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JP4632300B2 - 送液装置 - Google Patents

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JP4632300B2
JP4632300B2 JP2005036152A JP2005036152A JP4632300B2 JP 4632300 B2 JP4632300 B2 JP 4632300B2 JP 2005036152 A JP2005036152 A JP 2005036152A JP 2005036152 A JP2005036152 A JP 2005036152A JP 4632300 B2 JP4632300 B2 JP 4632300B2
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Description

この発明は、化学、生物学、医学、物質工学、電気化学工学、半導体工学、エレクトロニクス、微小化学分析、ナノテクノロジー等の研究分野で用いられる、微量な流体を制御して送液する装置に関する。
近年、チップ上で化学反応を進行させ分析を行う微小化学分析システム(μTAS)、あるいは、ガラス等の小さな基板に微細な溝やくぼみを刻んだチップに、化学反応、細胞培養、分離検出等のラボプロセス(実験室での工程)を集積化させたラボ・オン・チップ(実験室チップ、Lab on a Chip)の研究が、活発に行われている。これは、上述のように、従来の分析システムあるいは化学実験室を、手のひらに乗る程度まで微小化しようとするものである。
分析システム等を微小化することにより、(1)サンプル、試薬量の微量化、(2)応答の高速化、(3)ハイスル−プット化、などの効果が実現される。これら微小化された分析システム(以下、微小システムという)の用途はさまざまであるが、このような微小システム上では、微量な流体を制御して送液することが必要となる。特に、すべての要素が集積化された送液装置の実現が期待される。
微量な流体を制御して送液する装置として、機械的なマイクロポンプ、マイクロバルブの研究が既に1980年代より進められている。しかし、これらを集積化した高度な送液装置の構築はこれまでほとんど成功していない。これは、構造的に高度な集積化が難しいところに原因があるものと思われる。このため、微小な流路中に微小な流体(例えば溶液等)を導入し送液したい場合には、市販のマイクロシリンジポンプを利用している場合が多い。もちろん、基礎研究等、目的によってはこれで十分な場合もあるであろうが、マイクロシリンジポンプを用いると携帯性が損なわれてしまう。また、マイクロシリンジポンプは非常に高価である。
そこで、比較的複雑な微小流路中を送液する手段としては、電気浸透流を利用する送液機構がある。電気浸透流は、ガラス管等に接した溶液が高電圧下で示す移動現象であり、例えばDNAなどを測定対象としたキャピラリー電気泳動を用いた分析で、通常発生する。なお、キャピラリー電気泳動は、主に石英ガラス中に形成された微小流路末端に形成されたDNA等の粒子の入った溶液の液溜めに電極を挿入し、数百Vから数千Vの高電圧を印加して微小流路中の溶液を移動させる現象である。電気浸透流を利用した送液機構(以下、電気浸透流ポンプという)は構造的に極めて単純で、複雑な流路ネットワーク中での送液も容易である。
ところで、電気浸透流に関連して、例えば下記の特許文献1には、電気泳動を抑え、電気浸透流によりキャピラリーに資料を注入するキャピラリー電気泳動装置の資料注入装置が開示されている(特許文献1参照)。
特開平5−142198号公報(第1頁、第1図)
しかしながら、従来型のマイクロポンプ、マイクロバルブにおいては、駆動電圧や消費電力が大きくなってしまう問題を有する。具体的には、例えば駆動電圧も少ないものでも数十Vで、それに伴い消費電力も問題になっていた。さらに、流路が微小化すればするほど、界面張力等の影響が大きくなり流路中を流れる流体の抵抗が増大する。このため、特にマイクロポンプ、マイクロバルブのような従来型の機械的ポンプを用いる場合には、送液が困難になるという問題があった。また、電気浸透流ポンプにおいても、同様に、高電圧が必要であるため問題となるとともに、消費電力も無視できないほど大きくなってしまう。
本発明は、上記問題を解決するものであり、簡単な構造を有し、ほとんど電力を消費せず、流路が微小化してもスムーズな送液を行うことができ、さらには、順次、複数の流体の注入、排出も含めた、一連の送液制御を効率的に行うことができる、微小送液システムの高度集積化を実現することを課題とするものである。
本発明は上記課題を解決するために、疎水性領域が一部に形成された親水性の流路面を有する、第1の基板と、前記流路面と対向する位置は親水性にされており、前記疎水性領域に対向する位置に作用電極が形成された第2の基板と、参照電極と、を具備し、前記流路面と前記第2の基板との間は距離を有して配置されることにより、前記流路面と前記第2の基板との間に、流路空間が形成される送液装置であって、流体を前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置し、かつ、該流体を、前記参照電極と前記作用電極とに接触させた状態で、前記参照電極と前記作用電極との間に電位差を生じさせることにより、前記流体が前記流路空間を移動することについて制御を行うことを特徴とする送液装置を提供する。
また本発明は、疎水性領域が一部に形成された親水性の流路面を有する、第1の基板と、参照電極が形成され、前記流路面と対向する位置は親水性にされており、前記疎水性領域に対向する位置に作用電極が形成された第2の基板と、を具備し、前記流路面と前記第2の基板との間は距離を有して配置されることにより、前記流路面と前記第2の基板との間に、流路空間が形成される送液装置であって、流体を前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置し、かつ、該流体を、前記参照電極と前記作用電極とに接触させた状態で、前記参照電極と前記作用電極との間に電位差を生じさせることにより、前記流体が前記流路空間を移動することについて制御を行うことを特徴とする送液装置を提供する。
また本発明は、疎水性領域が一部に形成された親水性の流路面を有する、第1の基板と、参照電極と対極とが形成され、前記流路面と対向する位置は親水性にされており、前記疎水性領域に対向する位置に作用電極が形成された第2の基板と、を具備し、前記流路面と前記第2の基板との間は距離を有して配置されることにより、前記流路面と前記第2の基板との間に、流路空間が形成される送液装置であって、流体を前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置し、かつ、該流体を、前記参照電極と前記対極と前記作用電極とに接触させた状態で、前記参照電極と前記作用電極との間に電位差を生じさせることにより、前記流体が前記流路空間を移動することについて制御を行うことを特徴とする送液装置を提供する。
前記作用電極上に絶縁層が設けられることが好ましい。
前記第2の基板には、前記流路空間を移動する前記流体を混合させるための混合電極が設けられることが好ましい。
前記第2の基板には、前記流路空間を移動する前記流体を排出させるための流体排出部が設けられることが好ましい。
前記流体中の陽イオンの吸着により界面張力の変化が引き起こされる電位の範囲内に前記作用電極の電位が設定されることが好ましい。
以上の構成から成る本発明に係る送液装置によると、簡単な構造を有し、ほとんど電力を消費せず、流路が微小化してもスムーズな送液を行うことができ、送液される流体の注入、排出を含めた一連の送液制御を効率的に行うことができる、微小送液システムの高度集積化を実現することができる。
(原理)
本発明の課題を解決するための有効な手段の一つとしては、従来のマイクロポンプ、マイクロバルブで用いられていたような送液の構造や機能をできるかぎり単純化させることである。なお、前記した電気浸透流ポンプのように電気化学的原理を用いれば、これらの送液の構造・機能を単純化させるという問題の解決方法として有利である。
微小化した流路を流れる流体の抵抗の発生源の一つに、界面張力が考えられる。しかし、本発明者らは、逆にこの界面張力を送液の駆動力として利用すれば、流体の送液を制御でき、さらに毛管現象の利用と合わせて、非常に効率的な送液機構が実現できるものと考えた。ところで、電極と流体(特には電解液)界面との界面張力は、電極電位により制御することができる(この制御する方式を、エレクトロウエッティングという)。
さらに、上記エレクトロウェッティングに基づく送液の原理について説明する。図1は、送液の原理を示す模式的な図である。図1には、基板34上に、液滴31がのせられている状態の側断面図が示されている。液滴31は、例えば電解液である。基板34は、例えば金から成る金属基板34a上に、絶縁層として、例えばポリマーから成る膜層34bが設けられて成る。
図1の場合、液滴31がのせられて接触している基板34、より正確には金属基板34aは、作用電極(作用極、駆動用電極)と呼ばれ、液滴31が接触しているもう一方の電極は参照電極(参照極、基準電極)33と呼ばれる。基板34上に液滴31がのせられ、かつ、参照電極33に液滴31が接触した状態において、基板34、即ち作用電極に電圧を印加することにより、作用電極と参照電極33との間に電位差を生じさせる。図1(a)は、電圧を印加する前の状態であり、図1(b)は、電圧を印加している状態である。
図1(a)(b)に示されるように、電圧を印加する前における液滴31の基板34に対する接触角θ(図1(a)参照)よりも、電圧を印加した状態における液滴31の基板34に対する接触角θ’(図1(b)参照)の方が小さくなる。つまり、電圧を印加すると、基板(作用電極)34上は濡れやすくなる。
これは、次のような原理によると考えられる。図1(b)に示されるように、矢印33aは気体と固体との間に生じる界面張力であり、矢印33bは気体と液体との間に生じる界面張力、矢印33cは固体と液体との間に生じる界面張力である。基板(作用電極)34の電位を変化させると、固体である基板34と、液体である液滴31との間の(基板34―液滴31界面の)界面張力(矢印33c)が低下する。言い換えれば、液滴31により基板34が濡れやすい状態となる。そして、気体と固体との間の界面張力(矢印33a)により、液滴34は基板34上を進み、送液されることになる。電圧の印加をやめて電位を元に戻すと送液は止まる。
なお、基板34と液滴31との間の(基板34−液滴31界面の)界面張力(矢印33c)に影響を及ぼしているのは、液滴31中のイオンの基板34表面への吸着である。より負の電位に変化させると陽イオンの吸着が、より正の電位に変化させると陰イオンの吸着が支配的になる。なお、図1では絶縁層の一例としてポリマーから成る膜層(ポリマー層)34bが、作用電極である金属基板34a上に設けられる場合について述べたが、このポリマーから成る膜層34b等の絶縁層が作用電極上に設けられなくても同様の変化を起こすことができる。
このエレクトロウェッティングの方式では原理的にほとんど電力を消費しない。本発明者らは、このエレクトロウエッティングの原理に基づき、スムーズに送液、排出を含めた一連の送液制御ができる新しい送液装置(機構)を発明した。
本発明に係る送液装置を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて図面を参照して説明する。
図2(a)(b)は、本発明の実施例1に係る送液装置11を分解した平面図である。図2(c)は、図2(a)の基板2と図2(b)のガラス基板1とを組み合わせた、送液装置11の上から見た仮想的な平面図である。また、図2(d)は、図2(c)の送液装置11を、X―X’で切断した流路部13近傍の拡大断面図である。
図3(a)(b)は、図2(c)で示される送液装置11内に、送液される流体14が配置されている状態が示されている。流体14は、図3(a)(b)において斜線で示されている。図3(c)(d)は、送液装置11の側断面図である。図3(c)(d)においても、送液装置11内に、送液される流体14が配置されている状態が示されている。
送液装置11は、電極が形成された第2の基板であるガラス基板1と、流路部13が形成された第1の基板である基板2とを具備する。本実施例では、ガラス基板1上に、電極として、作用電極4、対極5、及び参照電極7が形成されている。
基板2において、流路部13は凹状に形成されており、流路面3を有する。具体的には、凹状に形成された細長い流路部13の底面が流路面3となっている。
流路面3は、親水性であるが、疎水性領域6が一部に形成されている。ガラス基板1上において、流路面3と対向する位置は親水性であり、疎水性領域6に対向する位置に、作用電極4が、形成される。
基板2には、凹状の液溜め部(リザーバー)10が形成されている。液溜め部10は、流路面3を有する流路部13の端部3dに隣接して形成されている(図3(c)(d)参照)。液溜め部10は、流路面3に沿って送液すべき流体(溶液、液滴、サンプル)14を、溜めておくためのものである。なお、液溜め部10には、流体14を導入するための導入口8が形成されている。
基板2は、例えば樹脂材料から成り、シリコーンゴム、アクリル、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の材料が考えられる。本実施例では、基板2は、PDMS(ポリジメチルシロキサン)で形成されている(基板2をPDMS基板ともいう)。この場合、作用電極4に対向する位置付近のPDMS基板の表面は、酸素プラズマ処理時に保護しておくことにより、疎水性のままにしておくことができる。こうして、疎水性領域6が一部に形成された親水性の流路3を有する基板2を形成することができる。このような樹脂材料で基板2を形成することにより、加工が簡単である利点を有する。
なお、基板2をガラス等の他の材料により形成することもできる。この場合、PDMS基板のときの加工処理とは逆に、親水性にすべきところをポジ型フォトレジスト等で保護しておき、保護していないところをジメチルクロロシラン等の疎水性部位を有するシランカップリング剤で処理すればよい。こうして、同様に、疎水性領域6が一部に形成された親水性の流路3を有する基板2を形成することができる。
図2(a)に示される、流路部13や液溜め部10が形成された基板2の面2aが、ひっくり返され、図2(b)に示される、電極が形成されたガラス基板1の面1aと、対向される。この際、基板2の流路面3とガラス基板1との間は距離を有して配置される。本実施例では、流路面3とガラス基板1との間は所定の距離hを保って配置される。こうして送液装置11が組み立てられ完成される(図2(c)(d)参照)。流路面3とガラス基板1との間が距離を有して配置されることにより、送液装置11には、流路面3と、ガラス基板1との間に、つまり具体的には、流路面3と、この流路面3に対向する位置にあるガラス基板1上の親水性の領域及びこの親水性の領域と並んで設けられている作用電極4との間に、流路空間15が形成されることとなる。
なお、実際には、図2(a)の基板2の面2aがひっくり返されて、図2(b)のガラス基板1の面1aと向かい合わせられることにより、送液装置11が形成されると、送液装置11の上から見た平面図では、基板2の面2aは見えない。しかし、送液装置11の構造の理解を容易にするため、図2(c)では、ガラス基板1の面1aに加えて、流路面3が形成された基板2の面2aが見えるものとして仮想的に表示している。
ガラス基板1上には、作用電極4と対極5と参照電極7とが形成され、3電極方式(3電極系)が採用されている。3電極方式は、作用電極4と参照電極7との間に電位差を印加しつつ、作用電極4と対極5との間に流れる電流を測定する方式である。作用電極4は、電圧を印加する電極であり、送液のための駆動力を発生させる電極である。参照電極7は、電位の基準となる電極である。3電極方式を採用することにより参照電極7に電流が流れないようにして、電位の基準となる参照電極7の電位が電流等の影響を受けてずれないようにされるので、作用電極4と参照電極7との間に正確に電位差を印加することができる。
なお、本実施例では3電極方式を採用したが、対極5を有しない(対極5と参照電極7とが一体化した)、作用電極4及び参照電極7のみの2電極方式(2電極系)を採用しても良い。
作用電極4及び対極5は、例えば金で形成されている。なお、作用電極4及び対極5は、金の他、カーボン又はビスマスで形成しても良い。特に、作用電極4は金、カーボン、又はビスマスで形成されることが望ましい。作用電極4に電圧を印加したとき、水素等が発生せず、劣化しにくいからである。参照電極7は、銀から成る電極基板と、この電極基板上に形成された塩化銀から成る膜層と、(以下、銀/塩化銀、又は、Ag/AgClという)から形成される。このように、参照電極7は、銀/塩化銀で形成されることが望ましい。参照電極7を銀/塩化銀で形成することにより、電流を流しても参照電極7の電位があまり変化しないという利点がある。
既に述べたように、作用電極4は、ガラス基板1上において、基板2の流路面3の疎水性領域6と対向する位置に形成されている。さらに、この疎水性領域6及び作用電極4は、液溜め部10の近傍に位置する。液溜め部10は、流路部13の端部3dに隣接して形成され、疎水性領域6及び作用電極4は液溜め部10の近傍に位置しているので、液溜め部10に送液すべき流体14が溜められた状態では、流路部13の端部3d、さらには疎水性領域6の末端部6aと作用電極4の末端部4aとが、液溜め部10に溜められた流体14と接触した状態となる(図3(a)(c)参照)。
参照電極7及び対極5は、図2(c)に示されるように、ガラス基板1上であって、基板2に形成された液溜め部10と対向する位置に形成されている。したがって、参照電極7及び対極5は、流体(溶液、液滴、サンプル)14を導入する導入口8付近に位置することとなる。これにより、導入口8から導入された流体14が液溜め部10に溜められたときに、流体14が参照電極7と対極5とに接触される状態になる。
なお、本実施例では参照電極7や対極5をガラス基板1上に形成しているが、液溜め部10に溜められた送液されるべき流体14が接触できれば、参照電極7や対極5は、必ずしもガラス基板1上に形成されなくてもよく、例えば、基板2、又は、ガラス基板1及び基板2以外の外部に形成することも考えられる。より詳しくは、例えば参照電極7を第2の基板であるガラス基板1上に形成し、対極5をガラス基板1以外の場所に設けてもよいし、参照電極7及び対極5の両方をガラス基板1以外の場所に設けてもよい。これは、対極5を有しない2電極方式の場合も同様で、参照電極7をガラス基板1上に形成せずにガラス基板1以外の場所に設けてもよい。
なお、ガラス基板1において、上述したように、流路面3と対向する位置は、親水性となっているが、少なくともこの流路面3に対向する位置の周辺部18は、疎水性の膜層が形成されてもよい。本実施例では、ガラス基板1において、液溜め部10と対向する位置を除き、作用電極4及び流路面3に対向する位置を取り囲む、周辺部18には、疎水性の膜層が形成されている。ガラス基板1上において、作用電極4を超えて流路空間15中を移動する流体14が、作用電極14や流路面3に対向する位置以外の外部へ流出することを確実に防ぐためである。
本発明の本実施例に係る送液装置11では、上述のような構成の疎水性領域6が一部に形成された親水性の流路面3を有する基板2と、作用電極4等が形成されたガラス基板1とが、夫々別々に作製される。そして、既に述べたように、作用電極4等が形成されたガラス基板1の面1aと、流路部13等が形成された基板2の面2aとを対向させて、組み立てられ完成される。このとき、送液装置11では、基板2の流路部13が凹上に形成されていることにより、図2(d)に示されるように、流路面3とガラス基板1との間、より正確には流路面3とガラス基板1の面1aとの間は距離を有して、具体的には、所定の間隔(距離)hを保って配置されることになる。なお、図2(d)では、作用電極4の厚みを誇張して図示しているが、実際には、作用電極4の厚みは考慮しなくてもよいほど薄いので、流路面3とガラス基板1の面1aとの間の所定の間隔(距離)hは、流路面3とガラス基板1上に形成された作用電極4の上面との間の間隔(距離)と、同じと考えられる。また、たとえ作用電極4等のガラス基板1上に形成された電極の厚みを考慮する必要がある場合でも、ガラス基板1の面1a(上面)と流路面3との間の距離が決まれば、ガラス基板1上で所定の厚みを有する電極の上面と流路面3との間の距離は自ずと決まるため、本明細書では、ガラス基板1の上面と流路面3との間の距離を基準にしている。
本実施例では、流路面3とガラス基板1との間に間隔(距離)を有して配置するために、基板2の流路部13が凹状に形成された。一方、流路部を平坦又は凸状に形成してもよい。つまり、平坦な流路部の平面、又は凸状に形成された流路部の上面が流路面となるように、基板を形成してもよい。この場合、この流路部が形成された基板とガラス基板1との間に例えばスペーサーを挿入することにより、流路面とガラス基板1との間に間隔(距離)を有して、送液装置11が組み立てられる。スペーサーを用いる構成では、上記間隔(距離)を容易に調節することができる利点がある。
このようにして、流路面3とガラス基板1との間に距離を有することにより、流路空間15が形成される。なお、本実施例では、流路面3とガラス基板1との間は、所定の距離hが保たれているが、流路面3とガラス基板1との間は、流路空間が形成されるように距離を有すればよく、所定の距離hを保っている場合に限られない。例えば徐々に流路面3とガラス基板1との間の距離が小さくなって流路空間が狭まっていくような場合、又は、徐々に流路面3とガラス基板1との間の距離が大きくなって流路空間が広がっていくような場合等でもよい。このように、流路面とガラス基板等の第2の基板との間に流路空間が形成されるように距離を有すれば足りることは、後述する他の実施例においても同様である。
作用電極4に電圧を印加していない状態では、作用電極4の末端部4aと疎水性領域6の末端部6aとに接触した状態の流体14は、作用電極4と疎水性領域6とで挟まれた流路空間15を超えることはできず、留まったままである。ここで、作用電極4に電圧を印加すると、作用電極4は、既に上述の原理で述べたように、濡れやすくなり、末端部4aに接触した流体14が作用電極4を越えて広がる。そして、作用電極4を超えた流体14は、さらに凹状の流路部13に形成された親水性の流路面3とガラス基板1の親水性の領域とで囲まれた流路空間15を、毛管現象により進んで移動し送液されることとなる。
このようにして、参照電極7と作用電極4との間に電位差を生じさせることにより、流体14が流路空間15を移動することについて制御を行うことができる。なお、流路面3とガラス基板1との間の距離、本実施例では所定の距離hは、流体14が移動し送液される流路の高さ(流路高、流路間隔)となる。
本実施例のように、エレクトロウエッティングにより送液を行う本発明の送液装置では、送液のための駆動力を発生させる電極、即ち、作用電極(作用極、駆動用電極)4を、送液する流体についての親水性の流路面3の一部に形成された疎水性領域6と対向する位置に設ける。このように形成することで、電圧をかけていない状態では疎水性の作用電極4と、疎水性領域6とにより、流体を一旦留めておくことができる。一方、作用電極4に電圧をかけることにより、作用電極4を濡れやすくして、作用電極4を超えて流体を濡れ広がらせることができ、さらには、毛管現象と合わせて、親水性の流路面3とガラス基板1の親水性の領域とに沿って流路空間中の流体の送液を、容易に制御することが可能である。
(作用)
次に、本実施例に係る送液装置11の作用について説明する。送液装置11において、基板2に設けられた導入口8から送液させるべき流体14を導入する。本実施例では、流体14として例えばKCl溶液が使用される。導入された流体14は、基板2とガラス基板1との間、具体的には、基板2に形成された液溜め部10とガラス基板1との間に配置される。このとき、液溜め部10に留められている流体14は、ガラス基板1上の対極5、参照電極7、及び作用電極4、具体的には作用電極4の末端部4aに接触された状態である。このとき、基板2上の疎水性領域6の末端部6aにも流体14が接触するが、流体14は、この疎水性領域6と作用電極4とで挟まれた流路空間15を超えられずに、留まっている。(図3(a)(c)参照)。
この状態で、作用電極4に電圧を印加して、参照電極7と作用電極4との間に電位差を生じさせる。作用電極4の電位は、流体14中のイオンの吸着、より望ましくは、陽イオンの吸着により界面張力の変化が引き起こされる電位の範囲内に設定される。界面張力の変化が引き起こされる電位の範囲は、送液装置11の流路面3とガラス基板1との間の距離(本実施例では所定の間隔h)、ガラス基板1や基板2の材料及び疎水性の度合い、流路面3及び作用電極4の表面状態等により異なる。
作用電極4の電位を、界面張力の変化が引き起こされる電位の範囲内の例えば負の適切な値に変化させる。すると、作用電極4は、濡れやすくなる結果、流体14は、作用電極4を超えて広がり、疎水性領域6と作用電極4とで挟まれた流路空間15中およびその先の親水性流路内、つまり、流路面3とガラス基板1の親水性の領域とで挟まれた流路空間15を、毛管現象により移動する(進む)。このようにして流体14が送液される(図3(b)(d)参照)。
上記のように疎水性領域6と作用電極4とで挟まれた流路空間15を流体14が送液されるのは、既に述べたように、作用電極4に電圧を印加すると、作用電極4と流体14との間(作用電極4−流体14界面)の界面張力が低下し、流体14は作用電極4上で濡れやすくなることによる。そして、上記のように毛管現象を合わせて利用することにより、さらに、流路面3とガラス基板1の親水性の領域とで挟まれた流路空間15を、送液できるのである。
流体14と作用電極4を始めとする電極との間(流体14−電極界面)の界面張力に影響を及ぼしているのは、イオンの電極表面への吸着である。作用電極4をより負の電位に変化させる場合は、電極表面への陽イオンの吸着が、作用電極4をより正の電位に変化させる場合は、電極表面への陰イオンの吸着が支配的になる。
前者の場合、即ち、作用電極4をより負の電位に変化させて電極表面に陽イオンが吸着する場合には、イオンの種類により作用電極4と流体14界面での界面張力に大きな影響はでない。参照電極7等を含む電極に影響はでない(イオンの種類により依存しない)。
一方、後者の場合、即ち、作用電極4をより正の電位に変化させて電極表面に陰イオンが吸着する場合には、イオンの種類により作用電極4と流体14界面での界面張力に大きな影響が出る。したがって、再現性良く送液を行うためには、作用電極4に負の電圧(電位)を印加するのが好ましい。
また、本発明によれば、作用電極4への電圧の印加により発生する電流値は、典型的にはμAのオーダーであり、消費電力値もμWのオーダーであるが、これらは作用電極4の微小化を進めることにより、さらに小さくすることができる。これらの電流値や消費電力値は、従来のマイクロポンプ等を用いる場合に比べて非常に小さい。電流値の発生源は酸素の還元等に伴うファラデー(Faraday)電流や電気二重層の充電電流であり、流路の高さ(流路高、流路間隔、流路面3とガラス基板1との間の距離、本実施例の場合は所定の間隔h)を調節して駆動電位を下げることによっても、低消費電力化を実現することができる。
本発明の実施例2に係る送液装置61は、実施例1の送液装置11の構成と類似し、実施例1の送液装置11と同一の構成要素については同一の参照符号を付し、図示及び説明を省略する。また、実施例1と同様の作用、効果についても記載を省略する。
図4(a)(b)は、本発明の実施例2に係る送液装置61を分解した平面図である。図4(b)に示される、流路面3等が形成された基板2の面2aが、ひっくり返され、図4(a)に示される、ガラス基板1の面1aと対向される。こうして送液装置61が組み立てられ完成される。図4(c)は、完成された送液装置61について、図4(a)(b)のX―X’で切断した流路近傍の拡大断面図である。また、図4(d)(e)は、夫々ガラス基板1について、図4(a)のX−X’、Y−Y’で切断した流路近傍の拡大断面図である。
図5(a)(b)は、図4で示される送液装置61内に、送液される流体が配置されている状態を示す模式的な平面図である。図5においても、送液装置61の構造の理解を容易にするため、ガラス基板1の面1aが見えるものとして仮想的に表示している。なお、図5において、送液される流体は夫々、斜線で示されている。
実施例2に係る送液装置61が実施例1の送液装置11と異なる特徴の一つは、流路空間15を移動する流体を、混合させるための混合電極62が設けられていることである。混合電極62は、実施例1で説明した作用電極4と同じ機能を有する電極であるが、複数の異なる流体を混合させる目的で用いられる電極である。
送液装置61では、ガラス基板1上に、親水性の複数の流路、本実施例では、2つの流路64a、64bが形成されている。これらの流路64a、64bは、基板2上の流路面3と対向する位置にある親水性の領域である。各流路64a、64bの端部には夫々、流体を注入する導入口8が設けられている。また、実施例1と同様に、参照電極7や対極5(図4には図示せず。いずれも図2(c)参照)が、形成されている。参照電極7や対極5は、流体と接触する場所であれば、ガラス基板1上の任意の場所、又はガラス基板1以外の場所に設けられても良い。また、実施例1で述べたのと同様に、対極5と参照電極7とを一体化して、2電極方式(2電極系)を採用しても良い。
ガラス基板1上において、夫々並行に伸びる流路64a、64bが交わるところには、細長く伸びる長方形状の混合電極62が形成されている(図4(a)参照)。一方、基板2は、実施例1と同様に、例えばPDMSから成り、その一部に疎水性領域6が形成されている(図4(b)参照)。なお、基板2は、実施例1で述べたのと同様に、PDMS以外の材料、例えばガラスから形成することも可能である。混合電極62は、基板2の流路面3の一部に形成された疎水性領域6に対向する、ガラス基板1上の位置に配置されている。(図4(c)参照)。従って、夫々の流路64a、64bと流路面3とで挟まれた各流路空間15が合流する位置であって、ガラス基板1上に混合電極62は、配置される。なお、混合のしやすさを調節するために、基板2上の疎水性領域6を周囲から突出させたり、逆に凹ませたりすることができる。
なお、ガラス基板1において、流路面3に対向する位置は、親水性にされているが、少なくとも流路面3に対向する位置の周辺部18は、疎水性の膜層が形成され、疎水性領域にされる。本実施例では、ガラス基板1において、導入口8、流路64a、64b、及び混合用電極62を取り囲む、周辺部18には、疎水性の膜層が形成された疎水性領域にされる(図4(a)(d)(e)参照)。ガラス基板1上において、作用電極4を超えて流路空間15中を移動する流体が、流路64a、64bや混合電極62以外の外部へ流出することを確実に防ぐためである。
本実施例の送液装置61において、流路64a、64bと流路面3とで挟まれる流路空間15に流体を送液するしくみや駆動方法は、実施例1の送液装置11と同様である。
つまり、混合電極62は、作用電極4(例えば、実施例1の図3参照)と同様に、電圧を印加して流体を送液させる駆動電極としての役割を有し、例えば作用電極4と同様の材料から成る。このような混合電極62は、ガラス基板1に用いるフォトマスクのパターンを変更するだけで、実施例1と同様に、容易に形成することができる。
送液装置61では、複数の流体が夫々の導入口8から導入されると、流路64a、64bは親水性であるため、毛管現象により、各流体は、各流路64a、64b中を自発的に広がって進む。そして、各流体が混合電極62の両周辺端部に接触する(図5(a)参照)。混合電極62に電圧を印加していない状態では、混合電極62の両周辺端部に各流体が接触した状態のまま、留まっている。ここで、混合電極62に電圧を印加すると、混合電極62は濡れやすくなり、混合電極62の両周辺端部に夫々接触して留まっていた各流体は、混合電極62上に広がり、混ざり合う(図5(b)参照)。このように、各流体を混合電極62上に送液して、混合電極62上でこれらの各流体を混合させることができる。
なお、本実施例と実施例1とを組み合わせて実施することも可能である。その際、実施例1で述べたような作用電極4用に、液溜め部10近傍に設けられた、参照電極7と対極5とを、混合電極62上に流体を送液して混合させるために用いることもできる。この場合、参照電極7と対極5とは、一旦留めていた流体を、作用電極4を超えて送液させるために用いられているが、混合電極62上で流体を混合させる際に、混合電極62用に切り替えて用いられる。または、混合電極62の近傍に、別途、混合電極62用の参照電極と対極とを形成することにしてもよい。また、作用電極のときと同様に、混合電極62においても、参照電極と対極とが一体化した2電極方式を採用してもよいことはもちろんである。
(作用)
実施例2の作用について図5を参照しつつ簡単に説明する。送液装置61の各導入口8から、例えば異なる種類の流体が注入されると、注入された各流体は、毛管現象により、親水性の各流路64a、64bを自発的に広がって進む。こうして、各流体は、混合電極62付近に送液される。送液されてきた各流体は、混合電極62の両周辺端部に接触して留まる(図5(a))。
この状態で、混合電極62に電位(電圧)を印加すると、混合電極62の両周辺端部に接触して留まっていた各流体は、混合電極62上を濡れ広がり、混ざり合う。図5(b)には、混ざり合った流体64が示されている。
本発明の実施例3に係る送液装置91は、実施例1の送液装置11の原理と共通し、実施例1の送液装置11と同一の構成要素については同一の参照符号を付し、図示及び説明を省略する。また、実施例1、2と同様の作用、効果についても記載を省略する。図6(a)は、本発明の実施例3に係る送液装置91を構成する基板81の平面図であり、図6(b)は、本発明の実施例3に係る送液装置91の部分的な側断面図である。
実施例3に係る送液装置91が、実施例1、2の送液装置11、61と異なる特徴の一つは、流路空間15を移動する流体を排出させるための流体排出部92が設けられることである。流体排出部92は、第2の基板である基板81に形成された貫通孔93と、少なくとも貫通孔93の側壁93aに設けられた作用電極94とを具備する。より好ましくは、流体排出部92は、第2の基板である基板81に形成された貫通孔93と、基板81の下部に設けられる流体を吸収する手段、具体的には、基板81の下部に密着させた多孔性物質95と、少なくとも貫通孔93の側壁93aに設けられた作用電極94とを具備する。本実施例では、作用電極94は、貫通孔93の側壁93aと、基板81の下面81aとに、設けられている。
多孔性物質95は、基板81の下部において、容器96に収容することができる。多孔性物質95としては、例えば、親水性メッシュ、濾紙等が挙げられる。なお、多孔性物質95は、流体を吸い取るために用いられるものであり、流体を吸い取る手段としての役割を果たせば、必ずしも多孔性物質のみには、限られない。容器96は、例えば、プラスチック、ガラス、アクリル、PET、シリコーンゴム、ポリエチレン等で形成される。
第2の基板である基板81の上面81bには、対極5及び参照電極7が設けられる(図6(a)(b)参照)。一方、第1の基板である基板2は、実施例1と同様にして、例えばPDMSから成り、凹状の流路部13(ただし、流路部13は、図6には図示せず。同様の構成である実施例1の図2の流路部13参照)が形成されている。なお、流路空間15において、基板81の上面81bと対向する基板2の表面、つまり、凹状の流路部13の底面である流路面は、親水性にされている。流体排出部92が設けられた基板81の上面81bに、実施例1と同様にして、流路部13が形成された面を対向させて、基板2が組み合わせられ、送液装置91が完成する。
送液装置91では、第2の基板として、ガラス基板1(実施例1、2参照)の代わりに、アクリル板を用いて基板81を作製する。アクリル板を用いると貫通孔を容易に形成できるという利点がある。なお、本実施例では、基板81は、アクリル板を用いて作製しているが、親水性で(又は親水性にでき)貫通孔が形成できる基板であれば、アクリル板には限られない。本実施例においても、基板81は、実施例1、2と同様に、例えばガラスを用いて作製してもよいし、表面にガラス(SiO)層を形成した基板を作製してもよい。図7に、基板81の作製工程が示される。
図7を参照しつつ、基板81の作製工程について説明する。
(1)まず、アクリルから成る基板81に貫通孔93を形成する(図7(a))。貫通孔93は、例えば直径約0.5mmであり、その後、基板81をアセトン中で洗浄する。
(2)基板81に例えば膜厚40nmのクロム層、例えば膜厚200nmの金層をスパッタリングにて形成する。これにより、貫通孔93内の側壁93aにも金層の薄膜が形成される。
(3)金層を形成した基板81上にポジ型フォトレジストをスピンコーティングし、80℃でベーキングを30分行う。
(4)フォトマスクを通し、マスクアライナーで露光後、現像、リンスを行う。
(5)基板81を金のエッチング液に浸漬して、露出した部分の金層を除去する。純水で洗浄、乾燥後、基板81をアセトン中に浸漬し、フォトレジストを溶解、除去し、アセトンで洗浄する。
(6)基板81をクロムのエッチング液に浸漬して、露出した部分のクロム層を除去する。その後、純水で洗浄・乾燥する。こうして、作用電極94が形成される(図7(b))。
(7)上記と同様にして、基板81の上面81bにも参照電極7の下地、及び対極5を構成する金層を形成する。
(8)基板81の上面81bに、上記と同様にして、ポジ型フォトレジストをスピンコーティングし、80℃でベーキングを30分行った後、フォトマスクを通し、マスクアライナーで露光を行う。
(9)基板81をトルエン中に浸漬し、ポストベークを行った後、露光したフォトレジストを現像液中で現像後、純水でリンスし、乾燥させる。
(10)(9)の基板81上に例えば膜厚400nmの銀層をスパッタリングにて形成する。
(11)基板81をアセトン中に浸漬し、フォトレジストを溶解、除去し、アセトンで洗浄する。これにより、基板81の上面81bに、参照電極7が形成される。
本実施例の構成においては、既に述べた本発明の原理を利用して、流路空間15中を送液される流体104を、流体排出部92を用いて排出することができる。つまり、流路空間15中に流体104が存在する場合において、作用電極94に電圧を印加していない状態では、貫通孔93の側壁93aは疎水性であるため、流体104は貫通孔93から排出されず、流路空間15内に留まったままである。ここで、作用電極94に電圧を印加すると、作用電極94は濡れやすくなる。流体104は、濡れやすくなった作用電極94、言い換えれば、濡れやすくなった貫通孔93aの側壁93aに濡れ広がり、貫通孔93から基板81の下部に流出される。そして、基板81の下部に密着した多孔性物質95により、流出した流体104は吸い取られ、流体104を排出することができる。
図8は、送液装置91の側断面図であり、流体104が排出される様子を示す。図8を参照しつつ、簡単に本実施例の作用について説明する。送液装置91の流路空間15には、流体104が満たされた状態にある(図8(a))。作用電極94が印加されていない状態では、貫通孔93の側壁93aは疎水性の状態にあるため、流体104は、貫通孔93から流出できず、流路空間15に留まったままである。
次に、作用電極94に電圧を印加する。すると、貫通孔93の側壁93aが濡れやすくなり、流路空間15内の流体104は、側壁93aを濡れ広がって、貫通孔93を通過し、基板81の下部に密着して設けられた多孔性物質95内にしみ出す(図8(b))。
多孔性物質95は勢いよく流体104を吸引し、流路空間15内の流体104は、多孔性物質95により吸い取られていく。こうして、流路空間15から流体104が排出される(図8(c))。
本実施例では、参照電極7と対極5とを、作用電極94とは異なる面(上面81b)に形成している。これにより、流路空間15中を基板81の上面81bに沿って進む流体の送液に、悪影響が出ない利点がある。一方、本実施例とは異なり、参照電極7と対極5、及び作用電極94を同じ面に形成する構成にすることもできる。この場合、作用電極94は貫通孔93の側壁93aの領域のみに形成するようにする。これにより、流体が流路空間15中を送液される際に悪影響がでないようにできる。
なお、本実施例では、流体排出部92の構成として多孔性物質95を基板81の下部に密着させる構成としたが、これは流体を排出する一例にすぎず、流体を排出できれば、このような構成には限られない。
(変形例)
実施例3で説明した送液装置91を複数組み合わせることも可能である。図9は、実施例3の送液装置91の変形例に係る送液装置101の模式的な平面図である。図9においても、送液装置101の構造の理解を容易にするため、対極5や参照極7や貫通孔93が形成された第2の基板が見える状態が、仮想的に示されている。
送液装置101は、実施例3の送液装置91と同様の送液装置部91a〜91cが複数組み合わせられて接続されており、各送液装置部91a〜91cの一方の端部には、実施例1で説明したような流体の導入口8が設けられている。さらに、送液装置部91a〜91cのもう一方の端部、つまり、導入口8とは反対側の各送液装置部91a〜91cの端部には、複数の流体を混合させる反応用区画102が形成されている。さらに具体的には、反応用区画102は、各送液装置部91a〜91cが接続される箇所、言い換えれば、各送液装置部91a〜91cで送液されてきた各流体が出会う箇所に、形成されている。
送液装置部91a〜91cの作用、効果については、実施例3の送液装置91と同様のため、説明を省略する。このような構成の送液装置101を用いれば、複数の流体を順次、導入口8から注入し、例えば毛管現象により送液装置部91a〜91cの流路を送液し、貫通孔93から排出し、必要な流体のみを反応用区画102に送液することができる。さらには、反応用区画102で混合した後の不要な流体を貫通孔93から排出することができ、流体の注入から送液、排出を含めた、一連の送液システムを容易に構築することができる。
また、上記変形例に加えて、上述した実施例1〜3を適宜組み合わせた送液装置を作製することも、もちろん可能である。
なお、上記各実施例や変形例では、金等の金属から成る作用電極上に直接、流体を接触させているが、上記各実施例や変形例においても、原理(図1参照)で既述したように作用電極上に絶縁層を設けた構成にし、絶縁層に流体を接触させても同様の効果を得ることが出来る。また、本明細書では、作用電極に流体を接触させるという意味は、作用電極に流体を直接接触させる場合の他、作用電極上に設けた絶縁層を介して間接的に作用電極に流体を接触させる場合も含まれる。本発明の作用・効果が同様に生じるからである。
本発明によれば、作用電極に電位を印加することにより、流体の界面張力を利用して、容易に流体の移動を制御し、スムーズに送液、排出させることができる。このため、従来の機械的なマイクロポンプ、マイクロバルブを用いて送液する場合に必要であった、流体の逆流を防止するための逆止弁(チェックバルブ)も不要となり、従来の複雑であった送液装置の構造を簡単化することができる。
なお、本発明の上記各実施例では、第2の基板であるガラス基板1又は基板81と、第1の基板である基板2に形成された凹状の流路部13が有する流路面3とで挟まれる流路空間15を、流体が送液され又は排出される流路として用いた。一方、既に述べたように、第1の基板において流路部13が必ずしも凹状に形成される場合に限られない。例えば第1の基板上の平面を流路面とする構成にすることも可能である。この場合、平面状の流路面を有する第1の基板と、作用電極等が形成された第2の基板とで、送液装置が構成される。また、流路部を凸状に形成しその上面を流路面とする第1の基板と、作用電極等が形成された第2の基板とで、送液装置を構成することも考えられる。
以上、本発明に係る送液装置の最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明は特にこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることはいうまでもない。
本発明の活用例として、対象物を局所に注入する等の医学、生物学の基礎研究、DNA、タンパク質等の微小分析システムや、細胞培養・分離検出等の実験室を微小化して集積化させた実験室チップや、センサ、マイクロリアクター等が挙げられる。
エレクトロウェッティングの原理を示す模式的な図である。 図2(a)(b)は、本発明の実施例1に係る送液装置を分解した平面図であり、図2(c)は、図2(a)の基板2と図2(b)のガラス基板1とを組み合わせた場合における、上から見た仮想的な平面図であり、図2(d)は、図2(c)の送液装置11を、X―X’で切断した流路部近傍の拡大断面図である。 図3(a)(b)は、図2(c)で示される送液装置11内に、送液される流体が配置されている状態が示されており、図3(c)(d)は、実施例1に係る送液装置の側断面図である。 図4(a)(b)は、本発明の実施例2に係る送液装置を分解した平面図であり、図4(c)は、完成された送液装置について、図4(b)のX―X’で切断した流路近傍の拡大断面図であり、図4(d)(e)は、夫々ガラス基板1について、図4(a)のX−X’、Y−Y’で切断した流路近傍の拡大断面図である。 図5(a)(b)は、図4で示される送液装置内に、送液される流体が配置されている状態を示す模式的な平面図である。 図6(a)は、本発明の実施例3に係る送液装置を構成する基板の平面図であり、図6(b)は、本発明の実施例3に係る送液装置の部分的な側断面図である。 実施例3に係る送液装置の基板の作製工程を示す図である。 流体が排出される様子を示す、実施例3に係る送液装置の部分的な側断面図である。 実施例3の変形例に係る送液装置の模式的な平面図である。
符号の説明
1 ガラス基板
1a、2a 面
2、34、81 基板
3 流路面
3d 端部
4a、6a 末端部
4、94 作用電極
5 対極
6 疎水性領域
7、33 参照電極
8 導入口
10 液溜め部(リザーバー)
11、61、91、101 送液装置
13 流路部
14、64、104 流体
15 流路空間
18 周辺部
31 液滴
33a、33b、33c 矢印
34a 金属基板
34b 膜層
62 混合電極
63 親水性の領域
64a、64b 流路
81a 下面
81b 上面
91a、91b、91c 送液装置部
93 貫通孔
93a 側壁
95 多孔性物質
102 反応用区画

Claims (6)

  1. 疎水性領域が一部に形成された親水性の流路面を有する、第1の基板と、
    前記流路面と対向する位置は親水性にされており、前記疎水性領域に対向する位置に作用電極が形成された第2の基板と、
    参照電極と、を具備し、前記流路面と前記第2の基板との間は距離を有して配置されることにより、前記流路面と前記第2の基板との間に、流路空間が形成される送液装置であって、
    流体を前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置し、かつ、該流体を、前記参照電極と前記作用電極とに接触させた状態で、前記参照電極と前記作用電極との間に電位差を生じさせることにより、前記流体が前記流路空間を移動することについて制御を行うものであり、
    前記流体中の陽イオンの吸着により界面張力の変化が引き起こされる電位の範囲内に前記作用電極の電位が設定されることを特徴とする送液装置。
  2. 疎水性領域が一部に形成された親水性の流路面を有する、第1の基板と、
    参照電極が形成され、前記流路面と対向する位置は親水性にされており、前記疎水性領域に対向する位置に作用電極が形成された第2の基板と、を具備し、前記流路面と前記第2の基板との間は距離を有して配置されることにより、前記流路面と前記第2の基板との間に、流路空間が形成される送液装置であって、
    流体を前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置し、かつ、該流体を、前記参照電極と前記作用電極とに接触させた状態で、前記参照電極と前記作用電極との間に電位差を生じさせることにより、前記流体が前記流路空間を移動することについて制御を行うものであり、
    前記流体中の陽イオンの吸着により界面張力の変化が引き起こされる電位の範囲内に前記作用電極の電位が設定されることを特徴とする送液装置。
  3. 疎水性領域が一部に形成された親水性の流路面を有する、第1の基板と、
    参照電極と対極とが形成され、前記流路面と対向する位置は親水性にされており、前記疎水性領域に対向する位置に作用電極が形成された第2の基板と、を具備し、前記流路面と前記第2の基板との間は距離を有して配置されることにより、前記流路面と前記第2の基板との間に、流路空間が形成される送液装置であって、
    流体を前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置し、かつ、該流体を、前記参照電極と前記対極と前記作用電極とに接触させた状態で、前記参照電極と前記作用電極との間に電位差を生じさせることにより、前記流体が前記流路空間を移動することについて制御を行うものであり、
    前記流体中の陽イオンの吸着により界面張力の変化が引き起こされる電位の範囲内に前記作用電極の電位が設定されることを特徴とする送液装置。
  4. 前記作用電極上に絶縁層が設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の送液装置。
  5. 前記第2の基板には、前記流路空間を移動する前記流体を混合させるための混合電極が設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の送液装置。
  6. 前記第2の基板には、前記流路空間を移動する前記流体を排出させるための流体排出部が設けられることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の送液装置。
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