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JP4104393B2 - 生体試料中の特定成分の定量方法及び定量用試薬 - Google Patents

生体試料中の特定成分の定量方法及び定量用試薬 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子受容体の存在下で、特定成分又は該特定成分より派生した物質に対して脱水素による酸化能を有する酵素を生体試料に作用させ、生成された電子受容体の還元体を測定することにより、生体試料中の特定成分を定量する際に、ヘモグロビンによる影響を回避し、正確に定量することができるようにした生体試料中の特定成分の定量方法及び定量用試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体試料中の特定成分を定量する方法の一つとして、電子受容体の存在下で、該特定成分又は該特定成分より派生した物質に対して脱水素による酸化能を有する酵素を生体試料に作用させ、生成された電子受容体の還元体を測定することにより、試料中の特定成分を間接的に定量する方法が知られている。特に、定量しようとする特定成分が微量成分であるような場合は、より高感度に測定するために、上記生成された電子受容体の還元体を、より発色感度の高い発色剤を用いて検出、定量することも行なわれている。例えば、電子受容体としてNAD又はNADPを用いた場合、その還元体であるNADH又はNADPHに、ジアホラーゼ等の電子キャリアーとテトラゾリウム塩を作用させてホルマザンを形成させることにより検出、定量することが行なわれている。
【0003】
しかしながら、上記のような定量方法は、生体試料中の夾雑物、例えば金属(イオン)や金属蛋白の影響を受けやすく、特に、分子内に鉄を含有しているヘモグロビンが混在する生体試料を用いた場合、正確に定量できないという問題があった。ヘモグロビンの影響としては、例えば、ヘモグロビンが酸化等の影響を受けることによる吸収波長の変化が挙げられる。この反応が測定中に起こった場合、測定する波長によっては、非特異反応として測定値に誤差を与える場合がある。また、ヘモグロビン蛋白は分子内に鉄を有していることから、電子伝達系を阻害する可能性も考えられる。
【0004】
そのため、従来より、試料中に含まれる成分を分析又は定量する際に、ヘモグロビンの影響を回避する方法として様々な方法が提案されている。例えば、特開昭60-168050号公報には、試液中に、特定の界面活性剤を添加する臨床化学分析方法が開示されている。また、特開昭62-248500号公報には、チオ尿素を含有させた血清中の酵素活性測定用試薬が開示されている。また、特開平9-84598号公報には、検体中の特定の酵素の活性を測定する際に、スルホキシ無機塩系還元剤を含む酵素活性測定用試薬を用いる方法が開示されている。また、特開2001-292795号公報には、ヘモグロビンを含有する生物学的液体に含まれる分析物の濃度を測定するための試薬に、ヘモグロビンとテトラゾリウム化合物との不要な反応を抑えるために、亜硝酸塩を添加することが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電子受容体の存在下で、特定成分又は該特定成分より派生した物質に対して脱水素による酸化能を有する酵素を生体試料に作用させ、生成された電子受容体の還元体を測定することにより、生体試料中の特定成分を定量する方法においては、ヘモグロビンの吸収波長の変化や還元性による影響だけではなく、電子伝達系への妨害を受けることを考慮する必要があり、上記のような方法であっても、ヘモグロビンの影響を充分に回避できるものではなかった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、電子受容体の存在下で、特定成分又は該特定成分より派生した物質に対して脱水素による酸化能を有する酵素を、ヘモグロビンを含む生体試料に作用させ、生成された電子受容体の還元体を測定することにより、生体試料中の特定成分を定量する際に、効果的にヘモグロビンの影響を回避し、目的とする特定成分を正確に定量することができる定量方法及び定量用試薬を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、アルブミンを含有する測定試薬を用いることによって、ヘモグロビンを含む生体試料中の特定成分を、ヘモグロビンの影響を受けることなく正確に定量することができ、更には、生成された電子受容体の還元体を、発色剤を用いて検出して定量する際にも有効であることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明の生体試料中の特定成分の定量方法は、ヘモグロビンを含有する生体試料にアルブミンを作用させ、ついで、電子受容体の存在下で、特定成分又は該特定成分より派生した物質に対して脱水素による酸化能を有する酵素を作用させ、生成された電子受容体の還元体を測定することを特徴とする。
【0009】
本発明の定量方法によれば、アルブミンを含有する測定試薬を用いることにより、試料中に含まれるヘモグロビンの影響を回避することができ、正確に目的成分を定量することができる。
【0010】
本発明の定量方法におけるアルブミンの作用機序は明確ではないが、ヘモグロビンの吸収波長の変化に関係するものではないことを確認しており、電子伝達系において、電子がヘモグロビンに捕捉されるのをブロックしているものと考えられる。
【0011】
本発明の定量方法においては、前記生体試料が、血液、血漿、血清、又は尿であることが好ましい。また、前記特定成分が、グルコース、コレステロール、HDL−C、LDL−C、尿素窒素、尿酸、中性脂肪、マンノース、1,5−アンヒドログルシトール、アラビニトール、イノシトール、ソルビトール、フルクトース、ガラクトース、胆汁酸、3−デオキシグルコソン、及びアルコールからなる群から選ばれた1種であることが好ましい。更に、前記アルブミンは、ヒト又はウシ由来のものであることが好ましい。この態様によれば、効率よくヘモグロビンの影響を回避することができる。また、この場合、前記アルブミンとして、ヒト由来アルブミンを用いる場合は、測定試薬中に0.4〜5%含むものであることが好ましく、前記アルブミンとして、ウシ由来アルブミンを用いる場合は、測定試薬中に1〜10%含むものであることが好ましい。
【0012】
また、前記生成された電子受容体の還元体を測定する際に、発色剤を用いることが好ましく、前記発色剤は、テトラゾリウム塩であることが好ましい。これらの態様によれば、微量成分を高感度に定量することができる。
【0013】
また、前記電子受容体の還元体は、NADH又はNADPHであることが好ましい。この態様によれば、ヘモグロビンの吸収波長の変化の影響を回避することができる。また、その場合、電子受容体として NAD 又は NADP を用い、その還元体である NADH 又は NADPH に、テトラゾリウム塩、及びジアホラーゼやフェナジンメトサルフェート類等の電子キャリアーを作用させて生じるホルマザンを比色定量することが好ましい。
【0014】
また、本発明の生体試料中の特定成分の定量用試薬は、アルブミンと、電子受容体と、生体試料中の特定成分又は該特定成分より派生した物質に対して脱水素による酸化能を有する酵素とを含む生体試料中の特定成分の定量用試薬であって、(1)アルブミンを含有し前記酵素を含まない第一の測定試薬であって、前記アルブミンが、ヒト由来のものであり、且つ、測定試薬中に0.4〜5%含む第一の測定試薬、又は、前記アルブミンが、ウシ由来のものであり、且つ、測定試薬中に1〜10%含む第一の測定試薬と、(2)前記酵素を含む第二の測定試薬とを含むことを特徴とする
【0015】
本発明の定量用試薬によれば、試薬中にアルブミンを含有させることにより、試料中のヘモグロビンの影響を回避して、目的成分を正確に定量することができる。また、前記アルブミンは、ヒト又はウシ由来のものであるので、効率よくヘモグロビンの影響を回避することができる。
【0016】
本発明の定量用試薬においては、前記酵素が、グルコース、コレステロール、HDL−C、LDL−C、尿素窒素、尿酸、中性脂肪、マンノース、1,5−アンヒドログルシトール、アラビニトール、イノシトール、ソルビトール、フルクトース、ガラクトース、胆汁酸、3−デオキシグルコソン、アルコール、及びそれらより派生した物質からなる群から選ばれた1種に対して脱水素による酸化能を有する酵素であることが好ましい
【0017】
また、更に、発色剤を含むことが好ましく、前記発色剤は、テトラゾリウム塩であることが好ましい。これらの態様によれば、微量成分を高感度に定量することができる。
【0018】
また、前記電子受容体は、NAD又はNADPであることが好ましい。この態様によれば、ヘモグロビンの吸収波長の変化の影響を回避することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の定量方法が適用される生体試料としては、ヘモグロビンが共存する可能性の高い各種体液等が挙げられ、特に血液、血漿、血清又は尿等が好適に挙げられる。
【0020】
また、生体試料中に含まれる測定対象となる特定成分としては、電子受容体の存在下で、該特定成分に対して脱水素による酸化能を有する酵素が使用できるもの、あるいは該特定成分より派生した物質に対して、電子受容体の存在下で、脱水素による酸化能を有する酵素が使用できるものであれば特に制限はなく、例えば、グルコース、コレステロール、HDL−C、LDL−C、尿素窒素、尿酸、中性脂肪等が挙げられる。特に、マンノース、1,5−アンヒドログルシトール、アラビニトール、イノシトール、ソルビトール、フルクトース、ガラクトース、胆汁酸、3−デオキシグルコソン、アルコール等の高感度な検出が要求される微量成分を定量する際に好適に適用される。
【0021】
本発明で用いられる酵素は、測定対象となる特定成分又は該特定成分より派生した物質に対して、電子受容体の存在下で、脱水素による酸化能を有する酵素(以下、脱水素酵素という。)であればよい。すなわち、特定成分に直接作用する酵素に限定されず、酵素共役系等により特定成分から定量的に派生した物質に対する脱水素酵素も用いることができる。例えば、特定成分がグルコースの場合、好ましくはグルコースに直接作用するグルコース脱水素酵素が用いられるが、グルコースに対してリン酸化作用を示すヘキソキナーゼを作用させることにより生成したグルコース−6−リン酸に対する脱水素酵素(グルコース−6−リン酸脱水素酵素)等を用いることもできる。なお、上記に例示した他の特定成分についても、該特定成分に直接作用する酵素だけでなく、酵素共役系等により該特定成分から定量的に派生した物質に対する脱水素酵素も用いることができるが、これらの酵素についても公知の酵素を用いることができる。
【0022】
また、電子受容体としては、生成された電子受容体の還元体を直接定量できるもの、あるいは該還元体を、発色剤を用いて比色定量できるものであれば、特に制限なく用いることができる。具体的には、NAD、NADP等の補酵素、フェナジンメトサルフェート類、ジクロロフェノールインドフェノール、フェリシアン化合物等が好ましく例示でき、中でもNAD又はNADPが特に好ましく用いられる。
【0023】
また、発色剤としては、テトラゾリウム又はその塩が好ましく挙げられる。具体的には、ニトロテトラゾリウムブルー、2-(4-ヨードフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-フェニル-2Hテトラゾリウムクロライド、3-(4,5-ジメチル-2-チアゾリル)-2,5-ジフェニル-2Hテトラゾリウムブロマイド、2-(4-ヨードフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルフォフェニル)-2Hテトラゾリウム塩(以下、WST-1と略す。)等が利用できる。
【0024】
以下、本発明の定量方法について、好ましい態様を挙げて説明する。なお、「%」は特に断りのない限り「質量%」を意味する。
【0025】
本発明の定量方法は、ヘモグロビンを含有する生体試料にアルブミンを作用させ、ついで、電子受容体の存在下で、特定成分又は該特定成分より派生した物質に対して脱水素による酸化能を有する酵素を作用させ、生成された電子受容体の還元体を測定することを特徴とするものである。
【0026】
したがって、基本的な定量方法については、公知の方法に準じて行なうことができる。
【0027】
本発明において、測定試薬中のアルブミンの濃度は、使用するアルブミンの由来、試料中のヘモグロビン含量、試料中に元々含まれているアルブミン含量等によって異なり、一概に決定することができないため、各試料に応じて適宜至適濃度を決定すればよい。例えば、ヒト由来アルブミンを用いる場合は、通常、測定試薬中に0.4〜5%含むことが好ましく、0.6〜2%含むことがより好ましい。また、ウシ由来アルブミンを用いる場合は、測定試薬中に1〜10%含むことが好ましく、2.5〜10%含むことがより好ましい。
【0028】
そして、試薬としてアルブミンと、電子受容体と、測定しようとする特定成分又は該特定成分より派生した物質に作用する脱水素酵素とを添加して、適当な緩衝液(例えば、リン酸緩衝液、グリシン緩衝液、トリス塩酸緩衝液、グッド緩衝液、ホウ酸緩衝液等)中で酵素反応を行ない、生成された電子受容体の還元体を定量すればよい。
【0029】
電子受容体の添加濃度は、その種類により適宜設定すればよい。また、脱水素酵素の添加濃度は、試料中の特定成分に対して十分に作用できる量を添加すればよく、使用する酵素の種類等によって適宜設定すればよい。
【0030】
本発明において、電子受容体の還元体を定量する方法としては、電子受容体の還元体を直接定量してもよいが、感度等の点から該還元体を、発色剤を用いて比色定量することが好ましい。具体的には、電子受容体としてNAD又はNADPを用い、その還元体であるNADH又はNADPHに、テトラゾリウム塩及びジアホラーゼやフェナジンメトサルフェート類等の電子キャリアーを作用させて生じるホルマザンを比色定量することが好ましい。
【0031】
本発明の定量用試薬は、上記の生体試料中の特定成分の定量方法を簡便に実施できるように構成されたものであり、アルブミンと、電子受容体と、生体試料中の特定成分又は該特定成分より派生した物質に対して脱水素による酸化能を有する酵素とを含む生体試料中の特定成分の定量用試薬であって、(1)アルブミンを含有し前記酵素を含まない第一の測定試薬であって、前記アルブミンが、ヒト由来のものであり、且つ、測定試薬中に0.4〜5%含む第一の測定試薬、又は、前記アルブミンが、ウシ由来のものであり、且つ、測定試薬中に1〜10%含む第一の測定試薬と、(2)前記酵素を含む第二の測定試薬とを含むものであり、更に、発色剤を含むことが好ましく、必要に応じて、ジアホラーゼやフェナジンメトサルフェート類等の電子キャリアーを含むことができる。
また、前記酵素として、グルコース、コレステロール、HDL−C、LDL−C、尿素窒素、尿酸、中性脂肪、マンノース、1,5−アンヒドログルシトール、アラビニトール、イノシトール、ソルビトール、フルクトース、ガラクトース、胆汁酸、3−デオキシグルコソン、アルコール、及びそれらより派生した物質からなる群から選ばれた1種に対して脱水素による酸化能を有する酵素を用いることができる。
【0033】
【実施例】
以下、生体試料中の特定成分がマンノースの場合の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例において使用したアルブミンは、ヒト由来アルブミン(品番「A-1653」、シグマ社製)及びウシ由来アルブミン(熱処理、インタージェン社製)である。また、電子受容体の存在下で、マンノースに対して脱水素による酸化能を有する酵素として、グルコノバクター属に属する微生物由来から精製したアルドヘキソースデヒドロゲナーゼを用い、必要に応じてグルコース消去系を組み合わせた(特開2001-197900号公報参照)。
【0034】
実施例1
電子受容体として補酵素NADP、脱水素酵素としてアルドヘキソースデヒドロゲナーゼを用いて、下記に示す第1試薬及び第2試薬からなる定量用試薬を調製した。なお、第1試薬は、ヒト由来アルブミン(HSA)含量が0、0.5、0.75、1.0%となるように濃度を変化させたものをそれぞれ調製した。
【0035】
第1試薬:
ホウ酸緩衝液 25mM(pH8.0)
Tween20 1.3%
ヒト由来アルブミン(HSA) 0〜1%
第2試薬:
ホウ酸緩衝液 25mM(pH8.0)
NADP 4mM
アルドヘキソースデヒドロゲナーゼ 70u/mL
そして、マンノース水溶液(25μg/mL)にヘモグロビンを9:1で混合し、ヘモグロビン含量が0、125、250、500mg/dLとなるように各測定用試料を調製し、上記試薬を用いてマンノース濃度を測定した。検量線は0及び10μg/mLのマンノース溶液を用いた。
【0036】
具体的には、上記各測定用試料8μLに対し、上記第1試薬240μLを添加して37℃で5分間反応させ、次いで上記第2試薬60μLを添加して同じく37℃で5分間反応させた後、主波長340nm、副波長700nmの2波長とし、2ポイントアッセイにて吸光度を測定した。これらの操作は、日立7150形自動分析装置にて実施した。その結果を表1に示した。
【0037】
【表1】
Figure 0004104393
【0038】
表1より、HSAを添加することにより、ヘモグロビンの影響が回避され、マンノースを正確に定量できることが分かる。
【0039】
実施例2
実施例1の試薬1において、HSAの代わりにウシ由来アルブミン(BSA)を0、1.0、3.0、5.0%となるように濃度を変化させたものを用いた以外は、同様の試薬、測定用試料を用いてマンノースを定量した。その結果を表2に示した。
【0040】
【表2】
Figure 0004104393
【0041】
表2より、BSAを添加することにより、ヘモグロビンの影響が回避され、マンノースを正確に定量できるできることが分かる。なお、BSAと比べるとHSAの方がより低濃度でヘモグロビンの影響を回避できることが分かる。
【0042】
実施例3
電子受容体として補酵素NADP、還元性発色剤にWST-1、脱水素酵素としてアルドヘキソースデヒドロゲナーゼ、電子キャリアーとしてジアホラーゼを用いて、下記に示す第1試薬及び第2試薬からなる定量用試薬を調製した。なお、第1試薬は、ヒト由来アルブミン(HSA)を0、0.5、0.75、1.0%となるように濃度を変化させたものをそれぞれ調製した。
第1試薬:
ホウ酸緩衝液 25mM(pH8.0)
WST-1 0.78mM
ジアホラーゼ 6.4u/mL
Tween20 1.3%
グルコキナーゼ 4u/mL
ATP 13mM
酢酸マグネシウム 4mM
ヒト由来アルブミン(HSA) 0〜1%
第2試薬:
ホウ酸緩衝液 25mM(pH8.0)
NADP 4mM
アルドヘキソースデヒドロゲナーゼ 70u/mL
そして、血清にヘモグロビンを9:1で混合し、ヘモグロビン含量が0、125、250、500mg/dLとなるように各測定用試料を調製し、上記試薬を用いてマンノース濃度を測定した。検量線は、0及び10μg/mLのマンノース溶液を用いた。
【0043】
具体的には、上記各血清試料8μLに対し、上記第1試薬240μLを添加して37℃で5分間反応させ、次いで上記第2試薬60μLを添加して同じく37℃で5分間反応させた後、主波長450nm、副波長700nmの2波長とし、2ポイントアッセイにて吸光度を測定した。これらの操作は、日立7150形自動分析装置にて実施した。その結果を表3に示した。
【0044】
【表3】
Figure 0004104393
【0045】
表3より、HSAを添加することにより、ヘモグロビンの影響が回避され、マンノースを正確に定量できることが分かる。
実施例4
実施例3の試薬1において、HSAの代わりにウシ由来アルブミン(BSA)を0、1.0、3.0、5.0%となるように濃度を変化させたものを用いたもの以外は、同様の試薬、測定用試料を用いてマンノースを定量した。その結果を表4に示した。
【0046】
【表4】
Figure 0004104393
【0047】
表4より、BSAを添加することにより、ヘモグロビンの影響が回避され、マンノースを正確に定量できるできることが分かる。なお、BSAと比べるとHSAの方がより低濃度でヘモグロビンの影響を回避できることが分かる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、電子受容体の存在下で、特定成分又は該特定成分より派生した物質に対して脱水素による酸化能を有する酵素を、ヘモグロビンを含有する生体試料に作用させ、生成された電子受容体の還元体を測定して生体試料中の特定成分を定量する際に、アルブミンを含有する測定試薬を用いることにより、試料中に含まれるヘモグロビンの影響を回避することができ、目的とする特定成分を正確に定量することができる。

Claims (15)

  1. モグロビンを含有する生体試料にアルブミンを作用させ、ついで、電子受容体の存在下で、特定成分又は該特定成分より派生した物質に対して脱水素による酸化能を有する酵素を作用させ、生成された電子受容体の還元体を測定することを特徴とする生体試料中の特定成分の定量方法。
  2. 前記生体試料が、血液、血漿、血清、又は尿である請求項1に記載の生体試料中の特定成分の定量方法。
  3. 前記特定成分が、グルコース、コレステロール、HDL−C、LDL−C、尿素窒素、尿酸、中性脂肪、マンノース、1,5−アンヒドログルシトール、アラビニトール、イノシトール、ソルビトール、フルクトース、ガラクトース、胆汁酸、3−デオキシグルコソン、及びアルコールからなる群から選ばれた1種である請求項1又は2に記載の生体試料中の特定成分の定量方法。
  4. 前記アルブミンは、ヒト又はウシ由来のものである、請求項1〜3のいずれか一つに記載の生体試料中の特定成分の定量方法。
  5. 前記アルブミンが、ヒト由来のものであり、且つ、測定試薬中に0.4〜5%含むものである、請求項1〜3のいずれか一つに記載の生体試料中の特定成分の定量方法。
  6. 前記アルブミンが、ウシ由来のものであり、且つ、測定試薬中に1〜10%含むものである、請求項1〜3のいずれか一つに記載の生体試料中の特定成分の定量方法。
  7. 前記生成された電子受容体の還元体を測定する際に、発色剤を用いる、請求項1〜6のいずれか一つに記載の生体試料中の特定成分の定量方法。
  8. 前記発色剤は、テトラゾリウム塩である、請求項に記載の生体試料中の特定成分の定量方法。
  9. 前記電子受容体の還元体は、NADH又はNADPHである、請求項1〜のいずれか一つに記載の生体試料中の特定成分の定量方法。
  10. 電子受容体として NAD 又は NADP を用い、その還元体である NADH 又は NADPH に、テトラゾリウム塩及び電子キャリアーを作用させて生じるホルマザンを比色定量する請求項9に記載の生体試料中の特定成分の定量方法
  11. アルブミンと、電子受容体と、生体試料中の特定成分又は該特定成分より派生した物質に対して脱水素による酸化能を有する酵素とを含む生体試料中の特定成分の定量用試薬であって、(1)アルブミンを含有し前記酵素を含まない第一の測定試薬であって、前記アルブミンが、ヒト由来のものであり、且つ、測定試薬中に0.4〜5%含む第一の測定試薬、又は、前記アルブミンが、ウシ由来のものであり、且つ、測定試薬中に1〜10%含む第一の測定試薬と、(2)前記酵素を含む第二の測定試薬とを含むことを特徴とする、生体試料中の特定成分の定量用試薬。
  12. 前記酵素が、グルコース、コレステロール、HDL−C、LDL−C、尿素窒素、尿酸、中性脂肪、マンノース、1,5−アンヒドログルシトール、アラビニトール、イノシトール、ソルビトール、フルクトース、ガラクトース、胆汁酸、3−デオキシグルコソン、アルコール、及びそれらより派生した物質からなる群から選ばれた1種に対して脱水素による酸化能を有する酵素である請求項11に記載の生体試料中の特定成分の定量用試薬。
  13. 更に、発色剤を含む、請求項11又は12に記載の生体試料中の特定成分の定量用試薬。
  14. 前記発色剤は、テトラゾリウム塩である、請求項13に記載の生体試料中の特定成分の定量用試薬。
  15. 前記電子受容体は、NAD又はNADPである、請求項11〜14のいずれか一つに記載の生体試料中の特定成分の定量用試薬。
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