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JP4106920B2 - 情報再生装置 - Google Patents

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JP4106920B2
JP4106920B2 JP2002034158A JP2002034158A JP4106920B2 JP 4106920 B2 JP4106920 B2 JP 4106920B2 JP 2002034158 A JP2002034158 A JP 2002034158A JP 2002034158 A JP2002034158 A JP 2002034158A JP 4106920 B2 JP4106920 B2 JP 4106920B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報再生装置に関し、特に、ホログラムにより情報が記録された複数の平面型光導波路が積層されたホログラム記録媒体から所望の情報を再生する情報再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル・ヴァーサタイル・ディスク(DVD)等に代表される二次元光メモリは、大容量・高密度の記録媒体として使用されている。これら二次元光メモリの高密度化は、記録レーザ波長の短波長化と、ピックアップに使用する対物レンズの開口数(NA;Numerical Aperture)の増大とにより、データの記録・再生に用いるレーザスポットを小さくすることによって実現されてきた。そして、現在、青紫色レーザを光源とした二次元光メモリの研究開発が盛んに行われている。
【0003】
しかしながら、紫外領域では適当な光学材料が存在せず、記録メディア、レンズなどに使用する適当な光学材料が存在しなくなる等の理由から、記録レーザ波長の短波長化は、青紫色レーザの使用までが限界であり、これ以上短波長化することは困難であると考えられている。また、NAを大きくする方法としては、屈折率の高い円形プリズムを用いて集光スポットを小さくする固体浸漬レンズ(SIL:Solid Immersion Lens)を用いて、プリズムの屈折率倍だけ開口数を高くする方法が提案されている。この方法では、プリズム底面に形成されるエバネッセント光を利用して微小な集光スポットを形成する。エバネッセント光はプリズム底面(出射端)近傍に局在する非伝搬光であり、SILの出射端から光の波長以下の領域内にしか存在しないため、記録媒体をプリズム底面の極近傍に配置して記録及び再生を行わなければならない。このため、記録媒体とプリズムとの距離制御、記録媒体の可搬性の確立など解決すべき課題が多い。また、プリズム材料の屈折率は高々2程度であり、記録密度も4倍程度までしか向上しない。
【0004】
以上の理由から、現行の二次元光メモリでは、記録密度の向上に限界がある。従って、光ディスク1枚当り50GB以上の高密度の記録を行うためには、情報を記録媒体の奥行き方向を含めた三次元で記録(体積記録)する必要がある。このような体積型記録の1つにホログラフィックメモリがある。ホログラフィックメモリは、三次元光メモリであり大容量での記録が可能であると共に、2次元データのページ単位での一括記録・再生による高速性を備えている。即ち、同一体積内に多重させて複数のデータページが記録でき、且つ各ページ毎にデータを一括して読み出せる。このため、ホログラフィックメモリは、次世代の記録媒体として注目されている。
【0005】
また、ホログラフィックメモリでは、デジタルデータ(0または1の2値データ)を空間光変調器を用いてオン/オフ(明/暗)・パターンに変換し、物体光として記録媒体に入射させることにより、デジタルデータのホログラム記録も可能である。記録媒体に参照光を照射して物体光を再生し、再生した物体光をフォトディテクタで受光して光電変換することで、得られた電気信号から元の2値データを再生することができる。最近では、このデジタルホログラフィックメモリの具体的な光学系や体積多重記録方式に基づくS/Nやビット誤り率評価あるいは二次元符号化の提案、光学系の収差の影響など、より工学的な観点からの研究が進展している。
【0006】
ホログラム記録材料としては、安価でディスク状に成形容易なポリマー材料が注目されている。ROM型の媒体用には、いわゆるフォトポリマーが盛んに研究されており、書き換え可能な媒体用には、アゾ基のような光異性化基を含む光感応性ポリマーが有望である。ホログラフィックメモリで大容量化を実現するためには、ホログラムを記録する記録層の厚みを増加すると共に、同一体積内に複数のホログラムを多重記録する必要がある。例えば1枚のディスクに100GB以上のデジタルデータを蓄積するためには、記録層の厚みが1mm以上必要である。しかしながら、記録層を光学品質を維持しつつ厚膜化することは、現状では非常に困難であり且つコストがかかる。
【0007】
この問題を回避しつつ大容量化を実現した例として、特開平9−101735号公報には、多層構成の光導波路型のホログラム記録媒体を用いた記録・再生方法が記載されている。この記録媒体は、基板上に光導波層及び記録層をクラッド層を介して複数積層したものであり、隣接するクラッド層に挟まれた光導波層が光導波路のコア部を構成している。
【0008】
この光記録媒体の光導波層の端面より参照光を入射させ、光導波層の界面より物体光(信号光)を入射させて、記録層へ浸み出したエバネッセント光と物体光とを干渉させてホログラムを記録する。この場合、ホログラムを1枚記録するのに要する記録層の厚みは数μmと薄くて良く、スピンコート法やキャスト法により光学品質を損なうことなく製膜することが可能である。このような薄膜の記録層を複数積層することで、多重ホログラム記録が可能となる。また、同様にして光導波層の端面より参照光(再生光)を入射させ、記録された情報をクロストーク無く再生することができる。参照光は、ガルバノミラーにより偏向され、導波路端面に集光されて、光導波層の端面より入射される。このときガルバノミラーの角度を調整することにより、参照光を入射させる光導波層を選択することができる。
【0009】
また、特開平11−345419号公報には、シングルモード平面型光導波路を多層に積層した再生専用の多重ホログラム情報記録媒体とその情報読み出し方法とが記載されている。この記録媒体の各導波路内のコア層及びクラッド層の少なくとも一方に導波モードの周期とほぼ等しい周期を有する周期的散乱要因(例えば、凹凸)によって情報が記録されており、導波路の導波光が周期的散乱要因により導波路外に回折されてホログラム像が形成される。また、記録媒体の端面を略45°にカットした反射面とすることで、導波面に対して垂直な方向から光を入射・導波させることを可能としている。この方法では、入射光の焦点が所望の導波路のコア層部分に結合するように高精度な微動機構(アクチュエータ等)により集光レンズの位置を調節して、情報を読み出す層を選択している。
【0010】
また、特開2000−123108号公報には、ホログラム素子を複数カード状に敷き詰めた構造の多重ホログラムカードに記録された情報を読み取る読取装置が記載されている。この読取装置では、再生光源からの光を分配して複数のホログラム素子に同時に入射させることにより、情報読み出し速度を向上させている。個々のホログラム素子は、特開平11−345419号公報記載の記録媒体と同様の多層構成を有しており、情報を読み出す層の選択は、ピエゾ素子等の移動手段により再生光源を移動させて入射光の焦点位置を調節することにより行なっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の情報再生方法では、所望の情報にアクセスするためにガルバノミラーやアクチュエータ等の機械的駆動手段を用いているため、連続的に異なる光導波層から情報を再生するには、高い位置決め精度を保ちながら集光スポットを移動させる必要があり、情報の読み出し速度の向上に限界がある、という問題があった。
【0012】
また、特開2000−123108号公報に記載された読取装置において、同一光源から分配された複数の入射光を媒体厚さ方向に重なる各導波層へ同時に結合させたとしても、同一光源からの光は互いに干渉するため、クロストークなく情報を再生するには、再生光を空間的に分離するか、シャッターなどの素子を用いて入射光を選択的に制御する必要が生じる。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、機械的駆動手段を用いずに、ホログラムにより情報が記録された複数の平面型光導波路が積層されたホログラム記録媒体から、各平面型光導波路に記録されている情報を選択的に再生することが可能な情報再生装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の情報再生装置は、ホログラムにより情報が記録された複数の平面型光導波路が積層されたホログラム記録媒体から、該平面型光導波路を導波する光により、該平面型光導波路に記録された情報を再生する情報再生装置であって、独立してオン・オフ制御可能で且つ前記平面型光導波路の各々に対応して配列された複数の光源を有し、前記ホログラム記録媒体を前記光源からの照明光により照明する照明手段と、前記複数の平面型光導波路に対応して配列された複数の光源に対応するように、ホログラム記録媒体の平面型光導波路の積層方向に曲率を有し且つ該積層方向と直交する方向に曲率を有していないレンズが前記積層方向に複数並べられ、前記光源からの照明光を前記積層方向に集光して対応する前記平面型光導波路に入射させる集光光学系と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の情報再生装置では、ホログラム記録媒体を光源からの照明光により照明する照明手段には、独立してオン・オフ制御可能な複数の光源が、前記平面型光導波路の各々に対応して配列されている。従って、照明手段に含まれる光源の各々をオン・オフ制御して、情報を再生する所定の平面型光導波路に対応する光源をオン状態とすることができる。集光光学系により光源からの照明光を集光して対応する平面型光導波路に入射させると、照明光はこの平面型光導波路を導波し、所定の平面型光導波路に記録された情報が再生される。
【0017】
これにより、機械的駆動手段を用いずに、ホログラムにより情報が記録された複数の平面型光導波路が積層されたホログラム記録媒体から、各平面型光導波路に記録されている情報を選択的に再生することができる。また、情報を再生する平面型光導波路の切り替えを機械的駆動手段を用いずに行なうことができるので、高速且つ高精度での情報の読み出しが可能になる。また、光源からのレーザ光は積層方向に集光されると共に面内方向には集光されずに平面型光導波路に入射するので、平面型光導波路内での光強度を均一にして、効率良く情報を読み出すことができる。更に、平面型光導波路の各々に対応して配列された光源より照明光を入射するので、平面型光導波路毎に位相が異なる照明光を入射させることができ、クロストーク無く情報を再生することができる。
【0018】
なお、上記の情報再生装置は、前記平面型光導波路に照明光を導波させて再生されるホログラム像を検出する検出手段を更に備えていてもよい。
【0019】
上記の情報再生装置の照明手段において、複数の光源は1次元状又は2次元状に配列されている。例えば、複数の光源が所定方向に沿って配列され且つ平面型光導波路の各々に対応して配列された光源列を複数列備えるように、複数の光源を2次元状に配列することができる。この場合、積層された平面型光導波路の数と同数以上の光源列を備えた構成とすることが好ましい。平面型光導波路の数と同数以上の光源列を備えることにより、ホログラム記録媒体の総ての平面型光導波路に記録されている情報を選択的に再生することができる。また、例えば、複数の光源を平面型光導波路の各々に対応させて所定方向に沿って1次元状に配列してもよい。
【0020】
照明手段は、例えば、複数のレーザ光源が同一基板上にモノリシックに形成されたレーザアレイで構成することができる。レーザ光源としては、基板面に略垂直な方向に発光光を取り出す面発光レーザが好適である。面発光レーザはレーザ共振器が基板面に対して略垂直に配置されるので、高い位置精度で2次元配列及び高集積化が可能である。
【0021】
上記の情報再生装置の集光光学系は、コリメータ機能を備える第1光学素子と集光機能を備える第2光学素子とを含んで構成することができる。これら第1光学素子及び第2光学素子の少なくとも一方を、複数の光源の各々に対応した複数のマイクロレンズを備えるマイクロレンズアレイで構成することができる。マイクロレンズアレイは複数の光源の各々の出射開口面上に形成することができる。このように、マイクロレンズアレイを照明手段と一体に構成することで、装置の小型化を図ることができる。また、集光機能を備える第2光学素子をマイクロレンズアレイで構成する場合には、照明光を平面型光導波路に入射させる位置に応じて各マイクロレンズの焦点距離を定めることができる。これにより、照明光を平面型光導波路に効率良く結合することができる。
【0023】
なお、ホログラムにより情報が記録可能な複数の平面型光導波路が積層されたホログラム記録媒体に、前記平面型光導波路の各々から再生されるホログラム像が同一位置で検出されるようにホログラムを記録することにより、上記本発明の情報再生装置又は情報再生方法を適用して情報を再生する場合に、各平面型光導波路から再生されるホログラム像を同一検出手段で検出することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。第1の実施の形態、第2の実施の形態、及び第5の実施の形態は参考例とし、第3の実施の形態及び第4の実施の形態を本発明の実施の形態とする。
【0025】
図2に、本発明の実施の形態に係るホログラム再生装置の概略構成を示す。この実施の形態では、クラッド層81及び82に挟まれた第1のコア層61、クラッド層82及び83に挟まれた第2のコア層62、クラッド層83及び84に挟まれた第3のコア層63、クラッド層84及び85に挟まれた第4のコア層64、及びクラッド層85及び86に挟まれた第5のコア層65の5つのコア層を備え、第1〜第5のコア層61〜65が下層側から順に積層されたホログラム記録媒体から情報を再生する場合について説明する。
【0026】
このホログラム再生装置は、ホログラム記録媒体10を照明する照明装置(光供給手段)12を備えている。ホログラム記録媒体10は図示しない保持部材により所定位置に水平に保持されており、照明装置12と媒体保持位置との間には、照明光を平行光化するコリメートレンズ14と平行光化された照明光を平面型光導波路の端面に集光させる集光レンズ16とで構成された集光光学系が配置されている。ホログラム記録媒体10による回折光出射側には、再生されたホログラム像を検出するCCDエリアセンサ等の光検出手段18、及びホログラムによる回折光を該光検出手段18の受光表面に結像させるレンズ等の結像光学系20が配置されている。
【0027】
照明装置12は、複数の光源(面発光レーザ)22(Vertical Cavity Surface Emitting Laser diode:VCSEL)が同一基板23上にn行m列のマトリックス状に配列された面発光レーザアレイで構成されている。面発光レーザは、レーザ共振器を基板面に対して垂直に配置することで、素子の2次元配列および高集積化が可能である。n行m列に配置された素子を面発光レーザ22nmで表すと、図2では20個の面発光レーザ2211〜2254が5行4列のマトリックス状に配列されている。
【0028】
各行の光源列は平面型光導波路の各々に対応している。この例では、第1行目の4つの面発光レーザ2211〜2214はホログラム記録媒体10の第1のコア層61に、第2行目の面発光レーザ2221〜2224は第2のコア層62に、第3行目の面発光レーザ2231〜2234は第3のコア層63に、第4行目の面発光レーザ2241〜2244は第4のコア層64に、第5行目の面発光レーザ2251〜2254は第5のコア層65に各々対応するように配置されている。
【0029】
面発光レーザ2211〜2254の各々は、図示しない配線を介して駆動制御手段24に接続されており、該駆動制御手段24によりそれぞれ独立にオン・オフ制御される。このような面発光レーザアレイとしては、例えば、富士ゼロックス社製のVCSELアレイを用いることができる。このVCSELアレイは、12×120の計1440素子をマトリックス駆動により、発光周期1.39μsecで独立に駆動することができる。
【0030】
次に、上記ホログラム再生装置の動作について説明する。図3(A)及び(B)は、上記再生装置の照明装置12からホログラム記録媒体10までの側面図である。図3(A)に示すように、例えば、駆動制御手段24により4列目の5つの面発光レーザ2214〜2254がオン状態にされると、各面発光レーザから出力されるレーザ光は、コリメートレンズ14によってコリメートされ、集光レンズ16によりホログラム記録媒体10の平面型光導波路の端面に集光される。
【0031】
この例では、5つの面発光レーザ2214〜2254の各々は、ホログラム記録媒体10の5つのコア層61〜65の各々に対応するように配置されており、面発光レーザ2214から出力されるレーザ光は第1のコア層61の端面に集光され、面発光レーザ2224から出力されるレーザ光は第2のコア層62の端面に集光され、面発光レーザ2234から出力されるレーザ光は第3のコア層63の端面に集光され、面発光レーザ2244から出力されるレーザ光は第4のコア層64の端面に集光され、面発光レーザ2254から出力されるレーザ光は第5のコア層65の端面に集光される。
【0032】
5つのコア層61〜65の各々の端面から入射されたレーザ光は、各コア層を含む平面型光導波路を導波して、各平面型光導波路に記録されたホログラムにより回折され、他のコア層及びクラッド層を透過して、結像光学系20により光検出手段18の受光表面に5つのホログラム像が結像される。再生されたホログラム像は、光検出手段18で各々検出される。即ち、5つのコア層61〜65が同時に選択され、各コア層を含む平面型光導波路にホログラムとして記録された情報が同時に再生される。
【0033】
上記では、4列目の5つの面発光レーザ2214〜2254をオン状態にして5つのコア層61〜65の各々の端面にレーザ光を入射する例について説明したが、駆動制御手段24により面発光レーザをオン・オフ制御してレーザ光を入射するコア層を切り替えることができる。例えば、図3(B)に示すように、駆動制御手段24により、4列目の面発光レーザの内、2つの面発光レーザ2214及び2234がオン状態にされ、3つの面発光レーザ2224、2244及び2254がオフ状態にされると、オン状態の面発光レーザ2214から出力されるレーザ光は第1のコア層61の端面に集光され、面発光レーザ2234から出力されるレーザ光は第3のコア層63の端面に集光される。即ち、2つのコア層61及び63が同時に選択され、結像光学系20により光検出手段18の受光表面に2つのホログラム像が結像される。
【0034】
また、1つの平面型光導波路に複数のホログラムが記録されている場合には、記録領域毎にレーザ光を入射させて個々のホログラムを再生することができる。図3(C)は上記再生装置を上方から見た平面図である。例えば、図3(C)に示すように、駆動制御手段24により1行目の4つの面発光レーザ2211〜2214がオン状態にされると、各面発光レーザから出力されるレーザ光は、コリメートレンズ14によってコリメートされ、集光レンズ16により第1のコア層61の端面の異なる位置に各々集光される。この例では、4つの面発光レーザ2211〜2214の各々は、ホログラム記録媒体10のコア層61内の4つの記録領域の各々に対応するように配置されており、コア層61の端面の異なる位置から入射されたレーザ光の各々は平面型光導波路を導波して、各記録領域に記録されたホログラムにより回折され、結像光学系20により光検出手段18の受光表面に4つのホログラム像が結像される。即ち、1つのコア層61の複数の記録領域が同時に選択され、該記録領域毎にホログラムとして記録された複数の情報が同時に再生される。
【0035】
以上説明した通り、本実施の形態に係るホログラム再生装置は、照明装置の光源の各々をオン・オフさせて、ホログラム記録媒体の複数積層された平面型光導波路から照明光を導波させる1又は2以上の平面型光導波路を選択することができ、各平面型光導波路に記録されている任意のホログラム(情報)を選択的に再生することができる。また、1つの平面型光導波路に複数のホログラムが記録されている場合には、記録領域毎にレーザ光を入射させて個々のホログラムを再生することができる。
【0036】
また、機械的駆動手段を用いずに、光源のオン・オフ制御により情報を読み出す平面型光導波路を切り替えることができ、高速且つ高精度での情報の読み出しが可能である。
【0037】
更に、照明光源の各行の光源列は平面型光導波路の各々に対応しているので、平面型光導波路毎に位相が異なる照明光を入射させることができ、複数の平面型光導波路に記録された情報を同時に再生してもクロストークを生じない。
【0038】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係るホログラム再生装置では、図4(A)に示すように、コリメートレンズを配置する代わりに、照明装置12の面発光レーザ2211〜2254各々の出射開口の上方にマイクロレンズ3011〜3054が直接形成されている。また、図4(B)に示すように、集光レンズを配置する代わりに、照明装置12の面発光レーザ2211〜2254各々に対応して5行4列のマトリックス状に配列されたマイクロレンズ2611〜2654を備えたマイクロレンズアレイ28が配置されている。
【0039】
また、照明装置12の第1行目の4つの面発光レーザ2211〜2214はホログラム記録媒体10の第5のコア層65に、第2行目の面発光レーザ2221〜2224は第4のコア層64に、第3行目の面発光レーザ2231〜2234は第3のコア層63に、第4行目の面発光レーザ2241〜2244は第2のコア層62に、第5行目の面発光レーザ2251〜2254は第1のコア層61に各々対応するように配置されている。
【0040】
その他の構成は第1の実施の形態に係るホログラム再生装置と同様の構成であるため、同一部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0041】
マイクロレンズの作製方法としては、例えば、Yuzo Ishii et al., Ink-Jet Fabrication of Polymer Microlens for Optical-I/O Chip Packaging, Jpn. J. Appl. Phys. Vol.39 (2000) pp. 1490-1493 に報告されているようなインクジェット方式を応用した方法が好適である。この作製方法は、紫外線硬化エポキシ樹脂をレンズ用材料とし、インクジェットプリンタを用いてレンズ形成箇所に該ポリマーを吐出、形成させる方法である。吐出されたポリマーは、表面張力によって半球面上に保持されるので、そこに紫外線を照射させて硬化させる。吐出量及び硬化前ポリマーの粘度を調整することによって、精度よくマイクロレンズを作製することができる。このとき、レンズを形成する基板表面をフッ素樹脂コートしておくことにより、基板材料による接触角の変化を排除することが可能である。このレンズ作製方法を用いることにより、上記のマイクロレンズアレイ及びマイクロレンズを備えた面発光レーザの各々を容易に作製することが可能である。
【0042】
次に、上記ホログラム再生装置の動作について説明する。図5は、上記再生装置の照明装置12からホログラム記録媒体10までの側面図である。図5に示すように、例えば、駆動制御手段24により4列目の5つの面発光レーザ2214〜2254がオン状態にされると、各面発光レーザから出力されるレーザ光は、各々の開口上方に形成されたマイクロレンズ3014〜3054によりコリメートされ、マイクロレンズアレイ28の対応するマイクロレンズ2614〜2654によりホログラム記録媒体10の平面型光導波路の端面に集光される。この例では、5つの面発光レーザ2214〜2254の各々は、ホログラム記録媒体10の5つのコア層61〜65の各々に対応するように配置されており、例えば、面発光レーザ2214から出力されるレーザ光はマイクロレンズ2614により第5のコア層65の端面に集光される。
【0043】
5つのコア層61〜65の各々の端面から入射されたレーザ光は、各コア層を含む平面型光導波路を導波して、各平面型光導波路に記録されたホログラムにより回折され、他のコア層及びクラッド層を透過して、結像光学系20により光検出手段18の受光表面に5つのホログラム像が結像される。再生されたホログラム像は、光検出手段18で各々検出される。即ち、5つのコア層61〜65が同時に選択され、各コア層を含む平面型光導波路にホログラムとして記録された情報が同時に再生される。
【0044】
なお、駆動制御手段24により面発光レーザをオン・オフ制御してレーザ光を入射するコア層を切り替えることができる点は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0045】
本実施の形態に係るホログラム再生装置では、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、照明装置の各面発光レーザの開口上方にマイクロレンズを直接形成することにより、結合光学系をコンパクト化することができる。
【0046】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る多重ホログラム再生装置では、図6に示すように、コリメートレンズを配置する代わりに、照明装置12の面発光レーザ2211〜2254各々の出射開口の上方にマイクロレンズ3011〜3054が直接形成されている。また、集光レンズを配置する代わりに、垂直方向に曲率を有し水平方向に長いシリンドリカルレンズ341〜345が照明装置12の面発光レーザアレイの各行に対応するように複数並べられたレンチキュラーレンズ32が配置されている。
【0047】
また、照明装置12の第1行目の4つの面発光レーザ2211〜2214はホログラム記録媒体10の第5のコア層65に、第2行目の面発光レーザ2221〜2224は第4のコア層64に、第3行目の面発光レーザ2231〜2234は第3のコア層63に、第4行目の面発光レーザ2241〜2244は第2のコア層62に、第5行目の面発光レーザ2251〜2254は第1のコア層61に各々対応するように配置されている。
【0048】
その他の構成は第1の実施の形態に係るホログラム再生装置と同様の構成であるため、同一部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0049】
次に、上記ホログラム再生装置の動作について説明する。図7は、上記再生装置の10までの側面図である。図7に示すように、例えば、駆動制御手段24により4列目の5つの面発光レーザ2214〜2254がオン状態にされると、各面発光レーザから出力されるレーザ光は、各々の開口上方に形成されたマイクロレンズ3014〜3054によりコリメートされ、レンチキュラーレンズ32の対応するシリンドリカルレンズ341〜345によりホログラム記録媒体10の平面型光導波路の端面に集光される。この例では、5つの面発光レーザ2214〜2254の各々は、ホログラム記録媒体10の5つのコア層61〜65の各々に対応するように配置されており、例えば、面発光レーザ2214から出力されるレーザ光はシリンドリカルレンズ341により第5のコア層65の端面に集光される。
【0050】
5つのコア層61〜65の各々の端面から入射されたレーザ光は、各コア層を含む平面型光導波路を導波して、各平面型光導波路に記録されたホログラムにより回折され、他のコア層及びクラッド層を透過して、結像光学系20により光検出手段18の受光表面に5つのホログラム像が結像される。再生されたホログラム像は、光検出手段18で各々検出される。即ち、5つのコア層61〜65が同時に選択され、各コア層を含む平面型光導波路にホログラムとして記録された情報が同時に再生される。
【0051】
なお、駆動制御手段24により面発光レーザをオン・オフ制御してレーザ光を入射するコア層を切り替えることができる点は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0052】
垂直方向に曲率を有し水平方向に長いシリンドリカルレンズは、上記した通り垂直方向にはレーザ光を集光するが、水平方向には曲率を有していないため、水平方向にはレーザ光を集光しない。図8は、上記再生装置を上方からみた平面図である。例えば、図8に示すように、駆動制御手段24により1行目の4つの面発光レーザ2211〜2214がオン状態にされると、各面発光レーザから出力されるレーザ光は、各々の開口上方に形成されたマイクロレンズ3011〜3014によりコリメートされて、水平方向には集光されずにシリンドリカルレンズ341を通過し、多重ホログラム記録媒体10に入射する。
【0053】
本実施の形態に係るホログラム再生装置では、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、照明装置の各面発光レーザの開口上方にマイクロレンズを直接形成することにより、結合光学系をコンパクト化することができる。また、光源からのレーザ光はレンチキュラーレンズに配列されたシリンドリカルレンズより垂直方向に集光されると共に水平方向には集光されずに平面型光導波路に入射するので、平面型光導波路内での光強度を均一にして、効率良く情報を読み出すことができる。
【0054】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係るホログラム再生装置では、図9に示すように、複数の面発光レーザ22が千鳥状に配列された面発光レーザアレイを照明装置12Aに用いている。千鳥状とは、n行m列のマトリックスにおいて隔行毎に列方向の位置をずらした配列形態である。光源を千鳥状に配列することにより、ホログラム記録媒体の厚さ方向に重なるホログラムの数を減らすことができ、回折光が受ける他のホログラムの影響を低減することが可能となる。なお、マトリックス状に配列された場合と同様に、n行m列に配置された素子を面発光レーザ22nmで表す。また、コリメートレンズを配置する代わりに、照明装置12Aの面発光レーザ2211〜2254各々の出射開口の上方にマイクロレンズ3011〜3054が直接形成されている。
【0055】
また、集光レンズを配置する代わりに、焦点距離の異なる1対のシリンドリカルレンズ36、38と、垂直方向に曲率を有し水平方向に長いシリンドリカルレンズ341〜345が照明装置12の面発光レーザアレイの各行に対応するように複数並べられたレンチキュラーレンズ32と、が配置されている。1対のシリンドリカルレンズ36、38の各々は、シリンドリカルレンズ341〜345と同様に垂直方向に曲率を有し水平方向に長く延びている。
【0056】
更に、照明装置12の第1行目の4つの面発光レーザ2211〜2214はホログラム記録媒体10の第1のコア層61に、第2行目の面発光レーザ2221〜2224は第2のコア層62に、第3行目の面発光レーザ2231〜2234は第3のコア層63に、第4行目の面発光レーザ2241〜2244は第4のコア層64に、第5行目の面発光レーザ2251〜2254は第5のコア層65に各々対応するように配置されている。
【0057】
その他の構成は第1の実施の形態に係るホログラム再生装置と同様の構成であるため、同一部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0058】
次に、上記ホログラム再生装置の動作について説明する。図10は、上記再生装置の10までの側面図である。図10に示すように、例えば、駆動制御手段24により4列目の5つの面発光レーザ2214〜2254がオン状態にされると、各面発光レーザから出力されるレーザ光は、各々の出射開口上方に形成されたマイクロレンズ3014〜3054によりコリメートされ、コリメートされたレーザ光は1対のシリンドリカルレンズ36、38により、垂直方向(光導波層の積層方向)のみが縮小されて、レンチキュラーレンズ32の対応するシリンドリカルレンズ341〜345によりホログラム記録媒体10の平面型光導波路の端面に集光される。この例では、5つの面発光レーザ2214〜2254の各々は、ホログラム記録媒体10の5つのコア層61〜65の各々に対応するように配置されており、例えば、面発光レーザ2214から出力されるレーザ光はシリンドリカルレンズ345により第1のコア層61の端面に集光される。
【0059】
5つのコア層61〜65の各々の端面から入射されたレーザ光は、各コア層を含む平面型光導波路を導波して、各平面型光導波路に記録されたホログラムにより回折され、他のコア層及びクラッド層を透過して、結像光学系20により光検出手段18の受光表面に5つのホログラム像が結像される。再生されたホログラム像は、光検出手段18で各々検出される。即ち、5つのコア層61〜65が同時に選択され、各コア層を含む平面型光導波路にホログラムとして記録された情報が同時に再生される。
【0060】
なお、駆動制御手段24により面発光レーザをオン・オフ制御してレーザ光を入射するコア層を切り替えることができる点は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0061】
垂直方向に曲率を有し水平方向に長いシリンドリカルレンズは、上記した通り垂直方向にはレーザ光を集光するが、水平方向には曲率を有していないため、水平方向にはレーザ光を集光しない。図11は上記再生装置を上方から見た平面図である。例えば、図11に示すように、駆動制御手段24により1行目の4つの面発光レーザ2211〜2214がオン状態にされると、各面発光レーザから出力されるレーザ光は、各々の出射開口上方に形成されたマイクロレンズ3011〜3014によりコリメートされて、水平方向には集光されずにシリンドリカルレンズ36、38、及びシリンドリカルレンズ341を通過し、ホログラム記録媒体10に入射する。
【0062】
本実施の形態に係るホログラム再生装置では、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、照明装置の各面発光レーザの開口上方にマイクロレンズを直接形成することにより、結合光学系をコンパクト化することができる。また、光源からのレーザ光はレンチキュラーレンズに配列されたシリンドリカルレンズより垂直方向に集光されると共に水平方向には集光されずに平面型光導波路に入射するので、平面型光導波路内での光強度を均一にして、効率良く情報を読み出すことができる。
【0063】
また、レーザ光は1対のシリンドリカルレンズにより、垂直方向(光導波層の積層方向)のみが縮小されるので、ホログラム記録媒体の平面型光導波路の端面での集光スポットの垂直方向の密度を上げることができ、ホログラム記録媒体を構成する各層の膜厚を薄くすることができる。なお、数十μm程度の素子間隔で面発光レーザアレイを作製することができるが、1対のシリンドリカルレンズによる縮小光学系は、さらに細かい層構造を有する媒体に光を集光する場合に有効である。
【0064】
(第5の実施の形態)
本発明の実施の形態に係るホログラム再生装置は、図12に示すように、コア層6とクラッド層8とを交互に積層して平面型光導波路を多層化すると共に、記録媒体の端面を略45°にカットした反射面としたホログラム記録媒体10Aから、各々の平面型光導波路にホログラムとして記録された情報を再生する情報再生装置に本発明を適用したものである。この媒体では、端面を略45°にカットした反射面とすることにより、導波面に対して垂直な方向から光を入射・導波させることが可能である。なお、ホログラム記録媒体10Aは、第1の実施の形態で使用された記録媒体と同様に、5つのコア層61〜65及び6つのクラッド層81〜86を備えている。
【0065】
このホログラム再生装置は、ホログラム記録媒体10を照明する照明装置12を備えている。ホログラム記録媒体10は図示しない保持部材により所定位置に水平に保持されており、照明装置12は、照明光がホログラム記録媒体10の略45°にカットされた端面で反射されて平面型光導波路を導波するように、ホログラム記録媒体10上方に配置されている。
【0066】
照明装置12は、複数の面発光レーザ22が同一基板23上にn行m列のマトリックス状に配列された面発光レーザアレイで構成されている。図12では20個の面発光レーザ2211〜2254が5行4列のマトリックス状に配列されている。
【0067】
各行の光源列は平面型光導波路の各々に対応している。この例では、第1行目の4つの面発光レーザ2211〜2214はホログラム記録媒体10の第5のコア層65に、第2行目の面発光レーザ2221〜2224は第4のコア層64に、第3行目の面発光レーザ2231〜2234は第3のコア層63に、第4行目の面発光レーザ2241〜2244は第2のコア層62に、第5行目の面発光レーザ2251〜2254は第1のコア層61に各々対応するように配置されている。
【0068】
面発光レーザ2211〜2254の各々は、図示しない配線を介して駆動制御手段24に接続されており、該駆動制御手段24によりそれぞれ独立にオン・オフ制御される。また、面発光レーザ2211〜2254各々の出射開口の上方には、マイクロレンズ3011〜3054が直接形成されている。
【0069】
また、照明装置12と媒体保持位置との間には、照明装置12の面発光レーザ2211〜2254各々に対応して5行4列のマトリックス状に配列されたマイクロレンズ2611〜2654を備えたマイクロレンズアレイ28が配置されている。マイクロレンズ2611〜2654の各々は、平行光化された照明光を平面型光導波路の端面に集光させる集光レンズとして機能する。マイクロレンズ2611〜2654の各々は、照明光の入射位置に応じて異なる焦点距離を有している。ホログラム記録媒体10による回折光出射側には、再生されたホログラム像を検出するCCDエリアセンサ等の光検出手段18、及びホログラムによる回折光を該光検出手段18の受光表面に結像させるレンズ等の結像光学系20が配置されている。
【0070】
次に、上記ホログラム再生装置の動作について説明する。図13は、上記再生装置の照明装置12からホログラム記録媒体10端面までの側面図である。図13に示すように、例えば、駆動制御手段24により4列目の5つの面発光レーザ2214〜2254がオン状態にされると、各面発光レーザから出力されるレーザ光は、各々の出射開口の上方に形成されたマイクロレンズ3014〜3054によりコリメートされ、マイクロレンズアレイ28の対応するマイクロレンズ2614〜2654によりホログラム記録媒体10の平面型光導波路の端面に集光される。この例では、5つの面発光レーザ2214〜2254の各々は、ホログラム記録媒体10の5つのコア層61〜65の各々に対応するように配置されており、例えば、面発光レーザ2214から出力されるレーザ光はマイクロレンズ2614により第5のコア層65の端面に集光される。
【0071】
5つのコア層61〜65の各々の端面で反射されたレーザ光は、各コア層を含む平面型光導波路を導波して、各平面型光導波路に記録されたホログラムにより回折され、結像光学系20により光検出手段18の受光表面に5つのホログラム像が結像される。再生されたホログラム像は、光検出手段18で各々検出される。即ち、5つのコア層61〜65が同時に選択され、各コア層を含む平面型光導波路にホログラムとして記録された情報が同時に再生される。
【0072】
なお、駆動制御手段24により面発光レーザをオン・オフ制御してレーザ光を入射するコア層を切り替えることができる点は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0073】
以上説明した通り、本実施の形態に係るホログラム再生装置は、照明装置の光源の各々をオン・オフさせて、ホログラム記録媒体の複数積層された平面型光導波路から照明光を導波させる1又は2以上の平面型光導波路を選択し、各平面型光導波路に記録されている任意のホログラム(情報)を選択的に再生することができる。また、1つの平面型光導波路に複数のホログラムが記録されている場合には、記録領域毎にレーザ光を入射させて個々のホログラムを再生することができる。
【0074】
また、機械的駆動手段を用いずに、光源のオン・オフ制御により情報を読み出す平面型光導波路を切り替えることができ、高速且つ高精度での情報の読み出しが可能である。
【0075】
また、照明光源の各行の光源列は平面型光導波路の各々に対応しているので、平面型光導波路毎に位相が異なる照明光を入射させることができ、複数の平面型光導波路に記録された情報を同時に再生してもクロストークを生じない。
【0076】
また、照明装置の各面発光レーザの開口上方にマイクロレンズを直接形成することにより、結合光学系をコンパクト化することができる。
【0077】
更に、垂直方向から光を導入する構成としたので、上記媒体を光導波層方向に複数枚接着した媒体構成が可能となり、平面方向の記録量を増大させることができる。
【0078】
なお、上記の第1〜第5の実施の形態に係るホログラム再生装置は、積層された平面型光導波路に光を導波させることによって記録された情報を再生するホログラム記録媒体であれば、どのような記録媒体からでも情報を再生することができる。
【0079】
例えば、光誘起複屈折を示し、これが常温で保持される材料を光導波層に用いたホログラム記録媒体を用いることができる。このような材料としては、側鎖に光異性化する基を有する高分子を用いることができる。また、その光異性化する基は、例えば、アゾベンゼン骨格を含むものが好適である。
【0080】
アゾベンゼンを例に光誘起複屈折の原理について説明する。アゾベンゼンは、下記に示すように、光の照射によってトランス−シス−トランスの異性化サイクルを繰り返す。
【0081】
【化1】
Figure 0004106920
【0082】
光照射前は、光導波層(光記録層)にはトランス体のアゾベンゼンが多く存在する。これらの分子はランダムに配向しており、マクロに見て等方的である。ある直線偏光を照射すると、それと同じ方位に吸収軸を持つアゾ分子は選択的にトランス体からシス体へ異性化される。シス体は、熱的に不安定なため再びトランス体へ異性化するが、偏光方位と直交した吸収軸を持つトランス体に緩和した分子は、もはや光を吸収せずその状態に固定される。このトランス−シス−トランス異性化サイクルの結果として、マクロに見て吸収係数及び屈折率の異方性、つまり二色性と複屈折が誘起される。このような光異性化基を含む高分子は、光異性化により高分子自身の配向も変化し大きな複屈折を誘起することができる。このように誘起された複屈折は高分子のガラス転移温度以下で安定であり、ホログラムの記録に好適である。
【0083】
特開平10−340479号公報に記載された下記一般式で表す側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルは、上述した機構によってホログラム記録可能である。
【0084】
【化2】
Figure 0004106920
【0085】
このポリエステルは室温でホログラム記録可能であり、記録されたホログラムは半永久的に保持される。更にこのポリエステルは強度変調ホログラムと偏光変調ホログラムが同時に記録可能で、かつ、それらの回折効率が等しいことから、偏光状態のホログラム記録も可能である。従って、上記一般式で表されるポリエステルは光導波層に好適である。
【0086】
また、上記のホログラム再生装置は、特開平9−101735号公報や特開平11−345419号公報に記載されたホログラム記録媒体の再生にも使用することができる。特開平9−101735号公報記載の記録媒体は、基板及び導波層を有する光導波路が多重に積層され、光導波路の一部または全部が光学記録材料(具体的にはバクテリオロドプシンなどのフォトクロミック材料)から構成されている。光学記録材料により記録された情報は、光導波路を導波する光のエバネッセント光を用いて読み出すことができる。また、特開平11−345419号公報記載の記録媒体には、各導波路内のコア層及びクラッド層の少なくとも一方に導波モードの周期と略等しい周期を有する周期的散乱要因によって情報が記録されている。
【0087】
上記の第1〜第5の実施の形態では、すべてのホログラムからの再生光を同一の光検出手段により検出する構成としたが、複数のブロックに分割して、各ブロックに対応する複数の光検出手段により、複数のホログラムからの再生光を検出する構成としてもよい。
【0088】
上記の第1〜第5の実施の形態では、面発光レーザが5行4列のマトリックス状に配列された面発光レーザアレイを照明装置に用いる例について説明したが、例えば5行1列のように、面発光レーザ(光源)が積層方向に1次元状に配列された面発光レーザアレイを照明装置として用いてもよい。この場合も、各面発光レーザのオン・オフ制御により、機械的駆動手段を用いずに、ホログラム記録媒体の積層された複数の平面型光導波路から任意の平面型光導波路を選択することができる。また、照明装置をアクチュエータ等の駆動手段を用いて平面型光導波路の面内方向に沿って移動させる、又は各光源からのレーザ光をガルバノミラー等の走査光学系を用いて平面型光導波路の面内方向に沿って走査する等、機械的駆動手段を併用することにより、同じ平面型光導波路の端面の異なる位置からレーザ光を入射させることができる。なお、照明装置を移動させる代わりに、ホログラム記録媒体を移動させてもよい。
【0089】
【発明の効果】
本発明の情報再生装置によれば、機械的駆動手段を用いずに、ホログラムが記録された複数の平面型光導波路が積層されたホログラム記録媒体から、各平面型光導波路に記録されている情報を選択的に再生することが可能である、という効果を奏する。また、情報を再生する平面型光導波路の切り替えを機械的駆動手段を用いずに行なうことができるので、高速且つ高精度での情報の読み出しが可能である。また、光源からのレーザ光は垂直方向に集光されると共に水平方向には集光されずに平面型光導波路に入射するので、平面型光導波路内での光強度を均一にして、効率良く情報を読み出すことができる。更に、平面型光導波路の各々に対応して配列された光源より照明光を入射するので、平面型光導波路毎に位相が異なる照明光を入射させることができ、クロストーク無く情報を再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホログラム記録媒体の概略構成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態に係るホログラム再生装置の概略構成を示す斜視図である。
【図3】(A)及び(B)は、第1の実施の形態に係るホログラム再生装置の側面図であり、(C)は上方から見た平面図である。
【図4】(A)はマイクロレンズが直接形成された照明装置の部分構成を示す斜視図であり、(B)は第2の実施の形態に係るホログラム再生装置の概略構成を示す斜視図である。
【図5】第2の実施の形態に係るホログラム再生装置の側面図である。
【図6】第3の実施の形態に係るホログラム再生装置の概略構成を示す斜視図である。
【図7】第3の実施の形態に係るホログラム再生装置の側面図である。
【図8】第3の実施の形態に係るホログラム再生装置の上方から見た平面図である。
【図9】第4の実施の形態に係るホログラム再生装置の概略構成を示す斜視図である。
【図10】第4の実施の形態に係るホログラム再生装置の側面図である。
【図11】第4の実施の形態に係るホログラム再生装置の上方から見た平面図である。
【図12】第5の実施の形態に係るホログラム再生装置の概略構成を示す斜視図である。
【図13】第5の実施の形態に係るホログラム再生装置の側面図である。
【符号の説明】
6 コア層(光導波層)
8 クラッド層
10 ホログラム記録媒体
12、12A 照明装置
14 コリメートレンズ
16 集光レンズ
18 光検出手段
20 結像光学系
22 光源(面発光レーザ)
24 駆動制御手段
2611〜2654 マイクロレンズ
28 マイクロレンズアレイ
3011〜3054 マイクロレンズ
32 レンチキュラーレンズ
341〜345 シリンドリカルレンズ
36、38 シリンドリカルレンズ

Claims (6)

  1. ホログラムにより情報が記録された複数の平面型光導波路が積層されたホログラム記録媒体から、該平面型光導波路を導波する光により、該平面型光導波路に記録された情報を再生する情報再生装置であって、
    独立してオン・オフ制御可能で且つ前記平面型光導波路の各々に対応して配列された複数の光源を有し、前記ホログラム記録媒体を前記光源からの照明光により照明する照明手段と、
    前記複数の平面型光導波路に対応して配列された複数の光源に対応するように、ホログラム記録媒体の平面型光導波路の積層方向に曲率を有し且つ該積層方向と直交する方向に曲率を有していないレンズが前記積層方向に複数並べられ、前記光源からの照明光を前記積層方向に集光して対応する前記平面型光導波路に入射させる集光光学系と、
    を備えることを特徴とする情報再生装置。
  2. 前記平面型光導波路に照明光を導波させて再生されるホログラム像を検出する検出手段を更に備える請求項1に記載の情報再生装置。
  3. 前記照明手段は、複数の面発光レーザが同一基板上にモノリシックに形成されたレーザアレイである請求項1又は2に記載の情報再生装置。
  4. 前記複数の面発光レーザが千鳥状に配置されたレーザアレイである請求項3に記載の情報再生装置。
  5. 前記複数の面発光レーザの各々の出射開口面上に形成され、コリメート機能を備えた複数のマイクロレンズからなるマイクロレンズアレイを、更に備えた請求項3又は4に記載の情報再生装置。
  6. 前記集光光学系は、照明光を平面型光導波路に入射させる位置に応じて各レンズの焦点距離を定めた請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報再生装置。
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