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JP5239336B2 - ポリエーテル−ポリ乳酸組成物およびそれを含んだポリ乳酸系フィルム - Google Patents

ポリエーテル−ポリ乳酸組成物およびそれを含んだポリ乳酸系フィルム Download PDF

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Description

本発明は貯蔵安定性・溶融安定性優れ、臭気が少なく、色相の良いポリエーテルとポリ乳酸成分を含有するポリエーテル−ポリ乳酸組成物およびそれを含んだポリ乳酸フィルムに関する。
近年、プラスチックの廃棄物処理の問題や環境問題などから、植物原料で優れた生分解性を有するポリ乳酸を、広く汎用ポリマーとして活用しようとする研究が盛んに行われ、その組成物に関する多くの研究、特許出願がなされている。しかしポリ乳酸は、ガラス転移温度が60℃と比較的低く、硬質で脆性のポリマーであるため、ホモポリマーをそのまま汎用ポリマーとして各種用途に展開するには、克服しなくてはならない課題が用途毎に存在する。
例えばフィルムやシート用途に展開する場合、硬質で脆性であることが大きな課題であり、それを解決するために様々な研究開発が今も行われている。特に、可塑剤の添加による軟質化技術や脂肪族ポリエステルなどの添加による脆性改良化技術が広く知られており、これらを組み合わせることによりポリ乳酸を幅広く活用できるようになってきている。
その中でも、ポリ乳酸組成物を添加剤として用いる技術は、ベースであるポリ乳酸との親和性が良好である点や、ポリ乳酸と相互作用させることにより機能を持たせることができる点において有用な技術である。
しかしながら、これら改良技術においても、添加剤として用いるポリ乳酸組成物の貯蔵安定性・溶融安定性や臭気発生などの点において十分な技術であるとは言い難く、添加剤として用いるポリ乳酸組成物の貯蔵時にその物性が大きく低下したり、成形加工する際の溶融時に分子量が著しく低下したり、独特の臭気を発生するなどの課題がある。
貯蔵安定性や溶融安定性が低下する主な原因は、ベースとなるポリ乳酸やポリ乳酸組成物中に残留したラクチド、および、成形加工時の加熱により生成したラクチドが大気中の水分等によって加水分解し、有機酸となりポリマー鎖の切断に働くことが挙げられる。また、一般にラクチドは昇華性を有しており、装置の汚染を引き起こしたり、独特の臭気もあり、不快感を伴うことから、組成物中に残留するラクチド量の低減と加水分解によって生成する有機酸量の低減が課題である。
ポリ乳酸組成物中から残留したラクチドを除去する方法としては、溶剤によって抽出する方法、良溶剤にポリマーを溶解し貧溶剤中で析出させる方法が実験室レベルにおいては既知である。工業規模での製造では、二軸押出機での押出工程で減圧除去する方法(特許文献1)や押出工程などで得られたストランドを減圧にしたポット内で低分子量物を脱揮し、除去する方法(特許文献2)が開示されている。
しかしながら、これらの方法では減圧、加熱下に組成物中に残留したラクチドを除いてもラクチドの再発生が起こり、樹脂中のラクチド量を容易に減少させることができない。これは重合に使用した触媒が、ポリマー鎖からラクチドを生成する解重合反応に作用するためである。また、有機酸量に関する検討がなされておらず、単に組成物中に残留したラクチドを除去したとしても、容易に本発明が解決しようとする課題を達成できるものではない。
また、溶剤共存下で乳酸より製造したポリ乳酸からの触媒の除去方法(特許文献3)も知られている。この方法では溶剤に溶解しているポリ乳酸に親水性有機溶媒と弱酸を加え触媒成分を除くものである。また、水洗によって、触媒の失活・除去と残留ラクチドの除去を行う方法があるが、この方法では、残留したラクチドが加水分解するためそれに相当する有機酸が組成物中で生成し、貯蔵安定性が低下する。
キレート剤または酸性リン酸エステル類を触媒失活剤に用い、減圧脱気により残留ラクチドを低減させる製造方法(特許文献4、特許文献5)も知られている。しかしながら、かかる技術では有機酸量を制御することができず、また、有機酸量が及ぼす効果やラクチド量と同時に制御することに関する検討が十分なされていない。また、特許文献4,5からなる組成物は、ポリ乳酸以外の成分割合が多いため、この組成物から形成される成形体の植物性の割合はそれほど高いものとはならない問題がある。
また、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物の有機酸量に関して記載した技術が特許文献6に開示されている。この文献に記載の方法は、有機酸量を酸価として測定し、それを特定の範囲以下に制御することで、経時安定性が得られることが記載されている。特許文献6に記載のポリエーテル−ポリ乳酸組成物は、ある程度の特性は有するものの、さらに高い貯蔵安定性や溶融安定性が求められているのが現状である。
欧州特許532154号公報 特開平5−93050号公報 特開平6−116381号公報 特許第3513972号 特許第3487388号 特開2005−146274号公報
本発明は、かかる背景技術に鑑み、貯蔵安定性・溶融安定性に優れ、臭気が少なく、色相の良好なポリエーテル−ポリ乳酸組成物およびそれを含んだポリ乳酸系フィルムを提供せんとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物は次のような手段を採用するものである。すなわち、以下である。
ポリエーテルセグメントとポリ乳酸セグメントを有する化合物を含んだ組成物(以下、ポリエーテルセグメントとポリ乳酸セグメントを有する化合物を含んだ組成物を、単にポリエーテル−ポリ乳酸組成物という)であり、
ポリエーテル−ポリ乳酸組成物は、触媒活性低減剤であるリン酸若しくは亜リン酸を含み、
ポリエーテル−ポリ乳酸組成物の残留ラクチド量が0.3重量%以下、酸価が50当量/t以下である、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物。
さらに、本発明のポリ乳酸系フィルムは、以下である。
ポリエーテルセグメントとポリ乳酸セグメントを有する化合物を含んだ組成物(以下、ポリエーテルセグメントとポリ乳酸セグメントを有する化合物を含んだ組成物を、単にポリエーテル−ポリ乳酸組成物という)からなるフィルムであり、
ポリエーテル−ポリ乳酸組成物は、触媒活性低減剤であるリン酸若しくは亜リン酸を含み、
ポリエーテル−ポリ乳酸組成物の残留ラクチド量が0.3重量%以下、酸価が50当量/t以下である、ポリ乳酸系フィルム。
本発明によれば、従来技術では成し得なかった、貯蔵安定性・溶融安定性に優れ、臭気が少なく、色相の良好なポリエーテル−ポリ乳酸組成物を提供することができる。また、本発明によるポリエーテル−ポリ乳酸組成物をポリ乳酸系重合体に添加することで、高い柔軟性を有するポリ乳酸系フィルムを提供できる。即ち、本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物は、柔軟かつ分解性を有し、貯蔵安定性・溶融安定性に優れ、色相の良好である添加剤としてシートおよびフィルム等の包装用途、射出成形体、ラミネーション等の用途に提供することができ、特に包装材用添加剤として有用であり、本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物をポリ乳酸系重合体に添加した本発明のポリ乳酸系フィルムは、柔軟性、耐ブリードアウト性に優れた植物性の高いフィルムとなる。
本発明は、前記課題、つまり貯蔵安定性・溶融安定性優れ、色相の良好なポリエーテル−ポリ乳酸組成物について、鋭意検討し、ポリエーテルとポリ乳酸セグメントを有する化合物において、残留ラクチド量と酸価に着目してみたところ、これらの特定な数値を有するものが、前記課題を一挙に解決することを究明したものである。ここで、「色相が良好」とは、組成物が熱履歴などで白色から褐色化することなく、白色を保つことをいう。
すなわち、本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物は、従来技術では成し得なかった、貯蔵安定性・溶融安定性に優れ、黄褐色化せず、色相が良好であるという特徴を有する。
本発明におけるポリエーテル−ポリ乳酸組成物とは、分子中にOH基を1つ以上持ったポリエーテルと、分子量144以上を持ったポリ乳酸セグメントからなる化合物のことであり、特にポリエーテルモノマーとポリ乳酸モノマーの周期的共重合体やブロック共重合体、グラフト共重合体を指す。
ポリエーテル−ポリ乳酸組成物の合成は、ポリエーテルを合成後、触媒を用いてラクチドを開環重合させる方法、ポリエーテルを合成後、乳酸を直接重合させる方法、あるいは、触媒によるラクチドの開環や乳酸からの直接重合によりポリ乳酸オリゴマーを合成後、ポリエーテルのオリゴマーを添加し、重合させる方法などが挙げられるが、ポリエーテルを合成後に触媒を用いてラクチドを開環重合させる方法を用いる方が、工業的に好ましい。
しかしながら、一般的にラクチドの開環重合反応は、重合反応末期においてラクチドの開環重合とポリマーからの解重合の平衡が生じることがわかっており、この平衡反応のため、モノマーであるラクチドが全てポリマー化することはなく、未反応のラクチドが組成物中に残留することとなる。組成物中に残留したラクチド(以下残留ラクチドという)は、吸湿性を有し、空気中の水分などにより加水分解を起こし有機酸となる。有機酸はポリ乳酸の分解を促進させるため、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物の貯蔵安定性を著しく低下させる要因の一つとなっている。
なお、残留ラクチド量が多いままであっても、組成物を水分除去した密閉容器に保存すればポリ乳酸の加水分解を抑止することができるが、ラクチドは昇華性があるため、組成物の表面に結晶化し、密閉容器から取り出した際に吸湿および加水分解が起こり、べたつきを発生し、作業性が著しく低下したり、臭気を発生するなどの品質低下を招く。
上記から、貯蔵安定性・溶融安定性を有し、作業性の良好なポリエーテル−ポリ乳酸組成物を得るためには、残留ラクチド量が少なく、かつ有機酸量が少ないことが必要である。ここで、残留ラクチド量はGC(ガスクロマトグラフ)測定することが可能であり、有機酸量は中和滴定により酸価測定することにより測定可能である。
具体的数値としては、残留ラクチド量が、本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物100重量%に対し、残留ラクチド量が0.0重量%以上0.3重量%以下であり、酸価が0当量/t以上50当量/t以下であることが必要である。
さらに、本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物をポリ乳酸系重合体に添加し、シートやフィルムに成形する場合は、臭気や揮発物が発生しにくくなる点から、残留ラクチド量は0.0重量%以上0.2重量%以下が好ましく、オーバーラップフィルムなどのように食品と接触する成形品、あるいは10ミクロン程度の薄いフィルムを成形する場合は、臭気や揮発物に加え、抽出物を発生しにくい点から、0.0重量%以上0.1重量%以下であることが好ましい。この範囲を超える場合は、溶融安定性・貯蔵安定性が著しく低下し、作業性が低下したり、臭気が発生したりする。
本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物100重量%に対し、残留ラクチド量が0.0重量%以上0.3重量%以下とするための方法は、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物の重合反応末期に触媒活性低減剤を添加して触媒の活性を低減したり、あるいは重合反応の系内から触媒を除去したのち、減圧脱揮によって残留ラクチドを除去する方法などが挙げられる。
ここで、本発明のポリ乳酸系重合体とは、L−乳酸および/またはD―乳酸を主成分とし、重合体中の乳酸由来の成分が70重量%以上のものを示し、実質的にL−乳酸および/またはD―乳酸からなるホモポリ乳酸が好ましく用いられる。
触媒を重合反応の系内から除去する方法には、貧溶媒と良溶媒で析出させる方法や、水で洗い流すなどの方法があるが、工業的でないことと、水分との接触機会が多いなどの理由から良好な品質の組成物を得にくい。そのため、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物の重合反応末期に触媒の活性を低減させる方法が好ましい。触媒の活性を低減させるより具体的な方法は後述する。
また酸価は、より良好な貯蔵安定性を得られることから0当量/t以上40当量/t以下であることが好ましい。酸価が50当量/tを越えると貯蔵安定性が低下することがある。
また、本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物の酸価を0当量/t以上50当量/t以下とするための方法としては、本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物の原料となるポリエーテル、ラクチドのそれぞれの含有水分量を低減させる方法などが挙げられる。含有水分量はそれぞれに適切な温度で加熱し、減圧乾燥することによって低減できる。
具体的には、本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物の重合前の原料となるポリエーテル中の水分量を1000ppm以下、ラクチド中の水分量を800ppm以下とすることで、これら原料を用いた本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物の酸価は50当量/t以下とすることができる。より好ましくは、ポリエーテル中の水分量を800ppm以下、ラクチド中の水分量を600ppm以下であることが好ましい。
本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物に用いるポリエーテルセグメントには、入手の容易さや分解性、安全性の点から、エーテル結合間の炭素数が2以上のポリアルキレンエーテルを用いることが好ましく、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリペンタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド等が好ましく用いられる。中でも、ポリ乳酸との親和性から、最も好ましくはポリエチレングリコールが用いられる。
本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物に用いるポリエーテルセグメントの分子量は特に問わないが、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物をポリ乳酸系重合体の可塑剤として用いた際の軟質化などの機能を十分に発現するためには、数平均分子量で3000以上50000以下であることが好ましく、より好ましくは、6000以上20000以下である。
また、本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物に用いるポリ乳酸セグメントは、熱安定性の向上、ブリードアウト(滲出)抑制の点から、光学純度が90%以上の結晶性を有するポリ乳酸セグメントであることが好ましく、数平均分子量が1500以上のポリ乳酸セグメントを1分子中に1つ以上有していることが好ましい。より好ましくは、光学純度が95%以上、数平均分子量が2000以上のポリ乳酸セグメントを1分子中に1つ以上有していることが好ましい。ポリ乳酸セグメントが結晶性を有するとは、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物を加熱下で十分に結晶化させた後、適当な温度範囲でDSC(示差走査熱量分析装置)測定を行った場合、ポリ乳酸成分に由来する結晶融解熱が観測される事を言う。ポリ乳酸セグメントが1500以上の数平均分子量を持たない場合、ポリ乳酸セグメントが結晶性を有さなくなり、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物の耐熱性が低下したり、本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物を添加剤としてポリ乳酸系重合体に含有してフィルムを製造する際に、熱により該ポリエーテル−ポリ乳酸組成物がブリードアウト(滲出)するなど、正常に製品性能が発揮されなくなる場合がある。
上記ポリ乳酸セグメントは、L−ラクチドおよび/またはD−ラクチドを使用し、ポリエーテル成分と適当な仕込み量で共重合させることで得ることができる。
本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物は、優れた溶融安定性を発現するために、窒素雰囲気下に溶融保持した際の残留ラクチド量が0.0重量%以上0.3重量%以下であることが好ましい。窒素雰囲気下に溶融保持した際の残留ラクチド量が0.3重量%を越えると、溶融時に分子量低下や臭気が発生しやすくなる場合がある。
本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物は、良好な色相を保持する点で、不活性ガス雰囲気下に溶融保持した際の数平均分子量の低下が0%以上10%以下であることが好ましい。具体的には、不活性ガス雰囲気下1時間での数平均分子量低下が10%以下であることである。
ここでいう不活性ガスとは、反応物と化学的な反応を起こさないガスのことであり、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドンなどの希ガス類や窒素、二酸化炭素などが挙げられる。中でも、安価で入手が容易であり、取扱性に優れるなどの点で、アルゴン、窒素、二酸化炭素が好適に用いられる。
本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物を得るには、数平均分子量6000以上20000以下のポリエチレングリコールに、数平均分子量1500以上のポリ乳酸セグメントとなる量のL−ラクチドおよび/またはD−ラクチドを、触媒を用いて共重合させ、続いて触媒の活性を低減させた後、減圧脱揮によって残留ラクチドを除去する方法が最も好ましく用いられる。
ラクチドの重合反応は、開環重合と解重合との平衡反応である。よって、ラクチド重合反応の触媒の活性を低減させることなく、減圧脱揮によって、重合反応系内から残留ラクチドが除去された場合、重合反応の平衡が解重合方向に向かい、ポリマーからの解重合が促進されることとなる。そのため減圧脱気の結果として、ラクチド量が増加することとなる。つまり解重合の活性化エネルギーを低下させている原因は触媒であるため、減圧脱揮による残留ラクチド除去には、触媒活性が十分低減されていることが重要である。本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物を得るために、上述のように重合反応後、触媒の活性を低減させて、減圧脱揮を行うことで、ポリマーからの解重合の活性化エネルギーが増加して、解重合を抑制することができる。そのため、残留ラクチドを減圧による脱揮で減少させることができる。
本発明において、ラクチドの重合反応に用いる触媒は特に限定しないが、オクタン酸錫、塩化錫、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、酸化鉛、炭酸鉛、塩化チタン、ジアセトアセトキシオキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム、アセチルアセテート鉄などが用いられる。なかでも反応速度や収率などの点、からオクタン酸錫、アセチルアセテート鉄が好ましく用いられ、さらに好ましくはオクタン酸錫である。これら触媒の添加量は、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物100重量%に対して、0.001〜2重量%用いることが好ましい。反応速度、着色抑制の点などから、その添加量は0.01〜0.05重量%であることが更に好ましい。
上述した触媒の活性を低減させる方法としては、触媒活性低減剤を用いることが好ましい。好ましく用いられる触媒活性低減剤は、使用するラクチド重合触媒によって変化するが、一般に1つ以上のリン酸またはリン酸エステル類を有する化合物、または1つ以上のカルボン酸を有する化合物、1つ以上の硫酸または硫酸エステル類を有する化合物、1つ以上の硝酸または硝酸エステル類を有する化合物、およびこれらの混合物が好適に用いられる。なかでも、ポリマー鎖の切断を抑え、得られる組成物の色相も良好で、かつ効率よく触媒と結合する点から、1つ以上のリン酸またはリン酸エステル類を有する化合物がより好ましく用いられで、中でもリン酸または亜リン酸、またはこれらの混合物であることが特に好ましい。
これら触媒活性低減剤は、ラクチド重合触媒の金属原子に、触媒活性低減剤中の不対電子が配位することにより、触媒の活性を低減させることができる。つまり、触媒活性低減剤中の不対電子が触媒の金属に配位することで、重合と解重合の活性化エネルギーを高めることができる。
また、ICP(発光分光分析)測定を行うことで、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物中の触媒の金属原子と触媒活性低減剤の比を観測することができる。
また、触媒量と触媒活性低減剤量の関係に、1/6 < M/P < 1/2 (ただし、式中のMは、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物中に存在する触媒金属元素のモル量を示し、Pはポリエーテル−ポリ乳酸組成物中に存在するリン原子のモル量を示す。)の関係が成り立つことが好ましい。M/Pが1/2を上回る場合、触媒の活性が十分に低減されず、解重合反応の活性化エネルギーを十分に低減できないため、触媒活性低減剤の添加後に減圧脱揮を行っても、残留ラクチドを低減できないことがある。M/Pが1/6を下回る場合、触媒活性低減剤が余剰となり、最終的に得られるポリエーテル−ポリ乳酸組成物の分解を早めたり、べとつきによるブロッキングなどで作業性が低下する場合がある。
さらに好ましくは1/5 < M/P < 1/2 の場合であり、最も好ましくはM/P=1/3である。
本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物は、ポリ乳酸系重合体の添加剤として好ましく用いることができる。ポリ乳酸系重合体は一般に透明であるが、柔軟性に欠けることが知られ、本発明のポリエーテルーポリ乳酸組成物をポリ乳酸系重合体中に添加することにより、貯蔵安定性・溶融安定性に優れ、透明性と柔軟性があり、耐熱性が高く、ブリードアウトを充分に抑制したポリ乳酸系フィルムを得ることができる。
次に重合反応について説明する。本発明の重合反応には、撹拌が可能で、温度制御が可能な気密性の優れた密閉容器であればよく、撹拌翼のついた反応容器内で行われることが好ましい。
上記容器内にて、ポリエーテルとラクチドを溶融混合させ、重合触媒を添加する。反応温度はラクチドの融点以上、かつ180℃以下の温度が反応の平衡上望ましい。ラクチドの融点は100℃付近であり、100℃以上185℃以下の温度、更に好ましくは、160〜180℃が反応の平衡上望ましい。
ポリエーテルの熱分解による着色を防ぐため、溶融時における系内雰囲気は乾燥した不活性ガスで十分置換されていることが好ましい。中でも、系内を減圧した後、乾燥シリカゲル環を通した窒素、アルゴンガス、二酸化炭素ガスあるいはこれらの混合ガスで置換する行為を3回以上行われた状態が好ましい。ポリエーテル、ラクチド、触媒、触媒活性低減剤中に含有される水分を除去してすることが好ましい。
なお、触媒活性低減剤は重合工程が終了した後に添加することが好ましい。重合工程中に添加すると、触媒活性が低減してしまい、反応が途中で進行しなくなり、ラクチドや低分子量体が大量に残留することがある。具体的な添加時期についてはラクチド等のモノマーのポリマーへの転化率が85%〜99%の時が好ましく、更に効率のよい脱揮工程を考慮すると94%〜99%であることが好ましい。
かかる触媒活性低減剤の添加方法は、ポリ乳酸製のオブラートに包んで添加する方法や、反応容器に設置された添加装置などを用いて触媒活性低減剤そのものを直接反応系内に添加する方法などが挙げられる。作業性や反応系内に水分を持ち込みにくいという点で、添加装置を用いた滴下が好ましい。
かかる触媒活性低減剤の作用によって、触媒が存在することによる活性化エネルギーの低下した環境下でも、解重合反応を抑制することができ、結果としてポリマー鎖の切断を最小に抑えることができる。触媒と触媒活性低減剤の反応は、攪拌の程度に大きく依存するが、比較的早く、3分程度で十分であり、好ましくは5〜20分である。その際の反応温度はポリエーテル−ポリ乳酸組成物の融点以上180℃以下が好ましい。
また、触媒活性低減剤添加後に残留したラクチドおよび低分子量体を取り除く目的で減圧脱揮を行うことが望ましい。この脱揮工程によって残留ラクチド量を減少させることができ、得られたポリエーテル−ポリ乳酸組成物の臭気や貯蔵安定性・経時安定性を向上させることができる。
具体的な脱揮の方法としては、触媒活性低減剤を添加して触媒と触媒活性低減剤を十分に反応させた後、系外へ取り出すことなく、そのまま攪拌・減圧を続ける方法が好ましい。好適な脱揮条件としては、脱揮時間が3時間以上、温度はポリエーテル−ポリ乳酸組成物の融点以上150℃以下、減圧度は13〜1333Paで行うことが好ましい。その他の脱揮方法としては、重合終了後に、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物をペレット化、または粉砕し、減圧下、加熱しながら行う方法がある。この場合、脱揮時間は3時間以上、温度は60〜110℃、減圧度は13〜1333Paが好ましい。
なお、本発明の効果を損なわない範囲でポリエーテル−ポリ乳酸組成物には、酸化防止剤、紫外線安定化剤を必要に応じて添加してもよい。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール類、ヒンダードアミン類が挙げられる。
本発明により得られたポリエーテル−ポリ乳酸組成物は、残留ラクチド量と酸価が少なく、貯蔵安定性・溶融安定性に優れ、臭気も少なく、色相も良好であるため、各種用途に活用することができる。特に本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物は、ポリ乳酸系重合体用の添加剤として好適に用いることができ、中でも、ポリ乳酸セグメントの分子量と結晶性を制御することで、ブリードアウト抑制の機能を付与することができる点や、ポリエーテルセグメントによるポリ乳酸の軟質化効果を有するため、ポリ乳酸用の可塑剤として特に好適に用いることができる。
本発明により得られたポリエーテル−ポリ乳酸組成物をポリ乳酸系重合体用の可塑剤として用いて、インフレーション成形、押出成形、射出成形、積層成形、プレス成形等の種々の方法により成形加工を行うことができ、汎用樹脂に使用されている既存装置を用いて成形することが可能である。中でも、インフレーション製膜やキャスト製膜などによってフィルムやシート状に成形加工し、包装材料や産業用品としての活用が有用である。
包装材料としては、例えば、食品用ラップフィルム、雑貨などの包装フィルム、レジ袋、一般規格袋、ゴミ袋、重袋等の袋類が挙げられ、産業用品としては、結束テープ、農業用マルチフィルムまた農業用シートが挙げられる。
以下に、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物を含んだポリ乳酸系フィルムの説明を記載する。
成形加工の流れとしては、ポリ乳酸系重合体に本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物を混合し、それらを必要に応じて加熱し、溶融させたのち、フィルム状に加工する。
ポリ乳酸系重合体とは、L−乳酸および/またはD―乳酸を主成分とし、重合体中の乳酸由来の成分が70重量%以上のものを示し、実質的にL−乳酸および/またはD―乳酸からなるホモポリ乳酸が好ましく用いられる。
また、後述する理由により、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物がポリ乳酸系重合体からブリードアウトすることを抑制させる効果を発現させるために、ポリ乳酸系重合体は結晶性を有することが好ましい。ポリ乳酸系重合体が結晶性を有するとは、該ポリ乳酸系重合体を加熱下で十分に結晶化させた後に、適当な温度範囲でDSC(示差走査熱量分析装置)測定を行った場合、ポリ乳酸成分に由来する結晶融解熱が観測されることをいう。
ポリ乳酸系重合体として、例えば均一なホモポリ乳酸を用いる場合にはその光学純度が70%以上のホモポリ乳酸を使用すればよい。あるいは、必要な機能の付与あるいは向上を目的として、光学純度の異なる2種以上のホモポリ乳酸を併用してもよく、例えば、結晶性を有するホモポリ乳酸と非晶性のホモポリ乳酸を併用することも可能である。この場合、非晶性のホモポリ乳酸の割合は本発明の効果を損ねない範囲で決定すれば良い。また、通常、ホモポリ乳酸は光学純度が高いほど融点が高く、例えば光学純度が98%以上のポリL−乳酸では融点が約170℃程度であるが、成形品とした際に高い耐熱性を付与したい際には、使用するポリ乳酸重合体のうち少なくとも1種に光学純度が95%以上のポリ乳酸を含むことが好ましい。
ポリ乳酸系重合体の製造方法には、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸(ラセミ体)を原料として一旦環状2量体であるラクチドを生成せしめ、その後開環重合を行う2段階のラクチド法と、当該原料を溶媒中で直接脱水縮合を行う一段階の直接重合法が知られている。本発明においてホモポリ乳酸を用いる場合は、いずれの製法によって得られたものであってもよいが、ラクチド法によって得られるポリマーの場合には、ポリマー中に含有されるラクチドが成形時に昇華して、例えば溶融製膜時にはキャストドラムの汚染、フィルム表面の平滑性低下の原因となったり、臭気の原因となることがあるため、成形時あるいは溶融製膜以前の段階でポリマー中に含有されるラクチドの含有量を0.3重量%以下とすることが望ましい。また、直接重合法の場合にはラクチドに起因する問題が実質的にないため、成形性あるいは製膜性の観点からはより好適である。
本発明におけるポリ乳酸系重合体の重量平均分子量は、フィルム成形品とした場合の強度物性を優れたものとするため、通常少なくとも5万、好ましくは8万〜30万、さらに好ましくは10万〜20万であることが望ましい。
また、本発明におけるポリ乳酸系重合体は、L−乳酸、D−乳酸のほかにエステル形成能を有するその他の単量体成分を共重合した共重合ポリ乳酸であってもよい。共重合可能な単量体成分としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の分子内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸等の分子内に複数のカルボン酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体が挙げられる。なお、ポリ乳酸系重合体の共重合成分としては、生分解性を有する成分を選択することが好ましい。
ポリ乳酸系重合体には、前述のような方法により残留ラクチド量と酸価を制御したポリエーテル−ポリ乳酸組成物を含有させることで、高い柔軟性を有するポリ乳酸系フィルムとすることができる。ポリエーテル−ポリ乳酸組成物は、前記手段により、残留ラクチド量が0.3重量%以下、酸価が50当量/t以下が達成されたポリエーテルセグメントとポリ乳酸セグメントを有する組成物である。
ポリ乳酸系重合体とポリエーテル−ポリ乳酸組成物を溶融混合し、フィルム状に成形する場合、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物中のポリエーテルセグメントは、数平均分子量3000以上50000以下のポリエチレングリコールが好ましく、数平均分子量1500以上10000以下のL−乳酸またはD−乳酸を主体とした結晶性を有するポリ乳酸セグメントを1分子中に1つ以上有していることが好ましい。より良好な軟質化効果を得たい場合、数平均分子量3000以上20000以下のポリエチレングリコールと、数平均分子量1500以上5000以下のL−乳酸またはD−乳酸を主体とした結晶性を有するポリ乳酸セグメントを1分子中に1つ以上有していることが好ましい。
また、軟質化の効率を良好とするために、組成物のポリ乳酸セグメント成分の重量割合が、組成物全体の50重量%未満であることが好ましい。この関係を満たす場合、より少量の添加で所望の柔軟性を有する耐ブリード性組成物を得ることができる。
以下に前記ポリエーテル−ポリ乳酸組成物の製造例を示すが、本発明のポリエーテル−ポリ乳酸組成物の製造例はこれに限定されるものではない。
両末端に水酸基末端を有するポリエチレングリコール(PEG)を用意する。両末端に水酸基末端を有するポリエチレングリコール(PEG)の数平均分子量(M PEG )は、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィ)などで測定することができる。両末端に水酸基末端を有するポリエチレングリコール(PEG)w B 重量部に対し、ラクチドwA重量部を添加した系において、PEGの両水酸基末端にラクチドを開環付加重合させ十分に反応させると、実質的にPLA(A)−PEG(B)−PLA(A)型のブロック共重合体を得る。この反応は、必要に応じてオクチル酸錫などの触媒併存下でおこなわれる。このポリエーテル−ポリ乳酸組成物の一つのポリ乳酸セグメントの数平均分子量は、(1/2)×(w A /wB )×MPEG と求めることができ、また、ポリ乳酸セグメント成分の組成物全体に対する重量割合は、100×w A /(wA+wB )%と求めることができる。さらに、ポリエーテルセグメントの組成物全体に対する重量割合は、実質的に100×w B /(wA +wB )%と求めることができる。生成した組成物の分子量やポリ乳酸セグメントなどは、実際には、ある分布をもった値であるが、前記した式によって得られる値のA−B−A型ブロック共重合体を主成分とする化合物を得ることができる。
前記手法で得られたポリエーテル−ポリ乳酸組成物は、ポリ乳酸セグメントが結晶性を有するため、ポリ乳酸系重合体が形成される結晶中に取り込まれやすく、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物の分子とポリ乳酸系重合体とをつなぎ止める作用を生じ、この作用によって、ポリエーテルーポリ乳酸組成物のブリードアウト(滲出)を抑制することができる。
ポリ乳酸系重合体と溶融混合させるポリエーテル−ポリ乳酸組成物の添加量は、特に限定しないが、混合後のポリ乳酸系重合体とポリエーテル−ポリ乳酸組成物を合計した全体重量を100重量%とした場合、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物中のポリエーテルセグメントの重量割合が10〜50重量%の範囲であれば、軟質化効果とブリードアウト抑制効果が得られるため好ましい。ポリ乳酸系重合体に十分な軟質化効果付与したい場合、ポリエーテルセグメントの重量割合は20〜50重量%が好ましく、軟質化と機械強度を効率良く発現できる好ましい範囲は、ポリエーテルセグメントの重量割合が20〜40重量%である。
また、ポリ乳酸系重合体に前述したポリエーテル−ポリ乳酸組成物を添加する方法には、例えば、重縮合反応終了後の溶融状態のポリ乳酸系重合体に、本発明の手段にて重合反応を終了した溶融状態のポリエーテル−ポリ乳酸組成物を混合し撹拌させる方法、ポリ乳酸系重合体のチップと組成物のチップをブレンドした後に反応缶あるいは押出機などで溶融混合する方法、ポリ乳酸系重合体を押出機にて押出中に、加熱するなどして液状とした可塑剤をベント口などから連続的に添加し混合する方法、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物を高濃度含有させたポリ乳酸系重合体のマスターチップとポリ乳酸系重合体のホモチップとをブレンドしたチップを押出機などで溶融混合する方法などにより行うことができる。
ポリ乳酸系重合体の高重合度化、ラクチドや残存低分子量物の抑制などの観点からは、重縮合反応終了後の溶融状態のポリ乳酸系重合体に、本発明の手段にて重合反応を終了した溶融状態のポリエーテル−ポリ乳酸組成物を混合する方法が好ましく、設備の汎用性の観点からは、ポリ乳酸系重合体のチップと組成物のチップをブレンドした後に押出機などで溶融混合する方法が好ましい。
製膜方法としては、インフレーション法、キャストドラム法などの既存の製膜方法を用いることができるが、いずれの場合にも製膜直前に、使用するポリ乳酸系重合体チップやポリエーテル−ポリ乳酸組成物チップは、含有水分量を低減するため、80℃〜120℃にて真空度を1333Pa以下で6時間以上乾燥したものを用いることが好ましい。製膜においては、押出機などで溶融混合されたポリ乳酸系重合体チップとポリエーテル−ポリ乳酸組成物チップを公知の方法でスリット状の口金よりチューブ状あるいはフィルム状に溶融押出することができる。インフレーション法では、チューブ状の溶融物をニップロールなどで挟み込み、冷却固化させることにより未延伸フィルムを得ることができ、キャストドラム法では、押出されたフィルム状の溶融物をキャスティングドラムに密着させて冷却固化させることにより未延伸フィルムを得ることができる。
押出機やポリマー配管、口金などの温度は200℃以下が好ましく、190℃以下がさらに好ましく、180℃以下がより好ましい。また、ポリ乳酸重合体組成物が押出機内で溶融されてから口金より吐出されるまでの滞留時間は20分以下であることが好ましく、10分以下であることがさらに好ましく、5分以下であることがより好ましい。キャストドラムの温度は、40℃以下であることが好ましく、ドラムへの粘着を防止するためには25℃以下、より好ましくは20℃以下である。但し、極端に低温の場合、結露する場合があることから、10℃以上20℃以下がより好ましい。
また、本発明におけるポリ乳酸系フィルムは、ポリ乳酸系重合体を配向させ、透明性を保持したまま結晶化を促進させることが可能となることから、延伸して用いることが好ましい。延伸倍率は、少なくとも一軸方向に1.1倍以上であることが好ましく、さらに好ましくは少なくとも一軸方向に1.1〜10倍である。このように延伸することによって、ポリ乳酸系重合体を配向結晶化させると同時にポリエーテル−ポリ乳酸組成物中のポリ乳酸セグメントがこの結晶中に取り込まれることを促進させることができ、揮発やブリードアウト抑制効果を強く発現させることができる。また、配向結晶化によりフィルムの強度物性も向上するため、柔軟性と強度を併せ持つポリ乳酸系フィルムを得ることができる。
本発明のポリ乳酸系フィルムの延伸方法には、インフレーション法で製膜と同時に二軸方向に同時に延伸する方法や、キャストドラム法で得た未延伸フィルムを連続して少なくとも一方向に延伸した後、必要に応じて1段目延伸方向と直交する方向に延伸する方法が挙げられる。
また、本発明のポリ乳酸系フィルムの延伸条件は、目的とする熱収縮特性、寸法安定性、強度、弾性率などに応じて、適宜調整し任意の方法で行うことができる。例えば延伸温度は、用いるポリ乳酸系重合体のガラス転移温度以上、結晶化温度以下で行うことが延伸性や透明性の点で好ましく、延伸倍率は、フィルムの長手方向、幅方向にそれぞれ1.1倍〜10倍の範囲の任意とすることが好ましい。延伸倍率に関して、特に長手方向、幅方向のどちらかの延伸倍率を大きくしてもよく、同一であってもよい。なお、一軸方向の延伸倍率が10倍を超えると、延伸性が低下してフィルムの破断が頻発し、安定した延伸性を得られないことがある。また、延伸温度や延伸(変形)速度などの条件によっては不均一延伸となる場合もあり、一軸方向の好ましい延伸倍率は好ましくは2倍以上、さらに好ましくは2.5倍以上である。また、例えば二軸延伸フィルムとする場合の延伸倍率としては、延伸前後のフィルムの面積割合である面積倍率として、好ましくは4倍以上、さらに好ましくは7倍以上である。
また、いずれの延伸方法を用いた場合でも、フィルムの結晶化度をより高めたい場合、延伸した後に100〜135℃の温度で、10秒以上熱処理することが好ましい。
なお、本発明のフィルムを用いる場合、延伸を伴わない場合も含めて、例えばタルクなどの無機系あるいはエルカ酸アミドなどの有機系結晶核剤を併用すると、延伸時の配向結晶化と同様に、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物の有するポリ乳酸セグメントがベースであるポリ乳酸系重合体から形成される結晶中に取り込まれ、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物の分子をベースにつなぎ止める作用を促進し、この効果によってポリエーテル−ポリ乳酸組成物の揮発やブリードアウト(滲出)をさらに抑制できる場合がある。
本発明のフィルムの厚さは特に制限はなく、用途に応じて要求される性能、例えば、柔軟性、機械特性、透明性、生分解速度などにより適宜な厚さにすればよいが、通常5μm以上、1mm以下であり、特に5μm以上、200μm以下の範囲が好んで選択される。また、包装用ラップフィルム、中でも食品包装用ラップフィルムとしては、5μm以上、25μm以下の範囲が好んで選択される。
本発明のフィルムは、フィルムヘイズ値が0.0〜5.0%であることが好ましい。フィルムヘイズ値は、実施例に記載の方法にて評価される。特に包装用ラップフィルム、中でも食品包装用ラップフィルムの用途においては、フィルムヘイズ値が0.0〜5.0%であれば内容物を容易に見分けることができ、好適である。フィルムヘイズ値のより好ましい範囲としては、0.0〜3.0%であり、さらに好ましい範囲は0.0〜1.5%である。ヘイズ値は低いほど、内容物を見分ける際に好適となるが、0.2%未満とすることは困難であり、現実的な下限は0.2%である。
さらに、ゴミ袋や農業用マルチフィルムなどむしろ一定の隠蔽性が必要とされたり、光線透過率が低いあるいは太陽光などの吸収率が高い方が好ましい用途においては、必要に応じて例えば着色顔料などを添加すると良い。
なお、本発明のポリ乳酸系フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲でポリエーテル−ポリ乳酸組成物以外の成分を含有してもよい。例えば、公知の各種可塑剤、酸化防止剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤あるいは着色顔料等として無機微粒子や有機化合物を必要に応じて添加してもよい。公知の可塑剤としては、例えば、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジシクロヘキシルなどのフタル酸エステル系、アジピン酸ジ−1−ブチル、アジピン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−n−ブチル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシルなどの脂肪族二塩基酸エステル系、リン酸ジフェニル−2−エチルヘキシル、リン酸ジフェニルオクチルなどのリン酸エステル系、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、クエン酸トリブチルなどのヒドロキシ多価カルボン酸エステル系、アセチルリシノール酸メチル、ステアリン酸アミルなどの脂肪酸エステル系、グリセリントリアセテート、トリエチレングリコールジカプリレートなどの多価アルコールエステル系、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油脂肪酸ブチルエステル、エポキシステアリン酸オクチルなどのエポキシ系可塑剤、ポリプロピレングリコールセバシン酸エステルなどのポリエステル系可塑剤、ポリアルキレンエーテル系、エーテルエステル系、アクリレート系などが挙げられる。なお、安全性の面から、米食品衛生局(FDA)の認可がなされている可塑剤を用いることが好ましい。酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系などが例示される。着色顔料としてはカーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄などの無機顔料の他、シアニン系、スチレン系、フタロシアイン系、アンスラキノン系、ペリノン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、キノクリドン系、チオインディゴ系などの有機顔料等を使用することができる。また、成形品の易滑性や耐ブロッキング性の向上を目的として、無機微粒子を添加する際には、例えば、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどを用いることができる。その平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜5μmが好ましく、より好ましくは0.05〜3μm、最も好ましくは0.08〜2μmである。
以下に実施例および比較例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。なお、物性、評価は以下の方法により測定、評価した。
以下、1.〜8.の文中の「サンプル」は、本発明による「ポリエーテル−ポリ乳酸組成物」を指す。
1.残留ラクチド量
ガスクロマトグラフにより測定した。既知量のラクチドを用い、検量線を作成したのち、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物を下記のように処理し測定を行った。
[液の調製方法]
(1)定量用母液の調製
(1−1)(内部標準母液の調製):2,6−ジメチル−γ―ビロン約1gをメスフラスコ(100ml)に取り、塩化メチレンで溶解、定容する。
(1−2)(標準母液の調製):D,L−ラクチド約1gをメスフラスコ(100ml)に取り、塩化メチレンで定容する。
(2)試料液の調製
(2−1)ポリエーテル−ポリ乳酸組成物約1gをメスフラスコ(20ml)に取る。
(2−2)塩化メチレンを加え溶解、内部標準母液1mlを添加、塩化メチレンで定容する。
(2−3)アセトン3mlをメスフラスコ(20ml)に取り、そこに(2−2)の溶液を1ml加える。
(2−4)超音波攪拌しながら、シクロヘキサンを滴下していき、定容する。(ポリ乳酸が徐々に析出、沈降する。ラクチドは溶液に抽出される。)
(2−5)ディスクフィルター(PTFE0.45μm)で濾過し、上澄み液を取り出す。
(2−6)ガスクロマトグラフで測定する。
(3)標準液の調製
(3−1)標準母液(0.2ml,0.5ml,1,0ml,3.0ml)をそれぞれメスフラスコ(20ml)に取る
(3−2)内部標準母液1mlを加え、塩化メチレンで定容する。
(3−3)アセトン3mlをメスフラスコ(20ml)に取り、(3−2)の溶液を1ml加え、シクロヘキサンで定容する。
(3−4)ディスクフィルター(PTFE0.45μm)で濾過する。
(3−5)ガスクロマトグラフで測定する。
[GC測定条件]
装置:島津ガスクロマトグラフGC−17A (スプリット法)
カラム:J&W社 DB−17MS 0.25mm×30m 0.25μm
装置条件:
(1)使用ガス :キャリアN 75kPa(約30ml/min)
空気 50kPa(約500ml/min)
水素 60kPa(約50ml/min)
(2)設定温度:気化室:180℃
:検出器:220℃
:カラム:昇温プログラム
80℃で1min保持。その後10℃/minで200℃まで昇温。そして200℃で5min保持。
(3)カラム入口圧:100kPa(AFCコントロール)
(4)全流量:20ml/min(AFCコントロール)
(5)検出器感度:DET 0 or 1
(6)サンプル注入量:1μl
検出限界:0.01%(100ppm)
2.酸価
中和滴定法を用いて測定した。サンプル0.2gを秤量し、クロロホルムに溶解後、指示薬を数滴滴下し、N/25エタノール性水酸化カリウム溶液で滴定し、次式を用いて算出した。
酸価[KOHmg/g]={(A−B)×f×1/25×56.11}/W
酸価[当量/t]=[KOHmg/g]×1000/56.11
ただし、
A:サンプルを中和するのに要したKOH量(ml)
B:クロロホルムブランクを中和するのに要したKOH量(ml)
f:KOHの力価
W:サンプル採取量(g)
である。
3.数平均分子量(Mn)
THF(テトラヒドロフラン)に濃度1mg/ccとなるようにサンプルを溶解させ、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィ)を用いて、ピークが検出されるまでの時間を測定し、既知分子量のポリスチレン検量線から、数平均分子量を換算した。
[GPC装置について]
機器:島津製作所製LC−10Aシリーズ
溶媒:THF(高速液体クロマトグラフィ用)
検出器:RI検出器(RID−10A)
カラム:昭和電工社製 Shodex(商標)KF−806L、KF−804L(各300mm×8mmφ)をこの順番で直列に使用。
カラム温度:30℃
流速:1.0ml/min(Heによるオンライン脱気方式)。
検量線作成に用いたポリスチレンはShodex(商標)ポリスチレンスタンダードで、Std.No.がS−3850、S−1190、S−205、S−52.4、S−13.9、S−1.31の6種類を用いた。これらTHFに溶解させ、GPC装置で、ピーク検出までの時間を測定した。分子量は既知であるので、ピーク検出までの時間と分子量を縦軸と横軸にとり、3次式近似の検量線を作成して用いた。
4.組成物の分析方法
ポリエーテル−ポリ乳酸組成物の製造における、共重合反応の成否は、H−NMR(核磁気共鳴装置)を用いて分析した。ポリ乳酸セグメントとポリエーテルが結合した部分に由来するピークが現れてくるので、共重合しているかどうかの判断とした。
また、ポリ乳酸セグメントの結晶性は、一度本組成物を加熱下で結晶化させた後、適当な温度範囲でDSC(示差走査熱量分析装置)測定を行った際、ポリ乳酸成分に由来する結晶融解熱が観測されるかどうかで判断した。
また、組成物のポリ乳酸セグメントの数平均分子量、ポリエーテルセグメントの数平均分子量に関しては、H−NMRの積分強度とGPCから算出できる。合成に用いるポリエーテルの数平均分子量は既知のものを使用し、ポリ乳酸セグメントを共重合させたサンプルと比較し、ポリ乳酸セグメントの数平均分子量を割り出す事ができる。また、ポリエーテルの数平均分子量が未知の場合でも、組成物全体のGPCを測定し、全体の数平均分子量を測定すれば、NMRより算出されるPLAセグメント数平均分子量から割り出す事ができる。
Mn[PLA]=72×H(e)×∫(PL)×Mn[E]/∫(E)×Mn[e]
実測値=Mn[PLA]+Mn[E]+6500
ただし、記号は以下とする。
Mn[PLA]:PLAセグメントの数平均分子量
H(e) :ポリエーテル単位分子当たりのプロトン数
∫(PL) :PLAセグメントのH−NMRの積分強度
Mn[E] :ポリエーテルの数平均分子量
∫(E) :ポリエーテルのH−NMRの積分強度
M[e] :ポリエーテルの単位分子量
5.融点
示差走査熱量分析装置(セイコー電子工業製、RDC220)を用いて測定した。サンプル5mgを20℃から20℃/分で200℃まで昇温した際の吸熱ピーク温度を融点とした。吸熱ピークが複数存在する場合は、最も高温側の吸熱ピークを融点とした。
6.貯蔵安定性
貯蔵開始前のサンプルの酸価(H1)を測定した後、5℃の冷蔵庫にて6ヶ月放置した。その後冷蔵庫から取り出し、開始前と同様の手法で酸価(H2)を測定した。貯蔵開始前後の酸価増加量を(H2)−(H1)とし、以下の3段階に分類し、評価した。
◎(優):酸価増加量が10当量/t未満。
○(良):酸価増加量が10当量/t以上50当量/t未満。
×(不可):酸価増加量が50当量/t以上。
7.溶融安定性
試験前のサンプルの残留ラクチド量(L1)、酸価(h1)、数平均分子量(Mn1)を測定したのち、サンプル20gをフタ付のガラス瓶に計りとり、乾燥シリカ管を通した窒素ガスをシリコンチューブで5分間瓶内に吹き、雰囲気を置換した。ガラス瓶にフタをした後、160℃に加熱したシリコンオイルバスに20分間、溶融保持させ、取り出した。冷却固化したサンプルの残留ラクチド量(L2)、酸価(h2)、および数平均分子量(Mn2)を測定した。
残留ラクチド増加量を(L2)−(L1)、酸価増加量を(h2)−(h1)、数平均分子量低下量を(Mn1)−(Mn2)とし、それぞれ以下のように評価した。
残留ラクチド増加量
◎(優):残留ラクチド増加量が0.10重量%未満
○(良):残留ラクチド増加量が0.10重量%以上、1.00重量%未満
×(不可):残留ラクチド増加量が1.00重量%以上
酸価増加量
◎(優):酸価増加量が10当量/t未満
○(良):酸価増加量が10当量/t以上、50当量/t未満
×(不可):酸価増加量が50当量/t以上
数平均分子量低下量
◎(優):数平均分子量低下量が1000未満
○(良):数平均分子量低下量が1000以上、3000未満
×(不可):数平均分子量低下量が3000以上
以上3項目は、分解性を促進させる種と要因と結果の関係にあるため、これらの中で一つでも×評価があるものは、溶融安定性無しと判断し、総合評価×とした。
また、3項目で全て◎評価のものは、総合評価◎とし、それら以外を総合評価○とした。
8.色調
重合反応終了後、冷却固化したサンプルを目視で判断した。
以下、[フィルムの製造方法]〜11.の文中の「組成物」は、本発明による「ポリエーテル−ポリ乳酸組成物」を指す。
[ポリ乳酸系フィルムの製造方法]
ポリ乳酸系重合体と下記の実施例もしくは比較例で得られた組成物を合計した全体重量を100重量%とした場合に、組成物中のポリエーテルセグメントの重量割合が20重量%となる量(W1)の組成物チップと、ポリ乳酸系重合体チップを(100−(W1))重量%用意する。使用したポリ乳酸系重合体は、L―乳酸が95%で、重量平均分子量が12万のホモポリ乳酸である。
これら組成物チップとポリ乳酸系重合体チップを下記の条件で水分を除去した。
組成物チップ:温度80℃、真空度1333Pa、3時間
ポリ乳酸チップ:温度110℃、真空度1333Pa、3時間
これら乾燥した組成物チップとポリ乳酸系重合体チップを上記割合でブレンドしたのち、二軸の押出機に供給し、170〜220℃で溶融混練させ、直線スリットが入ったダイより押出し、20℃のキャストドラムで冷却固化させることにより無延伸フィルムを作成した。次にこの無延伸の両端を把持し、温度80〜110℃に加熱されたオーブン内で、フィルムの長手方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)にそれぞれ元の長さの3倍の長さになるように均一に延伸し、厚み10μmのフィルムを製造した。
9.フィルム耐久性
上記[ポリ乳酸系フィルムの製造方法]により得られたポリ乳酸系フィルムを、A4サイズで5枚切り取り、フィルム間に紙を挟んだ状態で恒温恒湿槽にて温度30℃、湿度85%RH、7日間保管し、7日間保管の前後で伸度変化を観察した。
伸度の測定は、テンシロンで測定した。
サンプル長さ50mm、幅10mm、n=5(各MD、TD)、試験速度300mm/minで測定し、破断伸度を%で計算した。伸度保持率の算出式と評価基準を以下に示す。
伸度保持率(%)=保管後の破断伸度/保管前の破断伸度×100
◎(優):伸度保持率75%以上
○(良):伸度保持率50%以上75%未満
×(不可):伸度保持率50%未満
また、恒温恒湿槽で保管中に組成物がブリードアウトした場合、評価対象外とした。
10.フィルム臭気
内容積7Lのステンレス製密閉容器を2つ用意し、その内1つの容器に、上記[ポリ乳酸系フィルムの製造方法]により得られたポリ乳酸系フィルムをA4サイズにカットし、それを20枚入れた。3日間温度23℃、湿度65%RHの雰囲気下で保管後、2つの容器のフタを開け、においを嗅ぎ、臭気強度を下記の指標に従って評価した。
臭気強度 内容
0 無臭
1 やっと感知できるにおい
2 何のにおいであるかわかる弱いにおい
3 楽に感知できるにおい
4 強いにおい
5 強度なにおい
※中央公害対策審議会における指標を用いた。
評価は4人で行い、各臭気強度結果を平均し、下記の評価を行った。
◎(優):臭気強度の平均が2未満
○(良):臭気強度の平均が2以上3未満
×(不可):臭気強度の平均が3以上
11.ブリードアウトテスト
あらかじめ、温度23℃、湿度65%RHの雰囲気下で24時間調湿した、上記[ポリ乳酸系フィルムの製造方法]により得られたポリ乳酸系フィルムについて、処理前の重量を測定し、90℃の蒸留水中で30分間処理した後に再度処理前と同様の条件で調湿してから重量を測定した。重量減少率(%)は、重量減少率(%)={(処理前の重量)−(処理後の重量)}/(処理前の重量)×100、として算出した。
12.フィルムヘイズ値
上記[ポリ乳酸系フィルムの製造方法]により得られたポリ乳酸系フィルムを長手方向40mm、幅方向に30mmに切り出し、温度23℃、湿度65%RHの雰囲気下で24時間調湿した。この試料を23℃の雰囲気下でJIS K 7136に準じて、ヘイズメーターHGM−2DP(スガ試験器株式会社)を用い、計5回測定してその平均値を求めた。
なお、上記測定器により得られるフィルムヘイズ値は、散乱光透過率を全光線透過率で除し、100を乗じて得られる値である。
〔実施例1〕
ポリエチレングリコール(数平均分子量10,000)63.3重量%を140℃、30分減圧脱水した後、L−ラクチド36.7重量%を加えて、不活性ガスで雰囲気を置換し、160℃で20分、両者を溶融・混合させ、エステル化触媒としてオクタン酸錫を0.1重量%加えた。
その後2時間、窒素雰囲気下160℃で撹拌を行い、反応終了後にリン酸結晶を0.075重量%加え、20分攪拌し、組成物を得た。GPC測定の結果から原料ポリエチレングリコールの数平均分子量よりも大きな数平均分子量22,000(ポリスチレン換算)を持った乳酸系ポリエステルが確認された。
GPCのピークは単一で、単一の共重合体が生成していた。残留ラクチドは2.2重量%。この乳酸系ポリエステル組成物(ポリエーテル−ポリ乳酸組成物)を4torrの真空度、140℃で残留ラクチドを除いた。60分でラクチドは検出限界以下となった。酸価を測定した結果、30当量/tであり、数平均分子量の減少はみられなかった。
〔実施例2〕
ポリエチレングリコール(数平均分子量20,000)77.5重量%を140℃、30分減圧脱水した後、L−ラクチド22.5重量%を加えて、不活性ガスで雰囲気を置換し、160℃で20分、両者を溶融・混合させ、エステル化触媒としてオクタン酸錫を0.15重量%加えた。
その後2時間、窒素雰囲気下160℃で反応を行い、反応終了後に亜リン酸を0.09重量%加え、20分攪拌し組成物を得た。GPCの結果から原料ポリエチレングリコールの数平均分子量よりも大きな数平均分子量30,000(ポリスチレン換算)を持った乳酸系ポリエステルが確認された。
GPCのピークは単一で、単一の共重合体が生成していた。残留ラクチドは2.2重量%。この乳酸系ポリエステル組成物(ポリエーテル−ポリ乳酸組成物)を4torrの真空度、160℃で残留ラクチドを除いた。60分でラクチドは0.1重量%となった。酸価は50当量/tであり、数平均分子量の減少はみられなかった。
参考例3
ポリエチレングリコール(数平均分子量10,000)63.3重量%を140℃、30分減圧脱水した後、L−ラクチド41.1重量%を加えて、不活性ガスで雰囲気を置換し、160℃で20分、両者を溶融・混合させ、エステル化触媒としてオクタン酸錫を0.1重量%加えた。
その後2時間、160℃で反応を行い、反応終了後にジメチルホスフェートを0.28重量%加え、20分攪拌し、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物を合成した。数平均分子量21,000(ポリスチレン換算)の組成物と確認された。残留ラクチドは2.8%。この乳酸系ポリエステル組成物(ポリエーテル−ポリ乳酸組成物)を4torrの真空度、160℃で残留ラクチドを除いた。40分でラクチドは0.3重量%になった。酸価は10当量/tであり、数平均分子量の減少はみられなかった。
〔実施例4〕
容量3Lの丸底フラスコに、ポリエチレングリコール(数平均分子量10,000)56重量%を入れ、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、マントルヒータにて150℃に加熱し、溶解させた。
その後、半円状の攪拌翼を用いて、攪拌を開始し、温度150℃、真空度133Paで30分間減圧脱水した。ポリエチレングリコールの含有水分量は、650ppmであった。
光学純度99.5%のL−ラクチド44重量%を別のフラスコで110℃に加熱し、溶融させた。L―ラクチドの含有水分量は、600ppmであった。
ポリエチレングリコールの入ったフラスコに、溶融したラクチドを添加し、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、150℃で20分間攪拌し両者を混合させた。
次に、重合触媒としてオクタン酸錫を0.025重量部加え、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、180℃で3時間撹拌を行った。
3時間攪拌後に、5mlのスクリュウ管に80℃で溶融させたリン酸結晶を0.019重量部加え、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、180℃で20分間攪拌した。
ここで、一部組成物を採取し、GPC、融点、NMRと残留ラクチド量を測定した結果、数平均分子量16500、融点138℃の組成物であり、ポリエーテルとポリ乳酸の共重合体であることが確認された。しかし、残留ラクチド量は2.14重量%であった。
そこでフラスコ内の組成物を、140℃、133Paの真空度で、180分間減圧脱揮を行い、組成物を得たところ、残留ラクチド量は0.05重量%となった。
GPC、酸価、融点、NMRを測定した結果、数平均分子量16500、酸価30当量/t、融点140℃のポリエーテル−ポリ乳酸組成物であることが確認された。
[実施例5]
容量3Lの丸底フラスコに、ポリエチレングリコール(数平均分子量10,000)56重量%を入れ、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、マントルヒータにて150℃に加熱し、溶解させた。
その後、半円状の攪拌翼を用いて、攪拌を開始し、温度150℃、真空度1333Paで40分間減圧脱水した。ポリエチレングリコールの含有水分量は、800ppmであった。
光学純度97%のL−ラクチド44重量%を別のフラスコで110℃に加熱し、溶融させた。L―ラクチドの含有水分量は、650ppmであった。
ポリエチレングリコールの入ったフラスコに、溶融したラクチドを添加し、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、150℃で20分間攪拌し両者を混合させた。
次に、重合触媒としてオクタン酸錫を0.05重量部加え、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、180℃で3時間撹拌を行った。
3時間攪拌後、触媒活性低減剤として、5mlのスクリュウ管にリン酸/亜リン酸を重量比で1/1となるように秤量し、80℃に加熱し溶融混合させ、リン酸/亜リン酸混合液を0.05重量部加えた。続いて、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、180℃で20分間攪拌した。
ここで、一部組成物を採取し、GPC、融点、NMRと残留ラクチド量を測定した結果、数平均分子量16100、融点141℃の組成物であり、ポリエーテルとポリ乳酸の共重合体であることが確認された。しかし、残留ラクチド量は2.69重量%であった。
そこでフラスコ内の組成物を、140℃、133Paの真空度で、180分間減圧脱揮を行い、組成物を得たところ、残留ラクチド量は0.13重量%となった。
GPC、酸価、融点、NMRを測定した結果、数平均分子量16000、酸価45当量/t、融点140℃のポリエーテル−ポリ乳酸組成物であることが確認された。
参考例6]
容量3Lの丸底フラスコに、ポリエチレンプロピレンオキサイド(数平均分子量6,600)37重量%を入れ、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、マントルヒータにて150℃に加熱し、溶解させた。
その後、半円状の攪拌翼を用いて、攪拌を開始し、温度150℃、真空度1333Paで30分間減圧脱水した。ポリエチレンプロピレンオキサイドの含有水分量は、780ppmであった。
光学純度97%のL−ラクチド63重量%を別のフラスコで110℃に加熱し、溶融させた。L―ラクチドの含有水分量は、650ppmであった。
ポリエチレンプロピレンオキサイドの入ったフラスコに、溶融したラクチドを添加し、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、150℃で20分間攪拌し両者を混合させた。
次に、重合触媒としてオクタン酸錫を0.1重量部加え、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、160℃で3時間撹拌を行った。
3時間攪拌後、ジエチルホスフェートを0.34重量部加え、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、180℃で20分間攪拌した。
ここで、一部組成物を採取し、GPC、融点、NMRと残留ラクチド量を測定した結果、数平均分子量9200、融点110℃の組成物であり、ポリエーテルとポリ乳酸の共重合体であることが確認された。しかし、残留ラクチド量は1.61重量%であった。
そこでフラスコ内の組成物を、140℃、133Paの真空度で、180分間減圧脱揮を行い、組成物を得たところ、残留ラクチド量は0.28重量%となった。
GPC、酸価、融点、NMRを測定した結果、数平均分子量9000、酸価50当量/t、融点110℃のポリエーテル−ポリ乳酸組成物であることが確認された。
〔実施例7〕
容量500mLの重合試験管に、ポリエチレングリコール(数平均分子量10000)63.3重量%を入れ、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、オイルバスにて140℃に加熱し、溶解させた。
その後、螺旋状の攪拌翼を用いて、攪拌を開始し、温度140℃、真空度13Paで30分間減圧脱水した。ポリエチレングリコールの含有水分量は、680ppmであった。
光学純度98%のD−ラクチド36.7重量%を別のフラスコで110℃に加熱し、溶解させた。D−ラクチドの含有水分量は650ppmであった。
ポリエチレングリコールの入った重合試験管に、溶解したラクチドを添加し、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、160℃で20分間攪拌し両者を混合させた。
次に、重合触媒としてオクタン酸錫を0.1重量部加え、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、160℃で2時間攪拌を行った。
2時間攪拌後、5mlのスクリュウ管に80℃で溶融させたリン酸結晶を0.075重量部加え、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、160℃で20分間攪拌した。
ここで、一部組成物を採取し、GPC、NMR、残留ラクチド量を測定した結果、数平均分子量22000のポリエーテル−ポリ乳酸組成物であることが確認された。しかし、残留ラクチドは2.2重量%であった。
そこで重合試験管内のポリエーテル−ポリ乳酸組成物を140℃、52Paの真空度で、60分間減圧脱揮を行い、組成物を得たところ、残留ラクチド量は検出限界以下であった。
GPC、酸価、融点、NMRを測定した結果、数平均分子量22000、酸価30当量/t、融点140℃のポリエーテル−ポリ乳酸組成物であることが確認された。
〔実施例8〕
容量500mLの重合試験管に、ポリエチレングリコール(数平均分子量20000)77.5重量%を入れ、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、オイルバスにて140℃に加熱し、溶解させた。
その後、螺旋状の攪拌翼を用いて、攪拌を開始し、温度140℃、真空度1333Paで30分間減圧脱水した。ポリエチレングリコールの含有水分量は、1000ppmであった。
光学純度99.5%のL−ラクチド22.5重量%を別のフラスコで100℃に加熱し、溶解させた。L−ラクチドの含有水分量は700ppmであった。
ポリエチレングリコールの入った重合試験管に、溶解したラクチドを添加し、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、160℃で20分間攪拌し両者を混合させた。
次に、重合触媒としてオクタン酸錫を0.15重量部加え、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、160℃で2時間攪拌を行った。
2時間攪拌後、5mlのスクリュウ管に80℃で溶融させた亜リン酸を0.09重量部加え、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、160℃で20分間攪拌した。
ここで、一部組成物を採取し、GPC、NMR、残留ラクチド量を測定した結果、数平均分子量30000のポリエーテル−ポリ乳酸組成物であることが確認された。しかし、残留ラクチドは2.6重量%であった。
そこで重合試験管内のポリエーテル−ポリ乳酸組成物を160℃、52Paの真空度で、60分間減圧脱揮を行い、組成物を得たところ、残留ラクチド量は0.1重量%であった。
GPC、酸価、融点、NMRを測定した結果、数平均分子量30000、酸価50当量/t、融点135℃のポリエーテル−ポリ乳酸組成物であることが確認された。
参考例9〕
容量500mLの重合試験管に、ポリエチレングリコール(数平均分子10000)63.3重量%を入れ、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、オイルバスにて140℃に加熱し、溶解させた。
その後、螺旋状の攪拌翼を用いて、攪拌を開始し、温度160℃、真空度13Paで30分間減圧脱水した。ポリエチレングリコールの含有水分量は、600ppmであった。
光学純度99.5%のL−ラクチド41.1重量%を別の重合試験管で110℃に加熱し、溶解させたのち、52Paの真空度で10分間減圧脱揮を行った。L−ラクチドの含有水分量は600ppmであった。
ポリエチレングリコールの入った重合試験管に、溶解したラクチドを添加し、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、160℃で20分間攪拌し両者を混合させた。
次に、重合触媒としてオクタン酸錫を0.1重量部加え、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、160℃で2時間攪拌を行った。
2時間攪拌後、ジメチルホスフェートを0.28重量部加え、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、160℃で20分間攪拌した。
ここで、一部組成物を採取し、GPC、NMR、残留ラクチド量を測定した結果、数平均分子量21000のポリエーテル−ポリ乳酸組成物であることが確認された。しかし、残留ラクチドは2.8重量%であった。
そこで重合試験管内のポリエーテル−ポリ乳酸組成物を160℃、52Paの真空度で、40分間減圧脱揮を行い、組成物を得たところ、残留ラクチド量は0.3重量%であった。
GPC、酸価、融点、NMRを測定した結果、数平均分子量30000、酸価10当量/t、融点130℃のポリエーテル−ポリ乳酸組成物であることが確認された。
〔比較例1〕
容量3Lの丸底フラスコに、ポリエチレングリコール(数平均分子量10,000)56重量%を入れ、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、マントルヒータにて150℃に加熱し、溶解させた。
その後、半円状の攪拌翼を用いて、攪拌を開始し、温度150℃、真空度133Paで5分間減圧脱水した。ポリエチレングリコールの含有水分量は、1500ppmであった。
光学純度97%のL−ラクチドを44重量%を量り取った。L―ラクチドの含有水分量は、1000ppmであった。
ポリエチレングリコールの入ったフラスコに、量り取ったラクチドを添加し、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、150℃で20分間攪拌し両者を混合させた。
次に、重合触媒としてオクタン酸錫を0.025重量部加え、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、180℃で3時間撹拌を行った。
3時間攪拌後、5mlのスクリュウ管に80℃で溶融させたリン酸結晶を0.032重量部加え、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、180℃で、20分間攪拌した。
ここで、一部組成物を採取し、GPC、融点、NMRと残留ラクチド量を測定した結果、数平均分子量16000、融点140℃の組成物であり、ポリエーテルとポリ乳酸の共重合体であることが確認された。しかし、残留ラクチド量は2.11重量%であった。
そこでフラスコ内の組成物を、140℃、133Paの真空度で、180分間減圧脱揮を行い、組成物を得たところ、残留ラクチド量は0.30重量%となった。
GPC、酸価、融点、NMRを測定した結果、数平均分子量16000、酸価80当量/t、融点140℃のポリエーテル−ポリ乳酸組成物であることが確認された。
〔比較例2〕
容量3Lの丸底フラスコに、ポリエチレングリコール(数平均分子量10,000)56重量%を入れ、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、マントルヒータにて150℃に加熱し、溶解させた。
その後、半円状の攪拌翼を用いて、攪拌を開始し、温度150℃、真空度133Paで30分間減圧脱水した。ポリエチレングリコールの含有水分量は、650ppmであった。
光学純度97%のL−ラクチドを44重量%を別のフラスコで110℃に加熱し、溶融させた。L―ラクチドの含有水分量は、600ppmであった。
ポリエチレングリコールの入ったフラスコに、溶融したラクチドを添加し、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、150℃で20分間攪拌し両者を混合させた。
次に、重合触媒としてオクタン酸錫を0.05重量部加え、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、180℃で3時間撹拌を行った。
3時間攪拌後に、5mlのスクリュウ管に80℃で溶融させたリン酸結晶を0.027重量部加え、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、180℃で20分間攪拌した。
ここで、組成物を採取し、GPC、酸価、融点、NMRと残留ラクチド量を測定した結果、数平均分子量16000、酸価48当量/t、融点140℃の組成物であり、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物であることが確認された。残留ラクチド量は2.14重量%であった。
〔比較例3〕
容量3Lの丸底フラスコに、ポリエチレングリコール(数平均分子量10,000)56重量%を入れ、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、マントルヒータにて150℃に加熱し、溶解させた。
その後、半円状の攪拌翼を用いて、攪拌を開始し、温度150℃、真空度133Paで30分間減圧脱水した。ポリエチレングリコールの含有水分量は、650ppmであった。
光学純度97%のL−ラクチドを44重量%を別のフラスコで110℃に加熱し、溶融させた。L―ラクチドの含有水分量は、600ppmであった。
ポリエチレングリコールの入ったフラスコに、溶融したラクチドを添加し、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、150℃で20分間攪拌し両者を混合させた。
次に、重合触媒としてオクタン酸錫を0.05重量部加え、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、180℃で3時間撹拌を行った。
3時間後、140℃、133Paの真空度で、180分間減圧脱揮を行い、取り出した。
GPC、酸価、融点、NMRと残留ラクチド量を測定した結果、数平均分子量16000、酸価48当量/t、融点140℃の組成物であり、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物であることが確認された。残留ラクチド量は1.6重量%であった。
〔比較例4〕
容量3Lの丸底フラスコに、ポリエチレンプロピレンオキサイド(数平均分子量6,600)37重量%を入れ、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、マントルヒータにて150℃に加熱し、溶解させた。ポリエチレンプロピレンオキサイドの含有水分量は、2000ppmであった。
光学純度97%のL−ラクチドを63重量%を量り取った。L―ラクチドの含有水分量は、1000ppmであった。
ポリエチレンプロピレンオキサイドの入ったフラスコに、ラクチドを添加し、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、150℃で20分間攪拌し両者を混合させた。
次に、重合触媒としてオクタン酸錫を0.05重量部加え、乾燥シリカゲル環を通した窒素で雰囲気を置換し、160℃で3時間撹拌を行った。
3時間後に、組成物を採取し、GPC、酸価、融点、NMRと残留ラクチド量を測定した結果、数平均分子量9200、酸価110当量/t、融点110℃の組成物であり、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物であることが確認された。残留ラクチド量は2.40重量%であった。
以下の表に、実施例1〜6、比較例1〜7で得られたポリエーテル−ポリ乳酸組成物および、それを用いて[フィルムの製造方法]で製膜されたフィルムの評価結果を示す。
〔表1−1〕
Figure 0005239336
〔表1−2〕
Figure 0005239336
本発明は、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物の製造時に加えた触媒を触媒活性低減剤によって活性を低下あるいは失活させることにより、脱揮工程、成形加工工程での乳酸系ポリエステルの分解を抑制し、優れた成形性、生分解性、透明性を有するシート、フィルム等の汎用性の包装材料に有用な十分な高分子量、耐熱性、柔軟性、耐経時性、良好な色相を有する生分解性の添加剤にも用いられる組成物を提供できる。

Claims (12)

  1. ポリエーテルセグメントとポリ乳酸セグメントを有する化合物を含んだ組成物(以下、ポリエーテルセグメントとポリ乳酸セグメントを有する化合物を含んだ組成物を、単にポリエーテル−ポリ乳酸組成物という)からなるフィルムであり、
    ポリエーテル−ポリ乳酸組成物は、触媒活性低減剤であるリン酸若しくは亜リン酸を含み、
    ポリエーテル−ポリ乳酸組成物の残留ラクチド量が0.3重量%以下、酸価が50当量/t以下であるポリ乳酸系フィルム。
  2. 前記ポリエーテル−ポリ乳酸組成物中の前記ポリエーテルセグメントが、ポリアルキレンエーテルである、請求項1に記載のポリ乳酸系フィルム。
  3. 前記ポリエーテル−ポリ乳酸組成物中の前記ポリ乳酸セグメントが、L−乳酸またはD−乳酸を主成分とし、数平均分子量が1500以上である、請求項1に記載のポリ乳酸系フィルム。
  4. 前記ポリエーテル−ポリ乳酸組成物を窒素雰囲気下溶融保持した際の残留ラクチド量が0.3重量%以下である、請求項1に記載のポリ乳酸系フィルム。
  5. 前記ポリエーテル−ポリ乳酸組成物を不活性ガス雰囲気下溶融保持した際の数平均分子量の低下が10%以下である、請求項1に記載のポリ乳酸系フィルム。
  6. 前記ポリエーテル−ポリ乳酸組成物が触媒と触媒活性低減剤を含有しており、該触媒と該触媒活性低減剤の量関係が次式で表されることを特徴とする、請求項に記載のポリ乳酸系フィルム。
    1/6 < M/P < 1/2
    (ただし、式中のMは、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物中に存在する触媒金属元素のモル量を示し、Pはポリエーテル−ポリ乳酸組成物中に存在するリン原子のモル量を示す。)
  7. ポリエーテルセグメントとポリ乳酸セグメントを有する化合物を含んだ組成物(以下、ポリエーテルセグメントとポリ乳酸セグメントを有する化合物を含んだ組成物を、単にポリエーテル−ポリ乳酸組成物という)であり、
    ポリエーテル−ポリ乳酸組成物は、触媒活性低減剤であるリン酸若しくは亜リン酸を含み、
    ポリエーテル−ポリ乳酸組成物の残留ラクチド量が0.3重量%以下、酸価が50当量/t以下である、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物。
  8. 前記ポリエーテルセグメントが、ポリアルキレンエーテルである、請求項に記載のポリエーテル−ポリ乳酸組成物。
  9. 前記ポリ乳酸セグメントが、L−乳酸またはD−乳酸を主成分とし、数平均分子量が1500以上である、請求項に記載のポリエーテル−ポリ乳酸組成物。
  10. 前記ポリエーテル−ポリ乳酸組成物の窒素雰囲気下溶融保持した際の残留ラクチド量が0.3重量%以下である、請求項に記載のポリエーテル−ポリ乳酸組成物。
  11. 前記ポリエーテル−ポリ乳酸組成物の不活性ガス雰囲気下溶融保持した際の数平均分子量の低下が10%以下である、請求項に記載のポリエーテル−ポリ乳酸組成物。
  12. 前記ポリエーテル−ポリ乳酸組成物が触媒と触媒活性低減剤を含有しており、該触媒と該触媒活性低減剤の量関係が次式で表されることを特徴とする、請求項に記載のポリエーテル−ポリ乳酸組成物。
    1/6 < M/P < 1/2
    (ただし、式中のMは、ポリエーテル−ポリ乳酸組成物中に存在する触媒金属元素のモル量を示し、Pはポリエーテル−ポリ乳酸組成物中に存在するリン原子のモル量を示す。)
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