JP5453739B2 - 液晶素子 - Google Patents
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Description
一般に、強誘電性液晶であるスメクチック液晶は層構造であることが知られ、スメクチックC*相に於いてはキラル化合物の性質で極小的には層内の液晶ダイレクターの向く方向が隣接する層内の液晶ダイレクターの向く方向とはずれ巨視的に層の法線方向へ螺旋軸を描く。隣接する層間のダイレクターのずれが一周する距離を螺旋ピッチと定義される。この螺旋構造が存在すると偏光の直交ニコル下で螺旋軸と直交するように螺旋ピッチに由来する縞模様が現れて無電界状態では光散乱や回折により光を遮断できなくなりノーマルブラックモードのディスプレイへの応用を困難にしていた。
更に、現在実用化されている強誘電性液晶を用いたディスプレイは、配向膜にSiO2の斜方蒸着膜を用いることにより配向欠陥を無くしてコントラストを高くして、セル厚2μm以下で、且つ2インチ以下の超小型LCDである。しかし、LCDのサイズを大きくするとSiO2の斜方蒸着膜を均一に蒸着させることは難しくなり、セル厚が2μ以下では歩留まりが悪化して、その大型化は制限されていた。
又、これらは、強誘電性液晶と単官能液晶性アクリレートモノマーを含有する液晶組成物を液晶セル中で、該組成物がスメクチックA相やスメクチックC*相等の所定の液晶相を示す温度において紫外線を照射して、単官能液晶性アクリレートモノマーを高分子化させることにより得られる高分子安定化強誘電性液晶表示素子が開示されている(特許文献2、3、4及び5参照)。更に、強誘電性液晶材と単官能液晶性アクリレートモノマーを含有する強誘電性液晶組成物の強誘電性を示す温度で紫外線を照射する場合は、該組成物を液晶セル中で、該液晶組成物が強誘電性を示す温度において直流電圧を印加しながら紫外線を照射する方法が開示されている(特許文献4参照)。
螺旋ピッチ≦セル厚
更に、本願発明は、一対の電極層を有する基板間に、光学活性化合物を含有する液晶組成物及び透明性固体物質を形成する高分子前駆体を挟持し液晶層を形成し、該液晶組成物の螺旋ピッチ(該液晶組成物の電圧無印加状態において発現する螺旋構造のピッチ(μm))とセル厚(該液晶層の厚さ(μm))が以下の関係を満たし、
螺旋ピッチ≦セル厚
該液晶組成物の発現する螺旋構造を外部電界、又は温度により螺旋を解き、該高分子前駆体を硬化(架橋)させることにより高分子安定化させることにより無電界状態に於いて一軸性の配向状態を示し、これに電界を印加することにより電界強度に依存して消光位が連続的に変化する液晶素子の製造方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明に用いる液晶組成物は、スメクチックC相を示す液晶組成物にキラル化合物を添加することによりスメクチックC*相を発現させ、強誘電性による自発分極を示す液晶組成物に少量の少なくとも一種類以上の重合液晶性化合物を添加した重合性強誘電性液晶組成物である。重合性化合物は、液晶中に含まれるラジカル重合性化合物が熱、又は紫外線等の活性エネルギー線により重合し、それに伴い液晶組成物と相分離、又は液晶組成物中に分散した状態を引き起こして透明性高分子物質と液晶組成物からなる高分子安定化液晶表示素子を得るのに使用される。
1.直流電界を印加して液晶分子が持つダイポール(双極子)を電界方向へ揃える方法
2.液晶組成や温度を上げて螺旋ピッチをセル厚以上の大きさにする方法
3.一軸配向が得られるように螺旋が解ける交流電圧を印加しながら高分子前駆体を重合させる方法
が挙げられる。
このようにして形成された高分子安定化液晶表示素子は、前記組成物に添加され高分子前駆体の含有量に比例して駆動電圧、及び光散乱が上昇する。該前駆体の含有量が微量である場合、駆動電圧の上昇度合いは低減されるが、熱的や機械的安定性に乏しい。信頼性を高くするためには、前駆体の含有量を増やす必要があり、この時に駆動電圧の増加や液晶配向性の低下、及び散乱性の発現が問題になる。駆動電圧の増加は、例えば高分子分散型液晶表示素子の駆動電圧に関する記述として、特開平6−222320号公報において次式の関係が示されている。高分子安定化液晶素子の駆動電圧に対する考え方は、高分子分散型液晶表示素子と同様で、次の通りになる。
液晶が配向膜等で配向させた状態を配向欠陥が少ない状態で高分子安定化により固定化させるためには、強誘電性液晶の場合は、少なくとも、ネマチック相から1分間に2℃程度の速度で除冷してキラルスメチックC相へ相転移させることが好ましく、用いる液晶セルの基板面が平坦であることがより好ましい。これによりキラルスメクチックC相で発生するジグザク配向欠陥の発生が改善される。上述の配向セル、及び配向プロセスを適用してスメクチック相の配向欠陥が少ない状態を作り、液晶相中で該高分子前駆体を網目状、又は分散した状態で重合させる必要がある。しかし、完全に上述の方法で配向欠陥を無くすことは難しく、数kHz程度迄の周波数の交流を印加しながら液晶分子を電界で動かしながら重合させると偏光顕微鏡で観察される液晶ダイレクターの平均配向方向に揃うようになり、結果としてジグザグ配向欠陥の無い一軸配向の素子を作製することができる。これは、スメクチック相の層構造が該交流で変化して擬似ブックシェルフ構造に変化したものと推定している。
2枚の基板間に高分子安定化液晶組成物を狭持させるに方法は、通常の真空注入法、又はODF法などを用いることができる。この時、高分子安定化液晶組成物は、各種液晶化合物と本発明の高分子前駆体が相溶していれば良く、均一なアイソトロピック状態か、又はネマチック相であることが好ましい。スメクチック相では、素子作製時の取り扱い方が難しくなる。
本発明の高分子安定化液晶表示素子用組成物を重合させる場合の重合方法としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等を用いることが可能であるが、ラジカル重合により重合することが好ましい。
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系;
ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル系;
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;
2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;
ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;
10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が好ましい。この中でも、ベンジルジメチルケタールが最も好ましい。
本発明に用いる高分子安定化液晶組成物に用いられる重合性化合物(I)は、下記一般式(I−a)
A2は単結合又は炭素原子数1から15のアルキレン基(該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良く、該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていても良い。)を表し、A3及びA6はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1から18のアルキル基(該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとしてそれぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良く、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立にハロゲン原子又は炭素原子数1から17のアルキル基で置換されていても良い。)を表し、
A8は単結合又は炭素原子数1から15のアルキレン基(該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良く、該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていても良い。)で表される基を表す。ただし、2k+1個あるB1、B2及びB3のうち前記一般式(I−b)で表される基となるものの個数は0〜3個である。)で表される重合性化合物であって、該重合性化合物の重合物のガラス転移温度が−100℃から25℃である重合性化合物(I)である。
一般式(I−a)で表される重合性化合物(I)の好ましい構造として、下記一般式(I−c)
一般式(I−c)において、A13とA14は主鎖の同じ炭素原子に結合しているが、これらの長さが異なるとき、長いほうの側鎖をA13と呼ぶものとする(A13の長さとA14の長さが等しい場合は、いずれが一方をA13とする)。同様に、A16の長さとA17の長さが異なるとき、長いほうの側鎖をA16と呼ぶものとする(A16の長さとA17の長さが等しい場合は、いずれが一方をA16とする)。
更に、複数のエポキシ基を有する化合物と飽和脂肪酸とを反応させ、水酸基を有する化合物を合成し、次に水酸基と反応し得る基を有するアクリル酸塩化物等の重合性化合物とを反応させることにより得ることができる。
重合性化合物(I)の具体例を以下の(I-1)から(I-8)に挙げることができる。
C1は1,4−フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基(これらの基のうち1,4−フェニレン基は、非置換であるか又は置換基としてフッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基若しくはトリフルオロメトキシ基を1個若しくは2個以上有することができる。)を表し、
C2及びC3はそれぞれ独立して1,4−フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、シクロヘキセン−1,4−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基又はインダン−2,5−ジイル基(これらの基のうち1,4−フェニレン基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基及びインダン−2,5−ジイル基は、非置換であるか又は置換基としてフッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基若しくはトリフルオロメトキシ基を1個若しくは2個以上有することができる。)を表し、
Z1及びZ2はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2O−、−OCH2CH2−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−COO−又は−OCO−を表し、
X1はフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメチル基、イソシアネート基、シアノ基を表し、
n1は、0、1又は2を表す。ただし、n1が2を表す場合、複数あるC1及びZ1は同じであっても異なっていても良い。)で表される化合物(II)である。
<重合性液晶化合物(III)>
本発明の高分子安定化液晶組成物に用いられる重合性液晶化合物(III)は、下記一般式(III−a)、一般式(III−b)及び一般式(III−c)からなる群より選ばれる化合物が好ましい。
一般式(III−a)
Z4は、単結合、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2O−、−OCH2CH2−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH2CH2OCO−、−COOCH2CH2−、−CH2CH2COO−、−OCOCH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−COO−又は−OCO−を表し、
n2は、0、1又は2を表す。ただし、n2が2を表す場合、複数あるC4及びZ4は同じであっても異なっていても良い。)、
一般式(III−b)
C6は1,4−フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、シクロヘキセン−1,4−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基又はインダン−2,5−ジイル基(これらの基のうち1,4−フェニレン基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基及びインダン−2,5−ジイル基は、非置換であるか又は置換基としてフッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基若しくはトリフルオロメトキシ基を1個若しくは2個以上有することができる。)を表し、
Z6及びZ8はそれぞれ独立して単結合又は炭素原子数1から15のアルキレン基(該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良く、該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていても良い。)を表し、
一般式(III−c)
Y3は単結合、−COO−、又は−OCO−を表し、
R8は炭素原子数1から18の炭化水素基を表す。)
より具体的には、一般式(III−d)及び(III−e)
Y11及びY12はそれぞれ独立して単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、Y13及びY14はそれぞれ独立して−COO−又は−OCO−を表し、
Y15及びY16はそれぞれ独立して−COO−又は−OCO−を表し、
一般式(III−a)で表される化合物の具体例を以下の(III−1)から(III−10)に挙げることができる。
また、一般式(III−d)及び(III−e)のいずれかで表される化合物の具体例を以下の(III−11)から(III−20)に挙げることができる。
一般式(III−b)で表される化合物の具体例を以下の(III−21)から(III−10)に挙げることができる。
C8及びC9はそれぞれ独立して1,4−フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基、ピリミジン−2,5−ジイル基(これらの基のうち1,4−フェニレン基又は1,4−シクロへキシレン基は、非置換であるか又は置換基としてフッ素原子、塩素原子、メチル基、シアノ基、トリフルオロメチル基若しくはトリフルオロメトキシ基を1個若しくは2個以上有することができる。)を表し、
Y4及びY5はそれぞれ独立して単結合、酸素原子、メチレン基、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−OCH2CH2−又は−OCOCH2−を表し、
n5は、0、1又は2を表す。ただし、n5が2を表す場合、複数あるC8及びZ9は同じであっても異なっていても良い。
X4及びX5はそれぞれ独立して、一般式(IV−c)から(IV−h)
Rc、Rd、Re、Rf及びRgはそれぞれ独立して炭素原子数2から20のアルキル基(該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良い。)を表し、
Xc、Xd及びYdはそれぞれ独立してフッ素原子、塩素原子、メチル基又はシアノ基を表し、
Xe及びYeはそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基又はシアノ基を表し、
Zdは単結合又はメチレン基を表し、
Zeは酸素原子又は−OC(Re1)(Re2)O−で表される基(ただし、Re1及びRe2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1から10のアルキル基を表す。)を表し、Zfはカルボニル基又は−CH(Rf1)−で表される基(ただし、Rf1は水素原子又は炭素原子数1から10のアルキル基を表す。)を表し、
Zgは−OCO−、−COO−、−CH2O−又は−OCH2−を表す。)で表されるカイラル化合物(IV)である。
更に、カイラル化合物(IV)は、一般式(IV−i)であっても良く、
C10、C11、C12、及びC13はそれぞれ独立して1,4−フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基、ピリミジン−2,5−ジイル基(これらの基のうち1,4−フェニレン基又は1,4−シクロへキシレン基は、非置換であるか又は置換基としてフッ素原子、塩素原子、メチル基、シアノ基、トリフルオロメチル基若しくはトリフルオロメトキシ基を1個若しくは2個以上有することができる。)を表し、
Z10及びZ11はそれぞれ独立して単結合、−CH2CH2−、−C≡C−、−CF2O−、−COO−又は−OCO−を表し、
Y10及びY11はそれぞれ独立して単結合、酸素原子、炭素数1から10のアルキレン基、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−OCH2CH2−又は−OCOCH2−を表し、n11及びn12は、それぞれ独立して1又は2を表す。
X10はそれぞれ独立して、一般式(IV−j)から(IV−n)
ただし、式(IV−j)から(IV−n)中、*は炭素原子が不斉炭素原子であることを表し、Rf、Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rl、Rm、Rn及びRoはそれぞれ独立して炭素原子数0から18のアルキレン基(該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良い。)を表し、
Zfはカルボニル基又は−CH(Rf1)−で表される基(ただし、Rf1は水素原子又は炭素原子数1から10のアルキル基を表す。)を表し、
Zgは−OCO−、−COO−、−CH2O−又は−OCH2−を表す。)で表されるカイラル化合物(IV)である。
<一般式(VI−a)及び一般式(VI−b)で表される低分子液晶化合物>
本発明の高分子安定化液晶組成物に用いられる低分子液晶化合物(II)の具体例を示すと(II)は、下記一般式(VI−a)又は(VI−b)
C21は、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基(該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができる。)を表し、
X22からX26はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
Z21は、単結合又は−CH2CH2−を表し、
Z22は、単結合、−CH2CH2−又は−CF2O−を表し、
n21は0又は1を表す。)
C31は、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基(該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができる。)を表し、
X31は、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基を表し、
X32からX36はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
Z31は、単結合又は−CH2CH2−を表し、
Z32は、単結合、−CH2CH2−又は−CF2O−を表し、
n31は0又は1を表す。)
該アルキル基又はアルケニル基は、式(VI−c)
C21及びC31としては、1,4−シクロヘキシレン基が好ましい。
Z21及びZ31としては、単結合が好ましい。
X21及びX31としては、フッ素原子もしくはトリフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
具体的には、一般式(VI−1)から一般式(VI−33)で表される化合物が好ましい。
<一般式(VII−a)及び一般式(VII−b)で表される化合物>
本発明の高分子安定化液晶組成物に用いられる低分子液晶化合物(II)の具体例を示すと(II)は、下記一般式(VII−a)、及び一般式(VII−b)
C41は、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基(該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができる。)を表し、
X41は、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基を表し、
X42からX45は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
Z41は、単結合又は−CH2CH2−を表し、
Z42は、単結合、−CH2CH2−又は−CF2O−を表し、
n41は0又は1を表す。)
C51は、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基(該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができる。)を表し、
X51は、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基を表し、
X52からX55は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
Z51は、単結合又は−CH2CH2−を表し、
Z52は、単結合、−CH2CH2−又は−CF2O−を表し、
n51は0又は1を表す。)
該アルキル基又はアルケニル基は、式(VII−c)
C41及びC51としては、1,4−シクロヘキシレン基が好ましい。
Z41及びZ51としては、単結合が好ましい。
X41及びX51としては、フッ素原子もしくはトリフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
具体的には一般式(VII−1)から一般式(VII−42)で表される化合物が好ましい。
また、更なる液晶温度領域の拡大、高誘電率、又は低粘性を得るため、一般式(V−a)、一般式(VI−a)、一般式(VI−b)、一般式(VII−a)、一般式(VII−b)の化合物に加えて、一般式(VIII−a)、一般式(IX−a)又は一般式(X)で表される化合物を含有することも好ましい。
<一般式(VIII−a)で表される化合物>
本発明の高分子安定化液晶組成物に用いられる低分子液晶化合物(II)の具体例を示すと(II)は、下記一般式(VIII−a)
C61、C62及びC63はそれぞれ独立して1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基(該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができる。)を表し、
n61は、0、1又は2を表す。ただし、n61が2の場合、複数存在するC61及びZ62は同一であっても異なっていても良い。
また、特に低粘性を得たい場合は、n61が0であり、C62及びC63が、1,4−シクロへキシレン基であり、Z62が単結合であることが好ましい。
特に高屈折率を得るためには、n61が1であり、C61が1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基(該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、メチル基を有することができる。)であり、C62及びC63が1,4−フェニレン基(該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子又はメチル基を有することができる。)であることが好ましい。
具体的には一般式(VIII−1)から一般式(VIII−5)で表される化合物が好ましい。
更に一般式(VIII−a)の具体的な例は一般式(VIII−6)から(VIII−15)が好ましい。
本発明の高分子安定化液晶組成物に用いられる低分子液晶化合物(II)の具体例を示すと(II)は、下記一般式(IX−a)
Z71及びZ72はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−又は−CH2O−を表し、
X71はフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基、ジフルオロメチル基、イソシアネート基を表し、
n71は、0、1又は2を表す。ただし、n71が2の場合、複数存在するC71及びZ71はそれぞれ同じあっても、異なっていても良い。)
また、特に高誘電率を得たい場合は、n71が0又は1であり、C71が1,4−シクロへキシレン基であり、C72が1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基(該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、メチル基を有することができる。)であり、C73が2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン基又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であり、Z71及びZ72が単結合であることが好ましい。
具体的には一般式(IX−1)から一般式(IX−4)で表される化合物が好ましい。
これら一般式(IX−1)から一般式(IX−4)の中でも、一般式(IX−5)から一般式(IX−7)で表される化合物がより好ましい。
<一般式(X)で表される化合物>
本発明の高分子安定化液晶組成物に用いられる低分子液晶化合物(II)の具体例を示すと(II)は、下記一般式(X)
一般式(X)で表される化合物は具体例的には、一般式(X−a)から(X−f)で表される。
オロメトキシ基、ジフルオロメチル基、イソシアネート基を表し、
X81からX96は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、又はメチル基を表す。
一般式(X−a)から一般式(X−f)で表される化合物の具体例を以下の(X−1)
から(X−17)に挙げることができる。
Z201は、単結合、−CH2CH2、−OCH2−又は−CH2O−を表し、
一般式(XI−a)及び一般式(XI−f)においてR201及びR202としては、炭素原子数1から18のアルキル基又は炭素原子数2から6のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよい。)が好ましく、
該アルキル基又はアルケニル基は、式(XI−g)
<一般式(XII)で表される化合物>
本発明の高分子安定化液晶組成物に用いられる低分子液晶化合物(II)の具体例を示すと(II)は、下記一般式(XII)
一般式(XII−a)及び一般式(XII−c)においてR301及びR302としては、炭素原子数1から18のアルキル基又は炭素原子数2から6のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよい。)が好ましく、該アルキル基又はアルケニル基は、式(XII−d)
本発明の高分子安定化液晶組成物は、化合物(II)で表される非重合性低分子液晶化合物と、カイラル化合物(IV)と、重合性化合物(I)及び重合性化合物(III)で表される重合性液晶化合物で構成される。該非重合性低分子液晶化合物とカイラル化合物の合計と、重合性化合物の構成比は、重合性化合物の構成割合が多すぎると高分子安定化液晶組成物としての特性を損なうため最適な構成比が存在する。具体的には、該非重合性低分子液晶化合物とカイラル化合物の合計が92%〜99.9%であることが好ましく、92%〜99%であることがより好ましく、94%〜98%含有であることが特に好ましい。
環構造としては使用できる環は、ベンゼン、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、テトラジン、ジヒドロオキサジン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘキサノン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、テトラヒドロチオピラン、ジチアン、オキサチアン、ジオキサボリナン、ナフタレン、ジオキサナフタレン、テトラヒドロナフタレン、キノリン、クマリン、キノキサリン、デカヒドロナフタレン、インダン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、フェナンスレン、ジヒドロフェナンスレン、パーヒドロフェナンスレン、ジオキサパーヒドロフェナンスレン、フルオレン、フルオレノン、シクロヘプタン、シクロヘプタトリエンオン、コレステン、ビシクロ[2.2.2]オクタンやビシクロ[2.2.2]オクテン、1,5−ジオキサスピロ(5.5)ウンデカン、1,5−ジチアスピロ(5.5)ウンデカン、トリフェニレン、トルクセン、ポルフィリン、フタロシアニンを挙げることができる。これらの中でも、ベンゼン、シクロヘキサン、フェナントレン、ナフタレン、テトラヒドロネフタレン、デカヒドロネフタレンが好ましい。
その他、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、非反応性のオリゴマーや無機充填剤、有機充填剤、重合禁止剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、シランカップリング剤等を適宜添加しても良い。
本発明の光学素子は、上述した考え方で使用する液晶組成物に対する最適条件(周波数、印加電圧、温度)を探して作製することができる。
中の高分子安定化液晶表示素子は以下の方法で作製した。
高分子安定化液晶組成物の等方相―ネマチック相転移温度以上(80℃)に加熱して真空注入方で注入した。スメクチックA相―ネマチックC*相転移温度近辺の73℃から69℃範囲で1℃/分の降温速度で徐冷してネマチック*相の螺旋ピッチが解けた状態でスメクチックA相へ転移させて配向欠陥の無い一軸配向が得られるようにした。更に、ジグザグ配向欠陥発生を抑制するため69℃から65℃まで2℃/分の降温速度で徐冷してスメクチックC*相へ転移させた。液晶セルは、セルギャップ3μm、又は5μmのポリイミド配向膜を塗布したITO付きアンチパラレルラビングの配向セルを用いた。ポリイミド配向膜は、日産化学社製のRN-1199を使用した。
化合物郡(X)と化合物郡(IV)のキラル液晶化合物を含む図1の強誘電性液晶組成物(FLC−1)へ該液晶組成物のネマチック*相に於いてコレステリックの螺旋が解けるように化合物郡(VI−i)のキラル化合物(IV−1)を添加して等方相にて加熱溶解した。更に、化合物群(I)及び(III)をそれぞれ少なくとも一種含む光重合性アクリレート組成物を配合して加熱溶解して高分子安定化液晶組成物(PSV−1)を調整した。
又、化合物郡(X)と化合物郡(IV)のキラル液晶化合物を含む図3の強誘電性液晶組成物(FLC−2)を調整し、該液晶組成物のスメクチックC*相に於ける螺旋が5μmセルで存在するように化合物郡(VI−j)のキラル化合物(VI−2)を添加し、化合物群(I)及び(III)をそれぞれ少なくとも一種含む光重合性アクリレート組成物を配合して高分子安定化液晶組成物(PSV−2)を調整した。該キラル化合物は、J. Mater. Chem.,1994, 4(3), p449−456に記載されている方法を用いて合成した。
化合物郡(X)と化合物郡(IV)を含有する組成物(FLC−1)を次に示す。
強誘電性液晶組成物(FLC−1)を97%、(IV−1)を1%、(III−UC1)及び(III−UC2)の混合比が1:1を0.196%、(I−AM1)を1.764%、イルガキュア651(Irg651)を0.04%の比率で配合して高分子安定化液晶組成物を調製。調整した該組成物に於けるスメクチックC*相の螺旋ピッチは、0℃で0.9μm、25℃で1.8μm、50℃で2.3μmであった。
顕微分光器で作製したセルの波長分散を測定して、以下の式を用いてカーブフィッティングからセルのΔnを求めた。
前記消光の位置(暗視野)にて電圧を0Vとから徐々に上げて印加すると暗視野から明視野へ電極部分全体が一様に変化して透過率が連続的に増加する。このことは連続階調表示が可能であることを意味する。60Hzの矩形波を印加して電圧―透過率特性を測定した所、図1のV字型電圧―透過率特性を示し、応答は、立ち上がり時間が190μs、立ち下り時間が250μs、駆動電圧V90は6.9V(V90の電界強度:2.3V/μm)、傾斜角(チルト角)が25度、最小透過率Toは0.09%、最大透過率は40.2%、コントラストが1:315の特性が得られた。
電圧を無印加で紫外線露光した以外は実施例1と同様の方法で高分子安定化液晶組成物中のアクリレート化合物を重合させて液晶光学素子を作製した。露光後、偏光顕微鏡で顕微鏡の試料台を回転させて配向状態を観察した。スメクチックC*相の特徴である二軸配向を示し、二方向の配向状態である二つドメインが高分子安定化された。目的の一軸配向及びV字型電圧−透過率特性は得られなかった。
セル厚が2.5μm以外は、実施例1と同様の方法で高分子安定化液晶組成物中のアクリレート化合物を重合させて液晶光学素子を作製した。露光後、偏光顕微鏡で顕微鏡の試料台を回転させて配向状態を観察した。露光後電圧を切ると、電極部分全体は、紫外線露光前に見られたスメクチックC*相の特徴であった二軸配向は消失して略ラビング配向処理方向に消光位を示し一軸配向であった。電極周囲は、矩形波が印加されないためスメクチックC*相の二軸配向が観察された。
顕微分光器で作製したセルの波長分散を測定して、実施例1記載の式を用いて同様にカーブフィッティングからセルのΔnを求めた。電圧0Vの一軸配向のΔnは、0.183、電圧9Vo−pは0.169であった。
セル厚が2.0μm以外は、実施例1と同様の方法で高分子安定化液晶組成物中のアクリレート化合物を重合させて液晶光学素子を作製した。露光後、偏光顕微鏡で顕微鏡の試料台を回転させて配向状態を観察した。露光後電圧を切ると、電極部分全体は、紫外線露光前に見られたスメクチックC*相の特徴であった二軸配向は消失して略ラビング配向処理方向に消光位を示し一軸配向であった。電極周囲は、矩形波が印加されないためスメクチックC*相の二軸配向が観察された。
前記消光の位置(暗視野)にて電圧を0Vとから徐々に上げて印加すると暗視野から明視野へ電極部分全体が一様に変化して透過率が連続的に増加する。このことは連続階調表示が可能であることを意味する。60Hzの矩形波を印加して電圧―透過率特性を測定した所、V字型電圧―透過率特性を示し、駆動電圧V90は5.9V(V90の電界強度:3V/μm)、最小透過率Toは0.49%、最大透過率は50.3%、コントラストが1:102の特性が得られた。
セル厚が1.8μm以外は、実施例1と同様の方法で高分子安定化液晶組成物中のアクリレート化合物を重合させて液晶光学素子を作製した。露光後、偏光顕微鏡で顕微鏡の試料台を回転させて配向状態を観察した。露光後電圧を切ると、電極部分全体は、紫外線露光前に見られたスメクチックC*相の特徴であった二軸配向は消失して略ラビング配向処理方向に消光位を示し一軸配向であった。電極周囲は、矩形波が印加されないためスメクチックC*相の二軸配向が観察された。
前記消光の位置(暗視野)にて電圧を0Vとから徐々に上げて印加すると暗視野から明視野へ電極部分全体が一様に変化して透過率が連続的に増加する。このことは連続階調表示が可能であることを意味する。60Hzの矩形波を印加して電圧―透過率特性を測定した所、V字型電圧―透過率特性を示し、駆動電圧V90は6.4V(V90の電界強度:3.5V/μm)、最小透過率Toは0.31%、最大透過率は46.9%、コントラストが1:150の特性が得られた。
液晶組成物(FLC−2)を92.15%キラル化合物(IV−2)を4.85%、。(III−UC1)及び(III−UC2)の混合比が1:1を2.94%、イルガキュア651(Irg651)を0.06%の比率で配合して高分子安定化液晶組成物を調製。セル厚5μmに於いてスメクチックC*相の縞模様が観察され螺旋構造を示した。高分子安定化光学液晶素子の作製方法に於いて、セル厚5μmの液晶セルに調整した液晶組成物を注入して、徐冷してスメクチックA相にて一軸配向であることを偏光顕微鏡で確認した。67℃のスメクチックC*相転移温度から25℃の温度範囲でスメクチックC*相の配向状態を観察すると縞模様で表される螺旋ピッチ間隔が小さくなる様子が観察され、25℃にて螺旋ピッチが1.3μmを示した。これに螺旋が解ける条件である電界強度8V/μm、及び70Hzの矩形波を印加して螺旋を消失させ、この状態で電圧条件以外は、実施例1と同様の方法でで紫外線を露光した。露光後、偏光顕微鏡で顕微鏡の試料台を回転させて配向状態を観察した。電極部分は、電圧を印加しない場合は、略ラビング配向処理方向に消光位を示し一軸配向であった。前記消光の位置にて電圧を0Vとから徐々に上げて印加すると暗視野から明視野へ電極部分全体が一様に変化して透過率が連続的に増加して連続階調表示が可能であることが確認された。60Hzの矩形波を印加して電圧―透過率特性を測定した所、図2のV字型電圧―透過率特性を示し、駆動電圧V90は19V(V90の電界強度:3.8V/μm)、最小透過率Toは1.82%、最大透過率は8.9%、コントラストが1:23の特性が得られた。強誘電性液晶は、螺旋構造を解くためセル厚を薄くして螺旋を解くことで二軸配向が得ることでディスプレイへ応用されているが、セル厚5μmでは螺旋になることが多く一軸配向が得ることは困難であったが螺旋を解く電圧条件で液晶の配向を高分子で安定化させることにより一軸配向を得ることができた。透過率が低いのはセルのリターデイション(Δnd)の影響を強く受け低くなった。液晶のΔnを小さくしてリターデイションを調整することで解決される。
電圧を無印加で紫外線露光した以外は実施例1と同様の方法で高分子安定化液晶組成物中のアクリレート化合物を重合させて液晶光学素子を作製した。露光後、偏光顕微鏡で顕微鏡の試料台を回転させて配向状態を観察した。スメクチックC*相の特徴である二軸配向を示し、二方向の配向状態である二つのドメインが高分子安定化された。目的の一軸配向及びV字型電圧−透過率特性は得られなかった。
電圧を無印加で紫外線露光した以外は実施例5と同様の方法で高分子安定化液晶組成物中のアクリレート化合物を重合させて液晶光学素子を作製した。露光後、偏光顕微鏡で顕微鏡の試料台を回転させて配向状態を観察した。1.3μmの螺旋構造示す縞模様の状態で高分子安定化されて光散乱が起きた。目的の一軸配向及びV字型電圧−透過率特性は得られなかった。
セル厚5μmに於いてスメクチックC*相で螺旋を巻くように調整した液晶組成物(FLC−2)にキラル化合物(IV−2)を5%添加した液晶組成物を97%、(III−UC1)及び(III−UC2)の混合比が1:1を2.94%、イルガキュア651(Irg651)を0.06%の比率で配合して高分子安定化液晶組成物を調製。偏光顕微鏡で顕微鏡の試料台を回転させて配向状態を観察した。上述の高分子安定化光学液晶素子の作製方法に於いて、セル厚5μmの液晶セルに調整した液晶組成物を注入して、徐冷してスメクチックA相にて一軸配向であることを偏光顕微鏡で確認した。67℃のスメクチックC*相転移温度から25℃でスメクチックC*相の配向状態を観察すると螺旋ピッチを示す縞模様が観察され、降温と供に間隔が小さくなり25℃にて螺旋ピッチが1.3μmを示した。これに電界強度8V/μmで2kHzの矩形波を印加して螺旋ピッチを示す縞模様が見られ完全に螺旋が解けない状態であった。この状態で上述の条件で紫外線を露光した。露光後、偏光顕微鏡で顕微鏡の試料台を回転させて配向状態を観察した。電極部分で、螺旋構造示す縞模様が観察され一軸配向は得られなかった。
強誘電性液晶組成物(FLC−1)を80℃の等方相で注入して、2℃/minで徐冷して71℃でネマチック*相のコレステリック螺旋ピッチが解けるの待ってから、2℃/minで徐冷してスメクチックA相にてラビング方向暗視野になることを確認した。67℃のスメクチックC*相転移温度から25℃でスメクチックC*相の配向状態を観察すると螺旋構造が無い表面安定化強誘電性液晶(SSFLC)特有の二軸性配向であった。温度を−5℃にするとスメクチックC*相の配向状態を観察すると螺旋ピッチを示す縞模様が観察され、スメクチックC*相特有の螺旋構造が発現した。高分子安定化させていないため低温で螺旋ピッチが小さくなる物性の変化に由来して螺旋構造が発現した。
強誘電性液晶組成物(FLC−1)を97%、(IV−1)を1%、(III−UC1)及び(III−UC2)の混合比が1:1を2.646%、(I−AM1)を0.294%、イルガキュア651(Irg651)を0.06%の比率で配合して高分子安定化液晶組成物を調製。上述の高分子安定化光学液晶素子の作製方法に於いて、セル厚1.4μmの液晶セルに調整した液晶組成物を注入して、徐冷しスメクチックA相にて一軸配向であることを偏光顕微鏡で確認した。67℃のスメクチックC*相転移温度から25℃でスメクチックC*相の配向状態を観察すると二軸配向が観察された。これに電界強度3.5V/μmで2kHzの矩形波を印加して紫外線露光した。電圧を切り、偏光顕微鏡で観察すると、電極部分全体が一軸配向を示した。60Hzの矩形波を印加して電圧―透過率特性を測定した所、V字型電圧―透過率特性を示し、駆動電圧V90は5.7V、最小透過率Toは0.35%、最大透過率は37.1%、コントラストが1:107の特性が得られた。しかし、透過率は低くなりV90の電界強度が4.1V/μmと実施例1−5に比べて高い。
Claims (15)
- 一対の電極層を有する基板間に、光学活性化合物を含有する液晶組成物及び高分子前駆体から成る透明性固体物質により構成される液晶層を有し、該液晶層において該液晶組成物が光学的に一軸配向した状態で高分子安定化しており、螺旋ピッチ(該液晶組成物の電圧無印加状態において発現する螺旋構造のピッチ(μm))とセル厚(該液晶層の厚さ(μm))が以下の関係を満たすことを特徴とする液晶素子。
螺旋ピッチ≦セル厚 - 光学活性化合物を含有する液晶組成物がスメクチックC*相を発現する請求項1記載の液晶素子。
- セル厚が3μm以上である請求項1又は2記載の液晶素子。
- 高分子前駆体が多官能アクリレートを含有する請求項1から3の何れかに記載の液晶素子。
- 高分子前駆体がメソゲン基を有する多官能アクリレート及びアルキル側鎖を有する多官能アクリレートを含有する請求項4記載の液晶素子。
- 液晶組成物がピリミジン系液晶化合物を含有する請求項1から5の何れかに記載の液晶素子。
- 一対の電極層を有する基板間に、光学活性化合物を含有する液晶組成物及び透明性固体物質を形成する高分子前駆体を挟持し液晶層を形成し、該液晶組成物の螺旋ピッチ(該液晶組成物の電圧無印加状態において発現する螺旋構造のピッチ(μm))とセル厚(該液晶層の厚さ(μm))が以下の関係を満たし、
螺旋ピッチ≦セル厚
該液晶組成物の発現する螺旋構造を外部電界、又は加熱により螺旋を解き、該高分子前駆体を硬化(架橋)させることにより高分子安定化させることにより無電界状態に於いて一軸性の配向状態を示し、これに電界を印加することにより電界強度に依存して消光位が連続的に変化する液晶素子の製造方法。 - 該液晶組成物の発現する螺旋構造を外部電界により解く請求項7記載の製造方法。
- 外部電界が交流電界である請求項8記載の製造方法。
- 交流電界が矩形波であり周波数が10〜10kHzである請求項9記載の製造方法。
- 該液晶組成物の発現する螺旋構造を加熱により解く請求項7記載の製造方法。
- 該液晶層が加熱時に発現する相が光学的に一軸性の配向を示す液晶相である請求項11記
載の製造方法。 - 光学的に一軸性の配向がキラル・ネマチック相又はスメクチックA相である請求項12記
載の製造方法。 - 前記液晶素子は、電界を印加することにより電界強度に依存して消光位が連続的に変化する請求項1から6の何れかに記載の液晶素子。
- 前記液晶素子は、縦軸を透過率、横軸を電圧として得られる電圧−透過率特性において、負電圧の値から正電圧の値にわたって形成されるV字型電圧−透過率特性を示す請求項1から6の何れかに記載の液晶素子。
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