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JP7530278B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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JP7530278B2 JP2020200250A JP2020200250A JP7530278B2 JP 7530278 B2 JP7530278 B2 JP 7530278B2 JP 2020200250 A JP2020200250 A JP 2020200250A JP 2020200250 A JP2020200250 A JP 2020200250A JP 7530278 B2 JP7530278 B2 JP 7530278B2
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Description

本発明は、車両を制御する車両制御装置に関する。
内燃機関の回転出力で駆動される車両の惰性走行中に燃料噴射を行うときに、車載バッテリの充電状態が所定値未満である場合には、発電機により車載バッテリの充電を行うことが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2003-244998号公報
ところで、発電機は発電効率が最大となる回転速度(最高効率回転速度)で回転させることが燃費向上の観点から好ましい。しかし、発電機を最高効率回転速度で回転させるために、車両の惰性走行中に内燃機関の回転速度を制御すると、車両の惰性走行時と異なる車速変化が発生して、運転者に違和感を与えるおそれがある。
そこで、本発明は以上のような問題点に鑑み、車両の惰性走行中において、機関回転速度の制御により発電機を最高効率回転速度で回転させつつ、車両の惰性走行時と異なる車速変化を抑制した車両制御装置を提供することを目的とする。
このため、本発明に係る車両制御装置では、内燃機関と、該内燃機関の回転出力で駆動される発電機と、内燃機関の回転出力を駆動輪へ伝達する変速機と、発電機により充電されるバッテリと、を備えた車両の惰性走行中に、バッテリの充電状態が所定値未満となることを含む所定条件を満たした場合には、変速機のフォワードクラッチを該フォワードクラッチの係合要素間に回転速度差が発生する半締結状態にしつつ、発電機の発電効率が最大となるように機関回転速度を制御し、発電機の発電効率が最大となるように機関回転速度を制御している間、車両の車速が、車両が走行している路面の勾配に応じた所定の加速度で変化するように、フォワードクラッチの係合圧を制御し、所定の加速度は、フォワードクラッチの係合要素間に回転速度差が発生しない締結状態で車両が惰性走行するときに想定される加速度であり、路面の勾配ごとに予め決定されている
本発明の車両制御装置によれば、車両の惰性走行中において、機関回転速度の制御により発電機を最高効率回転速度で回転させつつ、車両の惰性走行時と異なる車速変化を抑制することができる。
車両の駆動システムの一例を示す概略図である。 発電用車両制御に関するメインルーチンの一例を示すフローチャートである。 発電用車両制御許可判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 発電用車両制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 発電機の温度特性を示す説明図である。 発電用車両制御解除ルーチンの一例を示すフローチャートである。 燃料カットがあるときの車両の内部動作の一例を示すタイムチャートである。 燃料カットがないときの車両の内部動作の一例を示すタイムチャートである。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
図1は、車両制御装置が適用される車両の駆動システムの一例を示している。車両1の駆動源は内燃機関10である。内燃機関10は、例えば4サイクル機関であり、吸気ポートを開閉する吸気バルブ11、排気ポートを開閉する排気バルブ12、燃料を噴射する燃料噴射装置13、火花放電を行う点火装置14及び吸入空気量を調整する電子制御式のスロットルバルブ15を備える。
スロットルバルブ15を通過した吸入空気と燃料噴射装置13から噴射した燃料とが混合した混合気が燃焼室内に形成され、この混合気は吸気バルブ11及び排気バルブ12がいずれも閉弁した状態でピストン16が上昇することで圧縮される。そして、圧縮された混合気が点火装置14の火花放電により着火し、混合気の燃焼圧力によってピストン16が降下することで、ピストン16とコネクティングロッド17を介して連結されたクランク軸18に回転運動が生起される。クランク軸18から取り出した回転運動は、車両1の駆動力として、トルクコンバータ20及び変速機30を介して駆動輪40に伝達される。
変速機30は、フォワードクラッチ31及びCVT(Continuously Variable Transmission)32を有する。フォワードクラッチ31はトルクコンバータ20に変速機入力軸33等を介して接続され、CVT32は、フォワードクラッチ31に中間軸34や遊星歯車機構(図示省略)を介して接続されるとともに駆動輪40に変速機出力軸35等を介して接続される。
フォワードクラッチ31は、車両1を前進させるときに締結され、変速機入力軸33に接続された駆動側のドライブプレート31Aと、CVT32と中間軸34等を介して接続された従動側のドリブンプレート31Bと、を有する。ドライブプレート31A及びドリブンプレート31Bは摩擦係合要素であり、フォワードクラッチ31を締結するときに、ドライブプレート31Aとドリブンプレート31Bとが係合する。ドライブプレート31Aとドリブンプレート31Bとの締結及び解放は、ピストン等のクラッチ駆動用アクチュエータ(図示省略)に供給される作動油の油圧制御によって行われる。
CVT32は、一対の可動円錐体が互いに縮径方向で対向配置されてそれぞれ構成されたプライマリプーリ32A及びセカンダリプーリ32Bと、これらプーリ32A,32B間に巻き掛けたベルト32Cと、を含む無段変速機構である。プライマリプーリ32Aの回転はベルト32Cを介してセカンダリプーリ32Bへ伝達され、セカンダリプーリ32Bの回転は変速機出力軸35等を介して駆動輪40へ伝達される。プライマリプーリ32A及びセカンダリプーリ32Bのそれぞれの一対の可動円錐体を、これに供給される作動油の油圧制御によって軸方向に移動させると、プライマリプーリ32A及びセカンダリプーリ32Bとベルト32Cとが接触する位置の半径が変化する。これにより、プライマリプーリ32Aとセカンダリプーリ32Bとのプーリ比(回転比)が変化して、変速比が無段階に調節される。
内燃機関10には、クランク軸18に生起される回転運動を駆動力として発電することで車載の電装品(図示省略)に直流電源を供給するとともに車載バッテリ50を充電する発電機(オルタネータ)60が設置される。発電機60は、界磁に電磁石を用いた交流発電機とその交流出力を整流する整流回路とを備えたものであり、界磁電流に応じて発電電圧が変化する。
内燃機関10は内燃機関コントロールユニット(以下、「ECU」という)100により制御され、発電機60は発電機コントロールユニット(以下、「ACU」という)200により制御され、変速機30は変速機コントロールユニット(以下、「TCU」という)300により制御される。ECU100、ACU200及びTCU300は、それぞれマイクロコンピュータを内蔵し、CAN(Controller Area Network)等の通信ネットワーク400を介して相互通信が行われる。
ECU100は、図示省略のアクセルセンサ、アクセルスイッチ71、クランク軸センサ72及びスロットル開度センサ73の各出力信号を入力する。アクセルセンサは、アクセルペダル81の踏込量に応じて変化する信号を出力する。アクセルスイッチ71はアクセルペダル81の踏み込み有無に応じて変化する信号を出力する。クランク軸センサ72は、クランク軸18から取り出される回転運動の速度(以下、「機関回転速度」という)に応じて変化する信号を出力する。スロットル開度センサ73は、スロットルバルブ15の開度に応じて変化する信号を出力する。ECU100は、上記の各センサ及びスイッチの出力信号に基づいて、アクセルペダル81の踏込量、機関回転速度及びスロットルバルブ15の開度の各計測値、並びに、アクセルペダル81の踏み込みの有無を示す情報を取得する。そして、ECU100は、上記の各計測値及び情報に基づいて、燃料噴射装置13、点火装置14及びスロットルバルブ15を制御する。
ECU100は、アクセルペダル81の踏込量の計測値に基づいてスロットルバルブ15の目標開度を設定し、スロットルバルブ15の開度の計測値が目標開度となるようにスロットルバルブ15の駆動モータを制御する。ECU100は、吸入空気量と理論空燃比とに基づいて燃料噴射量を算出するとともに、機関回転速度の計測値Nに応じた適切な点火タイミングを決定する。吸入空気量は、様々な方法で取得可能であるが、例えば、吸気量センサで実測するか、あるいは、スロットルバルブ15の開度の計測値、及び、機関回転速度の計測値Nから推定して取得できる。そして、ECU100は、算出した燃料噴射量を反映した噴射パルス信号を燃料噴射装置13へ出力し、決定した点火タイミングを反映した点火信号を点火装置14へ出力する。
また、ECU100は、アクセルスイッチ71の出力信号に基づいて、アクセルペダル81が踏み込まれた状態(以下、「アクセルオン」という)から踏み込まれていない状態(以下、「アクセルオフ」という)となって車両1が惰性走行中であるか否かを監視する。ECU100は、車両1が惰性走行中であると判定したときに、機関回転速度が所定値以上となる等の開始条件を満たしている場合には、燃料カット許可フラグをオン状態に設定して、燃費向上のために燃料噴射装置13の燃料噴射を停止させる燃料カット制御を行う。そして、機関回転速度が所定値未満となる等の解除条件を満たした場合には、燃料カット制御を終了して燃料噴射を再開する。
ACU200は、機関回転速度が車両1の運転状態に応じて変化しても、発電機60の発電電圧が車載の電装品の電源電圧として適した所定電圧となるように、発電機60の界磁電流を制御する。なお、ECU100が燃料カット制御を行う場合、ACU200は、ECU100からの指令信号に応じて、界磁電流を大きくして発電機60の発電電圧を通常よりも上昇させて、燃費向上を図るようにしてもよい。
また、ACU200は、発電機60による車載バッテリ50の充電要否の確認等のために、車載バッテリ50の充電状態(SOC)を推定する。例えば、ACU200は、車載バッテリ50の充放電電流に応じて変化する信号を出力する電流センサ74の出力信号を入力し、この出力信号に基づいて充放電電流の計測値を求めて積算し、このように積算した値に基づいて車載バッテリ50のSOCを推定する。さらに、ACU200は、車載バッテリ50内の温度(バッテリ温度)に応じて変化する信号を出力するバッテリ温度センサ75の出力信号を入力し、この出力信号に基づいてバッテリ温度の計測値Tを取得する。
TCU300は、運転者の操作入力信号やECU100から受信した車両1の運転状態に応じて、図示省略のクラッチ駆動用アクチュエータを介してフォワードクラッチ31の締結及び解放を制御するとともに、CVT32の変速比を制御する。また、TCU300は、変速機30内の油温の診断等のために、変速機30内の油温に応じて変化する信号を出力する油温センサ76の出力信号を入力し、変速機30内の油温の計測値を取得する。
ところで、車両1の惰性走行中に燃料噴射を再開したときに、機関回転速度をアイドル回転速度Niに近づけるアイドル制御を行う場合には、機関回転速度が発電機60を最高効率回転速度Nmaxで回転させるのに必要な速度(以下、「目標機関回転速度」という)Ntよりも低くなることが想定される。ここで最高効率回転速度Nmaxとは、発電機60が所定の発電電圧を発生するように発電したときに発電機60の発電効率が最も高くなるときの速度である。上記のような想定に対し、燃費向上の観点から発電機60を最高効率回転速度Nmaxで回転させるべく、機関回転速度を目標機関回転速度Ntまで上昇させて維持する制御を行うことが考えられる。しかし、車両1の惰性走行中に機関回転速度を上昇させて維持する制御を行うと、車両の惰性走行時とは異なる車速変化が発生して、運転者に違和感を与えるおそれがある。そこで、ECU100は、所定条件下でACU200及びTCU300と協働し、車両1の惰性走行中において燃料噴射の再開後かつアイドル制御の開始前に、フォワードクラッチ31を半締結状態にしながら発電機60を最高効率回転速度Nmaxで回転させる発電用車両制御を行う。ここで、フォワードクラッチ31の半締結状態とは、ドライブプレート31Aとドリブンプレート31Bとが連続的または断続的に係合(接触)しつつ互いに異なる速度で回転している状態である。なお、ECU100、ACU200及びTCU300により発電用車両制御及びその関連処理(以下、「発電用車両制御に関する処理」という)を行う車両制御装置が構成される。
ECU100は、内蔵するマイクロコンピュータにおいて、プロセッサが不揮発性メモリに格納されたプログラムを揮発性メモリに読み出して実行するソフトウェア処理により発電用車両制御に関する処理を行う。ただし、発電用車両制御に関する処理の一部又は全部がハードウェアの構成により実現されることを除外するものではない。
ECU100は、発電用車両制御に関する処理を行うために、アクセルスイッチ71、クランク軸センサ72、スロットル開度センサ73に加えて、車速センサ77及びブレーキスイッチ78の各出力信号を入力する。車速センサ77は車速に応じて変化する信号を出力し、ブレーキスイッチ78はブレーキペダル82の踏み込み有無に応じて変化する信号を出力する。ECU100は、車速センサ77の出力信号に基づいて車速の計測値Vを取得し、ブレーキスイッチ78の出力信号に基づいてブレーキペダル82の踏み込み有無を示す情報を取得する。そして、ECU100は、機関回転速度、スロットルバルブ15の開度及び車速の各計測値、並びに、アクセルペダル81及びブレーキペダル82の踏み込みの有無を示す各情報に基づいて、発電用車両制御に関する処理を行う。
また、TCU300は、ECU100からの指令信号の受信により、フォワードクラッチ31を半締結状態にする制御(以下、「半締結制御」という)を行う。TCU300は、半締結制御を行うために、第1回転速度センサ79A及び第2回転速度センサ79Bの2つのセンサの出力信号を入力する。第1回転速度センサ79Aは、ドライブプレート31Aの回転速度(以下、「第1回転速度」という)に応じて変化する信号を出力する。第2回転速度センサ79Bは、ドリブンプレート31Bの回転速度(以下、「第2回転速度」という)に応じて変化する信号を出力する。TCU300は、第1回転速度センサ79Aの出力信号に基づいて第1回転速度の計測値N1を取得し、第2回転速度センサ79Bの出力信号に基づいて第2回転速度の計測値N2を取得する。そして、TCU300は、第1回転速度の計測値N1及び第2回転速度の計測値N2に基づいて半締結制御を行う。
図2は、ECU100に電源供給が開始されたことを契機として、ECU100において繰り返し実行される発電用車両制御に関する処理のメインルーチン例を示す。なお、発電用車両制御に関する処理は、ECU100における他の制御処理と並行して実行されるものとして説明するが、他の制御処理の一部として実行されることを除外するものではない。また、発電用車両制御に関する処理を開始する際には、後述する発電用車両制御許可フラグ及び発電用車両制御実行フラグは初期化されてオフ状態になっているものとする。
ステップ101(以下、ステップを「S」と略記する。)では、ECU100は発電用車両制御を許可するか否かの判定を行う。ECU100は、S101において、発電用車両制御を許可すると判定した場合には発電用車両制御許可フラグをオン状態に設定し、発電用車両制御を禁止すると判定した場合には発電用車両制御許可フラグをオフ状態に設定する。発電用車両制御を許可するか否かの判定の詳細については後述する。
S102では、ECU100は、発電用車両制御の許可がある場合には(YES)、処理をS103へ進める一方、発電用車両制御の許可がない場合には(NO)、処理をS104へ進める。ECU100は、発電用車両制御の許可があるか否かを発電用車両制御許可フラグに基づいて判定することができる。
S103では、ECU100は発電用車両制御を行う。ECU100は、S103において発電用車両制御を実行したことを示す発電用車両制御実行フラグをオン状態に設定して、処理をS101へ戻し、発電用車両制御の許可があるか否かを確認する。要するに、ECU100は、発電用車両制御の許可がある限り発電用車両制御を継続して行う。発電用車両制御の詳細については後述する。
S104では、ECU100は、発電用車両制御中である場合には(YES)、処理をS105へ進める一方、発電用車両制御中でない場合には(NO)、S105を省略して発電用車両制御に関する処理を一旦終了し、再度S101から実行を開始する。ECU100は、発電用車両制御中であるか否かを発電用車両制御実行フラグの状態に基づいて判定することができる。
S105では、ECU100はS103で実行した発電用車両制御の解除を行う。発電用車両制御の解除の詳細については後述する。
図3は、発電用車両制御に関する処理(図2参照)のS101で呼び出される発電用車両制御許可判定ルーチンの一例を示す。
S201では、ECU100は、車載バッテリ50のSOCが下限値未満であるか否かを判定する。この下限値は、車両1の始動や走行に必要な最小の充電状態に基づいて設定された値である。ECU100は、通信ネットワーク400を介して、ACU200から車載バッテリ50のSOCを取得することができる。そして、ECU100は、車載バッテリ50のSOCが下限値未満であると判定した場合には(YES)、急速なバッテリ充電を行うために発電用車両制御の必要性があると判断して、処理をS202へ進める。一方、ECU100は、車載バッテリ50のSOCが所定値以上であると判定した場合には(NO)、急速なバッテリ充電は不要であるので、発電用車両制御の必要性もないと判断して、処理をS208へ進める。
S202では、ECU100は、発電用車両制御で用いる回転速度センサ79A,79Bが正常であるか否かを判定する。第1回転速度センサ79Aが正常であるか否かは、第1回転速度の計測値N1と機械回転速度の計測値Nとの比較に基づいて判定可能である。第2回転速度センサ79Bが正常であるか否かは、第2回転速度の計測値N2と車速の計測値Vとの比較に基づいて判定可能である。そして、ECU100は、回転速度センサ79A,79Bが正常であると判定した場合には(YES)、発電用車両制御が可能であると判断して、処理をS203へ進める。一方、ECU100は、回転速度センサ79A,79Bが異常であると判定した場合には(NO)、発電用車両制御が不可能であると判断して、処理をS208へ進める。
S203では、ECU100は、アクセルスイッチ71の出力信号に基づいてアクセルオフであるか否かを判定する。そして、ECU100は、アクセルオフであると判定した場合には(YES)、車両1が惰性走行を行っている可能性があると判断して、処理をS204へ進める。一方、ECU100は、アクセルオンであると判定した場合(NO)、車両1は惰性走行を行っていないと判断して、処理をS208へ進める。
S204において、ECU100は、上記の燃料カット許可フラグがオフ状態である場合には(YES)、燃料噴射が可能であるので、発電用車両制御として機関回転速度を制御することができると判断して、処理をS205へ進める。一方、ECU100は、上記の燃料カット許可フラグがオン状態である場合には(NO)、燃料噴射が禁止されているので、発電用車両制御としての機関回転速度の制御が不可能であると判断して、処理をS208へ進める。
S205では、ECU100は、車速センサ77の出力信号に基づいて、車両1が走行中であるか否かを判定する。車両1が走行中であるか否かの判定は、車速センサ77の出力信号に基づいて得られた車速の計測値Vが時速0kmまたはその近傍値よりも高いか否かを判定することで可能である。そして、ECU100は、車両1が走行中であると判定した場合には(YES)、車両1が惰性走行を行っているので、車両1の運動エネルギーを発電機60による発電に利用できると判断して、処理をS206へ進める。一方、ECU100は、車両1が走行中ではない、すなわち停車中であると判定した場合には(NO)、発電機60による発電に利用する車両1の運動エネルギーが発生していないと判断して、処理をS208へ進める。
S206では、ECU100は、油温センサ76の出力信号に基づいて、変速機30内の油温の計測値が閾値未満であるか否かを判定する。この閾値は、ドライブプレート31Aとドリブンプレート31Bとが相互に滑りを起こしてフォワードクラッチ31の半締結状態が不可能となる油温の下限温度である。そして、ECU100は、変速機30内の油温の計測値が閾値未満であると判定した場合には(YES)、フォワードクラッチ31の半締結状態が可能であると判断して、処理をS207へ進める。一方、ECU100は、変速機30内の油温の計測値が閾値以上であると判定した場合には(NO)、フォワードクラッチ31の半締結状態が不可能であると判断して、処理をS208へ進める。
S207では、ECU100は発電用車両制御を許可する一方、S208では、ECU100は発電用車両制御を禁止する。そして、ECU100は、S207またはS208を実行した後、発電用車両制御許可判定ルーチンを抜けて、メインルーチンである発電用車両制御に関する処理(図2参照)のS102へ処理を進める。
図4は、メインルーチンである発電用車両制御に関する処理(図2参照)のS103で呼び出される発電用車両制御ルーチンの一例を示す。
S301では、ECU100は、TCU300へ半締結制御を行うように指令信号を送信する。指令信号を受けたTCU300は、フォワードクラッチ(図中では「Fクラッチ」という。以下同様。)31のクラッチ駆動用アクチュエータ(図示省略)に供給される作動油の油圧制御により半締結制御を行う。半締結制御の具体的な内容については後述する。
S302では、ECU100は、フォワードクラッチ31が半締結状態であるか否かを判定する。ECU100は、TCU300が第1回転速度及び第2回転速度の2つの計測値N1,N2に基づいて半締結状態であるか否かの判定を行った結果を受けてS302を実行するか、あるいは、TCU300から受信した第1回転速度及び第2回転速度の2つの計測値N1,N2に基づいてS302を実行してもよい。
ところで、車両1が燃料噴射を停止した状態で惰性走行しているときに、フォワードクラッチ31の締結状態では、少なくとも第1回転速度及び第2回転速度は互いに略一致している。しかし、フォワードクラッチ31が締結状態から半締結状態に移行すると、第1回転速度及び第2回転速度の間に速度差が発生し、さらに解放状態に移行すると半締結状態のときよりも速度差が大きくなる。したがって、フォワードクラッチ31が半締結状態であるか否かは、第1回転速度及び第2回転速度の2つの計測値N1,N2の差分に基づいて判断できる。なお、ECU100またはTCU300は、フォワードクラッチ31の動作時間やクランク軸18の回転慣性を考慮して、S21から所定時間が経過してからS302を実行してもよい。また、ECU100またはTCU300は、機関回転速度を一時的に上昇させてもよい。これは、フォワードクラッチ31が解放状態であれば機関回転速度が上昇しても第2回転速度は上昇しないため、フォワードクラッチ31が半締結状態または解放状態のいずれの状態であるのかを明確に判断できるからである。
S302において、ECU100は、フォワードクラッチ31が半締結状態であると判定した場合には(YES)、処理をS303へ進める。一方、ECU100は、フォワードクラッチ31が半締結状態にないと判定した場合には(NO)、発電用車両制御の実施が不可能であると判断して、発電用車両制御に関する処理(図2参照)に戻り、これを終了する。
S303では、ECU100は、バッテリ温度の計測値Tが所定の閾値Tth未満であるか否かを判定する。ECU100は、ACU200がバッテリ温度センサ75の出力信号に基づいて取得したバッテリ温度の計測値Tを、通信ネットワーク400を介した通信情報として受信することで取得する。そして、ECU100は、バッテリ温度の計測値Tが閾値Tth未満であると判定した場合には(YES)、処理をS304へ進める。一方、ECU100は、バッテリ温度の計測値Tが閾値Tth以上であると判定した場合には(NO)、処理をS305へ進める。
S304では、ECU100は、バッテリ温度の計測値Tが閾値Tth未満であるときの目標機関回転速度Ntを速度Nに設定する。一方、S305では、ECU100は、バッテリ温度の計測値Tが閾値Tth以上であるときの目標機関回転速度Ntを速度Nよりも高い速度Nに設定する。
ここで図5を参照して、バッテリ温度に応じて目標機関回転速度Ntを変化させている理由を説明する。図5は、冷機時及び暖機時における発電機60の回転速度と発電量との関係を示している。図5において、冷機時の発電機60及び暖機時の発電機60で同一の発電量Q[A]を発電するために必要な回転速度を比較すると、暖機時の発電機60の回転速度Nは、冷機時の発電機60の回転速度Nよりも高くなる。したがって、発電機60の周囲温度が高くなるに従って発電機60の最高効率回転速度Nmaxも高くなる。発電機60の周囲温度はバッテリ温度で間接的に把握可能であり、また、上記のように発電機60を最高効率回転速度Nmaxで回転させるときに必要な機関回転速度が目標機関回転速度Ntである。このため、バッテリ温度に応じて目標機関回転速度Ntを変化させている。
なお、発電機60の周囲温度としてバッテリ温度を用いているが、当然のことながら、発電機60自体の温度や発電機60の周囲温度を間接的に示す温度パラメータを用いてもよい。
S306では、ECU100は、クランク軸センサ72の出力信号に基づいて取得した機関回転速度の計測値Nが、S304又はS305で設定した目標機関回転速度Ntとなるように、フィードバック制御を行う。
例えば、ECU100は、S306において、目標機関回転速度Ntと機関回転速度の計測値Nとの偏差に基づいてスロットルバルブ15の駆動モータ(図示省略)の操作量を算出し、この操作量を反映した制御信号を駆動モータへ出力する。スロットルバルブ15の駆動モータの操作量の算出には、PI制御やPID制御等のフィードバック制御を用いることができる。
S306において、機関回転速度の計測値Nが目標機関回転速度Ntよりも高い場合には、上記偏差が負の値となることで、PI制御やPID制御により算出される上記駆動モータの操作量は比較的小さい値となる。このため、スロットルバルブ15は全閉状態か比較的小さい開度となるので、機関回転速度は低下するか、あるいは、その上昇が抑えられる。一方、機関回転速度の計測値Nが目標機関回転速度Nt未満に低下すると、上記偏差が正の値となることで、上記操作量が比較的大きい値となってスロットルバルブ15の開度が増大し、これにより機関回転速度の計測値Nが目標機関回転速度Ntに向けて上昇する。
ECU100は、S306を実行した後、発電用車両制御ルーチンを抜けて、発電用車両制御に関する処理(図2参照)のS101へ処理を進める。
ここで、TCU300がECU100からのS301による指令信号に応じて実行する半締結制御の態様について説明する。半締結制御は、S306において車両1の惰性走行中に機関回転速度の制御を行っても、車両1の惰性走行時と異なる車速変化の発生が抑制されるように行われ、いくつかの態様が考えられる。
半締結制御の第1の態様としては、TCU300は、ドライブプレート31Aとドリブンプレート31Bとの係合圧が所定圧力となるようにクラッチ駆動用アクチュエータの油圧制御を行う。所定圧力は、例えば、クラッチ駆動用アクチュエータにより発生可能な最小の係合圧である。具体的には、TCU300は、第1回転速度及び第2回転速度の2つの計測値N1,N2の差分が上記の所定圧力に応じた所定値となるようにクラッチ駆動用アクチュエータの油圧制御を行う。
半締結制御の第2の態様としては、車両1が惰性走行により減速中である場合には、TCU300は、車速の計測値Vが所定の減速度aに従って減少するようにクラッチ駆動用アクチュエータの油圧制御を行う。所定の減速度aは、車両1が惰性走行により減速するときに発生する減速度であり、実験やシミュレーション等によって予め決定されて、ECU100のROM(Read Only Memory)等に格納されている。例えば、TCU300は、第2回転速度の計測値N2が、所定の減速度aから求められる現在の理想車速をCVT32の設定変速比等で換算した理想の第2回転速度となるように、クラッチ駆動用アクチュエータの油圧制御を行う。なお、ECU100は、車両1が走行している路面の勾配を計測または推定する勾配取得手段(例えば加速度センサ)から路面の勾配を取得して、所定の減速度aを路面の勾配に応じて変化させてもよい。
半締結制御の第3の態様としては、車両1が惰性走行により減速中である場合には、TCU300は、車載バッテリ50のSOCが上昇するに従ってドライブプレート31Aとドリブンプレート31Bとの係合圧が減少するようにクラッチ駆動用アクチュエータの油圧制御を行う。TCU300は、ACU200から通信ネットワーク400を介して車載バッテリ50のSOCの値を取得する。
なお、半締結制御の第1~第3の態様は組み合わせて用いてもよい。例えば、車両1が減速中である場合には、原則として第2又は第3の態様に従って半締結制御を行い、機関回転速度の計測値Nが上昇中であるときに、第1の態様に従って最小の係合圧で半締結制御を行ってもよい。また、S302においてフォワードクラッチ31が半締結状態であるか否かを判定する前後において、半締結制御の態様が異なるようにしてもよい。
図6は、発電用車両制御に関する処理(図2参照)のS105で呼び出される発電用車両制御解除ルーチンの一例を示す。
S401では、ECU100は、ブレーキスイッチ78の出力信号に基づいて、ブレーキペダル82が踏み込まれた状態(以下、「ブレーキオン」という)であるか否かを判定する。そして、ECU100は、ブレーキオンと判定した場合には(YES)、加速操作の可能性がないと判断して、処理をS403へ進める。一方、ECU100は、ブレーキオンではない、すなわち、ブレーキペダル82が踏み込まれていない状態(以下、「ブレーキオフ」という)であると判定した場合には(NO)、処理をS402へ進める。
S402では、ECU100は、アクセルスイッチ71の出力信号に基づいて、アクセルオフであるか否かを判定する。そして、ECU100は、アクセルオフであると判定した場合には(YES)、加速操作は行われていないが加速操作の可能性があると判断して、処理をS404へ進める。一方、ECU100は、アクセルオンであると判定した場合には(NO)、加速操作が行われたと判断して、処理をS405へ進める。
ECU100は、加速操作の可能性がない場合にはS403を実行し、加速操作は行われていないが加速操作の可能性がある場合にはS404を実行し、加速操作がされた場合にはS405を実行し、加速操作の可能性に応じてフォワードクラッチ31の締結速度を設定する。S403で設定する締結速度をUとし、S404で設定する締結速度をUとし、S405で設定する締結速度をUとすると、締結速度U,U,Uの大小関係は、加速操作の可能性が高くなるに従ってフォワードクラッチ31を迅速に締結すべく、U<U<Uとなる。
S406では、ECU100は、機関回転速度の計測値Nをアイドル回転速度Niに近づけるアイドル制御を行う。
S407では、ECU100は、クランク軸センサ72の出力信号に基づいて、機関回転速度の計測値Nがアイドル回転速度Niに収束しているか否かを判定する。そして、ECU100は、機関回転速度の計測値Nがアイドル回転速度Niに収束していると判定した場合には(YES)、処理をS408へ進める一方、機関回転速度の計測値Nがアイドル回転速度Niからまだ乖離していると判定した場合には(NO)、処理をS401へ戻す。
S408では、ECU100は、TCU300へフォワードクラッチ31を締結状態にする制御(締結制御)を行うように指令信号を送信する。指令信号を受けたTCU300は、クラッチ駆動用アクチュエータに供給される作動油の油圧制御により締結制御を行う。
S409では、ECU100は、フォワードクラッチ31が締結状態であるか否かを判定する。締結状態であるか否かは、第1回転速度及び第2回転速度の2つの計測値N1,N2が互いに略一致しているか否かにより判定できる。そして、ECU100は、フォワードクラッチ31が締結状態であると判定した場合には(YES)、発電用車両制御解除ルーチンを抜けて、発電用車両制御に関する処理(図2参照)を終了する。一方、ECU100は、フォワードクラッチ31が締結状態でないと判定した場合には(NO)、処理をS408へ戻して、TCU300に再び締結制御を行うように指令信号を送信する。
なお、ECU100は、機関回転速度の計測値Nがアイドル回転速度Niに収束すること、及び、第1回転速度及び第2回転速度の2つの計測値N1,N2が互いに略一致すること、の少なくとも一方を満たしたときに、締結制御(S408)を行ってもよい。このような制御は、特に、ECU100がS402でアクセルオンと判定した場合に、S406,S407の実行で加速操作に対する応答の遅れを抑制できる場合がある点で有効である。
図7は、燃料カット制御とその後の発電用車両制御に関する処理による車両1の内部動作の一例を示す。
時刻t1においてアクセルオンからアクセルオフに変化することで車両1が惰性走行を始めると、ECU100は、燃料カット制御の開始条件を満たしている場合には、燃料噴射の停止を示す燃料カット許可フラグをオン状態に設定し、燃料カット制御を開始する。燃料カット制御中でも発電機60の発電によって車載バッテリ50のSOCは上昇するが、図7に示すように車載バッテリ50のSOCは下限値まで到達していない状態となっている。
時刻t2において、ECU100は、燃料カット制御の解除条件を満たしたときに、燃料カット許可フラグをオフ状態に設定し、燃料カット制御が終了する。このとき、図7に示すように、車載バッテリ50のSOCは下限値未満であり、かつ、車両1は走行中である。したがって、ECU100は、変速機30内の油温が閾値未満であり、かつ、回転速度センサ79A,79Bが正常であれば、発電用車両制御の許可を示す発電用車両制御許可フラグをオン状態に設定する。そして、ECU100は、発電用車両制御として最初にTCU300にフォワードクラッチ31の半締結制御を行わせる。この半締結制御により、第1回転速度(実線)と第2回転速度(破線)との間に速度差が発生する。
時刻t3において、ECU100は、フォワードクラッチ31が半締結状態になっていると判定すると、現在の機関回転速度が、発電機60を最高効率回転速度Nmaxで回転させるのに必要な目標機関回転速度Ntとなるように、機関回転速度の制御を開始する。
時刻t4において、車載バッテリ50のSOCが下限値以上となると、ECU100は、発電用車両制御許可フラグをオン状態からオフ状態に変更して、発電用車両制御を禁止する。これにより、ECU100は、機関回転速度を目標機関回転速度Ntに一致させる制御を終了して、アイドル制御を開始する。
時刻t3~t4では、機関回転速度は目標機関回転速度Ntまで上昇して維持されるので、車載バッテリ50のSOCは燃料カット制御中(時刻t1~t2)よりも大きな変化率で上昇する。
また、時刻t3~t4では、機関回転速度が目標機関回転速度Ntまで上昇して維持されることで第1回転速度は上昇するものの、半締結制御が行われているために第2回転速度の上昇は抑制される。仮に時刻t3~t4において半締結制御が行われないとすると、機関回転速度が目標機関回転速度Ntまで上昇して維持されることで、第2回転速度は第1回転速度と同様に上昇する。第2回転速度は車速に反映され、第1回転速度には機関回転速度が反映されるので、半締結制御が行われるときの車速は、半締結制御が行われないときと比較して低くなる。換言すれば、発電用車両制御で半締結制御を行ったときの車速(実線)は、半締結制御を行わないときの車速(一点鎖線)と比較すると、発電用車両制御を行わない場合に車両1が惰性走行を行っているときの車速(破線)により近い値で変化する。
時刻t5において、機関回転速度がアイドル回転速度Niに収束するとECU100はTCU300に締結制御を行わせて、フォワードクラッチ31を半締結状態から締結状態に変化させる。
ところで、車両1の仕様により、あるいは、燃料カット制御の開始条件を満たしていないことにより、車両1が惰性走行に移行しても燃料カット制御が省略されることが想定される。このように燃料カット制御が省略された場合に発電用車両制御に関する処理を行ったときの車両1の内部動作を、図8を参照して説明する。
図8は、燃料カット制御が省略された場合の発電用車両制御に関する処理による車両1の内部動作の一例を示す。図8から明らかなように、時刻t1においてアクセルオンからアクセルオフに変化することで車両1が惰性走行を始めると、燃料カット制御を省略して、図7の時刻t2における動作へ移行する。すなわち、図8に示すように、車載バッテリ50のSOCは下限値未満であり、かつ、車両1は走行中であるので、変速機30の油温が閾値未満であり、かつ、回転速度センサ79A,79Bが正常であれば、ECU100は、発電用車両制御の許可を示す発電用車両制御許可フラグをオン状態に設定する。そして、ECU100は、発電用車両制御として最初にTCU300にフォワードクラッチ31の半締結制御を行わせる。この半締結制御により、第1回転速度(実線)と第2回転速度(破線)との間に速度差が発生する。
時刻t2において、ECU100は、フォワードクラッチ31が半締結状態になっていると判定すると、現在の機関回転速度が、発電機60を最高効率回転速度Nmaxで回転させるのに必要な目標機関回転速度Ntとなるように、機関回転速度の制御を開始する。
時刻t3において、車載バッテリ50のSOCが下限値以上となると、ECU100は、発電用車両制御許可フラグをオン状態からオフ状態に変更して、発電用車両制御を禁止する。これにより、ECU100は、機関回転速度を目標機関回転速度Ntに一致させる制御を終了して、アイドル制御を開始する。
時刻t2~t3では、機関回転速度は目標機関回転速度Ntまで上昇して維持されるので、車載バッテリ50のSOCは時刻t2以前よりも大きな変化率で上昇する。
また、時刻t2~t3では、機関回転速度が目標機関回転速度Ntまで上昇して維持されることで第1回転速度は上昇するものの、半締結制御が行われているために第2回転速度の上昇は抑制される。そして、図7と同様に、発電用車両制御で半締結制御を行ったときの車速(実線)は、半締結制御を行わないときの車速(一点鎖線)と比較すると、発電用車両制御を行わない場合に車両1が惰性走行を行っているときの車速(破線)により近い値で変化する。なお、以降の動作は図7と同様であるので説明を割愛する。
このような車両制御装置によれば、車両1の惰性走行中において、燃料カット制御の有無にかかわらず所定条件を満たした場合には、フォワードクラッチ31を半締結状態にしながら発電機60を最高効率回転速度Nmaxで回転させる発電用車両制御を行っている。これにより、発電用車両制御で半締結制御を行ったときの車速は、半締結制御を行わないときの車速と比較すると、発電用車両制御を行わない場合に車両1が惰性走行を行っているときの車速により近い値で変化する。したがって、車両1の惰性走行中において、機関回転速度の制御により発電機60を最高効率回転速度Nmaxで回転させつつ、車両の惰性走行時と異なる車速変化を抑制することが可能となる。
なお、図3の発電用車両制御許可判定ルーチンにおいて、機関回転速度の計測値Nが目標機関回転速度Nt未満のときに発電用車両制御の許可が可能と判断し、機関回転速度の計測値Nが目標機関回転速度Nt以上のときに発電用車両制御を禁止する処理を追加してもよい。この処理によって発電用車両制御を禁止した場合、スロットルバルブ15は全閉状態に保持されるので、機関回転速度が目標機関回転速度Ntまで低下するか、あるいは、機関回転速度の上昇を抑制することが可能となる。目標機関回転速度Ntに応じて発電用車両制御の要否を判定する場合、発電用車両制御許可判定ルーチンには、図4のS303~S305の処理が組み込まれる。現在の機関回転速度が目標機関回転速度Nt未満となれば発電用車両制御が開始され得るので、S306により現在の機関回転速度を目標機関回転速度Ntまで上昇させることができる。
図5のS304,S305において目標機関回転速度Ntをバッテリ温度が比較的高いときと比較的低いときとで2つに分けて設定していたが、これに代えて、バッテリ温度に応じて3つ以上に分けて設定してもよい。
上記の実施形態において、内燃機関10の制御をECU100が行い、発電機60の制御をACU200が行うものとして説明しているが、ACU200を省略してECU100で発電機60の制御を行うようにしてもよい。
発電用車両制御に関する処理はECU100において行われるものとして説明しているが、かかる処理は、ECU100、ACU200、TCU300のいずれにおいて行われてもよい。また、ECU100、ACU200、TCU300とは別の制御装置において、発電用車両制御に関する処理を行ってもよい。
ECU100、ACU200及びTCU300の少なくとも2つが一体となった制御装置が発電用車両制御に関する処理を行ってもよい。例えば、ACU200の機能が集約されたECU100が発電用車両制御に関する処理を行うことができる。
車両1の変速機30としてCVT32を用いた無段変速機を例示したが、フォワードクラッチ31を備えた変速機であれば有段または無段を問わずいかなるものでも車両1の変速機30として適用可能である。
フォワードクラッチ31は変速機30の一部として構成されるものであるが、フォワードクラッチ31に代えて、フォワードクラッチ31と同等の動力切断機構を内燃機関10と駆動輪40との間に配置してもよい。
内燃機関10として4サイクル機関を例示したが、2サイクル機関であってもよい。また、ECU100が発電用車両制御に関する処理で必要となる各種センサの出力信号は、ACU200やTCU300を介さずに、直接入力してもよい。
以上、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、上記で説明した各技術的思想は、矛盾が生じない限りにおいて、適宜組み合せて使用することができる。また、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば種々の変形態様を採り得ることは自明である。
1…車両、10…内燃機関、30…変速機、31…フォワードクラッチ、31A…ドライブプレート、31B…ドリブンプレート、50…車載バッテリ、60…発電機、N…機関回転速度の計測値、Nmax…最高効率回転速度、Nt…目標機関回転速度、N1…第1回転速度の計測値、N2…第2回転速度の計測値、T…バッテリ温度の計測値、SOC…車載バッテリの充電状態

Claims (3)

  1. 内燃機関と、該内燃機関の回転出力で駆動される発電機と、前記内燃機関の回転出力を駆動輪へ伝達する変速機と、前記発電機により充電されるバッテリと、を備えた車両の惰性走行中に、前記バッテリの充電状態が所定値未満となったことを含む所定条件を満たした場合には、前記変速機のフォワードクラッチを該フォワードクラッチの係合要素間に回転速度差が発生する半締結状態にしつつ、前記発電機の発電効率が最大となるように機関回転速度を制御し、
    前記発電機の発電効率が最大となるように前記機関回転速度を制御している間、前記車両の車速が、前記車両が走行している路面の勾配に応じた所定の加速度で変化するように、前記フォワードクラッチの係合圧を制御し、
    前記所定の加速度は、前記フォワードクラッチの係合要素間に回転速度差が発生しない締結状態で前記車両が惰性走行するときに想定される加速度であり、路面の勾配ごとに予め決定されている、車両制御装置。
  2. 機関回転速度の計測値が、前記発電機の発電効率が最大となるときの機関回転速度である目標機関回転速度となるように前記内燃機関を制御し、前記目標機関回転速度を前記発電機の周囲温度に応じて設定する、請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記フォワードクラッチを半締結状態にするときに、前記バッテリの充電状態が上昇するに従って前記フォワードクラッチの係合圧を減少させる、請求項1または請求項2に記載の車両制御装置。
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