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JP4955154B2 - バルーンカテーテル - Google Patents

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JP4955154B2
JP4955154B2 JP2001104525A JP2001104525A JP4955154B2 JP 4955154 B2 JP4955154 B2 JP 4955154B2 JP 2001104525 A JP2001104525 A JP 2001104525A JP 2001104525 A JP2001104525 A JP 2001104525A JP 4955154 B2 JP4955154 B2 JP 4955154B2
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孝志 粂野
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株式会社ヴァーユ
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血流の遮断、狭窄部の拡張などを実施する際に用いられるバルーンカテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術、および発明が解決しようとする課題】
従来から、カテーテルシャフトの人体挿入部分の外周にバルーンを設けた構造のバルーンカテーテルが知られている。
この種のバルーンカテーテルは、血流の遮断、狭窄部の拡張など種々の用途で用いられるが、いずれの用途で用いる場合においても、使用時にバルーンを適正な留置位置に保持しておくことが望まれる。
【0003】
しかしながら、従来のバルーンカテーテルは、カテーテルシャフトの軸方向への変位がバルーンに伝わりやすい構造になっていて、カテーテルシャフトが近位端部において軸方向に変位すると、そのままカテーテルシャフトの遠位端部が軸方向に変位し、その変位に伴ってバルーンも変位してしまうため、バルーンを適正な位置に留置した状態を維持することが容易ではなかった。
【0004】
また、心臓手術の際に上行大動脈内の血流を遮断するための上行大動脈オクルージョンカテーテルとして用いられるバルーンカテーテルにおいては、人工心肺から受ける血流により、又該カテーテルから冠動脈口近辺に放出される心筋保護液の注入圧力より、バルーンが適正な留置位置から変位してしまうおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、バルーンを適正な位置に留置した状態を維持しやすいバルーンカテーテルを提供することにある。
【0006】
以下、上記目的を達成するためになされた本発明の特徴について詳述する
【0014】
本発明のバルーンカテーテルは、
第1ルーメンを少なくとも含む1または2以上のルーメンが内部に形成されたカテーテルシャフトと、該カテーテルシャフトの人体挿入部分の外周に設けられ、前記第1ルーメンを介して内部の流体が給排されるのに伴って拡張/収縮するバルーンとを備えたバルーンカテーテルにおいて、
前記バルーンが、少なくとも拡張時に外面に凹部を有する形状となるもので、当該凹部内において前記カテーテルシャフトに対して接合されると共に、前記バルーンが、少なくとも拡張時に中央部の一部がくびれた形状となるもので、当該くびれた箇所において前記カテーテルシャフトに対して接合されていて、
前記カテーテルシャフトの内部に第2ルーメンが形成されていて、
前記カテーテルシャフトの人体挿入部分の側面で前記バルーンの凹部とは重ならない位置であって前記くびれた箇所に、前記カテーテルシャフトの外部と前記第2ルーメンとを連通する側面開口部が設けられ、前記第2ルーメンに薬液を供給することにより、前記側面開口部から薬液を放出可能とされていることを特徴とする。
【0015】
このバルーンカテーテルにおいて、バルーンの凹部は、バルーンの内側に向かって窪んでいる部分であり、この窪み内においてカテーテルシャフトがバルーンに対して接合されている。このような凹部は、バルーンの成形時にあらかじめ形成されたものであってもよいし、バルーンを柔軟に伸び縮みする材料で形成することにより、バルーンの拡張時にバルーンがカテーテルシャフトの軸方向へ膨らむのに伴ってカテーテルシャフトに凹部が形成される、というものであってもよい。このような凹部を設けると、例えば、カテーテルシャフトが僅かに軸方向へ変位した程度であれば、カテーテルシャフトが変位するのに追従して上記凹部がバルーンの外側へ膨らむように変形し、バルーンを変位させることなくカテーテルシャフトだけを変位させることができるので、バルーンを適正な位置に留置した状態を容易に維持できるようになる。
【0016】
このような凹部は、バルーンの遠位端側に形成されていると、カテーテルシャフトが血管内へ押し込まれる方向へ変位した場合に、カテーテルシャフトの変位を吸収する効果が高い。また、バルーンの近位端側に凹部が形成されていると、カテーテルシャフトが血管内から引き抜かれる方向へ変位した場合に、カテーテルシャフトの変位を吸収する効果が高い。したがって、このような凹部が、前記バルーンの両端に形成されていると、カテーテルシャフトが血管内へ押し込まれる方向へ変位した場合、カテーテルシャフトが血管内から引き抜かれる方向へ変位した場合の双方について、カテーテルシャフトの変位を吸収できるので特に望ましい。
【0017】
また、前記カテーテルシャフトの内部に第2ルーメンを形成し、前記カテーテルシャフトの人体挿入部分の側面に、前記カテーテルシャフトの外部と前記第2ルーメンとを連通する側面開口部を設けて、前記第2ルーメンに薬液を供給することにより、前記側面開口部から薬液を放出可能としている。その場合には、特に、前記側面開口部が、前記バルーンの凹部とは重ならない位置設けられており、カテーテルシャフトがバルーンに対して相対的に変位した場合に、バルーンの膜が側面開口部を塞いでしまうような事態を招かない
【0020】
上記バルーンカテーテルは、前記バルーンが、少なくとも拡張時に一中央部がくびれた形状となるもので、当該くびれた箇所において前記カテーテルシャフトに対して接合されているバルーンとを備えている。
【0021】
このバルーンカテーテルでは、バルーンは、血管に対してほぼ直角に挿入されたときにはカテーテルシャフトを中心として対称的に血管壁に支持され、血管内に安定的に留置される。従って、血管内で膨張させたバルーンに力が加わった場合でも、バルーンは変位することなく安定に留置される。また、バルーンの形状を小さくしても上述の効果を維持することができる。
【0022】
更に、このバルーンカテーテルにおいて、前記カテーテルシャフトの側面で前記バルーンのくびれた位置に、前記カテーテルシャフトの外部と前記第2ルーメンとを連通する側面開口部が設けられ、前記第2ルーメンに薬液を供給することにより、前記側面開口部から薬液を放出可能に構成してもよい。
【0023】
また、このバルーンカテーテルにおいて、前記カテーテルシャフトの人体挿入部分を、補強部材で補強してもよい。
このバルーンカテーテルにおいて、カテーテルシャフトの人体挿入部分が補強部材で補強されているため、人工心肺から血流を受けた場合でも、バルーンは変位することなく安定に留置される。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について一例を挙げて説明する。
以下に説明するバルーンカテーテルは、心臓外科手術を実施する際に、上行大動脈内の血流を遮断するために使用されるもの(上行大動脈用オクリュージョンカテーテル)である。
【0025】
第1実施例
このバルーンカテーテル1は、図1に示す通り、カテーテルシャフト3、バルーン5、第1コネクタ7、第2コネクタ8、タイクッション11などによって構成されている。
【0026】
カテーテルシャフト3は、ポリウレタン製の長尺なもので、その内部には、図2(a)に示すように、互いに独立な第1ルーメン15、第2ルーメン17が形成されている。
第1ルーメン15は、一端が第1補助チューブ7a(図1参照)を介して第1コネクタ7に連通し、他端がバルーン5内部に形成された拡張液給排口21に連通しており、第1コネクタ7側から供給される拡張液(生理的食塩水など)をバルーン5の内部へ導くために利用される。少なくとも1つの拡張液給排口21は、好ましくは、バルーン5とカテーテルシャフト3との接合箇所に隣接する領域に設ける。その理由は、カテーテルを挿入する前にバルーン5を拡張液で満たして気泡を抜く作業が行われるのであるが、上述したように接合箇所に隣接する領域に給排口21を設けると、気泡が抜けやすくなるからである。なお、視認性を向上させて気泡を給排口21に誘導しやすくするため、給排口21の周囲には着色(例えば黒色)を行うことが好ましい。
【0027】
第2ルーメン17は、一端が第2補助チューブ8a(図1参照)を介して第2コネクタ8に連通し、他端がカテーテルシャフト3の遠位端に形成された遠位端開口部23に連通し、バルーン5よりも近位端側に、カテーテルシャフト3の外部と第2ルーメン17とを連通する側面開口部25が設けられている。この第2ルーメン17は、遠位端開口部23から側面開口部25に至る部分が、ガイドワイヤWを通すために利用される。また、側面開口部25から第2コネクタ8に至る部分が、第2コネクタ8側から注入される薬剤(心筋保護液など)を側面開口部25へと導くために利用され、さらに、側面開口部25の外部の血圧を第2コネクタ8に接続される圧力センサ(図示略)で測定するためにも利用される。
【0028】
第2ルーメン17の内部には、ゴム弾性のある弾性体(本実施形態ではシリコーンゴム)によって形成された弁27が設けられている。この弁27は、ガイドワイヤWを通すための挿通穴を有するが、少なくともこの挿通穴にガイドワイヤWが通されていない時には、図2(b)に示すように、挿通穴が密閉状態となって流体の通過を遮断するようになっている。これにより、第2ルーメン17の内部へ第2コネクタ8側から薬剤を注入した際に、その薬剤が遠位端開口部23から漏れ出すのを防止して、薬剤をすべて側面開口部25から放出することができる。ガイドワイヤWを挿通穴に通す場合には、ガイドワイヤWを挿通穴に対して強く押し当てると、ガイドワイヤWからの力を受けて弁27が弾性変形し、その弾性変形に伴って拡大する挿通穴にガイドワイヤWが通されることになる。
【0029】
バルーン5は、ポリウレタン製の薄膜(本実施形態では膜厚75μm)によって形成された袋で、拡張時に上行大動脈を閉塞できる程度の大きさにされている。バルーン5をポリウレタン製にすると、拡張時にゴム系材料のバルーンよりも異形になりにくいという効果がある。このバルーン5の両端には、バルーン5の内側へと窪む凹部31,32が形成されて、リンゴのような形状になっている。これらの凹部31,32は、バルーン5の両端をカテーテルシャフト3に対して接合するに当たり、その接合箇所間の間隔をバルーン5の全長よりも短くすることによって形成されたものである。
【0030】
これらの凹部31,32は、図3(a)に示すように、血管V内の適正な留置位置においてバルーン5を拡張した際、その後、何らかの事情でカテーテルシャフト3が変位した場合に、図3(b)に示すように、凹部31が膨らむと同時に凹部32が窪みを増すように変形することによって、バルーン5がカテーテルシャフト3に追従して変位するのを防止する。また、上記とは逆方向にカテーテルシャフト3が変位した場合にも、図3(c)に示すように、凹部32が膨らむと同時に凹部31が窪みを増すように変形することによって、バルーン5がカテーテルシャフト3に追従して変位するのを防止する。
【0031】
タイクッション11は、ネラトンチューブ(図示略)を糸で縛ってカテーテルシャフト3に固定する際に、その外力によってカテーテルシャフト3が悪影響を受けるのを防止するための円筒状部材である。
次に、バルーンカテーテル1の使用例について説明する。
【0032】
まず、胸部を切開し上行大動脈を露出して、上行大動脈上の挿入部位を穿孔する。そして、ガイドワイヤWを挿入して挿入ルートを確立し、ガイドワイヤWに沿わせてダイレーターにより孔を拡張する。
続いて、ガイドワイヤWに沿わせて上記バルーンカテーテル1を上行大動脈に挿入し、X線透視によってバルーン5の位置を確認しながら、バルーン5を適切な位置に留置する。この時、カテーテルシャフト3内の第2ルーメン17は、ガイドワイヤ挿通用のルーメンとして利用される。
【0033】
そして、ガイドワイヤWを抜去して、第1ルーメン15を介して拡張液を供給することにより、バルーン5を拡張する。その結果、図4に示すように、バルーン5によって上行大動脈Qが閉塞されることになる。血流が遮断されたことは、血管造影により確認する。
【0034】
また、必要に応じて第2ルーメン17を介して心筋保護液を供給することにより、側面開口部25から心筋保護液を放出し(図4中矢印にて図示)、冠動脈口R付近に心筋保護液を投与することができる。この時、第2ルーメン17は、薬液供給用のルーメンとして利用される。さらに、この第2ルーメン17は、側面開口部25の外部の血圧を第2コネクタ8に接続される圧力センサで測定する際にも利用される。
【0035】
以上説明したように、このバルーンカテーテル1によれば、弁27を設けることにより、第2ルーメン17をガイドワイヤ挿通用、薬液供給用、血圧測定用という3つの用途で兼用できるようになっている。そのため、これらの用途に対応するルーメンをそれぞれ独立に備えているカテーテルシャフトに比べ、カテーテルシャフト3の細径化を図ることができ、カテーテルシャフト3の柔軟性を高くすることができる。したがって、カテーテルシャフト3の近位端側における変位が遠位端側へ伝わりにくくなり、カテーテルシャフト3の近位端側が僅かに変位した程度では、バルーン5が適正な留置位置から外れないようになる。
【0036】
また、このバルーンカテーテル1によれば、バルーン5に凹部31,32を設けてあるので、これらの凹部31,32を変形させることによってカテーテルシャフト3の変位を吸収することができる。したがって、カテーテルシャフト3の近位端側における変位が遠位端側へ伝わった場合でも、カテーテルシャフト3の遠位端側における変位がバルーン5の中央部へ伝わりにくくなり、カテーテルシャフト3の近位端側が僅かに変位した程度では、バルーン5が適正な留置位置から外れないようになる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
例えば、上記バルーンカテーテル1においては、カテーテルシャフト3に弁27を設けるとともに、バルーン5に凹部31,32を設けてあったが、カテーテルシャフト3に弁27を設けてカテーテルシャフト3の細径化を図れば、バルーン5に凹部31,32を設けなくても、バルーン5を適正な留置位置に維持する効果を相応に得ることができる。
【0038】
また逆に、バルーン5に凹部31,32を設ければ、カテーテルシャフト3に弁27を設けなくても、バルーン5を適正な留置位置に維持する効果を相応に得ることができる。また、この場合、必要がなければ、ガイドワイヤ挿通用ルーメンそのものを廃して、ガイドワイヤを使わずに挿入を行うタイプのバルーンカテーテルとしてもよく、その場合でも、バルーン5に凹部31,32を設けておくことにより、バルーン5を適正な留置位置に維持する効果を相応に得ることができる。
【0039】
この場合において、カテーテルの留置安定性を向上させるために、図5(a)又は図5(b)に示すように、バルーンカテーテル201のカテーテルシャフト203に線状の金属ワイヤ222又は螺旋状の補強材223を内蔵させることが好ましい。金属ワイヤ222の材料としては、弾性材料であるニッケル・チタン合金、ステンレススチール合金(JIS規格のSUS304等)が用いられ、非弾性材料であるステンレス・スチール合金(SUS316)や銅等が用いられる。螺旋状の補強材223としては、上記金属ワイヤ222と同じ材料の他、当該カテーテルシャフトの素材よりも高硬度の樹脂が用いられる。金属ワイヤ222及び螺旋状補強材223の長さは、カテーテルシャフト203の遠位端から任意の長さがあればよいが、好ましくは、5cmから20cmまでの範囲の長さがよい。
【0040】
なお、金属ワイヤ222を内蔵させる場合は、カテーテルシャフトの形状として、遠位端から中間部(タイクッションで固定する箇所を近位側に越えた辺り)までは一定の外径とし、中間部から近位端側は外径が次第に細くなるテーパー状の構造としてもよい。このような構造を採用すれば、金属ワイヤを支持あるいは挟持している支持部とワイヤとの境界部においてカテーテルの曲げ強度が急激に変化しているために起こることが懸念されるカテーテルの折れ曲がり(キンク)を有効に回避することができる。
【0041】
線状の金属ワイヤ222や螺旋状の補強材223の代わりに、金属パイプ、平らな金属板あるいは中実の金属円柱を用いても良い。このような例を図6(a)〜図6(d)に示す。図6(a)では、血圧測定用のルーメン219に金属パイプ224を内蔵させている。この金属パイプ224はカテーテルシャフトの先端部を補強する作用をする他に、内部に液体が通され血圧測定のために用いられる。図6(b)に示す例では、第1ルーメン215及び第3ルーメン219と第2ルーメン217とを隔てる隔壁220に金属板225が内蔵されている。
【0042】
図6(c)に示す例では、上記隔壁220内に金属パイプ226が内蔵されている。図6(d)に示す例では、上記隔壁220内に中実の金属円柱227が内蔵されている。
上記実施形態では、側面開口部25を設けることにより、第2ルーメン17をガイドワイヤ挿通用、薬液供給用、血圧測定用として兼用していたが、例えば、カテーテルシャフト3の造影用として造影剤を充填するといった用途に第2ルーメン17を利用するのであれば、側面開口部25を設けない構成にしてもよい。このような構成を採用した場合でも、ガイドワイヤ挿通用と造影剤充填用のルーメンを兼用できるので、カテーテルシャフト3の細径化を図ることによって、バルーン5を適正な留置位置に維持する効果を得ることができる。
【0043】
さらに、上記実施形態では、側面開口部25からガイドワイヤWを導出していたが、カテーテルシャフト3の全長にわたってガイドワイヤWが通される構成を採用してもよい。この場合、側面開口部25は、ガイドワイヤWが通らない構造になっていてもよいので、多数の開口面積の小さな開口部を設けるようなこともできる。
【0044】
こうした多数の開口部を設ければ、各開口部を異なる方向に向けて形成することもできるので、一方の開口部が血管壁によって密閉されるような状態になっても、他の開口部から薬液を確実に放出することができる。もちろん、多数の開口部を設けた場合に、その内のいくつかの開口部について、ガイドワイヤWを挿通可能な構造にしておいてもよい。
【0045】
なお、上記バルーンカテーテル1は、上行大動脈内で血流を遮断する場合に用いる旨を説明したが、上行大動脈以外の血管内で血流を遮断する場合に、本発明の構成を採用したバルーンカテーテルを利用しても、バルーンを適正な留置位置に維持できるという効果が得られる。また、血流の遮断以外に、例えば、バルーンカテーテルを用いて血管狭窄部に対する拡張処置を施す場合にも、本発明の構成を採用したバルーンカテーテルを利用すれば、バルーンを適正な留置位置に維持できるので、拡張処置の効果をより確実なものとすることができる。
【0046】
第2実施例
この実施例では、図7(a)及び図7(b)に示すように、薬剤を放出するための側面開口部325が、バルーン305のほぼ中央部に相当する位置におけるカテーテルシャフト303に設けられている。バルーン305は、第1実施例と同様に、拡張した時に外面に凹部331、332を有し、且つ中央部の一部333がくびれた形状となるように構成されていて、このくびれた箇所及び凹部内においてバルーン305はカテーテルシャフト303に対して接合されている。上記くびれた位置に、カテーテルシャフト303の外部と第2ルーメン317(図8参照)とを連通する側面開口部325が設けられている。その他の構成は第1実施例と同様であるので説明は省略する。
【0047】
この実施例のオクルージョンカテーテルは、図8に概略示すように、第1実施例と同様、上行動脈Q内に挿入され、拡張液給排口321から拡張液がバルーン305内に注入され、バルーン305が拡張される。バルーン305が拡張されるとバルーンの圧迫力によりバルーン305は血管壁に対して固定される。特に、図8に示すようにカテーテルシャフト303が血管に対してほぼ直角に挿入されたときには、カテーテルシャフト303の前後がバルーンにより対称的に支持されるため、安定性がよい。
【0048】
従って、人工心肺に接続された心臓とは反対側の動脈内に図8に矢印で示した圧力PPがかかったときにも、バルーン305の留置位置が変動することはなく、高い留置安定性が確保される。この状態で冠状動脈口R付近に側面開口部325を介して心筋保護液が注入される。心筋保護液の注入圧が高くなりすぎた場合にも同様にバルーンの留置安定性が確保される。
【0049】
図8には、オクルージョンカテーテルが上行動脈に対してほぼ直角に挿入された状態が示されているが、図9(a)及び図9(b)に示すように、上行動脈に対して傾けて挿入しても、バルーン305と血管壁とのトータル接触面積は変動が少なく、十分な圧迫力があるため、バルーンの留置安定性は確保される。
【0050】
図10(a)にはくびれ部分433を除いて全体が球形をしたバルーン405を有するオクルージョンカテーテルを示した。図10(a)に示すバルーン405はカテーテルシャフト403に取り付ける前は図10(b)に示す球形状部材405aである。球状部材405aは両端にカテーテルシャフト403に固定される固定部405b及び405cを有している。カテーテルシャフト403の先端に取り付けられる固定部405bは内側に折り返されてカテーテルシャフト403と接合され、他方の固定部405cはそのままの形態でカテーテルシャフト403と接合される。図10に示すように、カテーテルシャフト403に形成された側面開口部425を介して、心筋保護液を供給することができる。また、図10に示すオクルージョンカテーテルは、図8に示すのと同様の留置安定性を得ることができる。
【0051】
なお、これまでに説明した実施例では胸部を切開して上行大動脈を露出してオクルージョンカテーテルの挿入を行ったが、胸部の切開を行わなくてもよい。例えば、胸部に孔を開けて、上行大動脈に外部からアクセスできるようにして、上行大動脈へのオクルージョンカテーテルの挿入を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例として説明したバルーンカテーテルの側面図である。
【図2】 上記バルーンカテーテルのバルーン付近の切断面端面図である。
【図3】 バルーンに設けられた凹部の変形状態を示す図であり、(a)は未変形の状態を示す説明図、(b)は一方の凹部が膨らんだ状態を示す説明図、(c)は他方の凹部が膨らんだ状態を示す説明図である。
【図4】 バルーンカテーテルの使用状態を示す模式図である。
【図5】 人体挿入部分が補強されたバルーンカテーテルを示す模式図であり、(a)は線状の金属ワイヤで補強された場合、(b)は螺旋状の補強材で補強された場合を示す図である。
【図6】 補強部材の変形例を示す断面図であり、(a)は血圧測定用のルーメンに金属パイプを内蔵させた場合を示す図であり、(b)は各ルーメンを隔てる隔壁に金属板を内蔵させた場合を示す図であり、(c)は隔壁内に金属パイプを内蔵させた場合を示す図であり、(d)は隔壁内に中実の金属円柱を内蔵させた場合を示す図である。
【図7】 第2実施例のバルーンカテーテルを示す図であり、(a)はバルーン付近の正面図であり、(b)はその上面図である。
【図8】 第2実施例のバルーンカテーテルの使用状態を示す概略図である。
【図9】 第2実施例におけるバルーンの留置状態を説明するための概略図であり、(a)は血管に対してカテーテルシャフトを少し斜めに傾けた状態を示す図であり、(b)は更に傾けた状態を示す図である。
【図10】 第2実施例の変形例を示す概略図であり、(a)は、バルーンカテーテルを示す図であり、(b)は、(a)に示すカテーテルに用いられるバルーンを示す図である。
【符号の説明】
1、201・・・バルーンカテーテル、3、203、303、403・・・カテーテルシャフト、5、205、305、405・・・バルーン、7・・・第1コネクタ、7a・・・第1補助チューブ、8・・・第2コネクタ、8a・・・第2補助チューブ、11・・・タイクッション、15、215、315・・・第1ルーメン、17、217、317・・・第2ルーメン、21・・・拡張液給排口、23・・・遠位端開口部、25、325、425・・・側面開口部、27・・・弁、31,32、331、332・・・凹部、222・・・金属ワイヤ、223・・・螺旋状補強材、224、226・・・金属パイプ、225・・・金属板、227・・・金属円柱

Claims (3)

  1. 第1ルーメンを少なくとも含む1または2以上のルーメンが内部に形成されたカテーテルシャフトと、該カテーテルシャフトの人体挿入部分の外周に設けられ、前記第1ルーメンを介して内部の流体が給排されるのに伴って拡張/収縮するバルーンとを備えたバルーンカテーテルにおいて、
    前記バルーンが、少なくとも拡張時に外面に凹部を有する形状となるもので、当該凹部内において前記カテーテルシャフトに対して接合されると共に、前記バルーンが、少なくとも拡張時に中央部の一部がくびれた形状となるもので、当該くびれた箇所において前記カテーテルシャフトに対して接合されていて、
    前記カテーテルシャフトの内部に第2ルーメンが形成されていて、
    前記カテーテルシャフトの人体挿入部分の側面で前記バルーンの凹部とは重ならない位置であって前記くびれた箇所に、前記カテーテルシャフトの外部と前記第2ルーメンとを連通する側面開口部が設けられ、前記第2ルーメンに薬液を供給することにより、前記側面開口部から薬液を放出可能とされていることを特徴とするバルーンカテーテル。
  2. 前記凹部が、前記バルーンの両端に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバルーンカテーテル。
  3. 前記カテーテルシャフトの人体挿入部分が補強されていることを特徴とする請求項1又は2記載のバルーンカテーテル。
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