JP4030830B2 - 縞模様画像鑑定装置および縞模様画像鑑定方法 - Google Patents
縞模様画像鑑定装置および縞模様画像鑑定方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、縞模様画像同士の異同判断を補助する縞模様画像鑑定装置および縞模様画像鑑定方法に関し、特に指紋等の異同判断を補助する縞模様画像鑑定装置および縞模様画像鑑定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、縞模様状の多数の隆線によって構成される指紋は終生不変および万人不同という二つの大きな特徴をもっているため、古くから人物確認の手段として利用されている。従来の指紋鑑定では、鑑定官(examiner)が二つの指紋データを見比べ、指紋隆線上の特徴点が合致することを目視で鑑定していた。そして、二つのデータで対になる特徴点の数が一定数以上存在すれば、同一指紋と判断していた。なお、特徴点とは、縞となる線の端点または分岐点のことである。そして、二つのデータ(この場合指紋データ)で対になる特徴点を対特徴点という。
【0003】
裁判では、並べて配置した二つの指紋写真や指紋濃淡画像とともに、確認された対特徴点同士の関連を示す資料が提出される。多くの国の裁判では、二つの指紋データの中に12組程度の対特徴点の組が見つかれば、その二つの指紋は同一であると認められる。この詳細は、「The Science of Fingerprints-Classification and Uses (John Edgar Hoover, US DOJ, FBI; 1963)」の190ページから193ページに記載されている。
【0004】
近年では、計算機を用いた指紋照合システムが普及しつつあり、これに伴い裁判用証拠資料も計算機を用いて作成することが多くなっている。また、対特徴点をわかりやすく表示するように表示画面を修正する機能は、米国でチャーティング機能(Charting Function )と呼ばれている。半自動化されたチャーティング機能を実現した指紋照合システムは既に用いられている。この指紋照合システムでは、鑑定官が全ての対特徴点の情報をマニュアル操作で入力する必要はなく、指紋照合システムが特徴点同士を照合して、対になると評価された対特徴点群を自動的に表示する。鑑定官は、表示された対特徴点について確認および修正を行う。図45,46は、チャーティング機能によって表示された指紋データの例である。図45に示す例では、対応する特徴点を同じ番号で指定して対応関係を明確にしている。図46は、図45に示す各対特徴点がほぼ水平となるように指紋データの一方を修正したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、質の低い遺留指紋を照合する場合には、鑑定官が特徴点の対応付けを行わねばならず、鑑定官に作業負担が生じる。また、特徴点が存在しない領域において、隆線形状が同一といえるかどうかを判断することは困難である。
【0006】
また、一つの指には特徴点が100個程度存在する。従って、異なる指紋データであっても、対になると判断される対特徴点の組が10組以上見つかることがある。従って、特徴点だけに着目して指紋の照合を行うと誤った鑑定結果を導いてしまう可能性がある。図47(a),(b)は、異なる指紋から抽出された特徴点の情報を示す。円形で示した点は端点を表し、四角で示した点は分岐点を表す。なお、特徴点から伸びる短い線分は、特徴点方向を示す。特徴点方向は、NISTデータ交換標準定義(サブセクション16.1.4)において定義されている。図47において、同じ番号で示した特徴点は、対特徴点と判断された点である。しかし、図47に示すような特徴点のデータだけから二つの指紋が合致するか否かを判断することは困難である。図48に示すように、特徴点のデータだけでなく、隆線のデータも併せて表示すれば、特徴点が一致していても隆線構造が異なるので別の指紋であると判断できる。しかし、サーチ側の指紋の質が低いと、隆線の確認が難しくなるので、両者を比較して鑑定することが困難になる。
【0007】
さらに、陪審員制度を採用している米国等では、指紋鑑定官だけでなく一般の陪審員も指紋鑑定結果を容易に確認できるようにすることが望まれている。
【0008】
このような問題を解決するために、一方の指紋画像がもう一方の指紋画像と合致するように画像歪みを修正し、指紋画像を並べて表示することで、目視での確認を容易にする方法が考えられる。例えば、特許第2885787号公報には、対特徴点と指紋の中心点との距離に基づいて画像歪みを修正する方法が記載されている。
【0009】
しかし、この画像歪みの修正方法は、指紋の中心点がない場合には適用が困難である。中心点がない指紋としては、例えば弓状紋がある。また、鑑定を要する遺留指紋の中には、指紋の中心がない片鱗指紋もある。これらの指紋の画像の修正に特許第2885787号公報に記載の修正方法を適用することは困難である。
【0010】
また、特許第2885787号公報に記載の画像歪みの修正方法では、歪みを修正できる範囲が対特徴点の近傍の領域に限定される。そのため、画像全体としての歪み修正効果が小さくなることがあった。特に、対特徴点の数が少ない場合、歪み修正の効果は非常に小さい。
【0011】
そこで、本発明は、指紋等の縞模様画像の照合に伴う鑑定官等の負担を軽減し、また、鑑定精度を向上させることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による縞模様画像鑑定装置は、第一の縞模様画像と第二の縞模様画像とが一致するか否かの鑑定を補助する縞模様画像鑑定装置であって、第一の縞模様画像および第二の縞模様画像と、第一の縞模様画像の縞を細線化した線である第一の縞模様画像の芯線のデータと、第二の縞模様画像の縞を細線化した線である第二の縞模様画像の芯線のデータと、第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで対になる特徴点同士の組である対特徴点とを記憶する記憶手段(例えばデータ記憶手段22)と、対特徴点を用いて、第二の縞模様画像の芯線上の点の中から第一の縞模様画像の芯線上の点に対応する点を特定することによって、芯線上の点同士の対応付け処理を行う対応付け手段(例えば芯線データ照合手段20)と、縞模様画像の縞を細線化した芯線上の点であって対応する点が第二の縞模様画像に存在する第一の縞模様画像の点と、前記点に対応する第二の縞模様画像の芯線上の点とを近づけるようにして、第一の縞模様画像と第二の縞模様画像のうちのいずれか一方の縞模様画像のデータを修正する画像歪み修正手段と、画像歪み修正手段が修正した縞模様画像と、他方の縞模様画像を出力する画像表示手段とを備え、特徴点は、芯線上の端点および分岐点であり、特徴点の種別は、端点と分岐点とに分けられていて、対応付け手段が、第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで特徴点の種別が一致している対特徴点である合致特徴点を順に選択し(例えばステップA112の処理を行い)、選択した合致特徴点毎に、選択した当該合致特徴点以外の他の合致特徴点である近傍マーク対特徴点を1つずつ選択し(例えばステップA110の処理を行い)、近傍マーク対特徴点毎に、選択した合致特徴点と近傍マーク対特徴点とを結ぶ線と芯線との交差数を第一の縞模様画像側および第二の縞模様画像側でそれぞれ求め(例えばステップA106,A107の処理を行い)、データの不適切さの度合いを示す数値であるペナルティであって第一の縞模様画像側の交差数と第二の縞模様画像側の交差数の差に応じたペナルティを求め(例えばステップA109で注目近傍対特徴点MPM(j)に応じたペナルティを求め)、選択した合致特徴点毎にペナルティの和を求め(例えばステップA109で注目近傍対特徴点MPM(j)に応じたペナルティをP(k)に加算し)、前記和が最も小さい合致特徴点を、対応付け処理を行う芯線の順番を定める際の基準となるベース対特徴点とし、前記和が最小となる合致特徴点が複数存在する場合にはその複数の合致特徴点のうち第一の縞模様画像の特徴点群の重心座標に最も近い合致特徴点をベース対特徴点とし、対特徴点を順に選択し(例えばステップA210の処理を行い)、当該対特徴点とベース対特徴点とを結ぶ線と芯線との交差数を第一の縞模様画像側および第二の縞模様画像側でそれぞれ求め(例えばステップA206,A207の処理を行い)、第一の縞模様画像側および第二の縞模様画像側で交差数が異なっているか、あるいは、選択した対特徴点における第一の縞模様画像側の特徴点の種別と第二の縞模様画像側の特徴点の種別とが異なっている場合に、第一の縞模様画像側の交差数と第二の縞模様画像側の交差数の差および前記第一の縞模様画像側の特徴点の種別と前記第二の縞模様画像側の特徴点の種別との組み合わせに応じて予め定められているルールに従って、第二の縞模様画像の芯線のデータおよび特徴点を修正し(例えばステップA209の処理を行い)、端点、分岐点または縞模様画像の不明領域直前の芯線上の点のいずれかを開始点および終点とする芯線の処理単位である各ユニットのうち、第一の縞模様画像側の各ユニットに対して、合致特徴点に接続しているか否かおよびベース対特徴点との距離に基づいて順位付けを行い(例えばステップA301の処理を行い)、順位付けした順番に、第一の縞模様画像側の各ユニットを選択し(例えばステップA307の処理を行い)、選択したユニットの片側の端点のみが合致特徴点である場合には、第一の縞模様画像側の選択したユニットから合致特徴点を起点として当該合致特徴点に近い順に芯線上の点である芯線点を選択し(例えばステップA317の処理を行い)、選択したユニット以外の第一の縞模様画像のユニットから、合致特徴点または第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで対応付けられた芯線点の組である合致芯線点をなす参照点を2つ選択し(例えばステップA313の処理を行い)、選択した芯線点と第一の縞模様画像側の2つの参照点とがなす第一の角度を求め(例えばステップA314の処理を行い)、選択したユニット上の芯線点と対応することが既に明らかになっている第二の縞模様画像側の芯線点を基準にして、第一の縞模様画像側のユニットから選択した芯線点に対応する第二の縞模様画像側の芯線点の候補を複数選択し(例えばステップA315の処理を行い)、各候補毎に候補と第二縞模様画像側の2つの参照点とがなす第二の角度を求め、第一の角度と第二の角度の差および、候補毎に定める値に基づいて、選択した複数の候補の中から第一の縞模様画像側で選択した芯線点に対応する第二の縞模様画像側の芯線点を決定する(例えばステップA316の処理を行う)第1の芯線点決定処理(例えばサブステップA3−1)を実行し、選択したユニットの両端がいずれも合致特徴点である場合には、第一の縞模様画像側の選択したユニットから合致特徴点を起点として当該合致特徴点に近い順に芯線上の点である芯線点を選択し(例えばステップA327の処理を行い)、当該芯線点からユニットの両端の合致特徴点までの距離をそれぞれ求め(例えばステップA323の処理を行い)、求めた各距離の和に対する当該芯線点から一方の合致特徴点までの距離の比を求め(例えばステップA324の処理を行い)、選択したユニット上の芯線点と対応することが既に明らかになっている第二の縞模様画像側の芯線点を基準にして、第一の縞模様画像側のユニットから選択した芯線点に対応する第二の縞模様画像側の芯線点の候補を複数選択し(例えばステップA325の処理を行い)、各候補毎に候補から選択したユニットに対応する第二の縞模様画像側の芯線の両端までの距離をそれぞれ求め、求めた各距離の和に対する当該候補から前記芯線の片側の端部の合致特徴点までの距離の比を求め、第一の縞模様画像側で求めた距離の比と、第二の縞模様画像側で求めた距離の比とに基づいて、選択した複数の候補の中から第一の縞模様画像側で選択した芯線点の画素に対応する第二の縞模様画像側の芯線点を決定する(例えばステップA326の処理を行う)第2の芯線点決定処理(例えばサブステップA3−2)を実行し、選択したユニット上に合致特徴点が存在しない場合には、選択したユニットに隣接する芯線である隣接芯線を検索し(例えばステップA331の処理を行い)、当該隣接芯線上の合致特徴点から選択したユニットに下ろした垂線の足を特定し、当該合致特徴点における第二の縞模様画像側の特徴点から前記ユニットに対応する第二の縞模様画像側の芯線に下ろした垂線の足を特定し(例えばステップA333の処理を行い)、第一の縞模様画像側の前記垂線の足と第二の縞模様画像側の前記垂線の足との組を合致特徴点とみなして、前記第1の芯線点決定処理または第2の芯線点決定処理を行い、画像歪み修正手段が、対特徴点および第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで対応付けられた芯線点のうち第二の縞模様画像側の点の座標をベクトルの始点として定め、当該点に対応する第一の縞模様画像側の点の座標をベクトルの終点として定め、始点および終点を定めた各ベクトルに応じて、対応する点同士を近づけるように第一の縞模様画像と第二の縞模様画像のうちのいずれか一方の縞模様画像のデータを修正することを特徴とする。
【0013】
画像歪み修正手段は、対応する点が第二の縞模様画像に存在する第一の縞模様画像の芯線上の点を所定の間隔毎に抽出し、抽出した各点と、その各点に対応する第二の縞模様画像の芯線上の各点とを近づけるようにして、第一の縞模様画像と第二の縞模様画像のうちのいずれか一方の縞模様画像のデータを修正することが好ましい。そのような構成によれば、芯線上の全ての点を用いて歪みを修正するのではないので、歪み修正の処理時間がかかりすぎることがない。
【0014】
画像表示手段は、例えば、画像歪み修正手段が修正した縞模様画像と、他方の縞模様画像とを重畳させて出力する。重畳させることで、縞模様画像の一致の度合いを観察しやすくなる。
【0015】
画像表示手段は、例えば、各縞模様画像として、色の濃度を変化させることで縞模様を表した濃淡画像を出力する。
【0016】
濃淡画像における色の濃度を変更する濃度変更手段を備えていることが好ましい。そのような構成によれば、濃度を変更することで、縞模様画像の一致の度合いを一層観察しやすくなる。
【0017】
また、画像表示手段は、例えば、各縞模様画像として、芯線の画像を出力する。
【0018】
芯線の画像における芯線の色を変更する芯線色変更手段を備えていることが好ましい。そのような構成によれば、芯線の色を変更することで、縞模様画像の一致の度合いを一層観察しやすくなる。
【0019】
また、画像表示手段は、例えば、画像歪み修正手段が修正した縞模様画像と他方の縞模様画像とを一定の切替間隔毎に切り替えて同じ位置に表示する。そのような構成によれば、残像を利用して、縞模様画像の一致の度合いを観察しやすくなる。
【0021】
第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで特徴点同士が対応する点であることを指定する操作が行われた場合に、前記特徴点同士の組を新たな対特徴点とし、第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで芯線点同士が対応する点であることを指定する操作が行われた場合に、前記芯線点同士の組を対応する芯線点同士の組とし、対特徴点を削除する操作が行われた場合に、対特徴点の中から指定された対特徴点を削除し、対応付けられた芯線点の組を削除する操作が行われた場合に、対応付けられた芯線点の組の中から指定された芯線点の組を削除し、第一の縞模様画像または第二の縞模様画像の点および当該点の移動先を指定する操作が行われた場合に、指定された点を指定された移動先に移動させる対応関係修正手段を備え、対応付け手段は、修正された対特徴点の情報および芯線上の点の情報に基づいて芯線上の点同士の対応付け処理をやり直すことが好ましい。そのような構成によれば、鑑定官等は対特徴点等の情報を修正することができ、この修正の結果、より適切に歪みを修正することができる。
【0022】
芯線の端部同士を指定する操作が行われた場合に、指定された端点同士を接続するように芯線のデータを修正する芯線データ修正手段を備え、対応付け手段は、修正された芯線のデータに基づいて芯線上の点同士の対応付け処理をやり直すことが好ましい。そのような構成によれば、鑑定官等は芯線データを修正することができ、この修正の結果、より適切に歪みを修正することができる。
【0023】
また、本発明による縞模様画像鑑定方法は、第一の縞模様画像と第二の縞模様画像とが一致するか否かの鑑定を補助する縞模様画像鑑定方法であって、第一の縞模様画像および第二の縞模様画像と、第一の縞模様画像の縞を細線化した線である第一の縞模様画像の芯線のデータと、第二の縞模様画像の縞を細線化した線である第二の縞模様画像の芯線のデータと、第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで対になる特徴点同士の組である対特徴点とを記憶する記憶手段(例えばデータ記憶手段22)と、対特徴点を用いて、第二の縞模様画像の芯線上の点の中から第一の縞模様画像の芯線上の点に対応する点を特定することによって、芯線上の点同士の対応付け処理を行う対応付け手段(例えば芯線データ照合手段20)と、縞模様画像の縞を細線化した芯線上の点であって対応する点が第二の縞模様画像に存在する第一の縞模様画像の点と、前記点に対応する第二の縞模様画像の芯線上の点とを近づけるようにして、第一の縞模様画像と第二の縞模様画像のうちのいずれか一方の縞模様画像のデータを修正する画像歪み修正手段と、画像歪み修正手段が修正した縞模様画像と、他方の縞模様画像を出力する画像表示手段(鑑定図編集表示手段26)とを備え、芯線上の端点および分岐点を特徴点とし、特徴点の種別を端点と分岐点とに分けている縞模様画像鑑定装置に適用される縞模様画像鑑定方法において、対応付け手段が、第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで特徴点の種別が一致している対特徴点である合致特徴点を順に選択し(例えばステップA112の処理を行い)、選択した合致特徴点毎に、選択した当該合致特徴点以外の他の合致特徴点である近傍マーク対特徴点を1つずつ選択し(例えばステップA110の処理を行い)、近傍マーク対特徴点毎に、選択した合致特徴点と近傍マーク対特徴点とを結ぶ線と芯線との交差数を第一の縞模様画像側および第二の縞模様画像側でそれぞれ求め(例えばステップA106,A107の処理を行い)、データの不適切さの度合いを示す数値であるペナルティであって第一の縞模様画像側の交差数と第二の縞模様画像側の交差数の差に応じたペナルティを求め(例えばステップA109で注目近傍対特徴点MPM(j)に応じたペナルティを求め)、選択した合致特徴点毎にペナルティの和を求め(例えばステップA109で注目近傍対特徴点MPM(j)に応じたペナルティをP(k)に加算し)、前記和が最も小さい合致特徴点を、対応付け処理を行う芯線の順番を定める際の基準となるベース対特徴点とし、前記和が最小となる合致特徴点が複数存在する場合にはその複数の合致特徴点のうち第一の縞模様画像の特徴点群の重心座標に最も近い合致特徴点をベース対特徴点とし、対特徴点を順に選択し(例えばステップA210の処理を行い)、当該対特徴点とベース対特徴点とを結ぶ線と芯線との交差数を第一の縞模様画像側および第二の縞模様画像側でそれぞれ求め(例えばステップA206,A207の処理を行い)、第一の縞模様画像側および第二の縞模様画像側で交差数が異なっているか、あるいは、選択した対特徴点における第一の縞模様画像側の特徴点の種別と第二の縞模様画像側の特徴点の種別とが異なっている場合に、第一の縞模様画像側の交差数と第二の縞模様画像側の交差数の差および前記第一の縞模様画像側の特徴点の種別と前記第二の縞模様画像側の特徴点の種別との組み合わせに応じて予め定められているルールに従って、第二の縞模様画像の芯線のデータおよび特徴点を修正し(例えばステップA209の処理を行い)、端点、分岐点または縞模様画像の不明領域直前の芯線上の点のいずれかを開始点および終点とする芯線の処理単位である各ユニットのうち、第一の縞模様画像側の各ユニットに対して、合致特徴点に接続しているか否かおよびベース対特徴点との距離に基づいて順位付けを行い(例えばステップA301の処理を行い)、順位付けした順番に、第一の縞模様画像側の各ユニットを選択し(例えばステップA307の処理を行い)、選択したユニットの片側の端点のみが合致特徴点である場合には、第一の縞模様画像側の選択したユニットから合致特徴点を起点として当該合致特徴点に近い順に芯線上の点である芯線点を選択し(例えばステップA317の処理を行い)、選択したユニット以外の第一の縞模様画像のユニットから、合致特徴点または第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで対応付けられた芯線点の組である合致芯線点をなす参照点を2つ選択し(例えばステップA313の処理を行い)、選択した芯線点と第一の縞模様画像側の2つの参照点とがなす第一の角度を求め(例えばステップA314の処理を行い)、選択したユニット上の芯線点と対応することが既に明らかになっている第二の縞模様画像側の芯線点を基準にして、第一の縞模様画像側のユニットから選択した芯線点に対応する第二の縞模様画像側の芯線点の候補を複数選択し(例えばステップA315の処理を行い)、各候補毎に候補と第二縞模様画像側の2つの参照点とがなす第二の角度を求め、第一の角度と第二の角度の差および、候補毎に定める値に基づいて、選択した複数の候補の中から第一の縞模様画像側で選択した芯線点に対応する第二の縞模様画像側の芯線点を決定する(例えばステップA316の処理を行う)第1の芯線点決定処理(例えばサブステップA3−1)を実行し、選択したユニットの両端がいずれも合致特徴点である場合には、第一の縞模様画像側の選択したユニットから合致特徴点を起点として当該合致特徴点に近い順に芯線上の点である芯線点を選択し(例えばステップA327の処理を行い)、当該芯線点からユニットの両端の合致特徴点までの距離をそれぞれ求め(例えばステップA323の処理を行い)、求めた各距離の和に対する当該芯線点から一方の合致特徴点までの距離の比を求め(例えばステップA324の処理を行い)、選択したユニット上の芯線点と対応することが既に明らかになっている第二の縞模様画像側の芯線点を基準にして、第一の縞模様画像側のユニットから選択した芯線点に対応する第二の縞模様画像側の芯線点の候補を複数選択し(例えばステップA325の処理を行い)、各候補毎に候補から選択したユニットに対応する第二の縞模様画像側の芯線の両端までの距離をそれぞれ求め、求めた各距離の和に対する当該候補から前記芯線の片側の端部の合致特徴点までの距離の比を求め、第一の縞模様画像側で求めた距離の比と、第二の縞模様画像側で求めた距離の比とに基づいて、選択した複数の候補の中から第一の縞模様画像側で選択した芯線点の画素に対応する第二の縞模様画像側の芯線点を決定する(例えばステップA326の処理を行う)第2の芯線点決定処理(例えばサブステップA3−2)を実行し、選択したユニット上に合致特徴点が存在しない場合には、選択したユニットに隣接する芯線である隣接芯線を検索し(例えばステップA331の処理を行い)、当該隣接芯線上の合致特徴点から選択したユニットに下ろした垂線の足を特定し、当該合致特徴点における第二の縞模様画像側の特徴点から前記ユニットに対応する第二の縞模様画像側の芯線に下ろした垂線の足を特定し(例えばステップA333の処理を行い)、第一の縞模様画像側の前記垂線の足と第二の縞模様画像側の前記垂線の足との組を合致特徴点とみなして、前記第1の芯線点決定処理または第2の芯線点決定処理を行い、画像歪み修正手段が、対特徴点および第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで対応付けられた芯線点のうち第二の縞模様画像側の点の座標をベクトルの始点として定め、当該点に対応する第一の縞模様画像側の点の座標をベクトルの終点として定め、始点および終点を定めた各ベクトルに応じて、対応する点同士を近づけるように第一の縞模様画像と第二の縞模様画像のうちのいずれか一方の縞模様画像のデータを修正し、画像表示手段が、画像歪み修正手段によって修正された縞模様画像と、他方の縞模様画像を出力することを特徴とする。
【0024】
画像歪み修正手段が、対応する点が第二の縞模様画像に存在する第一の縞模様画像の芯線上の点を所定の間隔毎に抽出し、抽出した各点と、その各点に対応する第二の縞模様画像の芯線上の各点とを近づけるようにして、第一の縞模様画像と第二の縞模様画像のうちのいずれか一方の縞模様画像のデータを修正することが好ましい。そのような方法によれば、芯線上の全ての点を用いて歪みを修正するのではないので、歪み修正の処理時間がかかりすぎることがない。
【0025】
例えば、画像表示手段が、修正した縞模様画像と、他方の縞模様画像とを重畳させて出力する。重畳させることで、縞模様画像の一致の度合いを観察しやすくなる。
【0026】
また、例えば、画像表示手段が、修正した縞模様画像と他方の縞模様画像とをディスプレイ装置に一定の切替間隔毎に切り替えて同じ位置に表示させる。そのような方法によれば、残像を利用して、縞模様画像の一致の度合いを観察しやすくなる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明による縞模様画像鑑定装置の例を示すブロック図である。ここでは指紋を照合対象とする場合を例に説明するので、指紋鑑定装置と記す。本実施の形態の指紋鑑定装置は、指紋画像入力手段13と、データ処理部14と、データ表示手段15と、データ入力手段16と、プリント手段17と、指紋特徴データ抽出手段18と、特徴点データ照合手段19と、芯線データ照合手段20とを備える。
【0028】
指紋画像入力手段13には、指紋センサやスキャナで読み取られた指紋画像が入力される。鑑定の対象になるのはデジタル化された指紋画像である。指紋画像入力手段13は、入力された指紋画像をデジタル化してもよい。あるいは、既にデジタル化された指紋の画像データが入力される構成であってもよい。以下の説明では、鑑定対象となる二つの指紋画像のうちの一方に関するデータであることを「サーチ側」または「S側」と記し、もう一方に関するデータであることを「ファイル側」または「F側」と記す。一般に、遺留指紋を「サーチ側」とし、予め用意されている指紋を「ファイル側」と呼ぶことが多い。指紋画像入力手段13には、サーチ側指紋画像11とファイル側指紋画像12の双方が入力される。
【0029】
データ表示手段15は、例えばディスプレイ装置等によって構成され、指紋画像、特徴点、対特徴点および芯線等を表示する。芯線とは、指紋の隆線等の縞を細線化した線である。また、芯線上の各点を芯線点と呼ぶことにする。
【0030】
データ入力手段は、例えばマウスやタブレット等の入力装置によって構成され、鑑定官の指示等が入力される。また、鑑定官によって指定された点や領域等の情報が入力される。プリント手段17は、プリンタ等の印刷装置によって構成され、鑑定結果(鑑定図)等を印刷して出力する。
【0031】
指紋特徴データ抽出手段18は、与えられた指紋画像の隆線を芯線化する処理や、特徴点を抽出処理等を行う。
【0032】
特徴点データ照合手段19は、与えられた二つの指紋(サーチ側指紋およびファイル側指紋)の特徴点のデータを照合し、特徴点データの類似の度合い(特徴点の照合スコア)を計算する。また、特徴点データ照合手段19は、対特徴点リストを作成する。対特徴点リストは、サーチ側とファイル側とで対応付けられた対特徴点の情報の集合である。
【0033】
芯線データ照合手段20は、与えられた二つの指紋の芯線のデータを照合し、芯線の合致の度合い(芯線の照合スコア)を計算する。また、芯線データ照合手段20は、芯線点対応リストを作成する。芯線点対応リストは、サーチ側とファイル側とで対応付けられた対になる芯線点の情報の集合である。
【0034】
データ処理部14は、鑑定官が行う指紋画像修正作業を支援する処理や、二つの指紋に関する情報を鑑定官に理解しやすいように編集する処理等を行う。データ処理部14は、他の各構成部(データ表示手段15、データ入力手段16、プリント手段17、指紋特徴データ抽出手段18、特徴点データ照合手段19および芯線データ照合手段20等)とデータを授受しながら処理を進める。データ処理部14は、データ処理制御手段21と、データ記憶手段22と、対応関係修正手段23と、芯線データ修正手段24と、画像歪み修正手段25と、鑑定図編集表示手段26とを備える。
【0035】
データ処理制御手段21は、所定のプログラムに従ってデータ処理部14全体を制御し、データ処理部14以外の各構成部と情報を授受する。データ記憶手段22は、入力されたサーチ側指紋画像11およびファイル側指紋画像12等を一時的に記憶する。また、特徴点データ、芯線データ、対特徴点リストおよび芯線点対応リスト等の各種データを一時的に記憶する。
【0036】
対応関係修正手段23は、サーチ側とファイル側とで対応する点に関する鑑定官の修正作業を支援する。芯線データ修正手段22は、サーチ側指紋およびファイル側指紋の芯線データに関する鑑定官の修正作業を支援する。
【0037】
画像歪み修正手段25は、与えられた対特徴点リストや芯線点対応リストを用いてサーチ側指紋やファイル側指紋の画像や芯線データの歪みを修正する。鑑定図編集表示手段26は、サーチ側指紋やファイル側指紋の対応関係を鑑定官が容易に理解できるように編集する。また、編集したデータをデータ表示手段15に表示させる。
【0038】
なお、本実施の形態において、データ処理制御手段21と、対応関係修正手段23と、芯線データ修正手段24と、画像歪み修正手段25と、鑑定図編集表示手段26とは、例えば、同一の情報処理装置によって実現される。
【0039】
次に、動作について説明する。図2は、本発明による指紋鑑定方法の処理経過の例を示す流れ図である。まず、指紋画像入力手段13にサーチ側指紋画像11およびファイル側指紋画像12が入力される。ここでは、サーチ側指紋画像11とファイル側指紋画像12が既にデジタル化された画像データである場合を例に説明する。デジタル化された指紋画像の例を図3に示す。図3(a),(b)は、それぞれ500dpiの解像度でデジタル化された押捺指紋と遺留指紋の画像例であり、米国National Institute of Standards and Technologyで標準化されたANSI/NIST-CSL-1-1993 Data Format for the Interchange of Fingerprint, Facial & SMT Informationに従ってデジタル化したものである。以下の実施の形態では、このようにしてデジタル化された指紋画像を鑑定対象とする場合を例に説明する。また、ファイル側指紋画像12として図3(a)に示すような押捺指紋が入力され、サーチ側指紋画像11として図3(b)に示すような遺留指紋が入力されるものとして説明する。
【0040】
指紋画像入力手段13は、入力されたサーチ側指紋画像11とファイル側指紋画像12をデータ処理部14に送信する。データ処理部14は、受信した各指紋画像11,12をデータ記憶手段22に一時的に記憶し、またデータ表示手段15に表示させる(ステップA501)。なお、サーチ側指紋画像11とファイル側指紋画像12の双方を入力せずに、いずれか一方のみを入力することとしてもよい。例えば、指紋鑑定装置に予めファイル側指紋画像12を記憶させておき、ステップA501においてサーチ側指紋画像11のみを入力することとしてもよい。
【0041】
続いて、データ処理部14のデータ処理制御手段21は、サーチ側指紋画像11とファイル側指紋画像12から芯線や特徴点に関するデータを抽出すべきか否かを判断する(ステップA502)。データ処理制御手段21は、例えば、データを抽出すべき旨の指示が鑑定官によってデータ入力手段16に入力された場合に、芯線や特徴点に関するデータを抽出すべきと判断する。あるいは、ステップA501で入力されたサーチ側指紋画像11およびファイル側指紋画像12の芯線や特徴点のデータがまだ存在しない場合に、芯線や特徴点に関するデータを抽出すべきと自動的に判断してもよい。
【0042】
芯線や特徴点に関するデータを抽出すべきと判断した場合、指紋鑑定装置は、指紋画像から芯線データや特徴点データを抽出し、抽出した芯線や特徴点をデータ表示手段15に表示させる(ステップA503)。ステップA503において、データ処理制御手段21は、データ記憶手段22からサーチ側指紋画像11やファイル側指紋画像12を読み出し、指紋特徴データ抽出手段18に送信する。
【0043】
指紋特徴データ抽出手段18は、受信した指紋画像に対して二値化処理後、細線化処理を行って芯線データを抽出する。この二値化処理や細線化処理は、例えば、特公昭60−12674号公報およびその米国特許第4310827号に記載されているような公知の技術によって実現できる。図4(a),(b)は、それぞれ図3(a),(b)に示す指紋画像から抽出された芯線の例である。図4に例示する芯線データでは、16×16画素の矩形領域毎にデータの信頼度が高いか低いかを示している。この16×16画素の矩形領域をゾーン領域またはゾーンと記す。図4では、データ信頼度の低いゾーンが存在する領域(不明領域)を斜線で示している。なお、芯線は個々の黒画素が縦方向、横方向または斜め方向に連続的に並ぶことによって表されるが、図4では滑らかな曲線として示す。図4以降の図面で表した芯線も同様である。
【0044】
指紋特徴データ抽出手段18は、芯線データを抽出したならば、その芯線データから特徴点(端点および分岐点)のデータを抽出する。この特徴点抽出処理は、例えば、特公昭60−12674号公報およびその米国特許第4310827号に記載されているような公知の技術によって実現することができる。図5(a),(b)は、それぞれ図3(a),(b)に示す指紋画像から抽出された特徴点の例である。図5に示す例では、特徴点のうち分岐点を四角形で示し、特徴点のうち端点を円形で示している。なお、図5において、各特徴点から伸びる短い線分は、特徴点方向を示す。
【0045】
指紋特徴データ抽出手段18は、抽出した芯線データおよび特徴点データをデータ処理部14に送る。データ処理部14のデータ処理制御手段21は、その芯線データおよび特徴点データをデータ記憶手段22に記憶させる。また、芯線データや特徴点データに基づいて、図4,5に例示する芯線や特徴点の状態を示す画像をデータ表示手段15に表示させる。以上で、ステップA503の処理が終了する。
【0046】
データ処理制御手段21は、ステップA503が終了したときに、S側の特徴点とF側の特徴点とを照合すべきかを判断する(ステップA504)。ステップA503終了時だけでなく、ステップA502で芯線や特徴点に関するデータを抽出しないと判断したときにも、ステップA504の判断を行う。データ処理制御手段21は、例えば、特徴点の照合処理を行うべき旨の指示が鑑定官によってデータ入力手段16に入力された場合に、S側の特徴点とF側の特徴点とを照合すべきと判断する。あるいは、特徴点の照合結果がまだ存在しない場合に、照合を行うべきと自動的に判断してもよい。
【0047】
S側の特徴点とF側の特徴点とを照合すべきと判断した場合、指紋鑑定装置は、特徴点の照合処理を行い、対になると判断された特徴点同士を関連づけてデータ表示手段15に表示させる(ステップA505)。ステップA505において、データ処理制御手段21は、データ記憶手段22からS側の特徴点データやF側の特徴点データ等を読み出し、特徴点データ照合手段19に送信する。
【0048】
特徴点データ照合手段19は、S側の特徴点データとF側の特徴点データとを照合する。具体的には、対になるべき特徴点同士を対応付け、S側特徴点とF側特徴点との対応関係を示す対特徴点リストを作成する。また、特徴点の照合スコアを算出する。この照合処理は、例えば、特開昭59−778号公報やその米国特許第4646352号に記載されているような公知の技術によって実現することができる。
【0049】
特徴点データ照合手段19は、照合処理の結果(特徴点の照合スコアおよび対特徴点リスト)をデータ処理部14に送る。データ処理部14のデータ処理制御手段21は、照合処理の結果をデータ記憶手段22に記憶させる。また、対特徴点リストに基づいて、対になると判断された特徴点同士を関連づけてデータ表示手段15に表示させる。例えば、図45に示す場合と同様に、対になると判断された対特徴点同士を同じ番号で指し示すように表示する。また、特徴点の照合スコアもデータ表示手段15に表示させる。以上で、ステップA505の処理が終了する。
【0050】
データ処理制御手段21は、ステップA505が終了したときに、S側の芯線データとF側の芯線データとを照合すべきか否かを判断する(ステップA506)。ステップA505終了時だけでなく、ステップA504で特徴点の照合を行わないと判断したときにも、ステップA506の判断を行う。データ処理制御手段21は、例えば、芯線データの照合処理を行うべき旨の指示が鑑定官によってデータ入力手段16に入力された場合に、S側の芯線データのF側の芯線データとを照合すべきと判断する。あるいは、芯線データの照合結果がまだ存在しない場合に照合を行うべきと自動的に判断してもよい。
【0051】
芯線データを照合すべきと判断した場合、指紋鑑定装置は、芯線データの照合処理を行い、対になると判断された芯線点同士を関連付けてデータ表示手段15に表示させる(ステップA507)。ステップA507において、データ処理制御手段21は、データ記憶手段22からS側の芯線データ、F側の芯線データおよび対特徴点リスト等を読み出し、芯線データ照合手段20に送信する。
【0052】
芯線データ照合手段20は、S側の芯線データとF側の芯線データとを照合する。具体的には、対になるべき芯線点同士を対応付け、S側芯線点とF側芯線点との対応関係を示す芯線点対応リストを作成する。また、芯線の照合スコアを算出する。この芯線データの照合処理の詳細な内容については後述する。
【0053】
芯線データ照合手段20は、芯線データの照合処理の結果(芯線の照合スコアおよび芯線点対応リスト)をデータ処理部14に送る。データ処理制御手段21は、この照合処理の結果をデータ記憶手段22に記憶させる。芯線点対応リストに基づいて、対になると判断された芯線点同士を関連付けてデータ表示手段15に表示させる。例えば、図45に示す場合と同様に、対になると判断された芯線点同士を同じ番号で指し示すように表示する。以上で、ステップA507の処理が終了する。なお、対になる芯線点の数は、対になる特徴点(対特徴点)よりも多い。データ処理制御手段21は、番号等で対になること明示する芯線点の組は、芯線点の組全体の一部であってもよい。
【0054】
データ処理制御手段21は、ステップA507が終了したときに、対特徴点や対になる芯線点のデータを修正するか否かを判断する(ステップA508)。ステップA507終了時だけでなく、ステップA506で芯線データの照合を行わないと判断したときにも、ステップA507の判断を行う。データ処理制御手段21は、例えば、対特徴点等の修正を行うべき旨の指示が鑑定官によってデータ入力手段16に入力された場合に、対特徴点や対になる芯線点のデータを修正すると判断する。
【0055】
データ処理制御手段21は、対特徴点等の修正を行うと判断した場合、データ記憶手段22が記憶する対特徴点リスト、芯線点対応リスト、指紋画像等の各種データを読み出す。そして、対応関係修正手段23は、データ処理制御手段21が読み出したデータに基づいて、対になる点同士を関連付けてデータ表示手段15に表示させる。例えば、図45に示す場合と同様に、対になる点同士を同じ番号で指し示すように表示する。また、対になる点同士を線分で結ぶことによって対応関係を明示してもよい。
【0056】
その後、対応関係修正手段23は、鑑定官にS側とF側とで対になる点の情報の修正を促す(ステップA509)。対になる点の情報の修正として代表的なものとしては、例えば、以下のような三種類の修正が挙げられる。対応関係修正手段23は、GUI(Graphic User Interface)を提供して、以下に例示するような修正を促す。
【0057】
第一に、対応する点を追加する修正がある。この修正は、本来S側とF側とで対になるべき特徴点や芯線点が対になる点として表示されていない場合、そのような特徴点や芯線点を対になる点として追加する修正である。対応関係修正手段23は、鑑定官がデータ入力手段16を用いて指定したS側の点とF側の点とを対になる点とし、対特徴点リストまたは芯線点対応リストを修正する。また、鑑定官が指定した点同士を同じ番号で指し示すように表示して、対応付けたことを示す。
【0058】
第二に、対応する点を削除する修正がある。この修正は、本来S側とF側とで対にならない特徴点や芯線点が対になるものとして表示されている場合、その対応関係を排除する修正である。鑑定官がデータ入力手段16を用いて対特徴点や対になっている芯線点を指定すると、対応関係修正手段23は、指定された対特徴点や芯線点の情報を対特徴点リストや芯線点対応リストから削除する。また、対になる点同士を指し示す番号等の表示を消去する。
【0059】
第三に、対になる点として表示されたS側の点またはF側の点の位置を移動する修正がある。移動すべき点や移動先がデータ入力手段16を介して指定されると、対応関係修正手段23は、対特徴点リストや芯線点対応リストに含まれる点の位置情報を更新する。また、鑑定官が指示した移動先に応じて、番号が指し示す位置等を変更して再度表示を行う。
【0060】
対応関係修正手段23は、点の位置を指定したり、点の移動先を指定するためのGUIを提供し、鑑定官はGUIを利用して各種修正を行う。鑑定官が修正の終了を指示すると、対応関係修正手段23は更新したデータ(対特徴点リストや芯線点対応リスト等)をデータ記憶手段22に記憶させる。
【0061】
データ処理制御手段21は、ステップA509が終了したときに、芯線データを修正するか否かを判断する(ステップA510)。ステップA509終了時だけでなく、ステップA508で対になる点の修正を行わないと判断したときにも、ステップA510の判断を行う。データ処理制御手段21は、例えば、芯線データの修正を行うべき旨の指示が鑑定官によってデータ入力手段16に入力された場合に、芯線データを修正すると判断する。
【0062】
データ処理制御手段21は、芯線データを修正すると判断した場合、データ記憶手段22が記憶する芯線データや指紋画像等の各種データを読み出す。芯線データ修正手段24は、データ処理制御手段21が読み出したデータに基づいて、芯線データや指紋画像をデータ表示手段15に表示させる。
【0063】
その後、芯線データ修正手段24は、鑑定官に芯線データの修正を促す(ステップA511)。例えば、指に怪我をした結果、芯線が切断されることがある。このような指紋と怪我をする前の指紋とを照合する場合、切断された芯線を接続するように修正する。鑑定官がデータ入力手段16を用いて、接続すべき芯線の端点同士を指定すると、芯線データ修正手段24は、指定された端点同士を接続するように芯線データを修正する。
【0064】
また、本来、端点であるべき箇所が他の芯線と接触して分岐点になってしまうことがある。あるいは逆に、分岐点である特徴点が端点になってしまうことがある。芯線データ修正手段24は、鑑定官がこれらの修正を指示すると、指示内容に応じて芯線データを修正する。
【0065】
このような芯線データの修正は、例えば、特開平2002−74381公報に記載されているような公知の技術によって実現できる。
【0066】
芯線データ修正手段24は、修正個所や修正内容を指定するためのGUIを提供し、鑑定官はGUIを利用して各種修正を行う。鑑定官が修正の終了を指示すると、芯線データ修正手段24は更新した芯線データ等をデータ記憶手段22に記憶させる。
【0067】
データ処理制御手段21は、ステップA511が終了したときに、画像の歪みを修正するか否かを判断する(ステップA512)。ステップA511終了時だけでなく、ステップA510で芯線データの修正を行わないと判断したときにも、ステップA512の判断を行う。データ処理制御手段21は、例えば、画像の歪みの修正を行うべき旨の指示が鑑定官によってデータ入力手段16に入力された場合に、画像の歪みを修正すると判断する。
【0068】
データ処理制御手段21は、画像の歪みを修正すると判断した場合、データ記憶手段22が記憶する指紋画像、芯線データ、対特徴点リストおよび芯線点対応リスト等の各種データを読み出す。画像歪み修正手段25は、データ処理制御手段21が読み出したデータに基づいて、画像の歪みを修正し、歪みを修正した後の指紋画像(濃淡画像)や芯線データの画像をデータ表示手段15に表示させる(ステップA513)。濃淡画像は、色の濃度を変化させることで縞模様を表した画像である。
【0069】
画像の歪みの修正は、例えば、特開平7−114649号公報に記載されているような公知の技術によって実現できる。特開平7−114649号公報には、画像上の点にベクトルを指定し、そのベクトルに応じて画像を変形することで歪みを少なくする方法が記載されている。ここでは、特開平7−114649号公報に記載の方法によって、歪みを少なくする場合を例に説明する。この方法を適用する場合、対特徴点や対になる芯線点のうち、ファイル側に存在する点の座標をベクトルの始点として定める。また、そのファイル側の各点に対応するサーチ側の点の座標をベクトルの終点として定める。そして、始点と終点を定めた各ベクトルに応じて、ファイル側の画像データを変形したり、芯線データを変更すればよい。
【0070】
特開平7−114649号公報に記載されているように、ベクトルの方向は点の移動方向であり、ベクトルの長さは点の移動距離である。従って、ファイル側に存在する点の座標をベクトルの始点として定め、そのファイル側の各点に対応するサーチ側の点の座標をベクトルの終点として定めれば、対応する点同士を近づけるようにして、歪みを修正することができる。
【0071】
ベクトルを規定する点として、対特徴点だけでなく、対になる芯線点を用いる。しかし、全ての芯線点についてベクトルを規定しなくてもよい。例えば、F側の芯線点と対応するS側の芯線点を所定の間隔毎(例えば、数画素毎)に抽出し、抽出した各芯線点および対になるF側の各芯線点とによってベクトルを規定してもよい。ベクトルを規定するための芯線点を多く選ぶと、歪み修正の精度は向上する。しかし、修正時間がかかるようになるので、適切な時間内で修正処理を行える数だけ芯線点を選ぶことが好ましい。
【0072】
なお、一般に歪みはS側とF側の双方に生じるが、ここではF側のデータのみに歪みが生じていると仮定して、F側のデータのみを変更する。
【0073】
図6(a)〜(c)は、それぞれサーチ側の指紋の濃淡画像、歪み修正後のファイル側の濃淡画像、歪み修正前のファイル側の濃淡画像を示す。図6(a)に示すS側のデータと図6(c)に示すF側のデータ(修正前)とで対になる対特徴点は5組存在する。また、図6(a)に示すS側のデータと図6(c)に示すF側のデータ(修正前)とで対になる芯線点のうち、約400個の芯線点を選択した。芯線点を選択する際には、数画素毎に芯線点を選択し、画像全体から均一に芯線点を選択するようにした。そして、5組の対特徴点や約400組の芯線点のF側を始点とし、S側を終点とするベクトルを規定した。また、そのベクトルに基づいてF側の濃淡画像を修正した。修正後のF側の濃淡画像が図6(b)に示す画像である。画像全体から一様に芯線点を選択しているので、画面全体の歪みが修正される。
【0074】
図7(a)〜(c)は、それぞれサーチ側の芯線の画像、歪み修正後のファイル側の芯線の画像、歪み修正前のファイル側の芯線の画像を示す。すなわち、図7(a)〜(c)は、それぞれ図6(a)〜(c)に示す濃淡画像に対応する芯線の画像である。画像歪み修正手段25は、鑑定官の指示に応じて、濃淡画像または芯線の画像をデータ表示手段15に表示させる。
【0075】
ここでは、5組の対特徴点と約400組の芯線点に基づいて歪みを修正する場合を示した。比較のために、5組の対特徴点のみに基づいて歪みを修正する場合について説明する。
【0076】
図8(a)〜(c)は、それぞれサーチ側の指紋の濃淡画像、歪み修正後のファイル側の濃淡画像、歪み修正前のファイル側の濃淡画像を示す。図8(a),(c)は、それぞれ図6(a),(c)と同一の画像である。図8(a)に示すS側のデータと図8(c)に示すF側のデータ(修正前)とで対になる対特徴点は5組存在する。その各対特徴点のF側をベクトルの始点とし、S側を終点とするベクトルを規定し、そのベクトルに基づいてF側の濃淡画像を修正した。修正後のF側の濃淡画像が図8(b)に示す画像である。また、図9(a)〜(c)は、それぞれ図8(a)〜(c)に対応する芯線の画像である。
【0077】
図8(b)や図9(b)に示す画像では、対特徴点が存在する領域の近傍では歪みが修正される。しかし、対特徴点から離れた領域では、十分に歪みが修正されない。
【0078】
従って、対特徴点のみでベクトルを規定するのではなく、図6,7を用いて説明したように、画面全体から芯線点を選択し、その芯線点によってベクトルを規定することが好ましい。
【0079】
画像歪み修正手段25は、F側の歪みの修正に伴って、指紋画像、芯線データ、対特徴点リストおよび芯線点対応リスト等の各種データを修正する。そして、修正後の各種データをデータ記憶手段22に記憶させる。以上で、ステップA513の処理が終了する。
【0080】
データ処理制御手段21は、ステップA513が終了したときに、鑑定図を編集して表示するか否かを判断する(ステップA514)。ステップA513終了時だけでなく、ステップA512で歪みの修正を行わないと判断したときにも、ステップA514の判断を行う。データ処理制御手段21は、例えば、鑑定図を編集して表示すべき旨の指示が鑑定官によってデータ入力手段16に入力された場合に、鑑定図を編集して表示すると判断する。
【0081】
データ処理制御手段21は、鑑定図を編集して表示すると判断した場合、データ記憶手段22が記憶する指紋画像、芯線データ、対特徴点リストおよび芯線点対応リスト等の各種データを読み出す。鑑定図編集表示手段26は、データ処理制御手段21が読み出したデータを用いて画像を編集し、データ表示手段15に表示させる(ステップA514)。
【0082】
ステップA514における画像の表示態様について説明する。鑑定図編集表示手段26は、鑑定官の要求に応じた態様で画像を表示する。第一の表示態様は、サーチ側の指紋画像(濃淡画像)と、歪み修正後のファイル側の濃淡画像とを並べて表示する態様である。例えば、図6(a),(b)に示す画像を並べて表示する。このようにS側の濃淡画像と、歪み修正後のF側の濃淡画像とを並べて表示することで、両者の比較が容易になる。
【0083】
第二の表示態様は、S側の濃淡画像と歪み修正後のファイル側の濃淡画像とを重畳して表示する態様である。図10に、濃淡画像の重畳表示の例を示す。図10(a)および図10(c)は、それぞれサーチ側の濃淡画像、歪み修正後のファイル側の濃淡画像である。そして、図10(b)は、図10(a),(c)に示す画像を重畳させた濃淡画像である。図10(b)に示す重畳画像は、S側の画像とF側の画像の濃度をそれぞれ50%にした上で重畳した画像である。
【0084】
なお、第二の表示態様では、例えば、ステップA505で特徴点の照合を行った領域や、ステップA507で芯線の照合を行った領域を自動的に選び出し、その領域内で重畳させてもよい。また、データ入力手段16を介して鑑定官に指定された領域内で画像を重畳させてもよい。また、濃淡画像を重畳させるときには、各画素の濃度を、対応するS側の濃度とF側の濃度の平均値として定めてもよい。また、鑑定官がS側画像またはF側画像の透明度(opacity)を指定できるようにしてもよい。鑑定官がS側またはF側の濃淡画像の濃度を指定すると、鑑定図編集表示手段26は、その指定に応じて濃淡画像の濃度を変更する。
【0085】
第三の表示態様は、S側の芯線の画像と、歪み修正後のF側の芯線の画像とを重畳して表示する態様である。図11に、芯線の重畳画像の例を示す。図11(a)および図11(c)は、それぞれサーチ側の芯線の画像、歪み修正後のファイル側の芯線の画像である。図11(b)は、図11(a),(c)に示す芯線の画像を重畳させたものである。図11(b)に示すように、対応する芯線同士が重なるので、同一の指紋であると容易に判断することができる。
【0086】
芯線の画像は、二値画像であり、線幅が狭い。従って、重畳表示した場合の重なり具合の善し悪しがわかり易く、容易に鑑定を行えるようになる。また、データ入力手段16は、S側とF側の芯線の色の入力を受け付けてもよい。この場合、データ入力手段16を介して色が指定されたならば、鑑定図編集表示手段26は、指定された色に応じてS側の芯線とF側の芯線とを色分けして表示する。また、重畳部分の色の指定も受け付け、重畳していない部分と異なる色で芯線の重畳部分を表示してもよい。
【0087】
なお、図10,11で示した画像は、対特徴点だけでなく芯線点の情報も用いて歪みを修正した場合の例である。比較のために、5組の対特徴点だけを用いて画像を修正した場合における重畳画面の例を示す。図12(a)は、図10(a)と同様のサーチ側の濃淡画像である。図12(c)は、5組の対特徴点だけを用いて歪みを修正したファイル側の濃淡画像である。図12(b)は、図12(a),(c)を重畳させた画像である。
【0088】
また、図13(a)は、図11(a)と同様のサーチ側の芯線の画像である。図13(c)は、5組の対特徴点だけを用いて歪みを修正したファイル側の芯線の画像である。図13(b)は、図13(a),(c)を重畳させた画像である。すなわち、図13(a)〜(c)は、それぞれ図12(a)〜(c)に対応する芯線の画像である。図11(b)では、S側とF側の芯線が重なるのに対し、図13(b)では、芯線同士が交差して指紋の異同の判断が困難である。これは、既に述べたように対特徴点の近傍だけしか歪みが修正されていないからである。このことから、芯線点を用いて画面全体に渡って歪みを修正すれば、指紋の異同の判定が非常に容易になることがわかる。
【0089】
次に、第四の表示態様について説明する。第四の表示態様は、S側の指紋の濃淡画像と、画像歪み修正後のF側の指紋の濃淡画像とを一定期間毎に自動的に切り替える表示態様である。S側の指紋の濃淡画像と画像歪み修正後のF側の指紋の濃淡画像とは、同じ位置に表示させる。すなわち、同時に表示したとすれば、重畳する位置になるように表示させる。画像切替のタイミングは、例えば0.05秒(1秒間に20回の切替)から0.2秒(1秒間に5回の切替)程度とする。このようなタイミングで画像を切り替えると、鑑定官は、残像となる切替前の画像と新たに切り替えられた画像とを比較することができる。従って、S側とF側との比較を容易に行うことができる。
【0090】
なお、第四の表示形態では、画像全体を交互に切り替えて表示するのではなく、画像の一部の領域のみを交互に切り替えてもよい。例えば、ステップA505で特徴点の照合を行った領域や、ステップA507で芯線の照合を行った領域を自動的に選び出し、その領域を画像切替領域として定めてもよい。また、データ入力手段16を介して鑑定官に指定された領域を画像切替領域として定めてもよい。
【0091】
図14は、一定期間毎に切り替えられるS側の画像とF側の画像とを示した説明図である。ただし、図14では、画像の一部の領域のみを切り替える場合の例を示す。鑑定図編集表示手段26は、画像の一部の領域を切り替えて、図14に例示するような二種類の画像を交互にデータ表示手段15に表示させる。
【0092】
鑑定図編集表示手段26は、データ入力手段16を介して入力される指示に応じた表示態様で画像を表示する。なお、表示態様は、上記の第一の表示態様から第四の表示態様だけに限定されない。例えば、S側の指紋の濃淡画像と、F側の芯線の画像とを重畳させて表示してもよい。また、F側の指紋の濃淡画像と、S側の芯線の画像とを重畳させて表示してもよい。
【0093】
また、鑑定図編集表示手段26は、鑑定官の指示に応じてデータ表示手段15に表示させている画像を印刷して出力する。この場合、鑑定図編集表示手段26は、表示画面のデータを、データ処理制御手段21を介してプリント手段17に送信する。プリント手段17は、受信したデータに基づいて表示画面を印刷する。
【0094】
データ処理制御手段21は、ステップS515が終了したならば、ステップA502以降の処理を繰り返すか否かを判断する(ステップA516)。ステップA515終了時だけでなく、ステップA514で鑑定図の編集表示を行わないと判断したときにも、ステップA516の判断を行う。データ処理制御手段21は、例えば、再処理の指示が鑑定官によってデータ入力手段16に入力された場合に、ステップA502以降の処理を繰り返す。また、鑑定官が処理の終了を指示した場合、データ処理制御手段21はその指示に従い、ステップA516で処理を終了する。
【0095】
鑑定官は、例えば、期待した画像がステップA515表示されなかった場合に、ステップA502以降の処理を繰り返す指示を入力すればよい。そうすれば、対特徴点および対になる芯線点に関する修正(ステップA509)や、芯線データの修正(ステップA511)を行える。その結果、画像歪みの修正精度を向上させることができ、また、ステップA515で、より良好な鑑定図を出力することができる。なお、ステップA516の後、ステップA502以降の処理を繰り返すのではなく、鑑定官が指定したステップから処理を繰り返してもよい。例えば、ステップA516の後、ステップA506以降の動作を繰り返してもよい。
【0096】
また、本発明による指紋鑑定方法の処理経過は、図2に示す順序に限定されない。図2に示すステップA502,A504等の各種判断およびその判断に続く各処理(ステップA503,A505等)の順序を鑑定官が定められるようにしてもよい。
【0097】
ここでは、鑑定官が指紋鑑定装置を操作する場合を例に説明したが、鑑定の専門家以外の者が本発明の指紋鑑定装置を操作してもよい。
【0098】
本実施の形態において、画像表示手段、濃度変更手段および芯線色変更手段は、鑑定図編集表示手段26によって実現される。特徴点照合手段は、指紋特徴データ抽出手段18によって実現される。対応付け手段は、芯線データ照合手段20によって実現される。
【0099】
本発明によれば、サーチ側とファイル側とで対になる点に基づいて、画像の歪みが小さくなるように一方の画像を修正する。そして、修正した画像と他方の画像とを重畳して表示することができる。重畳して表示すれば、二つの指紋の異同を判断しやすくなるので、鑑定が容易になる。
【0100】
また、歪みを修正するために、対特徴点だけでなく、S側とF側とで対になる多数の芯線点も用いる。従って、対特徴点の近傍だけでなく、画像全体に渡って一様に歪みを修正することができ、歪み修正の精度を向上させることができる。その結果、重畳して表示した場合等における二つの指紋の異同判断が一層容易になる。
【0101】
また、隆線同士の重畳表示だけでなく、芯線同士の重畳表示や、芯線と隆線との重畳表示も行える。このような表示態様を実現することにより、二つの指紋の異同判断が一層容易になる。
【0102】
また、本発明によれば、サーチ側の画像とファイル側の画像とを1秒間に数回から20回程度切り替えて表示する。その結果、二つの指紋の異同を判断しやすくなるので、鑑定が容易になる。
【0103】
また、本発明によれば、特徴点の情報だけを示すのではなく、隆線や芯線の構造も示すので、鑑定の専門家でなくても指紋の異同を判断することが容易になる。
【0104】
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。
図1では、指紋画像入力手段13を介してサーチ側指紋データ11およびファイル側指紋データ12が入力される場合を示した。指紋鑑定装置は、他の指紋照合システムに付随し、その指紋照合システムからサーチ側指紋データ11およびファイル側指紋データ12が入力される構成であってもよい。指紋照合システムが予めデータベースにファイル側指紋データを保持し、入力されたサーチ側指紋データとファイル側指紋データとの照合を行う指紋照合システムがあるとする。データ処理部14は、このような指紋照合システムからサーチ側指紋データ11およびファイル側指紋データ12を与えられてもよい。
【0105】
図15は、本発明の他の実施の形態を示すブロック図である。図15に示すように、データ処理部14が、指紋特徴データ抽出手段18、特徴点データ照合手段19および芯線データ照合手段20を実装した構成であってもよい。このような構成により制御を容易化することができる。例えば、データ処理部14の機能と、指紋特徴データ抽出手段18、特徴点データ照合手段19および芯線データ照合手段20の機能とを同一の情報処理装置が実現するようにすることで、制御を容易化することができる。
【0106】
また、ステップS513では、ファイル側のデータを修正して画像の歪みを修正する場合について説明した。ステップA513では、ファイル側のデータを変更せずに、サーチ側のデータを修正してもよい。図16(a)は、画像歪みを修正したサーチ側の指紋の濃淡画像である。図16(b)は、画像歪み修正後のサーチ側の濃淡画像に、ファイル側の芯線を重畳させた画像である。図16(b)に示すように、サーチ側のデータを修正したとしても、サーチ側の隆線とファイル側の芯線の重なり具合を確認して指紋の同一性を判断できる。
【0107】
本発明の適用範囲は、指紋鑑定に限定されない。例えば、掌紋鑑定等のように、縞模様となる曲線等の鑑定であれば、本発明を適用することができる。
【0108】
次に、芯線データ照合手段20による芯線データの照合処理(芯線点対応リスト作成および芯線の照合スコア算出)について説明する。まず、芯線データ照合処理の前提事項や処理対象データ等について説明する。
【0109】
芯線データ照合処理は、対特徴点リストに少なくとも3組の対特徴点が含まれていることを前提とする。芯線データ照合手段20は、対特徴点リストに含まれる対特徴点が2組以下である場合、芯線データ照合処理を中止する。
【0110】
芯線データ照合手段20は、8近傍連結定義の芯線データを処理対象とする。このデータは、芯線上の各点(芯線点)が存在する画素を黒画素で表し、その画素の8近傍の画素の状況によって点の種別を判別できるようにした芯線データである。芯線点の画素およびその8近傍を示すマスクパターンを図17(a)に示す。図17(a)に示すマスクパターンにおいて、黒画素となる画素は「1」で表され、白画素となる画素は「0」で表される。すなわち、n=0〜8としたときに、Xn=1となる画素が芯線点となる黒画素であり、Xn=0となる画素は芯線点以外の画素である。また、芯線点(X0)の8近傍(X1〜X8)において、黒画素が4画素以上になることはない。すなわち、X1〜X8までの画素の値の総和は3以下である。また、このデータにおいて、ある黒画素の8近傍画素の中では、黒画素同士が隣接することはない。例えば、X1とX2の値がともに「1(黒画素)」になることはない。
【0111】
このマスクパターンによって表される芯線点は、端点、分岐点、連続点および延伸性終点の4つの種別に分類できる。端点(以下、「E」と表す。)は、図17(b)に示すように、8近傍画素中に黒画素が一個しかない芯線点である。分岐点(以下、「B」と表す。)は、図17(c)に示すように、8近傍画素中に黒画素が三個あり、かつ、その三個の黒画素から取り出した任意の二個の画素の間には必ず白画素が存在する芯線点である。連続点(以下、「C」と表す。)は、図17(d)に示すように、8近傍画素中に黒画素が二個あり、かつ、その二個の画素の間に白画素が存在する芯線点である。また、延伸性終点(以下、「X」と表す。)は、本来芯線が延伸していると考えられる連続点である。このうち、端点Eおよび分岐点Bが特徴点である。連続点Cは、特徴点でもなく延伸性終点Xでもない全ての芯線点である。
【0112】
指紋隆線の交差が発現することは極めてまれである。芯線データを抽出する際には、芯線の交差を示すマスクパターンを取り除く。例えば、図18(a)の左側に示すようなマスクパターンが生じた場合、指紋特徴データ抽出手段18は、そのマスクパターンを図18(a)の中央または右側に示すようなマスクパターンに修正する。すなわち、交差箇所を二つの分岐点Bに修正する。図18(b)に示すように、X1,X3,X5およびX7が「1」となっている場合には、二つの分岐点に修正できないものとして照合範囲から除外する。すなわち、図18(b)に示す交差箇所を含むゾーン領域を不明領域とする。
【0113】
また、本来延伸している隆線が押捺されなかった結果、一見端点のように見える点を印象端という。指紋特徴データ抽出手段18は、印象端や、印象端と同様にある地点から先の芯線構造が判別できなくなる画素を含むゾーン領域も不明領域とする。延伸性終点Xは、「不明領域に進入する直前の芯線点」として定義される。
【0114】
個々の画素の8近傍の状況は、1バイトのデータで表す。すなわち、マスクパターンのX1を0ビット目としX8までの値を順に並べたものを1バイトのデータで表す。図19(a)は、このようにして表した1バイトのデータの例を示す。また、1バイトのデータとして表された8近傍のデータをCode8またはC8と呼ぶ。図19(b)は、C8の例を示す。例えば、8近傍のうちX1のみが「1」である場合、C8は「00000001」であるので、C8の値は1となる。
【0115】
図20は、芯線データの表現例を示す説明図である。芯線データは、ユニットの集合として表す。ユニットとは、端点E、分岐点Bまたは延伸性終点Xのいずれかを開始点及び終点とする芯線の最小単位である。例えば、図20に示すユニット1は、延伸性終点Xを開始点とし、端点Bを終点として、その間に連続点Cが存在する芯線の単位である。図20に示すX,Yは各芯線点の画素の座標を表す。図20に示すように芯線データでは、芯線点の種別(Type)と座標とCode8とが画素毎に対応付けられている。
【0116】
次に、芯線データ照合処理の概要を説明する。図21は、芯線データ照合処理の概要を示す流れ図である。芯線データ照合手段20は、最初に対特徴点リスト、S側芯線データおよびF側芯線データを読み込んで、芯線データ照合手段20が用いる内部メモリ上に展開する。また、必要なメモリ領域(例えばワークテーブルとして用いるメモリ領域等)を確保する(ステップA0)。ステップA0は、芯線データ照合処理の準備段階である。
【0117】
なお、対特徴点リストにおいて、対をなすS側対特徴点とF側対特徴点の種別が合致しているとは限らない。以下の説明では、対特徴点であって、S側の種別とF側の種別が合致しているものを合致特徴点と定義する。一般に「合致特徴点」という用語を「対特徴点」と同義としてとらえ、種別が合致していなくても「合致特徴点」という語を用いる場合もある。しかし、以下の説明では、対特徴点のうち種別が合致したものを「合致特徴点」と呼ぶ。
【0118】
以下に示すステップA1〜A4において、複数のデータから適切なデータを選別するときには、個々のデータについて不適切さの度合いを示す数値を割り当てる。この数値をペナルティと記す。
【0119】
ステップA0の後、芯線データ照合手段20は、ベース対特徴点(以下、BPMと記す。)を決定する(ステップA1)。BPMは、各芯線点や各ユニット等を選択するときに、選択順序を定めるための基準となる対特徴点である。
【0120】
ステップA1の後、芯線データ照合手段20は、サーチ側とファイル側とで、個々の対特徴点の種別が合致するようにファイル側芯線データを修正する。同時に、対特徴点リストに含まれるファイル側特徴点の種別情報も修正する(ステップA2)。芯線データ照合手段20は、芯線データ等の修正の度合いに応じたペナルティをカウントする。ファイル側のデータの修正ができないような大きな食い違いが生じている対特徴点が存在する場合、芯線データ照合手段20は、その対特徴点を対特徴点リストから削除する。また、後述するように、ステップA1では、F側の芯線データとして複数種類の芯線データを作成する場合がある。このような場合、ステップA2では、ペナルティに基づいて、修正の度合いが少ない方のデータを選別する。
【0121】
また、S側とF側とで対になっていない特徴点がいわゆる「ひげ」や「切断」等の芯線状態を生じさせている場合がある。芯線データ照合手段20は、その芯線状態を除去するように芯線データを修正する。
【0122】
続いて、芯線データ照合手段20は、サーチ側の各芯線点について、対応する芯線点がファイル側に存在するか否かを判断する。そして、対応する芯線点があれば、サーチ側の芯線点とファイル側の芯線点とを対応付ける(ステップA3)。ステップA3の結果、特徴点だけでなく、連続点Cや延伸性終点Xについても対応付けが行われる。なお、サーチ側とファイル側とで対応付けられた対になる芯線点の情報の集合を芯線点対応リストと記す。
【0123】
次に、芯線データ照合手段20は、対応付けられた芯線点が連続する長さ(芯線距離)を測る。芯線データ照合手段20は、S側とF側とで対応付けられた芯線(以下、合致芯線と記す。)毎に、芯線距離を測り、その総和を求める。そして、その総和と、ステップA1以降にカウントしたペナルティとに基づいて芯線の照合スコアを算出する。
【0124】
なお、縦または横方向に隣接する画素1個分が距離単位になる。従って、斜め方向に隣接する画素への距離は約1.4画素(√2画素)である。
【0125】
芯線データ照合処理のステップA1〜A4毎に、各ステップにおける処理を詳しく説明する。図22は、ステップA1(BPM決定処理)の処理経過を示す流れ図である。芯線データ照合手段20は、対特徴点の種別が合致することを重要な判断基準として、以下のようにBPMを決定する。芯線データ照合手段20は、対特徴点の中から合致特徴点を全て取り出し、番号を割り当てる(ステップA101)。番号が割り当てられた合致特徴点をマーク対特徴点と呼び、MPM(n)と表すことにする。MPM(n)における「n」は、割り当てられた番号である。なお、割り当てた番号の最大値はNであるとする。また、芯線データ照合手段20はk=1という初期値を設定する。kは、全てのMPM(n)中から各マーク対特徴点を順番に選択していくための変数であり、選択したマーク対特徴点(注目マーク対特徴点)はMPM(k)として表される。一つのマーク対特徴点を選択し終えた場合、kを1増加させる。また、芯線データ照合手段20は、m=1およびP(m)=100という初期値を設定する。mは、ペナルティが最小のマーク対特徴点を特定するための変数である。P(m)は、マーク対特徴点毎のペナルティの最小値である。ここではP(m)の初期値を100としたが、P(m)の初期値はP(k)に比べ十分に大きな値であればよい。なお、選択された対特徴点等であることを「注目」という語によって表すものとする。
【0126】
芯線データ照合手段20は、ステップA101の後、全てのMPM(n)に対する選択を終えたか否かを判断する(ステップA102)。k>Nを満足する場合、全てのMPM(n)を選択し終えたと判断する。k>Nを満足していない場合、芯線データ照合手段20は、P(k)=0という初期値を設定する(ステップA103)。P(k)は、注目マーク対特徴点MPM(k)に対応するペナルティである。
【0127】
続いて、芯線データ照合手段20はj=1という初期値を設定する(ステップA104)。jは、MPM(k)の近傍のマーク対特徴点を順番に選択していくための変数であり、選択した近傍のマーク対特徴点(注目近傍対特徴点)はMPM(j)として表される。なお、k=1である場合には、jの初期値を2とする。k=1の場合、jの初期値を2とすることで、MPM(k)とMPM(j)とが同一の対特徴点になってしまうことを防ぐことができる。
【0128】
芯線データ照合手段20は、ステップA104の後、近傍の各マーク対特徴点に対する選択を終えたか否かを判断する(ステップA105)。j>Nを満足する場合、近傍の各対特徴点に対する選択を終えたと判断する。j>Nを満足しない場合、芯線データ照合手段20は、サーチ側芯線データに基づいて、注目マーク対特徴点MPM(k)と注目近傍対特徴点MPM(j)とを結ぶ線分(サーチ側における線分)が隆線と交差する数rSを求める(ステップA106)。また、芯線データ照合手段20は、ファイル側芯線データに基づいて、注目マーク対特徴点MPM(k)と注目近傍対特徴点MPM(j)とを結ぶ線分(ファイル側における線分)が隆線と交差する数rFを求める(ステップA107)。
【0129】
ステップA107の後、芯線データ照合手段20は、隆線との交差数rSおよびrFに差があるか否かを判断する(ステップA108)。rS=rFであれば、jの値を1増加させる(ステップA110)。ただし、j=kとなるのであれば、jの値をさらに1増加させる。
【0130】
ステップA108において、隆線との交差数に差がある場合(rS≠rFの場合)、注目近傍対特徴点MPM(j)に応じたペナルティを求め、そのペナルティをP(k)に加算する(ステップA109)。注目近傍対特徴点MPM(j)に応じたペナルティは、|rS−rF|/max(min(rS,rF),1)という計算式によって算出する。この式において、maxおよびminはそれぞれ括弧内の数値の最大値および最長値を指定するものとする。P(k)を更新後、芯線データ照合手段20はステップA110の処理(jの増加)を行い、ステップA105以降の動作を繰り返す。
【0131】
また、ステップA105において、近傍の各マーク対特徴点に対する選択を終えたと判断した場合、芯線データ照合手段20は、それまでのペナルティの最小値P(m)と、注目マーク対特徴点MPM(k)のペナルティP(k)とを比較する(ステップA111)。P(k)<P(m)ならば、P(m)をP(k)の値で更新し、mをkの値で更新する。また、P(k)=P(m)ならば、mによって特定されるMPM(m)と注目マーク対特徴点MPM(k)とついて、どちらがサーチ側対特徴点群の重心座標に近いかを判断する。MPM(k)の方が近いならば、P(m)およびmをそれぞれP(k)およびkの値で更新する。P(k)>P(m)であれば更新しない。芯線データ照合手段20は、ステップA111の後、kの値を1増加させ、次のマーク対特徴点を選択する(ステップA112)。その後のステップA102において、k>Nと判断したならば、全てのマーク対特徴点を選択したことになる。この時点におけるmは、最もペナルティが少ないマーク対特徴点を特定する番号である。従って、芯線データ照合手段20は、このmによって特定されるMPM(m)をBPMとして決定する(ステップA113)。
【0132】
図22に示したBPM決定処理は、対特徴点の中に合致特徴点が存在しない場合、適用することができない。従って、そのような場合には以下に示す例外処理によってBPMを決定する。全ての対特徴点で、S側の種別とF側の種別とが異なっている場合、S側対特徴点群の重心座標に最も近い対特徴点をBPM候補に選ぶ。このBPM候補は、S側とF側とで種別が異なるため、種別に応じた処理を行う。
【0133】
BPM候補となるS側対特徴点の種別が端点Eであり、F側対特徴点の種別が分岐点Bである場合、F側の分岐点Bを端点Eに変化させる。そして、この端点EをS側の端点Eと対にしてBPMとする。図23は、F側の分岐点(BPM候補となる分岐点)を端点に変化させる状況を示す説明図である。図23に示すように、左右に分岐する芯線のどちらを分離するかによって二種類の芯線データと二種類の対特徴点リストができる。芯線データ照合手段20は、この二種類の芯線データそれぞれを作成して保持する。二種類の芯線データのどちらにおいても端点をBPMとして定める。なお、特徴点方向をY軸正方向とした場合に、X軸正方向を向く側が右、X軸負方向を向く側が左と定義している。また、既に述べたように、特徴点方向はNISTデータ交換標準定義(サブセクション16.1.4)において定義されている。分岐点の場合、その分岐点から、分岐する二本のユニットの中間に向かう方向が特徴点方向になる。端点の場合、端点から伸びる芯線の方向が特徴点方向になる。
【0134】
BPM候補となるS側対特徴点の種別が分岐点Bであり、F側対特徴点の種別が端点Eである場合、F側の端点Eを分岐点Bに変化させる。そして、この分岐点BとS側の分岐点Bとを対にしてBPMとする。この場合、端点を形成する芯線を左右どちら側の芯線に接合させて分岐点を形成するかによって、二種類の芯線データと二種類の対特徴点リストができる。芯線データ照合手段20は、この二種類の芯線データそれぞれを作成して保持する。二種類の芯線データのどちらにおいても分岐点をBPMとして定める。
【0135】
この例外処理によって二種類の芯線データが作成された場合、その芯線データをそれぞれF−Skel(1)、F−Skel(2)と記すことにする。
【0136】
次に、図21に示すステップA2の処理について説明する。このステップA2の処理は、3つのサブステップに分かれる。最初のサブステップA2−1は、対特徴点のうち合致特徴点でないものについて、種別を合わせるようにファイル側芯線データおよび対特徴点リストを修正する処理である。二番目のサブステップA2−2は、S側とF側とで対にならない特徴点であって、対向関係にある特徴点をF側芯線データから削除する処理である。対向関係とは、特徴点方向が互いに逆方向を向き、指紋照合上好ましくない芯線状態を生じさせる関係にあることをいう。対向関係にある対特徴点の例を図24(a)に示す。図24(a)において、丸く示した部分が特徴点であり、特徴点から伸びる太線の方向が特徴点方向である。特徴点から伸びる細線は芯線を示す。三番目のサブステップA2−3は、S側とF側とで対にならない特徴点であって、対向関係にある特徴点をS側芯線データから削除する処理である。
【0137】
図25は、サブステップA2−1の処理経過を示す流れ図である。サブステップA2−1は、BPMが合致特徴点であることを前提とする。F側芯線データが二種類存在する場合、芯線データ照合手段20はk=1という初期値を設定する(ステップA201)。サブステップA2−1で用いるkは、F−Skel(1)およびF−Skel(2)を順番に選択していくための変数であり、選択している芯線データは、F−Skel(k)として表される。また、芯線データ照合手段20は、m=1およびP(m)=100という初期値を設定する。mは、ペナルティが最小のF−Skel(k)を特定するための変数である。P(m)は、F−Skel(k)毎のペナルティの最小値である。ここではP(m)の初期値を100としたが、P(m)の初期値はP(k)に比べ十分に大きな値であればよい。
【0138】
芯線データ照合手段20は、ステップA201の後、F−Skel(1)およびF−Skel(2)に対する選択を終えたか否かを判断する(ステップA202)。k>2を満足する場合、F−Skel(1)およびF−Skel(2)を選択し終えたと判断する。k>2を満足していない場合、芯線データ照合手段20は、P(k)=0という初期値を設定する(ステップA203)。P(k)は、注目しているF−Skel(k)に対応するペナルティである。
【0139】
ステップA203に続いて、芯線データ照合手段20は、これから順番に各対特徴点を選択していくときの順位付けを行う(ステップA204)。また、j=1という初期値を設定する。jは、各対特徴点を順番に選択していくための変数であり、選択した対特徴点(注目対特徴点)はPM(j)として表すことにする。
【0140】
芯線データ照合手段20は、ステップA204の後、各対特徴点に対する選択を終えたか否かを判断する(ステップA205)。j>Nを満足する場合、各対特徴点に対する選択を終えたと判断する。j>Nを満足しない場合、芯線データ照合手段20は、サーチ側において、BPMと注目対特徴点PM(j)とを結ぶ線分(サーチ側における線分)が隆線と交差する数rSを求める(ステップA206)。また、芯線データ照合手段20は、ファイル側において、BPMと注目対特徴点PM(j)とを結ぶ線分が(ファイル側における線分)隆線と交差する数rFを求める(ステップA207)。
【0141】
ステップA207の後、芯線データ照合手段20は、ステップA206,A207で求めたrS,rFに差が生じているかを判断し、また、注目対特徴点のS側とF側とで種別が異なっているか否かを判断する(ステップA208)。rSとrFに差がなく、かつ、注目対特徴点のS側とF側とで種別が一致している場合には、jの値を1増加させる(ステップA210)。
【0142】
ステップA208において、rS≠rFであると判断したり、または、注目対特徴点のS側とF側とで種別が異なると判断した場合、芯線データ照合手段20は、ファイル側芯線データを修正し、修正内容に応じてペナルティP(k)をカウントする(ステップA209)。このとき、芯線データ照合手段20は、注目対特徴点のS側とF側とで種別が一致し、BPMと注目対特徴点PM(j)との間に存在する隆線の数がS側とF側とで等しくなるようにファイル側芯線データを修正する。また、芯線データ照合手段20は、ファイル側芯線データだけでなく対特徴点リストに含まれるファイル側の特徴点のデータも修正する。
【0143】
図26は、ステップA209における修正内容を規定するルールの一覧表である。芯線データ照合手段20は、図26に示すルールに従い、ファイル側芯線データ等を修正し、ペナルティP(k)をカウントする。図26に示すように、修正内容およびペナルティの値は、rFとrSの差、S側注目対特徴点の種別およびF側注目対特徴点の種別によって定められる。例えば、S側の注目対特徴点の種別が端点Eであり、F側の注目対特徴点の種別が分岐点Bであるとする。この場合、rF−rS=0であるなら、F側注目対特徴点(分岐点)について「BPMに近い方の芯線を分離する」ように修正を行い、P(k)に1を加算する。また、rF−rS=−1であるならば、F側注目対特徴点(分岐点)について「BPMに遠い方の芯線を分離する」ように修正を行い、P(k)に1を加算する。また、rF−rF=1であるならば、注目対特徴点PM(j)のデータを「対特徴点リストから削除する」修正を行い、P(k)に5を加算する。
【0144】
ここでは、図26に示すルールのうち、S側注目対特徴点の種別が端点Eであり、F側注目対特徴点の種別が分岐点Bである場合を例に説明したが、他の場合であっても、同様に修正内容とペナルティとが定められる。なお、BPMと注目対特徴点間の隆線数がS側とF側とで一致するように修正できる場合には、ペナルティが小さくなるように定めている。
【0145】
図27は(a)は、F側の注目対特徴点が分岐点である場合に、この分岐点を端点に修正する状況を示している。分岐点から分かれる二本の芯線のうち、BPMに近い方の芯線またはBPMから遠い方の芯線を分離することにより、分岐点を端点に変化させることができる。どちらに分離するかによって、BPMとF側注目対特徴点とを結ぶ線分が隆線に交差する数が異なる。どのように芯線を分離するのかは、図26に示すルールに従って決定される。
【0146】
図27(b)は、F側の注目対特徴点が端点である場合に、この端点を分岐点に修正する状況を示す。端点を形成する芯線を、BPMに近い方の芯線またはBPMから遠い方の芯線に接合することにより、端点を分岐点に変化させることができる。どちらに接合するかによって、BPMとF側注目対特徴点とを結ぶ線分が隆線に交差する数が異なる。どのように接合するのかは、図26に示すルールに従って決定される。
【0147】
図28は、S側、F側ともに注目対特徴点の種別が端点であるが、rS≠rFであるためにF側の注目対特徴点を修正する状況を示す。図28(a)は、BPMとF側注目対特徴点との間に存在する隆線がS側より一本少ないため、隆線を一本増加させるように修正する例を示す。図28(a)に示すように、BPMに遠い方の芯線に端点を接合し、その後、分岐する芯線のうちBPMから遠い方の芯線を分離すれば、隆線を一本増加させることができる。図28(b)は、BPMとF側注目対特徴点との間に存在する隆線がS側より一本多いため、隆線を一本減少させるように修正する例を示す。図28(b)に示すように、BPMに近い方の芯線に端点を接合し、その後、分岐する芯線のうちBPMに近い方の芯線を分離すれば、隆線を一本減少させることができる。
【0148】
図29は、S側、F側ともに注目対特徴点の種別が分岐点であるが、rS≠rFであるためにF側の注目対特徴点を修正する状況を示す。図29(a)は、BPMとF側注目対特徴点との間に存在する隆線がS側より一本少ないため、隆線を一本増加させるように修正する例を示す。図29(a)に示すように、分岐する芯線のうちBPMから遠い方の芯線を分離し、その結果得られた端点をBPMから遠い方の芯線に接合すれば、隆線を一本増加させることができる。図29(b)は、BPMとF側注目対特徴点との間に存在する隆線がS側より一本多いため、隆線を一本減少させるように修正する例を示す。図29(b)に示すように、分岐する芯線のうちBPMに近い方の芯線を分離し、その結果得られた端点をBPMに近い方の芯線に接合すれば、隆線を一本減少させることができる。
【0149】
芯線データ照合手段20は、図26に示すルールに従って、図27〜29に示すような修正を行う。そして、修正に応じたペナルティをP(k)に加算し、ステップA209の処理を終了する。ステップA209の後、芯線データ照合手段20はステップA210の処理(jの増加)を行い、ステップA205以降の動作を繰り返す。
【0150】
また、ステップA205において、各対特徴点の選択を終えたと判断した場合、芯線データ照合手段20は、それまでのペナルティの最小値P(m)と、選択したF−Skel(k)のペナルティP(k)とを比較する(ステップA211)。P(k)<P(m)ならば、P(m)をP(k)の値で更新し、mをkの値で更新する。P(k)≧P(m)であれば更新しない。その後、芯線データ照合手段20は、kの値を1増加させ、次のF−Skel(k)を選択する(ステップA212)。その後のステップA202において、k>2と判断したならば、F−Skel(1)およびF−Skel(2)のどちらについても選択を完了したことになる。この時点におけるmが、ペナルティの少ない方の芯線データを特定する番号である。芯線データ照合手段20は、このmによって芯線データF−Skel(m)を特定し、また、このF−Skel(m)に対応する対特徴点リストを特定する(ステップA213)。ステップA213で、サブステップA2−1の処理は終了する。以降の処理では、ステップA213で特定したF−Skel(m)および対特徴点リストを処理対象とする。
【0151】
次に、サブステップA2−2,A2−3について説明する。図30は、サブステップA2−2,A2−3の処理経過を示す流れ図である。サブステップA2−2では、S側と対にならない特徴点であって、対向関係にある特徴点をF側の芯線データの中から削除する。まず、芯線データ照合手段20は、サブステップA2−1によって特定したF側の芯線データの中から、図24(a)に例示するような対向関係をなす特徴点(対向特徴点)の組を抽出し、抽出した各対向特徴点の組を順番付ける(ステップA221)。ステップA221において、対向特徴点の組を全て抽出するのは非効率的である。そこで、対向特徴点の組のうち、合致特徴点から所定の範囲内(例えば64画素以内)に存在するもののみを抽出すればよい。
【0152】
続いて、芯線データ照合手段20は、抽出した全ての対向特徴点に対する処理が終了したか否かを判断する(ステップA222)。修正処理が終了していなければ、順番に従って、一つの対向特徴点の組を選び、その組に対する処理を行う(ステップA223)。ステップA223では、選ばれた対向特徴点と対になる特徴点がS側に存在するかを判断する。そして、対になる特徴点がS側になければ、対向特徴点を削除するように修正する(ステップA223)。図24(b)は、対向特徴点を削除するための修正策をまとめた一覧表である。また、対向特徴点を削除する修正を行った場合、サブステップA2−1において最終的に得られたP(m)に、修正内容に応じたペナルティを加算していく。例えば、「ひげ」の場合には、図24(b)に示すように「ひげ」となる芯線を削除する。そして、削除した芯線長に所定の係数を乗じた値をペナルティとしてP(m)に加算する。
【0153】
滑らかに接続する修正は、例えば、特開2002−74381公報に記載されているような公知の技術によって実現することができる。「短区間接触」や「ねじれ切断」や「ねじれ接触」等において、滑らかな芯線接続を行うためには、対向特徴点間の芯線を削除するだけではなく、隆線幅程度の長さで端点の部分を短縮する方策が有効である。
【0154】
なお、対向特徴点を排除するための方策としては様々な方策が知られている。例えば、米国特許第6072895号に芯線データ抽出後に特徴点を削除する方策が提案されている。また、米国特許第4646352号では、特徴点照合時に対向特徴点を無視する方策が記載されている。
【0155】
ステップA223の後、芯線データ照合手段20は、次の芯線修正候補となる対向特徴点の組を選び(ステップA224)、ステップA222以降の動作を繰り返す。抽出した全ての対向特徴点に対して修正処理が終了した場合(ステップA222)、サブステップA2−2は終了する。
【0156】
サブステップA2−2の後、芯線データ照合手段20は、サブステップA2−3を開始する。サブステップA2−3では、F側と対にならない特徴点であって、対向関係にある特徴点をS側の芯線データの中から削除する。サブステップA2−3の処理内容は、サブステップA2−2と同様である。図30に示すステップA231,A232,A233,A234は、それぞれステップA221,A222,A223,A224と同様の処理である。
【0157】
サブステップA2−3でステップA2の処理は終了する。図31は、ステップA2の処理によるF側芯線の変化を示す。ステップA2の終了時には、対特徴点リストにのっている対特徴点は、全てS側の種別とF側の種別が一致する。以上でステップA2に関する説明を終える。
【0158】
次に、図21に示すステップA3の処理について説明する。ステップA3では、S側の各芯線点について、F側に対応する芯線点があるか否かを調査する。既述のように、サーチ側とファイル側とで対応付けられた対になる芯線点の情報の集合を芯線点対応リストという。図32は、芯線点対応リストの例を示す。芯線データ照合手段20は、芯線点対応リストを作成し、芯線点の対応関係の調査を進めながら芯線点対応リストを更新していく。
【0159】
芯線データ照合手段20は、S側のユニット(芯線の最小単位)を一つ一つ選択し、さらに選択したユニット上の一つ一つの芯線点を選択する。そして、選択した芯線点からF側への対応を調べる。S側からユニット等を選択するのは、一般にサーチ側とする遺留指紋は領域面積が小さく、特徴点が少ないからである。以下の説明では、S側において選択したユニット(F側との対応を調査しているユニット)を注目芯線と記す。また、注目芯線上の芯線点であって、F側との対応関係を調べるために選択している芯線点を注目芯線点あるいは単に注目点と記す。注目点に対応するF側の対応点が存在した場合、その注目点と対応点とを合致芯線点と記す。注目芯線上にない合致特徴点や合致芯線点を参照点と記す。参照点は、注目点の対応関係を調べる際に利用される。
【0160】
図33は、ステップA3(芯線点の対応付け処理)の処理経過の例を示す流れ図である。S側の各ユニットをS-Unit(n)と表すことにする。S-Unit(n)における「n」は、S側のユニットを選択するときの順位を表す番号である。S側のユニットの総数をN本とすれば、1≦n≦Nが成立する。芯線データ照合手段20は、ステップA3を開始すると、S側の各ユニットの順位付けを行う(ステップA301)。また、k=1という初期値を設定する。ステップA3におけるkは、S側の各ユニットを順番に選択していくための変数であり、選択したユニットはS-Unit(k)と表される。
【0161】
S側の各ユニットの順位を定めるときの基準について説明する。BPMに接続しているユニットが先に選択されるように順位を決定する。BPMが端点のときは、BPMに接続しているユニットの順位を1位として定める。
【0162】
BPMが分岐点のときは、その分岐点を端点とみなし、その端点に接続する三つのユニットの順位を決定する。このとき、(1)もう片方に合致特徴点があるユニット、(2)特徴点方向と反対方向に伸びるユニット、(3)特徴点方向のすぐ右側に位置するユニット、(4)特徴点方向のすぐ左側に位置するユニットの順番に順位が低くなるように定める。なお、「右」、「左」の方向は既に説明した通りである。
【0163】
図34は、分岐点となるBPMに接続するユニットの順位付けの例を示す説明図である。図34(a)に示す例では、「優先順1位」のユニットは、もう片方に合致特徴点があるため上記(1)に該当し1位となる。図34(a)における「優先順2位」のユニットは、BPMにおける特徴点方向(BPMから、分岐する二本のユニットの中間に向かう方向)の反対方向に伸びるため上記(2)に該当し2位となる。
【0164】
図34(b)に示す例では、上記(1)に該当するユニットは存在しない。従って、BPMにおける特徴点方向の反対方向に伸びるユニットを「優先順1位」として示している。また、BPMにおける特徴点方向のすぐ右側に位置するユニットを「優先順位2」として示している。
【0165】
BPMに接続しているユニットについて順位を付けたならば、BPMに近い順に合致特徴点を選んでいく。そして、BPMに近い合致特徴点から順番に、その合致特徴点に接続するユニットについて順位を定める。BPM以外の合致特徴点に接続するユニットに対する順位付けは、BPMに接続するユニットに対する順位付けと同様である。すなわち、合致特徴点が端点のときは、その端点に接続しているユニットに順位を付ける。合致特徴点が分岐点のときは、その分岐点を端点とみなし、その端点に接続する三つのユニットに対して、上記(1)〜(4)の順番に順位が低くなるように順位を定める。図35は、BPM以外の合致特徴点に対する順位付けの例を示す。図35に示すように、BPM以外の合致特徴点に対して、BPMに近い順に順位を定める。この例では分岐点がないため、合致特徴点の順序がそのまま合致特徴点に接続するユニットの順位となる。
【0166】
続いて、合致特徴点に接続しないユニットについて順位を定める。合致特徴点に接続しないユニットに対しては、BPMに近いほど順位が高くなるように順位を定める。図36は、合致特徴点に接続しないユニットに対する順位付けの例を示す。図36に示すように、BPMに近いほど順位が高くなる。合致特徴点に接続しないユニットについては、ファイル側に対応するユニットが存在するとは限らない。あるいは、ファイル側の複数のユニットが対応する場合もある。なお、図36では、優先順4位までのユニットのみを例示している。
【0167】
芯線データ照合手段20は、S側の各ユニットに対する順位付けを行ったならば、順位を定めた各ユニットの芯線点について、F側との対応付け処理を終えたか否かを判断する(ステップA302)。k>Nであるならば、F側との対応付け処理が終了したと判断し、ステップA4に進む。k≦Nであれば、注目芯線S-Unit(k)に合致特徴点が存在するか否かを判断する(ステップA303)。この判断結果は、次の三つのケースに分類される。第一のケースは、注目芯線S-Unit(k)の片端のみが合致特徴点(BPM含む)となっているケースである。第二のケースは、S-Unit(k)の両端が合致特徴点(BPM含む)となっているケースである。第三のケースは、S-Unit(k)に合致特徴点が存在しないケースである。
【0168】
芯線データ照合手段20は、第一のケースの場合、後述するサブステップA3−1の処理を行う。第一のケースでは、注目芯線S-Unit(k)の片端のみが合致特徴点(BPM含む)である。サブステップA3−1では、この合致特徴点に近い順に各芯線点を選択し、選択した芯線点(注目点)に対応する芯線点がF側に存在するか否かを調査する。なお、サブステップA3−1において、注目点となるのは、S側の連続点(SCと記す。)あるいはS側の延伸性終点(SXと記す。)である。種別を表す「C」や「X」等の各種記号の前に「S」や「F」を付した場合、その「S」や「F」はサーチ側あるいはファイル側であることを表すものとする。
【0169】
芯線データ照合手段20は、第二のケースの場合、後述するサブステップA3−2の処理を行う。第二のケースでは、注目芯線S-Unit(k)の両端が合致特徴点(BPM含む)である。サブステップA3−2では、BPMに近い方の合致特徴点に近い順に各芯線点を選択し、選択した芯線点(注目点)に対応する芯線点がF側に存在するか否かを調査する。この場合、注目点から両端までの芯線距離の比率に基づいてF側の芯線点を判断する。なお、サブステップA3−2において、注目点となるのは、S側の連続点SCと記すだけである。
【0170】
芯線データ照合手段20は、第三のケースの場合、後述するサブステップA3−3の処理を行う。第三のケースでは、注目芯線S-Unit(k)上に合致特徴点は存在しない。第三のケースに該当するユニットの優先順位は低いため、サブステップA3−3の実行時には、既にサブステップA3−1,A3−2が終了している。サブステップA3−3において、F側の芯線点との対応関係を調査するときには、サブステップA3−1,A3−2において合致芯線点と判断された芯線点を参照点として用いる。
【0171】
サブステップA3−1,A3−2またはA3−3が終了した場合、芯線データ照合手段20は、kを1増加し、新たな注目芯線を選択する(ステップA307)。
【0172】
以下、サブステップA3−1からサブステップA3−3の処理について説明する。サブステップA3−1からサブステップA3−3では、多くの用語が登場する。S側のデータについて用いる用語と、F側のデータについて用いる用語との対応表を図37に示す。
【0173】
図38はサブステップA3−1の処理経過の一例を示す流れ図である。図39サブステップA3−1において、注目点と対応点とを対応付ける状況を示す説明図である。サブステップA3−1の処理対象は、図39に示す注目芯線のように片端のみが合致特徴点となっている注目芯線である。図39では、この合致特徴点が端点である場合を示したが、分岐点となる場合もある。分岐点であっても芯線を分離して端点とみなすことができる。従って、以下の説明ではこの合致特徴点を、「E」を用いて合致端点SEと表現する。S側の合致端点SEとF側の合致端点FEとの対応付けは既に完了している。芯線データ照合手段20は、サブステップA3−1を開始すると、注目芯線上の合致端点SEの隣接点を最初の注目点として設定(選択)する(ステップA311)。この注目点はS側の連続点SCである。図40の左側の図に示すように、合致端点SEに隣接する連続点SCが最初の注目点となる。
【0174】
芯線データ照合手段20は、ステップA311の後、サブステップA3−1を終了するか否かを判断する(ステップA312)。サブステップA3−1の終了条件については後述する。終了条件を満たしていなければ、芯線データ照合手段20は、合致端点SEと注目点SCとを結ぶ線分の両側から、それぞれ最近傍の参照点を一つずつ選ぶ(ステップA313)。この参照点をそれぞれSR1,SR2と記す(図39参照)。なお、参照点を3個以上選ぶと、対応付けの精度を向上させることができるが、処理時間が増加する。ここでは二個の参照点SR1,SR2を選ぶ場合を例に説明する。芯線データ照合手段20は、参照点SR1および注目点SCを結ぶ線分と、注目点SCおよび参照点SR2を結ぶ線分とがなす内角SAを計測する(ステップA314)。この内角SAは、SA=∠(SR1,SC、SR2)と表現できる。
【0175】
次に、芯線データ照合手段20は、注目点SCに対応する対応点の候補を選ぶ(ステップA315)。注目芯線上の芯線点と対応することが既に明らかになっているF側の芯線点を既合致点FC(0)とする。芯線データ照合手段20は、FC(0)の3個の外側隣接点を対応点候補FC(1)〜FC(3)として選ぶ。また、既合致点FC(0)も対応点候補に含める。ある芯線点の外側隣接点とは、合致端点FEから遠ざかるようにその芯線点から並んでいく芯線点をいう。例えば、図40に示すように、注目点SCが合致端点SEの隣接点であるとする。この場合、既合致点はSEに対応するFEである。FEから遠ざかるように延伸する3個の芯線点が既合致点FEの外側隣接点になる。FEおよびこの3点を対応点候補FC(0)〜FC(3)として選ぶ。
【0176】
FC(0)以外の対応点候補の数は3個でなくてもよい。しかし、隣接芯線点との最大距離(√2)や画像の歪みや伸縮等を考慮すると、F(0)以外の対応点候補の数は3個とすることが好ましい。
【0177】
また、外側隣接点FC(1)〜FC(3)の中に、非合致特徴点(S側とF側とで種別が一致しない対特徴点)が存在する場合、非合致特徴点以降の外側隣接点は対応点候補から除外する。
【0178】
芯線データ照合手段20は、対応点候補FC(0)〜FC(3)の中から対応点を決定する(ステップA316)。既合致点FC(0)に隣接するFC(1)を注目点SCの対応点として単純に定めると、位置関係に矛盾が生じる場合がある。そこで、「注目点と近傍参照点群との位置関係」を考慮して対応点を決定する。芯線データ照合手段20は、参照点SR1,SR2に対応するF側の参照点FR1,FR2を定める(図39参照)。そして、各候補毎に、参照点FR1および対応点候補を結ぶ線分と、対応点候補および参照点FR2を結ぶ線分とがなす内角FAを計測する。内角FAは、FA=∠(FR1,FC(n),FR2)と表現できる。FC(n)において、0≦n≦3である。
【0179】
そして、芯線データ照合手段20は、各対応点候補(各内角)を以下の式1によって評価を行う。
【0180】
y1=k1+k2×|SA−FA| (式1)
【0181】
すなわち、各FAについてy1を算出し、y1を最小とする対応点候補を対応点として決定する。ただし、式1において、k1は対応点候補毎に定める。FC(0)の評価時にはk1=1とする。FC(1)の場合、k1=0とする。FC(2)の場合、k1=1とする。FC(3)の場合、k1=3とする。また、式1で用いるk2は、角度差に対する係数で、本例ではk2=0.2とした。決定された対応点FC(n)と注目点SCとが合致芯線点となる。芯線データ照合手段20は、決定した対応点FC(n)と、注目点SCとが対応する旨の情報を芯線点対応リストに追加する。新たに対応付けられたFC(n)は、次にステップA315を実行する際に既合致点として用いられる。
【0182】
芯線データ照合手段20は、最後に対応付けされた合致芯線点の隣接点を新たな注目点SCとして設定する(ステップA317)。すなわち、それまで注目していた注目点の隣接点を新たな注目点SCとする。その後、ステップA312以降の動作を繰り返す。
【0183】
ステップA312では、以下の第一から第四の条件のいずれかを満足する場合に、サブステップA3−1を終了すると判断する。第一の条件は、S側の延伸性終点SXについての対応付け処理が完了したことである。第二の条件は、ある注目点SCについて対応付けを行った場合に、F側の延伸性終点FXが対応点として定められたことである。第三の条件は、ステップA317で非合致特徴点(種別が一致しない対特徴点)を新たな注目点SCとしたことである。第四の条件は、F側の最終対応点の隣接点が非合致特徴点であることである。第一の条件または第二の条件でサブステップA3−1を終了する場合、最後に対応付けられたS側の注目点をSTと記し、STに対応するF側の芯線点をFTと記す。例えば、第一の条件で終了する場合、S側の延伸性終点SXがSTとなり、その対応点がFTとなる(図39参照)。
【0184】
図41はサブステップA3−2の処理経過の一例を示す流れ図である。サブステップA3−2の処理対象は、両端が合致特徴点(BPM含む)となっている注目芯線である。サブステップA3−1と同様に、合致特徴点を合致端点とみなし、「E」の記号を用いて表す。サブステップA3−2では、両端の合致端点のうち、BPMである合致端点あるいはBPMに近い合致端点から処理を進める。この合致端点(S側)をSE1とする。また、もう一方の合致端点をSE2とする。芯線データ照合手段20は、サブステップA3−2を開始すると、注目芯線上の合致端点SE1の隣接点を最初の注目点として設定(選択)する(ステップA321)。最初の注目点は、図40に示す例示と同様に定められる。なお、サブステップA3−2では、連続点SCのみが注目点となる。
【0185】
芯線データ照合手段20は、ステップA321の後、サブステップA3−2を終了するか否かを判断する(ステップA322)。サブステップA3−2の終了条件については後述する。終了条件を満足していなければ、注目点SCと開始側の合致端点SE1との芯線距離を計測する(ステップA323)。SCとSE1との芯線距離をSD1と記す。芯線距離SD1は、直線距離ではなく、注目芯線に沿った曲線距離であることが好ましい。直線距離は、画像の歪み等の影響を受けやすいためである。本例では、注目芯線に沿ってSCからSE1に移動するときに、上下左右の画素に1回移動する度に距離単位(1画素)を累積し、斜め方向の画素に1回移動する度に1.4画素(√2画素)を累積して距離を求める。また、芯線データ照合手段20は、もう一方の合致端点SE2と注目点SCとの芯線距離(SD2と記す。)も同様に計測する。
【0186】
次に、芯線データ照合手段20は、芯線距離SD1,SD2の総和に対するSD1の比率Rsを算出する(ステップA324)。すなわち、Rs=SD1/(SD1+SD2)として、Rsを算出する。
【0187】
次に、芯線データ照合手段20は、既に説明したステップA315と同様に、注目点SCに対応する対応点の候補を選ぶ(ステップA325)。本例では、4個の対応点候補FC(0)〜FC(4)を選ぶ。FC(0)は、最後に対応付けされた既合致点である。
【0188】
芯線データ照合手段20は、対応点候補FC(0)〜FC(3)の中から対応点を決定する(ステップA326)。既合致点FC(0)に隣接するFC(1)を注目点SCの対応点として単純に定めると、位置関係に矛盾が生じる場合がある。そこで、「両端の非合致点と注目点との距離の比率」を考慮して対応点を決定する。芯線データ照合手段20は、各対応点候補FC(0)〜FC(3)から合致端点FE1,FE2までの芯線距離を計測する。FE1,FE2は、それぞれSE1,SE2に対応するF側の合致端点である。また、対応点候補からFE1,FE2までの芯線距離をそれぞれFD1(n)、FD2(n)と表す。ただし、n=0〜3であり、各候補に対応する。
【0189】
次に、n=0〜3のそれぞれの場合について、FD1(n)とFD2(n)の総和に対するFD1(n)の比率Rfを算出する。すなわち、Rf=FD1(n)/(FD1(n)+FD2(n))として、Rfを算出する。そして、|Rf−Rs|が最小となる対応点候補を対応点として決定する。この対応点と注目点SCは合致芯線点となる。芯線データ照合手段20は、決定した対応点と注目点SCとが対応する旨の情報を芯線点対応リストに追加する。注目点SCと対応付けられたF側の対応点は、次にステップA325を実行する際に既合致点として用いられる。
【0190】
芯線データ照合手段20は、最後に対応付けされた合致芯線点の隣接点を新たな注目点SCとして設定する(ステップA327)。すなわち、それまで注目していた注目点の隣接点を新たな注目点SCとする。その後、ステップA322以降の動作を繰り返す。ステップA322では、新たに設定した注目点SCが合致端点SE2と同一点となっていることを終了条件とする。
【0191】
図42はサブステップA3−3の処理経過の一例を示す流れ図である。サブステップA3−3の処理対象は、合致特徴点が存在しない注目芯線である。サブステップA3−3を実行するときには、既にサブステップA3−1,A3−2が行われている。従って、注目芯線以外の芯線には合致芯線点や合致特徴点が存在する。サブステップA3−3では、これらの点を参照点として、芯線点の対応付け処理を行う。
【0192】
芯線データ照合手段20は、サブステップA3−3を開始すると、注目芯線の隣接芯線を全て検索する(ステップA331)。さらに、検索した隣接芯線から合致特徴点を検索する。隣接芯線とは、その芯線上の点から注目芯線に垂線を下ろしたときに他の芯線に交わることなく注目芯線に達することが可能な芯線であると定義する。注目芯線に直接垂線を下ろせる部分が一部分でも存在すれば、隣接芯線に該当する。注目芯線の片側に存在する隣接芯線は一本のみとは限らず、二本以上の隣接芯線が存在する場合もある。図43(a)に示す注目芯線を例に説明すると、BPMが存在する側には二本の隣接芯線が存在する。その反対側には、一本の隣接芯線が存在する。
【0193】
ステップA331の後、芯線データ照合手段20は、隣接芯線から合致特徴点を検索できたか否かを判断する(ステップA332)。合致特徴点を見つけることができた場合、芯線データ照合手段20は、その合致特徴点を参照点として、S側注目点を定め、その注目点とF側の芯線点とを対応付ける(ステップA333)。
【0194】
ステップA333では、隣接芯線上の合致特徴点から注目芯線に垂線を下ろしたときの垂線の足をS側注目点とする。例えば、図43(a)では、隣接芯線2,1にそれぞれ合致特徴点1,2が存在する。その合致特徴点1,2から下ろした垂線の足をそれぞれ注目点1,2としている。図43(a)では、合致特徴点等から注目芯線に下ろした垂線を矢印で示している。なお、合致特徴点から下ろした垂線が注目芯線に達しない場合、その合致特徴点を無視して、次の合致特徴点から垂線を下ろす。
【0195】
次に、隣接芯線上の合致特徴点に対応するF側の合致特徴点から、対応芯線(注目芯線に対応するF側の芯線)に垂線を下ろす。その垂線と対応芯線との交点が存在すれば、その交点(垂線の足)をS側注目点に対応する対応点として定める。図43(b)に示す例では、S側の隣接芯線に対応する対応隣接芯線2,1上に合致特徴点1,2が存在する。この合致特徴点1,2から対応芯線に下ろした垂線の足をそれぞれ対応点1,2としている。この対応点は、図43(a)に示す注目点1,2に対応する。なお、F側においても、合致特徴点から下ろした垂線が対応芯線に達しない場合、その合致特徴点を無視して、次の合致特徴点から垂線を下ろす。
【0196】
また、S側,F側の合致特徴点から垂線を下ろすときに、その垂線の長さが所定の値(例えば、平均隆線間隔の2倍)以上となるならば、その合致特徴点は無視して、次の合致特徴点から垂線を下ろす。
【0197】
続いて、芯線データ照合手段20は、隣接芯線上の各合致特徴点に基づいてF側に対応点を見つけることができたか否かを判断する(ステップA334)。
【0198】
隣接芯線から合致特徴点を検索できなかったとステップA332で判断した場合、芯線データ照合手段20は、注目芯線の中点を定め、その中点とF側の芯線点とを対応付ける(ステップA335)。また、F側に対応点を見つけることができなかったとステップA334で判断した場合にも同じ処理を行う。芯線データ照合手段20は、ステップA335において、注目芯線の両端からの芯線距離が等しくなる芯線点を注目芯線の中点と定める。図44(a)に示す例では中点を丸印で表している。なお、注目芯線の両端は、延伸性終点あるいは非合致特徴点である。
【0199】
芯線データ照合手段20は、この中点から、BPM側に存在する隣接芯線に対して垂線を下ろし、その垂線の足が参照点となり得るか否かを判断する。具体的には、隣接芯線に下ろした垂線の足が合致芯線点であり、その垂線の足の対応点がF側に存在していれば、その垂線の足を参照点とする。図44(a)に示す例では、中点から隣接芯線に下ろした垂線の足を参照点1としている。垂線の足が参照点とならなければ、注目芯線上の芯線点とF側との対応付けができない。この場合、ステップA335においてサブステップA3−3を終了し、次の注目芯線を選択する。
【0200】
次に、その参照点から注目芯線に垂線を下ろし、その垂線と注目芯線との交点(垂線の足)が存在すれば、その交点を注目点とする。この注目点は、既に定めた中点と一致する場合もあるし、わずかにずれる場合もある。垂線と注目芯線との交点が存在ない場合、ステップA335においてサブステップA3−3を終了し、次の注目芯線を選択する。
【0201】
次に、芯線データ照合手段20は、参照点に対応するF側の対応参照点からF側の対応芯線に垂線を下ろし、その垂線と対応芯線との交点(垂線の足)が存在すれば、その交点を対応点として決定する。交点が存在しなければ、ステップA335においてサブステップA3−3を終了し、次の注目芯線を選択する。
【0202】
また、ステップA335において垂線の長さが所定の値(例えば、平均隆線間隔の2倍)以上となった場合にも、その時点でサブステップA3−3を終了し、次の注目芯線を選択する。
【0203】
ステップA334またはステップA335までに、対応点を定めることができたならば、注目点を追加する(ステップA336)。ステップA336開始時には、通常注目点と対応点との組み合わせが1組以上存在する。ある注目点から見て、その外側(注目芯線の端に向かう側)に注目点がない場合、その注目点から一定距離だけ外側に進み、その芯線点を外側検査点とする。図43(a)では一つの外側検査点を示し、図44(a)では二つの外側検査点を示す。
【0204】
外側検査点を定めたならば、外側検査点から隣接芯線(注目芯線から見てBPM側)に垂線を下ろし、その垂線と隣接芯線の交点(垂線の足)があれば、その交点が参照点となり得るかを調べる。具体的には、垂線の足が合致芯線点であり、F側への対応点が存在していれば、その垂線の足を参照点とする。続いて、その参照点から注目芯線に垂線を下ろし、その垂線と注目芯線の交点(垂線の足)が存在すれば、その交点を注目点とする。この注目点は、外側検査点と一致する場合もあるし、わずかにずれる場合もある。次に、ファイル側の対応参照点から、ファイル側の対応芯線に垂線を下ろし、その垂線の足を対応点として決定する。
【0205】
新たに注目点を決定したならば、さらに一定距離だけ外側に進み、新たな外側検査点を定め、同様に注目点と対応点とを定めていく。また、注目芯線の外端が延伸性終点SXの場合、には、この延伸性終点を外側検査点とみなして、同様に注目点と対応点を定める。また、外側検査点について参照点、注目点あるいは対応点を定められなくなった場合や、垂線の長さが所定の値以上になった場合には、その外側検査点についての処理を終了する。以上でステップA336の説明を終える。
【0206】
ステップA336の後、芯線データ照合手段20は、注目点と注目点とに挟まれた部分に存在する芯線点について、F側との対応付け処理を行う(ステップA337)。ステップA336終了時に、注目点と対応点との組が複数存在する場合、その注目点と注目点とに挟まれた部分の各芯線点について、F側と対応付け処理を行う。この対応付けは、二つの注目点をいずれも合致特徴点とみなして、サブステップA3−2と同様に行う。
【0207】
注目芯線の最も外側に存在する注目点(F側に対応点が存在する注目点)の外側にさらに芯線点が存在する場合がある。また、ステップA336終了時までに、注目点が1つしか存在しない場合がある。この場合、それらの注目点より外側に存在する芯線点について、F側と対応付け処理を行う(ステップA338)。この対応付けは、注目点を合致特徴点とみなし、かつ、注目点より外側に存在する芯線点の並びをユニットとみなして、サブステップA3−1と同様に行う。以上でステップA3の処理の説明を終える。
【0208】
次にステップA4の処理について説明する。ステップA4開始時には、S側とF側の芯線点の対応付けは終了している。ステップA4では、S側の各芯線に関して、連続する合致芯線点の長さを計算する。
【0209】
個々の芯線について、並んでいる合致芯線点の長さLMSを求めたならば、その長さに修正係数K(L)を乗じて積を求める。K(L)は、合致芯線点の長さLMSに応じて定められている。LMS≦10であれば、K(L)=0.5である。
【0210】
10<LMS≦50であれば、下記式2によってK(L)が定まる。
【0211】
K(L)=0.0125×(LMS−10)+0.5 (式2)
【0212】
50<LMS≦100であれば、下記式3によってK(L)が定まる。
【0213】
K(L)=0.01×(LMS−50)+1.0 (式3)
【0214】
100<LMS≦200であれば、下記式4によってK(L)が定まる。
【0215】
K(L)=0.005×(LMS−100)+1.5 (式4)
【0216】
200<LMSであれば、下記式5によってK(L)が定まる。
【0217】
K(L)=0.003×(LMS−100)+2.0 (式5)
【0218】
個々のS側芯線毎に長さLMSと修正係数K(L)の積を求めたら、その積の総和を求める。この総和をΣ(LMS×K(L))と表す。
【0219】
また、ステップA1〜A3までに生じたペナルティの総和を求める。この総和は、ステップA1終了時のP(m)と、ステップA2終了時のP(m)と、ステップA3で生じるペナルティk1の総和である。このペナルティの総和をΣ(P)と表す。そして、下記式6によって、芯線の照合スコアSkelScoreを算出する。
【0220】
SkelScore=Σ(LMS×K(L))−Σ(P)×KP (式6)
【0221】
ただし、係数KPは、Σ(P)に対する修正係数であり、本例では例えば1とする。SkelScoreを算出することによって、ステップA4が終了する。以上で、芯線データ照合手段20による芯線データの照合処理の説明を終了する。
【0222】
【発明の効果】
本発明によれば、縞模様画像の縞を細線化した芯線上の点であって対応する点が第二の縞模様画像に存在する第一の縞模様画像の点と、前記点に対応する第二の縞模様画像の芯線上の点とを近づけるようにして、第一の縞模様画像と第二の縞模様画像のうちのいずれか一方の縞模様画像のデータを修正する画像歪み修正手段と、画像歪み修正手段が修正した縞模様画像と、他方の縞模様画像を出力する画像表示手段とを備える。そして、芯線上の点は、画像の一部の領域だけでなく、全体に渡って存在する。従って、画像の一部の領域だけでなく、画像全体の歪みを一様に修正することができ、また、歪み修正の精度も向上させることができる。このように適切に歪みを修正できるので、鑑定を容易に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】 本発明による指紋鑑定方法の処理経過の例を示す流れ図である。
【図3】 デジタル化された指紋画像の例を示す説明図である。
【図4】 抽出された芯線の例を示す説明図である。
【図5】 抽出された特徴点の例を示す説明図である。
【図6】 歪み修正される濃淡画像の例を示す説明図である。
【図7】 歪み修正される芯線の画像の例を示す説明図である。
【図8】 歪み修正される濃淡画像の例を示す説明図である。
【図9】 歪み修正される芯線の画像の例を示す説明図である。
【図10】 濃淡画像の重畳表示の例を示す説明図である。
【図11】 芯線画像の重畳表示の例を示す説明図である。
【図12】 濃淡画像の重畳表示の例を示す説明図である。
【図13】 芯線画像の重畳表示の例を示す説明図である。
【図14】 画像の切替表示の例を示す説明図である。
【図15】 本発明の他の実施の形態を示すブロック図である。
【図16】 サーチ側の画像を修正する場合の例を示す説明図である。
【図17】 芯線点の画素の近傍を示すマスクパターンの説明図である。
【図18】 マスクパターンの修正例を示す説明図である。
【図19】 Code8の説明図である。
【図20】 芯線データの表現例を示す説明図である。
【図21】 芯線データ照合処理の概要を示す流れ図である。
【図22】 BPM決定処理の処理経過を示す流れ図である。
【図23】 分岐点を端点に変化させる状況を示す説明図である。
【図24】 対向関係にある対特徴点の例を示す説明図である。
【図25】 F側芯線データ修正処理の処理経過を示す流れ図である。
【図26】 F側芯線データの修正内容を規定するルールの一覧表である。
【図27】 分岐点を端点に修正する状況を示す説明図である。
【図28】 F側の注目対特徴点を修正する状況を示す説明図である。
【図29】 F側の注目対特徴点を修正する状況を示す説明図である。
【図30】 対向特徴点の削除処理の処理経過を示す流れ図である。
【図31】 修正に伴うF側芯線の変化の例を示す説明図である。
【図32】 芯線点対応リストの例を示す説明図である。
【図33】 芯線点の対応付け処理の処理経過の例を示す流れ図である。
【図34】 BPMに接続するユニットの順位付けの例を示す説明図である。
【図35】 BPM以外の合致特徴点に対する順位付けの例を示す説明図である。
【図36】 合致特徴点に接続しないユニットに対する順位付けの例を示す説明図である。
【図37】 S側のデータについて用いる用語とF側のデータについて用いる用語との対応表である。
【図38】 芯線点の対応付け処理の処理経過の例を示す流れ図である。
【図39】 注目点と対応点とを対応付ける状況を示す説明図である。
【図40】 注目点および対応点候補の例を示す説明図である。
【図41】 芯線点の対応付け処理の処理経過の例を示す流れ図である。
【図42】 芯線点の対応付け処理の処理経過の例を示す流れ図である。
【図43】 注目点および対応点を定める状況を示す説明図である。
【図44】 注目点および対応点を定める状況を示す説明図である。
【図45】 チャーティング機能による指紋データの例を示す説明図である。
【図46】 チャーティング機能による指紋データの例を示す説明図である。
【図47】 特徴点のみによる照合例を示す説明図である。
【図48】 特徴点および隆線による照合例を示す説明図である。
【符号の説明】
14 データ処理部
18 指紋特徴データ抽出手段
19 特徴点データ照合手段
20 芯線データ照合手段
21 データ処理制御手段
23 対応関係修正手段
24 芯線データ修正手段
25 画像歪み修正手段
26 鑑定図編集表示手段
Claims (14)
- 第一の縞模様画像と第二の縞模様画像とが一致するか否かの鑑定を補助する縞模様画像鑑定装置であって、
第一の縞模様画像および第二の縞模様画像と、第一の縞模様画像の縞を細線化した線である第一の縞模様画像の芯線のデータと、第二の縞模様画像の縞を細線化した線である第二の縞模様画像の芯線のデータと、第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで対になる特徴点同士の組である対特徴点とを記憶する記憶手段と、
対特徴点を用いて、第二の縞模様画像の芯線上の点の中から第一の縞模様画像の芯線上の点に対応する点を特定することによって、芯線上の点同士の対応付け処理を行う対応付け手段と、
縞模様画像の縞を細線化した芯線上の点であって対応する点が第二の縞模様画像に存在する第一の縞模様画像の点と、前記点に対応する第二の縞模様画像の芯線上の点とを近づけるようにして、第一の縞模様画像と第二の縞模様画像のうちのいずれか一方の縞模様画像のデータを修正する画像歪み修正手段と、
画像歪み修正手段が修正した縞模様画像と、他方の縞模様画像を出力する画像表示手段とを備え、
特徴点は、芯線上の端点および分岐点であり、特徴点の種別は、端点と分岐点とに分けられていて、
対応付け手段は、
第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで特徴点の種別が一致している対特徴点である合致特徴点を順に選択し、選択した合致特徴点毎に、選択した当該合致特徴点以外の他の合致特徴点である近傍マーク対特徴点を1つずつ選択し、近傍マーク対特徴点毎に、選択した合致特徴点と近傍マーク対特徴点とを結ぶ線と芯線との交差数を第一の縞模様画像側および第二の縞模様画像側でそれぞれ求め、データの不適切さの度合いを示す数値であるペナルティであって第一の縞模様画像側の交差数と第二の縞模様画像側の交差数の差に応じたペナルティを求め、選択した合致特徴点毎にペナルティの和を求め、前記和が最も小さい合致特徴点を、対応付け処理を行う芯線の順番を定める際の基準となるベース対特徴点とし、前記和が最小となる合致特徴点が複数存在する場合にはその複数の合致特徴点のうち第一の縞模様画像の特徴点群の重心座標に最も近い合致特徴点をベース対特徴点とし、
対特徴点を順に選択し、当該対特徴点とベース対特徴点とを結ぶ線と芯線との交差数を第一の縞模様画像側および第二の縞模様画像側でそれぞれ求め、第一の縞模様画像側および第二の縞模様画像側で交差数が異なっているか、あるいは、選択した対特徴点における第一の縞模様画像側の特徴点の種別と第二の縞模様画像側の特徴点の種別とが異なっている場合に、第一の縞模様画像側の交差数と第二の縞模様画像側の交差数の差および前記第一の縞模様画像側の特徴点の種別と前記第二の縞模様画像側の特徴点の種別との組み合わせに応じて予め定められているルールに従って、第二の縞模様画像の芯線のデータおよび特徴点を修正し、
端点、分岐点または縞模様画像の不明領域直前の芯線上の点のいずれかを開始点および終点とする芯線の処理単位である各ユニットのうち、第一の縞模様画像側の各ユニットに対して、合致特徴点に接続しているか否かおよびベース対特徴点との距離に基づいて順位付けを行い、
順位付けした順番に、第一の縞模様画像側の各ユニットを選択し、
選択したユニットの片側の端点のみが合致特徴点である場合には、第一の縞模様画像側の選択したユニットから合致特徴点を起点として当該合致特徴点に近い順に芯線上の点である芯線点を選択し、選択したユニット以外の第一の縞模様画像のユニットから、合致特徴点または第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで対応付けられた芯線点の組である合致芯線点をなす参照点を2つ選択し、選択した芯線点と第一の縞模様画像側の2つの参照点とがなす第一の角度を求め、選択したユニット上の芯線点と対応することが既に明らかになっている第二の縞模様画像側の芯線点を基準にして、第一の縞模様画像側のユニットから選択した芯線点に対応する第二の縞模様画像側の芯線点の候補を複数選択し、各候補毎に候補と第二縞模様画像側の2つの参照点とがなす第二の角度を求め、第一の角度と第二の角度の差および、候補毎に定める値に基づいて、選択した複数の候補の中から第一の縞模様画像側で選択した芯線点に対応する第二の縞模様画像側の芯線点を決定する第1の芯線点決定処理を実行し、
選択したユニットの両端がいずれも合致特徴点である場合には、第一の縞模様画像側の選択したユニットから合致特徴点を起点として当該合致特徴点に近い順に芯線上の点である芯線点を選択し、当該芯線点からユニットの両端の合致特徴点までの距離をそれぞれ求め、求めた各距離の和に対する当該芯線点から一方の合致特徴点までの距離の比を求め、選択したユニット上の芯線点と対応することが既に明らかになっている第二の縞模様画像側の芯線点を基準にして、第一の縞模様画像側のユニットから選択した芯線点に対応する第二の縞模様画像側の芯線点の候補を複数選択し、各候補毎に候補から選択したユニットに対応する第二の縞模様画像側の芯線の両端までの距離をそれぞれ求め、求めた各距離の和に対する当該候補から前記芯線の片側の端部の合致特徴点までの距離の比を求め、第一の縞模様画像側で求めた距離の比と、第二の縞模様画像側で求めた距離の比とに基づいて、選択した複数の候補の中から第一の縞模様画像側で選択した芯線点の画素に対応する第二の縞模様画像側の芯線点を決定する第2の芯線点決定処理を実行し、
選択したユニット上に合致特徴点が存在しない場合には、選択したユニットに隣接する芯線である隣接芯線を検索し、当該隣接芯線上の合致特徴点から選択したユニットに下ろした垂線の足を特定し、当該合致特徴点における第二の縞模様画像側の特徴点から前記ユニットに対応する第二の縞模様画像側の芯線に下ろした垂線の足を特定し、第一の縞模様画像側の前記垂線の足と第二の縞模様画像側の前記垂線の足との組を合致特徴点とみなして、前記第1の芯線点決定処理または第2の芯線点決定処理を行い、
画像歪み修正手段は、
対特徴点および第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで対応付けられた芯線点のうち第二の縞模様画像側の点の座標をベクトルの始点として定め、当該点に対応する第一の縞模様画像側の点の座標をベクトルの終点として定め、始点および終点を定めた各ベクトルに応じて、対応する点同士を近づけるように第一の縞模様画像と第二の縞模様画像のうちのいずれか一方の縞模様画像のデータを修正する
ことを特徴とする縞模様画像鑑定装置。 - 画像歪み修正手段は、対応する点が第二の縞模様画像に存在する第一の縞模様画像の芯線上の点を所定の間隔毎に抽出し、抽出した各点と、前記各点に対応する第二の縞模様画像の芯線上の各点とを近づけるようにして、第一の縞模様画像と第二の縞模様画像のうちのいずれか一方の縞模様画像のデータを修正する請求項1に記載の縞模様画像鑑定装置。
- 画像表示手段は、画像歪み修正手段が修正した縞模様画像と、他方の縞模様画像とを重畳させて出力する請求項1または請求項2に記載の縞模様画像鑑定装置。
- 画像表示手段は、各縞模様画像として、色の濃度を変化させることで縞模様を表した濃淡画像を出力する請求項3に記載の縞模様画像鑑定装置。
- 濃淡画像における色の濃度を変更する濃度変更手段を備えた請求項4に記載の縞模様画像鑑定装置。
- 画像表示手段は、各縞模様画像として、芯線の画像を出力する請求項3から請求項5のうちのいずれか1項に記載の縞模様画像鑑定装置。
- 芯線の画像における芯線の色を変更する芯線色変更手段を備えた請求項6に記載の縞模様画像鑑定装置。
- 画像表示手段は、画像歪み修正手段が修正した縞模様画像と他方の縞模様画像とを一定の切替間隔毎に切り替えて同じ位置に表示する請求項1から請求項7のうちのいずれか1項に記載の縞模様画像鑑定装置。
- 第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで特徴点同士が対応する点であることを指定する操作が行われた場合に、前記特徴点同士の組を新たな対特徴点とし、第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで芯線点同士が対応する点であることを指定する操作が行われた場合に、前記芯線点同士の組を対応する芯線点同士の組とし、対特徴点を削除する操作が行われた場合に、対特徴点の中から指定された対特徴点を削除し、対応付けられた芯線点の組を削除する操作が行われた場合に、対応付けられた芯線点の組の中から指定された芯線点の組を削除し、第一の縞模様画像または第二の縞模様画像の点および当該点の移動先を指定する操作が行われた場合に、指定された点を指定された移動先に移動させる対応関係修正手段を備え、
対応付け手段は、修正された対特徴点の情報および芯線上の点の情報に基づいて芯線上の点同士の対応付け処理をやり直す
請求項1から請求項8のうちのいずれか1項に記載の縞模様画像鑑定装置。 - 芯線の端部同士を指定する操作が行われた場合に、指定された端点同士を接続するように芯線のデータを修正する芯線データ修正手段を備え、
対応付け手段は、修正された芯線のデータに基づいて芯線上の点同士の対応付け処理をやり直す
請求項1から請求項9のうちのいずれか1項に記載の縞模様画像鑑定装置。 - 第一の縞模様画像と第二の縞模様画像とが一致するか否かの鑑定を補助する縞模様画像鑑定方法であって、第一の縞模様画像および第二の縞模様画像と、第一の縞模様画像の縞を細線化した線である第一の縞模様画像の芯線のデータと、第二の縞模様画像の縞を細線化した線である第二の縞模様画像の芯線のデータと、第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで対になる特徴点同士の組である対特徴点とを記憶する記憶手段と、対特徴点を用いて、第二の縞模様画像の芯線上の点の中から第一の縞模様画像の芯線上の点に対応する点を特定することによって、芯線上の点同士の対応付け処理を行う対応付け手段と、縞模様画像の縞を細線化した芯線上の点であって対応する点が第二の縞模様画像に存在する第一の縞模様画像の点と、前記点に対応する第二の縞模様画像の芯線上の点とを近づけるようにして、第一の縞模様画像と第二の縞模様画像のうちのいずれか一方の縞模様画像のデータを修正する画像歪み修正手段と、画像歪み修正手段が修正した縞模様画像と、他方の縞模様画像を出力する画像表示手段とを備え、芯線上の端点および分岐点を特徴点とし、特徴点の種別を端点と分岐点とに分けている縞模様画像鑑定装置に適用される縞模様画像鑑定方法において、
対応付け手段が、
第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで特徴点の種別が一致している対特徴点である合致特徴点を順に選択し、選択した合致特徴点毎に、選択した当該合致特徴点以外の他の合致特徴点である近傍マーク対特徴点を1つずつ選択し、近傍マーク対特徴点毎に、選択した合致特徴点と近傍マーク対特徴点とを結ぶ線と芯線との交差数を第一の縞模様画像側および第二の縞模様画像側でそれぞれ求め、データの不適切さの度合いを示す数値であるペナルティであって第一の縞模様画像側の交差数と第二の縞模様画像側の交差数の差に応じたペナルティを求め、選択した合致特徴点毎にペナルティの和を求め、前記和が最も小さい合致特徴点を、対応付け処理を行う芯線の順番を定める際の基準となるベース対特徴点とし、前記和が最小となる合致特徴点が複数存在する場合にはその複数の合致特徴点のうち第一の縞模様画像の特徴点群の重心座標に最も近い合致特徴点をベース対特徴点とし、
対特徴点を順に選択し、当該対特徴点とベース対特徴点とを結ぶ線と芯線との交差数を第一の縞模様画像側および第二の縞模様画像側でそれぞれ求め、第一の縞模様画像側および第二の縞模様画像側で交差数が異なっているか、あるいは、選択した対特徴点における第一の縞模様画像側の特徴点の種別と第二の縞模様画像側の特徴点の種別とが異なっている場合に、第一の縞模様画像側の交差数と第二の縞模様画像側の交差数の差および前記第一の縞模様画像側の特徴点の種別と前記第二の縞模様画像側の特徴点の種別との組み合わせに応じて予め定められているルールに従って、第二の縞模様画像の芯線のデータおよび特徴点を修正し、
端点、分岐点または縞模様画像の不明領域直前の芯線上の点のいずれかを開始点および終点とする芯線の処理単位である各ユニットのうち、第一の縞模様画像側の各ユニットに対して、合致特徴点に接続しているか否かおよびベース対特徴点との距離に基づいて順位付けを行い、
順位付けした順番に、第一の縞模様画像側の各ユニットを選択し、
選択したユニットの片側の端点のみが合致特徴点である場合には、第一の縞模様画像側の選択したユニットから合致特徴点を起点として当該合致特徴点に近い順に芯線上の点である芯線点を選択し、選択したユニット以外の第一の縞模様画像のユニットから、合致特徴点または第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで対応付けられた芯線点の組である合致芯線点をなす参照点を2つ選択し、選択した芯線点と第一の縞模様画像側の2つの参照点とがなす第一の角度を求め、選択したユニット上の芯線点と対応することが既に明らかになっている第二の縞模様画像側の芯線点を基準にして、第一の縞模様画像側のユニットから選択した芯線点に対応する第二の縞模様画像側の芯線点の候補を複数選択し、各候補毎に候補と第二縞模様画像側の2つの参照点とがなす第二の角度を求め、第一の角度と第二の角度の差および、候補毎に定める値に基づいて、選択した複数の候補の中から第一の縞模様画像側で選択した芯線点に対応する第二の縞模様画像側の芯線点を決定する第1の芯線点決定処理を実行し、
選択したユニットの両端がいずれも合致特徴点である場合には、第一の縞模様画像側の選択したユニットから合致特徴点を起点として当該合致特徴点に近い順に芯線上の点である芯線点を選択し、当該芯線点からユニットの両端の合致特徴点までの距離をそれぞれ求め、求めた各距離の和に対する当該芯線点から一方の合致特徴点までの距離の比を求め、選択したユニット上の芯線点と対応することが既に明らかになっている第二の縞模様画像側の芯線点を基準にして、第一の縞模様画像側のユニットから選択した芯線点に対応する第二の縞模様画像側の芯線点の候補を複数選択し、各候補毎に候補から選択したユニットに対応する第二の縞模様画像側の芯線の両端までの距離をそれぞれ求め、求めた各距離の和に対する当該候補から前記芯線の片側の端部の合致特徴点までの距離の比を求め、第一の縞模様画像側で求めた距離の比と、第二の縞模様画像側で求めた距離の比とに基づいて、選択した複数の候補の中から第一の縞模様画像側で選択した芯線点の画素に対応する第二の縞模様画像側の芯線点を決定する第2の芯線点決定処理を実行し、
選択したユニット上に合致特徴点が存在しない場合には、選択したユニットに隣接する芯線である隣接芯線を検索し、当該隣接芯線上の合致特徴点から選択したユニットに下ろした垂線の足を特定し、当該合致特徴点における第二の縞模様画像側の特徴点から前記ユニットに対応する第二の縞模様画像側の芯線に下ろした垂線の足を特定し、第一の縞模様画像側の前記垂線の足と第二の縞模様画像側の前記垂線の足との組を合致特徴点とみなして、前記第1の芯線点決定処理または第2の芯線点決定処理を行い、
画像歪み修正手段が、
対特徴点および第一の縞模様画像側と第二の縞模様画像側とで対応付けられた芯線点のうち第二の縞模様画像側の点の座標をベクトルの始点として定め、当該点に対応する第一の縞模様画像側の点の座標をベクトルの終点として定め、始点および終点を定めた各ベクトルに応じて、対応する点同士を近づけるように第一の縞模様画像と第二の縞模様画像のうちのいずれか一方の縞模様画像のデータを修正し、
画像表示手段が、
画像歪み修正手段によって修正された縞模様画像と、他方の縞模様画像を出力する
ことを特徴とする縞模様画像鑑定方法。 - 画像歪み修正手段が、対応する点が第二の縞模様画像に存在する第一の縞模様画像の芯線上の点を所定の間隔毎に抽出し、抽出した各点と、前記各点に対応する第二の縞模様画像の芯線上の各点とを近づけるようにして、第一の縞模様画像と第二の縞模様画像のうちのいずれか一方の縞模様画像のデータを修正する請求項11に記載の縞模様画像鑑定方法。
- 画像表示手段が、修正した縞模様画像と、他方の縞模様画像とを重畳させて出力する請求項11または請求項12に記載の縞模様画像鑑定方法。
- 画像表示手段が、修正した縞模様画像と他方の縞模様画像とをディスプレイ装置に一定の切替間隔毎に切り替えて同じ位置に表示させる請求項11から請求項13のうちのいずれか1項に記載の縞模様画像鑑定方法。
Priority Applications (3)
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|---|---|---|---|
| JP2002236087A JP4030830B2 (ja) | 2002-08-13 | 2002-08-13 | 縞模様画像鑑定装置および縞模様画像鑑定方法 |
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Applications Claiming Priority (1)
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