JP4604238B2 - 燐酸カルシウムと生理活性物質を含有する高分子複合体、その製造方法及びそれを用いた医療用材料 - Google Patents
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Description
しかし、これらの高分子基材は、生体親和性に劣り、経皮部における生体組織との接着・密着性が十分ではなく、皮膚のdown growth(上皮組織がデバイス表面に沿って皮膚内部へ陥入していく現象)などによる細菌感染の危険性が問題となっている。
したがって、上皮組織等とより高い接着性を有する高分子系経皮端子の素材の開発が強く望まれているのが現状である。
(1) 高分子基材の表面に燐酸カルシウム捕捉層を設け、その上に燐酸カルシウムと生理活性物質の複合層を設けたことを特徴とする生理活性物質と燐酸カルシウムを含有する高分子複合体。
(2) 高分子基材が、シリコーンポリマーなどの珪素含有ポリマー、ポリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン等の含酸素ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリアミン、ポリウレア、ポリイミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル等の合成高分子、こられの共重合体、セルロース、アミロース、アミロペクチン、キチン、キトサン等の多糖類、コラーゲン等のポリペプチド、ヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸等のムコ多糖類等の天然高分子から選ばれた少なくとも1種の高分子であることを特徴とする上記(1)に記載の高分子複合体。
(3) 燐酸カルシウム捕捉層が、Si-OH基、Ti-OH基、カルボキシル基、燐酸基、硫酸基、水酸基などの官能基(末端にこれらの官能基を有するシランカップリング剤やグラフト鎖、金属酸化物ゲル等も包含される)や、それらの官能基にアルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンを結合させたものや、炭酸カルシウム、アパタイトなど、リン及び/又はカルシウムを含む化合物から選ばれた少なくとも一種から形成されていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の高分子複合体。
(4) 生理活性物質が、タンパク質、ペプチド、及び抗生物質から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする上記(1)乃至(3)何れかに記載の複合体。
(5) タンパク質が、成長因子、アルブミン及び細胞接着因子から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする上記(1)乃至(4)何れかに記載の複合体。
(6) ペプチドが、少なくとも一つ以上の酸性アミノ酸を含むことを特徴とする上記(1)乃至(4)何れかに記載の複合体。
(7) 抗生物質が、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、またはその塩を有することを特徴とする上記(1)乃至(4)何れかに記載の複合体。
(8) 表面に燐酸カルシウム捕捉層を有する高分子基材と、生理活性物質を含む燐酸カルシウム過飽和溶液とを接触させ、該基材表面に生理活性物質と燐酸カルシウムを共沈させることを特徴とする上記(1)乃至(7)何れかに記載の複合体の製造方法。
(9)上記(1)乃至(7)何れかに記載の生理活性物質と燐酸カルシウムを含有する高分子複合体を素材とする医療用材料。
(10) 医療用材料が経皮端子であることを特徴とする上記(9)に記載の医療用材料。
本発明の高分子複合体は、上記のような特有な構造を有することから、燐酸カルシウム由来の生体適合性、骨結合性と、生理活性物質由来の生理活性を併せ示す特性を有するものである。
燐酸カルシウム捕捉層を構成する物質としては、Si-OH基、Ti-OH基、カルボキシル基、燐酸基、硫酸基、水酸基などの官能基(末端にこれらの官能基を有するシランカップリング剤やグラフト鎖、金属酸化物ゲル等も包含される)や、それらの官能基にアルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンを結合させたものや、炭酸カルシウム、アパタイトやアパタイトの前躯体など、少なくともリン及び/又はカルシウムを含む化合物が有効である。
実施例1
大きさ10×10×1 mm3のエチレンビニルアルコール共重合体基板を#2000のSiC研磨紙で研磨し、アセトン及びエタノールで超音波洗浄した後、100℃で24時間真空乾燥させた。以後、同基板をEVと略記する。
EV を、20 mLの200mM CaCl2水溶液に10秒間、同量の超純水に1秒間浸した後乾燥させ、次いで、20mLの200mM K2HPO4・3H2O水溶液に10秒間、同量の超純水に1秒間浸浸した後乾燥させた。同操作を3回繰り返した。以後、上記処理を交互浸漬処理と呼ぶ。また、交互浸漬処理後の基板をEVCPと略記する。
前記で得た各基板の表面構造をX線光電子分光法(XPS)により調べた。EV表面のスペクトルには、EVの構成元素であるCに帰属されるピークのみが検出されたのに対し、EVCP表面のスペクトルには、Cに加え、Ca及びPに帰属されるピークが検出された(図1)。この結果から、交互浸漬処理によって、基板表面に燐酸カルシウムが固定されたことが分かる。
次に、EV及びEVCPよりウルトラミクロトームを用いて超薄切片を切り出し、その微細構造を透過型電子顕微鏡(TEM)により調べた。その結果、EVCP表面には、直径数十ナノメートルの多数の球状粒子からなる析出物が観察された(図2)。同析出物の結晶構造を電子線回折により調べたところ、カーボン支持膜由来の2本のリングの他に、面間隔 3.0〜3.2 Åに相当するブロードなリングが認められた(図2)。この結果、及びXPSの結果から、交互浸漬処理後に基材表面に固定された燐酸酸カルシウムは、主としてアモルファスリン酸カルシウム(ACP)であると考えられる。なお、ACPはアパタイトの前躯体である。
超純水に、NaCl 142 mM、CaCl23.75 mM、K2HPO4・3H2O 1.5 mMとなるように各試薬を溶解し、その後トリスヒドロキシメチルアミノメタンと塩酸を用いて25℃でpH7.40となるように調整した。以後この溶液をCP溶液と呼ぶ。また、CP溶液に40μg/mLの濃度となるようラミニンを加えた溶液をLCP溶液と呼ぶ。
25℃に保った3 mLのCP溶液またはLCP溶液に、EV及びEVCPを24時間浸漬した。以後、上記処理を、過飽和溶液処理と呼ぶ。また、過飽和溶液処理後の試料をそれぞれ次のように略記する。
EV-LCP(LCP溶液に浸漬されたEV)
EVCP-CP(CP溶液に浸漬されたEVCP)
EVCP-LCP(LCP溶液に浸漬されたEVCP)
前記で得た各試料の表面構造を薄膜X線回折(TF-XRD)により調べた。EV、及びEV-LCP表面のパターンには、EVの結晶部分由来のピークのみが検出された(図3)。一方、EVCP-CP、及びEVCP-LCP表面のXRDパターンには、EV由来のピークの他、アパタイトに帰属されるピークが検出された。以上の結果から、交互浸漬処理の後過飽和溶液処理された基板表面には、アパタイト層が形成されたことが分かった。交互浸漬処理によって基板表面に固定されたACPが、過飽和溶液中でアパタイトに相転移、成長したものと考えられる。
次に、前記で得た各試料の表面構造をXPSにより調べた。EV-LCP表面のスペクトルには、Cの他、ラミニンの構成元素であるNに帰属されるピークが検出された(図4)。この結果から、LCP溶液を用いた過飽和溶液処理によって、基板表面にラミニン層が形成されたことが分かった。ラミニンは、基板表面に物理的に吸着していると考えられる。
EVCP-CP表面のスペクトルには、Cの他、Ca及びPに帰属されるピークが検出された。Cに対するCa及びPのピーク強度は、過飽和溶液処理前(図1中のEVCP)に比べ増大していた。これは、EVCP-CP表面でのアパタイト層の成長によるものと考えられる。
EVCP-LCP表面のスペクトルには、Cの他、Ca、P、及びラミニンの構成元素であるNに帰属されるピークが検出された。また、Cに対するCa及びPのピーク強度は、過飽和溶液処理前(図1中のEVCP)に比べ増大していた。これは、EVCP-LCP表面でのラミニン-アパタイト複合層の成長によるものと考えられる。
図3及び図4の結果から、EV-LCP表面には吸着ラミニン層が、EVCP-CP表面にはアパタイト層が、EVCP-LCP表面にはラミニン-アパタイト複合層が形成されていることが分かった。
過飽和溶液処理前後のCP、及びLCP溶液中のカルシウム及びリンの元素濃度を高周波結合誘導プラズマ発光分光分析により、ラミニン濃度を紫外可視分光光度計により測定した。
EV-LCPでは、LCP溶液中のカルシウム、リン及びラミニン濃度は、過飽和溶液処理前後でほぼ同じであった(図5)。この結果から、EV-LCP表面のラミニン吸着量は極めて少ないことが分かる。また、過飽和溶液処理中に、LCP溶液中における燐酸カルシウムの自発的均一核形成や、EV表面または容器壁面における燐酸カルシウムの析出は生じていないことが確認された。EVCP-CPでは、過飽和溶液処理後のCP溶液中のカルシウム及びリン濃度は処理前に比べ減少したが、ラミニン濃度は不変であった。カルシウム及びリン濃度の減少は、基板表面におけるアパタイト層の形成によるものと考えられる。EVCP-LCPでは、過飽和溶液処理後のLCP溶液中のカルシウム、リン、及びラミニン濃度はいずれも、処理前に比べ減少していた。これは、基板表面でのラミニン-アパタイト複合層の形成によるものと考えられる。以上の結果より、過飽和溶液処理において、アパタイト層あるいはラミニン-アパタイト複合層は、交互浸漬処理された基板(EVCP)表面においてのみ選択的に形成されることが確かめられた。
また、EVCP に過飽和溶液処理によるCPまたはLCP溶液中のカルシウム、リン、及びラミニン濃度の経時変化を調べたところ、CP溶液中ではカルシウム、及びリン濃度が単調に減少した。LCP溶液中では、カルシウム及びリン濃度だけでなく、ラミニン濃度も単調に減少した(図6)。以上の結果から、EVCP-CP表面にアパタイト層が、EVCP-LCP表面にラミニン-アパタイト複合層が形成されるメカニズムは、以下の通りと推定される。過飽和溶液処理で用いられたCP、及びLCP溶液はアパタイトに対して過飽和になっている。従って、交互浸漬処理により基板表面に形成されたACPは、CP溶液中では、周囲の燐酸及びカルシウムイオンを取り込んで自発的にアパタイト層へと成長していく。LCP溶液中では、溶液中のラミニンが、アパタイト層の成長と同時にアパタイト中に取り込まれていくことにより、ラミニン-アパタイト複合層となる。
EVCP-LCPより、ウルトラミクロトームを用いて超薄切片を切り出し、その微細構造をTEMにより調べた。ラミニン分子を検出するために、TEM観察に先立ち免疫染色を行った。免疫染色においては、一時抗体としてanti-laminin (mouse IgG1, isotype)を、二次抗体として直径 5 nmの金コロイドを結合させたgoat anti-mouse IgGを用いた。TEM観察の結果、ラミニンを標識する直径5 nmの金コロイド粒子が、切片のほぼ全面に観察された(図7)。このことから、ラミニン-アパタイト複合層中において、ラミニン分子は層の表面だけでなく内部にも存在し、アパタイト結晶よりなるマトリックス中に分子スケールで担持されていることが分かった。
EV、EV-LCP、EVCP-CP、及びEVCP-LCPの4種類の試料を、12ウェルの細胞培養用マイクロプレート上に静置した。血清を含まないDMEM細胞培養液に、ヒト熱傷後瘢痕より生じた上皮様細胞 BSCC93を15×104 cell/mLとなるように懸濁させた。同細胞懸濁液2 mLを各ウェルに注いだ後、37℃、5 % CO2雰囲気に保ったインキュベーター中で2時間培養を行った。培養終了後、各ウェルより培養液を吸引した後、試料をPBS(-)で二回洗浄した。次いで、試料表面に接着した細胞を、0.25 %トリプシン、0.02 %EDTA混合溶液を用いて剥がし、これを0.3 %のトリパンブルーで染色した。染色された細胞の数をタタイ式細胞計数盤で計数した。ANOVA統計処理により解析したところ、EVCP-LCP表面には、他の試料よりも統計的に有意に多数の細胞が接着していたことが分かった。(図8)。以上の結果より、4種類の試料の中で、EVCP-LCPが細胞の初期接着性に最も優れていることが分かった。EVCP-LCP表面に形成されたラミニン-アパタイト複合層中のラミニンが、細胞の接着を促進したためと考えられる。EV-LCP表面にはラミニンが吸着していたにも関わらず(図4参照)、同基板の細胞接着性が低かったのは、基板表面に吸着されたラミニンの量が少なく、しかも同層が洗浄によって容易に剥がされてしまうためと推察される。すなわち、物理的にラミニンを吸着させただけの基板表面には、細胞を強固に接着させることはできなかった。一方、交互浸漬、及び過飽和溶液処理によって表面にラミニン-アパタイト複合層を形成させた基板表面には、細胞を強固に接着させることができた。
実施例2
以上のことから、本処理法は種々の形状の基材に有効であることが分かる。
実施例2で作製された試料を、ヌードラットのヘテロ(F344/NJcL-rnu/+、7週齢、♀)の頭部に埋植した。飼育3日後にラットを屠殺し、試料周囲の皮膚組織を切り出し、ヘマトキシリン-エオジンで染色した。同皮膚組織と試料の接着部位を光学顕微鏡により観察したところ、EV周囲の上皮組織は試料表面に沿ってダウングロウスしていたのに対し、EVCP-LCP周囲の上皮組織はダウングロウスせず、試料表面に直接接着していた(図9)。EVCP-LCP表面のラミニン-アパタイト複合層中のラミニンが、上皮組織の接着を促進したためと考えられる。以上のことから、本処理法により得られる材料は、上皮組織に対して優れた接着性を有することが確かめられた。
実施例3〜4
過飽和溶液処理後の試料表面をTF-XRDにより調べたところ、いずれの基板にもアパタイトに帰属されるピークが認められた。従って、いずれの基板表面にもアパタイトが形成されたことがわかった。また、過飽和溶液処理前後のLCP溶液中のラミニン濃度を紫外可視分光光度計により測定したところ、処理後のラミニン濃度は、いずれの基板についても処理前に比べ減少していた(図10)。以上より、PET及びPLAもEVと同様に、本処理法により、その表面にラミニン-アパタイト複合層を形成すると考えられる。以上のことから、本処理法は、エチレン‐ビニルアルコール共重合体だけでなく他の高分子材料にも有効であることが分かる。
実施例5
実施例6
実施例7
Claims (10)
- 「高分子基材の表面にアパタイトおよび/またはアモルファス燐酸カルシウムからなる燐酸カルシウム捕捉層を設け、当該高分子基材と、Ca成分1.5〜4.0mM、P成分0.5〜2mM、K成分0〜10mM、Na成分100〜150mM、Cl成分100〜150mMの成分濃度、あるいは、Ca成分1.5〜4.0mM、P成分0.5〜2mM、K成分50〜100mM、Cl成分50〜100mMの成分濃度を有し、pHを5.0〜9.0に調整した、生理活性物質を含む燐酸カルシウム過飽和溶液とを接触させ、該基材表面に生理活性物質と燐酸カルシウムを共沈させることにより、当該捕捉層上に燐酸カルシウムと生理活性物質の複合層を設けたことを特徴とする、生理活性物質と燐酸カルシウムを含有する高分子複合体。」
- 高分子基材が、シリコーンポリマー、ポリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリアミン、ポリウレア、ポリイミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、これらの共重合体、セルロース、アミロース、アミロペクチン、キチン、キトサン、コラーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸から選ばれた少なくとも1種の高分子であることを特徴とする、請求項1に記載の高分子複合体。
- 燐酸カルシウム捕捉層が、カルシウムイオンを含む水溶液と燐酸イオンを含む水溶液による交互浸漬により形成されたアパタイトおよび/またはアモルファス燐酸カルシウムよりなるものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の高分子複合体。
- 生理活性物質が、タンパク質、ペプチド、及び抗生物質から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1乃至3何れかに記載の複合体。
- タンパク質が、成長因子、アルブミン及び細胞接着因子から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1乃至4何れかに記載の複合体。
- ペプチドが、少なくとも一つ以上の酸性アミノ酸を含むことを特徴とする、請求項1乃至4何れかに記載の複合体。
- 抗生物質が、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、またはその塩を有することを特徴とする、請求項1乃至4何れかに記載の複合体。
- 表面にアパタイトおよび/またはアモルファス燐酸カルシウムからなる燐酸カルシウム捕捉層を有する高分子基材と、Ca成分1.5〜4.0mM、P成分0.5〜2mM、K成分0〜10mM、Na成分100〜150mM、Cl成分100〜150mMの成分濃度、あるいは、Ca成分1.5〜4.0mM、P成分0.5〜2mM、K成分50〜100mM、Cl成分50〜100mMの成分濃度を有し、pHを5.0〜9.0に調整した、生理活性物質を含む燐酸カルシウム過飽和溶液とを接触させ、該基材表面に生理活性物質と燐酸カルシウムを共沈させることを特徴とする、請求項1乃至7何れかに記載の複合体の製造方法。
- 請求項1乃至7何れかに記載の生理活性物質と燐酸カルシウムを含有する高分子複合体を素材とする、医療用材料。
- 医療用材料が経皮端子であることを特徴とする、請求項9に記載の医療用材料。
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