JP4471342B2 - 生体吸収性封止材 - Google Patents

Description

本発明は、一般的には医療技術に関するものであり、より詳しくは、本発明は、哺乳類の身体に任意の原因によって生じた開口を封止する手段に関する。

ヒトまたは他の哺乳類の身体には様々な原因によって開口が生じ得る。例えば、針または他の医療器具によって穿刺または他のタイプの開口が生じ得る。更に、電気器具、超音波器具、光学器具及び類似の器具によっても開口が生じ得る。弾丸やナイフによる創傷及び他の様々な事故も開口を形成させ得る。

肺に開口が生ずると、そこから空気が漏れそして肺が収縮してしまうため望ましくない。しかし、軟組織の開口並びに内部器官、例えば心臓、腎臓、肝臓などの開口も閉鎖を必要とする。骨、軟骨、靱帯及び他の硬組織の開口も閉鎖しなければならない。

開口部の外科的閉鎖のために多くの技術が開発されている。例えば、縫合糸はかなり昔に発明されている。縫合糸を一部の適用において使用する際の重要な欠点の一つは、縫合糸を適所に縫うために使用される針が、通常は、縫合糸よりも大きい直径を有するという事に由来する。例えば、縫合糸を肺の開口を閉鎖するために使用する場合には、縫合糸の周りの空間に肺から空気が逃出する恐れがある。すなわち、上記空間は、針の直径を有しそして縫合糸によって完全に占められていない。この問題は、縫合糸の周りに接着剤を塗ることによって対処される。この際、接着剤が硬化すると、縫合糸の周りの開口は封止される。しかし、接着剤は、塗るのが難しく、制御が困難でありそしてその硬化に時間を要する。

開口を閉鎖するためにより最近になって開発された他の方法は、ステープルの使用を含む。ステープルを留めるのに必要な力は、組織を傷つける恐れがある。この問題に対する解決策の一つは、丁度縫合糸の時と同じように、ステープルの上に接着剤を塗ることによって被傷した領域を封止することである。

接着剤は、身体の他の開口を閉鎖するためにも使用されている。例えば、腹腔鏡検査及び内視鏡検査術は、精巧な器具を必要とする場合がある。接着剤をその場で硬化させることは、適応によっては問題が生じる恐れがあり、そしてまた遊離基を架橋させて必要な結合を形成させるための硬化剤及び他の手段の使用が必要な場合がある。硬化剤は、空気、可視光線、紫外線、熱、レーザービーム、互いに混合することが必要な化学化合物などであることができる。

それゆえ、接着剤及び硬化剤に頼らない開口閉鎖手段が見出せれば有利である。

上述の通り、多くの医療的処置及び非医療的な出来事が、封止が必要な開口を身体に生じさせ得る。開口は、肺から空気が逃出することを止めるためだけではなく、他の身体部位から体液が逃出することを止めるためにも、閉鎖しなければならない。開口閉鎖のための封止手段は、血液、大脳髄液及び他の流体の流出を止めるために必要とされる。

例示の目的で、生検針によって生じた開口を考える。生検術では、組織を採取するために適合された針が、病変の疑いのあるところまで、通常は複数回、挿入される。十分な量の病巣が採取されたら、これを分析のために実験室に運ぶ。

この生検術を行うためには、先ず、共軸針を、それの先端が病変の疑いがある箇所の近くに位置するように挿入する。次いで、この共軸針の中を通して生検針を挿入する。

共軸針によって生じた穿刺口は、この病巣が、胸などの軟組織内である場合は、自然に閉鎖及び治癒し得る。しかし、肺中に病巣がある場合は、共軸針によって生じた穿刺口は、素早く閉鎖する必要があり得る。縫合糸または接着剤の使用または縫合糸と接着剤との併用は、上述のように周知であるが、このような技術には制限がある。

そこで、肺もしくは他の脈管器官の開口並びに軟組織もしくは硬組織の開口を閉鎖するための器具が必要である。このような必要な器具は、開口を素早く閉鎖するべきであるが、接着剤の場合に生ずる種の問題は起こすべきではない。

医師は、患者の回復を監視するために外科処置部位を再検査する必要がしばしばある。しかし、現在使用されている縫合糸及び接着剤は、追跡検査が望ましい場合に、医師が手術部位を見つける助けとなるものを何ら含まない。

それゆえ、外科的処置の数日後、数週間後または数ヶ月後に手術部位を外科医が見つけるのを可能にする手段に対する要望もある。

しかし、本件発明時に全体として考慮した従来技術から見て、どのように上記の要求を満たし得るかは、関連技術の当業者には明らかではなかった。

発明の要約

医療的または非医療的行為によって哺乳類の身体に生じた開口を封止するための方法及び器具に対するこれまで課題であったが、なお満たされていない要求が、新規で有用でかつ非自明な発明によってここに満たされる。

本発明の第一の態様は、所定の刺激に応答して膨張する予め選択した生体吸収性材料から形成されるプラグを含む。このプラグは、乾燥(dehydrated)プラグに所定の刺激を与える前に、開口部内に丁度収まるようにその大きさが調整される。このプラグは、所定の刺激がそれに与えられると、開口部を封止するまで膨張する。このようにして、このプラグは、膨張した際に、液状もしくはガス状流体が開口部から流れ出るのを防ぐ。このプラグは、自然のプロセスが開口を治癒するにつれ徐々に生体吸収される。予め選択される生体吸収性材料は、乾燥ヒドロゲルであり、そして所定の刺激は、哺乳類の身体中に自然に存在する水分である。

上記プラグは、所定の刺激がをそれに与えられる前は、針の管腔中に丁度収まるようにプラグを適合させて開口部へのプラグの導入を簡単にするために、中実の円筒形の形状であることができる。

プラグを、組織再生のための足場（scaffold) として使用するべき場合は、この目的により好適な形で供することができる。例えば、プラグは、一方の末端でコークスクリューの形状を有することができる。また、該プラグは、機械的アンカー部、すなわち設置後に外方向に半径状に膨張することによって、意図しないプラグの外側への移行を防ぐ先端をも供するように設計することもできる。

このプラグは、造影剤で含浸処理して、磁気共鳴像、超音波、ドップラー、及びＸ線、ＣＴスキャン、乳房造影法、螢光透視法を含む放射線的手段からなる画像手段群から選択される画像手段によってプラグの探知を容易化する。

また別法として、該プラグは、ガンマ計数器及びシンチレーション計数器を含む放射線探知手段によって探知可能な放射性物質を含む。他の変法では、該プラグは、電磁スペクトル内の信号を受信するように適合された受信機によって探知可能な電磁スペクトル内の信号を送信するように適合された送信手段を含む。

該プラグは、針の管腔内に滑動的に入れることができるように適合される。プラグの移動手段は、管腔内でプラグと接触して連動しそしてプラグを管腔の末端の近くの所定の位置まで滑動的に移動させるように適合される。針を抜き取り、かつその際、プラグ移動手段を上記の所定位置に維持すると、プラグが所定位置に設置される。プラグ移動手段の抜き取りは、プラグを移動させない。

該新規材料は哺乳類の心臓における新脈管形成の促進にも利用できる。空腔または穴を心臓に作り、そして成長因子手段をこの穿孔に導入する。次いで、所定の刺激に応答して膨張する生体吸収性プラグでこの穿孔に栓をする。この所定の刺激が生体吸収性プラグに加えられると、それによって生体吸収性プラグが膨張しそしてこの穿孔内に成長因子手段が封止される。

該新規プラグは、更に、硬膜嚢（thecal sac) から髄液が漏出することを防ぐための手段としても使用できる。この場合、共軸針を通して所定の部位に導入した生検針によって、硬膜嚢の所定の部位に開口部が形成される。開口部の形成後、上記生検針は、上記所定部位から抜き取られる。次いで、所定の刺激に応答して膨張する所定の材料からなる乾燥生体吸収性プラグを管腔内に有するデリバリーカテーテルが、上記の共軸針の中を通して上記所定部位に導入される。この乾燥生体吸収性プラグは、上記カテーテルの管腔から上記開口部へと押出され、そしてこのカテーテルは上記所定位置から抜き取られる。この生体吸収性プラグは、上記所定部位に存在する自然の流体によって還元(hydrated)されると膨張する。この膨張は、プラグをその場に保持し、更に、開口部から髄液が漏出することを防ぐ役割もする。

該新規材料はプラグに限定されない。例えば、これは、プラグを滑動可能に収容する筒形員に成形することもできる。このような筒形員及びプラグは、動脈の切開部を封止するための手段を供するために一緒に使用することができる。より具体的には、ガイドワイヤーを切開部から挿入し、そしてイントロデューサーシースの管腔を、イントロデューサーシースの先端がガイドワイヤーによって上記切開部に誘導されるように、ガイドワイヤーに対して収容関係にて置く。イントロデューサーシースの先端は、それが切開部に接触しかつそれを取り囲む関係となるように位置させる。所定の刺激に応答して膨張する所定の材料から形成した乾燥生体吸収性チューブを、乾燥生体吸収性チューブの先端が上記切開部に接触しかつそれを囲む関係に置かれるように、上記イントロデューサーシースの管腔から押し出す。次いで、ガイドワイヤー及びイントロデューサーシースを動脈から抜き取る。次いで、乾燥生体吸収性チューブの内径よりも小さい外径を有するデリバリーカテーテルの先端を、乾燥生体吸収性チューブの管腔中に導入する。所定の刺激に応答して膨張する所定の材料から形成された乾燥生体吸収性プラグを、上記デリバリーカテーテルの管腔内に入れ、そして上記管腔から乾燥生体吸収性チューブの管腔中に押し出す。デリバリーカテーテルを抜き取り、そして乾燥生体吸収性プラグが、動脈を流れる血液内の自然の水分によって接触時に、上記乾燥生体吸収性チューブの管腔内で膨張する。乾燥生体吸収性チューブは、血液内の自然の水分及び動脈を囲む組織内の自然の水分によって接触時に膨張する。

他の態様の一つでは、細長い縫合糸を、所定の刺激に応答して膨張する所定の生体吸収性材料から作る。この細長い縫合糸は、それを閉じられた開口を縫うために使用するために針で引けるように適合される。この細長い縫合糸は、針の直径よりも僅かに小さい直径を有し、それゆえ、この細長い縫合糸の周りには、針の直径からこの細長い縫合糸の直径を引いた分の隙間が生ずる。この細長い縫合糸は、所定の刺激が加わると、それが上記の隙間を封止するまで膨張する。この細長い縫合糸は、膨張すると、上記の隙間から液体もしくはガス状流体が流れ出るのを防止し、そして開口が自然のプロセスによって治療されるにつれ徐々に生体吸収される。この所定の生体吸収性材料はヒドロゲルであり、そして所定の刺激は、哺乳類の身体中に自然に存在する水分である。この細長い縫合糸は、造影剤で含浸処理して、磁気共鳴像、超音波、ドップラー、及び放射線的手段（例えば、Ｘ線、ＣＴスキャン、乳房造影法及び蛍光透視法）からなる画像手段の群から選択される画像手段によってそれの探知を容易化することができる。この細長い縫合糸は、放射線探知手段、例えばガンマ計数器及びシンチレーション計数器によって探知可能な放射性物質を含んでいてもよい。また別法として、上記細長い縫合糸は、電磁スペクトル内の信号を受信するように適合された受信機によって探知可能な電磁スペクトル内の信号を送信するように適合された送信手段を含むことができる。更に、上記細長い縫合糸は、中空で、そしてガス状流体が充填されていてもよい。

慣用の縫合糸は、それが生体吸収性であれまたは非生体吸収性であれ、所定の刺激に応答して膨張する材料で被覆することができ、そして全体的に該新規材料から作られた縫合糸と同じように使用することができる。この種の被覆は、低い摩擦係数を有する滑らかな表面も供し、それによって縫合術の際の外傷を最小化する。

器官の吻合に使用される種の硬質医療用ステープルも、所定の刺激に応答して膨張する所定の生体吸収性材料で被覆し、それによってステープリング術によって生じた開口を埋めることができる。

本発明の重要な課題の一つは、哺乳類の身体の開口を、すばやくかつ慣用の縫合糸、ステープル及び接着剤を使用しないで、封止するための手段を提供することである。

本発明の他の課題の一つは、上記のような開口を封止するための生体吸収性手段を提供することである。

他の主な課題の一つは、医師が追跡検査目的で外科部位を簡単に見つけることを可能にする標識手段を提供することである。

本発明のこれらの及び他の重要な課題、利点及び特徴は、以下の記載から明らかとなる。

それゆえ、本発明は、以下の説明に例示される構造の特徴、各要素の組み合わせ、及び各部分の配列を含んでなり、そして発明の範囲は、特許請求の範囲に示される。

好ましい態様の詳細な説明

図１において、参照番号１０は生検部位を全体として示すものであることが見て取れる。哺乳類の身体中の開口は、上記のように様々な他の医療的処置及び非医療的出来事によって生じ得る。生検術は、例示的な目的のためのみに説明される。

病巣１６から生検サンプルを採取する際は、生検針１２は共軸針１４の管腔１３内に挿入される。なぜならば、生検針１２は、通常、複数回のエントリー及び抜き取りが必要だからである。共軸針１４がないと、生検術中に、生検針１２を患者の皮膚及び肺に複数回穿刺する必要が生じ得る。共軸針１４は、生検針１２よりも僅かに大きい直径を有するが、上記の共軸針の一回の穿刺によって生ずる損傷は、生検針を複数回穿刺することによって生ずるものよりも少ない。

図１の例では、患者の皮膚は１８で示され、そして患者の肺の表面は２０で示される。しかし、本発明の利用性は、生検術によって肺に形成された開口を封止することだけに制限されず、心臓、脳、肝臓、腎臓や、更には骨、軟骨などの硬組織、及び他に任意の原因で形成された開口を封止することも含むと当然に理解される。

十分な量の生検サンプルを採取した後、生検針１２を、共軸針１４から抜く。

図２に示されるように、次いで、円形ディスク２４及びロッド２６を含む押込み具により、乾燥プラグ２２が共軸針１４の管腔１３に滑動的に導入される。この第一の態様では、プラグ２２は中実の筒状構造体であり、長さが約２．５ｃｍであり、そしておおよそ図２に示されるように──すなわちプラグの短部が肺表面２０の外側にあり、そしてそれより長いプラグ部が肺の内側にあるように──位置される。この特定の位置付けは決定的なものではなく、ただ単に、このような使用法では、プラグを穿刺開口に対して封止関係に位置させるのが比較的簡単であるように、プラグ２２は好ましくは比較的長い筒形であることを示しているに過ぎない。プラグ２２が縦に長いことにより、大きい許容誤差範囲が得られる。

図３は、共軸針１４を抜いた後の生検部位１０を示す。共軸チューブ１４を抜く際には、押込みディスク２４及びロッド２６（図２）をその場に保持することによってプラグ２２が移動しないようにする。共軸チューブ１４を完全に抜いた後、押込みディスク２４及びロッド２６を抜く。そうすると図３のようになる。

プラグ２２は、水、血液、空気、可視光線または他の電磁放射線、例えばレーザービーム、所定の化学物質などの刺激と接触すると膨張する材料からなる。好ましい態様の一つでは、上記刺激は、患者の肺もしくは他の軟組織、内部器官などの表面に自然に存在する水分である。

図４は、設置後少し後のプラグ２２を示す。これは水分または他の所定の刺激と少しの間既に接触しており、そしてこの膨張性材料は膨張した状態にする。この膨張により穿刺開口の周縁が効率よく封止され、そして肺から空気が漏れるのが防がれる。他の使用法では、該プラグは、肝臓、心臓、硬膜嚢などから血液または他の液状流体が流れ出るのを止めるために使用される。

他の態様の一つを図５に示す。この態様では、成分吸収性要素２２ａは、ロッド２８の末端に取り外し可能な状態で固定されている。要素２２ａは、ディスクの形状を有し、上記第一の態様の生体吸収性プラグ２２よりも縦方向の長さが短い。プラグ２２ａは、共軸ロッド１４（図５には図示せず）が引き抜かれた際に、穿刺傷の直径よりも少なくとも僅かに大きい直径になるように、未膨張の状態で、好ましくはプラグ２２の直径よりも僅かに大きい直径を有する。次いで、上記プラグ２２ａが、肺の内壁２０に対して封止関係にしっかりと置かれた際に、ロッド２８が引き抜かれ、そしてプラグ２２ａから分離される。

プラグ２２ａが穿刺開口に対して封止関係にしっかりと置かれた時にロッド２８をプラグ２２ａから分離し得るようにロッド２８とプラグ２２ａとを連結するためには様々な手段がある。例えば、所定の強度を持った接着剤を使用することができ、この場合、ロッド２８に対してその長手向軸周りにトルクをかけると分離が起こる。

他の態様の一つを図６に示す。この態様は、プラグ２２ａが、プラグ２２ａとロッド２８の分離の前に、肺の外表面上の穿刺開口に対ししっかりとした封止関係に置かれることを除き、図５の態様と非常に似ている。

図７Ａ〜Ｈは、プラグ２２の可能な変体のうちの数例を示すものである。これらのプラグの全ては、共軸針１４の管腔１３内に位置された際には乾燥状態にあり、そして上記の押込み具によって上記管腔から押し出された際に、身体中の自然な水分との接触または上記のもののような他の手段によって膨張する。

図７Ａでは、プラグ２２は、チューブ状の構造を有する。このプラグは、明らかなように、肺中の開口を封止するためには利用はできないであろう。

図７Ｂのプラグ２２は、その先端に拡大されたアンカー員２２ｂを有する。アンカー員２２ｂは、プラグが管腔１３内にあるときは圧縮されており、そして上記共軸針から出た時にそれ自身のバイアスの下に少なくとも或る程度膨張する。

図７Ｃのプラグ２２は、この図のように長手断面から見た時は概して“Ｕ”字型の形状をしている。

図７Ｄのプラグ２２は、図７Ｃの構造と似ているが、その先端に外側に捲れたフランジ２２ｃを更に含む。フランジ２２ｃは、図７Ｂのアンカー員２２ｂと同じ働きをする。すなわち、このフランジ２２ｃは、身体表面に向かう方向にプラグが長手方向で移動することを防ぐ。この際、上記フランジもしくはアンカー員は、器官または他の組織に生じた開口の内側に対して接触関係に置かれると理解される。

図７Ｅのプラグ２２は、不規則なもしくはコークスクリュー型の先端を有する。図７Ｆは、テーパーが付いたコークスクリューの形状の先端を有するプラグを示す。図７Ｇのプラグ２２は、中実筒状形の先端と後端とを両側に有する不規則な形状のメダル部を含む。

図７Ｃ〜Ｇの態様は、重要なことに、その上に成長ホルモン、幹細胞、治療薬もしくは如何なる種のものなどを置くことができる“足場”としてプラグ２２が機能することを可能にする。増大した表面積は、このような治療的要素を保持する手段を供する。

プラグ２２もしくは２２ａは、充実のもしくは中空の構造であることができる。図７Ｈの態様２２ｂは、中空であり、そして穿刺開口に対して封止関係に置かれる直前もしくは直後に、ガス状の流体が満たされる。このガス状流体は、ロッド３０からプラグ２２ｂの中空内部に導入され、この際、前記ロッドは、プラグ２２ｂの風船様ネック２２ｃと流体連絡状態にある。プラグ２２ｂは、それが開口をしっかりと封止するまでガス導入によって膨張される。ネック２２ｃは、次いで、任意の適当な手段によって封止される。

別法として、プラグ２２ｂは、それの使用前にガス状流体で満たされそしてネック２２ｃは、プラグの導入前に封止される。

針または他の医療器具もしくは非医療器具によって穿刺され得そして封止を必要とし得る身体の内部器官は肺だけではないことが当然に理解される。任意の脈管器官、例えば腎臓、肝臓、心臓、脳及び胃に生じた開口を、該新規器具によって封止することができる。なお、本発明は、脈管器官の封止に制限されない。例えば、本発明は、硬膜嚢に生じた開口を封止するためにも使用することができる。該新規器具は、哺乳類の軟組織もしくは硬組織に任意の手段で生じた開口を封止するのに利用することができる。

また、本発明は、例えば、膝、背中及び首に対して行われる関節鏡検査、内視鏡検査もしくは腹腔鏡検査術の際に生ずる種の外科部位を封止するためにも使用できる。膨張性生体吸収性プラグの直径は、共軸針の役割を為すトロカールもしくは他の装置に適合させるのに必要ならば、大きくすることができる。

更に別の例の一つとして、該新規プラグは、大腿動脈の切開部を封止するために使用することができる。

プラグ２２は、開口部が治癒するにつれ身体に生体吸収されるように、生体吸収性材料から作られる。治癒に要する時間はヒトそれぞれ異なるので、生体吸収性材料は、それが数週間から数ヶ月程度等の期間内に完全に生体吸収されるように選択されるべきである。

接触時に水により膨張する適当な生体吸収性材料の例には、ヒドロゲル、コラーゲン、ポリサラクチン酸（polysalactic acid)及び他の任意の適当な親水性の剤が包含される。

生物学的流体などの水性流体の存在下に膨潤するポリマーの例を以下に記載する。次に挙げるポリマーの実質的に全てがヒドロゲルである。合成ヒドロゲルは、次の部類のポリマーから製造することができ、そしてこれらは一般的に非生分解性と考えられている。

ポリ（ヒドロキシアルキルメチルアクリレート）、例えばポリ（グリセリルメタクリレート）、
ポリ（アクリルアミド）及びポリ（メタクリルアミド）及び誘導体、
ポリ（Ｎ−ビニル−２−ピロリドン）
陰イオン性及び陽イオン性ヒドロゲル、
ポリ（ビニルアルコール）、
ポリ（エチレングリコール）ジアクリレート、及びポリ（エチレンオキシド）−ポリ（プロピレンオキシド）−ポリ（エチレンオキシド）ブロックからなるブロックコポリマーからの誘導体、及びポリ（プロピレンオキシド）−ポリ（エチレンオキシド）−ポリ（プロピレンオキシド）ブロックからなるブロックコポリマーからの誘導体。

上記ポリマーの全ては、エチレングリコールジメタクリレートまたはメチレン−ビス−アクリルアミドなどの剤で架橋することができる。

生分解性合成ヒドロゲルは、次に挙げるモノマーの一種またはそれ以上を組み入れることによって上に挙げたものなどのポリマーから製造することができる：
グリコリド、ラクチド、ｅ−カプロラクトン、ｐ−ジオキサノン及びトリメチレンカーボネート。

加えて、生分解性ヒドロゲルは、例えば以下に挙げるものなどの天然物質に基づくこともできる：
ポリペプチド類、例えばゼラチン、これは、ホルムアルデヒドもしくはグルタルアルデヒドまたは種々の他のジアルデヒドで架橋することができる；
変性キチンヒドロゲル、これは部分的にＮ−脱アセチル化したキチンから製造することができ、そして次いでグルタルアルデヒドなどの剤で架橋することができる；
ポリサッカライド類のデキストランは、３−アクリロイル−２−ヒドロキシプロピルエステルなどの基で誘導体化することができ、次いでＮ’，Ｎ’−メチレンビスアクリルアミドとの遊離基共重合によって架橋することができる；
澱粉も、これと同様にまたはグリシジルアクリレートを使用して誘導体化することができ、次いで上述のように遊離基架橋に付すことができる。

該新規プラグは、螢光透視、超音波、Ｘ線、磁気共鳴像、コンピュータ連動断層撮影（ＣＡＴ）走査、及び他の画像技術の下に可視となるようにも処理される。それゆえ、該新規プラグは、ラジウム、ヨウ素、ベリリウムまたは他の造影剤を含む造影液を含むかまたはこれらで含浸処理されていてもよい。

本発明の生体吸収性材料は、糸様の形で製造し、縫合糸材料として使用してもよい。また別法として、慣用の縫合糸材料を用いて縫合糸を製造した後、該生体吸収性材料を縫合領域に局部的に適用して、縫合によって生じた穿刺の封止を補助してもよい。

図８Ａは、本発明の新規乾燥ヒドロゲル材料からなる縫合糸材料３２の細長い糸を示し、そして図８Ｂは、組織３３の切開部を閉じるために使用された上記縫合糸材料３２を示す。

縫合糸の第一の態様では、縫合糸材料３２は、その全体が本発明の乾燥ヒドロゲル（dehydrated hydrogel ）から形成される。縫合糸材料３２が組織と接触すると、その組織内の自然の水分により材料３２が膨張して、針で開けられた穴を封止する。この際、この針は、縫合糸材料３２よりも大きい直径を有するものと理解される。身体は、生体吸収性縫合糸が吸収されるにつれ治癒し、そして自然治癒の結果、穴が完全に閉塞された後には縫合糸材料は残留しない。

第二の態様では、通例のＰＧＡ／ＰＬＡ縫合糸または非生体吸収性縫合糸が、該新規縫合糸材料、すなわち乾燥されたヒドロゲル等の伸張可能なタイプのポリマーで被覆される。図８Ａ及び８Ｂは、この第二の態様も示すものと解釈されたい。この被覆層は、組織内の水分と接触すると膨張する。当然ながら、生体吸収性縫合糸材料の下にある非生体吸収性縫合糸は、生体吸収性材料が吸収された後はそこに残るが、その時には身体の自然の治癒プロセスが、縫合糸の周りの穴を封止している。通例のＰＧＡ／ＰＬＡ縫合糸を被覆した場合は、その被覆層が生体吸収されると供にこの縫合糸も生体吸収される。

有利には、殆どの使用法において、身体の自然な水分が縫合糸もしくは縫合糸被覆層を膨張させて、針のより大きな直径によって生じたそれの周りの空間を埋める。これによって、縫合糸に接着剤を塗る必要及びこの接着剤を硬化させる段階を無しで済ませることができる。

図９Ａ〜９Ｇは、心臓病患者において、新脈管形成を促進するために心臓組織に形成した空腔を埋めるにあたって該新規プラグがどのように使用できるかを開示するものである。成長因子、幹細胞またはこれらの類似物を空腔または盲穴に入れ、そしてこれらの図中に記載の該新規プラグによってそこに封止する。図９Ａでは、共軸針４０が、心外膜４２及び心筋層４４に対して貫通関係で図示されている。この具体例においては、心臓５０の左心室４８が穿刺されることを避けるために心内膜４６は貫通されない。生検針５２を、共軸針４０の管腔に通して挿入して、心筋層４４から組織芯を除去する。これによって心筋層４４に盲穴が形成される。

次いで、生検針５２を共軸針４０の管腔から除き、そして図９Ｂに示すように、次いでデリバリーシース５４を上記共軸針の管腔内に挿入する。成長因子５５、例えば血管内皮成長因子、幹細胞またはこれらの類似物を、プランジャー５６によって、デリバリーシース５４の管腔から盲穴に押し込む。

次いで、プランジャー５６を、デリバリーシース５４の管腔から一旦抜き、そして乾燥生体吸収性プラグ２２ｄをこの管腔に挿入する。次いで、図９Ｃに示すように、プランジャー５６を元に戻してプラグ２２ｄを押し込んでそれを盲穴に対して封止関係に置く。

図９Ｄは、上記の封止関係に置かれたプラグ２２ｄを示す。盲穴の底に置かれた成長因子５５は、生体吸収性プラグ２２ｄによってそこに封止される。プラグ２２ｄは、心筋層の自然の水分もしくは体液によって還元され、そして図９Ｄでは、成長因子５５がそこから漏れ出せ得ないように、膨張して盲穴をきつく封止している。

図９Ｅは、成長因子５５が充填されそしてプラグ２２ｄで封止された複数の盲穴部位を示す。成長因子５５は、新脈管形成を促進し、その結果、新しく形成された血管が、心臓の損傷領域全体にわたって死亡もしくは損傷した血管の機能を果たすことができる。各々のプラグ２２ｄの外表面２３は親水性であるため、心膜組織は生検部位に付着しない。

図９Ｆ及び９Ｇに示すように、盲穴もしくは空腔は、心筋層の内表面中にも形成することができる。図９Ｆ中の空腔５３は、生検ガンもしくは他の適当な器具によって心内膜４６内に形成され、そして成長因子が充填される。心外膜４２は、この態様では穿刺されない。次いで、乾燥生体吸収性プラグ２２ｄを、適当なプランジャー手段によって滑入することによって空腔５３に対して封止関係に置いて図９Ｇに示す構造を得る。次いで、空腔５３付近の損傷した心臓組織が新生血管形成によって再生される。複数の空腔５３を、必要に応じて心筋層４４の内側に形成することができる。

図１０Ａは、脊髄６０から髄液５９を抜き取るために使用された注射器５８の針を収容する共軸針４０を示す。頸筋は６１として示す。

次いで、注射器５８を抜き取りそして、図１０Ｂに示すように、乾燥生体吸収性プラグ２２ｄをプランジャー５６によりデリバリーカテーテル５４の管腔から押し込むことによって、注射器５８の針によって生じた開口に対して封止関係に置く。

図１０Ｃは、上記針によって開けられた開口に対して封止関係にある生体吸収性プラグ２２ｄを示す。このプラグ２２ｄは、髄液５９、脊髄６０及び頸筋６１によって供される自然の水分によってそれの膨張した形状の状態にある。

図１１Ａ〜１１Ｅは、動脈の切開部を封止するにあたって本発明のプラグをどのように使用し得るかを示す。

図１１Ａには、診断もしくはインターベンション目的で開けられ得る切開部７１から大腿動脈もしくは他の動脈７２に挿入されたガイドワイヤ７０が図示される。主となる診断もしくはインターベンション術が行われた後、使用した器具は取り除くが、ガイドワイヤ７０は、それを以下のように使用し得るようにその場に残す。イントロデューサーシース７４の先端７４ａを、動脈７２に対し接触関係にかつ切開部７１に対してそれを囲む関係に位置させる。参照番号７３は脂肪を意味しそして７５は皮膚の表面である。

次いで、チューブの形の乾燥生体吸収性材料２２ｅを、図１１Ｂに示されるように、それの先端も切開部７１に対してそれを取り囲む関係において動脈７２と接触するように、イントロデューサーシース７４の管腔７６を通して導入する。

次いで、図１１Ｃに示されるように、切開部７１に対してそれを包囲する関係の状態でチューブ２２ｅを残したまま、イントロデューサーシース７４を抜く。

次いでガイドワイヤ７０を抜く。図１１Ｄに示されるように、図１１Ｂのイントロデュサーシース７４よりも小さい外径を有するイントロデューサーシース８０を使用して、チューブ２２ｅに対して閉栓関係で乾燥プラグ２２ｆを位置させる。具体的には、プラグ２２ｆを、イントロデューサーシース８０の管腔８１中に入れ、そして上記イントロデュサーシース８０の先端が、図示の通りに、チューブ２２ｅの後端に滑動可能に挿入される。次いで、プランジャー８２を使用してプラグ２２ｆをチューブ２２ｅ中に押し込む。この際、プラグ２２ｆは、それの封止機能を発揮させる上で切開部７１に接触する必要はないことに注意されたい。

図１１Ｅは、イントロデュサーシース８０及びプランジャー８２を抜いた後のチューブ２２ｅ及びプラグ２２ｆを示す。チューブ２２ｅ及びプラグ２２ｆは両方とも今や身体の自然の水分によって還元されている。それゆえ、双方とも膨張しており、そして脂肪２３によって及び互いによってその場所に保持されている。また更に、動脈を流れる血液の水分も、チューブ２２ｅ及びプラグ２２ｆの膨張を引き起こす役目を為す。切開部７１は徐々に治癒し、そしてチューブ２２ｅ及びプラグ２２ｆは、経時的に生体吸収される。皮膚７５の表面から上方に突き出るチューブ２２ｅの後端を切り取って、それを皮膚と同じ高さにするかまたは皮膚よりも僅かに窪んだ面となるようにすることができる。

図１２Ａ〜Ｃは、ステープルに関した該新規材料の使用法を示す。慣用の非生物吸収性ステープルが、切開部を閉じるためにしばしば使用される。この態様のステープルは、肺や腸などの器官の端端吻合及び端側吻合に使用される。図１２Ａは使用前のステープル９０を示し、そして図１２Ｂは適用後のそれの機能状態の前記ステープル９０を示す。図１２Ｃは、切開部９３によって分離された９１及び９２の二つの組織片を互いに保持した時の上記ステープルを示す。この態様は、該新規材料を慣用のステープル上の被覆層として使用することを必要とする。なぜならば、慣用のステープルは、それが組織層９１及び９２に穴を開けることを可能にするために必要な剛性を供するからである。次いでこの被覆層は膨張して、ステープルによって開けられた穴を封止し、そしてこの穴は、生体吸収性被覆層が生体吸収されるにつれ徐々に治癒する。

上記の記載から、該新規方法が、所定の刺激に応答して膨張する生体吸収性材料からなるプラグを供することによって、針または他の医療的もしくは非医療的器具によって生ずる種の開口を封止する段階を含むことは明らかである。このプラグは、針やデリバリーシースなどの管腔内に位置させ、そして適当な押込み手段によってそれから押し込むか、または他の任意の適当な方法によって導入することができる。特定の導入法は栓をすべき開口のタイプに依存し、そしてこの特定の使用方法は、本発明とって決定的なものではない。針が使用される例示的な態様の一つでは、プラグは、針の管腔の端部近くの所定の位置までプランジャー手段によって滑動的に移動される。プラグを所定の位置に維持しながら針を抜くと、その所定の位置にプラグが配置される。次いで、所定の刺激が加えられると、プラグが膨張して、針によって開けられた開口が封止される。

該新規材料を、縫合糸材料として使用するために糸様の形状に成形するか、または生体吸収性かもしくは非生体吸収性であることができる慣用の縫合糸材料のための被覆材として使用する場合には、該新規方法は、許容可能な医療術に従い開口を縫う段階を含む。多くの使用法では、身体の自然な水分が縫合糸もしくは被覆層を半径方向に膨張させて、それによって、針のより大きな直径によって形成されたそれの周りの空間が埋められる。十分な水分がないときは、例えば、単に、食塩水の形で水分をブラシ掛けもしくは吹き付けることができる。上述のように、水分以外の他の活性化剤も、本発明の範囲に含まれる。

該新規材料を、慣用のステープルの被覆材として使用する場合は、該新規方法は、許容可能な医療術に従って被覆ステープルを使用する段階を含む。この被覆層は膨張して、ステープルによって開けられた開口もしくは穴を埋め、そしてこの被覆層は開口部が治癒するにつれて生体吸収される。

該新規膨張性ポリマーは、組織内の空腔を埋めるためにも利用できる。例えば、図１３Ａに示されるように、腫瘍もしくは病巣を除去した場合は、肝臓もしくは他の器官等の組織１０２には空腔１００が生じ得る。カテーテル１０４をその部位に導入し、そして該新規材料からなる複数の乾燥プラグ２２を空腔１００に押し込む。図１３Ｂに示されるように、プラグ２２は、自然に存在する水分と接触すると膨張してこの空腔を埋める。これによって、空腔が埋められずにいると起こり得る感染または他の合併症が防がれる。

他の一例として、該新規プラグ２２は、動脈瘤によって生じた空間を埋めるためにも使用できる。図１４Ａでは、動脈瘤１０６が動脈１０８に隣接する嚢を形成している。カテーテル１１０を、動脈１０８から動脈瘤１０６に導入し、そして乾燥状態の複数の該新規プラグ２２を動脈瘤に押し込む。図１４Ｂに示されるように、利用可能な自然の水分がプラグ２２を膨張させ、そして動脈瘤が残した空腔が埋められる。

それゆえ、該新規プラグは、組織表面に開口が生じた適応に利用できるだけではなく、組織内の空腔もしくは他の嚢をそれらが生じた原因がなんであれ埋めることにも利用できることが理解される。

更に、自然の体液が乾燥プラグもしくは複数のプラグを活性化させることを待つことが禁忌の恐れがある適応があることも理解される。このような適応では、プラグを針もしくはカテーテルまたは他のプラグ送達デバイスから押し出して開口もしくは空腔に入れる前に、食塩水もしくは他の適当な水分供給源をそれらの管腔に注入する。このようにすることによって、プラグを配置する前に既にそれの還元が始まり、その結果、プラグが送達デバイスから放たれた後に完全に膨張するまでの時間が短縮されるか、またはそのような待ち時間がまったく無くなる。

該新規膨張性生体吸収性材料の更に別の適応は、哺乳類の心臓に開いた穴もしくは複数の穴をパッチ閉塞することである。図１５Ａの例では、隔壁１２２中の穴１２０が、右心房１２４と左心房１２６との間に容認できない程度の流体の連絡を供している。図１５Ｂに示すように、ガイドワイヤ７０を、大腿静脈１２８の中を通して導入することによって、ガイドワイヤ７０の自由端部を穴１２０から隔壁１２２に通して左心房１２６中に入れる。次いで、デリバリーカテーテルもしくはシース１３０を、このシースの自由端部も左心房１２６内に位置されるまでガイドワイヤを通じて導入する。

次いで、図１５Ｃに示されるように、ガイドワイヤ７０を抜き取る。次に、プラグ２２を、プランジャーでこれをその場に保持しそれと同時にシース１３０を若干引くことによって、このプラグの自由端部が左心房内に位置されるまでシース１３０の管腔から押し出す。プラグ２２は、心臓内の自然の水分と接触すると膨張する。またこのプラグ２２は、その設置の前に、食塩水もしくは他の適当な溶液をシース１３０の管腔に注入することによって予備還元することもでき、その結果、膨張時間が短縮されるかまたは無くなる。左心房１２６中でのプラグ２２の膨張はアンカー手段を供し、その結果、シース１３０をゆっくりと引き抜くことができ、そうしてプラグ２２が開口１２０に設置される。

図１５Ｄに示されるように、次いでシース１３０を更に引き抜くと、プラグ２２が右心房１２４中で膨張し始める。次いで、図１５Ｅに示されるように、シース１３０を完全に引き抜く。プラグ２２は今や完全に膨張しそして穴１２０が閉塞される。その結果、左心房及び右心房は、もはや、互いに流体連絡の関係にない。

プラグ２２は、上記の本発明の態様に記載のように、造影剤で被覆もしくは含浸処理して、様々な画像技術を用いた際のそれの位置確認、それゆえ正確な設置を容易化する。

心臓の開口を封止するために使用されるプラグは、好ましくは、長い時間をかけて非常にゆっくりと生体吸収される材料からなる。プラグ２２は、治癒を促進するために成長因子もしくは他の治療剤で含浸処理してもよい。

それゆえ、上記課題及び上記の記載から明らかな他の課題が効果的に達成されることが理解されるであろう。或る程度の変更は本発明の範囲を逸脱することなく上記の構成に加えることができ、それゆえ、上記の記載に含まれる全ての事項または添付の図面に示される全ての事項は例示的なものに過ぎず、限定的な意味合いではないことが意図されている。

また、特許請求の範囲は、本明細書に記載される発明の全ての一般的及び具体的特徴、及び言語的にそれらの間に含まれ得ると言える本発明の範囲の全ての記載を包含することを意図したものであることも理解される。

以上、本発明の説明とする。

本発明の特質及び対象のより十分な理解のために、添付の図面に関連して以下の詳細な説明を参照されたい。なお、添付図において、
図１は、肺もしくは他の軟組織中の病巣からサンプルを採取する生検針の側面立面図である。 図２は、図１の共軸針中での生体吸収性プラグの位置付けを示す図である。 図３は、図２と同じものであるが、但し、共軸針を抜き取り、刺し傷に対して封止関係で生体吸収性プラグをその場に残した後の図である。 図４は、図３と同じものであるが、但し、拡大した形状のプラグを示す図である。 図５は、生体吸収性封止材を肺の内表面上に位置させた他の態様を示す図である。 図６は、生体吸収性封止材を、肺の外表面上に位置させた他の態様を示す図である。 図７Ａは、チューブ形プラグの縦断面図である。 図７Ｂは、拡大された先端を有するプラグの縦断面図である。 図７Ｃは、治療薬等のための“足場”として使用できるプラグの縦断面図である。 図７Ｄは、足場として利用できる他のプラグ形状の縦断面図である。 図７Ｅは、足場として利用できる他のプラグ形状の縦断面図である。 図７Ｆは、足場として利用できる他のプラグ形状の縦断面図である。 図７Ｇは、足場として利用できる他のプラグ形状の縦断面図である。 図７Ｈは、他の態様としての中空生体吸収性プラグの図である。 図８Ａは、生体吸収性縫合糸を単独で示す図である。 図８Ｂは、切開部を閉じるのに使用された生体吸収性縫合糸の図である。 図９Ａは、哺乳類の心臓の心筋層に盲穴もしくは芯(blind bore or core)を形成するところを示す図である。 図９Ｂは、上記盲穴に成長要因を注入するところを示す図である。 図９Ｃは、生体吸収性封止材を生検部位に送達するところを示す図である。 図９Ｄは、上記成長因子に対して封止関係にある生体吸収性封止材を示す。 図９Ｅは、成長因子が充填されそして本発明の生体吸収性プラグで封止された複数の盲穴を示す。 図９Ｆは、心筋層の内表面に空腔を形成するところを示す。 図９Ｇは、該新規生体吸収性封止材で図９Ｆの空腔を閉塞して、成長因子をその空腔中に封止した図を示す。 図１０Ａは、脳髄液を抜くために硬膜嚢を穿刺しているところを示す図である。 図１０Ｂは、穿刺部位に乾燥プラグを送達しているところを示す類似の図である。 図１０Ｃは、硬膜嚢に生じた穿刺部位に対して密閉関係にある還元されたプラグを示す。 図１１Ａは、動脈に形成された切開部を封止するために一態様の該新規プラグを使用する方法の第一段階を示す、連続画の第一図である。 図１１Ｂは、上記連続画の第二図である。 図１１Ｃは、上記連続画の第三図である。 図１１Ｄは、上記連続画の第四図である。 図１１Ｅは、上記連続画の第５図及び最終図である。 図１２Ａは、該新規膨張性かつ生体吸収性材料で被覆されたステープルの前面立面図である。 図１２Ｂは、適用後の機能状態の図１２Ａのステープルの前面立面図である。 図１２Ｃは、切開部の両側で該新規ステープルで互いに接合された組織を示す断面図である。 図１３Ａは、本発明の新規乾燥生体吸収性ポリマーが充填された、組織内に生じた空腔の図示である。 図１３Ｂは、膨張したポリマーで満たされた上記空腔を示す図である。 図１４Ａは、本発明の新規乾燥生体吸収性ポリマーが充填された動脈瘤の図示である。 図１４Ｂは、膨張したポリマーで満たされた動脈瘤を示す図である。 図１５Ａは、哺乳類の心臓の隔壁に開いた穴を図示するものである。 図１５Ｂは、上記の穴を封止する該新規行程を示す４つの連続画のうちの第一図である。 図１５Ｃは、上記連続画のうちの第二図である。 図１５Ｄは、上記連続画のうちの第三図である。 図１５Ｅは、上記連続画のうちの第四図である。

Claims (14)

1. 任意の原因により哺乳類の身体に生じた開口を封止するための器具であって、
   上記哺乳類の身体に自然に存在する水分に応答して膨張する生体吸収性乾燥ヒドロゲルポリマーから形成されたプラグを含み、このプラグはポリヒドロキシアルキルメチルアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリＮ−ビニル−２−ピロリドン、陰イオン性もしくは陽イオン性ヒドロゲル、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ジアクリレート、及び次の誘導体、すなわちポリ（エチレンオキシド）−ポリ（プロピレンオキシド）−ポリ（エチレンオキシド）及びポリ（プロピレンオキシド）−ポリ（エチレンオキシド）−ポリ（プロピレンオキシド）ブロックから構成されるコポリマーの誘導体からなる群からの予め選択された化合物を、エチレングリコールジメタクリレート及びメチレン−ビス−アクリルアミドからなる群から選択される剤で架橋し、そして生じた非生分解性合成ヒドロゲルを、グリコライド、ラクチド、ｅ−カプロラクトン、ｐ−ジオキサノン及びトリメチレンカーボネートからなるモノマーの群から選択される少なくとも一種のモノマーと反応させることによって得られた材料を含んでおり、この際、
   上記乾燥プラグは、上記水分が該乾燥プラグに加えられる前は上記開口内に丁度収まるように作られており、かつ
   上記乾燥プラグは、上記水分が加えられると、それが上記開口を封止するまで膨張するものであり、それによって
   上記プラグは、膨張した際に、上記開口からの液体もしくはガス状流体の流れを防ぎ、かつ
   上記プラグは、上記開口が自然のプロセスによって治癒されるにつれ徐々に生体吸収される、
   上記器具。
2. 上記乾燥プラグが、上記水分がそれに加えられる前は中実の筒状構造を有し、それによって、この乾燥プラグが、それの上記開口への導入を容易化するために、針の管腔に丁度収まるように適合されている、請求項１の器具。
3. 上記針の管腔内に滑動可能に入れられ得るように適合された上記乾燥プラグ、及び
   上記管腔内で上記乾燥プラグと接触して連動しそしてこの乾燥プラグを上記管腔の末端近くの予め選択された位置まで滑動的に移動させるように適合されたプラグ移動手段を含み、それによって、
   上記の針を抜き取ると供に、その際上記プラグ移動手段を上記予め選択された位置に保持することにより、上記予め選択された位置に上記乾燥プラグが設置され、かつ
   上記プラグ移動手段の抜き取りは上記乾燥プラグを移動させない、
   請求項１の器具。
4. 上記プラグが、先端に拡大されたアンカー員を含む、請求項１の器具。
5. 上記プラグが、概して“Ｕ”字型の形状の長手断面を有する、請求項１の器具。
6. 上記プラグが中空である、請求項１の器具。
7. 上記プラグがコークスクリュー型の先端を有する、請求項１の器具。
8. 上記プラグが、先端、先端の反対側の後端、および中間領域であって、治療剤をそこへ装着することを容易化するための不規則な形状を有する中間領域を有する、請求項１の器具。
9. 上記治療剤が、成長因子、幹細胞および抗病薬からなる群から選択される治療剤である、請求項８の器具。
10. 上記プラグが造影剤で含浸処理されている、請求項１の器具。
11. 上記造影剤が、以下：
    磁気共鳴像、超音波、ドップラー、Ｘ線、ＣＴスキャン、乳房造影法および螢光透視法、のうちの１つによる上記プラグの探知を容易化するために使用される、請求項１０の器具。
12. 上記プラグが放射性物質を含む、請求項１の器具。
13. 上記放射性物質がガンマ計数器またはシンチレーション計数器によって探知可能である、請求項１２の器具。
14. 上記プラグが、電磁スペクトル内の信号を受信するように適合された受信機によって探知可能な電磁スペクトル内の信号を送信するように適合された送信機を含む、請求項１の器具。

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