JP6208737B2 - 薬剤を体内通路へと送り込むための医療装置、方法、及びキット - Google Patents

Description

（関連出願）
本願は、２０１２年３月１９日に出願された米国仮特許出願第６１/６１２，６０４号の利益を主張している。この関連出願は、これに言及することにより、その内容全体が本明細書内に参考として組み入れられている。
（技術分野）

本開示は概して医療装置に関する。更に特定すると、本開示は、鼻腔のような体内通路へ薬剤を送り込むのに有用なカテーテルに関する。本開示はまた、送り込み装置、方法、及びキットに関するものでもある。

薬剤を鼻腔のような体内通路へ送り込むことが必要な場合が時々あり、別の場合には望ましい。例えば、鼻腔が感染しているか又は炎症を起こしているときには、患部に薬剤を送り込むことによって感染症又は炎症を処置する方法が提供される。一般的な処置としては、鼻腔洗浄を行い且つ治療薬を感染した又は炎症を起こしている鼻腔に到達させる目的で、治療薬のような薬剤を、ネブライザ（噴霧器）を使用して鼻腔路内へと送り込むこと、が挙げられる。しかしながら、これらの方法は、鼻腔への薬剤の間接的な送り込みによるものではないので、薬剤を鼻腔へ送り込む際の効果が最少である。

幾つかの治療方法は鼻腔への薬剤の直接的な送り込みを行うことができるけれども、これらの方法は不利な点をも有している。例えば、送り込みのためのアクセスを提供するために、遠位端に係留部材を備えているチューブを鼻腔内に配置することができる。しかしながら、これらの器具及び技術は、薬剤の鼻腔内全体に亘る均一な分布を達成するための十分な構造を欠いており、チューブの配置は、複雑さを増し且つチューブを鼻腔内位置決めするのに必要とされる時間を長くする送り込み装置の補助無しで行われなければならない。また、係留部材は、チューブが配備された鼻腔の開口部を塞ぎ、鼻腔からの物質の自然な流出を遮断し得る。

更に別の代替的な治療方法としては、抗生物質及び/又はステロイドの経口投与による全身投与がある。しかしながら、この方法は、制限された有効性に限界があり且つ全身的な結果につながるかも知れない。例えば、副腎皮質ステロイドの長期間に亘る使用は、大きな気道の痙攣、真菌感染、骨の厚みの減少、及び/又は成長障害に関連付けられて来た。

従って、鼻腔のような体内通路へ薬剤を送り込むための、改良された医療器具、方法、及びキットの必要性がある。

種々の例示的な医療器具、カテーテル、送り込み装置、及び方法が開示されている。

鼻腔を治療するための例示的な医療装置は、送り込み装置とカテーテルとを備えている。送り込み装置は、ハウジングとカニューレと押し込み器とを備えている。ハウジングは、ハウジングの近位端とハウジングの遠位端とを有しており、第一のハウジング開口部、第二のハウジング開口部、及びハウジング内腔を画成している。ハウジング内腔は、第一のハウジング開口部と第二のハウジング開口部との間に延びている。カニューレは、カニューレの近位端とカニューレの遠位端とを有しており、且つ第一のカニューレ開口部、第二のカニューレ開口部、及びカニューレ内腔を画成している。カニューレ内腔は、第一のカニューレ開口部と第二のカニューレ開口部との間に延びている。カニューレは、ハウジング内腔とカニューレ内腔とが連通するようにハウジングに取り付けられている。押し込み器は、押し込み器近位端と押し込み器遠位端とを有しており、押し込み器遠位端はカニューレの内腔内に摺動可能に配設されている。カテーテルは、カニューレの内腔内に設けられた少なくとも一部分を有しており、且つカテーテル近位端と、カテーテル遠位端と、該カテーテル近位端とカテーテル遠位端との間に延びているカテーテル長さ部分とを備えている。該カテーテルは、第一のカテーテル開口部と、第二のカテーテル開口部と、屈曲部と、コイル部と、該第一のカテーテル開口部と第二のカテーテル開口部との間に延びているカテーテル内腔とを画成している。押し込み器遠位端は、軸線方向の動きをカテーテルに伝えるために、カテーテル近位端と係合するようになされている。該カテーテルは、カニューレの内腔の中に配置されたときにカニューレの内腔の中に配置されるカテーテルの部分がほぼ真っ直ぐである第一の形状と、該カテーテルがカニューレの内腔によって束縛されないときにカテーテルの長さに沿ってカテーテルが屈曲部とコイル部とを画成する第二の形状と、の間を動くことができるようになされている。

鼻腔を処置するための別の例示的な医療器具は、送り込み装置とカテーテルとを備えている。送り込み装置は、ハウジングとカニューレと押し込み器とを備えている。ハウジングは、ハウジング近位端とハウジング遠位端とを有しており且つ第一のハウジング開口部と第二のハウジング開口部とハウジング内腔とを画成している。ハウジング内腔は、第一のハウジング開口部と第二のハウジング開口部との間に延びている。カニューレは、カニューレ近位端とカニューレ遠位端とを有しており且つ第一のカニューレ開口部と第二のカニューレ開口部とカニューレ内腔とを画成している。カニューレ内腔は、第一カニューレ開口部と第二カニューレ開口部との間に延びている。カニューレは、ハウジング内腔とカニューレ内腔とが連通するようにハウジングに取り付けられている。押し込み器は、押し込み器近位端と押し込み器遠位端とを有しており、押し込み器遠位端はカニューレ内腔内に摺動可能に配置されている。カテーテルは、カニューレ内腔内に配置される少なくとも１つの部分を備えており且つカテーテルの壁とカテーテル近位端とカテーテル遠位端とカテーテル長さ部分とを備えており、カテーテルの長さ部分は、カテーテル近位端とカテーテル遠位端との間に延びている。カテーテルは、第一のカテーテル開口部と第二のカテーテル開口部と複数の穴と屈曲部とコイル部とカテーテル内腔とを画成している。第一のカテーテル開口部はカテーテル近位端に設けられている。前記の複数の穴は、カテーテルの長さに沿って設けられており、該複数の穴の各々の穴は、カテーテルの壁を貫通して延びており且つカテーテルの内腔と連通している。コイル部と複数の穴とは屈曲部の遠位側に設けられており、カテーテル内腔は、第一のカテーテル開口部と複数の穴との間に延びている。押し込み器遠位端は、カテーテル近位端に係合されていて軸線方向の動きをカテーテルに伝えるようになされている。カテーテルは、カニューレ内腔内に配置されるカテーテルの部分がカニューレ内腔内に配置されたときにほぼ真っ直ぐである第一の形状と、カテーテルがカニューレ内腔に束縛されないときにカテーテルが前記の屈曲部とコイル部とをカテーテルの長さ部分に沿って画成する第二の形状と、の間を動くようになされている。

医療器具を鼻腔内に配備する例示的な方法は以下のステップを含んでいる。すなわち、該方法は、ハウジングとカニューレと押し込み器とカテーテルとを備えている送り込み装置を、鼻腔路内を進入させて該送り込み装置の一部分が鼻腔路内に配置されるようにするステップと、カニューレを処置すべき箇所に向けて誘導するステップと、押し込み器に遠位方向の力をかけて、カテーテルが前記の鼻腔内に進入せしめられ且つカテーテルが第一のほぼ真っ直ぐな形状から第二の形状へと動くようにさせるステップと、カテーテルの内腔内及び鼻腔内に薬剤を導入するステップと、前記の送り込み装置を鼻腔路から引き出すステップと、を含んでいる。

処置方法の実施に有用なキットもまた開示されている。

例示的なキットは、一つの実施形態に従って、カテーテルと送り込み装置とを備えている。該キットは、任意であるが、一つの実施形態による１以上のカテーテル及び/又は送り込み装置と、１以上の薬剤容器と、薬剤を鼻腔内に導入するための器具と、使用説明書と、及び/又はアダプタと、を備えることができる。

例示的な医療器具の更なる理解は、以下の詳細な説明及び添付図面を検討することによって得ることができる。

図１は、例示的なカテーテルの側面図である。 図２は、別の例示的な実施形態の側面図である。 図３は、別の例示的なカテーテルの側面図である。 図３Ａは、別の例示的なカテーテルの側面図である。 図４は、例示的な送り込み装置及びカテーテルの断面図である。 図４Ａは、別の例示的な送り込み装置及びカテーテルの遠位端の側面図である。 図５は、別の例示的な送り込み装置及びカテーテルの部分断面図である。 図６は、別の例示的な送り込み装置の側面図である。 図７は、別の例示的な送り込み装置の側面図である。 図８Ａは、別の例示的な送り込み装置及びカテーテルの断面図である。 図８Ｂは、図８Ａに示されている例示的な送り込み装置及びカテーテルの展開形態での断面図である。 図８Ｃは、送り込み装置によって束縛されない例示的な細長い部材の図である。 図９Ａは、送り込み装置が鼻腔路内に配置された状態の患者の部分断面図である。 図９Ｂは、送り込み装置が鼻腔路内に配置された送り込み装置が部分的に展開された形態にある患者の部分断面図である。 図９Ｃは、鼻腔内に配置されている送り込み装置が展開形態にある状態の患者の部分断面図である。 図９Ｄは、カテーテルの一部分が鼻腔内に配置されている状態の患者の部分断面図である。 図１０は、例示的なキットを示している図である。 図１１は、医療器具を展開する例示的な方法のフローチャートである。 図１２は、別の例示的な処置方法のフローチャートである。 図１３は、別の送り込み装置及びカテーテルの遠位端の側面図である。 図１４は、送り込み装置によって束縛されない例示的な押し込み器の側面図である。 図１４Ａは、図１４に示されている押し込み器の線１４Ａ−１４Ａに沿って断面された断面図である。

以下の詳細な説明及び添付図面は、種々の例示的な医療器具、キット、及び方法を説明し図示している。該説明及び図面は、例示的な性質のものであり、当業者が、１以上の例示的な医療器具、キットを作製したり使用したりするのを可能にし且つ/又は１以上の例示的な方法を実施するのを可能にするために提供されている。

“例えば”、“等”、“又は”という用語及びこれらの用語の文法的に関連した用語は、別段の記載がない限り、限定的ではない非排他的な代替手段を示している。“任意に”という文言及び該文言に文法的に関連した用語は、該用語に続いて記載されている部材、事象、構造、又は環境が、存在するか生じても良いし、又は存在するか生じてなくても良いことを意味しており、該用語は、前記の部材、事象、構造、又は環境が起こるか生じる例及び起こらないか生じない例を含んでいる。本明細書において使用されている“近位”及び“遠位”という用語は、記載されている特別な部材又は構造の対向する軸線方向端部を記載するために使用されている。“体内通路”という用語は、限定的ではないが人間を含む動物の体内の通路を指しており、細長い通路を含んでいる。“鼻腔路”という用語は、鼻の中の通路を指しており、限定的ではないが、エウスタキオ管、主要小門、副卵管、及び/又は換気管によって規定されている穴を含んでいる。“鼻腔”という用語は、前頭洞又は篩骨洞又は蝶形骨洞、及び/又は上顎洞を指している。“薬剤”という用語は、患者を治療するために使用されるあらゆる流体、医薬、試薬、及び/又は治療薬を指している。“例示的”という用語の使用は、一例を指しており、理想的な又は好ましい実施形態という意味を伝えることは意図されていない。“取り付けられた”という用語は、２以上の部材及び/又は器具の固定の結合又は解放可能な結合又は一体化された結合を指している。従って、“取り付けられた”という用語は、２以上の部材及び/又は器具を解放可能に取り付けること又は固定状態に取り付けることを含んでいる。“コイル”という用語は、１以上の完全な又は部分的な螺旋、ループ、及び/又はリング状に配列されている１本の部材を指している。“コイル”という用語は、１以上の螺旋、ループ、及び/又はリングの構造での一体性を必要とせず、完全な螺旋、ループ、及び/又はリングが形成されることを必要としていない。

図１は、第一の例示的なカテーテル１０を示しており、該カテーテルは、カテーテルの近位端１２、カテーテルの遠位端１４、及びカテーテルの壁１５を有している。カテーテル１０は、第一のカテーテル開口部１６と、第二のカテーテル開口部１８と、内腔２０と、屈曲部２２と、コイル部２４と、カテーテルの近位端１２からカテーテルの遠位端１４まで延びているカテーテルの長さとを画成している。カテーテル１０は、（例えば、カテーテルが送り込み装置内に配置されたときに）カテーテルがほぼ真っ直ぐである第一の形状と、（例えば、カテーテルが送り込み装置に束縛されないときに）カテーテルが屈曲部２２とコイル部２４とを画成する第二の形状との間を動くようになされている。図１は、第二の形状にあるカテーテル１０を図示している。

カテーテル１０は、内腔を画成している適切な外径と適切な内径とを有している何らかの適切な管状部材からなり、当業者は、カテーテルがその中で使用されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な管状部材を選択することができるであろう。本発明者らは、約０．０５インチ〜約０．１インチ（約１．２７ミリメートル〜約２．５４ミリメートル）の外径を有するカテーテルが適切であると判断した。更に、本発明者らは、約０．０７７インチ（１．９６ミリメートル）の、又は０．０７７インチ（１．９６ミリメートル）に等しいか、又はほぼ等しい、外径のカテーテルもまた適切であると判断した。なお更に、本発明者らは、内径が約０．０２５インチ〜約０．０７５インチ（約０．６２５ミリメートル〜約１．９０５ミリメートル）のカテーテルが適切であると判断した。更に、本発明者らは、内径が約０．０５０インチ（１．２７ミリメートル）か又は０．０５インチ（１．２７ミリメートル）に等しいか又は０．０５０インチ（１．２７ミリメートル）にほぼ等しいカテーテルもまた適切であると判断した。

カテーテル１０は、何らかの適切な可撓性の又は実質的に可撓性の材料によって作ることができ、当業者は、カテーテルがその中で使用されることを意図されている体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、カテーテルのための適切な材料を選択することができるであろう。カテーテル用として選択される材料は、生態適合性であること又は生態適合性にすることができること、及び上記したように第一の形状と第二の形状との間を動くことができることのみが必要である。また、少なくともこのような材料は、蛇行している体内通路内をカテーテルが通過するのを可能にし且つカテーテルが体内通路内に配置されているときに刺激を少なくするので、比較的柔らかく且つ/又は柔軟なカテーテル用の材料を選択することが有利であると考えられる。適切であると考えられる例示的な材料としては、限定的ではないが、ウレタン、ポリウレタン、ポリエチレン、Pebax（Pebaxは、フランス国クルブヴォアにあるAto Chimie Corporation of Allee des Vosgesの登録商標である）、シリコーン、及びナイロンのようなポリマーがある。

カテーテル１０は、任意であるが、配備中又は配備後に、カテーテル１０の追跡及び位置決めを容易にするために、カテーテルの近位端１２、カテーテルの遠位端１４、及び/又はカテーテルの長さ部分の何らかの部分又は全体（例えば、屈曲部２２、コイル部２４）に沿って配置された放射線不透過性の標識を含むことができる。カテーテル１０上に設けられた放射線不透過性の標識を設けることと代替的に又はこれと組み合わせて、カテーテル１０を形成している材料は、カテーテル１０の追跡及び位置決めを容易にするために放射線不透過性の充填材を含むことができる。如何なる適切な放射線不透過性材料も使用することができ、当業者は、その中に配備されることを意図されている所望の体内通路のような種々の考慮すべき点に基づいた特定の実施形態に従って、適切な放射線不透過性材料を選択することができるであろう。適切な放射線不透過性材料の例としては、限定的ではないが、カドミウム、タングステン、金、タンタル、ビスマス、プラチナ、ロジウムがある。カテーテル１０の可視化、追跡、及び/又は位置決めは、何らかの適切な方法を使用して行うことができ、当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路のような種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な方法を選択することができるであろう。カテーテルの可視化、追跡、及び/又は位置決めを容易化するのに適当であると考えられる例示的な方法としては、限定的ではないが、Ｘ線の使用、蛍光透視法、超音波の使用、スコープによる直接的可視化、及び磁気共鳴撮像、が挙げられる。

第一のカテーテル開口部１６がカテーテルの近位端１２に画成されており、第二のカテーテル開口部１８がカテーテルの遠位端１４に画成されている。第一の開口部１６と第二のカテーテル開口部１８との各々は、内腔２０と連通しており且つあらゆる適切な直径を有している。第一のカテーテル開口部１６と第二のカテーテル開口部１８とは、各々、カテーテルの近位端１２及びカテーテルの遠位端１４に画成されているものとして説明され且つ図示されているけれども、第一のカテーテル開口部と第二のカテーテル開口部とは、カテーテルの長さに沿ったあらゆる適切な位置に位置決めすることができる。当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路のような種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、第一のカテーテル開口部と第二のカテーテル開口部との各々のための適切な位置を選択することができであろう。例えば、第一のカテーテル開口部と第二のカテーテル開口部とのいずれか又は両方が、カテーテルの近位端とカテーテルの遠位端との間のカテーテルの長さに沿って画成することができ且つカテーテルの壁を貫通して延びることができる。

内腔２０は、第一のカテーテル開口部１６と第二のカテーテル開口部１８との間に延びている。内腔２０はカテーテルの長さ部分に沿って適切な内径を有することができ、当業者は、カテーテルがその中で使用されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な内径を選択することができるであろう。適切と考えられている例示的な内径としては、限定的ではないが、カテーテルの長さに沿って連続し又はほぼ連続している内径、及びカテーテルの長さ部分に沿って変わる内径、が挙げられる。

カテーテル１０は、第二の形状にあるときに、カテーテルの長さに沿って屈曲部２２とコイル部２４とを画成している。図示されている実施形態においては、屈曲部２２は、屈曲部２２の近位側のカテーテル１０の部分と屈曲部２２の遠位側のカテーテルの部分との間に９０度より大きい角度２３を画成している。カテーテル１０のある長さが屈曲部２２の遠位側に配置されており、これは、カテーテル１０が第二の形状にあるときに、屈曲部２２の遠位側のカテーテルの部分（例えば、コイル部２４）と屈曲部２２の近位側のカテーテルの部分との間の距離を規定している。このことは、少なくともコイル部２４が第一の体内通路（例えば、鼻腔）内に配置され且つ屈曲部２２の近位側のカテーテルの部分が第二の異なる体内通路（例えば、鼻腔路）内に配置されるようにカテーテル１０が位置決めされるのを可能にするので、有利であると考えられる。

屈曲部２２を特定の角度で規定しているものとしてカテーテル１０を説明し図示したけれども、カテーテルによってどのような如何なる適切な角度を規定することもでき、当業者は、その中でカテーテルが使用されることが意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、屈曲部のための適切な角度を選択することができるであろう。本発明者らは、約１度〜約１８０度の角度が適切であると判断した。更に、本発明者らは、約１０度〜約１７０度の角度が適切であると判断した。更に、本発明者らは、約４５度〜約１３５度の角度が適切であると判断した。更に、本発明者らは、約９０度の又は９０度に等しい又は９０度にほぼ等しい角度も適切であると判断した。更に、本発明者らは、約１５０度の又は１５０度に等しい又は１５０度にほぼ等しい角度も適切であると判断した。

更に、カテーテル１０は、カテーテル１０が第二の形状にあるときに、屈曲部２２の遠位側にあるカテーテル１０の部分（例えば、コイル部２４）と、屈曲部２２の近位側にあるカテーテル１０の部分との間の距離を規定しているものとして説明され且つ図示されているけれども、他の構造的配列も適切であると考えられる。当業者は、その中にカテーテルが配備されることが意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、カテーテルのための適切な構造的配列を選択することができるであろう。例えば、カテーテルが第二の形状にあるときに、屈曲部の遠位側にあるカテーテルの部分と屈曲部の近位側にあるカテーテルの部分との間の距離を規定するための代替例として、カテーテルは、屈曲部の遠位側にあるカテーテルの部分（例えば、コイル部２４）が屈曲部の近位側にあるカテーテルの部分に重なるか該部分の上に延びるように、屈曲部の遠位側にあるカテーテルのある長さ部分を含むことを省くことができる。

カテーテル１０は、屈曲部２２の遠位側にコイル部２４を画成している。コイル部２４は、本明細書において更に詳細に説明するように、配備されたときに体内通路内でのカテーテル１０の位置を維持するための構造を提供するので、有利である。カテーテルが第二の形状にあるときに、コイル部２４は屈曲部２２の近位側に配置されているカテーテル１０の部分によって束縛されず、その結果、コイル部２４は屈曲部２２の近位側に配置されているカテーテル１０の部分の周囲を包囲しない。

別の方法として、又は本明細書に記載されている他の構造の細部（例えば、屈曲部、コイル部）と組み合わせて、カテーテルは、該カテーテルを体内通路に維持することができるか又は維持するようになされている付加的な構造を含むことができる。カテーテル上に備えるのに適すると考えられる例示的な構造としては、限定的ではないが、マルコー構造、カフ、１以上のバルーン、及び特別な用途に適していると考えられる何らかの他の構造がある。付加的な構造を、カテーテル上の何らかの適切な位置に、屈曲部の近位側に、屈曲部の遠位側に、屈曲部に、コイル部に、コイル部の代わりに、屈曲部の代わりに、近位端と遠位端との間の何らかの適当な位置に、及び特別な用途に適すると考えられる他の何らかの位置に、位置決めすることができる。例えば、バルーンが体内通路内のカテーテルの位置を維持ために使用される場合には、カテーテルは、バルーンを膨張させるために流体をバルーンのチャンバ内に導入できるように、バルーンによって画成されているチャンバと連通している第二の内腔を画成することができる。

コイル部２４は、何らかの適切な長さを有し、何らかの適切な外径を画成し、何らかの適切な数のコイル部を画成し、何らかの適切な配列で延在させることができ、当業者は、カテーテルがその中で使用されることが意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づく特別な実施形態に従って、適切な長さ、外形、コイル部の数、コイル部の配列、を選択することができるであろう。本発明者らは、外側の直径が約０．３５インチ〜約０．８５インチ（約８．８９ミリメートル〜約２１．６ミリメートル）のコイル部を画成するカテーテルが適切であると判断した。更に、本発明者らは、外側の径が約０．５９インチ（約１５．０ミリメートル）か、０．５９インチ（約１５．０ミリメートル）に等しいか、ほぼ等しい、コイル部を画成しているカテーテルもまた適していると判断した。カテーテルが単一のコイル部を画成することは、少なくともカテーテルの操作機能を増すので、有利であると考えられる。更に、多数のコイル部を画成しているカテーテルは、単一のコイル部を画成しているカテーテルよりも長いカテーテル長さを必要とし且つより長い送り込み装置を必要とする。

使用時に、カテーテル１０は、薬剤又はその他の物質又は流体を体内通路（例えば、鼻腔）内へ導入するための機構を提供する。例えば、配備に続いて、注射器又はその他構造を、カテーテルの近位端１２に取り付け、第一のカテーテル開口部１６、カテーテルの内腔２０、及び第二のカテーテル開口部１８を介して薬剤又は流体を導入するために使用することができる。

カテーテル１０は、所望の構造的配列（例えば、屈曲部２２、コイル部２４）を達成するための何らかの適当な技術を使用して作ることができ、当業者は、該器具がその中で使用されることが意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づく特別な実施形態に従って、カテーテルを作るための適切な技術を選択することができるであろう。カテーテルを形成するのに適していると考えられる一つの例示的な方法としては、限定的ではないが、熱を使用してカテーテルに記憶を植え込む方法がある。例えば、カテーテルを所望の形状となるように付勢するために成形プレートを使用することができる。これは、形成中での圧潰を防止するために材料をカテーテルの内腔内に配置し、カテーテルを成形プレート内に配置し、次いで、カテーテルを適切な温度まで加熱する、ことによって達成することができる。これに続いて、カテーテルを室温まで冷却し、成形プレートから取り出す。カテーテルを形成するために何らかの適切な温度を使用することができ、当業者は、カテーテルを形成する材料のような種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な温度を選択することができるであろう。例えば、本発明者らは、カテーテルがウレタンによって形成されるときには、所望の構造的配列を達成する適当な温度として摂氏約１０８度〜摂氏約１５８度の温度が挙げられると判断した。更に、本発明者らは、カテーテルがウレタンによって形成されるときには、所望の構造的配列を達成するための適当な温度として、摂氏約１３３度か、摂氏１３３度に等しいか、摂氏１３３度にほぼ等しい温度が挙げられると判断した。

図２は、第二の例示的なカテーテル１１０を示している。カテーテル１１０は、以下に詳細に説明する点以外は、上記し且つ図１に図示されているカテーテル１０と類似している。図２における参照符号は、図１における番号と同じ番号に数字１００を追加された参照符号を付された同じ構造的要素又は構造を指している。従って、カテーテル１１０は、カテーテルの近位端１１２及びカテーテルの遠位端１１４を有しており、第一のカテーテル開口部１１６、第二のカテーテル開口部１１８、及び内腔１２０を画成している。

図示されている実施形態においては、カテーテル１１０は、カテーテルの近位端１１２と、カテーテルの近位端１１２に設けられた漏斗状に拡がっている内腔１２０とを画成しており、且つテーパーが付けられたカテーテルの遠位端１１４、屈曲部１２２、第一のコイル部１２４、第二のコイル部１２６、複数の穴１２８を画成している。更に、カテーテル１１０は、屈曲部１２２に配置されている標識１３０を備えている。カテーテル１１０は、（例えば、カテーテルが送り込み装置内に配置されたときに）カテーテル１１０がほぼ真っ直ぐである第一の形状と、（例えば、カテーテルが送り込み装置に束縛されないときに）カテーテル１１０が屈曲部１２２とコイル部１２４とを画成する第二の形状と、の間を動くようになされている。図２は、第二の形状にあるカテーテル１０を図示している。

漏斗状に拡がっているカテーテルの近位端１１２とカテーテルの近位端１１２に設けられている漏斗状に拡がっている内腔１２０とを備えていることは、内腔１２０及び複数の穴１２８の中を薬剤又は流体を通過させるために、少なくとも第一のカテーテル開口部１１６へ別の器具（例えば、注射器、アダプタ）の導入を可能にする構造上の配置を提供するので、有利であると考えられる。テーパーが付けられたカテーテルの遠位端１１４を備えていることは、少なくともカテーテル１１０の配備中における体内通路の開口部の拡張及び非外傷性挿入の容易性を可能にし、且つ/又はカテーテルの遠位端１１４が人体構造上に捕獲される可能性を減じる構造的上の配置を提供するので、有利であると考えられる。例えば、カテーテル１１０が予め配置されているガイドワイヤの外周に沿って体内通路内へ進入せしめられるときに、テーパーが付けられているカテーテルの遠位端１１４を設けていることによって、配備中に体内通路を拡張させ且つ構造を通り過ぎて進入するための機構が提供される。任意であるが、カテーテルが柔軟な材料（例えば、ウレタン）によって形成されている場合には、体内通路内でのカテーテルの拡張及び位置決めを補助するために、カテーテルの長さの一部分又は全体に沿って、より剛性の高い材料をより柔軟な材料に接合することができる。

図示されている実施形態においては、カテーテル１１０には、９０度に等しいかほぼ等しい角度か約９０度の角度１２３で屈曲部１２２が画成されている。少なくとも配備の際にカテーテル１１０が定位置に保持されるのを可能にする構造的配置を提供するために屈曲部１２２を９０度に等しい角度か又はほぼ等しい角度か約９０度の角度で画成することは、カテーテル１１０にとって有利であると考えられる。例えば、カテーテル１１０の一部分又は全体が鼻腔路及び/又は鼻腔内に配備されるときに、屈曲部１２２を９０度に等しい角度又は９０度にほぼ等しい角度又は約９０度の角度で画成することによって、鼻腔路の障害及び刺激を防止しつつ、屈曲部１２２の近位側のカテーテルの部分又は全体が鼻腔路内を伸長し且つ鼻の穴から伸長するのが可能になり、且つ屈曲部１２２の遠位側のカテーテルの部分又は全体が鼻腔路及び/又は鼻腔内に配置されるのが可能になる。

屈曲部１２２は、カテーテル１１０の長さに沿って湾曲部を画成しているものとして図示されているけれども、屈曲部は、カテーテルの長さに沿って何らかの適切な構造及び/又は機構を画成することができ、当業者は、その中にカテーテルが配備される所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づく特別な実施形態に従って、カテーテル内に備えるべき適切な構造及び/又は機構を選択することができるであろう。カテーテル上に備えることが適切であると考えられる例示的な構造及び/又は機構としては、限定的ではないが、カテーテル内の屈曲部に直角の曲がり角を画成すること、カテーテル内の屈曲部に何らかの適切な角度の曲がり角を画成すること、少なくとも１つの尖端が曲がり角のカテーテルの長さに沿って画成されるようにカテーテルの屈曲部に直角できつい曲がり角を画成すること、及び少なくとも１つの尖端が曲がり角のカテーテルの長さに沿って画成されるようにカテーテルの屈曲部に何らかの適切な角度のきつい曲がり角を画成すること、が挙げられる。

カテーテル１１０は、屈曲部１２２の遠位側に第一のコイル部１２４を画成している。第一のコイル部１２４は、ここに記載されるように、配備されたときに体内通路内でのカテーテル１１０の位置を維持するための構造的配列を有利に提供する。カテーテル１１０が第二の形状にあるときに、第一のコイル部１２４は屈曲部１２２の近位側に配置されているカテーテル１１０の部分によって束縛されず、その結果、第一のコイル部１２４は屈曲部１２２の近位側に配置されているカテーテル１１０の部分の周りを覆わない。

複数の穴１２８が屈曲部１２２の遠位側に設けられており、該複数の穴はカテーテル１１０の壁１１５を貫通しており、該複数の穴１２８の各々の穴はカテーテルの内腔１２０と連通している。図示されている実施形態においては、複数の穴１２８の第一の組と第二の組とが第一のコイル部１２４上に直線状に配置されている。穴のこの配列は、少なくとも、複数の穴１２８のうち第一の組の穴が第一のコイル部１２４の外側に面している側１２１に配設され、複数の穴１２８のうち第二の組の穴が第一のコイル部１２４の内側に面している側１１９に配設されるように複数の穴１２８を第一のコイル部１２４に沿って配置するので、有利であると考えられる。

複数の穴１２８は第一のコイル部１２４に沿って直線状に配列されているものとして記載され且つ図示されているけれども、複数の穴の如何なる適切な配列も適切であると考えられ、当業者は、鼻腔のような体内通路へ送り込まれるべき所望量の薬剤又は流体を含む種々の考慮すべき点に基づく特別な実施形態に従って、複数の穴の適切な配列を選択することができるであろう。カテーテル及び/又はコイル部の一部分又は全体に沿って複数の穴又は複数の穴の組を配列するのに適切である考えられる例示的な配列としては、限定的ではないが、該複数の穴を、外周方向に、直線状に、ランダムに、規則正しく、格子状に、及び/又は少しずつずらして、配列する方法が挙げられる。

また、複数の穴１２８が記載され図示されているけれども、カテーテル内に如何なる適当な数の穴を備えるようにすることもでき、各穴は、如何なる適切な直径及び/又は形状を画成することもできる。当業者は、行われることが意図されている治療を含む種々の考慮すべき点に基づく特別な実施形態に従って、カテーテルのための適切な数の穴並びに各穴のための適切な直径及び/又は形状を選択することができるであろう。適切であると考えられる穴の例示的な数としては、１個、２個、３個、４個、５個、６個、７個、８個、９個、１０個、及び特定の用途に適していると判断された何らかの数が挙げられる。適切であると考えられる例示的な直径としては、限定的ではないが、複数の穴１２８のうちの少なくとも２つの穴の直径が変わる（例えば、異なる直径を有している）場合の直径が挙げられる。適切であると考えられる更に別の例示的な直径としては、限定的ではないが、管状部材の内径（例えば、内腔の直径）におよそ等しいか、該内径に等しいか、該内径より小さいか、該内径より大きいか、該内径にほぼ等しい直径、が挙げられる。穴を規定するのに適していると考えられる例示的な形状としては、限定的ではないが、円形、楕円形、長円形、及び適当な多角形、が挙げられる。例えば、薬剤又は流体を比較的早い流速で送り込むことが望ましいときには、カテーテルには、長手軸線がカテーテルの内径よりも長い楕円形状又は長円形状の穴を画成することができる。

カテーテル１１０は、屈曲部１２２の近位側に第二のコイル部１２６を画成している。第二のコイル部１２４は、第一のほぼ真っ直ぐな形状と第二のコイル状の形状との間を動くようになされている。図２は、第二の形状にある第二のコイル部１２６を示している。第二のコイル部１２６は、カテーテル１１０がその第二の形状にあるときに、屈曲部１２２の近位側のカテーテル１１０のある長さを体内通路内に維持するための構造的機構を有利に提供している。例えば、第一のコイル部１２４が鼻腔内に配備され且つ第二のコイル部１２６が鼻腔路内に位置決めされたときに、ユーザーは、カテーテルの近位端１１２に近位方向の力をかけて、第二のコイル部１２６をその第二のコイル形状からその第一の真っ直ぐな又はほぼ真っ直ぐな形状へ動かしてカテーテルの近位端１１２が鼻の穴から延びるようにすることができる。このことは、ユーザーが、カテーテル１１０にかけている近位方向の力を解放したときに、第二のコイル部１２６がその第二のコイル形状へと且つ鼻腔路内へと戻されつつ、カテーテル１１０が鼻の穴から伸長せしめられて薬剤又は流体がカテーテル１１０の内腔１２０内を通過するのを有利に可能とする。

標識１３０が屈曲部１２２に設けられており、この標識１３０は、カテーテル１１０の一部分又は全体の外周に沿って延び且つカテーテルの長さに沿った適当な距離を有することができる。標識１３０は何らかの適当な方法で作ることができる。例えば、標識１３０は、カテーテルの内腔１２０の内径及び/又はカテーテル１１０の外面内に埋め込むか又はその上に配置することができる。少なくともカテーテル１１０を体内通路内に正確に配置する際にユーザーを支援するために標識１３０を備えることは有利であると考えられる。また、標識１３０は、カテーテル１１０の配備中に屈曲部１２２の位置を有利に指示し且つコイル部１２４が配備された時点についての指示を有利に提供する。単一の標識１３０が示され且つ記載されているけれども、カテーテルは何らかの適当な数の標識を備えることができ、当業者は、カテーテルを配備させることが意図されている所望の体内通路のような種々の考慮すべき点に基づく特別な実施形態に従って、適切な数を選択することができるであろう。適当であると考えられる標識の例示的な数としては、限定的ではないが、特定の用途に対して１個、２個、３個、４個、及びその他の数、が挙げられる。

標識１３０を使用する代わりとして又は標識１３０の使用と組み合わせて、カテーテルは、第一の色（例えば、赤）の第一の部分と、第一の色と異なる第二の色（例えば、青）の第二の部分とを備えることができる。第一の色の第一の部分と第二の色の第二の部分とは、カテーテルの長さに沿った何らかの適切な位置に配置することができる。適切であると考えられる例示的な位置としては、限定的ではないが、屈曲部又はコイル部の近位側に配置されているカテーテルの長さの一部分又は全体に沿って第一の色の第一の部分を位置決めすること及び屈曲部又はコイル部の遠位側に配置されているカテーテルの長さの一部分又は全体に沿って第二の色の第二の部分を位置決めすること、が挙げられる。何らかの適切な数のカテーテルの部分は、体内通路内へのカテーテルの配置を補助するための何らかの適当な色を有することができる。色は、カテーテルの表面上に配置（例えば、塗装）することができ、又はカテーテルを形成している材料の一部によって構成することができる。

単一の標識を含むことに対する代案として、カテーテルは、１以上の標識、又は屈曲部若しくはコイル部の近位側に配置されているカテーテルの長さの一部分若しくは全体に沿って延びている細長い標識を備えることができる。例えば、第一の標識を屈曲部又はコイル部に位置決めすることができ、且つ第二の標識を第一の標識の近位側（例えば、カテーテルの近位端、カテーテルの近位端と屈曲部又はコイル部との間）に位置決めすることができ、又は細長い標識をカテーテルの近位端と屈曲部若しくはコイル部との間に、又は屈曲部若しくはコイル部からカテーテルの近位端まで、又は屈曲部若しくはコイル部とカテーテルの近位端との間の位置、に位置決めすことができる。細長い標識又は１以上の標識を備えることは、少なくとも、該標識は体内通路の特別な部分に対するカテーテルの配置を指示するための機構を提供する（例えば、前頭凹陥標識を前頭凹陥に隣接して配置させることができ且つ/又はコイル部を前頭洞内に位置決めすることができる）ので、有利であると考えられる。

図３は、第三の例示的なカテーテル２１０を図示している。カテーテル２１０は、以下に詳細に説明する点以外は、上記し且つ図２に図示されているカテーテル１１０と類似している。図３における参照符号は、図２における番号と同じ番号に数字１００を追加された参照符号を付された同じ構造的要素又は構造を指している。従って、カテーテル２１０は、カテーテルの近位端２１２及びカテーテルの遠位端２１４を有しており、第一のカテーテル開口部２１６、第二のカテーテル開口部２１８、及び内腔２２０を画成している。

図示されている実施形態においては、カテーテル２１０は、テーパーが付けられているカテーテルの遠位端２１４と、第一の屈曲部２２２と、コイル部２２４と、第二の屈曲部２２５と、複数の穴２２８と、を画成している。更に、カテーテル２１０は、屈曲部２２２に設けられている標識２３０を備えている。カテーテル２１０は、カテーテル２１０がほぼ真っ直ぐである第一の形状（例えば、カテーテルが送り込み装置内に配置されているとき）と、カテーテル２１０が第一の屈曲部２２２とコイル部２２４と第二の屈曲部２２５とを画成する第二の形状（例えば、カテーテルが送り込み装置に束縛されないとき）と、の間を動くようになされている。図３は、第二の形状にあるカテーテル２１０を図示している。

カテーテル２１０は、第一の角度２２３で第一の屈曲部２２２を画成しており且つ第二の角度２２７で第二の屈曲部２２５を画成している。カテーテルのある長さ部分２２９が第一の屈曲部２２２と第二の屈曲部２２５との間に配置されている。その中にカテーテルが配置されることを意図されている体内通路（例えば、鼻腔）の天然の解剖学的構造を補完するために第二の屈曲部２２５を備えることは有利である。第一の屈曲部２２２と第二の屈曲部２２５との間に配置されるカテーテル２２９の長さは何らかの適当な長さとすることができ、当業者は、カテーテルがその中で使用されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な長さを選択することができるであろう。

図示されている実施形態においては、カテーテル２１０は、９０度に等しいかほぼ等しい角度か約９０度の角度２２３で屈曲部２２２を画成しており且つ９０度より大きい角度２２７で屈曲部２２５を画成している。カテーテル２１０は、第一の屈曲２２２と第二の屈曲２２５とが特定の角度で画成されているものとして記載され且つ図示されているけれども、カテーテルは第一の屈曲部と第二の屈曲部とをここに記載されているように如何なる適切な角度で画成することもでき、当業者は、カテーテルがその中で使用されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、第一の屈曲部及び/又は第二の屈曲部のための適切な角度を選択することができるであろう。第一の屈曲部と第二の屈曲部とを形成するのに適切であると考えられる例示的な角度としては、限定的ではないが、第一の屈曲部を、第二の屈曲部の角度より大きいかより小さいか等しいかほぼ等しい角度で画成すること、が挙げられる。

更に、カテーテル２１０は第一の屈曲部２２２及び第二の屈曲部２２５を画成しているものとして記載し且つ図示しているけれども、カテーテルはカテーテルの長さに沿って何らかの適当な数の屈曲部を画成することもでき、当業者は、その中でカテーテルが使用される所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づく特別な実施形態に従って、屈曲部の適切な数を選択することができるであろう。適切であると考えられる屈曲部の例示的な数としては、限定的ではないが、１個、２個、３個、４個、５個、及び特定の用途に適していると考えられるその他の何らかの数、が挙げられる。例えば、カテーテル２１０は、任意であるが、第二の屈曲部２２５の配備を省くことができる。

ここに記載されているカテーテルのいずれもが、何らかの適切な送り込み方法を使用して体内通路内に配備することができ、当業者は、カテーテルがその中で使用されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な送り込み方法を選択することができるであろう。適切であると考えられる例示的な配備方法としては、限定的ではないが、予め配置されているガイドワイヤの外周に沿ってカテーテルを送り込むこと、トロカールを使用してカテーテルを送り込むこと、及びここに記載されている送り込み装置のうちの一つのような送り込み装置を使用してカテーテルを送り込むこと、が挙げられる。

ここに記載されているカテーテルのうちのいずれもが、任意であるが、カテーテルの一部分又は全体に１以上のコーティングを備えることができ、該コーティングは、（例えば、カテーテル上又は体内通路内での）生物膜の形成を防止し、（例えば、カテーテル又は体内通路内での）微生物の定着化を防止若しくは減少させ、且つ/又はカテーテルの外面と該カテーテルの外面が接触することを意図されているか若しくは接触するかも知れない面との間の摩擦係数を小さくすることができる。カテーテル上での生物膜の形成を防止することができ且つ/又は摩擦係数を減じることができる何らかの適切なコーティングが適切であると考えられており、当業者は、カテーテルがその中で使用されることを意図されている体内通路のような種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切なコーティングを選択することができるであろう。コーティングは、カテーテルの長さの何らかの適切な部分又は全体に沿って設けることができる。適切であると考えられる例示的なコーティングとしては、限定的ではないが、リファンピン、ミノサイクリン、キトサン、アミノグリコシド系抗生物質、キノロン系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質、及びβラクタム、アゾールのような抗菌剤、及び/又は消毒剤のような抗生物質、が挙げられる。摩擦係数を減じるのに適していると考えられる例示的な潤滑コーティングとしては、限定的ではないが、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）のような吸水性ポリマー、及びカテーテルの外面と該カテーテルの外面が接触することを意図されるか若しくは接触するかも知れない面との間の摩擦係数の減少をもたらす特性を有しているその他の何らかのポリマー又は物質、が挙げられる。

カテーテルに関してここに記載されている部材、機構、及び/又は構造的配列のいずれもが、何らかの適切な方法で互いに組み合わせることができ、当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な部材、機構、及び/又は構造的配列を選択することができるであろう。

例えば、図３Ａは、第四の例示的なカテーテル３１０を図示している。カテーテル３１０は、以下に詳細に説明する点以外は、図３に図示され且つ上記したカテーテル２１０と類似している。図３Ａにおける参照符号は、図３における番号と同じ番号に数字１００を追加された参照符号を付された同じ構造的要素又は構造を指している。従って、カテーテル３１０は、カテーテルの近位端３１２及びカテーテルの遠位端３１４を有しており、第一のカテーテル開口部３１６、第二のカテーテル開口部３１８、及び内腔３２０を画成している。

図示されている実施形態においては、カテーテル３１０は複数の穴３２８を画成しており、穴の第一の組がコイル部３２４の内側を向いた側３１９上に配置され、穴の第二の組がコイル部３２４の外側を向いた側３２１上に配置されている。コイル部３２４の内側を向いている側３１９上に配置されている第一の組の穴は、コイル部３２４の外側を向いている側３２１上に配置されている第二の組の穴に対してずらして配列されている。この配列は、少なくとも、カテーテル３１０がその中に配置される体内通路を通る薬剤又は流体の送り込みがなされるように複数の穴３２８をコイル部３２４に沿って位置決めするので、有利であると考えられる。

図４は、第一の例示的な送り込み装置２３２とカテーテル２１０とを図示している。送り込み装置２３２は、ハウジング２３４と、カニューレ２３６と、押し込み器２３８とを備えている。

ハウジング２３４は、ハウジングの近位端２４０とハウジングの遠位端２４２と壁２４３とを備えており、第一のハウジング開口部２４４と、第二のハウジング開口部２４６と、ハウジングの内腔２４８とを画成している。第一のハウジング開口部２４４はハウジングの近位端２４０に設けられており、第二のハウジング開口部２４６はハウジングの遠位端２４２に設けられている。ハウジングの内腔２４８は、第一のハウジング開口部２４４と第二のハウジング開口部２４６との間に延びている。

ハウジング２３４は、何らかの適切な材料によって作ることができ且つ何らかの適切な構造的配列を有しており、当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、ハウジングを形成するための適切な材料及び構造的配列を選択することができるであろう。適切であると考えられる材料の例としては、限定的ではないが、ナイロン、ポリエチレン、及びポリカーボネートのようなポリマー、これらの混合物、又はその他の何らかの適切な材料、が挙げられる。

カニューレ２３６は、カニューレの近位端２５０とカニューレの遠位端２５２とを有しており、且つ第一のカニューレ開口部２５４，第二のカニューレ開口部２５６、及びカニューレの内腔２５８の画成している。第一のカニューレ開口部２５４はカニューレの近位端２５０に設けられており、第二のカニューレ開口部２５６はカニューレの遠位端２５２に設けられている。カニューレの内腔２５８は、第一のカニューレ開口部２５４と第二のカニューレ開口部２５６との間に延びている。カニューレの近位端２５０は、ハウジングの内腔２４８とカニューレの内腔２５８とが流体連通するように、ハウジングの遠位端２４２に取り付けられている。

カニューレ２３６は、剛性か又は実質的に剛性であり且つ何らかの適切な材料によって作ることができ、当業者は、カテーテルがその中で使用されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、カニューレを形成するための適切な材料を選択することができるであろう。適切であると考えられている例示的な材料としては、限定的ではないが、ステンレス鋼、チタン、ニッケル・チタン、ニッケル・チタン合金（例えば、ニチノール）のような金属、及びナイロン、ポリエチレン、及びポリカーボネートのようなプラスチックがある。

カニューレ２３６は、任意であるが、カテーテル２１０をカニューレの内腔２５８内に維持する補助とし且つ/又は送り込み装置２３２の微妙なモーター制御を達成するための機構をユーザーに提供するために、カテーテルの長さに沿って設けられた何らかの適切な構造を備えることができ、当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている体内通路のような種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な構造を選択することができるであろう。適切であると考えられる例示的な構造としては、限定的ではないが、コレット、制御ハンドル例えば（２０１１年９月１１日に出願された）同時係属中の米国仮特許出願第６１／５３３，１９０号であり且つこれに言及することによってその全体が本明細書に参考として組み入れられているものに記載されたもののうちのいずれか、及びカニューレに径方向内方への解除可能な力をかけることができるその他の何らかの構造、が挙げられる。例えば、カテーテルを含んでいるカニューレの長さの一部分に沿ってカニューレ上に制御ハンドルを設けることができる。

押し込み器２３８は、第一の部分２６０と第二の部分２６２とを備えている。第一の部分２６０は、第一の近位端２６４と第一の遠位端２６６とを有しており、第二の部分２６２は、第二の近位端２６８と第二の遠位端２７０とを有している。押し込み器２３８は、第一の近位端２６４から第二の遠位端２７０まで延びている押し込み器の長さを有している。

第一の部分２６０は、ハウジング２３４内に摺動可能に配置され、第一の近位端６４がハウジングの近位端２４０の近位側に配置され且つ第一の遠位端２６６がハウジングの内腔２４８内に配置されるように、第一のハウジング開口部２４４を通って延びている。第二の近位端２６８は第一の遠位端２６６に取り付けられており、第二の遠位端２７０はカニューレの内腔２５８内に摺動可能に配置されている。第二の部分２６２は第一の部分２６０に取り付けられていて、第一の部分２６０（例えば、第一の近位端２６４）に力がかけられると、第一の部分２６０の軸線方向の動きが第二の部分２６２に伝えられる。

第二の遠位端２７０は遠位の面２７１を画成しており、該遠位の面２７１は、押し込み器２３８に遠位方向の力がかけられたときにカテーテルの近位端２１２と係合してカテーテル２１０を配備させるようになされている。従って、第二の遠位端２７０は、カテーテル２１０の近位端２１２と係合するようになされていて、押し込み器２３８に遠位方向の力がかけられたときに押し込み器２３８の軸線方向の動きがカテーテル２１０に伝えられる。押し込み器２３８とカテーテル２１０との間での軸線方向の動きの伝達によって、カテーテル２１０は、該カテーテル２１０がカニューレの内腔２５８内に収容されている真っ直ぐな又はほぼ真っ直ぐな第一の形状から、カテーテル２１０がカニューレの内腔２５８に束縛されないか又は実質的に束縛されないときに屈曲部及びコイル部を画成する第二の形状へと動くことが可能にされている。

従って、押し込み器２３８は第一の形状と第二の形状とを有する。第一の形状においては、押し込み器２３８の第二の遠位端２７０は、カテーテル２１０がカニューレの内腔２５８内に配置されるように位置決めされる。第二の形状においては、押し込み器２３８の第二の遠位端２７０は、カテーテル２１０がカニューレの内腔２５８に束縛されないか又は自由になるように位置決めされる。従って、第二の形状においては、押し込み器２３８の第二の遠位端２７０は、カテーテルの長さに応じてカニューレ２３６の長さに沿った種々の位置に位置決めすることができ、当業者は、カテーテルの長さを含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、第二の遠位端のための適切な位置を選択することができるであろう。押し込み器が第二の形状にあるときの押し込み器の第二の遠位端の配置に適すると考えられる位置の例としては、限定的ではないが、第二の遠位端をカニューレの遠位端の近位側に位置決めすること、第二の遠位端をカニューレの遠位端に位置決めすること、及び第二の遠位端をカニューレの遠位端の遠位側に位置決めすること、が挙げられる。

送り込み装置２３２は、カテーテル２１０をカニューレ２３６内に配置させるものとして記載され且つ図示されているけれども、何らかの適切なカテーテルをカニューレ２３６内に備えることは適切であると考えられる。当業者は、行われることが意図されている所望の処置を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切なカテーテルを選択することができるであろう。適切であると考えられる例示的なカテーテルとしては、限定的ではないが、ここに記載されているあらゆるカテーテル（例えば、カテーテル１０、カテーテル１１０、カテーテル２１０、カテーテル３１０、カテーテル８１０）、及びその他の何らかの適切なカテーテル、が挙げられる。

カテーテル２１０は、カニューレの内腔２５８内に配置されており且つ押し込み器２３８が第一の形状にあるときにほぼ真っ直ぐであるものとして記載されているけれども、押し込み器が第一の形状にあるときにカニューレ内にカテーテルの何らかの適切な長さを配置させることができ、当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている体内通路のような種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、カニューレの内腔内に配置すべきカテーテルの適切な長さを選択することができるであろう。カニューレの内腔内に配置すべきカテーテルの例示的な長さとしては、限定的ではないが、カテーテルの少なくとも一部分、カテーテルの全長さ、屈曲部の近位側に位置するカテーテルの部分、屈曲部の遠位側に位置するカテーテルの部分、コイル部の近位側に位置するカテーテルの部分、及びコイル部の遠位側に位置するカテーテルの部分、が挙げられる。カニューレの内腔内に配置されるカテーテルの部分は、第一の形状と第二の形状とを有する。第一の形状においては、カニューレの内腔内に配置されるカテーテルの部分は、真っ直ぐか又はほぼ真っ直ぐである。第二の形状においては、カテーテルは、カニューレに束縛されないか又は実質的に束縛されず且つ屈曲部とコイル部とを画成する。

例えば図４Ａに図示されているように、押し込み器２３８’が第一の形状にあるときには、押し込み器２３８’の第二の遠位端２７０’は、カテーテル２１０’の一部分がカニューレの内腔２５８内に配置され且つカテーテル２１０’の一部分（例えば、カテーテルの遠位端２１４’）がカニューレの遠位端２５２’の遠位側に位置するように位置決めされる。図示されている実施形態においては、カニューレの遠位端２５２’の遠位側に配置されているカテーテル２１０’の部分は、カニューレ２３６’に対する屈曲部（例えば、屈曲部はコイル部の遠位側に配置されている）を形成している。カテーテル２１０’の一部分をカニューレの遠位端２５２’の遠位側に位置決めすることは、少なくとも、前記のカテーテルの部分が押し込み器２３８’に軸線方向の力をかける前にカテーテル２１０’の遠位端２１４’を開口部を介して体内通路内へ導入するための機構を提供するので、有利であると考えられる。

押し込み器２３８の第一の部分２６０は、剛性又は実質的に剛性であり且つ何らかの適切な材料によって作ることができ、当業者は、押し込み器の第二の部分を形成する材料のような種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、押し込み器の第一の部分のための適切な材料を選択することができるであろう。押し込み器の第一の部分を形成するのに適していると考えられる例示的な材料としては、限定的ではないが、ステンレス鋼、チタン、ニッケル・チタン、ニッケル・チタン合金（例えば、ニチノール）、のような金属、並びにナイロン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリカーボネート、のようなプラスチック、が挙げられる。

押し込み器２３８の第二の部分２６２は、可撓性又は実質的に可撓性であり且つ該第二の部分２６２がカニューレの内腔２５８内を動くのを可能にする何らかの適切な材料によって作ることができる。当業者は、押し込み器の第一の部分を形成している材料を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、押し込み器の第二の部分のための適切な材料を選択することができるであろう。押し込み器の第二の部分を形成するのに適していると考えられる例示的な材料としては、限定的ではないが、ステンレス鋼、チタン、ニッケル・チタン、ニッケル・チタン合金（例えば、ニチノール）、のような金属、並びにナイロン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリカーボネート、のようなプラスチック、又は金属とプラスチックとの組み合わせ、が挙げられる。第二の部分が金属によって形成されるときには、該第二の部分を可撓性の金属及び/又はコイル状に巻かれたワイヤーによって形成して送り込み装置のカニューレの内腔内での誘導が達成できるようにすること、は有利であると考えられる。

押し込み器２３８の第二の部分２６２の押し込み器２３８の第一の部分２６０への取り付けは、何らかの適切な取り付け方法を使用して行うことができ、当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている体内通路のような種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な取り付け方法を選択することができるであろう。第二の部分と第一の部分との間の適切であると考えられる例示的な取り付け方法としては、限定的ではないが、インサート成形がある。

第一の部分２６０と第二の部分２６２とを備えている押し込み器２３８の代案として、送り込み装置は、第一の部分のみを備えている押し込み器を備えることができる。この代案としての送り込み装置においては、カテーテルの長さが、押し込み器が第二の部分を備えているときのカテーテルのカテーテル長さよりも長くてカテーテルがハウジングの内腔内へと伸長することを可能にする。押し込み器が、ハウジングの内腔内に配置される長さを有しているカテーテルの構造的安定性を増すために第一の部分のみを備えているときには、ハウジングの内腔の直径を小さくすることが有利であると考えられる。

押し込み器２３８の遠位端２７０は遠位面２７１を画成しているものとして記載され且つ図示されているけれども、押し込み器とカテーテルとの間の軸線方向の動きを伝え且つ/又はカテーテルを押し込み器に解放可能に取り付けることができる何らかの適切な構造的配列は適切であると考えられる。当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な構造的配列を選択することができるであろう。

例えば、図１３に示されているように、図４に示されている遠位面２７１を画成するための代案として、押し込み器１２３８の第二の部分１２６２の遠位端１２７０は、カニューレの遠位端１２５２の遠位側に延び且つコレット１２７２を画成するようになされている。コレット１２７２は、凹部１２７３を画成しており、複数の切り欠き１２７４を有し、第一の形状と第二の形状とを有している。図１３は、第一の形状にあるコレット１２７２を図示しており、この第一の形状においては、コレット１２７２はカニューレ１２３６に束縛されないか又は実質的に束縛されず、コレット１２７２は第一の外径１２７５を画成している。図示されていない第二の形状においては、コレット１２７２は、カニューレの内腔１２５８の中又は実質的に内部に配置されており、第一外径１２７５よりも小さい第二の外径を画成する。押し込み器１２３８の第一の形状から第二の形状への移動は、押し込み器１２３８に近位方向の力をかけることによって行うことができる。

カテーテル１２１０は、コレット１２７２が第一の形状にあり、続いてコレット１２７２を第二の形状へと動かしたときに、カテーテルの遠位端１２１２をコレット１２７２の凹部１２７３内に位置決めすることによって、押し込み器１２３８に解放可能に取り付けることができる。コレット１２７２からのカテーテル１２１０の取り外しは、押し込み器１２３８に遠位方向の力をかけてコレット１２７２をその第二の形状からその第一の形状へと動かすことによって行うことができる。

コレット１２７２は、テーパーが付けられた外面と複数の切り欠き１２７４（例えば、切り溝）とを有するものとして図示されているけれども、何らかの適当な数の切り欠き又はカテーテルに把持力をかけることができる構造的配列を送り込み装置内に具備させることは適切であると考えられる。当業者は、カテーテルの構造的配列のような種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な数の切り欠き及び/又は構造的配列を選択することができるであろう。

任意であるが、ここに記載されている押し込み器のうちのいずれかは、図１４及び１４Ａに図示されている補強部材を備えることができる。図１４は、記載されている点以外は、ハウジングに束縛されない押し込み器２３８と類似している。押し込み器１３３８は、第一の部分１３６０と、第二の部分１３６２と、補強部材１３６３とを備えている。図示されている実施形態においては、補強部材１３６３は、押し込み器１３３８の第二の部分１３６２を貫通して第一の部分１３６０の遠位端１３６６内へと延びている。

補強部材１３６３は、何らかの適切な材料によって作ることができ且つ何らかの適切な方法を使用して押し込み器１３３８内に位置決めすることができる。当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、補強部材のための適切な材料及び補強部材を押し込み器内に位置決めする方法を選択することができるであろう。適切であると考えられている例示的な材料としては、限定的ではないが、ステンレス鋼、チタン、ニッケル・チタン、及びニッケル・チタン合金（例えば、ニチノール）のような金属が挙げられる。補強部材を押し込み器内に位置決めする例示的な方法としては、限定的ではないが、押し込み器の第二の部分内を通り且つ押し込み器の第一の部分内へと延びている通路を形成し、該通路内に補強部材を挿入すること、及び補強部材の周りに押し込み器を形成すること（例えば、インサート成形、及び接着）、が挙げられる。

図１４は、押し込み器１３３８の第二の部分１３６２の長さ部分を通り且つ押し込み器１３３８の第一の部分１３６０の遠位端１３６６内へと延びている補強部材１３６３を備えているものとして図示され且つ記載されているけれども、あらゆる適切な長さの補強部材を押し込み器内に備えることができる。当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、補強部材の適切な長さ及び補強部材を位置決めするための適切な位置を選択することができるであろう。適切であると考えられる例示的な長さの補強部材としては、限定的ではないが、押し込み器の遠位端又は押し込み器の遠位端の近位側の位置から、押し込み器の近位端か、押し込み器の第二の部分の近位端か、押し込み器の第二の部分の近位端と押し込み器の第一の部分の近位端との間の位置か、押し込み器の第二の部分の近位端と押し込み器の第二の部分の遠位端との間の位置、まで延びる補強部材が挙げられる。

図５は、第二の例示的な送り込み装置３３２とカテーテル２１０とを図示している。送り込み装置３３２は、以下に詳説する点以外は、図４に図示し且つ上記した送り込み装置２３２と類似している。送り込み装置３３２に関して、図５における参照符号は、図４における番号と同じ番号に数字１００を追加された参照符号を付された同じ構造要素又は機構を指している。従って、送り込み装置３３２は、ハウジング３３４とカニューレ３３６と押し込み器３３８とを備えている。

図示されている実施形態においては、ハウジング３３４は、長穴３７２と突起部３７４と指用フランジ３７６と溝３７８とを画成している。押し込み器３３８は、突出した軌道３８２と突起部３８４と指用フランジ３８６とを画成している。更に、カニューレ３３６は、カニューレの長さに沿って屈曲部３８０を画成している。

長穴３７２は、細長く且つハウジングの近位端３４０からハウジングの遠位端３４２に向かって且つハウジング３３４の壁３４３を貫通して延びている。長穴３７２はハウジングの内腔３４８へのアクセスを提供している。長穴３７２は、以下に説明するように、突出した軌道３８２が長穴３７２内に摺動可能に配置されるのを可能にする何らかの適切な長さ及び幅を有することができる。当業者は、ハウジングと共に使用することが意図されている押し込み器の構造的配列を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、長穴のための適切な構造的配列を選択することができるであろう。

突起部３７４の各々は、長穴３７２内へと延びており且つ該突起部の遠位端から該突起部の近位端までテーパーが付けられている。突起部３７４は、突起部３８４が突起部３７４を画成しているハウジング３３４の長さ部分内を少なくとも遠位方向に通過できるように、何らかの適切な長さを有し且つ何らかの適当なテーパーを画成している。当業者は、該ハウジングと共に使用されることが意図されている押し出し器の構造的配列を含む種々の考慮すべき点に基づく実施形態に従って、ハウジングの突起部のための適切な構造的配列を選択することができるであろう。

指用のフランジ３７６の各々は、ハウジング３３４から径方向外方へ延びており且つその長さに沿って湾曲部を画成している。指用のフランジ３７６は、ユーザーが送り込み装置３３２を把持するための構造を有利に提供し且つハウジング３３４と押し出し器３３８との間での軸線方向の動きを生じさせる。

溝３７８の各々は、ハウジング３３４の壁３４３内へと延びている凹部を画成しており且つ送り込み装置３３２の回転が達成できるようにユーザーが１本以上の指の間に送り込み装置３３２を位置決めできる機構を提供する。指用フランジ３７６及び溝３７８のための特別な構造的配列を記載し且つ図示したけれども、他の構造的配列も適切であると考えられる。当業者は、ハウジングと共に使用されることを意図されている押し出し器の構造的配列を含む種々の考慮すべき点に基づく特別な実施形態に従って、指用フランジ及び溝のための適切な構造的配列を選択することができるであろう。任意であるが、指用フランジ３７６及び／又は溝３７８は、送り込み装置３３２から省くことができる。

図示されている実施形態においては、カニューレ３３６は、カニューレの近位端３５０からカニューレの遠位端３５２まで延びているカニューレの長さを有しており且つ該カニューレの長さに沿って屈曲部３８０を画成している。屈曲部３８０は、カニューレ３３６上に何らかの適切な角度３８１で設けられ、カニューレの長さに沿った何らかの適切な位置に形成することができる。当業者は、その中にカテーテルが配備される体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、屈曲部の適切な角度及び位置を選択することができるであろう。本発明者らは、約１度〜約１８０度の角度が適切であると判断した。更に、本発明者らは、約１１０度〜約１７０度の角度が適切であると判断した。更に、本発明者らは、約１５０度か、１５０度に等しいか、１５０度にほぼ等しい角度もまた適切であると判断した。

更に、単一の屈曲部を画成しているカニューレを図示し説明したけれども、送り込み装置のカニューレは、カニューレの長さに沿って何らかの適切な数の屈曲部を画成することができ、当業者は、カテーテルがその中で使用されることを意図されている体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な屈曲部の数を選択することができるであろう。カニューレに適していると考えられる屈曲部の例示的な数としては、限定的ではないが、１個、２個、３個、４個、及び特別な用途に適していると考えられる何らかのその他の数、が挙げられる。例えば、カニューレは、カニューレの長さに沿って、近位の屈曲部と遠位の屈曲部とを画成することができ、これらの屈曲部は、互いに等しいか角度かほぼ等しい角度か異なる角度で画成することができる（例えば、近位の屈曲部よりも小さい角度の遠位の屈曲部、近位の屈曲部よりも大きい角度の屈曲部）。

図示されている実施形態においては、押し込み器３３８の第一の部分３６０は、突出している軌道３８２と、突起部３８４と、指用フランジ３８６と、を画成している。突出している軌道３８２は、押し込み器３３８の長さの一部分又は全体に沿って第一の部分３６０から径方向外方へ向かって延びており且つ長穴３７２を補完する構造的配列を画成している。突出している軌道３８２又はその一部分は、押し込み器３３８に軸線方向の力がかけられたときに押し込み器３３８がハウジング３３４の長さに沿って軸線方向に動けるように、長穴３７２内に摺動可能に配置されている。突出している軌道３８２は、長穴３７２内に摺動可能に配置できるように適切な長さ及び幅を有することができる。当業者は、押し込み器と共に使用されるように意図されているハウジングの構造的配列を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、突出している軌道のための適切な構造的配列を選択することができるであろう。

突起部３８４は、突出している軌道３８２の遠位端に画成されており、該突起部の各々は、突出している軌道３８２から径方向外方へ延びている。各突起部３８４は、該突起部３８４の近位端から遠位端に向かってテーパーが付けられている。突起部３８４は、該突起部３８４が突起部３７４を画成しているハウジング３３４の長さを少なくとも遠位方向に通り過ぎることができるように、何らかの適切な長さを有することができ且つ何らかの適切なテーパーを画成している。当業者は、押し込み器と共に使用されることを意図されているハウジングの構造的配列を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、押し込み器の突起部のために適切な構造的配列を選択することができるであろう。

突出している軌道３８２と突起部３８４とは、該突出している軌道３８２と突起部３８４とが長穴３７２内に摺動可能に配置されるように長穴３７２と突起部３７４とを補完する構造的配列を有している。突起部３８４は、矢印３８５で示されている遠位方向へ突起部３７４を通り過ぎるようになされていて、ひとたび突起部３８４が突起部３７４の遠位側に位置決めされると、突起部３７４の遠位端と突起部３８４の近位端とは、相互作用して押し込み器３３８の近位方向の動きを制限するようになされている。長穴３７２の遠位端は、矢印３８５によって示されている押し込み器３３８の遠位方向の動きを制限する。従って、長穴３７２は、ハウジング３３４の長さに沿った押し込み器３３８の近位方向及び遠位方向の軸線方向の動きをガイドするための軌道を有利に提供する。例えば、突出している軌道３８２が長穴３７２内へ挿入されると、長穴３７２を横断する方向の各突起部３７４同士の間の距離が第一の距離からより大きな第二の距離まで増大して、突起部３８４が突起部３７４を越えて遠位方向に通り過ぎることが可能になる。ひとたび突起部３８４が通り過ぎて突起部３７４の遠位側に位置決めされると、長穴３７２を横断する方向の各突起部３７４同士の間の距離は第一の距離へと戻り、突起部３７４の遠位端と突起部３８４の近位端との間の相互作用（例えば、干渉）が起こる。

指用フランジ３８６が、突出している軌道３８２の長さに沿って設けられ且つ該突出している軌道３８２から径方向外方へ延びている。指用のフランジ３８６は、力がかけられたときに押し込み器３３８を軸線方向近位方向又は遠位方向に進めるための機構を有利に提供している。少なくとも、（例えば、手が小さいユーザーによって）押し込み器３３８が近位方向及び遠位方向に動かされるための付加的な構造を提供するために、第一の近位端３６４と第一の遠位端３６６との間に押し込み器３６６の長さに沿って指用フランジ３８６を設けることは有利であると考えられる。単一の指用フランジ３８６が突出軌道３８２の長さに沿って設けられているものとして記載され且つ図示されているけれども、押し込み器３３８の長さに沿った何らかの適切な位置に何らかの適切な数の指用フランジを位置決めすることができ、当業者は、指用フランジと共に使用されることを意図されている押し込み器の構造的配列を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な数の指用フランジ及び各指用フランジ３８６を位置決めするための適切な位置を選択することができるであろう。適切であると考えられる指用フランジの例示的な数としては、限定的ではないが、１個、２個、３個、４個、及び特別な用途に適すると考えられるその他の何らかの数、が挙げられる。

送り込み装置３３２は、カニューレ３３６内に配置されているカニューレ２１０を備えているものとして記載され且つ図示されているけれども、カニューレ３３６内に何らかの適切なカテーテルを備えることは適切であると考えられている。当業者は、行うことが意図されている所望な処置を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切なカテーテルを選択することができるであろう。適切であると考えられる例示的なカテーテルとしては、限定的ではないが、ここに記載されている何らかのカテーテル（例えば、カテーテル１０、カテーテル１１０、カテーテル２１０、カテーテル３１０、カテーテル８１０、）、及びその他の何らかの適切なカテーテル、が挙げられる。

図６は、第三の例示的な送り込み装置４３２を図示している。送り込み装置４３２は、以下に詳説する点以外は、図５に図示し且つ上記した送り込み装置３３２と類似している。送り込み装置４３２に関して、図６における参照符号は、図５における番号と同じ番号に数字１００を追加された参照符号を付された同じ構造要素又は機構を指している。従って、送り込み装置４３２は、ハウジング４３４とカニューレ４３６と押し込み器４３８とを備えている。

図示されている実施形態においては、図５に図示されている突起部３７４と突出している軌道３８２と突起部３８４とは省かれており、ハウジング４３４は、該ハウジング４３４の壁４４３を貫通して延びている第二の長穴４７３を画成している。第二の長穴４７３は、ハウジングの近位端４４０とハウジングの遠位端４４２との間に配置されている長穴の第一の端部４７５から、長穴の第一の端部４７５の遠位側で且つハウジングの遠位端４４２と長穴の第一の端部４７５との間に配置されている長穴の第二の端部４７７まで延びている。押し込み器４３８は、該押し込み器４３８の第一の部分４６０から径方向外方へ延びているピン４３９を備えている。ピン４３９は、第二の長穴４７３内に配置されるようになされており且つ長穴の第一の端部４７５と長穴の第二の端部４７７との間に位置する長さ間での押し込み器４３８の近位方向及び遠位方向の動きを制限するための機構を提供する。

ピン４３９は何らかの適切な方法を使用して製造プロセス中の何らかの適切な時期に押し込み器４３８に取り付けることができ、当業者は、送り込み装置のハウジングの構造的配列を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、ピンを押し込み器に取り付けるための適切な方法及び時期を選択することができるであろう。送り込み装置４３２は、図５に示されている突起部３７４と突出している軌道３８２と突起部３８４との配備を省いたものとして記載されているけれども、これらの構成要素は、任意に送り込み装置４３２内に備えることができる。

図７は、第四の例示的な送り込み装置５３２を図示している。送り込み装置５３２は、以下に詳説される点を除いて、図５に示され且つ上記した送り込み装置３３２と類似している。送り込み装置５３２に関して、図７における参照符号は、図５における番号と同じ番号に数字２００を追加された参照符号を付された同じ構造要素又は機構を指している。従って、送り込み装置５３２は、ハウジング５３４とカニューレ５３６と押し込み器５３８とを備えている。

図示されている実施形態においては、図５に図示されている長穴３７２と突起部３７４と指用フランジ３７６と突出している軌道３８２と突起部３８４とは省かれており、ハウジング５３４は、該ハウジング５３４の壁５４３を貫通して延びている長穴５７３を画成している。長穴５７３は、ハウジングの近位端５４０とハウジングの遠位端５４２との間に配置されている長穴の第一の端部５７５から、該長穴の第一の端部５７５の遠位側に配置されている長穴の第二の端部５７７まで、及びハウジングの遠位端５４２と長穴の第一の端部５７５との間に延びている。押し込み器５３８は２つの指用フランジ５４１を備えており、該２つの指用フランジの各々は、押し込み器５３８の第一の部分５６０から径方向外方へ伸びている第一の部分と、長穴５７３の外側に配置されている第二の部分とを備えている。指用フランジ５４１の各々の第一の部分は、長穴５７３内に配置されるようになされており、且つ長穴の第一の端部５７５と長穴の第二の端部５７７との間に位置している長さ間での押し込み器５３８の近位方向及び遠位方向の動きを制限するための機構を提供している。第二の部分は、ハウジング５３４の外面に沿って摺動するようになされており且つユーザーが軸線方向の動きを押し込み器５３８へ伝えるための機構を提供している。

指用フランジ５４１は、何らかの適切な方法を使用して製造プロセス中の何らかの適切な時期に押し込み器５３８に取り付けることができ、当業者は、送り込み装置のハウジングの構造的配列を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、指用フランジを押し込み器に取り付けるための適切な方法及び時期を選択することができるであろう。送り込み装置５３２は、図５に図示されている長穴３７２と突起部３７４と突出している軌道３８２と突起部３８４とは省かれたものとして記載されているけれども、これらの構成要素は送り込み装置５３２内に任意に具備させることができる。

２つの指用フランジ５４１が図示されているけれども、何らかの適切な数の指用フランジを送り込み装置上に装備することができ、当業者は、送り込み装置の長さを含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、指用フランジの適切な数を選択することができるであろう。送り込み装置上に備えるのに適すると考えられる指用フランジの例示的な数としては、限定的ではないが、少なくとも１個、２個、複数個、３個、及び特定の用途に適すると考えられるその他の何らかの数、が挙げられる。

図８Ａ及び８Ｂは、第五の例示的な送り込み装置６３２とカテーテル２１０とを図示している。送り込み装置６３２は、以下に詳説される点を除いて、図５に示され且つ上記した送り込み装置３３２と類似している。送り込み装置６３２に関して、図８Ａ及び８Ｂにおける参照符号は、図５における番号と同じ番号に数字３００を追加された参照符号を付された同じ構造要素又は機構を指している。従って、送り込み装置６３２は、ハウジング６３４とカニューレ６３６と押し込み器６３８とを備えている。

図示されている実施形態においては、押し込み器６３８は更に、細長い部材７００とばね７０２とキャップ７０４とを備えている。

押し込み器６３８の第一の部分６６０は、通路６６１と切り欠き６６３とを画成している。通路６６１は、第一の近位端６６４の開口部から第一の遠位端６６６の開口部まで第一の部分６６０の長さに沿って延びている。切り欠き６６３は、第一の部分の本体を貫通して延びており且つ通路６６１と連通している。押し込み器６３８の第二の部分６６２は、該第二の部分６６２の長さに沿って、第二の近位端６６８の開口部から第二の遠位端６７０の開口部まで延びている通路６６５を画成している。

細長い部材７００は、近位端７０６と、遠位端７０８と、本体７１０と、本体７１０から径方向外方へ延びているフランジ７１２と、を備えている。本体７１０は、通路６６１内を通り且つ通路６６５内へと摺動可能に設けられている。フランジ７１２は、第一の部分６６０によって画成されている切り欠き６６３内に摺動可能に配置されている。カニューレの内腔内を通る進入が達成できるように細長い部材７００が可撓性の材料又は実質的に可撓性の材料によって作られることは、有利であると考えられている。

細長い部材７００は特別な材料によって形成されているものとして記載されているけれども、細長い部材はあらゆる適切な材料によって作ることができ、当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、細長い部材のための適切な材料を選択することができるであろう。細長い部材を形成するのに適していると考えられる例示的な材料としては、限定的ではないが、ナイロン、ポリエチレン、ポリカーボネート、及びこれらの混合物、のようなポリマー、及びステンレス鋼、チタン、ニッケル・チタン、コイル状に巻かれた材料、又はその他の適切な材料、が挙げられる。

更に、細長い部材７００は一体構造物として図示されているけれども、細長い部材を形成するための何らかの適切な数の構成要素を使用することができ、当業者は、種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な数の構成要素を選択することができるであろう。例えば、図８Ｃに図示されているように、細長い部材７３０は、本体７３２と、保持部材７３４と、スナップ式のピン７３６と、を備えている。図示されている実施形態においては、保持部材７３４は、図８Ａ及び８Ｂに関して図示し且つ説明したフランジ７１２に置き換えられており、本体７３２は、以下に説明するように、保持部材７３４に対して回転可能である。

本体７３２は、近位端７３８と遠位端７４０とを有しており、且つ第一の直径７４２と第二の直径７４４と肩部７４６と凹部７４８とを画成している。第一の直径７４２は、近位端７３８から遠位端７４０に向かって肩部７４６まで延びている。第二の直径７４４は、肩部７４６から遠位端７４０まで延びている。凹部７４８は、第一の直径７４２を画成している本体７３２の部分まで径方向に延びており且つ近位端７３８と肩部７４６との間に配置されている。

保持部材７３４は、近位側７５０と遠位側７５２とを有しており、且つ外径７５４と、近位側７５０の開口部から遠位側７５２の開口部まで延びている通路７５６と、を画成している。

第一の直径は通路７５６の直径より小さく、第二の直径は通路７５６の直径より大きい。第一の直径７４２を画成している本体７３２の部分は、保持部材７３４の通路７５６の中に配置されている。第一の直径７４２を画成している本体７３２の長さは、変更することができ、単に近位端７３８と凹部７４８とを保持部材７３４の近位側７５０に配置することのみが必要とされる。スナップ式のピン７３６が、本体７３２を保持部材７３４に回転可能に取り付けるために凹部７４８内に配置されている。

保持部材７３４に対して自由に回転できる本体７３２を備えることは、少なくとも、この構造が、本体７３２と解放可能に取り付けられているカテーテル（図示せず）とが使用時に送り込み装置に対して自由に回転することができるようにするので、有利であると考えられる。送り込み装置に対して回転するカテーテルの機能は、少なくとも、配備中にカテーテルが体内通路の解剖学的構造に対して調整されることができるので、有利であると考えられる。

スナップ式のピン７３６は、本体７３２と保持部材７３４との間の取り付けを提供するものとして図示され且つ記載されているけれども、本体を保持部材の通路内に維持することができる何らかの適切な構成要素及び/又は構造が適切であると考えられ、当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な構成要素及び/又は構造を選択することができるであろう。適切であると考えられる例示的な構成要素及び/又は構造としては、限定的ではないが、Ｏ−リング、コッターピン、及び保持リング、が挙げられる。

ばね７０２が、通路６６１内のフランジ７１２の近位側で且つキャップ７０４の遠位側に配設されている。従って、ばね７０２は、フランジ７１２とキャップ７０４との間に配設されている。図示されている実施形態においては、ばね７１２は、該ばねが圧縮された距離に比例した圧縮に抗する力をかける圧縮ばねである。ばね７０２は特定のタイプのばねとして記載されているけれども、何らかの適切な材料によって形成され且つ何らかの適切な圧縮長さ及び/又は非圧縮長さを有する何らかの適切なばねが適していると考えられる。当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切なばね、ばねを形成する材料、及び適切な圧縮及び/又は非圧縮長さを選択することができるであろう。

キャップ７０４は、ばね７０２及び細長い部材７００を通路６６１内に保持することができる何らかの適切な部材を備えており、当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な部材を選択することができるであろう。図示されている実施形態においては、キャップ７０４は、近位端７２０と遠位端７２２と本体７２４とを備えており、且つ本体７２４内を遠位端７２２から近位端７２０に向かって延びている凹部７２６を画成している。キャップ７０４は、押し込み器６３８の第一の近位端６６４に解放可能に取り付けられるようになされている。キャップ７０４と第一の近位端６６４との間の解放可能な取り付けは、部材間の干渉嵌合のような何らかの適切な取り付け方法を使用して行うことができる。

送り込み装置６３２は、第一の形状と第二の形状とを有している。図８Ａは、第一の形状にある送り込み装置６３２を図示しており、該第一の形状においては、ばね７０２が細長い部材７００の近位端７０６に力をかけて、フランジ７１２が切り欠き６６３の遠位端と相互作用している。この形状においては、カテーテル２１０は、細長い部材７００の遠位端７０８に解放可能に取り付けられている。カテーテル２１０と細長い部材７００との解放可能な取り付けは、細長い部材７００の遠位端７０８とカテーテル２１０との間の干渉嵌合によって行われ、この場合に、細長い部材７００の遠位端７０８はカテーテルの内腔２２０内に配置される。

図８Ｂは、第二の配備形態にある送り込み装置６３２を図示している。この形態においては、押し込み器６３８に遠位方向の力がかけられていて、押し込み器６３８はハウジングの内腔６４８内を遠位方向に進入せしめられた状態である。

押し込み器６３８が第一の形状から第二の形状へと遠位方向に動かされると、フランジ７１２がハウジングの近位端６４０と接触する状態となり、ばね７０２が圧縮し始める。押し込み器６３８が遠位方向に動き続けると、押し込み器６３８の第一の部分６６０と第二の部分６６２とが細長い部材７００の外周に沿って遠位方向に進入し、第二の遠位端６７０が、カテーテル２１０の近位端と相互作用して押し込み器６３８の軸線方向の動きをカテーテル２１０の近位端２１２に伝える。押し込み器６３８からカテーテル２１０への軸線方向の動きの伝達と、フランジ７１２とハウジングの近位端６４０との相互作用とによって、押し込み器の第二の部分６６２が細長い部材７００の遠位端７０８を越えて動かされることによって、カテーテル２１０が細長い部材７００から自由になる。ひとたび図８Ｂに示されている第二の形状へと動くと、カテーテル２１０は細長い部材７００から自由になり、カテーテル２１０は、ここで更に説明するように、体内通路内に配備させることができる。

任意であるが、送り込み装置６３２はカラーを備えることができ、該カラーは、押し込み器６３８上のフランジ７１２の近位側で且つ第一の近位端６６４の遠位側に位置決めすることができる。従って、該カラーは、フランジ７１２と第一の近位端６６４との間に位置決めすることができる。該カラーは、何らかの適切な方法（例えば、スナップ式嵌合）を使用して押し込み器６３８に解放可能に取り付くようになされており、少なくとも、押し込み器６３８に取り付けられたときに細長い部材７００が近位方向に動くのを阻止するので、有利であると考えられる。従って、カラーを設けることによって、カテーテルを細長い部材７００の遠位端７０８に取り付けるための機構が提供される。

ここでは特定の送り込み装置を記載し且つ図示したけれども、何らかの適切な構造的配列を有している何らかの適切な送り込み装置がカテーテルを送り込むのに適していると考えられる。当業者は、カテーテルがその中で使用されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な送り込み装置を選択することができるであろう。

更に、何らかの送り込み装置に関してここに記載されている構成要素、機構、及び／又は構造的配列は、何らかの適切な方法によって組み合わせることができ、当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、送り込み装置の適切な構成要素、機構、及び／又は構造的配列を選択することができるであろう。

図９Ａ，９Ｂ，９Ｃ，９Ｄは、送り込み装置３３２を使用してカテーテル８１０を上顎洞８９４内に配備する方法を図示している。カテーテル８１０は、以下に詳説する以外は、図１に図示されているカテーテル１０と類似している。図９Ａ，９Ｂ，９Ｃ，９Ｄにおける参照符号は、図１における番号と同じ番号に数字８００を追加された参照符号を付された同じ構造的要素又は構造を指している。従って、カテーテル８１０は、カテーテルの近位端８１２とカテーテルの遠位端８１４とを有しており、且つカテーテルの内腔８２０、屈曲部８２２、及びコイル部８２４を画成している。

図示されている実施形態においては、カテーテルの遠位端８１４はテーパーが付けられており、カテーテル８１０は、複数の穴８２８が画成されており且つ屈曲部８２２に配置されている標識８３０を備えている。カテーテル８１０は９０度に等しいかほぼ等しい角度で屈曲部８２２を画成しており、複数の穴８２８は屈曲部８２２の遠位側のコイル部８２４の長さに沿って配置されている。

カテーテル８１０の配備は送り込み装置３３２によって行われるものとして記載され且つ図示されているけれども、カテーテル８１０の配備は、ここに記載されている方法のような何らかの適切な送り込み装置及び何らかの適切な方法を使用して行うことができる。当業者は、カテーテルがその中で使用されることを意図されている体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、カテーテルを配備するための適切な送り込み装置及び方法を選択することができるであろう。適切であると考えられるカテーテルを送り込む例示的な方法としては、限定的ではないが、ここに記載されている送り込み装置のうちの１つを使用する方法、及び予め配置されているガイドワイヤの外周に沿ってカテーテルを送り込む方法が挙げられる。

更に、カテーテル８１０の配備が上顎洞８９４に関して記載され且つ図示されているけれども、カテーテルの配備は、適切な体内通路、鼻腔路、又は鼻腔内で行うことができる。当業者は、行うことが意図されている所望の処置を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、カテーテルを配備するための適切な位置を選択することができるであろう。

更に、送り込み装置３３２をカテーテル８１０を配備するためのものとして記載し図示したけれども、上顎洞８９４のような体内通路内に何らかの適切なカテーテルを配備させることが適切であると考えられる。当業者は、行われるべき所望の処置を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、体内通路内に配備するための適切なカテーテルを選択することができるであろう。適切であると考えられる例示的なカテーテルとしては、限定的ではないが、ここに記載されている何らかのカテーテル（例えば、カテーテル１０、カテーテル１１０、カテーテル２１０、カテーテル３１０、カテーテル８１０）が、挙げられる。

図９Ａは、鼻の穴８９０内を通され且つ鼻腔路８９２内に配置された送り込み装置３３２のカニューレの遠位端３５２を図示している。カテーテル８１０は、第一の真っ直ぐな又はほぼ真っ直ぐな形状でカニューレの内腔３５８内に配置されており、カテーテルの遠位端８１４はカニューレの内腔３５８内に配置されている。

図９Ｂにおいては、押し込み器３３８の第二の遠位端３７０は、矢印３８５によって図示されている軸線方向遠位方向に進入せしめられており、カテーテル８１０は、部分的に配備された形態にあってカテーテルの遠位端８１４はカニューレの内腔３５８によって束縛されていない。図９Ｂからわかるように、ひとたびカテーテルの遠位端８１４がカニューレの内腔から自由になると、カテーテル８１０はその第二の形状へと動き始め且つカニューレ３３６に対して湾曲してコイル部８２４を画成し始める。このことは、少なくともカテーテル８１０が第二の形状へと動くと、カテーテルの遠位端８１４は、所望の体内通路へ、この場合には上顎洞口８９６を通って上顎洞８９４内へ誘導され得るので、有利であると考えられる。

カテーテル８１０を上顎洞口８９６の中を通すことが記載され且つ図示されているけれども、カテーテルは何らかの適切な開口部を通され且つ何らかの適切な体内通路内へと通すことができ、当業者は、行われるべき処置を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な開口部及び体内通路を選択することができるであろう。カテーテルがその中を通過するのに適すると考えられる例示的な開口部としては、限定的ではないが、例えば、（２０１１年６月１０日に出願された）同時係属中の米国特許出願第１３／１５８，０６３号に記載されているもののいずれかのような、補助小孔、天然の小孔、鼻腔路、及び通風管の開口部、が挙げられる。該米国特許出願は、これに言及することにより、その全体が本明細書に組み入れられている。

図９Ｃにおいては、押し込み器３３８は、矢印３８５によって図示されている軸線方向遠位方向に進入せしめられていて、カテーテル８１０はカニューレの第二の開口部３５６を通って進入せしめられて標識８３０が露出せしめられている。カテーテルの遠位端８１４は、上顎洞８９４内へと進入せしめられており、カテーテル８１０はコイル部８２４を画成している。コイル部８２４をカテーテルの長さに沿って画成することは、少なくともカテーテル８１０を上顎洞８９４内の定位置に保持するための機構を提供し、且つカテーテル８１０が上顎洞８９４から大きな力をかけることなく取り出すことを可能にするので、有利であると考えられる。更に、コイル部８２４は、少なくとも薬剤又は流体を（例えば、複数の穴８２８を介して）導入するための付加的な構造を提供するので、有利であると考えられる。

図９Ｄは、カテーテル８１０が屈曲部８２２とコイル部８２４とを画成している完全に配備された第二の形態にあるカテーテル８１０を図示している。コイル部８２４は上顎洞８９４内に位置決めされており、屈曲部８２２の近位側に位置するカテーテル８１０の部分は、鼻腔路８９２内を通り鼻の穴８９０から出て行っている。少なくとも屈曲部８２２の近位側に位置するカテーテル８１０の部分を鼻腔路８９２の下方に位置決めするため、不快さを最少にするため、及びユーザーが薬剤又は流体をカテーテルの第一の開口部８１６を通してカテーテルの内腔８２０内へ且つ上顎洞８９４内へと導くことができるようにカテーテルの近位端８１２が位置決めされるようにするために、屈曲部８２２を設けることは有利であると考えられる。

鼻の穴８９０から延びているカテーテル８１０の何らかの余分な長さは、何らかの適切な長さに調製することができ、当業者は、鼻腔路の長さを含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、カテーテルの近位端を調製する適切な長さを選択することができるであろう。適切であると考えられる例示的な長さとしては、限定的ではないが、近位端が鼻腔路（例えば、鼻の穴の近位側）内に配置されるようにカテーテルの近位端を調製すること、近位端が鼻腔路（例えば、鼻の穴）の開口部に配置されるようにカテーテルの近位端を調製すること、及び近位端が鼻腔路（例えば、鼻の穴）の開口部の近位側に配置されるようにカテーテルの近位端を調製すること、が挙げられる。

図１０は例示的なキット９００を図示しており、該キットは、図５に図示されている送り込み装置３３２のような一実施形態による送り込み装置９０２と、ここに記載されているカテーテル１０、カテーテル１１０、カテーテル２１０、カテーテル３１０、カテーテル８１０のような一実施形態による複数のカテーテル９０４，９０６，９０８と、複数の薬剤又は流体の容器９１０と、第一のアプリケータ先端部材９１２と、第二のアプリケータ先端部材９１３と、薬剤又は流体をカテーテル内へ導入するための器具９１４と、使用説明書９１６と、を備えている。

単一の送り込み装置９０２、複数のカテーテル９０４，９０６，９０８、及び複数の薬剤又は流体の容器９１０が、キット９００内に記載され且つ図示されているけれども、何らかの適切な数の送り込み装置、カテーテル、及び薬剤又は流体の容器、をキット９００内に含めることができる。当業者は、その中にカテーテルが配備されることを意図されている体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づく特定の実施形態に従って、適切な数の送り込み装置、カテーテル、及び薬剤又は流体の容器を選択することができるであろう。キット内に含ませるのが適切であると考えられる送り込み装置、カテーテル、及び／又は薬剤又は流体の容器の例示的な数としては、限定的ではないが、１個、２個、３個、４個、及び特定の用途に対して適切であると考えられるその他の何らかの数、が挙げられる。

更に、送り込み装置９０２とカテーテル９０４，９０６，９０８とがキット９００内に記載され且つ図示されているけれども、何らかの適切な送り込み装置及び何らかの適切なカテーテルをキット９００内に含ませることができる。当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な送り込み装置及びカテーテルを選択することができるであろう。キット９００内に含ませるのに適していると考えられる例示的な送り込み装置としては、限定的ではないが、送り込み装置２３２、送り込み装置３３２、送り込み装置４３２、送り込み装置５３２、送り込み装置６３２、ワイヤガイド、及び/又は特別な用途に適していると考えられる何らかのその他の送り込み装置、が挙げられる。適切と考えられる例示的なカテーテルとしては、カテーテル１０、カテーテル１１０、カテーテル２１０、カテーテル３１０、カテーテル８１０、及び/又は特別な用途に適していると考えられる何らかの他のカテーテル、が挙げられる。

第一のアプリケータ先端部材９１２と第二のアプリケータ先端部材９１３とは、該アプリケータ先端部材がカテーテルの第一の開口部（例えば、カテーテルの第一の開口部１６）と連通するように、カテーテルの近位端に解放可能に取り付けられるようになされている。第一のアプリケータ先端部材９１２と第二のアプリケータ先端部材９１３との各々は、ユーザーが、薬剤又は流体をカテーテルの内腔内を通過させるための付加的な構造物（注射器）をカテーテルの近位端に付加することができるようになされている。第一のアプリケータ先端部材９１２と第二のアプリケータ先端部材９１３との各々は、何らかの適切な構造的配列を有することができ且つ適切な材料によって作ることができ、当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路のような種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、アプリケータ先端部材のための適切な構造的配列及び材料を選択することができるであろう。例えば、アプリケータ先端部材は、可撓性の材料によって作ることができ、且つアプリケータ先端部材がカテーテルの近位端（例えば、カテーテルの内腔内）に位置決めされたときにシールが提供されるようにテーパーを付けることができる。別の方法として、アプリケータ先端部材は、該アプリケータ先端部材がカテーテルの内腔内に挿入でき且つ薬剤又は流体がカテーテルの内腔内を通過できるように、カテーテル内腔の内径より小さい外径を有することができる。

薬剤又は流体をカテーテル内に導入するための何らかの適切な器具９１４をキット内に含めることができ、当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な器具を選択することができるであろう。適切であると考えられる例示的な器具としては、限定的ではないが、注射器及び薬剤又は流体をカテーテルの内腔内へ導入することができるその他の何らかの器具が挙げられる。

図１１は、ここに記載されたカテーテル８１０のような医療器具を鼻腔内に配備する例示的な方法１０００のフローチャート表示である。第一のステップ１００２は、カニューレ３３６内に配設されているカテーテルを備えている送り込み装置３３２のような送り込み装置を鼻腔路内へ進入させて、カニューレの遠位端３５２が鼻腔路内に配置されるようにするステップからなる。従って、該送り込み装置は、送り込み装置の近位端と送り込み装置の遠位端とを有しており、該送り込み装置の一部分（例えば、該送り込み装置の遠位端）が鼻腔内に配置される。別のステップ１００４は、カニューレの遠位端３５２を処置箇所に向けて誘導するステップからなる。別のステップ１００６は、押し込み器３３８に遠位方向の力をかけて、カテーテルの遠位端８１４がカニューレの第二の開口部３５６内を通過して第一の真っ直ぐな又はほぼ真っ直ぐな形状からコイル部８２４を画成する第二の形状へと移動し始めさせるステップからなる。別のステップ１００８は、押し込み器３３８遠位方向の力をかけ続けて、カテーテルの遠位端８１４が鼻腔路内を通過して鼻腔内へと通過し且つカテーテル８１０が鼻腔内にコイル部８２４を画成するようにさせることからなる。別のステップ１０１０は、標識８３０を可視化させることからなる。別のステップ１０１２は、送り込み装置（例えば、カニューレの遠位端３５２）を鼻腔路から抜き出すことからなる。別のステップ１０１４は、カテーテル８１０の配置を確認することからなる。別のステップ１０１６は、カテーテルの長さを調製することからなる。

カニューレ３３６内にカテーテル８１０が設けられている送り込み装置３３２のような送り込み装置を、カニューレの遠位端３５２が鼻腔路内に配置されるように鼻腔路内に進入させるステップ１００２は、鼻腔のような体内通路内に配備することができる何らかの適切な送り込み装置又は構造を使用して行うことができる。方法１０００は、カテーテルを鼻腔内に配備するために送り込み装置３３２を使用するものとして記載されているけれども、カテーテルを配備するために何らかの適切な送り込み装置を使用することは適切と考えられる。当業者は、行うことが意図されている所望の処置を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な送り込み装置を選択することができるであろう。適切と考えられる例示的な送り込み装置としては、限定的ではないが、送り込み装置２３２、送り込み装置３３２、送り込み装置４３２、送り込み装置５３２、送り込み装置６３２、ガイドワイヤ、及びその他の何らかの送り込み装置、が挙げられる。

更に、方法１０００はカテーテル８１０を鼻腔内に配備する方法として記載されているけれども、何らかの適切なカテーテルを何らかの適切な体内通路内に配備することが適切と考えられる。当業者は、行われることが意図されている所望の処置を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切なカテーテル及び体内通路を選択することができるであろう。適切と考えられる例示的なカテーテルとしては、限定的ではないが、カテーテル１０、カテーテル１１０、カテーテル２１０、カテーテル３１０、カテーテル８１０、及びその他の何らかの適切なカテーテルが挙げられる。

カニューレの遠位端３５２を治療箇所に向けて誘導するステップ１００４は、カニューレの遠位端３５２を、鼻腔路内を通し且つ治療箇所（例えば、上顎洞、上顎洞口）に向けて誘導することによって行うことができる。

カテーテルの遠位端８１４がカニューレの第二の開口部３５６内を通過し且つ第一の真っ直ぐか又はほぼ真っ直ぐな形状からコイル部８２４を画成する第二の形状へと動き始めるように押し込み器３３８に遠位方向の力をかけるステップ１００６は、ユーザーが押し込み器の近位端３６４又は押し込み器３３８のその他の部分に遠位方向の力をかけることによって行うことができる。押し込み器の近位端３６４又は押し込み器３３８のその他の部分に遠位方向の力をかけることによって、押し込み器３３８が軸線方向遠位方向に進入せしめられて、押し込み器の遠位端３７０がカテーテルの近位端８１２に係合してカテーテルの遠位端８１４がカニューレの第二の開口部３５６を通って進入せしめられる。カテーテルの遠位端８１４がカニューレの第二の開口部３５６内を通過すると、カテーテルの遠位端８１４は、カテーテル８１０がコイル部８２４を画成する第二の形状に向けて動き始める。従って、カニューレ３３６に束縛されないカテーテル８１０の長さ部分はカニューレ３３６に対して湾曲又は角度を形成し、これによって、カテーテルの遠位端８１４が、鼻の穴、鼻腔路、及び/又は鼻腔に向けて且つ/又はこれらの中を誘導されるのが可能になる。

任意のステップは、カニューレの遠位端３５２の配置及び/又はカテーテルの遠位端８１４が所望の鼻腔路及び/又は所望の鼻腔内を通過せしめられていることを確認することからなる。この任意のステップは、何らかの適切な可視化方法を使用して行うことができ、当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路のような種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、カニューレ及び/又はカテーテルを可視化するための適切な方法を選択することができるであろう。可視化の例示的な方法としては、限定的ではないが、直接的な可視化、蛍光透視法、スコープ（例えば、内視鏡）、経皮的方法、及び/又はＸ線による方法、が挙げられる。

配備に先立って、又は配備中に、又は配備に続いて、カテーテルの位置を可視化する更に別の例示的な方法としては、限定的ではないが、光ファイバをカテーテルの内腔内に挿入すること、及び光源によって光ファイバを活性化してカテーテルの配置を経皮的に判定すること（例えば、鼻腔又はその他の体内通路を透照すること）が挙げられる。光ファイバをカテーテルの内腔内を通すことを行うために、ここに記載されている押し込み器のいずれもが、押し込み器の近位端の又はその近くの開口部と押し込み器の遠位端の又はその近くの開口部との間に延びている光ファイバの内腔を画成することができる。この光ファイバは、押し込み器の光ファイバの内腔内に導入し且つその中を通過させることができ且つカテーテルの内腔内に導入し且つ/又はその中を通過させることもできる。

可視化を行うために、その長さに沿って光路を画成している何らかの適切な光ファイバを使用することができ、当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な光ファイバを選択することができるであろう。適切であると考えられる市販によって入手可能な光ファイバとしては、限定的ではないが、被覆を有するか又は有していないプラスチック製の光ファイバ及びガラス製の光ファイバ、が挙げられる。例えば、光源に作動可能に結合され且つ/又は取り付けられている近位端を有する光ファイバを使用することができる。光ファイバは、光を軸線方向及び/又は径方向に射出する構造とすることができ且つ任意であるが光ファイバの長さに沿って１以上の湾曲部及び/又は屈曲部を画成することができる。

カテーテルの遠位端８１４が鼻腔路の中を通過し且つ鼻腔内へと通過し、カテーテル８１０が鼻腔内にコイル部を画成するように押し込み器３３８に遠位方向の力をかけ続けるステップ１００８は、標識８３０がカニューレの遠位端３５２の遠位側に観察でき、押し込み器が遠位方向に十分に進入せしめられ、且つ/又はカテーテルの適切な長さが送り込み装置３３２から配備されるまで、ユーザーが押し込み器の近位端３６４又は押し込み器３３８のその他の部分に遠位方向の力をかけ続けることによって行うことができる。少なくともユーザーがカテーテル８１０の長さ部分がカニューレ３３６から自由になって配備されたときを判断することができるようにするために、カテーテル上のコイル部８２４の近位側の部分に標識８３０を備えることは、有利であると考えられる。

標識８３０を可視化させるステップ１０１０は、直接的な視認、Ｘ線、スコープによって、又はここに記載されている他の方法で、行うことができる。ステップ１０１０は、任意なステップと考えられ且つ方法１０００から省くことができる。

カニューレの遠位端３５２を鼻腔路から引き抜くステップ１０１２は、ハウジング３３４上又は送り込み装置３３２のその他の部分（例えば、指用フランジ３７６）に近位方向の力をかけてカニューレの遠位端３５２を鼻腔路から取り出すことによって行うことができる。

カテーテル８１０の配置を確認するステップ１０１４は、何らかの適切な可視化方法によって行うことができ、当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、カテーテルを可視化する適切な方法を選択することができるであろう。カテーテルの配置を確認するために、配備中に又は配備に続いてカテーテルを可視化する例示的な方法としては、限定的ではないが、直接的な視認、蛍光透視法、スコープ（例えば、内視鏡）、経皮的方法、及び/又はＸ線による方法、が挙げられる。任意であるが、ステップ１０１４は方法１０００から省くことができる。

カテーテルの長さを調製するステップ１０１６は、何らかの適切な器具を使用して何らかの適切なカテーテルの長さをカテーテルの近位端から取り除くことによって行うことができる。当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、カテーテルから除去するための適切なカテーテル長さ及びこのような除去を行うための適切な器具を選択することができるであろう。カテーテルの近位端から除去されるのに適していると考えられる例示的な長さの調製としては、限定的ではないが、近位端が鼻腔路内（例えば、鼻の穴の近位側）に配置されるようにカテーテルの近位端を調製すること、近位端が鼻腔路の開口部（例えば、鼻の穴）に配置されるようにカテーテルの近位端を調製すること、及び近位端が鼻腔路の開口部の近位側（例えば、鼻の穴）に配置されるようにカテーテルの近位端を調製すること、が挙げられる。カテーテルの長さの一部分を除去するのに適していると考えられる例示的な器具としては、限定的ではないが、ハサミ、切断工具、及びカテーテルの長さの一部分を除去することができるその他の何らかの器具、が挙げられる。ステップ１０１６は、任意のものであり且つ方法１０００から省くことができる。

方法１０００をここに図示され且つ/又は記載されている順序で完了することは有利であると考えられる。しかしながらあらゆる順序が適切である。

医療器具を鼻腔路内に配備することに関して、種々のステップ、代替的なステップ、及び任意のステップを上記したが、これらのステップ、代替的ステップ、及び任意のステップは、方法１１００又はここに記載した何らかの他の方法に関して以下に説明する方法、ステップ、代替的ステップ、及び/又は任意のステップに含ませることができ、該方法と一緒に行うことができ且つ/又は代替的に行うことができる。

送り込み装置を使用して医療器具を配備する方法の代案として、医療器具をここに記載するようにガイドワイヤの外周に沿って配備することができる。

一つのステップは、カテーテルを、カテーテルの一部分又は全体がガイドワイヤ上（例えば、カテーテルの遠位端）に配置されるようにガイドワイヤの近位端及びガイドワイヤの遠位端を有しているガイドワイヤの外周に沿って、進入させることからなる。従って、カテーテルは、真っ直ぐな又はほぼ真っ直ぐな形状にある。別のステップは、ガイドワイヤを鼻腔路内に進入させて、ガイドワイヤの遠位端とカテーテルの遠位端とが鼻腔路内に配置されるようにすることからなる。別のステップは、ガイドワイヤの遠位端を処置箇所に向かって誘導することからなる。別のステップは、カテーテルに遠位方向の力をかけて、該カテーテルがガイドワイヤの外周に沿って遠位方向に且つここに記載されているもののような開口部（例えば、鼻腔路）内へと進入せしめ且つ第一の真っ直ぐか又はほぼ真っ直ぐな形状からコイルの画成する第二の形状へと動き始めるようにすることからなる。もう一つの別のステップは、カテーテルに遠位方向の力をかけ続けて、カテーテルの遠位端が開口部（例えば、鼻腔路）を通過して鼻腔内へと通過し且つカテーテルが鼻腔内にコイル部を画成するようにさせることからなる。別のステップは、ガイドワイヤを鼻腔路から引き出すことからなる。別のステップは、カテーテルの配置を確認することからなる。別のステップは、カテーテルの長さを調製することからなる。

カテーテルがガイドワイヤの外周に沿って進入せしめられるときに行われ得る任意のステップとしては、カテーテルの配置を確認すること、又はカテーテルの一部分の標識又は色を可視化することがある。例えば、カテーテルによって画成される屈曲部に標識が設けられている場合には、次いで、任意のステップは、該標識が開口部に又はその近くに又はそれに隣接して設けられることを確認することからなる。別の任意のステップは、標識が開口部に配置されるまでカテーテルに遠位方向の力をかけ続けることからなる。

医療器具をワイヤガイドの外周に沿って配備する代替的な方法は、以下に記載するようにして行うことができる。

一つのステップは、カテーテルの一部分又は全体（例えば、カテーテルの遠位端）がガイドワイヤ上に配置されるように、カテーテルを、ガイドワイヤの近位端とガイドワイヤの遠位端とを有しているガイドワイヤの外周に沿って進入させることからなる。従って、カテーテルは、真っ直ぐか又はほぼ真っ直ぐな形状にある。別のステップは、ガイドワイヤを鼻腔路内に進入させて、ガイドワイヤの遠位端とカテーテルの遠位端とが鼻腔路内に配置されるようにすることからなる。別のステップは、ガイドワイヤの遠位端を処置箇所に向かって誘導することからなる。別のステップは、ガイドワイヤの遠位端とカテーテルの遠位端とをここに記載されているもののような開口部（例えば、鼻腔路）内へ誘導することからなる。別のステップは、ガイドワイヤを鼻腔路から引き出すこと、及びカテーテルの位置を維持するか又はカテーテルに遠位方向の力をかけて、第一の真っ直ぐな又はほぼ真っ直ぐな形状からコイル部を鼻腔内に画成する第二の形状へと動くようにすることからなる。このステップは、カテーテル上に設けられている標識が開口部に配置されていることを確認することによって行なうことができる。別のステップは、カテーテルの配置を確認することからなる。別のステップはカテーテルの長さを調製することからなる。

カテーテルを配備するためにガイドワイヤが使用されている場合には、何らかの適切な材料によって作られており且つ何らかの適切な構造的配列を有している何らかの適切なガイドワイヤを使用するができる。当業者は、処置されている体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切なガイドワイヤ及びガイドワイヤのための材料を選択することができるであろう。ここに記載されている１以上のステップ又は方法を達成するのに適していると考えられている例示的なガイドワイヤとしては、限定的ではないが、コイル状の軸を有しているガイドワイヤ、コイル状に巻かれた先端を備えた心棒を有しているガイドワイヤ、ガイドワイヤを照明しているコーティングされたコイル部又は心棒を有しているガイドワイヤ、及び特別な用途に適していると考えられるその他の何らかのガイドワイヤ、が挙げられる。ガイドワイヤを形成するのに適していると考えられる例示的な材料としては、限定的ではないが、ステンレス鋼、ニッケル・チタン、チタン、プラチナ、パラジウム、ここに記載されている材料の組み合わせ、及び特別な用途の適していると考えられるその他の何らかの材料、が挙げられる。体内通路内へのカテーテルの配置を補助するために、照明ガイドワイヤを使用して、ここに記載されている１以上のステップ又は方法を完了すること、は有利であると考えられる。別の方法として、ガイドワイヤによって画成される内腔内に光ファイバを配置させたガイドワイヤを使用することができる。

適していると考えられるガイドワイヤのための適切な構造的配列としては、限定的ではないが、その軸線方向長さに沿って真っ直ぐかほぼ真っ直ぐであるガイドワイヤ、その長さに沿って（例えば、ガイドワイヤの近位端とガイドワイヤの遠位端との間、ガイドワイヤの遠位端の近くに）約３０度か６０度か９０度か又は約１８０度の角度で屈曲部を画成しているガイドワイヤ、及び特別な用途に適していると考えられる何らかの適切な構造的配列、が挙げられる。

図１２は、例示的な処置方法１１００のフローチャートである。方法１１００は、以下に記載する点以外は、方法１０００に関して上記したものと類似している。最初のステップ１１０２は、カニューレ３３６内に配置されているカテーテル８１０を備えている送り込み装置３３２のような送り込み装置を、カニューレの遠位端３５２が鼻腔路内に配置されるように鼻腔路内へと進入させることからなる。もう一つのステップ１１０４は、カニューレの遠位端３５２を処置箇所に向けて誘導することからなる。別のステップ１１０６は、押し込み器３３８に遠位方向の力をかけて、カテーテルの遠位端８１４がカニューレの第二の開口部３５６内を通過し且つ第一の真っ直ぐか又はほぼ真っ直ぐな形状からコイル部８２４を画成する第二の形状へと動き始めるようにすることからなる。別のステップ１１０８は、押し込み器３３８に遠位方向の力をかけ続けて、カテーテルの遠位端８１４が鼻腔路内を通って鼻腔内へと通過し、カテーテル８１０が鼻腔内にコイル部８２４を画成するようにさせることからなる。別のステップ１１１０は、カニューレの遠位端３５２を鼻腔路から引き出すことからなる。別のステップ１１１２は、カテーテル８１０の配置を確認することからなる。別のステップ１１１４は、薬剤又は流体をカテーテルの内腔８２０へと及び鼻腔内へと導入することからなる。別のステップ１１１６は、ある時間間隔を経過させることからなる。別のステップ１１１８は、薬剤又は流体をカテーテルの内腔８２０内及び鼻腔内へと導入することからなる。別のステップ１１２０は、カテーテル８１０が鼻腔内に配置されている患者が第一の場所から第二の場所へと移動するのを許容することからなる。別のステップ１１２２は、薬剤又は流体をカテーテルの内腔８２０内へ且つ鼻腔内へ導入することからなる。別のステップ１１２４は、カテーテル８１０を鼻腔及び鼻腔路から取り出すことからなる。

カテーテル８１０の配置を確認するステップ１１１２は、何らかの適切な可視化方法を介して行うことができ、当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路のような種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切なカテーテルを可視化する方法を選択することができるであろう。配備中又は配備に引き続いてカテーテルを可視化させる例示的な方法としては、限定的ではないが、直接的な可視化、蛍光透視法、スコープ（例えば、内視鏡）、経皮的方法、及び/又はＸ線による方法、が挙げられる。任意であるが、ステップ１０１４は方法１１００から省くことができる。

薬剤又は流体をカテーテルの内腔８２０内へ及び鼻腔内へ導入するステップ１１１４，１１１８，１１２２の各々は、何らかの適切な器具及び/又は薬剤を使用して行うことができる。例えば、第一のカテーテルの開口部８１６と連通している注射器を使用して、薬剤又は流体をカテーテルの内腔８２０内を通過させ且つ複数の開口部８２８を介して鼻腔内へと流し込むことができる。別の方法として、カテーテルが単一の開口部（例えば、第二のカテーテルの開口部１８）を画成している場合には、薬剤又は流体は、このような開口部を介して鼻腔内へ導入することができる。ステップ１１１４，１１１８，１１２０の各々は、任意であるが、何らかの適切な人（例えば、医師及び/又は患者）によって行われる。

ステップ１１１４，１１１８，１１２２の各々を行うために、何らかの適切な薬剤又は流体を使用することができ、当業者は、行うことが意図されている所望の処置を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な薬剤又は流体を選択することができるであろう。適切であると考えられる例示的な薬剤及び/又は流体としては、限定的ではないが、生理食塩水、ステロイド、抗生物質、消炎剤、抗菌剤、界面活性剤、及び抗ヒスタミン剤、が挙げられる。

ある時間間隔が経過するのを許容するステップ１１１６は、ステップ１１１４を完了すること、及びステップ１１１８，１１２０，及び/又はステップ１１２２を完了する前にある時間間隔が経過するのを待つことによって行うことができる。何らかの適切な時間間隔が適切であると考えられ、当業者は、処置されている症状及び使用されるべき所望の薬剤又は流体を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な時間間隔を選択することができるであろう。適切であると考えられる例示的な時間間隔としては、限定的ではないが、１秒以上、１分以上、１時間以上、１日以上、１週間以上、及び/又は１ヶ月以上を経過させること、が挙げられる。

カテーテル８１０が鼻腔内に配置されている患者が第一の場所から第二の場所へと移動するのを許容するステップ１１２０は、第一の場所（例えば、医師の診療所）から第二の場所（例えば、患者の家）まで移動する患者によって行われる。何らかの適切な場所が第一の場所と第二の場所とに適していると考えられ、当業者は、処置されている症状及び使用されるべき所望の薬剤又は流体を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な場所を選択することができるであろう。ステップ１１２０は、任意であると考えられ且つ方法１１００から省くことができる。

ステップ１１１４，１１１６，１１１８，１１２０，１１２２の各々は、薬剤又は流体が１回以上で且つ/又は１以上の場所で鼻腔内に導入できるように、１回以上の回数で行うことができる。

カテーテル８１０を鼻腔及び鼻腔路から取り出すステップ１１２４は、カテーテルの近位端８１２又はカテーテル８１０のその他の部分に近位方向の力をかけて、鼻腔内に配置されているカテーテル８１０の長さが、鼻腔路内を近位方向に通り、鼻腔路内を通り、鼻の穴から出て行くようにすることによって行われる。

任意のステップは、カテーテルの近位端を調製することからなり、何らかの適切なカテーテルの長さを、何らかの適切な器具を使用してカテーテルの近位端から除去することによって行うことができる。当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、カテーテルから除去すべき適切なカテーテルの長さ及びこのような除去を行うための適切な器具を選択することができるであろう。カテーテルの近位端から除去するのに適していると考えられる例示的な長さとしては、限定的ではないが、近位端が鼻腔路内（例えば、鼻の穴の近位側）に配置されるようにカテーテルの近位端を調製すること、近位端が鼻腔路の開口部（例えば、鼻の穴）に配置されるようにカテーテルの近位端を調製すること、及び近位端が鼻腔路の開口部の近位側（例えば、鼻の穴内）に配置されるようにカテーテルの近位端を調製すること、が挙げられる。カテーテルの長さの一部分を除去するのに適していると考えられる例示的な器具としては、限定的ではないが、ハサミ、切断工具、及びカテーテルの長さの一部分を除去することができるその他の何らかの器具、が挙げられる。このステップは、方法１１００内の何らかの適切なステップに先立って又は該ステップに続いて行うことができ、当業者は、カテーテルがその中に配備されることを意図されている所望の体内通路を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、この任意のステップを行うための適切な時間を選択することができるであろう。例えば、カテーテルを調製するこの任意のステップは、カテーテルの配置を確認するステップ１１２、薬剤又は流体をカテーテルの内腔内に導入するステップ１１１４、ある時間間隔を経過させるステップ１１１６、薬剤又は流体をカテーテルの内腔内に導入するステップ１１１８、第一の場所から第二の場所へ移動するのを許容するステップ１１２０、及び/又は薬剤又は流体をカテーテルの内腔内に導入するステップ１１２２に、先立って又は該ステップに続いて行うことができる。

方法１１００は、鼻腔内にカテーテルを配備するために送り込み装置３３２を使用するものとして記載したけれども、カテーテルを配備するために何らかの適切な送り込み装置を使用することが適切であると考えられる。当業者は、行うことが意図されている所望の処置を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切な送り込み装置を選択することができるであろう。適切であると考えられる例示的な送り込み装置としては、限定的ではないが、送り込み装置２３２、送り込み装置３３２、送り込み装置４３２、送り込み装置５３２、送り込み装置６３２、ガイドワイヤ、及びその他の何らかの送り込み装置、が挙げられる。

方法１１００は、カテーテル８１０を鼻腔内に配備するものとして記載したが、何らかの適切なカテーテルを適切な体内通路内に配備することは適切であると考えられる。当業者は、行われることが意図されている所望の処置を含む種々の考慮すべき点に基づいた特別な実施形態に従って、適切なカテーテル及びカテーテルを配備するための適切な体内通路を選択することができるであろう。適切であると考えられる例示的なカテーテルとしては、限定的ではないが、カテーテル１０、カテーテル１１０、カテーテル２１０、カテーテル３１０、カテーテル８１０、及びその他の何らかの適切なカテーテル、が挙げられる。

方法１１００を図示され且つ/又は記載された順序で行うことは有利であると考えられる。しかしながら、何らかの順序が適切であると考えられることは明記すべき点である。

処置を行う方法１１００に関して、種々のステップ、代替的なステップ、及び任意のステップを上記したけれども、これらのステップ、代替的なステップ、及び任意のステップは、方法１０００又はここに記載したその他の何らかの方法に関して上記した、方法、ステップ、代替的なステップ、及び/又は任意のステップ、と同時に行われる際に及び/又はそれらに対する案として行われる際に含ませることができる。

以上の詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を提供するものであり、本発明を実施するための最良モードを含んでいる。実施形態の記載及び図示は、本発明の実施例を提供ことのみを意図されており、決して本発明の範囲又はその保護を限定することを意図したものではない。

１０ カテーテル、 １２ カテーテルの近位端、
１４ カテーテルの遠位端、 １５ カテーテルの壁、
１６ 第一のカテーテル開口部、 １８ 第二のカテーテル開口部、
２０ 内腔、 ２２ 屈曲部、
２３ 角度、 ２４ コイル部、
１１０ カテーテル、 １１２ カテーテルの近位端、
１１４ カテーテルの遠位端 １１５ カテーテルの壁、
１１６ 第一のカテーテル開口部、 １１８ 第二のカテーテル開口部、
１１９ コイル部の内側に面している側、
１２０ カテーテルの内腔、
１２１ コイル部の外側に面している側、
１２２ 屈曲部、 １２３ 角度、
１２４ 第一のコイル部、 １２６ 第二のコイル部、
１２８ 複数の穴、 １３０ 標識、
２１０，２１０’カテーテル、 ２１２ カテーテルの近位端、
２１４，２１４’ カテーテルの遠位端、
２１６ 第一のカテーテル開口部、 ２１８ 第二のカテーテル開口部、
２２０ カテーテルの内腔、 ２２２ 第一の屈曲部、
２２３ 角度、 ２２４ コイル部、
２２５ 第二の屈曲部、 ２２７ 角度、
２２８ 穴、 ２２９ 長さ部分、
２３０ 標識、
２３２ 第一の例示的な送り込み装置、
２３４ ハウジング、 ２３６ カニューレ、
２３８ 押し込み器、 ２４０ ハウジングの近位端、
２４２ ハウジングの遠位端、 ２４３ ハウジングの壁、
２４４ 第一のハウジング開口部、 ２４６ 第二のハウジング開口部、
２４８ ハウジングの内腔、 ２５０ カニューレの近位端、
２５２ カニューレの遠位端、 ２５４ 第一のカニューレ開口部、
２５６ 第二のカニューレ開口部、 ２５８ カニューレの内腔、
２６０ 押し込み器の第一の部分、 ２６２ 押し込み器の第二の部分、
２６４ 押し込み器の第一の近位端、
２６６ 押し込み器の第一の遠位端、
２６８ 押し込み器の第一の部分の第二の近位端、
２７０ 押し込み器の第一の部分の第二の遠位端、
２７１ 押し込み器の第一の部分の第二の遠位端の遠位の面、
２３６’ カニューレ、 ２３８’ 押し込み器、
２５２’ カニューレの遠位端、
２７０’ 押し込み器の第二の遠位端、
３１０ カテーテル、 ３１２ カテーテルの近位端、
３１４ カテーテルの遠位端、 ３１６ 第一のカテーテル開口部、
３１８ 第二のカテーテル開口部、 ３１９ コイル部の内側、
３２０ カテーテルの内腔、 ３２１ コイル部の外側、
３２２ 第一の屈曲部、 ３２４ コイル部、
３２５ 第二の屈曲部、 ３２８ 穴、
３３０ 標識、
３３２ 第二の例示的な送り込み装置、
３３４ ハウジング、 ３３６ カニューレ、
３３８ 押し込み器、 ３４０ ハウジングの近位端、
３４２ ハウジングの遠位端、 ３４３ ハウジングの壁、
３４８ ハウジングの内腔、 ３５０ カニューレの近位端、
３５２ カニューレの遠位端、 ３６０ 押し込み器の第一の部分、
３６４ 押し込み器の第一の近位端、
３６６ 押し込み器の第一の遠位端、
３７２ 長穴、 ３７４ 突起部、
３７６ 指用フランジ、 ３７８ 溝、
３８０ 屈曲部、 ３８２ 突出した軌道、
３８４ 突起部、 ３８５ 矢印、
３８６ 指用フランジ、 ３８１ 角度、
４３２ 第三の例示的な送り込み装置、 ４３４ ハウジング、
４３６ カニューレ、 ４３８ 押し込み器、
４４３ ハウジングの壁、 ４７３ 第二の長穴、
４４０ ウジングの近位端、 ４４２ ハウジングの遠位端、
４７５ 長穴の第一の端部、 ４７７ 長穴の第二の端部、
４６０ 押し込み器の第一の部分、 ４３９ ピン、
５３２ 第四の例示的な送り込み装置、
５３４ ハウジング、 ５３６ カニューレ、
５３８ 押し込み器、 ５４０ ハウジングの近位端、
５４１ 指用フランジ、 ５４２ ハウジングの遠位端、
５４３ ハウジングの壁、 ５６０ 押し込み器の第一の部分、
５７３ 長穴、 ５７５ 長穴の第一の端部、
５７７ 長穴の第二の端部、
６３２ 第五の例示的な送り込み装置、
６３４ ハウジング、 ６３６ カニューレ、
６３８ 押し込み器、 ６４０ ハウジングの近位端、
６４８ ハウジングの内腔、 ６６０ 押し込み器の第一の部分、
６６１ 通路、 ６６２ 押し込み器の第二の部分、
６６３ 切り欠き、
６６４ 押し込み器の第一の近位端、 ６６５ 通路、
６６６ 押し込み器の第一の遠位端、
６６８ 押し込み器の第二の近位端、
６７０ 押し込み器の第二の遠位端、
７００ 細長い部材、 ７０２ ばね、
７０４ キャップ、 ７０６ 細長い部材の近位端、
７０８ 細長い部材の遠位端、 ７１０ 細長い部材の本体、
７１２ フランジ、 ７２０ キャップの近位端、
７２２ キャップの遠位端、 ７２４ キャップの本体、
７２６ 凹部、 ７３０ 細長い部材、
７３２ 細長い部材本体、 ７３４ 保持部材、
７３６ スナップ式のピン、
７３８ 細長い部材の本体の近位端、
７４０ 細長い部材の本体の遠位端、
７４２ 細長い部材第一の直径、 ７４４ 細長い部材の第二の直径、
７４６ 肩部、 ７４８ 凹部、
７５０ 保持部材の近位側、 ７５２ 保持部材の遠位側、
７５４ 保持部材の外径、 ７５６ 保持部材の通路、
８１０ カテーテル、 ８１２ カテーテルの近位端、
８１４ カテーテルの遠位端、 ８１６ カテーテルの第一の開口部、
８２０ カテーテルの内腔、 ８２２ 屈曲部、
８２４ コイル部、 ８３０ 標識、
８９０ 鼻の穴、 ８９２ 鼻腔路、
８９４ 上顎洞、 ８９６ 上顎洞口、
９００ キット、 ９０２ 送り込み装置、
９０４，９０６，９０８ カテーテル、
９１０ 薬剤又は流体の容器、
９１２ 第一のアプリケータ先端部材、
９１３ 第二のアプリケータ先端部材、
９１４ 薬剤又は流体をカテーテル内へ導入するための器具、
９１６ 使用説明書、
１２１０ カテーテル、 １２３６ カニューレ、
１２３８ 押し込み器、
１２５２ カニューレの遠位端、 １２５８ カニューレの内腔、
１２６２ 押し込み器の第二の部分、
１２７０ 押し込み器の第二の部分の遠位端、
１２７２ コレット、 １２７３ 凹部、
１２７４ 切り欠き、
１２７５ コレットの第一の外径、 １３３８ 押し込み器、
１３６０ 押し込み器の第一の部分、
１３６２ 押し込み器の第二の部分、 １３６３ 補強部材、
１３６６ 押し込み器の第一の部分の遠位端

Claims (18)

1. 鼻腔を処置するための医療器具であり、
   ハウジングとカニューレと押し込み器とを備えている送り込み装置であって、
   前記ハウジングは、ハウジングの近位端とハウジングの遠位端とを有しており、且つ第一のハウジング開口部と、第二のハウジング開口部と、前記第一のハウジング開口部と前記第二のハウジング開口部との間に延びているハウジングの内腔と、を画成しており、
   前記カニューレは、カニューレの近位端とカニューレの遠位端とを有しており、且つ第一のカニューレ開口部と、第二のカニューレ開口部と、該第一のカニューレ開口部と第二のカニューレ開口部との間に延びているカニューレの内腔と、を画成しており、該カニューレは、前記ハウジングの内腔と前記カニューレの内腔とが連通するように前記ハウジングに取り付けられており、
   前記押し込み器は、押し込み器の近位端と、前記カニューレの内腔内に摺動可能に配置されている押し込み器の遠位端と、を有している、前記送り込み装置と、
   少なくとも一部分が前記カニューレの内腔内に配置されるカテーテルであって、カテーテルの近位端と、カテーテルの遠位端と、該カテーテルの近位端とカテーテルの遠位端との間に延びているカテーテルの長さ部分とを含んでおり、且つ第一のカテーテル開口部と、第二のカテーテル開口部と、屈曲部と、コイル部と、前記第一のカテーテル開口部と第二のカテーテル開口部との間に延びているカテーテルの内腔とを画成している、前記カテーテルと、を備えており、
   前記押し込み器の遠位端は、前記カテーテルの近位端と係合して軸線方向の動きをカテーテルに伝えるようになされており、
   前記カテーテルは、前記カニューレの内腔内に配置されているときに該カテーテルの前記カニューレの内腔内に配置された部分がほぼ真っ直ぐである第一の形状と、前記カテーテルが前記カニューレの内腔によって束縛されないときに前記カテーテルが前記屈曲部と前記コイル部とを前記カテーテルの長さ部分に沿って画成する第二の形状との間を動くようになされている、ことを特徴とする医療器具。
2. 前記カテーテルがカテーテルの壁を有しており、
   該カテーテルは、該カテーテルの長さに沿って複数の穴を画成しており、該複数の穴の各々が前記カテーテルの壁を貫通して延びており且つ前記カテーテルの内腔と連通している、ことを特徴とする請求項１に記載の医療器具。
3. 前記複数の穴が前記屈曲部の遠位側に配置されている、請求項２に記載の医療器具。
4. 前記複数の穴のうちの少なくとも２つが異なる直径である、請求項２に記載の医療器具。
5. 前記カニューレが、カニューレの近位端とカニューレの遠位端との間に延びているカニューレの長さ部分を有しており、該カニューレは前記カニューレの長さ部分に沿って１つの屈曲部を画成している、ことを特徴とする請求項１に記載の医療器具。
6. 前記第二の形状において、前記カテーテルが、約４５度〜約１３５度の角度で前記屈曲部を画成する、請求項１に記載の医療器具。
7. 前記第二の形状において、前記カテーテルが、９０度に等しいか又は実質的に等しい角度で前記屈曲部を画成する、請求項１に記載の医療器具。
8. 前記カテーテルが、前記屈曲部に配置されている標識を更に備えている、ことを特徴とする請求項１に記載の医療器具。
9. 前記カテーテルの近位端が漏斗状に拡がっている、ことを特徴とする請求項１に記載の医療器具。
10. 前記カテーテルの遠位端がテーパーを付けられている、ことを特徴とする請求項１に記載の医療器具。
11. 鼻腔を処置するための医療器具であり、
    ハウジングとカニューレと押し込み器とを備えている送り込み装置であって、
    前記ハウジングは、ハウジングの近位端とハウジングの遠位端とを有しており、且つ第一のハウジング開口部と、第二のハウジング開口部と、前記第一のハウジング開口部と前記第二のハウジング開口部との間に延びているハウジングの内腔と、を画成しており、
    前記カニューレは、カニューレの近位端とカニューレの遠位端とを有しており、且つ第一のカニューレ開口部と、第二のカニューレ開口部と、該第一のカニューレ開口部と第二のカニューレ開口部との間に延びているカニューレの内腔と、を画成しており、該カニューレは、前記ハウジングの内腔と前記カニューレの内腔とが連通するように前記ハウジングに取り付けられており、
    前記押し込み器は、押し込み器の近位端と、前記カニューレの内腔内に摺動可能に配置されている押し込み器の遠位端と、を有している、前記送り込み装置と、
    少なくとも一部分が前記カニューレの内腔内に配置されるカテーテルであって、カテーテルの壁と、カテーテルの近位端と、カテーテルの遠位端と、該カテーテルの近位端とカテーテルの遠位端との間に延びているカテーテルの長さ部分とを含んでおり、且つ前記カテーテルの近位端に設けられている第一のカテーテル開口部と、第二のカテーテル開口部と、前記カテーテルの長さ部分に沿って設けられた複数の穴と、屈曲部と、コイル部と、前記第一のカテーテル開口部と第二のカテーテル開口部との間に延びており且つ前記カテーテルの内腔と連通しているカテーテルの内腔とを画成している、前記カテーテルと、を備えており、
    前記押し込み器の遠位端は、前記カテーテルの近位端と係合して軸線方向の動きをカテーテルに伝えるようになされており、
    前記カテーテルは、前記カニューレの内腔内に配置されているときに該カテーテルの前記カニューレの内腔内に配置された部分がほぼ真っ直ぐである第一の形状と、前記カテーテルが前記カニューレの内腔によって束縛されないときに前記カテーテルが前記屈曲部と前記コイル部とを前記カテーテルの長さ部分に沿って画成する第二の形状との間を動くようになされており、
    前記コイル部と前記複数の穴とが前記屈曲部の遠位側に配置されている、ことを特徴とする医療器具。
12. 前記複数の穴のうちの少なくとも２つが異なる直径である、ことを特徴とする請求項１１に記載の医療器具。
13. 前記カニューレが、前記カニューレの近位端とカニューレの遠位端との間に延びているカニューレの長さ部分を有しており、
    該カニューレは前記カニューレの長さ部分に沿って１つの屈曲部を画成している、ことを特徴とする請求項１１に記載の医療器具。
14. 前記第二の形状において、前記カテーテルは、約４５度〜約１３５度の角度で屈曲部を画成している、ことを特徴とする請求項１１に記載の医療器具。
15. 前記第二の形状において、前記カテーテルが、９０度に等しいか又は実質的に等しい角度で前記屈曲部を画成する、請求項１１に記載の医療器具。
16. 前記カテーテルが、前記屈曲部に配置されている標識を更に備えている、ことを特徴とする請求項１１に記載の医療器具。
17. 前記カテーテルの近位端が漏斗状に拡がっている、ことを特徴とする請求項１１に記載の医療器具。
18. 前記カテーテルの遠位端がテーパーが付けられている、ことを特徴とする請求項１１に記載の医療器具。
    

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