JP4631172B2 - エアバッグ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両衝突時等の緊急時にエアバッグを展開させて乗員を保護するエアバッグ装置に係り、特に、エアバッグの膨張途中の形状を拘束する手段を有するエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エアバッグ装置は、周知の通り、例えば自動車の緊急時の乗員保護装置として適用される。一般に、このようなエアバッグ装置は、エアバッグと、このエアバッグを膨張させるインフレータ(ガス発生器)とを備え、自動車の衝突時等の緊急時にインフレータをガス噴出作動させ、エアバッグにガスを供給してこのエアバッグを車両室内に展開させるよう構成されている。
【0003】
車両衝突時において、乗員は、このエアバッグの乗員対向面に突っ込んでくる。このとき、エアバッグは、その内部に充填されたガスの内圧により反力を生ぜしめ、乗員を受け止める。また、通常、このようなエアバッグには内部のガスを流出させるためのベントホールが設けられており、エアバッグに乗員が突っ込んできた後にこのベントホールからエアバッグ内部のガスを流出させることにより、エアバッグ内圧が過度に上昇することを防止すると共に、乗員対向面が乗員に適度な反力を与えつつ乗員からの押圧力によりゆるやかに後退し、乗員の運動エネルギーを吸収する。
【0004】
このようなエアバッグ装置として、テアシーム、ストラップ、接着剤等の拘束手段によりエアバッグの膨張途中の形状を拘束するように構成したものが知られている。このエアバッグ装置においては、緊急時にインフレータがガス噴出作動すると、エアバッグは、該拘束手段によってその膨張が拘束され、全開形状よりも小さい形状に展開する。該エアバッグに対し比較的体の小さい乗員が突っ込んできたときには、拘束手段の拘束は解除されない。一方、このエアバッグに体の大きな乗員が突っ込んできたときには、エアバッグ内圧が大幅に上昇し、該拘束手段による拘束が解除され、衝撃エネルギーがより多く吸収される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
エアバッグ内圧の上昇により拘束を解除するよう構成したエアバッグ装置の場合、エアバッグに乗員が突っ込んできたときの状況或いはインフレータ出力等のエアバッグ装置の作動状況によっては、乗員の体の大きさに合わせて適正に該拘束手段によるエアバッグの膨張の拘束を継続させ又は解除させるようにコントロールすることが難しい場合がある。
【0006】
本発明は、乗員の体の大きさに合わせて確実にエアバッグの膨張形状を変化させるエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のエアバッグ装置は、エアバッグと、該エアバッグが取付けられたエアバッグ取付部材と、該エアバッグを膨張させるガス発生器と、該エアバッグの膨張形状を全開形状よりも小さい形状に止めるための膨張拘束部材とを有するエアバッグ装置において、該膨張拘束部材による拘束を解除する拘束解除手段を備えてなり、該拘束解除手段は、乗員の大きさが所定以上であるときに拘束を解除し、所定以下であるときに拘束を継続するものである。
【0008】
かかるエアバッグ装置にあっては、乗員の体が大きいときには拘束解除手段がエアバッグ装置作動時に膨張拘束部材によるエアバッグの膨張の拘束を解除し、該エアバッグを全開形状まで展開させる。また、乗員の体が小さいときには、該拘束解除手段がエアバッグ装置作動時に膨張拘束部材によるエアバッグの膨張の拘束を継続させ、該エアバッグの展開形状を全開形状よりも小さい形状に止める。これにより、このエアバッグ装置は、車両衝突時等のエアバッグ装置作動時の状況によらず、確実に乗員の体の大きさに合わせてエアバッグの膨張形状を変化させることができる。
【0009】
このエアバッグ装置では、乗員の体の大きさを計測する計測装置が設けられ、前記拘束解除手段は、この計測装置の計測値が所定値以上のときに作動信号を受けて作動し、エアバッグ膨張時における膨張拘束部材による該エアバッグの膨張の拘束を解除すると共に、該計測値が所定値以下のときには、作動せずに該エアバッグの膨張の拘束を継続するよう構成されている。このように構成されたことにより、本発明のエアバッグ装置は、より的確に乗員の体の大きさに合わせてエアバッグの膨張形状を変化させることができる。
【0010】
請求項1のエアバッグ装置においては、エアバッグは、ガス流出用のベントホールと、該ベントホールを覆うシート状部材とを備え、該シート状部材は、一端がエアバッグに接続されると共に、他端が前記エアバッグ取付部材に対し連結装置を介して連結されており、該連結装置は、該エアバッグが膨張したときに前記拘束解除手段が拘束を継続するときには連結を解除し、前記拘束解除手段が拘束を解除するときには連結を継続するものであり、且つ、該シート状部材は、エアバッグが全開形状にまで膨張するときには前記一端側が断裂し、これによってベントホールを開放させる。
【0011】
このように構成された請求項1のエアバッグ装置では、エアバッグがその全開形状よりも小さい形状に膨張する場合には、連結装置がシート状部材のエアバッグ取付部材への連結を解除するため、該シート状部材はエアバッグの膨張に伴ってエアバッグ取付部材から離脱し、ベントホールを覆い続ける。また、エアバッグが全開形状まで膨張する場合には、連結装置がシート状部材のエアバッグ取付部材への連結を解除せず、該シート状部材は、エアバッグの膨張に伴って作用する張力によりその前記一端側が断裂してベントホールから取り去られる。
【0012】
従って、このエアバッグ装置においては、エアバッグが全開形状よりも小さい形状に膨張したときには、開放量の小さいベントホールから内部のガスを比較的小さい流出速度にて流出させる。一方、エアバッグが全開形状まで膨張したときには、開放量の大きいベントホールから比較的大きな流出速度にて内部のガスを流出させる。
【0013】
このようにして、突っ込んできた乗員の体の大きさに合わせて適切にその衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0014】
なお、本発明のエアバッグ装置においては、エアバッグにベントホールを設け、一端が該エアバッグに接続されると共に他端が連結装置を介してエアバッグ取付部材に連結されたシート状部材によってこのベントホールを覆うように構成した場合のエアバッグ膨張時における該連結装置によるシート状部材とエアバッグ取付部材との連結の解除又は継続の条件は上記の限りではなく、その作動状況等によっては、例えばエアバッグが全開形状まで膨張する場合でも連結装置がシート状部材のエアバッグ取付部材への連結を解除し、該シート状部材がエアバッグの膨張に伴ってエアバッグ取付部材から離脱してベントホールを覆い続けるようにしてもよく、また、エアバッグが全開形状よりも小さい形状に膨張する場合でも、連結装置がシート状部材のエアバッグ取付部材への連結を継続し、該シート状部材がエアバッグの膨張に伴って生じる張力によりその前記一端側又は前記エアバッグへの接続が断裂してベントホールから取り去られるようにしてもよい。
【0015】
さらに、本発明のエアバッグ装置においては、エアバッグにベントホールを設けた場合に、上記以外の構成によりエアバッグの膨張形状に合わせて該ベントホールの開放量を変化させるようにしてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
第1図は本発明の実施の形態に係るエアバッグ装置の分解斜視図、第2図はこのエアバッグ装置においてエアバッグが膨張を拘束された状態で展開したときの斜視図、第3図は拘束を解除されたエアバッグが全開形状まで展開したときの斜視図であり、第4図はこのエアバッグ装置におけるエアバッグの膨張拘束機構の説明図である。なお、第4図(a)は第2図のIV−IV線に沿う断面斜視図、第4図(b)は第4図(a)のB−B線に沿う断面図である。
【0018】
このエアバッグ装置10は、助手席用エアバッグ11を備えている。このエアバッグ11は、1対のサイドパネル12,12と、フロントパネル13とを縫合したものであり、サイドパネル12にはベントホール15が設けられている。エアバッグ11の後部には、インフレータ(図示略)からのガスを受け入れる開口16が設けられている。この開口16の周囲には、エアバッグ11をコンテナ30に連結するためのフラップ17,18,19,20が設けられている。
【0019】
エアバッグ11の上面11aと下面11bとには、それぞれ該エアバッグ11の膨張を拘束するための膨張拘束部材としてストラップ41が取り付けられている。このストラップ41は、その一端が該上面11aの途中又は下面11bの途中に縫着等の結合手段により結合されており、その他端側はエアバッグ11の後部側に延在されている。
【0020】
ストラップ41の該他端側には、後述の拘束解除装置50のストラップ連結部材としてのピン51が差し込まれるピン係合部42が設けられている。本実施の形態では、このピン係合部42は、ストラップ41の該他端を該一端側へ折り返し、該ストラップの途中部分に縫着等の結合手段により結合してなる前記ピン51を挿通可能なループ状の部分である。
【0021】
また、ベントホール15には、その開口を所定量だけ覆う幅を有したストラップ71が取り付けられている。このストラップ71は、その一端側がベントホール15からエアバッグ11内に挿通され、サイドパネル12のエアバッグ内側面に縫着等の結合手段により結合されており、その他端側は、該サイドパネル12の外側面に沿ってエアバッグ11の後部側へ延在されている。このストラップ71の該一端側のサイドパネル12との結合部分よりも他端寄りで且つベントホール15からエアバッグ11の外部に露出していない途中部分の幅方向の両縁部には1対の切欠き状のノッチ73が設けられており、これにより、ストラップ71は、その長手方向に所定張力が加わったときに該途中部分から断裂するように構成されている。また、ストラップ71の該他端には、前記ストラップ41の係合部42と同様のループ状のピン係合部72が形成されており、このピン係合部72に後述の拘束解除装置60のピン61が差し込まれる。
【0022】
エアバッグ11は、その後端部の開口16の周縁部に設けられたフラップ17〜20を介してエアバッグ収納用のコンテナ30の前面側の開口(図示略)から該コンテナ30内に連結される。このコンテナ30内には図示しないインフレータが設置されており、このインフレータから発生したガスが開口16を通じてエアバッグ11内に導入される。このエアバッグ11は、折り畳まれて各ストラップ41,71ともどもコンテナ30内に収容される。
【0023】
コンテナ30の上側及び下側の各側面には、エアバッグ11と共に該コンテナ30内に収容された各ストラップ41のピン係合部42を該コンテナ30の外部に引き出すための開口31が設けられている。この開口31の近傍には、該開口31からコンテナ30の外部に引き出されたストラップ41のピン係合部42に先端側が差し込まれるストラップ連結部材としてのピン51を有する拘束解除装置50が設置されている。ピン51は、その先端側が拘束解除装置50から突出し、ストラップ41の開口31からの引き出し方向と直交方向に延在した棒状体である。このピン51がピン係合部42に差し込まれることにより、各ストラップ41はコンテナ30に連結され、エアバッグ11の上面11a又は下面11bと該コンテナ30とを結合してエアバッグ11の前方への膨張を拘束する。
【0024】
第4図に示す通り、この拘束解除装置50は、ピン51と同軸状に延設された中空のシリンダ52を有しており、ピン51は、その後端側(第4図(b)における右端側。以下同様。)がこのシリンダ52の先端側(第4図(b)における左端側。以下同様。)から該シリンダ52内に進退可能に挿入されている。このシリンダ52の該先端側には、終端に小インフレータ55が連結されたガス流入路54が連なっている。この小インフレータ55は、コネクタ56を介して後述の図示しない制御装置に接続されており、該制御装置からの作動信号によりガス噴出作動し、この噴出ガスを該流入路54を通してシリンダ52内に供給する。なお、ピン51の後端側にはその側周面から放射方向に張り出してシリンダ52の内周面に摺動可能に当接したフランジ53が設けられている。
【0025】
このように構成された拘束解除装置50においては、該制御装置からの作動信号が入力されると、小インフレータ55がガス噴出作動し、流入路54を通してシリンダ52の先端側からその内部にガスを流入させる。シリンダ52内に流入したガスは、ピン51の後端側のフランジ53の前面(第4図(b)における左端面)に当たり、その噴出圧によってフランジ53をシリンダ52の後端側へ押圧し、該フランジ53を介してピン51をシリンダ52の後端側へ移動させる。この結果、ピン51の先端側がシリンダ52内に退動してストラップ41のピン係合部42から抜け出し、ストラップ41とコンテナ30との連結が解除され、これにより、ストラップ41によるエアバッグ11の上面11aと下面11bの前方への膨出に対する拘束が解除される。なお、以下、該制御装置から作動信号が入力され、ピン51がシリンダ52内に退動して係合部42から抜け出すまでの一連の作動を拘束解除装置50の作動と称す。
【0026】
また、コンテナ30の左右の各側面には、エアバッグ11と共に該コンテナ30内に収容された各ストラップ71のピン係合部72を該コンテナ30の外部に引き出すための開口32が設けられている。この開口32の近傍には、該開口32から引き出されたピン係合部72に先端側が差し込まれるストラップ連結部材としてのピン61を有する拘束解除装置60が設置されている。この拘束解除装置60は、前記拘束解除装置50と同一の構成を有しており、ピン61も、ピン51と同様、その先端側が該拘束解除装置60から突出してストラップ71の開口32からの引き出し方向と直交方向に延在している。
【0027】
また、この拘束解除装置60も図示しない制御装置に接続されており、この制御装置から作動信号が入力されると、前述した拘束解除装置50と同様に作動し、ピン61の先端側を退動させて前記ピン係合部72から抜き出させる。なお、これらの拘束解除装置50と拘束解除装置60とは、同一の制御装置に接続されてもよく、それぞれ別個に構成された制御装置と接続されてもよいが、仮に同一の制御装置と接続されている場合であっても、それぞれ別個の作動信号により作動するものとなっている。
【0028】
エアバッグ11を折り畳んでストラップ41,71ともどもコンテナ30内に収容し、次いで各ストラップ41,71のピン係合部42,72をそれぞれ開口31,32からコンテナ30の外部に引き出して該ピン係合部42に拘束解除装置50のピン51を差し込み、ピン係合部72に拘束解除装置60のピン61を差し込んだ後、このコンテナ30の前記開口部を覆うようにモジュールカバー(図示略)を装着することにより、エアバッグ装置10が構成される。そして、このエアバッグ装置10は、自動車の助手席用エアバッグ装置として適用され、自動車のインストルメントパネル(図示略)に設置される。
【0029】
なお、このエアバッグ装置10は、車両の座席に座った乗員の体格(体の大小)を検出する体格検出装置(図示略)を備えた図示しない制御装置によって作動制御される。なお、体格検出装置としては、乗員の体重検知装置や、乗員の座高の検知装置、乗員を撮像して得た像データから乗員の外形の大きさを検知する装置などを用いることができるが、これ以外のものであってもよい。
【0030】
この制御装置は、車両衝突時等の緊急時には、コンテナ30内に設置されたエアバッグ膨張用のインフレータ(図示略)をガス噴出作動させる。エアバッグ11は、このインフレータからの噴出ガスにより膨張し、前記モジュールカバーを押し開いて車両室内に展開する。
【0031】
また、エアバッグ11の膨張に際し、この制御装置は、前記体格検出装置からの検出値に基づき乗員の体が比較的小さいと判断したときには、前記エアバッグ膨張用インフレータと共に拘束解除装置60を作動させ、且つ拘束解除装置50は作動させない。すると、ストラップ41は、拘束解除装置50が作動せず、ピン51がピン係合部42から抜け出さないため、該ピン51を介してコンテナ30に連結されたままとなり、エアバッグ11は、該ストラップ41によってその上面11aと下面11bの前方への膨出が拘束され、全開形状よりも小さい第2図に示すような形状に展開する。このとき、ストラップ71は、拘束解除装置60が作動し、ピン61がピン係合部72から抜け出すため、コンテナ30との連結が解除され、ベントホール15を覆ったままサイドパネル12の膨出に伴ってコンテナ30から離脱し、該ベントホール15の開放量を小さく止める。
【0032】
一方、体格検出装置からの検出値に基づき乗員の体が比較的大きいと判断したときには、この制御装置は、前記エアバッグ膨張用インフレータと共に拘束解除装置50を作動させ、且つ拘束解除装置60は作動させない。すると、ピン51が拘束解除装置50の作動により退動してピン係合部42から抜け出し、ストラップ41がコンテナ30との連結を解除されるため、エアバッグ11は該ストラップ41による上面11aと下面11bの拘束が解除されて全開形状まで大きく展開する。このとき、ストラップ71は、拘束解除装置60が作動しないことからピン係合部42からピン61が抜け出さず、該ピン61を介してコンテナ30に連結され続ける。このため、該ストラップ71にはエアバッグ11の膨張に伴って非常に大きな張力が加わるようになる。そして、ストラップ71は、エアバッグ11が大きく膨張してこの張力が所定値以上となったときに前記ノッチ73から断裂し、ベントホール15から抜け出して該ベントホール15の開放量を増大させる。
【0033】
このように構成された上記エアバッグ装置10にあっては、上記のように乗員の体の大きさに合わせて確実にエアバッグ11の大きさを変化させることができ、常時乗員に対して適正な保護を与えることが可能である。また、このエアバッグ装置10では、エアバッグ11の膨張形状に合わせてベントホール15の開放量も変化するため、エアバッグ11は突っ込んできた乗員の体の大きさに合わせて極めてスムーズにその運動エネルギーを吸収することも可能である。
【0034】
なお、このエアバッグ装置10においては、制御装置に乗員の着座位置を検知する位置検知装置を設け、前記体格検出装置により検出された乗員の体の大小の情報にこの位置検知装置からの乗員の位置情報を加味して総合的にエアバッグ11の膨張形状を決定するように構成してもよく、これにより、エアバッグは、一層適正な乗員保護能力を発現させることができるようになる。
【0035】
また、本実施の形態では、制御装置が、乗員の体が小さいときにはエアバッグ膨張用インフレータと共に拘束解除装置60を作動させ且つ拘束解除装置50を作動させず、乗員の体が大きいときには該エアバッグ膨張用インフレータと共に拘束解除装置50を作動させ且つ拘束解除装置60を作動させないようにエアバッグ装置を制御することにより、エアバッグ11が全開形状よりも小さい形状に展開を止めるときにはストラップ71でベントホール15を覆って該ベントホール15の開放量を小さくし、エアバッグ11が全開形状まで展開するときにはベントホール15からストラップ71を取り去ってベントホール15の開放量を大きくするように構成されているが、制御装置によるエアバッグ装置の制御方法はこの限りではなく、該エアバッグ装置の作動状況によっては、例えばエアバッグ膨張用インフレータと共に拘束解除装置50と拘束解除装置60を両方とも作動させ、エアバッグ11が全開形状まで展開するときでもベントホールをストラップ71で覆ったままにして該ベントホールの開放量を小さく止めたり、或いは逆にエアバッグ膨張用インフレータ作動時に拘束解除装置50も拘束解除装置60も作動させず、エアバッグ11が全開形状よりも小さく展開するときにもベントホール15からストラップ71を取り去って該ベントホール15の開放量を大きくするようにエアバッグ装置を制御してもよい。
【0036】
さらに、本実施の形態では、一端がエアバッグ11に接続されると共に他端が拘束解除装置60を介してエアバッグ収納用コンテナ30に連結され、且つ長手方向に所定以上の張力が加わると該一端側が断裂するよう構成されたストラップ71によってベントホール15が覆われており、エアバッグ膨張時に該拘束解除装置60がストラップ71とコンテナ30との連結を継続すると該ストラップ71が断裂して該ベントホール15の開放量を増大させ、逆に該拘束解除装置60がストラップ71とコンテナ30との連結を解除すると該ストラップ71がベントホール15を覆ったままコンテナ30から離脱し、該ベントホール15の開放量を小さく止めるように構成されているが、エアバッグの膨張形状に合わせてベントホールの開放量を変化させるための構成はこれに限られるものではない。
【0037】
第13,14図は共に本発明の別の実施の形態に係るエアバッグ装置10Eのエアバッグ膨張時の斜視図であり、第13図はベントホールの開放量が増大された状況を示し、第14図は該ベントホールの開放量が小さく止められた状況を示している。なお、各図中、第1〜4図と同一の符号は同一の部分を示している。
【0038】
このエアバッグ装置10Eは、前述のエアバッグ装置10と同様に、1対のサイドパネル12とフロントパネル13とから構成された助手席用エアバッグ11Eと、前面側の開口(図示略)から内部に該エアバッグ11Eの後部が連結されたコンテナ30Eを備えている。左右のサイドパネル12にはそれぞれベントホール15が設けられている。
【0039】
なお、本実施の形態において、このエアバッグ装置10Eは、後述の通り、乗員の体が所定より小さい場合にはエアバッグ11Eを全開形状よりも小さい形状に膨張させ、且つベントホール15の開放量を大きくして比較的大きな流出速度にてエアバッグ内部のガスを流出させ、逆に乗員の体が所定よりも大きい場合には、エアバッグ11Eを全開形状まで膨張させ、且つベントホール15の開放量を小さくして比較的小さな流出速度にてエアバッグ内部のガスを流出させるように構成されている。
【0040】
エアバッグ11Eの上面11aと下面11bとには、それぞれ該エアバッグ11Eの膨張を拘束するための膨張拘束部材としてストラップ41Eが取り付けられている。このストラップ41Eは、その一端が該上面11aの途中又は下面11bの途中に縫着等の結合手段により結合されており、その他端側はエアバッグ11Eの後部側に延在されている。また、ストラップ41Eの該他端側には、コンテナ30Eに設置された拘束解除装置50Eのストラップ連結部材としてのピン51Eが差し込まれるピン係合部42Eが設けられている。
【0041】
このエアバッグ11Eの左右の各ベントホール15には、その開口を所定量だけ覆う幅を有したストラップ71Eが取り付けられている。
【0042】
各ストラップ71Eの一端側は、前述のストラップ71と同様に、ベントホール15からエアバッグ11E内に挿通され、サイドパネル12のエアバッグ内側面に縫着等の結合手段により結合されている。また、各ストラップ71Eの該一端側のサイドパネル12との結合部分よりも他端寄りで且つベントホール15からエアバッグ11Eの外部に露出していない途中部分の幅方向の両縁部には1対の切欠き状のノッチ73Eが設けられており、これにより、ストラップ71Eは、その長手方向に所定張力が加わったときに該途中部分から断裂するように構成されている。
【0043】
各ストラップ71Eの他端側は、サイドパネル12の外側面に沿ってエアバッグ11Eの上面11a又は下面11b側に引き回され、それぞれエアバッグ11Eの後部側に延在されたストラップ41Eの該他端側に逢着等の結合手段によって結合されている。これにより、ストラップ71Eは、後述の通りストラップ41Eがピン51Eによりコンテナ30Eに連結されているときには該ストラップ41Eを介してコンテナ30E側に引き留められ、拘束解除装置60が作動してストラップ41Eとコンテナ30Eとの連結が解除されると該ストラップ41Eと共にコンテナ30Eから離脱可能となる。
【0044】
エアバッグ11Eは、前述のエアバッグ11と同様、折り畳まれて各ストラップ41E,71Eともどもコンテナ30E内に収容される。
【0045】
コンテナ30Eの上側及び下側の各側面には、エアバッグ11Eと共に該コンテナ30E内に収容された各ストラップ41Eのピン係合部42Eを該コンテナ30Eの外部に引き出すための開口31Eが設けられている。この開口31Eの近傍には、該開口31Eからコンテナ30Eの外部に引き出されたストラップ41Eのピン係合部42Eに差し込まれるピン51Eを有した拘束解除装置50Eが設置されている。ピン51Eは、ストラップ41Eの開口31Eからの引き出し方向と直交方向に延在している。このピン51Eがピン係合部42Eに差し込まれることにより、各ストラップ41Eはコンテナ30Eに連結され、エアバッグ11Eの上面11a又は下面11bと該コンテナ30Eとを結合してエアバッグ11Eの前方への膨張を拘束する。
【0046】
なお、この拘束解除装置50Eは、前述のエアバッグ装置10の拘束解除装置50と同一のものであり、図示しない制御装置に接続され、該制御装置からの作動信号により作動してピン51Eを退動させる。
【0047】
エアバッグ11Eを折り畳んでストラップ41E,71Eともどもコンテナ30E内に収容し、次いでストラップ41Eのピン係合部42Eを開口31Eからコンテナ30Eの外部に引き出して該ピン係合部42Eに拘束解除装置50Eのピン51Eを差し込んだ後、このコンテナ30Eの前記開口部を覆うようにモジュールカバー(図示略)を装着することにより、エアバッグ装置10Eが構成される。そして、このエアバッグ装置10Eは、自動車の助手席用エアバッグ装置として適用され、自動車のインストルメントパネル(図示略)に設置される。
【0048】
なお、このエアバッグ装置10Eは、前述のエアバッグ装置10と同様、車両の座席に座った乗員の体格を検出する体格検出装置(図示略)を備えた図示しない制御装置によって作動制御される。この制御装置は、車両衝突時等の緊急時には、コンテナ30E内に設置されたエアバッグ膨張用のインフレータ(図示略)をガス噴出作動させる。エアバッグ11Eは、このインフレータからの噴出ガスにより膨張し、前記モジュールカバーを押し開いて車両室内に展開する。
【0049】
また、エアバッグ11Eの膨張に際し、この制御装置は、前記体格検出装置からの検出値に基づき乗員の体が比較的小さいと判断したときには、前記エアバッグ膨張用インフレータのみを作動させ、拘束解除装置50Eは作動させない。すると、ストラップ41Eがピン51Eを介してコンテナ30Eに連結されたままとなり、エアバッグ11Eは、該ストラップ41Eによってその上面11aと下面11bの前方への膨出が拘束され、全開形状よりも小さい第13図に示すような形状に展開する。このとき、ストラップ71Eは、その一端がストラップ41Eと結合されているため、該ストラップ41Eを介してコンテナ30E側に引き留められる。このため、該ストラップ71Eにはエアバッグ11の膨張に伴って非常に大きな張力が加わるようになり、この張力が所定値以上となったときに該ストラップ71Eは前記ノッチ73Eから断裂し、ベントホール15から抜け出して該ベントホール15の開放量を増大させる。
【0050】
一方、体格検出装置からの検出値に基づき乗員の体が比較的大きいと判断したときには、この制御装置は、前記エアバッグ膨張用インフレータと共に拘束解除装置50Eを作動させる。すると、ピン51Eが拘束解除装置50Eの作動により退動してピン係合部42Eから抜け出し、ストラップ41Eがコンテナ30Eとの連結を解除されるため、エアバッグ11Eは該ストラップ41Eによる上面11aと下面11bの拘束が解除されて全開形状まで大きく展開する。このとき、ストラップ71Eは、ベントホール15を覆ったままストラップ41Eと共にサイドパネル12の膨出に伴ってコンテナ30Eから離脱し、該ベントホール15の開放量を小さく止める。
【0051】
即ち、このように構成されたエアバッグ装置10Eにあっても、乗員の体の大きさに合わせて確実にエアバッグ11Eの大きさを変化させて常時乗員に対して適正な保護を与えることが可能であると共に、エアバッグ11Eの膨張形状に合わせてベントホール15の開放量も変化させることができ、エアバッグ11Eは突っ込んできた乗員の体の大きさに合わせて適切にその運動エネルギーを吸収することが可能である。
【0052】
また、このように構成されたエアバッグ装置10Eでは、ベントホール15を覆うストラップ71Eはストラップ41Eと連動し、該ストラップ41Eを介してコンテナ30E側に引き留められ、又はコンテナ30Eから離脱可能となるため、拘束解除装置50Eの他にストラップ71Eをコンテナ30Eに連結又は連結解除するための拘束解除装置等を別途設ける必要がなく、構成が非常に簡便である。
【0053】
なお、上記実施の形態において、例えばエアバッグ装置10では、ストラップ71のエアバッグ11と結合される側の端部近傍にノッチ73を設け、エアバッグ11が全開形状まで展開するときにはこのノッチ73から断裂して該ストラップ71がベントホール15から抜け出すように構成しているが、このストラップ71の断裂構造は任意である。また、例えば、ストラップ71からノッチ73のような断裂構造を省略し、所定張力により破断又は剥離するテアシームや接着剤等によりストラップ71の該端部をエアバッグ11に結合し、エアバッグ11が全開形状まで展開するときにはこのテアシーム等によるストラップ71とエアバッグ11との接合が断裂して該ストラップ71がベントホール15から抜け出すように構成してもよい。
【0054】
また、このエアバッグ装置10では、エアバッグの膨張を拘束するための膨張拘束部材として、一端がエアバッグ11の上面11aの途中又は下面11bの途中に結合され、エアバッグ11の後部側に延在された他端側に拘束解除装置50のピン51が差し込まれるピン係合部42を有したストラップ41を設けているが、該膨張拘束部材の構成や取付位置等はこれに限られるものではない。
【0055】
例えば、第5図に示すエアバッグ装置10Aのように、エアバッグ11Aの上面11aと下面11bとに、それぞれ膨張拘束部材として、一端が該上面11aの途中又は下面11bの途中に結合され、他端が該上面11aの後端又は下面11bの後端に結合されると共に、その途中に拘束解除装置50のピン51が差し込まれるピン係合部42Aを有したストラップ41Aをエアバッグの膨張拘束部材として設けてもよい。このピン係合部42Aは、ストラップ41Aの途中の離隔した一部同士を互いに縫着等の結合手段により結合し、ループ状に短絡してなるものである。このエアバッグ装置10Aのその他の構成並びに作動態様は前述のエアバッグ装置10と全く同様のものである。
【0056】
なお、第5図は本発明の別の実施の形態に係るエアバッグ装置11Aのエアバッグが全開形状に展開したときの斜視図であり、図中、第1〜4図と同一の符号は同一の部分を示している。
【0057】
このようなストラップ41Aをエアバッグの膨張拘束部材とした場合には、エアバッグ膨張時に拘束解除装置50が作動してピン係合部42Aとピン51との係合が解除され、ストラップ41Aがエアバッグ11の膨張に伴ってコンテナ30の外に飛び出しても、該ストラップ41Aがバタついたりすることがない。
【0058】
また、第6図に示すストラップ41Bは、一端がエアバッグに結合され、エアバッグの後部側に延在された他端側には各種の紐やワイヤ等の線状体よりなるリング43が取り付けられており、このリング43を拘束解除装置のピン等のストラップ連結部材に引掛けて該ストラップとコンテナとを連結するようにしたエアバッグの膨張拘束部材である。
【0059】
さらに、第9図に示すストラップ41Dは、両端部にピン係合部42Dを有し、エアバッグ11Dの前面並びに左右両側面を引き回され、該両端部がこのエアバッグ11Dの後部側の左右に配置されたものであり、該ピン係合部42Dが図示しない拘束解除装置のピン等のストラップ拘束部材と係合することにより、エアバッグ膨張時には、該エアバッグ11Dを引きしぼるようにその膨張を拘束するように構成されている。
【0060】
なお、膨張拘束部材によるエアバッグの膨張の拘束を継続させ或いは拘束を解除させるための拘束解除装置等の構成も前記実施の形態のものに限られない。
【0061】
第7図は、実施の形態に係るエアバッグ装置10Cの斜視図であり、エアバッグが拘束部材により膨張を拘束されている状況を示している。なお、第7図中、第1〜5図と同一の符号は同一の部分を示している。
【0062】
このエアバッグ装置10Cは、前述のエアバッグ装置10等と同様に、1対のサイドパネル12とフロントパネル13とから構成された助手席用エアバッグ11Cと、前面側の開口(図示略)から内部に該エアバッグ11Cの後部が連結されたコンテナ30Cを備えている。
【0063】
エアバッグ11Cの上面11aと下面11bとには、それぞれ各種の紐又はワイヤからなるリング45が掛通されたフラップ44が取り付けられている。
【0064】
また、このエアバッグ11Cの左右のサイドパネル12にはベントホール15が設けられており、各ベントホール15には、その開口を所定量だけ覆う幅を有したストラップ71Cが取り付けられている。
【0065】
このストラップ71Cは、前述のストラップ71等と同様に、その一端側がベントホール15からエアバッグ11内に挿通され、サイドパネル12のエアバッグ内側面に縫着等の結合手段により結合されており、その他端側は、該サイドパネル12の外側面に沿ってエアバッグ11Cの後部側へ延在されている。また、このストラップ71Cの該一端側のサイドパネル12との結合部分よりも他端寄りで且つベントホール15からエアバッグ11Cの外部に露出していない途中部分の幅方向の両縁部には1対の切欠き状のノッチ73Cが設けられており、これにより、ストラップ71Cは、その長手方向に所定張力が加わったときに該途中部分から断裂するように構成されている。
【0066】
このストラップ71Cの該他端側には、各種の紐又はワイヤ等からなる小リング74が取り付けられている。
【0067】
エアバッグ11Cは、前述のエアバッグ11等と同様、折り畳まれてコンテナ30C内に収容される。また、リング45及びストラップ71Cもこのエアバッグ11Cと共にコンテナ30C内に収容される。
【0068】
コンテナ30Cの上側及び下側の各側面には、エアバッグ11Cと共に該コンテナ内に収容されたリング45を外部に引き出すための開口31Cが設けられている。この開口31Cの近傍には、該開口31Cからコンテナ30Cの外部に引き出されたリング45が引掛かるフック81を有した拘束解除装置80が設置されている。リング45は、このフック81に引掛かってエアバッグ11Cの上面11a又は下面11bをコンテナ30Cに係止し、膨張時のエアバッグ11Cの前方への膨出を拘束する。
【0069】
第8図は、本実施の形態における拘束解除装置80の機構を示す概略図である。図示の通り、この拘束解除装置80において、フック81は、開口31Cから引き出されたリング45に対し軸82を回動中心として回動し、リング引掛姿勢とリング引掛解除姿勢とをとりうるようになっており、且つ常時図示しない回動付勢手段によって引掛け解除方向に付勢されている。また、フック81には回動阻止片83が設けられており、この回動阻止片83がシア84と係合することによりフック81がリング引掛姿勢を維持するようになっている。なお、このシア84は、図示しない制御装置に接続されたトリガー85の作動により該回動阻止片83との係合を解除するように構成されており、該トリガー85は、該制御装置からの作動信号により作動する。トリガー85が作動してシア84と回動阻止片83との係合が解除されると、フック81は前記付勢手段の付勢力により回動してリング引掛解除姿勢となる(以下、該制御装置からトリガー85に作動信号が入力され、フック81がリング引掛解除姿勢となるまでの一連の作動を拘束解除装置80の作動と称する。)。
【0070】
また、コンテナ30Cの左右の各側面には、エアバッグ11Cと共に該コンテナ内に収容された各ストラップ71Cの小リング74を外部に引き出すための開口32Cが設けられている。この開口32Cの近傍には、該開口から引き出された小リング74が引掛かるフック91を有した拘束解除装置90が設置されている。リング74はこのフック91に引掛かってストラップ71Cの端部をコンテナ30Cに連結する。この拘束解除装置90は、前記拘束解除装置80と同様の構成を有している。即ち、フック91はリング引掛姿勢と引掛解除姿勢とをとりうるようになっており、拘束解除装置90は、図示しない制御装置からの作動信号により作動して該フック91をリング引掛姿勢から引掛解除姿勢へと移行させる。
【0071】
エアバッグ11Cを折り畳んでリング45及びストラップ71Cともどもコンテナ30内に収容し、次いで各リング45及びストラップ71Cの小リング74をそれぞれ開口31C,32Cからコンテナ30Cの外部に引き出して拘束解除装置80,90のリング引掛姿勢のフック81,91に引掛けた後、このコンテナ30Cの前記開口部を覆うようにモジュールカバー(図示略)を装着することにより、エアバッグ装置10Cが構成される。そして、このエアバッグ装置10Cは、自動車の助手席用エアバッグ装置として適用され、自動車のインストルメントパネル(図示略)に設置される。
【0072】
なお、このエアバッグ装置10Cも、前述のエアバッグ装置10等と同様、車両の座席に座った乗員の体格を検出する体格検出装置(図示略)を備えた図示しない制御装置によって作動制御される。この制御装置は、車両衝突時等の緊急時には、コンテナ30C内に設置されたエアバッグ膨張用のインフレータ(図示略)をガス噴出作動させる。エアバッグ11Cは、このインフレータからの噴出ガスにより膨張し、前記モジュールカバーを押し開いて車両室内に展開する。
【0073】
また、エアバッグ11Cの膨張に際し、この制御装置は、前記体格検出装置からの検出値から乗員の体が比較的小さいと判断したときには、前記エアバッグ膨張用インフレータと共に拘束解除装置90を作動させ、且つ拘束解除装置80は作動させない。すると、リング45がフック81に引掛かったままとなり、エアバッグ11Cは、該リング45によってその上面11aと下面11bの前方への膨出が拘束されるため、全開形状よりも小さい形状に展開する。このとき、ストラップ71Cは、リング74がフック91から外れるため、ベントホール15を覆ったままサイドパネル12に張り付いてコンテナ30から離脱し、該ベントホール15の開放量を小さく止める。
【0074】
一方、体格検出装置からの検出値から乗員の体が比較的大きいと判断したときには、この制御装置は前記エアバッグ膨張用インフレータと共に拘束解除装置80を作動させ、且つ拘束解除装置90は作動させない。すると、リング45がフック81から外れ、該リング45による上面11aと下面11bの拘束が解除されるため、エアバッグ11Cはその全開形状まで大きく展開する。このとき、小リング74はフック91に引掛かったままとなっており、一端が前方へ膨出するサイドパネル12に結合され、他端が該小リング74を介してコンテナ30に連結された状態のストラップ71Cには非常に大きな張力が加えられる。そして、ストラップ71Cは、この張力が所定値以上となったときに前記ノッチ73Cから断裂してベントホール15から抜け出し、該ベントホール15を開放する。
【0075】
即ち、このように構成されたエアバッグ装置10Cにあっても、乗員の体の大きさに合わせて確実にエアバッグ11Cの大きさを変化させることができ、常時乗員に対して適正な保護を与えることが可能である。また、このエアバッグ装置10Cでも、エアバッグ11Cの膨張形状に合わせてベントホール15の開放量が変化するため、エアバッグ11Cは突っ込んできた乗員の体の大きさに合わせてきわめてスムーズにその運動エネルギーを吸収することができる。
【0076】
なお、この実施の形態では、拘束解除装置80のフック81に引掛かるリング45は、フラップ44を介してエアバッグ11Cの上面11a及び下面11bに取り付けられているが、該リングをエアバッグに取り付けるための部材の構成はこれに限られず、またエアバッグが十分な強度を有するものであれば、例えば図示はしないが該上面11a及び下面11bにリング掛通用の孔を設け、該孔にリング45を掛通して直接的にエアバッグ11Cに取り付けるように構成してもよい。
【0077】
上述の実施の形態では、各エアバッグ装置は自動車の助手席用乗員保護装置として構成されているが、本発明のエアバッグ装置は、例えば自動車の運転席用乗員保護装置やその他各種の人体保護装置として適用できる。
【0078】
以下に、第10,11図を参照して本発明のエアバッグ装置の他の用途への適用について説明する。第10図は、自動車の運転席用乗員保護装置として適用された本発明の実施の形態に係るエアバッグ装置のエアバッグ部分の分解斜視図であり、第11図(a)はこのエアバッグ装置において膨張拘束状態でエアバッグが展開したときの断面図、第11図(b)は該エアバッグが全開形状に展開したときの断面図である。
【0079】
エアバッグ装置110は、自動車のステアリングに設置されるものであり、運転席用エアバッグ111を備えている。このエアバッグ111は、それぞれ円形の布等よりなるフロントパネル111a及びリアパネル111bの周縁部同士を縫い合わせることにより袋体状に構成されている。このエアバッグ111は、車両に設置された際に、フロントパネル111aが乗員に対面し、リアパネル111bがその反対側においてリテーナ130に対し押え部材132等により連結されるものとなっている。このエアバッグ111はリテーナ130に設けられたインフレータ131からのガスによって膨張する。
【0080】
リアパネル111bの中央付近にはインフレータ用の開口112が設けられている。このリアパネル111bの開口112の周縁部には、エアバッグ111をリテーナ130に取り付けるためのボルト等が挿通される挿通孔113が設けられている。
【0081】
このエアバッグ111の内部には、円形のインナパネル120が設けられている。このインナパネル120は、その周縁部がフロントパネル111aの内周面に縫着等の結合手段により結合されている。また、このインナパネル120の中央付近には、リアパネル111bの開口112からエアバッグ111内に挿入されたインフレータ131の周りを囲む開口121が設けられており、この開口121の周縁部にはストラップ挿通部123が形成されている。さらに、このインナパネル120には、エアバッグ111内のガスの移動・流通を保証するための通気孔122が設けられている。
【0082】
インナパネルの該挿通部123にはストラップ140が挿通されている。このストラップ140は、その両端側がリアパネル111bに設けられた開口114からエアバッグ111の外部に引き出されている。このストラップ140の該両端には、それぞれエアバッグ111の外部に設置された拘束解除装置150の先端から突出した退動可能なピン151が差し込まれるピン係合部141が設けられている。
【0083】
拘束解除装置150は、前述の拘束解除装置50と同様の構成を有したものであり、図示しない制御装置に接続され、該制御装置からの作動信号により作動してその先端から突き出たピン151を退動させる。
【0084】
インナパネル120は、挿通部123に挿通されたストラップ140の両端がリアパネル111bの開口114からエアバッグ111の外部に引き出され、該両端のピン係合部141とピン151とが係合することにより、その中央部が該ストラップ140によってリアパネル111bから離反不能に引き留められた状態となる。
【0085】
エアバッグ111を押え部材132を介してボルト等によりリテーナ130に連結すると共に、該エアバッグ内部のインナパネル120の挿通部123に挿通されたストラップ140の両端側をリアパネル111bの開口114から外部に引き出し、該両端のピン係合部を拘束解除装置150のピン151と係合させた後、このエアバッグ111を折り畳んでモジュールカバー(図示略)で覆うことによりエアバッグ装置110が構成される。
【0086】
なお、このエアバッグ装置110も、車両の座席に座った乗員の体格(体の大小)を検出する体格検出装置(図示略)を備えた図示しない制御装置によって作動制御される。この制御装置は、車両衝突時等の緊急時には、インフレータ131をガス噴出作動させる。エアバッグ111は、このインフレータ131からの噴出ガスにより膨張し、前記モジュールカバーを押し開いて車両室内に展開する。
【0087】
また、エアバッグ111の膨張に際し、この制御装置は、前記体格検出装置からの検出値に基づき乗員の体が比較的小さいと判断したときには、前記インフレータ131のみを作動させ、拘束解除装置150は作動させない。すると、ストラップ140の両端のピン係合部141とピン151とが係合したままとなり、このストラップ140によってインナパネル120の中央部分がリアパネル111bから離反しないよう強く引き留められる。このため、インナパネル120の外側の周縁部と結合したエアバッグ111のフロントパネル111aは、このインナパネル120によって前方への膨出を拘束され、全開形状よりも小さい第11図(a)に示すような形状に展開する。
【0088】
一方、体格検出装置からの検出値から乗員の体が比較的大きいと判断したときには、この制御装置は、前記インフレータ131と共に拘束解除装置150を作動させる。すると、ピン151が拘束解除装置150の作動により退動してピン係合部141から抜け出し、ストラップ141は、その両端側が解放されてインナパネル120をリアパネル111bに引き留めようとしなくなる。このため、インナパネル120の周縁部と結合したフロントパネル111aが該インナパネル120により拘束されることなく膨出できるようになり、エアバッグ111は第11図(b)に示すような全開形状まで大きく展開する。
【0089】
このように構成されたエアバッグ装置110にあっても、乗員の体の大きさに合わせて確実にエアバッグ111の大きさを変化させることができ、常時乗員に対して適正な保護を与えることが可能である。
【0090】
第12図は、運転席用乗員保護装置の参考例に係るエアバッグ装置の構成を示す説明図である。なお、第12図(a)はこのエアバッグ装置において膨張拘束状態でエアバッグが展開したときの断面図であり、第12図(b)はこのエアバッグが全開形状まで展開したときの断面図である。
【0091】
このエアバッグ装置210は、前述のエアバッグ装置110と同様、それぞれ円形のフロントパネル211aとリアパネル211bの周縁部を縫着等の結合手段により結合してなる運転席用エアバッグ211を備えている。このエアバッグ210も、車両に設置された際に、フロントパネル211aが乗員に対面し、リアパネル211bがその反対側においてリテーナ230に対し押え部材232等を介して連結される。このリテーナ230には、制御装置からの作動信号によりガス噴出作動してエアバッグ211にガスを供給するインフレータ231が取り付けられている。
【0092】
エアバッグ211の内部にはストラップ240が延設されている。このストラップ240の一端側はフロントパネル211aに結合されている。また、このストラップ240の他端側にはリング241が取り付けられており、このリング241を介して該他端側がリテーナ230に設置された拘束解除装置280に連結されている。
【0093】
この拘束解除装置280は、前述の拘束解除装置80等と同様の構成を有している。即ち、この拘束解除装置280は、リング引掛姿勢と引掛解除姿勢とをとりうるフック281を有し、制御装置からの作動信号によりこのフック281を該リング引掛姿勢から引掛解除姿勢へと移行させるものである。ストラップ240は、その他端側のリング241がこのフック281に引掛かることにより、エアバッグ膨張時のフロントパネル211aの前方への膨出を拘束する。
【0094】
なお、第12図では拘束解除装置280はエアバッグ211の内部において押え部材232の上部に設置されるように図示されているが、この拘束解除装置280の設置形態は任意である。例えば、この拘束解除装置280をエアバッグ211の外部に設置すると共にリアパネル211bにストラップ挿通用の開口を設け、ストラップ240の他端側を該開口からエアバッグ外部に引き出した後、拘束解除装置280のフック281に引掛けてもよい。
【0095】
なお、このエアバッグ装置210も、車両の座席に座った乗員の体格(体の大小)を検出する体格検出装置(図示略)を備えた図示しない制御装置によって作動制御される。そして、この制御装置は、車両衝突時等の緊急時にはインフレータ231をガス噴出作動させる。エアバッグ211は、このインフレータ231からの噴出ガスにより膨張し、前記モジュールカバーを押し開いて車両室内に展開する。
【0096】
また、エアバッグ211の膨張に際し、この制御装置は、前記体格検出装置からの検出値に基づき乗員の体が比較的小さいと判断したときには、前記インフレータ231のみを作動させ、拘束解除装置280は作動させない。すると、ストラップ240のリング241がフック281に引掛かったままとなり、このストラップ240によってフロントパネル211aの前方への膨出が拘束されるため、エアバッグ211は、全開形状よりも小さい第12図(a)に示すような形状に展開する。
【0097】
一方、体格検出装置からの検出値から乗員の体が比較的大きいと判断したときには、この制御装置は、前記インフレータ231と共に拘束解除装置280を作動させる。すると、拘束解除装置280の作動によりフック281がリング引掛解除姿勢となり、ストラップ240のリング241が該フック281から外れる。このため、フロントパネル211aが該ストラップ240によって拘束されることなく膨出できるようになり、エアバッグ211は第12図(b)に示すような全開形状まで大きく展開する。
【0098】
このように構成されたエアバッグ装置210にあっても、乗員の体の大きさに合わせて確実にエアバッグ211の大きさを変化させることができ、常時乗員に対して適正な保護を与えることが可能である。
【0099】
なお、上述の各実施の形態では、エアバッグ装置は、乗員の体の大小を一つの所定値(閾値)に基づいて判別し、乗員の体が閾値よりも大きいときにはエアバッグを全開形状まで膨張させ、閾値よりも小さいときには全開形状よりも一段小さい形状に膨張させるように構成されているが、本発明のエアバッグ装置においては、乗員の体の大きさを判別する基準としての閾値が複数設定されてもよく、これに合わせて、エアバッグが全開形状か又は該全開形状よりも小さい複数のサイズに膨張できるように構成されてもよい。
【0100】
エアバッグを全開形状か又は該全開形状よりも小さい複数のサイズに膨張させるための構成としては、例えば、数種類の長さの異なるストラップ等、拘束時のエアバッグの膨張形状が異なる複数の膨張拘束部材と、各膨張拘束部材によるエアバッグの膨張の拘束を解除又は継続させるための複数の拘束解除装置とを設けることにより様々な形状にエアバッグの膨張を拘束するようにした構成や、次の第15〜17図に示すエアバッグ装置310のように、1つの膨張拘束部材でエアバッグの膨張を全開形状よりも小さい複数の大きさに止めるようにした構成などが挙げられる。
【0101】
第15〜17図は、実施の形態に係るエアバッグ装置310のエアバッグ膨張時の斜視図であり、それぞれ、乗員の体の大きさが比較的小さいとき、乗員の体の大きさが中位のとき、並びに乗員の体の大きさが比較的大きいときの作動状況を示している。
【0102】
このエアバッグ装置310は、前述のエアバッグ装置10等と同様に、1対のサイドパネル312とフロントパネル313とから構成された助手席用エアバッグ311と、前面側の開口(図示略)から内部に該エアバッグ311の後部が連結されたコンテナ330を備えている。左右のサイドパネル312にはそれぞれベントホール315が設けられている。
【0103】
なお、本実施の形態において、このエアバッグ装置310は、後述の通り、乗員の体が比較的大きいときにはエアバッグ311を全開形状まで膨張させ、乗員の体の大きさが中位のときにはエアバッグ311を全開形状よりも一段小さい形状に膨張させ、乗員の体が比較的小さいときにはエアバッグ311を全開形状よりもさらにもう一段小さい形状に膨張させるようになっている。
【0104】
また、このエアバッグ装置310は、エアバッグ311が全開形状よりも小さい形状に膨張するときにはベントホール315の開放量を大きくして比較的大きな流出速度にてエアバッグ内部のガスを流出させ、逆にエアバッグ311が全開形状まで膨張するときにはベントホール315の開放量を小さくして比較的小さな流出速度にてエアバッグ内部のガスを流出させるように構成されている。
【0105】
エアバッグ311の上面311aと下面311bとには、それぞれ該エアバッグ311の膨張を拘束するための膨張拘束部材としてストラップ340が取り付けられている。このストラップ340は、その一端が該上面311aの途中又は下面311bの途中に縫着等の結合手段により結合されており、その他端側はエアバッグ311の後部側に延在されている。
【0106】
ストラップ340途中には、コンテナ330に設置された第1の拘束解除装置350Aのストラップ連結部材としてのピン351Aが差し込まれる第1のピン係合部341が設けられている。また、ストラップ340の該他端(以下、ストラップ340の該他端をストラップ340の「後端」という。)側には、同じくコンテナ330に設置された第2の拘束解除装置350Bのピン351Bが差し込まれる第2のピン係合部342が設けられている。ストラップ340は、第1のピン係合部341にピン351Aが差し込まれることによりその途中部分がコンテナ330に連結され、第2のピン係合部342にピン351Bが差し込まれることによりその後端がコンテナ330に連結される。
【0107】
また、ベントホール315には、その開口を所定量だけ覆う幅を有したストラップ371が取り付けられている。このストラップ371は、その一端側がベントホール315からエアバッグ311内に挿通され、サイドパネル312のエアバッグ内側面に縫着等の結合手段により結合されており、その他端側は、該サイドパネル312の外側面に沿ってエアバッグ311の後部側へ延在されている。このストラップ371の該一端側のサイドパネル312との結合部分よりも他端寄りで且つベントホール315からエアバッグ311の外部に露出していない途中部分の幅方向の両縁部には1対の切欠き状のノッチ373(第17図)が設けられており、これにより、ストラップ371は、その長手方向に所定張力が加わったときに該途中部分から断裂するように構成されている。また、ストラップ371の該他端(以下、ストラップ371の該他端をストラップ371の「後端」という。)には、コンテナ330に設置された拘束解除装置360のピン361が差し込まれるピン係合部372が設けられている。ストラップ371は、該ピン係合部372にピン361が差し込まれることによりその後端がコンテナ330に連結される。
【0108】
エアバッグ311は、折り畳まれて各ストラップ340,371ともどもコンテナ330内に収容される。
【0109】
コンテナ330の上側及び下側の各側面には、エアバッグ311と共に該コンテナ330内に収容されたストラップ340の途中の第1のピン係合部341を該コンテナ330の外部に引き出すための開口331と、第2のピン係合部342を該コンテナ330の外部に引き出すための開口332とが設けられている。各開口331,332の近傍には、それぞれ該開口からコンテナ330の外部に引き出されたピン係合部341,342に差し込まれるストラップ連結部材としてのピン351A,351Bを有する拘束解除装置350A,350Bが設置されている。これらのピン351A,351Bは、それぞれ先端側が拘束解除装置350A,350Bから突出し、ストラップ340の各開口331,332からの引き出し方向と直交方向に延在している。
【0110】
なお、各拘束解除装置350A,350Bは、前述のエアバッグ装置10の拘束解除装置50等と同一のものであり、それぞれ図示しない制御装置に接続されており、エアバッグ膨張時に該制御装置から作動信号が入力されると作動してピン351A,351Bを退動させる。そして、ピン351A,351Bが退動すると、これらが第1のピン係合部341や第2のピン係合部342から抜け出し、ストラップ340の途中部分又は後端部のコンテナ330への連結が解除される。
【0111】
また、コンテナ330の左右の各側面には、エアバッグ311と共に該コンテナ330内に収容されたストラップ371のピン係合部372を該コンテナ外部に引き出すための開口333が設けられている。この開口333の近傍には、該開口から引き出されたピン係合部372に差し込まれるストラップ連結部材としてのピン361を有する拘束解除装置360が設置されている。この拘束解除装置360は、前記拘束解除装置350と同様の構成を有しており、ピン361も、ピン351と同様、その先端側が該拘束解除装置360から突出してストラップ371の開口333からの引き出し方向と直交方向に延在している。また、この拘束解除装置360も前記図示しない制御装置に接続されており、エアバッグ膨張時に該制御装置から作動信号が入力されると、ピン361を退動させてピン係合部361から抜け出させる。ピン361がピン係合部372から抜け出すと、ストラップ370の後端部のコンテナ330への連結が解除される。
【0112】
エアバッグ311を折り畳んでストラップ340,371ともどもコンテナ330内に収容し、次いでストラップ340のピン係合部341,342をそれぞれ開口331,332からコンテナ外部に引き出し、これらに対しそれぞれ拘束解除装置350A,350Bのピン351A,351Bを差し込むと共に、ストラップ371のピン係合部372を開口333からコンテナ外部に引き出してこのピン係合部72に拘束解除装置360のピン361を差し込んだ後、このコンテナ330の前記開口部を覆うようにモジュールカバー(図示略)を装着することにより、エアバッグ装置310が構成される。そして、このエアバッグ装置310は、自動車の助手席用エアバッグ装置として適用され、自動車のインストルメントパネル(図示略)に設置される。
【0113】
このエアバッグ装置310は、前述のエアバッグ装置10等と同様、車両の座席に座った乗員の体の大きさを検出する体格検出装置(図示略)を備えた図示しない制御装置によって作動制御される。本実施の形態では、この制御装置は、予め設定された2つ閾値と該体格検出装置の検出値とを比較して乗員の体の大きさを判別し、該乗員の体の大きさに合わせてエアバッグ311の膨張形状を3段階に変化させる。
【0114】
詳しくは、この制御装置は、該体格検出装置の検出値が所定の第1の閾値よりも大きいときには乗員の体が比較的大きいと判断してエアバッグ311を全開形状まで大きく膨張させ、また、該検出値が所定の第2の閾値よりも小さいときには乗員の体が比較的小さいと判断してエアバッグ311の膨張形状を全開形状よりもずっと小さく止めるようにする。さらに、この制御装置は、該体格検出装置の検出値が該第1の閾値と第2の閾値との間にあるときには乗員の体の大きさが中位であると判断してエアバッグ311を全開形状よりも幾分小さい形状に膨張させる。
【0115】
以下に、この制御装置による緊急時のエアバッグ装置330の作動制御手順について説明する。
【0116】
車両衝突時等の緊急時には、該制御装置がコンテナ330内に設置されたエアバッグ膨張用のインフレータ(図示略)をガス噴出作動させる。エアバッグ311は、このインフレータからの噴出ガスにより膨張し、前記モジュールカバーを押し開いて車両室内に展開する。
【0117】
エアバッグ311の膨張に際し、この制御装置は、前記体格検出装置の検出値に基づき乗員の体が比較的小さいと判断したときには、前記エアバッグ膨張用インフレータのみを作動させ、各拘束解除装置350A,350B及び拘束解除装置360は作動させない。このようにすると、ストラップ340は、その途中部分がピン351Aを介してコンテナ330に連結されたままとなり、見かけ上、長さが短いストラップとしてエアバッグ311とコンテナ330とを結合し続けるため、エアバッグ311は該ストラップ340によってきつく拘束され、該エアバッグ311の膨張は第15図に示すような全開形状よりも二回りほど小さい形状に止まる。またこのとき、ストラップ371もその後端がコンテナ330に連結されたままとなり、該ストラップ371にはエアバッグ311の膨張に伴って非常に大きな張力が加わるようになる。そして、ストラップ371は、この張力が所定値以上となったときに前記ノッチ373から断裂し、ベントホール315から抜け出して該ベントホール315の開放量を増大させる。
【0118】
また、前記体格検出装置の検出値に基づき乗員の体の大きさが中位であると判断したときには、この制御装置は、前記エアバッグ膨張用インフレータと共に拘束解除装置350Aを作動させ、且つ他の拘束解除装置350B,360は作動させない。このようにすると、ストラップ340は、その後端側はピン351Bを介してコンテナ330に連結されたままとなっているが、その途中部分は連結が解除されてコンテナ330から抜け出すため、前述のケースよりも長めのストラップとして比較的緩やかにエアバッグ311を拘束する。このため、該エアバッグ311は、第16図に示すような全開形状よりも一回りほど小さい形状に膨張する。なお、このときも、ストラップ371はその後端がコンテナ330に連結されたままとなり、該ストラップ371にはエアバッグ311の膨張に伴って非常に大きな張力が加わるようになる。そして、ストラップ371は、この張力が所定値以上となったときに前記ノッチ373から断裂し、ベントホール315から抜け出して該ベントホール315の開放量を増大させる。
【0119】
そしてさらに、前記体格検出装置の検出値に基づき乗員の体が比較的大きいと判断したときには、該制御装置は、前記エアバッグ膨張用インフレータと共にすべての拘束解除装置を作動させる。このようにすると、ストラップ340はコンテナ330への連結を完全に解除されて該コンテナ330から離脱するため、エアバッグ311は、第17図に示すように、該ストラップ340による拘束を全く受けずに全開形状まで大きく膨張する。一方、ストラップ371は、コンテナ330の連結を解除され、ベントホール315を覆ったままコンテナ330から離脱し、該ベントホール315の開放量を小さく止める。
【0120】
このように構成されたエアバッグ装置330では、膨張時のエアバッグ311の大きさを乗員の体の大きさに応じて細かく変化させることができるため、より適切な乗員保護能力を発現させることが可能である。
【0121】
なお、本発明のエアバッグ装置は、上記のような構成に加え、エアバッグ膨張用のインフレータの出力を調節する各種のインフレータ出力調節機構を備えてもよく、エアバッグの膨張形状やベントホールの開放量と共に乗員の体の大きさに合わせてインフレータの出力も調節することにより、乗員に対し一層適切な保護を与えることができるようになる。
【0122】
また、本発明のエアバッグ装置では、乗員の体の大きさだけでなく、車両衝突時の衝突速度や衝突エネルギーの大きさ等にも鑑みてエアバッグの大きさを変化させるようにしてもよい。
【0123】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のエアバッグ装置によると、緊急時には保護すべき人体の体の大きさに合わせて確実にエアバッグの形状を変化させ、常に適正な人体保護能力を発現することが可能となる。また、本発明のエアバッグ装置では、エアバッグにベントホールを設け、エアバッグの形状の変化に合わせてこのベントホールの開放量も変化させるように構成することができ、これにより、エアバッグに突っ込んできた乗員の運動エネルギーをその体の大きさに合わせてスムーズに吸収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るエアバッグ装置10の分解斜視図である。
【図2】第1図のエアバッグ装置10のエアバッグが膨張拘束状態で展開したときの斜視図である。
【図3】第1図のエアバッグ装置10のエアバッグが全開形状まで展開したときの斜視図である。
【図4】第1図のエアバッグ装置10の拘束解除装置50の構成を示す説明図である。
【図5】エアバッグ装置10の膨張拘束部材の変形例を示す斜視図である。
【図6】実施の形態に係る膨張拘束部材の要部斜視図である。
【図7】実施の形態に係るエアバッグとこのエアバッグの膨張拘束部材の斜視図である。
【図8】本発明の別の実施の形態に係るエアバッグ装置10Cの斜視図である。
【図9】第8図のエアバッグ装置10Cの拘束解除装置80の構成図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るエアバッグ装置110のエアバッグ部分の分解斜視図である。
【図11】第10図のエアバッグ装置のエアバッグ膨張時の状況を示す図である。
【図12】実施の形態に係るエアバッグ装置210のエアバッグ膨張時の状況を示す図である。
【図13】実施の形態に係るエアバッグ装置10Eのエアバッグが膨張拘束状態で展開したときの斜視図である。
【図14】第13図のエアバッグ装置10Eのエアバッグが全開形状まで展開したときの斜視図である。
【図15】実施の形態に係るエアバッグ装置330のエアバッグがきつく拘束された状態で膨張したときの斜視図である。
【図16】第15図のエアバッグ装置330のエアバッグが緩やかに拘束された状態で膨張したときの斜視図である。
【図17】第15図のエアバッグ装置330のエアバッグが全開形状まで展開したときの斜視図である。
【符号の説明】
10,10A,10C,10E,110,210,330 エアバッグ装置
11,11A,11C,11D,11E,111,211,311 エアバッグ
30,30C,30E,130,230,330 コンテナ
41,41A,41B,41D,41E,140,240,340 ストラップ
42,42A,42D,42E,141,341,342 ピン係合部
43,45,74,241 リング
50,50E,60,80,90,150,280,350A,350B,360 拘束解除装置
51,51E,61,151,351A,351B,361 ピン
81,91,281 フック
Claims (17)
- エアバッグ(11)と、該エアバッグ(11)が取付けられたエアバッグ取付部材(30)と、該エアバッグ(11)を膨張させるガス発生器と、該エアバッグ(11)の膨張形状を全開形状よりも小さい形状に止めるように該エアバッグ(11)を拘束するための膨張拘束部材(41)とを有するエアバッグ装置において、
該膨張拘束部材(41)による拘束を解除する拘束解除手段(50)を備えており、
該拘束解除手段(50)は、乗員の大きさが所定以上であるときに拘束を解除し、所定以下であるときに拘束を継続するものであるエアバッグ装置であって、
該エアバッグ装置は、乗員の大きさを計測する計測装置と、
該計測装置の計測値に基づいて該拘束解除手段(50)を制御する制御装置と
を備えており、
該制御装置は、該計測装置の計測値が所定の閾値よりも大きいときには、該エアバッグ(11)が膨張するときに、該拘束解除手段(50)に作動信号を入力して該拘束解除手段(50)を作動させて拘束を解除し、該計測値が該閾値よりも小さいときには、該エアバッグ(11)が膨張するときに、該拘束解除手段(50)を作動させずに拘束を継続するように構成されており、
該エアバッグ(11)の乗員と反対側の端部に前記エアバッグ取付部材(30)が連結されており、
該エアバッグ取付部材(30)に該拘束解除手段(50)が設けられており、
該拘束解除手段(50)は、前記膨張拘束部材(41)を該エアバッグ取付部材(30)に連結するための連結部材(51)を備えており、
該膨張拘束部材(41)は、該エアバッグ取付部材(30)から乗員側に向かう方向に延在しており、
該膨張拘束部材(41)の乗員側は、膨張した状態における該エアバッグ(11)のうち該エアバッグ取付部材(30)から乗員側に向かう方向の途中部に結合されており、
該膨張拘束部材(41)の該エアバッグ(11)との結合部分よりも該エアバッグ取付部材(30)側には、該拘束解除手段(50)の連結部材(51)が係合した係合部(42)が設けられており、該膨張拘束部材(41)の該係合部(42)に該拘束解除手段(50)の該連結部材(51)が係合解除可能に係合しており、
該拘束解除手段(50)は、前記作動信号を受けたときに、該拘束解除手段(50)の該連結部材(51)と該膨張拘束部材(41)の該係合部(42)との係合を解除するように構成されており、
前記エアバッグ(11)は、ガス流出用のベントホール(15)と、該ベントホール(15)を覆うシート状部材(71)とを備えており、
該シート状部材(71)は、一端がエアバッグ(11)に接続されると共に、他端が前記エアバッグ取付部材(30)に対し連結装置(60)を介して連結されており、
該連結装置(60)は、該エアバッグ取付部材(30)に設けられており、
該連結装置(60)は、該シート状部材(71)を該エアバッグ取付部材(30)に連結するための連結部材(61)を備えており、
該シート状部材(71)は、該エアバッグ取付部材(30)から該ベントホール(15)に向かう方向に延在しており、
該シート状部材(71)の該ベントホール(15)側の端部は、膨張した状態における該エアバッグ(11)の該ベントホール(15)よりも乗員側に結合されており、
該シート状部材(71)の該エアバッグ(11)との結合部分よりも該エアバッグ取付部材(30)側で且つ該ベントホール(15)よりも該結合部分側の途中部分には、該シート状部材(71)の延在方向と直交方向の両縁部に1対の切欠き状のノッチ(73)が設けられており、
該シート状部材(71)の該エアバッグ取付部材(30)側の端部には、前記連結装置(60)の前記連結部材(61)が係合した係合部(72)が設けられており、該シート状部材(71)の該係合部(72)に該連結装置(60)の該連結部材(61)が係合解除可能に係合しており、
該連結装置(60)は、前記制御装置から作動信号を受けたときに、該連結装置(60)の該連結部材(61)と該シート状部材(71)の該係合部(72)との係合を解除するように構成されており、
該制御装置は、前記計測装置の計測値が前記閾値よりも大きいときには、前記エアバッグ(11)が膨張するときに、該連結装置(60)に該作動信号を入力せず、該連結装置(60)の該連結部材(61)と該シート状部材(71)の該係合部(72)との係合を継続し、該計測値が該閾値よりも小さいときには、該エアバッグ(11)が膨張するときに、該連結装置(60)に該作動信号を入力して該連結装置(60)を作動させ、該連結装置(60)の該連結部材(61)と該シート状部材(71)の該係合部(72)との係合を解除するように構成されており、
該エアバッグ(11)が膨張したときに、該連結装置(60)の該連結部材(61)と該シート状部材(71)の該係合部(72)との係合を継続したときには、該エアバッグ(11)の膨張に伴い、該シート状部材(71)に対し、その延在方向に張力が加わり、この張力により該シート状部材(71)が前記途中部分において破断し、これにより該シート状部材(71)の該途中部分よりも前記エアバッグ取付部材(30)側が前記ベントホール(15)から離反して該ベントホール(15)の開放量が増大するように構成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1において、前記シート状部材(71)は、前記エアバッグ取付部材(30)から前記ベントホール(15)に向かう方向に延在したストラップよりなり、
該ストラップの延在方向の一端は、膨張した状態における前記エアバッグ(11)の前記ベントホール(15)よりも乗員側に結合されており、
該シート状部材(71)の前記係合部(72)は、該ストラップの該エアバッグ(11)との結合部分よりも該エアバッグ取付部材(30)側において、該ストラップを、前記連結装置(60)の前記連結部材(61)が挿通可能なループ状とすることにより形成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1において、前記シート状部材(71C)は、該シート状部材(71C)の前記エアバッグ(11C)との結合部分よりも前記エアバッグ取付部材(30C)側に該シート状部材(71C)の前記係合部としてのリング(74)が設けられており、
該リング(74)に前記連結装置(90)の連結部材(91)が係合解除可能に係合していることを特徴とするエアバッグ装置。 - エアバッグ(11E)と、該エアバッグ(11E)が取付けられたエアバッグ取付部材(30E)と、該エアバッグ(11E)を膨張させるガス発生器と、該エアバッグ(11E)の膨張形状を全開形状よりも小さい形状に止めるように該エアバッグ(11E)を拘束するための膨張拘束部材(41E)とを有するエアバッグ装置において、
該膨張拘束部材(41E)による拘束を解除する拘束解除手段(50E)を備えており、
該拘束解除手段(50E)は、乗員の大きさが所定以上であるときに拘束を解除し、所定以下であるときに拘束を継続するものであるエアバッグ装置であって、
該エアバッグ装置は、乗員の大きさを計測する計測装置と、
該計測装置の計測値に基づいて該拘束解除手段(50E)を制御する制御装置と
を備えており、
該制御装置は、該計測装置の計測値が所定の閾値よりも大きいときには、該エアバッグ(11E)が膨張するときに、該拘束解除手段(50E)に作動信号を入力して該拘束解除手段(50E)を作動させて拘束を解除し、該計測値が該閾値よりも小さいときには、該エアバッグ(11E)が膨張するときに、該拘束解除手段(50E)を作動させずに拘束を継続するように構成されており、
前記エアバッグ(11E)の乗員と反対側の端部に前記エアバッグ取付部材(30E)が連結されており、
該エアバッグ取付部材(30E)に該拘束解除手段(50E)が設けられており、
該拘束解除手段(50E)は、前記膨張拘束部材(41E)を該エアバッグ取付部材(30E)に連結するための連結部材(51E)を備えており、
該膨張拘束部材(41E)は、該エアバッグ取付部材(30E)から乗員側に向かう方向に延在しており、
該膨張拘束部材(41E)の乗員側は、膨張した状態における該エアバッグ(11E)のうち該エアバッグ取付部材(30E)から乗員側に向かう方向の途中部に結合されており、
該膨張拘束部材(41E)の該エアバッグ(11E)との結合部分よりも該エアバッグ取付部材(30E)側には、該拘束解除手段(50E)の該連結部材(51E)が係合した係合部(42E)が設けられており、該係合部(42E)に該連結部材(51E)が係合解除可能に係合しており、
該拘束解除手段(50E)は、前記作動信号を受けたときに、該連結部材(51E)と該係合部(42E)との係合を解除するように構成されており、
前記エアバッグ(11E)は、ガス流出用のベントホール(15)と、該ベントホール(15)を覆うシート状部材(71E)とを備えており、
該シート状部材(71E)は、該ベントホール(15)から前記膨張拘束部材(41E)に向かって延在しており、
該シート状部材(71E)の該ベントホール(15)側の端部は、該ベントホール(15)を覆った状態で該エアバッグ(11E)に接続されており、
該シート状部材(71E)の該膨張拘束部材(41E)側の端部は、該膨張拘束部材(41E)のエアバッグ(11E)との結合部分よりも前記エアバッグ取付部材(30E)側に結合されており、
該エアバッグ(11E)が膨張したときに、前記拘束解除手段(50E)が拘束を継続したときには、該シート状部材(71E)が該膨張拘束部材(41E)を介して該エアバッグ取付部材(30E)側に引き留められ、これにより、該エアバッグ(11E)の膨張に伴い、該シート状部材(71E)に対し、その延在方向に張力が加わり、この張力により該シート状部材(71E)の前記ベントホール(15)側が断裂するか又は該エアバッグ(11E)への接続が断裂し、これによって該ベントホール(15)の開放量が増大するように構成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項4において、前記シート状部材(71E)の前記ベントホール(15)側の端部は、膨張した状態における前記エアバッグ(11E)の該ベントホール(15)よりも乗員側に結合されており、
該シート状部材(71E)の該エアバッグ(11E)との結合部分よりも前記エアバッグ取付部材(30E)側で且つ該ベントホール(15)よりも該結合部分側の途中部分には、該シート状部材(71E)の延在方向と直交方向の両縁部に1対の切欠き状のノッチ(73E)が設けられており、
該エアバッグ(11E)が膨張したときに、前記拘束解除手段(50E)が拘束を継続したときには、該シート状部材(71E)が前記膨張拘束部材(41E)を介して該エアバッグ取付部材(30E)側に引き留められ、これにより、該エアバッグ(11E)の膨張に伴い、該シート状部材(71E)に対し、その延在方向に張力が加わり、この張力により該シート状部材(71E)が前記途中部分において破断し、これにより該シート状部材(71E)の該途中部分よりも該膨張拘束部材(41E)側が前記ベントホール(15)から離反して該ベントホール(15)の開放量が増大するように構成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - エアバッグ(311)と、該エアバッグ(311)が取付けられたエアバッグ取付部材(330)と、該エアバッグ(311)を膨張させるガス発生器と、該エアバッグ(311)の膨張形状を全開形状よりも小さい形状に止めるように該エアバッグ(311)を拘束するための膨張拘束部材(340)とを有するエアバッグ装置において、
該膨張拘束部材(340)は、該エアバッグ(311)の膨張形状を全開形状よりも小さい第1の形状と、該第1の形状よりも大きく且つ全開形状よりも小さい第2の形状とに止めるように該エアバッグ(311)を拘束可能なものとなっており、
該エアバッグ装置は、
該膨張拘束部材(340)が該エアバッグ(311)を該第1の形状に拘束した状態を解除する第1の拘束解除手段(350A)と、
該膨張拘束部材(340)が該エアバッグ(311)を該第2の形状に拘束した状態を解除する第2の拘束解除手段(350B)と、
乗員の大きさを計測する計測装置と、
該計測装置の計測値に基づいて該第1の拘束解除手段(350A)及び第2の拘束解除手段(350B)を制御する制御装置と
を備えており、
該エアバッグ(311)の乗員と反対側の端部に前記エアバッグ取付部材(330)が連結されており、
該エアバッグ取付部材(330)に該第1の拘束解除手段(350A)及び第2の拘束解除手段(350B)が設けられており、
該第1の拘束解除手段(350A)は、前記膨張拘束部材(340)を、該エアバッグ(311)を該第1の形状に拘束した状態で該エアバッグ取付部材(330)に連結するための第1の連結部材(351A)を備えており、
該第2の拘束解除手段(350B)は、前記膨張拘束部材(340)を、該エアバッグ(311)を該第2の形状に拘束した状態で該エアバッグ取付部材(330)に連結するための第2の連結部材(351B)を備えており、
該膨張拘束部材(340)は、該エアバッグ取付部材(330)から乗員側に向かう方向に延在しており、
該膨張拘束部材(340)の乗員側は、膨張した状態における該エアバッグ(311)のうち該エアバッグ取付部材(330)から乗員側に向かう方向の途中部に結合されており、
該膨張拘束部材(340)の該エアバッグ(311)との結合部分よりも該エアバッグ取付部材(330)側には、該第1の拘束解除手段(350A)の第1の連結部材(351A)が係合した第1の係合部(341)が設けられ、該第1の係合部(341)よりもさらに該エアバッグ取付部材(330)側には、該第2の拘束解除手段(350B)の第2の連結部材(351B)が係合した第2の係合部(342)が設けられており、
該第1の係合部(341)に該第1の連結部材(351A)が係合解除可能に係合し、該第2の係合部(342)に該第2の連結部材(351B)が係合解除可能に係合しており、
該第1の拘束解除手段(350A)は、前記制御装置から作動信号を受けたときに、該第1の連結部材(351A)と該第1の係合部(341)との係合を解除するように構成され、該第2の拘束解除手段(350B)は、前記制御装置からの作動信号を受けたときに、該第2の連結部材(351B)と該第2の係合部(342)との係合を解除するように構成されており、
該制御装置は、前記エアバッグ(311)が膨張したときに、前記計測装置の計測値が所定の第1の閾値よりも大きいときには、該第1の拘束解除手段(350A)及び第2の拘束解除手段(350B)にそれぞれ該作動信号を入力し、該計測値が、該第1の閾値よりも小さい所定の第2の閾値よりも小さいときには、該第1の拘束解除手段(350A)及び第2の拘束解除手段(350B)のいずれにも該作動信号を入力せず、該計測値が該第1の閾値と第2の閾値との間にあるときには、該第1の拘束解除手段(350A)に該作動信号を入力し、且つ該第2の拘束解除手段(350B)には該作動信号を入力しないように構成されており、
前記エアバッグ(311)は、ガス流出用のベントホール(315)と、該ベントホール(315)を覆うシート状部材(371)とを備えており、
該シート状部材(371)は、一端が該エアバッグ(311)に接続されると共に、他端が前記エアバッグ取付部材(330)に対し連結装置(360)を介して連結されており、
該連結装置(360)は、該エアバッグ取付部材(330)に設けられており、
該連結装置(360)は、該シート状部材(371)を該エアバッグ取付部材(330)に連結するための連結部材(361)を備えており、
該シート状部材(371)は、該エアバッグ取付部材(330)から該ベントホール(315)に向かう方向に延在しており、
該シート状部材(371)の該ベントホール(315)側の端部は、該ベントホール(315)を覆った状態で該エアバッグ(311)に接続されており、
該シート状部材(371)の該エアバッグ取付部材(330)側の端部には、前記連結装置(360)の前記連結部材(361)が係合した係合部(372)が設けられており、該シート状部材(371)の該係合部(372)に該連結装置(360)の該連結部材(361)が係合解除可能に係合しており、
該連結装置(360)は、前記制御装置から作動信号を受けたときに、該連結装置(360)の該連結部材(361)と該シート状部材(371)の該係合部(372)との係合を解除するように構成されており、
該制御装置は、前記計測装置の計測値が前記第1の閾値よりも大きいときには、前記エアバッグ(311)が膨張するときに、該連結装置(360)に該作動信号を入力せず、該連結装置(360)の該連結部材(361)と該シート状部材(371)の該係合部(372)との係合を継続し、該計測値が該第1の閾値よりも小さいときには、該エアバッグ(311)が膨張するときに、該連結装置(360)に該作動信号を入力して該連結装置(360)を作動させ、該連結装置(360)の該連結部材(361)と該シート状部材(371)の該係合部(372)との係合を解除するように構成されており、
該エアバッグ(311)が膨張したときに、前記連結装置(360)が拘束を継続したときには、該エアバッグ(311)の膨張に伴い、該シート状部材(371)に対し、その延在方向に張力が加わり、この張力により該シート状部材(371)の前記ベントホール(315)側が断裂するか又は該エアバッグ(311)への接続が断裂し、これによって該ベントホール(315)の開放量が増大するように構成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項6において、前記シート状部材(371)の前記ベントホール(315)側の端部は、膨張した状態における前記エアバッグ(311)の該ベントホール(315)よりも乗員側に結合されており、
該シート状部材(371)の該エアバッグ(311)との結合部分よりも前記エアバッグ取付部材(330)側で且つ該ベントホール(315)よりも該結合部分側の途中部分には、該シート状部材(371)の延在方向と直交方向の両縁部に1対の切欠き状のノッチ(373)が設けられており、
該エアバッグ(311)が膨張したときに、該連結装置(360)の該連結部材(361)と該シート状部材(371)の該係合部(372)との係合を継続したときには、該エアバッグ(311)の膨張に伴い、該シート状部材(371)に対し、その延在方向に張力が加わり、この張力により該シート状部材(371)が前記途中部分において破断し、これにより該シート状部材(371)の該途中部分よりも前記エアバッグ取付部材(330)側が前記ベントホール(315)から離反して該ベントホール(315)の開放量が増大するように構成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1ないし7のいずれか1項において、前記膨張拘束部材(41)は、前記エアバッグ取付部材(30)から乗員側に向かう方向に延在したストラップよりなり、
該膨張拘束部材(41)を構成する該ストラップの延在方向の一端は、膨張した状態における前記エアバッグ(11)のうち該エアバッグ取付部材(30)から乗員側に向かう方向の途中部に結合されており、
該膨張拘束部材(41)の前記係合部(42)は、該膨張拘束部材(41)を構成する該ストラップの該エアバッグ(11)との結合部分よりも該エアバッグ取付部材(30)側において、該膨張拘束部材(41)を構成する該ストラップを、前記拘束解除手段(50)の前記連結部材(51)が挿通可能なループ状とすることにより形成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1ないし7のいずれか1項において、前記膨張拘束部材(41B又は44)の前記エアバッグ(11)との結合部分よりも前記エアバッグ取付部材(30)側に該膨張拘束部材(41B又は44)の前記係合部としてのリング(43又は45)が設けられており、
該リング(43又は45)に前記拘束解除手段(50)の連結部材(51)が係合解除可能に係合していることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1ないし9のいずれか1項において、前記膨張拘束部材(41A)は、前記エアバッグ取付部材(30A)から乗員側に向かう方向に延在したストラップよりなり、
該膨張拘束部材(41A)を構成する該ストラップの延在方向の一端は、膨張した状態における前記エアバッグ(11A)のうち該エアバッグ取付部材(30A)から乗員側に向かう方向の途中部に結合されており、
該膨張拘束部材(41A)を構成する該ストラップの延在方向の他端は、該エアバッグ(11A)の乗員と反対側の端部に結合されており、
該膨張拘束部材(41A)を構成する該ストラップの延在方向の途中部に該膨張拘束部材(41A)の前記係合部(42A)が設けられていることを特徴とするエアバッグ装置。 - エアバッグ(11D)と、該エアバッグ(11D)が取付けられたエアバッグ取付部材(30)と、該エアバッグ(11D)を膨張させるガス発生器と、該エアバッグ(11D)の膨張形状を全開形状よりも小さい形状に止めるように該エアバッグ(11D)を拘束するための膨張拘束部材(41D)とを有するエアバッグ装置において、
該膨張拘束部材(41D)による拘束を解除する拘束解除手段(50)を備えており、
該拘束解除手段(50)は、乗員の大きさが所定以上であるときに拘束を解除し、所定以下であるときに拘束を継続するものであるエアバッグ装置であって、
該エアバッグ装置は、乗員の大きさを計測する計測装置と、
該計測装置の計測値に基づいて該拘束解除手段(50)を制御する制御装置と
を備えており、
該制御装置は、該計測装置の計測値が所定の閾値よりも大きいときには、該エアバッグ(11D)が膨張するときに、該拘束解除手段(50)に作動信号を入力して該拘束解除手段(50)を作動させて拘束を解除し、該計測値が該閾値よりも小さいときには、該エアバッグ(11D)が膨張するときに、該拘束解除手段(50)を作動させずに拘束を継続するように構成されており、
該エアバッグ(11D)の乗員と反対側の端部に前記エアバッグ取付部材(30)が連結されており、
該エアバッグ取付部材(30)に該拘束解除手段(50)が設けられており、
該拘束解除手段(50)は、前記膨張拘束部材(41D)を該エアバッグ取付部材(30)に連結するための連結部材(51)を備えており、
該膨張拘束部材(41D)は、ストラップよりなり、
該ストラップは、前記エアバッグ(11D)の乗員側面と、該エアバッグ(11D)を挟んだ両側の側面とを引き回され、その両端部が該エアバッグ(11D)の両側において乗員と反対側に向かって延在しており、
該ストラップの該両端側にそれぞれ、該拘束解除手段(50)の連結部材(51)が係合した係合部(42D)が設けられており、該膨張拘束部材(41D)の該係合部(42D)に該拘束解除手段(50)の該連結部材(51)が係合解除可能に係合しており、
該拘束解除手段(50)は、前記作動信号を受けたときに、該拘束解除手段(50)の該連結部材(51)と該膨張拘束部材(41D)の該係合部(42D)との係合を解除するように構成されており、
前記エアバッグ(11D)は、ガス流出用のベントホール(15)と、該ベントホール(15)を覆うシート状部材(71)とを備えており、
該シート状部材(71)は、一端がエアバッグ(11D)に接続されると共に、他端が前記エアバッグ取付部材(30)に対し連結装置(60)を介して連結されており、
該連結装置(60)は、該エアバッグ取付部材(30)に設けられており、
該連結装置(60)は、該シート状部材(71)を該エアバッグ取付部材(30)に連結するための連結部材(61)を備えており、
該シート状部材(71)は、該エアバッグ取付部材(30)から該ベントホール(15)に向かう方向に延在しており、
該シート状部材(71)の該ベントホール(15)側の端部は、膨張した状態における該エアバッグ(11D)の該ベントホール(15)よりも乗員側に結合されており、
該シート状部材(71)の該エアバッグ(11D)との結合部分よりも該エアバッグ取付部材(30)側で且つ該ベントホール(15)よりも該結合部分側の途中部分には、該シート状部材(71)の延在方向と直交方向の両縁部に1対の切欠き状のノッチ(73)が設けられており、
該シート状部材(71)の該エアバッグ取付部材(30)側の端部には、前記連結装置(60)の前記連結部材(61)が係合した係合部(72)が設けられており、該シート状部材(71)の該係合部(72)に該連結装置(60)の該連結部材(61)が係合解除可能に係合しており、
該連結装置(60)は、前記制御装置から作動信号を受けたときに、該連結装置(60)の該連結部材(61)と該シート状部材(71)の該係合部(72)との係合を解除するように構成されており、
該制御装置は、前記計測装置の計測値が前記閾値よりも大きいときには、前記エアバッグ(11D)が膨張するときに、該連結装置(60)に該作動信号を入力せず、該連結装置(60)の該連結部材(61)と該シート状部材(71)の該係合部(72)との係合を継続し、該計測値が該閾値よりも小さいときには、該エアバッグ(11D)が膨張するときに、該連結装置(60)に該作動信号を入力して該連結装置(60)を作動させ、該連結装置(60)の該連結部材(61)と該シート状部材(71)の該係合部(72)との係合を解除するように構成されており、
該エアバッグ(11D)が膨張したときに、該連結装置(60)の該連結部材(61)と該シート状部材(71)の該係合部(72)との係合を継続したときには、該エアバッグ(11D)の膨張に伴い、該シート状部材(71)に対し、その延在方向に張力が加わり、この張力により該シート状部材(71)が前記途中部分において破断し、これにより該シート状部材(71)の該途中部分よりも前記エアバッグ取付部材(30)側が前記ベントホール(15)から離反して該ベントホール(15)の開放量が増大するように構成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1ないし11のいずれか1項において、前記拘束解除手段(50)は、
前記膨張拘束部材(41)の前記係合部(42)に係合した該拘束解除手段(50)の前記連結部材としてのピン(51)と、
該ピン(51)が進退可能に挿入されたシリンダ(52)と、
該シリンダ(52)内にガスを供給する拘束解除用ガス発生器(55)と
を備えており、
該ピン(51)は、該膨張拘束部材(41)の延在方向と直交方向に延在した棒状体よりなり、
該ピン(51)は、該膨張拘束部材(41)の該係合部(42)と係合した状態にあっては、一端側が該シリンダ(52)から突出して該膨張拘束部材(41)の該係合部(42)に差し込まれており、
前記制御装置から該拘束解除手段(50)に作動信号が入力されたときには、該拘束解除用ガス発生器(55)がガス噴出作動して該シリンダ(52)にガスを供給し、このガス圧によって該ピン(51)の該一端側が該シリンダ(52)内に退動することにより、該ピン(51)が該膨張拘束部材(41)の該係合部(42)から抜け出して該膨張拘束部材(41)が前記エアバッグ取付部材(30)から離脱するように構成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1ないし11のいずれか1項において、前記拘束解除手段(80)は、
前記膨張拘束部材(44)の前記係合部(45)に係合した係合姿勢と、該膨張拘束部材(44)の該係合部(45)との係合が解除された係合解除姿勢とをとりうるように回転可能な、該拘束解除手段(80)の前記連結部材としてのフック(81)と、
該フック(81)を該係合解除姿勢とするように付勢した付勢手段と、
該フック(81)と係合して該フック(81)を該係合姿勢に維持したシア(84)と、
該シア(84)とフック(81)との係合を解除するためのトリガー(85)と
を備えており、
前記制御装置から該拘束解除手段(80)に作動信号が入力されたときには、該トリガー(85)が作動して該シア(84)とフック(81)との係合を解除し、これにより、フック(81)が該付勢手段の付勢力により該係合姿勢から係合解除姿勢となり、該フック(81)と該膨張拘束部材(44)の該係合部(45)との係合が解除されて該膨張拘束部材(44)が前記エアバッグ取付部材(30C)から離脱するように構成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1ないし13のいずれか1項において、前記連結装置(60)は、
前記シート状部材(71)の前記係合部(72)に係合した該連結装置(60)の前記連結部材としてのピン(61)と、
該ピン(61)が進退可能に挿入されたシリンダと、
該シリンダ内にガスを供給する連結解除用ガス発生器と
を備えており、
該ピン(61)は、該シート状部材(71)の延在方向と直交方向に延在した棒状体よりなり、
該ピン(61)は、該シート状部材(71)の該係合部(72)と係合した状態にあっては、一端側が該シリンダから突出して該シート状部材(71)の該係合部(72)に差し込まれており、
前記制御装置から該連結装置(60)に作動信号が入力されたときには、該連結解除用ガス発生器がガス噴出作動して該シリンダにガスを供給し、このガス圧によって該ピン(61)の該一端側が該シリンダ内に退動することにより、該ピン(61)が該シート状部材(71)の該係合部(72)から抜け出して該シート状部材(71)が前記エアバッグ取付部材(30)から離脱するように構成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1ないし13のいずれか1項において、前記連結装置(90)は、
前記シート状部材(71C)の前記係合部(74)に係合した係合姿勢と、該シート状部材(71C)の該係合部(74)との係合が解除された係合解除姿勢とをとりうるように回転可能な、該連結装置(90)の前記連結部材としてのフック(91)と、
該フック(91)を該係合解除姿勢とするように付勢した付勢手段と、
該フック(91)と係合して該フック(91)を該係合姿勢に維持したシアと、
該シアとフック(91)との係合を解除するためのトリガーと
を備えており、
前記制御装置から該連結装置(90)に作動信号が入力されたときには、該トリガーが作動して該シアとフック(91)との係合を解除し、これにより、フック(91)が該付勢手段の付勢力により該係合姿勢から係合解除姿勢となり、該フック(91)と該シート状部材(71C)の該係合部(74)との係合が解除されて該シート状部材(71C)が前記エアバッグ取付部材(30C)から離脱するように構成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - エアバッグ(111)と、該エアバッグが取付けられたエアバッグ取付部材(130)と、該エアバッグを膨張させるガス発生器(131)と、該エアバッグの膨張形状を全開形状よりも小さい形状に止めるように該エアバッグ(111)を拘束するための膨張拘束部材とを有するエアバッグ装置において、
該膨張拘束部材による拘束を解除する拘束解除手段(150)を備えてなり、
該拘束解除手段(150)は、乗員の大きさが所定以上であるときに拘束を解除し、所定以下であるときに拘束を継続するものであるエアバッグ装置であって、
該エアバッグ装置は、乗員の大きさを計測する計測装置と、
該計測装置の計測値に基づいて該拘束解除手段(150)を制御する制御装置と
を備えており、
該制御装置は、該計測装置の計測値が所定の閾値よりも大きいときには、該エアバッグ(111)が膨張するときに、該拘束解除手段(150)に作動信号を入力して該拘束解除手段(150)を作動させて拘束を解除し、該計測値が該閾値よりも小さいときには、該エアバッグ(111)が膨張するときに、該拘束解除手段(150)を作動させずに拘束を継続するように構成されており、
該エアバッグ(111)は、乗員側のフロントパネル(111a)及び乗員と反対側のリアパネル(111b)とを有し、該フロントパネル(111a)及びリアパネル(111b)は、周縁部同士が結合されており、
該エアバッグ(111)の乗員と反対側に前記エアバッグ取付部材(130)及び前記拘束解除手段(150)が配置されており、
該リアパネル(111b)の中央にはガス発生器用開口(112)が設けられており、該開口(112)の周縁部が該エアバッグ取付部材(130)に連結されており、該ガス発生器用開口(112)から該エアバッグ(111)内に前記ガス発生器(131)が挿入されており、
該膨張拘束部材は、該エアバッグ(111)の内部に配置された円形のインナパネル(120)を備えており、該インナパネル(120)は、その周縁部が該フロントパネル(111a)の内周面に結合されており、
該インナパネル(120)の中央には、該ガス発生器(131)を取り囲む開口(121)が設けられており、
該インナパネル(120)の前記周縁部と該開口(121)との間には、該エアバッグ(111)内におけるガスの移動を保証するための通気孔(122)が設けられており、
該インナパネル(120)の該開口(121)の周縁部には、ストラップ(140)が挿通されたストラップ挿通部(123)が形成されており、
該ストラップ(140)は、該ストラップ挿通部(123)に挿通され、両端側が、該リアパネル(111b)に設けられたストラップ用開口(114)から該エアバッグ(111)の外部に引き出されており、
前記拘束解除手段(150)は、該エアバッグ(111)の乗員と反対側に固定設置されており、該拘束解除手段(150)は、該ストラップ(140)が連結される連結部材(151)を有しており、
該ストラップ(140)の両端には、該連結部材(151)が係合した係合部(141)が設けられており、該係合部(141)に該連結部材(151)が係合解除可能に係合しており、
該インナパネル(120)は、該係合部(141)が連結部材(151)に係合した状態にあっては、その中央部が該ストラップ(140)によって前記リアパネル(111b)から離反不能となっており、
該拘束解除手段(150)は、前記作動信号を受けたときに、該連結部材(151)と該係合部(141)との係合を解除するように構成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項16において、前記拘束解除手段(150)は、
前記ストラップ(140)の前記係合部(141)に係合した前記連結部材としてのピン(151)と、
該ピン(151)が進退可能に挿入されたシリンダと、
該シリンダ内にガスを供給する拘束解除用ガス発生器と
を備えており、
該ピン(151)は、該ストラップ(140)の延在方向と直交方向に延在した棒状体よりなり、
該ピン(151)は、該係合部(141)と係合した状態にあっては、一端側が該シリンダから突出して該係合部(141)に差し込まれており、
前記制御装置から該拘束解除手段(150)に作動信号が入力されたときには、該拘束解除用ガス発生器がガス噴出作動して該シリンダにガスを供給し、このガス圧によって該ピン(151)の該一端側が該シリンダ内に退動することにより、該ピン(151)が該係合部(141)から抜け出して該ストラップ(140)による拘束が解除されるように構成されていることを特徴とするエアバッグ装置。
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