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JP4942249B2 - リチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の製造方法 Download PDF

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JP4942249B2 JP2001006957A JP2001006957A JP4942249B2 JP 4942249 B2 JP4942249 B2 JP 4942249B2 JP 2001006957 A JP2001006957 A JP 2001006957A JP 2001006957 A JP2001006957 A JP 2001006957A JP 4942249 B2 JP4942249 B2 JP 4942249B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン二次電池の製造方法に関し、より詳細には、高温放置時のふくれ特性(バルジ特性)を改善することができるリチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウムイオン二次電池では、初回充電中に電極/電解液の界面で化学反応が起こり、ガスが発生することが知られている。リチウムイオン二次電池は、この発生したガスを除去するために脱ガス工程に供され、次いでエージング工程(老化試験)に供された後、問題の生じた電池(例えば、エージング中に急激に電圧が降下したもの)が除去され、問題のない良品の電池のみが製品として出荷される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記脱ガス工程では発生したガスを完全に除去することは困難であるため、製品としての電池内には少量のガスが残存する。このため、当該リチウムイオン二次電池が金属(アルミ、鉄(クロムメッキ)等)缶以外の外装材(例えば、アルミニウムラミネートフィルム等のシート状の外装材)を用いたいわゆるシート電池(とりわけ積層型のもの)の場合、製品としてのシート電池を高温(例えば、90℃)雰囲気に長時間放置したところ、残存したガスが膨張してふくれが発生し、その結果として、正負電極が離間して内部抵抗が大きくなり、充放電が不安定となり、電池性能が低下した。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、高温放置時のふくれ特性(バルジ特性)を改善することができるリチウムイオン二次電池の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に対し、鋭意検討した結果、老化試験によって選別された良品の電池に対してさらに脱ガスを行うことによって、初回充電中に発生したガスをほぼ完全に除去することができ、それゆえ高温放置時のふくれ特性(バルジ特性)を改善することができることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
【0006】
シート状外装材で外装されたリチウムイオン二次シート電池の製造方法であって、組み立て後の電池を充電する工程、当該充電中に発生したガスを除去する工程、および当該ガスを除去した電池を充電状態で所定期間放置する老化試験によって良品の電池を選別する工程を含み、当該良品の電池に対してさらに脱ガスを行うことを特徴とする、リチウムイオン二次シート電池の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
リチウムイオン二次シート電池には積層型と捲回型があるが、本発明のリチウムイオン二次シート電池の製造方法は、とりわけ積層型に対して有利に適用することができる。当該積層型とは、図1にて断面図で示すように、正極板1、負極板2およびセパレータ(または固体電解質層)3が積層された構造を有する型のもの(以下、積層構造体10という)を意味する。従って、シート状外装材で外装された積層型リチウムイオン二次シート電池とは、当該積層構造体10をシート状の外装材8で(セパレータを使用する場合は電解液と共に)外装させた構成を有するものであり、通常板状の形状である。
【0008】
本発明は、上記の如き構造を有するシート状外装材で外装されたリチウムイオン二次シート電池の製造方法であり、組み立て後の電池を充電する工程、当該充電中に発生したガスを除去する工程、および当該ガスを除去した電池を充電状態で所定期間放置する老化試験によって良品の電池を選別する工程を含み、当該良品の電池に対してさらに脱ガスを行う。
【0009】
充電は、電池のサイズ、容量、形状等によっても異なるが、例えば、一定の電流値で一定電圧に到達するまで充電し、さらにその状態にて定電圧充電を行うという条件下で行うことができる。充電中に発生したガスは、例えば、一定の電流値で一定電圧に到達するまで定電流放電した後、ロータリーポンプ型の真空吸引装置を用いて除去することができる。また、良品の電池の選別は、老化試験期間中に問題の生じた電池(例えば、この期間中に急激に電圧が降下したもの)を除去することによって行うことができる。なお、老化試験は、当該ガスを除去したシート電池を、例えば、上記充電と同様にして再度充電し、その充電状態で、例えば、23℃雰囲気中で1〜2週間放置し、充電電圧からの電圧降下が0.1V以内であるものを良品とする。
【0010】
次いで、上記良品の電池に対して、さらに脱ガスを行う。この脱ガスは、例えば、上記放電と同様にして再度放電した後、ロータリーポンプ型の真空吸引装置を用いて行うことができる。この脱ガスによって、残存するガスをほぼ完全に除去することができる。
【0011】
本発明における積層型リチウムイオン二次シート電池を構成する正極板、負極板、セパレータ、電解液、固体電解質層およびシート状の外装材としては、従来公知のものを使用することができる。以下にこれらの一例を示す。
【0012】
正極板1および負極板2は、それぞれ、集電体4、5の表面に、活物質、導電剤、結着剤等を含む組成物の層(以下、活物質組成物層6、7)を設けて構成される。正極活物質としては、Li−Mn系複合酸化物、Li−Ni系複合酸化物、Li−Co系複合酸化物などが挙げられる。正極活物質の結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−プロピレン−ジエン系ポリマー等を用いることができる。導電剤としては、例えば繊維状黒鉛、鱗片状黒鉛、球状黒鉛などの天然または人造の黒鉛類、導電性カーボンブラックなどを用いることができる。正極活物質と結着剤と導電剤とからなる正極活物質組成物100重量部に対して、結着剤の量は1重量部〜10重量部程度、導電剤の量は3重量部〜15重量部程度とする。
【0013】
負極活物質としては、繊維状黒鉛、鱗片状黒鉛、球状黒鉛などの黒鉛類、好ましくは繊維状のメソフェーズ系黒鉛化炭素を用いることができ、負極活物質の結着剤としては、上記正極活物質の結着剤と同じものを用いることができる。負極活物質の使用量は、負極活物質と結着剤との合計量100重量部あたり80重量部〜96重量部程度とすれば良い。
【0014】
集電体4、5としては、導電性金属で形成された箔または穴あき箔などを用いることができ、その厚みを5μm〜100μm程度とすれば良い。正極集電体4の材料としては、アルミニウム、ステンレスなどが用いられ、負極集電体5の材料としては、銅、ニッケル、銀、ステンレスなどが用いられる。
【0015】
正極板1および負極板2は、公知の方法に従って製造することができる。例えば、正極板1は、正極活物質、結着剤および導電剤を混合加工し、N−メチルピロリドンなどの有機溶媒に分散させてペーストとし、正極集電体4にこのペーストを塗布、乾燥させた後、加圧して適当な形状に切断して得ることができる。
【0016】
セパレータ3としては、例えば、ポリエチレンフィルムからなるセパレータ、ポリプロピレンフィルムからなるセパレータ、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンフィルムの3層構造からなるセパレータ等が挙げられる。
【0017】
電解液の溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエトキシエタン、ジエチルカーボネートおよびジメトキシエタンから選択される1種または2種以上の混合溶媒を使用することができる。
【0018】
なお、電解液の溶媒として混合溶媒を使用する場合は、特に、ジエチルカーボネート(DEC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)から選ばれる少なくとも一種を含み、更にエチレンカーボネート(EC)と、プロピレンカーボネート(PC)と、ジメチルカーボネート(DMC)とを含む混合物が好適である。かかる混合物を構成する各成分の混合比は、ジエチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートから選ばれる少なくとも一種においては、25体積%〜50体積%であるのが好ましく、30体積%〜35体積%であるのがより好ましい。エチレンカーボネートにおいては混合比が4体積%〜20体積%であるのが好ましく、6体積%〜18体積%であるのがより好ましい。プロピレンカーボネートにおいては混合比が3体積%〜17体積%であるのが好ましく、5体積%〜15体積%であるのがより好ましい。また、ジメチルカーボネートにおいては混合比が40体積%を超えて60体積%以下であるのが好ましく、45体積%〜55体積%であるのがより好ましい。
【0019】
ジエチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートから選ばれる少なくとも一種においては、上記混合比が25体積%未満であると電解液の凝固点が上昇して、特に−20℃以下の低温下において、電池の内部抵抗が増大し、充放電サイクル特性および低温特性が低下する傾向となる。一方、上記混合比が50体積%を超えると電解液の粘度が上昇して電池の内部抵抗が増大し、充放電サイクル特性が低下する傾向となる。
【0020】
エチレンカーボネートにおいては、上記混合比が4体積%未満であると負極板表面で安定な皮膜が形成されにくく、サイクル特性が低下する傾向となり、上記混合比が20体積%を超えると、電解液の粘度が上昇して電池の内部抵抗が増大し、充放電サイクル特性が低下する傾向となる。
【0021】
プロピレンカーボネートにおいては、上記混合比が3体積%未満であると充放電サイクルに伴うインピーダンスの増加の抑制効果が小さくなり、サイクル特性が低下する傾向となり、上記混合比が17体積%を超えると、電解液の粘度が上昇して電池の内部抵抗が増大し、充放電サイクル特性が低下する傾向となる。
【0022】
ジメチルカーボネートにおいては、上記混合比が40体積%以下であると電解液の粘度が上昇して電池の内部抵抗が増大し、充放電サイクル特性が低下する傾向となり、上記混合比が60体積%を超えると、電解液の凝固点が上昇して、特に−20℃以下の低温下において、電池の内部抵抗が増大し、サイクル特性および低温特性が低下する傾向となる。
【0023】
電解液の塩(電解質)としては、例えば、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiN(SO2CF32およびLiCF3SO3から選択される少なくとも1種の化合物を使用することができ、より好ましくは、LiPF6、LiBF4である。電解液中の塩の含有量は、好ましくは0.1〜2.0mol/L(溶媒1リットル当りの塩のモル数)、より好ましくは0.5〜1.5mol/L、最も好ましくは0.7〜1.2mol/Lである。含有量が2.0mol/Lより多くなると、電解液の粘度上昇により、ハイレート特性、低温特性の低下が生じるという問題があり、0.1mol/Lより少なくなると、イオン伝導度の低下によって電池容量が十分に得られず、またハイレート特性が著しく低下するという問題がある。
【0024】
固体電解質層3としては、例えば、塩(電解質)と相溶性溶媒とビニリデンフルオライドを主単位とするフッ素ポリマーとを主体成分とするものが挙げられる。
【0025】
上記ビニリデンフルオライドを主単位とするフッ素ポリマーとは、ビニリデンフルオライドの単独重合体(ポリビニリデンフルオライド(PVdF))、または、ビニリデンフルオライドとその他のフッ素原子を有するビニル系モノマーとの共重合体を意味し、これらはそれぞれ単独でも混合して用いてもよい。上記ビニリデンフルオライド以外のフッ素原子を有するビニル系モノマーとしては、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)等が挙げられる。とりわけ、VdFとHFPとの共重合体およびVdFとTFEとの共重合体が好ましい。また、共重合体の形態はランダム、ブロックのいずれの形態でもよい。共重合体である場合、ビニリデンフルオライド(の単位)の割合は、好ましくは90〜70mol%、より好ましくは85〜75mol%である。この割合が90mol%より多くなると、塩(電解質)を相溶性溶媒に溶解させた溶液をフッ素ポリマーに含浸させた場合でも、溶液のポリマーへの吸収が十分に進行せず、これによりイオン伝導度が増大し、そして最終的には電池の抵抗が増加し、充放電容量が大きく低下する原因をもたらす。また、70mol%より少なくなると、非晶質部分が増加することによりポリマー成分の溶出が発生する。これは、電池の長期信頼性、特にサイクル特性を大きく低下させる原因となる。
【0026】
また、上記ビニリデンフルオライドを主単位とするフッ素ポリマーは、カルボキシル基(−COOH)、スルホン酸基(−SO2OH)、カルボン酸エステル基(−COOR)、アミド基(−CONH2)またはリン酸基(−PO(OH)2)等からなる官能基を有するビニル系モノマーの重合体がグラフトされていてもよい(カルボン酸エステル基(−COOR)における置換基Rは、メチル基、エチル基、ブチル基等の炭素数が1〜4の低級アルキル基である。)。フッ素ポリマーをかかる官能基を含有する重合体がグラフトした態様のポリマー形態にすると、正極または負極への固体電解質層の接着性が向上し、電極間の抵抗が低下するため、良好な性能を有する電池が得られる。上記官能基を有するビニル系モノマーとしては、官能基を除く部分の炭素数が4以下の化合物からなるモノマーが好適である。カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、アリル酢酸等のカルボキシル基を1個有するものの他、イタコン酸、マレイン酸等のカルボキシル基を2個以上有するものも使用可能である。スルホン酸基含有モノマーとしては、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸等が好適である。カルボン酸エステル基含有モノマーとしては、メチルアクリレート、ブチルアクリレート等が好適である。アミド基含有モノマーとしては、アクリルアミド等が好適である。リン酸基含有モノマーとしては、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシルなどが好適である。これらのうち最も好ましいものは、アクリル酸またはメタクリル酸である。
【0027】
グラフト化の程度は、いくつかの因子により決定することができるが、最も重要なのは、活性化した基質がグラフトモノマーと接触している時間の長さ、放射線による基質の予備活性の程度、グラフトモノマー材料が基質を透過できるまでの程度、ならびに、基質およびモノマーが接触しているときの温度である。例えば、グラフトモノマーが酸であるとき、モノマーを含有する溶液をサンプリングして、塩基に対して滴定し、残留するモノマー濃度を測定することにより、グラフト化の程度を観測することができる。グラフト化の程度は最終重量の2〜20%が好ましく、特に好ましくは3〜12%、とりわけ好ましくは5〜10%である。なお、グラフト化は、ポリマー基質の活性化(遊離基の発生)を光照射または熱によって行う方法で行ってもよい。
【0028】
ビニリデンフルオライドを主単位とするフッ素ポリマーは、230℃、10kgにおけるメルトフローインデックスが1.0g/10min以下であるのが好ましく、0.7〜0.2g/10minであるのがより好ましい。なお、該メルトフローインデックスは、標準ASTM D 1238に説明されている方法で測定した値である。メルトフローインデックスがかかる1.0g/10min以下であることにより、固体電解質層はより優れた機械的強度を示すとともに、室温での伝導性もより向上する。
【0029】
固体電解質層に用いる塩(電解質)としては、上記電解液の塩として挙げたものを使用することができる。
【0030】
固体電解質層に用いる相溶性溶媒としては、上記電解液の溶媒として挙げたものを使用することができる。
【0031】
固体電解質層は、上記成分以外に、さらに可塑剤(例えば、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、N−メチルピロリドンなど)、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどを含有し得る。可塑剤は、所望の操作温度で相溶性溶媒が結晶化しないように、かつ十分な電気伝導性を確保するように作用する。
【0032】
固体電解質層の形成方法は特に限定されない。例えば、(a)ポリマー基質であるフッ素ポリマーを、押出成形、ブロー成形等の公知の成形方法でフィルムとする、若しくは、フッ素ポリマーの塗液を調製して、該塗液を予め用意した剥離用基材の表面に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を加熱、乾燥後、剥離用基材から剥離することでフィルムを得、この後、得られたフィルムを、塩を相溶性溶媒に溶解させた溶液に浸漬してゲル化することにより固体電解質層を形成する方法(電池の作製工程において正極および負極とともに溶液に浸漬する場合も含む。)、(b)塩と相溶性溶媒を適当な溶剤に溶解し、さらにフッ素ポリマーを添加し、必要に応じて加温しながら、フッ素ポリマーを溶解させ、この溶液を剥離用基材の表面に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を段階的に温度を上げて加熱乾燥して前記溶剤を全て蒸発させ、剥離用基材から固体電解質層を剥離する方法、(c)板状に形成した正極および/または負極の少なくとも一方の面に直接、上記の塩、相溶性溶媒およびフッ素ポリマーが溶解した溶液の塗膜を形成し、溶剤の蒸発を行って、固体電解質層を形成する方法等が挙げられる。
【0033】
なお、上記(b)、(c)の方法における溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等が使用される。また、上記(b)の方法では、塗膜が形成された剥離用基材を温度が異なる加熱室を通過させるようにして乾燥させてもよい。
【0034】
固体電解質層の厚みは、正極および負極のサイズ等によっても相違するが、一般に1μm〜50μmの範囲、好ましくは10μm〜30μmの範囲から選択される。
【0035】
本発明において、シート状外装材とは、金属箔の少なくとも片面に樹脂層をラミネートしたものをいう。金属箔としては、アルミニウム、銅、鉄等が挙げられる。樹脂としては、ポリエステル、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。かかる熱可塑性樹脂層を有するものであれば、上記積層構造体(スタック)にこれを外装してその周縁を熱溶着するだけで封止でき、電池の作製作業が簡単である。金属箔の厚みは、好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜70μmであり、樹脂層の厚みは、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜50μmであり、そして全体の厚みは、好ましくは20〜200μm、より好ましくは40〜150μmである。
【0036】
本発明における積層型シート電池は、正極板、負極板、さらにかかる正極板および負極板と略同じ大きさの矩形体としたセパレータまたは固体電解質層を用意し、正極板と負極板の間にセパレータまたは固体電解質層が挟まれた単位を1つまたは2以上繰り返した積層構造体を作製し、該積層構造体をシート状の外装材に収容する(セパレータを用いる場合は電解液と共に)ことによって作製することができる。ここで、正極板と負極板はそれぞれ矩形の板状集電体の少なくとも一方の面に前記の方法で活物質層を形成することにより得られる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって、本発明をさらに具体的に説明する。
【0038】
(積層型シート電池の作製)
<正極板の作製>
正極活物質としてのコバルト酸リチウム粒状物90重量部、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン5重量部、導電剤としての人造黒鉛5重量部およびN−メチルピロリドン70重量部を混合してスラリーとした。このスラリーを正極集電体としてのアルミニウム箔(厚み20μm)の両面上に塗布、乾燥し、次いで圧延処理(圧延温度25℃、圧延率30%)して、アルミニウム箔の片面あたり20mg/cm2の正極活物質組成物層(厚み70μm)を有する正極板(幅30mm、長さ50mm)を作製した。
【0039】
<負極板の作製>
黒鉛化カーボンファイバー95重量部、ポリフッ化ビニリデン5重量部およびN−メチルピロリドン60重量部を混合してスラリーとした。このスラリーを負極集電体としての銅箔(厚み14μm)の両面に塗布、乾燥し、次いで圧延処理(圧延温度100℃、圧延率20%)して、銅箔の片面あたり10mg/cm2の負極活物質組成物層(厚み75μm)を有する負極板(幅32mm、長さ52mm)を作製した。
【0040】
<積層型シート電池の組み立て>
上記で作製した正極板および負極板、ならびにポリビニリデンフルオライド(PVdF)の矩形フィルム(厚み25μm、幅34mm、長さ54mm)を用い、正極板と負極板の間にPVdFの矩形フィルムが挟まれた単位が8回繰り返されるように、正極板、PVdFの矩形フィルムおよび負極板を重ね、積層構造体を作製した。
【0041】
次に、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを50体積%:50体積%の割合で混合した混合溶媒に、LiPF6を濃度が1.0mol/L(調製後の濃度)となるように溶解した溶液に、上記積層構造体を1時間浸漬し、PVdFの矩形フィルムをゲル化させた。
【0042】
次に、上記PVdFの矩形フィルムがゲル化した積層構造体を、外装材である熱可塑性樹脂を片面あるいは両面にラミネート加工したAl−ラミネートフィルム内に収容して、積層型シート電池を完成させた。
【0043】
(実施例1)
上記で作製した積層型シート電池の一群(100個)を、300mAの定電流で4.2Vに到達するまで充電し、さらに4.2Vの定電圧下で2時間の定電圧充電を行った。その後、300mAの定電流で2.75Vに到達するまで定電流放電を行った。次に、ロータリーポンプ型の真空吸引装置を用いて、充電中に発生したガスを除去した。続いて、ガスを除去した積層型シート電池に対して、上記と同様の条件で充電を行った。この充電状態で、23℃雰囲気下で1週間放置し、この期間中に電圧が4.1V未満に降下した積層型シート電池を不良品として除去し、良品の積層型シート電池のみを選別した。この良品の積層型シート電池に対して、上記と同様の条件で放電を行った。さらに、放電した良品の積層型シート電池に対して、ロータリーポンプ型の真空吸引装置を用いて脱ガスを行った。
【0044】
(比較例1)
放電した良品の積層型シート電池に対してさらに脱ガスを行わなかったこと以外は実施例1と同様にして処理を行った。
【0045】
(電池特性の評価/バルジ試験)
実施例1および比較例1に記載の各良品の積層型シート電池のうちの1個について、90℃雰囲気下で1時間放置後に厚さ方向にふくれた長さ(mm)を測定した。その結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0004942249
【0047】
表1の結果から、実施例1の積層型シート電池は、選別工程後に脱ガス工程を行わなかった比較例1の積層型シート電池と比較して、90℃雰囲気下で1時間放置後のふくれが顕著に小さく、高温放置時のふくれ特性(バルジ特性)が顕著に改善されたことが分かる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、老化試験によって選別された良品の電池に対してさらに脱ガスを行うことによって、初回充電中に発生したガスをほぼ完全に除去することができ、それゆえ高温放置時のふくれ特性(バルジ特性)を改善することができるリチウムイオン二次電池の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における積層型リチウムイオン二次シート電池の断面図である。
【符号の説明】
1 正極板
2 負極板
3 セパレータまたは固体電解質層
4 正極集電体
5 負極集電体
6 正極活物質組成物層
7 負極活物質組成物層
8 シート状外装材
10 積層構造体
20 積層型リチウムイオン二次シート電池

Claims (2)

  1. シート状外装材で外装されたリチウムイオン二次シート電池の製造方法であって、組み立て後の電池を充電する充電工程、当該充電中に発生したガスを除去する工程、および当該ガスを除去した電池を上記充電工程の充電と同様にして再度充電し、その充電状態で1〜2週間放置し、充電電圧からの電圧降下が0.1V以内である電池を良品の電池として選別する工程を含み、当該良品の電池に対してさらに脱ガスを行うことを特徴とする、リチウムイオン二次シート電池の製造方法。
  2. 再度充電した電池を、その充電状態で、23℃雰囲気中で1〜2週間放置する、請求項1に記載の、リチウムイオン二次シート電池の製造方法
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