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JP4740676B2 - 薬剤排出具、これを備えた医療用複室容器、及びその製造方法 - Google Patents

薬剤排出具、これを備えた医療用複室容器、及びその製造方法 Download PDF

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JP4740676B2 JP2005216086A JP2005216086A JP4740676B2 JP 4740676 B2 JP4740676 B2 JP 4740676B2 JP 2005216086 A JP2005216086 A JP 2005216086A JP 2005216086 A JP2005216086 A JP 2005216086A JP 4740676 B2 JP4740676 B2 JP 4740676B2
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Description

本発明は、同時に配合すると経時変化を起こすような不安定な各種薬剤(液剤、粉末若しくは固形剤)を個別に収納する複数の収納室を備えた医療用複室容器に関する。
静脈注射により患者に投与される薬剤や、眼灌流液、腹膜透析液などの薬剤の中には、予め配合すると望ましくない経時的変化を起こすような不安定な薬剤がある。例えばアミノ酸輸液とブドウ糖輸液とを配合して保存しておくと、いわゆるメイラード反応によって混合液が褐変する。また、脂肪乳剤と電解質溶液とを配合して保存しておくと、脂肪分が凝集を生じ、リン酸含有液とカルシウム含有液を配合しておくと、リン酸カルシウムの沈殿を生じ、望ましくない変化を起こす。
このような薬剤に対しては、次のような医療用複室容器が用いられることが多い。この医療用複室容器は、薬剤を収納する2つの収納室を備えたプラスチックフィルム製の容器本体と、この容器本体から薬剤を排出する薬剤排出部とを備えている。2つの収納室は、容器本体の内壁面同士を熱融着した仕切り用封止部によって仕切られている。使用に際しては、いずれかの収納室の中央付近を押圧し、収納室内の圧力を高めて仕切り用封止部を開封する。これによって両収納室が連通し、2つの薬剤が混合される。その後、薬剤排出部を刺入等によって開封し、混合後の薬剤を患者に投与する。
ところで、上記のような複室容器では、仕切り用封止部の開封前に、排出部を開封すると、混合前の薬剤が排出されるという問題があった。これを解決するため、例えば特許文献1では、薬剤排出部と、これに隣接する収納室との間に、排出規制用の封止部を設けた医療用容器が提案されている。この排出規制用封止部は、仕切り用封止部と同様に、容器本体の内壁面同士を熱融着することで形成したものであり、その開封強度は仕切り用封止部と同等か或いはそれ以上となっている。この排出規制用封止部を設けると、仕切り用封止部の開封前に、薬剤排出部を開封しても、排出規制用封止部によって収納室から薬剤が排出されるのを防止することができる。
特開平9−327498号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の医療用複室容器では、次のような問題を有しているため、広く普及するには至っていない。すなわち、容器本体における排出部の近傍は、フィルムが盛り上がって扁平にはなっていない。そのため、排出規制用封止部を熱融着によって形成する場合、シワやピンホールが生じやすいという問題がある。これに起因して、排出規制用封止部の熱融着の強度にバラツキが多くなるため、両封止部の開封強度の調整は容易ではなかった。また、薬剤排出部と排出規制用封止部との間には空間が形成されるが、この空間は薬剤が収容されないため、加熱滅菌を行ってもこの空間内の無菌化を保証することはできないという問題もある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、混合前の薬剤が排出されるのを容易に防止することができる薬剤排出具、これを備えた医療用複室容器、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、薬剤を収納する複数の収納室と、前記各収納室間を仕切る仕切り用封止部とを有する容器本体を備え、使用に際して前記仕切り用封止部が開封される医療用複室容器に取り付けられ、前記容器本体内の薬剤を排出可能な薬剤排出具であって、管状に形成され、その一端部をいずれかの収納室に取付可能な本体部と、前記本体部の他端部側を封止し使用に際して開封可能な封止部材と、前記本体部の一端部側を封止し、前記収納室からの薬剤の流入を規制する規制部材とを備え、前記規制部材は前記本体部の一端部から突出しており、所定の力によって当該規制部材が前記本体部内に入り込んだときに前記規制状態が解除され、収納室から前記本体部内への薬剤の流入を可能にするように構成されている。
この構成によれば、規制部材により、収納室と薬剤排出具との連通が規制されているため、例えば仕切り用封止部を開封する前に、誤って封止部材に刺栓針を刺入した場合であっても、収納室内の混合前の薬剤が排出具から排出されるのが防止される。
また、規制部材は、本体部から収納室側へ突出しているため、手で規制部材を押し込むことができる。例えば、収納室を押圧したが、その圧力によっても規制部材を移動させることができなかった場合には、薬剤流入の規制状態を強制的に解除することができ、有効である。また、手で押し込むことができるため、規制解除のための力の微妙な調整が不要になり、製造工程を簡素化することができる。
なお、上述した本体は管状に形成されているが、その断面形状は特には限定されるものではなく、断面円形の他、例えば矩形状、多角形状などにすることができる。
上述した本体部は種々の形態にすることができるが、例えば、本体部が、収納室に取り付けられる小径部と、これに連結される大径部とを有し、規制部材が、前記収納室側に突出するように小径部に圧入されることで規制状態を形成し、所定の力によって前記大径部に移動することで前記規制状態が解除されるように構成することができる。
規制部材は、円筒状に形成され、軸方向の中間点について対象な形状であることが好ましい。なお、この規制部材は、上述した本体が断面円形以外に形成されているときは、本体の断面形状に合わせて、矩形状、多角形状などにすることができる。
また、規制部材を本体部と異なる色に着色することができる。こうすることで、規制部材を視認しやすくなる。
本発明に係る医療用複室容器は、薬剤を収納する複数の収納室、及び前記各収納室を仕切る仕切り用封止部を有する容器本体と、前記容器本体に取り付けられる上述した薬剤排出具とを備え、前記仕切り用封止部が、使用に際して前記各収納室を連通させるように開封可能に構成されており、前記所定の力は、前記仕切り用封止部の開封強度より大きくなるように構成されている。
この構成によれば、上述した薬剤排出具による効果が得られるほか、薬剤排出具が取り付けられた収納室を押圧したときに、仕切り用封止部を先に開封させることができる。そのため、仕切り用封止部が開封する前に規制状態が解除されるのを防止でき、混合前の薬剤が排出されるのを防ぐことができる。なお、「開封強度」とは、仕切り用封止部の一部でも開封し、隣接する収納室を連通させるのに必要な力をいう。
本発明に係る第1の医療用複室容器の製造方法は、薬剤を収納可能で、しかも周縁部の一部に薬剤注入口が形成された容器本体を準備する工程と、前記薬剤注入口を介して前記容器本体内に第1の薬剤を注入する工程と、前記第1の薬剤の液面より上方に、前記容器本体の内部空間を2つに仕切り、前記第1の薬剤が収納される第1収納室及び前記薬剤注入口と連通する第2収納室を形成する仕切り用封止部を設ける工程と、前記薬剤注入口を介して前記第2収納室に第2の薬剤を注入する工程と、前記薬剤注入口に、上述した薬剤排出具を挿入し、前記第2収納室に前記規制部材が突出した状態で、前記本体部を前記周縁部に固定する工程とを備えている。
また、本発明に係る第2の医療用複室容器の製造方法は、小径部及び大径部を有する管状の本体部を準備する工程と、薬剤を収納可能な容器本体を準備する工程と、前記容器本体に前記小径部を向けた状態で、前記本体部を前記容器本体に取り付ける工程と、前記本体部を介して前記容器本体内に第1の薬剤を注入する工程と、前記第1の薬剤の液面より上方に、前記容器本体の内部空間を2つに仕切り、前記第1の薬剤が収納される第1収納室及び前記本体部と連通する第2収納室を形成する仕切り用封止部を設ける工程と、前記本体部を介して前記第2収納室に第2の薬剤を注入する工程と、前記小径部に、前記大径部と第2収納室との連通を規制する規制部材を圧入し、当該規制部材を前記小径部から第2収納室へと突出させる工程と、前記本体部の他端部側を封止部材によって封止する工程とを備えている。
規制部材は、収納室内の圧力が高まることで、前記大径部側に移動して規制状態を解除するように構成されることが好ましい。
また、薬剤流入の規制状態を解除するために前記規制部材を移動させるために必要な力は、前記仕切り用封止部の開封強度よりも大きいことが好ましい。
本発明に係る薬剤排出具、医療用複室容器及びその製造方法によれば、混合前の薬剤が排出部から流出するのを確実に防止することができる。
以下、本発明に係る医療用複室容器の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は第1実施形態に係る医療用複室容器の平面図であり、図2は図1の医療用複室容器における薬剤排出具を示す要部断面図である。
図1に示すように、この医療用複室容器1は、周縁部2が融着され矩形状に形成された容器本体3と、この容器本体3に取り付けられ薬剤を排出する薬剤排出具32とを備えている。容器本体3は、長手方向に並べて配置された第1収納室10及び第2収納室11を有しており、2つの収納室10,11は仕切り用封止部20で仕切られている。上記した薬剤排出具32は、容器本体周縁部2に融着され、その一端部が第2収納室11に入り込むように取り付けられる。また、容器本体周縁部2の第1収納室10側には、吊掛孔30が形成されている。そして、各収納室10,11には、予め混合或いは溶解しておくと望ましくない各種薬剤a,bがそれぞれ収納されており、例えば、アミノ酸輸液及びブドウ糖輸液が収納される。なお、一方の収納室に固形状、或いは粉末状の薬剤を収納することもできる。
この医療用複室容器1は、2枚の平層又は複層のフィルムの周縁部を熱融着又は接着することにより形成される袋状の容器とすることができる。フィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂等、種々の樹脂を採用することができる。
或いは、容器本体3を構成するフィルムの少なくとも最内層を、相溶性に乏しく融点の異なる2種以上の熱可塑性プラスチックから構成されるものとすれば、後述するように仕切り用封止部20を容易に形成することができる。このようなプラスチックとしては、例えばスチレン系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、ポリ4−メチルペンテン、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレンから選ばれる樹脂と、ポリエチレンとを混合したものを挙げることができる。このうち、ポリエチレン及びポリプロピレンは、医療用として安全性が確認されていること、及び製造上の取り扱い方法が確立されていることから特に好ましい。両者の混合割合は特には限定されないが、一般に1:9〜9:1の範囲より選択される。
仕切り用封止部20は、種々の態様により開封可能に構成することができるが、例えば、容器本体3の対向するフィルム面を熱融着によって接着することで構成することができる。そして、この仕切り用封止部20は、収納室10,11内の圧力が高まって所定の圧力に達すると開封し、両収納室10,11が連通するように構成されている。
図2(a)に示すように、薬剤排出具32は、円管状に形成された本体部36を備え、この本体部36の一端部側(図2の上側)に第2収納室11からの薬剤の流入を規制する規制部材37が取り付けられている。一方、本体部36の他端部は、刺栓針によって開封可能なゴム栓(封止部材)39によって封止されている。
本体部36は、小径部41と大径部43とが連結することで構成されており、小径部41が収納室11側に配置されている。規制部材37は円筒状に形成され、軸方向の中間部37aの径が両端部に比べて大きくなっている。つまり、軸方向の中間点に対して対象な形状となっている。また、この中間部37aの外径は小径部41の内径よりも若干大きくなっており、初期状態では、図2(a)に示すように、規制部材37は小径部41に圧入され、中間部37aが小径部41の内壁面と係合している。これにより、本体部36の一端部は規制部材37によって液密状態で封止され、第2収納室11から本体部36内への薬剤の流入が規制される。このとき、規制部材37の一端部は、小径部41から収納室11へと突出している。
大径部43は、規制部材37よりも大きい内径を有し、その開口端部はゴム栓39によって封止されている。そして、後述するように、規制部材37が移動して小径部41との係合が解除されると、図2(b)に示すように、大径部43内に収容される。規制部材37は、突出部分が小径部41内に入り込んだときに、小径部41との係合状態が解除されるようにされている。ここで、規制部材37及び大径部43は、規制部材37が大径部43内に収容されているときに、小径部41からゴム栓39へ向かう薬剤の流れを妨げない程度の大きさにされている。
規制部材37と小径部41との係合状態を解除するために規制部材37を移動させる力は、仕切り用封止部20を開封するために必要な開封強度より大きいものとされる。なお、ここでいう開封強度とは、仕切り用封止部20の一部でも開封し、仕切り用封止部20によって仕切られている各収納室10,11を連通させるのに必要な力である。
次に、上記のように構成された医療用複室容器の使用方法について説明する。容器1内の薬剤を患者に投与するためには、まず、液状薬剤bを収納した第2収納室11を手で押さえる等して押圧し、収納室11内の圧力を高める。これにより、仕切り用封止部20が開封して第1及び第2収納室10,11が連通し、各収納室10,11内の薬剤a,bが混合される。上述したように、仕切り用封止部20の開封強度は、規制部材37と小径部41との係合状態を解除するための力よりも小さいため、仕切り用封止部20が開封しても、規制部材37と小径部41との係合状態は解除されず、薬剤は本体部内に流入しない。
続いて、連通した第1及び第2収納室10,11全体を押圧して圧力を高め、規制部材37を移動させる。すなわち、収納室10,11の圧力が高まると、混合した薬剤によって規制部材37が押圧され、大径部43側に移動する。こうして、規制部材37が大径部43内に入ると、小径部41の封止状態が解除されるため、第2収納室11と大径部43が連通し、混合された薬剤が小径部41の開口から本体部36内に流入する。この後、導管を接続した刺栓針をゴム栓39に刺入すれば、容器1内の混合薬剤は、薬剤排出具32から導管を経て患者に投与される。
なお、収納室10,11を押圧したときに規制部材37が移動しない場合には、手で規制部材37を本体部36内に押し込んで小径部41との係合状態を解除する。図1に示すように、規制部材37は本体部36から第2収納室11側へ突出しているため、容器本体3を構成するフィルムの上から規制部材37を押し込むことができる。このとき、フィルムは軟らかいため、規制部材37の押し込み操作の妨げになることはない。
以上のように本実施形態によれば、規制部材37により、第2収納室11と薬剤排出具32との連通が規制されているため、例えば仕切り用封止部20を開封する前に、誤ってゴム栓39に刺栓針を刺入した場合であっても、第2収納室11内の混合前の薬剤が排出具32から排出されるのが防止される。この場合、刺栓針を刺入しても薬剤排出具32からは薬剤が排出されないため、使用者は、このことにより規制部材37を押し込んでおらず、また仕切り用封止部20が開封していないことを認識することができる。したがって、薬剤排出具32にこのような規制部材37を設けることにより、適切な使用方法、つまり仕切り用封止部20の開封、及び規制部材37の押し込み後に、刺栓針を刺入するという正しい順序での使用を喚起することができる。
また、上記のような規制部材37を薬剤排出具32に設けておけば、従来例のような混合前の薬剤の排出を規制する機構を容器本体3側に設けなくてもよい。したがって、このような薬剤排出具32を準備して容器本体3に取り付けるようにすれば、複室容器1の製造設備の簡素化、製造時間の短縮化を図ることができる。
さらに、規制部材37は、本体部36から第2収納室11側へ突出しているため、収納室10,11を押圧したときに規制部材37が移動しない場合には、手で規制部材37を押し込むことができる。そのため、次のような利点がある。すなわち、規制部材37と小径部41とは、収納室10,11の圧力が高まり、仕切り用封止部20の開封強度よりも大きい力が作用したときに係合状態が解除するように調整されることが好ましいが、仮に規制部材37が移動しない場合には、手で押し込むことで、係合状態を解除することができる。そのため、製造時に規制部材37を圧入する際には、必ずしも上記のように正確に調整する必要はなく、多少強く圧入しても手で押し込める程度であれば、使用時には差し支えない。したがって、複室容器の製造を容易にすることができる。
また、規制部材37は軸方向の中間点に対して対象な形状をしているため、軸方向のいずれの端部から本体部36に挿入しても同様の効果を得ることができる。規制部材37は、本体部36とは異なる色に着色することもできる。こうすることで、規制部材37が視認しやすくなり、操作の効率が向上する。
次に、この複室容器の製造方法の一例について図3を参照しつつ説明する。まず、2枚のフィルムの周縁を強く熱融着して容器本体3を形成する(図3(a))。このとき、周縁部2の一端に薬剤を注入するための薬剤注入口2aを形成しておく。次に、薬剤注入口2aを通じて容器本体3内に一方の薬剤(第1の薬剤)を注入する(図3(b))。この薬剤は薬剤注入口2aとは反対側の第1収納室10が形成される位置に溜まる。続いて、容器本体3の中間部、つまり先に注入された薬剤の液面より上方において、フィルム同士を熱融着して仕切り用封止部20を形成する(図3(c))。これにより、容器本体3に第1収納室10と第2収納室11とが形成され、先に注入された薬剤が第1収納室10に密閉される。
そして、薬剤注入口2aを通じてもう一つの薬剤(第2の薬剤)を第2収納室に注入する(図3(d))。これに続いて、上述した薬剤排出具を薬剤注入口2aに挿入した後、フィルムと薬剤排出具32とを熱融着し周縁部2に薬剤排出具32を固定する(図3(e))。こうして、複室容器が完成する。
また、次のような方法で形成することもできる。図4に示すように、まず、2枚のフィルムの間に薬剤排出具32の本体部36を挟んだ状態で、フィルムの周縁を強く熱融着する。これにより、容器本体周縁部2が形成されるとともに、本体部36が容器本体3に連結される(図4(a))。次に、本体部36を通じて容器本体3内に一方の薬剤を注入する(図4(b))。続いて、容器本体3の中間部、つまり先に注入された薬剤の液面より上方において、フィルム同士を熱融着して仕切り用封止部20を形成する(図4(c))。これにより、容器本体3に第1収納室10と第2収納室11とが形成され、先に注入された薬剤が第1収納室10に密閉される。
そして、本体部36を通じてもう一つの薬剤を第2収納室に注入する(図4(d))。これに続いて、本体部36の大径部43から規制部材37を挿入し、規制部材37の端部が本体部36から突出するまで小径部43に圧入する(図4(e))。最後に、大径部43にゴム栓39を取り付けると、複室容器が完成する。
上述したいずれの方法であっても、規制部材37を圧入する際の力を必ずしも正確に調整する必要はなく、使用時に手で押し込めるのであれば、差し支えない。したがって、微妙な力の調整が不要であるため、複室容器の製造を容易にすることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、小径部41と大径部43とを連結することで本体部36を構成し、連結部分に段部を有する構造にしているが、これに限定されるものではなく、薬剤の流入する規制状態から規制部材37が押し込まれたときに、収納室10,11と本体部36とが連通する構造になっていればよい。例えば、本体部36を収納室側からゴム栓側にいくにしたがって漸進的に内径が増大するように構成にすることもできる。また、規制部材37も必ずしも軸方向に対象な形状でなくてもよく、本体部36の小径部41に圧入できる形状であれば限定されない。例えば、角柱型に形成し、本体部36もこれに対応するような形状にすることもできる。
上記実施形態では、規制部材37が移動するための圧力が、仕切り用封止部20を開封するための圧力よりも大きくなるようにしているが、仕切り用封止部を開封するための圧力と等しい圧力により、規制部材37が移動するように構成することもできる。
また、上記各実施形態では、薬剤排出具32の他端部の封止をゴム栓39によって行っているが、使用に際して開封できるものであれば、特には限定されない。
また、上記各実施形態の医療用複室容器では、2種類の薬剤を混合可能に構成されているが、これに限定されるものではなく、3以上の収納室を備えるようにすることもできる。
上記実施形態の容器本体では、本発明の仕切り用封止部をフィルム面の融着による封止部として構成しているが、これに限定されるものではなく、所定の外力が作用したときに開封するように構成されていればよい。例えば、フィルム面に設けた凸条と凹状との凹凸嵌合により仕切り用封止部を構成することもできる。
また、上記実施形態では、薬剤排出具32を容器本体周縁部2に熱融着によって取り付けているが、容器本体3を構成する材料によっては、高周波溶着、超音波シール等の方法を使用することもできる。なお、これ以外の方法であっても、容器本体3の収納室11と薬剤排出具32とが液密状態で接続されていれば、その接続方法は特には限定されない。
本発明に係る医療用複室容器の一実施形態の平面図である。 図1の医療用複室容器に係る薬剤排出具の要部断面図である。 図1の医療用複室容器の製造方法の一例を示す図である。 図1の医療用複室容器の製造方法の他の例を示す図である。
符号の説明
1 医療用複室容器
3 容器本体
10,11 収納室
20 仕切り用封止部
32 薬剤排出具
36 本体部
37 規制部材
39 ゴム栓(封止部材)
41 小径部
43 大径部

Claims (10)

  1. 薬剤を収納する複数の収納室と、前記各収納室間を仕切る仕切り用封止部とを有する容器本体を備え、使用に際して前記仕切り用封止部が開封される医療用複室容器に取り付けられ、前記容器本体内の薬剤を排出可能な薬剤排出具であって、
    管状に形成され、その一端部をいずれかの収納室に取付可能な本体部と、
    前記本体部の他端部側を封止し使用に際して開封可能な封止部材と、
    前記本体部の一端部側を封止し、前記収納室からの薬剤の流入を規制する規制部材と、を備え、
    前記規制部材は、前記容器本体の外部から手で押し込めるように、前記本体部の一端部から突出しており、
    前記手の力によって当該規制部材が前記本体部内に入り込んだときに薬剤流入の規制状態が解除され、収納室から前記本体部内への薬剤の流入を可能にする薬剤排出具。
  2. 前記本体部は、収納室に取り付けられる小径部と、これに連結される大径部とを有し、
    前記規制部材は、収納室側に突出するように前記小径部に圧入されることで前記規制状態を形成し、前記手の力によって前記大径部に移動することで前記規制状態が解除される、請求項1に記載の薬剤排出具。
  3. 前記規制部材は、円筒状に形成され、軸方向の中間点について対象な形状である、請求項1または2に記載の薬剤排出具。
  4. 前記規制部材は前記本体部とは異なる色に着色されている、請求項1から3のいずれかに記載の薬剤排出具。
  5. 薬剤を収納する複数の収納室、及び前記各収納室を仕切る仕切り用封止部を有する容器本体と、
    前記容器本体に取り付けられる請求項1から4のいずれかに記載の薬剤排出具と、を備え、
    前記仕切り用封止部が、使用に際して前記各収納室を連通させるように開封可能に構成されている、医療用複室容器。
  6. 薬剤を収納可能で、しかも周縁部の一部に薬剤注入口が形成された容器本体を準備する工程と、
    前記薬剤注入口を介して前記容器本体内に第1の薬剤を注入する工程と、
    前記第1の薬剤の液面より上方に、前記容器本体の内部空間を2つに仕切り、前記第1の薬剤が収納される第1収納室及び前記薬剤注入口と連通する第2収納室を形成する仕切り用封止部を設ける工程と、
    前記薬剤注入口を介して前記第2収納室に第2の薬剤を注入する工程と、
    前記薬剤注入口に、請求項1から4のいずれかに記載の薬剤排出具を挿入し、前記第2収納室に前記規制部材が突出した状態で、前記本体部を前記周縁部に固定する工程と
    を備えている医療用複室容器の製造方法。
  7. 小径部及び大径部を有する管状の本体部を準備する工程と、
    薬剤を収納可能な容器本体を準備する工程と、
    前記容器本体に前記小径部を向けた状態で、前記本体部を前記容器本体に取り付ける工程と、
    前記本体部を介して前記容器本体内に第1の薬剤を注入する工程と、
    前記第1の薬剤の液面より上方に、前記容器本体の内部空間を2つに仕切り、前記第1の薬剤が収納される第1収納室及び前記本体部と連通する第2収納室を形成する仕切り用封止部を設ける工程と、
    前記本体部を介して前記第2収納室に第2の薬剤を注入する工程と、
    前記小径部に、前記大径部と第2収納室との連通を規制する規制部材を圧入し、当該規制部材を前記小径部から第2収納室へと突出させる工程と、
    前記本体部の他端部側を封止部材によって封止する工程と
    を備え、
    前記規制部材は、前記仕切り用封止部が開封された後に、前記容器本体の外部から手で押し込まれることで、前記小径部との係合状態が解除され、前記仕切り用封止部が開封された容器本体内から前記本体部内への薬剤の流入を可能にするように構成されている、医療用複室容器の製造方法。
  8. 前記規制部材は、前記仕切り用封止部が開封された容器本体内の圧力が高まることで、前記本体部の他端側に移動して薬剤流入の規制状態を解除する、請求項に記載の医療用複室容器の製造方法。
  9. 前記規制部材は、前記仕切り用封止部が開封された容器本体内の圧力が高まることで、前記大径部側に移動して薬剤流入の規制状態を解除する、請求項に記載の医療用複室容器の製造方法。
  10. 前記規制状態を解除するために前記規制部材を移動させるために必要な力は、前記仕切り用封止部の開封強度よりも大きい、請求項8又は9に記載の医療用複室容器の製造方法。
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