JP5958972B2 - マイクロ波誘電加熱接合体 - Google Patents
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Description
そして、特許文献2には、マイクロ波吸収部材を用いて溶着部材を溶着する技術を開示している。この特許文献2の発熱体の断面は円形であり、下に位置する樹脂は発熱体がきれいに嵌るような半円形状で、上に位置する樹脂は平面とし、発熱体を潰しながら、溶着している。この断面形状では上下樹脂が溶け合うことができず、気密性は確保できないと推定される。更に、発熱体が外側へ溢れ出ることから、マイクロ波を吸収させて溶着することには展開できない。
ここで、上記加圧のための加圧距離は、ロアー部材とアッパー部材間に設けられ、前記誘電発熱体が凹凸組み合わせ構造内に収容された状態で加圧方向に圧縮される距離を意味する。
ここで、凹凸組み合わせ構造とは、ロアー部材またはアッパー部材の一方を凹部または凸部とするものであり、対応するアッパー部材またはロアー部材が逆に凸部または凹部とするものである。そして、凹凸組み合わせ構造には、誘電発熱体を収容する凹部が凹凸組み合わせ構造の凹部または凸部の一方に、または、凹部と凸部の双方に設けられる構造もある。
このように、溶着させるロアー部材とアッパー部材の溶着前の溶着部位が凹凸組み合わせ構造であるため、ロアー部材とアッパー部材の溶着部位はこの凹凸組み合わせ構造によって溶着位置が定まり、凹凸組み合わせ構造は加圧方向に対し接合した状態で加圧されるため、溶着後のロアー部材とアッパー部材間は確実なシール性が確保できる。そして、このときの加圧は、ロアー部材とアッパー部材間の加圧距離によって確実な加圧が保障される。
また、誘電発熱体が凹凸組み合わせ構造内の溶着部位に収容されているため、溶着部位の所定の位置に配する事ができ、この誘電発熱体によって溶着部位が効率よく溶融し、均一な溶着が可能となる。
まず、本発明の図2に示す成型体1のロアー部材5及びアッパー部材4の母材としては、一般の熱可塑性樹脂が使用できる。例えば、エンジニアリング・プラスチック、スーパー・エンジニアリング・プラスチックを用いることができる。具体的には、ポリアミド(ナイロン、芳香族ポリアミド等)、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート、環状ポリオレフィン等がある。そして、スーパーエンプラとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、非晶ポリアレート、液晶ポリマー、ポリアミドイミド等が使用できる。
また、発熱体10には、PTC特性を有する材料を用いることもできる。PTC特性とは温度の上昇に伴って抵抗が上昇する正の温度係数を有する特性を指し、このPTC特性を有することによって発熱体10は昇温と共に抵抗が上昇するため、マイクロ波の照射によって発熱体10が昇温しても、温度が高くなると昇温し難くなり所望の温度で停止することが可能となる。このようなPTC特性は、特定のフェライト材料や、PTCサーミスタ等が有している。このような材料を発熱体10として用いることで特定の所望温度まで昇温させて、所望の溶着温度を維持できる誘電発熱体2が得られる。
本発明を実施する場合の誘電発熱体2としては、何れを使用してもよい。ここで、誘電発熱体2の発熱体10は、所望の特性を得るために1種類または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
このように、誘電発熱体2は、熱可塑性樹脂を溶融させる特定の温度以上に昇温する物質、即ち、発熱体10をバインダー20によって所定の形状に形成したものである。
なお、誘電発熱体2は形状を形成した後に、予め熱硬化性樹脂を硬化させるか否かは、誘電発熱体2の配置状態と、この誘電発熱体2による溶着状態によって適宜選択できる。
そして、バインダー20としては、エポキシ樹脂(EP)、フェノール樹脂(PF)、メラミン樹脂(MF)、尿素樹脂(ユリア樹脂、UF)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、アルキド樹脂、ポリウレタン(PUR)、熱硬化性ポリイミド(PI)、ジリアルフタレート樹脂(PDAP)等の使用が可能である。
更に、このバインダー20としての熱硬化性樹脂は、固形タイプ、液状タイプが使用できるが、液状タイプを使用すると、誘電発熱体2中に発熱体10を均一に配しやすくなり形状形成も容易となる。
本実施の形態においては、フェライト粉(JFEケミカル(株)、Ni−Znフェライト仮焼粉)からなる発熱体10に液状エポキシ樹脂((株)サンライズ、耐熱エポキシ樹脂)のバインダー20をフェライト粉84重量%とエポキシ樹脂16重量%の配合割合で混合して所定形状の型を用いて圧縮成形することで所定形状の誘電発熱体2を形成した。本実施の形態では、図1に示したように断面が長方形の円環状の形状に形成した。液状エポキシ樹脂を使用した理由は、接着性に優れて発熱体10とバインダー20との結合力が良好となるためである。
更に、アッパー部材4の突出部4aには先端面4cから突出部4a内部に向かって凹形状の突出内空部4bを有し、ロアー部材5の嵌合凹部5aには、その凹部の底面5cからさらに凹形状の嵌合凹部内空部5bを有している。そして突出部4aと嵌合凹部5aは、加圧方向(図2(b)の上下方向)に対しては先端面4cと底面5cが接した状態で嵌合する形状に形成されている。このとき、突出内空部4bと嵌合凹部内空部5bによって閉鎖空間が形成され、この閉鎖空間内に誘電発熱体2が収容される。このように溶着部位の既定の位置に設けた閉鎖空間内に誘電発熱体2を配することで、溶着部位に所望の溶融状態が容易に得ることができ、溶着精度が向上する。
図2(a)に示したように、ロアー部材5の嵌合凹部内空部5bに誘電発熱体2を配置した後、アッパー部材4をロアー部材5の嵌合凹部5aにアッパー部材4の突出部4aを挿入し、嵌合凹部5aに突出部4aを嵌合させる。このとき突出部4aには突出内空部4bが設けられていて、この突出内空部4bと嵌合凹部内空部5bによって誘電発熱体2を収容できる閉鎖空間が形成されるように設定されている。このため、誘電発熱体2は図2(b)のように、この突出内空部4bと嵌合凹部内空部5bによって形成された閉鎖空間内に収まっている。このように誘電発熱体2は、アッパー部材4とロアー部材5とを溶着する溶着部位となる突出部4aと嵌合凹部5a内の所定の位置に精度良く配置されることになる。なお、誘電発熱体2を収容する閉鎖空間を本実施の形態ではアッパー部材4とロアー部材5とによって形成しているが、アッパー部材4またはロアー部材5だけで形成することもできる。
閉鎖空間は誘電発熱体2を収容可能とするために誘電発熱体2の容積より大きな容積を要する。このため、閉鎖空間の短手方向(図2(b)左右方向)の加圧方向に対する平行断面は、誘電発熱体2のそれより大きい値となるように形成されている。本実施の形態では閉鎖空間がアッパー部材4とロアー部材5の双方に形成されているため、アッパー部材4の突出内空部4bの平行断面とロアー部材5の嵌合凹部内空部5bの平行断面の和が誘電発熱体2の平行断面より大きくなっている。そして、閉鎖空間の加圧方向に対する長さ(高さ)と誘電発熱体2の加圧方向に対する長さ(高さ)は略同じとなっている。このため閉鎖空間は誘電発熱体2の加圧方向に交叉する方向の両面側に隙間空間を有する。
次に、本実施の形態の変形例について検討する。
図3は突出部4aの先端面4cから内部側に形成した凹部である突出内空部4bに関する変形例である。
図3(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、突出部4aの先端面4cから突出部4aの内部側に凹形状の突出内空部4bが形成されているが、突出内空部4bの凹みが内部に向かって空間が狭くなる窪みとなっており、誘電発熱体2は、突出内空部4bの凹部内面と、その一部が接触した形態となっている。ここで、図3(a)、(b)、(e)は突出内空部4bの凹部の断面が台形形状、図3(c)は断面が三角形状、図3(d)は断面が円形状となっている。このような形状にすることで、誘電発熱体2の上面2aは、突出内空部4bの凹部内面の2箇所と接することができ、誘電発熱体2を閉鎖空間内の所定の位置に配することができる。この際突出内空部4bの断面が対称形状とすることが好ましい。対称形状とすることで、誘電発熱体2を閉鎖空間内の中央部に配することができる。また、図3(g)は、突出内空部4bの凹部断面を台形状のテーパー形状とし、更に、嵌合凹部内空部5bの凹部もテーパー形状としている。このようにアッパー部材4及びロアー部材5の双方をテーパー形状とすることで、誘電発熱体2は所定の位置に容易に配置することができる。
また、上記実施の形態では、誘電発熱体2を1列配設する事例で説明したが、2列以上誘電発熱体2を配設してもよい。
2 誘電発熱体
4 アッパー部材
4a 突出部
4b 突出内空部
5 ロアー部材
5a 嵌合凹部
5b 嵌合凹部内空部
45 溶融接着接合部
10 発熱体
20 バインダー
Claims (1)
- 熱可塑性樹脂を母材とするロアー部材とアッパー部材が、マイクロ波によって発熱する誘電発熱体によって溶融し、加圧することで前記ロアー部材とアッパー部材が溶着するマイクロ波誘電加熱接合体において、
前記ロアー部材と前記アッパー部材の溶着前の溶着部位を、前記加圧方向に移動する凹凸組み合わせ構造とし、
前記ロアー部材の嵌合凹部には、前記嵌合凹部の底面に形成した凹形状の嵌合凹部内空部を有し、
また、前記アッパー部材の突出部には、前記突出部の先端面から前記突出部内部に向かって形成した凹形状の突出内空部を有し、
前記突出部と嵌合凹部は、加圧方向に対して前記突出部の先端面と前記嵌合凹部の底面が接した状態で嵌合し、前記突出内空部と前記嵌合凹部内空部によって閉鎖空間が形成され、前記閉鎖空間内に収容された前記誘電発熱体の発熱により前記ロアー部材と前記アッパー部材が溶融され、
また、前記誘導発熱体にはPTC特性を有する材料が用いられることを特徴とするマイクロ波誘電加熱接合体。
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