JP4325232B2 - 窒化物半導体素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光ダイオード素子(LED)、レーザダイオード素子(LD)等の発光素子、太陽電池、光センサ等の受光素子、あるいはトランジスタ、パワーデバイス等の電子デバイスに用いられる窒化物半導体(InxAlyGa1−x−yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を用いた窒化物半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
サファイアは、そのエピタキシャル成長工程の高温アンモニア雰囲気中における安定性の為、高効率の窒化物半導体の発光素子を成長させる為の基板として望ましいものであることは実証されている。具体的にはサファイア基板上に成長させた窒化物半導体素子は高輝度青色LED、純緑色LEDやLD(レーザーダイオード)に利用されており、その用途はフルカラーディスプレイや信号表示機、イメージスキャナー、光ディスク用光源等大容量の情報を記憶するDVD等のメディアや通信用の光源、又は印刷機器等である。さらに電界効果トランジスタ(FET)のような電子デバイスへの応用も期待されている。
【0003】
窒化物半導体は有望な半導体材料でありながら、バルク単結晶の製造が難しい。したがって、現状ではサファイア、SiC等の異種基板の上に有機金属気相成長法(MOCVD)を利用してGaNを成長させるヘテロエピタキシ技術が汎用されている。特にサファイア基板を用いる場合はサファイア基板上に600℃程度の低温でAlGaNを緩衝層として形成後、その上に窒化物半導体層を成長させる方法が使用されている。これにより、窒化物半導体層の結晶性向上が実現された。
【0004】
しかしながら、サファイアは熱伝導率が悪い絶縁体であり、これにより素子は限定された構造となってしまう。例えば、GaAsやGaPのような導電体基板であれば、電極を半導体装置の上面に1つ、また底面にはもう1つの電極を設けることができるが、サファイア上に成長させた発光素子は上面(同一面)に2つの電極を設けることになる。そのため、サファイア等の絶縁体基板を用いると、導電体基板に比べて同一基板面積における有効発光面積を狭めてしまう。さらに、絶縁体基板を用いた場合、同一φのウェハーから取れる素子(チップ)数が少ないことになる。
【0005】
また、サファイア等の絶縁体基板を用いた窒化物半導体素子はフェイスアップ型やフェイスダウン型があるが、これらは同一面に両電極を有するため、電流密度が局部的に高くなり素子(チップ)が発熱する。また、電極に対するワイヤーボンディング工程においてpn両電極にそれぞれワイヤーが必要なためチップサイズが大きくなりチップの収率が落ちる。更にサファイアは硬度が高く、六方晶の結晶構造である。そのため、サファイアを成長基板として使われた場合はサファイア基板をスクライブによりチップ分離する必要があり、他の基板に比べて製造工程を増加しなければならない。
【0006】
これに対し、p電極とn電極とを対向配置した構造を有する素子が提案されている。例えば、特許文献2には、n型のGaN基板裏面には、Ti/Alからなるn電極を形成させ、p型のGaNからなるp型コンタクト層表面には、Ni/Auからなるp電極を形成させる窒化物半導体素子が記載されている。また、特許文献3には、サファイア基板上に窒化ガリウム層を積層した窒化物半導体結晶において、サファイア基板とGaNバッファー層とを研削除去し、露出したn型GaNにn電極を形成し、p型電極、n型電極を対向した両端面に形成する半導体発光デバイスチップが記載されている。p電極とn電極とを対向配置することにより、電流分布を均一化して素子の発熱を抑制できることが期待できる。
【0007】
このp電極とn電極とを対向配置した素子のn電極には、Ti/Al電極を用いることが特許文献2に記載されている。このTi/Al電極は、例えば、特許文献3に、n型窒化ガリウム系化合物半導体層とオーミック接触が得られる電極として、チタンとアルミニウムとの合金よりなるか、またはチタンとアルミニウムとが積層された多層膜からなる電極と記載の通り、同一面にp電極とn電極が形成された素子におけるn電極としては代表的なものである。その他代表的なn電極としては、W/Al電極などがある。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−45867号
【特許文献2】
特開2000−340892号
【特許文献3】
特開平11−238913号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、p電極とn電極とを対向配置した構造を有する素子のn電極に上記のTi/Al電極を用いても、接触抵抗が大きく良好なオーミック特性が得られず、対向配置した構造を有する素子に期待される特性が十分得られないという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は上記問題を解決し、p電極とn電極とが対向配置された構造を有し、良好なオーミック特性が得られるn電極を備えた窒化物半導体素子を提供することを目的とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の窒化物半導体素子は、窒化物半導体からなる積層体の一方の主面にp電極を形成する一方、他方の主面にn電極を形成し、両電極を対向配置してなる窒化物半導体素子であって、上記の他方の主面がn型窒化物半導体層の(000−1)面であり、上記n電極が、該(000−1)面に接しn型不純物を含む合金層を有することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、n型不純物を含む合金層を有するn電極を、その合金層がn型窒化物半導体層の(000−1)面に接するように形成することにより、従来のTi/Al電極では困難であった、(000−1)面と良好なオーミック接触を有するn電極を得ることができる。この理由については明らかではないが、以下の理由が考えられる。
ウルツ鉱型の結晶構造を持つGaNは、c軸方向に非対称で、Ga面(0001)(以下、+c面と呼ぶ。)とN面(000−1)(以下、−c面と呼ぶ。)の二つの極性を有し、−c面の表面にはN原子が配列している。従来のn電極、例えばTi/Al電極は+c面上に形成されているのに対し、本発明のn電極は−c面上に形成されている。合金層のn型不純物は、−c面の露出したN原子のダングリングボンドと結合し安定な、例えば、SiN等に変化する。n型不純物は元々窒化物半導体の結晶格子内に取り込まれ易いものであり、結晶格子を壊さない程度に表面のN原子と反応することができる。これにより、GaN層表面近傍(数原子層)がGaN層の層内より高キャリア濃度となり、接触抵抗が低減され、オーミック特性が向上すると考えられる。
本発明の素子は、両電極を対向配置した素子において、接触抵抗を小さくすることができるので、電極面積を小さくすることができ、これにより素子をより小型化することができる。また、接触抵抗が小さくなるので、電流分布が均一化され、素子の発熱を抑制することができ、また発光素子の場合、発光層全体に電流が流れるようになり、より均一かつ高強度に発光させることができる。また、電極が対向配置されているので、p電極とn電極との短絡を防止できることは言うまでもない。
【0013】
また、本発明の素子は、上記n型窒化物半導体層に含まれるn型不純物が、上記合金層に含まれるn型不純物と同じであり、該n型不純物がSi又はGeである。これにより、良好なオーミック接触を得ることができる。
【0016】
本発明の素子は、例えば、以下の製造方法により作製することができる。すなわち、対向する二つの主面を有する導電性基板の一方の主面上に、p電極、複数の窒化物半導体層からなる積層体、そしてn電極が積層されてなる窒化物半導体素子の製造方法であって、対向する二つの主面を有する絶縁性成長用基板の一方の主面上に、少なくとも、n型窒化物半導体層と、活性層と、p型窒化物半導体層と、を成長させて接合用積層体を形成し、上記p型窒化物半導体層の上に1層以上の金属層から成る第1の接合層を設ける一方、上記導電性基板の一方の主面上に1層以上の金属層から成る第2の接合層を設け、第1の接合層と第2の接合層とを対向させ、上記接合用積層体と上記導電性基板とを加熱圧接して接合し、上記接合用積層体の絶縁性成長用基板を除去して、n型窒化物半導体層を露出せしめ、n型不純物を含み上記露出させたn型窒化物半導体層に接する合金層を有するn電極を形成することを特徴とする。
【0017】
また、本発明では、第1の接合層と第2の接合層が、それぞれ第1の共晶形成層と第2の共晶形成層を有し、接合時には、第1及び第2の共晶形成層を構成する金属を互いに拡散させて共晶を形成することができる。
【0018】
また、本発明では、絶縁性成長用基板の一方の主面に接して、GaeAl1−eN(0<e≦1)から成るバッファ層と、アンドープのGaN及びn型不純物をドープしたGaNのいずれかから成る高温成長層と、を含む下地層を設けることができる。
【0019】
また、特に380nm以下の紫外領域の窒化物半導体素子においては、上記成長用基板の一方の主面に接して、GaeAl1−eN(0<e≦1)から成るバッファ層と、アンドープのGaN及びn型不純物をドープしたGaNのいずれかから成る高温成長層と、を含む下地層を設けることができる。下地層はその上に成長させる窒化物半導体の結晶性を向上させる効果を有する。さらに、アンドープのGaNまたはn型不純物をドープしたGaNのいずれかから成る高温成長層は、この層を成長させることで、その上に成長させる窒化物半導体層の結晶性を大きく向上させることができる。結晶性の良い窒化物半導体素子を得るためには、成長用基板、さらにはバッファ層の上に高温でGaN層を成長させることが必要となる。この層を成長させずに活性層等を成長させても結晶性が非常に悪く、窒化物半導体発光素子などにおいては、発光出力が非常に弱く、実用的でない。
【0020】
このように、GaNからなる高温成長層を設けることで、結晶性の良い窒化物半導体素子を得ることができるが、下地層としてGaNを含む場合、紫外領域ではGaNの自己吸収により、活性層からの光の一部がこのGaN層で吸収されてしまい、発光出力が低下してしまう。本発明においては、導電性基板を接合した後、成長用基板と下地層のGaNとを除去するようにしたので、素子を構成する窒化物半導体の結晶性を良好に維持しながら、自己吸収を抑制することが可能となる。
【0021】
また、本発明では、絶縁性成長用基板を除去後、バッファ層及び高温成長層を除去することができる。
【0022】
また、本発明では、上記の除去する工程において、成長用基板の他方の主面の全面に電磁波を照射して成長用基板と下地層とを除去することができる。
【0023】
また、本発明によると、窒化物半導体素子の表面の少なくとも一部に、蛍光物質を含有するコーティング層を形成することができる。また、本発明の発光素子は、発光素子からの光を吸収し、その光と異なる波長の光を発光する蛍光物質を含有するコーティング層を発光素子の表面の少なくとも一部に形成してなることができる。
【0024】
本発明の素子、特に発光素子において、導電性基板と接合させて形成された窒化物半導体素子に、活性層のAlaInbGa1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、a+b≦1)からの光の一部もしくは全部を吸収して異なる波長の光を発光する蛍光物質が含有されたコーティング層を形成することで、様々な波長の光を発光することができる。特にYAGを含有させることで、白色光を発光することができ、照明用光源など用途も格段に広がる。
【0025】
また、光の一部もしくは全部を吸収して異なる波長の光を発光する蛍光物質について、可視光を吸収して異なる光を発する材料は限られており、材料の選択性に問題がある。しかしながら、紫外光を吸収して異なる光を発する材料は非常に多く、様々な用途に応じてその材料を選択することができる。材料が選択できる要因の一つとしては、紫外光で吸収する蛍光物質は光の変換効率が可視光の変換効率と比べて高いということである。特に白色光においては、演色性の高い白色光を得るなど、可能性はさらに広がる。本発明は、紫外領域で発光する窒化物半導体素子において、自己吸収の少ない窒化物半導体発光素子が得られ、さらに蛍光物質をコーティングすることで、非常に変換効率の高い白色の発光素子を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る窒化物半導体素子の構造の一例を示す模式断面図である。素子は、導電性基板8上に、接合層7、p電極6、窒化物半導体から成る積層体2、そしてn電極9が順次積層され、p電極6とn電極9とが対向するように配置され、p電極6とn電極9の露出面以外にそれぞれp側保護膜20とn側保護膜21が形成された構造を有している。ここで、積層体2は、p電極6側から、p型窒化物半導体層5、活性層4、そして露出面にディンブル331を有するn型窒化物半導体層3が順次積層された構造を有している。なお、接合層7は、導電性基板8と積層体2とを接合する役割を果たすものであり、第1の接合層71と第2の接合層72とが一体化して構成されている。
【0027】
より詳しくは、n型窒化物半導体層3の表面は、露出した−c面を有しており、n電極9は−c面に接しn型不純物を含む合金層(不図示)を有している。ここで、n型不純物には、窒化物半導体に用いられる公知の物質を用いることができ、例えば、C、Si、Ge、Se、Sを挙げることができる。なかでもSiを用いることで、表面近傍に高キャリア濃度のGaN層ができるので好ましい。
【0028】
また、合金層を形成する金属は、n型不純物と合金を形成する金属であって、例えば、Al、Ag、Ti、Mo、Nb、Ta、Hf、Pt及びWから成る群から選択された少なくとも1種の金属を用いることができる。好ましい合金層の組成は、W−Al−Si、W−Si、より好ましくはW−Siであり、これらを用いることでSiを含んだ合金を形成しやすい。さらに、WxSi1−xの場合、0.3≦x<1であることが好ましい。xが0.3より小さいとn電極が剥がれやすくなるからである。
【0029】
なお、n電極は上記合金層にさらに1以上の金属層を積層した多層膜とすることが好ましく、例えば、上記合金層にさらにPt/Au、W/Au、Ti/Au、Ni/Auなどの金属多層膜を形成することが好ましい。上記合金層が、Alを含む場合はAlが拡散しやすいので、Alの拡散を防止する層としてTiなどの拡散バリア層をこの金属多層膜層の前記合金層の最も近くに含める。最も好ましくは、合金層を含んだ構成として、W−Si/Pt/Auである。n電極は、合金層あるいは合金形成層に1以上の金属層を蒸着法あるいはスパッタリング法により形成して多層膜とした後、アニールすることにより作製することができる。また、n電極の厚さは、0.1〜1.5μmが好ましい。
【0030】
以下、本発明に係る窒化物半導体発光素子の製造方法について説明する。図2から4は、本発明に係る窒化物半導体発光素子の製造工程の一例を示す模式断面図である。成長用基板1の表面に、バッファ層31aと高温成長層31bとから成る下地層32を形成する(図2(a))。次いで、下地層32上にn型クラッド層33を積層してn型窒化物半導体層3を形成し、活性層4、そしてp型クラッド層51とp型コンタクト層52とから成るp型窒化物半導体層5を順次積層する(図2(a))。
【0031】
次に、p型コンタクト層52の上にp電極6を形成する(図2(b))。ここで、p型コンタクト層52の上にp電極6を形成した後、オーミック接触を得るためのアニール処理を行う。さらに、p電極6の露出面以外を覆うように絶縁性のp側保護膜20を形成する。
【0032】
次に、p電極6の上に1層以上の金属層から成る第1の接合層71を形成する(図2(c))。一方、導電性基板8の表面に1層以上の金属層から成る第2の接合層72を形成する(図2(c))。
【0033】
次に、導電性基板8を、第1の接合層71と第2の接合層72とが対向するように成長用基板1の上に積層し、加熱圧接して接合する(図3(d))。ここで、第1の接合層71と第2の接合層72とは接合時に一体化して接合層7を形成する。
【0034】
次に、導電性基板8と接合した成長用基板1を研磨器に設置し、成長用基板1のラッピングを行い、成長用基板1と下地層32を除去して、n型クラッド層33を露出させる(図3(e))。そして、n型クラッド層33の表面を、例えば、ウエットエッチングして、−c面を露出させる。
【0035】
次に、光の取出し効率を向上させるため、n型クラッド層33の露出面を所定パターンのレジストでマスクし、RIEによりエッチングしてn型クラッド層33の表面に凹凸面からなるディンブル331を形成する(図4(f))。なお、この工程は省略することもできる。
【0036】
次に、n型クラッド層33の露出面に所定パターンのSiO2マスクを形成し、素子分離用の分離溝10を形成する(図4(g))。
【0037】
次に、n型クラッド層33上に、n型不純物と、そのn型不純物と合金を形成する金属を含む多層膜を形成し、アニールしてn電極9を形成し、さらにn電極9の露出面以外を覆うように絶縁性のn側保護膜21を形成する(図4(h))。そして、ダイシングにより素子をチップ状に分離する(図4(i))。
【0038】
本発明の方法において、成長用基板には、C面、R面及びA面のいずれかを主面とするサファイヤ、スピネル(MgAl2O4のような絶縁性基板)、そして窒化物半導体と格子整合する酸化物基板等を挙げることができるが、サファイヤやスピネルが好ましい。さらに、成長用基板は、オフアングルしたものを用いることが好ましい。この場合ステップ状にオフアングルしたものを用いることにより、窒化ガリウムから成る下地層の結晶性を向上させることができる。
【0039】
本発明の窒化物半導体発光素子に用いる成長用基板は、凹凸形状を有するディンプルを成長表面に有することが好ましい。凹凸形状を有するディンプルの成長用基板に成長することで、結晶欠陥の少ない窒化物半導体のファセット成長によって、窒化物半導体層を成長させることができ好ましい。ディンプルは具体的には、少なくとも凹部の段差が5nm以上とし、特に凹部および凸部に平面が存在することで、活性層が平滑になり易いので好ましい。活性層が凹凸を有すると、発光特性における歩留が悪くなる。
【0040】
また、成長用基板上に窒化物半導体層を積層する場合、下地層上にELOG(Epitaxially Lateral Overgrowth)成長させることにより結晶性の向上した窒化物半導体を得ることもできる。具体的には、成長用基板上に下地層を成長させ、その下地層上にストライプ状のマスクを複数形成し、マスクの開口部から窒化物半導体を選択成長させ、横方向の成長を伴った成長により成膜された窒化物半導体層(横方向成長層)を形成する。この横方向成長層は貫通転位が低減されているので、横方向成長層の上に形成する窒化物半導体の結晶性を向上させることができる。
【0041】
成長用基板としては、成長用基板となる材料の主面をオフアングルさせた基板、さらにステップ状にオフアングルさせた基板を用いるほうが好ましい。オフアングルさせた基板を用いると、表面の3次元成長が見られず、ステップ成長があらわれ表面が平坦になり易い。さらに、ステップ状にオフアングルされているサファイヤ基板のステップに沿う方向(段差方向)が、サファイヤのA面に対して垂直に形成されていると、窒化物半導体のステップ面がレーザの共振器方向と一致し、レーザ光が表面粗さにより乱反射されることが少なくなり好ましい。
【0042】
また、導電性基板は導電性を有する基板材料であれば良く、例えば、Si、SiC等の半導体から成る半導体基板、又は、金属単体基板、又は相互に非固溶あるいは固溶限界の小さい2種以上の金属の複合体から成る金属基板を用いることができるが、金属基板を用いることが好ましい。金属基板は、半導体基板に比べ機械的特性が優れており、弾性変形、さらには塑性変形し易く、割れにくいからである。さらに、金属基板には、Ag,Cu,Au,Pt等の高導電性金属から選択された1種以上の金属と、W,Mo,Cr,Ni等の高硬度の金属から選択された1種以上の金属と、から成るものを用いることができる。さらに、金属基板としては、Cu−WあるいはCu−Moの複合体を用いることが好ましい。熱伝導率の高いCuを有し放熱性が優れているからである。さらに、Cu−Wの複合体の場合、Cuの含有率xが0<x≦30重量%、Cu−Moの複合体の場合、Cuの含有率xが0<x≦50重量%であることが好ましい。また、Cu−ダイヤ等の金属とセラミックスの複合体などを用いることができる。なお、導電性基板の厚さは、放熱性を高めるため50〜500μmが好ましい。
【0043】
また、第1の接合層は、少なくとも、p型窒化物半導体層とオーミック接触し、高い反射率を有するp電極をp型窒化物半導体層に接して有することが好ましい。p電極には、Rh、Ag、Ni/Au、Ni/Au/Rh及びRh/Irのいずれか、より好ましくは、Rh/Irを用いることができる。ここで、p電極は、n型窒化物半導体層に比べ抵抗率の高いp型窒化物半導体層上に形成するため、p型窒化物半導体層のほぼ全面に形成することが好ましい。なお、p電極の厚さは、0.05〜0.5μmが好ましい。
【0044】
また、第1の接合層のp電極を形成したp型窒化物半導体層の露出面に絶縁性の保護膜を形成することが好ましい。この保護膜の材料には、SiO2、Al2O3、ZrO2、TiO2、Ta2O5、Nb2O5、MgF2、SiN等が挙げられ、これらを単層または多層で形成する。多層で形成する場合は、屈折率が相対的に(低屈折率/高屈折率)となるように窒化物半導体層側から繰り返して形成するとよい。これら単層膜、多層膜の膜厚を調整して反射させる。活性層からの光が反射するような膜厚に調整しない場合は、その保護膜の上にAl、Ag、Rh等の高反射率の金属膜を形成してもよい。これらの構成とすることで、光の取り出し効率を向上させることができる。
【0045】
また、第1の接合層のp電極の上に第1の共晶形成層を設けるとともに、第2の接合層に、導電性基板の主面の上に第2の共晶形成層を設けることが好ましい。第1及び第2の共晶形成層は、接合時に互いに拡散して共晶を形成する層であり、それぞれ、Au、Sn、Pd、In等の金属から成る。第1及び第2の共晶形成層の組合せは、Au−Sn、Sn−Pd、又はIn−Pdが好ましい。さらに好ましくは、第1の共晶形成層にSnを、そして第2の共晶形成層にAuを用いる組合せである。
【0046】
また、第1の接合層の第1の共晶形成層とp電極との間に、p電極側から密着層とバリア層を設けることが好ましい。密着層はp電極との間に高い密着性を確保する層であり、Ti、Ni、W及びMoのいずれかの金属が好ましい。また、バリア層は、第1の共晶形成層を構成する金属が密着層へ拡散するのを防止する層であり、PtあるいはWが好ましい。また、第1の共晶形成層の金属が密着層へ拡散するのをさらに防止するため、バリア層と第1の共晶形成層との間に、0.3μm程度の厚さのAu膜を形成しても良い。なお、第2の共晶層と導電性基板との間に、上記の密着層とバリア層及びAu膜を設けることが好ましい。
【0047】
また、接合用積層体と導電性基板とを加熱圧接する際の温度は、150℃以上500℃以下、好ましくは150℃以上350℃以下が好ましい。150℃以上とすることにより、共晶形成層の金属の拡散が促進され均一な密度分布の共晶が形成され、接合用積層体と導電性基板との密着性を向上させることができる。500℃より大きいと、共晶形成層の金属がバリア層、さらには密着層まで拡散して、良好な密着性が得られないからである。
【0048】
また、導電性基板を接合後に成長用基板を除去するには、研磨、エッチング、電磁波照射、あるいはこれらの方法を組合せた方法を用いることができる。電磁波照射は、電磁波に例えばレーザを用い、導電性基板を接合後、成長用基板の下地層の形成されていない面の全面にレーザを照射して、下地層を分解させることにより成長用基板と下地層とを除去することができる。さらに、成長用基板と下地層とを除去した後、露出した窒化物半導体層の表面をCMP処理して所望の膜を露出させる。これにより、ダメージ層の除去や、窒化物半導体層の厚み及び表面粗さの調整を行うことができる。
【0049】
なお、電磁波照射には、以下の方法を用いることもできる。すなわち、成長用基板上に窒化物半導体からなる下地層を形成し、次いで、その下地層を部分的に成長用基板までエッチングして凹凸を形成した後、凹凸を有する下地層上にELOG成長させて横方向成長層を形成する。次いで、横方向成長層の上にn型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層を順次形成した後、p型窒化物半導体層の上に導電性基板を接合する。次いで、成長用基板の下地層の形成されていない面の全面にレーザを照射して、下地層を分解させることにより成長用基板と下地層とを除去することができる。この方法によれば、電磁波照射時に窒化物半導体の分解により発生するN2ガスが上記の凹凸と横方向成長層との間に形成された空隙に広がり、ガス圧による成長用基板の割れを防止し、さらにその割れに起因する下地層のえぐれ傷を防止して、面状態及び結晶性の良好な窒化物半導体基板を得ることができる。また、研磨による方法に比べ、作業工程を簡略化することができるので、歩留まりが向上するという効果も得られる。
【0050】
また、成長用基板を除去した後、光の取出し効率を向上させるため、n型窒化物半導体層の露出面をRIEにより凹凸(ディンプル加工)を形成しても良い。その凹凸の断面形状は、メサ型あるいは逆メサ型、そして、平面形状は島状、格子状、矩形状、円状あるいは多角形状とすることができる。
【0051】
また、n電極以外の露出面を覆うように、SiO2、Al2O3、ZrO2、TiO2、Si3N4、MgF2、Nb2O5、Ta2O5等の絶縁性の保護膜を形成する。この層は単層または多層で、反射しないような無反射コート(ARコート)膜とする。
【0052】
なお、p電極とn電極は、窒化物半導体素子の一方の主面にp電極が、他方の主面にn電極が形成されている限り、大きさや形状は特に限定されない。好ましくは、両電極が窒化物半導体層の積層方向から見て、互いに重ならないように対向配置されている限り、大きさや形状は特に限定されない。これにより、フェイスダウン構造の場合、発光した光を、n電極により遮られることなく効率良く取出すことができる。例えば、p電極をp型窒化物半導体層の概ね全面に形成した場合、n電極を、n型窒化物半導体層の隅部の2つ又は4つに形成しても良く、格子状に全面に形成しても良く、さらには、隅部に格子状に形成することもできる。
【0053】
以下、本実施の形態に係る窒化物半導体素子の具体的構成について、図2から4を参照して説明する。
本発明において、n型窒化物半導体層、活性層、及びp型窒化物半導体層は、いずれも窒化物半導体からなり、好ましくはAlxInyGa1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)からなる。またいずれの層もAlxInyGa1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y<1)、すなわちGaを含む窒化物半導体を少なくとも1層有する。n型窒化物半導体層およびp型窒化物半導体層は、複数の層から成り、クラッド層として機能する層を少なくとも有する。またn型窒化物半導体層においては、基板との接合面に、基板上に窒化物半導体層をエピタキシャル成長させるための、バッファ層を有する。また活性層は、単一量子井戸構造、多重量子井戸構造のいずれでも良く、好ましくは、井戸層と障壁層とが繰り返し積層されてなる多重量子井戸構造とする。本発明の窒化物半導体発光素子をレーザ素子として形成する場合は、さらに活性層とクラッド層との間に光ガイド層も設ける。
また380nm以下で発光する窒化物半導体発光素子を得る場合、次のように、下地層からp型コンタクト層までを形成することで、発光効率のよい発光素子を得ることができる。
【0054】
(下地層)
下地層32は、少なくとも1層以上の窒化物半導体で構成することができるが、成長用基板1上に低温成長させたバッファ層31aと、そのバッファ層31a上に高温成長させた高温成長層31bとで構成することが好ましい。
【0055】
バッファ層31aとしては、GaiAl1−iN(0<i≦1)からなる窒化物半導体であり、好ましくはAlの割合が小さいもの、より好ましくはGaNを用いることによりバッファ層上に成長させる窒化物半導体の結晶性が向上する。バッファ層の膜厚は、好ましくは0.002〜0.5μm、より好ましくは0.005〜0.2μm、さらに好ましくは0.01〜0.02μmである。バッファ層の成長温度は、好ましくは200〜900℃、より好ましくは400〜800℃である。
【0056】
高温成長層31bとしては、好ましくはアンドープのGaN又はn型不純物をドープしたGaNを用いることができる。高温成長層の膜厚は、500Å以上、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。また、高温成長層の成長温度は、900〜1100℃、好ましくは1050℃以上である。
【0057】
(n型クラッド層)
n型クラッド層33としては、活性層4のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、活性層4へのキャリア閉じ込めが可能であれば特に限定されないが、AljGa1−jN(0<j<0.3)が好ましい。ここで、さらに好ましくは、0.1<j<0.2である。n型クラッド層の膜厚は特に限定されるものではないが、好ましくは0.01〜0.1μm、より好ましくは0.03〜0.06μmである。また、n型クラッド層のn型不純物濃度は特に限定されるものではないが、好ましくは1×1017〜1×1020/cm3、より好ましくは1×1018〜1×1019/cm3である。また、本発明においては、導電性基板を接合した後、成長用基板と下地層および高温成長層のGaNとを除去する場合、ある程度の膜厚が必要であり、その場合は1μm〜10μm、より好ましくは1μm〜5μmとする。
【0058】
(活性層)
本発明に用いる活性層4は、少なくとも、AlaInbGa1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、a+b≦1)から成る井戸層と、AlcIndGa1−c−dN(0≦c≦1、0≦d≦1、c+d≦1)から成る障壁層と、を含む量子井戸構造を有する。さらに好ましくは、上記井戸層及び障壁層が、それぞれ、AlaInbGa1−a−bN(0<a≦1、0<b≦1、a+b<1)と、AlcIndGa1−c−dN(0<c≦1、0≦d≦1、c+d<1)である。また、活性層における波長は380nm以下であり、具体的には井戸層のバンドギャップエネルギーが波長380nm以下のものである。
【0059】
活性層に用いられる窒化物半導体は、ノンドープ、n型不純物ドープ、p型不純物ドープのいずれでも良いが、好ましくは、ノンドープもしくはアンドープ、又はn型不純物ドープの窒化物半導体を用いることにより発光素子を高出力化することができる。さらに好ましくは、井戸層をアンドープとし、障壁層をn型不純物ドープとすることで、発光素子の出力と発光効率を高めることができる。
【0060】
(p型クラッド層)
p型クラッド層52としては、活性層4のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、活性層4へのキャリアの閉じ込めができるものであれば特に限定されないが、AlkGa1−kN(0≦k<1)が用いられ、特にAlkGa1−kN(0<k<0.4)が好ましい。ここで、より好ましくは、0.15<k<0.3である。p型クラッド層の膜厚は特に限定されないが、好ましくは0.01〜0.15μm、より好ましくは0.04〜0.08μmである。p型クラッド層のp型不純物濃度は、1×1018〜1×1021/cm3、1×1019〜5×1020cm3である。p型不純物濃度が上記の範囲にあると、結晶性を低下させることなくバルク抵抗を低下させることができる。
【0061】
(p型コンタクト層)
p型コンタクト層51は、AlfGa1−fN(0≦f<1)が用いられ、特に、AlfGa1−fN(0<f<0.3)で構成することによりオーミック電極6と良好なオーミックコンタクトが可能となる。p型不純物濃度は1×1017/cm3以上が好ましい。
【0062】
また、p型コンタクト層は、導電性基板側でp型不純物濃度が高く、かつ、Alの混晶比が小さくなる組成勾配を有することが好ましい。この場合、組成勾配は、連続的に組成を変化させても、あるいは、不連続に段階的に組成を変化させても良い。例えば、p型コンタクト層を、p電極と接し、p型不純物濃度が高くAl組成比の低い第1のp型コンタクト層と、p型不純物濃度が低くAl組成比の高い第2のp型コンタクト層とで構成することもできる。第1のp型コンタクト層により良好なオーミック接触が得られ、第2のp型コンタクト層により自己吸収を防止することが可能となる。
【0063】
第1のp型コンタクト層の組成は、AlgGa1−gN(0≦g<0.05)が好ましく、より好ましくはgが、0<g<0.01である。Al組成比が上記の範囲内であれば、p型不純物を高濃度にドープしても不純物の不活性化を防止でき、良好なオーミック接触が得られる。また、第1のp型コンタクト層のp型不純物濃度は、好ましくは1×1019〜1×1022/cm3、より好ましくは5×1020〜5×1021/cm3である。また、第1のp型コンタクト層の膜厚は、好ましくは100〜500Å、より好ましくは150〜300Åである。
【0064】
また、第2のp型コンタクト層の組成は、AlhGa1−hN(0≦h<0.1)が好ましく、より好ましくはhが、0.1<h<0.05である。Al組成比が上記の範囲内であれば、自己吸収を防止することが可能となる。また、第2のp型コンタクト層のp型不純物濃度は、好ましくは1×1020/cm3以下、より好ましくは5×1018〜5×1019/cm3である。また、第2のp型コンタクト層の膜厚は、好ましくは400〜1200Å、より好ましくは800〜1200Åである。
以上のような構成とし、成長用基板と下地層、さらには高温成長層のGaNを除去することで、自己吸収のない窒化物半導体発光素子を得ることができる。
【0065】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1.
本実施例に用いた窒化物半導体の積層体の構造を図5に示す。n型窒化物半導体層3は、成長基板1に、バッファ層31aと高温成長層31bとから成る下地層32、n型コンタクト層34、n型第1多層膜層35、そしてn型超格子多層膜層36とを順次積層して構成されている。また、p型窒化物半導体層5は、活性層4に、多層膜p型クラッド層51、p型低濃度ドープ層53、そしてp型コンタクト層52とを順次積層して構成されている。以下、この積層体の作製方法及びこの積層体を用いたLED素子の作製方法について、図2〜5を参照して説明する。
【0066】
(成長用基板)
サファイア(C面)よりなる成長用基板1をMOVPEの反応容器内にセットし、水素を流しながら、基板の温度を1050℃まで上昇させ、基板のクリーニングを行った。
【0067】
(下地層)
バッファ層:続いて、温度を510℃まで下げ、キャリアガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリメチルガリウム)とを用い、基板1上にAlGaNよりなるバッファ層31aを約200Åの膜厚で成長させた。なおこの低温で成長させるバッファ層は基板の種類、成長方法等によっては省略できる。
【0068】
高温成長層:バッファ層31a成長後、TMGのみ止めて、温度を1050℃まで上昇させた。1050℃になったら、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガスを用い、アンドープGaN層31bを1.5μmの膜厚で成長させた。
【0069】
(n型コンタクト層)
続いて1050℃で、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガス、不純物ガスにシランガスを用い、Siを6×1018/cm3ドープしたGaNよりなるn型コンタクト層34を1.85μmの膜厚で成長させた。
【0070】
(第1多層膜層)
次にシランガスのみを止め、1050℃で、TMG、アンモニアガスを用い、アンドープGaNからなる下層を3000Åの膜厚で成長させ、続いて同温度にてシランガスを追加しSiを6×1018/cm3ドープしたGaNからなる中間層を300Åの膜厚で成長させ、更に続いてシランガスのみを止め、同温度にてアンドープGaNからなる上層を50Åの膜厚で成長させ、3層からなる総膜厚3350Åの第1多層膜層35を成長させた。
【0071】
(n型超格子多層膜層)
次に、同様の温度で、アンドープGaNよりなる第1の窒化物半導体層を40Å成長させ、次に温度を800℃にして、TMG、TMI、アンモニアを用い、アンドープIn0.02Ga0.98Nよりなる第2の窒化物半導体層を20Å成長させた。そしてこれらの操作を繰り返し、第1+第2の順で交互に10層づつ積層させ、最後にGaNよりなる第1の窒化物半導体層を40Å成長させた超格子構造の多層膜よりなるn型超格子多層膜層36を640Åの膜厚で成長させた。
【0072】
(活性層)
次に、アンドープGaNよりなる障壁層を200Åの膜厚で成長させ、続いて温度を800℃にして、TMG、TMI、アンモニアを用いアンドープIn0.4Ga0.6Nよりなる井戸層を30Åの膜厚で成長させた。そして障壁+井戸+障壁+井戸・・・・+障壁の順で障壁層を5層、井戸層4層交互に積層して、総膜厚1120Åの多重量子井戸構造よりなる活性層4を成長させた。
【0073】
(中濃度ドープの多層膜p型クラッド層)
次に、温度1050℃でTMG、TMA、アンモニア、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、Mgを5×1019/cm3ドープしたp型Al0.2Ga0.8Nよりなる第1の窒化物半導体層を40Åの膜厚で成長させ、続いて温度を800℃にして、TMG、TMI、アンモニア、Cp2Mgを用いMgを5×1019/cm3ドープしたIn0.03Ga0.97Nよりなる第2の窒化物半導体層を25Åの膜厚で成長させた。そしてこれらの操作を繰り返し、第1+第2の順で交互に5層ずつ積層し、最後に第1の窒化物半導体層を40Åの膜厚で成長させた超格子構造の多層膜よりなるp側多層膜クラッド層51を365Åの膜厚で成長させた。
【0074】
(低濃度ドープのp型低濃度ドープ層)
続いて、1050℃で、TMG、アンモニアを用い、アンドープのGaNよりなるp型低濃度ドープ層53を2000Åの膜厚で成長させた。この低濃度ドープ層は、成長時はアンドープとして成長させるが、中濃度ドープの多層膜p型クラッド層51にドープされているMgが、低濃度ドープ層53を成長する間に拡散し、さらに下記の高濃度ドープのp型コンタクト層52を成長させる際にMgが拡散し、低濃度ドープ層はp型を示す。
この低濃度ドープ層53のMg濃度は、最も濃度が低い部分では、2×1018/cm3となる。また低濃度ドープ層53のMg濃度の変化は、p型クラッド層51に接している部分ではp型クラッド層51のMg濃度とほぼ同様の値を示すが、p型クラッド層51から離れるに従い徐々に減少し、後で成長させるp型コンタクト層52と接近している付近(p型コンタクト層52を成長させる直前)でのMg濃度がほぼ最低値を示す。
【0075】
(高濃度ドープのp型コンタクト層)
続いて、1050℃で、TMG、アンモニア、Cp2Mgを用い、Mgを1×1020/cm3ドープしたGaNよりなるp型コンタクト層52を1200Åの膜厚で成長させる。
反応終了後、温度を室温まで下げ、さらに窒素雰囲気中、ウェーハを反応容器内において、700℃でアニーリングを行い、p型層をさらに低抵抗化する。
【0076】
(p電極)
アニーリング後、ウェハを反応容器から取出し、p型コンタクト層52の上にRh/Ir/Pt膜を膜厚400Å/500Å/1000Åで形成してp電極6とした。その後、オーミックアニールを600℃で行った後、p電極6以外の露出面に絶縁性のp側保護膜20としてSiO2を膜厚0.3μmで形成した。
【0077】
(第1の接合層)
次に、p電極の上に、第1の接合層71として、Ti/Pt/Au/Sn/Auの多層膜を、膜厚1000Å/1000Å/1000Å/30000Å/1000Åで形成した。ここで、Tiは密着層、Ptはバリア層、Snは第1の共晶形成層、そしてPtとSnの間のAu層は、Snがバリア層へ拡散するのを防止する役割を果たし、最外層のAu層は第2の共晶形成層との密着性を向上させる役割を果たす。この第1の接合層71は、少なくともp電極上に形成され、好ましくは接合用積層体のp電極側の全面に形成する。
【0078】
(第2の接合層)
一方、導電性基板8として、膜厚が200μmで、Cu30%とW70%の複合体から成る金属基板を用い、その金属基板の表面に、第2の接合層72として、Tiから成る密着層、Ptから成るバリア層、そしてAuから成る第2の共晶形成層を、この順で、膜厚1000Å/1000Å/14000Åで形成した。
【0079】
次に、第1の接合層71と第2の接合層72とを対向させた状態で、接合用積層体2と導電性基板8とを、ヒータ温度を250℃でプレス加圧して加熱圧接した。これにより、第1の共晶形成層と第2の共晶形成層の金属を互いに拡散させて共晶を形成させた。
【0080】
(成長用基板の除去)
次に、導電性基板8を接合した接合用積層体2について、サファイヤ基板の下地層側の反対面から、波長248nmのKrFエキシマレーザを用いて、出力600J/cm2で、レーザ光を1mm×50mmの線状にして上記の反対面全面をスキャンしてレーザを照射した。レーザ照射により下地層の窒化物半導体を分解して、サファイヤ基板を除去した。さらに、バッファ層と、アンドープGaN層を、さらにはn型コンタクト層が露出するまで研磨し、露出したn型コンタクト層をKOH及びコロイダルシリカ(K2SiO3)を用いてケミカルポリッシュ研磨して面荒れをなくした。n型コンタクト層は、p型コンタクト層までの膜厚が3μm程度となるまで研磨した。
【0081】
(ディンプル形成)
次に、n型窒化物半導体層の露出面をRIEにより凹凸形状のディンプル331にする。この形状は直径4μm、深さ1μmの円柱状の凹部が規則的に配列されたものとする。
【0082】
(積層体分離)
次に、n型コンタクト層側から、n型コンタクト層からp型コンタクト層までをエッチングして、p側保護膜を露出させ、所望のチップサイズになるように窒化物半導体からなる積層体を分離する。
【0083】
(n電極)
次に、露出したn型コンタクト層上に、W−Si/Pt/Auから成るn電極9を、膜厚200Å/2000Å/6000Åで蒸着してn電極とし、n電極以外のn型コンタクト層の露出面と積層体の側面の全てを覆うようにn側保護膜21として、SiO2をARコートした。ここで、WSi合金の組成は、WxSi1−xである。なお、本実施例では、n電極のサイズを100μm×100μmとした。
【0084】
(素子分離)
その後、導電性基板を100μmまで研磨した後、導電性基板の裏面にp電極用のパッド電極として、Ti/Pt/Auから成る多層膜を1000Å/2000Å/3000Åで成膜した。次に、ダイシングにより素子を分離した。
【0085】
得られたLED素子は、サイズが250μm×250μmであり、順方向電流20mAにおいて、460nmの青色発光を示し、Vfは3.55Vであった。
【0086】
比較例1.
n電極に、W/Al/Ti/Pt/Auからなる多層電極(膜厚100Å/2500Å/1000Å/2000Å/6000Å)を用いた以外は、実施例1と同様の条件で素子を作製した。ここで、Pt/Auはパッド電極であり、TiはAlがPt/Auに拡散するのを防ぐ層として機能しており、従来オーミック電極としてAlを含む合金または多層膜を用いる場合は、Al拡散防止層としてTiなどを形成する必要がある。
【0087】
得られたLED素子は、順方向電流20mAにおいて、460nmの青色発光を示し、Vfは5.19Vであった。
【0088】
比較例2.
高濃度ドープのp型コンタクト層を形成し、700℃でアニーリングを行うまでは実施例1と同様である。
次に高濃度ドープのp型コンタクト層を形成後、p型コンタクト層側から、p型窒化物半導体層と活性層とn型窒化物半導体層の一部までをエッチングし、n型コンタクト層を露出させた。このn型コンタクト層の露出面に、W/Al/Ti/Pt/Auを形成した場合と、W−Si/Pt/Auを形成した場合とを、n電極のオーミック特性について調べたが、W−Si/Pt/Auを用いたことによるオーミック接触の向上は見られなかった。n型窒化物半導体層の(0001)面にn電極を形成する場合は、本発明の効果は見られないことがわかった。
【0089】
実施例2.
n電極9をW−Al−Si/Ti/Pt/Auからなる多層電極とし、膜厚を200Å/1000Å/2000Å/6000Åとした以外は、実施例1と同様にして素子を作製した。得られた素子は実施例1とほぼ同等の特性を示した。
【0090】
実施例3.
(成長用基板)
成長用基板として、サファイヤ(C面)よりなる基板を用い、MOCVD反応容器内において水素雰囲気中、1050℃で表面のクリーニングを行った。
【0091】
(下地層)
バッファ層:続いて、水素雰囲気中、510℃でアンモニアとTMG(トリメチルガリウム)を用い、基板上にGaNよりなるバッファ層を約200Åの膜厚で成長させた。
【0092】
高温成長層:バッファ層成長後、TMGのみを止めて、温度を1050℃まで上昇させ、1050℃になったら、原料ガスにTMG、アンモニアを用い、アンドープGaNよりなる高温成長の窒化物半導体を5μmの膜厚で成長させた。
【0093】
(n型クラッド層)
次に、1050℃でTMG、TMA、アンモニア、シランを用い、Siを5×1017/cm3ドープしたn型Al0.18Ga0.82Nよりなるn型クラッド層を400Åの膜厚で形成した。
【0094】
(活性層)
次に、温度を800℃にして、原料ガスにTMI(トリメチルインジウム)、TMG、TMAを用い、SiドープのAl0.1Ga0.9Nよりなる障壁層、その上にアンドープのIn0.03Al0.02Ga0.95Nよりなる井戸層を、障壁層▲1▼/井戸層▲1▼/障壁層▲2▼/井戸層▲2▼/障壁層▲3▼の順に積層した。この時、障壁層▲1▼を200Å、障壁層▲2▼と▲3▼を40Å、井戸層▲1▼と▲2▼を70Åの膜厚で形成した。活性層は、総膜厚約420Åの多重量子井戸構造(MQW)となる。
【0095】
(p型クラッド層)
次に、水素雰囲気中、1050℃でTMG、TMA、アンモニア、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、Mgを1×1020/cm3ドープしたAl0.2Ga0.8Nよりなるp型クラッド層を600Åの膜厚で成長させた。
【0096】
(p型コンタクト層)
続いて、p型クラッド層上に、TMG、TMA、アンモニア、Cp2Mgを用いて、Mgを1×1019/cm3ドープしたAl0.04Ga0.96Nよりなる第2のp型コンタクト層を0.1μmの膜厚で成長させ、その後、ガスの流量を調整してMgを2×1021/cm3ドープしたAl0.01Ga0.99Nよりなる第2のp型コンタクト層を0.02μmの膜厚で成長させた。
【0097】
成長終了後、窒素雰囲中、ウェハを反応容器内において、700℃でアニーリングを行い、p型層をさらに低抵抗化した。
【0098】
(p電極)
アニーリング後、ウェハを反応容器から取出し、p型コンタクト層の上にRh/Ir/Pt膜を膜厚400Å/500Å/1000Åで形成してp電極とした。その後、オーミックアニールを600℃で行った後、p電極以外の露出面に絶縁性のp側保護膜20としてSiO2を膜厚0.3μmで形成した。
【0099】
(第1の接合層)
次に、p電極の上に、第1の接合層71として、Ti/Pt/Au/Sn/Auの多層膜を、膜厚1000Å/1000Å/1000Å/30000Å/1000Åで形成した。ここでで、Tiは密着層、Ptはバリア層、Snは第1の共晶形成層、そしてPtとSnの間のAu層は、Snがバリア層へ拡散するのを防止する役割を果たし、最外層のAu層は第2の共晶形成層との密着性を向上させる役割を果たす。この第1の接合層71は、少なくともp電極上に形成され、好ましくは接合用積層体のp電極側の全面に形成する。
【0100】
(第2の接合層)
一方、導電性基板8として、膜厚が200μmで、Cu30%とW70%の複合体から成る金属基板を用い、その金属基板の表面に、第2の接合層72として、Tiから成る密着層、Ptから成るバリア層、そしてAuから成る第2の共晶形成層を、この順で、膜厚1000Å/1000Å/14000Åで形成した。
【0101】
次に、第1の接合層71と第2の接合層72とを対向させた状態で、接合用積層体2と導電性基板8とを、ヒータ温度を250℃でプレス加圧して加熱圧接した。これにより、第1の共晶形成層と第2の共晶形成層の金属を互いに拡散させて共晶を形成させた。
【0102】
(成長用基板の除去)
次に、導電性基板8を接合した接合用積層体2について、サファイヤ基板の下地層側の反対面から、波長248nmのKrFエキシマレーザを用いて、出力600J/cm2で、レーザ光を1mm×50mmの線状にして上記の反対面全面をスキャンしてレーザを照射した。レーザ照射により下地層の窒化物半導体を分解して、サファイヤ基板を除去した。さらに、バッファ層と、アンドープGaN層を、さらにはn型コンタクト層が露出するまで研磨し、露出したn型コンタクト層をKOH及びコロイダルシリカ(K2SiO3)を用いてケミカルポリッシュ研磨して面荒れをなくした。n型コンタクト層は、p型コンタクト層までの膜厚が3μm程度となるまで研磨した。
【0103】
(ディンプル形成)
次に、n型窒化物半導体層の露出面をRIEにより凹凸形状のディンプル331にする。この形状は直径4μm、深さ1μmの円柱状の凹部が規則的に配列されたものとした。
【0104】
(積層体分離)
次に、n型コンタクト層側から、n型コンタクト層からp型コンタクト層までをエッチングして、p側保護膜を露出させ、所望のチップサイズになるように窒化物半導体からなる積層体を分離した。
【0105】
(n電極)
次に、n型クラッド層上に、W−Si/Pt/Auから成るn電極9を、膜厚200Å/2000Å/6000Åで蒸着してn電極とした。n電極以外のn型コンタクト層露出面と積層体の側面の全てを覆うようにn側保護膜21として、SiO2をARコートした。ここで、WSi合金の組成は、WxSi1−xであった。なお、本実施例では、n電極のサイズを100μm×100μmとした。
【0106】
(素子分離)
その後、導電性基板を100μmまで研磨した後、導電性基板の裏面にp電極用のパッド電極として、Ti/Pt/Auから成る多層膜を1000Å/2000Å/3000Åで成膜した。次に、ダイシングにより素子を分離した。
【0107】
得られたLED素子は、サイズが250μm×250μmであり、373nmの紫外発光を示し、n電極がn型クラッド層と良好なオーミック接触が得られていることが確認された。
【0108】
以上説明したように、本発明のLED素子は、従来のn電極を用いた場合に比べ、Vfが低下し、発光効率を向上させることができた。また、n電極とn型コンタクト層とが良好なオーミック接触となるので、n電極のサイズを小さくすることができ、発光出力の向上も期待できる。
【0109】
次に実施例として窒化物半導体を用いた半導体レーザ素子について、図6を参照して説明するが、本発明の半導体素子は、これに限らず、本発明の技術的思想において、様々な半導体に実施できることは言うまでもない。
【0110】
実施例4.
(下地層)
バッファ層:2インチφ、C面を主面とするサファイアよりなる異種基板を成長用基板としMOVPE反応容器内にセットし温度を500℃にして、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH3)を用い、GaNよりなるバッファ層を200Åの膜厚で成長させた。
【0111】
高温成長層:バッファ層形成後、温度を1050℃にして、TMG、アンモニアを用い、アンドープGaNよりなる窒化物半導体層を4μmの膜厚で成長させた。この層は、素子構造を形成する各層の成長において実質的な下地層(成長用基板)として作用する。下地層としてこの他にELOG(Epitaxially Laterally Overgrowth)成長させた窒化物半導体を用いると結晶性が良好な成長用基板が得られる。ELOG成長層の具体例としては、異種基板上に、窒化物半導体層を成長させ、その表面に窒化物半導体の成長が困難な保護膜を設ける等して形成したマスク領域と、窒化物半導体を成長させる非マスク領域とをストライプ状に設け、その非マスク領域から窒化物半導体を成長させることで、膜厚方向への成長に加えて横方向への成長が成されることにより、マスク領域にも窒化物半導体が成長して成膜させたものや、異種基板上に成長させた窒化物半導体層に開口部を設け、その開口部側面から横方向への成長が成されて成膜されたもの等が挙げられる。
次に、高温成長層の上に、積層体を構成する各層を形成する。
【0112】
(n型コンタクト層)
続いて1050℃で、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガス、不純物ガスにシランガスを用い、Siを4.5×1018/cm3ドープしたGaNよりなるn型コンタクト層を2.25μmの膜厚で成長させた。このn型コンタクト層の膜厚は2〜30μmであればよい。
【0113】
(クラック防止層)
次に、TMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニアを用い、温度を800℃にしてIn0.06Ga0.94Nよりなるクラック防止層を0.15μmの膜厚で成長させた。なお、このクラック防止層は省略可能である。
【0114】
(n型クラッド層)
次に、温度を1050℃にして、原料ガスにTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG及びアンモニアを用い、アンドープのAlGaNよりなるA層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMAを止め、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたGaNよりなるB層を25Åの膜厚で成長させた。そしてこの操作をそれぞれ160回繰り返してA層とB層を交互に積層し、総膜厚8000Åの多層膜(超格子構造)よりなるn型クラッド層を成長させた。この時、アンドープAlGaNのAlの混晶比としては、0.05以上0.3以下の範囲であれば、十分にクラッド層として機能する屈折率差を設けることができる。
【0115】
(n型光ガイド層)
次に、同様の温度で原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、アンドープのGaNよりなるn型光ガイド層を0.1μmの膜厚で成長させた。この層は、n型不純物をドープさせてもよい。
【0116】
(活性層)
次に、温度を800℃にして、原料にTMI(トリメチルインジウム)、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.05Ga0.95Nよりなる障壁層を100Åの膜厚で成長させた。続いてシランガスを止め、アンドープのIn0.1Ga0.9Nよりなる井戸層を50Åの膜厚で成長させる。この操作を3回繰り返し、最後に障壁層を積層させて総膜厚550Åの多重量子井戸構造(MQW)の活性層を成長させた。
【0117】
(p型キャップ層)
次に、同様の温度で、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてCp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、Mgを1×1019/cm3ドープしたAlGaNよりなるp型電子閉じ込め層を100Åの膜厚で成長させた。
【0118】
(p型光ガイド層)
次に、温度を1050℃にして、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、アンドープのGaNよりなるp型光ガイド層を750Åの膜厚で成長させた。このp型光ガイド層はアンドープとして成長させるが、Mgをドープさせてもよい。
【0119】
(p型クラッド層)
続いて、1050℃でアンドープAl0.16Ga0.84Nよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMGを止め、Cp2Mgを用いてMgドープGaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、総膜厚0.6μmの超格子層よりなるp型クラッド層を成長させた。p型クラッド層は少なくとも一方がAlを含む窒化物半導体層を含み、互いにバンドギャップエネルギーが異なる窒化物半導体層を積層した超格子で作製した場合、不純物はいずれも一方の層に多くドープして、いわゆる変調ドープを行うと結晶性がよくなる傾向にあるが、両方に同じようにドープさせてもよい。
【0120】
(p型コンタクト層)
最後に1050℃でp型クラッド層の上にMgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp型コンタクト層を150Åの膜厚で成長させた。p型コンタクト層はp型のInxAlyGa1−x−yN(x≦0、y≦0、x+y≦1)で構成することができ、好ましくはMgをドープしたGaNとすればp電極と最も好ましいオーミック接触が得られる。反応終了後、反応容器内において窒素雰囲気中でウエハを700℃でアニーリングして、p型層を更に低抵抗化した。
【0121】
(n型層露出及び共振器面形成)
以上のようにして窒化物半導体を形成した後、ウエハを反応容器から取り出し、最上層のp型コンタクト層の表面にSiO2よりなる保護膜を形成してRIE(反応性イオンエッチング)を用いSiCl4ガスによりエッチングし、共振器面となる活性層端面を露出させてエッチング端面を共振器端面とした。
【0122】
(基板露出)
次に、SiO2をウエハ全面に形成した後、その上にn型コンタクト層の露出面を除いてレジスト膜を形成し、基板が露出するまでエッチングする。共振器面など側面にもレジスト膜が形成されているので、エッチング後には、先に形成させた共振器面などの側面(p型層15と、活性層14と、n型層13の一部と、を含む)と、共振器面と基板との間のn型層との2段になった端面が形成されることになる。
【0123】
(ストライプ状凸部形成)
次に、ストライプ状の導波路領域を形成するために、最上層のp型コンタクト層のほぼ全面にCVD装置により、Si酸化物(主としてSiO2)よりなる保護膜を0.5μmの膜厚で形成した後、保護膜の上に幅3μmのストライプ形状のマスクをかけ、RIE装置によりCF4ガスを用いてSiO2をエッチングし、その後SiCl4により窒化物半導体層をp型ガイド層が露出するまでエッチングし、活性層よりも上にストライプ状の凸部が形成される。
【0124】
(第1の絶縁膜)
SiO2マスクをつけたまま、p型半導体層表面にZrO2よりなる第1の絶縁膜22を形成した。この第1の絶縁膜は後に分割され易いように絶縁膜を形成させない部分を設けてもよい。第1の絶縁膜形成後、バッファード液に浸漬して、ストライプ状凸部の上面に形成したSiO2を溶解除去し、リフトオフ法によりSiO2と共に、p型コンタクト層上(更にはn型コンタクト層上)にあるZrO2を除去する。これにより、ストライプ状凸部の上面は露出され、凸部の側面はZrO2で覆われた構造となる。
【0125】
(p電極)
次に、p型コンタクト層上の凸部最表面にp電極16を形成した。このp電極は、Ni/Auからなる。電極形成後、それぞれを酸素:窒素が1:99の割合の雰囲気中で、600℃でアニーリングすることで、p電極を合金化し、良好なオーミック特性を得る。
【0126】
(第2の絶縁膜)
次に、Si酸化物(主としてSiO2)とTi酸化膜(TiO2)の多層膜からなる第2の絶縁膜23をλ/4nの膜厚で2ペア(4層)の条件で、エッチングされた底面及び側面に形成することでミラーを形成した。このときpパッド電極は露出するようにしておく。
【0127】
(pパッド電極)
次に、第1の絶縁膜を介してストライプ状凸部上面のp電極と電気的に接続する、Ti/Pt/Auからなるpパッド電極24を形成した。
【0128】
(接合層)
次に、pパッド電極の上に第1の接合層171を形成した。本発明の半導体レーザ素子の第1の接合層は、第1の共晶層からなり、各層は、p型半導体層側からSn/Auの順に膜厚30000Å/1000Åで形成した。
他方、導電性基板を用意する。膜厚が200μmでありCu20%、W80%から成る導電性基板の表面に第2の接合層172をTi/Pt/Auの順に膜厚2000Å/3000Å/12000Åで形成した。
次に前記第1の接合層171と、導電性基板の第2の接合層172とを接合させて、両者を貼り合わせた。240℃でプレス圧力をかけた。ここで共晶形成層が形成される。その後、研削によってサファイア基板を除去後、露出したn型コンタクト層をKOH及びコロイダルシリカ(K2SiO3)を用いてケミカルポリッシュ研磨して面荒れを無くした。
次に前記n型コンタクト層上にn電極19をW−Si/Pt/Auの順に膜厚200Å/2000Å/6000Åで形成した。その後、導電性基板を100μmまで研磨した後、導電性基板の裏面にTi/Pt/Auを1000Å/2000Å/3000Åで成膜した後、ダイシングを行って素子を分離した。
【0129】
図6は、得られた窒化物半導体レーザ素子の構造を示す模式断面図である。
素子は、導電性基板18上に、接合層17、第1の絶縁膜22を介してp電極16と電気的に接続するpパッド電極24、p電極16、窒化物半導体から成る積層体12、そしてn電極19が順次積層され、p電極16とn電極19とが対向するように配置された構造を有している。さらに、積層体12はそのエッチングされた側面に、ミラーを形成する第2の絶縁膜23を有している。なお、接合層17は、導電性基板18と積層体12とを接合する役割を果たすものであり、第1の接合層171と第2の接合層172とが一体化して構成されている。
【0130】
以上のようにして得られる窒化物半導体レーザ素子は、従来のn電極にTi/Al/Ti/Pt/Auを用いたときと比べてしきい値電圧が低下し、n電極がn型コンタクト層と良好なオーミック接触が得られていることが確認された。
【0131】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の窒化物半導体素子は、p電極とn電極とが対向配置された構造を有し、n型不純物を含む合金層を有するn電極を、その合金層がn型窒化物半導体層の(000−1)面に接するように形成し、n電極が(000−1)面と良好なオーミック接触を得られるようにしたので、素子の小型化が可能で、放熱性に優れ、発光出力の高い素子を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る窒化物半導体素子の構造の一例を示す模式断面図である。
【図2】 本発明に係る窒化物半導体素子の製造方法の一例を示す模式断面図(1)である。
【図3】 本発明に係る窒化物半導体素子の製造方法の一例を示す模式断面図(2)である。
【図4】 本発明に係る窒化物半導体素子の製造方法の一例を示す模式断面図(3)である。
【図5】 本発明に係る窒化物半導体素子の製造に用いる窒化物半導体の積層体の構造の一例を示す模式断面図である。
【図6】 本発明に係る窒化物半導体レーザ素子の構造の一例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 成長用基板、2,12 積層体、3,13 n型窒化物半導体層、31aバッファ層、31b 高温成長層、32 下地層、33 n型クラッド層、331 ディンプル、34 n型コンタクト層、35 n型第1多層膜層、36 n型超格子多層膜層、4,14 活性層、5,15 p型窒化物半導体層、51p型クラッド層、52 p型コンタクト層、53 p型低濃度ドープ層、6,16 p電極、7,17 接合層、71,171 第1の接合層、72,172第2の接合層、8,18 導電性基板、9,19 n電極、10 分離溝、20 p側保護膜、21 n側保護膜、22 第1の絶縁膜、23 第2の絶縁膜、24 pパッド電極。
Claims (6)
- 窒化物半導体からなる積層体の一方の主面にp電極を形成する一方、他方の主面にn電極を形成し、両電極を対向配置してなる窒化物半導体素子であって、
上記の他方の主面がn型窒化物半導体層の(000−1)面であり、上記n電極が、該(000−1)面に接しn型不純物としてSiを含む合金層を有し、前記合金層を構成する金属が、Al、Ag、Ti、Mo、Nb、Ta、Hf、Pt及びWからなる群から選択された少なくとも1種の金属である窒化物半導体素子。 - 前記合金層が、W x Si 1−x (0.3≦x<1)である請求項1記載の窒化物半導体素子。
- 前記n電極とp電極が窒化物半導体の積層方向から見て、互いに重ならないように対向配置されている請求項1又は2に記載の窒化物半導体素子。
- 前記n電極は、合金層にさらに1以上の金属層を積層した多層膜である請求項1から3のいずれか一つに記載の窒化物半導体素子。
- 前記n型窒化物半導体層はn電極が形成された面に露出面を有し、前記露出面が凹凸を有する請求項1から4のいずれか一つに記載の窒化物半導体素子。
- 前記n型窒化物半導体層は、前記n電極以外の露出面を覆うようにSiO 2 、Al 2 O 3 、ZrO 2 、TiO 2 、Si 2 N 4 、MgF 2 、Nb 2 O 5 、Ta 2 O 5 から選択される絶縁性の保護膜を有する請求項1から5のいずれか一つに記載の窒化物半導体素子。
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