以下に、本発明のバックアップ電源装置、制御方法及び制御プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態のバックアップ電源装置の構成を示す図である。
バックアップ電源装置1は、バッテリ2の電圧VINが予め定められた入力電圧閾値以上の場合には、バッテリ2から入力端子1a及び1bを介して供給される電力を使用して、電気二重層コンデンサ3を充電する。
入力電圧閾値が、本開示の「第1設定電圧」の一例に相当する。
バックアップ電源装置1は、バッテリ2の電圧VINが入力電圧閾値未満の場合は、電気二重層コンデンサ3に充電された電力を使用して、出力端子1cから直流電圧を出力する。出力端子1cから出力される電力は、図示しない電子機器に給電される。
バッテリ2は、車両に搭載された補機バッテリが例示されるが、本開示はこれに限定されない。電圧VINは、12V又は24Vが例示されるが、本開示はこれに限定されない。入力電圧閾値は、9Vが例示されるが、本開示はこれに限定されない。
バックアップ電源装置1は、抵抗R1から抵抗R12までと、コンデンサC1と、電気二重層コンデンサ3と、昇降圧回路4と、端子部5と、制御部10と、を含む。昇降圧回路4は、スイッチング素子Q1及びQ2と、コイルL1と、を含む。端子部5は、入力端子1a及び1bと、出力端子1cと、ダイオードD1と、を含む。
入力端子1aは、バッテリ2の高電位側端に電気的に接続されている。入力端子1bは、バッテリ2の低電位側端に電気的に接続されている。バッテリ2の低電位側端は、基準電位に電気的に接続されている。基準電位は、接地電位が例示されるが、本開示はこれに限定されない。
抵抗R1の一端は、高電位側の入力端子1aに電気的に接続されている。抵抗R1の他端は、抵抗R2の一端に電気的に接続されている。抵抗R2の他端は、低電位側の入力端子1bに電気的に接続されている。抵抗R1及び抵抗R2は、電圧VINを抵抗分圧した電圧V1を、制御部10に出力する。つまり、V1=VIN÷(R1+R2)×R2である。
ダイオードD1のアノードは、入力端子1aに電気的に接続されている。ダイオードD1のカソードは、ノードN1に電気的に接続されている。
ノードN1が、本開示の「接続点」の一例に相当する。
ダイオードD1は、電圧VINがノードN1の電圧VN1よりも高い場合には、バッテリ2からノードN1へ向かう電流を通過させる。ダイオードD1は、電圧VINが電圧VN1よりも低い場合には、ノードN1からバッテリ2へ向かう電流を遮断する。
コンデンサC1の一端は、ノードN1に電気的に接続されている。コンデンサC1の他端は、入力端子1bに電気的に接続されている。コンデンサC1は、電圧VN1を安定化、平滑化する。
バックアップ電源装置1が電気二重層コンデンサ3を充電する場合には、電圧VN1は、入力電圧、つまり電圧VINである。バックアップ電源装置1が電気二重層コンデンサ3を放電させる場合には、電圧VN1は、出力電圧である。
抵抗R3の一端は、ノードN1に電気的に接続されている。抵抗R3の他端は、抵抗R4の一端に電気的に接続されている。抵抗R4の他端は、入力端子1bに電気的に接続されている。抵抗R3及び抵抗R4は、電圧VN1を抵抗分圧した電圧V2を、制御部10に出力する。つまり、V2=VN1÷(R3+R4)×R4である。
バックアップ電源装置1が電気二重層コンデンサ3を充電する場合には、電圧V2は、入力電圧、つまり電圧VIN(=電圧VN1)に比例する電圧である。バックアップ電源装置1が電気二重層コンデンサ3を放電させる場合には、電圧V2は、出力電圧、つまり電圧VN1に比例する電圧である。
抵抗R5の一端は、ノードN1に電気的に接続されている。抵抗R5の他端は、スイッチング素子Q1のドレインに電気的に接続されている。抵抗R5の一端の電圧V6、及び、抵抗R5の他端の電圧V7は、制御部10に入力される。
スイッチング素子Q1のソースは、コイルL1の一端に電気的に接続されている。スイッチング素子Q1のゲートには、スイッチング制御信号S1が制御部10から抵抗R6を介して入力される。
スイッチング素子Q1が、本開示の「第1スイッチング素子」の一例に相当する。
なお、本開示では、各スイッチング素子がMOSFETであることとしたが、これに限定されない。各スイッチング素子は、シリコンパワーデバイス、GaNパワーデバイス、SiCパワーデバイス、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などでも良い。
各スイッチング素子は、寄生ダイオード(ボディダイオード)を有する。寄生ダイオードとは、MOSFETのバックゲートとソース及びドレインとの間のpn接合である。寄生ダイオードは、トランジスタのオフ時の過渡的な逆起電力を逃すためのフリーホイールダイオードとして利用可能である。
制御部10は、抵抗R5の両端間の電圧、つまり、電圧V6と電圧V7との差に基づいて、スイッチング素子Q1のドレイン-ソース間に流れる電流を検出できる。
なお、実施の形態では、バックアップ電源装置1が抵抗R5を備えることとしたが、本開示はこれに限定されない。制御部10は、スイッチング素子Q1のドレイン-ソース間の電圧に基づいて、スイッチング素子Q1のドレイン-ソース間に流れる電流を検出することとしても良い。この場合、バックアップ電源装置1は、抵抗R5を備えなくても良い。但し、スイッチング素子Q1のオン抵抗は、抵抗R5と比較して、温度変化が大きい。従って、バックアップ電源装置1は、高い精度が必要な場合は、抵抗R5を備えることとし、高い精度が必要ではない場合は、スイッチング素子Q1のオン抵抗を利用することとすると良い。
スイッチング素子Q2のドレインは、スイッチング素子Q1のソース及びコイルL1の一端に電気的に接続されている。スイッチング素子Q2のソースは、抵抗R8の一端に電気的に接続されている。抵抗R8の他端は、入力端子1bに電気的に接続されている。スイッチング素子Q2のゲートには、スイッチング制御信号S2が制御部10から抵抗R7を介して入力される。
スイッチング素子Q2が、本開示の「第2スイッチング素子」の一例に相当する。
抵抗R9の一端は、スイッチング素子Q2のソース及び抵抗R8の一端に電気的に接続されている。スイッチング素子Q2のソース及び抵抗R8の一端の電圧V4は、抵抗R9を介して、制御部10に入力される。
抵抗R10の一端は、スイッチング素子Q2のソース及び抵抗R8の一端に電気的に接続されている。スイッチング素子Q2のソース及び抵抗R8の一端の電圧V5は、抵抗R10を介して、制御部10に入力される。
制御部10は、抵抗R8の両端間の電圧、つまり、電圧V4又は電圧V5に基づいて、スイッチング素子Q2のドレイン-ソース間に流れる電流を検出できる。
なお、実施の形態では、バックアップ電源装置1が抵抗R8を備えることとしたが、本開示はこれに限定されない。制御部10は、スイッチング素子Q2のドレイン-ソース間の電圧に基づいて、スイッチング素子Q2のドレイン-ソース間に流れる電流を検出することとしても良い。この場合、バックアップ電源装置1は、抵抗R8を備えなくても良い。但し、スイッチング素子Q2のオン抵抗は、抵抗R8と比較して、温度変化が大きい。従って、バックアップ電源装置1は、高い精度が必要な場合は、抵抗R8を備えることとし、高い精度が必要ではない場合は、スイッチング素子Q2のオン抵抗を利用することとすると良い。
コイルL1の他端は、電気二重層コンデンサ3の一端(高電位側端)に電気的に接続されている。電気二重層コンデンサ3の他端(低電位側端)は、入力端子1bに電気的に接続されている。
抵抗R11の一端は、電気二重層コンデンサ3の一端に電気的に接続されている。抵抗R11の他端は、抵抗R12の一端に電気的に接続されている。抵抗R12の他端は、電気二重層コンデンサ3の他端に電気的に接続されている。抵抗R11及び抵抗R12は、電気二重層コンデンサ3の電圧VEDLCを抵抗分圧した電圧V3を、制御部10に出力する。つまり、V3=VEDLC÷(R11+R12)×R12である。
制御部10は、電圧V1から電圧V7までに基づいて、昇降圧回路4を制御する。
制御部10は、電気二重層コンデンサ3を充電するモード(以下、「第1モード」と称する。)では、電圧VINを降圧して電気二重層コンデンサ3に出力するように、昇降圧回路4を制御する。第1モードでは、昇降圧回路4の入力電圧は、電圧VINであり、出力電圧は、電圧VEDLCである。
制御部10は、第1モードでは、スイッチング素子Q1及びコイルL1を、降圧回路として動作させる。また、制御部10は、第1モードでは、スイッチング素子Q1を主スイッチング素子として動作させ、スイッチング素子Q2を同期整流素子として動作させる。
制御部10は、電気二重層コンデンサ3を放電させるモード(以下、「第2モード」と称する。)では、電圧VEDLCを昇圧して出力端子1cに出力するように、昇降圧回路4を制御する。第2モードでは、昇降圧回路4の入力電圧は、電圧VEDLCであり、出力電圧は、電圧VN1である。
制御部10は、第2モードでは、スイッチング素子Q2及びコイルL1を、昇圧回路として動作させる。また、制御部10は、第2モードでは、スイッチング素子Q2を主スイッチング素子として動作させ、スイッチング素子Q1を同期整流素子として動作させる。
制御部10は、バッテリ電圧低下監視部11と、モード切替タイミング調整部12と、スイッチング周波数設定部13と、スイッチング電流検出部14と、電流情報検出部15と、過電圧検出部16と、出力電圧誤差検出部17と、オンオフ制御部18と、ドライブ選択部19と、第1レベルシフト部20と、第2レベルシフト部21と、ゲート駆動回路B1及びB2と、を含む。
バッテリ電圧低下監視部11は、電圧V1に基づいて、バッテリ2の電圧VINが入力電圧閾値未満に低下したか否かを監視する。モード切替タイミング調整部12は、バッテリ電圧低下監視部11からの出力信号に基づいて、第1モード又は第2モードを表すモード信号SMODEを、スイッチング周期の先頭のタイミングで切り替える。
図2は、実施の形態のバックアップ電源装置のバッテリ電圧低下監視部及びモード切替タイミング調整部の回路構成を示す図である。
バッテリ電圧低下監視部11は、コンパレータ31と、定電圧源32と、ダイオード151と、抵抗152と、コンデンサ153と、コンパレータ154と、定電圧源155と、ANDゲート回路156と、NOTゲート回路157と、S-R型フリップフロップ158と、を含む。
コンパレータ31の非反転入力端子(+端子)には、定電圧源32の電圧が入力される。定電圧源32の電圧は、入力電圧閾値に応じた電圧である。詳しくは、定電圧源32の電圧は、((入力電圧閾値)÷(R1+R2)×R2)である。コンパレータ31の反転入力端子(-端子)には、電圧V1が入力される。
コンパレータ31は、電圧V1が定電圧源32の電圧以上の場合には、ローレベルの信号を出力する。つまり、コンパレータ31は、バッテリ2の電圧VINが入力電圧閾値以上の場合には、ローレベルの信号を出力する。
一方、コンパレータ31は、電圧V1が定電圧源32の電圧未満の場合には、ハイレベルの信号を出力する。つまり、コンパレータ31は、バッテリ2の電圧VINが入力電圧閾値未満の場合には、ハイレベルの信号を出力する。
ダイオード151のアノードは、コンパレータ31の出力端子に電気的に接続されている。ダイオード151のカソードは、ANDゲート回路156の一方の入力端子に電気的に接続されている。
抵抗152の一端は、コンパレータ31の出力端子に電気的に接続されている。抵抗152の他端は、ダイオード151のカソード及びANDゲート回路156の一方の入力端子に電気的に接続されている。
コンデンサの一端は、ダイオード151のカソード、抵抗152の他端及びANDゲート回路156の一方の入力端子に電気的に接続されている。コンデンサ153の他端は、基準電位に電気的に接続されている。
コンパレータ31から出力される信号S100がハイレベルの場合(電圧VINが入力電圧閾値未満の場合)は、ハイレベルの信号S100は、ダイオード151を介して、ANDゲート回路156の一方の入力端子に入力される。
信号S100がローレベルの場合(電圧VINが入力電圧閾値以上の場合)は、ダイオード151が遮断状態となる。従って、ローレベルの信号S100は、抵抗152とコンデンサ153とで構成されるRCフィルタを介して、ANDゲート回路156の一方の入力端子に入力される。
つまり、信号S100は、電圧VINが入力閾値電圧以上から入力電圧閾値未満へ低下した場合に、相対的に短い時定数で、ローレベルからハイレベルへ変化する。
一方、信号S100は、電圧VINが入力閾値電圧未満から入力電圧閾値以上へ上昇した場合に、相対的に長い時定数で、ハイレベルからローレベルへ変化する。
コンパレータ154の反転入力端子(-端子)には、定電圧源155の電圧が入力される。定電圧源155の電圧は、充電電圧閾値(バックアップ出力に十分な電圧)に応じた電圧である。詳しくは、定電圧源155の電圧は、((充電電圧閾値)÷(R11+R12)×R12)である。コンパレータ154の非反転入力端子(+端子)には、電圧V3が入力される。
充電電圧閾値が、本開示の「第2設定電圧」の一例に相当する。
コンパレータ154は、電圧V3が定電圧源155の電圧以上の場合には、ハイレベルの信号を出力する。つまり、コンパレータ154は、電気二重層コンデンサ3の電圧VEDLCが充電電圧閾値以上の場合には、ハイレベルの信号を出力する。
一方、コンパレータ154は、電圧V3が定電圧源155の電圧未満の場合には、ローレベルの信号を出力する。つまり、コンパレータ154は、電気二重層コンデンサ3の電圧VEDLCが充電電圧閾値未満の場合には、ローレベルの信号を出力する。
ANDゲート回路156の他方の入力端子には、コンパレータ154の出力信号が入力される。
ANDゲート回路156は、コンデンサ153の電圧がハイレベル且つコンパレータ154の出力信号がハイレベルの場合に、ハイレベルの信号を出力する。つまり、ANDゲート回路156は、電圧VINが入力電圧閾値未満且つ電圧VEDLCが充電電圧閾値以上の場合に、ハイレベルの信号を出力する。
但し、信号S100は、電圧VINが入力閾値電圧以上から入力電圧閾値未満へ低下した場合に、相対的に短い時定数で、ローレベルからハイレベルへ変化する。
一方、信号S100は、電圧VINが入力閾値電圧未満から入力電圧閾値以上へ上昇した場合に、相対的に長い時定数で、ハイレベルからローレベルへ変化する。
従って、一瞬のノイズ等により電圧VINが入力電圧閾値以上になっても、直ぐに入力電圧閾値未満に落ち着いた場合は、ANDゲート回路156の出力信号は、ローレベルにならず、ハイレベルに維持される。
S-R型フリップフロップ158のS端子(セット端子)には、ANDゲート回路156の出力信号が入力される。
NOTゲート回路157は、信号S100を論理反転して、S-R型フリップフロップ158のR端子(リセット端子)に出力する。
但し、信号S100は、電圧VINが入力閾値電圧以上から入力電圧閾値未満へ低下した場合に、相対的に短い時定数で、ローレベルからハイレベルへ変化する。
一方、信号S100は、電圧VINが入力閾値電圧未満から入力電圧閾値以上へ上昇した場合に、相対的に長い時定数で、ハイレベルからローレベルへ変化する。
従って、一瞬のノイズ等により電圧VINが入力電圧閾値以上になっても、直ぐに入力電圧閾値未満に落ち着いた場合は、NOTゲート回路157の出力信号は、ハイレベルにならず、ローレベルに維持される。
S-R型フリップフロップ158は、信号S100がハイレベル且つコンパレータ154の出力信号がハイレベルの場合に、セットされ、ハイレベルの信号を出力する。つまり、S-R型フリップフロップ158は、電圧VINが入力電圧閾値未満且つ電圧VEDLCが充電電圧閾値以上の場合に、ハイレベルの信号を出力する。
また、S-R型フリップフロップ158は、信号S100がローレベルの場合に、リセットされ、ローレベルの信号を出力する。つまり、S-R型フリップフロップ158は、電圧VINが入力電圧閾値以上の場合に、ローレベルの信号を出力する。
先に説明したように、一瞬のノイズ等により電圧VINが入力電圧閾値以上になっても、直ぐに入力電圧閾値未満に落ち着いた場合は、ANDゲート回路156の出力信号は、ローレベルにならず、ハイレベルに維持される。また、NOTゲート回路157の出力信号は、ハイレベルにならず、ローレベルに維持される。
従って、一瞬のノイズ等により電圧VINが入力電圧閾値以上になっても、直ぐに入力電圧閾値未満に落ち着いた場合は、S-R型フリップフロップ158の出力信号は、ハイレベルに維持される。
モード切替タイミング調整部12は、D型フリップフロップ41と、ワンショット回路42と、を含む。
D型フリップフロップ41のD端子(信号入力端子)には、S-R型フリップフロップ158の出力信号が入力される。
ワンショット回路42は、スイッチング周期を表す周期パルス信号SOSC(後述)がローレベルからハイレベルに変化するタイミングで、ワンショットパルスをD型フリップフロップ41のT端子(トリガ入力端子)に出力する。
D型フリップフロップ41は、ワンショット回路42から入力されるワンショットパルスがローレベルからハイレベルに変化するタイミングで、S-R型フリップフロップ158の出力信号を取り込む。D型フリップフロップ41は、反転出力端子(Qバー端子)から、モードを表すモード信号SMODEを出力する。
モード信号SMODEは、ハイレベルの場合には第1モード(充電モード)を表し、ローレベルの場合には第2モード(放電モード)を表す。
再び図1を参照すると、スイッチング周波数設定部13は、モード信号SMODEに基づいて、スイッチング周波数を表す周期パルス信号SOSCを出力する。
図3は、実施の形態のバックアップ電源装置のスイッチング周波数設定部の回路構成を示す図である。
スイッチング周波数設定部13は、NOTゲート回路(反転回路)51及び61と、定電流源52、53、56及び57と、トランスファーゲート回路54、55、58、64及び65と、コンデンサ59と、コンパレータ60と、定電圧源62及び63と、を含む。
NOTゲート回路51は、モード信号SMODEを反転して、トランスファーゲート回路54及び58に出力する。従って、トランスファーゲート回路54及び58は、モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合にオフ状態になり、モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合にオン状態になる。
コンデンサ59の低電位側端は、基準電位に電気的に接続されている。
定電流源52は、電源電位VDDと、コンデンサ59の高電位側端と、の間に電気的に接続されている。
定電流源53の一端は、電源電位VDDに電気的に接続されている。定電流源53の他端は、トランスファーゲート回路54を介して、コンデンサ59の高電位側端に電気的に接続されている。
モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合には、トランスファーゲート回路54がオフ状態になる。従って、コンデンサ59は、定電流源52だけによって充電される。モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合には、トランスファーゲート回路54がオン状態になる。従って、コンデンサ59は、定電流源52及び53の両方によって充電される。つまり、コンデンサ59は、モード信号SMODEの信号値に応じて充電電流が変わるので、電圧の上昇スピードが変わる。
コンデンサ59の高電位側端の電圧が、鋸歯状波信号SSAWである。
コンパレータ60の反転入力端子(-端子)は、コンデンサ59の高電位側端に電気的に接続されている。コンパレータ60の非反転入力端子(+端子)は、トランスファーゲート回路64を介して、定電圧源62に電気的に接続されているとともに、トランスファーゲート回路65を介して、定電圧源63に電気的に接続されている。
トランスファーゲート回路64は、コンパレータ60の出力信号がハイレベルの場合にオン状態になり、コンパレータ60の出力信号がローレベルの場合にオフ状態になる。
NOTゲート回路61は、コンパレータ60の出力信号を反転して、トランスファーゲート回路55及び65に出力する。従って、トランスファーゲート回路55及び65は、コンパレータ60の出力信号がハイレベルの場合にオフ状態になり、コンパレータ60の出力信号がローレベルの場合にオン状態になる。
コンパレータ60は、コンデンサ59の電圧が基準電圧(定電圧源62又は63の電圧)未満の場合は、ハイレベルの信号を出力する。なお、コンパレータ60の出力信号がハイレベルの場合は、トランスファーゲート回路64がオン状態になるので、コンパレータ60の非反転入力端子には、定電圧源62の電圧が基準電圧として入力される。
コンパレータ60は、コンデンサ59の電圧が基準電圧(定電圧源62又は63の電圧)以上の場合は、ローレベルの信号を出力する。なお、コンパレータ60の出力信号がローレベルの場合は、トランスファーゲート回路65がオン状態になるので、コンパレータ60の非反転入力端子には、定電圧源63の電圧が基準電圧として入力される。
つまり、コンパレータ60の基準電圧は、ローレベルからハイレベルに変化するときと、出力信号がハイレベルからローレベルに変化するときと、で異なる。
コンパレータ60の出力信号が、周期パルス信号SOSCである。
トランスファーゲート回路55の一端は、コンデンサ59の高電位側端に電気的に接続されている。
定電流源56は、トランスファーゲート回路55の他端と基準電位との間に電気的に接続されている。
トランスファーゲート回路58の一端は、トランスファーゲート回路55の他端に電気的に接続されている。
定電流源57は、トランスファーゲート回路58と基準電位との間に電気的に接続されている。
モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合には、コンデンサ59は、定電流源56だけによって放電される。モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合には、トランスファーゲート回路58がオン状態になる。従って、コンデンサ59は、定電流源56及び57の両方によって放電される。つまり、コンデンサ59は、モード信号SMODEの信号値に応じて放電電流が変わるので、電圧の降下スピードが変わる。
以上を総合すると、コンデンサ59は、モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合は、相対的に遅いスピードで充放電される。従って、鋸歯状波信号SSAW及び周期パルス信号SOSCの周波数は、相対的に低くなる。
一方、コンデンサ59は、モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合は、相対的に速いスピードで充放電される。従って、鋸歯状波信号SSAW及び周期パルス信号SOSCの周波数は、相対的に高くなる。
図4は、実施の形態のバックアップ電源装置の鋸歯状波信号及び周期パルス信号の一例を示す図である。
鋸歯状波信号SSAWは、タイミングt0から上昇を開始する。鋸歯状波信号SSAWの上昇スピードは、定電流源52及び53の電流値に依る。周期パルス信号SOSCは、タイミングt0でハイレベルとなる。
周期パルス信号SOSCは、鋸歯状波信号SSAWが電圧V100(定電圧源62の電圧)に達したタイミングt1で、ローレベルとなる。周期パルス信号SOSCがローレベルになると、基準電圧が電圧V100(定電圧源62の電圧)から電圧V101(定電圧源63の電圧)に切り替わる。鋸歯状波信号SSAWは、タイミングt1から下降を開始する。鋸歯状波信号SSAWの下降スピードは、定電流源56及び57の電流値に依る。
周期パルス信号SOSCは、鋸歯状波信号SSAWが電圧V101に達したタイミングt2で、ハイレベルとなる。周期パルス信号SOSCがハイレベルになると、基準電圧が電圧V101から電圧V100に切り替わる。鋸歯状波信号SSAWは、タイミングt2から上昇を開始する。
再び図1を参照すると、第1レベルシフト部20は、電圧V6及びV7をグランドレベルの電圧にレベルシフトして、スイッチング電流検出部14に出力する。
スイッチング電流検出部14は、電圧V6及びV7がレベルシフトされた後の電圧に基づいて、抵抗R5を流れる電流、即ちスイッチング素子Q1のドレイン-ソース間電流がゼロに達したこと又は反転したことを検出する。
また、スイッチング電流検出部14は、電圧V4に基づいて、抵抗R8を流れる電流、即ちスイッチング素子Q2のドレイン-ソース間電流がゼロに達したこと又は反転したことを検出する。
スイッチング電流検出部14は、第1モードでは、同期整流素子であるスイッチング素子Q2のドレイン-ソース間に流れる電流がゼロに達した又は反転したときに、反転検出信号SREVをオンオフ制御部18に出力する。
また、スイッチング電流検出部14は、第2モードでは、同期整流素子であるスイッチング素子Q1のドレイン-ソース間に流れる電流がゼロに達した又は反転したときに、反転検出信号SREVをオンオフ制御部18に出力する。
図5は、実施の形態のバックアップ電源装置のスイッチング電流検出部の回路構成を示す図である。
スイッチング電流検出部14は、コンパレータ121及び122と、トランスファーゲート回路123及び124と、NOTゲート回路125と、を含む。
コンパレータ121の反転入力端子(-端子)は、基準電位に電気的に接続されている。コンパレータ121の非反転入力端子(+端子)には、第1レベルシフト部20の出力信号が入力される。コンパレータ121は、第1レベルシフト部20の出力信号がゼロより大きい場合は、ハイレベルの信号を出力し、第1レベルシフト部20の出力信号がゼロ以下の場合はローレベルの信号を出力する。
コンパレータ122の反転入力端子(-端子)は、基準電位に電気的に接続されている。コンパレータ122の非反転入力端子(+端子)には、電圧V4が入力される。コンパレータ122は、電圧V4がゼロより大きい場合は、ハイレベルの信号を出力し、電圧V4がゼロ以下の場合はローレベルの信号を出力する。
NOTゲート回路125は、モード信号SMODEを反転して、トランスファーゲート回路124に出力する。
トランスファーゲート回路123は、モード信号SMODEがハイレベルの場合は、コンパレータ121の出力信号を、反転検出信号SREVとして出力する。
トランスファーゲート回路124は、モード信号SMODEがローレベルの場合は、コンパレータ122の出力信号を、反転検出信号SREVとして出力する。
再び図1を参照すると、第2レベルシフト部21は、電圧V6及びV7をグランドレベルの電圧にレベルシフトして、電流情報検出部15に出力する。
電流情報検出部15は、第1モードの場合は、主スイッチング素子であるスイッチング素子Q1のドレイン-ソース間電流の電流情報を検出する。
電流情報検出部15は、第2モードの場合は、主スイッチング素子であるスイッチング素子Q2のドレイン-ソース間電流の電流情報を検出する。
図6は、実施の形態のバックアップ電源装置の電流情報検出部の回路構成を示す図である。
電流情報検出部15は、第1電圧電流変換部71と、ダイオード72、75及び79と、抵抗73と、第2電圧電流変換部74と、NOTゲート回路77と、トランスファーゲート回路76及び80と、第3電圧電流変換部78と、を含む。
第1電圧電流変換部71は、鋸歯状波信号SSAWの電圧を電流に変換して出力する。
ダイオード72のアノードは、第1電圧電流変換部71に電気的に接続されている。ダイオード72のカソードは、抵抗73の一端に電気的に接続されている。ダイオード72のカソードと抵抗73の一端との接続点が、ノードN2である。抵抗73の他端は、基準電位に電気的に接続されている。
ノードN2の電圧が、電流情報信号SCINFOである。
第2電圧電流変換部74は、電圧V6及びV7がレベルシフトされた後の電圧を電流に変換して出力する。
ダイオード75のアノードは、第2電圧電流変換部74に電気的に接続されている。ダイオード75のカソードは、ノードN2に電気的に接続されている。
トランスファーゲート回路76は、ダイオード75のアノードと基準電位との間に電気的に接続されている。
NOTゲート回路77は、モード信号SMODEを反転して、トランスファーゲート回路76に出力する。従って、トランスファーゲート回路76は、モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合にオフ状態になり、モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合にオン状態になる。
トランスファーゲート回路76がオフ状態の場合、第2電圧電流変換部74の出力電流は、ダイオード75を経由して、ノードN2に流れる。トランスファーゲート回路76がオン状態の場合、第2電圧電流変換部74の出力電流は、基準電位に流れる。
第3電圧電流変換部78は、電圧V5を電流に変換して出力する。
ダイオード79のアノードは、第3電圧電流変換部78に電気的に接続されている。ダイオード79のカソードは、ノードN2に電気的に接続されている。
トランスファーゲート回路80は、ダイオード79のアノードと基準電位との間に電気的に接続されている。
トランスファーゲート回路80は、モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合にオン状態になり、モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合にオフ状態になる。
トランスファーゲート回路80がオン状態の場合、第3電圧電流変換部78の出力電流は、基準電位に流れる。トランスファーゲート回路80がオフ状態の場合、第3電圧電流変換部78の出力電流は、ダイオード79を経由して、ノードN2に流れる。
以上を整理すると、モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合、ノードN2には、第1電圧電流変換部71の出力電流と、第2電圧電流変換部74の出力電流と、の和が流れる。つまり、電流情報信号SCINFOは、鋸歯状波信号SSAWに、主スイッチング素子であるスイッチング素子Q1のドレイン-ソース間電流の情報が加えられた信号となる。
一方、モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合、ノードN2には、第1電圧電流変換部71の出力電流と、第3電圧電流変換部78の出力電流と、の和が流れる。つまり、電流情報信号SCINFOは、鋸歯状波信号SSAWに、主スイッチング素子であるスイッチング素子Q2のドレイン-ソース間電流の情報が加えられた信号となる。
再び図1を参照すると、過電圧検出部16は、第1モード時は、昇降圧回路4の出力電圧(電圧VEDLC)が過電圧であることを検出した場合に、過電圧検出信号SOVPを出力する。
過電圧検出部16は、第2モード時は、昇降圧回路4の出力電圧(電圧VN1)が過電圧であることを検出した場合に、過電圧検出信号SOVPを出力する。
図7は、実施の形態のバックアップ電源装置の過電圧検出部の回路構成を示す図である。
過電圧検出部16は、コンパレータ101と、定電圧源102及び103と、トランスファーゲート回路104、105、106及び107と、NOTゲート回路108と、を含む。
コンパレータ101の反転入力端子(-端子)は、トランスファーゲート回路104を介して、定電圧源102に電気的に接続されているとともに、トランスファーゲート回路105を介して、定電圧源103に電気的に接続されている。
定電圧源102の電圧は、第1モード時での昇降圧回路4の出力電圧(電圧VEDLC)の過電圧閾値である予め定められた第1過電圧閾値に応じた電圧である。詳しくは、定電圧源102の電圧は、((第1過電圧閾値)÷(R11+R12)×R12)である。
定電圧源103の電圧は、第2モード時での昇降圧回路4の出力電圧(電圧VN1)の過電圧閾値である予め定められた第2過電圧閾値に応じた電圧である。詳しくは、定電圧源103の電圧は、((第2過電圧閾値)÷(R3+R4)×R4)である。
NOTゲート回路108は、モード信号SMODEを反転して、トランスファーゲート回路105及び107に出力する。
トランスファーゲート回路104は、モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合に、オン状態になり、モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合に、オフ状態になる。
トランスファーゲート回路105は、モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合に、オフ状態になり、モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合に、オン状態になる。
コンパレータ101の非反転入力端子(+端子)には、トランスファーゲート回路106を介して電圧V3が入力される。また、コンパレータ101の非反転入力端子には、トランスファーゲート回路107を介して電圧V2が入力される。
トランスファーゲート回路106は、モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合に、オン状態になり、モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合に、オフ状態になる。
トランスファーゲート回路107は、モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合に、オフ状態になり、モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合に、オン状態になる。
以上を総合すると、コンパレータ101は、第1モード時は、電圧V3が定電圧源102の電圧以上の場合、つまり、昇降圧回路4の出力電圧である電圧VEDLCが第1過電圧閾値以上の場合に、ハイレベルの過電圧検出信号SOVPを出力する。また、コンパレータ101は、第2モード時は、電圧V2が定電圧源103の電圧以上の場合、つまり、昇降圧回路4の出力電圧である電圧VN1が第2過電圧閾値以上の場合に、ハイレベルの過電圧検出信号SOVPを出力する。
再び図1を参照すると、出力電圧誤差検出部17は、第1モード時は、昇降圧回路4の出力電圧(電圧VEDLC)と目標電圧との誤差を表す誤差信号SERRを出力する。
出力電圧誤差検出部17は、第2モード時は、昇降圧回路4の出力電圧(電圧VN1)と目標電圧との誤差を表す誤差信号SERRを出力する。
図8は、実施の形態のバックアップ電源装置の出力電圧誤差検出部の回路構成を示す図である。
出力電圧誤差検出部17は、エラーアンプ(オペアンプ)81及び85と、定電圧源82及び86と、抵抗83及び87と、コンデンサ84及び88と、トランスファーゲート回路89及び90と、NOTゲート回路91と、を含む。
エラーアンプ81の非反転入力端子(+端子)には、定電圧源82の電圧が入力される。定電圧源82の電圧は、第2モード時の昇降圧回路4の出力電圧(電圧VN1)の目標電圧に応じた電圧である。詳しくは、定電圧源82の電圧は、((電圧VN1の目標電圧)÷(R3+R4)×R4)である。
エラーアンプ81の反転入力端子(-端子)には、電圧V2が入力される。エラーアンプ81の反転入力端子と出力端子との間には、抵抗83及びコンデンサ84によって、負帰還が掛けられている。エラーアンプ81は、定電圧源82の電圧と電圧V2との差電圧に応じた電圧を出力する。
エラーアンプ85の非反転入力端子(+端子)には、定電圧源86の電圧が入力される。定電圧源86の電圧は、第1モード時の昇降圧回路4の出力電圧(電圧VEDLC)の目標電圧に応じた電圧である。詳しくは、定電圧源86の電圧は、((電圧VEDLCの目標電圧)÷(R11+R12)×R12)である。
エラーアンプ85の反転入力端子(-端子)には、電圧V3が入力される。エラーアンプ85の反転入力端子と出力端子との間には、抵抗87及びコンデンサ88によって、負帰還が掛けられている。エラーアンプ85は、定電圧源86の電圧と電圧V3との差電圧に応じた電圧を出力する。
NOTゲート回路91は、モード信号SMODEを反転して、トランスファーゲート回路89に出力する。従って、トランスファーゲート回路89は、モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合にオフ状態になり、モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合にオン状態になる。
トランスファーゲート回路90は、モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合にオン状態になり、モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合にオフ状態になる。
以上を総合すると、出力電圧誤差検出部17は、モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合に、電圧V3と定電圧源86の電圧との差電圧に応じた電圧を、誤差信号SERRとして出力する。つまり、出力電圧誤差検出部17は、昇降圧回路4の出力電圧である電圧VEDLCと目標電圧(例えば、3V)との差電圧に応じた誤差信号SERRを出力する。
一方、出力電圧誤差検出部17は、モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合に、電圧V2と定電圧源82の電圧との差電圧に応じた電圧を、誤差信号SERRとして出力する。つまり、出力電圧誤差検出部17は、昇降圧回路4の出力電圧である電圧VN1と目標電圧(例えば、12V)との差電圧に応じた誤差信号SERRを出力する。
再び図1を参照すると、オンオフ制御部18は、周期パルス信号SOSC、反転検出信号SREV、電流情報信号SCINFO、過電圧検出信号SOVP及び誤差信号SERRに基づいて、主スイッチング素子を制御するための主スイッチング制御信号SSW1、及び、同期整流素子を制御するための同期整流スイッチング制御信号SSW2を、ドライブ選択部19に出力する。
オンオフ制御部18は、第1モード時には、スイッチング素子Q1をスイッチング制御させるとともに、スイッチング素子Q1がオフの期間の一部に、スイッチング素子Q2をオンさせる。つまり、オンオフ制御部18は、スイッチング素子Q1を主スイッチング素子として動作させるとともに、スイッチング素子Q2を同期整流素子として動作させ、同期整流制御を行う。
オンオフ制御部18は、第2モード時には、スイッチング素子Q2をスイッチング制御させるとともに、スイッチング素子Q2がオフの期間の一部に、スイッチング素子Q1をオンさせる。つまり、オンオフ制御部18は、スイッチング素子Q2を主スイッチング素子として動作させるとともに、スイッチング素子Q1を同期整流素子として動作させ、同期整流制御を行う。
オンオフ制御部18は、主スイッチング制御信号SSW1、及び、同期整流スイッチング制御信号SSW2の周波数を、周期パルス信号SOSCの周波数に合わせる。周期パルス信号SOSCの周波数は、第2モード時の方が、第1モード時よりも高い。つまり、主スイッチング制御信号SSW1、及び、同期整流スイッチング制御信号SSW2の周波数は、第2モード時の方が、第1モード時よりも高い。
オンオフ制御部18は、昇降圧回路4の出力電圧が目標電圧に近づくように、主スイッチング素子及び同期整流素子を制御する。誤差信号SERRは、第1モード時は、昇降圧回路4の出力電圧である電圧VEDLCと目標電圧との差電圧に応じた信号である。誤差信号SERRは、第2モード時は、昇降圧回路4の出力電圧である電圧VN1と目標電圧との差電圧に応じた信号である。
オンオフ制御部18は、反転検出信号SREVがハイレベルになったタイミングで、同期整流素子をオフに制御する。つまり、オンオフ制御部18は、第1モードでは、反転検出信号SREVがハイレベルになったタイミングで、同期整流素子であるスイッチング素子Q2をオフに制御する。また、オンオフ制御部18は、第2モードでは、反転検出信号SREVがハイレベルになったタイミングで、同期整流素子であるスイッチング素子Q1をオフに制御する。
オンオフ制御部18は、過電圧検出信号SOVPがハイレベルになった場合、主スイッチング素子及び同期整流素子を動作停止させる。
オンオフ制御部18は、鋸歯状波信号SSAWに主スイッチング素子のドレイン-ソース間電流を加えた電流情報信号SCINFOに基づいて、主スイッチング素子及び同期整流素子を電流モード制御する。
図9は、実施の形態のバックアップ電源装置の鋸歯状波信号、電流情報信号、誤差信号及び主スイッチング制御信号の一例を示す図である。
図9(a)は、鋸歯状波信号SSAWに主スイッチング素子のドレイン-ソース間電流を加えない場合、つまり、電圧モード制御の場合の主スイッチング制御信号SSW1を示す図である。
オンオフ制御部18は、鋸歯状波信号SSAWが上昇開始するタイミングt10において、主スイッチング制御信号SSW1をハイレベルにする。
オンオフ制御部18は、鋸歯状波信号SSAWが誤差信号SERRに達したタイミングt11において、主スイッチング制御信号SSW1をローレベルにする。
図9(b)は、鋸歯状波信号SSAWに主スイッチング素子のドレイン-ソース間電流を加える場合、つまり、電流モード制御の場合の主スイッチング制御信号SSW1を示す図である。
信号111は、主スイッチング素子のドレイン-ソース間電流を示す。電流情報信号SCINFOは、鋸歯状波信号SSAWに信号111を加えた信号である。
オンオフ制御部18は、電流情報信号SCINFOが上昇開始するタイミングt20において、主スイッチング制御信号SSW1をハイレベルにする。
オンオフ制御部18は、電流情報信号SCINFOが誤差信号SERRに達したタイミングt21において、主スイッチング制御信号SSW1をローレベルにする。主スイッチング制御信号SSW1がローレベルになると、主スイッチング素子がオフ状態になるので、信号111がローレベルになる。
再び図1を参照すると、ドライブ選択部19は、モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合は、主スイッチング制御信号SSW1をゲート駆動回路B1に出力し、同期整流スイッチング制御信号SSW2をゲート駆動回路B2に出力する。
ドライブ選択部19は、モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合は、主スイッチング制御信号SSW1をゲート駆動回路B2に出力し、同期整流スイッチング制御信号SSW2をゲート駆動回路B1に出力する。
図10は、実施の形態のバックアップ電源装置のドライブ選択部の回路構成を示す図である。
ドライブ選択部19は、ANDゲート回路(論理積回路)131、132、134及び135と、ORゲート回路(論理和回路)133及び136と、NOTゲート回路137と、を含む。
NOTゲート回路137は、モード信号SMODEを反転して、ANDゲート回路132の一方の入力端子及びANDゲート回路134の一方の入力端子に出力する。
ANDゲート回路131の一方の入力端子には、モード信号SMODEが入力され、他方の入力端子には、主スイッチング制御信号SSW1が入力される。
ANDゲート回路132の他方の入力端子には、同期整流スイッチング制御信号SSW2が入力される。
ANDゲート回路134の他方の入力端子には、主スイッチング制御信号SSW1が入力される。
ANDゲート回路135の一方の入力端子には、モード信号SMODEが入力され、他方の入力端子には、同期整流スイッチング制御信号SSW2が入力される。
ORゲート回路133の一方の入力端子には、ANDゲート回路131の出力信号が入力され、他方の入力端子には、ANDゲート回路132の出力信号が入力される。
ORゲート回路133は、モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合は、主スイッチング制御信号SSW1を、ゲート駆動回路B1に出力する。
ORゲート回路133は、モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合は、同期整流スイッチング制御信号SSW2を、ゲート駆動回路B1に出力する。
ORゲート回路136の一方の入力端子には、ANDゲート回路134の出力信号が入力され、他方の入力端子には、ANDゲート回路135の出力信号が入力される。
ORゲート回路136は、モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合は、同期整流スイッチング制御信号SSW2を、ゲート駆動回路B2に出力する。
ORゲート回路136は、モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合は、主スイッチング制御信号SSW1を、ゲート駆動回路B2に出力する。
再び図1を参照すると、ゲート駆動回路B1は、モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合は、主スイッチング制御信号SSW1を増幅したスイッチング制御信号S1を、スイッチング素子Q1のゲートに出力する。
ゲート駆動回路B1は、モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合は、同期整流スイッチング制御信号SSW2を増幅したスイッチング制御信号S1を、スイッチング素子Q1のゲートに出力する。
ゲート駆動回路B2は、モード信号SMODEがハイレベル(第1モード)の場合は、同期整流スイッチング制御信号SSW2を増幅したスイッチング制御信号S2を、スイッチング素子Q2のゲートに出力する。
ゲート駆動回路B2は、モード信号SMODEがローレベル(第2モード)の場合は、主スイッチング制御信号SSW1を増幅したスイッチング制御信号S2を、スイッチング素子Q2のゲートに出力する。
(第1の実施の形態の変形例)
バッテリ電圧低下監視部11(図2参照)は、抵抗152とコンデンサ153とで構成されるRCフィルタによって、信号S100がハイレベルからローレベルへ変化する時定数を長くすることとした。しかし、RCフィルタに代えて、タイマ回路によって、信号S100がハイレベルからローレベルへ変化する時定数を長くしても良い。
図11は、第1の実施の形態の変形例のバッテリ電圧低下監視部の回路構成を示す図である。
バッテリ電圧低下監視部11Aは、バッテリ電圧低下監視部11(図2参照)と比較して、ダイオード151、抵抗152及びコンデンサ153を含んでいない。また、バッテリ電圧低下監視部11Aは、バッテリ電圧低下監視部11と比較して、タイマ回路161と、ANDゲート回路162と、を更に含む。
タイマ回路161は、定電流源171と、スイッチング素子172と、コンデンサ173と、定電圧源174と、コンパレータ175と、を含む。
スイッチング素子172のソースは、基準電位に電気的に接続されている。スイッチング素子172のゲートには、信号S100が入力される。スイッチング素子172は、信号S100がハイレベルの場合にオン状態になり、信号S100がローレベルの場合にオフ状態になる。
コンデンサ173の低電位側端は、基準電位に電気的に接続されている。コンデンサ173の高電位側端は、スイッチング素子172のドレインに電気的に接続されている。
定電流源171は、電源電位VDDと、スイッチング素子172のドレイン及びコンデンサ173の高電位側端と、の間に電気的に接続されている。
信号S100がハイレベルの場合には、スイッチング素子172がオン状態になる。従って、コンデンサ173は、スイッチング素子172によって放電される。
信号S100がローレベルの場合には、スイッチング素子172がオフ状態になる。従って、コンデンサ173は、定電流源171によって充電される。
コンパレータ175の反転入力端子(-端子)は、定電圧源174に電気的に接続されている。コンパレータ175の非反転入力端子(+端子)は、コンデンサ173の高電位側端に電気的に接続されている。
コンパレータ175は、コンデンサ173の電圧が定電圧源174の電圧未満の場合は、ローレベルの信号を出力する。
コンパレータ175は、コンデンサ173の電圧が定電圧源174の電圧以上の場合は、ハイレベルの信号を出力する。
タイマ回路161は、信号S100がハイレベルからローレベルに変化したタイミングでコンデンサ173の充電を開始し、コンデンサ173の電圧が定電圧源174の電圧に達したら、ハイレベルの信号を出力する。また、タイマ回路161は、信号S100がローレベルからハイレベルに変化したタイミングでコンデンサ173を放電し、ローレベルの信号を出力する。
つまり、タイマ回路161は、電圧VINが入力電圧閾値未満から入力電圧閾値以上に変化してから所定時間経過したタイミングで、ハイレベルの信号を出力する。また、タイマ回路161は、電圧VINが入力電圧閾値以上から入力電圧閾値未満に変化したタイミングで、ローレベルの信号を出力する。
従って、一瞬のノイズ等により電圧VINが入力電圧閾値以上になっても、直ぐに入力電圧閾値未満に落ち着いた場合は、タイマ回路161の出力信号は、ハイレベルにならず、ローレベルに維持される。
ANDゲート回路162の一方の入力端子には、NOTゲート回路157の出力信号が入力される。ANDゲート回路162の他方の入力端子には、タイマ回路161の出力信号が入力される。
ANDゲート回路162は、信号S100がローレベル且つタイマ回路161の出力信号がハイレベルの場合に、ハイレベルの信号を出力する。つまり、ANDゲート回路162は、電圧VINが入力電圧閾値以上であり、且つ、電圧VINが入力電圧閾値未満から入力電圧閾値以上に変化してから所定時間経過した場合に、ハイレベルの信号をS-R型フリップフロップ158のR端子(リセット端子)に出力する。
先に説明したように、一瞬のノイズ等により電圧VINが入力電圧閾値以上になっても、直ぐに入力電圧閾値未満に落ち着いた場合は、タイマ回路161の出力信号は、ハイレベルにならず、ローレベルに維持される。
従って、一瞬のノイズ等により電圧VINが入力電圧閾値以上になっても、直ぐに入力電圧閾値未満に落ち着いた場合は、S-R型フリップフロップ158の出力信号は、ハイレベルに維持される。
(効果)
[1]特許文献1記載のバックアップ電源装置は、放電時には、第2スイッチング素子だけをスイッチング制御し、第1スイッチング素子を制御しない(動作させない)。つまり、特許文献1記載のバックアップ電源装置は、非同期整流動作を行う。
一方、実施の形態のバックアップ電源装置1は、放電時(第2モード時)には、スイッチング素子Q2をスイッチング制御させるとともに、スイッチング素子Q2がオフの期間の一部に、スイッチング素子Q1をオンさせる。つまり、実施の形態のバックアップ電源装置1は、スイッチング素子Q1を同期整流素子として動作させ、同期整流動作を行う。
これにより、実施の形態のバックアップ電源装置1は、特許文献1記載のバックアップ電源装置と比較して、出力整流素子を不要とすることができ、部品点数を抑制できる。
特許文献1記載のバックアップ電源装置は、充電時には、第1スイッチング素子だけをスイッチング制御し、第2スイッチング素子を制御せず(動作させず)、第2スイッチング素子をダイオードとして機能させている。つまり、特許文献1記載のバックアップ電源装置は、非同期整流動作を行う。
一方、実施の形態のバックアップ電源装置1は、充電時(第1モード時)には、スイッチング素子Q1をスイッチング制御させるとともに、スイッチング素子Q1がオフの期間の一部に、スイッチング素子Q2をオンさせる。つまり、実施の形態のバックアップ電源装置1は、スイッチング素子Q2を同期整流素子として動作させ、同期整流動作を行う。
これにより、実施の形態のバックアップ電源装置1は、特許文献1記載のバックアップ電源装置と比較して、損失を抑制でき、効率を向上させることができる。
[2]実施の形態のバックアップ電源装置1は、電流不連続動作(軽負荷)である場合に、同期整流素子をオンしたままだと、逆流電流が流れ、入力側へエネルギーを回生してしまい効率が低下する。また、実施の形態のバックアップ電源装置1は、電気二重層コンデンサ3の充電電圧が上昇すると、充電エネルギーよりも回生エネルギーが大きくなり、目標電圧まで充電できなくなる。そこで、実施の形態のバックアップ電源装置1は、コイルL1がエネルギーを掃き出し、同期整流素子のドレイン-ソース間の電流がゼロとなる又は反転するタイミング、つまり、反転検出信号SREVがハイレベルになったタイミングで、同期整流素子をオフに制御する。これにより、実施の形態のバックアップ電源装置1は、逆流電流を抑制し、効率の低下を抑制できる。また、実施の形態のバックアップ電源装置1は、電気二重層コンデンサ3の充電電圧を目標電圧まで充電できる。
[3]実施の形態のバックアップ電源装置1は、第1モード時は、充電電流を制限しながらの充電が可能である。しかし、実施の形態のバックアップ電源装置1は、第2モード時は、電子機器が必要とする電力を昇圧しながら供給しなければならないので、回路に大きな電流が流れ得る。
従って、実施の形態のバックアップ電源装置1は、第2モード時にスイッチング周波数を保ったままとすると、コイルL1のサイズを大きくしなければならない。一方、実施の形態のバックアップ電源装置1は、第1モード時は、ノイズ抑制の観点から、スイッチング周波数をあまり高くしないことが望ましい。
そこで、スイッチング周波数設定部13は、第2モード時のスイッチング周波数を、第1モード時のスイッチング周波数よりも高い周波数にする。これにより、実施の形態のバックアップ電源装置1は、コイルL1のサイズを抑制できるとともに、ノイズを抑制できる。
[4]実施の形態のバックアップ電源装置1は、第1モード時は、昇降圧回路4の出力電圧である電気二重層コンデンサ3の電圧VEDLCと目標電圧との差電圧に基づいて(具体的には、電圧V3に基づいて)制御を行う。実施の形態のバックアップ電源装置1は、第2モード時は、昇降圧回路4の出力電圧である電圧VN1と目標電圧との差電圧に基づいて(具体的には、電圧V2に基づいて)制御を行う。
しかし、モード切り替え時に、1個のエラーアンプの入力側を上記2つの電圧で切り替えることとすると、問題が発生し得る。つまり、モード切り替え時に、エラーアンプの入力電圧を全く別の電圧レベルに切り替えることになるので、モード切り替え前のエラーアンプの出力電圧と、モード切り替え後のエラーアンプの出力電圧と、は全く異なる電圧となる。従って、エラーアンプの出力電圧の応答遅れや不安定動作が発生し得る。
そこで、出力電圧誤差検出部17(図8参照)は、2個のエラーアンプ81及び85を備え、モード切り替え時に、エラーアンプ81及び85の出力側を切り替える。これにより、エラーアンプ81及び85は、常に(制御に使用していない時も)夫々の入力電圧に対応した出力電圧を出力し続けており、モード切り替え時の応答遅れや不安定動作を抑制できる。
[5]コンパレータは、エラーアンプと異なり、入力電圧を別の電圧レベルに切り替えることが可能である。そこで、過電圧検出部16(図7参照)は、1個のコンパレータ101を備え、モードに応じて、コンパレータ101の入力電圧を切り替える。即ち、第1モード時は、電気二重層コンデンサ3の電圧VEDLCを抵抗分圧した電圧V3がコンパレータ101に入力される。第2モード時は、出力電圧である電圧VN1を抵抗分圧した電圧を、コンパレータ101の入力側で切り替える。
これにより、実施の形態のバックアップ電源装置1は、1個のコンパレータ101によって、第1モード及び第2モードの両方のモードで過電圧検出が可能であり、回路を抑制できる。
[6]一般に、電流モード制御の方が、電圧モード制御よりも位相補償が容易であり、応答を上げた(周波数ゲインを上げた)設定が可能である。そこで、オンオフ制御部18は、電流情報信号SCINFOを加味した電流モード制御を採用している。但し、第1モード時と第2モード時とでは、電流検出点が異なっている。
そこで、電流情報検出部15(図6参照)は、鋸歯状波信号SSAWに加える電流情報を、モードにより切り替える。つまり、電流情報検出部15は、第1モード時は、主スイッチング素子であるスイッチング素子Q1のドレイン-ソース間に流れる電流の電流情報を検出する。また、電流情報検出部15は、第2モード時は、主スイッチング素子であるスイッチング素子Q2のドレイン-ソース間に流れる電流の電流情報を検出する。
これにより、実施の形態のバックアップ電源装置1は、第1モード及び第2モードのどちらのモードでも、電流モード制御を実現できる。
[7]第1モードと第2モードとは全く異なる制御である。従って、スイッチング周期の途中でモード切替を行うこととすると、1つのスイッチング周期のこととは言え、アブノーマル動作となる。
そこで、モード切替タイミング調整部12(図2参照)は、スイッチング周期の途中でモード変更条件、つまり電圧VINと入力電圧閾値との大小関係が変化しても、次のスイッチング周期の開始、つまり周期パルス信号SOSCの立ち上がりまで待って、モード信号SMODEを切り替える。これにより、実施の形態のバックアップ電源装置1は、上記アブノーマル動作を抑制できる。
[8]第1モードで、電気二重層コンデンサ3の電圧VEDLCが電圧閾値未満(バックアップには不十分な電圧)である場合を検討する。そして、更に、電圧VINが入力電圧閾値(例えば、9V)未満となったとすると、第1モードから第2モードへ切り替わってしまい、バックアップ電源装置1は、必要な電圧VN1を出力できず、無駄な動作となる(空振り動作となる)。
そこで、第1の実施の形態では、バッテリ電圧低下監視部11及びモード切替タイミング調整部12は、第1モードで、電気二重層コンデンサ3の電圧VEDLCが電圧閾値未満の場合は、第2モードへ切り替えずに、第1モードを継続する。
これにより、バックアップ電源装置1は、バッテリが完全に遮断されてしまったのではなく、劣化等により6Vから9V程度に低下している場合に関しては、電気二重層コンデンサ3の充電を行うことができる。
[9]第2モードで、電気二重層コンデンサ3の電圧VEDLCが電圧閾値未満に低下した場合を検討する。そして、更に、一瞬のノイズ等により電圧VINが入力電圧閾値以上になったとすると、第2モードから第1モードに切り替わってしまう。そうすると、一瞬のノイズ等が収束して電圧VINが入力電圧閾値未満に戻っても、上記[8]記載の通り、第1モードを継続してしまい、第2モードに戻らなくなってしまう(バックアップが中止されてしまう)。
一瞬のノイズ等ではなく、本当に電圧VINが低下している場合は、電気二重層コンデンサ3の電圧VEDLCのバックアップ可能な下限限界まで、バックアップを継続して欲しい要請がある。バックアップ対象である負荷の機器毎に、バックアップ可能な電圧VEDLCの下限が異なるからである。
そこで、バッテリ電圧低下監視部11は、電圧VINが入力電圧閾値以上であるか否かの判定を、電圧VINが入力電圧閾値未満であるか否かの判定よりも、相対的に長い時定数で行う。
これにより、バックアップ電源装置1は、一瞬のノイズ等により電圧VINが入力電圧閾値以上になっても、直ぐに入力電圧閾値未満に落ち着いた場合は、第2モードを継続できる。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態の構成要素のうち、第1の実施の形態と同一の構成要素については、同一の符号を付して、説明を省略する。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例のバッテリ電圧低下監視部11A(図11参照)を変形したものである。
図12は、第2の実施の形態のバッテリ電圧低下監視部の回路構成を示す図である。
バッテリ電圧低下監視部11Bは、バッテリ電圧低下監視部11A(図11参照)と比較して、コンパレータ181と、定電圧源182と、タイマ回路183と、NOTゲート回路184と、ANDゲート回路185と、ORゲート回路186と、を更に含む。
コンパレータ181の反転入力端子(-端子)には、定電圧源182の電圧が入力される。定電圧源182の電圧は、出力電圧閾値に応じた電圧である。詳しくは、定電圧源182の電圧は、((出力電圧閾値)÷(R3+R4)×R4)である。コンパレータ181の非反転入力端子(+端子)には、電圧V2が入力される。
出力電圧閾値が、本開示の「第3設定電圧」の一例に相当する。
コンパレータ181は、電圧V2が定電圧源182の電圧以上の場合には、ハイレベルの信号を出力する。つまり、コンパレータ181は、電圧VN1が出力電圧閾値以上の場合には、ハイレベルの信号を出力する。
一方、コンパレータ181は、電圧V2が定電圧源182の電圧未満の場合には、ローレベルの信号を出力する。つまり、コンパレータ181は、電圧VN1が出力電圧閾値未満の場合には、ローレベルの信号を出力する。
タイマ回路183は、定電流源191と、スイッチング素子192と、コンデンサ193と、定電圧源194と、コンパレータ195と、を含む。定電流源191、スイッチング素子192、コンデンサ193、定電圧源194及びコンパレータ195の接続関係は、定電流源171、スイッチング素子172、コンデンサ173、定電圧源174及びコンパレータ175の接続関係と同様であるので、説明を省略する。
タイマ回路183は、コンパレータ181の出力信号がハイレベルからローレベルに変化したタイミングでコンデンサ193の充電を開始し、コンデンサ193の電圧が定電圧源194の電圧に達したら、ハイレベルの信号を出力する。また、タイマ回路183は、コンパレータ181の出力信号がローレベルからハイレベルに変化したタイミングでコンデンサ193を放電し、ローレベルの信号を出力する。
つまり、タイマ回路183は、電圧VN1が出力電圧閾値以上から出力電圧閾値未満に変化してから所定時間経過したタイミングで、ハイレベルの信号を出力する。また、タイマ回路183は、電圧VN1が出力電圧閾値未満から出力電圧閾値以上に変化したタイミングで、ローレベルの信号を出力する。
NOTゲート回路184は、コンパレータ154の出力信号を反転して出力する。
ANDゲート回路185の第1入力端子には、NOTゲート回路184の出力信号が入力される。ANDゲート回路185の第2入力端子には、信号S100が入力される。ANDゲート回路185の第3入力端子には、タイマ回路183の出力信号が入力される。
ANDゲート回路185は、電圧V3が定電圧源155の電圧未満であり、電圧V1が定電圧源32の電圧未満であり、且つ、電圧V2が定電圧源182の電圧未満になってから一定時間が経過した場合に、ハイレベルの信号を出力する。
つまり、ANDゲート回路185は、電圧VEDLCが充電電圧閾値未満であり、電圧VINが入力電圧閾値未満であり、且つ、電圧VN1が出力電圧閾値未満になってから一定時間が経過した場合に、ハイレベルの信号を出力する。
ORゲート回路186の一方の入力端子には、ANDゲート回路162の出力信号が入力される。ORゲート回路186の他方の入力端子には、ANDゲート回路185の出力信号が入力される。ORゲート回路186の出力信号は、S-R型フリップフロップ158のR端子(リセット端子)に入力される。
S-R型フリップフロップ158は、信号S100がハイレベル且つコンパレータ154の出力信号がハイレベルの場合に、セットされ、ハイレベルの信号を出力する。つまり、S-R型フリップフロップ158は、電圧VINが入力電圧閾値未満且つ電圧VEDLCが充電電圧閾値以上の場合に、ハイレベルの信号を出力する。
また、S-R型フリップフロップ158は、信号S100がローレベル且つタイマ回路161の出力信号がハイレベルの場合に、リセットされ、ローレベルの信号を出力する。つまり、S-R型フリップフロップ158は、電圧VINが入力電圧閾値以上になってから一定時間が経過した場合に、ローレベルの信号を出力する。
また、S-R型フリップフロップ158は、コンパレータ154の出力信号がローレベル、信号S100がハイレベル、且つ、タイマ回路183の出力信号がハイレベルの場合に、リセットされ、ローレベルの信号を出力する。つまり、S-R型フリップフロップ158は、電圧VEDLCが充電電圧閾値未満であり、電圧VINが入力閾値電圧未満であり、且つ、電圧VN1が出力電圧閾値未満になってから一定時間が経過した場合に、リセットされ、ローレベルの信号を出力する。
(効果)
第2の実施の形態では、第2モードで、十分なバックアップが出来ていない状態(電圧VN1が出力電圧閾値未満)が一定時間継続した場合は、第2モードから第1モードへ切り替える事とした。
これにより、バックアップ電源装置1は、バッテリ2が完全に遮断されてしまったのではなく、劣化等で電圧VINが6Vから9V程度になっている場合に関しては、電気二重層コンデンサ3の充電を行うことができる。
<付記>
実施の形態では、制御部10をハードウェア回路で構成したが、本開示はこれに限定されない。制御部10は、処理装置(CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等)とプログラムとで構成しても良い。
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。