[go: up one dir, main page]

JP4460290B2 - パルス放出性製剤と、薬物の消化管吸収を強化する方法 - Google Patents

パルス放出性製剤と、薬物の消化管吸収を強化する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4460290B2
JP4460290B2 JP2003522463A JP2003522463A JP4460290B2 JP 4460290 B2 JP4460290 B2 JP 4460290B2 JP 2003522463 A JP2003522463 A JP 2003522463A JP 2003522463 A JP2003522463 A JP 2003522463A JP 4460290 B2 JP4460290 B2 JP 4460290B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
oligonucleotide
oligonucleotides
formulation
combination
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003522463A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005505533A5 (ja
JP2005505533A (ja
Inventor
ウェインバッハ,スーザン・ピー
ティルマン,ロイド・ジー
ギアリー,リチャード・エス
ハーディー,グレゴリー・イー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ionis Pharmaceuticals Inc
Original Assignee
Ionis Pharmaceuticals Inc
Isis Pharmaceuticals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ionis Pharmaceuticals Inc, Isis Pharmaceuticals Inc filed Critical Ionis Pharmaceuticals Inc
Publication of JP2005505533A publication Critical patent/JP2005505533A/ja
Publication of JP2005505533A5 publication Critical patent/JP2005505533A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4460290B2 publication Critical patent/JP4460290B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/48Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
    • A61K9/4808Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate characterised by the form of the capsule or the structure of the filling; Capsules containing small tablets; Capsules with outer layer for immediate drug release
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/04Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for ulcers, gastritis or reflux esophagitis, e.g. antacids, inhibitors of acid secretion, mucosal protectants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/02Drugs for skeletal disorders for joint disorders, e.g. arthritis, arthrosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/48Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
    • A61K9/4891Coated capsules; Multilayered drug free capsule shells

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Description

[発明の分野]
本発明は、薬物(特にオリゴヌクレオチド)の消化管吸収を強化する組成物及び方法に関する。より詳しくは、本発明は、浸透促進剤と組み合わせた薬物の第1パルスと、浸透促進剤の第1パルスによる放出によって吸収されない薬物の吸収を促進するための浸透促進剤の第2パルスとをデリバリーする経口薬剤に関する。
発明の背景
バイオテクノロジー分野における進歩は、以前は治療が困難であった疾患(例えば、癌、遺伝的疾患、関節炎及びAIDSなど)の治療に顕著な進歩を生じている。多くの、このような進歩は、対象(特にヒト対象)へのオリゴヌクレオチド及びその他の核酸の投与を伴う。このような分子の非経口的経路による投与は、疾患及び/又は障害の治療に有効であることが判明している。例えば、哺乳動物の眼の硝子体液へアンチセンス・オリゴヌクレオチドを直接デリバリーするための手段として、硝子体内注射を開示するDraper et al.,米国特許第5,595,978号(1997年1月27日)を参照されたい。さらに、それぞれ、アンチセンス・オリゴヌクレオチドの静脈内注入によるCrohn病の治療を考察している、Robertson,Nature Biotechnology,1997,15,209,及びGenetic Engineering News,1997,15,1も参照されたい。
オリゴヌクレオチド及びその他の核酸を含めた薬物の経口投与は、無菌処置及び投与に伴う出費(例えば、入院及び/又は医師の費用)を必要としない、簡単で、容易な、有害でない投与の見込みをしばしば提供する。しかし、粘膜バリヤー(即ち、口腔、直腸、膣及び鼻腔)を横切っての、幾つかの種類の薬物の吸収は、しばしば、乏しい。
薬物は、それらの薬物の溶解性及び浸透性に基づいて、4カテゴリーのいずれかに分類することができる。薬物の吸収可能性に関する、薬物の関連する物理的及び生物物理的性質に基づいて薬物を分類するための、この生物薬剤学系について考察する、Amidon,et al.,Pharm.Res.12:413-420(1995)を参照されたい。主として、製薬業界及び規制団体は、この系の妥当性を認識し、多くの薬物開発の試みにおいて、この概念が考慮されると予想している。このことは、2000年8月に発行された食品医薬品局のガイダンス:“Waiver of In Vivo Bioavailability and Bioequivalence Studies for Immediate-Release Solid Oral Dosage Forms Based on a Biopharmaceutics Classification System”によって例証される。簡単に説明すると、低い(用量関連)溶解性、又は低浸透性、又はこれらの両方を示す薬物は、経口投与される薬物の場合には、粘膜バリヤー(例えば、消化管上皮など)を横切る吸収が低い傾向を示す。低溶解性薬物の可溶化を促進するために、非常に多くの有効な方法が提案されているが、今のところ、低浸透性を示す薬物(特に、例えばオリゴヌクレオチド又はタンパク質のようなマクロ分子)の大部分をデリバリーするための有効で、実用的な(即ち、非侵襲的な)手段は現在存在しない。
経口投与される薬物の吸収を強化するアプローチの1つは、多数の用量(multiple doses)の薬物が、遅延放出用被膜を使用することによって、単一製剤から放出されるパルス放出性製剤である(米国特許第5,508,040号、第6,117,450号、第5,840,329号、第5,814,336号及び第5,686,105号、これらの全内容は本明細書に援用される)。経口投与される薬物(特に、オリゴヌクレオチド)の吸収及びバイオアベイラビリティを強化するための組成物及び方法を提供することが熱望されている。
[発明の概要]
アンチセンス・オリゴヌクレオチドを始めとする薬物の経口デリバリーに関する幾つかの利点のために、本発明の組成物及び方法は、本明細書でさらに詳細に説明するように、治療方法において用いることができる。本明細書で提供する組成物及び方法は、動物における種々のタンパク質及び遺伝子(動物の発達に必須であるものを含む)の機能を検査するためにも、使用可能である。本発明の方法は、薬剤的に活性な経口化合物によって治療可能なあらゆる疾患(例えば、潰瘍性大腸炎、リウマチ様関節炎、Crohn病、炎症性腸疾患又は過度の細胞増殖など)に罹患したと知られる又は疑われる動物の治療に用いることができる。
1つの実施態様において、本発明は、腸での薬物吸収を強化するための遅延放出性経口製剤であって、
(a)上記薬物及び浸透促進剤を含み、該薬物と該浸透促進剤とを消化管における第1位置で放出する、第1粒子集団と
(b)浸透促進剤及び遅延放出用被膜又はマトリックスを含み、該浸透促進剤を、前記第1位置から下流の、該消化管の1つ以上の付加的位置で放出し、それによって、該薬物が該付加的位置に達したときに、該薬物の吸収が促進されるようにする、1つ以上の付加的粒子集団
とを含む上記製剤である。
好ましくは、薬物は、大きなマクロ分子であり、例えば、タンパク質、ペプチド、核酸(DNA又はRNA)、オリゴヌクレオチド、酵素、代謝制御剤、プロテアーゼ阻害剤、化学療法剤、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、ワクチン、モノクローナル抗体、又はポリクローナル抗体などである。この好ましい実施態様の1つにおいて、オリゴヌクレオチドはアンチセンス・オリゴヌクレオチドである。好ましくは、(a)と(b)における浸透促進剤は同じものである。或いは、(a)と(b)における浸透促進剤は異なるものである。この好ましい実施態様の1態様では、浸透促進剤は、脂肪酸、胆汁酸、キレート化剤、アニオン、カチオン若しくは非イオン界面活性剤又は非キレート化非界面活性剤、又はこれらの製薬的に受容される塩である。
該脂肪酸は、アラキドン酸、オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプレート、トリカプレート、モノオレイン、ジラウリン、グリセリル1−モノカプレート、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、アシルカルニチン、アシルコリン、モノグリセリド、又はこれらの製薬的に受容される塩であることが有利である。脂肪酸には、飽和であるか又は1つ以上の不飽和結合を有する、炭素原子8〜20個を有する脂肪酸、並びにそれらの塩及びグリセリドが含まれる。
好ましくは、該胆汁酸は、コール酸、デヒドロコール酸、デオキシコール酸、グルコール酸、グリコール酸、グリコデオキシコール酸、タウロコール酸、タウロデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、タウロ−24,25−ジヒドロフシジン酸ナトリウム、グリコジヒドロフシジン酸ナトリウム、またはこれらの製薬的に受容される塩である。この好ましい実施態様の1態様では、該キレート化剤は、EDTA、EGTA、クエン酸、サリチレート、コラーゲンのN−アシル誘導体、β−ジケトンのN−アミノアシル誘導体、及びこれらの混合物である。
界面活性剤は、アニオン、カチオン若しくは非イオン界面活性剤、例えば、エチレン及び/又はプロピレンオキシド誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びエステル、ポリソルベート、ポロキサマー、アルキル硫酸ナトリウム、及びポリエチレングリコール誘導体を包含する。
該非キレート化非界面活性剤が、不飽和環状尿素、1−アルキル−アルカノン、1−アルケニルアザシクロアルカノン、ステロイド抗炎症剤、及びこれらの混合物であることが好ましい。好ましくは、該製剤は、カプセル剤、錠剤、圧縮被覆錠剤、二層錠剤、三層錠剤、サシェ剤、液体充填カプセル剤、又は液体成分と固体成分の両方を含むカプセル剤である。この好ましい実施態様の1態様では、生体接着性(bioadhesive)キャリヤー粒子が用いられる。該キャリヤー粒子は、ポリアミノ酸、ポリイミン、ポリアクリレート、ポリアルキルアクリレート、ポリオキセタン、ポリアルキルシアノアクリレート、カチオン化ゼラチン、アルブミン、デンプン、アクリレート、ポリエチレングリコール、DEAE誘導体化ポリイミン、ポルラン、セルロース、キトサン、ポリ−L−リシン、ポリヒスチジン、ポリオルニチン、ポリスペルミン、プロタミン、ポリビニルピリジン、ポリチオジエチルアミノメチレン P(TDAE)、ポリアミノスチレン、ポリ(メチルシアノアクリレート)、ポリ(エチルシアノアクリレート)、ポリ(ブチルシアノアクリレート)、ポリ(イソブチルシアノアクリレート)、ポリ(イソヘキシルシアノアクリレート)、DEAE−メタクリレート、DEAE−エチルヘキシルアクリレート、DEAE−アクリルアミド、DEAE−アルブミン、DEAE−デキストラン、ポリメチルアクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(DL−乳酸−コ−グリコール酸)(PLGA)、またはポリエチレングリコール(PEG)を含むことが有利である。この好ましい実施態様の1態様では、該キャリヤー粒子はカチオンである。有利には、該カチオン粒子は、ポリ−L−リシンとアルギネートとの複合体、プロタミンとアルギネートとの複合体、リシン、ジリシン、トリリシン、カルシウム、アルブミン、グルコサミン、アルギニン、ガラクトサミン、ニコチンアミド、クレアチン、リシン−エチルエステル又はアルギニン−エチルエステルを含む。好ましくは、遅延放出用被膜又はマトリックスは、アセテートフタレート、プロピレングリコール、ソルビタンモノオレエート、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸トリメリト酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、メタクリレート、キトサン、グアールガム、ポリエチレングリコール(PEG)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、エチルセルロース、又は酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)である。
好ましくは、全ての粒子集団は、ほぼ等しい割合(即ち、約50%)の浸透促進剤を含む。より好ましくは、各粒子集団は、異なる割合の浸透促進剤を含む。第1キャリヤー粒子集団は約50%の前記浸透促進剤を含み、第2キャリヤー粒子集団は約50%の浸透促進剤を含む。さらに好ましくは、第1キャリヤー粒子集団は約70%の浸透促進剤を含み、前記第2キャリヤー粒子集団は約30%の浸透促進剤を含む。
発明の詳細な説明
本発明は、生物学的に活性な物質の消化管吸収の強化を生じる経口薬剤組成物を提供する。特に、本発明は、薬物(好ましくは、アンチセンス・オリゴヌクレオチド及びその他の核酸)の消化管吸収を強化し、それによって、静脈内及び他の非経口投与経路での投薬に付随しうる併発症及び出費を回避するための組成物及び方法を提供する。この強化は、少なくとも2つの粒子集団をカプセル封入することによって得られる。第1粒子集団は、生物学的活性物質及び浸透促進剤を含み、第2(及び任意の付加的な)粒子集団は、浸透促進剤及び遅延放出用被膜又はマトリックスを含む。
これらの薬剤組成物を、直腸、膣、鼻腔又は肺経路によって投与した場合に、生物学的活性物質の吸収を強化することができると考えられる。また、生物学的活性物質の放出は、消化管の如何なる部分でも達成されうるとが考えられる。
生物学的活性物質のバイオアベイラビリティの強化も、本発明の組成物及び方法の経口投与によって達成される。“バイオアベイラビリティ”なる用語は、薬物を動物に導入するために非経口的でない投与形式を用いる場合に、投与された薬物のうち、どれほどの割合が循環系まで到達するかを測定したものである。この用語は、薬物の最終的作用部位が細胞内であるとしても、薬効が得られる血中濃度に関係するような薬物に対して用いられる(Van Berge-Henegouwen et al.,Gastroenterol.,1977,73,300)。伝統的に、バイオアベイラビリティ研究においては、経口投与後の薬物の末梢血レベルの変化を測定することによって、薬物の腸吸収度を決定する(DiSanto,Chapter76 In:Remington's Pharmaceutical Sciences,18th Ed.,Gennaro,ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA,1990,pages1451-1458)。曲線下面積(AUC0)を静脈内(i.v.)投与後の曲線下面積(AUCiv)で除して、その商を用いて、吸収された薬物の割合(fraction)を算出する。しかし、大きな“初回通過クリアランス(first pass clearance)”を有する化合物(即ち、肝摂取が迅速なため、吸収された物質のごく一部のみが末梢血に入るような化合物)に関しては、この方法を用いることができない。このような化合物に対しては、他の方法を用いて、絶対バイオアベイラビリティを決定しなければならない(van Berge-Henegouwen et al.,Gastroenterol.,1977,73,300)。オリゴヌクレオチドに関しては、オリゴヌクレオチドがi.v.投与後に血漿から迅速に排除されて、主として肝臓及び腎臓に蓄積されることが、研究により示している(Miyano et al.,Antisense Res.Dev.,1995,5,115;Takakura et al.,Antisense & Nucl.Acid Drug Dev.,1996,6,177)。
経口投与された薬物に該当する、他の“初回通過効果”は、胃酸及び種々の消化酵素の作用による分解である。その上、多くの高分子量活性剤(例えば、ペプチド、タンパク質及びオリゴヌクレオチド)及び一部の慣用的及び/又は低分子量薬物(例えば、インシュリン、バソプレッシン、ロイシン エンケファリン等)の、粘膜経路(例えば、口腔、肺、頬側、直腸、経皮、膣及び眼)を介した血流への進入は、上皮細胞を横切る輸送が乏しいことと輸送中に同時に起こる代謝とによって、しばしば妨害される。オリゴヌクレオチド及び核酸に関して、このタイプの分解代謝が知られている。例えば、ホスホジエステラーゼは、オリゴヌクレオチドのホスホジエステル結合と、合成オリゴヌクレオチド及び核酸中に存在する多くの他の修飾結合を切断することが知られている。
初回通過クリアランス効果を改善する1つの手段は、投与される薬物の投与量を増大して、それによって初回通過クリアランスで失われる薬物の割合を補填することである。このことは、例えば、単純に動物により多くの薬物を与えることによって、i.v.投与によって容易に達成されうるが、他の要因が、非経口的でない手段によって投与される薬物のバイオアベイラビリティに影響を及ぼす。例えば、薬物は、消化管若しくは血流中で酵素的若しくは化学的に分解される可能性があり、及び/又は、種々の粘膜に不浸透性若しくは半浸透性である可能性がある。
本発明の遅延放出性パルス薬剤は、少なくとも2つの粒子集団を含む。第1粒子集団は、対象の生物学的活性物質と浸透促進剤(吸収促進剤としても知られる)とを含む。これらは、生物学的活性物質の、粘膜表面及び他の上皮細胞膜(特に、腸粘膜)を横切っての輸送を促進する物質である。第1粒子集団は、消化管(即ち、腸)の第1位置で製剤から放出されて、迅速に生物学的活性物質及び浸透促進剤を放出する(第1パルス)。該浸透促進剤は該生物学的活性物質の吸収を促進する。しかし、該促進剤は迅速に吸収されるので、生物学的活性物質の全投与量の吸収を促進するためには、促進剤の量はしばしば不充分である。本発明は、浸透促進剤と遅延放出用被膜又はマトリックスとを含んでなる粒子の第2(及び任意の付加的)集団を設けることによって、この問題を解決する。該遅延放出用被膜又はマトリックスのために、第2粒子集団中の浸透促進剤は、該第1位置から下流の消化管内で放出され、そこで、該浸透促進剤は、生物学的活性物質がこの部位に達したときに、更なる吸収を促進する(第2パルス)。第1粒子集団中の浸透促進剤は、第2粒子セット中の浸透促進剤と同じものでも、また異なるものでもよい。第1粒子集団中の浸透促進剤の割合は、投与形(dosage form)中の浸透促進剤の総量の約1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%のいずれかでありうる。第2粒子集団中の浸透促進剤の割合は、投与形中の浸透促進剤の総量の約99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%又は10%のいずれかでる。好ましい実施態様では、浸透促進剤は、投与形中の全ての粒子集団に均等に分配される。特に好ましい実施態様では、浸透促進剤は、種々な粒子集団に均等に分配されない。最も好ましくは、第1集団は、少なくとも50%の浸透促進剤を含む。遅延時間は、第2粒子集団上の遅延放出用被膜の厚さを変えることによって調節することができ、このことは、より厚い被膜はより長い遅延時間を生じるように、当業者に知られている。或いは、遅延放出用マトリックスの量を変えることによって、遅延時間を調節することができる。
生物学的活性物質とは、in vitro及び/又はin vivoで生物学的効果を発揮する任意の分子、又は分子の混合物若しくは複合体を意味し、医薬品、薬物、タンパク質、ビタミン、ステロイド、ポリアニオン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、抗体、ポリヌクレオチド等を包含する。好ましくは、本発明の製剤には、低吸収マクロ分子(poorly absorbed macromolecules)が用いられる。
薬物は、動物(特にヒト)における疾患の、予防、診断、軽減、治療又は治癒に用いられる治療剤又は予防剤を意味する。治療的に有用なオリゴヌクレオチド及びポリペプチドは、この薬物の定義内に入る。
浸透促進剤は、非限定的に、例えば界面活性剤、脂肪酸、胆汁酸、キレート化剤、非キレート化非界面活性剤分子、及びこれらの塩といった分子群の一員を包含する(Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,p.92)。キャリヤーは、バイオアベイラブルな薬物の量を低下させるようなプロセスを防ぐために、本発明の組成物中に含ませることができる、不活性な分子である。
本発明に関連して、界面活性剤(又は“表面−活性剤”)とは、水溶液中に溶解した場合に、溶液の表面張力、又は水溶液と他の液体との間の界面張力を減じて、その結果、消化管粘膜及び他の上皮膜を通してのオリゴヌクレオチドの吸収を促進させるという結果をもたらす化学的物質である。胆汁酸、脂肪酸及びそれらの塩の他に、界面活性剤は、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル及びポリオキシエチレン−20−セチルエーテル(Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,p.92);及びペルフルオロケミカル・エマルジョン、例えばFC−43(Takahashi et al.,J.Pharmacol.,1988,40,252)を包含する。
浸透促進剤として作用し、本発明の組成物中に使用可能な脂肪酸及びそれらの塩は、C−C20の飽和又は不飽和の、直鎖、分枝鎖又は環状化合物を包含し、例えば、オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸(n−デカン酸)(C10)、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプレート、トリカプレート、モノオレイン(1−モノオレオイル−rac−グリセロール)、ジラウリン、カプリル酸、アラキドン酸、グリセリル1−モノカプレート、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、アシルカルニチン、アシルコリン、並びにこれらのモノ−及びジ−グリセリド及び/又はこれらの生理的に許容される塩(即ち、オレイン酸塩、ラウリン酸塩、カプリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、リノール酸塩等)を包含する(Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,p.92;Muranishi,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1990,7,1;EI-Hariri et al.,J.Pharm.Pharmacol.,1992,44,651)。
多様な胆汁酸及び塩も、浸透促進剤として作用して、薬物の摂取及びバイオアベイラビリティを促進する。胆汁の生理的役割は、脂質及び脂溶性ビタミンの分散及び吸収を促進することである(Brunton,Chapter 38 In:Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics,9th Ed.,Hardman et al.,McGraw-Hill,New York,NY,1996,pages934-935)。種々な天然胆汁酸塩及びそれらの合成誘導体は、浸透促進剤として作用する。したがって、“胆汁酸塩”なる用語は、胆汁の如何なる自然生成成分をも、並びに如何なるそれらの合成誘導体をも包含する。本発明の胆汁酸塩は、例えば、コール酸(又はその製薬的に受容されるナトリウム塩、コール酸ナトリウム)、デヒドロコール酸(デヒドロコール酸ナトリウム)、デオキシコール酸(デオキシコール酸ナトリウム)、グルコール酸(グルコール酸ナトリウム)、グリコール酸(グリコール酸ナトリウム)、グリコデオキシコール酸(グリコデオキシコール酸ナトリウム)、タウロコール酸(タウロコール酸ナトリウム)、タウロデオキシコール酸(タウロデオキシコール酸ナトリウム)、ケノデオキシコール酸(CDCA、ケノデオキシコール酸ナトリウム)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、タウロ−24,25−ジヒドロ−フシジン酸ナトリウム(STDHF)及びグリコジヒドロフシジン酸ナトリウムを包含する(Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,p.92;Swinyard,Chapter 39 In:Remington's Pharmaceutical Sciences,18th Ed.,Gennaro,ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA,1990,pages782-783; Muranishi,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1990,7,1;Yamamoto et al.,J.Pharm.Exp.Ther.,1992,263,25;Yamashita et al.,J.Pharm.Sci.,1990,79,579)。
本明細書において用いられるキレート化剤は、これと錯体を形成することによって溶液から金属イオンを除去して、その結果、消化管粘膜及び他の上皮膜を通してのオリゴヌクレオチドの吸収を促進する化合物であると定義できる。本発明における浸透促進剤としてのキレート化剤の使用に関して、特性が明らかにされているDNAヌクレアーゼの大部分は触媒作用のために二価金属イオンを必要とし、したがって、キレート化剤によって阻害されるので、キレート化剤はDNアーゼの阻害剤としても機能するという付加的利点を有する(Jarrett,J.Chromatogr.,1993,618,315)。本発明のキレート化剤は、非限定的に、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)、EGTA、クエン酸、サリチレート(例えば、サリチル酸ナトリウム、5−メトキシサリチレート及びホモバニレート)、コラーゲンのN−アシル誘導体及びβ−ジケトンのN−アミノアシル誘導体(エナミン)を包含する(Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,p.92;Muranishi,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1990,7,1;Buur et al.,J.Control Rel.,1990,14,43)。
本明細書で用いる限り、非キレート化非界面活性剤は、キレート化剤としても、また界面活性剤としても有意な活性を示さないが、それにも拘わらず、消化管及びその他の粘膜を通してのオリゴヌクレオチドの吸収を強化する化合物として定義することができる(Muranishi,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1990,7,1)。このクラスの浸透促進剤は、非限定的に、不飽和環状尿素、1−アルキル−及び1−アルケニルアザシクロ−アルカノン誘導体(Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,p.92);及び非ステロイド系抗炎症薬(例えば、ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、及びフェニルブタゾン(Yamashita et al.,J.Pharmacol.,1987,39,621))を包含する。
細胞レベルでのオリゴヌクレオチドの摂取を強化する作用剤も、本発明の薬剤組成物及びその他の組成物に加えることができる。例えば、カチオン性脂質(例えば、リポフェクチン(Junichi et al.,米国特許第5,705,188号))、カチオン性グリセロール誘導体、及びポリカチオン性分子(例えば、ポリリシン(Lollo et al.,PCT出願WO97/30731))を用いることができる。
粒子集団を組み込むことができる医薬製剤は、例えば、カプセル剤、錠剤、圧縮被覆錠剤又は二層状錠剤であることができる。好ましい実施態様では、これらの製剤は、胃での分解に耐えて、腸管腔中で溶解する腸溶性外被を含む。好ましい実施態様では、該製剤は、胃の強烈なpHから核酸を保護するのに有効な,又は特定の粘膜部位への核酸のデリバリーを最適化するための長時間にわたる核酸の放出に有効な、腸溶性物質を含む。耐酸性の錠剤、カプセル剤及びキャプレット(caplet)のための腸溶性物質は、当該技術分野で知られており、典型的に、アセテートフタレート、プロピレングリコール、ソルビタンモノラウレート、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸トリメリト酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、メタクリレート、キトサン、グアールガム、ペクチン、ローカスビーンガム及びポリエチレングリコール(PEG)を包含する。メタクリレートの特に有用なタイプの1つは、EudragitsTMである。これらは、低いpHでは水不浸透性であるが、腸管のpHではイオン化及び溶解する、アニオン性ポリマーである。EUDRAGITSTM L100及びS100は、メタクリル酸とメチルメタクリレートとのコポリマーである。
腸溶性物質は、投与形に組み込むことができるか、又は錠剤、カプセル剤若しくはキャプレットの外表面を実質的に被覆する被膜であることができる。腸溶性物質に、例えば錠剤硬化又は熟成中の破損に耐えるために該物質にフレキシブルな弾力性を与える、可塑剤を加えることもできる。可塑剤は当該技術分野で知られており、典型的に、ジエチルフタレート(DEP)、トリアセチン、ジブチルセバケート(DBS)、ジブチルフタレート(DBP)及びトリエチルシトレート(TEC)を包含する。
本発明の製剤の“製薬的に受容される”成分は、賦形剤、希釈剤、安定剤、保存剤及び他の成分と共に用いられる場合に、製剤の性質、組成及び投与形式に適切である成分である。したがって、薬物(特にオリゴヌクレオチド)の摂取を、該薬物の活性を妨害することなく、さらに、該薬物を、許容されない副作用(例えば毒性、刺激又はアレルギー反応など)なしに動物体内に導入できる方法で、促進する浸透促進剤を選択することが望ましい。
“粒子”とは、本明細書では、顆粒、ビーズ、ミクロ粒子、ミニ粒子、ミニ錠剤、ナノ粒子、又は上記経口医薬製剤中に組み込まれうる、任意の他の投与形として定義される。
“キャリヤー粒子”とは、本明細書では、主として、生体活性(bioactive)物質又は浸透促進剤以外の機能を果たすものを含む粒子として定義される。
好ましいキャリヤー粒子形成物質は、ポリアミノ酸、ポリイミン、ポリアクリレート、デンドリマー、ポリアルキルシアノアクリレート、カチオン化ゼラチン、アルブミン、デンプン、アクリレート、ポリエチレングリコール(PEG)、DEAE誘導体化ポリイミン、ポルラン及びセルロースを包含する。
他の好ましい実施態様では、キャリヤー粒子形成物質は、ポリカチオン性ポリマーを包含し、例えば、キトサン、ポリ−L−リシン、ポリヒスチジン、ポリオルニチン、ポリスペルミン、プロタミン、ポリビニルピリジン、ポリチオジエチルアミノ−メチレンP(TDAE)、ポリアミノスチレン(例えば、パラ−アミノ)、ポリ(メチルシアノアクリレート)、ポリ(エチルシアノアクリレート)、ポリ(ブチルシアノアクリレート)、ポリ(イソブチルシアノアクリレート)、ポリ(イソヘキシルシアノアクリレート)、DEAE−メタクリレート、DEAE−ヘキシルアクリレート、DEAE−アクリルアミド、DEAE−アルブミン、及びDEAE−デキストランを包含する。他の好ましい実施態様では、粒子形成物質は、アルギネートとのポリ−L−リシン複合体である。
他の実施態様では、キャリヤー粒子形成物質は、非ポリカチオン性である、即ち、ポリアクリレート、例えばポリアルキルアクリレート(例えば、メチル、ヘキシル)、ポリオキセタン、ポリ(DL−乳酸−コ−グリコール酸)(PLGA)及びポリエチレングリコールなどのように、全体で中性又は負の電荷を有する。
他の実施態様では、本発明の医薬製剤は、粒子を粘膜に接着させるのに役立つ生体接着性物質をさらに含むことができる。PLL−アルギネート・キャリヤー粒子の場合のように、キャリヤー粒子自体が生体接着性であることが可能である、又はキャリヤー粒子を生体接着性物質で被覆することができる。このような物質は、製剤技術分野で周知であり、その例はPCT WO85/02092(これの内容は、本明細書に援用される)に記載されている。好ましい生体接着性物質は、ポリアクリルポリマー(例えば、カルボマー(carbomer)と、カルボマー誘導体)、トラガカント、ポリエチレンオキシド・セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)及びカルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)、カラヤゴム、デンプン、ゼラチン並びにペクチンを包含する。
本発明の製剤はさらに、横切られる粘膜部位でムチンを部分的に又は完全に分解又は侵食するように機能する粘液溶解性(mucolytic)物質を含むことができる。粘液溶解性物質は製剤技術分野で周知であり、粘液溶解性物質には、N−アセチルシステイン、ジチオトレイトール、ペプシン、ピロカルピン、グアイフェネシン、グリセロール・グアイアコレート、抱水テルピン、塩化アンモニウム、グアッテネシン(guattenesin)、アムブロキソール、ブロムヘキシン、カルボシステイン、ドミオドール、レトステイン、メシステイン、メスナ、ソブレロール、ステプロニン、チオプロニン及びチロキサポールが包含される。
薬物にキャリヤー粒子を、該薬物及びキャリヤー粒子並びにキャリヤー粒子の調製方法に応じて、静電的(イオン性、極性、Van der Waals)、共有結合的又は機械的(非静電性、非共有結合)相互作用によって結合させることができる。例えば、オリゴヌクレオチドのようなアニオン性薬物には、イオン性相互作用によって、カチオン性キャリヤー粒子を結合させることができる。
該粒子は、賦形剤を含むこともできる。典型的な製薬的賦形剤は、非限定的に、結合剤(例えば、α化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース等);充填剤(例えば、ラクトース及び他の糖、微結晶性セルロース、ペクチン、ゼラチン、硫酸カルシウム、エチルセルロース、ポリアクリレート又はリン酸水素カルシウム等);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ、コロイド二酸化ケイ素、ステアリン酸、ステアリン酸金属塩(metallic stearates)、水素化植物油、コーンスターチ、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等);崩壊剤(例えば、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、EXPLOTAB);及び湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等)を包含する。
好ましい実施態様では、第2又はそれ以後の粒子集団(浸透促進剤を含む)はさらに遅延放出用被膜若しくはマトリックスを含み、遅延放出用被膜若しくはマトリックスを含まない第1粒子集団から薬物と浸透促進剤が放出された部位よりも下流の消化管の位置に達するまで、溶解が遅延させられる。この遅延放出用被膜若しくはマトリックスは、上記医薬製剤(例えば、カプセル剤若しくは錠剤)上の遅延放出用被膜若しくはマトリックスに比べて、異なるものであるか、又は異なる厚さを有することができ、第1粒子集団から薬物と浸透促進剤との組み合わせが放出された後に、浸透促進剤を放出させる。好ましい実施態様では、第2粒子集団上の該被膜はpH依存性ではない。HPMCサブコートを、遅延放出用被膜の前に塗布し、遅延放出用被膜を接着させるための改良された表面を与えることができる。
医薬製剤に、経口投与後に腸(小腸又は結腸)をターゲットにさせるためには、実際に3つのメカニズムがある。つまり、結腸細菌酵素による又はミクロフローラが作る還元性環境による活性化、pH依存性被膜、及び時間依存性被膜(被膜厚さ)である。
遅延放出用被膜と、それらの溶解に影響を及ぼす性質とは、当該技術分野で周知であり、例えば、Bauer et al.,Coated Pharmaceutical Dosage Forms,Medpharm Scientific Publishers,CRC Press,New York,1998 及びWatts et al.,による,Grug Devel,Industr.Pharm.23:893-913,1997に記載されており、これらの文献の全内容は本明細書に援用される。
本発明の組成物はさらに、薬剤組成物中に伝統的に見出される他の添加成分を当該技術分野で確立されたそれらの使用量で含むことができる。したがって、該組成物は、付加的な、適合性の薬剤学的有効物質(例えば、痒み止め、収斂剤、局部麻酔薬又は抗炎症薬など)を含有することができ、また、本発明の組成物の種々な投与形を物理的に製剤化する上で有用な付加的物質(例えば、染料、フレーバー剤、保存剤、酸化防止剤、不透明化剤(opacifier)、増粘剤及び安定剤など)を含有することができる。しかし、このような物質は、添加した場合に、本発明の組成物の成分の生物学的活性を不当に妨害しない。
本発明の薬剤組成物は、大きいマクロ分子薬物(即ち、約800ダルトン以上の分子量を有するもの)並びに小さい分子をデリバリーするために用いられ、このような分子としては、ペプチド、タンパク質、モノクローナル抗体とそのフラグメント、核酸(DNA及びRNA)、オリゴヌクレオチドとアンチセンス・オリゴヌクレオチド、プロテアーゼ阻害剤、ワクチン、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、代謝制御剤、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤が含まれる。
好ましい実施態様では、製薬的な製剤は、モジュレーションすることが望まれる、タンパク質をコードするDNA又はメッセンジャーRNA(mRNA)の機能をアンチセンス・モジュレートするために用いられるオリゴヌクレオチドをデリバリーして、究極的には、このようなタンパク質の量を調節するために用いられる。アンチセンス・オリゴヌクレオチドとそのmRNAターゲットとのハイブリダイゼーションにより、mRNAの正常な役割が干渉され、細胞におけるmRNAの機能がモジュレートされる。干渉されるmRNAの機能としては、生命維持に必要なあらゆる機能が含まれ、例えば、タンパク質翻訳部位へのRNAの転位、RNAからのタンパク質の実際の翻訳、1つ以上のmRNA種を得るためのRNAのスプライシング、mRNAのターンオーバー又は分解、及び恐らくは、RNAが関与しうる独立した触媒活性さえも含まれる。mRNA機能のこのような干渉の総合的効果は、タンパク質の発現のモジュレーションである、この場合、“モジュレーション”とは、タンパク質の発現における増加(刺激)又は減少(阻害)のいずれかを意味する。本発明に関連して、阻害は遺伝子発現のモジュレーションの好ましい形式である。
本発明に関連して、“オリゴヌクレオチド”なる用語は、リボ核酸又はデオキシリボ核酸のオリゴマー又はポリマーを意味する。この用語は、天然で発生する核酸塩基、糖及び糖間(主鎖)共有結合からなるオリゴヌクレオチド、並びに機能は同じであるが非天然発生部分を有する修飾オリゴヌクレオチドを包含する。このような修飾された又は置換されたオリゴヌクレオチドは、その望ましい性質(例えば、強化された細胞取り込み、ターゲットへの強化された結合、及びヌクレアーゼの存在下での増強された安定性など)のために、天然型よりもしばしば好まれる。
本発明のオリゴヌクレオチドは、非限定的に、修飾された結合、修飾された核酸塩基、又は修飾された糖を有するような核酸、及びキメラ核酸でありうる。
オリゴヌクレオチドと他の核酸の多くの生物学的等価物(bioequivalents)も、本発明において使用することができる。それ故、本発明はさらに、例えば、非限定的に、オリゴヌクレオチドと核酸の同等物をも包含し、例えば、オリゴヌクレオチドと核酸のプロドラッグ、欠失誘導体、オリゴヌクレオチドのコンジュゲート、アプタマー及びリボザイムが包含される。
オリゴヌクレオチドは、一般に、ヌクレオチドとして知られる反復単位のポリマーである。非修飾(天然に生じる)ヌクレオチドは3つの成分を有する。つまり、(2)5−炭素環状糖及び(3)この糖の5位の炭素にエステル化したホスフェートに、(1)その窒素原子の1つによって連結した含窒素塩基を有する。第1ヌクレオチドのホスフェートは、オリゴヌクレオチド鎖中に組み入れられた場合に、隣接する第2ヌクレオチドの糖の3位の炭素にもエステル化する。非修飾オリゴヌクレオチドの“主鎖”は、(2)及び(3)、即ち、第1ヌクレオチドの糖の5位(5’)の炭素と、隣接する第2ヌクレオチドの3(3’)位の炭素との間のホスホジエステル結合によって一緒に連結された糖から成る。“ヌクレオシド”は、(1)核酸塩基と(2)糖との組み合わせであって、(3)ホスフェート部分が存在しない(Komberg,A.,DNA Replication,W.H.Freeman & Co.,San Francisco,1980,pages4-7)。オリゴヌクレオチドの主鎖は、一連の塩基が特定の順序で配置されている(慣例的に5’から3’という順序で書かれている)。このように記載された塩基列の表示は、ヌクレオチド配列として知られる。
オリゴヌクレオチドは、特定の核酸との特定のハイブリダイゼーションを達成するために、アイデンティティ(identity)と数において充分なヌクレオチド配列を含むことができる。遺伝子のセンス鎖の一部に特異的にハイブリダイズする、このようなオリゴヌクレオチドは、一般に、“アンチセンス”と表される。本発明に関連して、“ハイブリダイゼーション”は、相補的なヌクレオチド間の水素結合形成を意味し、この水素結合形成は、Watson−Crick、Hoogsteen又は逆Hoogsteen水素結合形成でありうる。例えば、アデニン及びチミンは、水素結合の形成によって対をなす相補的核酸塩基である。本明細書で用いる“相補的”とは、2つのヌクレオチド間の正確に対合する能力を意味する。例えば、オリゴヌクレオチドのある一定の位置におけるヌクレオチドが、DNA又はRNA分子の同じ位置におけるヌクレオチドと水素結合を形成することができる場合に、該オリゴヌクレオチドと該DNA又はRNAとはその位置において相互に相補的であると考えられる。該オリゴヌクレオチドと該DNA又はRNAとは、各分子中の充分な数の対応位置が、相互に水素結合を形成しうるヌクレオチドによって占有される場合に、相互に相補的である。したがって、“特異的にハイブリダイズ可能な”及び“相補的な”とは、オリゴヌクレオチドとDNA又はRNAターゲットとの間に安定で、特異的な結合が生じるような、充分な相補性度又は正確な対合を表わすために用いられる用語である。オリゴヌクレオチドが、特異的にハイブリダイズ可能である、そのターゲットDNA配列に100%相補性である必要がないことは、当該技術分野において理解される。ターゲットDNA又はRNA分子へのオリゴヌクレオチドの結合が該ターゲットDNA又はRNAの正常な機能を妨害して、機能の低下又は欠損を生じさせる場合に、該オリゴヌクレオチドは特異的にハイブリダイズ可能であり、特異的結合が望まれる状況下(即ち、in vivoアッセイ若しくは治療処置の場合の生理的状況下で、又はin vitroアッセイの場合には、アッセイが行なわれる状況下)で非ターゲット配列へのオリゴヌクレオチドの非特異的結合を避けるほどの充分な相補性度が存在する。
アンチセンス・オリゴヌクレオチドは、試験・研究用試薬、診断助剤及び治療剤として一般に用いられる。例えば、当業者は、特定の遺伝子の機能を解明するために、例えば、生物学的経路の種々なメンバーの機能を識別するために、鋭敏な特異性で遺伝子発現を阻害することができるアンチセンス・オリゴヌクレオチドをしばしば用いる。それ故、この特異的な阻害効果は、当業者によって、試験研究用途のために利用されている。アンチセンス・オリゴヌクレオチドはまた、ある種の疾患状態において存在するDNA又はmRNAに対するそれらの特異的結合又はハイブリダイゼーションに基づいて、並びにハイブリダイゼーションに基づくアッセイ及びポリメラーゼ連鎖反応の一部を利用する増幅アッセイが与える高度な感度のために、診断助剤としても用いられている。オリゴヌクレオチドの特異性及び感度はまた、当業者によって、治療用途にも利用されている。例えば、下記米国特許において、アンチセンス・オリゴヌクレオチドを利用する苦痛緩和方法、治療方法及び他の方法が実証されている。米国特許第5,135,917号は、ヒトインターロイキン−1受容体発現を阻害するアンチセンス・オリゴヌクレオチドを提供する。米国特許第5,098,890号は、c−myb癌遺伝子に相補的なアンチセンス・オリゴヌクレオチドとある種の癌状態についての、アンチセンス・オリゴヌクレオチド療法に関する。米国特許第5,087,617号は、アンチセンス・オリゴヌクレオチドによる癌患者の治療方法を提供する。米国特許第5,166,195号は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のオリゴヌクレオチド阻害剤を提供する。米国特許第5,004,810号は、単純ヘルペスウイルスVmw65 mRNAにハイブリダイズして、複製を阻害することができるオリゴマーを提供する。米国特許第5,194,428号は、インフルエンザウイルスに対する抗ウイルス活性を有するアンチセンス・オリゴヌクレオチドを提供する。米国特許第4,806,463号は、HTLV−III複製を阻害するためのアンチセンス・オリゴヌクレオチドと、それらの使用方法を提供する。米国特許第5,286,717号は、癌遺伝子の一部に対して相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを提供する。米国特許第5,276,019号と米国特許第5,264,423号は、細胞における異種核酸の複製を防止するために用いられるホスホロチオエート・オリゴヌクレオチド類似体に関する。米国特許第4,689,320号は、サイトメガロウイルス(CMV)に特異的な抗ウイルス剤としてのアンチセンス・オリゴヌクレオチドに関する。米国特許第5,098,890号は、ヒトc−myb遺伝子のmRNA転写体の少なくとも一部に相補的なオリゴヌクレオチドを提供する。米国特許第5,242,906号は、潜在性Epstein−Barrウイルス(EBV)感染症の治療に有用なアンチセンス・オリゴヌクレオチドを提供する。アンチセンス・オリゴヌクレオチドの他の例は、本明細書に記載する。
さらに、本発明の組成物に用いるオリゴヌクレオチドは、白血球及び他の細胞種の接着を調節するタンパク質の合成に関与するmRNA又はDNAの効果を修飾することに関連づけさせることもできる。血管内皮への白血球の付着は、5つの細胞接着分子ICAM−1、ICAM−2、ELAM−1、VCAM−1及びGMP−140によって、全体的にではないとしても、部分的に媒介されるように思われる(Dustin and Springer,J.Cell.Biol.1987,107,321)。このようなアンチセンス・オリゴヌクレオチドは、米国特許5,514,788(Bennett et al.,May7,1996)と米国特許5,591,623(Bennett et al.,January7,1997)、及び係属中の米国特許出願第08/440,740号(May12,1995出願)と第09/062,416号(April17,1998出願)に開示されるように、mRNAに直接又は、細胞間接着分子−1(ICAM−1)、内皮白血球接着分子−1(ELAM−1又はE−セレクチン)及び血管細胞接着分子−1(VCAM−1)をコードする、選択されたDNA部分にハイブリダイズするように設計される。これらのオリゴヌクレオチドは、ターゲットmRNAの活性をモジュレートして、特異的な細胞接着分子の合成と代謝のモジュレーションをもたらし、それによって、苦痛緩和及び治療効果を生じることが見出されている。ICAM−1、VCAM−1及び/又はELAM−1発現の阻害は、炎症性疾患、炎症性要素を有する疾患、同種移植片拒絶、乾癬と他の皮膚疾患、炎症性腸疾患、癌と癌転移、及びウイルス感染症の治療のために有用であると期待される。動物を本発明のオリゴヌクレオチド組成物に接触させることを含む、細胞接着をモジュレートする方法が提供される。
典型的なアンチセンス化合物は下記化合物を包含する。
ISIS2302は、ホスホロチオエート主鎖と、配列5’−GCC−CAA−GCT−GGC−ATC−CGT−CA−3’(配列番号1)を有する2’−デオキシオリゴヌクレオチドである。ISIS2302は、ヒトICAM−1遺伝子の3’−非翻訳領域(3’−UTR)をターゲットとする。ISIS2302は米国特許5,514,788と5,591,623に記載されており、これらの特許は本明細書に援用される。
ISIS15839は、構造5’−GCC−CAA−GCT−GGC−ATC−CGT−CA−3’(配列番号1)を有するISIS2302のホスホロチオエート相同配列(isosequence)“ヘミマー”誘導体であり、配列における太字の(emboldened)“C”残基は5−メチルシトシン(m5c)塩基を有し、太字の二重下線付き残基はさらに2’−メトキシエトキシ修飾を含む(他の残基は2’−デオキシである)。ISIS15839は、同時係属中の米国特許出願第09/062,416号(April 17,1998出願)に記載されており、この出願は本明細書に援用される。
ISIS1939は、ホスホロチオエート主鎖と、配列5’−CCC−CCA−CCA−CCT−CCC−CTC−TC−3’(配列番号2)を有する2’−オリゴデオキシヌクレオチドである。ISIS1939は、ヒトICAM−1遺伝子の3’−非翻訳領域(3’−UTR)をターゲットとする。ISIS1939は米国特許5,514,788と5,591,623に記載されており、これらの特許は本明細書に援用される。
ISIS2302(配列番号1)は、ヒト臍静脈細胞、ヒト肺癌細胞(A549)、ヒト上皮癌細胞(A431)及びヒトケラチノサイトにおけるICAM−1発現を阻害することが判明している。ISIS2302はまた、他の可能な核酸ターゲット(例えば、HLA−A及びHLA−B)よりも、そのターゲットICAM−1に対して特異性を示している。ISIS1939(配列番号2)及びISIS2302は、C8161ヒト黒色腫細胞中のmRNAレベルを測定するためのノーザンブロット分析によって測定されたように、ICAM−1発現を著しく抑制した。実験的な転移試験によると、ISIS2302は、C8161細胞の転移可能性を低下させ、TNF−α治療に由来する、C8161細胞の強化された転移能力を低下させた。ISIS2302はまた、炎症性疾患の動物モデルにおいて顕著な生物学的活性も示している。動物試験のデータから、Crohn病、リウマチ様関節炎、乾癬、潰瘍性大腸炎及び腎臓移植片拒絶を始めとする多くの炎症性疾患において、ISIS2302の強い抗炎症効果を明らかにされた。ヒトで試験した場合には、ISIS2302は、Crohn病に対する良好な安定性と活性を示した。さらに、ISIS2302は、すでに治療された対象に対しても、統計的に有意なステロイド節約効果を示しており、治療後5か月後においても、治療された対象はステロイドを止め、疾患寛解状態に留まっているほどである。これは、ISIS2302の効果についての驚くべき、重要な所見である。
本発明の組成物に用いるオリゴヌクレオチドは、好ましくは、約8〜約30ヌクレオチドを含む。より好ましくは、このようなオリゴヌクレオチドは、約10〜約25ヌクレオチドを含む。
本発明の組成物に用いるアンチセンス・オリゴヌクレオチドを用いて、動物体の種々の遺伝子成分の性質、機能及び、動物の正常又は異常な身体状態に関する潜在的な可能性を知ることもできる。今までは、遺伝子の機能は、主として、動物(例えば、トランスジェニックマウス)の遺伝子における機能欠損(loss-of-function)突然変異(即ち、“ノックアウト”突然変異)の構築によって試験されている。このようなタスクは困難で時間がかかる上に、“ノックアウト”突然変異は致命的な表現型を生じると考えられるので、このようなタスクを、動物の発達のために重要な遺伝子に関して行うことはできない。さらに、機能欠損表現型を動物のライフサイクルの特定の部分又は疾患状態において一時的に導入することはできない。つまり、“ノックアウト”突然変異は常に存在することになる。“アンチセンス・ノックアウト”、即ち、直接の遺伝子操作によるのではなく、アンチセンス・オリゴヌクレオチドによる遺伝子発現の選択的モジュレーションを用いると、これらの限定を克服することができる(例えば、Albert et al.,Trends in Pharmacological Sciences,1994,15,250参照のこと)。さらに、一部の遺伝子は、例えば選択的スプライシングのようなプロセスの結果として多様なmRNA転写体を産生するが、“ノックアウト”突然変異は、典型的に、このような遺伝子から産生された、あらゆる形のmRNA転写体を除去するので、特定のmRNA転写体の生物学的役割を検討するために用いることができない。薬物(オリゴヌクレオチド及び他の核酸を含む)の単純な経口デリバリーのための組成物と方法を提供することによって、本発明は、上記及びその他の欠点を克服する。
本発明の組成物として用いることが予想される、幾つかの好ましい修飾オリゴヌクレオチドの具体例には、修飾された主鎖又は非自然の糖間結合を含有するオリゴヌクレオチドが含まれる。本明細書で定義するように、修飾主鎖を有するオリゴヌクレオチドは、主鎖にリン原子を有するもの、及び主鎖にリン原子以外の原子(又は原子グループ)を有するものを包含する。本明細書のために、及び当該技術分野で時々参照されるように、糖間の主鎖にリン原子を有さない修飾オリゴヌクレオチドも、ペプチド核酸(PNAs)を含めて、オリゴヌクレオチドであると見なされる。
以下の段落では、特定のオリゴヌクレオチド化学修飾を記載する。ある化合物における全ての位置が均一に修飾されることは必要ではなく、実際に、下記修飾の1つ以上を単独アンチセンス化合物中に又はその単一残基中のみ(例えば、オリゴヌクレオチド内の単一ヌクレオシド)において組み入れることができる。
A.修飾結合: 好ましい修飾オリゴヌクレオチド主鎖は、例えば、正常な3’−5’鎖を有する、ホスホロチオエート、キラル・ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチル及び他のアルキルホスホネート(3’−アルキレンホスホネート及びキラル・ホスホネートを含む)、ホスフィネート、ホスホルアミデート(3’−アミノホスホルアミデート及びアミノアルキルホスホルアミデートを含む)、チオノホスホルアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、及び、通常の3’−5’結合を有するボラノホスフェート、これらの2’−5’連鎖類似体、並びにヌクレオシド単位の隣接対が3’−5’が5’−3’に又は2’−5’が5’−2’のように結合している逆極性を有するものを包含する。種々な塩、混合塩及び遊離塩形も包含される。
上記リン原子含有鎖の調製について説明する代表的な米国特許は、非限定的に、米国特許第3,687,808号;第4,469,863号;第4,476,301号;第5,023,243号;第5,177,196号;第5,188,897号;第5,264,423号;第5,276,019号;第5,278,302号;第5,286,717号;第5,321,131号;第5,399,676号;第5,405,939号;第5,453,496号;第5,455,233号;第5,466,677号;第5,476,925号;第5,519,126号;第5,536,821号;第5,541,306号;第5,550,111号;第5,563,253号;第5,571,799号;第5,587,361号;第5,625,050号;及び第5,697,248号を包含し、これらの特許の一部は、本出願と共通に所有されている、また、これらの特許の各々は本明細書に援用される。
その中にリン原子を包含しない、好ましい修飾オリゴヌクレオチド主鎖(即ち、オリゴヌクレオシド)は、短鎖アルキル若しくはシクロアルキル糖間結合、混合ヘテロ原子とアルキル若しくはシクロアルキル糖間結合、又は1つ以上の短鎖へテロ原子若しくは複素環糖間結合によって形成される主鎖である。これらは、モルホリノ結合を有するもの(一部はヌクレオシドの糖部分から形成);シロキサン主鎖;スルフィド、スルホキシド及びスルホン主鎖;ホルムアセチル及びチオホルムアセチル主鎖;メチレンホルムアセチル及びチオホルムアセチル主鎖;アルケン含有主鎖;スルファメート主鎖;メチレンイミノ及びメチレンヒドラジノ主鎖;スルホネート及びスルホンアミド主鎖;アミド主鎖;及び混合N、O、S及びCH2構成部分を有する他の主鎖を包含する。
上記オリゴヌクレオシドの調製について説明する代表的な米国特許は、非限定的に、米国特許第5,034,506号;第5,166,315号;第5,185,444号;第5,214,134号;第5,216,141号;第5,235,033号;第5,264,562号;第5,264,564号;第5,405,938号;第5,434,257号;第5,466,677号;第5,470,967号;第5,489,677号;第5,541,307号;第5,561,225号;第5,596,086号;第5,602,240号;第5,610,289号;第5,602,240号;第5,608,046号;第5,610,289号;第5,618,704号;第5,623,070号;第5,663,312号;第5,633,360号;第5,677,437号;及び第5,677,439号を包含し、これらの特許の一部は、本出願と共通に所有されている、また、これらの特許の各々は本明細書に援用される。
他の好ましいオリゴヌクレオチド類似体では、ヌクレオチド単位の糖と糖間結合の両方(即ち主鎖)が新規な基で置換される。塩基単位は、適当な核酸ターゲット化合物とのハイブリダイゼーションのために残される。このようなオリゴマー化合物の1つである、優れたハイブリダイゼーション能を有することが判明しているオリゴヌクレオチド模倣体は、ペプチド核酸(PNA)と呼ばれる。PNA化合物では、オリゴヌクレオチドの糖−主鎖が、アミド含有主鎖、特にアミノエチルグリシン主鎖で置換される。核酸塩基は残され、主鎖のアミド部分のアザ窒素原子に直接又は間接的に結合する。PNA化合物の調製について教示する代表的な米国特許としては、非限定的に、米国特許第5,539,082号;第5,714,331号;及び第5,719,262号が挙げられ、これらの特許の各々は本明細書に援用される。他にも、PNA化合物に関する記載は、Nielsen et al.,Science,1991,254,1497に見い出すことができる。
本発明の幾つかの好ましい実施態様において、ホスホロチオエート主鎖を有するオリゴヌクレオチドと、ヘテロ原子主鎖を有するオリゴヌクレオシドを用いることができ、特に、上記米国特許第5,489,677号の−CH−NH−O−CH−、−CH−N(CH)−O−CH−[メチレン(メチルイミノ)又はMMI主鎖として知られる]、−CH−O−N(CH)−CH−、−CH−N(CH)−N(CH)−CH−及び−O−N(CH)−CH−CH−[この場合、天然型のホスホシエステル主鎖は−O−P−O−CH−として表される]、並びに上記米国特許第5,602,240号のアミド主鎖を用いることができる。さらに、上記米国特許第5,034,506号のモルホリノ主鎖構造を有するオリゴヌクレオチドが好ましい。
B.修飾核酸塩基: 本発明の組成物に用いるオリゴヌクレオチドは、付加的に又は代替的に、核酸塩基(当該技術分野では、しばしば単純に“塩基”と呼ばれる)修飾又は置換を含む。本明細書で用いる限り、“非修飾”又は“天然型”核酸塩基はプリン塩基であるアデニン(A)及びグアニン(G)と、ピリミジン塩基であるチミン(T)、シトシン(C)及びウラシル(U)を包含する。修飾核酸塩基は、他の合成及び天然の核酸塩基、例えば、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6−メチル及び他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2−プロピル及び他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミン及び2−チオシトシン、5−ハロウラシル及びシトシン、5−プロピニルウラシル及びシトシン、6−アゾウラシル、シトシン及びチミン、5−ウラシル(シュードウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシル及び他の8−置換アデニン及びグアニン、5−ハロ(特に、5−ブロモ)、5−トリフルオロメチル及び他の5−置換ウラシル及びシトシン、7−メチルグアニン及び7−メチルアデニン、8−アザグアニン及び8−アザアデニン、7−デアザグアニン及び7−デアザアデニン並びに3−デアザグアニン及び3−デアザアデニンを包含する。更なる核酸塩基は、米国特許第3,687,808号に開示されるもの、Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering,pages858-859,Kroschwitz,J.I.,ed.John Wiley & Sons,1990に開示されるもの、English et al.,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613によって開示されるもの、及びSanghvi,Y.S.,Chapter 15,Antisense Research and Applications,pages289-302,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,ed.,CRC Press,1993によって開示されるものを包含する。これらの核酸塩基のいくつかは、本発明のオリゴマー化合物の結合アフィニティを高めるために特に有用である。これらとしては、5−置換ピリミジン、6−アザピリミジン並びにN−2、N−6及びO−6置換プリン(2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル及び5−プロピニルシトシンを含む)を包含する。5−メチルシトシン置換が、核酸二本鎖の安定性を0.6−1.2℃高めることが判明しており(同上文献、pages289-278)、現在好ましい塩基置換である。特に、5−メチルシトシン置換は、2’−メトキシエチル糖修飾と組み合わされた場合に、一層好ましい塩基置換である。
上記修飾核酸塩基の一部並びに他の修飾核酸塩基の調製について教示する代表的な米国特許は、非限定的に、上記米国特許第3,687,808号並びに米国特許第4,845,205号;第5,130,302号;第5,134,066号;第5,175,273号;第5,367,066号;第5,432,272号;第5,457,187号;第5,459,255号;第5,484,908号;第5,502,177号;第5,525,711号;第5,552,540号;第5,587,469号;第5,594,121号;第5,596,091号;第5,614,617号;及び第5,681,941号を包含し、これらの特許の一部は共通に所有されており、また、これらの特許の各々は本明細書に援用される、さらに、共通に所有される米国特許出願08/762,488(December10,1996出願)も、本明細書に援用される。
C.糖の修飾: 本発明の組成物に用いるオリゴヌクレオチドは、付加的に又は代替的に、1つ以上の置換糖部分を含むことができる。好ましいオリゴヌクレオチドは、2’位置に下記の1つを含む。つまり、OH;F;O−、S−若しくはN−アルキル、O−、S−若しくはN−アルケニル、又はO−、S−若しくはN−アルキニル、この場合、該アルキル、該アルケニル及び該アルキニルは、置換若しくは非置換のC−C10アルキル、C−C10アルケニル又はC−C10アルキニルであることができる。特に好ましいのは、O[(CHO]CH、O(CHOCH、O(CHNH、O(CHCH、O(CHONH、及びO(CHON[(CHCHであり、この場合、nとmは1〜約10である。他の好ましいオリゴヌクレオチドは2’位置に下記の1つを含む。つまり、C−C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルカリール、アラルキル、O−アルカリール又はO−アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基(cleaving group)、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態的性質を改良するための基、又はオリゴヌクレオチドの薬力学的性質を改良するための基、及び同様な性質を有する他の置換基である。好ましい修飾は、2’−メトキシエトキシ[2’−O−CHCHOCH、2’−O−(2−メトキシエチル)又は2’−MOEとしても知られる](Martin et al.,Helv.Chim.Acta,1995,78,486)、即ち、アルコキシアルコキシ基を包含する。他の好ましい修飾は、2’−ジメチルアミノオキシエトキシ、即ち、共通に所有される米国特許出願第09/016,520号(January30,1998に出願)(これの内容は、本明細書に援用される)に記載されるような、2’−DMAOEとしても知られる、O(CHON(CH基を包含する。
他の好ましい修飾は、2’−メトキシ(2’−O−CH)、2’−アミノプロポキシ(2’−OCHCHCHNH)、及び2’−フルオロ(2’−F)を包含する。同様な修飾は、オリゴヌクレオチドの他の位置においても、特に3’末端ヌクレオチド又は2’−5’連結オリゴヌクレオチドにおける糖の3’位置及び5’末端ヌクレオチドの5’位置においても行なうことができる。オリゴヌクレオチドは、ペントフラノシル糖の代わりに、例えばシクロブチル部分のような糖部分を有することもできる。このような修飾糖構造の調製について教示する代表的な米国特許は、非限定的に、米国特許第4,981,957号;第5,118,800号;第5,319,080号;第5,359,044号;第5,393,878号;第5,446,137号;第5,466,486号;第5,514,785号;第5,519,134号;第5,567,811号;第5,576,427号;第5,591,722号;第5,597,909号;第5,610,300号;第5,627,0531号;第5,639,873号;第5,646,265号;第5,658,873号;第5,670,633号;及び第5,700,920号(これらの一部は共通に所有され、これらの各々は本明細書に援用される)、並びに共通に所有される米国特許出願08/468,037(1995年6月5日出願、これも本明細書に援用される)を包含する。
D.その他の修飾: 付加的な修飾を、オリゴヌクレオチドの他の位置においても、特に3’末端ヌクレオチドの3’位置及び5’末端ヌクレオチドの5’位置においても行なうことができる。例えば、本発明の組成物に用いるオリゴヌクレオチドの付加的な修飾の1つは、該オリゴヌクレオチドの活性を強化し、該オリゴヌクレオチドの細胞分配又は細胞取り込みを促進する1つ以上の部分又はコンジュゲートを該オリゴヌクレオチドに化学的に連結することを包含する。このような部分は、非限定的に、例えばコレステロール部分のような脂質部分(Letsinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1989,86,6553)、コール酸(Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1994,4,1053)、チオエーテル、例えば、ヘキシル−S−トリチルチオール(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1992,660,306;Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Let.,1993,3,2765)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl.Acids Res.,1992,20,533)、脂肪鎖、例えば、ドデカンジオール又はウンデシル残基(Saison-Behmoaras et al.,EMBOJ.,1991,10,111;Kabanov et al.,FEBS Lett.,1990,259,327;Svinarchuk et al.,Biochimie,1993,75,49)、リン脂質、例えば、ジ−ヘキサデシル−rac−グリセロール又はトリエチルアンモニウム1,2−ジ−O−ヘキサデシル−rac−グリセロ−3−H−ホスホネート(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36,3651;Shea et al.,Nucl.Acids Res.,1990,18,3777)、ポリアミン又はポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides & Nucleotides,1995,14,969)、又はアダマンタン酢酸(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36,3651)、パルミチル部分(Mishra et al.,Biochim.Biophys Acta,1995,1264,229)、又はオクタデシルアミン若しくはヘキシルアミノ−カルボニル−オキシコレステロール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1996,277,923)を包含する。
このようなオリゴヌクレオチド・コンジュゲートの調製について教示する代表的な米国特許は、非限定的に、米国特許第4,828,979号;第4,948,882号;第5,218,105号;第5,525,465号;第5,541,313号;第5,545,730号;第5,552,538号;第5,578,717号;第5,580,731号;第5,580,731号;第5,591,584号;第5,109,124号;第5,118,802号;第5,138,045号;第5,414,077号;第5,486,603号;第5,512,439号;第5,578,718号;第5,608,046号;第4,587,044号;第4,605,735号;第4,667,025号;第4,762,779号;第4,789,737号;第4,824,941号;第4,835,263号;第4,876,335号;第4,904,582号;第4,958,013号;第5,082,830号;第5,112,963号;第5,214,136号;第5,082,830号;第5,112,963号;第5,214,136号;第5,245,022号;第5,254,469号;第5,258,506号;第5,262,536号;第5,272,250号;第5,292,873号;第5,317,098号;第5,371,241号;第5,391,723号;第5,416,203号;第5,451,463号;第5,510,475号;第5,512,667号;第5,514,785号;第5,565,552号;第5,567,810号;第5,574,142号;第5,585,481号;第5,587,371号;第5,595,726号;第5,597,696号;第5,599,923号;第5,599,928号;及び第5,688,941号を包含し、これらの一部は共通に所有され、これらの各々は本明細書に援用される。
腸におけるオリゴヌクレオチドの良好な吸収をもたらす、好ましいコンジュゲートは、葉酸である。したがって、オリゴヌクレオチドと、該オリゴヌクレオチドを葉酸にコンジュゲートさせるキャリヤーとを含む、経口投与用組成物を提供する。葉酸(フォレート)をオリゴヌクレオチドの3’若しくは5’末端に、核酸塩基に、又は鎖中の糖残基のいずれかの2’位置にコンジュゲートさせることができる。コンジュゲーションは、オリゴヌクレオチド及びフォレートの官能基を用いて、任意の適当な化学的リンカーを介して行なうことができる。オリゴヌクレオチド−フォレート・コンジュゲートと、その調製方法は、同時係属中の米国特許出願09/098,166(1998年6月16日出願)及び09/275,505(1999年3月24日出願)(両方とも本明細書に援用される)に記載される。
E.キメラ・オリゴヌクレオチド: 本発明はさらに、キメラ化合物であるアンチセンス化合物を用いる組成物をも包含する。本発明に関連した“キメラ”アンチセンス化合物又は“キメラ”は、アンチセンス化合物(特に、オリゴヌクレオチド)であって、それぞれが少なくとも1つのモノマー単位(即ち、オリゴヌクレオチド化合物の場合にはヌクレオチド)から成る、2つ以上の化学的に異なる領域を有する。これらのオリゴヌクレオチドは典型的に、オリゴヌクレオチドにヌクレアーゼ分解に対する耐性を増強するため、細胞取り込みを増強するため、及び/又は、ターゲット核酸への結合アフィニティを増強するため、修飾される、少なくとも1つの領域を含有する。オリゴヌクレオチドの他の領域は、RNA:DNA又はRNA:RNAハイブリッドを切断する酵素の基質として役立つことができる。1例として、RNアーゼ Hは、RNA:DNA二本鎖のRNA鎖を切断する細胞エンドヌクレアーゼである。それ故、RNアーゼの活性化により、RNAターゲットの切断が生じ、それによって、遺伝子発現を阻害するオリゴヌクレオチドの効率が大きく強化される。その結果、キメラ・オリゴヌクレオチドを用いると、同じターゲット領域にハイブリダイズするホスホロチオエート・オリゴデオキシヌクレオチドに比べて、より短いオリゴヌクレオチドによって、匹敵する結果を得ることがしばしば可能である。RNAターゲットの切断は、ゲル電気泳動と、必要な場合には、当該技術分野で知られた会合核酸ハイブリダイゼーション法とによって、ルーチンに検出することができる。RNアーゼH−媒介ターゲット切断は、核酸を切断するリボザイムの使用とは異なる。
例えば、このような“キメラ”は“ギャップマー”、即ち、オリゴヌクレオチドの中央部分(“ギャップ”)が例えばRNアーゼHの基質となり、5’部分及び3’部分(“ウィング”)が、ターゲットRNA分子に対する大きなアフィニティ、又はターゲットRNA分子と二本鎖を形成したときの大きい安定性を有するように修飾されているが、ヌクレアーゼ活性を支持することはできない(例えば、2’−フルオロ−又は2’−メトキシエトキシ−置換)オリゴヌクレオチドであってもよい。他のキメラは、“ヘミマー”(即ち、オリゴヌクレオチドの5’部分が例えばRNアーゼHの基質となるのに反して、3’部分は、ターゲットRNA分子に対する大きなアフィニティ、又はターゲットRNA分子と二本鎖を形成したときの大きい安定性を有するように修飾されているが、ヌクレアーゼ活性を支持することはできない(例えば、2’−フルオロ−又は2’−メトキシエトキシ−置換)オリゴヌクレオチド)を包含する。
オリゴヌクレオチド:RNA二本鎖を大きく安定にする、オリゴヌクレオチドの化学修飾の多くが、Freier等(Nucl.Acids Res.,1997,25,4429)によって記載されている。このような修飾は、キメラ・オリゴヌクレオチドのRNアーゼ耐性部分に対して好ましく、一般に、このような修飾を用いて、ターゲットRNAに対するアンチセンス化合物のアフィニティを強化することができる。
本発明のキメラ・アンチセンス化合物は、2つ以上のオリゴヌクレオチド、修飾オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド及び/又は上述したようなオリゴヌクレオチド模倣体の複合構造体として形成させることができる。このような化合物は、当該技術分野では、ハイブリッド又はギャップマーとも呼ばれている。このようなハイブリッド構造体の調製について教示する代表的な米国特許は、非限定的に、米国特許第5,013,830号;第5,149,797号;第5,220,007号;第5,256,775号;第5,366,878号;第5,403,711号;第5,491,133号;第5,565,350号;第5,623,065号;第5,652,355号;第5,652,356号;及び第5,700,922号(これらの一部は共通に所有され、これらの各々は本明細書に援用される)並びに共通に所有され、許可された米国特許出願第08/465,880号(1995年6月6日出願、これも本明細書に援用される)を包含する。
本発明はさらに、オリゴヌクレオチド内の特定の位置に関して実質的に不斉化学的に純粋なオリゴヌクレオチドを用いる組成物をも包含する。実質的に不斉化学的に純粋なオリゴヌクレオチドの例は、非限定的に、少なくとも75%Sp若しくはRpであるホスホロチオエート結合を有するもの(Cook et al.,米国特許第5,587,361号)及び実質的に不斉化学的に純粋な(Sp又はRp)アルキルホスホネート、ホスホルアミデート又はホスホトリエステル結合を有するもの(Cook,米国特許第5,212,295号及び第5,521,302号)を包含する。
本発明はさらに、リボザイムを用いる組成物を包含する。高度に特異的なエンドリボヌクレアーゼ活性を触媒する、合成RNA分子とその誘導体は、リボザイムとして知られる(一般的には、米国特許第5,543,508号と第5,545,729号を参照のこと)。切断反応は、RNA分子自体によって触媒される。天然型(天然に生じる)RNA分子では、自己触媒作用による切断(self-catalyzed cleavage)部位は、RNA二次構造の高度保存領域内に位置する(Buzayan et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,1986,83,8859;Forster et al.,Cell,1987,50,9)。特定細胞のRNA分子又は病原性のRNA分子を、極めて特異的にターゲットとすることができるリボザイムを形成するように、天然に生じる自己触媒性RNA分子が修飾されている。したがって、リボザイムは、アンチセンス・オリゴヌクレオチドと同じ一般的目的を果たし(即ち、特定遺伝子発現のモジュレーション)、オリゴヌクレオチドと同様に、一本鎖のかなりの部分を有する核酸である。即ち、リボザイムは、化学的及び機能的に、オリゴヌクレオチドとの実質的に同一であり、したがって、本発明の目的に対して同等物であると見なされる。
生物学的に活性な他のオリゴヌクレオチドも、本発明の組成物として製剤化して、本発明の方法によって、治療、緩和又は予防の目的に用いることができる。このような、生物学的に活性な他のオリゴヌクレオチドは、非限定的に、特にアンチセンス・オリゴヌクレオチド、アンチセンスPNA及びリボザイム(上記)及びEGSを含めたアンチセンス化合物、並びにアプタマー及び分子デコイ(下記)を包含する。
RNアーゼPを補強する(recruit)配列は、External Guide Sequences(したがって、略号“EGS”)として知られる。EGSは、内因性ヌクレアーゼ(RNアーゼP)をターゲット核酸に導くアンチセンス化合物である(Forster et al.,Science,1990,249,783;Guerrier-Takada et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1997,94,8468)。
アンチセンス化合物は、内因性ヌクレアーゼの補強に依存する代わりに、アンチセンス配列を有するオリゴヌクレオチドに共有結合したヌクレアーゼ活性を有する合成部分を代替的に又は付加的に含んでもよい。ヌクレアーゼ活性を有する合成部分は、非限定的に、酵素RNA(リボザイムにおけるように)、ランタニドイオン錯体等を包含する(Haseloff et al.,Nature,1988,334,585;Baker et al.,J.Am.Chem.Soc.,1997,119,8749)。
アプタマーは、特異的リガンドをWatson−Crick塩基対合以外の機構によって結合する一本鎖オリゴヌクレオチドである。アプタマーは、典型的に、例えばタンパク質をターゲットとし、核酸に結合するようには設計されない(Ellington et al.,Nature,1990,346,818)。
分子デコイは、例えばタンパク質のような、ファクターが結合する核酸上の部位を模倣する、短い二本鎖核酸(それ自体の上に“フォールドバック”するように設計された一本鎖核酸を包含する)である。このようなデコイは、該ファクターを競合的に阻害すると予想される。即ち、該ファクター分子が過剰なデコイと結合するので、該デコイに対応する細胞部位に結合するファクターの濃度が低下し、その結果として、治療的、緩和的又は予防的効果が生じる。核酸デコイ分子を同定し、構築する方法は、例えば米国特許第5,716,780号に記載されている。
生体活性オリゴヌクレオチドの他の種類は、内因性核酸の遺伝子変換を導くことができるRNA−DNAハイブリッド分子である(Cole-Strauss et al.,Science,1996,273,1386)。
本発明の製剤に使用可能である、特異的オリゴヌクレオチドと、それらが阻害するターゲット遺伝子は、下記を包含する:
ISIS−2302 GCCCA AGCTG GCATC CGTCA(配列番号1)ICAM−1
ISIS−15839 GCCCA AGCTG GCATC CGTCA(配列番号1)ICAM−1
ISIS−1939 CCCCC ACCAC TTCCC CTCTC(配列番号2)ICAM−1
ISIS−2922 GCGTT TGCTC TTCTT CTTGC G(配列番号3)HCMV
ISIS−13312 GCGTT TGCTC TTCTT CTTGC G(配列番号3)HCMV
ISIS−3521 GTTCT CGCTG GTGAG TTTCA(配列番号4)PKCα
ISIS−9605 GTTCT CGCTG GTGAG TTTCA(配列番号4)PKCα
ISIS−9606 GTTCT CGCTG GTGAG TTTCA(配列番号4)PKCα
ISIS−14859 AACTT GTGCT TGCTC(配列番号5)PKCα
ISIS−2503 TCCGT CATCG CTCCT CAGGG(配列番号6)Ha−ras
ISIS−5132 TCCCG CCTGT GACAT GCATT(配列番号7)c−raf
ISIS−14803 GTGCT CATGG TGCAC GGTCT(配列番号8)HCV
ISIS−28089 GTGTG CCAGA CACCC TATCT(配列番号9)TNFα
ISIS−10438 GCTGA TTAGA GAGAG GTCCC(配列番号10)TNFα
ISIS−2105 TTGCT TCCAT CTTCC TCGTC(配列番号11)HPV
これらにおいて(i)各オリゴ主鎖結合はホスホロチオエート結合(ISIS−9605を除く)である、及び(ii)各糖は肉太フォントで表示されない限り2’−デオキシであり、肉太フォントで表示される場合には2’−O−メトキシエチル基を組み入れるものである、及び(iii)下線が引かれているシトシン・ヌクレオシドはそれらの核酸塩基上に5−メチル置換基を組み入れる。ISIS−9605は最初の5つの結合と最後の5つの結合に天然のホスホジエステル結合を組み入れ、残りはホスホロチオエート結合である。
F.合成: 本発明の組成物に用いるオリゴヌクレオチドは、周知の固相合成法によって、簡便かつルーチンに製造することができる。このような合成装置は、例えば、Applied Biosystems(Foster,CA)を始めとする幾つかの供給メーカーによって販売されている。当該技術分野で知られた、このような合成のための任意の他の手段を付加的に又は代替的に用いることができる。同様な方法を用いて、例えばホスホロチオエートとアルキル誘導体のような、他のオリゴヌクレオチドを調製することも知られている。
1.オリゴヌクレオチドの合成: 特定の修飾オリゴヌクレオチドの合成に関する記載を、それぞれ本出願と共に譲渡される、下記の米国特許又は係属中の特許出願に見出すことができる。つまり、ポリアミンとコンジュゲートしたオリゴヌクレオチドに関する米国特許第5,138,045号と第5,218,105号;キラルなリン結合を有するオリゴヌクレオチドを調製するためのモノマーに関する米国特許第5,212,295号;修飾主鎖を有するオリゴヌクレオチドに関する米国特許第5,378,825号と第5,541,307号;主鎖が修飾されたオリゴヌクレオチドと、還元的カップリングによるその製造法に関する米国特許第5,386,023号;3−デアザプリン環系に基づく修飾核酸塩基と、その合成方法に関する米国特許第5,457,191号;N−2置換プリンに基づく修飾核酸塩基に関する米国特許第5,459,255号;キラルなリン結合を有するオリゴヌクレオチドの調製方法に関する米国特許第5,521,302号;ペプチド核酸に関する米国特許第5,539,082号;β−ラクタム主鎖を有するオリゴヌクレオチドに関する米国特許第5,554,746号;オリゴヌクレオチドの合成のための方法及び物質に関する米国特許第5,571,902号;アルキルチオ基を有するヌクレオシドであって、このような基が、該ヌクレオシドの多様な位置のいずれかに結合する他の部分へのリンカーとして用いられうるヌクレオシドに関する米国特許第5,578,718号;高度に不斉化学的に純粋なホスホロチオエート結合を有するオリゴヌクレオチドに関する、米国特許第5,587,361号と第5,599,797号;2’−O−アルキルグアノシンと、2,6−ジアミノプリン化合物を始めとする関連化合物の調製方法に関する米国特許第5,506,351号;N−2置換プリンを有するオリゴヌクレオチドに関する米国特許第5,587,469号;3−デアザプリンを有するオリゴヌクレオチドに関する米国特許第5,587,470号;両方ともが共役4’−デスメチルヌクレオシド類似体に関する、米国特許第5,223,168号(1993年6月29日出願)と第5,608,046号;主鎖修飾されたオリゴヌクレオチド類似体に関する、米国特許第5,602,240号と第5,610,289号;並びに特に、2’−フルオロ−オリゴヌクレオチドの合成方法に関する、米国特許出願第08/383,666号(1995年2月3日出願)と米国特許第5,459,255号である。
2.生物学的同等物: 本発明の組成物には、ヒトを含めた動物に投与したときに、その生物学的に活性な代謝産物又は残渣を(直接又は間接的に)生じることができる、いずれかの、製薬的に受容される化合物が含まれる。したがって、例えば、この開示は、本発明のアンチセンス化合物の“プロドラック”及び“製薬的に受容される塩”にも関する。
A.オリゴヌクレオチド・プロドラック: 本発明の組成物に用いる、オリゴヌクレオチド及び核酸化合物は、付加的に又は代替的に、“プロドラック”形でデリバリーされるように調製することができる。“プロドラック”なる用語は、不活性形で調製され、この不活性形が身体内又は身体の細胞内で、内因性酵素又は他の化学物質及び/又は条件の作用で活性形(即ち、薬物)に転化する治療剤を意味する。特に、アンチセンス化合物のプロドラック形は、WO93/24510(Gosselin et al.,1993年12月9日公開)に開示された方法によってSATE[(S−アセチル−2−チオエチル)ホスフェート]誘導体として調製することができる。
B.製薬的に受容される塩: “製薬的に受容される塩”なる用語は、本発明の組成物に用いる浸透促進剤、オリゴヌクレオチド及び核酸化合物の生理的及び製薬的に受容される塩(即ち、親化合物の望ましい生物学的活性を保有し、その活性に好ましくない有害な効果を与えない塩)並びに浸透促進剤の製薬的に受容される塩を意味する。
製薬的に受容される塩基付加塩は、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属又は有機アミンのような、金属又はアミンによって形成される。カチオンとして用いられる金属の例は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アンモニウム、例えばスペルミン及びスペルミジンのようなポリアミン等である。適当なアミンの例は、クロロプロカイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン及びプロカインである(例えば、Berge et al.,“Pharmaceutical Salts”,J.of Pharma Sci.,1977,66:1参照のこと)。前記酸性化合物の塩基付加塩は、遊離酸形を充分な量の望ましい塩基を接触させて、慣用的な方法で塩を製造することによって調製される。この塩を酸と接触させ、遊離酸を慣用的な方法で単離することによって、遊離酸を再生することができる。遊離酸形は、それらの各々の塩形とは、例えば極性溶媒中の溶解性のような、ある種の物理的性質において幾らか異なるが、他の点では、本発明の目的のために、塩はそれらの各々の遊離酸と等価である。
オリゴヌクレオチド合成のプロセス中に、ヌクレオシドモノマーは、例えばヌクレオシドモノマーのカップリング、酸化、キャッピング及び脱トリチル化のような化学反応の繰り返すことにより一度に1つずつ鎖に結合する。各ヌクレオシド付加の段階的収率は約99%である。このことは、不完全なカップリング、続いての不完全なキャッピング、脱トリチル化及び酸化の総合的な結果として、各段階でのヌクレオシドモノマー付加から配列鎖の1%未満が形成されることができなかったことを意味する(Smith,Anal.Chem.,1988,60,381A)。(n−1)、(n−2)等から1マー(ヌクレオチド)までの範囲の短いオリゴヌクレオチドは全て、nマーオリゴヌクレオチド生成物中の不純物として存在する。不純物のなかで、(n−2)マー以下の短いオリゴヌクレオチド不純物は非常に少ない量で存在し、クロマトグラフィー精製法によって容易に除去することができる(Warren et al.,Chapter 9 In:Methods in Molecular Biology,Vol.26:Protocols for Oligonucleotide Conjugates,Agrawal,S.,Ed.,1994,Humana Press Inc.,Totowa,NJ,pages233-264)。しかし、精製プロセス後にも、クロマトグラフィーによる選択性及び生成物収率のために、幾らかの(n−1)マー不純物が全長(即ち、nマー)オリゴヌクレオチド生成物中にまだ存在する。(n−1)部分は、nマーの親オリゴヌクレオチドに比べて全ての可能な単一塩基欠損配列の混合物から成る。このような(n−1)不純物は、欠失塩基の位置(即ち、5’若しくは3’末端又は内部)に応じて、末端欠失配列又は内部欠失配列として分類される。単一塩基欠失配列不純物を含有するオリゴヌクレオチドを薬物として用いる場合には(Crooke,Hematologic Pathology,1995,9,59)、末端欠失配列不純物は全長配列と同じターゲットmRNAに結合するが、その結合のアフィニティはやや低い。したがって、このような不純物は、ある程度まで、活性薬物成分の一部と見なすことができ、したがって、本発明の目的のために生物学的同等物であると考えられる。
核酸と不利に反応しない、経口投与に適した、製薬的に受容される有機又は無機キャリヤー物質を用いて、本発明の組成物を製剤化することもできる。適当な、製薬的に受容されるキャリヤーは、非限定的に、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、マンニトール、ラクトース及び他の糖と糖誘導体、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、コロイダル二酸化ケイ素、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等を包含する。該製剤は滅菌することができ、必要な場合には、該製剤の核酸(単数又は複数)と不利に相互作用しない補助剤(例えば、滑沢剤、保存剤、フレーバー剤(flavorant)、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与えるための塩、緩衝剤、増量剤(bulking agent)、着色剤、香味料(flavoring)及び/又は芳香剤(aromatic substance)等)と混合することができる。
本発明は、動物に薬物を経口デリバリーするための組成物及び方法を提供する。本発明の目的のために、“動物”なる用語は、ヒト並びに他の哺乳動物、並びに爬虫類、魚類、両生類及び鳥類を包含する意味である。
界面活性剤は、例えばエマルジョン(ミクロエマルジョンを包含する)及びリポソームのような製剤に広範囲に用いられている。天然及び合成の両方の、多様な種類の界面活性剤の性質を分類し、ランク付ける最も一般的な方法は、親水性/親油性バランス(HLB)の使用によるものである。親水性基(“ヘッド”としても知られる)の性質は、製剤に用いられる種々の界面活性剤を類別するための最も有用な手段となる(Rieger,in Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems,vol.1,Lieberman,Rieger and Banker,Eds.,Marcel Dekker,Inc.,New York,NY,1988,p.285)。
界面活性剤分子がイオン化しない場合には、これは非イオン界面活性剤として分類される。非イオン界面活性剤は、薬剤製品及びコスメティック製品に広範囲に用いられており、広範囲のpH値にわたって使用可能である。一般に、該界面活性剤のHLB値は、それらの構造に応じて2〜約18の範囲にある。非イオン界面活性剤は、非イオン性エーテル及びエステルを包含し、例えば、エチレングリコールエステル、プロピレングリコールエーテルとエステル、グリセリルエステル、ポリグリセリルエーテルとエステル、ソルビタンエステル、スクロースエステル及びエトキシル化エステルを包含する。非イオン性アルカノールアミドとエーテル(例えば、脂肪アルコール・エトキシレート、プロポキシル化アルコール、及びエトキシル化/プロポキシル化ブロックポリマー)も、このクラスに包含される。ポリオキシエチレン界面活性剤は、非イオン界面活性剤という分類において、最も多く出回っているものである。
界面活性剤分子が水中に溶解又は分散したときに、負の電荷を有する場合には、該界面活性剤はアニオン系として分類される。アニオン界面活性剤は、カルボキシレート(例えば、セッケン、アシルラクチレートなど)、アミノ酸のアシルアミド、硫酸のエステル(例えば、アルキルスルフェート及びエトキシル化アルキルスルフェートなど)、スルホネート(例えば、アルキルベンゼンスルホネートなど)、アシルイセチオネート、アシルタウレート及びスルホスクシネート、並びにホスフェートを包含する。アニオン界面活性剤という分類において、最も重要なものは、アルキルスルフェート及びセッケンである。
界面活性剤分子が水中に溶解又は分散したときに、正の電荷を有する場合には、該界面活性剤はカチオン系として分類される。カチオン界面活性剤は、第4級アンモニウム塩及びエトキシル化アミンを包含する。第4級アンモニウム塩は、このクラスにおいて最も用いられるものである。
界面活性剤分子が正電荷又は負電荷のいずれかを帯びる能力を有する場合には、該界面活性剤は、両性として分類される。両性界面活性剤は、アクリル酸誘導体、置換アルキルアミド、N−アルキルベタイン、及びホスファチドを包含する。
薬物製品、製剤及びエマルジョンにおける界面活性剤の使用は、概説されている(Rieger,in Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems,vol.1,Lieberman,Rieger and Banker,Eds.,Marcel Dekker,Inc.,New York,NY,1988,p.285)。
本発明の好ましい実施態様では、1種類以上の核酸が、粘膜デリバリーを介して投与される。
粘膜投与用組成物は、散剤又は顆粒、ビーズ、水中若しくは非水性媒質中の懸濁液若しくは溶液、カプセル剤、サシェ剤、トローチ、錠剤又はSEC(軟弾性カプセル剤又は“キャプレット”)を包含する。増粘剤、香味料、着色剤、乳化剤、分散助剤、キャリヤー物質又は結合剤が、このような製剤に望ましく加えられうる。錠剤は、任意に補助成分を用いて圧縮成形又は成形することによって製造することができる。
圧縮錠剤は、適当な装置において、自由流動形(例えば、粉末又は顆粒など)の有効成分を、任意にバインダー(PVP又はガム(例えば、トラガカント、アラビアゴム、カラゲナンなど))、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸塩)、グライダント(タルク、コロイダル二酸化ケイ素)、不活性希釈剤、保存剤、界面活性剤又は分散剤と任意に混合して、圧縮成形することによって調製することができる。好ましい結合剤/崩壊剤は、EMDEX(デキストレート(dextrate))、PRECIROL(トリグリセリド)、PEG及びAVICEL(セルロース)を包含する。成形錠剤は、適当な装置において、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を成形することによって製造することができる。錠剤は任意に被覆する又は折り線を入れて、その中の有効成分を緩慢放出する又は制御放出するように製剤化することができる。
消化管デリバリー用製剤を製造するための種々の方法が、当該技術分野で周知である。一般的には、Nairn,Chapter 83;Block,Chapter 87;Rudnic et al.,Chapter 89;Porter,Chapter 90;and Longer et al.,Chapter 91 In:Remington's Pharmaceutical Sciences,18th Ed.,Gennaro,ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA,1990を参照されたい。本発明の組成物は、公知の方法で、不活性で、非毒性の、製薬的に適切な賦形剤又は溶媒を用いて、一般的な製剤(例えば、錠剤、ピル、顆粒、カプセル剤、エーロゾル、シロップ、エマルジョン、懸濁液及び溶液など)にすることができる。治療的に活性な化合物は、総混合物の約0.5〜約95重量%の濃度(即ち、上記投与量範囲に達するために充分な量)で存在する。本発明の組成物は、慣用的な方法で、付加的な製薬的に受容されるキャリヤー又は賦形剤を必要に応じて用いることにより、製剤化することができる。このようにして、組成物を慣用的な方法で、キャリヤー又は賦形剤(例えば、結合剤(例えば、プレゼラチン化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロース又はリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク又はシリカ);崩壊剤(例えば、デンプン又はデンプングリコール酸ナトリウム);又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム))を用いて調製することができる。錠剤は当該技術分野で周知の方法で被覆することができる。製剤はさらに、香味料、着色剤及び/又は甘味剤を必要に応じて含有することができる。
経口デリバリーに用いられるカプセルは、当該技術分野で周知である製剤を包含しうる。さらに、Digenis et al.,米国特許第5,672,359号に記載されている、制御放出性を有するマルチコンパートメント硬質カプセル、Amidon et al.,米国特許第5,674,530号に記載記載されている、多段階薬物デリバリーシステムを有する透水性カプセルを用いても、本発明の組成物を製剤化することができる。カプセルに、散剤、顆粒、ビーズ若しくは他の多重粒子、半固体、液体、錠剤、固体コンパクト、エマルジョン又はこれら若しくは同等の組成物の任意の組み合わせを充填することができる。
薬剤組成物の製剤化と、その後のそれらの投与は、当業者の技術の範囲内であると考えられる。本発明に関する具体的なコメントは以下に示す。
一般に、治療用途のために、疾患若しくは障害を有する又は疾患若しくは障害に罹りやすい患者(即ち、ヒトを含めた動物)に、本発明に従って、1種類以上の薬物(好ましくは核酸(オリゴヌクレオチドを包含する))が、患者の年齢及び治療すべき疾患若しくは障害の重症度に応じて0.01μg〜100g/kg体重の範囲内の投与量で、製薬的に受容されるキャリヤー中で投与される。さらに、治療計画は、特定の疾患若しくは障害の性質、その重症度及び患者の総合的状態に依存して、変更する時間にわたって継続させることができ、1日1回から20年毎に1回までに及ぶことができる。本発明に関して、“治療計画”なる用語は治療的、緩和的及び予防的モダリティ(modality)を包含する意味である。治療後に、患者はその状態の変化に関して、及び障害又は疾患状態の症状の軽減に関して、観察される。薬物の投与量は、患者が現状の投与量レベルに有意に反応しない場合には増加することができる。また、障害若しくは疾患状態の症状の軽減が観察される場合、又は障害若しくは疾患が抑制された場合、投与量を減ずることができる。
投薬は、治療すべき疾患状態の重症度及び反応に依存し、治療過程は数日から数か月まで、又は治癒が惹起されるまで若しくは該疾患状態の軽減が達成されるまで継続する。最適の投薬スケジュールは患者の体内の薬物蓄積の測定から算出することができる。当業者は最適投与量、投薬方法論及び反復速度を容易に決定することができる。最適投与量は、個々の薬物の相対的効力に依存して変化する可能性があり、一般に、in vitro及びin vivo動物モデルにおいて有効であると見出されたEC50値に基づいて算出することができる。一般に、投与量は0.01μgから100g/kg体重までであり、1日に、1週間に、1か月に若しくは1年間に1回以上、又は2〜20年間毎に1回さえも投与することができる。最適な投薬スケジュールを用いて、特定の投与形式によって投与された薬物の治療有効量をデリバリーする。
本発明の目的のために、“治療有効量”なる用語は、不快な副作用(例えば、毒性、刺激又はアレルギー反応)なく所定の目的を達成するために有効である、薬物含有組成物の量を意味する。個々の必要性は変化しうるが、製剤の有効量の最適範囲は、当業者によって容易に決定することができる。動物研究からヒトの場合を推定することができる(Katocs et al.,Chapter 27 In:Remington's Pharmaceutical Sciences,18th Ed.,Gennaro,ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA,1990)。一般に、当業者が調節することができる、製剤の有効量を提供するために必要である投与量は、レシピエントの年齢、健康、身体的条件、疾患若しくは障害の種類と程度、治療の頻度、同時療法(存在するならば)の性質、並びに所望の効果(単数又は複数)の性質と範囲に依存して変化する(Nies et al.,Chapter 3 In:Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics,9th Ed.,Hardman et al.,eds.,McGraw-Hill,New York,NY,1996)。
良好な治療後に、患者に療法を継続させ、疾患状態の再発を阻止することが望ましいと考えられ、この継続的療法では、核酸が0.01μgから100g/kg体重の継続的用量で1日に1回以上から20年間毎に1回まで投与される。例えば、自己免疫又は炎症状態になり易いと知られた又は疑われる個体の場合には、0.01μgから100g/kg体重までの範囲の予防量を1日に1回以上から20年間毎に1回まで投与することによって、予防効果を得ることができる。同様な方法で、個体を、何らかの医学的処置の結果として生じると予想される炎症状態(例えば、個体への細胞、組織又は器官の移植から生じる移植片対宿主反応疾患など)に罹患し難くさせることができる。
粘膜投与用製剤は、滅菌及び非滅菌水性溶液又は懸濁液、一般的溶媒(例えばアルコールなど)中の非水性溶液、或いは液体又は固体のオイルベース中の溶液又は懸濁液を包含することができる。これらの溶液はさらに、緩衝剤、希釈剤及び他の適当な添加剤を含有することができる。懸濁液には、この懸濁液の粘性を高めるような物質(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール及び/又はデキストランが含まれる)を含有することができる。懸濁液は、安定剤を含有することもできる。
単位投与形として便利に提供することのできる医薬製剤は、製薬業界で周知の慣用的手法によって調製することができる。このような手法は、有効成分を製薬的キャリヤー(単数又は複数)又は賦形剤(単数又は複数)と一緒にする工程を包含する。一般に、有効成分を、液体キャリヤー又は微粉状固体キャリヤー又は両方と均一かつ密接に一緒にして、次に、必要に応じて生成物を成形することによって、製剤が調製される。
好ましい実施態様では、本発明は、生物学的活性を有する核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)を動物に経口投与することに関する。“生物学的活性を有する”とは、核酸が動物における1つ以上の遺伝子の発現をモジュレートするように機能することを意味し、これは、該遺伝子の絶対的機能(例えば、リボザイム活性)又はこのような遺伝子によってコードされるタンパク質の産生によって示される。本発明に関して、“モジュレートする”とは、遺伝子の発現を増加させる(刺激する)か、減少させる(抑制する)かのいずれかを意味する。このようなモジュレーションは、例えば、アンチセンス・オリゴヌクレオチドによって、非限定的に、転写停止;RNAプロセシング(キャッピング、ポリアデニル化及びスプライシング)及び輸送に対する効果;ターゲット核酸の細胞分解の強化若しくは減退;並びに翻訳停止を始めとする当該技術分野で知られた多様な機構により達成することができる(Crooke et al.,Exp.Opin.Ther.Patents,1996,6,1)。
ヒト以外の動物において、本発明の組成物及び方法を用いて、動物における1つ以上の遺伝子の機能を研究することができる。例えば、アンチセンス・オリゴヌクレオチドは、ニューロン死におけるN−メチル−D−アスパルテート受容体の役割を調べるため、プロテインキナーゼC−aの生物学的役割を調べるため、及び不安におけるノイロペプチドY1受容体の役割を調べるために、ラットに全身投与されている(それぞれ、Wahlestedt et al.,Nature,1993,363,260;Dean et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,1994,91,11762;及びWahlestedt et al.,Nature,1993,259,528)。関連タンパク質の複雑なファミリーが研究されている場合には、“アンチセンス・ノックアウト”(即ち、アンチセンス・オリゴヌクレオチドの全身投与による遺伝子の阻害)が、該ファミリーの特定のメンバーを調べるための最も正確な手段であると考えられる(一般的には、Albert et al.,Trends Pharmacol.Sci.1994,15,250を参照のこと)。
上述したように、本発明の組成物と方法は、治療的に有用である、即ち、1種類以上の核酸によって全体的に若しくは部分的に治療可能である疾患若しくは障害を有するか又はこのような疾患若しくは障害を有すると疑われる若しくはこのような疾患若しくは障害に罹りやすいと疑われる、ヒトを含めた動物に治療的、緩和的又は予防的リリーフ(relief)を与えるために有用である。“疾患又は障害”なる用語は、(1)特に、正常な生理的機能を損なう、感染、生来の虚弱、環境的ストレスの結果として生物又は器官(part)の何らかの異常な状態を包含し;(2)妊娠自体は除外するが、妊娠に関連した自己免疫及び他の疾患は除外せず;(3)癌及び腫瘍を包含する。“〜を有する、又は〜を有する若しくは〜に罹りやすいと疑われる”とは、対象動物が本明細書で定義された特定の疾患若しくは障害を発生させる危険性が大きい状態にあると決定されていること、又はこのような危険性の大きい状態にあると疑われることを意味する。例えば、対象動物は、特定の疾患又は障害が頻繁に発生することを含む、個人的及び/又は家族病歴を有していてもよい。他の例として、対象動物は、当該技術分野で知られた手法による遺伝子スクリーニングによって決定される、このような罹患し易さを有している可能性がある(例えば、U.S.Congress,Office of Technology Assessment,Chapter 5 In:Genetic Monitoring and Screening in the Workplace,OTA-BA-455,U.S.Government Printing Office,Washington,D.C.,1990,pages 75-99参照のこと)。“1つ以上の核酸によって全体的又は部分的に治療可能である疾患又は障害”なる用語は、本明細書で定義するような疾患又は障害を意味し、(1)それらの管理、モジュレーション若しくは治療、及び/又は(2)それらからの治療的、緩和的及び/若しくは予防的レリーフが、より多くの核酸を投与することによって達成されうる。好ましい実施態様では、このような疾患又は障害はアンチセンス・オリゴヌクレオチドによって全体的又は部分的に治療可能である。
[実施例]
下記実施例は、本発明を例示するものであり、本発明を限定することを意図しない。当業者は、本明細書に記載する特定の物質及び方法の数多くの均等物を認識するか、又は通常の実験によって確認することができるであろう。このような均等物は、本発明の範囲内であると見なされる。
[実施例1:オリゴヌクレオチドの調製]
一般的合成方法: DNA自動合成装置によって、ヨウ素による酸化と共に標準ホスホロアミダイト試薬を用いてオリゴヌクレオチドを合成した。β−シアノエチルジイソプロピルホスホロアミダイトは、Applied Biosystems(Foster City,CA)から購入した。ホスホロチオエート・オリゴヌクレオチドに関しては、ホスファィト結合の段階的なチア化(thiation)のために、標準酸化ボトルをアセトニトリル中3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシドの0.2M溶液と取り替えた。
2’−O−メチル−(2’−メトキシ−)ホスホロチオエート・オリゴヌクレオチドの合成は、上記方法によって、標準ホスホロアミダイトの代わりに2’−O−メチル b−シアノエチルジイソプロピル・ホスホロアミダイト(Chemgenes,Needham,MA)を用いて、かつテトラゾール及び塩基のパルスデリバリー後の待機サイクルを360秒間に延長して行なう。
同様に、このアプローチを若干修飾して、本質的には米国特許出願第08/383,666号(1995年2月3日出願)に開示された方法に従って、2’−O−プロピル−(別名2’−プロポキシ−)ホスホロチオエート・オリゴヌクレオチドを調製する、該特許出願は本出願と同じ譲受人に譲渡され、本明細書に援用される。
本発明の2’−フルオロ−ホスホロチオエート・オリゴヌクレオチドは、5’−ジメトキシトリチル−3’−ホスホロアミダイトを用いて合成され、米国特許出願第08/383,666号(1995年2月3日出願)及び米国特許第5,459,255号(1996年10月8日公開)に開示されたように調製される。該特許出願と特許の両方は本出願と同じ譲受人に譲渡され、本明細書に援用される。2’−フルオロ−オリゴヌクレオチドは、ホスホロアミダイト試薬を用い、標準DNA合成プロトコールを若干変更(即ち、脱保護は、室温におけるメタノール性アンモニアを用いて行われた)して調製される。
RNAアンチセンス類似体は、本質的に米国特許第5,539,082号及び第5,539,083号に記載されたように調製される、該米国特許の両方は(1)1996年7月23日に公開され、(2)本出願と同じ譲受人に譲渡され、(3)本明細書に援用される。
2,6−ジアミノプリンを含むオリゴヌクレオチドは、米国特許第5,506,351号(1996年4月9日に公開され、本出願と同じ譲受人に譲渡され、本明細書に援用される)に記載される化合物と、Gaffney et al.(Tetrahedron,1984,40,3)、Chollet et al.(Nucl.Acids Res.,1988,16,305)及びProsnyak et al.(Genomics,1994,21,490)によって記載される物質及び方法を用いて調製される。2,6−ジアミノプリンを含むオリゴヌクレオチドは、酵素による方法(Bailly et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,1996,93,13623)によって調製することもできる。
本発明の2’−メトキシエトキシ・オリゴヌクレオチドは、本質的にMartin et al.の方法(Helv.Chim.Acta,1995,78,486)に従って合成される。
B.オリゴヌクレオチド精製: 制御多孔性ガラス(controlled pore glass)(CPG)カラム(Applied Biosystems)から切断し、濃水酸化アンモニウム中、55℃で18時間脱ブロックした後に、オリゴヌクレオチドを0.5M NaClから2.5倍量のエタノールによる2回の沈殿と、その後の逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によってさらに精製した。20%アクリルアミド、8M尿素及び45mM Tris−ボレート緩衝剤(pH7)中で分析ゲル電気泳動を行った。
C.オリゴヌクレオチド標識: 本明細書に記載したin vivo薬物動態研究の過程で採取したサンプル中のアンチセンス・オリゴヌクレオチドの存在を検出し、及び/又はその量を測定するために、アンチセンス・オリゴヌクレオチドを標識した。トリチウム交換による放射能標識は、このようなin vivo研究においてアンチセンス・オリゴヌクレオチドを標識する好ましい方法の1つであるが、オリゴヌクレオチド及び他の核酸に放射能ラベル、化学ラベル又は酵素ラベルを組み入れるために、多様な他の手段が利用可能である。
1.トリチウム交換: 本質的に、Graham et al.(Nucleic Acids Research,1993,21,3737)の方法を用いて、オリゴヌクレオチドをトリチウム交換によって標識した。具体的には、オリゴヌクレオチド約24mgを、リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.8)200μl、0.1mM EDTA(pH8.3)400μl及び脱イオン水200μlの混合物中に溶解した。得られた混合物のpHを測定し、0.095N NaOHを用いて、pH7.8に調節した。この混合物を1.25mlガスケット付きポリプロピレン・バイアル中で一晩凍結乾燥した。このオリゴヌクレオチドを、フリーラジカル・スキャベンジャーとして作用するβ−メルカプトエタノール8.25μl(Graham et al.,Nucleic Acids Research,1993,21,3737)及びトリチウム化HO(5Ci/g)400μl中に溶解させた。この管にキャップを施し、90℃オイル浴中に撹拌せずに9時間入れ、その後、短時間、遠心分離して、凝縮物を管の内蓋から除去した。(任意の分析工程として、2つの10μlアリコート(1つはHPLC分析用、また1つはPAGE分析用)を反応管から取り出し、各アリコートを、50μMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.8)490μlを含有する、別々の1.5mlマイクロチューブ(microfuge tube)に加えた)。次に、オリゴヌクレオチド混合物を液体窒素中で凍結させ、凍結乾燥装置に移して、そこで高真空下で凍結乾燥を通常3時間行なった。次いで、この物質を2回蒸留した水 ml中に再懸濁させ、室温において1時間交換させた。インキュベーション後に、混合物を再び急速凍結させ、一晩凍結乾燥させた。(任意の分析工程として、オリゴヌクレオチド物質約1mgをHPLC分析のために取り出す)。さらに3回の凍結乾燥を、それぞれ2回蒸留した水約1mlで行なって、組み込まれなかった残留トリチウムを確実に除去した。最終的な再懸濁オリゴヌクレオチド溶液を清潔なポリプロピレン・バイアルに移して、分析した。トリチウム標識オリゴヌクレオチドを約−70℃で貯蔵する。
2.核酸を標識するための他の手段: 当該技術分野で周知のように、オリゴヌクレオチド及び他の核酸を標識して、組み込まれなかったラベルを標識済み核酸から分離するには、多様な手段が利用可能である。例えば、二本鎖核酸をニックトランスレーション及びプライマー伸長法によって放射能標識することができ、オリゴヌクレオチドを始めとする多様な核酸を、酵素(例えばT4ポリヌクレオチド・キナーゼ又は末端デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼなど)を用いて末端放射能標識することができる(一般的に、Chapter 3 In:Short Protocols in Molecular Biology,2d Ed.,Ausubel ed al.,eds.,John Wiley & Sons,New York,NY,pages3-11 to 3-38;and Chapter 10 In:Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2d Ed.,Sambrook et al.,eds.,pages10.1 to 10.70を参照のこと)。オリゴヌクレオチド及び他の核酸を、非放射性ラベル(例えば、酵素、蛍光部分等など)で標識することも、当該技術分野で周知である(例えば、Beck,Methods in Enzymology,1992,216,143;and Ruth,Chapter 6 In:Protocols for Oligonucleotide Conjugates(Methods in Molecular Biology,Volume26) Agrawal,S.,ed.,Humana Press,Totowa,NJ,1994,pages167-185を参照のこと)。
[実施例2:オリゴヌクレオチドのターゲット]
本発明は、オリゴヌクレオチド又は核酸と1種類以上の粘膜浸透促進剤とを含む組成物及び製剤と、このような製剤を用いる方法に関する。1つの実施態様では、このような製剤を用いて、ヒト以外の動物における1つ以上の遺伝子の機能を研究する。好ましい実施態様では、ヒトを含めた動物に治療的にデリバリーするように意図された薬剤組成物に、オリゴヌクレオチドを製剤化する。局所又は全身に治療的にデリバリーするように意図されたオリゴヌクレオチドは、必要に応じて、本発明の組成物及び方法によって経口投与することができる。このような望ましいオリゴヌクレオチドは、非限定的に、細胞接着タンパク質(例えば、ICAM−1、VCAM−1、ELAM−1)の発現、細胞増殖の速度(例えば、c−myb、vEGF、c−rafキナーゼ)をモジュレートする、又は種々な障害(例えば、アルツハイマー病、β−サラセミア病)及び真核性病原体(例えば、マラリア)、HIVを包含するレトロウイルス及び非レトロウイルス科ウイルス(例えば、Epstein−Barr、CMV)に起因する疾患に対して生物学的若しくは治療的活性を有するオリゴヌクレオチドを包含する。
本発明の組成物に製剤化することができる、その他のオリゴヌクレオチドは、例えば、リボザイム、アプタマー、分子デコイ、External Guide Sequences(EGSs)及びペプチド核酸(PNAs)を包含する。
種々な脂肪酸、それらの塩及びそれらの誘導体は、浸透促進剤として作用する。これらは、例えば、オレイン酸、別名シス−9−オクタデセン酸(又は、それらの製薬的に受容される塩、例えば、オレイン酸ナトリウム又はオレイン酸カルシウム);カプリル酸、別名n−オクタン酸(カプリレート);カプリン酸、別名n−デカン酸(カプレート);ラウリン酸(ラウレート);アシルカルニチン;アシルコリン;並びにモノ−及びジ−グリセリドを包含する(Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,page92)。種々な天然の胆汁酸塩と、それらの合成誘導体は浸透促進剤として作用する。胆汁の生理的役割は、脂質及び脂溶性ビタミンの分散及び吸収の促進を包含する(Brunton,Chapter 38 In:Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics,9th Ed.,Goodman et al.,McGraw-Hill,New York,NY,1996,pages934-935)。胆汁酸塩に由来する浸透促進剤は、例えば、コール酸、コーラル酸(cholalic acid)又は3a,7a,12a−トリヒドロキシ−5b−コラン−24−酸(3a,5a,12a-trihydroxy-5b-cholan-24-oic acid)(又はその製薬的に受容されるナトリウム塩);デオキシコール酸、デスオキシコール酸、5b−コラン−24−酸−3a,12a−ジオール、7−デオキシコール酸又は3a,12a−ジヒドロキシ−5b−コラン−24−酸(デオキシコール酸ナトリウム);グリココール酸、(N−[3a,7a,12a−トリヒドロキシ−24−オキソコラン−24−イル]グリシン又は3a,7a,12a−トリヒドロキシ−5b−コラン−24−酸N−[カルボキシメチル]アミド又はグリココール酸ナトリウム);グリコデオキシコール酸、(5b−コラン−24−酸N−[カルボキシメチル]アミド−3a,12a−ジオール)、3a,12a−ジヒドロキシ−5b−コラン−24−酸N−[カルボキシメチル]アミド、N−[3a,12a−ジヒドロキシ−24−オキソコラン−24−イル]グリシン又はグリコデスオキシコール酸(グリコデオキシコール酸ナトリウム);タウロコール酸、(5b−コラン−24−酸N−[2−スルホエチル]アミド−3a,7a,12a−トリオール)、3a,7a,12a−トリヒドロキシ−5b−コラン−24−酸N−[スルホエチル]アミド又は2−[(3a,7a,12a−トリヒドロキシ−24−オキソ−5b−コラン−24−イル)アミノ]エタンスルホン酸(タウロコール酸ナトリウム);タウロデオキシコール酸、(3a,12a−ジヒドロキシ−5b−コラン−2−酸N[2−スルホエチル]アミド又は2−[(3a,12a−ジヒドロキシ−24−オキソ−5b−コラン−24−イル)−アミノ]エタンスルホン酸、又はタウロデオキシコール酸ナトリウム、又はタウロデスオキシコール酸ナトリウム);ケノデオキシコール酸(ケノジオール、ケノデスオキシコール酸、5b−コラン酸−3a,7a−ジオール、3a,7a−ジヒドロキシ−5b−コラン酸、又はケノデオキシコール酸ナトリウム、又はCDCA);ウルソデオキシコール酸、(5b−コラン−24−酸−3a,7b−ジオール、7b−ヒドロキシリトコール酸又は3a,7b−ジヒドロキシ−5b−コラン−24−酸、又はUDCA);タウロジヒドロ−フシジン酸ナトリウム(STDHF);及びグリコジヒドロフシジン酸ナトリウムを包含する(Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,page92;Swinyard,Chapter 39 In:Remington's Pharmaceutical Sciences,18th Ed.,Gennaro,ed.,Mack publishing Co.,Easton,PA,1990,pages782-783)。
或いは、非置換及び置換ホスホジエステル・オリゴヌクレオチドは、DNA自動合成装置(Applied Biosystems model 380B)によって、標準ホスホロアミダイト試薬とヨウ素による酸化とを用いて合成される。
ホスホロチオエートは、ホスファィト結合を段階的にチア化するために、標準酸化ボトルをアセトニトリル中3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシドの0.2M溶液と取り替えることを除いて、ホスホジエステル・オリゴヌクレオチドと同様に合成する。チア化待機工程は68秒間に延長し、続いて、キャッピング工程を行なった。CPGカラムから切断し、濃水酸化アンモニウム中、55℃で脱ブロックした(18時間)後に、オリゴヌクレオチドを0.5M NaClから2.5倍量のエタノールによって2回沈殿させて精製した。
ホスフィネート・オリゴヌクレオチドは、米国特許5,508,270(本明細書に援用される)に記載されるように調製する。
アルキルホスホネート・オリゴヌクレオチドは、米国特許4,469,863(本明細書に援用される)に記載されているように調製する。
3’−デオキシ−3’−メチレンホスホネート・オリゴヌクレオチドは、米国特許5,610,289又は5,625,050(本明細書に援用される)に記載されるように調製する。
ホスホロアミダイト・オリゴヌクレオチドは、米国特許5,256,775又は米国特許5,366,878(本明細書に援用される)に記載されるように調製する。
アルキルホスホノチオエート・オリゴヌクレオチドは、公開PCT出願PCT/US94/00902及びPCT/US93/06976(それぞれ、WO94/17093及びWO94/02499として公開)に記載されるように調製する。
3’−デオキシ−3’−アミノホスホルアミデート・オリゴヌクレオチドは、米国特許5,476,925(本明細書に援用される)に記載されるように調製する。
ホスホトリエステル・オリゴヌクレオチドは、米国特許5,023,243(本明細書に援用される)に記載されるように調製する。
ボラノホスフェート・オリゴヌクレオチドは、米国特許5,130,302又は5,177,198(両方とも、本明細書に援用される)に記載されるように調製する。
メチレンメチルイミノ結合オリゴヌクレオシド(MMI結合オリゴヌクレオシドとしても同定される)、メチレンジメチルヒドラゾ結合オリゴヌクレオシド(MDH結合オリゴヌクレオシドとしても同定される)、及びメチレンカルボニルアミノ結合オリゴヌクレオシド(アミド−3結合オリゴヌクレオシドとしても同定される)、及びメチレンアミノカルボニル結合オリゴヌクレオシド(アミド−4結合オリゴヌクレオシドとしても同定される)、並びに例えば交互にMMIとPO又はPS結合を有する混合主鎖化合物は、米国特許第5,378,825号;第5,386,023号;第5,486,677号;第5,602,240号及び第5,610,289号(これらは全て、本明細書に援用される)に記載されるように調製する。
ホルムアセタール及びチオホルムアセタール結合オリゴヌクレオシドは、米国特許5,264,562及び5,264,564(本明細書に援用される)に記載されるように調製する。
エチレンオキシド結合オリゴヌクレオシドは、米国特許5,223,618(本明細書に援用される)に記載されるように調製する。
ペプチド核酸(PNAs)は、Peptide Nucleic Acids(PNA):Synthesis,Properties and Potential Applications,Bioorganic & Medicinal Chemistry,1996,4,5に挙げられた種々な方法のいずれかによって調製する。ペプチド核酸は、米国特許第5,539,082号;第5,700,922号、及び第5,719,262号(これらは、本明細書に援用される)に従って調製することもできる。
オリゴヌクレオチドの吸収動態(absorption kinetics)に関して、オリゴヌクレオチドの吸収速度関数が拡散法則に従って挙動するかどうか、又はゼロ次(即ち、飽和し得る)プロセスが支配的であるかどうかを知ることが重要である。この情報は、ゼロ次のプロセスにより、一定時間に吸収されるオリゴヌクレオチドの絶対量が制限されると考えられるので、製剤設計のために重要である。このことが、取り込みを最大にするために、K(単位時間当りの吸収量)以下の速度で、腸の浸透可能な領域より上流でオリゴヌクレオチドを放出させること対して、製剤化の努力を向けていると考えられる。しかし、吸収プロセスは濃度と無関係である筈であり、一次吸収プロセスが一貫した取り込み率をもたらすと考えられるので、上記製剤化アプローチは用いられないと思われる。
[実施例3:薬物動態試験]
この問題に対処するために、2つの試験を計画した。第1の試験は、浸透促進剤(PE)カプリン酸ナトリウム(C10)の用量を一定(50mg/kg)に維持し、ISIS10438の投与量を高めて空腸内(IJ)投与した。オリゴヌクレオチドの投与量は、ヒトへの投与形開発のために実現可能と考えられるオリゴヌクレオチド投与量の範囲を確定するように選択した(2.5、10及び30mg/kg)。飽和が生じる場合、オリゴヌクレオチドの投与量が多いと絶対バイオアベイラビリティ(BAV)が低下することが示されると考えられる。第2の試験は、腸の活性化区分(ボラス浸透促進剤投与によって活性化)に高投与量のオリゴヌクレオチドを低濃度で徐々に与えることによって、該仮説をやや異なる方法で検証した。飽和し得るプロセスが存在するならば、オリゴヌクレオチドの緩慢な投与が、ボラス同時投与に比較して、高いBAVをもたらす筈である。
表1及び図1から分かるように、オリゴヌクレオチド取り込み経路の飽和は、試験した投与量では生じなかった。BAV算出のために低投与量のIV AUCを不適当に用いたために、初期の反応において高いBAVとなった。BAVを再計算した後では、BAVは均等であり、それ故、吸収プロセスは直線的であり、試験した投与量では飽和可能にならないと思われる。
Figure 0004460290
第2の試験では、オリゴヌクレオチドをt=5分間に、C10の5mg/kgボラスによって浸透性にした腸の領域に30分間注入の手段で、徐々に与えた(15mg/ml@30mg/kg投与量)。上記で仮定したように、吸収プロセスがゼロ次(即ち、飽和し得る)であるならば、この試験の計画は、上述の対応する(30kg/kg)オリゴヌクレオチド・ボラスの試験に比べて、増加したオリゴヌクレオチド取り込みを生じると考えられる。得られた比較バイオアベイラビリティを表2に示し、血漿濃度を図2に示す。オリゴヌクレオチドBAVに統計的有意差は存在しなかった。このことから、さらに、オリゴヌクレオチド吸収プロセスが、少なくとも、試験したオリゴヌクレオチド用量−濃度の範囲内で一次であるという結論が支持される。
Figure 0004460290
上記データは、BAVを改善するための製剤設計変更のアプローチが、オリゴヌクレオチドではなく、カプリン酸ナトリウム浸透促進剤(C10)投与に重点を置くべきであることを強く示唆する。このことは、オリゴヌクレオチドが劇的に異なる投与(即ち、ボラス対均等なC10投与に反する緩慢注入)によっても均等に吸収されるという事実によって支持される。腸からの浸透促進剤(PE)の迅速な吸収及び消失は、単一ボラスPE投与後の浸透面積を制限する可能性がある。
この仮説の中心的な考えは図3A−Bに示される、この図は、現在の溶液状投与形が腸腔中に過剰なPEを与えると考えられる方法を示す(図3A)。過剰なPEは、最大の粘膜浸透性強化のために必要な、いわゆる最大効果レベルを超えるPE曲線の面積によって表される量である。これの例は、ヒトの挿管実験中に生じ、この実験では、PEレベルの倍加(3.3gまで)が反応の増強を生じることができなかった。
[実施例4: 臨床評価のための固体投与製剤]
この研究の目的は、PEGに基づく即時放出性製剤及びパルス放出性製剤を、初期量後にカプリン酸ナトリウム(C10)の追加量を放出することによって、C10のダイナミックな作用を迅速に生じ、その作用をより延長するような方法で、経口からのオリゴヌクレオチド吸収を強化することに関して臨床的に評価することである(図3B)。4種類の製剤を表す、3タイプの投与形をヒトにおいて評価した:
オリゴヌクレオチド及びC10の総量を有する、即時放出性(IR)2mmミニ錠剤の単一集団を含む腸溶性被覆(EC)カプセル剤;
オリゴヌクレオチド及びC10の総量を含むECモノリシス錠剤;
オリゴヌクレオチドの総量及びC10の部分量を有するIR2mmミニ錠剤と、C10用量の残部を含むがオリゴヌクレオチドを含まない遅延放出性2mmミニ錠剤との両方の混合物を含むECパルス化放出性カプセル。
上記2種類のカプセル投与形(4製剤化バッチ)の即時放出性成分は、例えば、高剪断ミキサーにおいて好ましくは約70℃の制御温度でPEG−3350、ISIS104838及びカプリン酸ナトリウムをホットメルト造粒することにより製造される。顆粒を錠剤又はミニ錠剤に、付加的な賦形剤を用いずに、圧縮成形することができる。
該遅延放出性(第2パルスC10)ミニ錠剤のために、2つのアプローチが予定される。マトリックス形成ポリマーがC10の典型的なバースト放出を生じ、その後に設定された時間にわたる持続放出を生じると考えられる。被覆ポリマーによるアプローチでは、持続放出から予想されるプロフィルではなく、より長期の遅延(ボラス放出)プロフィルを伴う遅延時間(lag time)を特徴とする(図1)。上記投与形(iii)で挙げた2パラメータ(即ち、放出されるべきC10の遅延時間と部分量(fractional amount))を有効に確定するために、遅延放出性被覆アプローチが推進される。したがって、ミニ錠剤の適当な集団をSize000カプセル中に充填し、次に、Eudragit L30D−55による腸溶性被覆の前に、バンドをした(banded)。
上記医薬製剤は、オリゴヌクレオチド約5mg〜1,000mg、好ましくはオリゴヌクレオチド約100mg〜500mg、より好ましくはオリゴヌクレオチド約100mg〜200mgを含む量で1日1回単一経口量(例えば、単一錠剤中に200mgオリゴヌクレオチド)又は分割経口量(例えば、2x100mgオリゴヌクレオチド錠剤を同時に摂取)として投与することができる。或いは、総投与量を分割して、別々の投与量として、1日に2回、3回又はそれ以上の回数(即ち、100mg錠剤1個を1日2回)で投与することができる。
[実施例5:in vivoパルス性研究]
健康な被験者(volunteer)に、即時放出性(IR)ミニ錠剤製剤又はパルス性ミニ錠剤製剤を含む腸溶性被覆サイズ000カプセル5個を投与した。
オリゴヌクレオチド、カプリン酸ナトリウム及びPEG3350を含む顆粒を2mm錠剤に圧縮成形した。同様に、カプリン酸ナトリウム及びPEG3350から成る顆粒を2mm錠剤に圧縮成形してから、遅延放出性被膜で被覆した。適当なミニ錠剤をサイズ000ゼラチンカプセル中に手で充填し、ゼラチンバンドを用いて、カプセルを密封して、密封されたカプセルを腸溶性被覆した。
パルス性組成物は、カプリン酸ナトリウム、アンチセンス・オリゴヌクレオチドISIS10483及びポリエチレングリコール3350から成る即時放出性2mm錠剤(第1パルス)を、カプリン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール3350及び遅延放出性被膜から成る同様な2mm錠剤の第2集団(第2パルス)と共に含む、バンド付き腸溶性被覆サイズ000ゼラチンカプセル5個含むものであった。パルス間の遅延は、第2集団のミニ錠剤上の遅延放出性被膜の量によって制御される。被膜量が多ければ多いほど、パルス間の遅延は長くなる。総量は、ISIS104838 500mgとカプリン酸ナトリウム3.3g(BとC)、又はISIS104838 700mgとカプリン酸ナトリウム3.3g(D)であった。表3を参照されたい。
即時放出性(IR)ミニ錠剤組成物(A)は、カプリン酸ナトリウム、ISIS104838及びポリエチレングリコール3350から成る2mm錠剤の単一集団を含有するバンド付き腸溶性被覆サイズ000ゼラチンカプセル5個から成るものであった。総量は、ISIS104838 500mg及びカプリン酸ナトリウム3.3gであった。
Figure 0004460290
薬物動態パラメータを、ISIS104838 450mg、カプリン酸ナトリウム3.3g、及びポリビニルピロリドン、ポリプラスドン、ステアリン酸マグネシウム、Aerosil及びマンニトールを含めた、付加的な賦形剤の総量を有する腸溶性被覆錠剤10個を含む初期組成物からの薬物動態パラメータと比較した。
健康な男性被験者に、一晩絶食させた後に各製剤を投与した。選択した時点で瀉血を行なった。ISIS104838のIV投与による曲線(血漿濃度対時間)下面積の比較によって、バイオアベイラビリティを評価した(表4)。結果を、図4にグラフで示す。カプセル製剤中のIR及びパルス化放出性ミニ錠剤は、大きい錠剤よりも有意に高いバイオアベイラビリティを生じた。パルス化放出性組成物のなかでは、短パルス製剤Dが、最も良いバイオアベイラビリティを生じた。
Figure 0004460290
当業者は、本発明の好ましい実施態様に多くの変化及び修飾を加えることができること、並びにこのような変化及び修飾が本発明の要旨から逸脱せずになされうることを理解するであろう。それ故、特許請求の範囲が、このような同等の変形の全てを、本発明の実際の要旨及び範囲内に入る限りカバーするように意図される。
本明細書に挙げた又は引用した特許、出願、印刷された出版物及び他の公開資料の各々について、それら全体が本明細書に援用されるように意図される。
図1は、サルに空腸内投与した後の一定時間にわたるオリゴヌクレオチドの血漿濃度を示すグラフである。オリゴヌクレオチド取り込み経路の飽和は、試験した投与量では生じなかった。 図2は、t=5分間にカプリン酸ナトリウムの50mg/kgボラスによって浸透性にした、腸の領域への30分間注入後の、サルにおけるオリゴヌクレオチドの血漿濃度を示すグラフである。 図3Aは、即時放出性製剤の投与後の腸腔における浸透促進剤の濃度を示す概略図である。 図3Bは、本発明のパルス放出性製剤の投与後の腸腔における浸透促進剤の濃度を示す概略図である。 図4は、健康なヒト被験者に経口投与した後のアンチセンス・オリゴヌクレオチドISIS104838の血漿バイオアベイラビリティを示すグラフである。IR=即時放出;50/50は、カプリン酸ナトリウムの50%がオリゴヌクレオチド100%と共に被覆されないIRミニ錠剤中に含まれ、残りの50%が被覆された遅延放出性ミニ錠剤中に存在することを意味する;70/30は、カプリン酸ナトリウムの70%がオリゴヌクレオチド100%と共に被覆されないIRミニ錠剤中に含まれ、残りの30%が被覆された遅延放出性ミニ錠剤中に存在することを意味する。迅速(fast)は、緩慢(slow)のための第2パルス上の被膜量よりも少量の遅延放出性被膜を、第2パルスミニ錠剤上に含む。

Claims (11)

  1. オリゴヌクレオチドの腸吸収を強化した遅延放出性経口製剤であって、
    (a)該オリゴヌクレオチド及び腸粘膜を横切っての該オリゴヌクレオチドの輸送を促進する浸透促進剤を含み、動物へ該製剤を投与したときに、該オリゴヌクレオチド及び該浸透促進剤が腸管における第1位置で放出される、キャリヤー粒子の第1集団と;
    (b)腸粘膜を横切っての該オリゴヌクレオチドの輸送を促進する浸透促進剤及び遅延放出用被膜又は遅延放出用マトリックスを含むキャリヤー粒子の第2集団であって、動物へ該製剤を投与したときに、キャリヤー粒子の第2集団における該浸透促進剤が、前記第1位置から下流の、該腸管の第2位置で放出され、それによって、該オリゴヌクレオチドが該第2位置に達したときに、該オリゴヌクレオチドの吸収が促進される、キャリヤー粒子の第2集団とを含む製剤。
  2. 該浸透促進剤が、脂肪酸若しくは脂肪酸塩又は脂肪酸の組み合わせ若しくは脂肪酸塩の組み合わせ、胆汁酸若しくは胆汁酸塩又は胆汁酸の組み合わせ若しくは胆汁酸塩の組み合わせ、キレート化剤若しくはキレート化剤の組み合わせ、界面活性剤若しくは界面活性剤の組み合わせ、及び、非キレート化非界面活性剤若しくは非キレート化非界面活性剤の組み合わせ、並びに、これらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1記載の製剤。
  3. 該脂肪酸若しくは脂肪酸塩又は脂肪酸の組み合わせ若しくは脂肪酸塩の組み合わせが、アラキドン酸、オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプレート、トリカプレート、モノオレイン、ジラウリン、グリセリル1−モノカプレート、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、アシルカルニチン、アシルコリン、モノグリセリド、及びこれらの製薬的に受容される塩から成る群から選択され、
    該胆汁酸若しくは胆汁酸塩又は胆汁酸の組み合わせ若しくは胆汁酸塩の組み合わせが、コール酸、デヒドロコール酸、デオキシコール酸、グルコール酸、グリコール酸、グリコデオキシコール酸、タウロコール酸、タウロデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、タウロ−24,25−ジヒドロフシジン酸ナトリウム、グリコジヒドロフシジン酸ナトリウム、及びこれらの製薬的に受容される塩から成る群から選択され、
    該キレート化剤又はキレート化剤の組み合わせが、EDTA、EGTA、クエン酸、サリチレート、コラーゲンのN−アシル誘導体、β−ジケトンのN−アミノアシル誘導体、及びこれらの製薬的に受容される塩から成る群から選択され、
    該界面活性剤又は界面活性剤の組み合わせが、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル及びポリオキシエチレン−20−セチルエーテルから成る群から選択され、
    該非キレート化非界面活性剤又は非キレート化非界面活性剤の組み合わせが、不飽和環状尿素、1−アルキル−アルカノン、1−アルケニルアザシクロアルカノン、ステロイド抗炎症剤、及びこれらの製薬的に受容される塩から成る群から選択される、請求項2記載の製剤。
  4. 該キャリヤー粒子が、ポリアミノ酸、ポリイミン、ポリアクリレート、ポリアルキルアクリレート、ポリオキセタン、ポリアルキルシアノアクリレート、カチオン化ゼラチン、アルブミン、デンプン、アクリレート、ポリエチレングリコール、DEAE誘導体化ポリイミン、ポルラン及びセルロースから成る群から選択される物質を含む、請求項1記載の製剤。
  5. 該キャリヤー粒子が、キトサン、ポリ−L−リシン、ポリヒスチジン、ポリオルニチン、ポリスペルミン、プロタミン、ポリビニルピリジン、ポリチオジエチルアミノ−メチレンP(TDAE)、ポリアミノスチレン、ポリ(メチルシアノアクリレート)、ポリ(エチルシアノアクリレート)、ポリ(ブチルシアノアクリレート)、ポリ(イソブチルシアノアクリレート)、ポリ(イソヘキシルシアノアクリレート)、DEAE−メタクリレート、DEAE−エチルヘキシルアクリレート、DEAE−アクリルアミド、DEAE−アルブミン、DEAE−デキストラン、ポリメチルアクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(DL−乳酸−コ−グリコール酸)(PLGA)及びポリエチレングリコール(PEG)から成る群から選択される材料を含む、請求項1記載の製剤。
  6. 該キャリヤー粒子が、ポリ−L−リシンとアルギネートとの複合体、プロタミンとアルギネートとの複合体、リシン、ジリシン、トリリシン、カルシウム、アルブミン、グルコサミン、アルギニン、ガラクトサミン、ニコチンアミド、クレアチン、リシン−エチルエステル及びアルギニン−エチルエステルを含む、請求項1記載の製剤。
  7. 該遅延放出用被膜又は遅延放出用マトリックスが、アセテート・フタレート、プロピレングリコール、ソルビタンモノオレエート、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸トリメリト酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、メタクリレート、キトサン、グアールガム、ポリエチレングリコール(PEG)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、エチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースから成る群から選択される、請求項1、2、3、4、5又は6のいずれか1項記載の製剤。
  8. 該オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの修飾糖部分を含むアンチセンス・オリゴヌクレオチドである、請求項1、2、3、4、5、6又は7のいずれか1項記載の製剤。
  9. 該修飾糖部分が2’−メトキシエトキシ糖部分(2’−MOE)である、請求項8記載の製剤。
  10. 該キャリヤー粒子の第2集団が、該オリゴヌクレオチドを含まない、請求項1記載の製剤。
  11. 哺乳動物における薬物の吸収を強化するための薬剤の製造における、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のいずれか1項記載の製剤の使用。
JP2003522463A 2001-08-22 2002-08-22 パルス放出性製剤と、薬物の消化管吸収を強化する方法 Expired - Lifetime JP4460290B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/944,493 US20030124196A1 (en) 2001-08-22 2001-08-22 Pulsatile release compositions and methods for enhanced intestinal drug absorption
PCT/US2002/026924 WO2003017940A2 (en) 2001-08-22 2002-08-22 Pulsatile release compositions and methods for enhanced gastrointestinal drug absorption

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005505533A JP2005505533A (ja) 2005-02-24
JP2005505533A5 JP2005505533A5 (ja) 2006-01-05
JP4460290B2 true JP4460290B2 (ja) 2010-05-12

Family

ID=25481510

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003522463A Expired - Lifetime JP4460290B2 (ja) 2001-08-22 2002-08-22 パルス放出性製剤と、薬物の消化管吸収を強化する方法

Country Status (7)

Country Link
US (3) US20030124196A1 (ja)
EP (1) EP1427289B1 (ja)
JP (1) JP4460290B2 (ja)
AU (1) AU2002332647B2 (ja)
CA (1) CA2458442C (ja)
IL (2) IL160117A0 (ja)
WO (1) WO2003017940A2 (ja)

Families Citing this family (47)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6565882B2 (en) 2000-02-24 2003-05-20 Advancis Pharmaceutical Corp Antibiotic composition with inhibitor
US6544555B2 (en) 2000-02-24 2003-04-08 Advancis Pharmaceutical Corp. Antibiotic product, use and formulation thereof
US6541014B2 (en) 2000-10-13 2003-04-01 Advancis Pharmaceutical Corp. Antiviral product, use and formulation thereof
US20020068078A1 (en) 2000-10-13 2002-06-06 Rudnic Edward M. Antifungal product, use and formulation thereof
US20020141970A1 (en) * 2001-03-05 2002-10-03 Pettit Dean K. Stable aqueous solutions of granulocyte macrophage colony-stimulating factor
JP4370451B2 (ja) * 2001-09-28 2009-11-25 大塚製薬株式会社 医薬組成物
US7763706B1 (en) * 2003-07-17 2010-07-27 Campina B.V. Arginine/lysine-enriched peptides
JP2006528190A (ja) 2003-07-21 2006-12-14 アドバンシス ファーマスーティカル コーポレイション 抗生物質製剤、その使用法及び作成方法
CA2533178C (en) 2003-07-21 2014-03-11 Advancis Pharmaceutical Corporation Antibiotic product, use and formulation thereof
EP1648418A4 (en) 2003-07-21 2011-11-16 Middlebrook Pharmaceuticals Inc ANTIBIOTIC PRODUCT, ITS USE AND FORMULATION
JP4388322B2 (ja) * 2003-07-31 2009-12-24 花王株式会社 アポリポプロテインd分解抑制剤
AU2004264939A1 (en) 2003-08-11 2005-02-24 Middlebrook Pharmaceuticals, Inc. Robust pellet
AU2004264356B2 (en) 2003-08-12 2011-01-27 Shionogi, Inc. Antibiotic product, use and formulation thereof
JP5686494B2 (ja) 2003-08-29 2015-03-18 シオノギ インコーポレイテッド 抗生物質製剤、その使用法及び作成方法
EP1663169A4 (en) 2003-09-15 2010-11-24 Middlebrook Pharmaceuticals In ANTIBIOTICS, ITS USE AND FORMULATION
MXPA06012489A (es) * 2004-04-28 2007-02-08 Procarrier Inc Formulacion oral para el suministro de farmacos absorbidos deficientemente.
KR20050104152A (ko) * 2004-04-28 2005-11-02 최승호 경구용 약물의 흡수를 증진하는 약제학적 조성물
JP4880591B2 (ja) 2004-06-04 2012-02-22 テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド イルベサルタンを含む医薬組成物
CA2572292A1 (en) 2004-07-02 2006-02-09 Advancis Pharmaceutical Corporation Tablet for pulsed delivery
US8865197B2 (en) * 2005-09-06 2014-10-21 Israel Oceanographic And Limnological Research Ltd. Food formulation for aquatic animals with integrated targeted delivery of bioactive agents
AU2006308635A1 (en) * 2005-10-14 2007-05-10 H. Lundbeck A/S Methods of treating central nervous system disorders with a low dose combination of escitalopram and bupropion
ZA200804086B (en) * 2005-10-14 2009-07-29 Lundbeck & Co As H Stable pharmaceutical formulations containing escitalo-pram and bupropion
US8778924B2 (en) 2006-12-04 2014-07-15 Shionogi Inc. Modified release amoxicillin products
US8357394B2 (en) 2005-12-08 2013-01-22 Shionogi Inc. Compositions and methods for improved efficacy of penicillin-type antibiotics
US8299052B2 (en) 2006-05-05 2012-10-30 Shionogi Inc. Pharmaceutical compositions and methods for improved bacterial eradication
CA3085272A1 (en) * 2008-11-13 2010-05-20 Nogra Pharma Limited Antisense compositions and methods of making and using same
AU2010221209C1 (en) * 2009-03-06 2015-09-03 Tamarisk Technologies Group, L.L.C. Microencapsulated bioactive agents for oral delivery and methods of use thereof
AU2010306940A1 (en) 2009-10-12 2012-06-07 Smith, Larry Methods and compositions for modulating gene expression using oligonucleotide based drugs administered in vivo or in vitro
US9364495B2 (en) 2009-10-20 2016-06-14 Roche Innovation Center Copenhagen A/S Oral delivery of therapeutically effective LNA oligonucleotides
CA2784120A1 (en) 2009-12-16 2011-07-14 Nod Pharmaceuticals, Inc. Compositions and methods for oral drug delivery
US20110142889A1 (en) * 2009-12-16 2011-06-16 Nod Pharmaceuticals, Inc. Compositions and methods for oral drug delivery
US9101547B2 (en) * 2011-08-04 2015-08-11 Nano And Advanced Materials Institute Limited Enteric-coated capsule containing cationic nanoparticles for oral insulin delivery
EP2946773A1 (en) 2014-05-19 2015-11-25 Tillotts Pharma AG Modified release coated capsules
WO2015179693A1 (en) 2014-05-22 2015-11-26 Isis Pharmaceuticals, Inc. Conjugated antisense compounds and their use
FR3022462B1 (fr) * 2014-06-18 2018-04-27 Laboratoire Francais Du Fractionnement Et Des Biotechnologies Composition orale d'anticorps anti-tnfalpha
US20180153984A1 (en) * 2015-04-30 2018-06-07 The Regents Of The University Of California Adjuvant particles comprising adenosine receptor antagonists
JP6950958B2 (ja) * 2015-12-01 2021-10-13 国立大学法人 東京医科歯科大学 核酸を含む経腸投与用組成物
KR101741977B1 (ko) * 2016-04-26 2017-05-31 한국교통대학교산학협력단 경구 투여용 유전자 전달을 위한 나노입자 및 이를 포함하는 약학 조성물
WO2018102397A1 (en) 2016-11-29 2018-06-07 PureTech Health LLC Exosomes for delivery of therapeutic agents
FR3066115B1 (fr) * 2017-05-10 2019-06-28 Universite de Bordeaux Comprimes de vecteurs d'acides nucleiques
US20210145777A1 (en) * 2017-06-16 2021-05-20 Altibio, Inc. Modified-release tiopronin compositions, kits and methods for treating cystinuria and related disorders
US10517889B2 (en) 2017-09-08 2019-12-31 Ionis Pharmaceuticals, Inc. Modulators of SMAD7 expression
CN109464703B (zh) * 2018-11-29 2021-02-26 浙江瑞谷生物科技有限公司 一种骨修复材料及其制备方法和应用
CN114340615A (zh) * 2019-08-12 2022-04-12 麻省理工学院 用于施用治疗剂的制品和方法
US20230263739A1 (en) * 2020-06-26 2023-08-24 Sensient Colors Llc Enteric coating composition and method of making and using the same
US20220184112A1 (en) * 2020-11-10 2022-06-16 Ionis Pharmaceuticals, Inc. Compositions and methods for enhanced intestinal absorption of conjugated oligomeric compounds
WO2025037595A1 (ja) * 2023-08-14 2025-02-20 三生医薬株式会社 吸収促進造粒物およびその製造方法、医薬組成物、並びに組み合わせ剤

Family Cites Families (72)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3687808A (en) 1969-08-14 1972-08-29 Univ Leland Stanford Junior Synthetic polynucleotides
US4773907A (en) * 1982-12-20 1988-09-27 Alza Corporation Primary delivery system comprising secondary dosage form
WO1985002092A1 (en) * 1983-11-14 1985-05-23 Bio-Mimetics Inc. Bioadhesive compositions and methods of treatment therewith
USRE33093E (en) * 1986-06-16 1989-10-17 Johnson & Johnson Consumer Products, Inc. Bioadhesive extruded film for intra-oral drug delivery and process
US4713243A (en) * 1986-06-16 1987-12-15 Johnson & Johnson Products, Inc. Bioadhesive extruded film for intra-oral drug delivery and process
US5543508A (en) 1987-12-15 1996-08-06 Gene Shears Pty. Limited Ribozymes
GB8826116D0 (en) * 1988-11-08 1988-12-14 Danbiosyst Ltd Adhesive drug delivery composition
US4948580A (en) * 1988-12-08 1990-08-14 E. R. Squibb & Sons, Inc. Muco-bioadhesive composition
US5750136A (en) * 1989-11-03 1998-05-12 Riker Laboratories, Inc. Bioadhesive composition and patch
US5587361A (en) 1991-10-15 1996-12-24 Isis Pharmaceuticals, Inc. Oligonucleotides having phosphorothioate linkages of high chiral purity
US5212295A (en) 1990-01-11 1993-05-18 Isis Pharmaceuticals Monomers for preparation of oligonucleotides having chiral phosphorus linkages
US5514788A (en) * 1993-05-17 1996-05-07 Isis Pharmaceuticals, Inc. Oligonucleotide modulation of cell adhesion
US5284659A (en) 1990-03-30 1994-02-08 Cherukuri Subraman R Encapsulated flavor with bioadhesive character in pressed mints and confections
US5077051A (en) 1990-04-10 1991-12-31 Warner-Lambert Company Sustained release of active agents from bioadhesive microcapsules
WO1991019486A1 (en) 1990-06-14 1991-12-26 Kalmo Enterprises, Inc. Stable aqueous drug suspensions
US6096722A (en) * 1990-08-14 2000-08-01 Isis Pharmaceuticals Inc. Antisense modulation of cell adhesion molecule expression and treatment of cell adhesion molecule-associated diseases
US5595978A (en) * 1990-08-16 1997-01-21 Isis Pharmaceuticals, Inc. Composition and method for treatment of CMV retinites
US5370901A (en) * 1991-02-15 1994-12-06 Bracco International B.V. Compositions for increasing the image contrast in diagnostic investigations of the digestive tract of patients
US5539082A (en) 1993-04-26 1996-07-23 Nielsen; Peter E. Peptide nucleic acids
IT1250421B (it) * 1991-05-30 1995-04-07 Recordati Chem Pharm Composizione farmaceutica a rilascio controllato con proprieta' bio-adesive.
ES2109362T3 (es) * 1991-06-21 1998-01-16 Univ Cincinnati Unas proteinas administrables oralmente y metodo para hacerlas.
DE4125851A1 (de) 1991-08-03 1993-02-04 Storz E A Kg Befestigungsvorrichtung fuer einen wagenheber
US5192802A (en) * 1991-09-25 1993-03-09 Mcneil-Ppc, Inc. Bioadhesive pharmaceutical carrier
US5364634A (en) * 1991-11-08 1994-11-15 Southwest Research Institute Controlled-release PH sensitive capsule and adhesive system and method
US6197346B1 (en) * 1992-04-24 2001-03-06 Brown Universtiy Research Foundation Bioadhesive microspheres and their use as drug delivery and imaging systems
US5260068A (en) * 1992-05-04 1993-11-09 Anda Sr Pharmaceuticals Inc. Multiparticulate pulsatile drug delivery system
US5330761A (en) * 1993-01-29 1994-07-19 Edward Mendell Co. Inc. Bioadhesive tablet for non-systemic use products
EP0804174A4 (en) * 1993-07-21 1998-09-09 Univ Kentucky Res Found MULTI-CHAMBER HARD CAPSULES WITH CONTROLLED DELIVERY CHARACTERISTICS
US5801154A (en) * 1993-10-18 1998-09-01 Isis Pharmaceuticals, Inc. Antisense oligonucleotide modulation of multidrug resistance-associated protein
US5876742A (en) * 1994-01-24 1999-03-02 The Regents Of The University Of California Biological tissue transplant coated with stabilized multilayer alginate coating suitable for transplantation and method of preparation thereof
US5539083A (en) 1994-02-23 1996-07-23 Isis Pharmaceuticals, Inc. Peptide nucleic acid combinatorial libraries and improved methods of synthesis
US6228383B1 (en) * 1994-03-03 2001-05-08 Gs Development Ab Use of fatty acid esters as bioadhesive substances
ATE180971T1 (de) 1994-03-30 1999-06-15 Gs Dev Ab Verwendung von fettsäureester als bioklebstoffe
US5462728A (en) * 1994-04-05 1995-10-31 Blank; Izhak Pharmaceutical compositions
US5670163A (en) * 1994-06-20 1997-09-23 Kv Pharmaceuticals Company Long acting GI and esophageal protectant
EP0691124A1 (en) * 1994-07-07 1996-01-10 Sara Lee/DE N.V. Mouth care products
US5554380A (en) * 1994-08-04 1996-09-10 Kv Pharmaceutical Company Bioadhesive pharmaceutical delivery system
US6309853B1 (en) * 1994-08-17 2001-10-30 The Rockfeller University Modulators of body weight, corresponding nucleic acids and proteins, and diagnostic and therapeutic uses thereof
US5614222A (en) * 1994-10-25 1997-03-25 Kaplan; Milton R. Stable aqueous drug suspensions and methods for preparation thereof
US5545729A (en) 1994-12-22 1996-08-13 Hybridon, Inc. Stabilized ribozyme analogs
US5686106A (en) * 1995-05-17 1997-11-11 The Procter & Gamble Company Pharmaceutical dosage form for colonic delivery
US6248720B1 (en) * 1996-07-03 2001-06-19 Brown University Research Foundation Method for gene therapy using nucleic acid loaded polymeric microparticles
US5770627A (en) * 1995-08-16 1998-06-23 University Of Washington Hydrophobically-modified bioadhesive polyelectrolytes and methods relating thereto
US6130217A (en) * 1995-09-20 2000-10-10 Pfizer Inc Compounds enhancing antitumor activity of other cytotoxic agents
AU702030B2 (en) 1995-10-12 1999-02-11 Gs Development Ab A pharmaceutical composition for administration of an active substance to or through a skin or mucosal surface
US5942253A (en) * 1995-10-12 1999-08-24 Immunex Corporation Prolonged release of GM-CSF
US5849322A (en) * 1995-10-23 1998-12-15 Theratech, Inc. Compositions and methods for buccal delivery of pharmaceutical agents
DE69615704T2 (de) * 1995-12-27 2002-07-11 Janssen Pharmaceutica N.V., Beerse Bioadhesive feste arzneimittelform
US6368586B1 (en) * 1996-01-26 2002-04-09 Brown University Research Foundation Methods and compositions for enhancing the bioadhesive properties of polymers
US5985312A (en) * 1996-01-26 1999-11-16 Brown University Research Foundation Methods and compositions for enhancing the bioadhesive properties of polymers
US5955096A (en) * 1996-06-25 1999-09-21 Brown University Research Foundation Methods and compositions for enhancing the bioadhesive properties of polymers using organic excipients
FR2762513B1 (fr) * 1997-04-23 2003-08-22 Permatec Pharma Ag Comprimes bioadhesifs
DE19718012C1 (de) * 1997-04-29 1998-10-08 Jenapharm Gmbh Verfahren zur Herstellung peroral anwendbarer fester Arzneiformen mit gesteuerter Wirkstoffabgabe
KR20010020370A (ko) * 1997-04-30 2001-03-15 파샬 비. 린네 향상된 생체이용률을 갖는 올리고뉴클레오티드
US5840329A (en) * 1997-05-15 1998-11-24 Bioadvances Llc Pulsatile drug delivery system
GB9710699D0 (en) * 1997-05-24 1997-07-16 Danbiosyst Uk Gastro-retentive controlled release system
DE69834038D1 (de) 1997-07-01 2006-05-18 Isis Pharmaceutical Inc Zusammensetzungen und verfahren zur verabreichung von oligonukleotiden über die speiseröhre
US5877309A (en) * 1997-08-13 1999-03-02 Isis Pharmaceuticals, Inc. Antisense oligonucleotides against JNK
US5989535A (en) * 1997-08-15 1999-11-23 Soma Technologies Polymeric bioadhesive emulsions and suspensions and methods of treatment
US6187335B1 (en) * 1997-12-31 2001-02-13 Orasomal Technologies, Inc. Polymerizable fatty acids, phospholipids and polymerized liposomes therefrom
US6350470B1 (en) * 1998-04-29 2002-02-26 Cima Labs Inc. Effervescent drug delivery system for oral administration
US6200604B1 (en) * 1998-03-27 2001-03-13 Cima Labs Inc. Sublingual buccal effervescent
WO1999060012A1 (en) 1998-05-21 1999-11-25 Isis Pharmaceuticals, Inc. Compositions and methods for non-parenteral delivery of oligonucleotides
ATE462417T1 (de) * 1998-08-13 2010-04-15 Cima Labs Inc Microemulsionen als feste dosisformen zur oralen verabreichung
US6080580A (en) * 1998-10-05 2000-06-27 Isis Pharmaceuticals Inc. Antisense oligonucleotide modulation of tumor necrosis factor-α (TNF-α) expression
WO2000035418A2 (en) 1998-12-18 2000-06-22 Bayer Corporation Chewable drug delivery system
US6355270B1 (en) * 1999-01-11 2002-03-12 The Regents Of The University Of California Particles for oral delivery of peptides and proteins
AU2547900A (en) 1999-02-12 2000-08-29 Ben-Gurion University Of The Negev Research & Development Authority A biocompatible adhesive system and a bioadhesive drug delivery system with controllable release
US6375963B1 (en) * 1999-06-16 2002-04-23 Michael A. Repka Bioadhesive hot-melt extruded film for topical and mucosal adhesion applications and drug delivery and process for preparation thereof
US6458383B2 (en) * 1999-08-17 2002-10-01 Lipocine, Inc. Pharmaceutical dosage form for oral administration of hydrophilic drugs, particularly low molecular weight heparin
US6565873B1 (en) 2000-10-25 2003-05-20 Salvona Llc Biodegradable bioadhesive controlled release system of nano-particles for oral care products
US6897205B2 (en) 2001-01-31 2005-05-24 Roehm Gmbh & Co. Kg Multi-particulate form of medicament, comprising at least two differently coated forms of pellet

Also Published As

Publication number Publication date
AU2002332647B2 (en) 2008-05-15
IL160117A (en) 2013-03-24
US20110256217A1 (en) 2011-10-20
US7576067B2 (en) 2009-08-18
CA2458442C (en) 2012-05-22
WO2003017940A2 (en) 2003-03-06
EP1427289A4 (en) 2006-06-28
US20030124196A1 (en) 2003-07-03
CA2458442A1 (en) 2003-03-06
EP1427289A2 (en) 2004-06-16
EP1427289B1 (en) 2017-05-10
IL160117A0 (en) 2004-06-20
WO2003017940A3 (en) 2003-12-11
US20050196443A1 (en) 2005-09-08
JP2005505533A (ja) 2005-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4460290B2 (ja) パルス放出性製剤と、薬物の消化管吸収を強化する方法
AU2002329825B2 (en) Bioadhesive compositions and methods for enhanced mucosal drug absorption
AU2002332647A1 (en) Pulsatile release compositions and methods for enhanced gastrointestinal drug absorption
AU745880B2 (en) Compositions and methods for non-parenteral delivery of oligonucleotides
US6747014B2 (en) Compositions and methods for non-parenteral delivery of oligonucleotides
AU2002329825A1 (en) Bioadhesive compositions and methods for enhanced mucosal drug absorption
US20030096770A1 (en) Enhancement of the stability of oligonucleotides comprising phosphorothioate linkages by addition of water-soluble antioxidants
US8946178B2 (en) Compositions and methods for treatment of pouchitis
AU755786B2 (en) Compositions and methods for the delivery of oligonucleotides via the alimentary canal
AU2002316662A1 (en) Enhancement of the stability of oligonucleotides comprising phosphorothioate linkages by addition of water-soluble antioxidants

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050822

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090616

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090915

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090925

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100115

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4460290

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130219

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130219

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130219

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140219

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term