本発明の一実施形態について図1〜図20に基づいて説明すれば、次の通りである。以下の特定の項目で説明すること以外の構成は、必要に応じて説明を省略する場合があるが、他の項目で説明する構成と同じである。また、説明の便宜上、各項目に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
〔1.情報記録媒体の概念的構成とその記録情報(その1)〕
本発明では、情報記録媒体の所定の情報記録領域に予め記録される情報や、将来記録される予定の情報などが重要なポイントとなる。
そこで、まず、図1、図2(a)及び(b)に基づき、本発明の一実施形態である情報記録媒体の概念的な構成とその記録情報の一例について説明し、その後の図4以降で本発明の情報記録媒体の具体例を示して説明する。
なお、本発明の情報記録媒体は、複数の情報記録領域が割り当てられた、単層又は複数の、少なくとも情報を読み出すことが可能な記録層を有する情報記録媒体であれば良く、
本実施形態で説明する構造に限られないことは言うまでもない。
図1は、本発明の情報記録媒体の一実施形態である光ディスク(情報記録媒体)200の構成を概念的に示す模式図である。
ここで説明する光ディスク200や、以下で説明する光ディスク(情報記録媒体)201は、いずれも、上述したハイブリッド光情報記録媒体である。
なお、ハイブリッド光情報記録媒体は、基板上に、複数の記録層と、複数の記録層の各々を分離する中間層と、基板から最も遠い位置に設けられた透光層とを有している。
また、前記複数の記録層は、再生光によって情報を読み出すことが可能となっている。
さらに、前記複数の記録層のうち、少なくとも1層の記録層がROM層であり、その他の記録層のうち少なくとも1層が、情報を記録可能な層であるという構造を基本としている。
ここで、「情報を記録可能な層」には、追記録のみ可能な層(R層)と書き換え可能な層(RE層)とが含まれる。
なお、ここで、追記録のみ可能とは、情報読み出しは可能であり、記録において、追記録のみ可能であることを指す。
より、具体的には、図1に示すように、本実施形態の光ディスク200は、再生光入射面側から順に、透光層10、第1情報記録層(情報を読み出すことのみ可能な層,記録層)20、中間層30、第2情報記録層(情報を記録可能な層,記録層)40及び基板50が積層された構造となっている。
なお、光ディスク200の物理的構造や特性等については、後ほど詳細に説明するが、ここでは、記録層毎の各情報記録領域の割り当てや、情報記録領域毎の記録情報などについて説明する。
まず、第1情報記録層20には、第1情報記録領域(情報を読み出すことのみ可能な領域)20Aと、第3情報記録領域(第1情報記録領域,情報を読み出すことのみ可能な領域)20Bとが割り当てられる。
なお、第3情報記録領域20Bは、図1に示すように、リードインエリアの外周側、かつ光ディスク200の内周側に割り当てることが好ましいが、第3情報記録領域20Bは、第1情報記録層20の内周側から外周側までであれば、任意の位置に割り当てることができる。
次に、第2情報記録層40には、コンテンツ記録領域(第2情報記録領域)40Aと、無効化情報記録領域(第2情報記録領域)40Bとが割り当てられる。コンテンツ記録領域40Aは、いわゆるユーザ領域であり、無効化情報記録領域40Bは、図1に示すように、リードインエリアの外周側、かつ光ディスク200の内周側に割り当てられることが好ましいが、第2情報記録層40の内周側から外周側までであれば、任意の位置に割り当てることができる。
なお、光ディスク200は、記録層が2層のみとなっているが、情報記録媒体は、複数の情報記録領域が割り当てられた、3層以上の、少なくとも情報を読み出すことが可能な複数の記録層を有するものであっても良い。
また、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20B、並びに、コンテンツ記録領域40A及び無効化情報記録領域40Bの割り当てについては、単層の記録層を有する情報記録媒体の場合には、すべての情報記録領域が、単層の記録層に割り当てられていることになる。
但し、単層の記録層は、ROM領域とR又はRE領域とが存在し、ROM領域には、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20Bが割り当てられ、R又はRE領域には、コンテンツ記録領域40A及び無効化情報記録領域40Bが割り当てられることが好ましい。
一方、複数の記録層を有する情報記録媒体の場合には、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20B、並びに、コンテンツ記録領域40A及び無効化情報記録領域40Bが、それぞれ異なる記録層に割り当てられる場合、2つ又は3つの情報記録領域が単一の記録層、残りの情報記録領域が他の記録層に割り当てられる場合など様々な場合が考えられる。
但し、この場合でも、ROM領域には、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20Bが割り当てられ、R又はRE領域には、コンテンツ記録領域40A及び無効化情報記録領域40Bが割り当てられることが好ましい。
なぜなら、コンテンツ記録領域40Aは、後述する、放送により外部から取得するTV番組(2次元映像コンテンツ)Pを記録する必要があるため、R又はRE領域に割り当てる必要がある。
また、第1情報記録領域20Aを、書き込みが不可能な領域であるROM領域に割り当てることにより、後述する3D化補完情報(補完情報)に対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
さらに、光ディスク200の製造時に予め3D化補完情報を記録しておくことができるので、ユーザが何らかの手段でTV番組Pの3D化補完情報を光ディスク200に記録する必要がなく、また3D化補完情報をROM層に記録するため、TV番組Pが記録されるR層又はRE層のコンテンツ記録領域40Aの記録可能領域が削られることもない。
ROM領域の例としては、情報がエンボスプリピット列を用いて記録されている、又は情報がレーザを用いて記録されている場合が列挙できる。
これにより、メーカ側から見れば、光ディスク200の製造時に、3D化補完情報などの変更が安価及び容易にできるというメリットがある。
また、スタンパ作製時に情報の記録が可能になるので、光ディスク200作製後に情報を記録する場合やインターネット等による情報配信に比較して、安価に短時間に大量配布することが可能になる。
次に、図1に示すテーブルに基づき、光ディスク200に含まれる各情報記録領域に記録される各種情報の詳細について説明する。
なお、図1に示すテーブルの左の項目「記録領域」の上下の列は、第1情報記録層20及び第2情報記録層40に割り当てられた各情報記録領域を分類したものであり、真ん中の項目「記録情報」の上下の列は、現時点で各情報記録領域に記録されているデータを示している。
また、右の項目の「ステータス」の上下の列は、第1情報記録領域20A、コンテンツ記録領域40A、無効化情報記録領域40B、第3情報記録領域20Bのそれぞれの状態を示しており、例えば、既に何らかのデータが記録されている場合には「記録済み」と記載し、これから何らかのデータが記録される予定である場合には、どのようなデータの記録が可能となっているのかについて示している。なお、以下で説明する図3のテーブルについても同様である。
図1に示すように、ROM領域である第1情報記録領域20Aには、少なくとも、コンテンツ記録領域40Aに記録する予定の2D映像であるTV番組Pを3D化するための3D化補完情報が予め記録されている。
ここで、「3D化補完情報」の例としては、TV番組Pを擬似的に3D化するための擬似3D化情報や、TV番組Pを右目用映像又は左目用映像のいずれかとした場合の、左目用映像又は右目用映像等が例示できる。
すなわち、3D化を実現するための「3D化補完情報」は、右目用映像又は左目用映像のような実際の映像データである必要はなく、TV番組P(右目用映像又は左目用映像)に対しての差分情報でも良いし、そもそも映像データに関するものでなくても良く、2D映像の3D化を実現するための補完情報であれば良い。
ここで、「少なくとも」とは、3D化補完情報以外の情報が記録されていることもあり得ることを示すものである。
また、第2情報記録層40のコンテンツ記録領域40Aは、3D化補完情報に関連するTV番組Pを記録することが可能な領域となっている。
以上の構成によれば、コンテンツ記録領域40Aに(特定の)3D化補完情報に関連するTV番組Pを記録するだけで、簡単に2D映像によるTV番組Pを3D化した3D映像の記録が実質的に可能となる。
また、これにより、光ディスク200から、3D化補完情報及びTV番組Pを読出すことが可能となるので、2D映像によるTV番組Pを3D化した3D映像の視聴が可能となる。
さらに、2D映像によるTV番組Pを利用して3D化できるようにしているので、そのTV番組Pの放送形式を変更する必要はない。
よって、実際に放送されているTV番組Pの放送形式を変更することなく、簡単に3D化して記録したり視聴したりすることができる。
ところで、上述したように、地上デジタル放送の転送レートは、最大17Mbpsであり、転送レート全体の内訳は、本放送の転送レートが約15Mbps程度であり、データ放送の転送レートが約2Mbps程度であり、データ放送の転送レートは、本放送の約13%程度である。
よって、最大転送レートを増加させずに地上デジタル放送を3次元映像化する場合、データ放送(3D化補完情報)の転送レートを上記の約2Mbpsとすると、本放送(TV番組P)の転送レートは、約6.7Mbps以下となってしまい、本放送の画質が著しく劣化してしまうという副次的な問題点がある。
しかしながら、光ディスク200によれば、実際に放送されているTV番組Pをそのまま利用しているので、画質を劣化させることなく、簡単に3次元化して記録したり視聴したりすることができ、上述したような副次的な問題点も生じない。
ここで、「TV番組P」の例としては、NTSC方式、PAL方式、SECAM方式、HD-MAC方式、ATV方式によるTV放送、二音声多重放送、ステレオホニック音声多重放送、放送衛星(BS)若しくは通信衛星(CS)からの電波を利用した衛星放送、有線放送TV、高画質テレビジョン、高精細度テレビジョン、MUSE方式、ワンセグ、3セグ、及び地上デジタル放送などの放送番組などが例示できる。
なお、本実施形態では、2次元映像コンテンツを外部から取得する通信形態の一例として「放送」を例にとって説明するが、通信形態は、「放送」に限定されず、インターネット配信や、ケーブル通信など、有線通信、無線通信に関わらず、いずれの通信形態も本発明の範疇に含まれる。
すなわち、TV番組P以外の2次元映像コンテンツとしては、動画(音楽、音声データ、及び字幕などのテキストデータなどを含む)の他、コマ送り再生用の画像などの静止画像なども含まれる。
また、2次元映像コンテンツのデータ形式又はデータ圧縮方式の規約としては、映像に関するFlash、静止画像の圧縮に関するJPEG方式、動画の圧縮に関するMPEG方式などが例示できる。
なお、現在MPEG方式には、ビデオCDなどのメディアに使用されるMPEG1、DVDや放送メディアに使用されるMPEG2、ネットワーク配信、携帯端末向けのMPEG4などがある。
さらに、2次元映像コンテンツの配信方法としては、Bluetooth、Felica、PLC、WirelessLAN、IrDA、IrSS、及びWCDMAなどの有線又は無線通信による配信などが例示できる。
次に、図1のテーブルに示すように、ROM領域である第3情報記録領域20Bには、TV番組Pをコンテンツ記録領域40Aに予約記録するための記録予約情報(予約情報)が予め記録されていても良い。
これにより、光ディスク200の製造時に3D化補完情報に対応するTV番組Pの記録予約情報を記録しておけば、ユーザが何らかの手段でTV番組Pの記録予約情報を光ディスク200に記録する必要がない。
また、以下で説明する光ディスク200に対応する3D映像視聴システム(情報記録再生装置,情報記録装置)1を構成する情報記録再生装置(情報記録装置)1001又は情報記録再生装置(情報記録装置)1002は、TV番組Pの放送が開始されたときに、記録予約情報を用いてTV番組Pを記録できるように構成されている。
したがって、光ディスク200を情報記録再生装置1001又は情報記録再生装置1002に装填しておくだけで、ユーザの操作を必要とすることなく、TV番組Pをコンテンツ記録領域40Aに記録することが可能となる。
なお、記録予約情報は、ROM領域である第3情報記録領域20Bに記録されているので、予め記録される記録予約情報に対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
また、スタンパ作製時に情報の記録が可能になるので、光ディスク200作製後に情報を記録する場合やインターネット等による情報配信に比較して、安価に短時間に大量配布することが可能になる。
次に、図1のテーブルに示すように、R又はRE領域である第2情報記録層40の無効化情報記録領域40Bは、上述した記録予約情報に対応するTV番組Pのコンテンツ記録領域40Aへの記録の取り消しを決定するための無効化情報を記録することが可能な領域となっている。
これにより、記録予約情報により記録されるTV番組Pが、ユーザの期待に沿わない内容であった場合、その記録予約情報を無効化情報により無効にすることで、記録予約情報の予約記録に使用される記録領域を他のコンテンツの記録に転用できるようにすることができる。
よって、例えば、記録予約情報に対応するTV番組Pの放送後、記録予約情報のみが記録された、他のコンテンツの記録に転用できない記録領域を有する光ディスク200となって、完全にユーザにとって、不要な光ディスク200となってしまうことを防止することができる。
ここで、「無効化情報」とは、記録予約情報に対応するTV番組Pのコンテンツ記録領域40Aへの記録の取り消しを決定するための情報である。例えば、「無効化情報」が存在している場合には、記録予約情報に対応するTV番組Pのコンテンツ記録領域40Aへの記録の実行が行なわれないようにしたり、記録予約情報の予約記録に使用される記録領域を他のコンテンツの記録に転用できるようにしたりすることができる。
次に、図1のテーブルに示すように、ROM領域である第3情報記録領域20Bには、TV番組Pと3D化補完情報とを、3D映像として再生できるように配列して、コンテンツ記録領域40Aに記録するための3D化データ配列用情報(配列処理用情報)が予め記録されていても良い。
これにより、図2(a)及び(b)に示すように、3D化データ配列用情報を用いて、TV番組P〔右目用映像情報(放送コンテンツ,2次元映像)R1〜R4・・・〕と3D化補完情報〔左目用映像作成用補完情報(補完情報)L1〜L4・・・〕とを、3D映像として再生できるように配列して、コンテンツ記録領域40Aに記録することが可能となる。
よって、図2(b)に示すように、コンテンツ記録領域40Aに、右目用映像情報R1〜R4・・・と、左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・とを配列して記録しておけば、3D映像を再生するために、左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を光ディスク200から一端読み出して記録しておく必要がない。これにより、光ディスク200に対応する3D映像視聴システム1に付属したメモリや、ハードディスクなどの記録容量の節約が可能となる。
ここで、「配列処理」とは、例えば、図2(b)に示すように、左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・に対応させて、TV番組Pを、右目用映像情報R1〜R4・・・に分割し、特定の右目用映像情報R1とその次の右目用映像情報R2との間に右目用映像情報R1に対応する左目用映像作成用補完情報L1を挿入するようにして、右目用映像情報R1〜R4・・・と左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・とを交互に配列する処理のことである。このような処理によりTV番組Pをそのまま3次元再生可能に記録することができる。
「3D化データ配列用情報」は、右目用映像情報R1〜R4・・・と左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・とを交互に配列するときの、それぞれの記録開始位置及び記録終了位置などの、配列処理の用に供されるデータであっても良い。
また、図2(a)に示すように、右目用映像情報R1〜R4・・・の間に記録スペースE1〜E4・・・を空け、図2(b)に示すように、その記録スペースE1〜E4・・・に対応する左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を挿入して、それぞれを交互に配列する処理を行う配列処理プログラムなどであっても良い。
ここで、「3D化データ配列用情報」が、上述した配列処理の用に供されるデータである場合について説明する。
この場合、3D映像視聴システム1が「3D化データ配列用情報」、すなわち、右目用映像情報R1〜R4・・・及び左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・のそれぞれの記録開始位置及び記録終了位置などに従って、これらを、交互に配列して光ディスク200のコンテンツ記録領域40Aに記録するように構成すれば良い。
なお、3D化データ配列用情報は、ROM領域である第3情報記録領域20Bに記録されているので、予め記録される3D化データ配列用情報に対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
また、スタンパ作製時に情報の記録が可能になるので、光ディスク200作製後に情報を記録する場合やインターネット等による情報配信に比較して、安価に短時間に大量配布することが可能になる。
次に、図1のテーブルに示すように、ROM領域である第3情報記録領域20Bには、TV番組Pを3D化することが許諾されていることを示す3D化許可キー(許諾情報)が予め記録されていても良い。
この「3D化許可キー」は、具体的には、例えばテレビ放送の著作権者又は著作隣接権者等が、3D化補完情報を用いてTV番組Pの3D化を行うことを、光ディスク200のユーザに対して許諾したことを表すものである。
これにより、TV番組Pを3D化する利用許諾を、光ディスク200にあらかじめ記録されている3D化許可キーを用いて行うことにより、正当な3D化許可キーが記録されていない情報記録媒体に対するTV番組Pの3D化を不可能にすることができる。
言い換えれば、光ディスク200に予め記録されている3D化許可キーが、外部から取得するTV番組Pを3D化することが許諾されていることを示す情報、すなわち、TV番組Pの3D化をユーザに保証する情報となる。
よって、3D化許可キーが、予め第3情報記録領域20Bに記録された光ディスク200を用いてTV番組Pを3D化すれば、著作権や著作隣接権などを気にすることなく、ユーザは、安心してTV番組Pの3D化を行うことができる。
また、3D化許可キーが、予め第3情報記録領域20Bに記録された光ディスク200第1情報記録領域20Aに記録されている3D化補完情報は、確実に放送局等が製作したものであることを保証する意味もあるので、放送局等のサービス提供に応じたユーザ嗜好に合致したTV番組Pの3D化が可能となる。
なお、「正当な3D化許可キー」は、TV番組Pに付随するデータ放送に含まれていても良いし、電子番組表(EPG:Electronic Program Guide)のTV番組Pに対応する番組情報などのデータに含まれていても良い。また、TV番組紹介誌などに掲載されたTV番組Pに対応するバーコード情報などに含まれていても良い。
さらに、「正当な3D化許可キー」は、光ディスク200を販売する際に、正当な購入者のみが知り得るようにした暗号鍵であっても良い。
この場合には、後述する操作部126を介して暗号鍵がユーザによって3D映像視聴システム1に入力されたときに、光ディスク200を用いたTV番組Pの3D化を可能とする。
すなわち、これらのデータに含まれる3D化許可キーと、光ディスク200の第3情報記録領域20Bに記録されている3D化許可キーとが一致するか否かによって「3D化許可キー」が正当か否かを判断すれば良い。
ここで、「3D化」とは、TV番組Pと3D化補完情報とを、3D映像として再生したり、3D映像として再生できるように配列して、光ディスク200のコンテンツ記録領域40Aに記録したりすることである。
また、「3D化許可キー」の例としては、3D化補完情報や、3D化データ配列用情報の利用を許諾する暗号鍵や利用許諾契約に関する情報などが列挙できる。
なお、「3D化許可キー」は、TV番組の著作権者、若しくは著作隣接権者等の管理の下、光ディスク200にあらかじめ記録されるものである。したがって、ユーザが、この3D化許可キーが記録された光ディスク200を用いてTV番組Pを3D化したり、TV番組Pを3D化して記録したりする行為自体は、TV番組Pの違法利用には該当しない。
また、例えば、光ディスク200の販売価格に、3D化の許諾の対価としてユーザが支払うべき権利使用料を含めることにより、光ディスク200のユーザは、この光ディスク200の購入の際、3D化の許諾の対価を支払うことができる。また、許諾される3D化は、他の記録媒体へのダビングに関するものであっても良い。
なお、上述した例の他、ROM領域である第3情報記録領域20Bには、2D動画映像を擬似的に3D化するか、又は3Dフォトフレーム用に、2Dフォトデータを擬似的に3D化する擬似3D化処理プログラムが入っていても良い。
また、3D化許可キー、擬似3D化処理プログラムを、ROM領域である第3情報記録領域20Bに記録すれば、予め記録される3D化許可キー、擬似3D化処理プログラムに対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
また、スタンパ作製時に情報の記録が可能になるので、光ディスク200作製後に情報を記録する場合やインターネット等による情報配信に比較して、安価に短時間に大量配布することが可能になる。
〔2.情報記録媒体の概念的構成とその記録情報(その2)〕
次に、図1〜図3に基づき、光ディスク200の記録情報の他の例について説明し、その後の図4以降で本発明の情報記録媒体の具体例を示して説明する。
図3に示すテーブルの例では、第1に、ROM領域である第1情報記録領域20Aに、少なくとも、2D映像によるTV番組Pを3D化するための、圧縮された3D化補完情報を伸張するための伸張処理ソフト(伸張処理プログラム)が予め記録されている点が図1に示すテーブルの例と異なっている。
また、第2に、コンテンツ記録領域40Aが、圧縮された3D化補完情報に関連するTV番組Pを記録することが可能な領域となっている点が、図1に示すテーブルの例と異なっている。なお、伸張処理ソフトは、予め3D映像視聴システム1内に記録されていても良い。
なお、圧縮された3D化補完情報は、TV番組Pに付随するデータ放送として送信されるものとする。
以上の構成によれば、コンテンツ記録領域40Aに(特定の)TV番組Pを記録し、TV番組Pに付随する圧縮された3D化補完情報を第3情報記録領域20Bに記録されている伸張処理プログラムで伸張することにより、簡単に2D映像によるTV番組Pを3D化した3D映像の記録が実質的に可能となる。
また、これにより、光ディスク200から読み出した伸張処理プログラムにて、圧縮された3D化補完情報を伸張すると共に、光ディスク200からTV番組Pを読出すことが可能となるので、2D映像によるTV番組Pを3D化した3D映像の視聴が可能となる。
また、例えば、MPEG方式によれば、圧縮率を1/100〜1/200程度に抑えれば、画質を劣化させることなく、3D化補完情報を圧縮することができ、また、約2Mbpsの転送レートでのデータ放送も可能である。
よって、光ディスク200によれば、画質を劣化させることなく、実際に放送されているTV番組Pをそのまま利用して、簡単に3次元化して記録したり視聴したりすることができる。
なお、「圧縮方式」の例としては、主として、画素単位又は複数の画素ブロック単位でDCT変換を行って色の変化のデータ及び高周波成分などをカットして静止画像を圧縮するJPEG方式や、時間方向で動き補償処理を行って動画像を圧縮するMPEG方式などを例示することができる。MPEG方式の例としては、MPEG1,MPEG2の他、H.264,Windows,Quick Time,DivXなどの規格に採用されているMPEG4などを例示することができる。
特に、図2(b)に示す右目用映像情報R1〜R4・・・、及び左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・のように、左右の視差を利用した3D映像の場合、各右目用映像情報R1〜R4・・・と、各左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・との差分情報を用いてMPEG方式による画像圧縮を行うことが好ましい。これにより、3D映像の圧縮率を高くすることができる。
より具体的には、各右目用映像情報R1〜R4・・・及び各左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・は、フレーム内でデータ圧縮されたIピクチャと、時間的に前方向の前記Iピクチャによる動き補償を加えてデータ圧縮されたPピクチャと、時間的に前後方向の前記Iピクチャ又は前記Pピクチャによる動き補償を加えてデータ圧縮されたBピクチャとを有するデジタル映像情報で構成する。
また、例えば、左目用映像作成用補完情報L1を、画素単位又は圧縮映像の最小単位であるマクロブロック単位で、右目用映像情報R1に対する視差角により再現可能な視差角情報と、前記視差角情報で再現できない差分情報とで構成し、前記視差角情報及び前記差分情報を3D化補完情報(左目用映像作成用補完情報L1)として光ディスク200に記録する。
以上によれば、2D映像によるTV番組Pを利用して3D化できるようにしているので、そのTV番組Pの放送形式を変更する必要はない。
よって、実際に放送されているTV番組Pの放送形式を変更することなく、簡単に3D化して記録したり視聴したりすることができる。
なお、伸張処理ソフトは、書き込みが不可能な領域、すなわちROM領域である第3情報記録領域20Bに記録されているが、これにより、伸張処理ソフトに対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
また、スタンパ作製時に情報の記録が可能になるので、光ディスク200作製後に情報を記録する場合やインターネット等による情報配信に比較して、安価に短時間に大量配布することが可能になる。
次に、図3のテーブルに示すように、ROM領域である第3情報記録領域20Bには、TV番組Pと圧縮された3D化補完情報が伸張された3D化補完情報とを、3D映像として再生できるように配列して、コンテンツ記録領域40Aに記録するための3D化データ配列用情報が予め記録されていても良い。
なお、3D化データ配列用情報を、ROM領域である第3情報記録領域20Bに記録すれば、予め記録される3D化データ配列用情報に対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
また、スタンパ作製時に情報の記録が可能になるので、光ディスク200作製後に情報を記録する場合やインターネット等による情報配信に比較して、安価に短時間に大量配布することが可能になる。
さらに、前記構成によれば、3D化データ配列用情報を用いて、TV番組Pと圧縮された3D化補完情報が伸張された3D化補完情報とを、3D映像として再生できるように配列して、コンテンツ記録領域40Aに記録することが可能となる。
よって、図2(b)に示すように、コンテンツ記録領域40Aに、右目用映像情報R1〜R4・・・と、左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・とを配列して記録しておけば、3D映像を再生するために、左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を光ディスク200から一端読み出して記録しておく必要がない。これにより、光ディスク200に対応する3D映像視聴システム1に付属したメモリや、ハードディスクなどの記録容量の節約が可能となる。
次に、図3のテーブルに示すように、ROM領域である第3情報記録領域20Bには、TV番組Pをコンテンツ記録領域40Aに予約記録するための記録予約情報(予約情報)が予め記録されていても良い。
これにより、光ディスク200の製造時に圧縮された3D化補完情報に対応するTV番組Pの記録予約情報を記録しておけば、ユーザが何らかの手段でTV番組Pの記録予約情報を光ディスク200に記録する必要がない。
また、後述する3D映像視聴システム1を構成する情報記録再生装置1001又は情報記録再生装置1002は、TV番組Pの放送が開始されたときに、記録予約情報を用いてTV番組Pを記録できるように構成されている。
よって、光ディスク200を情報記録再生装置1001又は情報記録再生装置1002に装填しておくだけで、ユーザの操作を必要とすることなく、TV番組Pをコンテンツ記録領域40Aに記録することが可能となる。
なお、記録予約情報は、ROM領域である第3情報記録領域20Bに記録されているので、予め記録される記録予約情報に対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
また、スタンパ作製時に情報の記録が可能になるので、光ディスク200作製後に情報を記録する場合やインターネット等による情報配信に比較して、安価に短時間に大量配布することが可能になる。
次に、図3のテーブルに示すように、R又はRE領域である第2情報記録層40の無効化情報記録領域40Bは、上述した記録予約情報に対応するTV番組Pのコンテンツ記録領域40Aへの記録の取り消しを決定するための無効化情報を記録することが可能な領域であっても良い。
これにより、記録予約情報により記録されるTV番組Pが、ユーザの期待に沿わない内容であった場合、その記録予約情報を無効化情報により無効にすることで、記録予約情報の予約記録に使用される記録領域を他のコンテンツの記録に転用できるようにすることができる。
よって、例えば、記録予約情報に対応するTV番組Pの放送後、記録予約情報のみが記録された、他のコンテンツの記録に転用できない記録領域を有する光ディスク200となって、完全にユーザにとって、不要な光ディスク200となってしまうことを防止することができる。
次に、図3のテーブルに示すように、ROM領域である第3情報記録領域20Bには、TV番組Pを3D化することが許諾されていることを示す3D化許可キーが予め記録されていても良い。
この「3D化許可キー」は、具体的には、例えばテレビ放送の著作権者、若しくは著作隣接権者等が、3D化補完情報を用いてTV番組Pの3D化を行うことを、光ディスク200のユーザに対して許諾したことを表すものである。
これにより、TV番組Pを3D化する利用許諾を、光ディスク200に予め記録されている3D化許可キーを用いて行うことにより、正当な3D化許可キーが記録されていない情報記録媒体に対するTV番組Pの3D化を不可能にすることができる。
言い換えれば、光ディスク200に予め記録されている3D化許可キーが、外部から取得するTV番組Pを3D化することが許諾されていることを示す情報、すなわち、TV番組Pの3D化をユーザに保証する情報となる。
よって、3D化許可キーが、予め第3情報記録領域20Bに記録された光ディスク200を用いてTV番組Pを3D化すれば、著作権や著作隣接権などを気にすることなく、ユーザは、安心してTV番組Pの3D化を行うことができる。
また、3D化許可キーが、予め第3情報記録領域20Bに記録された光ディスク200第1情報記録領域20Aに記録されている3D化補完情報は、確実に放送局等が製作したものであることを保証する意味もあるので、放送局等のサービス提供に応じたユーザ嗜好に合致したTV番組Pの3D化が可能となる。
なお、上述した例の他、ROM領域である第3情報記録領域20Bには、2D動画映像を擬似的に3D化するか、又は3Dフォトフレーム用に、2Dフォトデータを擬似的に3D化する擬似3D化処理プログラムが入っていても良い。
また、3D化許可キー、擬似3D化処理プログラムを、ROM領域である第3情報記録領域20Bに記録すれば、予め記録される3D化許可キー、擬似3D化処理プログラムに対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
また、スタンパ作製時に情報の記録が可能になるので、情報記録媒体作製後に情報を記録する場合やインターネット等による情報配信に比較して、安価に短時間に大量配布することが可能になる。
〔3.情報記録媒体及び情報記録再生装置に関する基本事項〕
ここで、図4〜図12に基づき、本発明の情報記録媒体の一実施形態である光ディスク200及び光ディスク201や、光ディスク200及び光ディスク201に対応した再生システム100に関する基本事項について説明する。
まず、本発明の情報記録媒体の一実施形態であるこれらの記録媒体の具体的な構造について説明する。
図1及び図4に示すように、本実施形態の光ディスク200は、再生光入射面側から順に、透光層10、第1情報記録層20、中間層30、第2情報記録層40及び基板50が積層された構造となっている。
なお、図1は、光ディスク200の概略構成の一例を示す斜視図であり、図4は、光ディスク200の概略構成の一例を示す断面図である。
透光層10は、例えば、厚さ75μmの紫外線硬化樹脂からなる。透光層10の材料は、再生光の波長において透過率が高いものであれば良い。すなわち、透光層10は、例えばポリカーボネートフィルムと透明粘着剤とで形成されていても良い。また、透光層10の表面には、表面保護のためのハードコートが設けられていても良い。さらに、透光層10の厚さは、光ディスク200に対応する情報記録再生装置が有する光学系に応じて変更されても良い。具体的には、透光層10は、例えば0.6mmのポリカーボネ−ト基板であっても良い。
第1情報記録層20は、ROM層であり、例えば、成膜時の窒素流量により屈折率調整された厚さ15nmの窒化アルミからなる。第1情報記録層20の厚さ及び材料は、これに限られるものではなく、例えば再生光波長における第1情報記録層20の反射率の値が0.4%より大きく2.2%以下となるものであれば良い。
すなわち、第1情報記録層20は、再生光波長において透光性を有しており、前記反射率の値は、第2情報記録層40を再生するときの第2再生光ではフォーカス引き込みが不可能になる値であり、第1情報記録層20を再生するときの第1再生光ではフォーカス引き込みが可能になる値であれば良い。
具体的には、第1情報記録層20は、前記窒化アルミの他に、例えば窒化シリコン、又は、窒化アルミもしくは窒化シリコンを主成分とする誘電体からなっていても良く、多層構造であっても良い。
ここで、前記第2再生光は、第2情報記録層40等のRE層を再生するときに光ディスク200に照射されるものであり、例えば旧規格の光情報記録媒体に対応した情報記録再生装置でも照射できるものである。また、前記第1再生光は、第2再生光よりも強度が高く、第1情報記録層20を再生するときに光ディスク200(又は後述の光ディスク201)に照射されるものである。この第1再生光は、新規格の光情報記録媒体に対応した情報記録再生装置にて照射されるものである。
中間層30は、例えば、厚さ25μmの透明紫外線硬化樹脂からなる。中間層30の材料は、これに限られたものではなく、再生光の波長において透過率が高い材料であれば良い。また、中間層30の厚さも、これに限られたものではなく、各記録層(ここでは、第1情報記録層20及び第2情報記録層40)を分離でき、層間クロストークが問題にならない適度の厚さであれば良い。
なお、層間クロストークとは、再生中の記録層以外の記録層からのノイズを指す。さらに、中間層30は、多層構造であっても良い。また、中間層30の、第1情報記録層20側の面には、第1情報記録層20に形状として記録される情報に応じた凹凸からなるプリピット(図示しない)が設けられている。
第2情報記録層40は、RE層であり、図4に示すように、例えば7層の薄膜からなる。この7層の薄膜は、再生光入射側から、第1保護膜41(例えば、厚さ35nmのZnS−SiO2)、第2保護膜42(例えば、厚さ5nmのZrO)、記録層43(例えば、厚さ10nmのGeTe−Sb2Te3)、第3保護膜44(例えば、厚さ5nmのZrO)、第4保護膜45(例えば、厚さ35nmのZnS−SiO2)、第5保護膜46(例えば、厚さ5nmのZrO)、及び反射膜47(例えば、厚さ20nmのAPC(AgPdCu))が順に積層されてなる。
なお、第2情報記録層40の材料、厚さ及び層数は、これに限られるものではなく、RE層として機能するものであれば良い。
基板50は、例えば、厚さ1.1mmのポリカーボネートからなる。基板50の材料、大きさ及び厚さは、これに限られるものではなく、表面にグルーブが設けられており、前記かつ基板として使用できる程度の所定の強度があれば良い。具体的には、基板50は、例えばポリオレフィン樹脂、金属等からなっていても良い。さらに、基板50は、多層構造であっても良い。
なお、前記基板50の表面には、グルーブの他に、第2情報記録層40に形状として記録される情報に応じた凹凸からなるプリピットが設けられていても良い。この場合、第2情報記録層40のプリピットが設けられた領域は、情報の読み出しのみ可能な領域となる。すなわち、第2情報記録層40は、RE領域とROM領域とを含む構成であっても良い。但し、本発明を適用する観点からは、このROM領域の範囲はRE領域と比較してできるだけ狭い方が好ましい。
また、図5に示すように、本実施形態の別の一例である光ディスク201は、再生光入射面側から順に、透光層10、第1情報記録層20、中間層30、第3情報記録層(情報が記録可能な層、記録層)60、中間層30、第2情報記録層40及び基板50が積層された構造となっている。なお、図5は、光ディスク201の概略構成の一例を示す断面図である。
透光層10は、例えば、厚さ50μmの紫外線硬化樹脂からなる。透光層10の材料は、再生光の波長において透過率が高いものであれば良い。すなわち、透光層10は、例えばポリカーボネートフィルムと透明粘着剤とで形成されていても良い。また、透光層10の表面には、表面保護のためのハードコートが設けられていても良い。さらに、透光層10の厚さは、光ディスク201の情報記録再生装置が有する光学系に応じて変更されても良い。具体的には、透光層10は、例えば0.6mmのポリカーボネ−ト基板であっても良い。第1情報記録層20は、ROM層であり、例えば、成膜時の窒素流量により屈折率調整された厚さ15nmの窒化アルミからなる。
第1情報記録層20の厚さ及び材料は、これに限られるものではなく、例えば再生光波長における第1情報記録層20の反射率の値が0.4%より大きく2.2%以下となるものであれば良い。すなわち、第1情報記録層20は、再生光波長において透光性を有しており、前記反射率の値は、第2情報記録層40又は第3情報記録層60を再生するときの第2再生光ではフォーカス引き込みが不可能になる値であり、第1情報記録層20を再生するときの第1再生光ではフォーカス引き込みが可能になる値であれば良い。
具体的には、第1情報記録層20は、前記窒化アルミの他に、例えば窒化シリコン、又は、窒化アルミもしくは窒化シリコンを主成分とする誘電体からなっていても良く、多層構造であっても良い。
中間層30は、例えば、厚さ25μmの透明紫外線硬化樹脂からなる。中間層30の材料は、これに限られたものではなく、再生光の波長において透過率が高い材料であれば良い。また、中間層30の厚さも、これに限られたものではなく、各記録層(ここでは、第1情報記録層20、第2情報記録層40及び第3情報記録層60)を分離でき、層間クロストークが問題にならない適度の厚さであれば良い。さらに、中間層30は、多層構造であっても良い。
また、第1情報記録層20と第3情報記録層60との間に積層されている中間層30において、この中間層30の、第1情報記録層20側の面には、第1情報記録層20に形状として記録される情報に応じた凹凸からなるプリピットが設けられている。
なお、第2情報記録層40と第3情報記録層60との間に積層されている中間層30において、この中間層30の、第3情報記録層60側の面には、グルーブが設けられている。なお、中間層30には、グルーブと第3情報記録層60に形状として記録される情報に応じた凹凸からなるプリピットとが設けられていても良い。この場合、第3情報記録層60のプリピットが設けられた領域は、情報の読み出しのみ可能な領域となる。すなわち、第3情報記録層60は、RE領域とROM領域とを含む構成であっても良い。
但し、本発明を適用する観点からは、このROM領域の範囲はRE領域と比較してできるだけ狭い方が好ましい。
第2情報記録層40は、RE層であり、例えば7層の薄膜からなる。この7層の薄膜は、再生光入射側から、第1保護膜41(例えば、厚さ35nmのZnS−SiO2)、第2保護膜42(例えば、厚さ5nmのZrO)、記録層43(例えば、厚さ10nmのGeTe−Sb2Te3)、第3保護膜44(例えば、厚さ5nmのZrO)、第4保護膜45(例えば、厚さ35nmのZnS−SiO2)、第5保護膜46(例えば、厚さ5nmのZrO)、及び反射膜47(例えば、厚さ20nmのAPC(AgPdCu))が順に積層されてなる。
なお、第2情報記録層40の材料、厚さ及び層数は、これに限られるものではなく、RE層として機能するものであれば良い。
第3情報記録層60は、RE層であり、例えば、6層の薄膜からなる。この6層の薄膜は、再生光入射側から、第1保護膜61(例えば、厚さ35nmのZnS−SiO2)、第2保護膜62(例えば、厚さ5nmのZrO)、記録層63(例えば、厚さ6nmのGeTe−Sb2Te3)、第3保護膜64(例えば、厚さ5nmのZrO)、半透明膜65(例えば、厚さ20nmのAPC(AgPdCu))、及び透過率調整膜66(例えば、厚さ19nmのTiO2)が順に積層されてなる。
第3情報記録層60の材料、厚さ及び層数は、これに限られるものではなく、再生光の波長において透過率60%程度を有するRE層として機能するものであれば良い。
基板50は、例えば、厚さ1.1mmのポリカーボネートからなる。基板50の材料、大きさ及び厚さは、これに限られるものではなく、表面にグルーブが設けられており、かつ基板として使用できる程度の所定の強度があれば良い。具体的には、基板50は、例えばポリオレフィン樹脂、金属等からなっていても良い。さらに、基板50は、多層構造であっても良い。
なお、前記基板50の表面には、グルーブの他に、第2情報記録層40に形状として記録される情報に応じた凹凸からなるプリピットが設けられていても良い。この場合、第2情報記録層40のプリピットが設けられた領域は、情報の読み出しのみ可能な領域となる。すなわち、第2情報記録層40は、RE領域とROM領域とを含む構成であっても良い。
但し、本発明を適用する観点からは、このROM領域の範囲はRE領域と比較してできるだけ狭い方が好ましい。
なお、光ディスク201は、上述した構成に限られるものではなく、RE層のいずれかがR層であっても良い。
また、光ディスク200及び光ディスク201は、2層又は3層構造に限られたものではなく、さらに記録層を加えた光情報記録媒体であっても良い。
また、光ディスク200(及び光ディスク201)は、再生光波長をλ、第1情報記録層20の厚さをd、透光層10と第1情報記録層20と中間層30との屈折率を各々n0、n1、nとした場合、
が成り立つことが好ましい。なぜならば、再生光波長をλ、第1情報記録層20の厚さをd、透光層10と第1情報記録層20と中間層30の屈折率を各々n0、n1、nとした場合の第1情報記録層の再生光波長における反射率は、非特許文献1に記載されているように、前記式で表すことができるからである。
前記式によれば、第1情報記録層20の再生光波長における反射率を得るための構造が特定できる。
また、光ディスク200(及び光ディスク201)の第1情報記録層20は、屈折率が1.75より大きく2.06以下である誘電体からなることが好ましい。
通常、透光層10及び中間層30には共に屈折率1.5程度の樹脂が多く使われる。また、第1情報記録層20の膜厚は、再生耐久性と膜厚増による成膜時間の増大に伴うコストアップとを考慮した場合、約15nm程度が好適である。この実際の生産を考慮した場合に生じる前記2つの限定を考慮すると、前記非特許文献1に記載されている式から、第1情報記録層20の屈折率は、1.75より大きく2.06以下と求められる。
〔実施例〕
図4に示す光ディスク200を実施例1とし作製し、この実施例1の比較例1として、図6に示す光ディスク202を作製した。以下に、各々の構造を図4及び図6を用いて説明する。なお、図6は、実施例1として作製された光ディスク200の比較例1である光ディスク202の概略構成を示す断面図である。
実施例1である光ディスク200は、図4に示すように、再生光入射面側から順に、透光層10、第1情報記録層20、中間層30、第2情報記録層40及び基板50が積層された構造となっている。
透光層10は、厚さ75μmの紫外線硬化樹脂(再生光波長における屈折率1.50)からなる。
第1情報記録層20は、ROM層であり、成膜時の窒素流量により屈折率調整された厚さ15nmの窒化アルミ(再生光波長における屈折率2.01)からなる。第1情報記録層20を形成する窒化アルミは、スパッタ法により中間層30の表面に成膜されている。
中間層30は、厚さ25μmの透明紫外線硬化樹脂(再生光波長における屈折率1.50)からなる。また、この中間層30の、第1情報記録層20側の面には、2P法(photo polymer法)により第1情報記録層20に形状として記録される情報に応じた凹凸からなるプリピットが設けられている。ここで、2P法とは、平板と原盤との間に紫外線硬化樹脂を充填し、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させた後原盤を剥離することによって、平板上に原盤の凹凸を転写する手法を指す。
第2情報記録層40は、RE層であり、スパッタ法により7層の薄膜が積層されている。具体的には、再生光入射側から、第1保護膜41(厚さ35nmのZnS−SiO2)、第2保護膜42(厚さ5nmのZrO)、記録層43(厚さ10nmのGeTe−Sb2Te3)、第3保護膜44(厚さ5nmのZrO)、第4保護膜45(厚さ35nmのZnS−SiO2)、第5保護膜46(厚さ5nmのZrO)、及び反射膜47(厚さ20nmのAPC(AgPdCu))が順に積層されている。
基板50には、直径120mm、厚さ1.1mmである、グルーブを有するポリカーボネートの円盤状基板を使用した。
比較例1である光ディスク202は、図6に示すように、再生光入射面側から順に、透光層10、第1情報記録層(情報を読み出すことのみ可能な層,記録層)120、中間層30、第2情報記録層40及び基板50が積層された構造となっている。光ディスク202の第1情報記録層120は、従来、使用されている金属半透明膜APC(AgPdCu)からなり、厚さ5nmに成膜されたものである。その他の層(透光層10、中間層30、第2情報記録層40及び基板50)は、実施例1と同一に作製されている。
なお、第1情報記録層20及び第1情報記録層120の透過率は、実施例1の第1情報記録層20では95%、比較例1の第1情報記録層120では80%であった。また、実施例1の第1情報記録層20の再生光波長における反射率は1.8%であり、第2情報記録層40の戻り光率は13.5%であった。一方、比較例1の第1情報記録層120の再生光波長における反射率は8%であり、第2情報記録層40の戻り光率は9.6%であった。
次に、実施例1と比較例1との、再生初期における記録層数カウント時に検出されるS字特性を、BD(Blu−Ray Disc)用評価機として一般的に用いられる、波長406nmのレーザ光を出射可能な半導体レーザとN.A.(開口率)0.85の光学系とを有するディスク評価機(パルステック社製 ODU−1000)にて測定した。この測定によって得られた結果を図7(a)、図7(b)、及び図7(c)に示す。
ここで、図7(a)・図7(b)は、レーザ強度を、RE層を再生するための強度であり、かつ現状の規格化されているBD情報記録再生装置における最大再生レーザパワーである0.7mWに設定して、光ディスク200、及び202にそれぞれ照射することによって得られたS字特性を示す図である。
なお、図7(a)は、実施例1である光ディスク200に対する測定によって得られたS字特性を示し、図7(b)は、比較例1である光ディスク202に対する測定によって得られたS字特性を示す図である。また、図7(c)は、レーザ強度を、ROM層を再生するための強度である1.0mWに設定して、実施例1である光ディスク200にそれぞれ照射することによって得られたS字特性を示す図である。
図7(a)に示すように、実施例1の第1情報記録層20におけるS字特性の実測値は、186mVであり、前記ディスク評価機におけるフォーカスがかかるための基準電圧+V1(230mV)を超えていない。よって、図7(a)は、現状の規格化されているBD情報記録再生装置における最大再生レーザパワーである0.7mWのレーザ光で記録層数のカウントを行う情報記録再生装置(第1情報記録層20に対応していない旧規格対応情報記録再生装置)は、第1情報記録層20を記録層として認識できないことを示している。
このため、前記旧規格対応情報記録再生装置は、当然ながら、第1情報記録層20にフォーカスすることはできない。実際、測定時において第1情報記録層20へのフォーカスを行ったが、通常市販されている民生用ディスク情報記録再生装置に比べ様々な光情報記録媒体に対応可能な汎用性の高い前記ディスク評価機であってもフォーカスがかかることはなかった。なお、基準電圧+V1は、前記ODU−1000において、2層情報記録媒体に記録された情報を再生評価できる値として設定された値である。
一方、図7(b)に示すように、比較例1の第1情報記録層120におけるS字特性の実測値は、847mVであり、基準電圧+V1(230mV)を超えている。よって、図7(b)は、現状の規格化されているBD情報記録再生装置における最大再生レーザパワーである0.7mWのレーザ光で記録層数のカウントを行う情報記録再生装置(第1情報記録層120に対応していない旧規格対応情報記録再生装置)が、第1情報記録層120を記録層として認識できることを示している。
前記結果より、実施例1の第1情報記録層20は、比較例1と比較して、現状の規格化されているBD情報記録再生装置における最大再生レーザパワーである0.7mWのレーザ光での記録層数のカウント時において、前記旧規格対応情報記録再生装置に認識される可能性は極めて低い。すなわち、第1情報記録層20は、通常用いられている情報記録再生装置以上に汎用性の高いディスク評価機にてフォーカス不可能であるため、前記旧規格対応情報記録再生装置では実質認識できないと言える。
一方、比較例1の第1情報記録層120は、現状の規格化されているBD情報記録再生装置における最大再生レーザパワーである0.7mWのレーザ光での記録層数カウント時において、前記旧規格対応情報記録再生装置に認識される可能性が高い。これは、現時点において通常用いられている旧規格対応情報記録再生装置は、2層の記録層まで対応可能となっているためである。しかしながら、前記旧規格対応情報記録再生装置は、第1情報記録層120という未知の記録層を認識することとなるため、再生不良を引き起こす可能性がある。
また、図7(c)に示すように、実施例1の第1情報記録層20におけるS字特性の実測値は、274mVであり、基準電圧+V1(230mV)を超えている。よって、図7(c)は、第1情報記録層20を再生するための強度である1.0mWのレーザ光で記録層数のカウントを行う情報記録再生装置(第1情報記録層20に対応している新規格対応情報記録再生装置)は、第1情報記録層20を記録層として認識できることを示している。すわなち、前記新規格対応情報記録再生装置は、当然ながら第1情報記録層20にフォーカスすることができ、第1情報記録層20を再生することが可能である。実際、測定時において第1情報記録層20へのフォーカスを行い、フォーカスがかかることを確認した。
なお、図7(a)及び図7(c)に示すように、実施例1の第2情報記録層40のS字特性の実測値は、各々1438mVと2105mVとであり、共に基準電圧+V1(230mV)を超えている。このため、新旧いずれの規格に対応した情報記録再生装置(すなわち、前記旧規格対応情報記録再生装置又は新規格対応情報記録再生装置)であっても、第2情報記録層40をフォーカスすることができ、第2情報記録層40に対して、情報の記録・再生が可能となる。
以上のように、光ディスク200は、旧規格対応情報記録再生装置にて再生された場合であっても、比較例1のように前記旧規格対応情報記録再生装置に対して再生不良を生じさせることなく、第2情報記録層40への情報の記録・再生が可能となる。また、新規格対応情報記録再生装置では、第1情報記録層20に記録された情報も再生可能であるので、光ディスク200は、第2情報記録層40における記録容量の限界値を保ったまま記録容量を向上させることができたと言える。なお、光ディスク201についても、光ディスク200と同様のことが言える。
ところで、通常用いられている情報記録再生装置がフォーカスできる限界は、上述したようにS字特性に依存するので、基本的には反射光量に依存する。ここで、複数のサンプルを用いて、各再生エレーザパワーにおけるフォーカスできない反射率の上限値を、上述のディスク評価機にて測定した。このときの測定結果を図8(a)に示す。
図8(a)に示すように、現状の規格化されているBD情報記録再生装置における最大再生レーザパワーである0.7mWでは、反射率2.2%が、フォーカスできない(認識できない)反射率の上限値であることがわかる。
なお、再生レーザパワーは、BD情報記録再生装置によってばらつく可能性が高いため、実際には2割程度高いパワー(0.84mW)である場合も考えられる。この場合(再生レーザパワー0.84mW)であっても、フォーカスできない(認識できない)反射率の上限値は、図8(a)に示す結果より1.8%と求めることができた。
また、光ディスク200及び光ディスク201は、RE層(第2情報記録層40及び第3情報記録層60)を含んでいる。よって、記録層数カウント時に、RE層に対して第1情報記録層20を再生するための高いレーザパワーの再生光が集光照射される可能性がある。
ところで、記録層数カウントは、通常、リードインエリアで行われる。そこで、現在市販されている単層BD−REのリードインエリアの反射率を、前記ディスク評価機より再生レーザパワーを上げることが可能な、波長405nmのレーザ光を出射可能な半導体レーザとN.A.(開口率)0.85の光学系とを有するディスク評価機(パルステック社製 DDU−1000)にて測定した。
まず、単層BDの再生レーザパワーである0.35mWで前記リードインエリアの反射率を測定し、次に、より高い再生レーザパワーを照射した後、再度0.35mWに戻して前記リードインエリアの反射率を測定する。この測定によって、RE層の劣化(前記リードインエリアの反射率の低下)が起こる再生レーザパワーを測定した。
この結果、再生レーザパワーが3.5mWまでは反射率は変化しないが、4.0mWにて5%反射率が低下(すなわち、RE層が劣化)することがわかった。すなわち、3.5mWより高いレーザパワーで記録層数をカウントする場合、RE層のリードインエリアを劣化させる可能性がある。よって、図8(a)に示す結果より、3.5mWでフォーカスがかからない反射率の上限値を求めると0.4%であるので、第1情報記録層20の反射率は、0.4%より大きい必要があることになる。
また、光ディスク200及び光ディスク201の再生時に、衝撃によってフォーカスが外れる場合もある。その場合、第1情報記録層20を再生する再生光が、RE層(第2情報記録層40又は第3情報記録層60)の情報記録領域の情報記録部に照射される可能性がある。そこで、現在市販されている2層RE−BDの前記情報記録部に再生光を照射し、記録情報が劣化する再生レーザパワーを測定した。なお、この測定は、上述のディスク評価機(ODU−1000)で行われ、記録情報の劣化の指標としては、再生信号の品質の指標として一般に用いられるジッタを用いた。このときの測定結果を図8(b)に示す。
図8(b)に示すように、再生レーザパワーが1.2mWより高くなると、2層RE−BDの第1情報記録層(RE層)のジッタが急激に悪化する(すなわち、RE層が劣化する)ことがわかる。すなわち、RE層に記録された情報を劣化させることの無い再生レーザパワーの上限値は、1.2mWであることがわかる。
したがって、図8(a)に示す結果より、再生レーザパワー1.2mW時のフォーカスがかからない反射率の上限値は1.2%であるため、1.2%より大きい反射率であれば、再生レーザパワー1.2mW以下でフォーカスできることになる。
よって、光ディスク200及び光ディスク201の第1情報記録層20の再生光波長における反射率は、0.4%より大きく2.2%以下であれば良く、より好ましくは、1.2%より大きく1.8%以下であれば良い。
なお、前記両ディスク評価機による測定結果は、再生光波長が、青色レーザ波長の範囲であれば、変わることはない。
ところで、通常用いられている情報記録再生装置では、各記録層から検出されるS字特性の実測値が所定の基準電圧を超えると記録層が認識される。そして、前記情報記録再生装置によって記録層が認識されると、認識された記録層にフォーカスがかかり、この記録層の情報再生が可能になる。このS字特性の検出結果によって、フォーカスがかかり情報再生が可能となる理由を以下に説明する。
まず、一般的な多層光情報記録媒体を再生する再生システム(情報記録再生装置,情報記録装置)100について説明する。例えば、図10に示す4層の光ディスク400を再生する再生システム100の構成について、図9を用いて以下に説明する。
図9に示すように、再生システム100のディスク駆動モータ101は、円盤状の光ディスク400(概略的な断面構造は図10参照)を所定の速度で回転駆動させる。このディスク駆動モータ101は、モータ制御回路109によって制御されている。また、このように回転駆動している光ディスク400からの情報の読み取りは、光学ピックアップ102によって行われる。
光学ピックアップ102は、フィードモータ111の駆動力によって、光ディスク400の半径方向に移動できるように構成されている。このフィードモータ111は、フィードモータ制御回路108によって制御されている。また、フィードモータ111は、その回転速度が速度検出器112によって検出されるように構成されている。そして、速度検出器112は、検出した結果を速度信号として、フィードモータ制御回路108に供給する。
前記光学ピックアップ102は、対物レンズ102aを備えている。この対物レンズ102aは、フォーカス方向(光軸方向)とトラッキング方向(光ディスク400の半径方向)とに、それぞれ移動可能に支持されている。そして、この対物レンズ102aは、フォーカス制御回路105にて生成されたフォーカス制御信号がフォーカス駆動コイル102cに供給されることによって、フォーカス方向の位置が制御される。同様に、対物レンズ102aは、トラッキング制御回路106にて生成されたトラッキング制御信号がトラッキング駆動コイル102bに供給されることによって、トラッキング方向の位置が制御される。
また、レーザ制御回路103は、光学ピックアップ102内の半導体レーザ発振器102fを駆動し、半導体レーザ発振器102fにおいてレーザ光を発生させる。光量検出器102gは、この半導体レーザ発振器102fで発生するレーザ光の光量を検出し、この検出結果をレーザ制御回路103に帰還する。この構成により、レーザ制御回路103は、半導体レーザ発振器102fに発生させるレーザ光の光量を一定に制御することができる。
そして、この半導体レーザ発振器102fで発生したレーザ光は、コリメータレンズ102eを通過してハーフプリズム102dにて直角に折曲された後、対物レンズ102aにより、光ディスク400の何れかの記録層上に集光することになる。この光ディスク400の何れかの記録層とは、図10に示す第1情報記録層A、第2情報記録層B、第3情報記録層C又は第4情報記録層Dを指す。なお、第1情報記録層A、第2情報記録層B、第3情報記録層C、及び第4情報記録層Dは、いずれも、情報に応じて設けられた凹凸からなるプリピット上にAPC(AgPdCu)が成膜されることでAPC(AgPdCu)の形状が固定された情報の読み出しのみ可能なROM層である。
また、光ディスク400からの反射光は、対物レンズ102aを逆行し、ハーフプリズム102dを直進した後、集光レンズ102h及びシリンドリカルレンズ102iを介して、光電変換器102jに受光される。この光電変換器102jは、受光量に応じた電気信号を発生する4つのフォトディテクタ102j1〜102j4によって構成されている。この光電変換器102jの場合、フォトディテクタ102j1・102j2の並び方向及びフォトディテクタ102j3・102j4の並び方向が、光ディスク400のトラッキング方向に対応する。同様に、フォトディテクタ102j1・102j4の並び方向及びフォトディテクタ102j2・102j3の並び方向が、光ディスク400の接線方向に対応する。
前記フォトディテクタ102j1から出力された電気信号は、増幅回路114aを介して加算回路113a・113dの1端にそれぞれ供給され、前記フォトディテクタ102j2から出力された電気信号は、増幅回路114bを介して加算回路113b・113cの1端にそれぞれ供給される。また、前記フォトディテクタ102j3から出力された電気信号は、増幅回路114cを介して加算回路113a・113cの他端にそれぞれ供給され、前記フォトディテクタ102j4から出力された電気信号は、増幅回路114dを介して加算回路113b・113dの他端にそれぞれ供給されている。
前記加算回路113aの出力信号は、差動増幅回路104の反転入力端子−に供給され、前記加算回路113bの出力信号は、差動増幅回路104の非反転入力端子+に供給されている。この差動増幅回路104は、加算回路113a・113bの出力信号の差を算出することによってフォーカスエラー信号を生成し、フォーカス制御回路105に供給している。このフォーカス制御回路105は、入力されたフォーカスエラー信号が0レベルとなるようにフォーカス駆動コイル102cに与えるフォーカス制御信号を生成し、対物レンズ102aに対するフォーカスサーボが行われる。
ここで、差動増幅回路104から出力されるフォーカスエラー信号は、対物レンズ102aによるレーザ光の集光位置を、その初期位置からフォーカス方向に順次移動させてフォーカスサーチ処理(すなわち、記録層数をカウントする処理)が行われた場合、図11(a)に示すように、S字特性を描く。
具体的には、前記フォーカスサーチ処理が行われた場合、フォーカスエラー信号は、対物レンズ102aによるレーザ光の焦点位置が、図10に示す各記録層(第1情報記録層A、第4情報記録層D、第3情報記録層C及び第2情報記録層B)を通過する毎に、図11(a)に示すようなS字特性を描く。なお、前記初期位置とは、対物レンズ102aのフォーカス前の位置であり、通常、図9においては、光ディスク400の第1情報記録層Aの下方であって、光ディスク400から光軸方向に最も離れた位置を指す。
例えば、光ディスク400の再生開始時には、再生システム100は、最初に、光学ピックアップ102内の半導体レーザ発振器102fにて、単層光情報記録媒体に対応した再生光を発生させる。
次に、対物レンズ102aによるレーザ光の集光位置を、前記初期位置から図9においては上方に、駆動上限位置まで移動させる。そして、再生システム100は、フォーカスエラー信号が所定の基準電圧+V0を越えた回数をカウントすることにより、光ディスク400の記録層数を認識する。
その後、再生システム100は、光ディスク400が有する記録層数に基づいて定められた再生光パワーを変更する。そして、再生システム100は、変更された再生光パワーにて、対物レンズ102aによるレーザ光の集光位置を、駆動上限位置から図9においては下方に、初期位置まで移動させる。そのときに、最初にフォーカスサーチ処理される記録層から検出されるフォーカスエラー信号の電圧値が、適切な値となるようフォーカス制御回路105等に含まれる増幅器のゲインを変更する。
そして、例えば、第2情報記録層Bにフォーカスサーチ処理する場合、再生システム100は、フォーカスエラー信号が所定の基準電圧+V0を越えた回数をカウントし、4回目となった後、最初に0レベル(フォーカスサーボ動作の中心レベル)となった時点でフォーカスサーボをON状態とする。これにより、再生システム100における第2情報記録層Bに対するフォーカスサーチ処理が終了される。
なお、図11(b)及び(c)は、再生システム100によって上述の第2情報記録層40にフォーカスサーチ処理が行われたときの対物レンズ位置の遷移とフォーカスエラー信号とを示す図であり、同図(b)は、対物レンズ位置の遷移を示す図であり、同図(c)は、フォーカスエラー信号を示すものである。
また、例えば、第4情報記録層Dから第2情報記録層Bにレイヤージャンプする場合、再生システム100は、フォーカスサーボを一旦OFF状態にし、第4情報記録層Dから第2情報記録層40に対物レンズ102aによるレーザ光の焦点位置を順次移動させる。そして、再生システム100は、差動増幅回路104から出力されるフォーカスエラー信号が所定の基準電圧+V0を越えた回数をカウントし、2回目となった後、最初に0レベル(フォーカスサーボ動作の中心レベル)となった時点でフォーカスサーボをON状態とする。これにより、レイヤージャンプ処理が終了する。なお、レイヤージャンプ処理については、フォーカスサーチ処理とほぼ同じ処理のため図示していない。
また、これらのフォーカスサーチ処理が行われたとき、位相差検出回路107は、光電変換器102jのフォトディテクタ102j1・102j4の出力信号の和と、フォトディテクタ102j2・102j3の出力信号の和との位相差が検出する。そして、位相差検出回路107は、この検出結果をトラッキングエラー信号としてトラッキング制御回路106に供給する。
このトラッキング制御回路106は、入力されたトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング駆動コイル102bに与えるトラッキング制御信号を生成し、対物レンズ102aに対してトラッキングサーボを施す。そして、再生システム100では、このトラッキングサーボが行われている状態で光ディスク400の再生が行われる。そして、加算回路113c・113dから出力された電気信号が加算回路113eで合計され、データ再生回路(データ再生制御手段)110でデジタル信号に変換される。
なお、前記再生システム100のレーザ制御回路103、フォーカス制御回路105、トラッキング制御回路106、モータ制御回路109及びデータ再生回路110は、制御部115によって制御されている。制御部115に付属するメモリ(図9には不図示:以下で説明する図13及び図14のメモリ116に相当)には、再生システム100に装填される光ディスク400の記録・再生に関する情報が記憶されている。制御部115は、この情報に従って前記各回路を制御することとなる。
また、記録層からの反射率が大きくなると、再生システム100のフォーカスエラー信号の電圧値も大きくなる。
ここで、一般的な多層光情報記録媒体(ここでは、光ディスク400)を再生する再生システム100における処理の流れを説明する。図12は、前記多層光情報記録媒体を再生する再生システム100における処理の流れを示すフローチャートである。
まず、再生システム100に光ディスク400を装填後、ディスク駆動モータ101により、光ディスク400を所定回転数で回転させる(S1)。次いで、制御部115は、光ディスク400のリードインエリアに対向する位置に、光学ピックアップ102を移動し、所望のレイヤーにフォーカスサーチ処理する(S2)。このレイヤーとは、光ディスク400においては、第1情報記録層A、第2情報記録層B、第3情報記録層C及び第4情報記録層Dの何れかを指す。そして、トラッキング制御回路106がトラッキング処理を行い(S3)、再生システム100による情報再生処理が行われる(S4)。
以上のように、前記再生システム100において、記録層の認識と各記録層へのフォーカスとは、全て各記録層から得られるS字特性に基づいて行われていることがわかる。したがって、前記のような多層光情報記録媒体の再生システム100が情報記録再生装置に用いられているので、この情報記録再生装置は、各記録層のS字特性を測定することによって、記録層の認識の有無及び再生の可否を判断することができる。
〔4.本発明の一実施形態としての情報記録媒体〕
以上の説明で、本発明が適用される情報記録媒体及び情報記録再生装置の基本事項についての説明が終わった。
そこで、次に、図1〜5に基づき、本発明を光ディスク200、光ディスク201に適用する場合について説明する。
まず、光ディスク200については、図4に示すように、再生光入射面側から順に、透光層10、第1情報記録層20、中間層30、第2情報記録層40及び基板50が積層された構造となっている。
また、図1に示すように、第1情報記録層20には、ROM領域である第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20Bが割り当てられ、第2情報記録層40には、R又はRE領域であるコンテンツ記録領域40A及び無効化情報記録領域40Bが割り当てられている。
なお、第1情報記録層20及び第3情報記録領域20Bは、共にROM領域であるので、ここでは、同一の記録層である第1情報記録層20(単一のROM層)の情報記録領域が2つの情報記録領域に分けられていることになる。
次に、光ディスク201については、図5に示すように、再生光入射面側から順に、透光層10、第1情報記録層20、中間層30、第3情報記録層(情報を記録可能な層,記録層)60、中間層30、第2情報記録層40及び基板50が積層された構造となっている。
ここで、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20Bは、第1情報記録層20において、記録層として機能するために設けられる反射膜や記録膜等からなる単膜、又多層膜が設けられている媒体面方向(再生光の入射面の面内方向)の範囲を指すこととする。
また、コンテンツ記録領域40A及び無効化情報記録領域40Bは、第1情報記録層20以外の記録層において、記録層として機能するために設けられる反射膜や記録膜等からなる単膜、又多層膜が設けられている媒体面方向の範囲を指すこととする。
なお、第2以降の情報記録層は、基板50に近い方から数を数える。すなわち、第3情報記録層60は、第1情報記録層20と第2情報記録層40との間にあることになる。同様に、第4情報記録層(不図示)は、第1情報記録層20と第3情報記録層60との間にある。
なお、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20B、並びにコンテンツ記録領域40A及び無効化情報記録領域40Bの配置については、上述のような光ディスク200及び光ディスク201等における配置と異なっていても良いことは言うまでもない。
但し、上述したように、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20Bは、ROM領域に、コンテンツ記録領域40A及び無効化情報記録領域40BはR又はRE領域に配置することが好ましい。
よって、図示されていないが、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20Bは、第1情報記録層20に割り当てられ、コンテンツ記録領域40A及び無効化情報記録領域40Bは、第2情報記録層40及び/又は第3情報記録層60に割り当てられる。
さらに、光ディスク201では、光ディスク200と同様に第1情報記録層20の第1情報記録領域20Aに対する内周側には第3情報記録領域20Bが存在している。
上述のように、光ディスク200及び光ディスク201においては、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20Bは、ROM領域に割り当てられ、コンテンツ記録領域40A及び無効化情報記録領域40Bは、R領域又はRE領域に割り当てられていることが好ましい。
なぜなら、コンテンツ記録領域40Aは、TV番組P(又は右目用映像情報R1〜R4・・・と左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・とを交互に配列した3D映像)を記録する必要があるため、R領域又はRE領域に割り当てる必要がある。
また、無効化情報記録領域40Bは、無効化情報を記録する必要があるため、R領域又はRE領域に割り当てる必要がある。
一方、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20Bを、ROM領域に割り当てることにより、上述した3D化補完情報、伸張処理ソフト、記録予約情報、3D化データ配列用情報及び3D化許可キーに対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
ROM領域の例としては、情報がエンボスプリピット列を用いて記録されている、又は情報がレーザを用いて記録されている場合が列挙できる。
これにより、メーカ側から見れば、光ディスク200及び光ディスク201の製造時に、3D化補完情報、伸張処理ソフト、記録予約情報、3D化データ配列用情報などの変更が容易に変更できるというメリットがある。
〔5.本発明の一実施形態としての情報記録再生装置〕
次に、図13〜17に基づき、本発明の情報記録再生装置の一実施形態である3D映像視聴システム1の構成について説明する。
なお、以下で説明する情報記録再生装置1001及び情報記録再生装置1002の基本的な構成は、上述した再生システム100と共通しているので、以下、この共通している部分の説明は、適宜省略する。
図13に示すように、3D映像視聴システム1は、情報記録再生装置1001(又は情報記録再生装置1002)、表示部4、ケーブル4A(又はケーブル4B)、液晶シャッター5及び偏向メガネ7を備えるものである。
情報記録再生装置1001(又は情報記録再生装置1002)は、上述したTV番組Pに由来する複数フレームのTV番組映像(放送コンテンツ,2次元映像)2を右目映像として出力し、上述した3D化補完情報に由来するTV番組映像2を3D化するための複数フレームの+α動画映像(補完情報)3を左目映像として出力するものである。
情報記録再生装置1001(又は情報記録再生装置1002)から出力されたTV番組映像2及び+α動画映像3はそれぞれ、表示部4に入力され、表示部4にて3D映像として再生される。なお、表示部4は、TVやプロジェクター等で構成される。
液晶シャッター5は、液晶等で構成され2つの透過偏向光を切り替えることができるようになっている。
偏向メガネ7は、液晶シャッター5を介した所定のフレーム順からなるTV番組映像2由来の右目映像(放送コンテンツ,2次元映像)6R、+α動画映像3由来の左目映像(補完情報)6Lを見るために左右それぞれに液晶シャッター(又は、左右それぞれに異なる偏向板が構成された)ものである。
図13に示す3D映像視聴システム1では、人間の目の視差を利用し、偏向メガネ7によって左右に左目映像6L、右目映像6Rの映像情報を投影し、3D映像として視覚させるようになっている。
次に、3D映像視聴システム1の動作の概要について説明する。
まず、情報記録再生装置1001(又は情報記録再生装置1002)は、TV番組映像2及び+α動画映像3をキャッシュ(一時記録)し、右目映像であるTV番組映像2及び左目映像である+α動画映像3を、出力し、表示部4に入力する。
このとき、情報記録再生装置1001(又は情報記録再生装置1002)と表示部4との間の情報インターフェイスとしてアナログ方式の場合は、左右それぞれ別々の情報伝送が必要となるが、HDMI(high-definition multimedia interface)等のディジタルインターフェイスの場合は左右の情報を交互にシリアル伝送させることも可能である。
また、情報記録再生装置1001(又は情報記録再生装置1002)側で圧縮して伝送し、TV側で解凍(伸張)させても良い。
また、右目映像6Rと左目映像6Lは、通常のTVの場合、フィールド毎に、左右を切り替えて表示させることになるが、倍スキャン表示を用いたTVを表示部4として用いれば右目映像6R、左目映像6Lを、フィールド毎に左右に分けるにあたり、フリッカ等の問題を解消することができ、スムーズな3D映像の再生が可能である。
また、図13に示すように、液晶等で構成される2つの透過偏向光を切り替えることができる液晶シャッター5は、透過する右目映像6Rを例えば縦偏向、左目映像6Lを横偏向とするように、液晶シャッター5を制御することでフィールド毎の光の偏向角を変えることができる。
この場合、偏向メガネ7は、左右異なる偏向板(縦偏向と横偏向)を貼り付けたもので良く、ケーブル4Aを介して表示部4が、液晶シャッター5を制御するタイミングに対応するフィールド同期信号を、表示部4から偏向メガネ7に供給するケーブル4Bが不要となる。
一方、液晶シャッター5を用いない場合は、偏向メガネ7に液晶シャッターを設ける必要があり、フィールド同期信号用のケーブル4Bが必要となる。
このように、偏向メガネ7の液晶シャッターで対応する場合は、偏向光を用いていないため、首を傾けたりする等のメガネの角度が変わっても3D映像に対する影響は小さく抑えられる。
次に、図2(a)及び(b)、並びに図14〜17に基づき、3D映像視聴システム1の主要な機能の概要について説明しておく。
3D映像視聴システム1の主な再生機能(再生方法)は、以下のとおりである。
ここでは、既にTV番組Pが、光ディスク200又は光ディスク201のコンテンツ記録領域40Aに記録されているものとする。
まず、図14に示すように、情報記録再生装置1001は、コンテンツ記録領域40AにTV番組Pが記録されている場合、TV番組Pに関連する左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を、第1情報記録領域20Aから、第3情報記録領域20Bに記録されている3D化データ配列用情報を読み出して、メモリ(一時記録部)116に記録する(一時記録工程)。
次に、コンテンツ記録領域40Aに記録されている右目用映像情報R1〜R4・・・及びメモリ116に記録されている左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・及び3D化データ配列用情報を読出し、読み出した右目用映像情報R1〜R4と左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・とを、3D化データ配列用情報に従い、3D映像として再生できるように配列しつつ同期をとり、3D映像を再生する(再生工程)。
なお、以上の説明では、3D映像を再生表示させる場合について説明したが、3D映像視聴システム1の表示部4は、1フレーム毎のTV番組映像2と+α動画映像3が順に入力されると1フレーム毎の3D画像を表示可能な機能を有している。
これにより、光ディスク200又は光ディスク201から、左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・と、右目用映像情報R1〜R4・・・とを読み出して3D映像を視聴することができる。
次に、3D映像視聴システム1の主な記録機能(記録方法)は、以下のとおりである。
ここでは、光ディスク200又は光ディスク201の第3情報記録領域20Bには、上述した圧縮された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を解凍(伸張)するための伸張処理ソフトが記録されており、3D映像視聴システム1が外部から取得したTV番組Pを3D化して記録する場合(記録方法)について説明する。
図15に示すように、情報記録再生装置1002は、まず、外部から取得したTV番組Pから、右目用映像情報R1〜R4・・・と圧縮された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・とを分離する(情報分離工程)。
なお、右目用映像情報R1〜R4・・・は、圧縮されていても圧縮されていなくても良いが、本実施形態では、左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・は、圧縮されているものとする。
次に、分離された右目用映像情報R1〜R4・・・は、(圧縮されているときは、放送データ伸張部122で伸張処理後)左目用映像作成用補完情報との伸張時間差を調整するためにキャッシュメモリ124に記録する(一時記録工程)。
同時に、分離された圧縮された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を、第3情報記録領域20Bに予め記録され、事前に3D化補完情報伸張部123(の内部メモリ:不図示、又はメモリ116でも良い)に記録された伸張処理ソフトを用いて伸張する(伸張工程)。
次に、3Dデータ統合部125で、3D化データ配列用情報に従って、キャッシュメモリ124から同期を取って再生される右目用映像情報R1〜R4・・・と、左目用補完映像情報L1〜L4・・・を3D映像として再生できるように統合配列し(統合工程)、コンテンツ記録領域40Aに記録する(記録工程)。
これにより、外部から取得したTV番組Pから分離された右目用映像情報R1〜R4・・・と、TV番組Pから分離された圧縮された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を、第3情報記録領域20Bに予め記録されている伸張処理プログラムを用いて伸張した左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・とを、3D映像として再生できるように配列してコンテンツ記録領域40Aに記録することが可能となる。
次に、3D映像視聴システム1の別の記録機能について説明する。
まず、図14に示すように、情報記録再生装置1001は、チューナ118から受信するTV番組P及び第3情報記録領域20Bから読み出した3D化データ配列用情報を、メモリ116に記録する。
次に、情報記録再生装置1001は、メモリ116から3D化データ配列用情報を読出し、図2(a)に示すように、3D映像を再生しやすいように、TV番組Pを構成する各右目用映像情報R1〜R4・・・の間に記録スペースE1〜E4・・・を空けながら、右目用映像情報R1〜R4・・・をコンテンツ記録領域40Aに記録する。
次に、第1情報記録領域20Aに記録されている左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を読出し、メモリ116に記録する。
次に、メモリ116に記録されている左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・及び3D化データ配列用情報を読出し、図2(b)に示すように、記録スペースE1〜E4・・・に、左目用映像作成用補完情報L1〜L4を挿入して、コンテンツ記録領域40Aに記録する。
なお、以上説明した各機能は、これらの各機能を制御部115(コンピュータ)に実行させるための再生処理プログラム又は記録処理プログラムによって実現するようにしても良い。これらのプログラムは、例えば、メモリ116や、外付けのハードディスク(自装置内)などに記録しておけば良い。
これにより、自装置内に記録されている再生処理プログラム又は記録処理プログラムを読出し、制御部115に読み込ませることによって、制御部115に上述した各機能を実現させることが可能となる。
また、上記第1情報記録領域20Aに記録されている左目用映像作成用補完情報は、実際の映像データである必要はなく、TV番組P(右目用映像情報)に対しての差分情報でも良い。
次に、3D映像視聴システム1は、光ディスク201又は光ディスク201の第3情報記録領域20Bに、記録予約情報が記録されている場合には、記録予約情報に基づいて、右目用映像情報R1〜R4・・・・をコンテンツ記録領域40Aに記録しても良い。
これにより、TV番組Pの予約記録が面倒であれば、TV番組Pの放送開始前に光ディスク201又は光ディスク201を、3D映像視聴システム1の情報記録再生装置1001又は情報記録再生装置1002に装填しておくだけで、自動的にTV番組Pが記録された光ディスク200又は光ディスク201を作成することが可能となる。
また、3D映像視聴システム1は、光ディスク200又は光ディスク201における無効化情報記録領域40Bに、無効化情報が記録されている場合、無効化情報に対応する記録予約情報が無効であると判断し、記録予約情報に対応するTV番組Pのコンテンツ記録領域40Aへの記録を取り消しても良い。
これにより、記録予約情報により記録されるTV番組Pが、ユーザの期待に沿わない内容であった場合、無効化情報を光ディスク200又は光ディスク201に記録することにより、ユーザの期待に沿わない内容のTV番組Pが、光ディスク200又は光ディスク201に記録されることを防止することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、3D映像視聴システム1は、光ディスク200又は光ディスク201の第3情報記録領域20Bに、3D化許可キーが記録されていることが確認された場合にのみ、3D化許可キーによって3D化が許諾されたTV番組Pと、TV番組Pに関連する3D化補完情報とを、3D映像として再生できるように配列して、コンテンツ記録領域40Aに記録しても良い。
又は、外部から取得したTV番組Pから、右目用映像情報R1〜R4・・・と、圧縮された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・とを分離し、分離された右目用映像情報R1〜R4・・・と、圧縮された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・が伸張された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・とを、3D映像として再生できるように配列して、コンテンツ記録領域40Aに記録しても良い。
これにより、TV番組Pの3D化についての利用許諾を、光ディスク200又は光ディスク201に予め記録されている3D化許可キーを用いて行うことにより、正当な3D化許可キーが記録されていない情報記録媒体に対するTV番組Pの3D化を不可能にすることができる。
言い換えれば、光ディスク200に予め記録されている3D化許可キーが、外部から取得するTV番組Pを3D化することが許諾されていることを示す情報、すなわち、TV番組Pの3D化をユーザに保証する情報となる。
よって、3D化許可キーが、予め第3情報記録領域20Bに記録された光ディスク200を用いてTV番組Pを3D化すれば、著作権や著作隣接権などを気にすることなく、ユーザは、安心してTV番組Pの3D化を行うことができる。
また、3D化許可キーが、予め第3情報記録領域20Bに記録された光ディスク200第1情報記録領域20Aに記録されている3D化補完情報は、確実に放送局等が製作したものであることを保証する意味もあるので、放送局等のサービス提供に応じたユーザ嗜好に合致したTV番組Pの3D化が可能となる。
次に、図13〜図17に基づき、3D映像視聴システム1の主要部である情報記録再生装置1001及び情報記録再生装置1002の構成及び動作の詳細について説明する。
まず、図14に示すように、情報記録再生装置1001は、上述した再生システム100の各構成に加えて、メモリ116、タイマー117、チューナ118、データ記録回路119、操作部126を備える構成である。
一方、図15に示すように、情報記録再生装置1002は、情報記録再生装置1001の各構成に加えて、さらに、3D化ユニット(3次元化ユニット)130を備える構成である。3D化ユニット130は、情報分離部(情報分離手段)121、放送データ伸張部122、3D化補完情報伸張部(伸張処理手段)123、キャッシュメモリ124、及び3Dデータ統合部(記録制御手段,配列処理手段)125を備える構成である。
また、図16に示すように、情報記録再生装置1001又は情報記録再生装置1002の制御部115は、メモリ制御部(メモリ制御手段,再生制御部)1151、日時確認部1152、放送局選択部1153、媒体書き込み制御部(記録制御手段)1154、無効化情報認識部1156、及びディスク認識部1157からなる構成である。
なお、以下、煩雑なので、光ディスク200を情報記録再生装置1001又は情報記録再生装置1002に装填する場合について説明する。また、再生システム100のその他の構成は、既に説明したものと同じであるので、説明は省略する。
まず、図15に示す情報分離部121は、チューナ118から送信されるTV番組Pから(圧縮された)右目用映像情報R1〜R4・・・と、圧縮された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・とを分離するものである。なお、TV番組Pは、この他、上述した3D化許可キーを含んでおり、情報分離部121は、この3D化許可キーを分離して認証条件記録部1159に一時記録させても良い。
次に、放送データ伸張部122は、情報分離部121によって分離された、右目用映像情報R1〜R4・・・を圧縮されている場合は伸張し、キャッシュメモリ124に一時記録させる。
次に、3D化補完情報伸張部123は、左目用映像作成用補完情報L1〜L4を伸張する。
次に、3Dデータ統合部125は、キャッシュメモリ124に記録されている右目用映像情報R1〜R4・・・と、3D化補完情報伸張部123から送られる左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を3D映像として再生できるように統合配列し、制御部115に送信する処理を行うものである。
なお、3D化ユニット130は、上述したようにキャッシュメモリ124を備え、情報分離部121によって分離された右目用映像情報R1〜R4・・・を、圧縮されている場合は伸張し、キャッシュメモリ124に一時記録させる。
これにより、3Dデータ統合部125は、キャッシュメモリ124に記録された右目用映像情報R1〜R4・・・を読出す時間を調整することで、情報分離部121が右目用映像情報R1〜R4・・・及び(圧縮された)左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を出力する時点と、3D化補完情報伸張部123が圧縮された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・の伸張を完了する時点と、の間に生じる時間差を調整することができる。
なお、3Dデータ統合部125が存在しない、情報記録再生装置1001では、右目用映像情報R1〜R4・・・がチューナ118を介して制御部115に送信されるものとする。
次に、図16に示すメモリ制御部1151は、光ディスク200の第3情報記録領域20Bから再生したTV番組Pに関する記録予約情報、並びに、以下で説明するディスク認識部1157が取得した媒体識別番号(ディスクの識別番号)と記録予約情報との対応関係を示す対応関係情報(例えば、対応関係テーブル、不図示)をメモリ116に保存する制御を行う。
また、メモリ制御部1151は、前記保存した記録予約情報及び対応関係情報を読み出したり、以下で説明する無効化情報認識部1156から無効化情報を認識した旨の通知(無効化情報認識通知)を受けて、メモリ116に記録されている記録予約情報を消去したり等、メモリ116とその他の構成とのやりとりなどの制御を行うものである。
また、メモリ制御部1151は、メモリ116に記録されている右目用映像情報R1〜R4・・・、3D化データ配列用情報、3D化補完情報伸張部123から送られる左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を読み出して、3D映像を生成し、表示部4に出力する機能も備えている。
次に、日時確認部1152は、タイマー117と連動しており、メモリ116に記録されている記録予約情報のうち予約日時(予約日時情報)がタイマー117からの出力信号から抽出される現在の日時を示す情報(現在日時情報)と一致する否かを判断し、一致した場合は、その旨をメモリ制御部1151などに伝達するものである。
なお、メモリ制御部1151は、予約日時情報と、現在日時情報とが一致した旨の通知を受けて、チューナ118や3Dデータ統合部125を介して受信するTV番組P(右目用映像情報R1〜R4・・・及び/又は左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・)をメモリ116に一時記録する処理も行う。
次に、放送局選択部1153は、日時確認部1152が予約日時と現在の日時とが一致していると判断した場合又はその数分前に、メモリ制御部1151によって、メモリ116に記録されている記録予約情報のうち、予約したTV番組Pが放送される放送局の所在を示す放送局所在情報(例えば、受信周波数など)に基づいて、チューナ118を動作させて受信周波数などを調整し、放送局からのTV番組Pを受信可能とする。
次に、媒体書き込み制御部1154は、メモリ116に一時記録されている右目用映像情報R1〜R4・・・と、左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・、及び3D化データ配列用情報を読出す。また、媒体書き込み制御部1154は、右目用映像情報R1〜R4・・・及び左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を、3D化データ配列用情報に従い、図2(b)に示すように配列して、制御部115や、データ記録回路119に送信する。
さらに、媒体書き込み制御部1154は、操作部126を介して記録を取り消す指示が入力された場合に、データ記録回路119などを駆動して、光ディスク200の無効化情報記録領域40Bに、無効化情報を記録して、光ディスク200へのデータの書き込みなどの制御を行う。また、左記に限るものではなく、他の外部入力情報(例えば、カムコーダからの情報等に)が入力された場合においても。情報をデータ記録回路119に送信する。
無効化情報認識部1156は、無効化情報を認識しなかった場合は、メモリ制御部1151を駆動し(又は無効化情報を認識しなかった旨の通知を送信する構成でも良い)、放送局からのTV番組Pの受信等の各種処理を行わせたり、無効化情報を認識した場合は、その旨の通知(無効化情報認識通知)をメモリ制御部1151に送信したりして、「無効化情報」に関するその他の構成とのやりとりなどを制御するものである。
ディスク認識部1157は、光ディスク200が情報記録再生装置1001又は情報記録再生装置1002に装填されたか否かを認識(検出)し、光ディスク200が装填されている場合には、メモリ制御部1151を駆動させて光ディスク200から媒体識別番号を取得したり、前記媒体識別番号を無効化情報認識部1156などに送信したりする。
また、ディスク認識部1157は、光ディスク200に無効化情報が記録されている場合には、無効化情報認識部1156に無効化情報を送信したり、光ディスク200に無効化情報が記録されていない場合には、直接、メモリ制御部1151を駆動したりして、光ディスク200の装填・非装填に関係する各種処理を制御する。
次に、図17に基づき、媒体書き込み制御部1154に認証機能を持たせる場合について説明する。
この場合、媒体書き込み制御部1154は、認証部1158、認証条件記録部1159、復号化部1160、及び書き込み指示部1161を備える構成とする。
また、上述したTV番組Pは、付属情報として、3D化許可キー、圧縮された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を含んでいるものとする。また、圧縮された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・は、さらに暗号化処理が行われているものとする。
認証部1158は、情報分離部121が、TV番組Pから分離して認証条件記録部1159に一時させた3D化許可キーを読出し、光ディスク200の第3情報記録領域20Bに記録されている3D化許可キーと一致しているか否かを確認し、TV番組Pの3D化が許諾された情報記録媒体か否かについての認証を行うものである。
なお、本実施形態では、認証条件記録部1159に、TV番組Pに対応するデータ放送から取得した、「正当な3D化許可キー」が、記録されるものとしているが、「正当な3D化許可キー」は、この他、電子番組表(EPG)のTV番組Pに対応する番組情報などのデータや、TV番組紹介誌などに掲載されたTV番組Pに対応するバーコード情報などから取得されたものであっても良い。
また、光ディスク200又は光ディスク201の購入の際に、ユーザが正当な3D化許可キーを知り得る状態にし、ユーザが操作部126を介して正当な3D化許可キーが入力した場合に、TV番組Pの3D化を許可しても良い。
次に、復号化部1160は、認証部1158によって光ディスク200がTV番組Pの3D化が許諾された情報記録媒体であると認証された場合に、3D化補完情報伸張部123から送信されるか又はメモリ116に記録されている暗号化された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を復号化して、再度メモリ116に記録する処理を行うものである。
書き込み指示部1161は、データ記録回路119などに指示して、メモリ116から読み出した復号化部1160によって復号された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・、右目用映像情報R1〜R4・・・及び3D化データ配列用情報を読出し、3D化データ配列用情報に従って、図2(b)のように配列して光ディスク200のコンテンツ記録領域40AにTV番組Pを記録する。
次に、図18のフローチャートに基づき、3D映像視聴システム1の録画動作(記録動作)の流れについて説明する。
ステップS11(以下「ステップ」を省略する)では、ユーザが情報記録再生装置1001又は情報記録再生装置1002に光ディスク200を装填してS12に進む。
S12では、ディスク認識部1157が、図示しないディスク検出部(媒体検出手段)からの出力(ディスク装填信号)を受けると、メモリ制御部1151に光ディスク200が装填されたことを示す「媒体検出通知」を送信してS13に進む。なお、このとき、「媒体検出通知」は、無効化情報認識部1156に併せて通知する。
S13では、メモリ制御部1151が、ディスク認識部1157から「媒体検出通知」を受けると、データ再生回路110等を駆動させて光ディスク200のリードインエリアからコントロールデータ(OPC処理:A step of Optimum Power Controlやディフェクトマネジメント処理などに必要な情報)を読み取り、メモリ116に記録し、S14に進む。
S14では、無効化情報認識部1156が、ディスク認識部1157から「媒体検出通知」を受けると、データ再生回路110等を駆動させて光ディスク200の無効化情報記録領域40Bに予約無効化情報(無効化情報)が記録されている場合には、それを読み取り、「予約取り消し通知」をメモリ制御部1151に通知してS15に進む。
S15では、無効化情報認識部1156が、データ再生回路110等を駆動させて予約無効化情報を読み取った場合には、「YES」となり、S24に進む。
S24では、ディスク認識部1157が、データ再生回路110等を駆動させて挿入された光ディスク200から媒体識別情報(ディスクの識別情報)を読み取り、メモリ116に記録された媒体識別番号と一致している場合には、「YES」となり、ディスク認識部1157が「媒体一致通知」をメモリ制御部1151に通知してS25に進む。
一方、S24で、媒体識別情報と、メモリ116に記録された媒体識別番号とが一致していない場合には、「NO」となりS26に進む。S26では、操作部126からの入力待ちの状態となり、「END」となる。
S25では、メモリ制御部1151が、ディスク認識部1157から「媒体一致通知」を受け、メモリ116に記録された媒体識別番号と記録予約情報との対応関係を示す対応関係情報(例えば、対応関係テーブル)に基づいて、挿入された光ディスク200に対応する記録予約情報をメモリ116から消去してS26に進む。S26では、操作部126からの入力待ちの状態となり、「END」となる。
一方、S15で、無効化情報認識部1156が、予約無効化情報を読み取らなかった場合には、「No」となり、S16に進む。
S16では、メモリ制御部1151は、光ディスク200の第3情報記録領域20Bに記録されている記録予約情報を読み取り、メモリ116に記録し、S17に進む。
S17では、メモリ制御部1151が、記録予約情報を読み取らなかった場合には、「No」となりS26に進む。S26では、操作部126からの入力待ちの状態となり、「END」となる。
一方、メモリ制御部1151が記録予約情報を読み取った場合には、YESとなり、S18に進む。
S18では、メモリ制御部1151が光ディスク200のコンテンツ記録領域40Aに、記録予約情報に対応するTV番組Pが既に記録されているか否かを確認する。
その後、メモリ制御部1151は、TV番組Pが、光ディスク200に既に記録済みの場合には、「YES」となり、S26に進む。S26では、操作部126からの入力待ちの状態となり、「END」となる。
一方、S18で、メモリ制御部1151は、TV番組Pが光ディスク200に未だ記録されていない場合には、「No」となりS19に進む。
S19では、日時確認部1152がタイマー117からの出力信号から「現在の日時」を抽出し、前記「現在の日時」が、メモリ116に記録されている記録予約情報に含まれる「予約日時」を経過していない場合には、メモリ制御部1151に「コンテンツ取得命令」を通知する。
メモリ制御部1151は、前記「コンテンツ取得命令」を受けると、放送局選択部1153に記録予約情報のうち、前記予約情報に対応するTV番組Pの放送が行なわれる予定の放送局の所在を示す情報、例えば、番組周波数などの情報を送信する。
放送局選択部1153は、前記番組周波数などの情報を受けると、チューナ118の受信周波数を番組周波数に合わせ、図示しない通信部(通信制御手段)から何時でもTV番組Pを受信できるようにする。
チューナ118は、情報記録再生装置1001の場合は、この後、前記通信部が通信可能となったことを示す情報である「受信可能通知」を媒体書き込み制御部1154に通知する。
一方、情報記録再生装置1002の場合は、チューナ118は、前記通信部が通信可能となったことを示す情報である「受信可能通知」を情報分離部121に通知する。
次に、情報記録再生装置1001の場合は、媒体書き込み制御部1154は、チューナ118から「受信可能通知」を受けると、予約日時に達するまで待機状態となり(予約待機状態)、S20に進む。
S20では、媒体書き込み制御部1154が、図示しない表示部に記録予約情報を(FL:Fluorescent Lighting)表示してS21に進む。
S21では、操作部126を介して、ユーザが予約をキャンセルする旨の意思表示を入力していた場合には、「YES」となりS26に進む。S26では、操作部126からの入力待ちの状態となり、「END」となる。
一方、S21で、操作部126を介して、ユーザが予約をキャンセルする旨の意思表示が入力していない場合には「NO」となり、S22に進む。
S22では、日時確認部1152がタイマー117からの出力信号から「現在の日時」を抽出し、前記「現在の日時」が、メモリ116に記録されている記録予約情報に含まれる「予約日時」と一致しないとき、又は、「現在の日時」が「予約日時」の数分前でない場合は、「NO」となり、S21へ戻る。
一方、S22で、日時確認部1152がタイマー117からの出力信号から「現在の日時」を抽出し、前記「現在の日時」が、メモリ116に記録されている記録予約情報に含まれる「予約日時」の数分前になると、「3D化準備指示」をメモリ制御部1151に通知する。次に、メモリ制御部1151は、「3D化準備指示」を受けて、データ再生回路110等を駆動させて光ディスク200の第3情報記録領域20Bに3D化データ配列用情報、及び3D化許可キーが記録されている場合には、それらを読み取り、メモリ116に記録し、第1情報記録領域20Aに左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・及び第3情報記録領域20Bに伸張処理ソフトが記録されている場合には、それらを読み取り、メモリ116などに記録し、「3D化準備終了通知」を日時確認部1152に通知する。
次に、日時確認部1152は、タイマー117からの出力信号から「現在の日時」を抽出し、前記「現在の日時」が、メモリ116に記録されている記録予約情報に含まれる「予約日時」と一致したときに、「日時一致通知」を媒体書き込み制御部1154に通知してS23に進む。
S23では、情報記録再生装置1001の場合、媒体書き込み制御部1154が、日時確認部1152から「日時一致通知」を受けて、チューナ118を介して記録予約情報に対応するTV番組P(右目用映像情報R1〜R4・・・)を受信させ、受信した右目用映像情報R1〜R4・・・をメモリ116に一時記録させる。
一方、情報記録再生装置1002の場合は、チューナ118を介してTV番組Pが情報分離部121に送信される。
次に、情報分離部121では、TV番組Pは、(圧縮された)右目用映像情報R1〜R4・・・と、圧縮された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・とに分離され、分離された右目用映像情報R1〜R4・・・は、放送データ伸張部122に送信され、伸張処理後、左目用映像作成用補完情報との伸張時間差を調整するためにキャッシュメモリ124に記録される。
また、同時に、分離された圧縮された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・は、3D化補完情報伸張部123に送信され、3D化補完情報伸張部122は、事前にメモリ116(3D化補完情報伸張部123がメモリを備えている場合には、該メモリ)に記録された伸張処理ソフトを読出し、圧縮された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を伸張する。伸張された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・は、3Dデータ統合部125に送られる。
次に、3Dデータ統合部125は、メモリ116に事前に記録された3D化データ配列用情報に従って、キャッシュメモリ124から同期を取って再生される右目用映像情報R1〜R4・・・と、伸張された左目用補完映像情報L1〜L4・・・を3D映像として再生できるように統合配列し、媒体書き込み制御部1154に送信するか又はメモリ116に一時記録させる。
上述したように、TV番組P(本放送)の転送レートは、約15Mbpsであり、3D化補完情報を含むデータ放送の転送レートは、約2Mbpsであるから、当然ながら、上記のように圧縮率は異なる。
次に、媒体書き込み制御部1154は、情報記録再生装置1001の場合、まず、メモリ116に記録されている右目用映像情報R1〜R4・・・及び3D化データ配列用情報を読出し、右目用映像情報R1〜R4・・・を図2(a)に示すように記録スペースE1〜E4・・・を空けながら、光ディスク200のコンテンツ記録領域40Aに記録する。
次に、媒体書き込み制御部1154は、メモリ116に記録されている左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を読出し、3D化データ配列用情報に従って、図2(b)に示すように、記録スペースE1〜E4・・・の位置に、左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を挿入するようにして、光ディスク200のコンテンツ記録領域40Aに録画(記録)し「END」となる。
一方、情報記録再生装置1002の場合、媒体書き込み制御部1154は、3Dデータ統合部125より送信されてくる又はメモリ116に記録されている3D化データ配列が行われた3D映像をそのまま図2(b)に示すように光ディスク200のコンテンツ記録領域40Aに録画(記録)し「END」となる。
なお、本実施形態では、3D化データ配列用情報を、右目用映像情報R1〜R4・・・と左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・とを交互に配列するときの、右目用映像情報R1〜R4・・・及び左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・の記録開始位置及び記録終了位置などの、配列処理の用に供されるデータであるものとして説明している。
この場合、右目用映像情報R1の記録終了位置を、記録スペースE1の記録開始位置とし、右目用映像情報R2の記録開始位置を、記録スペースE1の記録終了位置とすることなどが考えられる。
しかしながら、3D化データ配列用情報が、3D化データ配列処理ソフト(配列処理用情報)である場合には、この3D化データ配列処理ソフトを制御部115が読み込む。そうすると、制御部115が3D化データ配列処理ソフトを起動し、データ記録回路119等を駆動させ、メモリ116に記録されている、右目用映像情報R1〜R4・・・及び3D化データ配列用情報を読出し、圧縮された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を伸張処理ソフトで伸張し、3D化データ配列用情報に従って、上述したように図2(a)及び図2(b)に示すように配列し、光ディスク200のコンテンツ記録領域40Aに録画(記録)する処理を実行する。
次に、図20のフローチャートに基づき、3D映像視聴システム1の再生動作の流れについて説明する。
まず、ステップS41では、ユーザが情報記録再生装置1001に光ディスク200を装填してS42に進む。
S42では、情報記録再生装置1001のディスク認識部1157が、図示しないディスク検出部からの出力を受けると、メモリ制御部1151に光ディスク200が装填されたことを示す「媒体検出通知」を送信してS43に進む。
S43では、メモリ制御部1151が、ディスク認識部1157から「媒体検出通知」を受けると、データ再生回路110等を駆動させて光ディスク200のリードインエリアからコントロールデータを読出し、メモリ116に記録する。
また、メモリ制御部1151は、第1情報記録領域20Aから左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を、第3情報記録領域20Bから3D化データ配列用情報を読出し、メモリ116に記録し、S44に進む。
S44では、メモリ制御部1151が光ディスク200のコンテンツ記録領域40Aに、TV番組Pが既に記録されているか否かを確認する。
その後、メモリ制御部1151は、TV番組Pが、光ディスク200に既に記録済み場合には、「YES」となり、S45に進む。
S45では、メモリ制御部1151が、メモリ116から、右目用映像情報R1〜R4・・・、左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・、及び3D化データ配列用情報を読出し、S46に進む。
次に、S46では、メモリ制御部1151が、右目用映像情報R1〜R4・・・及び左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を、図2(b)に示すように配列しつつ同期をとり、右目用映像情報R1〜R4・・・及び左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を、それぞれ、TV番組映像2及び+α動画映像3として表示部4に対して出力し、3D映像を再生し、「END」となる。なお、3D映像の出力先は、表示部4でなく、外付けのHDD(hard disk drive)であっても良い。
一方、S44で、メモリ制御部1151は、TV番組Pが、光ディスク200に既に記録済みでなかった場合には、「NO」となり、S47に進む。
S47では、操作部126からの入力待ちの状態となり、「END」となる。
なお、本実施形態では、3D化データ配列用情報を、右目用映像情報R1〜R4・・・と左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・とを交互に配列するときの、右目用映像情報R1〜R4・・・及び左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・の記録開始位置及び記録終了位置などの、配列処理の用に供されるデータであるものとして説明している。
しかしながら、3D化データ配列用情報が、3D化データ配列処理ソフトである場合には、この3D化データ配列処理ソフトを制御部115が読み込む。そうすると、制御部115が3D化データ配列処理ソフトを起動し、メモリ制御部1151等を駆動させ、メモリ116に記録されている、右目用映像情報R1〜R4・・・、左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・及び3D化データ配列用情報を読出し、3D化データ配列用情報に従って、図2(b)に示すように配列しつつ同期をとる。このような動作により、右目用映像情報R1〜R4・・・及び左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を、それぞれ、TV番組映像2及び+α動画映像3として表示部4に対して出力し、3D映像を再生する。
次に、図19のフローチャートに基づき、3D映像視聴システム1の認証動作の流れについて説明する。なお、ここでは、第1情報記録領域20Aの左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・は、暗号化されて記録されているものとする。
まず、S22又はS44からS31に進む。
S31では、認証部1158が、メモリ116に記録されている3D化許可キーを読出し、3D化許可キーが認証条件記録部1159に記録されているものと一致するか否かを確認し、一致していれば3D化許可キーは「正当」と、一致していなければ、「不当」と判断する。
ここで、認証部1158が、3D化許可キーは「正当」と判断した場合には、「YES」となり、復号化部1160にその旨を通知してS32に進む。
S32では、復号化部1160が、メモリ116に記録されている左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を読出し、復号して、再度、メモリ116に復号化後の左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・を記録し、その旨を書き込み指示部1161又はメモリ制御部1151に通知する。
S32では、書き込み指示部1161又はメモリ制御部1151が、メモリ116に記録されている右目用映像情報R1〜R4・・・、復号された左目用映像作成用補完情報L1〜L4・・・、及び3D化データ配列用情報を読出し、3D化データ配列用情報に従って、3D化を開始してS23又はS45に進む。
一方、S31で、認証部1158が、3D化許可キーは「不当」と判断した場合には、「NO」となり、S26又はS47に進む。
なお、本発明は、以下のように表現することもできる。
すなわち、本発明の情報記録媒体は、コンビネーションディスク(ROM層とRE層又はR層からなる多層光情報記録媒体)からなっていても良い。
また、ROM層に、RE層に記録する予定の2D映像を3D化するための+α動画映像(補完情報)が記録されていても良い。
また、情報記録媒体の使用方法は、下記のとおりであっても良い。
まず、ユーザがTV放送(放送コンテンツ)などから2D映像をRE層に記録する。
そして、3D再生する場合には、3Dに対応できる専用の情報記録再生装置で、+α動画映像をROM層から再生し、キャッシュ(一時記録メモリ)に記録する。
その後、RE層を再生し、2D映像と+α動画映像をあわせて、3D対応TVに出力する。
また、TV放送の録画をRE層に最終的に2D,+α,2D,+α,・・・・(2D+αで1コマとなる)となるような3D映像を表示しやすい形式で出力できるよう情報を記録するために、所定の2D用データ位置にのみ行う。
次に、ROM層の+α動画映像を一時的にキャッシュ又はハードディスク等に記録し、その後、RE層における所定の+α用データ位置に、+α動画映像を挿入して、2D,+α,2D,+α,・・・・となるような3D映像を表示しやすい形式で記録する。このRE層への記録処理ソフトは、ROM層に記録しても良いし、情報記録再生装置内の所定の記録媒体に記録しても良い。
また、ROM層には、TV放送(2D映像)と同時に放送されるデータ放送(TV放送を3D化するデータが圧縮された形式で放送されることが前提)用の伸張処理ソフトが入っていても良い。
また、コンビネーションディスクからは離れるが、前記伸張処理ソフトは、情報記録再生装置内に記録されていても良く、その場合は、追っかけ再生をすることで、実質的に3D放送を視聴することが可能になる。
なお、ROM層には、2D映像を擬似的に3D化するソフトや、3Dフォトフレーム用に、2Dフォトデータを擬似的に3D化するソフトが入っていても良い。
また、本発明は、以下のように表現することもできる。
本発明の情報記録媒体のディスク構造(図1,3,4参照)は、下記のとおりであっても良い。
(1)基板上にRE層、透明樹脂からなる中間層、ROM層、カバー層が順に積層されている。
(2)ROM層のデータ領域に、放送予定の所定のTV番組の2D映像を3D化するための+α動画映像が記録されている。
(3)ROM層には所定のTV番組をRE層に録画するための予約情報が記録されていても良い。
(4)ROM層には所定のTV番組をRE層の3D再生がしやすい領域、例えば、2D,+α,2D,+α・・・と配列記録されるように、+α用記録位置がスペースとなるようにして、+α動画映像を記録できるようにするための配列処理ソフトが記録されていても良い。
(5)ROM層に2DのTV放送を3D映像に編集することを許諾する3D化許諾キーが記録されていても良い。
また、本発明の情報記録再生装置の構造(図13〜17参照)は、下記のとおりであっても良い。
(1)少なくとも情報記録再生機構(記録再生回路群)とキャッシュ又はハードディスクを有する。
(2)録画されたTV番組の3D再生時には、前記情報記録媒体のROM層に記録された+α動画映像を、キャッシュ又はハードディスクに一時記録した後、RE層からの再生情報と連動して3D対応TVに出力する機能がある。
(3)又は、ROM層又は自装置に当初より記録されている配列処理ソフトに従い、3D映像を表示しやすい形式で出力できるような配列で情報が記録されるよう、TV放送を、+α用記録スペースを空けながら記録する。その後自動的に、前記情報記録媒体のROM層に記録された+α動画映像を、キャッシュ又はハードディスクに一時記録した後、前記情報記録媒体のRE層の、+α用記録スペースに記録する機能がある。
また、本発明の情報記録再生装置(3D対応TV)は、1コマ毎の2D映像と+α動画映像が順に入力されると3D映像を表示可能な機能を有していても良い。
また、この3D対応TVの基本動作は、下記のとおりであっても良い。
(1)ユーザは前記情報記録媒体に対応する情報記録再生装置に前記情報記録媒体を装填する。
(2)情報記録再生装置が、例えば内周の管理情報を再生することによりRE層が空であることを認識する。
(3)情報記録再生装置は、ROM層に記録されている予約情報を読み取る(ROM層に記録されている場合)。
(4)現時点が、予約録画する必要がある日時であるかを情報記録再生装置に設けられた時計にて判断する。
(5)録画時間でない場合は、情報記録再生装置が予約情報に従い予約録画待機状態になる。
(6)放送が開始されると、前記情報記録媒体の記録領域に予約情報に基づいて番組が録画される。
(7)前記録画終了後、前記情報記録媒体を再生する場合、ユーザの選択により、まず、ROM層に記録した+α動画映像を、キャッシュ又はハードディスクに一時記録する。
(8)その後、情報記録再生装置の情報記録再生機構にて前記情報記録媒体のRE層に録画された内容を再生しつつ、連動してキャッシュ又はハードディスクに記録した前記+α動画映像を出力することにより、3D映像として3D対応TVに出力する。再生時に、ROM層の3D化許諾キーを用いた3D化編集を許可する認証作業があっても良い。
また、3D対応TVは、前記基本動作の他に、以下の基本以外の動作を有していても良い。
(A)基本動作(6)の録画時に、ROM層又は自装置に当初より記録されている配列処理ソフトに従い、最終的には3D映像を表示しやすい形式で出力できる配列で情報が記録されるよう、TV放送を+α用記録スペースを、空けながら記録する。その後自動的に、前記情報記録媒体のROM層に記録された+α動画映像を、キャッシュ又はハードディスクに一時記録した後、前記情報記録媒体のRE層の+α用記録スペースに記録しても良い。
この場合は、基本動作(7)や(8)の動作をさせる必要がなく、前記情報記録媒体のRE層を再生するだけで、3Dデータが出力される(例えば、3D BD−ROM対応のプレイヤーで3D再生することが可能になる)。
(B)(A)のRE層への記録を、TV放送を一旦キャッシュ又はハードディスクに一時記録し、その後、更にROM層に記録された+α動画映像を、キャッシュ又はハードディスクに一時記録した後、RE層へ3D出力がしやすいように、2D,+α,2D,+α・・・のように配列記録させても良い。
(C)基本動作(3)の予約情報はユーザが入力する形式でも良い。
また、本発明は、以下のように表現することもできる。
本発明の情報記録媒体のディスク構造(図1,3,4参照)は、下記のとおりであっても良い。
(1)基板上にRE層、透明樹脂からなる中間層、ROM層、カバー層が順に積層されている。
(2)ROM層のデータ領域にデータ放送として放送されている+α動画映像の圧縮データを伸張(解凍)できる伸張処理ソフト(解凍処理ソフト)が記録されている。
(3)ROM層に2DのTV放送を3D化編集することを許可する3D化許諾キーが記録されていても良い。
また、本発明の情報記録再生装置の構造(図13〜17参照)は、下記のとおりであっても良い。
(1)少なくとも情報記録再生機構とキャッシュ又はハードディスクがある。
(2)TV放送を本放送部分とデータ放送分に分ける機構と、TV放送を分けた後にそれぞれを録画用に処理するルートがある。
(3)情報記録再生装置より、再生された伸張処理ソフトを少なくとも一時的に記録し、外部より入力された圧縮データを伸張する伸張機構がある。
(4)本放送のデータを前記伸張機構とは別の伸張機構において伸張した後にデータを一時的に保存できるキャッシュがある。
(5)録画用の2ルートより入力されるデータを、同期を取って、2D,+α,2D,+α・・・となるように、3D再生しやすいようなデータ配列に整理して情報記録再生機構に出力する機構を有する。
(6)3D再生時には、前記情報記録媒体のRE層に記録されたデータを再生し、情報記録再生装置(3D対応TV)に出力する機能がある。
また、本発明の情報記録再生装置(3D対応TV)は、1コマ毎の2D映像と+α動画映像が順に入力されると3D映像を表示可能な機能を有していても良い。
また、この3D対応TVの基本動作は、下記のとおりであっても良い。
(1)ユーザは前記情報記録媒体に対応する前記情報記録再生装置に情報記録媒体を装填する。
(2)情報記録再生装置が、内周の管理情報を再生することによりRE層が空であることを認識する。
(3)情報記録再生装置はROM層に記録されている予約情報を読み取る(ROM層に記録されている場合)。
(4)現時点が予約録画する必要がある日時であるかを情報記録再生装置に設けられた時計にて判断する。
(5)録画時間でない場合は、情報記録再生装置が予約情報に従い予約録画待機状態になる。
(6)情報記録再生装置に設けられた時計にて、録画時間の数分前であることを確認すると情報記録再生装置は前記情報記録媒体のROM層を再生し、ROM層に記録されている伸張処理ソフトを装置構造(3)の機構に記録する。
(7)放送が開始されると前記情報記録媒体のRE層に記録すべく、予約情報に基づいて、TV放送が前記情報記録再生装置に入力される。
(8)入力されたTV放送は装置構造(2)によって本放送とデータ放送に分けられ、それぞれの録画処理ルートに出力される。
(9)本放送は、通常の伸張機構によってデータが伸張され(伸張後は2D映像になる)装置構造(4)のキャッシュに一時保管される(データ放送との圧縮率の差による時間調整)。
(10)データ放送は、装置構造(3)の伸張機構により、圧縮データが伸張され(伸張後は3D用の+α動画映像になる)。
(11)その後装置構造(5)により情報記録再生機構に3D映像データ(2D,+α,2D,+α・・・)が出力される。
(12)(11)により情報記録再生機構に入力された3D映像データを前記情報記録媒体のRE層に順次記録し、放送終了により録画を終了する。
(13)3D再生時には、前記情報記録媒体のRE層を再生し、3D映像データを3D対応TVに出力する。
(14)また、前記情報記録媒体に録画する際には、ROM層の3D化許諾キーを用いた3D化編集を許可する認証作業があっても良い。
また、3D対応TVは、前記基本動作の他に、以下の基本以外の動作を有していても良い。
(A)基本動作(6)で記録される伸張処理ソフトは前記情報記録再生装置に元々記録されていても良い。
(B)基本動作(11)で3D映像データが出力される先がHDDであっても良いし、3D対応TVであっても良い。
以上より、本来は3Dで放送できないTV番組を実質的に3D映像として視聴することが出来る。また、TV放送から3D対応ディスクを作製可能になる(他者への貸し出し等が可能になる)。さらに、TV放送の3D映像への編集に正当に使用できる。
また、本発明は、以下のように表現することもできる。
本発明の情報記録媒体は、予め第1コンテンツが記録された第1情報記録領域と、2次元映像情報である第2コンテンツが記録可能な第2情報記録領域を有する各種情報の読出しが可能な情報記録媒体であって、前記第1コンテンツは、第2コンテンツを3次元映像化するための補完情報であっても良い。
また、本発明の情報記録媒体は、前記第1情報記録領域は、情報の読み出しのみ可能な領域になっていても良い。
また、本発明の情報記録媒体は、前記第1情報記録領域には、前記第2情報記録領域に、前記第1コンテンツと前記第2コンテンツを3次元映像情報として容易に出力できる配列で記録するための情報が記録されていても良い。
また、本発明の情報記録媒体は、前記第1情報記録領域には、第2情報記録領域に前記第2コンテンツを記録するための記録予約情報が記録されていても良い。
また、本発明の情報記録媒体再生方法は、前記情報記録媒体を再生する再生方法であって、3次元映像再生時には、最初に第1情報記録領域に記録されている第1コンテンツを、該記録再生装置に設けられている一時記録媒体に記録する工程と、前記一時記録媒体から出力される第1コンテンツと、第2情報記録領域に記録されている第2コンテンツを再生することで出力される第2コンテンツとを同期させて外部に出力する工程からなっていても良い。
また、本発明の情報記録媒体記録再生装置は、前記再生方法を実行するためのプログラムを有していても良い。
また、本発明の情報記録媒体は、予め第1コンテンツが記録された第1情報記録領域と、2次元映像情報である第2コンテンツが記録可能な第2情報記録領域を有する各種情報の読出しが可能な情報記録媒体であって、前記第1コンテンツは、圧縮された第2コンテンツを3次元映像化するための補完情報を伸張するためのプログラムであっても良い。
また、本発明の情報記録媒体は、前記第1情報記録領域は、情報の読み出しのみ可能な領域になっていても良い。
また、本発明の情報記録媒体は、前記第1情報記録領域には、前記第2情報記録領域に、前記第1コンテンツと前記第2コンテンツを3次元映像情報として容易に出力できる配列で記録するための情報が記録されていても良い。
また、本発明の記録方法は、前記情報記録媒体に記録する記録方法であって、外部入力データを2次元映像情報と、前記2次元情報を3次元映像化するための補完情報に分離する工程と、2次元映像情報を記録再生装置内の一時記録媒体に記録する工程と、前記補完情報の圧縮を伸張する工程と、前記伸張された補完情報と、一時記録媒体から出力される2次元映像情報とを同期を取って3次元映像再生が容易になる配列で情報を情報媒体に記録する工程からなっていても良い。
また、本発明の情報記録再生装置は、前記構成に加えて、前記放送コンテンツの前記第2情報記録領域への記録を取り消す指示を入力するための入力手段を備えており、前記入力手段を介して前記記録を取り消す指示が入力された場合に、前記第2情報記録領域に、前記無効化情報を記録しても良い。
これにより、予約情報により記録される放送コンテンツが、ユーザの期待に沿わない内容であった場合、前記無効化情報を本発明の情報記録媒体に記録することにより、ユーザの期待に沿わない内容の放送コンテンツが、情報記録媒体に記録されることを防止することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、本発明の情報記録再生装置は、前記構成に加えて、前記情報記録媒体が複数存在する場合に、前記情報記録媒体の前記第1情報記録領域に記録された前記予約情報及び、前記予約情報と前記情報記録媒体との対応関係を示す対応関係情報を記録する記録部を備えており、前記情報記録媒体の前記第2情報記録領域に前記無効化情報が記録されている場合に、前記対応関係情報に基づいて、前記情報記録媒体に対応する前記予約情報を、前記記録部から消去しても良い。
これにより、前記無効化情報が記録された情報記録媒体に対応する前記予約情報が、記録部から消去されるので、間違って、ユーザの期待に沿わない内容の放送コンテンツが情報記録媒体に記録されてしまうという誤操作を防止することができる。
また、前記構成により、本発明の情報記録再生装置は、無効化情報が記録された情報記録媒体に記録されている前記ユーザの期待に沿わない内容の放送コンテンツに対応する予約情報を認識しないようにできる(無効と判断できる)ため、前記情報記録再生装置に該放送コンテンツが記録される予定の第2情報記録領域を、通常の記録が可能な記録領域と認識させることができる。
よって、前記予約情報に対応する第2情報記録領域を他のコンテンツの記録に転用することが可能となる。
最後に、3D映像視聴システム1を構成する情報記録再生装置1001及び情報記録再生装置1002の各ブロック、特に制御部115は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、3D映像視聴システム1を構成する情報記録再生装置1001及び情報記録再生装置1002は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、前記プログラムを格納したROM(read only memory)、前記プログラムを展開するRAM(random access memory)、前記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。
そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである、3D映像視聴システム1を構成する情報記録再生装置1001及び情報記録再生装置1002の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、3D映像視聴システム1を構成する情報記録再生装置1001及び情報記録再生装置1002に供給し、そのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
前記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやコンパクトディスク−ROM/MO/MD/デジタルビデオデイスク/コンパクトディスク−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、3D映像視聴システム1を構成する情報記録再生装置1001及び情報記録再生装置1002を通信ネットワークと接続可能に構成し、前記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
また、本発明は、以下のように表現することもできる。
すなわち、本発明の3次元化ユニットは、前記課題を解決するために、2次元映像コンテンツを3次元映像化する3次元化ユニットであって、外部から取得したコンテンツから、2次元映像コンテンツと、該2次元映像コンテンツを3次元映像化するための、圧縮された補完情報と、を分離して出力する情報分離手段と、前記情報分離手段が出力する前記圧縮された補完情報を伸張する伸張処理手段と、前記情報分離手段が前記2次元映像コンテンツ及び前記圧縮された補完情報を出力する時点と、前記伸張処理手段が前記圧縮された補完情報の伸張を完了する時点と、の間に生じる時間差を調整して、前記2次元映像コンテンツと前記補完情報とを3次元映像として再生できるように配列する配列処理を行う配列処理手段とを備えていても良い。
前記構成によれば、情報分離手段は、外部から取得したコンテンツから、2次元映像コンテンツと、圧縮された補完情報とを分離して出力する。
次に、伸張処理手段は、情報分離手段が出力する圧縮された補完情報を伸張する。
次に、配列処理手段は、情報分離手段が2次元映像コンテンツ及び圧縮された補完情報を出力する時点と、伸張処理手段が圧縮された補完情報の伸張を完了する時点と、の間に生じる時間差を調整して、2次元映像コンテンツと補完情報とを3次元映像として再生できるように配列する配列処理を行う。
これにより、外部から取得したコンテンツから分離された2次元映像コンテンツと、該コンテンツから分離された圧縮された補完情報を伸張した補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列することが可能となる。
また、本発明の3次元化ユニットは、情報を所定の一時記録メモリに記録する制御を行うメモリ制御手段を備えており、前記メモリ制御手段は、前記情報分離手段によって分離された前記2次元映像コンテンツを一時記録メモリに記録する制御を行い、前記配列処理手段は、前記一時記録メモリに記録された前記2次元映像コンテンツを読出す時間を調整することで、前記時間差を調整しても良い。
また、情報記録装置は、前記3次元化ユニットを備えた情報記録装置であって、前記配列処理手段によって配列処理が行われた、前記2次元映像コンテンツと前記伸張処理手段によって伸張された補完情報とを、所定の情報記録媒体に記録する記録制御手段を備えていても良い。
以上の構成によれば、情報分離手段は、外部から取得したコンテンツから、2次元映像コンテンツと、圧縮された補完情報とを分離する。
次に、メモリ制御手段は、情報分離手段によって分離された2次元映像コンテンツを一時記録メモリに記録する。
次に、伸張処理手段は、情報分離手段によって分離された前記圧縮された補完情報を伸張する。
次に、記録制御手段は、伸張処理手段によって伸張された補完情報と、メモリ制御手段によって一時記録メモリに記録された2次元映像コンテンツとを読出し、2次元映像コンテンツと伸張された補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列して第2情報記録領域に記録する。
これにより、外部から取得したコンテンツから分離された2次元映像コンテンツと、該コンテンツから分離された圧縮された補完情報を伸張した補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列して第2情報記録領域に記録することが可能となる。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組合せて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、3D映像化を実現するための左目用映像情報や、+αデータ等の補完情報は実際の映像データである必要はなく、右目用映像情報に対しての差分情報でも良いし、そもそも左目用映像情報に関するものでなくてよく、2次元映像の3次元映像化を実現するための補完情報であれば良い。