JP4829418B2 - 光学活性なハロヒドリン誘導体およびその使用方法 - Google Patents
光学活性なハロヒドリン誘導体およびその使用方法 Download PDFInfo
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、医薬品として有用な3,4−ジ置換フェニルエタノールアミノテトラリンカルボン酸アミド誘導体またはその薬学的に許容される塩を製造するための新規な中間体およびその使用方法に関する。
【0002】
さらに詳しく述べれば、本発明は、β2−アドレナリン受容体刺激作用を有し、切迫流・早産防止剤、気管支拡張剤、尿路結石症の疼痛緩解および排石促進剤として有用な式(V)
【化6】
で表わされる3,4−ジ置換フェニルエタノールアミノテトラリンカルボン酸アミド誘導体またはその薬学的に許容される塩を製造するために有用な新規な中間体およびその使用方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
式(V)で表わされる3,4−ジ置換フェニルエタノールアミノテトラリンカルボン酸アミド誘導体の製造方法として、WO97/30023公報に
(1)式(VI)
【化7】
(式中、R0は水酸基の保護基であり、Yはハロゲンである)で表わされるアルキル化剤と式(VII)
【化8】
(式中、Aは低級アルキレン基であり、Bはジ低級アルキルアミノ基である)で表わされるアミンとを反応させた後、水素化ホウ素ナトリウムにより還元し、得られたジアステレオマー混合物を液体クロマトグラフィーにより分離する方法、および(2)式(VIII)
【化9】
(式中、R0は上記と同じ意味を有する)で表わされるマンデル酸誘導体と式(IX)
【化10】
で表わされるアミンとを縮合剤の存在下に反応させてアミド化合物とし、該アミド化合物をボラン・ジメチルスルフィド錯体などの試薬により還元して得られるジアステレオマー混合物を液体クロマトグラフィーにより分離し、その後、フェノール性水酸基をY−A−COB(Y、AおよびBは、上記と同じ意味を有する)を用いてアルキル化する方法が開示されているが、本発明の式(I)で表わされる光学活性なハロヒドリン誘導体については何ら開示されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、β2−アドレナリン受容体刺激作用を有し、切迫流・早産防止剤、気管支拡張剤、尿路結石症の疼痛緩解および排石促進剤として有用な前記式(V)で表わされる3,4−ジ置換フェニルエタノールアミノテトラリンカルボン酸アミド誘導体またはその薬学的に許容される塩を簡便かつ高収率で製造するために有用な新規な光学活性中間体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、文献未記載の新規な前記式(I)で表わされる光学活性なハロヒドリン誘導体を見出し、該ハロヒドリン誘導体を使用して前記式(V)で表わされる3,4−ジ置換フェニルエタノールアミノテトラリンカルボン酸アミド誘導体またはその薬学的に許容される塩を簡便かつ収率よく製造できるという知見を得、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、β2−アドレナリン受容体刺激作用を有し、切迫流・早産防止剤、気管支拡張剤、尿路結石症の疼痛緩解および排石促進剤として有用な前記式(V)で表わされる3,4−ジ置換フェニルエタノールアミノテトラリンカルボン酸アミド誘導体またはその薬学的に許容される塩を製造するために有用な新規な光学活性中間体に関し、以下の式(I)
【化11】
(式中、R1は水酸基の保護基であり、R2およびR3は独立して水素原子または水酸基の保護基であり、Xはハロゲンである)で表わされる化合物を包含する。
【0007】
また本発明は、式(II)
【化12】
(式中、R4、R5およびR6は同一または異なってもよい水酸基の保護基であり、Xはハロゲンである)で表わされる化合物と式(III)
【化13】
で表わされるアミンとを反応させて式(IV)
【化14】
で表わされる化合物を製造し、該式(IV)で表わされる化合物の保護基R4、R5およびR6を脱保護し、その後、必要であれば薬理学的に許容可能な塩を形成することを特徴とする、式(V)
【化15】
で表わされる3,4−ジ置換フェニルエタノールアミノテトラリンカルボン酸アミド誘導体またはその薬学的に許容される塩の製造方法に関する。
【0008】
本発明においてハロゲンとは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表わし、水酸基の保護基とは、水酸基で望ましくない反応が起こるのを防止するために導入できる任意の基をいい、例えば、アラルキル基、トリ低級アルキルシリル基、低級アルコキシ低級アルキル基、テトラヒドロピラニル基、低級アルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、フェニル低級アルコキシカルボニル基などが挙げられる。ここで、低級アルキル基とは炭素数1〜6個の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルなどが挙げられる。アラルキル基とは、1〜3個のハロゲンまたはメトキシ基で置換されてもよいフェニル基で置換された上記低級アルキルを意味し、例えば、ベンジル、4−クロロベンジル、4−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジルなどが挙げられる。トリ低級アルキルシリル基とは上記低級アルキル基で三置換されたシリル基を意味し、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリルなどが挙げられる。低級アルコキシ低級アルキル基とは、炭素数1〜6個の直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基で置換された上記低級アルキル基を意味し、例えば、メトキシメチル、1−エトキシエチルなどが挙げられる。低級アルカノイル基とは、上記低級アルキル基で置換されたカルボニル基を意味し、例えば、アセチル、イソブチリル、ピバロイルなどが挙げられる。低級アルコキシカルボニル基とは、炭素数1〜6個の直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基で置換されたカルボニル基を意味し、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなどが挙げられる。フェニル低級アルコキシカルボニル基とは、フェニル基で置換された上記低級アルコキシカルボニル基を意味し、例えば、ベンジルオキシカルボニルなどが挙げられる。好ましい水酸基の保護基としてアラルキル基およびトリ低級アルキルシリル基が挙げられる。最も好ましい水酸基の保護基としてtert−ブチルジメチルシリルおよびベンジルが挙げられる。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の式(XIII)および(II)で表わされる化合物は以下のスキームに従って製造することができる。
【化16】
式中、R4、R5、R6およびXは、上記定義の通りである。
【0010】
本発明において出発原料として使用される前記式(X)で表わされるフェノール誘導体は、市販の4’−ヒドロキシアセトフェノンとホルマリンとを塩酸中で反応させることにより得られる3’−クロロメチル−4’−ヒドロキシアセトフェノンを、シアン化ナトリウムによりシアノ化後、アルカリ加水分解、エステル化を行うことにより製造することができる。
【0011】
本発明の前記式(XIII)で表わされる化合物は、以下の工程a〜cの反応を行うことにより製造することができる。
【0012】
(工程a)
前記式(X)で表わされるフェノール誘導体に、常法に従い不活性溶媒中、必要に応じて塩基または酸の存在下、保護化試薬を使用することにより、フェノール性水酸基を保護した前記式(XI)で表わされるメチルケトン誘導体を得ることができる。このような水酸基の保護基の導入は、例えば、T.W.GreenおよびP.G.H.Wuts,「Protective Groups in Organic Synthesis」第3版、およびそこに記載された参考文献に従って行なうことができる。R4がアラルキル基である場合、前記式(X)で表わされるフェノール誘導体とR4−X(Xは上記定義の通りである)とを不活性溶媒中、塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムなどの無機塩基など)および必要に応じて触媒量のヨウ化アルカリ金属(例えば、ヨウ化カリウムなど)の存在下、通常、10〜100℃で30分〜12時間反応させ、反応終了後、必要に応じて不溶物を除去した後、常法により抽出、濃縮することにより、式(XI)で表わされるメチルケトン誘導体を得ることができる。本反応に使用できる不活性溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリルなどが挙げられ、これらの不活性溶媒を単独または2種以上混合して使用することができる。メチルケトン誘導体(XI)は、必要に応じて慣用の精製手段である再結晶などにより精製することができる。
【0013】
(工程b)
次に前記式(XI)で表わされるメチルケトン誘導体を不活性溶媒中、必要に応じて触媒量の酸(例えば、硫酸など)の存在下、ハロゲン化試薬(例えば、塩素、臭素、ピロリドンハイドロトリブロミドなど)を用いてハロゲン化し、反応終了後、常法により抽出、濃縮することにより、前記式(XII)で表わされるフェナシルハライドを得ることができる。本反応に使用できる不活性溶媒としては、例えば、酢酸エチルなどのカルボン酸エステル類、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、ヘキサンなどの炭化水素類などが挙げられ、これらの不活性溶媒を単独または2種以上混合して使用することができる。フェナシルハライド(XII)は、精製して次の工程に使用してもよいが、精製することなく次の工程に供しても何ら支障がない。
【0014】
(工程c)
次に得られた前記式(XII)で表わされるフェナシルハライドを、不活性溶媒中、光学活性なアミノアルコールの存在下、必要に応じて金属アルコキシドを添加し、水素化ホウ素試薬を使用して不斉還元することにより、本発明の前記式(XIII)で表わされるハロヒドリン誘導体を製造することができる。この不斉還元反応に使用できる不活性溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、トルエンなどの炭化水素類などが挙げられ、これらの不活性溶媒を単独または2種以上混合して使用することができる。光学活性なアミノアルコールとしては、例えば、(2R)−α,α−ジフェニル−2−ピロリジンメタノール、(1R,2S,3R,4S)−3−アミノ−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オールなどを使用することができ、通常、フェナシルハライド(XII)に対して0.1〜100モル%、好ましくは1〜20モル%の範囲から適宜選択して使用することができる。金属アルコキシドとしては、アルミニウムトリ低級アルコキシド(例えば、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシドなど)などを使用することができ、通常、光学活性アミノアルコールに対して1.0〜1.5当量使用される。還元剤としては、ボラン・ジメチルスルフィド錯体、ボラン・テトラヒドロフラン錯体、ボラン・N,N−ジエチルアニリン錯体などを使用することができ、通常、フェナシルハライド(XII)に対してホウ素換算で1〜3当量使用される。不斉還元反応を好適に実施するには、不活性溶媒中の光学活性なアミノアルコールの溶液に、必要に応じて金属アルコキシドを添加し室温で30分〜数時間撹拌した後、還元剤、続いてフェナシルハライド(XII)を添加し、通常、0〜70℃で1〜12時間反応させればよい。反応終了後、常法により抽出、濃縮することにより、目的とする式(XIII)で表わされるハロヒドリン誘導体を極めて高い光学純度で得ることができる。ハロヒドリン誘導体(XIII)は、必要に応じて慣用の精製手段である再結晶などにより精製することができる。
【0015】
前記不斉還元反応において使用される光学活性アミノアルコールは、市販品を使用するか、または文献記載の方法に従って製造することができる(K.Tanakaら,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,1991年,1445〜1452頁)。
【0016】
(工程d)
本発明の前記式(II)で表わされるハロヒドリン誘導体は、R5およびR6が異なる場合、常法に従って前記式(XIII)で表わされるハロヒドリン誘導体に異なる保護化試薬を使用して順次反応させることにより製造することができ、またR5およびR6が同一の場合には、過剰量、例えば、2〜10当量の保護化試薬を使用して反応を行うことにより製造することができる。このような水酸基の保護基の導入は、例えば、T.W.GreenおよびP.G.H.Wuts,「Protective Groups in Organic Synthesis」第3版、およびそこに記載された参考文献に従って行なうことができる。R5およびR6がトリ低級アルキルシリル基である場合、ハロヒドリン誘導体(XIII)とトリ低級アルキルシリル化剤とを不活性溶媒中、塩基の存在下、通常、0〜50℃で1〜24時間反応させることにより本発明の式(II)で表わされるハロヒドリン誘導体を製造することができる。このシリル化反応に使用できる不活性溶媒としては、テトラヒドロフランなどのエーテル類、トルエンなどの炭化水素類、酢酸エチル、アセトニトニル、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、これらの不活性溶媒を単独または2種以上混合して使用することができる。トリ低級アルキルシリル化剤としては、クロロトリメチルシラン、クロロトリエチルシラン、クロロトリイソプロピルシラン、tert−ブチルジメチルクロロシランなどが挙げられる。塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、イミダゾールなどが挙げられる。トリ低級アルキルシリル化剤および塩基は、通常、ハロヒドリン誘導体(XIII)に対して2〜10当量の範囲から適宜選択して使用することができる。反応終了後、常法により抽出、濃縮することにより目的とするハロヒドリン誘導体(II)を得ることができる。ハロヒドリン誘導体(II)は、精製して次の工程に使用してもよいが、精製することなく次の工程に供しても何ら支障がない。
【0017】
このようにして得られた前記式(II)で表わされる光学活性なハロヒドリン誘導体を使用して以下のスキームに示す工程e〜fの反応を行なうことにより、医薬品として有用な前記式(V)で表わされる3,4−ジ置換フェニルエタノールアミノテトラリンカルボン酸アミド誘導体を製造することができる。
【化17】
式中、R4、R5およびR6は、独立して水酸基の保護基を表わし、Xは上記定義の通りである。
【0018】
(工程e)
前記式(II)で表わされるハロヒドリン誘導体と前記式(III)で表わされるアミンとを不活性溶媒中、塩基の存在下、通常、40〜130℃の温度で、1〜48時間反応させることにより前記式(IV)で表わされる化合物を製造することができる。本反応に使用できる不活性溶媒としては、例えば、イソプロパノール、tert−ブタノールなどのアルコール類、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、クロロベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリルなどが挙げられ、これらの不活性溶媒を単独または2種以上混合して使用することができる。塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどの無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基などを使用することができる。ハロヒドリン誘導体(II)およびアミン(III)は、通常、等モルで使用されるが、いずれか一方を過剰に使用しても良い。塩基は、通常、アミン(III)に対して1〜5当量の範囲から適宜選択して使用することができる。反応終了後、常法により抽出、濃縮することにより目的とする前記式(IV)で表わされる化合物を得ることができる。化合物(IV)は、精製して次の工程に使用してもよいが、精製することなく次の工程に供しても何ら支障がない。
【0019】
(工程f)
次に前記式(IV)で表わされる化合物中の保護基R4、R5およびR6を常法により順次または同時に除去することにより、前記式(V)で表わされる3,4−ジ置換フェニルエタノールアミノテトラリンカルボン酸アミド誘導体へと収率よく導くことができる。このような水酸基の保護基の除去は、例えば、T.W.GreenおよびP.G.H.Wuts,「Protective Groups in Organic Synthesis」第3版、およびそこに記載された参考文献に従って行なうことができる。水酸基の保護基R4がアラルキル基であり、R5およびR6がトリ低級アルキルシリル基である場合、化合物(IV)を不活性溶媒中、酸またはフッ化物塩の存在下、通常、0〜50℃で1〜24時間反応させ、トリ低級アルキルシリル基の除去を行なうことにより式(XIV)
【化18】
で表わされる化合物に変換することができる。本反応に使用できる酸としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、フッ化水素酸などが挙げられ、またフッ化物塩としては、例えば、フッ化テトラn−ブチルアンモニウム、フッ化水素ピリジンなどが挙げられる。酸またはフッ化物塩は、通常、式(IV)で表わされる化合物に対して1〜5当量の範囲から適宜選択して使用することができる。本反応に使用できる不活性溶媒としては、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類、メタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトニトリルなどが挙げられ、これらの不活性溶媒を単独または2種以上混合し、必要に応じて水を添加して使用することができる。反応終了後、常法により抽出、濃縮することにより式(XIV)で表わされる化合物を得ることができる。式(XIV)で表わされる化合物は、必要に応じてその酸付加塩として単離することもできる。このような酸付加塩は、式(XIV)で表わされる化合物を不活性溶媒に溶解し、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸などの鉱酸、またはギ酸、酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、酪酸、シュウ酸などの有機酸などを添加することにより形成することができる。また式(XIV)で表わされる化合物は、酸付加塩として単離後、必要に応じて含水溶媒中で塩基の水溶液(例えば、炭酸カリウム水溶液など)で処理することにより、その遊離形態に戻すことができる。
【0020】
続いて式(XIV)で表わされる化合物を不活性溶媒中、水素雰囲気下、金属触媒(例えば、5〜10%パラジウムカーボン、パラジウムブラックなど)を使用し、通常、0〜70℃で1〜24時間反応させ、アラルキル基の除去を行うことにより前記式(V)で表わされる3,4−ジ置換フェニルエタノールアミノテトラリンカルボン酸アミド誘導体を製造することができる。本反応に使用できる不活性溶媒としては、例えば、エタノールなどのアルコール類などが挙げられる。反応終了後、不溶物を除去し、濃縮することにより、目的とする3,4−ジ置換フェニルエタノールアミノテトラリンカルボン酸アミド誘導体(V)を得ることができる。式(V)で表わされる3,4−ジ置換フェニルエタノールアミノテトラリンカルボン酸アミド誘導体は、必要に応じて常法に従いその薬理学的に許容される塩とすることができる。このような塩としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸との酸付加塩、ギ酸、酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、プロピオン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、炭酸、グルタミン酸、アスパラギン酸などとの有機酸との酸付加塩などを挙げることができる。
【0021】
前記製造において用いられる前記式(III)で表わされるアミン誘導体は、文献記載の方法またはそれと類似の方法により製造することができる(例えば、Eur.J.Med.Chem.,29,259〜267頁(1994年);日本特許公開平3−14548号公報)。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の内容を参考例および実施例でさらに詳細に説明する。なお以下の実施例は本発明を例示することを意図したものであり、発明の範囲を限定するものではない。
【0023】
【実施例】
(参考例1)
5'−アセチル−2'−ヒドロキシフェニル酢酸メチル
濃塩酸1000mLに4'−ヒドロキシアセトフェノン136.0gを懸濁し、撹拌下に37%ホルマリン340mLを加え、50℃にて4時間加熱した。析出結晶を濾取し、水洗して3'−クロロメチル−4'−ヒドロキシアセトフェノン203.2gを赤色結晶として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ ppm:2.50(3H,s),4.75(2H,s),6.97(1H,d,J=8.4Hz),7.84(1H,d,J=8.4Hz),7.99(1H,s),10.89(1H,s)。
【0024】
シアン化ナトリウム98.0gおよびジメチルスルホキシド500mLの混合物を60℃で30分撹拌した。60℃で撹拌下、3'−クロロメチル−4'−ヒドロキシアセトフェノン203.2gを1時間かけて加えた。さらに1時間撹拌後、水酸化ナトリウム140.0gの水(500mL)溶液を加え、120℃で2時間加熱還流した。室温まで放冷後、水2500mLおよびトルエン500mLを加え、分液した。水層に濃塩酸400mLを加えてpH3に調整し、酢酸エチル1000mLで3回抽出した。有機層を合わせて水1000mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を濃縮し、残渣に酢酸エチル100mLを加え、加熱撹拌下50℃でトルエン300mLをゆっくり滴下した。得られた結晶を濾取し、5'−アセチル−2'−ヒドロキシフェニル酢酸を97.6g得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ ppm:2.47(3H,s),3.55(2H,s),6.89(1H,d,J=8.4Hz),7.75(1H,dd,J=2.0,8.4Hz),7.78(1H,d,J=2.0Hz),10.18〜10.75(1H,br),11.81〜12.49(1H,br)。
【0025】
5'−アセチル−2'−ヒドロキシフェニル酢酸97.6gおよびメタノール200mLの混合物中に撹拌下濃硫酸4.9gを加え、1時間加熱還流した。炭酸水素ナトリウム8.1gの水(200mL)溶液を加え、撹拌下室温まで放冷した。析出結晶を濾取し、メタノール−水で洗浄後、減圧乾燥し、5'−アセチル−2'−ヒドロキシフェニル酢酸メチルを90.9g得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ ppm:2.47(3H,s),3.60(3H,s),3.64(2H,s),6.90(1H,d,J=8.4Hz),7.77(1H,dd,J=2.2,8.4Hz),7.80(1H,d,J=2.2Hz),10.52(1H,s)。
【0026】
(参考例2)
2−[(2S)−2−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−7−イルオキシ]−N,N−ジメチルアセトアミド・塩酸塩・二水和物
(2S)−2−アミノ−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン・塩酸塩10.0gを水40mLに懸濁し、水酸化ナトリウム2.3gを加えて溶解し、トルエン20mLで2回抽出した。トルエン層を水10mLで洗浄し、減圧濃縮した。得られた油状物に48%臭化水素酸27mLを加え、140℃で4時間加熱還流した。減圧濃縮後、得られた粗結晶をイソプロパノールから再結晶し、(2S)−2−アミノ−7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン・臭化水素酸塩11.3gを白色結晶として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ ppm:1.65〜1.75(1H,m),2.04〜2.11(1H,m),2.67〜2.78(3H,m),2.97(1H,dd,J=4.7,16.4Hz),3.38〜3.45(1H,m),6.50(1H,d,J=2.6Hz),6.57(1H,dd,J=2.6,8.4Hz),6.89(1H,d,J=8.4Hz),8.01(3H,brs),9.13(1H,s)
比旋光度:[α]D 28=−61.4゜(c=1.0,MeOH)。
【0027】
(2S)−2−アミノ−7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン・臭化水素酸塩11.3gをN,N−ジメチルホルムアミド70mLに懸濁し、室温にて撹拌下、トリエチルアミン32mLを5分かけて滴下した。水冷撹拌下に、炭酸ジ−tert−ブチル11.1gのN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)溶液を10分かけて滴下した。室温で一夜撹拌した後、反応液に水200mLを加え、酢酸エチル100mLで2回抽出した、有機層を合わせ、水、4%クエン酸、水各100mL、飽和食塩水50mLで順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下濃縮し、(2S)−2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ−7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン12.4gを油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:1.46(9H,s),1.66〜1.75(1H,m),1.98〜2.06(1H,m),2.55(1H,dd,J=8.2,16.3Hz),2.77(2H,t,J=6.5Hz),3.03(1H,dd,J=3.8,16.3Hz),3.86〜4.00(1H,br),4.52〜4.68(1H,br),5.13〜5.28(1H,br),6.53(1H,d,J=2.6Hz),6.62(1H,dd,J=2.6,8.4Hz),6.93(1H,d,J=8.4Hz)
比旋光度:[α]D 26=−67.8゜(c=1.0,MeOH)。
【0028】
(2S)−2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ−7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン12.4g、ヨウ化カリウム8.5gをテトラヒドロフラン50mLに懸濁し、水酸化ナトリウム3.9gの水(20mL)溶液を加えた。室温にて撹拌下、2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド6.2gのテトラヒドロフラン(10mL)溶液を加え、30分間撹拌した。さらに2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド1.7gを加え、1時間撹拌した。反応液に酢酸エチル200mLを加え、水100mLおよび飽和食塩水50mLで順次洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、酢酸エチル−ヘキサンより結晶化し、12.3gの2−{[(2S)−2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−7−イル]オキシ}−N,N−ジメチルアセトアミドを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:1.45(9H,s),1.68〜1.75(1H,m),2.00〜2.07(1H,m),2.59(1H,dd,J=8.2,16.3Hz),2.80(2H,t,J=6.4Hz),2.97(3H,s),3.05〜3.11(4H,m),3.89〜4.01(1H,br),4.51〜4.62(1H,br),4.64(2H,s),6.64(1H,d,J=2.6Hz),6.75(1H,dd,J=2.6,8.3Hz),7.00(1H,d,J=8.3Hz)
比旋光度:[α]D 27=−60.8゜(c=1.0,MeOH)。
【0029】
2−{[(2S)−2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−7−イル]オキシ}−N,N−ジメチルアセトアミド12.29gをイソプロパノール50mLに溶解し、室温にて撹拌下、濃塩酸17.5mLを加え一夜撹拌した。析出した結晶をろ取し、イソプロパノール12.3mLで洗浄後減圧乾燥し、2−[(2S)−2−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−7−イルオキシ]−N,N−ジメチルアセトアミド・塩酸塩・二水和物7.94gを白色結晶として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ ppm:1.70〜1.81(1H,m),2.10〜2.18(1H,m),2.68〜2.87(6H,m),2.99(3H,s),3.06(1H,dd,J=4.7,16.1Hz),3.37〜3.50(5H,m),4.74(2H,s),6.68(1H,s),6.71(1H,d,J=8.4Hz),6.99(1H,d,J=8.4Hz),8.47(3H,br)
比旋光度:[α]D 29=−45.4゜(c=1.0,MeOH)。
【0030】
(実施例1)
(1R)−1−[4−ベンジルオキシ−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−ブロモエタノール
5'−アセチル−2'−ヒドロキシフェニル酢酸メチル90.9g、ベンジルクロリド58.0g、ヨウ化カリウム7.3gをN,N−ジメチルホルムアミド150mLに溶解し、室温にて撹拌下、炭酸カリウム63.4gを加え、50℃で1.5時間撹拌した。反応液に水600mLを加え、析出した結晶をろ取し、水洗した。得られた結晶を酢酸エチル−ヘキサンより再結晶し、5'−アセチル−2'−ベンジルオキシフェニル酢酸メチルを101.4g得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:2.53(3H,s),3.63(3H,s),3.70(2H,s),5.14(2H,s),6.95(1H,d,J=8.6Hz),7.30〜7.40(5H,m),7.84(1H,d,J=2.2Hz),7.88(1H,dd,J=2.2,8.6Hz,)。
【0031】
5'−アセチル−2'−ベンジルオキシフェニル酢酸メチル32.8gを酢酸エチル160mLに溶解し、室温にて撹拌下、臭素6.2mLのヘキサン(15mL)溶液を20分かけて滴下した。30分後、水100mLを注意しながら加えた。分液後、酢酸エチル層を飽和食塩水50mLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた結晶を酢酸エチルーヘキサンより再結晶し、5'−ブロモアセチル−2'−ベンジルオキシフェニル酢酸メチルを29.9g得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:3.64(3H,s),3.71(2H,s),4.39(2H,s),5.17(2H,s),6.98(1H,d,J=8.6Hz),7.30〜7.42(5H,m),7.88(1H,d,J=2.3Hz),7.92(1H,dd,J=2.3,8.6Hz)。
【0032】
(2R)−α,α−ジフェニル−2−ピロリジンメタノール76mgをテトラヒドロフラン3mLに溶解し、室温にて撹拌下、アルミニウムトリエトキシド59mgを加え、1時間撹拌した。ボラン・ジメチルスルフィド(10M)0.6mLを加え、室温にて撹拌下、5'−ブロモアセチル−2'−ベンジルオキシフェニル酢酸メチル1.132gのテトラヒドロフラン(6mL)溶液を内温25℃以下で滴下した。原料の消失を確認後、内温50℃に加熱し、さらに2時間撹拌した。反応終了を確認後、室温に戻し、メタノール1mLを注意深く加えた。発泡が収まってから減圧下溶媒を留去し、残渣に酢酸エチル10mLおよび1mol/L塩酸3mLを加えた。有機層を分離後、水層をさらに酢酸エチル10mLで抽出した。有機層を合わせ、水5mL、飽和食塩水5mLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた粗結晶を酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し、(1R)−1−[4−ベンジルオキシ−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−ブロモエタノール0.910gを白色結晶として得た。
光学純度:99.9%e.e.(HPLC分析値)
融点:86〜87℃
IR(KBr):3249,1568,1448,1253cm-1
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:1.85(1H,s),2.89〜2.95(3H,m),3.51(1H,dd,J=8.9,10.4Hz),3.57(1H,dd,J=3.6,10.4Hz),3.80〜3.87(2H,m),4.79〜4.84(1H,m),5.07(2H,s),6.90(1H,d,J=8.1Hz),7.15〜7.20(2H,m),7.29〜7.42(5H,m)
比旋光度:〔α〕D 29=−17.6゜(c=1.0,MeOH)。
【0033】
(実施例2)
(1R)−1−[4−ベンジルオキシ−3−(2−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル)フェニル]−2−ブロモ−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエタン
(1R)−1−[4−ベンジルオキシ−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−ブロモエタノール30.00g、イミダゾール29.07gをN,N−ジメチルホルムアミド100mLに溶解し、氷冷撹拌下、tert−ブチルジメチルクロロシラン32.18gのトルエン(32mL)溶液を滴下した。室温で6時間撹拌後、tert−ブチルジメチルクロロシラン2.57gのトルエン(2.5mL)溶液を加え、さらに2時間撹拌した。反応液に水100mLを加え、酢酸エチル100mLで2回抽出した。有機層を合わせ、水100mLで2回、飽和食塩水50mLで順次洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮し、(1R)−1−[4−ベンジルオキシ−3−(2−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル)フェニル]−2−ブロモ−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエタン58.2gを無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:−0.09(3H,s),−0.04(6H,s),0.10(3H,s),0.85(9H,s),0.89(9H,s),2.90(2H,t,J=7.3Hz),3.35〜3.46(2H,m),3.80(2H,t,J=7.3Hz),4.78(1H,dd,J=4.4,7.9Hz),5.05(2H,s),6.86(1H,d,J=8.3Hz),7.12〜7.15(2H,m),7.32〜7.44(5H,m)
比旋光度:〔α〕D 31=−33.0゜(c=1.0,MeOH)。
【0034】
(実施例3)
2−[(2S)−2−({(2R)−2−[4−ベンジルオキシ−3−(2−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル)フェニル]−2−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル}アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−7−イルオキシ]−N,N−ジメチルアセトアミド
(1R)−1−[4−ベンジルオキシ−3−(2−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル)フェニル]−2−ブロモ−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエタン58.2g、2−[(2S)−2−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−7−イルオキシ]−N,N−ジメチルアセトアミド・塩酸塩・二水和物30.2g、炭酸カリウム18.9gをN,N−ジメチルアセトアミド85mLに懸濁し、室温でアルゴンガスを10分間導入した後、アルゴン雰囲気下120℃で6時間撹拌した。室温に戻した後、反応液に水200mLを加え、酢酸エチル200mLで2回抽出した。有機層を合わせ、水100mLで2回、飽和食塩水100mLで順次洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、2−[(2S)−2−({(2R)−2−[4−ベンジルオキシ−3−(2−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル)フェニル]−2−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル}アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−7−イルオキシ]−N,N−ジメチルアセトアミド68.6gを褐色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:−0.16(3H,s),−0.04(6H,s),0.03(3H,s),0.85(9H,s),0.88(9H,s),1.49〜1.59(1H,m),1,63〜1.75(2H,m),1.99〜2.02(1H,s),2.52〜2.96(9H,m),2.97(3H,s),3.08(3H,s),3.81(2H,t,J=7.4Hz),4.64(2H,s),4.75(1H,dd,J=4.2,8.2Hz),5.05(2H,s),6.66(1H,d,J=2.6Hz),6.73(1H,dd,J=2.6,8.4Hz),6.85(1H,d,J=8.3Hz),6.98(1H,d,J=8.4Hz),7.12(1H,dd,J=2.1,8.3Hz),7.15(1H,d,J=2.1Hz),7.32〜7.44(5H,m)
比旋光度:〔α〕D 31=−56.9゜(c=0.7,MeOH)。
【0035】
(実施例4)
2−[(2S)−2−({(2R)−2−[4−ベンジルオキシ−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−7−イルオキシ]−N,N−ジメチルアセトアミド・シュウ酸塩・一水和物
2−[(2S)−2−({(2R)−2−[4−ベンジルオキシ−3−(2−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル)フェニル]−2−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル}アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−7−イルオキシ]−N,N−ジメチルアセトアミド68.6gをテトラヒドロフラン480mL、水24mLに溶解し、室温にて撹拌下、p−トルエンスルホン酸一水和物48.7gを加え、一夜撹拌した。炭酸カリウム38.9gの水(300mL)溶液を加え、酢酸エチル300mLおよび10%含エタノール−酢酸エチル300mLで抽出した。有機層を合わせ、炭酸カリウム11.8gの水(200mL)溶液、10%食塩水200mlで洗浄後、減圧下濃縮した。得られた油状物をエタノール120mLに溶解し、50℃で撹拌下、シュウ酸二水和物10.7gのエタノール(95mL)溶液を加えた。結晶析出後、室温にてトルエン430mLを加え、3時間撹拌した後、一夜静置した。析出結晶を濾取後、乾燥し、2−[(2S)−2−({(2R)−2−[4−ベンジルオキシ−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−7−イルオキシ]−N,N−ジメチルアセトアミド・シュウ酸塩・一水和物36.7gを白色結晶として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:1.71〜1.87(1H,m),2.21〜2.31(1H,m),2.61〜3.25(14H,m),3.39〜3.50(1H,m),3.61(2H,t,J=7.3Hz),4.73(2H,s),4.92(1H,d,J=9.1Hz),5.13(2H,s),6.66(1H,s),6.70(1H,d,J=8.4Hz),6.99(1H,d,J=8.5Hz),7.03(1H,d,J=8.4Hz),7.22(1H,d,J=8.5Hz),7.25(1H,s),7.34(1H,t,J=7.2Hz),7.38〜7.45(4H,m)
比旋光度:〔α〕D 29=−67.8゜(c=1.0,MeOH)。
【0036】
(実施例5)
2−[(2S)−2−({(2R)−2−[4−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−7−イルオキシ]−N,N−ジメチルアセトアミド・0.5硫酸塩
炭酸カリウム24.3gの水(200mL)溶液および10%含エタノール−酢酸エチル200mLの混液に、40℃で撹拌下、2−[(2S)−2−({(2R)−2−[4−ベンジルオキシ−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−7−イルオキシ]−N,N−ジメチルアセトアミド・シュウ酸塩・一水和物36.7gを加え、1時間撹拌した。有機層を分離後、水層を10%含エタノール−酢酸エチル100mLで2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水50mLで洗浄し減圧下濃縮した。得られた油状物をエタノール150mLに溶解し、10%パラジウムカーボン(50%含水品)3.7gを加え、水素雰囲気下、40℃で8時間撹拌した。パラジウムカーボンをろ過し、減圧下濃縮した。残査をエタノール100mLに溶解し、室温で撹拌した。結晶析出後、ヘキサン50mLを加え、一夜撹拌した。析出結晶を濾取し、減圧乾燥した。得られた結晶をメタノール130mLに溶解し、50℃で撹拌下、2mol/L硫酸水溶液26.0mLを加えた。室温まで放冷し、一夜撹拌した。析出した結晶を濾取し、減圧乾燥し、2−[(2S)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]エチル}アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−7−イルオキシ]−N,N−ジメチルアセトアミド・0.5硫酸塩21.47gを白色結晶として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ ppm:1.55〜1.75(1H,m),2.05〜2.15(1H,m),2.60〜3.25(15H,m),3.56(2H,t,J=7.3Hz),4.60〜4.80(3H,m),6.62(1H,d,J=2.6Hz),6.67(1H,dd,J=2.6,8.4Hz),6.75(1H,d,J=8.2Hz),6.96(1H,d,J=8.4Hz),7.03(1H,dd,J=2.1,8.2Hz),7.09(1H,d,J=2.1Hz),9.25(1H,brs)
比旋光度:〔α〕D 25=−70.8゜(c=1.0,H2O)。
【0037】
【発明の効果】
本発明の式(II)で表わされる光学活性なハロヒドリン誘導体を経由することにより式(V)で表わされる3,4−ジ置換フェニルエタノールアミノテトラリンカルボン酸アミド誘導体またはその薬理学的に許容される塩を簡便かつ収率よく製造することができ、該ハロヒドリン誘導体は切迫流・早産防止剤、気管支拡張剤、尿路結石症の疼痛緩解および排石促進剤のための製造中間体として有用である。
Claims (7)
- R1がアラルキル基であり、R2およびR3が水素原子である、請求項1に記載の化合物。
- R1がアラルキル基であり、R2およびR3がトリC1−6アルキルシリル基である、請求項1に記載の化合物。
- R1がベンジルであり、R2およびR3が水素原子であり、Xが臭素原子である、請求項1に記載の化合物。
- R1がベンジルであり、R2およびR3がtert−ブチルジメチルシリルであり、Xが臭素原子である、請求項1に記載の化合物。
- R4がベンジル基であり、R5およびR6がtert−ブチルジメチルシリル基である、請求項6に記載の製造方法。
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