[go: up one dir, main page]

JP4749072B2 - ウェハ保持体 - Google Patents

ウェハ保持体 Download PDF

Info

Publication number
JP4749072B2
JP4749072B2 JP2005216359A JP2005216359A JP4749072B2 JP 4749072 B2 JP4749072 B2 JP 4749072B2 JP 2005216359 A JP2005216359 A JP 2005216359A JP 2005216359 A JP2005216359 A JP 2005216359A JP 4749072 B2 JP4749072 B2 JP 4749072B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wafer
region
intervening layer
temperature
mounting surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2005216359A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007035878A (ja
Inventor
徹 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2005216359A priority Critical patent/JP4749072B2/ja
Publication of JP2007035878A publication Critical patent/JP2007035878A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4749072B2 publication Critical patent/JP4749072B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Description

本発明は、シリコン基板等の半導体ウェハや液晶基板等といったウェハを保持するウェハ保持体に関し、特に、半導体ウェハを保持しながら加熱する機能を有したウェハ保持体、あるいはウェハを静電吸着する機能を備えたヒータ付の静電チャックに関するものである。
従来、半導体の製造工程において、半導体ウェハへの露光処理や、PVD,CVD,スパッタリング等による成膜処理や、プラズマエッチングや光エッチング等によるエッチング処理や、ダイシング処理では、いずれもウェハを精度良く保持するためウェハ保持体が用いられている。
そして、このウェハ保持体は減圧下で使用されることが多く、成膜処理では成膜時の反応ガスによりウェハが加熱され、また、エッチング処理ではプラズマエッチングガスや光励起エッチング時の紫外線や可視光によりウェハが加熱されることから、ウェハの表面温度が高くならない様にウェハに加えられた熱をウェハ保持体によって効率良く逃がす必要があった。
そこで、ウェハの熱を効率良く逃がすために、冷却機能を有するベース部材を備えたウェハ保持体を用いることが提案されている。
例えば、図15に断面図で示すウェハ保持体100は、円板状をした板状セラミック体2の一方の主面をウェハを載せるウェハ載置面3とし、板状セラミック体2の中に静電吸着用電極9を埋設した静電チャック部のウェハ載置面3と反対側ベース部材4とが介在層60を介して接着されたもので、ベース部材4の冷却通路5に冷却ガスや冷却水を流してベース部材4を冷やすことで、ウェハ載置面3に吸着保持した不図示のウェハに与えられた熱を逃がすようになっている。
また、図14に断面図で示すように、特許文献1に開示されたウェハ保持体100は、円板状をした板状セラミック体2の一方の主面をウェハを載せるウェハ載置面3とし、他方の主面に静電吸着用電極9を備えた静電チャック部と、この静電チャック部のウェハ載置面3と反対側ベース部材4とが介在層60を介して接着されている。そして、ベース部材4に形成された冷却通路5に冷却ガスや冷却水を流してベース部材4を冷やすことで、ウェハ保持体100に吸着保持した不図示のウェハに加えられた熱を逃がすようになっている。
ところで、ウェハの表面全体に均質な膜を形成したり、レジスト膜の加熱による反応硬化状態を均質にしたりするためには、ウェハの表面の温度を均一にすることが要求されている。
一方、ウェハとウェハ載置面3とが直接接したり近接していることから、ウェハ面内の温度分布は、ウェハ載置面3の面内温度と高い相関関係を有している。この点から、ウェハ保持体のウェハ載置面3の表面の温度が均一であることが重要である。
特開2003−224180号公報
しかし、特許文献1に記載の従来のウェハ保持体100は、プラズマ等によりウェハが急速に加熱された場合、ベース部材4へ熱を速やかに逃がすことは可能であるが、ウェハの表面およびウェハ載置面3の表面の温度差が大きく、ウェハの面内の温度を一定の温度(例えば60℃)に、精度良く均一に保つことが困難であった。そして、ウェハの面内の温度が均一でないことからウェハの中の一部分の半導体素子が不良となり、半導体素子の歩留まりが低下する虞があった。
また、従来のウェハ保持体100は、ウェハ保持体100を組み立てた後にウェハ載置面3の面内の温度差を小さく調整することができないことから、ウェハ保持体のウェハ載置面3の面内温度差が例えば3℃以下と要求が厳しくなると、ウェハ保持体100の製造歩留まりが著しく低下する虞があった。
また、ランプ加熱やプラズマ加熱等によりウェハを加熱する方式では、設定温度の高低によりウェハ面内の温度差が大きく異なる虞があった。また、ウェハの温度が80℃以上に高くなると、ウェハ載置面3の均熱性が悪く、載置面内の温度差が3℃を超える虞があった。
また、ウェハ保持体100を半導体製造装置に組み込み、ランプ加熱やプラズマ加熱等によりウェハ表面を実際に加熱してみないと、ウェハ表面およびウェハ載置面3の温度分布を確認することができないことから、ウェハ保持体100の載置面内の温度差を小さくすることが極めて困難であった。
本発明のウェハ保持体は、上面をウェハ載置面とした板状セラミック体を、該板状セラミック体を下面側から冷却するベース部材の上面に、熱伝導率の異なる領域を有する介在層を介して配置するとともに前記板状セラミック体と前記ベース部材との間に前記板状セラミック体を下面側から加熱する板状のヒータ部材を配置してなるウェハ保持体であって、前記熱伝導率の異なる領域は空隙であり、前記介材層は前記ヒータ部材と前記ベース部材との間であって周辺部に前記空隙を配置したしたことを特徴とする。
また、本発明のウェハ保持体は、上記構成において、前記ヒータ部材と前記ベース部材との間に前記介在層を配置したことを特徴とする。
また、本発明のウェハ保持体は、上記各構成において、前記介在層が接着剤からなることを特徴とする。
また、本発明のウェハ保持体は、上記各構成において、前記介在層の前記熱伝導率の異なる領域は、前記ヒータ部材による加熱時の温度分布に対して、温度が低い部分に対応させて熱伝導率の小さい領域として配置したことを特徴とする。
また、本発明のウェハ保持体は、上記各構成において、前記板状セラミック体の下面または内部に、前記ウェハ載置面にウェハを吸着するための吸着用電極を備えたことを特徴とする。
本発明のウェハ保持体は、板状セラミック体の一方の主面(上面)をウェハを載せる載置面とし、この板状セラミック体の他方の主面(下面)側に冷却用のベース部材を備え、これら板状セラミック体とベース部材との間に、熱伝導率の異なる領域を有する介在層を備えていることで、板状セラミック体とベース部材との介在層からなる界面の熱の伝わり方が異なることによって、この介在層の面内の熱伝導率を調整できることから、ベース部材から冷却媒体を介して熱を外部に放出することができるとともに、プラズマ等によるウェハの表面の部分的な過熱やウェハ表面の温度差が大きくなることを防止することができる。さらに、熱伝導率の異なる領域を有する介在層は、熱伝導率の違いによって、板状セラミック体とベース部材との界面にある介在層の各部の熱伝導率を大きくしたり小さくしたりすることで介在層の各部を通過する熱量を調整できることから、室温から100℃程度の低温領域において、ウェハの面内温度差が3℃以下と小さいウェハ保持体を提供できる。そして、このウェハ保持体を使用して製造されたウェハから切り出された半導体素子の歩留を向上させることができる。
また、ヒータ部材とベース部材との間に介在層を配置すると、この介在層を通過する熱量が大きいので熱伝導率の違いによる介在層の面内で熱の伝わり方の違いが大きくなるので、この介在層の面内における熱量の変化を大きくすることができることから載置面内のより大きな温度差を小さくすることができるようになる。
また、この介在層が接着剤からなるときには、介在層とヒータ部材やベース部材の間に不要な空隙が発生する虞がなくなり、設計通りに載置面の面内温度差が小さなウェハ保持体が得られ易い。
また、ヒータ部材による加熱時の温度分布に対して、温度が低い部分に対応させて熱伝導率の小さい領域を配置したときには、この領域からベース部材への熱の流れを低下させ、この領域に対向する載置面の温度低下を防ぐことができることからウェハ載置面の表面温度差が小さくなる。
また、ウェハ保持体においては周辺部の温度が低下し易いとの傾向があるが、ヒータ部材とベース部材との間であって周辺部に熱伝導率の小さい領域を配置したときには、周辺部からベース部材への熱の伝達量が低下し、載置面の周辺部の温度を高めることができることから載置面の面内温度差を小さくすることができる。さらに、この周辺部の熱伝導率の小さい領域が空隙であるときには、一般的には空隙の熱伝導率が非常に小さいことからより効率的に周辺からの熱の伝達量を小さくすることができる。
また、ヒータ部材による加熱時の温度分布に対して、温度が高い部分に対応させて介在層に熱伝導率の大きな領域を配置したときには、熱伝導率の大きな領域でヒータ部材からベース部材への熱が逃げ易いことから、この領域に対向するヒータ部材の温度を低下させることができ、これに対応して載置面内の温度差が小さくすることができる。
また、上記板状セラミック体の下面または内部に吸着用電極を備えたときには、ウェハと載置面との間に吸着力が働きウェハを載置面に良好に密着させることができるので載置面の温度がウェハに容易に伝わり、ウェハ面内の温度差が小さくなり好ましい。
また、本発明のウェハ保持体の製造方法によれば、上面をウェハ載置面とした板状セラミック体と、該板状セラミック体を下面側から冷却するベース部材と、前記板状セラミック体と前記ベース部材との間に配置され、前記板状セラミック体を下面側から加熱する板状のヒータ部材とを準備する工程と、前記ヒータ部材を加熱状態にして温度分布を測定する工程と、前記ヒータ部材の前記温度分布に対して温度が低い部分に対応させて熱伝導率の小さい領域を配置するかまたは温度が高い部分に対応させて熱伝導率の大きい領域を配置した介在層を介して、前記ベース部材の上面に前記ヒータ部材を配置する工程と、前記ヒータ部材の上面に介在層を介して前記板状セラミック体を配置する工程とを備えることで、温度分布に対して熱伝導率の異なる領域を配置することで載置面の面内温度差を小さくなるように調整できることから載置面の面内温度差の小さなウェハ保持体を安定して製造することができる。
以下、本発明のウェハ保持体1の実施の形態の一例として、ウェハを静電吸着する機能を備えた静電チャック10を例に説明する。
図1(a)は本発明のウェハ保持体1の実施の形態の一例を示す概略の斜視図であり、図1(b)は図1(a)のX−X線概略断面図である。
このウェハ保持体1は、板状セラミック体2とベース部材4との間に介在層6を備えている。板状セラミック体2の一方の主面(上面)はウェハを載せるウェハ載置面3としてあり、他方の主面(下面)側に介在層6を介してウェハ載置面3を冷却する冷却用のベース部材4を備えている。
本発明のウェハ保持体1において、板状セラミック体2は、上面をウェハ載置面3としており、このウェハ載置面3に不図示のウェハを高精度に保持できるように、変形が小さなヤング率が200GPa以上のセラミック焼結体で構成されている。また、ウェハ載置面3内の温度を均一に保ち易いことから、熱伝導率が50W/(m・K)以上と大きな窒化物セラミックスや炭化物セラミックス等からなることが好ましい。
また、ウェハ保持体1には、ウェハ載置面3に不図示の凹部を設けるとともにこの凹部と連通する不図示のガス供給口を設け、ウェハの下面とウェハ載置面3とで形成される空間にガス供給口からガスを充填することで、ウェハ載置面3からウェハへの熱の伝達効率を高めることもできる。
ベース部材4は、アルミニウムや超硬合金等の金属材料、あるいはそれら金属材料とセラミック材料との複合材料からなり、ベース部材4は導電性を有することが好ましい。導電性を備えたベース部材4は、ウェハ載置面3の上方にプラズマを発生させる際の電極として機能させることもできる。また、ベース部材4の内部には、冷却媒体を通す冷却通路5を備え、この冷却通路5に冷却ガスや冷却水等の冷却媒体を流すことにより、ウェハ載置面3やウェハ載置面3に載せたウェハの温度を所望の温度となるように調整することができる。
介在層6は、例えばシリコーン,ポリイミドまたはエポキシ等の樹脂接着剤、あるいはインジウム等による金属接合部材、あるいはシート状の樹脂またはロー材等からなり、介在層6の面内の一部に所望の形状や大きさの熱伝導率の異なる領域6bを備えている。
また、板状セラミック体2の他方の主面(下面)にウェハを吸着するための吸着用電極9を備えている。そして、ウェハ載置面3にウェハを載せて吸着用電極9に直流電圧を印加すると、静電気力によりウェハを強固にウェハ載置面3に吸着することができる。また、ベース部材4の冷却通路5に冷却媒体を流し、ウェハに加わった熱を冷却媒体を通して外部に排出することができる。なお、この吸着用電極9は板状セラミック体2の内部に埋設してもよい。
本発明のウェハ保持体1は、上面をウェハ載置面3とした板状セラミック体2を、この板状セラミック体2を下面側から冷却するベース部材4の上面に、熱伝導率の異なる領域6bを有する介在層6を介して配置することでウェハ載置面3やウェハ面内の温度差を小さくすることができる。その理由は、介在層6の中に熱伝導率の異なる領域6bを設けることで、領域6bからベース部材4の上面への熱の伝わり方を領域6aと異ならせることができることから、領域6bに対向するウェハ載置面3やウェハの表面へ加わる熱量が部分的に異なってもウェハ面内やウェハ載置面3内の温度差が小さくなるように熱量の流れを調整することができるからである。例えば、ウェハの表面に加わる熱が多い部分では、この部分に対向する介在層の熱伝導率を大きくして熱をベース部材4へ流れやすくすることでウェハ表面の部分的な温度上昇を防止することができる。そして、介在層6に熱伝導率の異なる領域6bを設けて板状セラミック体2とベース部材との間の介在層6の各部の熱伝導率を異ならしめることで、ウェハやウェハ載置面3の面内の温度差を小さくすることができ、好ましくは3℃以下とすることができる。
例えば、半導体製造装置用のウェハ保持体1のウェハ載置面3にウェハを載せてウェハ載置面3上でプラズマを発生させた場合に、プラズマ密度の違いにより、ウェハ面内の特定の部分が常に高温となることがある。そこで、板状セラミック体2を挟んでウェハの高温部分に対向する介在層6に熱伝導率の異なる領域6bとして熱伝導率の大きい領域を配置することで、ウェハ面内の高温部の温度を低下させ、ウェハ面内の温度差を小さくすることができる。
介在層6内に配置する領域6bや領域6aの熱伝導率は、ウェハあるいはウェハ載置面3の面内の温度差から実験的に求めたり計算から求めたりすることができる。熱伝導率の異なる領域6bとして熱伝導率の大きい領域を配置することによって、この領域6bを通じてウェハ載置面3からベース部材4へ速やかに熱を伝えてウェハ載置面3の面内温度差を小さく調整できることから、ウェハ載置面3の面内温度差を例えば3℃以下と小さくすることができる。
また、ウェハ表面の一部に温度の低い部分があり、これに対向してウェハ載置面3の面内の一部に低温となる領域が生じる場合には、温度の低い部分に対向して介在層6内に熱伝導率の異なる領域6bとして熱伝導率の小さい領域を配置することで、領域6bからベース部材4へ逃げる熱量が抑えられ、ウェハ載置面3の低温となる部分の温度の低下を抑えて温度を高めることができることから、ウェハ面内やウェハ載置面3の面内の温度差を例えば3℃以下と小さくすることができる。そして、この様なウェハ保持体1を使ってウェハに各種の加工処理を行なうと、ウェハ面内の各部に複数形成された素子間の温度差がなくなり素子間の膜質や厚み等の均一な素子が形成されるので、ウェハに作製した半導体素子の製造歩留を向上させることができて好ましい。
次に、ベース部材4に設けられた冷却通路5の形状による影響からウェハの表面温度が部分的に低温となりウェハ面内の温度差が大きくなることがあるが、これを防止してウェハの面内温度差を小さくした本発明のウェハ保持体1の実施の形態の他の例を説明する。
図2は本発明のウェハ保持体の冷却通路の概略の形状を示す概略上面図である。また、図16は従来のウェハ保持体100の概略の断面図を示す。そして、図17は従来のウェハ保持体100のウェハ載置面3の温度分布を示す概略上面図である。板状セラミック体2をウェハ載置面3側から見て、図2中に点線で示すような渦巻き状の形状をした冷却通路5を備えたベース部材4を均一な介在層60を介して固定した、図16に示す従来のウェハ保持体100のウェハ載置面3の温度分布は、図17に示すようになる。すなわち、図17の領域101の温度は60〜61.5℃と高く、領域102の温度が58.5〜60℃、そして領域103の温度が57〜58.5℃と順に温度が低くなり、冷却通路5の配置に対向して温度の低い領域が発生することがある。
一方、図3は本発明のウェハ保持体1における介在層6の一例を示す概略上面図である。そして、図4はこの介在層6を備えた本発明のウェハ保持体1のウェハ載置面3の温度分布を示す概略の上面図である。本発明における介在層6は、図3に示すように熱伝導率の小さい領域6bを冷却通路5の配置に対向して配置することで、ベース部材4の温度の低い冷却通路5の上面からより多くの熱が伝わりこの領域に対向するウェハ載置面3の温度が低下する虞があるが、この領域に対向して熱伝導率の小さい領域があると熱伝達量が低下して温度の低い冷却通路5の形状が載置面に現れることがなく、ウェハ載置面の面内温度差を図4に示すように小さくすることができる。図4に示す領域104の温度は58.5〜60℃で、領域105の温度は57〜58.5℃となり、ウェハ載置面3の面内温度差が3℃以内と小さくなって、冷却通路5の影響によるウェハ載置面3内の温度差の発生を防止することができる。
そして、ウェハ載置面3の面内温度差が3℃以下のウェハ保持体1を量産しようとすると、従来のウェハ保持体を用いた場合ではウェハ載置面内の温度差が小さくないためにその製造歩留まりが40%程度であったものが、本発明のウェハ保持体1では温度差を小さくできるので製造歩留まりが70%以上となり効率の良い量産が可能となる。
また、本発明のウェハ保持体1は、板状セラミック体2とベース部材4との間に板状セラミック体2を下面側から加熱する板状のヒータ部材8を配置することが好ましい。図5に概略断面図で示す板状のヒータ部材8を配置した本発明のウェハ保持体1は、ヒータ部材8がウェハ載置面3を加熱するための熱源であり、ウェハ載置面3を介して不図示のウェハが加熱される。本発明者は、ベース部材4を冷却しながらヒータ部材8を発熱させてウェハを加熱すると、ウェハの加熱設定温度が変わってもウェハ表面の温度分布が同じ傾向を示すことを見出した。また、ベース部材4から熱が外部に常に排出される状態でヒータ部材8から熱が供給されると、ウェハ上方からウェハが加熱されてウェハ載置面3に熱が加わっても、ウェハ表面の温度が変化し難いことが判明した。その理由は、ヒータ部材8からベース部材4へ伝わる熱量Aが大きく、ウェハ上方からウェハを介してウェハ載置面3に伝わる熱量Bが比較的小さくできることから熱量Bによるウェハ面内の温度変化が小さいからと推測できる。そこで、ヒータ部材8の単体の温度分布をあらかじめ測定してから、ヒータ部材8の温度の高い部分や低い部分に対向して介在層6中に熱伝導率の異なる領域6bを配置することで、ウェハ表面およびウェハ載置面3の面内温度差をより小さいものとすることができる。そして、ウェハ表面の上方から供給される熱量のばらつきが大きくてもウェハ面内の温度差を小さくすることができると考えられる。
具体的な例として、図6に概略上面図で示すように、ヒータ部材8の表面の温度が、領域106の温度が61.5〜63℃と高く、これと連続して領域108の温度が55.5〜57℃と低い場合には、図7に概略上面図で示す介在層6の領域6aの熱伝導率が0.53W/(m・K)に対して、領域106に対向して熱伝導率が1.06W/(m・K)と大きな領域6bと、領域108に対向して熱伝導率が0.27W/(m・K)と小さな領域6cを介在層6として配置する。そして、このような介在層6と図6に示すヒータ部材8とを図5に示すように配置したウェハ保持体1のウェハ載置面3の温度分布は、図8に概略上面図で示すように、領域102aで60〜60.75℃、領域102で58.5〜60℃、領域102bで57.75〜58.5℃となり、ウェハ載置面3の面内の温度差が3℃と小さくなり好ましいものとなった。
さらに、このヒータ部材8を設けた構成のウェハ保持体1を量産すると、ウェハ載置面3の面内温度差について3℃以下と小さな基準を設定しても、ウェハ保持体1の製造歩留まりが80%以上と高くなり優れた生産性を示すことが実証された。
また、前記ヒータ部材8と前記ベース部材4との間に熱伝導率の異なる領域を有する介在層6を配置することが好ましい。ヒータ部材8を、板状セラミック体2とベース部材4の間に備えたウェハ保持体1の例を図9に示す。このウェハ保持体1では、板状セラミック体2とヒータ部材8との間の介在層7と、ヒータ部材8とベース部材4との間の介在層6とがそれぞれ配置されている。熱伝導率の異なる領域6b,7bを有する介在層6,7として、介在層6および/または介在層7に配設することが考えられるが、ヒータ部材8の熱を強制的に逃がす面の介在層6に熱伝導率の異なる領域6bを配置することが好ましい。その理由は、領域6bと領域6aの熱伝導率の差が小さくとも、また、領域6bの熱伝導率の大きさが小さくとも、介在層6を流れる熱量が介在層7を流れる熱量より大きいことから領域6bと領域6aとの熱伝導率の差が小さくとも熱量の変化が大きくなるので、ウェハ載置面3の広い範囲の大きな温度差が小さくなるように調整することができるからである。そして、領域7aと領域7bとを設けるよりも、領域6aと領域6bとを設ける方が、介在層6は介在層7より通過する熱量が大きいことから領域7bより領域6bによるウェハ載置面3内の温度を変化させる効果が大きいので、領域6bと領域6aとの熱伝導率の違いにより、ウェハ載置面3のより大きな温度差をより小さくなるように領域6bの作用が効果的に働き、ウェハ載置面3の温度差を小さくすることができることから好ましい。
ヒータ部材8で発生した熱は、ウェハ載置面3を加熱するとともにベース部材4から熱を流出させながらウェハ載置面3の面内温度を調整している。ヒータ部材8と介在層6または介在層7との温度差が大きいほど、介在層6,7を通して流れる熱量は大きくなる。ベース部材8は通常冷却されていることから、ヒータ部材8と介在層7との間に比べ、ヒータ部材8と介在層6との間の温度差が大きくなる。そして、介在層7より介在層6を流れる熱量が大きいことから、介在層7より介在層6に熱伝導率の異なる領域6bを設けると熱量の変化が大きく、この影響でウェハ載置面3の温度変化が大きく変わると考えられる。ヒータ部材8との温度差がより大きいのは、介在層7よりも介在層6であることから、介在層6に熱伝導率の異なる領域6bを配置した方が、ウェハ載置面3内のより大きな温度差を小さくなるように調整できることから好ましい。
また、介在層6および介在層7の両方に領域6bや領域7bを備える場合もあるが、介在層6のみに備える場合に比べて領域6b,7bの配置が複雑となり調整が難しくなる虞があるとともに、ウェハ保持体1の生産コストが上昇することから、ヒータ部材8とベース部材4の間の介在層6に熱伝導率の異なる領域6bを備えることがより好ましい。
また、介在層6,7が接着剤からなることを特徴とすることが好ましい。その理由は、接着剤で介在層6,7を構成すると、板状セラミック体2やヒータ部材8、ベース部材4との密着性が良いことから、板状セラミック体2と介在層7との界面、介在層7とヒータ部材8との界面、ヒータ部材8と介在層6との界面や介在層6とベース部材4との界面に空隙が生じ難いことから、これらの界面での熱伝導率が部分的にばらつく虞がないからである。例えば、介在層6,7をシート状の樹脂で構成したウェハ保持体1に比べ、介在層6,7を接着剤で構成したウェハ保持体1のウェハ載置面3内の温度差は小さくより好ましいことが分かった。介在層6をシート状の樹脂で構成した場合には、板状セラミック体2とベース部材4に挟まれた介在層6はボルト等で機械的に固定されるが、上記板状セラミック体2あるいは上記ベース部材4と上記介在層6との界面に空隙が生じる場合があり、介在層6の面内で熱伝導率が部分的なばらつきを発生してウェハ載置面3の面内温度差が大きくなる虞があるからである。
また、介在層6の熱伝導率の異なる領域6bは、ヒータ部材8による加熱時の温度分布に対して、温度が低い部分に対応させて熱伝導率の小さい領域6bを配置することが好ましい。ヒータ部材8の低温領域に対向する領域6bを通過して、ベース部材4の上面からベース部材4に熱が伝わり上記低温領域の熱が吸収されるが、上記低温領域の温度を低下させないように上記低温領域に対向する介在層6bに熱伝導率の小さい領域6bを配置することで、上記低温領域の熱の伝達を抑えて温度を高める作用を働かせることができる。そして、ヒータ部材8をウェハ保持体1に組み込んでも低温領域がウェハ載置面3に現れることがなく、ウェハ載置面3の面内温度差を小さくできることから好ましい。
また、図11に概略断面図で示すように、本発明のウェハ保持体1の介在層6は、ヒータ部材8とベース部材4との間であって周辺部に熱伝導率の小さい領域6cを配置することが好ましい。介在層6の周辺に熱伝導率の小さい領域6cを配置した場合には、中心部に比べその効果は比較的狭い範囲に作用する。そして、周辺部の場合は、取り囲まれる範囲が中心部に比べて半分以下と狭く、外周への熱の流出が少ないため、ウェハ載置面3の温度を上げる効果がより大きくなる。そして、周辺部に熱伝導率の小さい部材を配置すると、ウェハ載置面3の温度を上昇させる効果がより大きく現れることから周辺部に領域6cを配置することがより好ましい。
また、周辺部の環状の領域の全周に熱伝導率の小さい領域6cを配置した場合には、ウェハ載置面3の周辺部全周の温度を上昇させる効果があり好ましい。これまでのウェハ保持体100は、ウェハ載置面3の周辺部はヒータ部材8やウェハの上方のプラズマの中心から距離が大きく離れてことから温度が低くなる傾向があり、ウェハ面内の温度差が大きくなる要因の一つであったが、環状に領域6cを配置することでウェハ面内の温度差を小さく改善することができる。
また、領域6cはウェハ保持体1の周辺部であるため、ベース部材4とヒータ部材8とを一体化または接着した後、あるいはベース部材4とヒータ部材8と板状セラミック体2とを一体化または接着した後に、介在層6の周辺の一部を低熱伝導部材に置き換えることができる。また、ウェハ載置面3の温度分布を確認しながらウェハ載置面3の面内温度差を小さく均一に調整することが可能であることから、ウェハの面内温度差をさらに小さく調整することができる。
また、熱伝導率の小さい領域6bが空隙6dであることが好ましい。熱伝導率の小さい領域6dを介在層6に配置する場合、ウェハ載置面3の温度差が小さくなるように領域6dを配置するのであるが、領域6dと領域6dを除く介在層6との熱伝導率の差が大きい方が温度差を調整できる範囲が大きい。介在層6としてシリコン樹脂やポリイミド樹脂を用いることが好ましいが、これらの介在層6の領域6dに配置する熱伝導率の小さい材料としては上記介在層6との熱伝導率の差が大きい空隙を領域6dに用いることで効果的に領域6dの作用を発揮することができる。特に、介在層6の周辺に空隙からなる領域6dを配置すると、形状保持機能が小さい空隙でも領域6dの形状の変化が殆どなく耐久性が優れるとともに、ウェハ載置面3の温度差を補正する作用が大きく好ましい。
また、本発明の介在層6の熱伝導率の異なる領域6bは、ヒータ部材8による加熱時の温度分布に対して、温度が高い部分に対応させて熱伝導率の大きい領域6bとして配置することが好ましい。ヒータ部材8の面内温度が高い部分に対向してウェハ載置面3に高温部分が発生する虞があるが、ウェハ載置面3の面内において高温となり易い部分に伝わるヒータ部材8からの熱量を低下させることでウェハ載置面3の面内温度差を小さくすることができる。ウェハ載置面3の温度の高い部分やヒータ部材8の温度の高い部分からの発生する熱をベース部材4へより多く伝えることでウェハ載置面3の温度の高い部分の温度を低下させる作用が働き、ウェハ載置面3の面内温度差を小さくすることができる。そしてウェハ載置面3の温度が高い部分に対向させてヒータ部材8とベース部材4との間の介在層6に熱伝導率の大きな領域6bを配置することで、ヒータ部材8からの熱をベース部材4へ流しヒータ部材8の温度を低下させることでウェハ載置面3の面内温度差を小さく一定とすることができることから好ましい。
また、本発明のウェハ保持体1は、板状セラミック体2の他方の主面または内部に、ウェハ載置面3にウェハを吸着するための吸着用電極9を備えることが好ましい。ウェハ載置面3にウェハを静電気力により吸着することでウェハ載置面3とウェハとの密着性がよくなり、ウェハ載置面3の熱がより速やかにウェハに伝えられることからウェハ載置面3の温度分布がそのままウェハ表面の温度分布に反映されてウェハ面内の温度差がより小さくなり好ましい。
次に、本発明のウェハ保持体1の製造方法について、図9に示すウェハ保持体1を例に説明する。本発明のウェハ保持体1は、上面をウェハ載置面3とした板状セラミック体2と、板状セラミック体2を下面側から冷却するベース部材4と、板状セラミック体2とベース部材4との間に配置され、板状セラミック体2を下面側から加熱する板状のヒータ部材8とを準備する工程と、ヒータ部材8を加熱状態にして温度分布を測定する工程と、ヒータ部材8の前記温度分布に対して温度が低い部分に対応させて熱伝導率の小さい領域6bを配置するかまたは温度が高い部分に対応させて熱伝導率の大きい領域6bを配置した介在層6を介して、ベース部材4の上面にヒータ部材8を配置する工程と、ヒータ部材8の上面に介在層7を介して板状セラミック体2を配置する工程とから製造することができる。
具体的には、吸着用電極9を備えた板状セラミック体2と、板状のヒータ部材8と、冷却通路5を備えたベース部材4とを準備する。次に、上記ベース部材4の表面にシリコンやエポキシ等の接着剤を、スクリーン印刷等により複数回塗布して積層し、加熱硬化させて介在層6を形成する。そして、ヒータ部材8単体で発熱させてから表面の温度分布を測定して、温度の高い部分に対向して介在層6の一部をカッターナイフ等の工具を用いて切り取る。介在層6aよりも熱伝導率の小さいシリコンやエポキシ等の接着剤、或いはシート状の樹脂等を上記切り取った部分に配置する。この部分は熱伝導率の異なる領域6bとなる。領域6bは熱伝導率の小さな部材を充填したが、ウェハ載置面3の変形等の虞がなければ空隙のままで使用することもできる。次に、介在層6の上面に介在層6aと同じシリコンやエポキシ等の接着剤をスクリーン印刷等により塗布してもよい。次に、上記介在層6の上にヒータ部材8を減圧下で接着する。減圧下で接着するのは接着界面の空隙を防ぎ、熱伝導のバラツキを防ぐためである。ヒータ部材8の上表面にシリコン接着剤を、スクリーン印刷等により均一に塗布し介在層7とする。更に、上記介在層7の上に吸着用電極9を備えた板状セラミック体2を接着してウェハ保持体1を作製することができる。
また、作製したウェハ保持体1の介在層6の周辺部を調整することでウェハ載置面3の面内温度差をさらに小さくすることができる。介在層6の周辺部を調整する方法について以下に述べる。先ず、ベース部材4の冷却通路5に冷却媒体を流しながらヒータ部材8に通電し加熱する。そして、ウェハ載置面3の温度分布をサーモビュアにて観察しながら、ウェハ載置面3の平均温度が例えば60℃になるようにヒータ部材8にかける電圧を調整する。その後、ウェハ載置面3の面内温度を測定する。ウェハ載置面3の外周部の一部が温度が低い場合には、対向する介在層6の周辺部の領域の一部分を、カッターナイフ等の工具を用いて切り取る。そして、再びウェハ載置面3の温度分布をサーモビュアにて同様に測定する。ウェハ載置面3の温度の低い部分に対向して介在層6に熱伝導率の小さい領域6c、6dを形成することでウェハ載置面3の面内温度差を小さくなるように調整することができる。
また、本実施形態では、ヒータ部材8を内在するものについて説明したが、ヒータ部材8を内在していない場合についても同様の効果が得られる。
以上、本発明の実施形態について示したが、本発明は前述した実施形態だけに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で改良や変更したものにも適用することができることは言うまでもない。
ここで、図1に示す本発明のウェハ保持体1と図15に示す従来のウェハ保持体100をそれぞれ各10個作製し実験グループNo.1とNo.2とした。そして、それぞれのウェハ載置面3の温度分布を測定した。
板状セラミック体2は、板厚が2mmで直径200mmの窒化アルミニウム質焼結体を用いた。そして、この板状セラミック体2の一方の表面にメッキ法によりNiからなる一対の吸着用電極9を形成した。また、図2のような冷却通路5を形成したアルミニウム製のベース部材4を準備した。
板状セラミック体2およびベース部材4は、実験グループNo.1,2ともに同じものを使用した。
また、熱伝導率が0.53W/(m・K)のシリコンシートAと、シリコンシートAの熱伝導率の約2分の1で、熱伝導率が0.27W/(m・K)のシリコンシートBを介在層として準備した。
実験グループNo.1の試料No.10〜19は、シリコンシートAを介在層6aとして、冷却通路5に対抗させて熱伝導率の小さなシリコンシートBを熱伝導率の小さい領域6bとして配置した。
また、実験グループNo.2の試料No.20〜29は、シリコンシートAを介在層60として配置した。
次に、作製したウェハ保持体の評価方法について説明する。
実験グループNo.1およびNo.2の各ウェハ保持体はランプ加熱によってウェハ載置面を約60℃に加熱した。その後、ベース部材4に温度30℃に制御した冷却水を流し、5秒後のウェハ載置面の温度を測定した。そして、ウェハ載置面の面内温度の最高温度から最低温度を差し引いた値を面内最大温度差とした。測定した結果を表1に示す。
Figure 0004749072
上面をウェハ載置面3とした板状セラミック体2を、この板状セラミック体2を下面側から冷却するベース部材の上面に、熱伝導率の異なる領域を有する介在層を介した実験グループNo.1は、ウェハ載置面3内の面内最大温度差の平均値が2.9℃と実験グループNo.2の3.6℃と比べ小さく、面内最大温度差が3℃以下であった試料は10個中7個であり、製造歩留まり70%と優れていることが分かった。これは、介在層6に熱伝導の異なる領域6bを配置することで、ウェハ載置面3の局部的な冷却を抑え、ウェハ載置面3の面内温度差を小さくすることができたからである。
一方、実験グループNo.2は、ウェハ載置面3内の面内最大温度差2.7〜4.7℃と大きく、3℃以下であった試料は10個中4個と少なく製造歩留まり40%と劣ることが分かった。
次に、板状セラミック体2とベース部材4とは、実施例1と同様なものを使用して板状セラミック体2とベース部材4との間にヒータ部材8を配置した。
そして、板状セラミック体2とヒータ部材8との間に介在層7を配置し、ヒータ部材8とベース部材4の間に介在層6を配置した。介在層6または介在層7のいずれかに熱伝導率の異なる領域6bと領域7bを配置した。領域6b、7bの形状は実施例1と同様に冷却通路5に沿った形状とした。また領域6bは実施例1と同様にシリコンシートBを用い、その他の介在層6aにはシリコンシートAを使用した。また、領域7bは熱伝導率が1.06W/(m・K)のシリコンシートCを用いた。
実験グループNo.3の試料No.30〜39は、図10のように介在層7に領域7bを配置し介在層6は均一な熱伝導率のシートを用いた。
また、実験グループNo.4の試料No.40〜49は、図9のように介在層6に領域6bを配置した。
そして実施例1と同様に評価した。実験した結果を表2に示す。
Figure 0004749072
実験グループNo.3は、ウェハ載置面3の面内最大温度差の平均値が2.9℃であり、面内最大温度差が3℃を越える試料は10個中8個であり製造歩留まり80%であった。この製造歩留まり80%は、実験グループNo.1の製造歩留まり70%より大きく好ましいことが分かった。
実験グループNo.4は、ウェハ載置面3の面内最大温度差の平均値が2.6℃と小さく、それが3℃以下であった試料は10個中9個でありさらに好ましいことがわかった。
実験グループNo.3に対し実験グループNo.4は、熱伝導の異なる部材を熱源であるヒータ部材8とベース部材4との間に配置したことで、ウェハ載置面3方向へ向かう熱量のコントロールが容易になり、より効率良く面内最大温度差を小さくすることができたと考えられる。
実施例1、2の介在層6,7はシリコンシートを使用したが、本実施例ではシリコンシートをシリコン接着剤に変えて実験を行った。シリコン接着剤からなる介在層6、7を使い作製したウェハ保持体1は、実験グループNo.5とした。そして、実施例2で作製した実験グループNo.4のウェハ支持体1と比較した。
実験グループNo.5の板状セラミック体2およびベース部材4は、実施例1と同様なものを使用した。試料No.50〜59は、図9に示す実験グループNo.4の場合と同様な部材の配置とした。介在層6、7は熱伝導率0.53W/(m・K)のシリコン接着剤Aを使用した。介在層の厚みは実施例1,2と同様に700μmとした。また、熱伝導率の小さい領域6bには、シリコン接着剤Aの熱伝導率の約2分の1の0.27W/(m・K)の接着剤Bを使用した。
具体的には、図2に示す冷却通路5に対向させて図3の介在層6aをシリコン接着剤Aとして介在層6bをシリコン接着剤Bとした。また、外周部についても、周辺部の環状の領域をシリコン接着剤Bと置き換えた。
評価方法は、実施例2と同様に行なった。実験した結果を表3に示す。
Figure 0004749072
実験グループNo.4の面内最大温度差の平均値は、2.6℃に対し、実験グループNo.5の面内最大温度差の平均値が2.3℃と小さく好ましいことが分かった。また、実験グループNo.4は、面内最大温度差が3℃以下である試料が10個中9個であるのに対し、実験グループNo.5は、面内最大温度差が3℃以下である試料が10個中10個の全ての試料で特性が優れていることが分かった。これは、接着剤で介在層6を構成したため、シリコンシートで構成した場合のようなシートの厚みバラツキによる空隙が介在層の境界面に生じることがないからと考えられる。
次に、あらかじめヒータ部材8単体で温度分布を測定した。そして、温度の低い部分に対向する介在層6の一部をシリコン接着剤Aからシリコン接着剤Bに置き換えた。
なお、実験グループNo.6の試料は、図9に示す実験グループNo.5の場合と同様な部材の配置とした。また、熱伝導率の異なる領域6b(シリコン接着剤B)の配置は、冷却通路とヒータ部材の温度分布を考慮してそれぞれ温度の低い部分に対向する介在層6に熱伝導率の小さい領域を配置した。
評価方法は、実施例2と同様である。実験した結果を表4に示す。
Figure 0004749072
実験グループNo.5と比べ、実験グループNo.6は、面内最大温度差の平均値が2.3℃から1.9℃と小さくなり、且つ面内最大温度差が3℃以下であった試料は10個中10個でありさらに好ましいことが分かった。これは、ヒータ部材8の温度分布をあらかじめ個別に確認しておくことで、そのヒータ部材8と組合せる介在層6中に、熱伝導の異なる領域6bを配置する位置を、一対一で対比させて、個別に温度調整できるからと考えられる。
次に、実施例4で作製した実験グループNo.6と同様にウェハ保持体1を作製した。そして、ウェハ保持体1の冷却通路に冷却水を流し、ヒータに通電して加熱し、ウェハ載置面3の温度分布をサーモビュアで測定した。そして、ウェハ載置面3の温度の低い周辺部の一部の介在層を外周側から切り取り、そこへ更に熱伝導の低いシリコン接着剤C(熱伝導率0.14W/(m・K)、)を図11のように熱伝導の異なる領域6cとして埋め込んだ。その大きさは、中心方向に0.2〜1mmの深さとした。
なお、板状セラミック体2およびベース部材4は、実施例1と同様なものを使用した。
評価方法は、実施例2と同様に行なった。その結果を表5に示す。
Figure 0004749072
実験グループNo.6のウェハ載置面3の面内最大温度差の平均値が1.9℃に比べ、実験グループNo.7のそれは、1.6℃と小さく優れていることが分かった。また、何れの試料も面内最大温度差は3℃以下であり製造歩留まりが100%であり優れていた。これは、ウェハ載置面3の温度分布を確認しながら、介在層6中に熱伝導率の異なる領域6cを配置できたからと考えられる。
次に、実施例4の実験グループNo.6と同様にウェハ保持体1を作製した。そして、実施例5と同様に、作製したウェハ保持体1のウェハ載置面3の温度を測定した。そして、ウェハ載置面3の周辺部で温度の低い部分の介在層を切り取った。そして、この切り取った部分を図12の領域6dとしてそのまま利用した。
そして実施例2と同様に評価した。その結果を表6に示す。
Figure 0004749072
図11で示すような介在層の周辺部の領域6に熱伝導率の小さい接着剤を充填した実験グループNo.7の面内最大温度差1.6℃に対し、図12に示すように介在層の周辺に空隙を設けた実験グループNo.8の試料の面内最大温度差は1.4℃と最も小さく好ましいことが分かった。
(a)は本発明のウェハ保持体の実施の形態の一例を示す概略の斜視図であり、(b)はそのX−X線概略断面図である。 本発明のウェハ保持体の冷却通路の概略の形状を示す概略上面図である。 本発明の熱伝導率の異なる領域を有する介在層を示す概略上面図である。 本発明の熱伝導率の異なる領域を有する介在層を配置したウェハ載置面の温度分布を示す概略上面図である。 本発明のウェハ保持体の実施の形態の他の例を示す概略断面図である。 本発明のヒータ部材単体の温度分布を示す概略上面図である。 本発明の熱伝導率の異なる領域を有する介在層を示す概略上面図である。 本発明の熱伝導率の異なる領域を配置したウェハ載置面の温度分布示す概略上面図である。 本発明の他のウェハ保持体を示す概略断面図である。 本発明の他のウェハ保持体を示す概略断面図である。 本発明の他のウェハ保持体を示す概略断面図である。 本発明の他のウェハ保持体を示す概略断面図である。 従来のウェハ保持体を示す断面図である。 従来の他のウェハ保持体を示す断面図である。 従来の他のウェハ保持体を示す断面図である。 従来の他のウェハ保持体を示す断面図である。 従来のウェハ保持体の載置面の温度分布を示す概略上面図である。
符号の説明
1:ウェハ保持体
2:板状セラミック体
3:ウェハ載置面
4:ベース部材
5:冷却通路
6:介在層
7a:熱伝導率の異なる領域を除く部分の介在層
6b:熱伝導率の異なる領域
6c:熱伝導率の小さい領域
6d:空隙
7:介在層
7a:熱伝導率の異なる領域を除く部分の介在層
7b:熱伝導率の異なる領域
8:ヒータ部材
9:吸着用電極
60:介在層
100:ウェハ保持体

Claims (5)

  1. 上面をウェハ載置面とした板状セラミック体を、該板状セラミック体を下面側から冷却するベース部材の上面に、熱伝導率の異なる領域を有する介在層を介して配置するとともに前記板状セラミック体と前記ベース部材との間に前記板状セラミック体を下面側から加熱する板状のヒータ部材を配置してなるウェハ保持体であって、前記熱伝導率の異なる領域は空隙であり、前記介材層は前記ヒータ部材と前記ベース部材との間であって周辺部に前記空隙を配置したしたことを特徴とするウェハ保持体。
  2. 前記ヒータ部材と前記ベース部材との間に前記介在層を配置したことを特徴とする請求項に記載のウェハ保持体。
  3. 前記介在層が接着剤からなることを特徴とする請求項1または2に記載のウェハ保持体。
  4. 前記介在層の前記熱伝導率の異なる領域は、前記ヒータ部材による加熱時の温度分布に対して、温度が低い部分に対応させて熱伝導率の小さい領域として配置したことを特徴とする請求項のいずれかに記載のウェハ保持体。
  5. 前記板状セラミック体の下面または内部に、前記ウェハ載置面にウェハを吸着するための吸着用電極を備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のウェハ保持体。
JP2005216359A 2005-07-26 2005-07-26 ウェハ保持体 Expired - Lifetime JP4749072B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005216359A JP4749072B2 (ja) 2005-07-26 2005-07-26 ウェハ保持体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005216359A JP4749072B2 (ja) 2005-07-26 2005-07-26 ウェハ保持体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007035878A JP2007035878A (ja) 2007-02-08
JP4749072B2 true JP4749072B2 (ja) 2011-08-17

Family

ID=37794773

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005216359A Expired - Lifetime JP4749072B2 (ja) 2005-07-26 2005-07-26 ウェハ保持体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4749072B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016001757A (ja) * 2015-09-02 2016-01-07 新光電気工業株式会社 静電チャック
US11784067B2 (en) 2018-05-28 2023-10-10 Niterra Co., Ltd. Holding device and method for manufacturing holding device
US12027406B2 (en) 2018-05-28 2024-07-02 Niterra Co., Ltd. Method for manufacturing holding device and holding device
KR102864484B1 (ko) * 2025-01-21 2025-09-25 주식회사 엘케이엔지니어링 정전척의 온도 보정방법

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007110023A (ja) * 2005-10-17 2007-04-26 Shinko Electric Ind Co Ltd 基板保持装置
US7501605B2 (en) * 2006-08-29 2009-03-10 Lam Research Corporation Method of tuning thermal conductivity of electrostatic chuck support assembly
SG187387A1 (en) 2007-12-19 2013-02-28 Lam Res Corp Film adhesive for semiconductor vacuum processing apparatus
JP5307445B2 (ja) * 2008-04-28 2013-10-02 日本碍子株式会社 基板保持体及びその製造方法
JP5163349B2 (ja) * 2008-08-01 2013-03-13 住友大阪セメント株式会社 静電チャック装置
JP5434636B2 (ja) * 2010-01-29 2014-03-05 住友電気工業株式会社 静電チャックを備えた基板保持体
CN102456604A (zh) * 2010-10-21 2012-05-16 北京北方微电子基地设备工艺研究中心有限责任公司 卡盘及其制造方法、具有该卡盘的晶片处理设备
US10627173B2 (en) 2012-05-30 2020-04-21 Kyocera Corporation Flow path member, and heat exchanger and semiconductor manufacturing apparatus using same
JP5980147B2 (ja) 2013-03-08 2016-08-31 日本発條株式会社 基板支持装置
US10154542B2 (en) * 2015-10-19 2018-12-11 Watlow Electric Manufacturing Company Composite device with cylindrical anisotropic thermal conductivity
JP6633931B2 (ja) * 2016-02-10 2020-01-22 日本特殊陶業株式会社 保持装置および保持装置の製造方法
JP6639940B2 (ja) * 2016-02-17 2020-02-05 日本特殊陶業株式会社 保持装置および保持装置の製造方法
JP6703646B2 (ja) * 2018-05-01 2020-06-03 日本特殊陶業株式会社 保持装置の製造方法
US11152540B2 (en) * 2019-07-29 2021-10-19 Lextar Electronics Corporation Light emitting diode structure and method of manufacturing thereof
JP7108586B2 (ja) * 2019-08-16 2022-07-28 日本特殊陶業株式会社 保持装置
CN110556319B (zh) * 2019-09-10 2022-10-21 北京北方华创微电子装备有限公司 加热器、半导体加工腔室及加工设备
CN112002668B (zh) * 2020-08-26 2024-06-21 北京北方华创微电子装备有限公司 半导体工艺设备中的静电卡盘组件及半导体工艺设备
JP7683997B2 (ja) * 2021-04-30 2025-05-27 東京エレクトロン株式会社 基板支持部及び処理装置
JP7717026B2 (ja) * 2022-05-20 2025-08-01 日本特殊陶業株式会社 保持装置及び静電チャック
JP7731851B2 (ja) * 2022-06-28 2025-09-01 日本特殊陶業株式会社 保持装置
TW202435357A (zh) 2023-02-22 2024-09-01 日商Toto股份有限公司 靜電吸盤及其製造方法
TW202435361A (zh) 2023-02-22 2024-09-01 日商Toto股份有限公司 靜電吸盤及其製造方法
JP7639840B2 (ja) * 2023-02-22 2025-03-05 Toto株式会社 静電チャック及びその製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08330402A (ja) * 1995-03-30 1996-12-13 Ngk Insulators Ltd 半導体ウエハー保持装置
JPH1064983A (ja) * 1996-08-16 1998-03-06 Sony Corp ウエハステージ
JP2003258065A (ja) * 2002-02-27 2003-09-12 Kyocera Corp ウエハ載置ステージ
JP3908678B2 (ja) * 2003-02-28 2007-04-25 株式会社日立ハイテクノロジーズ ウエハ処理方法
JP4409373B2 (ja) * 2004-06-29 2010-02-03 日本碍子株式会社 基板載置装置及び基板温度調整方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016001757A (ja) * 2015-09-02 2016-01-07 新光電気工業株式会社 静電チャック
US11784067B2 (en) 2018-05-28 2023-10-10 Niterra Co., Ltd. Holding device and method for manufacturing holding device
US12027406B2 (en) 2018-05-28 2024-07-02 Niterra Co., Ltd. Method for manufacturing holding device and holding device
KR102864484B1 (ko) * 2025-01-21 2025-09-25 주식회사 엘케이엔지니어링 정전척의 온도 보정방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007035878A (ja) 2007-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4749072B2 (ja) ウェハ保持体
JP6023829B2 (ja) セラミックス−金属接合体
JP5324251B2 (ja) 基板保持装置
JP5116855B2 (ja) ウエハ加熱装置、静電チャック
JP4349952B2 (ja) ウェハ支持部材とその製造方法
US10079167B2 (en) Electrostatic chucking device
JP5823915B2 (ja) 静電チャックの製造方法
JP4409373B2 (ja) 基板載置装置及び基板温度調整方法
CN101604654B (zh) 基板支撑装置和等离子体处理设备
JP7558886B2 (ja) 保持装置
KR101814554B1 (ko) 에지전극이 내장된 정전척 및 그 제조방법
JP4666903B2 (ja) ウェハ支持部材
JP7164959B2 (ja) 保持装置、および、保持装置の製造方法
KR20150110335A (ko) 온도 조정 장치
JP2011159678A (ja) 静電チャックを備えた基板保持体
JP6639940B2 (ja) 保持装置および保持装置の製造方法
JP2003258065A (ja) ウエハ載置ステージ
JP5891332B2 (ja) 静電チャック
JP2017174987A (ja) 静電チャック装置
JP6703646B2 (ja) 保持装置の製造方法
JP4744016B2 (ja) セラミックヒータの製造方法
JP7604872B2 (ja) 静電チャック装置
JP4788575B2 (ja) 半導体製造装置用保持体
JP6642170B2 (ja) 静電チャック装置及びその製造方法
JP2021012928A (ja) 静電チャック装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110328

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110419

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110517

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4749072

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140527

Year of fee payment: 3