JPH04236249A - 熱可塑性重合体組成物 - Google Patents
熱可塑性重合体組成物Info
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- JPH04236249A JPH04236249A JP1675891A JP1675891A JPH04236249A JP H04236249 A JPH04236249 A JP H04236249A JP 1675891 A JP1675891 A JP 1675891A JP 1675891 A JP1675891 A JP 1675891A JP H04236249 A JPH04236249 A JP H04236249A
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Description
透明性、柔軟性に優れ、かつガス透過性が極めて良好な
熱可塑性重合体組成物に関し、さらに詳細には優れたゴ
ム的性質を示す熱可塑性エラストマーと結晶性熱可塑性
重合体とを主体とする熱可塑性重合体組成物に関する。
ブタジエンセグメントと1,2−ビニル構造の多いポリ
ブタジエンセグメントからなるブロック共重合体のブタ
ジエン部分を水素添加して得られる水素添加ブロック共
重合体は公知であり〔John CarlFalk a
nd R. J. Schlott, Macromo
lecules,4, 152 (1971)、M.
Morton et al., ACS Symp.
Ser., 193, 101−18 (1982)
〕、室温で優れたエラストマー弾性を示す熱可塑性エラ
ストマーであることが知られている。また、前記水素添
加ブロック共重合体は、構造的にはポリエチレン(PE
)セグメントとエチレン−ブテン共重合ゴム(EB)セ
グメントからなるものとみなされる。
なる熱可塑性エラストマー(以下「E−EB系TPE」
という)の欠点は、例えば高温での力学的強度の急激な
低下などがあり、工業的に実用化されるに至っていない
のが現状である。また、従来よりポリスチレン−ポリブ
タジエン−ポリスチレンブロック共重合体のポリブタジ
エン部分を水素添加したブロック共重合体(以下「SE
BS」という)は、E−EB系TPEと同様に室温で優
れたエラストマー弾性を示す熱可塑性エラストマーであ
ることが知られている。
た組成物として、ポリプロピレンおよびSEBSよりな
る組成物は、エラストマーとしての性能に優れたものと
して工業的に利用されているが、透明性および柔軟性に
欠ける。ポリプロピレンとSEBSからなる組成物は、
医療用器具・容器の成形材料として用いられているが、
耐熱性、機械的強度、透明性、柔軟性の物性バランスが
充分でなく、ガス透過性も充分でない。
・容器の成形材料として好適な、耐熱性、機械的強度、
透明性、柔軟性の物性バランスに優れ、かつガス透過性
に優れた熱可塑性重合体組成物を提供することを目的と
する。
オレフィン系樹脂(以下「(イ)成分」ということがあ
る)10〜50重量%、 (ロ);1,2−ビニル結合含量が20%以下であるポ
リブタジエンブロックセグメント(C)(以下「ブロッ
クC」という)、ポリブタジエンあるいはビニル芳香族
化合物−ブタジエン共重合体であって、ブタジエン部分
の1,2−ビニル結合含量が25〜95%であるブロッ
クセグメント(D)(以下「ブロックD」という)から
なり、かつブロック構造がC−(D−C)nまたは(C
−D)m(ただし、nは1以上、mは2以上の整数)で
表される直鎖状あるいは分岐状のブロック共重合体のブ
タジエン部分を90%以上水素添加してなる水添ジエン
系重合体「以下「水添ジエン系重合体」、または「(ロ
)成分」という)1〜89重量%、(ハ); (ハ−1)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロ
ックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックと
からなるブロック共重合体(以下「(ハ−1)成分」と
いう)、 (ハ−2)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との
ランダム共重合体の水素添加物(以下「(ハ−2)成分
」という)、および (ハ−3)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロ
ックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックと
からなるブロック共重合体の水素添加物(以下「(ハ−
3)成分」という)の群から選ばれた少なくとも1種(
以下「(ハ)成分」という)1〜89重量%〔ただし、
(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%〕を含有する熱
可塑性重合体組成物を提供するものである。
系樹脂は、1種またはそれ以上のモノオレフィンを高圧
法または低圧法のいずれかによる重合から得られる樹脂
である。ここで、モノオレフィンとしては、エチレン、
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン
、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−プロペ
ン、3−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキ
セン、およびそれらの混合物が挙げられ、好ましくはエ
チレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、より
好ましくはプロピレンである。好ましい(イ)ポリオレ
フィン系樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
4−メチル−1−ペンテンであり、また共重合体タイプ
の(イ)成分としては、エチレン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、2
−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、
および5−メチル−1−ヘキセンの群から選ばれた少な
くとも1種が共重合されたポリプロピレンなどが挙げら
れる。(イ)ポリオレフィン系樹脂としてさらに好まし
くは、ポリプロピレンおよび前記共重合体タイプのポリ
プロピレンである。
合体は、1,2−ビニル結合含量が20%以下であるポ
リブタジエンブロックセグメント(C)と、ポリブタジ
エンあるいはビニル芳香族化合物−ブタジエン共重合体
であって、ブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量が
25〜95%であるブロックセグメント(D)からなり
、かつブロック構造がC−(D−C)nまたは(C−D
)m(ただし、nは1以上、mは2以上)で表される直
鎖状あるいは分岐状のブロック共重合体のブタジエン部
分を90%以上水素添加することによって得られるもの
である。
より通常の低密度ポリエチレン(LDPE)に類似の構
造を示す結晶性のブロックセグメントとなる。ブロック
C中の1,2−ビニル構造は、通常、20%以下である
が、好ましくは18%以下、さらに好ましくは15%以
下であることが望ましい。ブロックCの1,2−ビニル
構造が20%を超えた場合には、水素添加後の結晶融点
の降下が著しく、(ロ)成分の力学的性質が劣るために
好ましくない。
いはビニル芳香族化合物−ブタジエン共重合体であり、
水素添加によりゴム状のエチレン−ブテン共重合体ある
いはビニル芳香族化合物−エチレン−ブテン共重合体と
類似の構造を示すブロックセグメントとなる。ここで、
ブロックDに使用されるビニル芳香族化合物としては、
スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフ
ェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチル
スチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレ
ン、ビニルピリジンなどが挙げられ、特にスチレン、α
−メチルスチレンが好ましい。このビニル芳香族化合物
の使用量は、ブロックDを構成する単量体の35重量%
以下、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは2
5重量%以下であり、35重量%を超えるとブロックD
のガラス転移温度が上昇し、(ロ)成分の力学的性質が
劣るために好ましくない。また、ブロックDのブタジエ
ン部分の1,2−ビニル構造は、通常、25〜95%、
好ましくは25〜75%、さらに好ましくは25〜55
%であり、25%未満あるいは95%を超えると、水素
添加後、それぞれポリエチレン連鎖、ポリブテン−1連
鎖に由来する結晶構造を示し、樹脂状の性状となり、(
ロ)成分の力学的性質が劣るために好ましくない。
ロックDの比率は、通常、ブロックC5〜90重量%、
ブロックD95〜10重量%、好ましくはブロックC1
0〜85重量%、ブロックD90〜15重量%である。 ブロックCが5重量%未満、ブロックDが95重量%を
超えた場合には、結晶性のブロックセグメントが不足し
、(ロ)成分の力学的性質が劣るために好ましくない。 また、ブロックCが90重量%を超え、ブロックDが1
0重量%未満の場合には、(ロ)成分の硬度が上昇し、
熱可塑性エラストマーとして不適当になるので好ましく
ない。
エン系重合体は、ブロックCおよびブロックDのブタジ
エン部分の二重結合の少なくとも90%、好ましくは9
5〜100%が水添されて飽和されていることが必要で
あり、90%未満では耐熱性、耐候性、耐オゾン性に劣
るものとなる。なお、ブロックCおよびブロックDの重
量平均分子量は、通常、5,000以上、好ましくは1
0,000以上、さらに好ましくは15,000以上で
あることが望ましく、5,000未満では(ロ)成分の
力学的性質が劣るために好ましくない。
ロックC、ブロックDを有機溶媒中でリビングアニオン
重合し、ブロック共重合体を得たのち、さらにこのブロ
ック共重合体を水素添加することによって得られる。前
記有機溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、ベ
ンゼン、キシレンなどの炭化水素溶媒が用いられる。重
合開始剤である有機アルカリ金属化合物としては、有機
リチウム化合物が好ましい。この有機リチウム化合物と
しては、有機モノリチウム化合物、有機ジリチウム化合
物、有機ポリリチウム化合物が用いられる。これらの具
体例としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム
、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec
−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキサメチレ
ンジリチウム、ブタジエニルリチウム、イソプレニルジ
リチウムなどが挙げられ、単量体100重量部当たり0
.02〜0.2重量部の量で用いられる。
ジエン部分のビニル結合含量の調節剤としてルイス塩基
、例えばエーテル、アミンなど、具体的にはジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル、ブチ
ルエーテル、高級エーテル、またエチレングリコールジ
ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチ
レングリコールジメチルエーテルなどのポリエチレング
リコールのエーテル誘導体、アミンとしてはテトラメチ
ルエチレンジアミン、ピリジン、トリブチルアミンなど
の第3級アミンなどが挙げられ、前記有機溶媒とともに
用いられる。さらに、重合反応は、通常、−30℃〜1
50℃で実施される。さらに、重合は、一定温度にコン
トロールして実施しても、また熱除去をしないで上昇温
度下にて実施してもよい。ブロック共重合体にする方法
はいかなる方法でもよいが、一般に前記有機溶媒中で、
前記アルカリ金属化合物などの重合開始剤を用いて、ま
ずブロックCを重合し、続いてブロックDを重合する。
は、カップリング剤を添加することにより下記一般式で
表されるような、重合体分子鎖が延長または分岐された
ブロック共重合体であってもよい。 C−(D−C)n (C−D)m (式中、nは1以上、好ましくは2〜4の整数を、また
mは2以上、好ましくは2〜4の整数を示す。)この際
のカップリング剤としては、例えばアジピン酸ジエチル
、ジビニルベンゼン、テトラクロロケイ素、ブチルトリ
クロロケイ素、テトラクロロスズ、ブチルトリクロロス
ズ、ジメチルクロロケイ素、テトラクロロゲルマニウム
、1,2−ジブロムエタン、1,4−クロルメチルベン
ゼン、ビス(トリクロルシリル)エタン、エポキシ化ア
マニ油、トリレンジイソシアネート、1,2,4−ベン
ゼントリイソシアネートなどが挙げられる。
合物の結合含量は、各段階における重合時のモノマーの
供給量で調節され、共役ジエン化合物のビニル結合含量
は、前記ミクロ調整剤の成分を変量することにより調節
される。さらに、重量数平均分子量は、重合開始剤、例
えばn−ブチルリチウムの添加量で調節される。本発明
で使用されるブロック共重合体の製造方法について、さ
らに具体的に説明すると、まずブロック共重合体を得る
には、例えばsec−ブチルリチウムなどの有機リチウ
ム化合物を開始剤とし真空下あるいは高純度窒素気流下
、第1段目にベンゼンあるいはシクロヘキサンなどの有
機溶媒を重合溶媒として1,3−ブタジエンを重合する
ことにより、ブロックCとなる低ビニルポリブタジエン
ブロックを重合し、続いてテトラヒドロフランあるいは
ジエチルエーテルなどのミクロ調整剤および第2段目用
の1,3−ブタジエンを添加し、重合完結後、ジメチル
ジクロロシランなどのカップリング剤を計算量添加し、
C−Dジブロックポリマーをカップリングすることによ
り、C−D−Cからなるトリブロックポリマーが得られ
る。
ることにより、複数のC−Dブロックを枝状に持つ分岐
状マルチブロックポリマーが得られる。ここで、第1段
目終了時に適当量の重合液をサンプルし、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定す
ることにより、ブロックCの分子量が求められる。同様
に、第2段目の終了時のサンプルのGPC測定により得
られる分子量値から、第1段目の分子量を差し引くこと
により、第2段目の分子量が求められる。従って、C−
D−Cトリブロックポリマーの場合のブロックDの分子
量は、GPC測定から求められた第2段目の分子量の2
倍となる。以上のようにして重合されたブロック共重合
体を水素添加することにより、本発明で使用される(ロ
)水添ジエン系重合体が得られる。本発明で用いられる
(ロ)水添ジエン系共重合体は、このようにして得られ
るブロック共重合体を、不活性溶媒中に溶解し、20〜
150℃、1〜100kg/cm2 の加圧水素下で水
素化触媒の存在下で行われる。
るブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物を好ましく
は5〜95重量%、さらに好ましくは10〜90重量%
、特に好ましくは15〜70重量%含むものであって、
その構造は、直鎖状、分岐状、放射状のいずれてあって
もよく、特に限定されない。具体的には、一般式(A−
B)n、(A−B)n−A、(A−B)n−X(式中、
Aは芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロック、
Bは共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック、n
は1以上の整数、Xはカップリング残基である)で表さ
れるブロック共重合体が挙げられる。ここで、ビニル芳
香族化合物を主体とする重合体ブロックAとは、ビニル
芳香族化合物ブロックがビニル芳香族化合物単独、ある
いはビニル芳香族化合物を60重量%以上、好ましくは
80重量%以上含有するビニル芳香族化合物と共役ジエ
ン化合物との共重合体ブロック構造を有するものである
。また、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック
Bとは、共役ジエン化合物ブロックが共役ジエン化合物
単独、あるいは共役ジエン化合物を60重量%、好まし
くは80重量%以上含有する共役ジエン化合物とビニル
芳香族化合物との共重合体ブロックであって、ビニル芳
香族化合物がランダムに結合、あるいは漸増するいわゆ
るテーパードブロックを1以上有する構造のいずれであ
ってもよい。
ロックDに使用される化合物と同様のものが挙げられる
。また、共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエ
ン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチ
ル−1,3−ブタジエン、2−ネオペンチル−1,3−
ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−シ
アノ−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン
類、直鎖および側鎖共役ヘキサジエンなどが挙げられる
。これらのうち、1,3−ブタジエン、2−メチル−1
,3−ブタジエンの使用が特に好ましい。また、(ハ−
2)成分のランダム共重合体の水素添加物、および(ハ
−3)成分のビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物と
のブロック共重合体の水素添加物は、ビニル芳香族化合
物を50重量%以下、好ましくは5〜40重量%含むも
のである。
素添加前のランダム共重合体あるいはブロック共重合体
としては、具体的には一般式 (1)A−B、 (2)A−B−A、 (3)A−B−E、 (4)A−B1 −B2 (B1 のビニル結合は好ま
しくは20%以上、B2 のビニル結合は好ましくは2
0%未満)、 (5)B、 (6)A/B、 (7)A−A/B、 (8)A−A/B−E、 (9)A−A/B−A、 (10)E−B、 (11)E−B−E、 (12)E−A/B−E、 (13)E−A−B (これらの式中、A/Bはビニル芳香族化合物と共役ジ
エン化合物とのランダム共重合体、Eはビニル芳香族化
合物と共役ジエン化合物との共重合体であり、かつビニ
ル芳香族化合物が漸増するテーパーブロックである)。 )を骨格とするジエン系重合体であり、さらにこれらの
基本骨格を繰り返し有する共重合体などである。 また、それらをカップリングして得られるジエン系重合
体であってもよい。
は、特願昭63−285774号明細書、(5)のB、
(6)のA/Bについては特開昭63−127400号
公報に示されている。前記(7)のA−A/B、(8)
のA−A/B−Eについては、好ましくはビニル芳香族
化合物/共役ジエン化合物の割合が5〜40/60〜9
5重量%、AまたはAとEのビニル芳香族化合物の合計
量が全共重合体の3〜25重量%、A/B中の共役ジエ
ン部分のビニル結合含量が15%以上、特に好ましくは
30〜80重量%である。前記(ハ−2)、(ハ−3)
を構成する芳香族ビニル化合物、共役ジエン化合物は、
前記(ハ−1)成分に用いられるものと同様である。本
発明に用いられる(ハ−2)〜(ハ−3)成分である水
素添加物は、前記のジエン系重合体(ランダム共重合体
、ブロック共重合体)を水素添加することにより得られ
る。ジエン系重合体のオレフィン性不飽和結合の水添率
は70%以上、好ましくは90%以上である。前記(ハ
−2)〜(ハ−3)成分に用いられるジエン系重合体の
重合方法およびその水素添加方法については、例えば特
願昭63−104256号明細書に示されている。
、3,4−などのビニル結合含量が好ましくは10%以
上、さらに好ましくは20〜80%、特に好ましくは3
0〜60%であり、該ジエン系重合体の数平均分子量は
好ましくは5,000〜1,000,000、さらに好
ましくは30,000〜300,000である。以上の
(ハ)成分のうち、最も好ましいものは、スチレン−エ
チレン−プロピレンブロック共重合体、スチレン−エチ
レン−ブチレンブロック共重合体である。
、(イ)ポリオレフィン系樹脂が10〜50重量%、好
ましくは15〜50重量%、(ロ)水添ジエン系重合体
が1〜89重量%、好ましくは3〜75重量%、(ハ)
成分が1〜89重量%、好ましくは3〜75重量%であ
る。(イ)ポリオレフィン系樹脂が10重量%未満では
耐熱が劣り、一方50重量%を超えると柔軟性、ガス透
過性が劣る。また、(ロ)水添ジエン系重合体が1重量
%未満では柔軟性、加工性、ガス透過性が劣り、一方8
0重量%を超える耐熱性が劣る。さらに、(ハ)成分が
1重量%未満ではガス透過性、耐熱性に劣り、一方80
重量%を超えると耐熱性、透明性が劣る。なお、(ロ)
成分と(ハ)成分の合計量が90重量%を超えると、耐
熱性に劣り、成形物表面に粘着感が生じる場合がある。 なお、本発明の組成物は、必要に応じて従来公知の方法
により、マレイン化、カルボキシル化、水酸化、エポキ
シ化、ハロゲン化、スルホン化などの変性、およびイオ
ウ架橋、過酸化物架橋、金属イオン架橋、電子線架橋、
シラン架橋などの架橋を行うこともできる。
の熱可塑性樹脂に用いられる添加剤を必要に応じて添加
することができる。この添加剤としては、例えばフタル
酸エステルなどの可塑剤、ゴム用軟化剤、シリカ、タル
ク、ガラス繊維などの充填剤または補強剤、そのほか酸
化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、
発泡剤、着色剤、顔料、核剤、架橋剤、架橋助剤など、
またはこれらの混合物が挙げられる。 そのほか、必
要に応じて、ゴム状重合体、例えばSBR、NBR、B
R、EPT、EPR、NR、IR、1,2−ポリブタジ
エン、AR、CR、IIR、HSRなどを添加すること
ができる。また、そのほか必要に応じて前記(イ)〜(
ハ)成分以外の熱可塑性樹脂、例えばジエン系樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリカー
ボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリ
スルホン、ポリフェニレンサルファイドなどを配合する
こともできる。
塑性重合体組成物は、通常の混練り装置、例えばラバー
ミル、ブラベンダーミキサー、バンバリーミキサー、加
圧ニーダー、ルーダー、二軸押し出し機などが使用でき
るが、密閉式あるいは開放式であっても、不活性ガスに
よって置換できるタイプが好ましい。なお、混練り温度
は、混合する成分がすべて溶融する温度であり、通常、
170〜250℃、好ましくは180〜240℃の範囲
であることが望ましい。また、混練り時間は、構成成分
の種類、量および混練り装置に依存するため一概に論じ
られないが、加圧ニーダー、バンバリーミキサーなどを
混練り装置として使用する場合には、通常、約3〜10
分程度である。さらに、混練りするにあたり、各成分を
一括混練りしてもよく、また任意の成分を混練りしたの
ち、残りの成分を添加し混練りする多段分割混練り法を
とることもできる。また、本発明の組成物の成形加工に
は、従来公知の方法、例えば押出成形、射出成形、中空
成形、圧縮成形、カレンダー加工などにより、実用上有
用な成形品に加工することができる。また、必要に応じ
て、塗装、メッキなどの加工を施すこともできる。
耐熱性、ガス透過性、耐衝撃性、加工性、しなやかさ、
低温特性、温度依存性、相溶性、塗装性、印刷性、ホッ
トスタンプ性、深絞り性、耐熱水性、ゴム弾性、ゴム感
触、可撓性、滑り抵抗性、耐ストレスクラック性などを
活かして、種々の用途に利用できる。例えば、■食肉鮮
魚用トレー、青果物パック、冷菓食品、容器などのシー
ト用途、■食品包装、日用雑貨包装、工業資材包装、各
種ゴム製品、樹脂製品、布帛類、皮革製品などのラミネ
ート、紙おむつなどに用いられる伸縮テープなどのフィ
ルム用途、■ホース、チューブ、ベルトなどの用途、■
スポーツシューズ、レジャーシューズ、ファッションサ
ンダル、皮靴などの履物用途、■テレビ、ステレオ、掃
除機などの家電用品用途、■バンパー部品、ボディーパ
ネル、サイドシールドなどの自動車用内外装部品用途、
■血液バッグ、血液チューブ、カテーテル、輸液管、シ
リンジのガスケットなどの医療用途、■道路舗装材、防
水シート、配管コーティングなどのアスファルトブレン
ド用素材用途、■そのほか日用品、レジャー用品、玩具
、工業用品などの幅広い用途に用いることができる。
説明するが、本発明の主旨を越えない限り、本発明は、
以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例
中、部および%は、特に断らない限り重量基準である。 また、実施例中、各種の物性の評価は、次の方法で測定
した。 引張特性 JIS K6301に準拠し、測定した。100%モ
ジュラスの単位はkgf/cm2 、引張破断強度の単
位はkgf/cm2 、引張破断伸びの単位は%である
。 ガス透過性(酸素透過性) ASTM D1434に準拠し、23℃、50%RH
の条件下で測定した。酸素透過係数の単位は、mm・c
c/m2 ・day・atmである。 耐熱性 厚さ2mmで2cm角のサンプルを、120℃、30分
間、ギヤーオーブン中でエージングし、エージング後の
サンプルの収縮の有無を判定した。○は収縮率が3%未
満、△は収縮率が3〜6%、×は収縮率が6%より大き
いものを示す。ビカット軟化点ASTM D1525
に準拠し、荷重1kgにて測定した。単位は、℃である
。 透明性 スガ試験機(株)製の多光源分光測色計を用いて、約0
.4mmのシートのヘーズを測定し、判定した。数値の
低いものほど透明である。 柔軟性 JIS K6301に準拠し、JIS A硬度を測
定した。
体は、以下のとおりである。 PP ポリプロピレン〔三菱油化(株)製、ポリプロピレンM
A−8〕 PE ポリエチレン〔三菱油化(株)製、ポリエチレンYK−
30〕 CDC1〜CDC3 1,2−ビニル結合含量の少ないポリブタジエンセグメ
ントと1,2−ビニル結合含量の多いポリブタジエンセ
グメントからなるブロック共重合体のブタジエン部分を
水素添加して得られる水添ジエン系重合体(E−EB系
TPE)であり、いずれも日本合成ゴム(株)製である
。このCDC1〜3のミクロ構造、数平均分子量、水添
率は、表1のとおりである。
共重合体〔JSR・シェルエラストマー(株)製、TR
2000〕 SIS ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンブロック
共重合体〔JSR・シェルエラストマー(株)製、SI
S5000〕 SEBS ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック
共重合体のポリブタジエン部分を水素添加したブロック
共重合体〔シェル化学(株)製、クレイトンG1650
;SEBS−1、クレイトンG1657;SEBS−2
〕 SEPS SISのポリイソプレン部分を水素添加したブロック共
重合体〔クラレ(株)製、セプトン2002〕軟化剤 出光石油化学(株)製、パラフィン系オイル
】実施例1〜13、比較例1〜6表2に示す配合処方を
用い、190℃に温度調整されたラボプラストミルに、
各成分を添加し、60rpmで5分間混練りした。この
混合物を排出し、熱ロールでシート化したのち、プレス
成形して、一辺10cmの正方形の板とし、ダンペルカ
ッターで切り抜いて測定用の試験片とし、各種の物性を
評価した。結果を表2に示す。表2から明らかなように
、実施例1〜13は、本発明の組成物であり、酸素透過
性に優れ、かつ耐熱性、引張特性、透明性、柔軟性の特
性に優れており、本発明の目的とする組成物が得られて
いる。これに対し、比較例1は、(イ)ポリオレフィン
系樹脂が本発明の範囲未満の例であり、酸素透過性に優
れているものの、耐熱性に劣る。 比較例2は、(イ)ポリオレフィン系樹脂が本発明の範
囲を超えている場合であり、酸素透過性、柔軟性に劣る
。比較例3は、(ロ)水添ジエン系重合体を用いていな
い例であり、耐熱性、透明性に優れてはいるが、柔軟性
に劣る。比較例4は、(ハ)成分を用いていない例であ
り、酸素透過性、柔軟性に優れてはいるが、耐熱性が若
干劣る。比較例5は、(ロ)成分が本発明の範囲を超え
ている場合であり、耐熱性が劣る。比較例6は、(ハ)
成分が本発明の範囲を超えている場合であり、耐熱性が
劣る。
的に優れた熱可塑性重合体の物性を有するものでありな
がら、これまで実用化されなかったE−EB系TPEを
用いた新規な組成物であり、極めてガス透過性(特に、
酸素、二酸化炭素に対して)が良好で、耐熱性が高く、
粘着感がなく、引張特性、柔軟性に優れたものが得られ
る。本発明の熱可塑性重合体組成物は、上記のような優
れた特性を有する材料であり、工業部品、自動車内・外
装部品、玩具、医療用品などに好適に使用できるもので
あり、工業的に価値の高い材料である。
Claims (1)
- 【請求項1】 (イ);ポリオレフィン系樹脂10〜
50重量%、 (ロ);1,2−ビニル結合含量が20%以下であるポ
リブタジエンブロックセグメント(C)、ポリブタジエ
ンあるいはビニル芳香族化合物−ブタジエン共重合体で
あって、ブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量が2
5〜95%であるブロックセグメント(D)からなり、
かつブロック構造がC−(D−C)nまたは(C−D)
m(ただし、nは1以上、mは2以上の整数)で表され
る直鎖状あるいは分岐状のブロック共重合体のブタジエ
ン部分を90%以上水素添加してなる水添ジエン系重合
体1〜89重量%、 (ハ); (ハ−1)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロ
ックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックと
からなるブロック共重合体、 (ハ−2)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との
ランダム共重合体の水素添加物、および(ハ−3)ビニ
ル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエ
ン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロッ
ク共重合体の水素添加物の群から選ばれた少なくとも1
種1〜89重量%〔ただし、(イ)+(ロ)+(ハ)=
100重量%〕を含有する熱可塑性重合体組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3016758A JP2982325B2 (ja) | 1991-01-18 | 1991-01-18 | 熱可塑性重合体組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3016758A JP2982325B2 (ja) | 1991-01-18 | 1991-01-18 | 熱可塑性重合体組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04236249A true JPH04236249A (ja) | 1992-08-25 |
| JP2982325B2 JP2982325B2 (ja) | 1999-11-22 |
Family
ID=11925137
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3016758A Expired - Lifetime JP2982325B2 (ja) | 1991-01-18 | 1991-01-18 | 熱可塑性重合体組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2982325B2 (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH09601A (ja) * | 1995-06-20 | 1997-01-07 | Riken Vinyl Kogyo Kk | 輸液バッグ用ゴム栓 |
| WO1997031977A1 (fr) | 1996-02-27 | 1997-09-04 | Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha | Nouvelle composition elastomere thermoplastique et enveloppe pour dispositif air-bag |
| USH1798H (en) * | 1994-12-22 | 1999-07-06 | Shell Oil Company | Soft compounds containing elastomeric metallocene polyolefins and styrenic block copolymers |
| JP2003012886A (ja) * | 2001-06-28 | 2003-01-15 | Jsr Corp | 水添ジエン系重合体組成物及び成形品 |
| JP2020143241A (ja) * | 2019-03-08 | 2020-09-10 | Jsr株式会社 | エラストマー |
-
1991
- 1991-01-18 JP JP3016758A patent/JP2982325B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| USH1798H (en) * | 1994-12-22 | 1999-07-06 | Shell Oil Company | Soft compounds containing elastomeric metallocene polyolefins and styrenic block copolymers |
| JPH09601A (ja) * | 1995-06-20 | 1997-01-07 | Riken Vinyl Kogyo Kk | 輸液バッグ用ゴム栓 |
| WO1997031977A1 (fr) | 1996-02-27 | 1997-09-04 | Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha | Nouvelle composition elastomere thermoplastique et enveloppe pour dispositif air-bag |
| US6106011A (en) * | 1996-02-27 | 2000-08-22 | Asahi Kasei Kogyo Kabushiki | Air bag cover from hydrogenated block copolymer mixture and polyolefin |
| JP2003012886A (ja) * | 2001-06-28 | 2003-01-15 | Jsr Corp | 水添ジエン系重合体組成物及び成形品 |
| JP2020143241A (ja) * | 2019-03-08 | 2020-09-10 | Jsr株式会社 | エラストマー |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2982325B2 (ja) | 1999-11-22 |
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