JP6469287B1 - 中空糸細胞培養装置,細胞培養方法,培養上清の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フィルターハウジング1と,その内部に存在する中空糸3であって,ポアサイズが5nm以上1μm以下であり,細胞導入部5により内部に細胞が導入されるものと,中空糸3の第1の末端4aと,フィルターハウジング1を密閉するための第1のエンドキャップ6aと,フィルターハウジングの内部に培養液を導入するための培養液導入部7と,フィルターハウジングの内部を経た培養液を排出するための培養液排出部9と,を有する,培養上清を製造するための中空糸細胞培養装置。
【選択図】図1
Description
フィルターハウジング1と,
フィルターハウジングの内部に存在する中空糸3であって,ポアサイズが5nm以上1μm以下であり,中空糸3の第1及び第2の末端4a,4bはフィルターハウジング1の第1及び第2の端部1a,1bと接続されたものであり,中空糸3は細胞導入部5により内部に細胞が導入されるものと,
中空糸3の第1の末端4aと,フィルターハウジング1を密閉するための第1のエンドキャップ6aと,
フィルターハウジング1と接続され,フィルターハウジングの内部に培養液を導入するための培養液導入部7であって,フィルターハウジングの内部に培養液を供給するための培養液供給路8と接続されるものと,
フィルターハウジング1と接続され,フィルターハウジングの内部を経た培養液を排出するための培養液排出部9であって,フィルターハウジングの内部の培養液を排出するための培養排出路10と接続されるものと,を有する,中空糸細胞培養装置である。
培養液供給路(8)に設けられ,培養液導入部(7)を介してフィルターハウジング(1)内に培養液を送るための送液装置(11)をさらに有する,装置であることが好ましい。
細胞導入部(5)は,第1のエンドキャップ(6a)を連結する中空糸(3)に対応した部位に接続され,細胞が中空糸フィルターの内腔に導入される,装置であることが好ましい。
細胞導入部5は,第1のエンドキャップ6aを連結する中空糸フィルターに対応した部位に設けられた空間体積を持つ円筒状の容積部であり,円筒状の容積部の一方の末端には,ガスケットを有した押し子が挿入され,円筒状の容積部のもう一方の末端は中空糸フィルターに連結され,押し子を中空糸フィルターの方向に押し込むことにより,細胞が中空糸フィルターの内腔に導入される,装置であることが好ましい。
中空糸3の内部に,細胞導入部5を介して細胞を導入する細胞導入工程と,
培養液導入部7を介してフィルターハウジング内部に,培養液を供給する培養液供給工程と,
培養液排出部9から,フィルターハウジング内部の培養液を,排出する培養液排出工程と,中空糸3の内部で細胞を培養する工程と,
培養液排出工程により得られた排出液から培養上清を回収する培養上清回収工程と,
を含む,培養上清の製造方法である。
中空糸3の内部に,細胞導入部5を介して細胞を導入する細胞導入工程と,
培養液導入部7を介してフィルターハウジング1内部に,培養液を供給する培養液供給工程と,
培養液排出部9から,フィルターハウジング1内部の培養液を,排出する培養液排出工程と,
中空糸3内部で細胞を培養する工程と,
培養液排出工程により得られた排出液から培養上清を回収する培養上清回収工程と,
を含む,培養上清の製造方法である。
中空糸3内への播種に必要となる細胞の調製において,上述の培養液と細胞を用いる。播種する細胞は,通常の接着平面培養で調製された,剥離剤で容易に分散可能な細胞が好適であるが,その他にも,マイクロキャリアーを用いた培養や,スフェロイド培養で調製された細胞を用いても良く,中空糸フィルターの内孔に入るサイズの大きさであれば,細胞を剥離せず接着したままのマイクロキャリアーを含んでも良いし,または細胞が凝集体を形成していても良い。
少なくとも,フィルターハウジング1,その内部に配置される中空糸3,フィルターハウジング末端4a,4b,培養液導入部7,培養液排出部9,から構成される中空糸フィルターモジュールに,エンドキャップ6a,6bガスケットやシール材を含む場合有りを中空糸フィルターハウジング末端4a,4bに装着し,さらに培養液供給路8,培養液排出路10をそれぞれ培養液導入部7,培養液排出部9と接続する。ここでこれらの構成品を構成品1とする。構成品1の素材が許容する方法の滅菌方法によって,滅菌処理を施すことが好ましい。
次に,『構成品1』を,無菌操作区域ISO class 5,または実質的に無菌的な操作が可能である管理区域において,エンドキャップ6aガスケットやシール材を含む場合有りを外し,そこに細胞導入部5を接続する。その後,播種用に調製した細胞懸濁液を細胞導入部に入れる。細胞懸濁液は,培養液であることが望ましいが,培養に悪影響を与えない範囲において許容される溶液または増粘剤,ゲル化剤であれば特に限定されない。培養が小スケールで細胞導入部5がシリンジである場合は,プランジャーを外して外筒に細胞懸濁液を入れ,その後プランジャーを装着し,プランジャーを押し込むことで,細胞懸濁液を中空糸内へと導入する。この時,中空糸の反対側のフィルターハウジング末端1bと中空糸末端4bはエンドキャップ6bガスケットやシール材を含む場合有りで密閉されているが,中空糸3内部の体積を超える細胞懸濁液の溶液部分は,中空糸3の膜を通じて,中空糸内腔からフィルターハウジング1の内部へと排出される。中空糸の膜は細胞を通過させない孔径であるため,細胞は培養液循環流路に排出されることなく,完全に中空糸内腔に保持される。なお,中空糸内腔での細胞分布の偏りが生じることを避けるために,中空糸内部に気体を注入することは極力避けることが望ましい。さらに,細胞の凝集体形成を抑制する目的において,細胞懸濁液にセルロース系水溶性高分子のメチルセルロースMCやカルボキシメチルセルロースCMC,その他セルロース誘導体,またはその他の水溶性高分子のポリエチレングリコールPEG,ポリビニルピロリドンPVP,またはアルギン酸ナトリウム等やそのゲル化剤を添加して,培養液の粘度を上昇させる手法を用いても良い。
培養液を無菌的に注入した培養液貯液容器に,培養液供給路8を接続する。培養液を循環式とする場合,培養液排出路10も同じ培養液貯液容器に接続する。循環式としない場合には,培養液供給路8が接続された培養液貯液容器とは別の培養液貯液容器に培養液排出路10を接続する。これを構成品3とする。
中空糸内腔に細胞を導入し,細胞が増殖期にある培地交換については,用いる細胞と培養液の種類等によって決定することになる。間葉系幹細胞で例示すると,約4日に1回の培地全交換回分培養を基本とすることが望ましい。しかしながら,本発明を実施するにおいてはこれに限定されるものではなく,細胞数が増加するまでは,培養液貯液容器の半交換で対応することも可能な範囲である。また,培養液のコントロールとして,流加培養や連続培養の技術を用いることによっても,本発明は良好に実施できる。細胞が死滅することなく維持できる任意の範囲において,実施者が設定すれば良い。
非破壊的に細胞の増殖度合いを評価する方法としては,培養装置の培養液循環流路等に設けた無菌的サンプリングポートから分取した培養上清を測定することで実施できる。測定項目の例として,培養上清中の目的産生物質の単位時間当たりの産生量,グルコース消費量,pH,溶存酸素濃度,溶存二酸化炭素濃度,または乳酸濃度などがその指標となる。あらかじめ中空糸内腔における細胞増殖度合いとこれらの数値の相関性を評価しておくことで,中空糸内腔の細胞増殖度合いを評価することができる。測定項目によっては,培養上清の流路に設置した非接触型センサーによる連続的な測定を行っても良い。
これらの方法により,目的産生物を高濃度で含有する培養上清回収の開始の時期や,細胞の健全性および同質性に限界を迎える回収中止までの期間を知ることができる。
細胞が増殖し,期待する量の目的成分の分泌を確認できる時期に,培養上清の調製と回収を開始する。例えば培養液が循環式の場合において,中空糸ハウジング内を循環していた培養上清を回収するタイミングとして,間葉系幹細胞を例にすると,培養上清の調製に回分培養を採用する場合,培養上清回収直前の培地交換から1日から10日後の回収が好ましく,さらに好ましくは2日から8日後であり,最も至適には3日から5日目が好適である。また,本発明の絶大な効果として強調される点として,中空糸内腔に細胞を導入した後,非常に長期間に渡って培養上清の回収を継続できる点であり,その期間において,任意に必要分の培養上清を回収すれば良い。間葉系幹細胞の場合,フラスコによる平面接着培養においては,コンフルエントに到達した後,健全な状態での細胞の維持は数日間が限界であることと対象的に,本発明によると,中空糸の中で通常50日間以上,健全に維持することができる。
1.脂肪組織由来間葉系幹細胞(AD−MSC)の中空糸培養と培養上清の調製
1.1.細胞調製方法
(1)初代培養(P0)
AD−MSCを用いた再生医療を受ける患者より,投与用細胞の調製に必要な原料となる皮下脂肪組織を分取した後の余剰組織について,研究用利用用途の同意取得の後に皮下脂肪の提供を受け,初代培養に供した。皮下脂肪組織は遠心分離(400×gで5分間)に供し,上から順に脂質画分,脂肪組織画分,および水性画分の3層に分離した。中層の脂肪組織画分を残して,上層と下層を破棄した。残した脂肪組織画分に対して,組織重量当たり4倍量の0.15%コラゲナーゼ酵素溶液を添加し,37℃で1時間浸透させ,酵素処理を行った。脂肪組織が分散された後, 遠心分離(400×gで5分間)に供し,間葉系幹細胞を含む間質血管細胞画分として,沈殿画分を30 mLのPBS(-)溶液で懸濁した。その後,セルストレーナー(70μm径)に懸濁液を通液し,通液画分を再度遠心分離(400×gで5分間)に供し,セルストレーナーに捕捉された組織残渣等は破棄した。沈殿画分を6 mLの無血清培養液(Procul AD; ロート製薬)で懸濁し,T-25フラスコ(CellBIND(登録商標); Corning)に全量を播種し,インキュベーター内(37℃,5% CO2)に静置して初代培養を開始した。
3日に1回の頻度で培地全交換を実施し,上澄みは破棄して,フラスコ底面上で増殖する細胞を選択的に増殖した。播種から11日目に,T-25フラスコでセミコンフルエントまで増殖した細胞に対して,2 mLの酵素溶液(TrypLE Select(登録商標);Thermo Fisher Scientific)を添加し剥離した(37℃,5分間静置)。細胞をPBS(-)で希釈し,遠心分離(400×gで5分間)に供した。沈殿した細胞を培養液で懸濁し,トリパンブルー染色法による細胞数計測を行った結果,1.2×106個の生細胞が回収できたため,その全量をT-150フラスコ(CellBIND(登録商標); Corning)2枚に24mLの無血清培養液で全量を播種し(4,000個/cm2),インキュベーター内(37℃,5% CO2)に静置して継代培養を行った。
(1)装置の組立
フィルターハウジング末端1a,1bがサニタリー接続ポート形状であり,培養液導入部と培養液排出部にはルアーロックコネクトを有する中空糸フィルターモジュール(PES MidiKros TCモジュール/0.2μm分画サイズ,フィルター膜面積290 cm2,全長44cm;T04-P20U-05-N;スペクトラムラボラトリーズ)を使用した。ヘルールサニタリー接続ポートを有し,かつシリコンガスケットとシリコンシール材を含むエンドキャップ6bを,フィルターハウジング末端1bと中空糸末端4bを閉塞するように,クランプを締めて密閉した。
次に,フィルターハウジング末端1aに,上述の細胞導入部5を,シリコンガスケット装着したヘルールサニタリー接続ポートでクランプを締めて装着した。
安全キャビネット内において,2Dプロセスバック(FLEXBOY BAG 500 mL MPC MALE COUPLERS;ザルトリウスス・テディムジャパン)に培養液(Procul AD; ロート製薬)を350mL充填し,同プロセスバックの2箇所のCPC接続ポートに,滅菌処理を行った上記の構成品1の培養液供給路8と培養液排出路10のCPCカップリングを接続し,中空糸フィルターモジュールと培養液貯液容器の密閉型循環経路を形成した。
構成品2を,二酸化炭素インキュベーターに入れた(37℃,5%二酸化炭素濃度)。培養液(Procul AD; ロート製薬)は重炭酸緩衝系であるため,ガス交換は培養液供給路及び培養液排出路のシリコンチューブを介して行った。培養液供給路8の1カ所にペリスタティックポンプを装着し,それを駆動することで,中空糸フィルターハウジング内に通じる流路の培養液の循環を開始した。送液速度は約30mL/時間とし,ポンプの駆動は連続駆動とした。これは,中空糸内腔の体積1cm3あたり2mL/時間となるように設定したものである。
中空糸培養の開始から12日目まで,3日から4日に1回の培養液の半交換を実施した。その後は3日から4日に1回の全交換とした。また,培養上清の評価のために,培養開始日(Day0),培養開始後4日(Day4),培養開始後7日(Day7),培養開始後11日(Day11),培養開始後14日(Day14),培養開始後18日(Day18),培養開始後21日(Day21),培養開始後25日(Day25),培養開始後28日(Day28),培養開始後32日(Day32),培養開始後35日(Day35),培養開始後39日(Day39),培養開始後42日(Day42),培養開始後46日(Day46),培養開始後50日(Day50),時点の培養上清を3mLずつ,培養液が入るプロセスバックのサンプリングポートからシリンジを用いて分取し,Day50の時点で,培養を終了した。分取した培養上清は,0.2μmのPESシリンジフィルター(25 mm GD/Xシリンジフィルター(PES 0.2 μm 滅菌済);6896-2502;GEヘルスケア・ジャパン)でろ過し,解析に使用するまで−28℃で冷凍保管とした。
培養終了後,装置を分解し,中空糸フィルターモジュールのハウジング内部に,細胞剥離酵素溶液TrypLE Select(Thermo Fisher Scientific)を充填した。37℃で30分間酵素処理を行ない,中空糸膜と細胞の接着を緩めた後,中空糸内腔の細胞塊を取り出し,位相差顕微鏡でその細胞塊の観察を行った。図4は,中空糸内腔から取り出した細胞を示す図面に代わる写真である。
1.脂肪組織由来間葉系幹細胞(AD−MSC)の平面接着培養と培養上清の調製
1.1.細胞調製方法
(1)初代培養(P0)
上記実施例1で調製し,中空糸フィルターに播種したAD−MSC(P1継代細胞)の残余分について,8×105個をT−150フラスコ1枚(CellBIND;コーニングインターナショナル)に播種した。この時,培養液(Procul AD;ロート製薬)の液量は24mLとした。播種から4日後,セミコンフルエントに到達した段階で培養上清を回収した。その後も,3日から4日に1回の培養液の全交換を行い,培養液の交換時点である培養開始後7日(Day7),培養開始後11日(Day11),培養開始後14日(Day14)に,培地交換前に培養上清を回収した。これらの培養上清を0.2μmのPESシリンジフィルター(25 mm GD/Xシリンジフィルター(PES 0.2 μm 滅菌済);6896-2502;GEヘルスケア・ジャパン)でろ過し,解析に使用するまで-28℃で冷凍保管とした。
1.培養上清の解析
1.1.ELISA法による定量(TIMP2)
間葉系幹細胞由来の培養上清には多様なタンパク質が含有され,少なくともそれらの一部が薬理作用を発揮すると考えられている。中でも,Metalloproteinase(MMP)の内因性阻害剤であるTissue Inhibitor of Metalloproteinase(TIMP)ファミリーと,成長因子であるHepatocyte Growth Factor(HGF)については,間葉系幹細胞の培養上清中に高濃度で含有することが知られる因子である。
このように,本発明によって,有効性因子を高濃度に含有する培養上清を,長期間継続回収可能とすることにより,培養上清の生産効率を産業化レベルに引き上げることを初めて実現した。
長期間の培養過程における細胞の健全性と細胞障害性を評価するために,細胞死により細胞外の培養液中に分泌されるdsDNA濃度を定量した。dsDNA定量には市販のキットをマニュアルに準じて使用した(QuantiFluor(登録商標) dsDNA System;Promega)。その結果を表3及び図6に示す。
細胞の主要なエネルギー源であるグルコースを,長期間の培養過程における培養液中の濃度変化を評価するために定量した。グルコース定量には市販のキットをマニュアルに準じて使用した(Glucose Colorimetric Assay Kit2;BioVision)。その結果を表4及び図7に示す。
Claims (7)
- 培養上清を製造するための中空糸細胞培養装置用の中空糸フィルターモジュールであって,
フィルターハウジング(1)と,
前記フィルターハウジングの内部に存在する中空糸(3)であって,ポアサイズが5nm以上1μm以下であり,内腔を円形にした際の直径が,0.1mm以上1.6mm以下であり,前記中空糸(3)の第1及び第2の末端(4a,4b)は前記フィルターハウジング(1)の第1及び第2の端部(1a,1b)と接続されたものであり,前記中空糸(3)は細胞導入部(5)により内部に幹細胞が導入されるものと,
前記細胞導入部(5)により前記中空糸(1)の内部に前記幹細胞が導入された後に,前記中空糸フィルターモジュールに装着されるための第1のエンドキャップ(6a)であって,前記幹細胞や培養液の移動が前記中空糸(3)の第1の末端(4a)の開口部を通じて生じないように,前記中空糸(3)の第1の末端(4a)と,前記フィルターハウジング(1)を密閉するための第1のエンドキャップ(6a)と,
前記フィルターハウジング(1)と接続され,前記フィルターハウジングの内部に培養液を導入するための培養液導入部(7)であって,前記フィルターハウジングの内部に培養液を供給するための培養液供給路(8)と接続されるものと,
前記フィルターハウジング(1)と接続され,前記フィルターハウジングの内部を経た培養上清を含む培養液を排出するための培養液排出部(9)であって,前記フィルターハウジングの内部の培養上清を含む培養液を排出するための培養排出路(10)と接続されるものと,
前記幹細胞や培養液の移動が前記中空糸(3)の第2の末端(4b)の開口部を通じて生じないように,前記中空糸(3)の第2の末端(4b)と,前記フィルターハウジング(1)を密閉した第2のエンドキャップ(6b)を有し,
前記中空糸(3)の第1の末端(4a)及び前記中空糸(3)の第2の末端(4b)からは前記培養液が流入されず,
前記中空糸細胞培養装置は,前記中空糸(3)の内腔を前記幹細胞で閉塞させ,前記中空糸(3)外部に循環する培養液を前記中空糸(3)内部と交換させ,前記幹細胞により生じる培養上清を前記中空糸(3)外部へ移動させ,これにより,前記培養液排出部(9)から培養上清を含む培養液を排出させることができる,
中空糸フィルターモジュール。 - 請求項1に記載の中空糸細胞培養装置用の中空糸フィルターモジュールであって, 前記ポアサイズが0.1μm以上0.65μm以下である,中空糸フィルターモジュール。
- 請求項1に記載の中空糸細胞培養装置用の中空糸フィルターモジュールであって,
前記幹細胞は,間葉系幹細胞である,中空糸フィルターモジュール。 - 請求項1に記載の中空糸細胞培養装置用の中空糸フィルターモジュールであって,
前記細胞導入部(5)をさらに有し,
前記細胞導入部(5)は,第1のエンドキャップ(6a)を連結する中空糸フィルターに対応した部位に設けられた空間体積を持つ円筒状の容積部であり,円筒状の容積部の一方の末端には,ガスケットを有した押し子が挿入され,円筒状の容積部のもう一方の末端は中空糸フィルターに連結され,押し子を中空糸フィルターの方向に押し込むことにより,細胞が中空糸フィルターの内腔に導入される,中空糸フィルターモジュール。 - 請求項1に記載の中空糸細胞培養装置用の中空糸フィルターモジュールを含む培養上清を製造するための中空糸細胞培養装置であって,
前記培養液導入部(7)に接続され,前記培養液導入部(7)に培養液を導入するための培養液供給路(8)と,
前記培養液排出部(9)と接続され,前記培養液排出部(9)から排出される前記養上清を含む培養液を回収するための培養排出路(10)と,
を含み,
前記中空糸(3)の内腔を前記幹細胞で閉塞させ,前記中空糸(3)外部に循環する培養液を前記中空糸(3)内部と交換させ,前記幹細胞により生じる培養上清を前記中空糸(3)外部へ移動させ,これにより,前記培養液排出部(9)から培養上清を含む培養液を排出させ,前記培養上清を回収する,
中空糸細胞培養装置。 - 請求項5に記載の中空糸細胞培養装置であって,前記培養液供給路(8)に設けられ,前記培養液導入部(7)を介して前記フィルターハウジング(1)内に培養液を送るための送液装置(11)をさらに有する,装置。
- 請求項5の装置を用いた培養上清の製造方法であって,
前記中空糸(3)の内部に,前記細胞導入部(5)を介して間葉系幹細胞を導入する細胞導入工程と,
前記細胞導入工程の後に,前記間葉系幹細胞や培養液の移動が前記中空糸(3)の第1の末端(4a)の開口部を通じて生じないように,第1のエンドキャップ(6a)を用いて前記中空糸(3)の第1の末端(4a)と,前記フィルターハウジング(1)を密閉する工程と,
前記培養液導入部(7)を介して前記フィルターハウジング内部に,前記培養液を供給する培養液供給工程と,
前記培養液排出部(9)から,前記フィルターハウジング内部の培養液を,排出する培養液排出工程と,
前記培養液供給工程及び前記培養液排出工程を継続し,前記培養液導入部(7)を介して前記フィルターハウジング内部に前記培養液を供給し,前記フィルターハウジング内部の培養液を,排出しつつ,前記中空糸(3)の第1の末端(4a)及び前記中空糸(3)の第2の末端(4b)からは前記培養液が流入されない状態で,前記中空糸(3)の内部で前記間葉系幹細胞を培養する工程と,
前記培養液排出工程により得られた排出液から培養上清を回収する培養上清回収工程と,
を含む,間葉系幹細胞の培養上清の製造方法。
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