本発明の実施形態に係る情報処理システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<システム構成>
図1は、本実施の形態に係る情報処理システムの概要を説明するための模式図である。本実施の形態に係る情報処理システムは、企業等の人事配置に関する異動又は転換等の業務について、人事担当者を支援することを目的としたシステムである。本実施の形態に係る情報処理システムでは、人事異動又は配置転換等の対象となる従業員に関する情報、並びに、人事異動又は配置転換等の対象となる部署又は職種等のポストに関する情報とを、サーバ装置1がデータベースとして保持している。
なお本実施の形態においては、人事異動又は配置転換等の対象を「従業員」とするが、「従業員」にはその時点では企業等に所属しておらず、将来的に企業等に所属する可能性がある人、例えば採用が決まっている人又は採用することを検討している人等が含まれ得る。また本実施の形態において「ポスト」は、企業等における部署、部門、地位、役職、職種、職務内容又は勤務地等であり、企業等において従業員が所属する集団又は従業員に与えられた役割等を示す。「ポスト」は、例えば「A支店B部門Cグループの職務D担当」のように、複数の情報の組み合わせで表される。
サーバ装置1は、社内LAN(Local Area Network)及びインターネット等のネットワークNを介して、複数の端末装置3との通信を行うことができる。本実施の形態において端末装置3は、人事異動又は配置転換等の検討を行う人事担当者が使用する装置である。端末装置3は、例えば人事担当者による人事異動又は配置転換等の条件(制約条件)の入力を受け付けて、受け付けた制約条件をサーバ装置1へ送信する処理を行う。また端末装置3は、例えばサーバ装置1が作成した人事配置案を表示すると共に、複数の人事配置案の中からの選択を受け付ける処理を行う。
サーバ装置1は、データベースに登録された従業員及びポストに関する情報と、端末装置3にて受け付けた制約条件とに基づいて、一又は複数の人事配置案を作成する処理を行う。サーバ装置1は、作成した人事配置案を端末装置3に出力(表示)させると共に、端末装置3を介して人事配置案の選択を受け付ける。
図2は、本実施の形態に係るサーバ装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るサーバ装置1は、処理部11、記憶部(ストレージ)12及び通信部(トランシーバ)13等を備えて構成されている。なお本実施の形態においては、1つのサーバ装置1にて処理が行われるものとして説明を行うが、複数のサーバ装置1が分散して処理を行ってもよい。
処理部11は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro-Processing Unit)等の演算処理装置、ROM(Read Only Memory)、及び、RAM(Random Access Memory)等を用いて構成されている。処理部11は、記憶部12に記憶されたサーバプログラム12aを読み出して実行することにより、人事配置案を作成する処理及び作成した人事配置案を端末装置3に表示させる処理等の種々の処理を行う。
記憶部12は、例えばハードディスク等の大容量の記憶装置を用いて構成されている。記憶部12は、処理部11が実行する各種のプログラム、及び、処理部11の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部12は、処理部11が実行するサーバプログラム12aを記憶している。また記憶部12には、人事異動又は配置転換等の対象となる従業員に関する情報を記憶する異動者情報DB(データベース)12b、人事異動又は配置転換等の対象となるポストに関する情報を記憶する空きポスト情報DB12c、人事異動又は配置転換等の制約条件を記憶する制約条件DB12d、及び、端末装置3にて受け付けた選択の履歴に関する情報を記憶する履歴記憶部12eが設けられている。
本実施の形態においてサーバプログラム12aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体99に記録された態様で提供され、サーバ装置1は記録媒体99からサーバプログラム12aを読み出して記憶部12に記憶する。ただし、サーバプログラム12aは、例えばサーバ装置1の製造段階において記憶部12に書き込まれてもよい。また例えばサーバプログラム12aは、遠隔の他のサーバ装置等が配信するものをサーバ装置1が通信にて取得してもよい。例えばサーバプログラム12aは、記録媒体99に記録されたものを書込装置が読み出してサーバ装置1の記憶部12に書き込んでもよい。サーバプログラム12aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体99に記録された態様で提供されてもよい。
図3は、異動者情報DB12bの一構成例を示す模式図である。本実施の形態に係る異動者情報DB12bは、例えば「従業員ID」に対して「氏名」、「部署」、「役職」及び「入社年度」等の情報が対応付けられたデータベースである。「従業員ID」は、企業等の従業員に対して一意に付される識別情報であり、社員番号又は社内メールアドレス等が用いられ得る。「氏名」は、従業員の氏名である。「部署」及び「役職」は、現在(即ち、人事異動又は配置転換等の前の段階)における従業員の部署及び役職である。「入社年度」は、従業員が企業等へ入社した年度である。なお異動者情報DB12bに記憶される図示の情報は一例であり、これに限るものではない。異動者情報DB12bには、図示の情報の他に、例えば性別、年齢、保有している資格、性格判断テストの結果、これまでの業務実績、得意業務、苦手業務、又は、前回の異動からの経過年数等の種々の情報が記憶され得る。また異動者情報DB12bには、従業員毎の異動の条件、例えば関東地方の支店のみ異動可能又は転勤不可等の条件が記憶されてもよい。
図4は、空きポスト情報DB12cの一構成例を示す模式図である。本実施の形態に係る空きポスト情報DB12cは、例えば「ポストID」に対して「部署」、「役職」、「必要資格」及び「勤続年数」等の情報が対応付けられたデータベースである。「ポストID」は、企業等のポストに対して一意に付される識別情報である。本実施の形態においては、1つのポストに対して1人の従業員が割り当てられるものとし、1人分のポストに対してそれぞれ異なる「ポストID」が付される。例えば同じ部署に同じ役割の2人分のポストが存在する場合には、2つのポストに対してそれぞれ異なる「ポストID」が付される。ただし、例えば同じ部署に同じ役割のポストに対しては同じ「ポストID」を付し、空きポスト情報DB12cに人数の情報を記憶する構成としてもよい。
空きポスト情報DB12cの「部署」及び「役職」には、ポストの種類又は区分等を示す情報が記憶される。本実施の形態においては「部署」及び「役職」に具体的な文字列が記憶されるものとするが、例えば部署ID又は役職ID等の識別情報が記憶されてもよい。「必要資格」及び「勤続年数」は、このポストに対して要求される条件である。これらの条件は制約条件DB12dに制約条件として記憶されてもよいが、本実施の形態においてはポスト毎の条件は空きポスト情報DB12cに記憶されるものとする。なお空きポスト情報DB12cに記憶される図示の情報は一例であり、これに限るものではない。
図5は、制約条件DB12dの一構成例を示す模式図である。本実施の形態に係る制約条件DB12dは、「制約条件ID」に対して「制約条件」の情報が対応付けられたデータベースである。「制約条件ID」は、制約条件に対して一意に付される識別情報である。「制約条件」は、人事異動又は配置転換等に対する具体的な条件である。図示の例では、制約条件1として「従業員A001はポストP022へ異動禁止」の条件が記憶されている。また、制約条件2として「従業員A012及びA123は同じ部署へ配置禁止」の条件が記憶されている。制約条件3として「部署hから部署jへの異動は禁止」の条件が記憶されている。制約条件4として「従業員A001及びA123の入れ替え禁止」の条件が記憶されている。なお、図示の「制約条件」は一例であって、これに限るものではない。また図示の例では「制約条件」の内容を文章として表現しているが、「制約条件」の内容は演算式等を用いて表現されるものであってよい。
履歴記憶部12eは、人事担当者が端末装置3にて行った選択等の操作の履歴を記憶する。例えば人事担当者は、端末装置3に表示された一又は複数の人事配置案を比較検討し、1人の従業員を1つのポストに異動させることを決定した場合、異動を決定した従業員及びポストの組み合わせを端末装置3にて選択する操作を行う。この操作に応じてサーバ装置1は、選択された従業員及びポストの組み合わせを異動の決定事項とし、残りの従業員及び残りのポストについての人事配置案を端末装置3に表示させる。履歴記憶部12eは、このような従業員及びポストの組み合わせの選択の履歴を記憶する。履歴記憶部12eがこれらの履歴を記憶しておくことにより、例えば人事担当者が決定した従業員及びポストの組み合わせについて再考する場合、決定前の人事配置案を再現して端末装置3に表示することが可能となる。
通信部13は、社内LAN、無線LAN及びインターネット等を含むネットワークNを介して、種々の装置との間で通信を行う。本実施の形態において通信部13は、ネットワークNを介して、一又は複数の端末装置3との間で通信を行う。通信部13は、処理部11から与えられたデータを他の装置へ送信すると共に、他の装置から受信したデータを処理部11へ与える。
なお記憶部12は、サーバ装置1に接続された外部記憶装置であってよい。またサーバ装置1は、複数のコンピュータを含んで構成されるマルチコンピュータであってよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。またサーバ装置1は、上記の構成に限定されず、例えば可搬型の記憶媒体に記憶された情報を読み取る読取部、操作入力を受け付ける入力部、又は、画像を表示する表示部等を含んでもよい。
また本実施の形態に係るサーバ装置1の処理部11には、記憶部12に記憶されたサーバプログラム12aを処理部11が読み出して実行することにより、候補算出部11a、候補出力部11b、選択受付部11c及び更新部11d等がソフトウェア的な機能部として実現される。なおこれらの機能部は、人事配置案の作成及び出力等の処理に関する機能部であり、これ以外の機能部については図示及び説明を省略する。
候補算出部11aは、記憶部12の異動者情報DB12bに記憶された異動対象の従業員に関する情報と、空きポスト情報DB12cに記憶された異動対象のポストに関する情報と、制約条件DB12dに記憶された移動に関する制約条件とに基づいて、従業員及びポストの組み合わせの候補を算出する処理を行う。異動対象の全従業員及び全ポストについての候補の算出結果を集めたものが人事配置案としてサーバ装置1から端末装置3へ送信され、端末装置3にて表示される。候補算出部11aは、制約条件を満たす従業員及びポストの組み合わせの算出を整数計画問題とみなし、その解を算出することで従業員及びポストの組み合わせの候補を算出する。本実施の形態において候補算出部11aは、制約条件を満たす従業員及びポストの全組み合わせを算出する。
候補出力部11bは、候補算出部11aが算出した従業員及びポストの組み合わせの候補を出力する処理を行う。本実施の形態において候補出力部11bは、従業員及びポストの組み合わせの候補を集めたものを人事配置案とし、この人事配置案を表示するためのデータを生成する。候補出力部11bは、生成した表示用のデータを通信部13からネットワークNを介して端末装置3へ送信し、端末装置3に人事配置案の表示を行わせることで候補の出力を行う。
選択受付部11cは、候補出力部11bが出力した候補の中から、従業員及びポストの組み合わせの選択を受け付ける処理を行う。本実施の形態においては、端末装置3にて従業員及びポストの組み合わせの候補である人事配置案の表示がなされ、表示された候補の中から従業員及びポストの組み合わせを選択する操作は端末装置3にて受け付けられる。端末装置3は受け付けた選択に関する情報をネットワークNを介してサーバ装置1へ送信し、サーバ装置1の選択受付部11cは端末装置3からの情報を通信部13にて受信して取得することにより、従業員及びポストの組み合わせの選択を受け付ける。
更新部11dは、選択受付部11cが受け付けた選択に応じて、端末装置3から出力する候補を更新する処理を行う。人事担当者が従業員及びポストの組み合わせを選択し、異動の従業員及びポストの組み合わせが決定された場合、更新部11dは、複数の人事配置案のうち、決定された従業員及びポストの組み合わせを含まない人事配置案を破棄し、決定された従業員及びポストの組み合わせを含む人事配置案を端末装置3から出力するよう、出力する人事配置案を更新する。
図6は、本実施の形態に係る端末装置3の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る端末装置3は、処理部31、記憶部(ストレージ)32、通信部(トランシーバ)33、表示部(ディスプレイ)34及び操作部35等を備えて構成されている。端末装置3は、例えば汎用のパーソナルコンピュータ又はタブレット型端末装置等の情報処理装置を用いて構成され得る。
処理部31は、CPU又はMPU等の演算処理装置、ROM、及び、RAM等を用いて構成されている。処理部31は、記憶部32に記憶されたプログラム32aを読み出して実行することにより、サーバ装置1が作成した人事配置案を表示する処理、並びに、移動を決定した従業員及びポストの組み合わせの選択を受け付ける処理等の種々の処理を行う。
記憶部32は、例えばハードディスク等の磁気記憶装置又はフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子を用いて構成されている。記憶部32は、処理部31が実行する各種のプログラム、及び、処理部31の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部32は、処理部31が実行するプログラム32aを記憶している。本実施の形態においてプログラム32aは遠隔のサーバ装置等により配信され、これを端末装置3が通信にて取得し、記憶部32に記憶する。ただしプログラム32aは、例えば端末装置3の製造段階において記憶部32に書き込まれてもよい。例えばプログラム32aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体に記録されたプログラム32aを端末装置3が読み出して記憶部32に記憶してもよい。例えばプログラム32aは、記録媒体に記録されたものを書込装置が読み出して端末装置3の記憶部32に書き込んでもよい。プログラム32aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体に記録された態様で提供されてもよい。
通信部33は、社内LAN、無線LAN及びインターネット等を含むネットワークNを介して、種々の装置との間で通信を行う。本実施の形態において通信部33は、ネットワークNを介して、サーバ装置1との間で通信を行う。通信部33は、処理部31から与えられたデータを他の装置へ送信すると共に、他の装置から受信したデータを処理部31へ与える。
表示部34は、液晶ディスプレイ等を用いて構成されており、処理部31の処理に基づいて種々の画像及び文字等を表示する。
操作部35は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作を処理部31へ通知する。例えば操作部35は、機械式のボタン又は表示部34の表面に設けられたタッチパネル等の入力デバイスによりユーザの操作を受け付ける。また例えば操作部35は、マウス及びキーボード等の入力デバイスであってよく、これらの入力デバイスは端末装置3に対して取り外すことが可能な構成であってもよい。
また本実施の形態に係る端末装置3は、記憶部32に記憶されたプログラム32aを処理部31が読み出して実行することにより、表示処理部31a及び選択受付部31b等がソフトウェア的な機能部として処理部31に実現される。なおプログラム32aは、本実施の形態に係る情報処理システムに専用のプログラムであってもよく、インターネットブラウザ又はウェブブラウザ等の汎用のプログラムであってもよい。
表示処理部31aは、表示部34に種々の文字及び画像等を表示する処理を行う。本実施の形態において表示処理部31aは、ネットワークNを介して通信部33にて受信したサーバ装置1からのデータに基づいて、サーバ装置1が作成した人事配置案に関する情報を表示部34に表示する。
選択受付部31bは、表示処理部31aが表示部34に表示した人事配置案に関して、従業員及びポストの組み合わせの選択を受け付ける処理を行う。選択受付部31bは、操作部35に対するユーザの操作を受け付け、このユーザの操作に基づいて従業員及びポストの組み合わせの選択を受け付ける。選択受付部31bは、選択を受け付けた従業員及びポストの組み合わせに関する情報を、通信部33にてネットワークNを介してサーバ装置1へ通知する。
<人事配置の決定処理>
本実施の形態に係る情報処理システムでは、例えば端末装置3にて人事担当者が人事配置案の作成をサーバ装置1へ指示することにより、サーバ装置1は異動者情報DB12b、空きポスト情報DB12c及び制約条件DB12dに記憶された情報に基づいて、人事配置案の作成を行う。サーバ装置1は、異動者情報DB12bに記憶された従業員と、空きポスト情報DB12cに記憶されたポストとの組み合わせのうち、制約条件DB12dに記憶された制約条件を満たすものを人事配置案とする。制約条件を満たす従業員及びポストの組み合わせを算出する処理は、いわゆる整数計画問題の解を算出する処理に相当する。本実施の形態に係るサーバ装置1は、制約条件を満たす従業員及びポストの組み合わせの全ての組み合わせを算出する。サーバ装置1は、算出した従業員及びポストの全ての組み合わせを人事配置案として記憶部12に記憶する。
図7は、サーバ装置1が作成する人事配置案の一例を示す模式図である。図示の例は、5人の従業員a〜eを、5つの空きポストA〜Eに配置する場合の人事配置案である。この場合、異動者情報DB12bには5人の従業員a〜eに関する情報が記憶され、空きポスト情報DB12cには5つのポストA〜Eに関する情報が記憶されている。制約条件DB12dには、これら5人の従業員a〜e及び5つのポストA〜Eに関する制約条件が記憶されている。これら従業員及びポストの関する情報は、例えば端末装置3にて人事担当者が入力してもよく、また例えば企業の社員に関する情報を管理する他のサーバ装置又は他のデータベース等から必要な情報を抽出して作成されてもよい。また制約条件は、本実施の形態においては端末装置3にて人事担当者が入力することによって作成されるものとする。
サーバ装置1は、異動者情報DB12bに記憶された5人の従業員a〜eと、空きポスト情報DB12cに記憶された5つのポストA〜Eとの全組み合わせについて、制約条件DB12dに記憶された制約条件を満たすか否かを判定する。5人の従業員a〜eと5つのポストA〜Eとの全組み合わせは、5×5=25通りである。サーバ装置1は、従業員a〜e及びポストA〜Eの全組み合わせの中から、制約条件を満たす組み合わせのみを抽出し、これを人事配置案(人事配置の候補)とする。図7に示す例では、制約条件を満たす人事配置案として5つの人事配置案1〜5がサーバ装置1により作成されている。このように、本実施の形態においてサーバ装置1は、制約条件を満たす従業員及びポストの組み合わせの全てを予め算出し、制約条件を満たす全ての人事配置案を作成しておく。
制約条件を満たす全ての人事配置案を作成したサーバ装置1は、端末装置3に人事配置案を表示するためのデータを送信することによって、端末装置3に人事配置案の表示を行わせる。図8及び図9は、端末装置3に表示される人事配置案表示画面の一例を示す模式図である。図示の人事配置案表示画面は、図7に示した人事配置案に基づく表示例である。サーバ装置1は、空きポストに対して、このポストに配置可能な従業員をそれぞれ並べた構成の人事配置案表示画面を、端末装置3の表示部34に表示する。サーバ装置1は人事配置案表示画面を表示するためのデータを端末装置3へ送信し、このデータを受信した端末装置3が人事配置案表示画面を表示部34に表示する。
図8の上段に示すように、本例の人事配置案表示画面では、ポストAに対して従業員a,eが配置可能であることが示されている。ポストBに対して従業員a,b,dが配置可能であることが示されている。ポストCに対して従業員c,dが配置可能であることが示されている。ポストDに対して従業員a,b,d,eが配置可能であることが示されている。ポストEに対して従業員a,b,c,d,eが配置可能であることが示されている。また本例の人事配置案表示画面では、複数のポストA〜Eが、例えばポストの名称又はポストの識別番号等についての昇順又は降順で、上下方向に並べて表示されている。
人事配置案表示画面では、各従業員に対応付けてチェックボックス101が設けられる。チェックボックス101は、空きポストに対して配置する従業員の選択を受け付けるためのものである。人事担当者は、端末装置3の操作部35を利用してチェックボックス101をチェックする操作を行うことによって、ポストに配置する従業員を選択する操作を行うことができる。端末装置3は、チェックボックス101に対するチェック操作をポスト及び従業員の組み合わせの選択操作として受け付け、受け付けた選択をサーバ装置1へ通知する。サーバ装置1は、端末装置3からの通知を受け付けることにより、人事配置案表示画面におけるポスト及び従業員の組み合わせの選択を受け付け、受け付けた選択に応じて人事配置案表示画面を更新する。
図8の下段には、ポストAに対して従業員aを配置することが選択された場合の人事配置案表示画面の更新例が示されている。本例では、サーバ装置1は、選択された従業員aに対応するチェックボックス101に、チェック済みのマークを表示する。また人事配置案表示画面には、選択済みのポスト及び従業員の組み合わせを表示する選択結果表示領域102が設けられている。サーバ装置1は、この選択結果表示領域102に、選択済みのポストA及び従業員aの組み合わせを表示する。なお図示の例では、ポストA及び従業員aの組み合わせを、「ポA−従a」と略示している。
図7に示した人事配置案において、ポストA及び従業員aの組み合わせが含まれる人事配置案は、人事配置案1及び5の2つである。ポストA及び従業員aの組み合わせが選択されたことにより、この組み合わせを含まない人事配置案2,3,4は候補から外れることとなる。サーバ装置1は、記憶部12に人事配置案として記憶したポスト及び従業員の全ての組み合わせの中から、選択されたポスト及び従業員の組み合わせが含まれる全ての人事配置案を抽出する。サーバ装置1は、抽出した人事配置案に基づいて、選択可能な一又は複数のポスト及び従業員の組み合わせの候補を示す人事配置案表示画面を表示するためのデータを作成して端末装置3へ送信することで、端末装置3に表示される人事配置案表示画面を更新する。本例では、サーバ装置1は、人事配置案表示画面に表示されるポスト及び従業員の組み合わせが、ポストA及び従業員aの組み合わせを含む人事配置案1及び5に限られるように、人事配置案表示画面を更新する。サーバ装置1は更新した人事配置案表示画面を表示するためのデータを端末装置3へ送信し、このデータを受信した端末装置3が人事配置案表示画面を更新して表示部34に表示する。
図8の下段に示すように、更新された人事配置案表示画面では、ポストAに対して従業員aが選択されたことが示され、ポストBに対して従業員bが配置可能であり、ポストCに対して従業員cが配置可能であることが示されている。またポストDに対して従業員d,eが配置可能であることが示されている。ポストEに対して従業員d,eが配置可能であることが示されている。ポストAに対して従業員aを配置することが決定されたことにより、ポストBに配置可能なのは従業員bのみとなり、ポストCに配置可能なのは従業員cのみとなっている。
図9の上段には、更にポストBに対して従業員bを配置することが選択され、ポストCに対して従業員cを配置することが選択された場合の人事配置案表示画面の更新例が示されている。本例では、サーバ装置1は、選択された従業員b,cに対応するチェックボックス101に、それぞれチェック済みのマークを表示する。またサーバ装置1は、選択結果表示領域102に、選択済みのポストB及び従業員bの組み合わせと、ポストC及び従業員cの組み合わせとを表示する。
図9の下段には、更にポストDに対して従業員eを配置することが選択された場合の人事配置案表示画面の更新例が示されている。本例では、サーバ装置1は、選択された従業員eに対応するチェックボックス101に、チェック済みのマークを表示する。またサーバ装置1は、選択結果表示領域102に、選択済みのポストD及び従業員eの組み合わせを表示する。図7に示した人事配置案1及び5において、ポストD及び従業員eの組み合わせが含まれる人事配置案は、人事配置案5のみである。ポストD及び従業員eの組み合わせが選択されたことにより、この組み合わせを含まない人事配置案1は候補から外れることとなる。サーバ装置1は、人事配置案表示画面に表示されるポスト及び従業員の組み合わせが、人事配置案5の組み合わせに限られるように、人事配置案表示画面を更新する。これにより、ポストEに対して選択可能な従業員は、従業員dのみとなる。
その後、人事担当者がポストEに対して従業員dを選択する操作を行うことによって、配置対象の全ポスト及び全従業員の組み合わせが決定する。サーバ装置1は、最後の選択を受け付けた後、最終的に選択された(決定した)人事配置案を示す最終案表示画面を端末装置3の表示部34に表示する。図10は、端末装置3に表示される最終案表示画面の一例を示す模式図である。図10に示す例は、図8及び図9に示した人事配置案表示画面において選択された人事配置案5を最終的な人事配置案とした場合の表示例である。
サーバ装置1が端末装置3の表示部34に表示する最終案表示画面は、例えば企業の部署毎にまとめて、配置が決定されたポスト及び従業員の対応がテーブル形式で示される。最終案表示画面に表示される情報には、例えば部署、ポスト、従業員及び適合度等の情報が含まれ得る。サーバ装置1は、空きポスト情報DB12cを参照することによって、各ポストが所属する部署がいずれであるかを判断することができる。図示の例では、ポストA〜Cは部署1のポストであり、ポストD,Eは部署2のポストである。
また本例の最終案表示画面には、ポスト及び従業員の組み合わせに対して適合度が表示される。この適合度は、サーバ装置1により算出される値であり、サーバ装置1はどのような方法で適合度を算出してもよい。例えばサーバ装置1の異動者情報DB12bには、各従業員について適性検査の結果、これまでに従事した職種及びその年数、並びに、保有している資格等に関する情報が記憶されている。またサーバ装置1の空きポスト情報DB12cには、各ポストに要求される経験及び資格等の条件が記憶されている。サーバ装置1はこれらの情報に基づいて従業員のポストに対する適合度を決定することができる。サーバ装置1は、例えば各ポストに要求される資格を有しているか否か、各ポストに類似する職種に従事した経験があるか否か、従事した経験があればその年数等を異動者情報DB12bに記憶された情報に基づいて調べる。サーバ装置1は、例えば資格を有していれば+1ポイント、従事経験が5年以上あれば+1ポイントのように、従業員についてポイントを算出し、算出したポイントとポイントの最大値との比率を適合度として算出することができる。本例では、適合度の最小値を「0」且つ最大値を「1」として、ポスト及び従業員の組み合わせについてそれぞれ適合度が算出されている。
図11は、端末装置3に表示される最終案表示画面の別の例を示す模式図である。図11に示す最終案表示画面では、部署毎に適合度が算出されて表示されている。サーバ装置1は、ポスト及び従業員の組み合わせに関する適合度を個別にそれぞれ算出し、これら個別の適合度を部署毎に平均した平均値を部署毎の適合度として表示することができる。なお本例では、サーバ装置1が部署毎に算出した平均値を部署毎の適合度としたが、これに限るものではなく、例えば合計値、中央値又は最頻値等の値を算出して適合度としてもよい。
また、図10及び図11に示す例では、サーバ装置1がポスト及び従業員の組み合わせ毎、又は、部署毎に適合度を算出して表示するが、これに限るものではない。例えば、企業の事業所毎又は役職毎等のように、種々のグループ分けを行って、グループ毎の適合度を算出してよい。またサーバ装置1は、適合度を数値で示すのではなく、例えばAランク〜Eランク等のランク表示を行ってもよく、適合度に応じた色分け表示を行ってもよく、これら以外の種々の方法で適合度の表示を行ってよい。
<フローチャート>
図12は、本実施の形態に係るサーバ装置1が行う人事配置決定処理の手順の一例を示すフローチャートである。本実施の形態に係るサーバ装置1の処理部11の候補算出部11aは、記憶部12の異動者情報DB12bから処理対象となる従業員に関する情報を読み出す(ステップS1)。候補算出部11aは、記憶部12の空きポスト情報DB12cから処理対象となるポストに関する情報を読み出す(ステップS2)。候補算出部11aは、記憶部12の制約条件DB12dから制約条件を読み出す(ステップS3)。候補算出部11aは、ステップS1〜S3にて読み出した情報に基づいて、制約条件を満たす全てのポスト及び従業員の組み合わせを人事配置の候補(人事配置案)として算出する(ステップS4)。具体的に候補算出部11aは、ポスト及び従業員の組み合わせを全て算出し、各組み合わせが制約条件を満たすかそれぞれ判定し、制約条件を満たすものを人事配置の候補として選択することができる。
処理部11の候補出力部11bは、ステップS4にて算出した人事配置案に基づいて、人事配置案表示画面を表示するためのデータを生成し、このデータを通信部13にて端末装置3へ送信することによって、端末装置3の表示部34に人事配置案表示画面を表示する(ステップS5)。
処理部11の選択受付部11cは、端末装置3の表示部34に表示された人事配置案表示画面にてチェックボックス101に対する操作を受け付けたか否かに応じて、ポスト及び従業員の組み合わせの選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS6)。選択を受け付けていない場合(S6:NO)、選択受付部11cは、ステップS5へ処理を戻し、選択を受け付けるまで待機する。選択を受け付けた場合(S6:YES)、選択受付部11cは、受け付けた選択内容を記憶部12の履歴記憶部12eに記憶する(ステップS7)。
選択受付部11cは、決定する必要があるポスト及び従業員の組み合わせの全てについて選択の受け付けが完了したか否かを判定する(ステップS8)。全ての選択の受け付けが完了していない場合(S8:NO)、処理部11の更新部11dは、ステップS6にて受け付けた選択に係るポスト及び従業員の組み合わせを含む人事配置案を選択し、この人事配置案を表示するように人事配置案表示画面を更新して(ステップS9)、ステップS5へ処理を戻す。
全ての選択の受け付けが完了した場合(S8:YES)、処理部11は、受け付けた全ての選択により決定される最終的な人事配置案を示す最終案表示画面を表示するためのデータを生成し、このデータを通信部13にて端末装置3へ送信することによって、端末装置3の表示部34に最終案表示画面を表示し(ステップS10)、処理を終了する。
図13は、本実施の形態に係るサーバ装置1が行う候補算出処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図12に示したフローチャートのステップS4にて行われる処理の詳細である。本実施の形態に係るサーバ装置1の処理部11の候補算出部11aは、処理対象となる複数のポスト及び複数の従業員に対して、例えばランダムに、初期のポスト及び従業員の組み合わせを決定する(ステップS21)。なお初期の組み合わせの決定方法は、ランダムに限らず、種々の方法が採用され得る。
候補算出部11aは、ポスト及び従業員の組み合わせが制約条件を満たすか否かを判定する(ステップS22)。制約条件を満たす場合(S22:YES)、候補算出部11aは、このポスト及び従業員の組み合わせを候補として記憶し(ステップS23)、ステップS25へ処理を進める。制約条件を満たさない場合(S22:NO)、候補算出部11aは、このポスト及び従業員の組み合わせを破棄して(ステップS24)、ステップS25へ処理を進める。
候補算出部11aは、ポスト及び従業員の全ての組み合わせについて、制約条件の判定処理を終了したか否かを判定する(ステップS25)。全ての組み合わせについて判定処理を終了していない場合(S25:NO)、候補算出部11aは、ポスト及び従業員の組み合わせを変更して(ステップS26)、ステップS22へ処理を戻し、次の組み合わせについて同様の処理を行う。全ての組み合わせについて判定処理を終了した場合(S25:YES)、候補算出部11aは、候補算出処理を終了する。
<他の表示例>
上述の情報処理システムにおいて端末装置3の表示部34に表示される人事配置案表示画面は、図8及び図9に図示した構成に限らず、種々の構成が採用され得る。以下に、人事配置案表示画面の構成例をいくつか説明する。ただし、人事配置案表示画面の構成は以下に説明するものに限らず、更に種々の構成が採用され得る。
(他の表示例1)
図14は、人事配置案表示画面の一例を示す模式図である。サーバ装置1は、人事配置案表示画面にて表示する複数のポストを、ポストに対して配置可能な従業員の数が少ないものから順に並べてもよい。図示の人事配置案表示画面では、配置可能な従業員数が少ない順で複数のポストが画面の上から下へ並べられている。図14の上段に示す例においてサーバ装置1は、配置可能な従業員数が最も少ない2人であるポストA,Cを最上位に表示する。次いでサーバ装置1は、上から下へ順に、配置可能な従業員数が3人のポストBを表示し、次いで4人のポストDを表示し、次いで5人のポストEを表示する。なお図8及び図9に示した人事配置案表示画面では、名称のアルファベット順又は五十音順等で、複数のポストが画面の上から下へ並べられている。本例の場合、配置可能な従業員数が同じポストが存在する場合、サーバ装置1は、これらのポストを名称のアルファベット順又は五十音順等で並べて表示する。
人事配置案表示画面にてポスト及び従業員の組み合わせが選択された場合、未選択のポストに配置可能な従業員数は変化する。このためサーバ装置1は、ポスト及び従業員の組み合わせの選択を受け付けた場合、更新する人事配置案表示画面においてポストの表示順が配置可能な従業員数に応じた並びとなるように、ポストの並び替えを行う。またサーバ装置1は、選択されたポスト及び従業員の組み合わせが上位となるように、並び替えを行う。図14の下段に示す例において、サーバ装置1は、選択されたポストA及び従業員aの組み合わせを最上位に表示する。次いでサーバ装置1は、配置可能な従業員数が1人のポストB,Cを表示するが、このときにアルファベット順又は五十音順等によりポストBを上位に表示する。配置可能な従業員数が2人のポストD,Eについても同様である。
(他の表示例2)
図15は、人事配置案表示画面の一例を示す模式図である。図15の上段に示す例は、図8の上段に示した人事配置案表示画面と同じである。図8及び図9に示した人事配置案表示画面においては、ポスト及び従業員の組み合わせの選択を受け付けた場合、サーバ装置1は、受け付けた組み合わせを含まない人事配置案が選択されることを防止すべく、ポストに対して選択不可能な従業員を表示しないように人事配置案表示画面の更新を行っている。これに対して図15の下段に示す人事配置案表示画面においてサーバ装置1は、ポストに対して選択不可能な従業員を表示し、この従業員に対応するチェックボックス101を選択不可能な状態とする。なお本図においては、チェックボックス101にハッチングを付すことで、選択不可能な状態を表現している。またサーバ装置1は、選択不可能な従業員について、表示色の変更、フォントの変更又はサイズの変更等を行って、選択可能な従業員と区別して表示してもよい。
(他の表示例3)
図16は、人事配置案表示画面の一例を示す模式図である。図16に示す例では、ポストに対応付けて表示される一又は複数の従業員について、このポストに対する適合度が合わせて表示されている。例えば、ポストAに対する従業員aの適合度は0.8であり、従業員eの適合度は0.4である。従業員の名称等と共に表示される適合度は、図10に示した最終案表示画面にて表示される適合度と同じものであり、サーバ装置1は同様の方法で各従業員の適合度を算出して人事配置案表示画面に適合度の表示を行う。例えばサーバ装置1は、図12に示したフローチャートにおいて、制約条件を満たす従業員及びポストの組み合わせを算出するステップS4の処理の後に、各組み合わせについて適合度を算出する。
またサーバ装置1は、各ポストに割り当て可能な複数の従業員を、適合度に応じて並べ替えて人事配置案表示画面に表示する。本例では、各ポストに対応する複数の従業員が横方向に並べて表示されているが、ポストに対する適合度が高い従業員が左側に、適合度が低い従業員が右側となるように、適合度順で従業員が並べて表示されている。
(他の表示例4)
図17は、人事配置案表示画面の一例を示す模式図である。図17に示す例では、ポストに対応付けて表示される一又は複数の従業員について、この従業員を配置可能なポストの数が合わせて表示されている。例えば図17の上段において、従業員aはポストA,B,D,Eに配置可能であるため、従業員aに対応付けて配置可能なポスト数の「4」が従業員の名称等と共に表示されている。サーバ装置1は、各従業員について配置可能なポスト数を算出し、人事配置案表示画面にて各従業員に対応付けてポスト数の表示を行う。
またサーバ装置1は、各ポストに割り当て可能な複数の従業員を、配置可能なポスト数に応じて並べ替えて人事配置案表示画面に表示する。本例では、各ポストに対応する複数の従業員が横方向に並べて表示されているが、配置可能なポスト数が少ない従業員が左側に、配置可能なポスト数が多い従業員が右側となるように、ポスト数で従業員が並べて表示されている。
また図17の下段に示すように、人事配置案表示画面においてポスト及び従業員の組み合わせが選択された場合、各従業員に対して割り当て可能なポスト数は減少する。このためサーバ装置1は、ポスト及び従業員の組み合わせの選択を受け付けた場合、各従業員に対して割り当て可能なポスト数を再算出し、算出したポスト数を表示するように人事配置案表示画面の表示を更新する。
(他の表示例5)
図18は、人事配置案表示画面の一例を示す模式図である。図8及び図9等に示した人事配置案表示画面においては、各ポストに対して割り当て可能な一又は複数の従業員が並べて表示されている。これに対して図18に示す人事配置案表示画面においては、各従業員に対して配置可能な一又は複数のポストが並べて表示される。図18の上段に示すように、本例の人事配置案表示画面では、従業員aをポストA,B,D,Eに配置可能であることが示されている。また従業員bをポストB,D,Eに配置可能であり、従業員cをポストC,Eに配置可能であり、従業員dをポストB,C,D,Eに配置可能であり、従業員eをポストA,D,Eに配置可能であることが示されている。
また図18に示す人事配置案表示画面では、各ポストに対応付けてチェックボックス101が設けられる。チェックボックス101は、従業員を配置するポストの選択を受け付けるためのものである。図18の下段には、従業員aをポストAに配置する選択を受け付けた場合の人事配置案表示画面の更新例が示されている。サーバ装置1は、選択されたポストA及び従業員aの組み合わせを含む人事配置案に限られるように人事配置案表示画面を更新する。更新された人事配置案表示画面では、従業員aに対してポストAが選択されたことが示され、従業員bをポストBに配置可能であり、従業員cをポストCに配置可能であり、従業員dをポストD,Eに配置可能であり、従業員eをポストD,Eに配置可能であることが示されている。
(他の表示例6)
図19及び図20は、人事配置案表示画面の一例を示す模式図である。本例の人事配置案表示画面は、複数のポストと複数の従業員との対応をマトリクス表示する構成である。図示の例では、縦方向に5つのポストA〜Eが並べられ、横方向に5人の従業員a〜eが並べられ、縦横のポスト及び従業員の交点の位置に、略正方形のチェックボックスが5×5の行列の態様で並べられている。例えばポストAに対応する行は、ポストAに配置可能な従業員を示している。また従業員aに対応する列は、従業員aを配置可能なポストを示している。
サーバ装置1は、選択不可能なポスト及び従業員の組み合わせに対応するチェックボックスを、選択不可能(チェック不可能)な状態で表示する。なお本図においては、選択不可能な状態をチェックボックスにハッチングを付して表現している。図19の上段に示す例では、ポストA及び従業員b、c、dの組み合わせと、ポストB及び従業員c,eの組み合わせと、ポストC及び従業員a,b,eの組み合わせと、ポストD及び従業員cの組み合わせとが選択不可能である。
サーバ装置1は、行列状に配置されたチェックボックスに対するチェック操作を、ポスト及び従業員の組み合わせの選択として受け付ける。図19の下段に示す例では、ポストA及び従業員aの組み合わせが選択されており、この組み合わせに対応するチェックボックスにはチェック済みのマークが表示される。ポスト及び従業員の組み合わせの選択を受け付けたサーバ装置1は、選択された組み合わせを含む人事配置案に選択肢を限定すべく、選択された組み合わせを含まない人事配置案に相当するポスト及び従業員の組み合わせのチェックボックスを選択不可能な状態とする。図示の例では、ポストA及び従業員eの組み合わせと、ポストB及び従業員a,dの組み合わせと、ポストC及び従業員dの組み合わせと、ポストD及び従業員a,bの組み合わせと、ポストE及び従業員a,b,cの組み合わせとが更に選択不可能とされている。
図20の上段に示す例では、ポストB及び従業員bの組み合わせと、ポストC及び従業員cの組み合わせとが更に選択されている。また図20の下段に示す例では、ポストD及び従業員eの組み合わせが更に選択されている。この選択に応じてサーバ装置1は、ポストD及び従業員dの組み合わせと、ポストE及び従業員eの組み合わせとを選択不可能な状態としている。これにより、図20の下段に示す人事配置案表示画面において選択可能なのは、ポストE及び従業員dの組み合わせのみとなっている。なおサーバ装置1は、選択の余地がない最後の組み合わせについては、自動的に選択を行ってもよい。最後の組み合わせが選択された場合、サーバ装置1は、図10に示した最終案表示画面を端末装置3の表示部34に表示する。
本実施の形態に係る情報処理システムが表示する人事配置案表示画面には種々の構成が採用され得る。情報処理システムは、これら複数の構成のいずれか1つを採用してもよいが、複数を採用してもよい。例えば端末装置3にて人事配置案表示画面の表示方法に関する設定等を人事担当者から受け付け、この設定に応じた構成の人事配置案表示画面をサーバ装置1が生成して端末装置3へ送信し、設定に応じた人事配置案表示画面を端末装置3の表示部34に表示することができる。
<その他の処理>
(詳細情報表示)
図21は、人事配置案表示画面における詳細情報の表示例を示す模式図である。本実施の形態に係る情報処理システムでは、端末装置3の表示部34に表示された人事配置案表示画面において、例えばマウスカーソル103を画面中の従業員又はポストの上に移動させることで、マウスカーソル103の下に表示された従業員又はポストに関する詳細情報がポップアップウィンドウ104に表示される。図示の例では、マウスカーソル103が従業員dの上に移動され、ポップアップウィンドウ104に従業員dの顔画像、入社年、部署及び役職等の詳細情報が表示されている。これは、いわゆるマウスオーバーの操作に応じたポップアップウィンドウ104の表示である。
表示部34に人事配置案表示画面を表示した端末装置3は、操作部35に対する操作に応じてマウスカーソル103の位置を判断し、マウスカーソル103の位置情報をサーバ装置1へ送信する。サーバ装置1は、この位置情報に基づいてマウスカーソル103が人事配置案表示画面に表示された従業員又はポストの上に位置するか否かを判定する。マウスカーソル103が従業員又はポストの上に位置する場合、サーバ装置1は、対応する従業員又はポストに関する情報を異動者情報DB12b又は空きポスト情報DB12cから読み出し、読み出した詳細情報を端末装置3へ送信する。端末装置3は、サーバ装置1から受信した詳細情報をポップアップウィンドウ104にて表示する。
なお、詳細表示を行うための操作はマウスオーバーの操作に限らない。例えばマウスのクリック操作又はタッチパネルのタッチ操作等に応じて詳細表示を行ってもよい。詳細表示を行うための操作は、どのような操作であってもよい。また、詳細情報の表示方法は、ポップアップウィンドウ104を利用するものに限らない。例えば人事配置案表示画面に詳細表示を行うための表示領域を別に設けてもよい。詳細情報はどのような方法で表示されてもよい。
(選択結果表示領域での入替操作)
図22は、人事配置案表示画面の選択結果表示領域102における入替操作を説明するための模式図である。図22の上段には、図9の下段に示したものと同じ選択状況が反映された人事配置案表示画面が示されている。この人事配置案表示画面の選択結果表示領域102には、選択済みの組み合わせとして、ポストA及び従業員aの組み合わせと、ポストB及び従業員bの組み合わせと、ポストC及び従業員cの組み合わせと、ポストD及び従業員eの組み合わせとが表示されている。
端末装置3の表示部34に表示された人事配置案表示画面の選択結果表示領域102に含まれるポスト及び従業員は、例えば端末装置3の操作部35の操作に応じて、組み合わせの入れ替えを行うことができる。図22の上段に示す例では、マウスカーソル103を利用して選択結果表示領域102に表示された従業員aをドラッグする操作を行い、選択結果表示領域102の従業員eの表示位置へドロップする操作を行うことによって、従業員aと従業員eとの組み合わせの入れ替えが行われている。ドラッグ&ドロップによる従業員a及び従業員eの入替操作により、図22の下段に示すように、ポストAに対して従業員eが割り当てられ、ポストDに対して従業員aが割り当てられている。
端末装置3は、操作部35に対してなされた操作に応じて選択結果表示領域102の従業員のドラッグ操作を受け付け、受け付けたドラッグ操作をサーバ装置1へ通知する。サーバ装置1は、ドラッグ操作の対象となった従業員について、入れ替えが可能なポストを判定し、入替可能なポストの情報を端末装置3へ送信する。端末装置3は、ドラッグ操作の対象となった従業員の入れ替え可能なポストに割り当てられている従業員を、入替可能な従業員として例えば点滅表示又は色変表示等の強調表示を行う。図22の上段に示す例では、従業員aに対して入れ替え可能なポストDの従業員eが強調表示されている様子を、従業員eを破線の矩形枠で囲むことで表現している。
端末装置3は、入替可能な従業員へのドロップ操作を受け付けた場合、受け付けたドロップ操作をサーバ装置1へ通知する。サーバ装置1は、受け付けたドロップ操作に応じて、ポスト及び従業員の組み合わせの入れ替えを行い、組み合わせを更新した人事配置案表示画面のデータを端末装置3へ送信する。端末装置3は、サーバ装置1からのデータに基づいて、人事配置案表示画面の表示を更新する。
(選択履歴表示)
図23は、選択履歴表示画面の一例を示す模式図である。本実施の形態に係る情報処理システムでは、人事担当者が端末装置3にて行ったポスト及び従業員の組み合わせの選択の履歴を、サーバ装置1が履歴記憶部12eに記憶している。人事担当者は、例えば端末装置3にて履歴を表示する操作を行うことによって、これまでに行ったポスト及び従業員の組み合わせの選択の履歴を端末装置3の表示部34に表示することができる。履歴表示の操作に応じてサーバ装置1は、履歴記憶部12eから選択の履歴を読み出し、選択された組み合わせを時系列に並べた選択履歴表示画面を作成し、選択履歴表示画面のデータを端末装置3へ送信する。端末装置3は、サーバ装置1からのデータに応じて、選択履歴表示画面を表示部34に表示する。図示の選択履歴表示画面では、これまでになされた4つの選択内容(選択されたポスト及び従業員の組み合わせ)が時系列順に並べられている。
また選択履歴表示画面においては、各選択内容に対して戻るボタン105が並べて表示される。戻るボタン105は、対応する選択がなされた時点の状態へ人事配置案表示画面の表示を戻す操作を受け付けるためのものである。端末装置3は、戻るボタン105に対するクリック操作又はタッチ操作等の操作を受け付けた場合、受け付けた操作に対応する選択内容をサーバ装置1へ通知する。サーバ装置1は、履歴記憶部12eに記憶された履歴と、端末装置3から通知された選択内容とに基づいて、この選択がなされた時点における人事配置案表示画面を再現したデータを作成し、このデータを端末装置3へ送信する。端末装置3は、サーバ装置1からのデータに応じて、再現された人事配置案表示画面を表示部34に表示する。
(複数案の比較)
本実施の形態に係る情報処理システムは、図1に示すように、複数の端末装置3を利用して複数の人事担当者が人事配置案の検討作業を行うことができる。各人事担当者は、それぞれ自身に割り当てられた端末装置3に人事配置案表示画面を表示し、ポスト及び従業員の組み合わせを選択する操作を行い、最終的な人事配置案を作成することができる。各端末装置3において作成された最終的な人事配置案は、例えば人事担当者の従業員ID等に対応付けてサーバ装置1の記憶部12に記憶される。
本実施の形態に係る情報処理システムでは、一の人事担当者は、自身が作成した最終的な人事配置案と、他の人事担当者が作成した最終的な人事配置案とを比較して検討することができる。端末装置3は、例えば人事担当者から他の人事担当者が作成済みの最終的な人事配置案を表示する操作を受け付ける。端末装置3は、受け付けた操作に応じて他の人事担当者が作成した最終的な人事配置案の送信をサーバ装置1へ要求する。この要求に応じてサーバ装置1は、記憶部12に記憶された最終的な人事配置案を読み出して要求元の端末装置3へ送信する。端末装置3は、サーバ装置1から送信される情報に基づいて、他の人事担当者が作成した最終的な人事配置案を表示部34に表示する。
このときに端末装置3は、例えば図10又は図11に示した最終案表示画面のテーブルを人事担当者の最終的な人事配置案毎に作成し、一又は複数のテーブルを表示部34に並べて表示する。端末装置3は、各人事配置案を作成した人事担当者が判別可能なように、例えば人事担当者の名前又は社員番号等の情報を各テーブルに対応付けて表示する。
<まとめ>
以上の構成の本実施の形態に係るサーバ装置1は、制約条件DB12dに記憶された制約条件を満たす従業員及びポストの組み合わせの候補を人事配置案として端末装置3へ出力し、端末装置3を介して従業員及びポストの組み合わせの選択を受け付け、受け付けた選択に応じて人事配置案として出力する従業員及びポストの組み合わせの候補を更新する。これにより人事担当者等は、出力される従業員及びポストの組み合わせから適宜の組み合わせを選択し、選択に応じて更新された組み合わせから適宜の組み合わせを選択する作業を繰り返すことによって、最終的な従業員及びポストの組み合わせを決定することができる。
また本実施の形態に係るサーバ装置1は、従業員に対するポストの候補、又は、ポストに対する従業員の候補を示した人事配置案表示画面を端末装置3の表示部34に表示して、従業員に対する一のポスト、又は、ポストに対する一の従業員の選択を受け付ける。これにより、多数が存在し得る従業員及びポストの組み合わせを認識し易い態様で人事担当者等へ出力することができる。
また本実施の形態に係るサーバ装置1は、図14に示すように、従業員に対するポストの候補、又は、ポストに対する従業員の候補を、対応する候補の数に応じた順番で人事配置案表示画面に並べて表示する。これにより人事担当者等は、選択肢が少ない又は多いポスト又は候補を容易に把握することができる。
また本実施の形態に係るサーバ装置1は、受け付けた選択に応じて候補から外れた従業員及びポストの組み合わせについて、候補として選択可能な組み合わせとは異なる態様で、例えば図15に示すように候補から外れた組み合わせに対応するチェックボックス101を選択不可能な状態として、出力する。これにより人事担当者等は、自らの選択に応じて候補から外れた組み合わせを容易に把握することができる。
また本実施の形態に係るサーバ装置1は、図16に示すように、従業員及びポストの組み合わせの適合度を算出し、人事配置案表示画面にて従業員及びポストの組み合わせと共に適合度を表示する。これにより人事担当者等は、従業員及びポストの組み合わせが適正であるか否かを容易に判断することができる。
また本実施の形態に係るサーバ装置1は、図11に示すように、複数のポストを含む部署等のグループについて、ポスト及び従業員の組み合わせの適合度をまとめることによって、グループに関する適合度を表示する。これにより人事担当者等は、個々のポストのみでなく、複数のポストを含むグループ毎に従業員及びポストの組み合わせが適正であるか否かを容易に把握することができる。
また本実施の形態に係るサーバ装置1は、人事配置案表示画面の選択結果表示領域102に、選択を受け付けた従業員及びポストの組み合わせを表示する。これにより人事担当者等は、自らが選択した従業員及びポストの組み合わせを容易に把握することができる。
また本実施の形態に係るサーバ装置1は、図17に示すように、従業員に対して組み合わせることが可能なポストの数を算出し、算出したポストの数を従業員に対応付けて表示する。これにより人事担当者等は、各従業員を配置することが可能なポストが多いか少ないかを容易に把握することができる。
また本実施の形態に係るサーバ装置1は、図21に示すように、従業員又はポストに関する詳細情報を表示するマウスオーバー等の操作を受け付ける。これにより人事担当者等は、人事配置案表示画面において容易に各従業員又は各ポストの詳細情報を確認することができる。
また本実施の形態に係るサーバ装置1は、受け付けた従業員及びポストの組み合わせの選択の履歴を履歴記憶部12eに記憶し、記憶した履歴に基づいて以前の人事配置案表示画面の表示状態を再現して表示する。これにより人事担当者等は、従業員及びポストの組み合わせの再検討を容易に行うことができる。
なお本実施の形態において示した画面表示、データベースの構成、データベースに記憶された情報及びフローチャートの処理手順等は、一例であってこれに限るものではなく、適宜に設計変更等がなされてよい。
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、サーバ装置1が制約条件を満たす従業員及びポストの組み合わせを算出する処理、及び、算出した組み合わせに基づく人事配置案表示画面を作成する処理等を行っているが、これらの処理は端末装置3が行ってもよい。この場合に端末装置3は、記憶部22に記憶したプログラム22aを処理部21が実行することによって、候補算出部11a、候補出力部11b、選択受付部11c及び更新部11dと同様の機能部が処理部21に設けられる。端末装置3は、ネットワークNを介した通信によりサーバ装置1のデータベースにアクセスしてもよく、自身がデータベースを保持してもよい。
<実施の形態2>
上述の実施の形態に係る情報処理システムでは、サーバ装置1が制約条件を満たすポスト及び従業員の組み合わせの全てを予め算出している。大企業等ではポストの数及び従業員の数が多く、サーバ装置1が制約条件を満たす全ての組み合わせを算出するためには長い時間が必要となる虞がある。そこで実施の形態2に係る情報処理システムでは、サーバ装置1が算出するポスト及び従業員の組み合わせの数を制限する。サーバ装置1が制約条件を満たすポスト及び従業員の組み合わせを算出する方法には、例えば以下に示す4つの方法のうちのいずれか1つが採用され得る。
(方法1)
サーバ装置1は、ポスト及び従業員の組み合わせをランダムに作り、各組み合わせが制約条件を満たすか否かを判定する。サーバ装置1は、ランダムな組み合わせの生成と制約条件の判定とを繰り返して行い、制約条件を満たす組み合わせが所定数に達した場合に、既に得られた組み合わせを候補とする。
(方法2)
サーバ装置1は、所定の順番で(予め定められた組み合わせの変更規則に従って)ポスト及び従業員の組み合わせを作り、各組み合わせが制約条件を満たすか否かを判定する。サーバ装置1は、所定の順番での組み合わせの生成と制約条件の判定とを繰り返して行い、制約条件を満たす組み合わせが所定数に達した場合に、既に得られた組み合わせを候補とする。なお、この方法2の所定の順番において、最初の組み合わせは特定の組み合わせが予め定められていてもよいが、最初の組み合わせはランダムに決定されてもよい。またサーバ装置1は、例えば制約条件を満たす組み合わせが1つ得られる都度、ランダムに新たな組み合わせを作り、新たな組み合わせを基に所定の順番で組み合わせの生成と制約条件の判定とを繰り返して候補となる別の組み合わせを取得してもよい。
(方法3)
サーバ装置1は、制約条件を満たすポスト及び従業員の組み合わせを探索するための式を立式し、この探索式を用いて制約条件を満たす解を探索する。例えば、3人の従業員a,b,cを3つのポストX,Y,Zに割り当てる必要があり、制約条件として従業員bをポストXに割り当てることができない事が定められている場合、サーバ装置1は例えば以下の探索式を立式する。
Pxa+Pya+Pza≦1 …(1)
Pxb+Pyb+Pza≦1 …(2)
Pxc+Pyc+Pzc≦1 …(3)
Pxa+Pxb+Pxc≦1 …(4)
Pya+Pyb+Pyc≦1 …(5)
Pza+Pzb+Pzc≦1 …(6)
制約条件:Pxb=0 …(7)
ただし、Pij={0,1}であり、ポストiに従業員jを割り当てる場合にPij=1、割り当てない場合にPij=0が設定される。
例えば上記の(1)式は、従業員aをポストX,Y,Zのいずれに割り当てるかを決定するための式である。また例えば(4)式は、ポストXに対して従業員a,b,cのいずれを割り当てるかを決定するための式である。
サーバ装置1は、従業員a→b→cの順でポストを探索する場合、(4)〜(7)式を満たすように、まず(1)式の解を決定し、次いで(2)式の解を決定し、最後に(3)式の解を決定する。サーバ装置1は、この順で全ての従業員をポストに割り当てることができた場合、この組み合わせを人事配置案の候補とする。これに対して、途中で従業員をポストに割り当てられなくなった場合、サーバ装置1はその時点の割り当てを破棄し、割当を変更して別の組み合わせを探索する。
あるいは、サーバ装置1は、ポストX→Y→Zの順で割り当てる従業員を探索してもよい。この場合にサーバ装置1は、(1)〜(3)及び(7)式を満たすように、まず(4)式の解を決定し、次いで(5)式の解を決定し、最後に(6)式の解を決定する。サーバ装置1は、この順で全てのポストに従業員を割り当てることができた場合、この組み合わせを人事配置案の候補とする。これに対して、途中でポストに従業員を割り当てられなくなった場合、サーバ装置1はその時点の割り当てを破棄し、割当を変更して別の組み合わせを探索する。
即ちサーバ装置1は、予め定められた順番で従業員を割り当て可能なポストを探索し(ポストに割り当て可能な従業員を探索し)、全ての従業員をポストに割り当てられた場合にこの組み合わせを人事配置案の候補とする。サーバ装置1は、割り当てを変更しながら処理を繰り返し、所定数の候補が得られた場合に処理を終了する。
なお、(方法3)においては、サーバ装置1が探索を行う従業員の順番(又は、ポストの順番)は、例えば従業員の五十音順又はID順等のように、定められた順序に従う。
(方法4)
上記の(方法3)においては、サーバ装置1が探索を行う従業員又はポストの順番が固定順である。これに対して(方法4)は、探索する従業員又はポストの順番をランダムに変更する。
例えば上記の(1)〜(7)式の例に(方法4)を適用した場合、サーバ装置1は、ランダムに従業員a,b,cの探索順を決定する。例えば従業員b→a→cの順に決定した場合、サーバ装置1は、この順で従業員をポストX,Y,Zに割り当てていき、(4)〜(7)式を満たす割り当てが得られた場合、この割り当ての組み合わせを候補とする。次いでサーバ装置1は、再び従業員の探索順をランダムに決定し、決定した順序で同様の処理を繰り返し行う。サーバ装置1は、従業員の探索順をランダムに変更しながら候補となる組み合わせを探索し、所定数の候補が得られた場合に処理を終了する。
なお、ポストに対して割り当て可能な従業員を探索する場合も同様に、探索するポストの順番をランダムに変更すればよい。
また、サーバ装置1は、所定数に限って候補を算出するのではなく、実施の形態1のように全組み合わせを候補として算出する場合には、上記の(方法1)又は(方法3)に従って全組み合わせを算出することができる。
実施の形態2に係るサーバ装置1は、上記の(方法1)〜(方法4)のいずれかを採用して所定数の組み合わせを候補として算出し、算出した候補を表示する人事配置案表示画面のデータを生成して端末装置3へ送信し、端末装置3の表示部34に人事配置案表示画面を表示する。
またサーバ装置1は、人事配置案表示画面にてポスト及び従業員の組み合わせの選択を受け付けた場合、未決定のポスト及び従業員について、上記の(方法1)〜(方法4)のいずれかを用いた候補の算出を再び行い、再算出した候補に基づいて人事配置案表示画面の表示を更新する。ただしサーバ装置1は、ポスト及び従業員の組み合わせの選択に応じて候補の再算出を行わなくてもよい。
図24は、実施の形態2に係るサーバ装置1が行う人事配置決定処理の手順の一例を示すフローチャートである。なお本フローチャートは、上記の(方法2)を採用したものである。実施の形態2に係るサーバ装置1の処理部11の候補算出部11aは、記憶部12の異動者情報DB12bから処理対象となる従業員に関する情報を読み出し、空きポスト情報DB12cから処理対象となるポストに関する情報を読み出し、制約条件DB12dから制約条件を読み出す(ステップS41)。
次いで候補算出部11aは、処理対象となる複数のポスト及び複数の従業員に対して、初期のポスト及び従業員の組み合わせをランダムに決定する(ステップS42)。候補算出部11aは、決定した初期のポスト及び従業員の組み合わせが制約条件を満たすか否かを判定する(ステップS43)。制約条件を満たす場合(S43:YES)、候補算出部11aは、このポスト及び従業員の組み合わせを候補として記憶部12に記憶する(ステップS44)。
候補算出部11aは、これまでに算出したポスト及び従業員の組み合わせの候補が所定数に達したか否かを判定する(ステップS45)。なお、所定数は例えば100組等の値が予め定められて記憶部12に記憶されており、端末装置3を介して人事担当者が所定数を設定することが可能である。ポスト及び従業員の組み合わせの候補が所定数に達していない場合(S45:NO)、候補算出部11aは、ステップS42へ処理を戻し、ランダムに組み合わせの初期値を決定して別のポスト及び従業員の組み合わせの候補を算出する。ポスト及び従業員の組み合わせの候補が所定数に達した場合(S47:YES)、候補算出部11aは、ステップS48へ処理を進める。
一方、ポスト及び従業員の組み合わせが制約条件を満たさない場合(S43:NO)、候補算出部11aは、所定の順序で組み合わせを変更する(ステップS46)。このときに候補算出部11aは、ポスト及び従業員の全組み合わせについて処理を終了したか否かを判定する(ステップS47)。全組み合わせについて処理を終了していない場合(S47:NO)、候補算出部11aは、ステップS43へ処理を戻し、変更した組み合わせについて制約条件を満たすか否かの判定を行う。全組み合わせについて処理を終了した場合(S47:YES)、候補算出部11aは、ステップS48へ処理を進める。
ポスト及び従業員の組み合わせの候補が所定数に達した場合(S45:YES)、又は、ポスト及び従業員の全組み合わせについて処理を終了した場合(S47:YES)、処理部11の候補出力部11bは、候補として算出された組み合わせに基づく人事配置案を表示する人事配置案表示画面のデータを生成し、このデータを通信部13にて端末装置3へ送信することによって、端末装置3の表示部34に人事配置案表示画面を表示する(ステップS48)。
処理部11の選択受付部11cは、端末装置3の表示部34に表示された人事配置案表示画面にてチェックボックス101に対する操作を受け付けたか否かに応じて、ポスト及び従業員の組み合わせの選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS49)。選択を受け付けていない場合(S49:NO)、選択受付部11cは、ステップS48へ処理を戻し、選択を受け付けるまで待機する。選択を受け付けた場合(S49:YES)、選択受付部11cは、受け付けた選択内容を記憶部12の履歴記憶部12eに記憶する(ステップS50)。
選択受付部11cは、決定する必要があるポスト及び従業員の組み合わせの全てについて選択の受け付けが完了したか否かを判定する(ステップS51)。全ての選択の受け付けが完了していない場合(S51:NO)、処理部11は、ステップS42へ処理を戻し、未決定のポスト及び従業員について候補の算出を再び行う。
全ての選択の受け付けが完了した場合(S51:YES)、処理部11は、受け付けた全ての選択により決定される最終的な人事配置案を示す最終案表示画面を表示するためのデータを生成し、このデータを通信部13にて端末装置3へ送信することによって、端末装置3の表示部34に最終案表示画面を表示し(ステップS52)、処理を終了する。
以上の構成の実施の形態2に係るサーバ装置1は、制約条件を満たす従業員及びポストの組み合わせを全て算出するのではなく、所定数に達するまで算出する。これにより、従業員及びポストの数が多く、組み合わせの数が膨大となる場合に、サーバ装置1が算出する組み合わせの数を制限することで、サーバ装置1の処理負荷の低減等が期待できる。またこの場合に、初期の組み合わせをランダムに変更することによって、所定数に制限された組み合わせについて多様性を増すことができ、人事配置案として表示される組み合わせに偏りが生じることを防止できる。
なお実施の形態2においては、サーバ装置1が算出する従業員及びポストの組み合わせの数を制限する構成としたが、これに限るものではない。例えば、サーバ装置1が組み合わせを算出する処理を行う時間を制限してもよい。この場合にサーバ装置1は、例えば図24に示したフローチャートにおいて、処理の開始時にタイマによる計時を開始し、ステップS45にて経過時間が所定時間(例えば20秒)を経過したか否かを判定して処理を分岐させることができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。