JP6209010B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、べたつくことがなく、毛髪に優れた光沢と艶及びなめらかな感触を付与することができ、また、毛髪形状保持力があり長期間繰り返し使用しても蓄積することがなく、更に、配合上の問題もないポリアクリル変性オルガノポリシロキサンが開示されている。
また、特許文献2には、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性オルガノポリシロキサンを含有する毛髪化粧料を毛髪に適用し、毛髪温度50℃以上において毛髪を形付けした後、毛髪の温度を50℃未満に冷却することにより、形付けした髪型を固定する整髪方法が開示されている。
特許文献3には、メルカプト変性シリコーンとラジカル重合性ビニルモノマーを溶液重合してなるオルガノポリシロキサングラフトポリマーを含む化粧品組成物が開示されている。
特許文献4には、オルガノポリシロキサングラフトポリマーを含む毛髪化粧料が開示されている。
特許文献5には、アニオン基を有するオルガノポリシロキサングラフトポリマー処理粉体、及びそれを用いた化粧品を含むパーソナルケア製品が開示されている。
特許文献2に記載されたポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性オルガノポリシロキサンは、高湿度下でのセット保持性が十分とは言えなかった。
特許文献3〜5には、カチオン基又はアニオン基を有するオルガノポリシロキサングラフトポリマーが開示されているが、髪温度50℃以上において毛髪を形付けした後、毛髪の温度を50℃未満に冷却することにより、形付けした髪形を固定する整髪方法(例えば、ヘアアイロンやドライヤーを用いた毛髪のセット方法)には使用できない。
[1]下記ポリマーA及びポリマーBを含有し、ポリマーA及びポリマーBの合計に対するオルガノポリシロキサンセグメントの含有量が30質量%以上70質量%以下である、ポリマー組成物。
ポリマーA:主鎖としてオルガノポリシロキサンセグメントを有し、側鎖として不飽和単量体由来の重合体セグメントを有するオルガノポリシロキサングラフトポリマーであって、オルガノポリシロキサングラフトポリマー中におけるオルガノポリシロキサンセグメントの含有量が70質量%超90質量%以下であるオルガノポリシロキサングラフトポリマー。
ポリマーB:ポリマーAの側鎖を構成する不飽和単量体と同じ不飽和単量体由来の繰り返し単位を90質量%以上含有するポリマー。
[2]前記ポリマー組成物を含有する毛髪化粧料。
本発明のポリマー組成物は、下記ポリマーA及びポリマーBを含有し、ポリマーA及びポリマーBの合計に対するオルガノポリシロキサンセグメントの含有量が30質量%以上70質量%以下のポリマー組成物である。
ポリマーA:主鎖としてオルガノポリシロキサンセグメントを有し、側鎖として不飽和単量体由来の重合体セグメントを有するオルガノポリシロキサングラフトポリマーであって、オルガノポリシロキサングラフトポリマー中におけるオルガノポリシロキサンセグメントの含有量が70質量%超90質量%以下であるオルガノポリシロキサングラフトポリマー。
ポリマーB:ポリマーAの側鎖を構成する不飽和単量体と同じ不飽和単量体由来の繰り返し単位を90質量%以上含有するポリマー。
前記ポリマーAは、主鎖としてオルガノポリシロキサンセグメントを有し、側鎖として不飽和単量体由来の重合体セグメントを有するオルガノポリシロキサングラフトポリマーであって、オルガノポリシロキサングラフトポリマー中におけるオルガノポリシロキサンセグメントの含有量が70質量%超90質量%以下のオルガノポリシロキサングラフトポリマー(以下、「グラフトポリマー」ともいう)である。
本発明におけるグラフトポリマーは、2つ以上の側鎖が、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの任意のケイ素原子に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して結合していることが好ましく、両末端を除く1以上のケイ素原子に上記アルキレン基を介して結合していることがより好ましく、両末端を除く2以上のケイ素原子に上記アルキレン基を介して結合していることが更に好ましい。
グラフトポリマーは、主鎖としてオルガノポリシロキサンセグメントを有する。
オルガノポリシロキサンセグメントの化学構造は特に限定されないが、好ましい具体例としては、下記一般式(1)又は(2)で表される変性オルガノポリシロキサンセグメントである。
R1で表されるアリール基の炭素数は、グラフトポリマーのエタノール中での分散性の観点から好ましくは6以上12以下、より好ましくは9以下である。R1で表されるアリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
これらの中でも、R1としては、グラフトポリマーのエタノール中での分散性の観点から炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、炭素数1以上3以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
pは、オルガノポリシロキサングラフトポリマーを用いた毛髪化粧料(以下「本発明の毛髪化粧料」ともいう)で毛髪をセットした後の毛髪の感触、すなわち、べたつき軽減の観点から、好ましくは50以上、より好ましくは80以上、更に好ましくは100以上の数であり、また、グラフトポリマーのエタノール中での分散性の観点から、好ましくは2000以下、より好ましくは1300以下、更に好ましくは700以下の数である。
qは、グラフトポリマーのエタノール中での分散性の観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上の数であり、本発明の毛髪化粧料のセット力、セット後の毛髪形状の持続性の観点から好ましくは50以下、より好ましくは30以下の数である。
本発明において、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基の炭素数は、グラフトポリマー製造時の原料の入手性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、また、グラフトポリマーのエタノール中での分散性の観点から、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは8以下である。
グラフトポリマーの製造の容易性の観点から、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基は、−S−が置換していることが好ましい。
ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基(R2)は、該ヘテロ原子、好ましくは窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子、より好ましくは硫黄原子を介して不飽和単量体由来の重合体セグメントと結合していることが好ましい。
したがって、R2で表される「ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基」は、(i)無置換のアルキレン基、(ii)酸素原子、硫黄原子、−NH−、−COO−、−NHCO−、及び−NR3CO−から選ばれる1つ以上の原子又は官能基によって分断されたアルキレン基、(iii)水酸基、アミノ基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、アミノ基と炭素数2以上4以下の脂肪酸が脱水縮合して得られるアミド基、カルボキシ基及びアルキル(炭素数1以上3以下)エステル基から選ばれる1つ以上の1価の基が置換しているアルキレン基、(iv)−O−、−S−、−NH−、−NR30−及び−COO−から選ばれる2価のヘテロ原子、又はヘテロ原子を含む2価の基が置換したアルキレン基の他、上記(ii)、(iii)、(iv)の組合せからなるアルキレン基が該当する。
式(xii)中、X1は−O−、−OCO−、−COO−、−CONH−、−NHCO−から選ばれる一種以上であり、グラフトポリマーの製造の容易性の観点から−CONH−又は−NHCO−が好ましく、−NHCO−がより好ましい。
R4の具体例としては、下記式(xiii)〜(xv)が挙げられる。
不飽和単量体由来の重合体セグメントに用いることができる不飽和単量体について、特に制限はなく、例えば、非イオン性の不飽和単量体、カチオン性の不飽和単量体、及びアニオン性の不飽和単量体を用いることができる。
本発明においては特に、(1)非イオン性の不飽和単量体としてN,N−ジメチルアクリルアミド(以下「DMAAm」ともいう)を用いる場合、(2)カチオン性の不飽和単量体を用いる場合、(3)アニオン性の不飽和単量体としてカルボン酸又はその塩を有する不飽和単量体を用いる場合が好ましい。以下、各場合における好ましい態様を詳述する。
非イオン性の不飽和単量体としてDMAAmを用いる場合、前記ポリマーAの不飽和単量体由来の重合体セグメントは、DMAAm由来の繰り返し単位を50質量%以上100質量%以下含有し、イオン性の不飽和単量体由来の繰り返し単位の含有量が1質量%以下であることが好ましい。
また、不飽和単量体由来の重合体セグメントのガラス転移温度が60℃以上150℃以下であることがより好ましい。
更にホモポリマーのガラス転移温度が60℃以上150℃以下である非イオン性の不飽和単量体(以下、「Tg60-150℃非イオン性不飽和単量体」ともいう)由来の繰り返し単位を90質量%以上含有することが好ましい。
なお、グラフトポリマーにおいて、不飽和単量体由来の重合体セグメント中におけるDMAAm由来の繰返し単位の含有量は、NMR法により測定することができる。
前記DMAAm以外のTg60-150℃非イオン性不飽和単量体のガラス転移温度は、毛髪化粧料のセット力、セット後の毛髪形状の持続性の観点から、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは120℃以上であり、また、髪温度50℃以上における毛髪の形付けのしやすさの観点から、好ましくは135℃以下、より好ましくは130℃以下である。
不飽和単量体としてカチオン性の不飽和単量体を用いる場合、前記ポリマーAの不飽和単量体由来の重合体セグメントは、非イオン性の不飽和単量体由来の繰り返し単位(但し、アミノ基を有する不飽和単量体由来の繰り返し単位を除く)を40質量%以上90質量%以下含有し、カチオン性の不飽和単量体由来の繰り返し単位を10質量%以上60質量%以下含有し、アニオン性の不飽和単量体由来の繰返し単位の含有量は1質量%以下であることが好ましい。
また、不飽和単量体由来の重合体セグメントのガラス転移温度が60℃以上150℃以下であることがより好ましい。
更に、非イオン性の不飽和単量体として、ホモポリマーのガラス転移温度が60℃以上150℃以下である非イオン性の不飽和単量体を用いることが好ましい。
アミノ基を有する不飽和単量体の具体例としては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン及びこれらをH+X-で表される酸で中和した構造が挙げられる。
ここでX-は、塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン;炭素数1以上3以下のアルキル硫酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、安息香酸イオン、アジピン酸イオン、ギ酸イオン、リンゴ酸イオン、グリコール酸イオン等の有機酸イオン;等のアニオンを示す。本発明の毛髪化粧料で毛髪をセットした場合のセット後の毛髪の感触、及び高湿度下におけるセット保持性の観点から、アルキル硫酸イオン、乳酸イオン、ギ酸イオン、リンゴ酸イオン、グリコール酸イオンであることが好ましく、乳酸イオンであることがより好ましい。
また、4級アンモニウム塩基を有する不飽和単量体の具体例としては、X-を対イオンに持つ(メタ)アクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、(メタ)アクロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウム、(メタ)アクロイルアミノエチルトリメチルアンモニウム、(メタ)アクロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム、ジアリルジメチルアンモニウム、1−エチル−4−ビニルピリジニウム、1,2−ジメチル−5−ビニルピリジニウム等が挙げられる。
前記Tg60-150℃非イオン性不飽和単量体のガラス転移温度は、毛髪化粧料のセット力、セット後の毛髪形状の持続性の観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上、より更に好ましくは100℃以上、より更に好ましくは120℃以上であり、また、髪温度50℃以上における毛髪の形付けのしやすさの観点から、好ましくは150℃以下、より好ましくは140℃以下、更に好ましくは130℃以下である。
不飽和単量体由来の重合体セグメント中、カチオン性の不飽和単量体由来の繰り返し単位以外の部分は、カチオン性の不飽和単量体と共重合可能な単一種の不飽和単量体由来の繰り返し単位からなっていてもよいし、2種以上の不飽和単量体由来の繰り返し単位からなっていてもよい。
これらの中でも、毛髪のセット能力及びセット後の毛髪形状の保持性の観点から、N−t−ブチルアクリルアミドがより更に好ましい。
不飽和単量体としてアニオン性の不飽和単量体を用いる場合、前記ポリマーAの不飽和単量体由来の重合体セグメントは、カルボン酸又はその塩を有する不飽和単量体由来の繰返し単位を20質量%以上85質量%以下含有し、非イオン性の不飽和単量体由来の繰り返し単位(但し、アミノ基を有する不飽和単量体由来の繰り返し単位を除く)を15質量%以上80質量%以下含有し、カチオン性の不飽和単量体由来の繰返し単位の含有量が1質量%以下であることが好ましい。
また、不飽和単量体由来の重合体セグメントのガラス転移温度が60℃以上150℃以下であることがより好ましい。
更に、非イオン性の不飽和単量体としては、ホモポリマーのガラス転移温度が60℃以上150℃以下である非イオン性の不飽和単量体を用いることが好ましい。
これらカルボン酸を有する不飽和単量体由来の繰返し単位は、酸のままであってもよいし、一部又は全部が中和されたものであってよい。中和に使用する塩基化合物の具体例としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;アンモニア;モノ−、ジ−、もしくはトリエタノールアミン、トリエチルアミン、モルホリン、アミノメチルプロパノール、アミノエチルプロパンジオール等のアミン化合物等がある。このうち、グラフトポリマーのエタノール中での分散性の観点から、一部又は全部が中和されていることが好ましい。
前記Tg60-150℃非イオン性不飽和単量体のガラス転移温度は、毛髪化粧料のセット力、セット後の毛髪形状の持続性の観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上、より更に好ましくは100℃以上、より更に好ましくは120℃以上であり、また、髪温度50℃以上における毛髪の形付けのしやすさの観点から、好ましくは150℃以下、より好ましくは140℃以下、更に好ましくは130℃である。
非イオン性不飽和単量体の具体例としては、前述したものが挙げられる。
これらの中でも、毛髪のセット能力及びセット後の毛髪形状の保持性の観点から、N−t−ブチルアクリルアミドがより更に好ましい。
オルガノポリシロキサングラフトポリマー中におけるオルガノポリシロキサンセグメントの含有量は、本発明の毛髪化粧料で毛髪をセットした後の毛髪の感触の観点から、70質量%超、好ましくは72質量%以上、より好ましくは74質量%以上であり、グラフトポリマーのエタノール中での分散性の観点から、90質量%以下、好ましくは86質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
グラフトポリマー中におけるオルガノポリシロキサンセグメントの含有量は、実施例に記載の方法で求めることができる。
ここで、「隣接する不飽和単量体由来の重合体セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメント」とは、下記式(3)に示すように、不飽和単量体由来の重合体セグメントのオルガノポリシロキサンセグメントに対する結合点(結合点A)から、これに隣接する不飽和単量体由来の重合体セグメントの結合点(結合点B)までの2点間において破線で囲まれた部分であって、1つのR1SiO単位と、1つのR2と、y+1個のR1 2SiO単位とから構成されるセグメントをいう。
オルガノポリシロキサングラフトポリマーが後述のラジカル反応性オルガノポリシロキサンから製造される場合には、オルガノポリシロキサンセグメントは、ラジカル反応性オルガノポリシロキサンと共通の骨格を有するため、MWsiはラジカル反応性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量(MWra)と略同一であり、本発明においては同一と見なす。なお、MWraは、実施例に記載の測定条件によるゲル浸透クロマトグラフ法(GPC)で測定し、ポリスチレン換算したものである。
本明細書において、MWtは、実施例に記載の測定条件によるGPCで測定し、ポリスチレン換算したものである。
次に、オルガノポリシロキサングラフトポリマー(ポリマーA)の製造方法について説明する。なお、以下に説明するオルガノポリシロキサングラフトポリマーの製造方法によれば、副生成物として、後述するポリマーBIも得ることができる。本発明においては、以下に説明する方法によって得られるポリマーAとポリマーBIとの混合物を「ポリマー混合物C」という場合がある。
グラフトポリマーの製造方法としては特に制限はないが、例えば(i)反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンと、該反応性官能基と反応しうる官能基を末端に有する不飽和単量体由来の重合体セグメントを反応させるgraft−onto法(高分子反応法)、(ii)後述のラジカル反応性オルガノポリシロキサンの存在下、不飽和単量体をラジカル重合させるgraft−from法等があげられる。これらの中では製造時の負荷低減の観点から、(ii)ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの存在下、不飽和単量体をラジカル重合させるgraft−from法が好ましい。
以下graft−from法によるグラフトポリマーの製造方法に関して説明する。
グラフトポリマーは、下記一般式(4)又は(5)で示されるラジカル反応性オルガノポリシロキサンの存在下、不飽和単量体をラジカル重合することにより製造することができる。
前記一般式(4)及び(5)中、R11の好ましい様態は、前記一般式(1)及び(2)中、R1の好ましい様態と同様である。
前記一般式(4)及び(5)中のp及びqは、それぞれ一般式(1)及び(2)のp及びqと同義であり、好ましい様態は、それぞれ前記一般式(1)及び(2)中のp及びqの好ましい様態と同様である。
なお、本発明において、ラジカル反応性基含有アルキル基の炭素数には、ラジカル反応性官能基が炭素を有する場合であってもラジカル反応性官能基の炭素数は含まれず、またラジカル反応性基含有アルキル基が前述の1価の基が置換したものであった場合も、該1価の基の炭素数は含まれない。
なお、本発明においてMWraは、実施例に記載の測定条件によるGPCで測定し、ポリスチレン換算したものである。
またラジカル反応性オルガノポリシロキサンは、下記一般式(6)又は(7)で示される反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンと、ラジカル反応性付与剤とを反応させて得ることもできる。一般式(6)及び(7)で示される反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンは、種々の構造のものが市販されており、入手が容易である。
一般式(6)及び(7)中の、R21の好ましい様態は、一般式(4)及び(5)におけるR11の好ましい様態と同様である。
反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンは、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、及びエポキシ基から選ばれる1種以上の置換基を有している。
反応性官能基としては、入手性の観点から、水酸基、アミノ基、又はエポキシ基が好ましく、反応性及び取扱い性の観点から、アミノ基が好ましい。
なお、本発明においてMWsimは、実施例に記載の測定条件によるGPCで測定し、ポリスチレン換算したものである。
本発明においてラジカル反応性付与剤とは、反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンの反応性官能基と反応して、反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンにラジカル反応性官能基を付加する剤をいう。
ラジカル反応性付与剤のラジカル反応性官能基及びその好ましい様態は、前記ラジカル反応性オルガノポリシロキサンのラジカル反応性官能基及びその好ましい様態と同様である。中でも、重合時の反応性の観点から、ラジカル反応性付与剤はラジカル反応性官能基として、スルファニル基(メルカプト基)を有しているものが好ましく、例えば、3−メルカプトプロピオン酸等のスルファニル基とカルボキシ基を分子内に有する化合物、γ−ブチロラクトンチオール等のスルファニル基を有するラクトン類等が挙げられる。また、置換基を有していてもよいチオラクトンとしては、γ−チオブチロラクトン、N−アセチル−DL−ホモシステインチオラクトン、DL−ホモシステインチオラクトン塩酸塩等が挙げられる。これらの内、ラジカル反応性付与剤としては、反応性オルガノポリシロキサンとの反応性、重合時の反応性の観点からN−アセチル−DL−ホモシステインチオラクトンがより好ましい。
ラジカル反応性付与剤と反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンとの反応では、溶媒を用いてもよい。
溶媒としては水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族化合物、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
環境負荷低減の観点から、溶媒は用いないことが好ましい。
反応時間は、反応を十分に進行させる観点から1時間以上が好ましく、2時間以上がより好ましく、生産性の観点から10時間以下が好ましく、5時間以下がより好ましい。
反応は、得られるラジカル反応性オルガノポリシロキサンの反応性の観点から、反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンの反応性官能基とラジカル反応性付与剤の少なくとも一方の転化率が、80%以上となるまで行うことが好ましく、90%以上となるまで行うことがより好ましい。
転化率の測定法は、反応に用いる反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンの反応性官能基、及びラジカル反応性付与剤によって異なるが、いずれも公知の方法によって測定できる。例えば反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンの反応性官能基がアミノ基であり、ラジカル反応性付与剤がチオラクトン類である場合には、アミノ基の転化率は「石油製品全塩基価試験方法(過塩素酸法)」(JIS K2501)によって求められ、またチオラクトン類の転化率は、液体クロマトグラフ法を用いて求めることができる。
ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの存在下、不飽和単量体を重合させる方法は特に限定されず、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等を採用しうるが、より均一な組成のオルガノポリシロキサングラフトポリマーを製造するために、溶液重合法が好ましい。
原料となる不飽和単量体の使用量は、グラフトポリマーのエタノール中での分散性の観点から、原料となるラジカル反応性オルガノポリシロキサンと原料となる不飽和単量体の総量に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、また、オルガノポリシロキサングラフトポリマーを含有する毛髪化粧料で毛髪をセットした後の毛髪の感触の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
溶媒の具体例としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族化合物、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用してよい。
これらの中で、より均一な側鎖分子量分布を有するグラフトポリマー得る観点から、水、エタノール、イソプロパノール等の炭素数1以上8以下のアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル等の炭素数2以上8以下のエステル、ジエチルエーテル、及びテトラヒドロフラン等の炭素数2以上8以下のエーテルから選ばれる1種以上の溶媒を用いることが好ましく、毛髪化粧料へのグラフトポリマー製造時の溶媒の持ち込みの観点から、水、エタノール等の炭素数1以上3以下のアルコールから選ばれる1種以上を用いることがより好ましい。
不飽和単量体の転化率は、ガスクロマトグラフィー分析により求めることができる。具体的な操作については、実施例に記載する。
重合反応時間は通常0.1時間以上60時間以下であり、操作性の観点から、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上、更に好ましくは2時間以上、より更に好ましくは4時間以上であり、また、生産性の観点から、好ましくは30時間以下、より好ましくは20時間以下、更に好ましくは10時間以下である。重合反応を、原料を滴下や分割添加等、時間をかけて添加する場合、重合反応時間は、原料の添加に要する時間を含む。重合反応の時間は、例えば重合反応温度を上げることで短時間化が可能であり、重合温度に応じて変えることができる。
また重合反応終了後に必要に応じて公知の方法によって精製や未反応の不飽和単量体の低減等を行ってもよい。例えば、重合開始剤を添加して加熱することや膜精製、吸着剤処理等による未反応の不飽和単量体やその他不純物の低減を行ってもよい。
本発明におけるポリマーBは、ポリマーAの側鎖を構成する不飽和単量体と同じ不飽和単量体由来の繰り返し単位を90質量%以上含有するポリマーである。
前記ポリマーBは、前記オルガノポリシロキサングラフトポリマー(ポリマーA)の製造時に副生成物としてその一部が製造されるが、本発明においては、ポリマーAとは別に前記ポリマーBの条件を満たすポリマーを製造し、ポリマーBとして用いることが好ましい。
なお、本発明においては、ポリマーAの製造時に副生成物として製造されるポリマーBを「ポリマーBI」とし、ポリマーAとは別に製造したポリマーBを「ポリマーBII」とする。
ポリマーBIは、前述のとおり、ポリマーAの製造時に副生成物として製造されるポリマーである。
ポリマーBI中、ポリマーAの側鎖を構成する不飽和単量体の含有量は、ポリマーAとの相溶性を向上させる観点から、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは実質的に100質量%、より更に好ましくは100質量%である。
なお、ポリマーBIの好ましい態様は、ポリマーAの側鎖を構成する不飽和単量体と同様である。
前述のとおりポリマー混合物Cは、ポリマーAとポリマーAの製造過程で得られるポリマーBIとを含むものである。本発明のポリマー組成物は、このポリマー混合物Cと必要に応じて溶媒を混合したものであってもよく、ポリマー混合物Cに対して、後述のポリマーBII、更に必要に応じて溶媒を混合したものであってもよい。
前記ポリマー混合物C中におけるポリマーAの含有量は、ポリマー組成物の製造時の混合比率の決定のしやすさの観点から、好ましくは70質量%以上、より好ましくは72質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上であり、また、反応制御の容易さの観点から、好ましくは99.5質量%以下、より好ましくは99.0質量%以下である。
なお、ポリマー混合物C中のポリマーBIの含有量は、ラジカル重合性オルガノポリシロキサン及び不飽和単量体の先仕込み割合、滴下速度を変化させることによって調整することができる。
ポリマーBIIは、前述のとおりポリマーAの製造とは別に製造されるポリマーである。
ポリマーBII中、ポリマーAの側鎖を構成する不飽和単量体の含有量は、ポリマーAとの相溶性を向上させる観点から、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは実質的に100質量%、より更に好ましくは100質量%である。
ポリマーBIIは、前述のとおりポリマーAの側鎖を構成する不飽和単量体と同じ不飽和単量体を90質量%以上含有するポリマーであるため、ポリマーBIIの好ましい態様は、ポリマーAの側鎖を構成する不飽和単量体と同様である。
ポリマーBIIの製造方法は特に限定されず、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等を採用しうるが、特に溶液重合法が好ましい。
原料となる不飽和単量体の重合を、溶液重合法で行う場合、用いる溶媒としては、不飽和単量体、及び得られるポリマーBIIのいずれもが溶解又は均一に分散すれば特に制限はない。
溶媒の具体例としては、オルガノポリシロキサングラフトポリマー製造時の溶媒と同じものが挙げられる。
これらの中で、より均一な組成を有するポリマーBIIを得る観点から、水、エタノール、イソプロパノール等の炭素数1以上8以下のアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル等の炭素数2以上8以下のエステル、ジエチルエーテル、及びテトラヒドロフラン等の炭素数2以上8以下のエーテルから選ばれる1種以上の溶媒を用いることが好ましく、ポリマー組成物を毛髪化粧料用途等に用いる場合、化粧品製品へのポリマーBII製造時の溶媒の持ち込みの観点から水、エタノール等の炭素数1以上3以下のアルコールから選ばれる1種以上を用いることがより好ましい。
重合反応時の温度及び反応時間の好ましい態様は、オルガノポリシロキサングラフトポリマー製造時の好ましい態様と同じである。
不飽和単量体の転化率は、ガスクロマトグラフィー分析により求めることができる。具体的な操作については、実施例に記載する。
また重合反応終了後に必要に応じて公知の方法によって精製や未反応の不飽和単量体の低減等を行ってもよい。例えば、重合開始剤を添加して加熱することや膜精製、吸着剤処理等による未反応の不飽和単量体やその他不純物の低減を行ってもよい。
溶液中におけるポリマーBIIの含有量は、毛髪化粧料を調製する際の操作性の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは25質量%以上であり、また、ポリマーBIIの溶解性の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。
なお、ポリマーBの重量平均分子量は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明のポリマー組成物は、前述のポリマーA及びポリマーBを含有するものである。
ポリマー組成物中のポリマーA及びポリマーBの含有量は、毛髪化粧料を調製する際の操作性の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、より更に好ましくは3質量%以上、より更に好ましくは4質量%以上であり、また、ポリマーAの溶解性の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、より更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは8質量%以下、より更に好ましくは6質量%以下である。
ポリマー組成物中における溶媒の含有量は、ポリマー組成物の溶解性の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上、更に好ましくは58質量%以下であり、また、毛髪化粧料を調製する際の操作性の観点から、好ましくは99.5質量%以下、より好ましくは99質量%以下、更に好ましくは90質量%以下、より更に好ましくは80質量%以下、より更に好ましくは70質量%以下である。
<ポリマー組成物(成分(A))>
本発明の毛髪化粧料は、本発明のポリマー組成物(以下「成分(A)」ともいう)を含有する。これにより、柔軟な感触と、手指を髪に通してもヘアスタイルが崩れないセット特性と、より自然な仕上がりが得られる。
その他、本発明の毛髪化粧料においては、毛髪のセット力、使用感の良さ、毛髪化粧料を調製する際の操作性の観点から、溶媒として水、炭素数1以上3以下の直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和アルコールから選ばれる1種以上を含有させることができる。中でも、溶媒としては、水、エタノール、及びイソプロパノールから選ばれる1種以上が好ましく、水、エタノールから選ばれる1種以上が特に好ましい。
また、本発明のポリマー組成物をそのまま毛髪化粧料として用いてもよい。
本発明で使用する毛髪化粧料は、常法に従い各種剤型に調製することができ、例えば、ミスト、ローション、トニック等の液状組成物だけなく、ゲル状、ペースト状、クリーム状、ワックス状等の半固形状組成物とすることができる。
噴射剤の含有量は、本発明の毛髪化粧料中、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは100質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。
カラム :K−804L(東ソー株式会社製)2つを直列につないで使用
溶離液 :1mMジメチルドデシルアミン/クロロホルム溶液
流量 :1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器 :RI
サンプル濃度及びサンプル量:5mg/mL、500μL
上記条件を用い、ポリスチレン換算で、反応性官能基を有するオルガノポリシロキサン、又はラジカル反応性オルガノポリシロキサンそれぞれの重量平均分子量を測定した。
カラム :α−M(東ソー株式会社製)2つを直列につないで使用
溶離液 :50mMLiBr/1質量%酢酸/エタノール/水(8/2)混合溶液
流量 :1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器 :RI
サンプル濃度及びサンプル量:5mg/mL、500μL
上記条件を用い、ポリエチレンオキサイド換算で、ポリマーA、又はポリマーBII−1〜3それぞれの重量平均分子量を測定した。
カラム :α−M(東ソー株式会社製)2つを直列につないで使用
溶離液 :50mMLiBr/60mM燐酸/DMF溶液
流量 :1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器 :RI
サンプル濃度及びサンプル量:5mg/mL、500μL
上記条件を用い、ポリエチレンオキサイド換算で、ポリマーBII−4の重量平均分子量を測定した。
側鎖一級アミノプロピル変性オルガノポリシロキサン(反応性官能基を有するオルガノポリシロキサン)、及び側鎖一級アミノプロピル変性オルガノポリシロキサンとN−アセチル−DL−ホモシステインチオラクトン(ラジカル反応性付与剤)との反応により得られたスルファニル基変性オルガノポリシロキサン(ラジカル反応性オルガノポリシロキサン)を含む混合物のアミノ基量を測定することにより、反応により消費されたアミノ基量を測定した。アミノ基量の測定は、ASTM D 2073に準拠した方法で行った。具体的には、フラスコに試料(ラジカル反応性オルガノポリシロキサン)を約10gはかりとり、エタノールを50mL加えて撹拌し、電位差滴定装置を用いて0.2mol/Lのエタノール性塩酸溶液で滴定し、同時にブランク試験を行って補正して測定した。
アミノ基量の測定結果から、まずアミノ基の転化率;α(%)を下記式(IV)により求めた。
上式中、a0、a1は、それぞれ側鎖一級アミノプロピル変性オルガノポリシロキサンの単位質量当たりのアミノ基のモル数、及びラジカル反応性付与剤との反応後の反応混合物中の単位質量当たりのアミノ基のモル数を表し、fは側鎖一級アミノプロピルオルガノポリシロキサンの仕込み総質量、gはラジカル反応性付与剤の仕込み総質量を示す。
反応後のラジカル反応性オルガノポリシロキサン上には、反応により消費されたアミノ基と同数のスルファニル基が生成したと見なして、下記計算式(V)から、スルファニル基変性オルガノポリシロキサンの単位質量当たりのスルファニル基のモル数(S)を算出した。
上式中、a0、a1、f、gは、それぞれ上記式(IV)中のa0、a1、f、gと同じ意味を示し、hはラジカル反応性付与剤の分子量を表す。
10mLのスクリュー管に、オルガノポリシロキサングラフトポリマーの40質量%エタノール溶液を0.6g、N−メチルマレイミド(シグマアルドリッチ製)の10質量%エタノール溶液を0.15g、エタノールを0.55g入れ、室温で2時間撹拌した。撹拌終了後、エタノール1gを加え、その溶液をガスクロマトグラフィーにて分析し、N−メチルマレイミド量を定量した。N−メチルマレイミドの消費率からスルファニル基の残存量を算出し、この値とスルファニル基変性オルガノポリシロキサンの単位質量当たりのスルファニル基のモル数から、スルファニル基の残存率を算出した。
原料に用いたスルファニル基変性オルガノポリシロキサンの単位質量当たりのスルファニル基のモル数及び前記<スルファニル基の残存率の測定方法>で得られたスルファニル基の残存率から、グラフト点間分子量を算出した。
ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの存在下、不飽和単量体をラジカル重合させるgraft−from法を用いた場合、ポリマーAの他に、オルガノポリシロキサングラフトポリマーに結合していない不飽和単量体由来の重合体(ポリマーBI)が生成する。重合反応終了後、溶媒を除去した後のポリマー混合物Cにおける該不飽和単量体由来の重合体の含有量(質量%)を液体クロマトグラフィにより測定した。測定条件を以下に示す。ピークトップの位置が28.5〜29.0分であるピークがポリマーBIであり、予め別に合成した同じ組成のポリマーを標準として検量線を作成し、サンプル中のポリマーBIの含有量を算出した。
検出器 :紫外吸光光度計(測定波長:230nm)
カラム :ODSカラム(一般財団法人 化学物質評価研究機構製、商品名:L−c
olumn ODS、サイズ:4.6×150mm、5μm)
カラム温度:30℃付近の一定温度
移動相A :2%リン酸水溶液、移動相B:2%リン酸エタノール溶液
グラジエント条件:
開始から7分未満は移動相Bの濃度を15質量%とした。
7分以降20分未満は移動相Bの濃度を30質量%とした。
20分以降35分までは移動相Bの濃度を100質量%とした。
流速 :0.5mL/min
サンプル濃度とサンプル量:1〜2mg/mL 10.0μL
ポリマーA中におけるオルガノポリシロキサンセグメントの含有量は、「ポリマー混合物Cの製造時に投入されるラジカル反応性オルガノポリシロキサンの総質量(a)」と、{(a)及び「ポリマー混合物Cの製造時に投入される不飽和単量体の総質量(b1)」の総和から「ポリマー混合物Cの製造時に生成するオルガノポリシロキサンに結合していない不飽和単量体由来の重合体(ポリマーBI)の総質量(c)」を差し引いた値}との比と同一であるとみなし、a/(a+b1−c)より求める。
ポリマーA及びポリマーBの合計の含有量中のオルガノポリシロキサンセグメントの含有量は、上記aと、a、b1及び「ポリマーBIIの製造時に投入される不飽和単量体の総質量(b2)」の合計質量との比(a/(a+b1+b2))より求める。
重合反応時の不飽和単量体の転化率はガスクロマトグラフィーを用い、以下の条件で未反応の不飽和単量体を測定し、転化率を算出した。
(ガスクロマトグラフィーの測定条件)
カラム :SUPELCO PTA−5
(Sigma−Aldrich製、30m×250μm×0.5μm)
モード :スプリットレスモード
注入口温度:250℃
オーブン:40〜280℃
検出器 :FID
検出器温度:300℃
サンプル :50mg/gエタノール溶液、1.0μL
N,N−ジメチルアクリルアミド :80℃
N−t−ブチルアクリルアミド :125℃
N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド:134℃
メタクリル酸 :228℃
<ラジカル反応性オルガノポリシロキサンR1の製造>
還流冷却管、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンとして、側鎖一級アミノプロピル変性オルガノポリシロキサン(重量平均分子量25,000、単位質量当たりのアミノ基のモル数;1/2078mol/g、東レ・ダウコーニング社製)を100g、N−アセチル−DL−ホモシステインチオラクトンを8g仕込んだ。窒素雰囲気下で、100℃に昇温し、3時間撹拌し、スルファニル基を有するラジカル反応性オルガノポリシロキサンR1を合成した。電位差滴定測定によりアミノ基の残存量を測定したところ、原料とした側鎖一級アミノプロピル変性オルガノポリシロキサンのアミノ基の98.4%がN−アセチル−DL−ホモシステインチオラクトンと反応していた(アミノ基転化率98.4%)。したがってラジカル反応性オルガノポリシロキサンR1の単位質量当たりのスルファニル基のモル数は1/2271mol/gである。GPC測定により求めたラジカル反応性オルガノポリシロキサンR1の重量平均分子量は、25,000であった。
<ラジカル反応性オルガノポリシロキサンR2の製造>
還流冷却管、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンとして、側鎖一級アミノプロピル変性オルガノポリシロキサン(重量平均分子量31,000、単位質量当たりのアミノ基のモル数;1/3820mol/g、信越化学工業社製)を200g、N−アセチル−DL−ホモシステインチオラクトンを8.34g仕込んだ。窒素雰囲気下で、100℃に昇温し、3時間撹拌し、スルファニル基を有するラジカル反応性オルガノポリシロキサンR2を合成した。電位差滴定測定によりアミノ基の残存量を測定したところ、原料とした側鎖一級アミノイソプロピル変性オルガノポリシロキサンのアミノ基の99.3%がN−アセチル−DL−ホモシステインチオラクトンと反応していた(アミノ基転化率99.3%)。したがってラジカル反応性オルガノポリシロキサンR2の単位質量当たりのスルファニル基のモル数は1/4006mol/gである。GPC測定により求めたラジカル反応性オルガノポリシロキサンR2の重量平均分子量は、31,000であった。
<ポリマーA1及びポリマーBI−1を含有するポリマー混合物C1の製造>
還流冷却器、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにエタノール16.45g、ジメチルアクリルアミド2.49g、t−ブチルアクリルアミド0.62gを仕込んだ。上記混合液を窒素雰囲気下80℃の還流下で撹拌しながら、下記溶液(a)及び溶液(b)をそれぞれ別の滴下ロートに入れ、同時に約1時間かけて滴下した。
溶液(a):ジメチルアクリルアミド9.96g、t−ブチルアクリルアミド 2.50g、エタノール30.5gを混合した溶液。
溶液(b):上記製造例1にて合成したラジカル反応性オルガノポリシロキサンR1 43.19g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業株式会社製、アゾ系重合開始剤「V−65B」)0.0038g、エタノール30.2gを混合した溶液。
得られたポリマー混合物C1中における、オルガノポリシロキサングラフトポリマーに結合していない不飽和単量体由来の重合体(ポリマーBI−1)の含有量を測定したところ、1.5質量%であった。すなわち、得られたポリマー溶液D1は、ポリマーA1を39.4質量%及びポリマーBI−1を0.6質量%含有する。
ポリマーA1中のオルガノポリシロキサンセグメントの含有量は、76質量%であった。また、ポリマーA1の重量平均分子量(MWt)は50,000であった。
<ポリマーA2及びポリマーBI−2を含有するポリマー混合物C2の製造>
還流冷却器、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにエタノール7.26gを仕込んだ。エタノールを窒素雰囲気下80℃の還流下で撹拌しながら、下記溶液(a)及び溶液(b)をそれぞれ別の滴下ロートに入れ、溶液(a)は80分かけて、溶液(b)は60分かけて滴下した。溶液(b)の滴下終了直後から溶液(c)を30分かけて滴下した。
溶液(a):ジメチルアクリルアミド18.68g、t−ブチルアクリルアミド 4.67g、エタノール35.23gを混合した溶液。
溶液(b):上記製造例1にて合成したラジカル反応性オルガノポリシロキサンRI 27.00g、V−65B0.0099g、エタノール9.83gを混合した溶液。
溶液(c):V−65B0.0049g、エタノール4.92gを混合した溶液。
得られたポリマー混合物C2中における、オルガノポリシロキサングラフトポリマーに結合していない不飽和単量体由来の重合体(ポリマーBI−2)の含有量を測定したところ、25.2質量%であった。すなわち、得られたポリマー溶液D2は、ポリマーA2を30.0質量%及びポリマーBI−2を10.0質量%含有する。
ポリマーA2中のオルガノポリシロキサンセグメントの含有量は、72質量%であった。また、ポリマーA2の重量平均分子量(MWt)は53,000であった。
<ポリマーA3及びポリマーBI−3を含有するポリマー混合物C3の製造>
還流冷却器、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにエタノール13.17g、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド0.94g、t−ブチルアクリルアミド2.19gを仕込んだ。上記混合液を窒素雰囲気下80℃の還流下で撹拌しながら、下記溶液(a)及び溶液(b)をそれぞれ別の滴下ロートに入れ、同時に溶液(a)を約40分、溶液(b)を約1時間かけて滴下した。
溶液(a):ジメチルアミノプロピルアクリルアミド1.87g、t−ブチルアクリルアミド 4.37g、エタノール9.51gを混合した溶液。
溶液(b):上記製造例2にて合成したラジカル反応性オルガノポリシロキサンR2 46.7g、V−65B0.0077g、エタノール50.4gを混合した溶液。
得られたポリマー混合物C3中における、オルガノポリシロキサングラフトポリマーに結合していない不飽和単量体由来の重合体(ポリマーBI−3)の含有量は、上記液体クロマトグラフィ法で直接測定することができない。製造例5のポリマー混合物C3は、製造例3のポリマー混合物C1と製造方法が同一であるため、ポリマー混合物C3中のポリマーBI−3の含有量は、ポリマー混合物C1中のポリマーBI−1の含有量と同一であると仮定し、1.5質量%とした。すなわち、得られたポリマー溶液D3は、ポリマーA3を39.4質量%及びポリマーBI−3を0.6質量%含有する。
<ポリマーA4及びポリマーBI−4を含有するポリマー混合物C4の製造>
還流冷却器、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにエタノール12.6g、メタクリル酸0.93g、t−ブチルアクリルアミド1.87gを仕込んだ。上記混合液を窒素雰囲気下80℃の還流下で撹拌しながら、下記溶液(a)及び溶液(b)をそれぞれ別の滴下ロートに入れ、同時に溶液(a)を約45分、溶液(b)を約1時間かけて滴下した。
溶液(a):メタクリル酸1.87g、t−ブチルアクリルアミド 3.74g、エタノール8.65gを混合した溶液。
溶液(b):上記製造例2にて合成したラジカル反応性オルガノポリシロキサンR2 46.7g、V−65B0.0060g、エタノール3.69gを混合した溶液。
得られたポリマー混合物C4中における、オルガノポリシロキサングラフトポリマーに結合していない不飽和単量体由来の重合体(ポリマーBI−4)の含有量は、上記液体クロマトグラフィ法で直接測定することができない。製造例6のポリマー混合物C4は、製造例3のポリマー混合物C1と製造方法が同一であるため、ポリマー混合物C4中のポリマーBI−4の含有量は、ポリマー混合物C1中のポリマーBI−1の含有量と同一であると仮定し、1.5質量%とした。すなわち、得られたポリマー溶液D4は、ポリマーA4を39.4質量%及びポリマーBI−4を0.6質量%含有する。
<ポリマーBII−1の製造>
還流冷却管、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに予め17.2gのエタノールを仕込み、窒素雰囲気下で80℃に昇温した。次いでジメチルアクリルアミド15.00g、t−ブチルアクリルアミド15.00g、エタノール41.8gの混合溶液と、V−65B0.66g、エタノール12.6gの混合溶液を、80℃の還流下で、同時に1時間滴下した。滴下終了後も80℃で1時間攪拌し、ポリマーBII−1の30質量%エタノール溶液を得た。ガスクロマトグラフィー(GC)測定により求めた転化率はジメチルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミドそれぞれ99.7%、98.8%であった。GPC測定により求めたポリマーBII−1の重量平均分子量は、21,000であった。
<ポリマーBII−2の製造>
還流冷却管、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに予め17.2gのエタノールを仕込み、窒素雰囲気下で80℃に昇温した。次いでジメチルアクリルアミド24.00g、t−ブチルアクリルアミド6.00g、エタノール50.0gの混合溶液と、V−65B0.71g、エタノール13.5gの混合溶液を、80℃の還流下で、同時に1時間滴下した。滴下終了後も80℃で1時間攪拌し、ポリマーBII−2の30質量%エタノール溶液を得た。GC測定により求めた転化率はジメチルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミドそれぞれ99.5%、99.6%であった。GPC測定により求めたポリマーBII−2の重量平均分子量は、19,000であった。
<ポリマーBII−3の製造>
還流冷却管、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに予め7.37gのエタノールを仕込み、窒素雰囲気下で80℃に昇温した。次いでジメチルアミノプロピルアクリルアミド9.00g、t−ブチルアクリルアミド21.00g、エタノール46.4gの混合溶液と、V−65B1.58g、エタノール19.9gの混合溶液を、80℃の還流下で、同時に1時間滴下した。滴下終了後も80℃で1時間攪拌し、ポリマーBII−3の30質量%エタノール溶液を得た。GC測定により求めた転化率はジメチルアミノプロピルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミドそれぞれ99.4%、98.2%であった。GPC測定により求めたポリマーBII−3の重量平均分子量は、8,000であった。
<ポリマーBII−4の製造>
還流冷却管、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに予め7.37gのエタノールを仕込み、窒素雰囲気下で80℃に昇温した。次いでメタクリル酸20.00g、t−ブチルアクリルアミド10.00g、エタノール46.4gの混合溶液と、V−65B1.58g、エタノール19.9gの混合溶液を、80℃の還流下で、同時に1時間滴下した。滴下終了後も80℃で1時間攪拌し、ポリマーBII−4の30質量%エタノール溶液を得た。GC測定により求めた転化率はメタクリル酸、t−ブチルアクリルアミドそれぞれ98.7%、94.3%であった。GPC測定により求めたポリマーBII−4の重量平均分子量は、13,000であった。
表4に示す配合にしたがって、製造例3〜6で得たポリマー混合物Cの溶液D、製造例7〜10で得たポリマーBIIの溶液及びエタノールを混合し、ポリマー組成物を得た。
得られた実施例1〜7及び比較例1〜2のポリマー組成物について、以下に示す評価を行った。
<毛髪セット性評価>
(評価条件)
実施例1〜7、比較例1〜2のポリマー組成物をそのまま毛髪化粧料として用いた。長さ30cm、重さ10gのコーカシアン毛のくせ毛の毛束を評価に用いた。この毛束全体が湿るように水で濡らし、実施例1〜7及び比較例1〜2のポリマー組成物を1.2g塗布し、表裏5回くしを通した。次いで毛束をドライヤーで完全に乾燥させた後、150℃に温度設定したストレートアイロンでくしを添えて3回伸ばした。この一連の処理が完了した後、以下の基準に従って官能評価を行った。各評価は3名の専門パネラーによるのべ5回の評価の平均値を示した。
(1)ヘアスタイルの仕上がり(目視)
上記の毛束処理条件において、アイロンを外した後の毛束の状態について、以下の判定基準により目視評価した。評価平均値が3.5以上であれば、ヘアスタイルの仕上がりは良いといえる。
5:毛髪のくせはまっすぐに伸び、毛束全体が1枚の板のようにまとまっている。
4:毛髪のくせはまっすぐに伸び、毛束のほぼ全体がまとまっている。
3:毛髪のくせは伸びているが、毛束のまとまりが弱い。
2:毛髪のくせは伸びているが、毛束のまとまりが全くない。
1:全く毛髪のくせが伸びない。
上記の毛束処理条件において、アイロンを外した後の毛束を、毛先を下にして吊るし、毛先から5cm上の毛束の幅を測定した。評価平均値が6.0cm以下であれば、ヘアスタイルの仕上がりは良いといえる。
上記の毛髪処理条件において、アイロンを外した後の毛束の感触(指を通した場合のうねりのなさ)について、以下の判定基準により官能評価した。評価平均値が4.0以上であれば、感触は良いといえる。
5:指を通しても全く引っかからず、すっと通る。
4:若干うねりを感じるが、引っかからず指が通る。
3:引っかからず指は通るが、うねりを感じる。
2:ところどころ引っかかりながら指が通る。
1:指が引っかかって通らない。
上記の毛髪処理条件において一連の処理が完了した後の毛束を、温度25℃、相対湿度40〜60%の環境下に、毛先を下にして吊るして放置した。18時間放置した時の毛束の状態について目視で評価した。評価平均値が3.0以上であれば、保持力は良いといえる。
5:毛束全体がまとまっており、くせも伸びたままである。
4:毛束全体がまとまっているが、毛束の先がうねっている。
3:毛束のほぼ全体がまとまってはいるが、全体的にうねりがある。
2:毛束のまとまりが弱く、うねりが顕著にあらわれている。
1:毛束全体がばらばらになっている。
上記の毛髪処理条件において一連の処理が完了した後の毛束を、温度25℃、相対湿度40〜60%の環境下に、毛先を下にして吊るして、18時間放置した後の毛先から5cm上の毛束の幅を測定した。評価平均値が7.0cm以下であれば、ヘアスタイルの仕上がりは良いといえる。
Claims (9)
- ポリマー組成物を含有する毛髪化粧料であって、
該ポリマー組成物が、ポリマーA及びポリマーBを含有し、ポリマーA及びポリマーBの合計に対するオルガノポリシロキサンセグメントの含有量が30質量%以上70質量%以下であり、
ポリマーBに対するポリマーAの質量比(ポリマーA/ポリマーB)が0.6以上30以下でであって、
ポリマーA:主鎖としてオルガノポリシロキサンセグメントを有し、側鎖として不飽和単量体由来の重合体セグメントを有するオルガノポリシロキサングラフトポリマーであって、オルガノポリシロキサングラフトポリマー中におけるオルガノポリシロキサンセグメントの含有量が70質量%超90質量%以下であるオルガノポリシロキサングラフトポリマー。
ポリマーB:ポリマーAの側鎖を構成する不飽和単量体と同じ不飽和単量体由来の繰り返し単位を90質量%以上含有するポリマー。
ポリマーAの不飽和単量体由来の重合体セグメント及びポリマーBが、(1)N,N−ジメチルアクリルアミド由来の繰り返し単位、(2)ホモポリマーのガラス転移温度が60℃以上150℃以下である非イオン性の不飽和単量体由来の繰り返し単位(但し、アミノ基を有する不飽和単量体由来の繰り返し単位を除く)、及びカチオン性の不飽和単量体由来の繰り返し単位、又は(3)ホモポリマーのガラス転移温度が60℃以上150℃以下である非イオン性の不飽和単量体由来の繰り返し単位(但し、アミノ基を有する不飽和単量体由来の繰り返し単位を除く)及びアニオン性の不飽和単量体としてカルボン酸又はその塩を有する不飽和単量体由来の繰り返し単位を含有し、前記(1)の、ポリマーAの不飽和単量体由来の重合体セグメント及びポリマーB中における、N,N−ジメチルアクリルアミド由来の繰り返し単位の含有量が50質量%以上100質量%以下であり、ホモポリマーのガラス転移温度が60℃以上150℃以下である非イオン性の不飽和単量体由来の繰り返し単位の含有量が90質量%以上である、毛髪化粧料。 - 前記ポリマーAの不飽和単量体由来の重合体セグメント及びポリマーBが、前記(1)の不飽和単量体由来の繰り返し単位を含有し、イオン性の不飽和単量体由来の繰り返し単位の含有量が0質量%以上1質量%以下である、請求項1に記載の毛髪化粧料。
- 前記ポリマーAの不飽和単量体由来の重合体セグメント及びポリマーBが、前記(2)の不飽和単量体由来の繰り返し単位を含有し、前記ポリマーAの不飽和単量体由来の重合体セグメント及びポリマーB中における、ホモポリマーのガラス転移温度が60℃以上150℃以下である非イオン性の不飽和単量体由来の繰り返し単位(但し、アミノ基を有する不飽和単量体由来の繰り返し単位を除く)の含有量が40質量%以上90質量%以下であり、カチオン性の不飽和単量体由来の繰り返し単位の含有量が10質量%以上60質量%以下であり、アニオン性の不飽和単量体由来の繰返し単位の含有量が0質量%以上1質量%以下である、請求項1に記載の毛髪化粧料。
- 前記ポリマーAの不飽和単量体由来の重合体セグメント及びポリマーBが、前記(3)の不飽和単量体由来の繰り返し単位を含有し、前記ポリマーAの不飽和単量体由来の重合体セグメント及びポリマーB中における、カルボン酸又はその塩を有する不飽和単量体由来の繰返し単位の含有量が20質量%以上85質量%以下であり、ホモポリマーのガラス転移温度が60℃以上150℃以下である非イオン性の不飽和単量体由来の繰り返し単位(但し、アミノ基を有する不飽和単量体由来の繰り返し単位を除く)の含有量が15質量%以上80質量%以下であり、カチオン性の不飽和単量体由来の繰返し単位の含有量が0質量%以上1質量%以下である、請求項1に記載の毛髪化粧料。
- 前記ポリマー組成物中のポリマーA及びポリマーBの含有量が0.5質量%以上50質量%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の毛髪化粧料。
- 前記ポリマーAのオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が3,000以上200,000以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の毛髪化粧料。
- 前記ポリマーAのオルガノポリシロキサンセグメント中の隣接する不飽和単量体由来の重合体セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの数平均分子量(MNg)が500以上10,000以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の毛髪化粧料。
- 前記ポリマーAが、ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの存在下、不飽和単量体を重合させることによって得られるものである、請求項1〜7のいずれかに記載の毛髪化粧料。
- ラジカル反応性オルガノポリシロキサンが、反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンにラジカル反応性付与剤を反応させて得られたものである、請求項8に記載の毛髪化粧料。
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