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JP4533673B2 - 赤外観察システム及び赤外観察システムによる作動方法 - Google Patents

赤外観察システム及び赤外観察システムによる作動方法 Download PDF

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Description

この発明は、赤外観察システム、詳しくは光源装置及び撮像手段を有する手術用の内視鏡装置を含む赤外観察システムに関し、さらに詳しくは撮像手段によって主に生体の血流情報を取り込んで画像データ化し、その画像を表示したり画像解析手法によって定量化することで虚血性疾患等に対する病変部の同定をおこなって外科処置を容易におこない得るようにする手術用の赤外観察システムに関するものである。
近年、腹腔や胸腔等の体腔内に内視鏡等を挿入して外科手術をおこなう内視鏡下外科手術が普及している。このような内視鏡下外科手術において使用される内視鏡装置には、電荷結合素子(CCD;Charge Coupled Device)等の撮像デバイスを用いた電子内視鏡等がある。
従来の電子内視鏡は、カラーモニター上にリアルタイムで鮮明な動画像を表示することができるので、近年において広く普及し利用されている。この電子内視鏡では、通常の場合、可視光を観察光として用いるので、これによって取得され、所定の信号処理を経て出力される画像データに基づいてモニター上に表示される内視鏡画像は、直視に近い観察像となる。
また、従来の電子内視鏡としては、これ以外にも、例えば近赤外光に感度を有する撮像素子を用いることで赤外光を観察し得るようにした赤外電子内視鏡がある。この赤外電子内視鏡では、生体での光の吸収の主な要因となるヘモグロビンや水による吸収が少ない近赤外光を用いるので、通常使用される可視光では困難となる組織深層の情報の画像化に有用であるという利点がある。
上述のような赤外電子内視鏡を用いた観察では、血中内で805nm付近の近赤外光に吸収ピークを持つ赤外吸収色素であるインドシアニングリーン(ICG;Indocyanine Green )等の薬剤を造影剤として静脈注射により投入する方法がおこなわれている。このICGを静脈注射することにより、粘膜や漿膜等の生体の血管部分に陰影が生じ、薬剤を使用しない場合と比較して、より明瞭に血管の走行状態を観察することができる。
また、内視鏡画像を表示するモニターとしては、画像の赤色成分と緑色成分と青色成分とを示すR,G,B信号及び同期信号からなる4つの信号が入力され、R,G,B信号をそれぞれ赤色,緑色,青色の各光を発生させる蛍光体のドットに対応させてブラウン管または液晶表示装置等に表示させるようにしたものが主流となっている。
従来の赤外観察システムとしての赤外内視鏡システムとしては、例えば特開2000−41942号公報等によって種々提案がなされている。
上記特開2000−41942号公報によって開示されている赤外内視鏡システムは、805nmの波長を含む第1の波長帯域の光及び805nmの波長を含まない第2の波長帯域の光を放射する光源手段と、この光源手段から放射された光により照射される被写体の第1の波長帯域の像及び第2の波長帯域の像を撮像する撮像手段と、この撮像手段により撮像される第1の波長帯域の像を緑色成分として表示し、第2の波長帯域の像を赤色成分あるいは青色成分の少なくとも一方の色成分として表示する表示装置とを具備して構成している。このような構成によって、第2の波長帯域の反射光を高コントラストで観察することができるというものである。
一方、内視鏡下外科手術は、従来より開腹下あるいは開胸下で実施されている手術(Open Surgery)を、この内視鏡下外科手術に用いる所定の内視鏡システム及び専用の処置具(手術具)を用いておこなうことで、患者に対する侵襲性を小さくすることができるという効果がある。
具体的には、腹腔鏡下手術では、腹壁に腹腔鏡φ5mm〜φ12mm程度の孔を複数箇所(3〜4箇所)開けるのみで手術をおこなうことができる。このため、従来の開腹開胸術(Open Surgery)に比べて術後の疼痛の軽減や入院期間の短縮や美容面等のいわゆる患者QOL(Quality Of Life)を著しく向上させることができる。
内視鏡下手術は、多くの疾患に対して利用されており、胸腔鏡下手術では肺気腫や気胸症例が、腹腔鏡下手術では胆嚢摘出術や胃または大腸等の消化器疾患に対する手術や心臓疾患に対する手術等、さまざまな分野疾患において応用されている。
特開2000−41942号公報
ところが、内視鏡下手術では、直接組織に触れることができないので、触感が無く処置が煩雑になる。また、術者が患部を直接観察する場合と比較して、表示画像の解像度や立体感の相違に起因する困難さや、特に視野内の血流情報に関しては、動脈の拍動を触知し得うることができず、さらにその結果として末梢側の血流量の評価をおこない難い等、開腹開胸術(Open Surgery)の場合との相違が顕著にあらわれる部分が指摘されており、それらの情報を術者に提供することは非常に重要な課題となっている。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、臓器表面等の血流に着目し、血流分布をリアルタイムで画像として可視化すると共に、この画像についての解析を施すことによって処置対象部位を客観的に容易にかつ正確に判断し適切な治療及び治療効果の確認をおこなうことのできる手術用の赤外観察システム及びその方法を提供することである。
また、従来の内視鏡下手術における問題点を改善し、直視では得られない情報を赤外光と撮像手段とを組み合わせることによって獲得し、手術のより安全性や成績の向上に寄与することのできる手術用の赤外観察システムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明による赤外観察システムは、805nmの波長を含む第1の波長帯域の光と805nmの波長を含まずそれよりも長波長側の第2の波長帯域の光とを放射する光源装置と、この光源装置から放射された光により照射された被写体の前記第1の波長帯域の像及び前記第2の波長帯域の像を撮像する撮像装置と、この撮像装置により撮像された前記第1の波長帯域の像と前記第2の波長帯域の像とを各々赤色または緑色または青色のいずれかの色成分として表示する表示装置とからなる観察装置を少なくとも具備する赤外観察システムにおいて、赤外吸収色素が投与された患者を前記撮像装置により撮像して得られた前記赤外吸収色素が描出された静止画像データから前記赤外吸収色素の最大色素量を検出し、その検出結果に基づいて画像解析を行う画像解析手段を備え、前記表示装置は、前記画像解析手段による画像解析結果を画像化して表示することを特徴とする。
本発明によれば、臓器表面等の血流に着目し、血流分布をリアルタイムで画像として可視化すると共に、この画像についての解析を施すことによって処置対象部位を客観的に容易にかつ正確に判断し適切な治療及び治療効果の確認をおこない得る手術用の赤外観察システム及びその方法を提供することができる。
また、直視では得られない情報を赤外光と撮像手段とを組み合わせることによって獲得し、手術のより安全性や成績の向上に寄与し得る手術用の赤外観察システムを提供することができる。
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の赤外観察システム(赤外内視鏡システム)に用いられる内視鏡装置の全体構成を示すブロック構成図である。図2は図1の内視鏡装置における光源装置に設けられる赤外可視切替フイルタの構成を示す図である。図3は、図1の内視鏡装置における光源装置に設けられるRGB回転フイルタの構成を示す図である。図4は、図2の赤外可視切替フイルタと図3のRGB回転フイルタとを組み合わせた際の特性を説明する図である。図5は、画像解析処理の設定手順の流れを示す図である。図6は、ICGの波長による透過特性を示すグラフである。図7は、ICG投与後の時間経過と血中濃度の関係を示すグラフである。図8は、肺組織の一部を拡大して示す要部拡大概略図である。図9は、光の波長と観察深さとの関係を模式的に示す図である。図10は、人工的に作成した肺気腫モデル及び正常部位の肺組織像である。図11は、ICG静脈注射後の経過時間と肺胸膜下の血流中のICG濃度との関係を示すグラフである。図12は、本実施形態の赤外観察システムのプロセッサ内に設けられる画像処理回路の内部構成の概略を示すブロック構成図である。図13は、画像処理回路による処理の結果表示される画像解析表示の一例を示し、ICG静脈注射後のICG色素量(色の濃さ)を胸腔鏡画像として表示した図である。図14は、画像処理回路による処理の結果表示される画像解析表示の別の一例を示す図である。図15は、画像処理回路による処理の結果表示される画像解析表示の他の例を示し、気腫性変化を時間遅延で評価する際の表示例を示す図である。図16は、肺気腫及び気胸に対して上述の赤外観察システムを用いた胸腔鏡手術において、観察範囲を固定する手段の一例を示し、手術台に接続固定され観察装置(胸腔鏡)の一部を保持固定するスコープホルダを示す図である。
本発明の一実施形態の赤外観察システムである赤外内視鏡システムの一部を構成する内視鏡装置1は、図1に示すように観察用の照明光束を発するための光源手段である光源装置7と、体腔内に挿入するためのスコープ2と、このスコープ2に設けられる撮像素子(CCD)15によって取得される画像信号を受けて所定の信号処理を施すプロセッサ3と、このプロセッサ3から出力される表示用の画像信号を受けて画像を表示する表示装置であるモニター4と、例えばデジタル形式の画像信号を記録するデジタルファイリング装置や画像を写真として記録する写真撮影装置等の周辺装置5等とによって主に構成される。
光源装置7は、光を放射するキセノンランプ等の照明部材であるランプ8と、このランプ8の照明光路上に設けられ透過波長を制限する赤外可視切替フイルタ9と、この赤外可視切替フイルタ9の切り替え駆動をおこなうモーター10と、透過させる光の波長帯域を制限する複数のフイルタを備えたRGB回転フイルタ11と、このRGB回転フイルタ11を回転駆動するモーター12と、ランプ8の照射光量を制限する照明光絞り13と、赤外可視切替フイルタ9を切り替えるためのに指示信号等を発生させるフイルタ切替スイッチ(SW)16等を備えて構成されている。
スコープ2は、光源装置7からの照明光を当該スコープ2の先端部まで伝送するライトガイドファイバー14と、被写体からの光を撮像する撮像手段であり例えば電荷結合素子(CCD;Charge Coupled Device)等の固体撮像素子(以下、単に撮像素子と略記する)15を含む撮像装置等を備えて構成されている。
また、スコープ2の手元側に設けられる操作部(図示せず)には、使用者が容易に押すことができる位置に周辺装置5を用いて画像等の記録動作を実行させる指示信号を発生させるレリーズスイッチ(SW)17と、画像解析処理の設定をおこなう指示信号を発生させる画像処理設定スイッチ(SW)19等が配設されている。
なお、画像処理設定スイッチ19を用いておこなう画像解析処理の設定は、図5に示す手順に沿っておこなうことになる。
ここで、本実施形態の赤外内視鏡システムにおける内視鏡装置1(図1参照)による画像解析処理の設定手順を図5を用いて以下に簡単に説明する。
画像解析処理の設定は、当該内視鏡装置1の実際の使用を開始するのに先だって、まず実行される処理である。内視鏡装置1の電源がオン状態とされ、使用を開始し得る状態(準備状態)にある時に、上述の画像処理設定スイッチ19を操作することで任意の設定をおこなう。
内視鏡装置1が上述の準備状態にあるとき、CPU31(図1参照)は解析手法選択入力待機状態にある(図5のステップS1)。
この解析手法選択入力待機状態において、使用者は画像処理設定スイッチ19を用いて各種の処理を任意に選択することができる。ここで選択し得る処理は、例えば
・時間分布(1)処理:ICG濃度がピーク値(図11の符号N1,B1,E1,E2参照)に到達するまでの時間を検知することによって目的部位が正常であるか異常であるかを検出する処理(図5のステップS2)。
この処理が選択されると、次のステップS3の処理において、閾値の設定入力操作の待機状態になる。ここで使用者は任意に設定時間(例えば秒時(sec.))を入力する。その後、画像解析処理がなされる。その結果は、ステップS15においてモニター4の表示画面上に表示される。
・時間分布(2)処理:ICGの描出時間、すなわちICGの描出開始時点(最小濃度限度値(図11の符号Ns,Bs,E1s,E2s))からICGの描出終了時点(図11の符号END)までの時間を検出することによって目的部位が正常であるか異常であるかを検出する処理(図5のステップS4)。
この処理が選択されると、正常部位と指定領域との比較処理が実行される(図5のステップS5)。なお、これに先立ち、使用者は解析領域の指定を所定の入力手段を用いておこなっておく。
その後、画像解析処理がなされる。その結果は、ステップS15においてモニター4の表示画面上に表示される。
・ICG量による表示(1)処理:所定の時間が経過した後におけるICGの描出状態の静止画像データに基づいく画像解析結果を表示する処理(図5のステップS6)。
この処理が選択されると、CPU31は処理選択入力待機状態になる。ここで、使用者は所定の入力手段を用いて所望の処理(A処理またはB処理)を選択する(図5のステップS7)。
ここで選択し得る処理のうちA処理は、例えば正常部位のICG描出が最大濃度(ピーク値)となった時点(図11の符号N1)、または次の処理ステップで任意に設定した時間経過後の目的部位の状態を表示する処理である。
また、B処理は、例えば正常部位のICGの描出開始時点(図11の符号Ns)から予め設定される所定の時間α(sec.)経過後(符号Ns+α(sec.))の目的部位の状態を表示する処理である。
上述のA処理が選択された場合には、ICG最大濃度の場合は自動的に時間が設定されるが、任意に設定する場合は、ステップS8では使用者による時間設定入力がおこなわれる。また、B処理が選択された場合には、ステップS9において、所定の時間α(sec.)の設定処理がおこなわれる。
その後、これらに基づいて所定の画像解析処理がなされる。その結果は、ステップS15においてモニター4の表示画面上に表示される。
・ICG量による表示(2)処理(図5のステップS10)では、ICGの描出が最大濃度(ピーク値)となったときの状態、例えば目的部位の観察範囲内において各部位毎のICG描出が最大濃度(ピーク値)となった時点(図11の符号N1,B1,E1,E2)における描出状態の画像解析をおこなう処理(A処理;図5のステップS12)。または、正常部位のICG描出が最大濃度(ピーク値)となった時点における静止画像データに基づいて、正常部位と指定領域との比較をおこなう画像解析処理(B処理;図5のステップS13)がおこなわれる。
ここで、いずれの処理を選択するかは使用者が任意に選択入力をおこなって決める(図5のステップS11)。その後、画像解析処理がなされる。その結果は、ステップS15においてモニター4の表示画面上に表示される。
プロセッサ3は、A/D変換回路やカラーバランス補正回路等を内部に有するプリプロセス回路20と、セレクト回路23と、3つの同時化メモリ24r,24g,24bと、画像解析手段である画像処理回路25と、色調調整回路26と、3つのD/A変換回路27r,27g,27bと、符号化回路28と、調光回路29と、露光時間制御回路30と、本プロセッサ3の各回路を統括的に制御するCPU31等を備えて構成されている。
CPU31からは、本プロセッサ3の各部に対して所定の制御信号が出力されるようになっている。これにより、CPU31は当該プロセッサ3を構成する各回路を制御するようになっている。
また、CPU31からは、デジタルファイリング装置や写真撮影装置等の周辺装置5に対して画像記録動作を指示する制御信号である画像記録指示信号が出力されるようになっている。さらに、CPU31からは、赤外可視切替フイルタ9の切替動作を光源装置7に対して指示する制御信号であるフイルタ切替指示信号等を出力されるようになっている。
このように構成される本実施形態の内視鏡装置1の作用を以下に説明する。
図1に示すように、光源装置7のランプ8からは、可視領域及び近赤外領域を含む波長領域の光が放射される。ランプ8から放射された光は、赤外可視切替フイルタ9と照明光絞り13とRGB回転フイルタ11とのそれぞれを順次通過してスコープ2のライトガイドファイバー14に入射する。
赤外可視切替フイルタ9は、図2や図4A及び図4Bに示すように可視光のみを透過する通常観察用の可視光透過フイルタ35と、赤外観察に用いる近赤外領域の光を透過する赤外光透過フイルタ36との2つのフイルタを有している。そして、光源装置7の前面パネルに配設されるフイルタ切替スイッチ16の操作によって可視光透過フイルタ35と赤外光透過フイルタ36とのいずれか一方を選択すると、モーター10の駆動力が駆動して赤外可視切替フイルタ9を回動させる。これによって、光路上に挿入されるフイルタの切り替えをおこなわれる。ここで、可視光透過フイルタ35は、可視領域の波長の光を透過するように形成されているものである。また、赤外光透過フイルタ36は、近赤外領域の波長の光を透過するように形成されているものである。
照明光絞り13は、プロセッサ3の調光回路29から出力される調光信号に応じて、光源装置7から出射される光束の光量を制限し、撮像素子15で撮像される画像に飽和が生じないようにするために設けられているものである。
RGB回転フイルタ11には、図4に示すように、透過させる光の波長帯域を制限するRフイルタ37とGフイルタ38とBフイルタ39との3つのフイルタが配置されている。そして、モーター12は、プロセッサ3から送られる同期信号発生器が発生させるタイミング信号によって回転駆動される。これによって、異なる波長帯域の光が順次透過する。
Rフイルタ37とGフイルタとBフイルタは、図4C及び図4D及び図4Eに示すように可視領域の波長では、それぞれが赤色,緑色,青色の光束を透過する。つまり、可視光透過フイルタ35が光路に挿入されている場合には、RGB回転フイルタ11は、赤色,緑色,青色の光を順次透過する。
そして、Rフイルタ37,Gフイルタ38,Bフイルタ39は、図4に示すように可視領域の波長の光ばかりでなく、近赤外領域の波長の光をも透過する。したがって、赤外光透過フイルタ36が光路に挿入されている場合には、赤色,緑色,青色の代わりに所定の波長の光束を透過する。この場合において、例えばRフイルタ37rは、赤色の光及び近赤外側の波長805nm±15nmを透過させ,Gフイルタ37は、緑色の光及び近赤外領域の波長805nm±15nmを透過させ,Bフイルタ37は、青色の光及び波長930nm±20nmの帯域の光がそれぞれ透過させる。
つまり、図4C,図4D,図4Eに示すように赤外可視切替フイルタ9の通常観察用の可視光透過フイルタ35が選択された場合には、符号Aで示す波長領域がスコープ2のライトガイドファイバー14に入射する。また、赤外可視切替フイルタ9赤外観察用の赤外光透過フイルタ36が選択された場合には、符号Bで示す波長領域がスコープ2のライトガイドファイバー14に入射する。
こうしてライトガイドファイバー14に入射した光束は、スコープ2の先端から出射されて消化管等の被写体に向けて照射される。そして、スコープ2の先端部に設けられる撮像素子15は、被写体によって散乱し反射された光を受光する。この撮像素子15は、RGB回転フイルタ11の回転に同期して駆動制御がなされる。これにより、Rフイルタ37とGフイルタ38とBフイルタ39との各照射光に対応する画像信号が順次プロセッサ3に向けて出力される。
なお、撮像素子15には、電荷の蓄積時間を調整するための手段であっていわゆる電子シャッタ(図示せず)が組み込まれている。この電子シャッタは、電荷の掃き出しから読み出しまでの時間を調整することによって得られる画像の露光時間を調整する。
プロセッサ3に入力した画像信号は、プリプロセス回路20においてアナログ信号からデジタル信号への変換処理等の所定の信号処理が施された後、セレクト回路23を介して3つの同時化メモリ24r,24g,24bへ選択的に記憶される。
各同時化メモリ24r,24g,24bに記憶された画像信号は、同時に読み出されることによってRフイルタ37及びGフイルタ38及びBフイルタ39が順次光路に挿入されているタイミングの画像信号(いわゆる面順次画像信号)の同時化処理がおこなわれる。
調光回路29には、プリプロセス回路20からの出力信号が入力される。この調光回路29は、入力された画像信号の大きさに応じて得られる画像の明るさをおおよそ一定に保つための調光信号を作成する。この調光信号は、光源装置7の照明光絞り13を制御することで光源装置7から出射される光量を調整する。なお、調光回路29は、CPU31からの所定の制御信号によって制御されるようになっている。
また、露光時間制御回路30には、プリプロセス回路20からの出力信号が入力される。この露光時間制御回路30は、入力される画像信号の大きさに応じて得られる画像の明るさをおおよそ一定に保つために、撮像素子15の電子シャッタの露光時間を制御する電子シャッタ制御信号を出力する。
つまり、露光時間制御回路30は、露光時間が最大になるようにCPU31からの所定の制御信号によって露光時間の制御をおこなうようになっている。
上述したように同時化メモリ24r,24g,24bから出力された画像信号は、画像処理回路25及び色調調整回路26にて画像処理及び色調調整処理が施される。その後、R,G,Bそれぞれの信号は、3つのD/A変換回路27r,27g,27bにてアナログ信号に変換されてモニター4へと出力される。このモニター4において被写体の画像が表示される。また、周辺装置5に対しては、符号化回路28にて符号化処理が施された画像信号が出力され、例えばCPU31からの画像記録指示信号等に応じてそれぞれの装置において画像信号記録処理等がなされる。
本実施形態においては、赤外光観察時のモニター4上にはR成分(赤色成分),G成分(緑色成分)として805nmの波長が、B成分(青色成分)として930nmの波長が表示される。図6に示すグラフはICGの透過特性を示している。この図6に示すグラフにおいて、横軸は波長を、縦軸は透過率をあらわしている。ここで、透過率が低くなっている波長は、ICGによる光の吸収が大きいことを示している。ICG単独では、吸収の最も大きい(透過率が最も低い)波長は800nmより少し短波長側である。しかし、生体内に投与されたICGは、血清蛋白質と急速に結合し光学的に安定化され、最大吸収波長は水溶液の波長785nmから直ちに波長805nmに移行する特性をもっている。このため、図6において血中ICGは波長805nmにて透過率が最も低くなることを示している。したがって、赤外光観察時のR成分(赤色成分),G成分(緑色成分)は効率的にICGへ吸収され、805nmの波長の反射成分は極めて小さくなる。一方、B成分(青色成分)を割り当てた930nm付近の波長では、図6に示すようにICGによる光の吸収は少ない。
したがって、被写体にICGが静脈注射してある状態であれば、波長805nmの画像は光がICGに吸収されることにより血管部が暗くなりコントラストの高い画像になる。これに対して、波長930nmの画像は光のICGによる吸収が少ないために血管部もあまり暗くならないのでコントラストの低い画像となる。
上述したように波長805nmは、モニター4のG成分及びR成分に割り当てられており、波長930nmは、モニター4のB成分に割り当てられている。このことから、モニター4上ではICGによる吸収の結果、血管部が青く染まった画像が観察される。
さらに、静脈内に投与されたICGは血中から選択的に肝臓に摂取され、腸肝循環や腎からの排泄なく、肝より遊離の形で胆汁中に排泄されるため、時間経過と共に血中濃度は低下していく。
図7において、ICG投与時間と血中濃度の関係を示している。この図7に示すように、指数関数的に血中濃度は下降する。そのために、描出までの時間遅延と相関して画像上に描出される青色(血管部の描画色)は薄くなっていくものと考えられる。なお、図7においては、例えば体重当たり0.5mg/kgのICGを投与した場合の血中濃度(mg/dl)を示している。
一方、胸腔鏡において肺を観察する場合には、以下のようになる。
図8は、肺組織の一部を拡大して示す要部拡大概略図であって、正常肺の部位と気腫性変化をきたしている部位とを概念的に示している。
通常の場合、正常肺61においては組織の密度も高く肺表面の血流も豊富である。一方、気腫性変化を来している部位(気腫肺という)62a,62bでは血流が疎であり、さらには 気腫 (Bulla) 62a,62b内には血流が無いため、ICG併用により血流を可視化した場合には、気胸の原因となる気腫肺62の部分はICGの色が描出されない。この場合において、観察光として用いる赤外光は図9に示すように組織透過性が高いため、従来の可視光による観察に比べて肺表面より深部の血流を可視化することが可能になる。つまり、図9に示すように可視域の波長(B,G,R)に比べて赤外光(IR)は、組織透過性が高く、可視域の波長より深部へと光が到達する。
このことから、赤外光(IR)を用いれば、通常光(可視光;可視域の波長R,G,B)では描出され得なかった肺表面よりも下側に隠れている微小な気腫 (Bulla) 62b(図8参照)までをも画像として描出することができるようになる。
なお、図8において、符号63は動脈を、符号64は静脈を、符号65は胸膜を、符号66は肺胞を、符号67は毛細管叢を、それぞれ示している。
また、これまでの基礎的研究の結果によれば、ICGの描出について、正常部位に比べて気腫性変化のある部位は、十数秒〜数十秒程度遅れて描出されることが病理学的にも照明できることが明らかとなっている。
図10は、PPE (Porcine Pancreatic Elastase) と呼ばれる酵素を、犬に対して注入することで人工的に作成した肺気腫モデル及び正常部位の肺組織像を示している。このうち、(A)は正常組織像を示している。また(B)はPPE注入後、0日経過後の肺組織像を、(C)はPPE注入後、18日経過後の肺組織像を、(D)はPPE注入後、33日経過後の肺組織像を、それぞれ示している。なお、(A)は40倍の倍率の画像であり、(B),(C),(D)は100倍の倍率の画像である。
この肺組織に対してICGを静脈注射した後、約15秒程度の遅れをもって二波長赤外光観察下にてICGが描出されたエリアの組織像(B),(C),(D)は、正常組織(A)と比較して、肺胞構造の破壊を伴う肺気腫の組織像が認められることが明らかである。
さらに、肺は加齢と共に塵粉沈着が認められるために、胸腔内観察において複数の波長の赤外光を利用して、血流情報に疑似的な色を割り当てることで塵粉の影響を受けずにより明瞭に気腫部位を描出することが可能になる。なお、単一波長の場合はモノクロ画像となるため、塵粉と正常肺や気腫肺の濃淡との区別がつき難い傾向がある。
図11は、ICG静脈注射後の経過時間と肺胸膜下の血流中のICG濃度との関係を示すグラフである。この図11において、5つの曲線は、山の高い方から順に、代表的な正常肺(実線)、正常肺と気腫肺との境界にある肺(破線)、代表的な気腫肺の三例(実線)のようすを示し、それぞれの各々の部位におけるICGの描出が最大濃度となるICG色素最大値(N1,B1,E1,E2,E3)を示したものである。
ICGの描出までの時間が長いほど、気腫化が進んだ部位であり、描出までの時間を要する傾向が示されている。このことから最大色素量も少なくなる傾向がわかる。
したがって、赤外光観察にて、肺表面の色濃度、濃度変化の時間により気腫肺と正常肺とを判別することが可能である。
次に、画像処理回路25の作用を図12のブロック構成図を用いて、以下に説明する。
同時化メモリ24r,24g,24bから出力された画像信号(RGB信号)は、画像処理をおこなう最初のフレームでは第1セレクタ25aにより色素量最大の色を記憶するフレームメモリ25cに取り込まれる。
なお、ここで最初のフレーム指定(画像処理の開始)は、図1のスコープ2の操作部のレリーズスイッチ(SW)17をICG注入と同時に押すことでおこなえばよい。また、これとは別に、画面内でICGが描出された時点で自動的におこなうようにしてもよい。
次いで、第1色素量算出回路25dにて次に続くフレームの各位置における色素量が計算されると共に、第2色素量算出回路25eにてフレームメモリ25cに記憶されたフレームの各位置の色素量が計算される。そして、この両者が比較回路25fにて比較され、濃度が濃くなる方向に変化した位置については、フレームメモリに記憶される色情報(RGB)が更新される。また、濃度が薄くなる方向に変化した場合には色情報は更新されない。
以降、同様の手順でフレームメモリの各点において色情報の比較及び色情報の更新がおこなわれる。これにより最終的には、出力Aから画像処理時間中の最も色素の多い状態の画像が出力される。これと同時に、色調調整回路26に対しては、RGB信号が図12に示す出力Cとして直接出力されるようになっている。
図7に示すようにICG投与時間と血中濃度との関係は指数関数的に下降する傾向にあるのは、上述した通りである。そのために、描出までの時間遅延がある場合には、その時間遅延と相関関係をもってICG色素量が減少していくと考えられる。
したがって、上述した画像処理回路25による処理をおこなうことによって、図11に示すICG静脈注射後の経過時間によらずに、その部位の血流中の最大ICG濃度(図11のピーク点における色情報)が表示されることになる。
図13は、このときのモニター4の表示画面における表示例を示すものである。この図13に示すようにICG色素量(色の濃さ)が胸腔鏡画像として表示されるため、気腫性変化を定量化し、ある閾値(例えば、波長930nmに割り当てた青色成分の割り合いが50%)で二値化表示することもできる。
なお、閾値は予め設定しておいてもよい。また、後述するように図14に示すように画面上の所望の領域を指定して、その指定領域の平均色素量あるいは平均色素量を基準とした乖離幅に基づき閾値生成回路(特に図示せず)を用いて設定するようにしてもよい。
所望の領域を指定するには、例えばキーボード(図示せず)またはマウス等のポインティングデバイス(図示せず)等を用いて、使用者が画面内の所望の座標等を指定することによりおこなう。なお、指定する領域は複数指定するようにしてもよい。
また、図14に示すように処理画像(Digitalized Image)Hを胸腔鏡の実画像(Normal Image)Gと同一画面内に並べて表示するようにしてもよい。なお、図14に示す例では、処理画像Hには、前述したように使用者により指定した指定領域Jを明示されるようにしている。また、同処理画像Hの近傍に、閾値を表わす線図が表示されるようにしている。
さらに、これとは別に画像参照用の異なるモニターを用意して、この別モニターに処理画像を表示させるようにしてもよい。
ここで、ICG色素量(IICG)を求める式は、色素量算出回路(25d,25e)に入力される信号R,G,Bのそれぞれの大きさをRin,Gin,Binとすると、
IICG=Log(Bin/Rin)
で表わされる。
一方、気腫性変化を時間遅延のみで評価することも可能である。この場合には、以下の構成及び手順によりおこなえばよい。
すなわち、上述の図12によって説明した最大色素量の算出手順に加えて、さらにフレームメモリ25cの情報と比較するRGB信号は、比較回路25fにて濃度変化が上昇している場合のみ色発生回路25gにて色を割り当てて胸腔鏡画像を重畳させる。
つまり、上述の同時化メモリ24r,24g,24bから出力された画像信号(RGB信号)は、最大色素量の算出手順においてフレームの各点毎に色素量の比較がなされ、その結果が第2セレクタ25bへも入力される。
その一方で、基準のRGB信号に対して画像処理をおこなう最初のフレームからの時間(枚数)によって、一様に疑似色を発生させるような色発生回路25g入力される。最初のフレーム指定(画像処理の開始)では、色発生回路25gより出力された情報が第2セレクタ25bによって疑似色を記憶するメモリ25hに直接取り込まれる。
それ以降は、第2セレクタ525bに入力された色素量の比較結果を受けて、算出濃度が濃くなった部位のみ色発生回路により発生された疑似色情報(RGB信号)がメモリ25hに記憶される(更新される)。算出濃度が薄くなる方向に変化している場合は、色情報は更新されない。
以降、同様の処理がなされて、最終的には最大色素量が検出されるまでの時間の分布が表示されることになる。
メモリ25hに記憶されたRGB信号と直接出力される出力Cからの信号を、時間の分布として重畳させる。
例えば、図15に示すように最大色素量が検出されるまでの時間が大きいほど赤くなるように割り当てることで、同図に示すような画像が得られる。これにより赤成分が大きいほど、気腫性変化の大きな部位であることが容易に判断できる。さらに、遅延時間と気腫肺の相関から、例えば正常部位からの遅延時間(例えば10秒〜60秒程度)で閾値を設定することで、二値化表示することもできる。具体的には、例えば図15においては、閾値を破線で表示されている部位Dとし、この破線で囲われている部位Dの部分と、それ以外の部分とを、異なる色で表示する。
また、算出された色素量が所定の濃度以上を示している総時間の分布を表示することや、さらに所定の時間、例えば30秒などのように閾値を設けて二値化表示することもできる。この場合の表示例を図15に示すが、この場合、総時間が長いものが正常部位となるために、青側の部分が正常となる点のみ遅延時間の表示とは異なる。
上述したようにICGが描出されている総時間が長いほど正常肺に近いことを示す(図11参照)。このことから、描出時間で色を割り当てて図15に示すような表示とすることもできる。この場合には、もっとも長く描出されている部位を基準として、その時間との比較により閾値を設定する。
なお、上述の画像処理解析をおこなう際には、スコープ2の視野を固定するか、または画像内の特徴点を追尾して、観察位置の特定をおこなう必要がある。前者による場合は、図16に示すようにスコープ等の撮像手段を、例えば手術用ベッドに固設したホルダー等によって固定する。
また、開腹開胸術(Open Surgery)の場合には、術野全体を観察し得る位置に無影灯などを固設するとよい。ただし、観察光は二波長のみとする。
また、簡単には、ICGの濃度が頂点を示す部分(正常部で最も血流が豊富な部分であると考えられる部分)が観察された時点の画像を取り込み、この画像の各部の色素量を前記と同様の手順で設定した閾値を用いて二値化表示することもできる。
さらに、明らかに正常であることが判っている部分を領域指定し、この正常部分の色素量の平均値が頂点を示した時点の画像や、画面全体(画像1フレーム分)の色素量の平均が頂点を示した時点の画像を、同様に利用することもできる。
さらにまた、例えば15秒といった設定時間を予め設定しておいてもよい。
また、ICGが最初に描出されてからα秒(具体的には十数秒程度)後で評価するようにしてもよい。
なお、上述したように図5は本実施形態の赤外内視鏡システムによる画像解析手法の設定手順をまとめて示す流れ図である。これらの画像解析処理がなされた後に作成される処理画像は、所定の表示形態でモニター4の表示画面に表示されるようにする。また、このとき所定の画像データ処理をおこなって二値化表示をおこなうようになっている。
さらに、これらの画像に基づいて、より青色の濃淡を強調する処理をおこない、その処理結果の画像を表示するようにしてもよい。この場合には、算出された平均色素量と色素量との差に基づいた強調係数αが画素毎に算出される。
α=IICG−Ave(IICG)
ここで、Ave(IICG)は、画像1フレーム分(フレーム全体または選択範囲)の平均値とし、出力信号Rout,Gout,Boutは、
Rout=Rin×exp(h×kR×α)
Gout=Gin×exp(h×kR×α)
Bout=Bin×exp(h×kR×α)
で表わすことができる。ここで、kR,kG,kBは、対象となる色素の色毎の吸収率により決まる係数である。また、hは強調の度合いを表わす係数(CPUにより設定される色素強調レベルで決定される)である。
これによれば、色素量と平均色素量との差である強調係数で強調処理したことから、偏った色分布を示す画像であっても効果的に強調することができる。
ここで、肺気腫に対して上述の赤外内視鏡システムを用いた胸腔鏡手術の具体的使用方法について、以下に説明する。
まず、(1) 患者を全身麻酔下において片肺換気とし患側を上にした側臥位をとらせる。
次に、(2) 内視鏡装置1(図1参照)の光源装置7及びプロセッサ3の電源と、その他の各周辺装置の電源を投入する(オン(ON)状態にする)。
(3) 光源装置7のランプスイッチ(図示せず)をオン状態にした後、通常観察モード(可視光観察モード)の状態でホワイトバランスをとる。
(4) 画像解析処理の設定をおこなう(図5参照)。このとき、必要に応じて解析領域の指定をおこなう。
(5)一般的な胸腔鏡手術と同様に、体外と胸腔内とを連結する切開部を必要な数だけ設け、トロッカー、すなわち直径φ5mm〜φ10mm程度の案内管を胸壁肋間に留置する。
(6) スコープを胸腔内に挿入する。そして、通常観察モード(可視光観察モード)で胸腔内を観察する。これにより気腫 (Bulla) の位置及び観察対象範囲を確認する。
(7) 必要に応じていったんスコープ(処置具)を引き抜く。そして、脱気していた患側の肺に気管チューブ経由で適切な圧力によって空気を送り込む。これにより、当該肺の全体を拡張させる。
(8) その後、しばらく患側の気管支の内圧を大気圧に開放する、すなわち萎んだ状態とする。そして、その後、再度胸腔鏡を胸腔内に挿入する。この時点より、以降(10)の工程までの間では、肺実質に触れないようにする。
なお、含気していない肺、すなわち無気肺は、組織の密度が高いために血管も密に存在する。胸腔内観察時に肺実質に触れた場合、触れていない部分と比べて含気か無気状態かに相違が生じる。このために、赤外観察時にICG密度の検出が不正確になる可能性がある。したがって、患側の肺全体を拡張させた後、一様に脱気、すなわち気管支内圧を大気圧に開放した状態にしておくのが望ましい。
(9) 観察装置によって観察範囲を確認する。そして、赤外観察モードに切り替え、観察範囲を固定する。この場合における固定は、例えば図16に示すように患者100を載せた手術台70に接続固定され観察装置である胸腔鏡71の一部を保持固定するスコープホルダ72のようなものを用いてもよいし、手術助手が保持していてもよい。
(10) ICGを患者の静脈内に投与する。ここで、画像処理回路25による演算が開始される。
なお、この場合におけるICGの投与量は、患者の体重当たりの投与量0.5〜5mg/kgとする。静脈内への投与は、予め留置されている静脈ラインを介して可及的に(十数秒以内に)投与する。
(11) 画像処理結果が観察装置の表示装置(モニター4)において表示される。
(12)処理結果を観察しながら、必要に応じて電気メスやクリップ等の適切な器具を用いてマーキング処置をおこなう。
このマーキング処置は、例えば高周波や超音波や熱等を用いた胸腔鏡用のエネルギー処置具を用いる。また、これとは別に、例えば針糸やクリップ等を用いてもよい。
これに続いて、切開手段により当該部位を切除し、その後、所定の縫合手段を用いて切開箇所を縫合する。なお、この場合において用いる縫合手段は、例えば自動縫合機を用いるのが好ましい。ただし、微小なものであれば、例えば高周波電気メスや超音波凝固装置,レーザーメス等のエネルギー治療装置により縫縮してもよい。
(13) 必要に応じて、上述の(7)以降の作業工程を繰り返す。
(14) 気腫病変の処置が完了後、リークテスト、すなわち胸腔内に生理食塩水を満たした後、気管支内圧をかけてリークの有無を確認するテストをおこなう。
なお、本実施形態では、図1に示すように画像処理回路25をプロセッサ3の内部に設けて構成しているが、このような構成に限らず、例えば画像処理回路25を別体に設けるようにしてもよい。
上述の例では、肺気腫病変に対する適応を示したが、同様の解析方法を利用した手術適応としては、これ以外に例えば腸間膜動脈塞栓症や心筋梗塞や狭心症に対する応用が考えられる。
次に、腹腔鏡における腸管膜動脈塞栓症の腸間膜の観察をおこなう際の本実施形態の赤外内視鏡システムの利用方法は以下の通りである。
手術後などに発症する腸間膜動脈閉塞は、多くの場合、多数分岐した細い腸間膜動脈に小さな血栓が詰まることによって、腸管の壊死を引き起こすという非常に予後不良の疾患である。その治療または手術方法は、一般的に次のようなものである。
すなわち、開腹下では、上腸間膜動脈の血栓を触知することで血栓位置を判断し、腹部大動脈から分岐した直径5mm程度の太い動脈の血栓除去術をおこなった後、壊死に陥った腸管の切除をおこなう。
しかし、腸間膜動脈は末梢ではループを描き一箇所で詰まったとしてもその回りから血流が入って来て壊死を免れている場合がある。しがって、現状においては腸管の漿膜面の色調変化から腸管組織の壊死程度を推定し、可逆的変化であるか不可逆的変化であるかを推定し、腸管の切除する部位を決定している。しかし、その情報の判断には主観的評価が入るため正確に判断することは非常に難しい。この場合には、腸管を切り過ぎて消化吸収機能に悪影響を与え、逆に不可逆に壊死に陥った部分を残すと手術後、腸管に孔が空き腹膜炎を併発することもある。
上述の赤外内視鏡システムにおいては、組織血流分布を可視化し、肺気腫の場合と同じように画像解析をおこなって定量化しモニター4の表示画面上に解析画像を表示することによって、客観的にかつ正確に処置領域を特定し、切り過ぎや切り残し等を防ぎ得るようになる。この場合において、腸管膜動静脈や血流が流れ込む腸管前壁漿膜側を中心に観察する。なお、観察は腹腔鏡下に限ることはなく、開腹下においておこなうことも可能である。
腹腔鏡下における腸管膜動脈塞栓症の腸間膜に対して、上述の赤外内視鏡システムを用いた腹腔鏡下における具体的な使用方法について、以下に説明する。
まず、(1) 患者を全身麻酔下において、開腹あるいは腹腔鏡下で観察処置をおこなう。
次に、(2) 内視鏡装置1(図1参照)の光源装置7及びプロセッサ3の電源と、その他の各周辺装置の電源を投入する(オン(ON)状態にする)。
(3) 光源装置7のランプスイッチ(図示せず)をオン状態にした後、通常観察モード(可視光観察モード)の状態でホワイトバランスをとる。
(4)画像解析処理の設定をおこなう(図5参照)。このとき、必要に応じて解析領域の指定をおこなう。
(5) 腹腔鏡手術の場合には、体外と腹腔内とを連結する切開部を必要な数だけ設け、トロッカー、すなわち直径φ5mm〜φ10mm程度の案内管を腹壁に留置する。その後、腹腔内に炭酸ガスを送り込むことで術野を確保する気腹処置をおこなう。
(6) スコープ及び処置具を腹腔内に挿入する。そして、通常観察モード(可視光観察モード)で腹腔内の検索をおこなう。
(7) 観察装置を赤外観察モードに切り替えた後、ICGを患者の静脈内に投与する。ここで、画像処理回路25による演算が開始される。
なお、このときのICGの投与量は、患者の体重当たりの投与量0.5〜5mg/kgとする。静脈内への投与は、予め留置されている静脈ラインを介して可及的に(十数秒以内に)投与する。
(8) 処置具にて腸間膜を展開して腸管前壁漿膜面を観察する。ここで、ICGの描出される範囲と、ICGの描出されない範囲と、ICGが遅れて描出される範囲を確認する。そして、必要に応じてマーキング処置をおこなう。この作業工程によって虚血部位を同定する。
(9) さらに、虚血部位へ流れ込む動脈を同定する。
(10) 赤外観察モードから通常観察モードに切り替えた後、虚血部位に流入する動脈の血栓除去術をおこなう。その後さらに腸管の虚血部位を切除する。
(11) 必要に応じて、上述の(5)以降の作業工程を繰り返す。これにより虚血部位が存在しないことを確認する(手術効果を評価する)。
次に、胸腔鏡における心筋梗塞および狭心症の冠動脈の観察をおこなう際の本実施形態の赤外内視鏡システムの利用方法は以下の通りである。
心筋梗塞や狭心症は心臓の栄養血管である冠動脈の閉塞や狭窄による血流の途絶あるいは欠乏の状態である。その外科処置は、大動脈や内胸動脈などを使い、詰まった冠動脈の末梢にバイパスする手術をおこなう。その際に、バイパスする部位は手術前の血管造影検査の結果と、その部位の動脈硬化の程度をみて判断する。さらに、バイパス後は、バイパスの血流量を電磁流量計やドップラ血流計で計測し、血流の再開を調べる。
バイパス部位を判断するにあたっては、本実施形態の赤外内視鏡システムで組織(心臓)の血流量を術中に定量化して把握することによって、従来の冠状動脈の状態を単独で判断した場合と比較して組織の機能面での評価が可能となり、バイパス部位をより正確に決めることが可能になる。
さらに、バイパス後の組織血流量の改善も術中に画像として定量評価が可能であり、手術成績の向上を図ることが可能である。なお、観察は腹腔鏡下に限らず、開腹下でおこなうことも可能である。
なお、前記定量化をおこなうに当たっては、画像処理時間中、視野を固定しておく必要が生じる。しかし、観察対象が心臓の場合は、拍動の影響があるため図12に示すように、患者に取り付けた心電計69のデータをプロセッサ3のCPU31へ取り込み、色素最大の色を記憶するフレームメモリ25cへの取り込みタイミングを制御することで、拍動の影響を排除することができる。
心筋梗塞および狭心症に対して上述の赤外内視鏡システムを用いた胸腔鏡補助下における具体的な使用方法は以下の通りである。
(1) 患者を全身麻酔下において、開胸あるいは胸腔鏡下で観察処置をおこなう。
次に、(2) 内視鏡装置1(図1参照)の光源装置7及びプロセッサ3の電源と、その他の各周辺装置の電源を投入する(オン(ON)状態にする)。
(3) 光源装置7のランプスイッチ(図示せず)をオン状態にした後、通常観察モード(可視光観察モード)の状態でホワイトバランスをとる。
(4)画像解析処理の設定をおこなう(図5参照)。このとき、必要に応じて解析領域の指定をおこなう。
(5) 胸腔鏡手術の場合には、体外と胸腔内とを連結する切開部を必要な数だけ設け、トロッカー、すなわち直径φ5mm〜φ10mm程度の案内管を胸壁に留置する。
(6) スコープ及び処置具を胸腔内に挿入する。そして、通常観察モード(可視光観察モード)で胸腔内の観察をおこなう。
(7) 観察装置を赤外観察モードに切り替えた後、ICGを患者の静脈内に投与する。ここで、画像処理回路25による演算が開始される。
なお、このときのICGの投与量は、患者の体重当たりの投与量0.5〜5mg/kgとする。静脈内への投与は、予め留置されている静脈ラインを介して可及的に(十数秒以内に)投与する。
(8) 心表面を観察して、ICGの描出されない部位あるいはICGが遅れて描出される部位、すなわち虚血部位のマーキングをおこなう。そして、術前評価と比較してバイパス部分を決定する。
(9) 人工心肺を装着してバイパス術をおこなう。胸腔鏡観察下でおこなう場合は、赤外観察モードから通常観察モードに切り替えた後におこなう。開胸下でおこなう場合は直視でおこなう。
(10) 人工心肺を外して、再度上述の(6)以降の手順によってバイパス血流再開術前の虚血部位の組織血流量の改善を評価する。
さらに、他の疾患、例えば血流の不均等分布として、肝腫瘍,リンパ網内系腫瘍,腎腫瘍,膵腫瘍,副腎腫瘍等の腫瘍性病変への用途が考えられる。
腫瘍は、一般に腫瘍血管を新生し、正常組織に比べて血流が豊富とされているため、本実施形態の赤外内視鏡システムで腹腔内や胸腔内の観察をおこなうことで、リアルタイムで腫瘍の広がりを確認することが可能になり、また手術操作に重要な情報が提供される。
以上説明したように上記一実施形態によれば、805nmの波長を含む第1の波長帯域の光と805nmの波長を含まずそれよりも長波長側の第2の波長帯域の光とを放射する光源装置と、光源装置から放射された光により照射された被写体の第1の波長帯域の像と第2の波長帯域の像とで表示する色成分を各々赤,緑,青のいずれかに割り当てて、ICG(赤外吸収色素)を第2の波長帯域の光によって撮像し、割り付けられた色成分で表示する。これにより、通常光(可視光)では描出できない深部の血流(血管走行)をICGの存在を描出することによって、赤,緑,青のいずれかの色成分で表示し識別することが可能となる。
虚血性の疾患等、正常組織と臓器内血流が異なる疾患において、ICGを静脈内投与すると、血流豊富な部位は第1の波長帯域の光(805nm)が吸収され、それよりも長波長側の第2の波長帯域の光のみが反射されるため、静脈注射後速やかに第2の波長帯域に割り当てられた色が描出される。一方、血流の不足する部位は、少なくともICGを静脈投与した後、ある程度の時間が経過するまで第1,第2の波長帯域の光が反射されることになり、その結果として、その間は白色に描出される。
このように手術中においてリアルタイムに、画像の色情報や描出されるまでの時間遅延の情報などを得ることができ、これらの情報によって虚血部位を同定することが容易に可能になる。
例えば、血流豊富な健常肺と実質が空胞で血流がない気腫肺とにおいては、気腫肺は血流が不足しているために少なくともICGを静脈投与した後、ある程度の時間が経過するまでは第1,第2の波長帯域の光が反射されて、その結果として、その間は白色に描出されることになる。
さらに、表示する画像データを演算処理し色成分を数値化することにより、肉眼的におこなっていた評価を定量的に評価することができるので、術者など使用者毎に病変部の評価が相違するなどのことがなく、信頼性の高い評価を得ることができる。特に、ICGの静脈注射による投与後、病変部で割り付けられた色として描出されるまでに時間遅延がある場合に、画像解析処理(演算処理)をおこなうことで、例えば気腫性変化の程度を客観的にかつ正確に評価し判断することが容易にできる。
なお、本発明は、近赤外領域の波長と、CCD等の撮像素子を用いることで、直視では得ることのできない画像情報を得るようにするという目的がある。したがって、その本発明の対象は、言うまでもなく内視鏡手術に限定されるものではない。
さらに、適応する疾患としては、上述したように虚血性疾患のように正常部と病変部で血流の相違があるもの全てに対して応用が可能である。
したがって、これによれば、臓器表面等の血流に着目し、血流分布をリアルタイムで画像として可視化すると共に、この画像についての解析を施すことによって処置対象部位を客観的に容易にかつ正確に判断し適切な治療及び治療効果の確認をおこない得る手術用の赤外内視鏡システム(赤外観察システム)を提供することができる。
また、従来の内視鏡下手術における問題点を改善し、直視では得られない情報を赤外光と撮像手段とを組み合わせることによって獲得し、手術のより安全性や成績の向上に寄与し得る手術用の赤外内視鏡システム(赤外観察システム)を提供することができる。
本発明の第1の実施形態の赤外観察システム(赤外内視鏡システム)に用いられる内視鏡装置の全体構成を示すブロック構成図。 図1の内視鏡装置における光源装置に設けられる赤外可視切替フイルタの構成を示す図。 図1の内視鏡装置における光源装置に設けられるRGB回転フイルタの構成を示す図。 図2の赤外可視切替フイルタと図3のRGB回転フイルタとを組み合わせた際の特性を説明する図。 図1の内視鏡装置において実行される画像解析処理の設定手順の流れを示す図。 ICGの波長による透過特性を示すグラフ。 ICG投与後の時間経過と血中濃度の関係を示すグラフ。 肺組織の一部を拡大して示す要部拡大概略図。 光の波長と観察深さとの関係を模式的に示す図。 人工的に作成した肺気腫モデル及び正常部位の肺組織像。 ICG静脈注射後の経過時間と肺胸膜下の血流中のICG濃度との関係を示すグラフ。 図1の赤外観察システムのプロセッサ内に設けられる画像処理回路の内部構成の概略を示すブロック構成図。 図12の画像処理回路による処理の結果表示される画像解析表示の一例を示し、ICG静脈注射後のICG色素量(色の濃さ)を胸腔鏡画像として表示した図。 図12の画像処理回路による処理の結果表示される画像解析表示の別の一例を示す図。 図12の画像処理回路による処理の結果表示される画像解析表示の他の例を示し、気腫性変化を時間遅延で評価する際の表示例を示す図。 図1の赤外観察システムを用いた肺気腫及び気胸に対する胸腔鏡手術において観察範囲を固定する手段の一例を示し、手術台に接続固定され観察装置(胸腔鏡)の一部を保持固定するスコープホルダを示す図。
符号の説明
1……内視鏡装置
2……スコープ
3……プロセッサ
4……モニター
5……周辺装置
7……光源装置
9……赤外可視切替フイルタ
11……回転フイルタ
14……ライトガイドファイバー
15……撮像素子
16……フイルタ切替スイッチ
19……画像処理設定スイッチ
25……画像処理回路
25a……第1セレクタ
25b……第2セレクタ
25c……フレームメモリ
25d……第1色素量算出回路
25e……第2色素量算出回路
25f……比較回路
25g……色発生回路
25h……メモリ
26……色調調整回路
27r,27g,27b……D/A変換回路
30……露光時間制御回路
35……可視光透過フイルタ
36……赤外光透過フイルタ
69……心電計
71……胸腔鏡
72……スコープホルダ
代理人弁理士伊藤進

Claims (9)

  1. 805nmの波長を含む第1の波長帯域の光と805nmの波長を含まずそれよりも長波長側の第2の波長帯域の光とを放射する光源装置と、この光源装置から放射された光により照射された被写体の前記第1の波長帯域の像及び前記第2の波長帯域の像を撮像する撮像装置と、この撮像装置により撮像された前記第1の波長帯域の像と前記第2の波長帯域の像とを各々赤色または緑色または青色のいずれかの色成分として表示する表示装置とからなる観察装置を少なくとも具備する赤外観察システムにおいて、
    赤外吸収色素が投与された患者を前記撮像装置により撮像して得られた前記赤外吸収色素が描出された静止画像データから前記赤外吸収色素の最大色素量を検出し、その検出結果に基づいて画像解析を行う画像解析手段を備え、
    前記表示装置は、前記画像解析手段による画像解析結果を画像化して表示することを特徴とする赤外観察システム。
  2. 前記画像解析手段は、順次入力される前記静止画像データの色素量を比較することによって前記最大色素量を求めて、前記赤外吸収色素の色素量が所定の時点から前記最大色素量となるまでの時間を検出し、その検出された前記時間に基づいて画像解析をおこなうことを特徴とする請求項1に記載の赤外観察システム。
  3. 前記表示装置は、前記赤外吸収色素の色素量が所定の時点から前記最大色素量となるまでの時間毎に疑似色を着けて時間分布を表示することによって、前記画像化を行うことを特徴とする請求項2に記載の赤外観察システム。
  4. 前記表示装置は、前記撮像装置により撮像された画像と前記画像解析手段による画像解析処理の結果生成される画像とを切り替えて表示し得るようにしたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の赤外観察システム。
  5. 前記表示装置は、前記撮像装置により撮像された画像と前記画像解析手段による画像解析処理の結果生成される画像とを同一画面内に並べて表示するようにしたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の赤外観察システム。
  6. 前記赤外観察システムは、赤外内視鏡システムであることを特徴とする請求項1から請求項5までのうちいずれかひとつに記載の赤外観察システム。
  7. 805nmの波長を含む第1の波長帯域の光と805nmの波長を含まずそれよりも長波長側の第2の波長帯域の光とを放射する光源装置と、この光源装置から放射された光により照射された被写体の前記第1の波長帯域の像及び前記第2の波長帯域の像を撮像する撮像装置と、この撮像装置により撮像された前記第1の波長帯域の像と前記第2の波長帯域の像とを各々赤色または緑色または青色のいずれかの色成分として表示する表示手段とからなる観察装置を少なくとも具備する赤外観察システムによる作動方法において、
    赤外吸収色素が投与された患者を前記撮像装置により撮像して得られた前記赤外吸収色素が描出された静止画像データから、前記赤外吸収色素の最大色素量を検出し、その検出結果に基づいて画像解析を行う画像解析処理工程と、
    前記画像解析処理工程によって得られる画像解析結果を画像化し前記表示装置によって表示する表示工程と、
    を備えたことを特徴とする赤外観察システムによる作動方法。
  8. 前記観察装置で観察する部位は胸腔内であることを特徴とする請求項7に記載の赤外観察システムによる作動方法。
  9. 前記赤外観察システムは、赤外内視鏡システムであることを特徴とする請求項7または8に記載の赤外観察システムによる作動方法。
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