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JP4034290B2 - 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置 Download PDF

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Description

本発明は、ハードディスク装置などに用いられる磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置に関するものであり、特に、ノイズ低減が可能な磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置に関するものである。
磁気記録再生装置の1種であるハードディスク装置(HDD)は、現在その記録密度が年率60%で増えており今後もその傾向は続くといわれている。
ハードディスク装置に用いられる磁気記録媒体には高記録密度化が要求されており、これに伴い保磁力の向上、媒体ノイズの低減が求められている。
ハードディスク装置に用いられる磁気記録媒体としては、磁気記録媒体用の基板に、スパッタ法により金属膜を積層した構造が主流となっている。
基板としては、アルミニウム基板とガラス基板が広く用いられている。アルミニウム基板としては、例えば鏡面研磨したAl−Mg合金の基体上に、厚さ10μm程度のNiP膜を無電解メッキで形成し、その表面を鏡面仕上げしたものが用いられている。ガラス基板に用いられるガラスには、主としてアモルファスガラスと結晶化ガラスの2種があり、いずれのガラスを用いた基板も、鏡面仕上げして用いられている。
現在一般的に用いられているハードディスク装置用の磁気記録媒体においては、非磁性基板上に非磁性下地層(NiAl、Cr、Cr合金等)、非磁性中間層(CoCr、CoCrTa合金等)、磁性層(CoCrPtTa、CoCrPtB合金等)、保護層(カーボン等)が順次積層され、その上に潤滑層が形成されている。
記録密度を向上させるためには、高周波で記録した際のSNR(Signal to Noise Ratio)を向上させる必要性がある。Kenneth E.J.,“Magnetic materials and structures for thin−film recording media”、JOURNAL OF APPLIED PHYSICS Vol.87、No.9、5365(2000)では、SNRを向上させるためには、記録層(磁性層)の結晶粒子の直径を小さく、かつ均一にする必要があると論ぜられている。
しかしながら、SNRを向上させるため記録層(磁性層)の結晶粒子の直径を小さくすると、結晶粒子の体積が小さくなり、熱的に不安定となる。このことは、Sharat Batra et al.,“Temperature Dependence of Thermal Stability in Longitudinal Media”,IEEE Trans.Magn.Vol35,No5,2736(1999)で報告されている。
この問題の解決策の一つとして、ルテニウムなどからなる非磁性結合層の上下にそれぞれ磁性層を形成し、これら磁性層の磁化方向を互いに反平行とする磁気記録媒体が提案されている(例えば特許文献1)。
この技術を用いた磁気記録媒体では、上記2つの磁性層の磁化方向が互いに逆になることにより、磁気的に記録再生に関与している部分は記録層全体の厚さよりも実質的には薄くなる。このためSNRの向上を図ることができる。一方、記録層全体の結晶粒子の体積は大きくなるために、熱的な不安定さの改善を図ることができる。
この技術を用いた媒体は、AFC媒体(AntiFerromagnetically−Coupled Media)、またはSFM(Synthetic Ferrimagnetic Media)と一般的に呼ばれている。ここではAFC媒体と呼ぶ。
特開2001−56921号公報
特許文献1に記載された磁気記録媒体においては、非磁性結合層を挟んで上下に磁性層が設けられている。この磁気記録媒体では、非磁性基板側の磁性層が強磁性層とされ、この強磁性層は、Co、Ni、Fe、Ni系合金、Fe系合金、およびCo系合金(CoCrTa、CoCrPt、CoCrPtMを含む)からなるグループから選択された材料からなり、MはB、Mo、Nb、Ta、W、Cu、またはこれらの合金であってよいとされている。
しかしながら、従来の磁気記録媒体では、今後の高記録密度化に対応するために十分なノイズ低減は難しい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、十分なノイズ低減が可能な磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、第一磁性層にCoCrZr系合金を用いることにより、媒体ノイズを低減させ、高記録密度を達成できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
(1)上記課題を解決するための第1の発明は、非磁性基板上に、少なくとも非磁性下地層、第一磁性層、非磁性結合層、第二磁性層および保護層がこの順番で積層され、第二磁性層が第一磁性層に反強磁性結合し、第一磁性層がCoCrZr系合金で構成され、前記第一磁性層のCrの含有量が5〜22at%、Zrの含有量が1〜10at%であり、前記第二磁性層が、CoCrTa系合金、CoCrPtTa系合金、CoCrPtB系合金、CoCrPtBM系合金(M:Ta、Cuから選ばれる1種以上)から選ばれる1種以上からなることを特徴とする磁気記録媒体である。
(2)上記課題を解決するための第2の発明は、非磁性基板上に、少なくとも非磁性下地層、第一磁性層、非磁性結合層、第二磁性層、非磁性結合層、第三磁性層および保護層がこの順番で積層され、第三磁性層が第二磁性層に反強磁性結合し、かつ第二磁性層が第一磁性層に反強磁性結合し、第一磁性層がCoCrZr系合金で構成され、前記第一磁性層のCrの含有量が5〜22at%、Zrの含有量が1〜10at%であり、前記第二磁性層および第三磁性層が、CoCrTa系合金、CoCrPtTa系合金、CoCrPtB系合金、CoCrPtBM系合金(M:Ta、Cuから選ばれる1種以上)から選ばれる1種以上からなることを特徴とする磁気記録媒体である。
)上記課題を解決するための第の発明は、第一磁性層の厚さが、0.5〜10nmである(1)〜()のいずれか1つに記載の磁気記録媒体である。
)上記課題を解決するための第の発明は、非磁性結合層が、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Ru系合金、Rh系合金、Ir系合金、Cr系合金、Re系合金から選ばれるいずれか1種からなり、かつ厚さが0.5〜1.5nmである(1)〜()のいずれか1つに記載の磁気記録媒体である。
)上記課題を解決するための第の発明は、非磁性下地層が、Ti、Mo、Al、Ta、W、Ni、B、Si、およびVから選ばれる1種または2種以上とCrとからなるCr合金、またはCrからなる層を含む多層構造である(1)〜()のいずれか1つに記載の磁気記録媒体である。
)上記課題を解決するための第の発明は、非磁性下地層が、NiAl系合金、RuAl系合金、またはCr合金からなる層を含む多層構造であり、このCr合金が、Ti、Mo、Al、Ta、W、Ni、B、Si、およびVから選ばれる1種または2種以上とCrとからなる(1)〜()のいずれか1つに記載の磁気記録媒体である。
)上記課題を解決するための第の発明は、非磁性基板が、ガラス基板、シリコン基板から選ばれるいずれか1種である(1)〜()のいずれか1つに記載の磁気記録媒体である。
)上記課題を解決するための第の発明は、非磁性基板が、Al、Al合金、ガラス、シリコンから選ばれるいずれか1種からなる基体の表面に、NiPまたはNiP合金からなる膜を形成したものである(1)〜()のいずれか1つに記載の磁気記録媒体である。
)上記課題を解決するための第の発明は、非磁性基板上に、少なくとも非磁性下地層、第一磁性層、非磁性結合層、第二磁性層および保護層がこの順番で積層され、第二磁性層が第一磁性層に反強磁性結合した磁気記録媒体を製造する方法であって、第一磁性層がCoCrZr系合金で構成され、前記第一磁性層のCrの含有量を5〜22at%、Zrの含有量を1〜10at%とし、前記第二磁性層を、CoCrTa系合金、CoCrPtTa系合金、CoCrPtB系合金、CoCrPtBM系合金(M:Ta、Cuから選ばれる1種以上)から選ばれる1種以上から形成する磁気記録媒体の製造方法である。
(1)上記課題を解決するための第1の発明は、非磁性基板上に、少なくとも非磁性下地層、第一磁性層、非磁性結合層、第二磁性層、非磁性結合層、第三磁性層および保護層がこの順番で積層され、第三磁性層が第二磁性層に反強磁性結合し、かつ第二磁性層が第一磁性層に反強磁性結合した磁気記録媒体を製造する方法において、第一磁性層をCoCrZr系合金で構成し、、前記第一磁性層のCrの含有量を5〜22at%、Zrの含有量を1〜10at%とし、前記第二磁性層および第三磁性層を、CoCrTa系合金、CoCrPtTa系合金、CoCrPtB系合金、CoCrPtBM系合金(M:Ta、Cuから選ばれる1種以上)から選ばれる1種以上から形成する磁気記録媒体の製造方法である。
(11)上記課題を解決するための第11の発明は、(9)または(10)に記載の第一磁性層の厚さを0.5〜10nmとした。
(12)上記課題を解決するための第12の発明は、(9)〜(11)に記載の非磁性結合層を、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Ru系合金、Rh系合金、Ir系合金、Cr系合金、Re系合金から選ばれるいずれか1種から形成し、かつ厚さを0.5〜1.5nmとした
(13)上記課題を解決するための第1の発明は、(1)〜()のいずれか1つに記載の磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装置である。
本発明の磁気記録媒体では、第一磁性層にCoCrZr系合金を用い、その第一磁性層のCrの含有量を5〜22at%、Zrの含有量を1〜10at%とし、第二磁性層として、CoCrTa系合金、CoCrPtTa系合金、CoCrPtB系合金、CoCrPtBM系合金(M:Ta、Cuから選ばれる1種以上)から選ばれる1種以上としたので、保磁力が高く、角型比の低下が無く、低ノイズ化した磁気記録媒体を提供することができる。
図1は、本発明の磁気記録媒体の第1の実施形態を示すもので、ここに示す磁気記録媒体は、非磁性基板1の上に、非磁性下地層2、第一磁性層3、非磁性結合層4、第二磁性層5、保護層6、潤滑層7を順次積層させたものである。
図2は、本発明の磁気記録媒体の第2の実施形態を示すもので、ここに示す磁気記録媒体は、非磁性基板1の上に、非磁性下地層2、第一磁性層3、第1非磁性結合層4、第二磁性層5、第2非磁性結合層8、第三磁性層9、保護層6、潤滑層7を順次積層させたものである。
本発明における非磁性基板としては、Al、Al合金などの金属材料からなる基体上にNiPまたはNiP合金からなる膜が形成されたものを用いることができる。
非磁性基板としては、ガラス、セラミックス、シリコン、シリコンカーバイド、カーボン、樹脂などの非金属材料からなるものを用いてもよいし、この非金属材料からなる基体上にNiPまたはNiP合金の膜を形成したものを用いてもよい。
特に、Al、Al合金、ガラス、シリコンから選ばれる1種からなる基体の表面に、NiPまたはNiP合金の膜を形成したものが好ましい。
非金属材料としては、表面平滑性の点から、ガラス、シリコンから選ばれるいずれか1種が好ましい。特に、コストおよび耐久性の点からガラスを用いるのが好ましい。ガラスとしては、結晶化ガラスまたはアモルファスガラスを用いることができる。
アモルファスガラスとしては汎用のソーダライムガラス、アルミノほう珪酸ガラス、アルミノシリケートガラスを使用できる。結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスを用いることができる。
セラミックス基板としては、汎用の酸化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体やそれらの繊維強化物が挙げられる。
記録密度を高めるため、磁気ヘッドの低フライングハイト化が要求されていることから、非磁性基板の表面平滑性を高めることが望ましい。すなわち、非磁性基板は、表面平均粗さRaが2nm以下、好ましくは1nm以下であることが望ましい。
非磁性基板は、その表面に、テクスチャー加工によりテクスチャー痕を形成することが好ましい。テクスチャー加工では、基板表面の平均粗さが、0.1nm以上0.7nm以下(より好ましくは0.1nm以上0.5nm以下、さらに好ましくは0.1nm以上0.35nm以下)となるようにするのが好ましい。磁気記録媒体の円周方向の磁気的異方性を強める点から、テクスチャー痕はほぼ円周方向に形成されているのが好ましい。
非磁性基板は、表面の微小うねり(Wa)が0.3nm以下(より好ましくは0.25nm以下)であるのが好ましい。
また、端面のチャンファー部の面取り部、側面部の少なくともいずれか一方の表面平均粗さRaを、10nm以下(より好ましくは9.5nm以下)とすることが、磁気ヘッドの飛行安定性にとって好ましい。
微少うねり(Wa)は、例えば、表面粗さ測定装置P−12(KLM−Tencor社製)を用い、測定範囲80μmでの表面平均粗さとして測定することができる。
非磁性基板上には、非磁性下地層が形成される。非磁性下地層は、1層構造としてもよいし、複数の構成層を積層した多層構造としてもよい。
非磁性下地層は、Ti、Mo、Al、Ta、W、Ni、B、SiおよびVから選ばれる1種もしくは2種以上とCrとからなるCr合金で構成することもできるし、Crで構成することもできる。
非磁性下地層を多層構造とする場合には、非磁性下地層を構成する構成層のうち少なくとも1つを上記Cr合金またはCrで構成することができる。
非磁性下地層は、NiAl系合金、RuAl系合金、またはCr合金(Ti、Mo、Al、Ta、W、Ni、B、SiおよびVから選ばれる1種もしくは2種以上とCrとからなる合金)で構成するのが好ましい。
非磁性下地層を多層構造とする場合には、非磁性下地層を構成する構成層のうち少なくとも1つを上記NiAl系合金、上記RuAl系合金、または上記Cr合金で構成することができる。
非磁性下地層の厚さは1〜40nm(好ましくは3〜15nm)とすることが好ましい。この厚さが上記範囲未満では結晶成長が不充分であり、上記範囲を超えると結晶粒子が大きくなりすぎ媒体ノイズを悪化させてしまう。
非磁性下地層は、多層構造であるのが好ましい。多層構造とすることにより結晶配向がそろい、電磁変換特性が良好になるからである。
非磁性下地層を多層構造とする場合には、非磁性下地層を構成する構成層の厚さを、1〜40nm(好ましくは3〜15nm)とすることが好ましい。この厚さは上記範囲未満では結晶成長が不充分であり、上記範囲を超えると結晶粒子が大きくなりすぎ媒体ノイズを悪化させてしまう。
多層構造の非磁性下地層の全体の厚さは3〜150nmとすることができる。
第一磁性層は、CoCrZr系合金で構成される。第一磁性層では、Crの含有量が5〜22at%であり、Zrの含有量が1〜10at%であるのがSNRの点から好ましい。
第一磁性層の厚さは0.5〜10nm(より好ましくは0.5〜5nm)が好適である。この厚さがこの範囲未満ではエピタキシャル成長が十分ではなく高い保磁力を得ることができない。この範囲を超えると反強磁性結合に関与しない部分によるノイズの増加が起きてしまう。
第一磁性層に用いるCoCrZr系合金には、補助的効果(配向性向上、結晶粒微細化など)を有する元素を添加しても良い。添加元素としてはTi、V、Mn、Hf、Ru、B、Al、Si、Wから選ばれた1種または2種以上が例示される。添加元素の合計含有量は10at%以下であることが好ましい。合計含有量が10at%を超えると、上記補助的効果(配向性向上、結晶粒微細化など)が低くなる。合計含有量は0.1at%未満では上記補助的効果が低くなるため、0.1at%以上とするのが好ましい。
非磁性結合層は、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Ru系合金、Rh系合金、Ir系合金、Cr系合金、Re系合金から選ばれるいずれか1種からなることが好ましい。
これらの物質は結合性エネルギー係数(Exchange Energy Constant)が大きいので、非磁性結合層に用いることによって、この層の上下に設けられた磁性層の磁化の反転の度合いを大きくできる。
特に、Ruは上記物質の中で最も結合性エネルギー係数が大きいため、Ruを使用することが望ましい。
なお、結合性エネルギー係数とは、上下に設けられた磁性層の交換相互作用の強さを表す値であり、その値が大きいほどよい。
非磁性結合層の厚さは0.5〜1.5nm(より好ましくは0.6〜1.0nm)であることが望ましい。厚さをこの範囲とすることによって十分な反強磁性結合が得られるからである。
なお、ここに示す非磁性結合層の構成は、図1に示す非磁性結合層に限らず、図2に示す第1および第2非磁性結合層に適用することもできる。
第二磁性層および第三磁性層には、CoCrZr系合金以外の材料、例えばCoを主原料としたCo合金であってhcp構造を有する材料を使用することができる。
具体的には、CoCrTa系合金、CoCrPt系合金、CoCrPtTa系合金、CoCrPtB系合金、CoCrPtBTa系合金、CoCrPtBCu系合金、CoRuTa系合金、CoCrPtBM系合金(M:Ta、Cuから選ばれる1種以上)から選ばれた1種または2種以上を使用することができる。
なかでも特に、CoCrTa系合金、CoCrPtTa系合金、CoCrPtB系合金、CoCrPtBM系合金(M:Ta、Cuから選ばれる1種以上)から選ばれる1種以上を使用するのが好ましい。
CoCrPt系合金を使用する場合、Crの含有量は10〜25at%、Ptの含有量は8〜16at%とするのがSNRの点から好ましい。
CoCrPtB系合金を使用する場合、Crの含有量は10〜25at%、Ptの含有量は8〜16at%、Bの含有量は1〜20at%とするのがSNRの点から好ましい。
CoCrPtBTa系合金を使用する場合、Crの含有量は10〜25at%、Ptの含有量は8〜16at%、Bの含有量は1〜20at%、Taの含有量は1〜4at%とするのがSNRの点から好ましい。
CoCrPtBCu系合金を使用する場合、Crの含有量は10〜25at%、Ptの含有量は8〜16at%、Bの含有量は2〜20at%、Cuの含有量は1〜4at%とするのがSNRの点から好ましい。
図1に示すように、2つの磁性層(第一および第二磁性層)を備えている磁気記録媒体では、第二磁性層の厚さは、熱揺らぎ特性の点から10nm以上とするのが好ましい。第二磁性層の厚さは、高記録密度化の観点から40nm以下であるのが好ましい。これは、この厚さが40nmを越えると、好ましい記録再生特性が得られないからである。
図2に示すように、3つの磁性層(第一〜第三磁性層)を備えた磁気記録媒体では、第二磁性層の厚さは、第二磁性層と第一磁性層との間の反強磁性結合、および第二磁性層と第三磁性層との間の反強磁性結合の強度を高めるために、2〜15nmの範囲にすることが好ましい。
第三磁性層の厚さは、熱揺らぎ特性の点から10nm以上とするのが好ましい。第三磁性層の厚さは、高記録密度化の観点から40nm以下であるのが好ましい。これは、この厚さが40nmを越えると、好ましい記録再生特性が得られないからである。
各磁性層(第一〜第三磁性層)は、複数の構成層を積層した多層構造としてもよい。この場合、構成層の材料としては第一〜第三磁性層の材料として例示したものを使用することができる。
本発明では、非磁性基板と非磁性下地層の間に、非磁性下地層のエピタキシャル成長を助長することを目的として、金属材料からなる配向調整層を設けてもよい。
配向調整層の材料としては、CoW系合金、CoMo系合金、CoTa系合金、CoNb系合金、NiP系合金、NiTa系合金、FeMo系合金、FeW系合金、ReW系合金、ReMo系合金、RuW系合金、RuMo系合金を例示することができる。
また、配向調整層は、表面をO、空気などの酸素含有ガスに接触させる表面処理を行ってもよい。配向調整層の厚さは、5〜50nmとするのが非磁性下地層におけるエピタキシャル成長の点から好ましい。
図3は、配向調整層を設けた磁気記録媒体の一例を示すもので、ここに示す磁気記録媒体は、非磁性基板1と非磁性下地層2との間に、配向調整層10が設けられている。
さらに、非磁性基板と配向調整層との密着性を高めるために、非磁性基板と配向調整層との間に密着層を設けてもよい。
密着層には、Cr、Ta、Ti、Wから選ばれた少なくとも1種を用いることができる。密着層の厚さは1〜100nm(より好ましくは5〜80nm、さらに好ましくは7〜70nm)であるのが密着性および生産性の点から好ましい。
図4は、密着層を設けた磁気記録媒体の一例を示すもので、ここに示す磁気記録媒体は、非磁性基板1と配向調整層10との間に、密着層11が設けられている。
また、非磁性下地層と第一磁性層との間に、第一磁性層におけるエピタキシャル成長を助長することを目的として、非磁性中間層を設けても良い。非磁性中間層を設けることによって、磁気的特性(例えば保磁力)、記録再生特性(例えばSNR)を向上する効果が得られる。
非磁性中間層は、Co、Crを含むものとすることができる。非磁性中間層にCoCr系合金を用いた場合には、Crの含有量は25〜45at%の範囲内であるのがSNR向上の点から好ましい。非磁性中間層の厚さは、0.5〜3nmの範囲内であるのがSNR向上の点から好ましい。
図5は、非磁性中間層を設けた磁気記録媒体の一例を示すもので、ここに示す磁気記録媒体は、非磁性下地層2と第一磁性層3との間に、非磁性中間層12が設けられている。
保護層には、従来の公知の材料、例えばカーボンやSiCを用いることができる。
保護層の厚さは、1〜10nmであるのが、記録密度を高めた際のスペーシングロスおよび媒体の耐久性の点から好ましい。
保護層上には、必要に応じて、例えばパーフルオロポリエーテル等のフッ素系潤滑剤などからなる潤滑層を設けることができる。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性結合層の上下に形成された複数の磁性層の磁化方向を互いに反平行とすることができるAFC媒体である。
すなわち、上記磁気記録媒体は、第二磁性層が、第一磁性層に反強磁性結合する構成とすることができる。また、第三磁性層が第二磁性層に反強磁性結合し、かつ第二磁性層が第一磁性層に反強磁性結合した構成とすることもできる。
反強磁性結合の強さを表す指標としては、Hex(Exchange coupling strength)、またはJ(交換結合係数)が用いられる。
Hexは、500(Oe)以上であることが好ましい。Jは0.2erg/cm以上であることが好ましい。
なお、本発明において、1erg/cm=0.001J/mである。また、1(Oe)≒79.577475A/mである。また、1emu/cc≒12.5664×10−4Wb/mである。
Hexは、保磁力測定において、マイナーループを測定したときのマイナーループの中心から磁界0までの磁界強度として定義される。
Hexが大きいほど非磁性結合層の上下に設けられた磁性層どうしの磁気的な結合は強く安定であるといえる。
マイナーループの一例を図6に示す。以下、マイナーループの測定方法の一例をこの図に沿って説明する。
まず、磁界を、0から測定最大磁界(例えば10000(Oe))まで増加させる(図中1→2→3)。
次いで、磁界を反転させ測定最大磁界(例えば10000(Oe))から磁化が一度減少し、磁化曲線がループを示した後、さらに磁化曲線が減少し始める位置よりも磁界が1000(Oe)程度大きい位置(例えば−3000(Oe))まで磁界を減少させる(図中4→5→6)。
次いで、磁界を反転させ、反転位置(例えば−3000(Oe))から測定最大磁界(例えば10000(Oe))まで磁界を増加させる(図中7→1→2→3)。このとき、磁化曲線に観察されるヒステリシスカーブがマイナーループである。
Jは次の式で与えられる。
J=Hex×Ms×t
ここで、Msは第一磁性層の飽和磁化(emu/cc)であり、tは第一磁性層の厚さである。Msはマイナーループより求めることができる。
次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例を説明する。
非磁性基板表面に、必要に応じてテクスチャー加工を施す。テクスチャー加工方法としては、研磨用テープを用いたメカニカルテクスチャーを採用することができる。
テクスチャー加工の際には、オッシレーションを行うことができる。オッシレーションとは、研磨用テープを基板の円周方向に走行させると同時に、この研磨用テープを基板の半径方向に揺動させる操作のことである。オッシレーションの条件は60〜1200回/分とすると、テクスチャーによる表面研削量が均一になるため好ましい。
テクスチャー加工の方法としては、研磨用テープを用いたメカニカルテクスチャーによる方法以外に、固定砥粒を用いた方法、固定砥石を用いた方法、レーザー加工を用いた方法を挙げることができる。
テクスチャー加工では、線密度が7500(本/mm)以上のテクスチャー痕を基板表面に形成するのが好ましい。
非磁性基板を洗浄した後、成膜装置のチャンバ内に設置する。非磁性基板は、必要に応じて100〜400℃に加熱される。
非磁性基板上に、非磁性下地層、第一磁性層、非磁性結合層、第二磁性層(または非磁性下地層、第一磁性層、第1非磁性結合層、第二磁性層、第2非磁性結合層、第三磁性層)をスパッタ法(例えばDCあるいはRFマグネトロンスパッタリング法)により形成する。
スパッタ法により上記各層を形成する際の操作条件は、例えば次の通りとすることができる。
非磁性基板をチャンバ内に収容し、真空度が10−4〜10−7Paとなるまでチャンバを排気する。スパッタ用ガス(Arなど)をチャンバ内に導入して放電を行う。放電の際の供給電力は0.2〜2.0kWとするのが望ましい。この際、放電時間と供給電力を調節することによって、形成する層の厚さを調節することができる。
以下、磁気記録媒体の形成方法の一例を示す。
非磁性基板上に、Cr、Cr合金、NiAl系合金、RuAl系合金などからなるスパッタリング用ターゲットを用いて、厚さ3〜15nmの非磁性下地層を形成する。
次いで、CoCrZr系合金からなるスパッタリング用ターゲットを用いて、厚さ0.5〜5nmの第一磁性層を形成する。
次いで、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Ru系合金、Rh系合金、Ir系合金、Cr系合金、Re系合金などからなるスパッタリング用ターゲットを用いて、非磁性結合層を0.5〜1.5nm(より好ましくは0.6〜1.0nm)の厚さで形成する。
次いで、CoCrTa系合金、CoCrPt系合金、CoCrPtTa系合金、CoCrPtB系合金、CoCrPtBTa系合金、CoCrPtBCu系合金、CoRuTa系合金などからなるスパッタリング用ターゲットを用いて、第二磁性層を10〜40nmの厚さで形成する。
次いで、保護層を従来の公知のスパッタ法、プラズマCVD法により形成する。
次いで、必要に応じて、潤滑層を従来の公知のスピン法、ディップ法により形成する。
なお、非磁性基板と非磁性下地層との間に配向調整層を設ける場合には、非磁性下地層の形成に先だって、配向調整層の材料として例示した上述の材料からなるスパッタリング用ターゲットを用いて、配向調整層を形成する。
非磁性基板と配向調整層との間に密着層を設ける場合には、配向調整層の形成に先だって、密着層の材料として例示した上述の材料からなるスパッタリング用ターゲットを用いて、密着層を形成する。
上記磁気記録媒体では、CoCrZr系合金からなる第一磁性層を備えているので、媒体ノイズを低減させることができる。
この磁気記録媒体では、CoCrZr系合金が、複数の磁性層のうち最も基板側に位置する第一磁性層にのみ用いられていることが特徴である。
例えば、図1に示す例では、2つの磁性層3、5のうち第一磁性層3にのみCoCrZr系合金が用いられており、図2に示す例では、3つの磁性層3、5、9のうち第一磁性層3にのみCoCrZr系合金が用いられている。
この構成により、上記磁気記録媒体では、低ノイズ化が可能となる。これに対し、第一磁性層以外の磁性層にCoCrZr系合金が用いられている場合には、ノイズが増加する。
また、上記磁気記録媒体は、磁性層間に反強磁性結合が形成されたAFC媒体であるので、熱的安定性を高めることができる。
図7は、上記磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置の例を示すものである。
ここに示す磁気記録再生装置は、上記構成の磁気記録媒体20と、磁気記録媒体20を回転駆動させる媒体駆動部21と、磁気記録媒体20に情報を記録再生する磁気ヘッド22と、この磁気ヘッド22を磁気記録媒体20に対して相対運動させるヘッド駆動部23と、記録再生信号処理系24とを備えている。
記録再生信号処理系24は、外部から入力されたデータを処理して記録信号を磁気ヘッド22に送ったり、磁気ヘッド22からの再生信号を処理してデータを外部に送ることができるようになっている。
磁気ヘッド22には、再生素子として異方性磁気抵抗効果(AMR)を利用したMR(magnetoresistance)素子だけでなく、巨大磁気抵抗効果(GMR)を利用したGMR素子などを有する、高記録密度に適したヘッドを用いることができる。GMR素子を用いることによって、高密度記録化が可能となる。
上記磁気記録再生装置によれば、第一磁性層にCoCrZr系合金を用いた磁気記録媒体20を備えているので、媒体ノイズを低減させることができる。
以下、具体例を示して本発明の作用効果を明確にする。
[実施例1]
Alからなる基体(外径95mm、内径25mm、厚さ1.270mm)の表面に、無電解メッキでNiP膜(厚さ12μm)を形成し、その表面にテクスチャー加工を施して表面平均粗さRaを0.5nmにした非磁性基板を用いた。
非磁性基板をDCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製C3010)のチャンバに収容し、チャンバを真空到達度が2×10―7Torr(2.7×10―5Pa)まで排気した後、非磁性基板を250℃に加熱した。
この基板上に、非磁性下地層を設けた。非磁性下地層は、Crからなる第1構成層(厚さ5nm)上に、CrMo合金(Cr:80at%、Mo:20at%)からなる第2構成層(厚さ3nm)を有する多層構造とした。
次いで、CoCrZr合金(Co:75at%、Cr:20at%、Zr:5at%)からなる第一磁性層(厚さ2nm)を形成した。
次いで、Ruからなる非磁性結合層(厚さ0.8nm)を形成した。
次いで、CoCrPtB合金(Co:60at%、Cr:22at%、Pt:12at%、B:6at%)からなる第二磁性層(厚さ20nm)を形成した。
次いで、カーボンからなる保護層(厚さ5nm)を形成した。
上記各層を形成する際には、スパッタガスとしてArを用い、その圧力は3mTorrとした。
次いで、保護層表面に、パーフルオロポリエーテルからなる潤滑剤を塗布して潤滑層(厚さ2nm)を形成し、磁気記録媒体を得た。
[実施例2]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:81at%、Cr:14at%、Zr:5at%)を用いた他は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例3]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:79at%、Cr:16at%、Zr:5at%)を用いた他は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例4]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:77at%、Cr:18at%、Zr:5at%)を用いた他は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例5]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:73at%、Cr:22at%、Zr:5at%)を用いた他は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例6]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:71at%、Cr:24at%、Zr:5at%)を用いた他は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例7]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:79at%、Cr:20at%、Zr:1at%)を用いた他は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例8]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:77at%、Cr:20at%、Zr:3at%)を用いた他は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例9]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:73at%、Cr:20at%、Zr:7at%)を用いた他は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例10]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:71at%、Cr:20at%、Zr:9at%)を用いた他は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例11]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:69at%、Cr:20at%、Zr:11at%)を用いた他は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例12]
第一磁性層に、CoCrZrB合金(Co:73at%、Cr:20at%、Zr:5at%、B:2at%)を用いた他は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[比較例1]
第一磁性層に、CoCr合金(Co:80at%、Cr:20at%)を用いた他は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[比較例2]
第一磁性層に、CoCrTa合金(Co:75at%、Cr:20at%、Ta:5at%)を用いた他は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[比較例3]
第二磁性層に、CoCrZr合金(Co:75at%、Cr:20at%、Zr:5at%)を用いた他は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例13]
ガラス基板(外径65mm、内径20mm、厚さ0.635mm)にテクスチャー加工を施し、表面平均粗さRaを0.3nmにした非磁性基板を用いた。
非磁性基板をDCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製C3010)のチャンバに収容し、チャンバを真空到達度が2×10―7Torr(2.7×10―5Pa)となるまで排気した。
この基板上に、CoW合金(Co:50at%、W:50at%)からなる配向調整層(厚さ5nm)を形成した後、これを250℃に加熱した。
次いで、配向調整層の表面を酸素ガスにさらした。酸素ガスの圧力は0.05Paとし、処理時間は5秒間とした。
次いで、CrTiB合金(Cr:82at%、Ti:16at%、B:2at%)からなる非磁性下地層(厚さ8nm)を形成した。
次いで、CoCrZr合金(Co:81at%、Cr:14at%、Zr:5at%)からなる第一磁性層(厚さ2nm)を形成した。
次いで、Ruからなる非磁性結合層(厚さ0.8nm)を形成した。
次いで、CoCrPtB合金(Co:60at%、Cr:22at%、Pt:12at%、B:6at%)からなる第二磁性層(厚さ20nm)を形成した。
次いで、カーボンからなる保護層(厚さ5nm)を形成した。
上記各層を形成する際には、スパッタガスとしてArを用い、その圧力は3mTorrとした。
次いで、保護層表面に、パーフルオロポリエーテルからなる潤滑剤を塗布して潤滑層(厚さ2nm)を形成し、磁気記録媒体を得た。
[実施例14]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:87at%、Cr:8at%、Zr:5at%)を用いた他は実施例13と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例15]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:85at%、Cr:10at%、Zr:5at%)を用いた他は実施例13と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例16]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:83at%、Cr:12at%、Zr:5at%)を用いた他は実施例13と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例17]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:79at%、Cr:16at%、Zr:5at%)を用いた他は実施例13と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例18]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:77at%、Cr:18at%、Zr:5at%)を用いた他は実施例13と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例19]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:85at%、Cr:14at%、Zr:1at%)を用いた他は実施例13と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例20]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:83at%、Cr:14at%、Zr:3at%)を用いた他は実施例13と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例21]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:79at%、Cr:14at%、Zr:7at%)を用いた他は実施例13と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例22]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:77at%、Cr:14at%、Zr:9at%)を用いた他は実施例13と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例23]
第一磁性層に、CoCrZr合金(Co:75at%、Cr:14at%、Zr:11at%)を用いた他は実施例13と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[比較例4]
第一磁性層に、CoCr合金(Co:86at%、Cr:14at%)を用いた他は実施例13と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[比較例5]
第一磁性層に、CoCrTa合金(Co:81at%、Cr:14at%、Ta:5at%)を用いた他は実施例13と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[実施例24]
Alからなる基体(外径95mm、内径25mm、厚さ1.270mm)の表面に、無電解メッキでNiP膜(厚さ12μm)を形成し、その表面にテクスチャー加工を施し表面平均粗さRaを0.5nmにした非磁性基板を用いた。
非磁性基板をDCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製C3010)のチャンバに収容し、チャンバを真空到達度が2×10―7Torr(2.7×10―5Pa)となるまで排気した後、非磁性基板を250℃に加熱した。
この基板上に、非磁性下地層を設けた。非磁性下地層は、Crからなる第1構成層(厚さ5nm)上に、CrMo合金(Cr:80at%、Mo:20at%)からなる第2構成層(厚さ3nm)を有する多層構造とした。
次いで、CoCrZr合金(Co:75at%、Cr:20at%、Zr:5at%)からなる第一磁性層(厚さ2nm)を形成した。
次いで、Ruからなる第1非磁性結合層(厚さ0.8nm)を形成した。
次いで、CoCrPtB合金(Co:69at%、Cr:22at%、Pt:5at%、B:4at%)からなる第二磁性層(厚さ4nm)を形成した。
次いで、Ruからなる第2非磁性結合層(厚さ0.8nm)を形成した。
次いで、CoCrPtB合金(Co:60at%、Cr:22at%、Pt:12at%、B:6at%)からなる第三磁性層(厚さ15nm)を形成した。
次いで、カーボンからなる保護層(厚さ5nm)を形成した。
上記各層を形成する際には、スパッタガスとしてArを用い、その圧力は3mTorrとした。
次いで、保護層表面に、パーフルオロポリエーテルからなる潤滑剤を塗布して潤滑層(厚さ2nm)を形成し、磁気記録媒体を得た。
[比較例6]
第一磁性層に、CoCr合金(Co:80at%、Cr:20at%)を用いた他は実施例24と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[比較例7]
第一磁性層に、CoCrTa合金(Co:75at%、Cr:20at%、Ta:5at%)を用いた他は実施例24と同様にして磁気記録媒体を作製した。
上記各実施例および比較例について、グライドテスターを用い、グライド高さを0.3μinch(1inch≒25.4mm)として、グライドテストを行ない、このテストで問題が生じなかった磁気記録媒体について、リードライトアナライザーRWA1632(GUZIK社製)を用いて記録再生特性を調べた。
記録再生特性としては、電磁変換特性(再生信号出力(TAA)、孤立波再生出力の半値幅(PW50)、SNR、オーバライト(OW))を測定した。
記録再生特性の評価には、再生部に巨大磁気抵抗(GMR)素子を有する複合型薄膜磁気記録ヘッドを用いた。
ノイズの測定では、500kFCIのパターン信号を書き込んだ時の、1MHzから500kFCI相当周波数までの積分ノイズを測定した。再生出力は250kFCIとし、SNRは20×log(再生出力/1MHzから500kFCI相当周波数までの積分ノイズ)に基づいて算出した。
保磁力(Hc)および角型比(S*)およびHexの測定には、カー効果式磁気特性測定装置(RO1900、日立電子エンジニアリング社製)を用いた。
結果を表1に示す。なお、表1では、例えば、Co:75at%,Cr:20at%,Zr:5at%の組成からなる磁性層を、75Co20Cr5Zrと表記することとする。
Figure 0004034290
実施例1〜12、24、比較例1〜3、6では、非磁性基板としてAl基板を用いた。実施例13〜23、比較例4、5では、非磁性基板としてガラス基板を用いた。
実施例1〜6より、第一磁性層を構成するCoCrZr系合金のCr含有量が14〜22at%である場合には、良好なSNRを示したことがわかる。Cr含有量が24at%である場合には磁化が不充分となってしまうためにSNRが低下した。
実施例1、7〜11より、第一磁性層を構成するCoCrZr系合金のZr含有量が1〜9at%である場合には、良好なSNRを示したことがわかる。特に3〜7at%である場合に、SNRが極大となった。Zr含有量が11at%である場合には磁化が不充分となってしまうためにSNRが低下した。
実施例12より、第一磁性層を構成するCoCrZr系合金に、添加元素としてBを添加することによって、SNRの向上が見られたことがわかる。
比較例1、2より、第一磁性層にCoCr系合金、CoCrTa系合金を用いた場合には、CoCrZr系合金を用いた場合と比較してSNRが劣ることがわかる。
比較例3より、第二磁性層にCoCrZr系合金を用いた場合には、保磁力が大幅に低下しSNRも大幅に低下したことがわかる。
実施例13〜18より、第一磁性層を構成するCoCrZr系合金のCr含有量が8〜18at%である場合には、良好なSNRを示したことがわかる。
実施例19〜23より、第一磁性層を構成するCoCrZr系合金のZr含有量が1〜9at%である場合には、良好なSNRを示したことがわかる。特に3〜7at%である場合には、SNRが極大となった。Zr含有量が11at%である場合には、磁化は問題ないものの、角型比、SNRの低下が見られた。
比較例3、4より、第一磁性層にCoCr系合金、CoCrTa系合金を用いた場合には、CoCrZr系合金を用いた場合と比較してSNRが劣ることがわかる。
実施例24は、第一磁性層、第1非磁性結合層、第二磁性層、第2非磁性結合層、第三磁性層を設けた場合(すなわち3層の磁性層と2層の非磁性結合層とを設けた場合)の例である。この場合にも、第一磁性層にCoCrZr系合金を用いた場合には、第一磁性層にCoCr系合金やCoCrTa系合金を用いた比較例6、7と比較して優れたSNRを示したことがわかる。
本発明の磁気記録媒体の第1の実施形態を示す断面図である。 本発明の磁気記録媒体の第2の実施形態を示す断面図である。 本発明の磁気記録媒体の第3の実施形態を示す断面図である。 本発明の磁気記録媒体の第4の実施形態を示す断面図である。 本発明の磁気記録媒体の第5の実施形態を示す断面図である。 Hexの測定方法の一例を説明する説明図である。 本発明の磁気記録再生装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1・・・非磁性基板、2・・・非磁性下地層、3・・・第一磁性層、4,8・・・非磁性結合層、5・・・第二磁性層、6・・・保護層、9・・・第三磁性層、20…磁気記録媒体


Claims (13)

  1. 非磁性基板上に、少なくとも非磁性下地層、第一磁性層、非磁性結合層、第二磁性層および保護層がこの順番で積層され、第二磁性層が第一磁性層に反強磁性結合した磁気記録媒体において、第一磁性層がCoCrZr系合金で構成され、前記第一磁性層のCrの含有量が5〜22at%、Zrの含有量が1〜10at%であり、前記第二磁性層が、CoCrTa系合金、CoCrPtTa系合金、CoCrPtB系合金、CoCrPtBM系合金(M:Ta、Cuから選ばれる1種以上)から選ばれる1種以上からなることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 非磁性基板上に、少なくとも非磁性下地層、第一磁性層、非磁性結合層、第二磁性層、非磁性結合層、第三磁性層および保護層がこの順番で積層され、第三磁性層が第二磁性層に反強磁性結合し、かつ第二磁性層が第一磁性層に反強磁性結合した磁気記録媒体において、第一磁性層がCoCrZr系合金で構成され、前記第一磁性層のCrの含有量が5〜22at%、Zrの含有量が1〜10at%であり、前記第二磁性層および第三磁性層が、CoCrTa系合金、CoCrPtTa系合金、CoCrPtB系合金、CoCrPtBM系合金(M:Ta、Cuから選ばれる1種以上)から選ばれる1種以上からなることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 第一磁性層の厚さは、0.5〜10nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 非磁性結合層は、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Ru系合金、Rh系合金、Ir系合金、Cr系合金、Re系合金から選ばれるいずれか1種からなり、かつ厚さが0.5〜1.5nmであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  5. 非磁性下地層は、Ti、Mo、Al、Ta、W、Ni、B、Si、およびVから選ばれる1種または2種以上とCrとからなるCr合金、またはCrからなる層を含む多層構造であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  6. 非磁性下地層は、NiAl系合金、RuAl系合金、またはCr合金からなる層を含む多層構造であり、このCr合金が、Ti、Mo、Al、Ta、W、Ni、B、Si、およびVから選ばれる1種または2種以上とCrとからなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  7. 非磁性基板は、ガラス基板、シリコン基板から選ばれるいずれか1種であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  8. 非磁性基板は、Al、Al合金、ガラス、シリコンから選ばれるいずれか1種からなる基体の表面に、NiPまたはNiP合金からなる膜を形成したものであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  9. 非磁性基板上に、少なくとも非磁性下地層、第一磁性層、非磁性結合層、第二磁性層および保護層がこの順番で積層され、第二磁性層が第一磁性層に反強磁性結合した磁気記録媒体を製造する方法であって、第一磁性層をCoCrZr系合金で構成し、前記第一磁性層のCrの含有量を5〜22at%、Zrの含有量を1〜10at%とし、前記第二磁性層を、CoCrTa系合金、CoCrPtTa系合金、CoCrPtB系合金、CoCrPtBM系合金(M:Ta、Cuから選ばれる1種以上)から選ばれる1種以上から形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  10. 非磁性基板上に、少なくとも非磁性下地層、第一磁性層、非磁性結合層、第二磁性層、非磁性結合層、第三磁性層および保護層がこの順番で積層され、第三磁性層が第二磁性層に反強磁性結合し、かつ第二磁性層が第一磁性層に反強磁性結合した磁気記録媒体を製造する方法において、第一磁性層をCoCrZr系合金で構成し、前記第一磁性層のCrの含有量を5〜22at%、Zrの含有量を1〜10at%とし、前記第二磁性層および第三磁性層を、CoCrTa系合金、CoCrPtTa系合金、CoCrPtB系合金、CoCrPtBM系合金(M:Ta、Cuから選ばれる1種以上)から選ばれる1種以上から形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  11. 前記第一磁性層の厚さを0.5〜10nmとすることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  12. 前記非磁性結合層を、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Ru系合金、Rh系合金、Ir系合金、Cr系合金、Re系合金から選ばれるいずれか1種から形成し、かつ厚さを0.5〜1.5nmとすることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
  13. 請求項1〜のいずれか1項に記載の磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えたことを特徴とする磁気記録再生装置。
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