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JP5121686B2 - 鉄道車両の制振装置 - Google Patents

鉄道車両の制振装置 Download PDF

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Description

本発明は、鉄道車両の車体に生じる振動をセミアクティブダンパで制振する制振装置に関し、特に、車体の振動加速度に含まれる周波数成分を基に制御周波数帯や減衰係数を選択してセミアクティブダンパを制御する鉄道車両の制振装置に関する。
鉄道車両では、一般に台車と車体の間には空気バネが設けられ、台車からの振動を緩和して乗心地を良くしている。しかし、空気バネは振動を減衰させることができないので、振動が持続したり、外乱に対して共振する問題がある。そこで、鉄道車両には、空気バネの横方向振動を減衰させるため、台車と車体との間にダンパを備えた制振装置が設けられている。ダンパには種々のものが使用されているが、横方向振動の程度によって減衰力を変動可能にしたいわゆるセミアクティブダンパがあり、例えば特許第3505581号公報に開示されている。
鉄道車両の制振装置は、走行状況を判断せずに同一のスカイフック減衰係数を用いてセミアクティブ制御したのでは、最適な制御ができずに車体横方向に生じる振動を充分に抑えることができない。そこで、下記特許文献1に記載の制振装置では、鉄道車両の走行位置と、その走行位置に適した減衰係数との関係を示したスカイフック減衰係数マップを有し、その減衰係数マップを参照して走行する予定の路線の路線条件に適した減衰係数を選択するようにしている。
また、鉄道車両の制振装置では、セミアクティブダンパを構成する流体回路の電磁比例リリーフ弁やアンロード弁等は耐用作動時間に限界があるため、鉄道車両の横揺れが小さい低中速の走行時に作動を停止し、セミアクティブダンパのメンテナンス頻度を減らしたいという要求がある。この点、下記特許文献2の制振装置は、鉄道車両の走行速度が設定値以上であるか否かを判定し、設定値(230km/h)以上の走行が所定時間以上に続いたことを判定した場合にセミアクティブダンパの減衰力制御を開始し、走行速度が当該設定値より低い走行が所定時間以上に続いたことを判定した場合には、セミアクティブダンパの減衰力制御を停止するようにしたものである。
特開2007−131204号公報 特開2005−349886号公報
ところで、前記特許文献1の制振装置では、スカイフック減衰係数マップに、全路線中のある区間が曲線の路線条件であることや、ある区間についてはトンネルや軌道狂いの区間などの路線条件であることに加え、その各区間における最適となる減衰係数が設定されている。しかし、こうした路線条件に応じた減衰係数の変更では、走行位置に基づいて最適な減衰係数を選択するが、走行速度等の振動の要因となる各種条件によって、選択された減衰係数が必ずしも最適とはいえない場合があり、逆に振動を悪化させてしまう可能性もある。更には、減衰係数マップの更新が煩雑となる等の問題もあった。
一方、前記特許文献2の制振装置では、230km/h以上の走行など、高速走行時のみを対象にしてセミアクティブ制御を実行しているので、制御が行われない低速走行時の乗心地向上が図れない問題があった。
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、車体の振動加速度について周波数成分を確認し、最適な制御周波数と減衰係数を選択したセミアクティブ制御を行う鉄道車両の制振装置を提供することを目的とする。
本発明に係る鉄道車両の制振装置は、車体に生じる振動を抑えるために当該車体と台車との間に設けられた制振用ダンパと、その制振用ダンパに構成されたアンロード弁を含む流体回路の流体機器を制御するための制御コントローラとを有し、前記車体に設けられた加速度センサからの加速度信号に基づいて前記制御コントローラが前記制振用ダンパを制御するものであって、前記制御コントローラは、前記加速度センサから送信される加速度信号によって前記車体の振動加速度に含まれる振動周波数を基に振動特性を求め、その振動特性に従って前記振動加速度に対する制御周波数帯と前記制振用ダンパの減衰係数を選択したセミアクティブ制御を行うものであることを特徴とする。
また、本発明に係る鉄道車両の制振装置は、前記振動特性が、前記加速度センサから得られる振動加速度の所定周波数成分についてその大きさや比率を算出し、その算出結果を所定の条件と比較して求めるものであることが好ましい。
また、本発明に係る鉄道車両の制振装置は、前記制御コントローラが、前記振動特性に従って前記アンロード弁を駆動させないアンロード不可を実行するものであることが好ましい。
また、本発明に係る鉄道車両の制振装置は、前記制御コントローラが、鉄道車両が曲線や分岐を通過する際に生じる周波数成分が、前記振動加速度に含まれる周波数成分として支配的な場合や乗心地が良いと判断した場合に、前記アンロード弁を駆動させないアンロード不可を実行するものであることが好ましい。
本発明によれば、車体の振動加速度に含まれる振動周波数を基に振動特性を求め、その振動特性に従って振動加速度に対する制御周波数帯と制振用ダンパの減衰係数を選択したセミアクティブ制御を行うので、減衰係数のずれをなくして鉄道車両の乗心地を向上させることができる。特に、鉄道車両の走行速度にかかわらず車体に生じる振動を抑えるように制御するため、常に乗心地の向上が図られる。また、振動特性に従ってアンロード制御を行わないようにするので、アンロード弁を駆動させる頻度を大幅に減らし、劣化を抑えて寿命を延ばすことができる。
次に、本発明に係る鉄道車両の制振装置について、その一実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。図1は、鉄道車両に設けられた制振装置を概念的に示した図であり、車体長手方向に見た図である。
鉄道車両1は、前後2台の台車3に空気バネ4を介して車体2が載せられており、そうした車体2と台車3との間に、車体2の横揺れを防止するための制振装置10のセミアクティブダンパ5が設けられている。セミアクティブダンパ5は、車体2の横方向に生じる振動の程度によって減衰力を変化させて制振度合いの調節を可能にしたものであり、車体2と台車3との間で連結されている。
セミアクティブダンパ5は、作動流体を制御する電磁比例リリーフ弁やアンロード弁等を備えた流体回路が構成されており、制振装置10は、この流体回路の電磁比例リリーフ弁やアンロード弁等の駆動を制御する制振コントローラ6を有している。また、鉄道車両1には、車体2の左右横方向の振動を検出する加速度センサ7が設けられ、それに制振コントローラ6が接続されている。従って、制振装置10では、加速度センサ7からの信号を受けた制御コントローラ6によってセミアクティブダンパ5の減衰力を変えた制振制御が行われる。
制振装置10で行われるセミアクティブ制御は、車体2と台車3との間の相対移動速度の符号及び車体の移動方向を基に、減衰係数を切り換えることによって車体を制振する制御方式である。特に、本実施形態の制振装置10では、制振コントローラ6が加速度センサ7からの加速度信号を受け、その振動加速度に含まれる所定の周波数成分の大きさや比率を算出して振動特性を求め、それに基づいて適切な制御周波数帯や減衰係数を選択したセミアクティブ制御を実行するよう構成されている。なお、車体2の移動方向は、移動速度(振動加速度を積分した値)の符号で判断される。
ところで、セミアクティブダンパ5を使用した制振制御では、図2及び図3に示すようなパターンでオンロード(減衰大)とアンロード(減衰小)とが切り換えられる。例えば、トンネル内に進入したり対向車両とすれちがう場合などは、風圧によって車体2に横方向の外力が作用する。図2は、そうした場合を示しており、車体2が左方(或いは右方)に振れ、特に台車3と逆方向に振れてセミアクティブダンパ5が伸縮する。こうした場合、セミアクティブダンパ5は、アンロード弁の開閉や電磁比例リリーフ弁のリリーフ荷重調節によって車体2が加速する方向に強い減衰力を与えるオンロードとなる。
また、鉄道車両1がレールの狂いが生じている箇所を走行したり、レール分岐点での軌道の切り換え等が行われると、台車3が車体2の左方(或いは右方)への振れ速度よりも速い速度で左右に振れ、それに伴って車体2が同方向に振れてしまうことがある。図3は、そうした場合を示しており、台車3の左方への振れに伴って車体2も振れ、セミアクティブダンパ5が伸縮する。こうした場合、セミアクティブダンパ5は、アンロード弁の開閉や電磁比例リリーフ弁のリリーフ荷重調節によって車体2を加速させる方向の減衰力を小さくしたアンロードとなる。
オンロード時の減衰係数は、基本的には車体2の移動速度に比例ゲインを乗じて求めるが、例えば、比例ゲインを大きく(減衰係数を大きく)すれば低周波振動の制振効果は高くなる一方、制御遅れ等により高周波振動の制振効果が十分でなくなってしまう。逆に、比例ゲインを小さく(減衰係数を小さく)すれば高周波振動の制振効果は高くなる一方、低周波数振動の制振効果が十分でなくなる場合がある。そのため、最適な減衰係数の選択には、制御対象となる振動周波数を考慮する必要がある。
そうした制御対象周波数は、乗心地基準の評価対象周波数である0.5Hz以上が一般的であるが、制御対象周波数より低い周波数(分岐通過や曲線通過)も考慮した制御を行われなければ、逆に乗心地を悪くする場合がある。例えば、分岐通過時にアンロードとした場合に、車体2と台車3との間の相対左右変位が大きくなってしまい、車体2の左右方向の振れを機械的に止めるストッパに当たってしまう場合である。更に、車体の移動速度は振動加速度を積分して求めるため、振動加速度の周波数帯を適切に選択しなければ、移動速度の位相がずれることにより、移動方向の切り換りを判断するタイミングがずれてしまい、オンロードとアンロードの切り換え判断を誤る可能性がある。
そこで、本実施形態の制御装置10では、前述したように、実際に走行している鉄道車両1の車体2の加速度センサ7から得られる振動加速度について、その周波数成分の大きさや比率を基に振動特性を求め、その振動特性から適切な制御周波数帯や減衰係数によるセミアクティブ制御を実行する。図4は、制御周波数帯を選択する信号の算出手順を示したブロック図である。また、図5は、比例ゲイン(減衰係数)及び制御周波数帯を選択するためのフローチャートを示した図である。
制振コントローラ6は、遮断周波数の異なる複数のハイパスフィルタを備え、それぞれ第1ハイパスフィルタ21、第2ハイパスフィルタ22及び第3ハイパスフィルタ23の順に遮断周波数が高く設定されている。各ハイパスフィルタで設定されている遮断周波数は、第1ハイパスフィルタ21が曲線通過時や分岐通過時の振動周波数付近であり、第2ハイパスフィルタ22は制御対象周波数下限付近であって、第3ハイパスフィルタ23は制御対象周波数域内の低周波振動と高周波振動の境界付近である。
また、制振コントローラ6は、各ハイパスフィルタ21,22,23に対して振動加速度を2乗平均する演算部25,26,27を有し、振動加速度パワーが求められるようになっている。そして図4に示すように、本実施形態で制御周波数を選択するための信号はa1,P1〜P4の5つであり、制振コントローラ6は、更にその信号を算出するための演算部を備えている。
そこで先ず、振動加速度信号a1は、加速度センサ7から送信された振動加速度Kを第1ハイパスフィルタ21に通し、そこで抽出された周波数成分の振動加速度K1を演算部31を介して減算したものである。こうして求められた振動加速度信号a1の値が大きい場合には、鉄道車両1が曲線や分岐を通過していることが多い。
続いて、加速度パワー信号P2は、振動加速度Kを第1及び第2ハイパスフィルタ21,22にそれぞれ通し、そこで抽出された各周波数成分の振動加速度K1,K2を演算部25,26によって2乗平均し、更に、その加速度パワーP10,P20から演算部32によって求められた差(P10−P20)の値である。この加速度パワー信号P2は、振動加速度信号a1より高い周波数成分であって、第2ハイパスフィルタ22を通った振動加速度K2の周波数成分よりも低い成分について求められたものである。そして、この加速度パワー信号P2の値が大きい場合も、鉄道車両1が曲線や分岐を通過していることが多い。
一方、加速度パワー信号P1は、前述した加速度パワーP10の逆数が演算部33によって求められ、加速度パワーP10,P20の差(P10−P20)との比、すなわち(P10−P20)/P10が演算部34によって求められたものである。このとき、加速度パワー信号P1の値が大きければ、振動加速度K1において低周波数成分の占める割合が大きく、その場合の鉄道車両1は、車体2があまり揺れていなくても曲線か分岐であることが多い。
鉄道車両1が曲線を走行する場合には、車体2自体がゆっくりと揺れるため、低周波数成分が支配的な振動特性を得る。一方で、分岐を通過する場合には、走行速度が低いため振動加速度Kの周波数も低周波数成分が支配的な振動特性になるが、曲線を走行する時と比較すると、振動加速度Kに含まれる周波数はより高い成分が多くなる。加速度パワー信号P1,P2は、主に鉄道車両1が分岐を通過する際に生じる振動を判断するものである。
次に、加速度パワー信号P3は、第2ハイパスフィルタ22で抽出された周波数成分の振動加速度K2が演算部26によって2乗平均された加速度パワーP20である。この加速度パワー信号P3は、制御対象周波数域の乗心地を判断するものである。そして、次の加速度パワー信号P4は、第3ハイパスフィルタ23で抽出された周波数成分の振動加速度K3が演算部27によって2乗平均された加速度パワーP30が算出され、演算部35によって加速度パワーP20とその加速度パワーP30との差の値である。
このようにして算出される振動加速度信号a1及び加速度パワー信号P1〜P4は、振動加速度Kに含まれる周波数成分によって、その大きさや比率が変化する。制振コントローラ6では、こうした振動加速度信号a1及び加速度パワー信号P1〜P4の算出結果に基づき、最適な制御周波数帯による減衰係数の選択が行われる。そこで次に、図5のフローチャートに従った制振コントローラ6による制御周波数帯及び減衰係数の選択制御について説明する。
鉄道車両1の制振装置10では、走行中、常時、加速度センサ7からの検出信号が制御コントローラ6へ送信され、そうした車体2の振動加速度Kを基に、図4のブロック図で示した演算処理によって振動加速度信号a1や加速度パワー信号P1〜P4が算出され、制御周波数帯を選択した適正な減衰係数によるセミアクティブ制御が実行される。
そこでは先ず、振動加速度Kに含まれる制御対象周波数未満の成分について確認が行われ、算出された振動加速度信号a1及び加速度パワー信号P1,P2の値が、予め設定されている各々の設定値との間で比較される(S101)。そして、制御対象周波数未満の成分である振動加速度信号a1の絶対値が設定値を超えた場合、又は、同じく制御対象周波数未満の成分である加速度パワー信号P1若しくはP2がそれぞれの設定値を超えていた場合には(S101:YES)、鉄道車両1が曲線又は分岐を通過していると判断し、そのための制御が行われる(S102)。すなわち、曲線や分岐の通過によって生じる車体2の振動を抑えるため、制御コントローラ6は、制御対象とする振動加速度Kの制御周波数帯を低く設定し(例えば0.3Hz〜)、セミアクティブダンパ5に対してアンロード制御を不可にするとともに比例ゲインが大きくなるように制御がかけられる。
セミアクティブ制御では、車体2が左右方向へ揺れる場合の移動速度と移動方向を確認するが、それには加速度センサ7の値を積分することにより車体2の移動速度を求め、その符号によって移動方向が確認できる。そして、セミアクティブダンパ5の伸縮に対して減衰をかけるか否か、すなわちオンロード制御とアンロード制御の決定がなされる。
S102による制御コントローラ6の制御は、振動加速度Kに含まれる制御周波数帯の低周波数成分から車体2の移動速度や移動方向を算出し、それに応じたセミアクティブダンパ5の制御を行う。そして、比例ゲインを大きくすることでオンロード時の減衰力が働き、車体2の大きな揺れが止められる。一方、アンロード時にアンロード弁の駆動が行われないため、このセミアクティブダンパ5は、減衰力制御を停止したパッシブダンパとして機能し、車体2と台車3の相対左右変位が抑制されるため、車体2と台車3との間に設けられた機械的なストッパによる衝撃が防止される。
次に、制御対象周波数未満の成分である振動加速度信号a1や加速度パワー信号P1,P2のいずれもが設定値以下の場合には(S101:NO)、鉄道車両が曲線や分岐以外の走行、例えば高速直線走行をしている場合であり、そのためのセミアクティブ制御が行われる。そこでは先ず、加速度パワー信号P3の値が設定値を超えるか否かが確認される(S103)。この加速度パワー信号P3の値が設定値を超える場合は(S103:YES)、比較的乗心地が悪い状態である。なお、車体2にはセミアクティブダンパ5で抑えられない高い周波数の振動が生じており、この場合には更に加速度パワー信号P4の値が設定値を超えるか否かが確認される(S104)。
そこで、加速度パワー信号P4の値が設定値を超え、加速度パワーP20とP30との差の値が大きい場合には(S104:YES)、制御対象周波数の低周波振動成分が占める割合が大きい振動特性である。この場合は、制御周波数帯が中段に設定される(例えば0.5Hz〜)。そして、セミアクティブダンパ5に対してアンロード制御を可能にするとともに、比例ゲインが大きくなるように制御がかけられる(S105)。すなわち、制御コントローラ6は、設定された制御周波数帯の振動加速度から車体2の移動速度や移動方向を算出し、それに応じてアンロード弁を駆動させたセミアクティブダンパ5の制御を行う。
一方、加速度パワー信号P4の値が設定値以下の場合は(S104:NO)、制御対象周波数の低周波振動成分が少ない振動特性であるため、それに合わせて制御周波数帯が高段に設定される(例えば1.0Hz〜)。そして、セミアクティブダンパ5に対してアンロード制御を可能にするとともに、比例ゲインが小さくなるように制御がかけられる(S106)。この場合、車体2に生じる揺れが小さいため減衰力を小さくしている。そこで、制御コントローラ6は、設定された制御周波数帯の振動加速度から車体2の移動速度や移動方向を算出し、それに応じてアンロード弁を駆動させたセミアクティブダンパ5の制御を行う。
続いて、加速度パワー信号P3の値が設定値以下の場合は(S103:NO)、車体2にセミアクティブダンパ5による制御対象周波数成分が支配的な振動特性であり、比較的乗心地が良い状態である。このような状態では、車体2に生じる振動がセミアクティブダンパ5によって効果的に抑えられる。そして、この場合でも更に加速度パワー信号P4の値が設定値を超えるか否かが確認される(S107)。
加速度パワー信号P4の値が設定値を超えた場合には(S107:YES)、制御対象周波数の低周波振動成分が多い振動特性である。そのため、それに合わせて制御周波数帯が中段に設定され(0.5Hz〜)、セミアクティブダンパ5に対してアンロード制御を不可にするとともに、比例ゲインが大きくなるように制御がかけられる(S108)。すなわち、制御コントローラ6では、設定された制御周波数帯の振動加速度から車体2の移動速度や移動方向を算出し、それに応じたセミアクティブダンパ5の制御を行う。前述したように比例ゲインを大きくするため、オンロード時には減衰力が働いて車体2の揺れが止められるが、アンロード時にアンロード弁は駆動せず、セミアクティブダンパ5は、減衰力制御を停止したパッシブダンパとして機能する。
一方、加速度パワー信号P4の値が設定値以下の場合は(S107:NO)、制御対象周波数の低周波振動成分が少ない振動特性であるため、それに合わせて制御周波数帯が高段に設定される(例えば1.0Hz〜)。そして、セミアクティブダンパ5に対してアンロード制御を可能にするとともに、比例ゲインが小さくなるように制御がかけられる(S106)。この場合、車体2の揺れが比較的小さいため減衰力を小さくしている。そこで、制御コントローラ6は、設定された制御周波数帯の振動加速度から車体2の移動速度や移動方向を算出し、それに応じたセミアクティブダンパ5の制御をおこなう。前述したように比例ゲインを小さくしているため、オンロード時には小さい減衰力が働き、アンロード時にアンロード弁は駆動せず、セミアクティブダンパ5は、減衰力制御を停止したパッシブダンパとして機能する。
以上にように、鉄道車両1に設けた本実施形態の制振装置10によれば、加速度センサ7で検出された振動加速度Kを基に振動加速度信号a1や加速度パワー信号P1〜P4を算出し、それを設定値と比較することで最適な制御周波数帯や減衰係数を選択したセミアクティブ制御を行うこととした。従って、前記信号a1,P1〜P4から常に車体2に生じている振動特性を把握し、それに応じてセミアクティブ制御を行うので、減衰係数のずれをなくし、鉄道車両1の乗心地を向上させることができる。特に、鉄道車両1の走行速度にかかわらず車体2に生じる振動を抑えるように制御するため、常に乗心地の向上が図られる。
ところで、走行中の全ての時点でセミアクティブ制御を行うと、特にアンロード弁の劣化を促進させてしまい、メンテナンスの頻度を増やしてしまうことになる。しかし、本実施形態では、S102,S108,S109でアンロード制御を行わないようにしてアンロード弁を駆動させる頻度を大幅に減らしている。そのため、セミアクティブダンパ5に備えられるアンロード弁の劣化を抑え、その寿命を延ばすことができる。これにより、セミアクティブダンパのメンテナンスの回数も減らすことができる。また、高速走行時にアンロードを駆動しない場合であっても、乗心地が良い振動特性を見極めているので、乗心地を落とすことなくアンロード弁の駆動回数を低減できる。
以上、本発明に係る鉄道車両の制振装置について実施形態を示したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
鉄道車両に設けられた制振装置の実施形態を概念的に示した図であり、車体長手方向に見た図である。 車体の振動に対してオンロード制御を行う場合を示した図である。 車体の振動に対してアンロード制御を行う場合を示した図である。 制御周波数帯を選択する信号の算出手順を示したブロック図である。 比例ゲイン(減衰係数)及び制御周波数帯を選択するためのフローチャートを示した図である。
符号の説明
1 鉄道車両
2 車体
3 台車
5 セミアクティブダンパ
6 制御コントローラ
7 加速度センサ
10 制振装置
21 第1ハイパスフィルタ
22 第2ハイパスフィルタ
23 第3ハイパスフィルタ

Claims (4)

  1. 車体に生じる振動を抑えるために当該車体と台車との間に設けられた制振用ダンパと、その制振用ダンパに構成されたアンロード弁を含む流体回路の流体機器を制御するための制御コントローラとを有し、前記車体に設けられた加速度センサからの加速度信号に基づいて前記制御コントローラが前記制振用ダンパを制御する鉄道車両の制振装置において、
    前記制御コントローラは、前記加速度センサから送信される加速度信号によって前記車体の振動加速度に含まれる振動周波数を基に振動特性を求め、その振動特性に従って前記振動加速度に対する制御周波数帯と前記制振用ダンパの減衰係数を選択したセミアクティブ制御を行うものであることを特徴とする鉄道車両の制振装置。
  2. 請求項1に記載する鉄道車両の制振装置において、
    前記振動特性は、前記加速度センサから得られる振動加速度の所定周波数成分についてその大きさや比率を算出し、その算出結果を所定の条件と比較して求めるものであることを特徴とする鉄道車両の制振装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する鉄道車両の制振装置において、
    前記制御コントローラは、前記振動特性に従って前記アンロード弁を駆動させないアンロード不可を実行するものであることを特徴とする鉄道車両の制振装置。
  4. 請求項3に記載する鉄道車両の制振装置において、
    前記制御コントローラは、鉄道車両が曲線や分岐を通過する際に生じる周波数成分が、前記振動加速度に含まれる周波数成分として支配的な場合や乗心地が良いと判断した場合に、前記アンロード弁を駆動させないアンロード不可を実行するものであることを特徴とする鉄道車両の制振装置。
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