以下、各実施形態について説明する。以下の各実施形態は、適宜変形可能である。また、各実施形態の構成は、実質的に類似の構成、類似の作用効果を奏する構成または類似の目的を達成できる構成で置き換えることができる。さらに、各実施形態で説明するフローチャートの処理の順序は、可能な限り入れ替えることができる。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態のシステム10の一例を示す図である。図1のシステム10は、他の実施形態でも適用され得る。システム10は、基地局20と端末30とL5G網40とキャリア網50とを含む。L5Gは、例えば、ローカル5G等のプライベートネットワークである。基地局20は、敷地21の内部に設置される。基地局20は、第1通信方式を用いた第1無線ネットワークを提供する。
各実施形態では、第1無線通信方式は、第5世代移動通信システムである5G(5th Generation)移動通信システム(以下、5Gと称する)の仕様に準拠した無線通信方式であるものとする。また、第1無線ネットワークは、5Gをプライベートネットワークに適用したネットワーク(以下、ローカル5Gと称する)であるものとする。ただし、第1無線通信方式は、LTE(Long Term Evolution)等の任意の無線通信方式であってもよい。
敷地21は、例えば、建設現場や工場等の敷地である。基地局20により構築されるローカル5GのエリアA1は、敷地21の一部の範囲をカバーする。基地局20は、L5G網40と接続されており、実線で示される略円形状のエリアA1の範囲内では、ローカル5Gを用いた無線通信が可能である。L5G網は、ローカル5G網を表す。
図1の例では、敷地21の内部に、複数の端末30A~30E(以下、端末30と総称する)が存在する。敷地21の内部にある端末30は1つであってもよい。端末30は、例えば、スマートフォンや携帯電話、タブレット端末等の無線通信機能を有する端末である。端末30は、エリアA1の範囲内では、ローカル5Gの通信を行うことができる。端末30は、UE(User Equipment)とも称される。
ローカル5Gはプライベートネットワークであるため、ローカル5Gの通信可能なエリアは敷地21の外部にまで至らないように規制される。このため、エリアA1は、敷地21の全てをカバーできない。例えば、敷地21の隅部は、エリアA1の範囲外であり、ローカル5Gの通信が不可能な圏外の位置になる。
基地局20のエリアA1の範囲内には、Wifi機器として、内部Wifiルータ22が設置される。内部Wifiルータ22は、破線で示される略円形状のエリアA2をWifi通信による無線通信可能なエリアとしてカバーする。内部Wifiルータ22は、ローカル5Gをバックホール(Backhaul)として、敷地21のうちローカル5GのエリアA1の範囲外であるエリアA2における無線通信を補完するために設けられる。Wifiは第2通信方式に対応し、内部Wifiルータ22により構築される無線ネットワークは、第2無線ネットワークに対応する。第2通信方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の任意の近距離無線通信による通信方式であってもよい。
L5G網40は、5GC41、NMS42およびMEC43、44を含む。L5G網40は、第1無線ネットワークに対応する。L5G網40は、基地局20と内部または外部のネットワークとの間を接続する。基地局20は、L5G網40に含まれる構成であってもよい。L5G網40は、基地局20と有線または無線により通信可能に接続される。5GC41は、ローカル5Gの通信制御を行うコアネットワークである。NMS(Network Management System)42は、5GC41を含むネットワークを管理し、5GC41と端末30との間の通信に基づき、ローカル5G通信の制御および管理を行う。以下、NMS42と端末30との間のデータの授受は5GC41を介して行われるものとする。NMS42は、管理装置に対応する。
MEC(Multi-access Edge Computing)43、44は、それぞれ異なるDN(Data Network)に接続する。MEC(DNN_A)43は、接続先のDNNが「DNN_A」に対応するMECである。MEC(DNN_B)44は、接続先のDNNが「DNN_B」に対応するMECである。L5G網40は、1つのMECを含んでいてもよいし、3つ以上のMECを含んでいてもよい。DNNは、接続先のネットワーク名を示す情報である。DNNは、APN(Access Point Name)であってもよい。
5GC41、NMS42およびMEC43、44は、それぞれ異なるコンピュータまたはサーバにより実現されてもよいし、一部または全部が1つのコンピュータまたはサーバにより実現されてもよい。また、5GC41、NMS42およびMEC43、44は、それぞれ、1以上のコンピュータまたはサーバが実行するソフトウェアコンポーネントであってもよい。
NMS42は、AMF(Access and Mobility Management Function: subscriber)、SMF(Session Management Function)またはUPF(User Plane Function)に含まれていてもよく、これらの機能を集約したNF(Network Function)に含まれていてもよい。
キャリア網50は、通信事業者により運用される無線ネットワークを提供する。当該無線ネットワークは、第5世代移動通信システムである5G移動通信システムの仕様に準拠した無線通信方式の無線ネットワークであるものとする。ただし、上記無線ネットワークは、上述したLTE等の無線ネットワークであってもよい。
キャリア網50は、5GC51を含む。5GC51は、5G通信の通信制御を行うコアネットワークである。5GC51は、プライベートネットワークではなく、通信事業者により構築された公衆エリアに5G無線通信を提供する。
5GC51は、無線により、外部Wifiルータ52に接続される。外部Wifiルータ52は、一点鎖線で示される略円形状のエリアA3をWifi通信による無線通信可能なエリアとしてカバーする。外部Wifiルータ52のバックホールはキャリア網50である。外部Wifiルータ52のWifi無線通信方式と、内部Wifiルータ22のWifi無線通信方式とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
次に、端末30の一例について説明する。図2は、端末30のハードウェア構成の一例を示す図である。端末30は、端末制御部31、通信部32、記憶部33、表示部34および操作入力部35を含む。端末30は、図2のハードウェア構成のうち一部の要素を含まなくてもよいし、他の要素を含んでいてもよい。
端末制御部31は、例えば、1以上のプロセッサを含む。当該プロセッサが複数の命令セットを含むプログラムを実行することで、各実施形態における端末制御部31が実行する処理が行われる。プログラムは、例えば、記憶部33に記憶される。端末制御部31は、制御部に対応する。
通信部32は、第1通信部38Aおよび第2通信部38Bを含む。通信部32は、例えば、ローカル5G通信を行うモジュールおよびWifi通信を行うモジュールを含む所定の回路により構成される。第1通信部38Aは、第1アンテナ39Aに接続される。第1通信部38Aは、第1アンテナ39Aを介して、ローカル5G通信における信号の送受信を行う。第2通信部38Bは、第2アンテナ39Bに接続される。第2通信部38Bは、第2アンテナ39Bを介して、Wifi通信における信号の送受信を行う。
記憶部33は、各種の情報を記憶する。記憶部33は、RAM(Random Access Memory)等のメモリであってもよいし、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体であってもよい。表示部34は、端末制御部31の制御に基づき、各種の情報を表示する。操作入力部35は、端末30を所持する作業者やユーザからの操作を受け付ける。表示部34と操作入力部35とは一体的に構成されたタッチパネルディスプレイであってもよい。
端末制御部31は、通信制御部36および通信情報処理部37を含む。通信制御部36は、端末30が行うローカル5G通信およびWifi通信の通信制御を行う。通信情報処理部37は、各実施形態における各種の処理を行う。
次に、NMS42の一例について説明する。図3は、NMS42のハードウェア構成の一例を示す図である。NMS42は、システム制御部61および記憶部62を含む。NMS42は、他の要素を含んでいてもよい。システム制御部61は、通知部に対応する。
システム制御部61は、例えば、1以上のプロセッサを含む。当該プロセッサが複数の命令セットを含むプログラムを実行することで、各実施形態におけるシステム制御部61が実行する処理が行われる。プログラムは、例えば、記憶部62に記憶される。記憶部62は、各種の情報を記憶する。記憶部62は、ハードディスクドライブ等の記憶装置であってもよいし、上述したメモリや記憶媒体であってもよい。
図3は、NMS42と5GC41とが分離した例を示しているが、上述したように、NMS42および5GC41は1以上のサーバに含まれるソフトウェアコンポーネントであってもよい。以下、NMS42と5GC41とは1以上のサーバに含まれるソフトウェアコンポーネントであるものとして説明する。
NMS42は5GC41と端末30との間のローカル5G通信の制御および管理を行う。システム制御部61は、通信制御部46および通信情報管理部47を含む。通信制御部46は、5GC41の通信制御を行う。通信情報管理部47は、ローカル5G通信のネットワークの管理を行う。
図1において、エリアA1の範囲内に位置する各端末30は、例えば、それぞれ作業者により所持される。各端末30のうち端末30Aが、MEC(DNN_A)43に接続されていたとする。図1に示されるように、端末30Aを所持している作業者が、エリアA1から敷地21の隅部まで移動すると、端末30Aは、エリアA1の範囲外に出る。
端末30Aは、エリアA1の範囲外に出ると、ローカル5Gの無線通信の圏外に出る。ただし、端末30Aは、エリアA1からエリアA2に出たとしても、エリアA2はローカル5Gをバックホールとしたエリアである。このため、端末30Aは、エリアA2の範囲内では、内部Wifiルータ22によるWifi通信を介して、ローカル5Gの無線通信を継続することができる。
図1の例の場合、端末30Aは、内部Wifiルータ22のエリアA2の範囲と外部Wifiルータ52のエリアA3の範囲とが重複する位置まで移動する。この場合、端末30Aは、内部Wifiルータ22と外部Wifiルータ52との両者に接続可能である。従って、端末30Aは、内部Wifiルータ22と外部Wifiルータ52とのうち、基地局20から提供されるローカル5Gをバックホールとした内部Wifiルータ22に接続する必要がある。
また、上述したように、端末30Aは、MEC(DNN_A)43に接続されている。端末30Aが、エリアA1からエリアA2に移動した際に、無線通信を継続するためには、接続先のMECもMEC(DNN_A)43を維持している必要がある。つまり、端末30Aは、エリアA1の範囲外であり且つエリアA2の範囲内に移動した際、エリアA1の範囲内にいたときの無線通信を継続するためには、ローカル5Gをバックホールとした内部Wifiルータ22に接続し、且つ同じDNNに接続する必要がある。
そこで、NMS42は、端末30AがエリアA1からエリアA2に移動したとしても、ローカル5Gをバックホールとし、移動前と同じDNNに接続する無線通信を行うための情報(以下、Wifi情報とする)を端末30Aに通知する。端末30Aは、通知されたWifi情報に基づき、Wifiの接続制御を行う。Wifi情報は、第1通信方式に対応する第2通信方式を示す情報に対応する。Wifi情報については、後述する。
ここで、図1において、キャリア網50とL5G網40とが、所定のネットワークを介して、接続されている場合、端末30Aは、キャリア網50を介して、MEC(DNN_A)43に接続するといったケースも考えられる。しかし、端末30Aは、ローカル5Gというプライベートネットワークで用いられることが想定されている。また、端末30Aが、キャリア網50を介して、MEC(DNN_A)43に接続すると、低遅延通信を行うことが難しくなる。さらに、上記の所定のネットワークを使用するための余分な費用が生じる。このため、端末30Aは、基本的には、キャリア網50を介して、MEC(DNN_A)43に接続しない。
図4は、第1実施形態におけるWifi情報を通知する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図4のシーケンス図のうち端末は1つの例を示しているが、端末は複数であってもよい。
内部Wifiルータ22は、基地局20を含むネットワークを介して、5GC41に接続要求を送信し、NMS42が接続要求を取得する(ステップS10)。NMS42が取得する接続要求には、SIM(Subscriber Identity Module)情報および接続先のDNNの情報が含まれる。以下、SIM情報は、SIM情報を特定可能な任意の情報であってもよい。以下、内部Wifiルータ22の接続先DNNは、DNN_Aであるとして説明するが、接続先DNNは任意のDNNであってもよい。内部Wifiルータ22が送信する接続要求は、例えば、PDU Session Establishment Requestであってもよい。
5GC41は、接続要求に基づき、内部Wifiルータ22とDNN_Aとの接続を確立させる(ステップS11)。NMS42は、5GC41を介して取得した接続情報に基づき、SIMとDNNとWifiとの対応関係を表すテーブルを更新する(ステップS12)。テーブルは、記憶部62に記憶される。ステップS12の処理は、ステップS11の処理の中で実行されてもよい。
図5は、接続SIMと接続DNNとWifi情報と接続プロファイル情報とを対応付けたテーブルの一例を示す図である。接続SIMは、接続要求に含まれるSIM情報である。接続DNNは、接続要求に含まれる接続先のDNNを示す情報である。ステップS13が実行された時点では、NMS42は、Wifi情報を受信していないため、Wifi情報は記録されない。
例えば、内部Wifiルータ22のSIMが「001」であるとする。接続先のDNNは「DNN_A」であるため、NMS42は、図5のテーブルに接続SIMとして「001」を追加し、対応する接続DNNに「DNN_A」を追加する。
図4に示されるように、内部Wifiルータ22は、Wifiアクセスポイント(AP)機能がONになると、Wifi電波を周囲に発信する(ステップS13)。そして、内部Wifiルータ22は、SSID(Service Set Identifier)の情報をSIM情報とともにNMS42に通知する(ステップS14)。NMS42は,5GC41を介して取得した通知に基づき、テーブルを更新する(ステップS15)。SSIDは、内部Wifiルータ22や端末30等のWifi通信を行うWifi機器を識別するWifi情報である。
例えば、内部Wifiルータ22のSSIDが「SSID_A」であるとする。この場合、NMS42は、内部Wifiルータ22のSIMである「001」に対応するWifi情報「SSID_A」をテーブルに記録する。これにより、図5の例のテーブルにおいて、接続SIMと接続DNNとWifi情報との対応関係が記録される。
NMS42は、基地局20が構築するローカル5GのエリアA1に属する各端末30のうち、接続先のDNNが同じDNNである1以上の端末30に対して、DNNに対応するWifi情報を通知する(ステップS16)。当該制御に基づき、5GC41は上記の1以上の端末30に上記の通知を行う。
例えば、図5の例のテーブルの場合、接続SIMが「002」および「003」の端末30は、接続DNNが同じ「DNN_A」である。この場合、NMS42は、接続SIMが「002」の端末30および接続SIMが「003」の端末30に、Wifi情報として「SSID_A」を通知する。一方、接続SIMが「004」の端末30の接続先DNNは「DNN_B」である。この場合、NMS42は,接続SIMが「004」の端末30に対して、「SSID_A」のWifi情報を通知しない。
図4のシーケンス図で、Wifi情報は、SSIDではなく、Wifi機器を特定する任意の情報であってよい。例えば、Wifi情報は、ESSID(Extended Service Set Identifier)やBSSID(Basic Service Set Identifier)、MAC(Media Access Control)アドレス等であってもよい。
また、内部Wifiルータ22や外部Wifiルータ52等のWifiルータは、Wifi機能を有する任意のWifi機器であってもよい。Wifiルータは、固定的に設置されていてもよいし、持ち運び可能なモバイルWifiルータであってもよい。図4において、内部Wifiルータ22は、端末30等の任意のデバイスであってもよい。また、内部Wifiルータ22とWifi通信が可能なデバイスが、内部Wifiルータ22のSIM情報、接続先DNNおよびWifi情報を取得し、取得した情報をNMS42に通知してもよい。
また、SIM情報は、IPアドレス等であってもよい。内部Wifiルータ22や端末30等のローカル5G通信を行う機器には、それぞれ固有のIPアドレスが割り当てられている。このため、SIM情報の代わりにIPアドレスを使用できる。
次に、Wifi情報を取得したときにNMS42が行う処理について説明する。図6は、Wifi情報を受信したときにNMS42が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。NMS42の通信制御部46は、基地局20等のネットワークを介して、5GC41が受信したWifi情報およびSIM情報を取得する(ステップS20)。
NMS42の通信情報管理部47は、記憶部62に記憶されているテーブルを参照して、取得したSIM情報に対応する接続DNNを参照し、接続DNNとWifi情報とを紐づけて、テーブルを更新する(ステップS21)。
通信情報管理部47は、図5のテーブルを参照して、ステップS21で紐づけを行った接続DNNと同じ接続DNNに接続している端末30があるかを判定する(ステップS22)。例えば、図5のテーブルの場合、紐づけを行った接続DNNが「DNN_A」であれば、接続SIMが「002」の端末30および「003」の端末30が「DNN_A」に接続されているため、ステップS22でYesと判定される。一方、紐づけを行った接続DNNが「DNN_B」であれば、紐づけを行った接続DNNと同じ接続DNNを接続先とする端末30が存在しないため、ステップS22でNoと判定される。
通信情報管理部47は、ステップS22でYesと判定した場合、エリアA1の範囲内にあり、且つステップS21で紐づけしたDNNと同じDNNを接続先とする全ての端末30に、紐づけされたWifi情報を送信する(ステップS23)。5GC41は、当該Wifi情報を対象となる各端末30に送信する。一方、通信情報管理部47は、ステップS22でNoと判定した場合、ステップS23の処理を実行することなく、図6のフローチャートの処理を終了させる。
図1のシステム10は、L5G網40に2つのDNN(MEC(DNN_A)43およびMEC(DNN_B)44)があるマルチDNNの構成例を示している。L5G網40のDNNは1つであってもよい。この場合、紐づけした端末30があるかをDNNごとに判定する必要はないため、図6のフローチャートにおけるステップS22の判定処理は省略される。
NMS42は、5GC51の通信状況を管理または認識しているため、5GC51から接続されるDNNが1つであるか、複数であるかを認識できる。また、NMS42は、5GC51に接続される各端末30に関する情報を認識している。端末30に関する情報には接続先のDNNの情報も含まれるため、NMS42は、当該情報に基づき、5GC51から接続されるDNNが1つであるか、複数であるかを認識できる。NMS42は、上記の認識の結果に基づき、図6のステップS22の判定処理を省略するかを判定してもよい。
次に、端末30側の処理について説明する。図7は、第1実施形態における端末30がWifiに接続するまでの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図7のステップS30~S35は、図4のステップS10~S15と同様であるため、説明を省略する。
端末30は、基地局20を含むネットワークを介して、5GC41に接続要求を送信し、NMS42が接続要求を取得する(ステップS36)。NMS42に送信される接続要求情報には、SIM情報および接続先のDNNの情報が含まれる。以下、接続先のDNNは、DNN_Aであるとして説明する。5GC41は、接続要求に基づき、端末30とDNN_Aとの接続を確立させる(ステップS37)。
図5の例のテーブルに示されるように、接続DNN「DNN_A」に対応するWifi情報は「SSID_A」である。NMS42は、テーブルを参照して、接続DNN「DNN_A」に対応する接続SIMの各端末30に対して、Wifi情報として「SSID_A」を通知する(ステップS38)。
端末30は、ローカル5Gのネットワーク通信品質が所定レベル以下となったかを判定する(ステップS39)。通信品質の判定の詳細は、後述する。端末30は、ローカル5Gのネットワーク通信品質が所定レベル以下となったと判定した場合、受信したWifi情報「SSID_A」に基づき、内部Wifiルータ22に接続する(ステップS40)。
次に、図7のシーケンス図における端末30が行う処理について説明する。図8は、第1実施形態における端末30が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。端末30の通信制御部36は、第1通信部38Aおよび第1アンテナ39Aを介して、L5G網40に接続する制御を行う(ステップS50)。このとき、通信制御部36は、第1通信部38Aおよび第1アンテナ39Aを介して、上述した接続要求を5GC41に接続要求を送信する。当該接続要求はNMS42に取得される。端末30が送信する接続先のDNNは「DNN_A」であるとする。
通信制御部36は、Wifi情報を取得したかを判定する(ステップS51)。図7のシーケンス図を用いて説明したように、端末30が接続要求を5GC41に送信し、NMS42が当該接続要求を取得する。NMS42は、図5のテーブルを参照して、取得した接続要求に含まれる接続DNNと同じ接続DNNの情報があり、且つ対応するWifi情報がある場合、当該Wifi情報を端末30に送信する。一方、受信した接続要求に含まれる接続DNNと同じ接続DNNの情報が図5のテーブルにない場合、または対応するWifi情報がない場合、NMS42は、Wifi情報を端末30に送信しない。
端末30がWifi情報を受信した場合、端末30の通信情報処理部37は、ステップS51でYesと判定し、受信したWifi情報(ローカル5GをバックホールとしたWifi情報)を、記憶部33に記憶する(ステップS52)。受信したWifi情報は「SSID_A」である。一方、端末30がWifi情報を受信していない場合、通信情報処理部37は、ステップS51でNoと判定し、処理をステップS53に進める。
通信情報処理部37は、ローカル5Gのネットワーク通信品質が所定レベル以下になったかを判定する(ステップS53)。例えば、端末30が基地局20から遠ざかるに応じて、ローカル5Gのネットワーク通信品質が低下し、ローカル5Gの通信の継続が不安定になる。そして、端末30は、エリアA1の範囲外に出ると、ローカル5Gの圏外になるため、通信の継続ができなくなる。所定レベルは、ローカル5Gの圏外になるかを判定する値であってもよい。
通信情報処理部37は、ステップS53の判定を、SS-RSRP(Synchronization Signal-Reference Signal Received Power)やSS-RSRQ(Synchronization Signal-Reference Signal Received Quality)等の指標値が所定値以下になったかに基づいて、判定してもよい。
上記のローカル5Gのネットワーク通信品質が所定レベルを超えている場合、端末30はエリアA1の範囲内にあり、ローカル5Gの通信は継続できる。この場合、通信情報処理部37は、ステップS53でNoと判定し、処理をステップS53に戻す。
上記のローカル5Gのネットワーク通信品質が所定レベル以下になった場合、端末30によるローカル5Gの通信は継続できなくなる。この場合、通信情報処理部37は、ステップS53でYesと判定し、処理をステップS54に進める。
通信情報処理部37は、L5G網40からWifi情報を受信しているかを判定する(ステップS54)。上述したように、ステップS52でL5G網40から受信したWifi情報は記憶部33に記憶されている。通信情報処理部37は、記憶部33にWifi情報が記憶されているかに基づき、ステップS54の判定を行ってもよい。
通信情報処理部37は、L5G網40からWifi情報を受信していると判定した場合、ステップS54でYesと判定し、処理をステップS55に進める。そして、通信情報処理部37は、L5G網40から受信したWifi情報に基づくWifi接続が可能であるかを判定する(ステップS55)。
上述したように、L5G網40から受信したWifi情報が「SSID_A」であるとする。この場合、通信情報処理部37は、第2通信部38Bを介して、SSIDが「SSID_A」であるWifiの電波を第2アンテナ39Bが受信したかを判定する。
「SSID_A」はローカル5Gをバックホールとした内部Wifiルータ22のSSIDである。従って、端末30はL5G網40から受信した「SSID_A」の内部Wifiルータ22に接続可能である。このため、通信情報処理部37は、SSIDが「SSID_A」である内部Wifiルータ22にWifi接続する制御を行う(ステップS56)。これにより、端末30がエリアA1の範囲外に出ても、接続先のDNNと同一の、ローカル5Gをバックホールとした通信が継続される。
通信情報処理部37がステップS54またはステップS55でNoと判定した場合、ローカル5Gをバックホールとした通信の継続ができない。この場合、通信情報処理部37は、ステップS56の処理を実行することなく、図8のフローチャートの処理を終了させる。通信情報処理部37は、ステップS56の処理を実行した後、図8のフローチャートの処理を終了させる。
ここで、図1における端末30Aが、図5のテーブルの接続SIMが「002」の端末であるとする。端末30Aは、エリアA1の範囲内で、基地局20を介して、L5G網40のMEC(DNN_A)43に接続されている。
内部Wifiルータ22のアクセスポイント機能がONになると、NMS42は、5GC41を介して、内部Wifiルータ22のSIM情報およびWifi情報を取得する。そして、NMS42は、取得したSIM情報が示す接続SIM「001」に対応する「DNN_A」とWifi情報が示す「SSID_A」とを紐づけて、図5のテーブルを更新する。
図5のテーブルでは、接続SIM「002」が接続DNN「DNN_A」に対応付けられているとともに、接続DNN「DNN_A」がWifi情報「SSID_A」に対応付けられている。従って、NMS42は、接続DNN「DNN_A」に対応する接続SIM「002」の端末30Aに対して、Wifi情報「SSID_A」を通知する制御を行う。
上記制御に基づき、基地局20から、エリアA1の範囲内にある端末30Aに対して、Wifi情報「SSID_A」が通知される。端末30Aは、通知されたWifi情報「SSID_A」を、記憶部33に記憶する。
そして、端末30Aが、エリアA1の境界に向けて移動すると、端末30Aのローカル5Gのネットワーク通信品質が低下する。端末30Aは、図1のエリアA2とエリアA3とが重複する位置に移動した場合、内部Wifiルータ22の電波および外部Wifiルータ52の電波を受信する。
端末30Aは、上述したように、内部Wifiルータ22のWifi情報「SSID_A」をL5G網40から受信している。端末30Aは、Wifi情報「SSID_A」により特定される内部Wifiルータ22に接続する。これにより、端末30Aは、外部Wifiルータ52に接続することなく、ローカル5Gをバックホールとした内部Wifiルータ22に接続する。
また、上述したように、内部Wifiルータ22の接続DNNは「DNN_A」である。よって、端末30Aは、接続先のDNNと同一の、ローカル5Gをバックホールとした通信を継続することができる。システム10が、上述したマルチDNNの構成でない場合、接続先のDNNは1つであるため、接続先のDNNを維持できるとともに、ローカル5Gをバックホールとした通信を継続することができる。
また、内部Wifiルータ22のSIMカードは差し替え可能である場合がある。内部Wifiルータ22から正当なSIMカードが抜去され、不正なSIMカードが挿入された場合、当該内部Wifiルータ22のバックホールはL5G網40ではなくなる。一方、内部Wifiルータ22に不正なSIMカードが挿入されたことを端末30Aが認識していない場合、端末30Aは誤った接続を行う。
例えば、内部Wifiルータ22が不正なSIMカードに切り替わった場合、切断要求処理やデタッチ処理等が実施される。NMS42は、図5のテーブルから不正なSIMカードに切り替わった内部Wifiルータ22の情報を削除する。NMS42は、内部Wifiルータ22の情報を削除した通知を端末30Aに通知する制御を行う。端末30Aは、当該通知を受信すると、図5のテーブルから内部Wifiルータ22の情報が削除されたことを認識する。そして、端末30Aは、内部Wifiルータ22と接続しないように制御する。これにより、内部Wifiルータ22のSIMカードの不正な差し替えに対して、手動ではなく、自動的に対応できる。
また、内部Wifiルータ22の接続先DNNの設定が誤って変更されることも考えられる。例えば、内部Wifiルータ22が接続先DNNとして「DNN_A」を使用している場合、端末30Aは、図5のテーブルに基づき、内部Wifiルータ22のWifi情報を認識する。この場合、端末30Aは、内部Wifiルータ22を用いて正常に通信を行うことができる。
ここで、内部Wifiルータ22の接続先DNNが「DNN_B」に変更されたとする。この場合、NMS42は、図5のテーブルのうち内部Wifiルータ22の情報DNNを「DNN_B」に更新する。この時、図5のテーブルで、内部Wifiルータ22は、「DNN_A」ではなくなるため、「DNN_A」を使用しているWifi情報ではなくなる。NMS42は、内部Wifiルータ22の情報を削除した通知を端末30Aに通知する。端末30Aは、当該通知を受信すると、Wifi情報から内部Wifiルータ22の情報が削除されたことを認識する。そして、端末30Aは、内部Wifiルータ22と接続しないように制御する。これにより、内部Wifiルータ22の接続先DNNが誤って変更された場合でも、自動的に対応ができる。
以上において、エリアA1の範囲内に設置された新たな内部Wifiルータ22がL5G網40に接続されたとする。そして、当該新たな内部Wifiルータ22のSSIDは「SSID_C」であり、且つ接続先DNNは「DNN_C」であるとする。この場合、NMS42は、図5のテーブルを更新するとともに、接続先DNNが「DNN_C」である各端末30に対してWifi情報として「SSID_C」を通知する。
これにより、ローカル5GのエリアA1の範囲内に新たな内部Wifiルータ22が設置された場合についても、接続先DNNが「DNN_C」である端末30は、エリアA1から出たとしても、上記の新たな内部Wifiルータ22のWifi通信を用いて、ローカル5Gをバックホールとした通信を継続することができる。
また、本実施形態の図5のテーブルでは、接続SIMと接続DNNとWifi情報とが対応付けられているが、さらに接続プロファイル情報が対応付けられていてもよい。そして、エリアA1の範囲外に出た端末30に対して、接続SIMと接続DNNとWifi情報と接続プロファイル情報とに基づいて、複数の内部Wifiルータのうち何れに優先的に接続するかが通知されてもよい。
図9は、2つの内部Wifiルータ22、23が設置されている場合の一例を示す図である。内部Wifiルータ(X)23は、図1の内部Wifiルータ22に対応する。内部Wifiルータ(Y)24は、内部Wifiルータ(X)23とは異なる内部Wifiルータである。内部Wifiルータ(Y)24は、二点鎖線で示される略円形状のエリアA4をWifi通信による無線通信可能なエリアとしてカバーする。
内部Wifiルータ(X)23と内部Wifiルータ(Y)24とは、同じローカル5Gをバックホールとし、且つ接続先DNNも同じ「DNN_A」であるとする。また、内部Wifiルータ(X)23のSSIDは「SSID_A」であり、内部Wifiルータ(Y)24のSSIDは「SSID_D」であるとする。
内部Wifiルータ(X)23のQoS(Quality of Service)の値が「1」であり、内部Wifiルータ(Y)24のQoSの値が「9」であるとする。QoSは、通信の接続優先度を表す。QoSの値が低いほど、通信の接続優先度が高く、QoSの値が高いほど、通信の接続優先度が低い。通信の接続優先度はQoS以外の指標(接続プロファイル情報)で表されてもよい。
例えば、NMS42は、接続SIMと接続DNNとWifi情報と接続プロファイル情報とを対応付けた他のテーブルを記憶している。図10は、他のテーブルの一例を示す図である。接続SIM「001」は、内部Wifiルータ(X)23のSIMを表し、プロファイル情報としてのQoSは「1」である。また、接続SIM「002」は端末30Aを表すとする。
接続SIM「005」は、内部Wifiルータ(Y)24のSIMを表し、プロファイル情報としてのQoSは「9」である。また、内部Wifiルータ(X)23および内部Wifiルータ(Y)24の接続DNNは「DNN_A」である。
内部Wifiルータ(X)23のアクセスポイント機能がONになると、エリアA1の範囲内にある端末30Aに、Wifi情報として「SSID_A」とともにプロファイル情報としてQoS「1」が通知される。また、内部Wifiルータ(Y)24のアクセスポイント機能がONになると、エリアA1の範囲内にある端末30Aに、Wifi情報として「SSID_D」とともにプロファイル情報としてQoS「9」が通知される。
端末30Aは、内部Wifiルータ(X)23をバックホールとした通信を行うこともでき、且つ内部Wifiルータ(Y)24をバックホールとした通信を行うこともできる。
上述したように、内部Wifiルータ(X)23のQoSの値は「1」である。そして、図9の例に示されるように、端末30Aは、内部Wifiルータ(X)23のWifi通信のエリアA2と内部Wifiルータ(Y)24のWifi通信のエリアA4とが重複する位置にエリアA1から移動したとする。この場合、端末30Aは、内部Wifiルータ(X)23および内部Wifiルータ(Y)24を用いて通信を行うことができる。
上述したように、端末30Aには、Wifi情報とともにプロファイル情報が通知されている。また、端末30AのQoSの値は「1」である。端末30Aは、プロファイル情報を参照して、プロファイル情報が示すQoSの値(条件)が最も近い内部Wifiルータに接続する。上述したように、端末30AのQoSの値は「1」であり、内部Wifiルータ(X)23のQoSの値も「1」である。
従って、端末30Aは、内部Wifiルータ(X)23および内部Wifiルータ(Y)24のうち、QoSの値(条件)が最も近い内部Wifiルータ(X)23に優先的に接続する制御を行う。これにより、エリアA1でローカル5G通信をしていたときに最も近い条件の優先度で通信を継続することができる。以上の説明では、エリアA1の範囲内にある端末30Aに、異なるQoSの情報が通知される例を説明したが、当該例には限定されない。例えば、NMS42は、端末30AのQoSの条件と同じQoSの条件に絞って、対応するWifi情報を通知する制御を行ってもよい。例えば、上述した例では、端末30Aに、当該端末30AのQoSの条件と同じQoSの条件である内部Wifiルータ(X)23のWifi情報のみが通知されてもよい。これにより、端末30Aは、QoSを判定する処理を行うことなく、最適な内部Wifiルータに接続できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。端末30は、周囲にあるWifi機器からのWifiの電波を受信すると、当該Wifi機器に接続されることがある。第2実施形態では、端末30がローカル5GをバックホールとしたWifi機器以外のWifi機器に接続されることを回避する。
図11は、第2実施形態の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。以下、端末30は、接続先DNNを「DNN_A」とした端末30Aであるとして説明する。ローカル5GをバックホールとしないWifi機器としての外部Wifiルータ52は、Wifiアクセスポイント機能がONになると、外部Wifiルータ52の周囲にWifi電波を発信する(ステップS60)。
ステップS61およびステップS62の処理は、図7のステップS36およびステップS37の処理と同様であるため、説明を省略する。エリアA1の範囲内で、端末30は、接続先DNNを「DNN_A」としたローカル5G通信を行う。
例えば、外部Wifiルータ52が発信するWifi電波を受信するエリアA3が、基地局20により構築されるローカル5GのエリアA1と重複していたとする。この場合、端末30Aが、エリアA3の範囲内に入ると、端末30は、外部Wifiルータ52を検知する(ステップS63)。そして、端末30Aは、ローカル5Gのネットワーク通信品質が所定レベル以下となったかを判定する(ステップS64)。
端末30Aのローカル5Gのネットワーク通信品質が所定レベル以下になったときに、端末30Aは、Wifi接続制御を行う(ステップS65)。このとき、端末30Aは、NMS42から5GC41を介して受信したWifi情報のSSIDに対応する内部Wifiルータ22にのみ接続する制御を行う。以下、上記のWifi接続制御を含む端末30Aが行う処理について説明する。
図12は、第2実施形態における端末30Aが行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。端末30Aの通信制御部36は、第1通信部38Aおよび第1アンテナ39Aを介して、L5G網40に接続する制御を行う(ステップS70)。
そして、端末30Aの通信制御部36は、Wifi情報を受信したかを判定する(ステップS71)。端末30の通信情報処理部37は、ステップS71でYesと判定した場合、受信したWifi情報(ローカル5GをバックホールとしたWifi情報)を、記憶部33に記憶する(ステップS72)。一方、端末30AがWifi情報を受信していない場合、通信情報処理部37は、ステップS71でNoと判定し、処理をステップS73に進める。
端末30Aの第2通信部38Bおよび第2アンテナ39Bは、外部Wifiルータ52のエリアA3の範囲内に入ると、外部Wifiルータ52を検知する(ステップS73)。このとき、端末30Aの通信情報処理部37は、ステップS73で検知した外部Wifiルータ52のWifi電波のSSID(外部Wifiルータ52のSSID)をSSIDリストに追加する。
SSIDリストについて説明する。端末30は、周囲のWifi電波を検知しており、検知したWifi電波のSSIDをSSIDリストとして保持する。SSIDリストは、AP(アクセスポイント)リストとも称される。通信情報処理部37は、ステップS73で外部Wifiルータ52のWifi電波を検知したときに、SSIDリストに外部Wifiルータ52のSSIDを追加する。
通信情報処理部37は、ローカル5Gのネットワーク通信品質が所定レベル以下になったかを判定する(ステップS74)。通信情報処理部37は、ステップS74でNoと判定した場合、処理をステップS74に戻す。通信情報処理部37は、ステップS74でYesと判定した場合、処理をステップS75に進める。
通信情報処理部37は、L5G網40からWifi情報を受信しているかを判定する(ステップS75)。例えば、L5G網40から受信したWifi情報が記憶部33に記憶されている場合、通信情報処理部37は、ステップS75でYesと判定し、処理をステップS76に進める。
端末30Aの通信制御部36は、L5G網40から受信したWifi情報に基づき、Wifi接続を制御する(ステップS76)。例えば、L5G網40から受信したWifi情報が内部Wifiルータ22の「SSID_A」であれば、通信制御部36は、内部Wifiルータ22にWifi接続する。また、L5G網40から受信したWifi情報が内部Wifiルータ(X)23および内部Wifiルータ(Y)24のSSID(SSID_A)あれば、通信制御部36は、プロファイル情報に基づき、2つの内部Wifiルータのうち何れかに接続する。
L5G網40から受信したWifi情報が記憶部33に記憶されていない場合、通信情報処理部37は、ステップS75でNoと判定する。この場合、通信制御部36は、端末30がWifiに接続しない制御(Wifi非接続制御)を行う(ステップS77)。
上述したように、端末30は、Wifi機器が発信した電波を受信すると、SSIDリストを生成するともに、受信したWifi機器に接続されてしまうことがある。例えば、端末30とWifi機器との接続に、SSIDおよび暗号化キーが用いられる場合、端末30Aが外部Wifiルータ52の暗号化キーを認識していると、端末30が外部Wifiルータ52に誤って接続されることがある。
本実施形態では、端末30は、L5G網40からWifi情報を受信していない場合、Wifi接続を禁止する。これにより、端末30が外部Wifiルータ52等の外部のWifi機器に接続されることを回避できる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。第2実施形態では、端末30がL5G網40から受信したWifi情報のSSIDに対応するWifi機器以外のWifi機器に接続されることが禁止される。第3実施形態では、所定の条件を満たせば、端末30がL5G網40から受信したWifi情報のSSIDに対応するWifi機器以外のWifi機器に接続されることが許容される。
図13は、第3実施形態の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。以下、端末30は、端末30Aであるものとして説明する。図13のシーケンス図は、端末30Aのローカル5GのSIMが無効であるか、または端末30Aにローカル5GのSIMカードが挿入されていない状態から始まる。端末30Aは、ローカル5GのSIMが無効であることを認識する(ステップS80)。
そして、外部Wifiルータ52のWifiアクセスポイント機能がONになると、外部Wifiルータ52の周囲にWifi電波を発信する(ステップS81)。例えば、上述したように、端末30とWifi機器との接続に、SSIDおよび暗号化キーが用いられているとする。端末30Aは、外部Wifiルータ52の暗号化キーを認識しており、且つ外部Wifiルータ52のWifi電波を検知した場合、外部Wifiルータ52とWifi接続する(ステップS82)。
端末30Aに対してローカル5GのSIMが有効化される操作が行われると、端末30Aのローカル5GのSIMが有効になる(ステップS83)。例えば、端末30Aに対してローカル5GのSIMを有効にする所定の設定が行われた場合、端末30Aのローカル5GのSIMが有効になる。また、ローカル5GのSIMカードが未挿入の端末30Aにローカル5GのSIMカードが挿入された後に、端末30Aに対してローカル5GのSIMを有効にする所定の設定が行われた場合、端末30AのSIMが有効になる。
端末30Aは、ローカル5GのSIMが有効になった場合、外部Wifiルータ52とのWifi接続を切断する(ステップS84)。そして、端末30Aは、基地局20を含むネットワークを介して、5GC41に接続要求を送信し、NMS42が接続要求情報を取得する(ステップS85)。5GC41は、接続要求に基づき、端末30Aと接続先のDNNとの接続を確立させる(ステップS86)。ステップS84の処理は、ステップS85およびステップS86の処理の後に行われてもよい。
端末30Aは、ローカル5Gのネットワーク通信品質が所定レベル以下となったかを判定する(ステップS87)。そして、端末30Aのローカル5Gのネットワーク通信品質が所定レベル以下になったときに、端末30Aは、Wifi接続制御を行う(ステップS88)。ステップS88のWifi接続制御は、第2実施形態のステップS65のWifi接続制御とは異なる。第3実施形態では、ローカル5GのSIMが有効である場合、端末30Aは、外部Wifiルータ52に再接続することが禁止される。一方、ローカル5GのSIMが無効である場合、端末30Aは、外部Wifiルータ52に再接続することが許容される。
以下、図13のシーケンス図における端末30Aが行う処理について説明する。図14は、第3実施形態における端末30Aが行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。通信情報処理部37は、ローカル5GのSIMが有効であるかを判定する(ステップS90)。
ローカル5GのSIMが有効である場合、通信情報処理部37は、ステップS90でYesと判定する。この場合、通信制御部36は、L5G網40のネットワークに接続する(ステップS91)。通信制御部36は、NMS42からWifi情報を受信したかを判定する(ステップS92)。Wifi情報を受信していない場合、通信制御部36は、ステップS92でNoと判定し、図14のフローチャートの処理を終了させる。
Wifi情報を受信している場合、通信制御部36は、ステップS92でYesと判定し、処理をステップS93に進める。通信情報処理部37は、受信したWifi情報を記憶部33に記憶する(ステップS93)。
通信情報処理部37は、ローカル5Gのネットワーク通信品質が所定レベル以下になったかを判定する(ステップS94)。通信情報処理部37は、ステップS94でNoと判定した場合、処理をステップS94に戻す。通信情報処理部37は、ステップS94でYesと判定した場合、処理をステップS95に進める。
通信情報処理部37は、接続可能なWifiルータのうち受信したWifi情報が示すWifiルータに対してのみWifi接続を制限する機能(以下、接続制限機能とする)を有効にする(ステップS95)。接続制限機能が有効になることにより、ローカル5Gをバックホールとしない外部Wifiルータに端末30Aが接続されることが回避される。
通信制御部36は、受信したWifi情報に基づき、Wifi接続を行う(ステップS95)。受信したWifi情報は、ローカル5Gをバックホールとし、端末30Aと同じ接続先DNNである内部Wifiルータ22である。従って、端末30AがエリアA1の範囲内から、エリアA1の範囲外であり且つエリアA2の範囲内に移動したときに、通信の継続が図られる。
上述したように、ステップS90で、通信情報処理部37は、ローカル5GのSIMが有効であるかを判定する。ローカル5GのSIMが有効でない場合、通信情報処理部37は、ステップS90でNoと判定し、処理をステップS97に進める。通信情報処理部37は、上述した接続制限機能を無効にする(ステップS97)。これにより、ローカル5Gが有効でない場合、接続制限機能が無効になることから、ローカル5Gをバックホールとしない外部Wifiルータに端末30Aが接続されることが許容される。
第3実施形態では、ローカル5GのSIMが有効である場合には、端末30Aが外部Wifiルータ52に接続することが禁止される。一方、ローカル5GのSIMが無効である場合には、端末30Aが外部Wifiルータ52に接続することが許容される。これにより、ローカル5GのSIMの状態に応じて、端末30が外部Wifiルータ52に接続する際の接続制御を柔軟に運用することができる。
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態に夫々開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。更に、各実施形態に夫々開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。