス活性、とりわけ顕著な抗ヘルペスウイルス活性を有する硫酸化多糖を探索し、該硫酸化多糖を有効成分とする抗ヘルペスウイルス剤を提供することにある。
【0005】
本発明者らは上記課題を解決すべく、硫酸化多糖中の硫酸基の位置と抗ヘルペスウイルス活性との関係を鋭意検討した。その結果驚くべきことに、ウロン酸残基の1位とヘキソサミン残基の3位がグリコシド結合し、かつ該ヘキソサミン残基の4位と6位が硫酸化されている二糖単位を含む硫酸化多糖が、従来より抗ヘルペスウイルス活性を有する硫酸化多糖として知られているヘパリン及びデキストラン硫酸を上回る抗ヘルペスウイルス活性を有することを確認し、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ウロン酸残基とヘキソサミン残基が結合した二糖単位をその骨格中に含む硫酸化多糖であって、ウロン酸残基の1位とヘキソサミン残基の3位がグリコシド結合し、かつ該ヘキソサミン残基の4位と6位が硫酸化されている二糖単位を含む硫酸化多糖を有効成分とする抗ヘルペスウイルス剤(以下、「本発明の薬剤」ともいう)に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本明細書での「硫酸化多糖」の用語は、ウロン酸残基の1位とヘキソサミン残基の3位がグリコシド結合し、かつ、少なくとも該ヘキソサミン残基の4位と6位が硫酸化されている二糖単位を含む多糖であり、抗ヘルペスウイルス活性を有するものを意味する。「硫酸化」とは、糖構成炭素原子上にオキソ基(−O−)またはイミノ基(−NH−)を介して少なくとも1個のS−オキソ酸基が結合していることを意味する。ここで、S−オキソ酸基は、スルホン酸基(硫酸基ともいう;−SO3 H)及びヒドロキシスルフィニル基(−SO・OH)を意味するが、好ましくはスルホン酸基である。
【0008】
本発明の薬剤の有効成分である硫酸化多糖中のウロン酸残基としては、イズロン酸残基、ガラクツロン酸残基、グルクロン酸残基、グルロン酸残基、マンヌロン酸残基等が挙げられ、好ましくは、イズロン酸残基、ガラクツロン酸残基及びグルクロン酸残基であり、より好ましくは、イズロン酸残基及びグルクロン酸残基であり、L−イズロン酸残基及びD−グルクロン酸残基が特に好ましい。
【0009】
本発明の薬剤の有効成分である硫酸化多糖中のヘキソサミン残基としては、グルコサミン残基、ガラクトサミン残基、マンノサミン残基、及びこれらのN−アセチル化物が挙げられ、好ましくはガラクトサミン残基及びそのN−アセチル化物であり、より好ましくは、N−アセチルガラクトサミン残基であり、N−アセチル−D−ガラクトサミン残基が特に好ましい。
【0010】
本明細書での「二糖分析」の用語は、硫酸化多糖に作用して不飽和二糖を生成させる酵素(硫酸化多糖のリアーゼ(lyase) )で硫酸化多糖を酵素処理し、該硫酸化多糖の構成二糖を反映して生成する不飽和二糖を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、同定及び定量することを意味する。
【0011】
二糖分析で用いるリアーゼは、最終的に不飽和二糖にまで分解することができる限りにおいて、特に限定されず、分析する硫酸化多糖に応じて当業者が適宜選択することができ、例えばコンドロイチナーゼ、ヘパリナーゼ、ヘパリチナーゼ、ヒアルロニダーゼ等が挙げられる。
【0012】
上記のHPLCによる方法は、当業者には公知の方法であり、硫酸化多糖を酵素処理して得た不飽和二糖の溶出位置を、標準不飽和二糖の溶出位置と比較することにより行うことができる。HPLCの溶出位置は、通常紫外部(例えば波長232nm)の吸収によりモニターし、各二糖単位の硫酸化多糖中での含量は、その溶出パターンの積分値(面積)を濃度既知の標準不飽和二糖の溶出パターンの積分値(面積)と比較することにより求めることができる。
【0013】
近接する溶出位置をもつΔDi−UA2S〔2-acetamido-2-deoxy-3-O-(2-O-sulfo- β-D-gluco-4-enopyranosyluronic acid)-D-galactose 〕、ΔDi−4S及びΔDi−6Sの区別、並びに、ΔDi−diSB 〔2-acetamido-2-deoxy-3-O-(2-O-sulfo- β-D-gluco-4-enopyranosyluronic acid)-4-O-sulfo-D-galactose 〕及びΔDi−diSE の厳密な区別は、特異的なスルファターゼ(例えばコンドロ−6−スルファターゼ等)による消化により行うことができる。
【0014】
すなわち、例えば不飽和二糖をコンドロ−6−スルファターゼにより処理した結果、HPLCの溶出位置がΔDi−4Sの位置にシフトした分がΔDi−diSE であると同定される。また、溶出位置が近接する不飽和二糖同士の分離が可能なカラム(例えば、ゾルバックス SAX(Zorbax SAX)カラム;Rockland Technologies 社製等)を用いて、これら不飽和二糖を厳密に区別することが可能である。なお、D−グルクロン酸残基の1位とN−アセチル−D−ガラクトサミン残基の4, 6−二硫酸化物の3位とがグリコシド結合した構造、及びL−イズロン酸残基の1位とN−アセチル−D−ガラクトサミン残基の4, 6−二硫酸化物の3位とがグリコシド結合した構造は、二糖分析においてはいずれもΔDi−diSE として検出される。
【0015】
本発明の薬剤の有効成分である硫酸化多糖は、上記の二糖分析において、ΔDi−diSE (ΔHexA1→3GalNAc(4,6−diS))の含有率が、30〜100%、好ましくは40〜100%、特に好ましくは45〜100%である硫酸化多糖である。したがって、本発明の硫酸化多糖として具体的には、式(1)(ウロン酸残基がグルクロン酸残基であり、ヘキソサミン残基がN−アセチルガラクトサミン残基である)及び式(2)(ウロン酸残基がイズロン酸残基であり、ヘキソサミン残基がN−アセチルガラクトサミン残基である)で示される二糖単位において、R1 及びR2 がSO3 Hであり、かつR3 がHであるか、又はR4 及びR5 がSO3 Hであり、かつR6 がHである該二糖単位を、好ましくは30%〜100%、より好ましくは40%〜100%、特に好ましくは45%〜100%、極めて好ましくは45〜80%含有する硫酸化多糖を挙げることができる。
【0016】
【化1】
Figure 0004019128
【0017】
本明細書での「%」表記の単位は、特にことわらない限り「重量%」を意味する。ただし二糖分析における不飽和二糖の含有率については、不飽和二糖の含有モル比を「%」で表す。
【0018】
本発明の薬剤の有効成分である硫酸化多糖は、その起源等は特に限定されるものではなく、天然から得られる硫酸化多糖(本明細書中では単に天然硫酸化多糖という)及び天然硫酸化多糖を化学的又は酵素的に改変した硫酸化多糖(本明細書中では単に半合成硫酸化多糖という)のいずれの硫酸化多糖をも用いることができる。
【0019】
本発明の薬剤の有効成分として用いることが可能な天然硫酸化多糖は、該天然硫酸化多糖を含む生物体(例えば動物組織)から通常の方法(物理的抽出法、酵素抽出法、有機溶媒分画法、イオン交換樹脂分画法等の単独又は組合わせ)により抽出・精製して得ることができる。該天然硫酸化多糖、例えばコンドロイチン硫酸Eを含む生物体としては、イカやナマコ等を挙げることができる。マイカの軟骨由来のコンドロイチン硫酸Eは、生化学工業株式会社より市販されており、本発明においてはこのような市販の硫酸化多糖を用いることもできる。
【0020】
本発明の薬剤の有効成分として用いることが可能な半合成硫酸化多糖は、ウロン酸残基の1位とヘキソサミン残基の3位がグリコシド結合した二糖単位を含む多糖、例えばコンドロイチン、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸B(デルマタン硫酸)、コンドロイチン硫酸C、コンドロイチン硫酸D等を、該多糖が本来保有する硫酸基の数及び硫酸基の位置に応じて、適宜硫酸化、脱硫酸化することにより得ることができる。
【0021】
例えば、合成原料としてコンドロイチン硫酸Aを用いる場合、コンドロイチン硫酸Aは、4位に硫酸基を保有するN−アセチル−D−ガラクトサミン残基を多く含有するため、ヘキソサミン残基の6位を特異的に硫酸化することにより、本発明の薬剤の有効成分である硫酸化多糖として用いることができる。
【0022】
ヘキソサミン残基の6位を特異的に硫酸化する方法としては、例えば特公平6−99485号公報や K. Nagasawa, H. Uchiyama, N. Wajima, Carbohydr. Res., 158, 183 (1986)に記載の方法を挙げることができる。この方法は、ヘキソサミン残基の4位が硫酸化されている硫酸化多糖の塩を、極性有機溶媒中で硫酸化試薬と反応させることによりヘキソサミン残基の6位を特異的に硫酸化するという方法である。この反応に用いることのできる極性有機溶媒は、反応に影響しないものであればどのような溶媒でもよく、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、ピリジン、トリメチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などを挙げることができる。硫酸化試薬は、例えばピリジン−SO3 複合体、N,N−ジメチルホルムアミド−SO3 複合体、トリメチル(又はトリエチル)アミン−SO3 複合体等を用いることができる。硫酸化反応の反応温度は、−10〜30℃、好ましくは0〜10℃である。反応時間は、30分間〜5時間であり、好ましくは1時間〜2時間である。反応により得られる硫酸化多糖は、通常の分離方法によって反応混合物から単離することができ、必要により精製することができる。
【0023】
上述の半合成硫酸化多糖の調製法は、例示のためのものであり、最終的に本発明の薬剤の有効成分である硫酸化多糖が得られる限り、調製方法は限定されないと理解すべきである。
【0024】
また近年、コンドロイチンやコンドロイチン硫酸のN−アセチルガラクトサミン残基の6位に選択的に硫酸基を転移する酵素である「コンドロイチン 6−スルホトランスフェラーゼ」が精製されており(J. Biol. Chem. 268(29), 21968-21974 (1993))、このスルホトランスフェラーゼを用いて、酵素的に6位に選択的に硫酸基を導入する方法によっても上記硫酸化多糖を調製することができる。
【0025】
本発明の薬剤の有効成分である硫酸化多糖は、ウロン酸残基の1位とヘキソサミン残基の3位がグリコシド結合し、かつ該ヘキソサミン残基の4位と6位が硫酸化されている二糖単位を含む限り、ウロン酸残基の1位とヘキソサミン残基の3位がグリコシド結合している二糖単位以外の残基を有していても良いが、好ましくはウロン酸残基の1位とヘキソサミン残基の3位がグリコシド結合した二糖単位の繰り返しからなる硫酸化多糖である。
【0026】
本発明の薬剤の有効成分である硫酸化多糖の分子量は、特に限定されないが、平均分子量5千〜15万の硫酸化多糖を用いることが好ましく、平均分子量5千〜12万の硫酸化多糖を用いることがより好ましく、平均分子量1万〜12万の硫酸化多糖を用いることが特に好ましい。また、平均分子量は、重量平均分子量であることが好ましい。
【0027】
なお硫酸化多糖の平均分子量は、同一試料でも測定方法や測定条件等によって多少異なることは当業者にとって常識であり、本発明の薬剤の有効成分である硫酸化多糖は、上記平均分子量範囲のものに厳密に限定されるべきものではない。
【0028】
本発明の薬剤の有効成分である硫酸化多糖は、直鎖のものに限定されず分枝していても良い。
【0029】
本発明の薬剤の有効成分として特に好ましい硫酸化多糖は、D−グルクロン酸残基とN−アセチル−D−ガラクトサミン残基を繰り返し二糖単位とし、N−アセチル−D−ガラクトサミン残基の4,6−二硫酸化物を含有するコンドロイチン硫酸E、及びL−イズロン酸残基とN−アセチル−D−ガラクトサミン残基を繰り返し二糖単位とし、N−アセチル−D−ガラクトサミン残基の4,6−二硫酸化物を含有する硫酸化多糖である。
【0030】
本発明の薬剤の有効成分である硫酸化多糖は、コンドロイチン硫酸Eを用いることが好ましく、イカの軟骨由来のコンドロイチン硫酸Eを用いることが特に好ましく、マイカ及び/又はアカイカの軟骨由来のコンドロイチン硫酸Eを用いることが極めて好ましい。
【0031】
本発明の薬剤の有効成分である硫酸化多糖は、その薬学上許容しうる塩であってもよい。例えば、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等の無機塩基との間で形成された塩又はジエタノールアミン塩、シクロヘキシルアミン塩、アミノ酸塩等の有機塩基との塩のうち、薬学上許容しうる塩を本発明において用いることができる。
【0032】
本発明の薬剤は、ヒトを含む哺乳動物のヘルペスウイルスが関与する全ての疾患の治療に用いることができる。例えば、ヒトを宿主とするヘルペスウイルスとしては、具体的にはHSV1型、HSV2型、水痘帯状疱疹ウイルス(以下、単にVZVということもある)、Epstein-Barrウイルス(以下、単にEBVということもある)及びサイトメガロウイルス(以下、単にCMVともいうこともある)等が挙げられるが、本発明の薬剤は、特にHSV1型及びHSV2型に対して用いることが好ましい。
【0033】
本発明の薬剤はこれらのヘルペスウイルスが関与する全ての疾患に対して適用することが可能である。本発明の薬剤の適用が特に好ましい疾患は、ヒトを宿主とするヘルペスウイルスの中でも特にHSV1型やHSV2型によって惹き起こされる疾患、例えばヘルペス性角結膜炎、歯齦口内炎、急性疱疹性歯肉口内炎、口唇ヘルペス、咽頭扁桃炎、性器ヘルペス、尿道炎、膀胱炎、カポジ水痘様発疹、皮膚粘膜ヘルペス、播種性ヘルペス、亜急性髄膜炎、脳炎、髄膜炎、新生児単純ヘルペスウイルス感染症(新生児ヘルペス)等、及びサイトメガロウイルスによって惹き起こされる疾患、例えば間質性肺炎、肝炎、脈絡網膜炎、関節炎、心臓炎、慢性胃腸疾患、脳炎、Guillain-Barre症候群、新生児サイトメガロウイルス感染症(巨細胞性封入体病)、単核症等である。またその中でもHSV1型やHSV2型によって惹き起こされる上記疾患に、本発明の薬剤を極めて好ましく適用することができる。本発明の抗ヘルペスウイルス剤は、これらヘルペスウイルスが関与する疾患の予防、維持(悪化防止)、軽減(症状の改善)及び治療を目的として投与することができる。
【0034】
本発明の薬剤は、注射(筋肉内、皮下、皮内、静脈内、関節腔内、眼内、腹腔内等)、点眼、点入、経皮、経口、吸入等の投与方法によって経口又は非経口的に投与することができる。本発明の薬剤は、これらの投与方法に応じて適宜製剤化することができる。選択し得る剤型も特に限定されず、例えば注射剤(溶液、懸濁液、乳濁液、用時溶解用固形剤等)、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤、リポ化剤、軟膏剤、ゲル剤、外用散剤、スプレー剤、吸入散剤、点眼剤、眼軟膏剤、坐剤等から広く選択することができる。
【0035】
また、これらの製剤調製にあたり慣用の賦形剤、結合剤、滑沢剤、その他着色剤、崩壊剤等通常医薬品の製剤上用いられる成分を配合することができる。さらに、本発明の薬剤には、その有効成分である硫酸化多糖と共に、抗ヘルペスウイルス作用を有する他の物質を有効成分として配合することができる。
【0036】
上述の「抗ヘルペスウイルス作用を有する他の物質」は、本発明の薬剤の有効成分である硫酸化多糖との組合せ配合又は組合せ投与により、重篤な副作用が惹起されたり、一方の物質が他方の物質の本来有する抗ヘルペスウイルス作用を阻害する物質ではない限りにおいて特に限定されない。
【0037】
本発明の薬剤の剤型は、対象となる疾患の性質や重篤度に応じて、適宜選択することができる。
【0038】
本発明の薬剤の有効成分である硫酸化多糖の配合量並びに本発明の薬剤の投与量は、その製剤の投与方法、投与形態、使用目的、患者の具体的症状、患者の体重等に応じて個別的に決定されるべき事項であり、特に限定はされないが、硫酸化多糖の臨床投与量として1日当り概ね0.1mg/kg 〜300mg/kg 程度を例示することができる。また、上記製剤の投与間隔は1日1回程度でも可能であり、1日2〜4回、又はそれ以上の回数に分けて投与することもできる。また、例えば点滴等により連続的に投与することも可能である。
【0039】
なお、本発明の薬剤の有効成分である硫酸化多糖は、後述する実施例(試験例)において細胞に対する毒性が見られなかった。コンドロイチン硫酸ナトリウムは、マウス(♂、♀)及びラット(♂、♀)に対する毒性が低く、ヘパリンは、マウス(♂、♀)に対する毒性が低いことは知られている。また、本発明の薬剤の有効成分である硫酸化多糖の一例であるコンドロイチン硫酸Eは、抗トロンビン活性がヘパリンに比較して極めて弱いことが報告されている(J. Biol. Chem., 265(26), 15424-15431, 1990)。これらのことから、本発明の薬剤の有効成分である硫酸化多糖の安全性は高い。
【0040】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を製造例、試験例及び製剤例として具体的に説明する。しかしながら、これらにより本発明の技術的範囲が限定されるべきものではない。
【0041】
<製造例>
製造例1:マイカの軟骨由来のコンドロイチン硫酸Eの製造
マイカより採取した軟骨240gを細断し、20分間煮沸した後、水240mlとアクチナーゼ(科研製薬株式会社製)2.4gで、pH7.5、55℃の条件下で一晩抽出した。この抽出液に炭酸ナトリウム1.2gを添加して、pH10.5、50℃の条件下で1時間攪拌した後、ろ過し、ろ液を200mlまでに濃縮した。この濃縮溶液を0.5N NaOH水溶液及び0.2%NaHSO3 水溶液により35℃で2時間アルカリ処理した後、エタノール200ml、エタノール+3%酢酸ナトリウム(pH4.8)200ml、エタノール+3%酢酸ナトリウム(pH4.8)240mlで3回分画し、その溶液を、レジンHPA−11M(三菱化成株式会社(現三菱化学株式会社)製)に吸着させた。塩化ナトリウム濃度を3.7M にしたときの溶出液を濃縮、ろ過し、純水に対して透析したものを200mlまで濃縮した。この濃縮溶液に活性炭0.5gを加え、pH4.8、50℃条件下で1時間攪拌した。その後、ろ過、精密ろ過を行い、4倍量のエタノールを加えて得た沈殿物(以下、「コンドロイチン硫酸E(マイカ軟骨由来)▲1▼」とする)を乾燥した。乾燥重量は2gであり、光散乱法で分子量を求めたコンドロイチン硫酸A及びコンドロイチン硫酸Cの標準標品をスタンダードとしたゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography;以下、「GPC」とする)において、平均分子量は9万4千であった。
【0042】
また上記と全く同じ方法で、マイカより採取した別のロットの軟骨から、コンドロイチン硫酸E(以下、「コンドロイチン硫酸E(マイカ軟骨由来)▲2▼」とする)を調製した。上記と同様に平均分子量を測定した結果、9万2千であった。
【0043】
製造例2:アカイカの軟骨由来のコンドロイチン硫酸Eの製造
製造例1と全く同じ方法で、アカイカより採取した軟骨から、コンドロイチン硫酸E(以下、「コンドロイチン硫酸E(アカイカ軟骨由来)」とする)を調製した。製造例1と同様に平均分子量を求めた結果、9万6千であった。
【0044】
製造例3:アカイカの軟骨由来のコンドロイチン硫酸Eのガラクトサミン残基の6位の特異的硫酸化
製造例2で調製したアカイカの軟骨由来のコンドロイチン硫酸Eのガラクトサミン残基の6位の特異的硫酸化を、後述する製造例4と同様に行い、アカイカ軟骨由来の半合成コンドロイチン硫酸E(以下、「ガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸E(アカイカ軟骨由来)」とする)を得た。この平均分子量は、製造例1と同様に測定した結果、11万5千であった。
【0045】
製造例4:チョウザメ脊索由来のコンドロイチン硫酸Aのガラクトサミン残基の6位の特異的硫酸化
チョウザメ脊索由来のコンドロイチン硫酸A(平均分子量:1万、生化学工業株式会社製)3gを水150mlに溶解し、6℃でDowex 50〔H+ 〕カラム(ダウケミカル製)でイオン交換した後、10%トリ−n−ブチルアミン/エタノールでpH5.0に調整し、ジエチルエーテル300mlで2回洗浄した。20℃で減圧下でエーテルを留去した後、水層を凍結乾燥し、さらに五酸化リン存在下に減圧乾燥してコンドロイチン硫酸Aのトリ−n−ブチルアミン塩を調製した。この塩をDMF300mlに溶解した後に、0℃でピリジン−SO3 複合体(アルドリッチ社製)7.5g/DMF100mlをゆっくり滴下し、1時間攪拌して硫酸化した。水100mlを添加して反応を止め、0.1N NaOH水溶液でpH9.0に調整した後、流水で透析し、40℃下、エバポレーターで濃縮し、イオン交換(SA−12A(三菱化学株式会社製):150ml及びPK−220(三菱化学株式会社製):150ml)に付した。1N NaOH水溶液で中和した後、40℃下、エバポレーターで濃縮し、5%になるように酢酸ナトリウムを加え、5倍量のエタノールを加えて得た沈殿物を乾燥し、チョウザメ脊索由来の半合成コンドロイチン硫酸E(以下、「ガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸A(チョウザメ脊索由来)」とする)として2gを得た。この平均分子量は、製造例1と同様に測定した結果、1万1千であった。また、この硫黄含量は10.9%であった。
【0046】
製造例5:クジラ軟骨由来のコンドロイチン硫酸Aのガラクトサミン残基の6位の特異的硫酸化
クジラ軟骨由来のコンドロイチン硫酸A(平均分子量:2万5千〜5万、生化学工業株式会社製)を上記製造例4と同様に処理し、クジラ軟骨由来の半合成コンドロイチン硫酸E(以下、「ガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸A(クジラ軟骨由来)▲1▼」とする)を得た。この平均分子量は、製造例1と同様に測定した結果、1万6千であった。
【0047】
また、クジラより採取した別のロットの軟骨から、上記と同様の方法でクジラ軟骨由来の半合成コンドロイチン硫酸E(以下、「ガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸A(クジラ軟骨由来)▲2▼」とする)を調製した。上記と同様に平均分子量を測定した結果、2万8千であった。
【0048】
製造例6:鶏冠由来のコンドロイチン硫酸Bのガラクトサミン残基の6位の特異的硫酸化
鶏冠から常法により抽出して精製したコンドロイチン硫酸Bを、上記製造例4と同様に処理し、鶏冠由来の半合成コンドロイチン硫酸E(以下、「ガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸B(鶏冠由来)▲1▼」とする)を得た。この平均分子量は製造例1と同様に測定した結果3万6千であった。
【0049】
また、別のロットの鶏冠から、上記と同様の方法で鶏冠由来の半合成コンドロイチン硫酸E(以下、「ガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸B(鶏冠由来)▲2▼」とする)を調製した。上記と同様に平均分子量を測定した結果、3万8千であった。
【0050】
二糖分析:
硫酸化多糖として、製造例1で得られたコンドロイチン硫酸E、製造例2で得られたコンドロイチン硫酸E、製造例3で得られたガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸E、製造例4で用いたコンドロイチン硫酸A及び得られたガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸A、製造例5で用いたコンドロイチン硫酸A及び得られたガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸A、製造例6で用いたコンドロイチン硫酸B及び得られたガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸B、並びにコンドロイチン硫酸A(牛気管由来)、コンドロイチン硫酸C及びコンドロイチン硫酸Dについて、二糖分析を行った。
【0051】
具体的には次の通り行った。硫酸化多糖のリアーゼとしてコンドロイチナーゼABC(生化学工業株式会社製)を用い、前記硫酸化多糖を酵素処理した。生成した不飽和二糖の組成をポリアミン結合型シリカ担体カラム(株式会社YMC製)を用いたHPLCにかけ、標準不飽和二糖(不飽和コンドロ二糖キット;生化学工業株式会社製)の溶出位置と比較することにより、前記硫酸化多糖中の二糖組成およびその含量を解析した。結果を第1表に示した。なお本実施例において、コンドロイチン硫酸A(牛気管由来)は、牛気管から常法により抽出して精製したもの(平均分子量:1万4千)、コンドロイチン硫酸C及びコンドロイチン硫酸Dはいずれもサメ軟骨由来で、生化学工業株式会社製のものを用いた。
【0052】
【表1】
Figure 0004019128
【0053】
第1表中で、「N.D.」は検出限界以下であったことを示す。また第1表中で*を付した数字は、ゾルバックス SAX(Zorbax SAX)カラム(Rockland Technologies 社製) により同定したΔDi−diSB 〔2-acetamido-2-deoxy-3-O-(2-O-sulfo- β-D-gluco-4-enopyranosyluronic acid)-4 -O-sulfo-D-galactose、すなわち、後述する第2表においてR’=H、R”=SO3 H、, R”’=SO3 Hである不飽和二糖である〕の割合(%)を示す。
また、第1表中で0S、4S、6S、diSD、diSE及びtriSは、コンドロイチナーゼABC(リアーゼの一種)処理により生成した後述の式(3)の不飽和二糖を表し、その硫酸基組成と共に第2表に示した。
【0054】
【表2】
Figure 0004019128
【0055】
<試験例1>
HSV1型のVero細胞への吸着段階で試験試料を添加した場合に出現するプラークの数を指標として、抗ウイルス活性を測定した。具体的には、12ウエルのマイクロタイタープレートに10%仔ウシ血清添加イーグルMEM培地に懸濁したVero細胞(濃度:2×105 /ウエル)を播き、5%炭酸ガスの存在下、37℃で2日間培養した。2日後に、細胞が単層になっていることを確認してから、培地を除去し、所定の濃度に希釈した試料溶液(各種硫酸化多糖溶液)450μl とHSV1型溶液50μl の混合溶液100μl をウエルに添加した。対照として前記のHSV1型溶液の10倍希釈溶液100μl をウエルに添加した。試料の希釈は、2%仔ウシ血清添加イーグルMEM培地で行った。同一濃度試料サンプルは、各3ウエルずつ添加した。室温で1時間静置してHSV1型をVero細胞に吸着させた後、0.8%寒天、0.015%ジエチルアミノエチルデキストラン(DEAE−デキストラン;シグマ製)及び2%仔ウシ血清添加イーグルMEM培地を1ウエル当たり1.5ml加え、5%炭酸ガスの存在下、37℃で2〜5日間培養した。ウイルスによる細胞変性効果(CPE)を確認した後、0.8%寒天、0.008%ニュートラルレッド及び2%仔ウシ血清添加イーグルMEM培地を1ウエル当たり0.75ml加え、5%炭酸ガスの存在下、37℃でさらに1〜2日間培養した。出現したプラークを数え、HSV1型のみを添加した場合(硫酸化多糖を添加しなかった場合)のプラーク数を半減させる試料濃度を50%有効濃度とした。試験結果を第3表に示した。
【0056】
【表3】
Figure 0004019128
【0057】
第3表中で、「N.T.」は測定していないことを示す。
【0058】
この結果において、コンドロイチン硫酸E(マイカ軟骨由来及びアカイカ軟骨由来)、ガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸E(アカイカ軟骨由来)、ガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸A(チョウザメ脊索由来及びクジラ軟骨由来)及びガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸B(鶏冠由来)は、抗ヘルペスウイルス活性を有するヘパリンやデキストラン硫酸を顕著に上回る抗ヘルペスウイルス(HSV1型)活性を示している。
【0059】
コンドロイチン硫酸E(マイカ軟骨由来及びアカイカ軟骨由来)、ガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸E(アカイカ軟骨由来)、ガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸A(チョウザメ脊索由来及びクジラ軟骨由来)及びガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸B(鶏冠由来)は、いずれもウロン酸残基の1位とヘキソサミン残基の3位がグリコシド結合し、かつ該ヘキソサミン残基の4位と6位が硫酸化されている二糖単位を含む硫酸化多糖である。また、いずれも、二糖分析においてΔDi−diSE の含有率が30%〜100%である硫酸化多糖である点について共通している。また、二糖分析において、ΔDi−diSE の含有率が40%〜100%、特に45%〜100%、さらには45〜80%である硫酸化多糖は、極めて強い抗ヘルペスウイルス活性を有することが示された。本発明において、平均分子量5千〜12万の硫酸化多糖、特に平均分子量1万〜12万の硫酸化多糖を用いることが好ましい。
【0060】
一方、コンドロイチン硫酸Bの抗ヘルペスウイルス(HSV1型)活性はヘパリンやデキストラン硫酸を大きく下回るものであった。また、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸C及びコンドロイチン硫酸Dは、この試験例において抗ヘルペスウイルス(HSV1型)活性を示さなかった。
【0061】
<試験例2>
HSV2型のVero細胞への吸着段階で試験試料を添加した場合に出現するプラークの数を指標として、試験例1と同様に抗ウイルス活性を測定した。試験結果を第4表に示した。
【0062】
【表4】
Figure 0004019128
【0063】
第4表中で、「N.T.」は測定していないことを示す。
【0064】
この結果において、コンドロイチン硫酸E(マイカ軟骨由来及びアカイカ軟骨由来)、ガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸E(アカイカ軟骨由来)、ガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸A(クジラ軟骨由来)及びガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸B(鶏冠由来)は、抗ヘルペスウイルス活性を有するヘパリンやデキストラン硫酸を顕著に上回る抗ヘルペスウイルス(HSV2型)活性を示している。
【0065】
試験例1及び試験例2の結果から、本発明の薬剤で用いることができる硫酸化多糖は、HSV1型及び2型のいずれのヘルペスウイルスに対しても有効であることが示された。
【0066】
<製剤例>
製剤例1:眼用溶液
製造例1で得たコンドロイチン硫酸E▲1▼ 1mg
塩化ナトリウム 900mg
チオメルサール 1mg
上記に精製水を加えて全100mlとし、pH5.5〜7.5に調整したのち無菌濾過し、無菌容器に充填した。
【0067】
製剤例2:軟膏
製造例2で得たコンドロイチン硫酸E 2g
鉱油 4g
石油ゼリー 8g
混合メチル/プロピルパラバン 0.06g
非イオン性界面活性剤 1g
精製水 30g
上記を常法により混合し、容器に充填した。
【0068】
製剤例3:錠剤
製造例3で得た半合成コンドロイチン硫酸E 100mg
ラクトース 200mg
デンプン 50mg
ステアリン酸マグネシウム 4mg
上記を常法により混合、造粒、打錠して錠剤とした。
【0069】
製剤例4:注射用溶液
製造例1で得たコンドロイチン硫酸E▲1▼ 1g
上記に注射用食塩水20mlを加え、無菌濾過した後アンプルに分注し、密封した。
【0070】
【発明の効果】
本発明の、硫酸化多糖を有効成分として含む抗ヘルペスウイルス剤は、ヘパリンやデキストラン硫酸を顕著に上回る抗ヘルペスウイルス活性を有し、ヘルペスウイルス関連疾患の予防、維持(悪化防止)、軽減(症状改善)、治療等に利用することができる。

Claims (6)

  1. グルクロン酸残基又はイズロン酸残基の1位と、N−アセチルガラクトサミン残基の3位がグリコシド結合し、かつ該N−アセチルガラクトサミン残基の4位と6位が硫酸化されている二糖単位構造が二糖分析におけるΔDi−diSの含有率として30%〜100%含まれるコンドロイチン硫酸を有効成分とする抗ヘルペスウイルス剤。
  2. グルクロン酸残基又はイズロン酸残基の1位と、N−アセチルガラクトサミン残基の3位がグリコシド結合し、かつ該N−アセチルガラクトサミン残基の4位と6位が硫酸化されている二糖単位構造が二糖分析におけるΔDi−diSの含有率として40%〜100%含まれるコンドロイチン硫酸を有効成分とする抗ヘルペスウイルス剤。
  3. 下記群より選択される1又は2以上のコンドロイチン硫酸を有効成分とする抗ヘルペスウイルス剤:
    ガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸E、ガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸A及びガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸B。
  4. コンドロイチン硫酸Eを有効成分とする抗ヘルペスウイルス剤。
  5. コンドロイチン硫酸Eが、イカの軟骨由来のコンドロイチン硫酸Eである請求項4記載の抗ヘルペスウイルス剤。
  6. コンドロイチン硫酸の分子量が、5千〜15万である請求項1〜5のいずれか1項記載の抗ヘルペスウイルス剤。
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