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JP4643881B2 - Trichodermareeseiのキシラナーゼ - Google Patents

Trichodermareeseiのキシラナーゼ Download PDF

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Description

【0001】
発明の背景
木の複雑な構造は、セルロース、ヘミセルロース、及びリグニン並びに他のマイナーな成分を含む。リグニンはセルロース及びヘミセルロースと結合しており、そしておそらく部分的にセルロース及びヘミセルロースの両者と共有結合している。紙上のプロセスにおいて、リグニンは一般的にはウッドパルプから除去されるが、何故ならばそれが茶色がかった色を加え、強度を低下させ、そして他の不所望な特性を最終の製品に付与するからである。リグニンの除去は多くの方法により達成され得る。
【0002】
リグニンの大多数はケミカルによるパルプ化を通してウッドパルプから最初に除去される(例えば、クラフトプロセス)。次の漂白プロセスにおいて、ケミカルパルプは、日常的に塩素及び他の脱リグニン化(delignifying)化学薬品と反応させることによりさらにリグニンを除去し、そして次に漂白剤と反応させてパルプからのリグニンを修飾し、安定な増白された(brightened)パルプを提供する。しかしながら、塩素による処理は環境の点から不所望であり、何故ならば結果の廃棄物が多数の毒性化合物を含むからである(例えば、塩素化フェノール類)。塩素含有ケミカルによるパルプの漂白により引き起こされる環境への有害な作用についての関心は別の漂白法を探求するように産業界を駆り立ててきた。
塩素系ケミカルの使用を低下させるか又は排除しながら、脱リグニン化及び漂白を増強するために真菌及び細菌源に由来するキシラナーゼ及び他の酵素を使用する試みが、刊行物に記載されてきた。しかしながら、存在する酵素系は通常容易に十分な範囲でヘミセルロースノ分解又は脱リグニン化を達成しない。ヘミセルロース分解及び脱リグニン化の範囲は、異なる様式にてキシランを分解するか又は他のキシラナーゼ、ヘミセルラーゼ、他の酵素又は同等のケミカルと相乗作用する追加のキシラナーゼを用いることにより改良することができた。
【0003】
真菌及び細菌性微生物からの莫大な数のキシラナーゼが同定されて、特性決定された。(例えば、米国特許第5,437,992号;Coughlin,M.P.前記;Biely,P.et al.,Proceedings of the second TRICEL symposium on Trichoderma reesei Cellulases and Other Hydrolases,Espoo 1993,P.Souminen and T.Reinikainen eds.,Foundation for Biotechnical and Industrial Fermentation Research 8:125-135(1993))。特に、3つの特別なキシラナーゼ(XYL-I,XYL-II,及びXYL-III)がT.reeseiにおいて同定された(Tenkanen,et al.,Enzyme Microb.Technol.14:566(1992);Torronen,et al.,Bio/Technology 10:1461(1992);及びXu,et al.,Appl.Microbiol.Biotechnol.49:718(1998))。
【0004】
莫大な数のキシラナーゼが刊行物において記載されたが、動物の餌、穀物の加工、生物燃料、洗浄、織物の保護、化学薬品類、植物の加工、及び脱リグニン化及びパルプ及び紙の漂白に関係する応用において、より有効な新規なキシラナーゼを同定する要求がいまだ存在する。
発明の概要
出願人は、本明細書にてXYL-IVと呼ぶ新規なキシラナーゼをコードし、且つ以前に記載されたキシラナーゼに対して特定の配列同一性を有するcDNAクローンを同定した。
【0005】
一つの態様において、本発明は、XYL-IVをコードするDNAを含む単離された核酸分子を提供する。特定の側面において、上記の単離された核酸は、図2(配列番号2)のアミノ酸配列を有するXYL-IVをコードするか、又はそのようなコーディング核酸配列に相補な、DNAを含む。好ましくは、XYL-IV蛋白質をコードするDNAは、微生物、好ましくは真菌又は細菌に由来する。好ましくは、上記DNAは、繊維状真菌、例えばTrichoderma種、Humicola種、Neurospora種、Aspergillus種、Fusarium種、Penicillium種、又はGliocladium種、より好ましくはTrichoderma種に由来する。また、好ましくは、上記DNAは、配列番号1のヌクレオチド配列を含む。あるいは、上記DNAは、配列番号1のヌクレオチド配列に少なくとも50%、60%、又は70%、好ましくは少なくとも85%又は90%の配列同一性を有するか、又は配列番号1のヌクレオチド配列の誘導体を含み、但し、上記DNAはキシラン、分枝キシラン又はキシロオリゴサッカライドを分割するXYL-IVをコードする。そのようなDNAを含むベクター、そのようなベクターで形質転換された宿主細胞及びそのような形質転換宿主細胞により生成された発酵ブロスも、本発明の範囲内である。
【0006】
本発明の他の態様は一部又は全体の単離されたXYL-IV蛋白質を提供する。好ましくは、XYL-IVは、微生物、好ましくは真菌又は細菌に由来する。好ましくは、上記XYL-IVは、繊維状真菌、例えばTrichoderma種、Humicola種、Neurospora種、Aspergillus種、Fusarium種、Penicillium種、又はGliocladium種、より好ましくはTrichoderma種に由来する。特に、本発明は、単離された天然配列XYL-IVを提供し、一つの態様において、図2(配列番号2)の残基1から465を含むアミノ酸配列を含む。本発明の好ましい態様において、上記XYL-IVは、配列番号2のアミノ酸配列を含み、配列番号2のアミノ酸配列に少なくとも50%又は70%、好ましくは少なくとも85%又は90%の配列同一性を有するか、又は配列番号2のアミノ酸配列の誘導体を含み、但し、XYL-IVはキシランを分割する。
【0007】
本発明のさらに別の態様は、XYL-IVを生成する方法を提供し、(a) XYL-IVをコードするDNAを含むベクターで形質転換された宿主細胞を得て;(b)XYL-IVの発現及び任意に分泌のために適した条件下で上記宿主細胞を培養し;そして(c)XYL-IV蛋白質を含む発酵ブロスを回収する、工程からなる。
【0008】
別の態様において、本発明は、XYL-IV蛋白質又はその断片に特異的に結合する抗体を提供する。任意に、上記抗体はモノクローナル抗体である。さらに別の態様において、本発明は。XYL-IV蛋白質又はXYL-IV蛋白質をコードするDNAを使用する方法を提供する。
【0009】
発明の詳細な説明
定義
この明細書及び請求の範囲において使用されるとおり、単数形態の「a」、「an」及び「the」は、要旨において明らかに別途指図しないのであれば、複数の指示対象を含むことに注目するべきである。即ち、例えば、「化合物」を含む組成物に対する引用は2つ又は複数の化合物の混合物を含む。また、用語「又は」は、要旨において明らかに別途指図しないのであれば、「及び/又は」を含むその意味いおいて一般的に採用されることも注目するべきである。
【0010】
「キシラナーゼ」は、微生物、例えば真菌、細菌に由来するか、又は植物又は動物に由来する蛋白質又はポリペプチドの蛋白質ドメイン又はポリペプチドのドメインを意味し、そして分枝キシラン及びキシロオリゴサッカライドを含むキシランの糖質バックボーンの一つ又は複数の様々な位置においてキシランの分割を触媒する能力を有する。特定の条件下では、キシラナーゼは小さい単位からキシラン又はキシロオリゴサッカライドのような糖の合成を触媒することもできる。T.reesei由来の特定の3つのキシラナーゼが文献公知である。
【0011】
本明細書にて使用するとおり、「XYL-IV」は、キシラナーゼ活性を有する酵素を意味し、そして典型的にはその天然形態又は野生型形態においてセルロース結合ドメインを欠く。本発明のXYL-IVは、図2(配列番号2)の残基1から465を含む蛋白質、配列番号2のアミノ酸配列に少なくとも50%又は70%、好ましくは少なくとも85%又は90%の配列同一性を有する蛋白質、又は配列番号2のアミノ酸配列の誘導体を含み、但し、XYL-IVはキシランを分割する。本発明により提供されるXYL-IVは特にT.reeseiの3つの公知のキシラナーゼを除外し、XYL-I,XYL-II(グリコシルヒドロラーゼ11に属する),及びXYL-III(グリコシルヒドロラーゼ10に属する)と呼ばれ、Torronen,et al.,及び前記のXu,et al.,に記載される。XYL-IVは上記3つの公知のT.reeseiのキシラナーゼとは異なる様式においてキシランに作用するが、一定の同じ位置において分割するかもしれないと信じられる。
【0012】
XYL-IVは微生物、例えば真菌又は細菌、植物又は動物を含む様々な任意の源に由来してよいことが本明細書で意図とされる。特に、セルロース分解能力を所有する微生物はXYL-IVの優秀な源であると予測される。発明の特に好ましい態様において、XYL-IVは、Trichoderma種、特にTrichoderma reeseiに由来する。しかしながら、好ましいのはまた、本発明によるXYL-IV及び/又はXYL-IVコーディングDNAが真菌、例えばAbsidia種;Acremonium種;Agaricus種;Anaeromyces種;Aspergillus種、A.aculeatus,A.awamori,A.flavus,A.foetidus,A.fumaricus,A.fumigatus,A.nidulans,A.oryzae,A.terreus及びA.versicolorを含む;Aeurobasidium種;Cephalosporum種;Chaetomium種;Coprinus種;Dactyllum種;Fusarium種、F.conglomerans,F.decemcellulare,F.javanicum,F.lini,F.oxysporum及びF.solani;Gliocladium種;Humicola種、H.insolens及びH.lanuginosa;Mucor種;Neurospora種;Orpinomyces種;Penicillium種;Phanerochaete種;Phlebia種;Piromyces種;Rhizopus種;Schizophyllum種;Trametes種;Trichoderma種、T.reesei,T.reesei(longibrachiatum)及びT.viride;及びZygorhynchus種に由来する。
【0013】
好ましくは、本発明によるXYL-IV蛋白質を単離して精製する。精製又は単離は、天然において対合しているいくつか又は全ての天然構成物からXYL-IVを分離する目的で、XYL-IV蛋白質がその天然状態から変えられることを意味する。そのような単離又は精製は、当業界で認識されている分離技術、例えばイオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、疎水性分離、透析、プロテアーゼ処理、硫酸アンモニウム沈殿又は他の蛋白質の塩沈殿、遠心分離、サイズ排除クロマトグラフィー、濾過、マイクロ濾過、ゲル電気泳動又は最終組成物中の不所望な全細胞、細胞残渣、不純物、外来蛋白質、又は酵素を除去するための勾配による分離により達成してよい。付加的な利益、例えば活性化剤、抗阻害剤、所望のイオン、pHを制御する化合物又は酵素を提供するXYL-IV含有組成物に成分を続いて加えることもさらに可能である。好ましくは、本発明によるXYL-IV蛋白質は組換え法により生産される。
【0014】
本明細書にて使用される「微生物」は、細菌、真菌、ウイルス、原生動物、マイクローブ又は顕微鏡でなければ見えない生物を意味する。本明細書にて使用される「植物」は、植物界(kingdom Plantae)のあらゆるメンバーを意味する。本明細書にて使用される「動物」は、動物界(kingdom Animalia)のあらゆるメンバーを意味する。動物は単一細胞又は多細胞のいずれかであり得る。
【0015】
本明細書にて使用される「誘導体」は、C末端又はN末端のいずれか又は両方への一つ又は複数のアミノ酸の付加、蛋白質の片方か又は両方の末端あるいはアミノ酸配列の一つ又は複数の部位における一つ又は複数のアミノ酸の置換、又はアミノ酸配列の一つ又は複数の部位における一つ又は複数のアミノ酸の挿入により前駆体蛋白質に由来する蛋白質を意味する。XYL-IV誘導体の調製は、天然蛋白質をコードするDNA配列を修飾し、そのDNA配列を適切な宿主に形質転換し、そして修飾されたDNA配列を発現させて誘導体XYL-IVを形成させることにより達成することが好ましい。
【0016】
本発明の「誘導体」は、前駆体アミノ酸配列(例えば、野生型又は天然状態のXYL-IV)との比較において、変更されたアミノ酸配列を含むペプチドを含み、但し、ペプチドは前駆体XYL-IVの特徴的なXYL-IVの特性を保持するが、いくつかの特定の側面において変更された特性を有する。例えば、XYL-IV誘導体は、最適pHの増加又は温度の増加又は酸化安定性の増加を有してよいが、その特徴的なキシラン修飾活性を保持してよい。同様に、本発明による誘導体は、そのセルロース結合活性を顕著に減ずるか又は増強するような様式にて、付加されるか、除去されるか又は修飾されたセルロース結合ドメインを含む。本発明による誘導体は、その基質結合能力を変更するように付加されるか又は修飾された、キシラン又は他の基質の結合ドメインを含む。本発明による誘導体は、発現されたXYL-IV誘導体の機能上の活性を保持したXYL-IV誘導体をコードするDNA断片に由来することを意図する。
【0017】
通常、XYL-IV誘導体は、図2(配列番号2)のアミノ酸配列に、少なくとも約50%、70%又は85%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約又は95%の配列同一性、そしてよりさらに好ましくは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性を有することになる。好ましくは、あらゆるアミノ酸置換はL-アミノ酸を用いた「保存的アミノ酸置換」であり、その際、一つのアミノ酸が別の生物学上類似のアミノ酸に置換される。保存的アミノ酸置換は、置換されるアミノ酸の、通常の電荷、疎水性/親水性、及び/又は立体容積を保持する置換である。保存的アミノ酸置換の例は、以下の群の間のものである:Gly/Ala,Val/Ile/Leu,Lys/Arg,Asn/Gln,Glu/Asp,Ser/Cys/Thr,及びPhe/Trp/Tyr。誘導体は、例えば、1から10ほど、例えば6−10、5程度、4、3、2程度、又はたった1つのアミノ酸残基の違いであってよい。
【0018】
本明細書にて使用される「天然配列XYL-IV」は、天然由来のXYL-IVと「同じアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。そのような天然配列XYL-IVは、自然から単離できるか、または組換え又は合成手段により生成できる。用語「天然配列XYL-IV」は、特に、XYL-IVの天然に生じる末端削除されたか又は分泌される形態、及びXYL-IVの天然に生じる可変形態(例えば、別のスプライスされた形態)を包含する。発明の一つの態様において、天然配列XYL-IVは、図2(配列番号2)のアミノ酸1から465を含む。
【0019】
本明細書にて確認されるアミノ酸又はヌクレオチド配列に関しての本明細書にて使用される「パーセント(%)配列同一性」は、配列を並べ、そして必要であれば最大パーセント配列同一性を達成するためにギャップを導入し、そして配列同一性の一部としてあらゆる保存的置換を考慮せずに、XYL-IV配列中のアミノ酸残基又はヌクレオチドと同一の候補配列中のアミノ酸残基又はヌクレオチドのパーセンテーイとして定義される。
【0020】
配列アラインメントを実施し、そして配列同一性を決定するための方法は、当業者には知られており、過度な実験なしに実施され、そして同一性の値の計算は確実性をもって得られる。例えば、Ausubel et al.,eds.(1995)Current Protocols in Molecular Biology,Chapter 19(Greene Publishing and Wiley-Intersciences,New York);及びAlignプログラム(Dayhoff(1978)in Atlas of Protein Sequence and Structure 5:Suppl.3(National Biomedical Research Foundation,Washington,D.C.))。多くの計算式が配列を並べて配列同一性を決定するのに利用可能であり、そして例えば、Needleman et al.(1970) J.Mol.Biol.48:443の相同性アラインメント計算式;Smith et al.(1981) Adv.Appl.Math.2:482の局所相同性計算式;Pearson et al.(1988) Proc.Natl.Acad.Sci.85:2444の類似性サーチ法;スミス−ウオーターマンの計算式(Meth.Mol.Biol.70:173-187 (1997));及びBLASTP,BLASTN,及びBLASTX計算式(Altschul et al.(1990) J.Mol.Biol.215:403-410)を含む。これらの計算式を用いたコンピューター化されたプログラムも利用可能であり、そして限定ではないが、ALIGN又はMegalian(DNASTAR)ソフトウエア、又はWU-BLAST-2(Altschul et al.,Meth.Enzym.,266:460-480 (1996));又はGAP,BESTFIT,BLAST Altschul et al.,前記、FASTA及びTFASTA、Genetics Computing Group(GCG)パッケージ、バージョン8、Madison,Wisconsin,USAにおいて利用可能;及びIntelligenetics,Mountain View,CaliforniaによるPC/Geneプログラム内のCLUSTALを含む。当業者は、比較される配列の長さにわたり最大のアラインメントを達成するのに必要な計算式を含む、アラインメントを測定するための適切なパラメーターを決定できる。好ましくは、配列同一性は、プログラムにより決定された省略(default)パラメーターを用いて決定される。特定すれば、配列同一性は、アファインギャップサーチを用いてMSPRCHプログラム(オックスフォードモリキュラー)にて寄与されたスミスウオーターマン相同サーチ計算式(Meth.Mol.Biol.70:173-187(1997))により以下のサーチパラメーターを用いて決定できる:ギャップオープンペナルティ12、及びギャップ伸長ペナルティ1。好ましくは、対のアミノ酸の比較は、ブロサム62アミノ酸置換マトリックスをギャップウエイト12及び長さウエイト2と共に用いてGenetics Computer Group,Inc.,Madison,WisconsinのGCG配列分析ソフトウエアパッケージのGAPプログラムを用いて実施することができる。
【0021】
2つのアミノ酸配列の最適なアラインメントに関しては、異型(variant)アミノ酸配列の隣接セグメントは参照アミノ酸配列に関して追加のアミノ酸残基又は欠失アミノ酸残基を含んでよい。参照アミノ酸配列に対する比較のために使用される隣接セグメントは、少なくとも20の隣接アミノ酸残基を含むことになり、そして30、40、50又はそれ以上のアミノ酸残基であってよい。誘導体アミノ酸配列中のギャップの含有に付随した配列同一性の増加に関する修正は、ギャップペナルティを指定することによりなされ得る。
【0022】
本明細書にて使用される「発現ベクター」は、適切な宿主においてDNAの発現に影響することができる適切な制御配列に作動可能なように連結したDNA配列を含むDNA構築物を意味する。そのような制御配列は、転写に影響するためのプロモーター、転写を制御するための任意のオペレーター配列、mRNA上の適切なリボソーム結合部位をコードする配列、及び転写並びに翻訳の終結を制御する配列を含んでよい。異なる細胞種は異なる発現ベクターを用いて好ましく使用される。Bacillus subtilisにおいて使用されるベクターのための好ましいプロモーターはAprEプロモーターである;E.coliにおいて使用される好ましいプロモーターはLacプロモーターであり、Saccharomyces cerevisiaeにおいて使用される好ましいベクターはPGK1であり、Aspergillus nigerにおいて使用される好ましいベクターはglaAであり、そしてTrichoderma reeseiにおいて使用される好ましいベクターはcbhIである。ベクターはプラスミド、ファージ粒子、又は単純に有力なゲノムの挿入物でよい。適切な宿主を形質転換したなら、ベクターは宿主ゲノムとは独立に複製して機能してよく、あるいは、適切な条件下でゲノム自体にインテグレートされてよい。本明細書においては、プラスミド及びベクターは時々交換可能に使用される、しかしながら、発明はいくつかの均等な機能を供給、そして当業界において公知か又は公知になる発現ベクターの他の形態を含むことを意図する。即ち、広く様々な宿主/発現ベクターの組み合わせが、この発明のDNA配列の発現において用いられてよい。有用な発現ベクターは、例えば、染色体DNA、非染色体DNA及び合成DNA配列のセグメントからなってよく、例えば様々な公知のSV40誘導体及び公知の細菌プラスミド、例えばE.coli由来のプラスミド、例えばcol E1,pCR1,pBR322,pMb9,pUC 19及びそれらの誘導体、広いホストレンジのプラスミド、例えばRP4,ファージDNA類、例えばファージλの多数の誘導体、例えばNM989、及び他のDNAファージ、例えばM13及び繊維状一本鎖DNAファージ、酵母プラスミド例えば2μプラスミド又はその誘導体、真核生物に有用なベクター、例えば動物細胞において有用なベクター及びプラスミドとファージDNAの組み合わせに由来するベクター、例えばファージDNA又は他の発現制御配列を用いるように修飾されたプラスミドである。本発明の発現ベクターを用いる発現技術は当業界において公知であり、一般的には、例えばSambrook,et al.,MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,SECOND EDITION,Cold Spring Harbor Press (1989)に記載される。しばしば、本発明のDNA配列を含むそのような発現ベクターは、インテグレーションの事象を通して特定の種のゲノムへの直接の挿入により単細胞宿主を形質転換する(例えば、Bennett & Lasure,MORE GENE MANIPULATION IN FUNGI,Academic Press,San Diego,pp.70-76(1991)及び真菌宿主中の標的化ゲノム挿入を記載する本明細書中の文献を参照)。
【0023】
本明細書において使用される「宿主株」又は「宿主細胞」は、本発明によるDNAを含む発現ベクターに適切な細胞を意味する。本発明において有用な宿主細胞は一般的に原核生物又は真核生物であり、発現が達成できるあらゆる形質転換可能な微生物を含む。特定すれば、宿主株は、Bacillus subtilis,Escherichia coli,Trichoderma reesei,Saccharomyces cereviae又はAspergillus nigerであってよい。宿主細胞は組換えDNA技術を用いて構築されたベクターによりトランスフェクトされるか又は形質転換される。そのような形質転換宿主細胞は、XYL-IVをコードする複製ベクター及びその誘導体又は異型(変異体)または所望のペプチド産物を発現できる。本発明による好ましい態様において、「宿主細胞」はTrichoderma種の細胞から創製された細胞及びプロトプラストの両者を意味する。
【0024】
本明細書において使用される「シグナル配列」は、細胞外への蛋白質の成熟型の分泌を促進するN−末端部分に結合したアミノ酸の配列を意味する。シグナル配列のこの定義は機能上の定義である。細胞外蛋白質の成熟型は、分泌プロセスの間に分割されるシグナル配列を欠く。
【0025】
本明細書において使用される「機能上付随させた」又は「作用するように連結した」は、制御領域、例えばプロモーター、ターミネーター、分泌シグナル又はエンハンサー領域が構造遺伝子に付随させたか又は連結して、その遺伝子の発現を制御することを意味する。
【0026】
ハイブリダイゼーション反応の「ストリンジェンシー」は、当業者により容易に決定することができ、そして一般的には、プローブの長さ、洗浄温度、及び塩濃度に依存する経験的な計算である。一般的には、長いプローブは厳密なアリーリングのための高い温度を必要とし、一方短いプローブは低い温度を必要とする。ハイブリダイゼーションは一般的に、相補鎖がそれらの溶融温度より低い環境に存在する場合に、変性させたDNAを再アリールさせる能力に依存する。プローブとハイブリダイズ可能な配列の間の所望の相同性の程度が高ければ高いほど、使用できる相対温度は高い。結果として、高い相対温度が反応条件をよりストリンジェントにさせる傾向があり、一方低い温度はストリンジェンシーを低くさせることは当然である。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーの追加の詳細及び説明に関しては、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology (Wiley Interscience Publishers,1995)を参照。
【0027】
本明細書にて使用される「ストリンジェントな条件」又は「高ストリンジェンシー条件」は、(1)洗浄のために低いイオン強度及び高い温度、50℃において0.015M塩化ナトリウム/0.0015Mクエン酸ナトリウム/0.1%ドデシル硫酸ナトリウムを用いるか、(2)ハイブリダイゼーションの間に、変性剤、例えばホルムアミド、例えば、50%(v/v)ホルムアミド並びに0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%Ficoll/0.1%ポリビニルピロリドン/50mMリン酸ナトリウムバッファー、pH6.5、並びに750mM塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウム42℃を用いるか;又は(3)50%ホルムアミド、5 x SSC (0.75M NaCl,0.075Mクエン酸ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5 x デンハルト溶液、音波処理したサケ精子DNA(50μg/ml)、0.1% SDS、及び10%硫酸デキストラン、42℃、並びに0.2 x SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)で42℃及び50%ホルムアミドで55℃、次にEDTAを含む0.1 x SSCからなる55℃の高ストリンジェンシー洗浄による条件により確認され得る。
【0028】
本明細書にて使用される「中程度のストリンジェンシー条件」は、Sambrook et al.,Molecular Cloning: A Laboratory Manual (New York: Cold Spring Harbor Press, 1989)に記載されるとおりに確認することができ、そして洗浄溶液及びハイブリダイゼーション条件に関して(例えば、温度、イオン強度、及び%SDS)上記の条件よりも低ストリンジェントな使用を含む。中程度のストリンジェンシー条件の例は、20%ホルムアミド、5 x SSC (150mM NaCl,15mMクエン酸3ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5 x デンハルト溶液、10%硫酸デキストラン、及び20mg/mL変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中での37℃の一晩のインキュベーション、続く約37-50℃における1 x SSC中でのフィルターの洗浄である。当業者は、プローブの長さ等の因子を順応させる必要に応じて、温度、イオン強度等を如何にして調節するのかを認識する。
【0029】
本明細書にて使用される、微生物に「由来する」物質(例えば、ポリヌクレオチド又は蛋白質)は、該物質が上記微生物にとって天然であることを意味する。XYL-IV特異性
一般的に、XYL-IVはファミリー11又はファミリー10のグリコシルヒドロラーゼのそれとは異なる特異性を呈する。特定すれば、XYL-IVは、α-アラビノフラノシダーゼ、α-ガラクトシダーゼ、β-キシロシダーゼ、β-マンノシダーゼのとは異なる基質に関しての特異性を呈する。より特定すれば、XYL-IVは、XYL-I又は-II又は-IIIと異なる特異性をもって基質を分割する。即ち、XYL-IVはこれらの他のキシラナーゼと同じ位置のいくつかにおいてキシランを分割するかもしれないが、異なる位置でも分割する。
【0030】
一つの態様において、典型的な反応条件下では、XYL-IVは、未置換のキシラン又はアセチル化されたMeGlcA-キシランに対して、XYL-I又はXYL-IIよりも大きな活性を呈し得る。XYLs-IV及び-IIの両者は脱アセチル化されたMeGlcA-キシランを分割する。XYL-IIは、典型的には、アラビノキシランに対してXYL-IVよりも大きな活性を呈する。未置換のキシラン又はアセチル化されたMeGlcA-キシランの分割について、XYL-IVはその主要生成物としてキシロースを、そして微量のキシロビオース及び置換されたキシロ-オリゴサッカライドを生成した。他の2つのキシラナーゼは違う生成物を生じた。XYL-IVは、一般的に、置換されたキシロースユニットに対してXYL-I又は-IIのいずれかに近い分割をする。
【0031】
XYL-IVとXYLs-I又は-IIの間の特異性の違いは、これらの酵素の組み合わせ又は混合による生成物の分割において相乗性を生じ得る。例えば、XYL-IVとXYLs-I及び/又は-IIの組み合わせ又は混合による基質の分割は、少量のこれら酵素による分割に比較して、基質の分割の速度及び/又は程度の相加的増加より多くをもたらし得る。同様に、XYLs-I,-II及び/又は-IVの一つ又はそれ以上による基質の分割、続く別のXYL又はXYL-I,-II及び/又は-IVの組み合わせは、少量のこれら酵素による分割に比較して、基質の分割の速度及び/又は程度の相加的増加より多くをもたらし得る。
【0032】
一つの態様において、XYL-IVは、ライ麦からのいくつかの重合性キシラン、未置換のキシラン、MeGlcA-キシラン、及びアラビノキシランを分割することができる。典型的には、XYL-IVは、他の2つのキシランよりもアラビノキシランをよりゆっくりと分割し、ほぼ等しい速度で分割され得る。XYL-IVは直鎖状及び未置換のオリゴサッカライドの両方を加水分解できる。XYL-IVは典型的な反応条件下で、グルコマンナン、ガラクトマンナン、β-グルカン、カルボキシメチルセルロース、ラミナリン 又はキシロビオースを分割しないか又はほとんどわずかしか分割しない。
【0033】
他の態様において、XYL-IVは、特定の反応条件下で、糖のカップリングを触媒してより大きな糖を形成するのに用いることができる。例えば、XYL-IVは、小さなユニットからのキシロビオース又はキシロオリゴサッカライドの合成のために使用することができる。あるいは、XYL-IVは小さなユニットからの糖誘導体の形成を触媒することができる。
XYL-IVの製造
本発明は、XYL-IV及びXYL-IV誘導体の発現、単離及び使用に関する。XYL-IV及び誘導体は組換え法により製造することが好ましい。しかしながら、本発明の使用のためのXYL-IV蛋白質は、天然単離物からの精製又は化学合成のような当業界で認識されている手段により得てよい。
天然単離物からの精製
XYL-IVは、公知の共通に用いられる方法により天然単離物から精製できる。例えば、XYL-IVを含む細胞を様々な物理又は化学手段、例えば凍結−解凍繰り返し、音波処理、機械的破壊、又は細胞溶解剤により破壊することができる。XYL-IVは、遠心分離、濾過及び上清中の蛋白質の沈殿又は硫酸アンモニウムのような塩による濾過により培地からの細胞の分離を含む慣用技術により培地から回収することができる。XYL-IVは、次に、例えば、イオン交換カラムのような分画;逆相HPLC;シリカに基づく材料又はDEAEのようなイオン交換樹脂上のクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS-PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;例えばSephadex G-75を用いたゲル濾過;及び親和性クロマトグラフィーのような手法により、破壊された細胞から精製することができる。蛋白質精製の様々な方法を使用してよく、そのような方法は当業界において公知であり、例えば、Deutcher,Methods in Enzymology 182 (1990);Scopes,PROTEIN PURIFICATION: PRINCIPLES AND PRACTICE,Springe-Verlag,New York (1982)に記載される。選択された精製工程は、例えば生成された特定のXYL-IVに依存するか、又はこの酵素の源に依存することになる。
化学合成
あるいは、XYL-IV配列、又はその一部を固相技術を用いた直接ペプチド合成により生成してよい(例えば、Stewart, et al.,SOLID-PHASE PEPTIDE SYNTHESIS,W.H.Freeman Co.,San Francisco,CA (1969);Merrifield,J.Am.Chem.Soc.85: 2149-2154 (1963)を参照)。インビトロ蛋白質合成は、マニュアル技術を使用するか又は自動化により実施してよい。自動化された合成は、例えばApplied Biosystems Peptide Synthesizer(Foster City,CA)を用いて、製造者の指示に従い、達成してよい。XYL-IVsの様々な部分を別々に化学合成して、化学又は酵素法により組み合わせることにより、完全長のXYL-IVを生成してよい。
組換え法
XYL-IVをコードするDNAの単離
XYL-IVをコードするDNAは、XYL-IV mRNAを持ち、そしてそれを検出可能なレベルにて発現すると信じられる微生物から用意されたcDNAライブラリーから得てよい。XYL-IVをコードする遺伝子も、ゲノミックライブラリーから、あるいはオリゴヌクレオチド合成により、得てよい。
【0034】
ライブラリーは、興味のある遺伝子又はそれによりコードされる蛋白質を同定するようにデザインされたプローブ(例えば、XYL-IVに対する抗体又は少なくとも約20-80塩基のオリゴヌクレオチド)を用いてスクリーンすることができる。選択されたプローブを用いてcDNA又はゲノミックライブラリーをスクリーンすることは、標準の手法、例えば前記のSambrookら、に記載された手法を用いて実施してよい。XYL-IVをコードする遺伝子を単離するための別の手段は、PCRテクノロジーを使用することである(Sambrook,et al.,前記;Dieffenbach,et al.,PCR PRIMER: A LABORATORY MANUAL (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1995))。
【0035】
cDNAライブラリーをスクリーンするための公知の技術において、プローブとして選択されたオリゴヌクレオチド配列は、十分な長さのものであって、偽陽性が最小化されほど十分明確なものであるべきである。該上記オリゴヌクレオチドは、スクリーンされるライブラリー中のDNAへのハイブリダイゼーションに際して検出可能なように、標識されていることが好ましい。標識方法は当業界公知であり、そして、32P-標識されたATPのような放射線標識、ビオチン化又は酵素標識の使用を含む。中程度のストリンジェンシー及び高ストリンジェンシーを含むハイブリダイゼーション条件は、前記のSambrookら、に提供される。
【0036】
そのようなライブラリースクリーニング法において同定された配列は、GenBank又は他の個人的配列データベースのような公設のデータベースに寄託されて利用可能な他の公知配列と比較して、一直線に並べる(aligned)ことができる。分子の規定された領域内又は完全長配列の全域にわたる配列の同一性(アミノ酸又はヌクレオチドレベルの何れかにおける)は、コンピューターソフトウエアプログラム、例えば相同性を測定するために様々な計算式を用いる、ALIGN,DNAstar及びINHERITを用いて、配列アラインメントを通して決定することができる。
【0037】
蛋白質コード配列を有する核酸は、最初に、本明細書に開示された演繹アミノ酸配列を用いて、選択されたcDNA又はゲノミックライブラリーをスクリーニングし、そして必要であれば、前記のSambrookらに記載された慣用のプライマー伸長手法を用いて前駆体を検出し、そしてcDNAに逆転写されなかったかもしれないmRNA中間体をプロセシングすることにより、得てよい。
宿主細胞の選択及び形質転換
宿主細胞は、XYL-IVに関して本明細書に記載された発現ベクター又はクローニングベクターにより、トランスフェクトされるか又は形質転換される。宿主細胞は、プロモーターを誘導するか、形質転換体を選択するか、又は所望の配列をコードする遺伝子を増幅するのに適するように修飾された慣用の栄養培地中で培養される。培養条件、例えば培地、温度、pH等は過度な実験なしに当業者により選択できる。通常、細胞培養物の生産性を最大にするための原理、プロトコル、及び実際の技術は、MAMMALIAN CELL BIOTECHNOLOGY: A PRACTICAL APPROACH,M.Butler,ed.(IRL PRESS,1991)及び前記のSambrookらに見いだすことができる。
【0038】
トランスフェクションの方法は、当業者に知られており、例えばCaPO4法及びエレクトロポレーションである。使用される宿主細胞に依存して、そのような細胞に適した標準技術を使用して形質転換を実施する。前記のSambrookらに記載された塩化カルシウムを用いるカルシウム処理、又はエレクトロポレーションは、一般的に原核生物又は実質上の細胞壁バリアーを有する他の細胞に使用される。Agrobacterium tumefaciensは、特定の植物細胞の形質転換に使用され、Shaw,et al.,Gene 23: 315 (1983)及び1989年6月22日に公表されたWO 89/05859により記載されたとおりである。酵母の形質転換は、Van Solingen,et al.,J.Bacteriol.130: 946 (1977)及びHsiao,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci. (USA) 76: 3829 (1979)の方法に従い、実施することができる。しかしながら、DNAを細胞に導入するための他の方法、例えば、核注入、エレクトロポレーション、マイクロポレーション、バイオリスティック砲撃、完全細胞による細菌のプロトプラスト融合、又はポリカチオン、例えばポリブレン、ポリオルニチンも使用してよい。
【0039】
本明細書中のベクターにDNAをクローン化するか又は発現するために適した宿主細胞は、原核生物、酵母、又は繊維状真菌細胞を含む。適切な原核生物は、限定ではないが、ユーバクテリア、例えばグラム陰性又はグラム陽性生物、例えばEnterobacteriaceae、例えばE.coliを含む。様々なE.coli株が公然に利用可能であり、例えば、E.coli K12株MM294 (ATCC 31,446);E.coli X1776 (ATCC 31,537);E.coli株W3110 (ATCC 27,325)及びK5 772 (ATCC 53,635)である。原核生物に加えて、真核微生物、例えば繊維状真菌又は酵母は、XYL-IVをコードするベクターのための適切なクローニング又は発現用の宿主である。Saccharomyces cereviaeは共通に使用される低級原真核宿主微生物である。
【0040】
好ましくは、形質転換される微生物は、Trichoderma種又はAspergillus種由来の株を含む。より好ましくは、上記株は、過剰発現蛋白質を得るために有用なT.reesei又はAspergillus niger変異体(var.)awamoriを含む。例えば、Sheir-Neiss,et al. in Apll.Microbiol.Biotechnol.20: 46 (1984)に記載されたTrichoderma株RL-P37は増量されたセルラーゼ酵素を分泌することが知られている。RL-P37の機能上の均等物は、Trichoderma reesei(longibrachiatum)株RUT-C30(ATCC No.56765)及びQM9414(ATCC No.26921)を含む。別の例は、Ward,et al.,in Apll.Microbiol.Biotechnol.39: 738 (1993)に記載された過剰生産変異体を含む。これらの株は、Trichoderma種のXYL-IVを過剰発現するのにも有用なはずであると予測される。適切な宿主細胞の選択は、当業者の範囲と見なされる。
Trichoderma種宿主細胞の選択と形質転換
本発明によりXYL-IVを調製するための好ましい様式は、プロモーターに機能するように連結されたXYL-IVの一部又は全体をコードするDNAの少なくとも断片を含むDNA構築物でTrichoderma種宿主細胞を形質転換することを含む。形質転換された宿主細胞は、次に、所望の蛋白質を発現する条件下で生育させる。次に、所望の蛋白質生成物が単離されるか又は実質上均質なまでに精製される。
【0041】
好ましくは、形質転換される微生物は、Trichoderma種由来の株を含む。より好ましくは、上記株が、過剰発現蛋白質を得るために有用なT.reesei,Trichoderma株RL-P37、RL-P37の機能上均等物、例えばTrichoderma reesei(longibrachiatum)株RUT-C30(ATCC No.56765)又はQM9414(ATCC No.26921)を含む。
【0042】
選択可能なマーカーを選択することにより、形質転換された上記真菌の検出を可能にせねばならない。選択された微生物において発現されるあらゆる選択可能マーカーが適する。例えば、Trichodermaを用いるなら、選択可能マーカーは、形質転換体中の選択可能マーカーの存在がその特性に顕著に影響しないように、選択される。そのような選択可能マーカーは、アッセイ可能な生成物をコードする遺伝子であってよい。例えば、もしも宿主株中で欠けているなら、栄養要求性表現型を呈する宿主細胞をもたらすTrichoderma種の遺伝子の機能性コピーを使用してよい。
【0043】
好ましい態様において、Trichoderma種のpyr4-誘導体株を機能性pyr4遺伝子で形質転換し、即ち、消しつ転換のための選択可能マーカーを提供する。pyr-誘導体株は、フルオロオロティック酸(FOA)に耐性なTrichoderma種の株の選択により得てよい。上記pyr4遺伝子は、ウリジンの生合成に必要な酵素であるオロチジン-5'-モノホスフェートデカルボキシラーゼをコードする。完全なpyr4遺伝子を有する株は、ウリジンを欠く培地中で生育するが、フルオロオロティック酸には感受性である。機能性オロチジンモノホスフェートデカルボキシラーゼ酵素を欠き、そしてFOA耐性に関して選択することにより生育のためにウリジンを要求するpyr-誘導体株を選択することができる。この酵素をコードする遺伝子の機能性コピーでこれらの細胞を形質転換することが可能である(Bergees and Barreau,Curr.Genet.19: 359 (1991))。誘導体株の選択は上で言及されたFOA耐性技術を使用して容易に実施され、即ち、pyr4遺伝子が選択可能なマーカーとして好ましく用いられる。
【0044】
pyr4-Trichoderma種を形質転換することにより一つ又は複数のxyl4遺伝子を発現する能力を持たせるため、xyl4遺伝子を含む単一のDNA断片を次に欠失プラスミドから単離して、適切なpyr4-Trichoderma種を形質転換する。pyr4遺伝子産物を発現し、即ち宿主細胞のウリジン栄養要求性を補うそれの能力に基づいて、形質転換体を同定及び選択する。サザンブロット分析を次にその結果の形質転換体に実施することにより、欠失される遺伝子のゲノミックコピーのコード領域の一部又は全部を、pyr4選択可能マーカーで置換する二重交差インテグレーション事象を同定及び確認する。
【0045】
上で記載された特定のプラスミドベクターはpyr-形質転換体の製造に関するが、本発明はこれらのベクターに限定されない。様々な遺伝子を上記技術を用いてTrichoderma種の株において欠失させて置換することができる。さらに、あらゆる利用可能な選択可能マーカーを上で論じられたとおりに使用できる。事実、クローン化されて、即ち同定されたあらゆるTrichoderma種の遺伝子が、上記の戦略を用いてゲノムから欠失させるか又は置換できる。
【0046】
上述のとおり、好ましい宿主細胞は、選択された選択可能マーカーに相当する一つ又は複数の非機能性遺伝子を欠くか又は有するTrichoderma種の誘導体を含む。例えば、pyr4の選択可能マーカーを選択するならば、特定のpyr-誘導体株を形質転換手法のレシピエントとして使用する。同様に、Aspergillus nidulans遺伝子amdS,argB,trpC,niaDに均等なTrichoderma種の遺伝子を含む選択可能マーカーを使用してよい。相当するレシピエント株は、従って、それぞれ、argB-,trpC-,niaD-のような誘導体株にならなければならない、
好ましい形質転換技術において、Trichoderma種における細胞壁のDNAに対する透過性が極めて低いことを考慮せねばならない。従って、所望のDNA配列、遺伝子又は遺伝子断片の取り込みは、せいぜい最小である。形質転換プロセス前に誘導体株(即ち、使用された選択可能マーカーに相当する機能性遺伝子を欠く)において、Trichoderma種細胞壁の透過性を増加させる多数の方法が存在する。
【0047】
形質転換のためにTrichoderma種を製造するための本発明における好ましい方法は、真菌の菌糸体からのプロトプラストの調製を含む。菌糸体は発芽した成長期の胞子から得ることができる。菌糸体は、細胞壁を消化してプロトプラストをもたらす酵素で処理する。プロトプラストは次に、懸濁培地中での浸透性安定剤の存在により保護する。これらの安定剤は、ソルビトールマンニトール、塩化カリウム、硫酸マグネシウム等を含む。通常は、これらの安定剤の濃度を0.8Mから1.2Mの間で変更する。懸濁培地において1.2Mのソルビトールを使用することが好ましい。
【0048】
DNAのTrichoderma種株への取り込みは、カルシウムイオン濃度に依存する通常、約10mM CaCl2と50mM CaCl2の間が摂取溶液中で使用される。カルシウムイオンの摂取溶液中の要求に加え、通常含まれる他の品目は、緩衝系、例えばTEバッファー(10mM Tris,pH7.4;1 mM EDTA)又は10mM MOPS,pH6.0バッファー(モルフォリンプロパンスルホン酸)及びポリエチレングリコール(PEG)である。ポリエチレングリコールは細胞膜を融合させるように作用し、即ち、培地に、内容物がTrichoderma種の株の細胞質に到着するのを可能にさせ、そしてプラスミドDNAが核に移送されると信じられる。この融合は、しばしば、宿主染色体に縦列にインテグレートされたプラスミドDNAの複数コピーを残す。
【0049】
通常、108から109/ml、好ましくは2 x 108/mlの密度にて透過性処理に供されたTrichoderma種のプロトプラスト又は細胞を含む懸濁液を形質転換に使用する。適切な溶液(例えば、1.2Mソルビトール;50mM CaCl2)中100マイクロリットルのこれらプロトプラスト又は細胞の容量を所望のDNAと混合する。通常、高濃度のPEGを摂取溶液に加える。0.1から1容量の25% PEG 4000をプロトプラスト懸濁液に加えることができる。しかしながら、約0.25容量のを上記懸濁液に加えることが好ましい。添加物、例えばジメチルスルフォキシド、ヘパリン、スペルミジン、塩化カリウム等も、上記摂取溶液に加えて形質転換を補助してよい。
【0050】
通常、上記混合物は、次に約0℃において10から30分間インキュベートする。追加のPEGを次に上記混合物に加えることにより、所望の遺伝子又はDNA配列の取り込みをさらに増強する。25% PEG 4000は、通常、形質転換混合物の約5から15倍の容量にて加える;しかしながら、より高い容量又は低い容量も適切かもしれない。25% PEG 4000は、形質転換混合物の約10倍の容量にて加えることが好ましい。PEGを加えた後、形質転換混合物を次にソルビトールとCaCl2溶液の添加前に、室温においてインキュベートする。プロトプラスト懸濁液を次にさらに成育培地の融解アリコートに加える。この成育培地は、形質転換体のみの成長を許容する。所望の形質転換体を生長させるのに適したあらゆる成育培地を本発明において使用することができる。しかしながら、Pyr-形質転換体が選択されるなら、ウリジンを含まない成育培地を使用することが好ましい。
【0051】
この段階において、それらの早い成長及びウリジンを欠く固形培養培地上の、でこぼこよりむしろ滑らかな外形の環状コロニーの形成により、安定な形質転換体を不安定な形質転換体から識別してよい。さらに、いくつかの場合、固形の非選択培地上で形質転換体を成育させ(即ち、ウリジンを含む)、この培養培地から胞子を回収し、そして引き続き発芽させてウリジンを欠く選択培地上で成育させることにより、安定性のさらなる試験を行ってよい。
複製可能なベクターの製造及び使用
XYL-IV蛋白質をコードするDNAを適切な微生物への挿入のために調製してよい。本発明に従うと、XYL-IV酵素をコードするDNAは機能性XYL-IV活性を有する蛋白質をコードするのに必要なDNAの全てを含む。従って、DNAは、本明細書に記載された方法に従い上記遺伝子が同定されて単離されるかもしれないとの条件で、XYL-IVを生成するあらゆる微生物源に由来してよい。好ましい態様において、該DNAはTrichoderma種由来、より好ましくはTrichoderma reesei由来のXYL-IV蛋白質をコードする。
【0052】
XYL-IVをコードするDNAは、XYL-IVをコードするDNAを含む発現ベクターの構築により製造してよい。XYL-IVをコードする挿入されたDNA断片を有する発現ベクターは、提供された宿主の生物内で自己複製可能であるか又は宿主のDNAにインテグレートされ得るあらゆるベクター、典型的にはプロトプラスト、コスミッド、ウイルス粒子又はファージであってよい。様々なベクターが公然に利用可能である。XYL-IVをコードする一つ以上のコピー数のDNAを上記株中に組換えて過剰発現を促進してよいことも意図される。
【0053】
好ましい態様においては、遺伝子の発現を得るための2種類の発現ベクターを意図する。第1は、プロモーター、コード領域、及びターミネーター配列の全てが発現される遺伝子に由来するDNA配列を含む。遺伝子の末端削除は、不所望なDNA配列(例えば、望まれないドメインをコードする)を削除することにより、それ自身の転写及び翻訳制御配列の制御下で発現されるドメインを残すことにより、得てよい。選択可能なマーカーもベクター上に含ませて、新規なxyl4遺伝子配列の複数コピーの宿主へのインテグレーションに関する選択を可能にさせる。
【0054】
第2の種類の発現ベクターは、予めアッセンブルされて、高いレベルの転写に必要な配列及び選択可能マーカーを含む。遺伝子又はその一部をコードする領域は、発現カセットプロモーター及びターミネーター配列の転写制御下にあるように、この一般的な目的の発現ベクターへ挿入することができると予測される。例えば、pTEXはそのような一般的な目的の発現ベクターである。このベクターの記載に関しては、米国特許第5,650,322号を参照されたい。pTEXは、繊維状真菌T.reeseiにおける使用のための多目的発現ベクターとしてデザインされたプラスミドである。該ベクター内の発現カセットは、この機能に関して有用とさせるいくつかのユニークな機能を有する。転写は、強いcbh1遺伝子プロモーター及びT.reeseiのターミネーター配列を使用して制御される。
【0055】
該ベクターにおいては、本発明のXYL-IVをコードするDNA配列を転写及び翻訳配列、即ち適切なプロモーター配列及びシグナル配列をリーディングフレームにて構造遺伝子に対して機能するように連結するべきである。上記プロモーターは、宿主細胞内で転写活性を示すあらゆるDNA配列であってよく、そして宿主に対して同種又は異種のいずれかである蛋白質をコードする遺伝子に由来してよい。シグナルペプチドは、XYL-IV又はその誘導体の細胞外生産を提供する。シグナル配列をコードするDNAは、発現される遺伝子と天然において結合しているものが好ましく、しかしながら、あらゆる適当な源由来のシグナル配列、例えばTrichoderma由来のセロビオヒドロラーゼ又はエンドグルカナーゼが本発明において意図される。
【0056】
適当な核酸配列を様々な手法によりベクターに挿入してよい。通常、当業界公知の技術を使用して適当な制限エンドヌクレアーゼ部位にDNAを挿入する。ベクター成分は、通常、限定ではないが、一つ又は複数のシグナル配列、複製オリジン、一つ又は複数のマーカー遺伝子、エンハンサー要素、プロモーター、及び転写終結配列を含む。一つ又は複数のこれらの成分を含む適切なベクターの構築は、当業者に知られている標準ライゲーション技術を用いる。
【0057】
所望のXYL-IVを組換えにより直接のみならず、異種ポリペプチドとの融合ポリペプチドとして生産してよく、それはシグナル配列か又は成熟蛋白質又はポリペプチドのN末端に特定の分割の部位を有する他のポリペプチドであってよい。通常、シグナル配列は、ベクターの成分であるか、又はベクターに挿入されるXYL-IVコードDNAの一部であってよい。シグナル配列は、原核生物の選択されたシグナル配列であってよく、例えば、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、lpp、又は熱安定性エンテロトキシンIIリーダーからである。酵母の分泌のためには、シグナル配列は、例えば酵母インベルターゼリーダー、アルファ因子リーダー(Saccharomyces及びKluyveromycesα-因子リーダー、後者は米国特許第5,010,182号に記載)、又は酸ホスファターゼリーダー、C.albicansのグルコアミラーゼリーダー(EP 362,179、1990年4月4日公表)、又は1990年11月15日に公表されたWO 90/13646に記載されたシグナル配列であってよい。
【0058】
発現及びクローニングベクターの両者は、一つ又は複数の選択された宿主細胞内でベクターを複製可能にする核酸配列を含む。そのような配列は様々な細菌、酵母及びウイルスにおいてよく知られている。プラスミドpBR322由来の複製オリジンはほとんどのグラム陰性細菌において適しており、そして2μプラスミドのオリジンは酵母に適している。
【0059】
発現及びクローニングベクターは典型的には、選択可能マーカーとも呼ばれる選択遺伝子を含むことになる。典型的な選択遺伝子は、(a)抗生物質又は他のトキシン、例えばアンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセート又はテトラサイクリンに耐性を付与する蛋白質をコードする遺伝子、(b)栄養要求欠損を相補する蛋白質をコードする遺伝子、又は(c)複合培地から利用不可能な必須の栄養を供給する蛋白質をコードする遺伝子、例えばBacilliのD-アデニンラセマーゼをコードする遺伝子である。酵母における使用のための適当な選択遺伝子は、酵母プラスミドYrp7に存在するtrp1遺伝子である(Stinchcomb,et al.,Nature 282: 39 (1979);Kingsman,et al.,Gene 7: 141 (1979);Tschemper,et al.,Gene 10: 157 (1980))。trp1遺伝子はトリプトファン中で成育する能力を欠く酵母の変異株の選択マーカーを提供し、例えば、ATCC No. 44076又はPEP4-1 (Jones,Genetics 85: 12 (1977))である。Trichoderma種における使用のための好ましい選択遺伝子はpyr4遺伝子である。
【0060】
発現及びクローニングベクターは、通常XYL-IVコード核酸配列に機能するように連結されたプロモーターを通常は含む。プロモーターはmRNA合成を支持する。好ましいプロモーターは、真菌プロモーター配列、例えばcbh1又はegl1遺伝子のプロモーターを含む。
【0061】
原核生物の宿主との使用に適したプロモーターは、β-ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系(Chang,et al.,Nature 275: 615 (1978);Goeddel,et al.,Nature 281: 544 (1979))、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系(Goeddel,Nucl.Acids Res.8: 1057 (1980);及び欧州特許出願36,776)、及びハイブリッドプロモーター、例えばtacプロモーター(deBoer,et al.,Proc.Nat'l Acad.Sci.USA 80: 21 (1983))を含む。細菌の系における使用のためのプロモーターは、XYL-IVコードDNAに機能するように連結したシャインダルガノ(SD)配列も含む。
【0062】
酵母宿主との使用のための適切なプロモーティング配列の例は、3-ホスホグリセラーテキナーゼのプロモーター(Hitzeman,et al.,J.Biol.Chem.255: 2073 (1980))又は他の糖分解酵素(Hess,et al.,J.Adv.Enzyme Reg.7: 149 (1968);Holland,Biochem.17: 4900 (1978))、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルベートデカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース-6-ホスフェートイソメラーゼ、3-ホスホグリセレートムターゼ、ピルベートキナーゼ、トリオセホスフェートイソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼを含む。成育条件により制御される転写の付加的な利点を有する誘導可能なプロモーターである他の酵母プロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロームC、酸ホスファターゼ、窒素代謝に関連する分解性酵素、マタロチオネイン、グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ、及びマルトース及びガラクトース利用に必須の酵素のプロモーター領域である。酵母の発現における使用のための適切なバイオ及びプロモーターは、さらにEP 73,657に記載される。
【0063】
真核生物宿主細胞(例えば、酵母、真菌、昆虫、植物)に使用される発現ベクターは、転写の終結及びmRNAの安定化のために必要な配列も含む。そのような配列は、真核生物又はウイルスDNAs又はcDNAsの5'、及び場合によっては3'の非転写領域から一般には利用される。これらの領域は、XYL-IVをコードするmRNAの非転写領域は中のポリアデニル化断片として転写されるヌクレオチドセグメントを含む。
遺伝子増幅及び/又は発現の検出
遺伝子増幅及び/又は発現は、サンプル中において直接、例えば慣用のサザンブロッティング、mRNAの転写を定量化するためのノーザンブロッティング、(Thomas,Proc.Nat'l Acad Sci.USA 77: 5201 (1980))、ドットブロッティング、又は本明細書において提供される配列に基づいた適切な標識プローブを用いたインサイチュハイブリダイゼーションにより、測定してよい。あるいは、DNA二重鎖、RNA二重鎖、及びDNA-RNAハイブリッド二重鎖又はDNA-蛋白質二重鎖を含む特定の二重鎖を認識できる抗体を用いてよい。抗体はさらに標識してよく、そして二重鎖が表面に結合して、表面上での二重鎖の形成に際して、二重鎖に結合した抗体の存在が検出できるアッセイを実施してよい。
【0064】
遺伝子発現はあるいは、免疫学上の方法、例えば細胞の免疫組織染色及び細胞培養液体のアッセイにより測定して、遺伝子産物の発現を直接定量化してよい。免疫組織染色及び/又はサンプル液体のアッセイに有用な抗体は、モノクローナル又はポリクローナルの何れかであってよく、そしてあらゆる様式にて調製してよい。便利なのは、天然配列のXYL-IVに対して、本明細書に提供されたDNA配列に基づく合成ペプチドに対して、又はXYL-IVコーディングDNA及び特定の抗体エピトープをコードするDNAに融合した外来配列に対して製造してよい。
ポリペプチド精製
XYL-IVの形態は、単離及び天然単離物からの精製に関して前に記載された方法により、培養培地又は宿主細胞から回収してよい。用いられる宿主細胞及び組換え酵素中のあらゆる可変構造に依存して、追加の技術を使用することができる。例えば、組換え酵素が膜結合性であれば、適切な界面活性剤溶液を用いるか(例えば、Triton-X 100)又は酵素分割により膜から解放することができる。組換え酵素の精製は、プロテインAセファロースカラムも用いることにより、混入物、例えばIgGを除去し、そして金属キレート化カラムを用いてエピトープ付加された形態のXYL-IVを結合させてよい。選択された精製工程は、例えば、使用される生成プロセス、生成される特定のXYL-IV、及び組換え酵素のためのあらゆる可変構造に依存することになる。
XYL-IVの誘導体
本明細書に記載された天然配列XYL-IVに加えて、変更されたアミノ酸配列を伴うXYL-IV誘導体を製造できることが予測される。XYL-IV誘導体はXYL-IVコーディングDNAへ適切なヌクレオチドの変更を導入するか、又は所望のXYL-IVの合成により、製造することができる。当業者は、アミノ酸の変化がXYL-IVの翻訳後プロセスを変更するかもしれないこと、例えばグリコシル化の数又は部位の変更を理解する。
【0065】
天然配列XYL-IVの誘導体又は本明細書にて記載されたXYL-IVの様々なドメインの誘導体は、例えば、前記、例えば米国特許第5,364,934号の保存的又は非保存的変異に関する技術及びガイドラインの何れかを使用して作成することができる。配列のバリエーションは、天然配列XYL-IVに比較してXYL-IVのアミノ酸配列に変化をもたらす、XYL-IVをコードする一つ又は複数のコドンの置換、欠失又は挿入であってよい。任意には、上記配列バリエーションは少なくとも一つのアミノ酸の、XYL-IVの一つ又は複数のドメイン内の何れかの他のアミノ酸による置換による。
【0066】
所望のXYL-IV活性に有害に影響しないようにどのアミノ酸残基を挿入するか、置換するか、又は欠失させるかを決定するガイダンスは、ポリペプチドの配列を相同な公知の蛋白質分子と比較し、そして高い相同性の領域内になされたアミノ酸変化の数を最少にすることにより、見いだしてよい。アミノ酸の置換は、類似の構造特性及び/又は化学特性を有する別のアミノ酸により一つのアミノ酸を置換した結果、例えばロイシンのセリンによる置換、即ち保存的アミノ酸の置換の結果であり得る。挿入又は欠失は1から5アミノ酸の範囲内で任意になされてよい。許容されるバリエーションは、配列中のアミノ酸の挿入、欠失又は置換を系統的に作成し、そして当業界公知の技術を使用して機能活性に関してその結果の誘導体を試験することにより、測定してよい。
【0067】
配列のバリエーションは、オリゴヌクレオチド媒介(部位特異的)変異導入、アラニンスキャニング、及びPCR変異導入として当業界において知られる方法を用いてなされ得る。部位特異的変異導入(Carter,et al.,Nucl.Acids Res.13: 4331 (1986):Zoller,et al.,Nucl.Acids Res.10: 6487 (1987))、カセット変異導入(Wells,et al.,Gene 34: 315 (1985))、制限選択変異導入(Wells.Et al.,Philos.Trans.R.Soc.London SerA 317: 415 (1986))又は他の公知の技術をクローン化されたDNA上に実施することにより、可変配列を有するXYL-コーディングDNAを生産することができる。
【0068】
アミノ酸分析のスキャニングは、隣接する配列に沿って一つ又は複数のアミノ酸を同定するために用いることもできる。好ましいスキャニングアミノ酸は相対的に小さくて中性のアミノ酸である。そのようなアミノ酸は、アラニン、グリシン、セリン及びシステインを含む。アラニンは、この群の典型的な好ましいスキャニングアミノ酸であるが、それはベータ炭素を越えて側鎖を排除して、誘導体の主鎖のコフォメーションをほとんど変更しないらしいからである。アラニンは、もっとも共通のアミノ酸であるから典型的にも好ましい。さらに、それは、埋もれた位置及び露出した位置の両方に頻繁に見いだされる(Creighton,THE PROTEINS,(W.H.Freeman & Co.,N.Y.);Chothia,J.Mol.Biol.,150: 1 (1976))。アラニンの置換が十分な量の誘導体を生じないのなら、等比体積のアミノ酸を使用することができる。
抗XYL-IV抗体
本発明はさらに、抗XYL-IV抗体を提供する。例示の抗体はポリクローナル及びモノクローナル抗体を含む。
【0069】
本発明の抗XYL-IV抗体は、ポリクローナル抗体を含んでよい。ポリクローナルの製造方法は、当業者に知られている。ポリクローナル抗体は、哺乳類において、例えば免疫剤及び所望であればアジュバントの1回又は複数回の注射により、喚起することができる。典型的には、免疫剤及び/又はアジュバントを哺乳類に複数回皮下又は腹腔内注射することにより注射することになる。抗XYL-IV抗体に関しては、免疫剤はXYL-IV又はその融合蛋白質を含んでよい。免疫剤を、免疫される哺乳類内で免疫原性であることが知られている蛋白質にコンジュゲートさせることが有用かもしれない。そのような免疫蛋白質の例は、、限定ではないが、スカシガイ科のヘモシアニン、血清アルブミン、ウシチログロブリン、及びダイズトリプシン阻害剤を含む。使用してよいアジュバントの例は、フロイント完全アジュバント及びMPL-TDMアジュバント(モノホスホリル脂質A,合成トレハロースジコリノミコレート)を含む。免疫プロトコルは過度な実験なしに当業者により選択されてよい。
【0070】
抗XYL-IV抗体は、あるいは、モノクローナル抗体であってよい。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、例えばKohler and Milstein,Nature 256: 495 (1975)に記載された方法を用いて製造してよい。ハイブリドーマ法においては、マウス、ハムスター又は他の適切な宿主動物を典型的には免疫剤で免疫することにより、免疫剤に特異的に結合する抗体を生産するか又は生産できるリンパ球を導き出す。あるいは、リンパ球ををインビトロにおいて免疫してよい。
【0071】
抗XYL-IV抗体に関しては、免疫剤はXYL-IV又はその融合蛋白質を典型的には含む。通常、ヒト起源の細胞が望まれるなら、末梢血リンパ球(「PBLs」)を使用し、あるいは、非ヒト哺乳類源が望まれるなら、脾臓細胞又はリンパ節細胞を使用する。リンパ球は、次に、適切な融合剤、例えばポリエチレングリコールを用いて不死化細胞系に融合することにより、ハイブリドーマ細胞を形成させる(Goding,MONOCLONAL ANTIBODIES: PRINCIPLES AND PRACTICE,Academic Press,(1986) pp.59-103)。不死化細胞系は、通常は形質転換された哺乳類細胞、特に齧歯類、ウシ及びヒト起源のミエローマ細胞である。通常、ラット又はマウスミエローマ細胞系を用いる。ハイブリドーマ細胞は、融合しなかった不死化細胞の成長又は生存を阻害する一つ又は複数の物質を好ましくは含む適切な培養培地の中で培養する。例えば、親細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠くなら、ハイブリドーマのための培養培地は、HGPRT欠損細胞の成長を阻害する物質であるヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジンを含むことになる(「HAT培地」)。
【0072】
好ましい不死化細胞系は、有効に融合し、選択された抗体産生細胞による抗体の高レベル発現を支持し、そしてHAT培地等の培地に感受性な系である。より好ましい不死化細胞系は、マウスミエローマ系であり、例えば、Salk Institute Cell Distribution Center,San Diego,California and the American Type Culture Collection,Manassas,Virginiaから得ることができる。イトのミエローマ及びマウス−ヒトのヘテロミエローマ細胞系も、ヒトモノクローナル抗体の生産に関して記載された(Kozbor,J.Immunol.133: 3001 (1984);Brodeur,et al.,MONOCLONAL ANTIBODIES PRODUCTION TECHNIQUES AND APPLICATIONS,Marcel Dekker,Inc.,New York, (1987) pp. 51-63)。
【0073】
ハイブリドーマ細胞を培養する培養培地は、次に、XYL-IVに対するモノクローナル抗体の存在に関してアッセイすることができる。好ましくは、上記ハイブリドーマ細胞により産生されたモノクローナル細胞の結合特異性を、免疫沈殿によるか、又はインビトロ結合アッセイ、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)又は酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)により測定する。そのような技術及びアッセイは当業界公知である。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、Munson and Pollard,Anal.Biochem.107: 220 (1980)のスキャチャード分析により測定することができる。
【0074】
所望のハイブリドーマ細胞が同定された後は、クローンを限定希釈手法によりサブクローン化し、そして標準法(Goding,前記)により成育させてよい。この目的のために適した培養培地は、例えば、ダルベッコ修飾イーグル培地及びRPMI-1640培地を含む。
【0075】
サブクローンにより分泌されたモノクローナル抗体は、慣用の免疫グロブリン精製手法、例えばプロテインA-セファロース、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、又は親和性クロマトグラフィーにより培養培地から単離するか又は精製してよい。
【0076】
モノクローナル抗体は、組換えDNA法、例えば米国特許第4,816,567号に記載された方法により作成してもよい。本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは、慣用の手法(例えば、マウス抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを用いることにより)を用いて容易に単離されて配列決定される。本発明のハイブリドーマ細胞は、そのようなDNAの好ましい源として機能する。単離されたなら、該DNA発現ベクターに入れてよく、次に、宿主細胞、例えばアカゲザルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又は免疫グロブリン蛋白質を別に生産しないミエローマ細胞にトランスフェクトされて、組換え宿主細胞内でモノクローナル抗体の合成を得る。該DNAは修飾されてもよく、例えば、ヒト重鎖及び軽鎖の定常ドメインのコード配列を、相同なマウス配列に代えて置き換えることによる(米国特許第4,816,567号;Morrison,et al.,前記)か又は免疫グロブリンコード配列に、非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の全部又は一部を共有結合させることによる。そのような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常ドメインに代えて置き換えることができるか、又は本発明に抗体の一つの抗原結合部位の可変ドメインに代えて置き換えることにより、キメラ二価抗体を創製することができる。
【0077】
上記抗体は単価抗体であってよい。単価抗体を製造する方法は、当業界公知である。例えば、一つの方法は、免疫グロブリンの軽鎖と修飾された重鎖の組換え発現を含む。重鎖はFc領域のあらゆる点において通常は末端削除されて、それにより重鎖の架橋を阻害する。あるいは、関連のあるシステイン残基を別のアミノ酸残基で置換するか又は欠失させることにより、架橋を阻害する。
【0078】
インビトロ法も単価抗体を製造するのに適している。抗体を消化してその断片、特にFab断片を生成することは、当業界公知の日常的技術を用いて達成できる。
XYL-IVを用いる方法
別の態様において、本発明のキシラナーゼは、当業界で認識された技術に従い、パルプの脱リグニン化及び/又は漂白を増強することにおいて応用性を有する。上記プロセスは、パルプをXYL-IVに接触させることを含み、そしてpH、温度、処理時間、酵素の用量及びパルプの量及び種類等の因子に依存する。
【0079】
上記のプロセスは、XYL-IVの酵素活性を増強する温度及びpHにおいて実施することが好ましい。本発明のXYL-IVを適用する好ましい処理期間は、例えば、所望の結果、処理されたパルプの量及び質及び酵素濃度を含む因子に依存して約10分から約4時間である。
【0080】
適切な酵素用量は、約0.10から200ユニット/乾燥パルプg、より好ましくは0.50から50ユニット/gである。酵素調製物のキシラナーゼ活性は以下のとおりに測定される:1.8mlのキシラン溶液(0.05M酢酸ナトリウムバッファー中に調製されて酢酸を用いてpH5.3に調節された、0.6% Sigma No.X-0627)に、同じバッファー中の0.200mlの適切に希釈した酵素を加える。上記溶液を40℃において正確に30分間インキュベートする。次に、3mlのDNS試薬(3,5-ジニトロサリチル酸10f/l;酒石酸Na,K 300g/l)を加えることにより反応を停止し、そしてサンプルを5分間沸騰させることにより発色させる。吸光度を次に540nmの波長にて測定する。1酵素ユニットは、アッセイ条件下で1分あたりキシロースとして計算される1マイクロモルの還元糖を遊離させる。該活性は、アッセイ条件下の還元糖4マイクロモルを遊離する酵素希釈液から計算される。XYL-IVの活性は質量ユニットにて述べることができ、例えば好ましい量のXYL-IVはアッセイ又は反応混合物中で約1ppmから約100,000ppmであり得る。
【0081】
本方法は、あらゆる広い範囲の加工されたパルプ、即ち、それらのリグニン含有量を低下させるために既に以前にあらゆる様々な様式にて処理されて、化学方法によるリグニン除去をさらに増強するために処理されるパルプの改良又は改良の補助のために適用してよい。本方法は、パルプのリグニン除去及び漂白を増強するために堅木及び軟木のクラフトパルプを処理するのに適用してよい。上記の方法は、化学パルプ、即ち、リグニン成分が様々な化学処理、例えば硫酸塩(クラフト)プロセス及び酸素脱リグニン化により化学修飾され、そして好ましくはクラフトパルプに好ましく適用される化学パルプに特に適用可能である。好ましい方法においては、XYL-IVを、クラフト消化又は酸素脱リグニン化の後であって漂白前に、パルプに適用する。クラフト消化及び酸素脱リグニン化の両方を同じパルプ上に実施する場合、酵素はクラフト消化後、酸素脱リグニン化前、又は酸素脱リグニン化後に適用する。本発明は、オゾン漂白化パルプにも適用可能である。
【0082】
結果のパルプは、適切な抽出剤を用いて処理することにより、放出可能なリグニン成分を除去する。別の態様において、XYL-IVで処理されたパルプは次に、リグニン分解化学薬品、例えば塩素、酸化塩素及び過酸化物により処理してよく、さらに、適切な抽出剤で処理してよい。さらに別の態様においては、酵素処理されたパルプを適切な抽出剤で処理た後に、リグニン分解及び適切な抽出剤で最後の処理をしてよい。そのような抽出剤は、本質的に、影響されたリグニン成分を可溶化し、適切な抽出剤は限定ではないが塩基、例えばアルカリ金属水酸化物(E)、DMF、ジオキサン、アセトン及びアルコールを含む。水酸化物抽出物は、過酸化水素(Ep)又は酸素(Ep)と化合してよい。その結果のパルプは、次に、化学漂白シーケンス、例えば二酸化塩素(DED)又は過酸化物(P-P)により所望の明度にさらに漂白してよく、それにより、酵素処理を用いずに同じシーケンスにより同じ明度に漂白されたパルプに比べて、化学薬品の実質上の節約が得られる。塩素を含む化学薬品又は過酸化物の還元はそのような様式により達成される。さらに、本発明を上記に提示した酵素を用いて処理することにより、同じ量の漂白化学薬品をパルプに適用して、さらにより高い明度を処理されたパルプにおいて達成してよい。
【0083】
別の態様において、本発明は、様々な産業上の設定において上記のXYL-IVの付加的適用を提供する。例えば、XYL-IVを使用することにより、動物又はヒトの食糧の生産のため、あるいは洗浄剤組成物中の成分として、アルコール燃料及び他の重要な産業化学薬品の農業における消費を酵素により衰退させてよい。
【0084】
以下の実施例は例示の目的のみのために提供され、そして如何なる意味においても本発明の範囲を限定することを意図しない。本明細書において引用された全ての特許及び刊行物の文献は、引用によりそれらの全体を本明細書に引用する。
【0085】
実施例
実施例1--新規キシラナーゼをコードするTrichoderma reeseiのcDNAクローン
図1は、当業界において共通の方法により、混合された炭素源上での成育後にTrichoderma reeseiのRNAから調製されたcDNAのライブラリーから得たcDNAクローンのヌクレオチド配列(配列番号1)及び予測されたアミノ酸配列(配列番号2)を示す。1518ヌクレオチドのオープンリーディングフレームが同定されて、コードされる蛋白質が演繹された。成熟蛋白質は465アミノ酸の長さであることが予測された。
【0086】
上記の同定されたXYL-IVは、Trichodermaから生産されるセルラーゼ及び他の真菌セルラーゼのいくつかのセルロース結合ドメイン(CBD)を欠く。CBDは、Trichoderma reesei(longibrachiatum)由来の、いくつかの非セルロース分解性細胞外真菌酵素、例えばアセチルキシランエステラーゼ及びマンノースにも関連する。上記の同定されたXYL-IVは、Trichoderma及び他の真菌セルラーゼに存在してCBDと触媒ドメインを連結するリンカー又はヒンジ領域と同一性を有する配列も欠く。
【0087】
配列同一性及び配列類似性を有する領域が、図2のTrichodermaキシラナーゼの予測されたアミノ酸配列(配列番号2)と、細菌のグリコシダーゼの公知配列及び機能が未知の特定の配列の間で観察される。同一性と類似性は、プログラムBLAST(Altschul,et al.,J.Mol.Biol.215: 403 (1990))又は当業界公知の他の類似のプログラムにより実施された蛋白質配列データバンクの検索において検出された。配列類似性は標準の方法により決定した。
【0088】
特に、対のアミノ酸比較を、Genetics Computer Group,Inc.,Madison,WisconsinのGCG配列分析ソフトウエアパッケージのGAPプログラムを用いて実施した。配列類似性は標準の方法により決定した。T.reeseiのXYL-IVのアミノ酸配列のこの分析は、GAPプログラムを用いて、Blosum62アミノ酸置換マトリックスにより、12のギャップウエイト及び2の長さウエイトを用い、表1に報告する。
【0089】
T.reeseiのXYL-IVのアミノ酸配列のこの分析を表1に報告する。
【0090】
【表1】
Figure 0004643881
【0091】
実施例2--XYL-IVの特性決定
XYL-IV又はXYL IVを蛋白質及び酵素を特性決定するのに共通ないくつかの方法により特性決定した。
【0092】
Trichoderma reesei由来のXYL-IVを単離した。ポリアクリルアミドゲル電気泳動に際し、このXYL-IVは約43.0kDaの分子量を示す。このXYL-IVは、PHAST(登録商標)システム(ファルマシア)による測定によれば、約7のpIの各アイソフォームを有する。シッフ試薬による軽い染色は、ほんの低レベルのグリコシル化しか示さない。XYL-IV遺伝子は、Trichoderma reeseiを唯一の炭素源としてセルロース上で成育させた時に発現されたが、唯一の炭素源としてグルコース上で成育させた場合には発現しなかった。
【0093】
何が成熟XYL-IVのN-末端アミノ酸配列であると信じられるかは、蛋白質のトリプシン分解及びC18逆相HPLCによるペプチドの単離後のエドマン分解により決定した。N-末端配列は、Xaa-Ser-Tyr-Ala-Thr-Xaa-Ser-Gln-Tyr-Xaa-Asn-Ile-Xaa-Ile-であると決定され、但し、Xaaは不十分なシグナルのために未同定のままのアミノ酸を示す。
【0094】
XYL-IVはグリコシルヒドロラーゼのファミリー5に属すると分類されるキシラナーゼに相同である。
XYL-IVの最適な基質ではないかもしれないキシラン基質を用いて、XYL-IV活性のpH最適値がpH3.5と4の間であることが観察された。これは、XYL-IIのpH最適値pH5-5.5及びXYL 1のpH最適値pH3.5-4.5とは異なる。PH4においてXYL-IVは40から50℃の間の温度にて、もっとも高い活性レベルを示した。この酵素は、溶液中にて室温において数時間活性を保持するが、温度を上昇させるとゆっくりと活性を失った。
【0095】
XYL-IVの基質特異性は、マクロ分子及びp-ニトロフェニル-グリコシドに関して測定した。以下のマクロ分子基質は、クエン酸ナトリウムバッファー中でpH4にて40℃において24時間後にXYL-IVにより顕著に分割されなかった:グルコマンナン(konjac,Megazyme)、ガラクトマンナン(イナゴマメ、Sigma)、β-グルカン(オオムギ、Megazyme)、カルボキシメチルセルロース(Fluka)、ラミナリン(Sigma)又はキシロビオース。公知のp-ニトロフェニル-グリコシド基質を用いると、XYL-IVは、α-アラビノフラノシダーゼ、α-ガラクトシダーゼ、α-キシロシダーゼ、又はα-マンノシダーゼに関して予測された活性を示さなかった。
【0096】
XYL-IVは、XYL-I及びXYL-IIの存在及び不在下でいくつかの基質の加水分解に関して評価した。表2は、これらの研究において用いた基質を記載する。各基質のモノサッカライドの組成は、モノサッカライドに対しての完全な酵素分解の後にHPLCにより分析した。
【0097】
【表2】
Figure 0004643881
【0098】
少量の各酵素を用いて、各基質のほんの僅かな比率(典型的には<10%)のみを加水分解した実験において、XYL-IVをXYL-I及びXYL-IIと比較した。上記酵素により形成された還元糖を当業界公知のDNS法によりアッセイした。直鎖キシロ-オリゴサッカライド(1マーから5マー、Xyl1からXyl5)は、標準として市販のオリゴサッカライドを使用してHPLCにより測定した。加水分解は、24時間、40℃、pH4.0(XYL I及びXYL IV)及びpH5.0(XYL II)の条件下で研究した。これらの研究の結果を表3に示す。
【0099】
【表3】
Figure 0004643881
【0100】
これらの実験において、XYL-IVは、XYLs-I及び-IIに比較して、未置換のキシラン及びアセチル化MeGlcA-キシランに対して、より大きな活性を示した。XYL-IVと-IIの両者は、脱アセチル化されたMeGlcA-キシランを加水分解した。XYL-IIは、アラビノキシランに対してXYL-IVよりも大きな活性を示した。XYL-IVはその主要産物としてキシロースを生産したが、ごく僅かな量のキシロビオース及び置換されたキシロ-オリゴサッカライドを生産した。他の2つのキシラナーゼは、別の生成物の混合物を生産した(表3)。XYL-IVの生成物と活性は、ファミリー11及び10のグリコシルヒドロラーゼとは異なった。
【0101】
XYL-IVの基質特異性について、いくつかの単離されたオリゴサッカライド基質を用いることによりさらに特性決定した(表4)。加水分解はpH4.0,40℃、1時間の条件したで研究した。
【0102】
【表4】
Figure 0004643881
【0103】
これらの実験において、XYL-IVは、2つの未置換キシロースユニットの間の結合を分断したが、置換キシロースと未置換キシロースのユニットの間の結合は分断しなかった。XYL-IVは、しかしながら、XYL-I又は-IIのいずれかよりも、置換ユニットに対して、より近くで分断した。XYL-IVはオリゴサッカライドの還元末端上にたった一つの未置換ユニットしか残さなかった。
【0104】
HexA3Xyl3の効果的な加水分解に必要なXYL-IVの量を、Hex2Xyl2 + Hex3Xyl3の混合物を1時間40℃においてインキュベートすることにより評価した。HexA3Xyl3のグラムあたり30mg(500nkat)のXYL-IVを使用して、HexA3Xyl3のほぼ完全な加水分解が得られた(表5、図4)。
【0105】
【表5】
Figure 0004643881
【0106】
XYL-IVはライ麦由来のいくつかのポリマー性キシラン、未置換キシラン、MeGlcA-キシラン、及びアラビノキシランの加水分解に有効であった。アラビノキシランは他の2つのキシランよりもゆっくりと分解され、他の2つのキシランはほぼ等しい速度で分解された(図5)。
実施例3--XYLs-I,-II,及び-IVの化合物又は混合物の基質加水分解
XYLs-I,-II,及び-IVの同時又は連続のいくつかの基質の加水分解は、XYL-IVが他のキシラナーゼと相乗作用することを証明した。
【0107】
表6及び図6は、基質を、XYLs-I,-II,又は-IVの一つ、あるいはこれらのキシラナーゼの組み合わせと個別にインキュベートした研究の結果を示す。添加されたXYL-IVの効果は相加の効果を越えた。即ち、相乗作用が観察された。本発明に限定しないが、この相乗作用は主にXYL-IVがXYL I及びIIにより生じる直鎖及び置換されたオリゴサッカライドを加水分解する能力によると信じられる。
【0108】
【表6】
Figure 0004643881
【0109】
表7及び図7は、基質をXYL-Iとインキュベートし、この酵素を熱失活させ、そして次に基質をXYL-IVインキュベートした研究の結果を示す。これは、XYL-I続いてXYL-IVによる連続の分解をもたらした。再び、相乗作用がXYL-IとXYL-IVの間に観察された。
【0110】
【表7】
Figure 0004643881
【0111】
実施例4- -TrichodermaのXYL-IVをコードするクローン化cDNA分子の調製
以下は、実施例1に記載された完全なxyl4遺伝子を含むクローンを調製するための方法として提供される。この実施例においては、Trichoderma由来のゲノミックDNA又はcDNAクローンを以下の手法を用いることにより調製した。PCRプライマーとしての使用のために適した、配列番号1のcDNA配列に基づく1対のオリゴヌクレオチドを合成する。ポリメラーゼチェイン反応(PCR)は、これらのプライマー及び鋳型として、Trichoderma reesei、例えばQM6a株(ATCC 13631)から単離した全ゲノミックDNAを用いて実施する。使用されるDNAポリメラーゼ酵素(例えば、Pwoポリメラーゼ)、バッファー及びデオキシヌクレオチド混合物は、ベーリンガーマンハイムにより供給される。典型的な条件がPCRに使用され、例えば、工程1、1分、9℃;工程2、40秒、92℃;工程3、1分、50℃;工程4、2分、72℃;工程2、3及び4の29回繰り返し;工程5、5分、72℃。
【0112】
PCRの主要なDNA産物は、制限酵素、例えば上記の2つのプライマーにより加えられた制限ブイを認識するBglIIとXbaIにより消化し、そしてその結果の断片をアガロース電気泳動ゲルから精製する。このDNA断片を、同じ適切な制限酵素で消化してある適切なベクター、例えばBglII及びXbaIで消化したpSL1180(ファルマシア)に連結する。その結果のプラスミドを一般的に配列決定することにより、Trichodermaのxyl4遺伝子の予測された断片に上記挿入が相当することを確認する。DNA配列は上記遺伝子中のあらゆるイントロン及びエクソンの存在を明らかにする。
【0113】
プラスミド、又はそれが含む挿入物は、今、ハイブリダイゼーションプローブとして使用されることにより、完全なxyl4遺伝子が、興味のあるあらゆるゲノミックDNA又はcDNAライブラリーからクローン化されることを可能にさせ得る。これらはCBD又はリンカー(ヒンジ)領域ではないため、プラスミド内にXYL-IVをコードするDNAはこれらの領域を含まない。よって、デザインにより、他のcyl4のDNA配列にハイブリダイズするが、他のキシラナーゼ又はグリコシダーゼ遺伝子の一部かもしれないCBDコーディング配列にはハイブリダイズしないことが予測される。
【0114】
T.reesei、例えば株QM6a由来の全ゲノミックDNAを様々な異なる制限エンドヌクレアーゼにより別個に消化して、アガロースゲル電気泳動に供する。該DNAは、次にNytran(S&S)膜フィルターにブロットし、そして上記プラスミドから単離された適当なxyl4のDNA断片で吊り上げ、そしてアマーシャムにより供給されたメガプリンランダム標識システムにより32Pで標識した。プローブによるハイブリダイゼーションは中程度のストリンジェンシーにて、典型的な、例えば30%ホルムアミド、5X SSPE、0.5% SDSを含むバッファー中で38℃において実施した。上記膜フィルターを次にX線フィルムへの暴露前に、中程度のストリンジェンシーにて、例えば2X SSC、0.1% SDS中で55℃において洗浄した。上記結果は、T.reeseiのxyl4遺伝子のゲノミックコピーが適切な制限断片上に存在することを示す。
【0115】
上で提供された例示のxyl4遺伝子を仮定すれば、プローブとして上記のようなプラスミド中に挿入されたPCR断片を用いてコロニーハイブリダイゼーションによりゲノミックDNA又はcDNAライブラリーからTrichoderma reeseiのxyl4遺伝子をクローン化することは当業者にとって日常的なはずである。
実施例5- -微生物中でXYL-IVsをコードするDNA配列を単離する方法
実施例1及び4の一般的技術は、他の真菌及び細菌からのXYL-IV遺伝子を含むクローンを得るために公知技術に組み合わせて適用してよい。Xyl4遺伝子の一部をコードする適切なプラスミド又は単離されたDNA挿入物は、xyl4の全分子として標識してよい。このDNAを用いて、次に他の真菌又は細菌からのゲノミックDNA又はcDNAにハイブリダイズさせることができる。TrichodermaのXYL-IVの演繹されたアミノ酸配列と他のキシラナーゼの公知のアミノ酸配列との比較は、XYL-IVと他のキシラナーゼの間で保存されたアミノ酸の特定領域を同定する。これらの保存された領域は、他の微生物からのXYL-IVコーディングDNAのPCR増幅における使用のために縮重プライマーをデザインするための基礎を提供する。そのような方法は、一般に当業界公知であり、そして日常的であると考えられる(例えば、McPherson,et al.,PCR A PRACTICAL APPROACH pp.171-186 (1991)を参照)。一つ又は複数のこれらアミノ酸配列に由来するオリゴヌクレオチドは、ゲノミックDNAを用いた日常的なPCR実験のためのプライマーとして使用される。ゲノミックDNA又はcDNAは次にあらゆる微生物から容易に得ることができ、そしてそのようなPCR実験において鋳型として使用される。この様式において、様々な微生物からXYL-IVをコードする遺伝子をクローン化できるはずである。
実施例6- -他の微生物からXYL-IVコーディング配列を単離するための異種ハイブリダイゼーション方法
別の微生物からのゲノミックDNAは、適切な制限酵素、例えばHindIIIにより消化し、そして1.0%アガロースゲル上で泳動することができる。ゲルを脱プリンし、変性し、そしてブロットし、そして膜を公知の手法によりUV-架橋する。プレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーション、プローブの標識及び検出は公知の方法、例えばベーリンガーマンハイムのDIG/Genius(登録名)システムを用いて実施する。
【0116】
プローブはT.reeseiのXYL-IVの完全分子をコードするヌクレオチド配列に対応する。オリジナルのcDNAサブクローン(実施例1)を制限酵素の適切な対により消化し、そして結果の断片をDIG-dUTP(ジゴキシゲニン-dUTP)によりランダムプライムド標識により製造者の(ベーリンガーマンハイム)指示書に従い標識する。
【0117】
上記膜はプレハイブリダイズして、次に適切なブロッキング剤、例えば5 x SSC ? 0.1%N-ラウロイルザルコシン- 0.02% SDS -1% Genius(商標名)ブロッキング剤中で適切な温度、例えば45℃においてハイブリダイズする。ハイブリダイゼーション(典型的には一晩かけて)の後に洗浄する。次に、適切な配合(conjugate)及び可視化、例えば化学発光基質(CSPD(登録商標))による検出を、製造者の指示書に従い実施する。
【0118】
この方法及びその変更(別のハイブリダイゼーション及び洗浄条件)を使用することにより、あらゆる生物からXYL-IV遺伝子を検出することができる。
本発明は様々な特定及び好ましい態様及び技術を参照して記載された。しかしながら、発明の精神及び範囲を保持しながら多くの変更及び修飾がなされてよいことは認識されるべきである。
【配列表】
【表8−1】
Figure 0004643881
【表8−2】
Figure 0004643881
【表8−3】
Figure 0004643881

【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、混合された炭素源上で成長後のTrichoderma reeseiのRNAから得られたcDNAクローンのヌクレオチド配列(配列番号1)を示す。
【図2】 図2は、Trichoderma reesei由来の新規XYL-IVの演繹されたアミノ酸配列(配列番号2)を示す。
【図3】 図3は、図1(配列番号1)のヌクレオチド配列に沿った制限酵素分断部位の位置を示す。
【図4】 図4は、HexA3Xyl3の有効な加水分解を示す。値は表5から取った。
【図5】 図5は、ライ麦からのキシラン、MeGlcA-キシラン、及びアラビノキシランからのXLY-IVによる糖の還元の生成を示す。各キシランは5g/Lにて存在し、そして反応は40℃においてpH4で進んだ。
【図6】 図6a及び6Bは、XYL-IVと、XYL-I及び-IIの各々との相乗を示す。生成物は、糖(図6a)及び遊離キシロース(図6b)を還元するとして測定した。値は表6から取った。
【図7】 図7a−dは、XYL-I及びXYL-IVの段階的作用における相乗を示す。図7a及び7bにおいて、基質はMeGlcA-キシランであった。図7c及び7dにおいて、基質はライ麦のアラビノキシランであった。値は表7から取った。

Claims (24)

  1. (a)配列番号1のcDNAによりコードされる成熟ポリペプチドをコードするDNA分子、又は
    (b)(a)のDNA分子に少なくとも90%の配列同一性を有するDNA分子であって、配列番号1のcDNAによりコードされるキシラナーゼの活性を維持するポリペプチドをコードするDNA分子
    を含む、単離された核酸。
  2. 配列番号1のcDNAによりコードされた成熟ポリペプチドをコードするDNA分子を含む、請求項1記載の核酸。
  3. 配列番号1のヌクレオチド配列を有するDNA分子を含む、請求項1記載の核酸。
  4. 配列番号1のヌクレオチド配列を含む核酸分子。
  5. 微生物由来の単離されたキシラナーゼ蛋白質であって、当該蛋白質は(a)配列番号2のアミノ酸配列を含むキシラナーゼ蛋白質であるか又は(b)配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む蛋白質であり、(a)又は(b)の蛋白質はキシランを分割する、単離されたキシラナーゼ蛋白質
  6. (b)の蛋白質が配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項5記載の蛋白質。
  7. 配列番号2のアミノ酸配列を含む、請求項6記載の蛋白質。
  8. 請求項5記載の蛋白質をコードする単離されたDNA。
  9. 列番号1のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むDNAであって、DNAがキシランを分割する蛋白質をコードする、請求項8記載のDNA。
  10. 請求項3記載の核酸を含むベクター。
  11. 形質転換された宿主細胞により認識される制御配列に作動可能なように連結された、請求項10記載のベクター。
  12. 請求項11記載のベクターで形質転換された宿主細胞。
  13. 繊維状真菌である、請求項12記載の宿主細胞。
  14. 繊維状真菌がTrichoderma種、Humicola種、Neurospora種、Aspergillus種、又はFusarium種を含む、請求項13記載の宿主細胞。
  15. 繊維状真菌がTrichoderma reeseiである、請求項14記載の宿主細胞。
  16. (a)請求項10又は11記載のベクターで形質転換された宿主細胞を得て;
    (b)配列番号1のcDNAによりコードされる成熟ポリペプチドの発現のため及び、任意に分泌のための適切な条件下で宿主細胞を培養し;そして
    (c)上記成熟ポリペプチドを回収すること
    からなる、配列番号1のcDNAによりコードされる成熟ポリペプチドを生産する方法。
  17. キシラン含有基質を請求項16記載の方法により生産されたポリペプチドを含む組成物に接触させることを含む、キシラン含有基質の特性を変更させる方法。
  18. 動物の食物及び食品及び植物の材料の取り扱い特性を変更させる、請求項17記載の方法。
  19. 紙の製造の間にウッドパルプの特性を変更させることを含む、請求項17記載の方法。
  20. そのグルコースへの還元の間にキシランを含むバイオマスの特性を変更させることを含む、請求項17記載の方法。
  21. 求項5〜7のいずれか1項記載の蛋白質に特異的に結合する抗体。
  22. モノクローナル抗体を含む、請求項21記載の抗体。
  23. (a)配列番号1のcDNAによりコードされる成熟ポリペプチドをコードするDNA分子の連続する少なくとも14ヌクレオチドの核酸、又は(b)(a)のDNA分子に少なくとも90%の配列同一性を有するDNAの連続する少なくとも14ヌクレオチドの核酸に、少なくとも中程度のストリンジェンシー条件下で試験核酸をハイブリダイズさせ;
    (a)又は(b)の核酸にハイブリダイズする試験核酸を選択し;そして
    ハイブリダイズする試験核酸を単離すること
    を含む、キシラナーゼをコードする核酸に相同性を有する核酸の同定方法。
  24. ハイブリダイゼーションが高いストリンジェンシー条件下で実施される、請求項23記載の方法。
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