[go: up one dir, main page]

JPH04360827A - 経皮吸収貼付剤 - Google Patents

経皮吸収貼付剤

Info

Publication number
JPH04360827A
JPH04360827A JP13668991A JP13668991A JPH04360827A JP H04360827 A JPH04360827 A JP H04360827A JP 13668991 A JP13668991 A JP 13668991A JP 13668991 A JP13668991 A JP 13668991A JP H04360827 A JPH04360827 A JP H04360827A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drug
patch
acid
adhesive
skin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13668991A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kuroda
広志 黒田
Masato Azuma
東 正人
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP13668991A priority Critical patent/JPH04360827A/ja
Publication of JPH04360827A publication Critical patent/JPH04360827A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚に適用して所要の
薬物を生体膜を経て体内循環器系へ投与するのに使用さ
れる経皮吸収貼付剤に関し、より詳細には、製剤中に薬
効成分としてノルエチステロンおよび/またはそのエス
テルを含むと共に経皮吸収促進剤を含み、粘着性および
貼付性に優れ、経時的に安定した血中濃度で薬物を吸収
せしめる経皮吸収貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ノルエチステロン(化学名:17−α−
ヒドロキシ−19−ノルプレグン−4−エン−20−イ
ン−3−オン)および/またはそのエステルは、合成黄
体ホルモン剤として知られており、その投与は女性にお
ける避妊効果を示し、更年期障害、骨粗鬆症の軽減や、
月経異常などの治療に有効であることが知られている。 この薬物を含んだ製剤は広く知られており、例えば特開
昭61−93119号公報には、プロラクチンを増加さ
せるベンズアミドとプロゲストゲンたるノルエチステロ
ンと場合によってはエストロゲンとを含有させた相乗効
果性避妊薬組成物が開示されている。また、特開昭62
−153219号公報でもノルエチンドロンアセテート
およびエチニルエストラジオールを含有する避妊キット
が開示されている。さらに、前記目的で用いられるノル
エチステロンや酢酸ノルエチステロンの組成物が特開昭
62−205024号公報、特公平1−132523号
公報にも開示されている。
【0003】しかるに、この薬物は、肝代謝を大きく受
けるために肝臓に大きな負担をもたらし、また、薬物の
体内利用率が低くなるために、経口投与の場合はこれを
一時に大量投与しなければならず、長期連用すると発癌
や循環器系疾患を引き起こす可能性がある。そのため、
この薬物の経口投与は好ましいものではない。したがっ
て、一時に高い血中濃度にならずに長期間にわたってホ
ルモンの血中濃度をコントロールできる徐放性製剤が切
望されている。
【0004】経皮吸収型製剤は、特に肝代謝を回避でき
、投与も簡便であって長期間の投与にも耐え得るもので
あり、上記要望にこたえることのできる大変好ましい剤
型である。このような製剤としては、例えば西独公開特
許DE−3333240号明細書には、シリコンゲル中
に酢酸ノルエチステロンなどのステロイドホルモンを微
粒子状で含有する経皮吸収製剤が開示されている。
【0005】しかし、皮膚は異物の体内への侵入を防ぐ
生体防御機能を担っているため、所要の薬効を発現させ
るに充分な量の薬物を経皮的に投与することは困難であ
ると言われており、その解決のために貼付面積を大きく
したり、経皮吸収促進剤を基剤に配合するなどの対策が
講じられている。
【0006】経皮吸収性の改善を企図した製剤としては
、例えば特開昭61−25569号公報に亜飽和状態と
なった薬剤溜めマトリクスを有する経皮性治療システム
が提案されている。それによれば、亜飽和状態にある薬
剤供給源を用いることにより安定した一様な薬剤供給が
可能であるとされている。このような多層パッチ状の経
皮投与型製剤は、薬剤の供給速度が安定している反面、
以下のような問題点を有している。すなわち、製剤が多
層構造であるため、そのテープがきわめて厚いものとな
り、皮膚への装着による違和感が大きい。また、剤型が
複雑であるために、製造設備および製造工程が繁雑なも
のとなる。
【0007】また、特開平2−500740号公報には
、シリコンポリマーもしくはコポリマーからなるポリマ
ーマトリクス中にエストロゲンたる17−β−エストラ
ジオールもしくはエチニルエストラジオールと共に、プ
ロゲスチンたるレボノルゲストレルもしくはノルエチン
ドロンを分散状に含有し、さらに皮膚浸透増強剤として
ミリスチン酸イソプロピル、炭素原子4〜18個のアル
キル基を含む直鎖脂肪酸およびデシルメチルスルホキシ
ドから選ばれる一つを含有する経皮的生殖能調節システ
ムが開示されている。
【0008】この製剤においては、ポリマーマトリクス
は単層であるので、製造は簡単であるという長所がある
が、上記の如き皮膚浸透増強剤では必要な血中濃度を得
るのに充分な放出・移行速度は得られない。そのため、
所望の投与量を確保するには、やはりかなり大きい面積
の製剤を製造せざるを得ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記の如き諸問題を解決するべく工夫されたもので、そ
の目的とするところは、単位面積当りのノルエチステロ
ンおよび/またはそのエステルの皮膚透過性が高く、そ
の結果より小さい面積でかつ充分な薬物供給が可能な経
皮吸収貼付剤を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明なる経皮吸収貼付
剤は、上記目的を達成すべく工夫されたもので、特定の
アクリル系粘着剤を用いると薬物の皮膚透過性が著しく
向上するという知見を得て、完成されたものである。
【0011】すなわち、本発明による経皮吸収貼付剤は
、支持体の片面に薬物と粘着剤とを含む膏体層が設けら
れてなる貼付剤において、粘着剤が2−エチルヘキシル
アクリレート45〜80モル%とN−ビニル−2−ピロ
リドン20〜55モル%との共重合体からなるアクリル
系粘着剤であり、薬物としてノルエチステロンおよび/
またはそのエステルを1〜20重量%含むものである。
【0012】本発明による経皮吸収貼付剤は、必要に応
じて、膏体層に吸収促進剤として、炭素数2〜10のオ
キシカルボン酸およびそれらの塩、炭素数2〜10のジ
カルボン酸およびそれらの塩、ならびにN−アシルサル
コシンおよびそれらの塩よりなる群から選ばれた化合物
を含む。
【0013】また、本発明による経皮吸収貼付剤は、必
要に応じて、膏体層に貼付性改善剤として、炭素数10
〜18の高級脂肪酸と炭素数1〜20のアルコールとの
高級脂肪酸エステルを含む。
【0014】本発明による経皮吸収貼付剤は、その好適
モードにおいては、2−エチルヘキシルアクリレート5
5〜70モル%と、N−ビニル−2−ピロリドン30〜
45モル%との共重合体からなるアクリル系粘着剤から
なる粘着性基剤中に、酢酸ノルエチステロンを好ましく
は2〜15重量%、より好ましくは4〜10重量%含有
し、さらには経皮吸収促進剤として乳酸、フマル酸およ
び/またはN−ラウロイルサルコシンを好ましくは1〜
15重量%、より好ましくは2〜5重量%含有し、およ
び/または貼付性改善剤としてミリスチン酸イソプロピ
ルを好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜7
重量%含有する。
【0015】以下、本発明による経皮吸収貼付剤の各構
成成分について詳しく説明する。
【0016】a)  本発明による経皮吸収貼付剤にお
いて、膏体層の主体を成す粘着剤は、2−エチルヘキシ
ルアクリレート45〜80モル%とN−ビニル−2−ピ
ロリドン20〜55モル%との共重合体からなるアクリ
ル系粘着剤である。
【0017】上記共重合体の主成分たる2−エチルヘキ
シルアクリレートの割合が45モル%未満であると、粘
着性が著しく低下し、またこの割合が80モル%を越え
ると、薬物の基剤中での溶解性が減少するため薬物の結
晶が析出し、貼付性の低下および薬物の皮膚透過性の低
下を惹き起こすので、いずれの場合も好ましくない。特
に好適な共重合体は、2−エチルヘキシルアクリレート
55〜70モル%とN−ビニル−2−ピロリドン30〜
45モル%との共重合体である。
【0018】上記アクリル系粘着剤にはさらに必要に応
じて多官能性モノマーが加えられる。この多官能性モノ
マーの添加により、生成する重合体間にごくわずかに架
橋が生じ、それにより粘着剤の内部凝集力が増大する。 そのため貼付された皮膚の性状や発汗量にほとんど無関
係に貼付剤剥離時のいわゆる糊残り現象がほぼ解消せら
れる。しかも、この多官能性モノマーの添加は薬物の放
出性や低皮膚刺激性には何ら悪影響を与えない。このよ
うな多官能性モノマーとしては、たとえば、ジ(メタ)
アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メ
タ)アクリレートなどがあるが、これに限定されない。 より具体的には、ヘキサメチレングリコールやオクタメ
チレングリコールなどのポリメチレングリコール類と(
メタ)アクリル酸とを結合させて得られるジ(メタ)ア
クリレート;ポリエチレングリコールやポリプロピレン
グリコールなどのポリアルキレングリコール類と(メタ
)アクリル酸とを結合させて得られるジ(メタ)アクリ
レート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ートやグリセリントリ(メタ)アクリレートなどのトリ
(メタ)アクリレート;およびペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレートなどのテトラ(メタ)アクリ
レートがある。これら多官能性モノマーは2種以上の組
み合わせで用いてもよい。多官能性モノマーは粘着剤の
製造に供される全モノマー中に0.005〜0.5重量
%の割合で使用される。多官能性モノマーの使用量が0
.005重量%未満であると、架橋による内部凝集力向
上の効果が小さく、また0.5重量%を超えると重合に
より得られる粘着剤がゲル化を起こし易く、薬物の拡散
・放出にも影響が現われる。
【0019】アクリル系粘着剤を調製するには、通常、
重合開始剤の存在下に所要のモノマーの溶液重合を行な
う。ただし、重合形態はこれに限定されない。また重合
反応条件は適宜選定される。
【0020】b)  本発明による経皮吸収貼付剤の薬
物は、ノルエチステロンおよび/またはそのエステルで
ある。ノルエチステロンのエステルとしては、例えば酢
酸エステル、吉草酸エステル、安息香酸エステルなどが
用いられる。
【0021】薬物の含有量は、膏体層中に、好ましくは
1〜20重量%、より好ましくは2〜15重量%、最も
好ましくは4〜10重量%の範囲である。薬物の含有量
が過少であれば必要充分な薬物の皮膚透過量が得られず
、過多であれば結晶が析出し、そのため粘着物性が低下
し、また、薬物の皮膚透過量が低下する。
【0022】c)  本発明による経皮吸収貼付剤の支
持体としては、柔軟であるが経皮吸収貼付剤に自己支持
性を付与し、かつ膏体層中の薬物の揮散や移行を防止す
る役目を果たすものが使用される。支持体の素材として
は、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレン
テレフタレート、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、可塑化
ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩
化ビニリデン、アルミニウムなどが例示される。これら
素材はたとえば単層のシートないしフィルムや2枚以上
の積層体として用いられる。アルミニウム以外の素材は
織布や不織布として使用してもよい。支持体としては、
皮膚面に対して追従性を有する素材よりなるものが好適
に用いられ、特にポリエチレンテレフタレートとエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体とのラミネートフィルムなどが
好ましい。支持体の厚みは500μm以下、好ましくは
5〜150μmである。
【0023】d)  本発明による経皮吸収貼付剤にお
いて必要に応じて用いられる吸収促進剤は、炭素数2〜
10のオキシカルボン酸およびそれらの塩、炭素数2〜
10のジカルボン酸およびそれらの塩、ならびにN−ア
シルサルコシンおよびそれらの塩よりなる群から選ばれ
た化合物である。
【0024】炭素数2〜10のオキシカルボン酸として
は、例えば乳酸、グリセリン酸、酒石酸、クエン酸、ト
ロパ酸、ベンジル酸などが例示される。
【0025】炭素数2〜10のジカルボン酸としては、
例えばシュウ酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、リ
ンゴ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸
、イソフタル酸、テレフタル酸などが例示される。
【0026】N−アシルサルコシンとしてはN−ラウロ
イルサルコシン、ヤシ油脂肪酸サルコシン、N−ステア
ロイルサルコシン、オレオイルサルコシン、パルミトイ
ルサルコシンなどが例示される。
【0027】また、上記酸の塩およびN−アシルサルコ
シンの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネ
シウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩などが例示さ
れる。
【0028】吸収促進剤として最も好適には、乳酸、マ
レイン酸、フマル酸およびN−ラウロイルサルコシンま
たはそれらの塩が単独でまたは2種以上の組合せで用い
られる。
【0029】吸収促進剤は膏体層中に、好ましくは0.
1〜30重量%、より好ましくは1〜15重量%、最も
好ましくは2〜5重量%の割合で含有される。上記吸収
促進剤の含有量が過少であれば薬物の充分な経皮吸収促
進効果が得られず、過多であればこれと粘着剤との相溶
性が低下し、粘着物性が低下する。
【0030】e)  本発明による経皮吸収貼付剤にお
いてさらに必要に応じて用いられる貼付性改善剤は、炭
素数10〜18の高級脂肪酸と炭素数1〜20のアルコ
ールとから得られる高級脂肪酸エステルである。
【0031】炭素数10〜18の脂肪酸としては、例え
ばミリスチン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリ
ン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リ
ノール酸、リノレン酸などが例示される。また、炭素数
1〜20のアルコールとしては、例えばメタノール、エ
タノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、ヘキサノール、ペンタノール、ヘプタノール、オク
タノール、デカノール、セタノールなどが例示される。
【0032】高級脂肪酸エステルとして、好適にはミリ
スチン酸イソプロピルおよび/またはパルミチン酸イソ
プロピルが用いられる。
【0033】こうした高級脂肪酸エステルは、上記吸収
促進剤の経皮吸収促進効果を促進すると共に、貼付剤の
粘着性および貼付性をも改善する効果を有している。こ
れらの高級脂肪酸エステルは膏体層中に、好ましくは0
.1〜30重量%、より好ましくは1〜15重量%、最
も好ましくは2〜7重量%の割合で含有される。高級脂
肪酸エステルの含有量が過少であれば、高級脂肪酸エス
テルの所期の添加効果が充分に示されず、過多であるな
らばこれと粘着剤との相溶性が低下するために結晶が析
出し、さらに粘着性および貼付性の低下を招く。
【0034】f)  経皮吸収貼付剤は、使用時までそ
の膏体層表面を保護するために通常はその貼付面に剥離
紙を備えている。剥離紙としてはポリエチレンテレフタ
レートのフィルムをシリコン処理してなるものがよく用
いられるが、剥離紙はこれに限定されない。剥離紙の厚
みは100μm以下、好ましくは5〜50μmである。
【0035】g)  経皮吸収貼付剤の調製において、
膏体層を形成するには通常の粘着テープの製造方法が適
用できる。その代表例は溶剤塗工法であり、これ以外に
もホットメルト塗工法、電子線硬化エマルジョン塗工法
などが用いられる。膏体層を溶剤塗工法で形成するには
、たとえば、薬物、吸収促進剤、必要に応じて高級脂肪
酸エステルその他の添加剤を適当な溶媒に溶解ないし分
散させ、得られた溶液ないし分散液を支持体の片面に直
接塗布・乾燥し、所要厚みの膏体層を形成する。また、
この溶液ないし分散液を保護用の剥離紙上に塗布し、乾
燥後に得られた膏体層を支持体に密着させてもよい。膏
体層の厚みは使用目的により異なるが、通常、30〜2
00μmの範囲である。この厚みが30μmを下まわる
と必要量の薬物を含有することができず、粘着性も不十
分である。厚みが200μmを上まわると支持体付近の
膏体層に含有される薬物が充分に拡散せず、薬物放出性
が低下する。
【0036】
【作用】本発明による経皮吸収貼付剤においては、粘着
剤として2−エチルヘキシルアクリレート45〜80モ
ル%とN−ビニル−2−ピロリドン20〜55モル%と
の共重合体からなるアクリル系粘着剤を用いるので、ノ
ルエステロンおよび/またはそのエステルが膏体層に高
濃度に溶解し、さらにこれらの薬物の放出性が優れ、一
定の貼付面積からの大きな有効投与量が発現される。
【0037】また、膏体層に吸収促進剤および/または
貼付性改善剤を含ませた場合、皮膚への薬物移行性の顕
著な向上が認められる。これは、吸収促進剤として含ま
せられるカルボン酸類および/またはその塩、もしくは
N−アシルサルコシンおよび/またはその塩、また貼付
性改善剤として含ませられる高級脂肪酸エステルが、膏
体層または皮膚に構造変化もしくは物理的ないし化学的
相互作用をもたらすことに基づくと思われる。すなわち
、上記物質が膏体層中における薬物の挙動に変化を与え
、それが皮膚と膏体層との薬物の分配係数を変化させ、
または膏体層中の薬物の拡散速度を変化させるために薬
物の皮膚移行性および薬物放出性が飛躍的に向上するも
のと考えられる。
【0038】
【実施例】つぎに、本発明を具体的に説明するために、
本発明の一例を示す実施例およびこれとの比較を示す比
較例をいくつか挙げ、さらに得られた各貼付剤の性能試
験結果を示す。
【0039】実施例1 2−エチルヘキシルアクリレート65モル%(302.
0g)とビニルピロリドン35モル%(98.0g)と
ヘキサメチレングリコールジメタクリレート0.02重
量%(40.0mg)をセパラブルフラスコに仕込み、
重合初期のモノマー濃度が85重量%となるように酢酸
エチル70.6gを加えた。この溶液を窒素雰囲気下に
60℃に加熱し、3.5gの過酸化ラウロイルを330
gの酢酸エチに溶解してなる重合開始剤溶液を少量ずつ
添加し、32時間かけて重合反応を行なった。重合反応
終了後、340gの酢酸エチルを加え、重合物の35重
量%酢酸エチル溶液を得た。
【0040】得られた重合物の酢酸エチル溶液に、薬物
として酢酸ノルエチステロンのテトラヒドロフラン溶液
を、固形分(重合物と薬物の重量和)が30重量%とな
るように、また、酢酸ノルエステロンの固形分中濃度が
8重量%となるように加えて、この液をディゾルバーに
て均一に混合した。
【0041】得られた塗工液をシリコン処理したポリエ
チレンテレフタレートフィルムからなる剥離紙上に乾燥
後の膏体層の厚みが60μmの厚さになるように塗布し
、塗布層を60℃のオーブンにて30分間乾燥した。 その後得られた膏体層上に厚み50μmのポリエチレン
テレフタレート−エチレン・酢酸ビニル共重合体積層フ
ィルムからなる支持体をラミネートした。
【0042】こうして貼付剤を製した。
【0043】実施例2 実施例1と同様に得たアクリル系重合物の酢酸エチル溶
液に、酢酸ノルエチステロンの外に、吸収促進剤として
乳酸を固形分中濃度が3重量%となるように加え、その
他の操作を実施例1と同様して、貼付剤を製した。
【0044】実施例3 2−エチルヘキシルアクリレート50モル%(249.
6g)、ビニルピロリドン50モル%(150.4g)
およびトリメチロールプロパントリアクリレート0.0
1重量%(40.0mg)を用いて、実施例1と同様に
して得たアクリル系重合物に、酢酸ノルエチステロンを
固形分中濃度が8重量%になるように、さらに乳酸を固
形分中濃度が3重量%となるようにそれぞれ加えた。そ
の他の操作を実施例1と同様にして、貼付剤を製した。
【0045】実施例4 実施例2において乳酸をマレイン酸3重量%に置き換え
た以外、実施例2と同じ操作により貼付剤を製した。
【0046】実施例5 実施例2において乳酸をN−ラウロイルサルコシン3重
量%に置き換えた以外、実施例2と同じ操作により貼付
剤を製した。
【0047】実施例6 実施例2において乳酸をN−ラウロイルサルコシン3重
量%に置き換え、さらにミリスチン酸イソプロピルを固
形分中濃度が5重量%となるように加えた以外、実施例
2と同じ操作により貼付剤を製した。
【0048】比較例1 膏体としてシリコーン樹脂系粘着剤であるシラスコン3
55(ダウ・コーニング社製)を固形分換算値で90.
0g用い、これにテトラヒドロフラン10.0gと酢酸
ノルエチステロン8.0gを加え、この液をディゾルバ
ーを用いて均一に混合した。その他の操作を実施例1と
同様して、貼付剤を製した。
【0049】比較例2 比較例1においてシラスコン355の固形分の量を85
.0gに変更し、さらにミリスチレン酸イソプロピルを
5.0g加えた以外、比較例1と同じ操作により、貼付
剤を製した。
【0050】比較例3 比較例2においてシラスコン355の固形分の量を82
.0gに変更し、さらにオレイン酸を3.0g加えた以
外、比較例1と同じ操作により、貼付剤を製した。
【0051】比較例4 2−エチルヘキシルアクリレートの量を30モル%(1
29.2g)に、ビニルピロリドンの量を70モル%(
181.6g)に、およびヘキサメチレングリコールジ
メタクリレートの量を0.02重量%(62.2mg)
にそれぞれ変更した以外、実施例1と同じ操作により、
貼付剤を製した。
【0052】比較例5 2−エチルヘキシルアクリレートの量を90モル%(1
93.7g)に、ビニルピロリドンの量を10モル%(
13.0g)に、およびヘキサメチレングリコールジメ
タクリレートの量を0.02重量%(41.3mg)に
それぞれ変更した以外実施例1と同じ操作により、貼付
剤を製した。
【0053】i)  皮膚透過性試験評価実施例1〜6
および、比較例1〜5で得られた貼付剤からなる試験片
(貼付表面積が10cm2 、膏体層厚みが60μm、
膏体層中の酢酸ノルエチステロンの含有量がいずれも膏
体中に6重量%であり、貼付面積当りの酢酸ノルエチス
テロン含有量が3.6mgである)について、下記の手
法により性能試験を行なった。
【0054】まず、添付図1に示すFranz タイプ
の拡散セル(1)を準備した。拡散セル(1) は、下
側の有底円筒状のレセプター槽(2) と、これの上に
配置された有底円筒状のドナー槽(3) とよりなる。 ドナー槽(3) の底壁中央には開口部(4) が設け
られ、またドナー槽(3) の下端およびレセプター槽
(2) の上端にはそれぞれ上側フランジ(5) およ
び下側フランジ(6) が設けられている。そして、上
側フランジ(5) と下側フランジ(6) を対向状に
重ね合わせることによって、ドナー槽(3) とレセプ
ター槽(2) が気密状にかつ同心状に積み重ねられて
いる。レセプター槽(2) にはその側部に側方突出状
のサンプリング口(7) が取付けられ、レセプター槽
(2) の内部にはマグネット攪拌子(9) が入れて
ある。
【0055】ヘアレスマウス(6週齢、雄)を頸椎脱臼
により屠殺した後、ただちに背部皮膚を剥離して皮下脂
肪と筋層を除去し、約4cm×4cmの皮膚片を得た。 この皮膚片(8) を拡散セル(1) の上側フランジ
(5)と下側フランジ(6) の間に挟着して、ドナー
槽(3) の開口部(4) を皮膚片(8) で完全に
閉じるようにした。
【0056】皮膚片(8) の上面に試験片を圧着した
。レセプター槽(2) には、表1に示す組成からなる
レセプター液を満たした。
【0057】
【表1】
【0058】ついで、拡散セル(1) を温度37℃に
保たれた恒温槽内に設置し、マグネット攪拌装置により
レセプター液の攪拌を行なった。試験開始後24時間に
わたり、所要時間おきに、サンプリング口(7) から
レセプター液1mlを採取し、その直後にレセプター液
を補充し、採取レセプター液への薬物の透過量を高速液
体クロマトグラフ法により測定した。各貼付剤のサンプ
ル数はそれぞれ3個ずつとした。
【0059】各試験片中の酢酸ノルエチステロンの経時
的透過量を図2および3のグラフに示す。
【0060】これらグラフから明らかなように、各実施
例の試験片、特に実施例2、4〜6のものは、比較例の
試験片に比べて優れた透過性を示す。これは、実施例の
貼付剤が比較例の貼付剤に比して、かなり小面積であっ
ても同一の透過性を示すことを表わしている。
【0061】ii)   貼着度試験 皮膚透過性試験で用いたのと同じ試験片について、下記
手法により貼着度試験を行なった。
【0062】すなわち、10人の被験者(健常人、男性
)の上腕部に試験片を貼り、72時間後に試験片の貼着
度を表2に示すような4段階にて判定した。各段階の貼
着度の該当者数は表3に示すとおりである。
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】表3から明らかなように、実施例(特に実
施例6)の貼付剤の貼着性は比較例の貼付剤のそれに比
べて優れている。これは、貼付性改善剤として添加した
ミリスチン酸イソプロピルの効果によるものである。こ
れに対し、比較例4の貼付剤は貼付性に劣り、試験期間
中にほとんど剥奪したか、または剥奪寸前まで剥がれて
しまった。
【0066】iii)  薬物移行性試験上記貼着度試
験の後、皮膚から除去した各試験片について、その中に
残存する薬物をメタノール抽出した後、高速液体クロマ
トグラフ法により各薬物の残存量を測定した。このうち
、貼着度3以上のものの初期含量と測定含量の差を薬物
の1日あたりの皮膚移行量とした。その結果を表4に示
す。
【0067】
【表4】
【0068】表4から明らかなように、実施例の試験片
と比較例の試験片は同一面積および同一投与量を有する
にもかかわらず、前者は後者に対して薬物移行性の点で
も優位性を示す。
【0069】
【発明の効果】本発明による経皮吸収貼付剤は、以上の
如く構成されているので、下記の効果を奏することがで
きる。
【0070】(1) ノルエステロンおよび/またはそ
のエステルを高濃度に溶解し、さらにこれらの薬物の放
出性に優れた経皮吸収貼付剤を提供することができ、特
に、一定の貼付面積からの大きな有効投与量を発現でき
る経皮吸収貼付剤を提供することができる。
【0071】(2) 貼付面積の縮小により、皮膚刺激
性の低い経皮吸収貼付剤を提供することができる。
【0072】(3) 基剤中に吸収促進剤を配合した場
合、皮膚への薬物移行性が飛躍的に増進される。したが
って、一定の貼付面積当りの薬物血中濃度を従来品に比
較し高レベルに維持し得る。こうして吸収促進剤の配合
によりさらに小さい貼付面積で優れた薬効を発現させる
ことができ、その結果、膏体層の皮膚刺激性に敏感な人
に起こり得る紅斑を可及的に減じることができる。
【0073】(4) 貼付面積が小さくても所望の薬効
を発現し得るため、また、膏体層が薬物含有層の役目を
兼ねているため、厚みの薄いテープ状医薬品を提供でき
、それ故、皮膚に対する装着違和感を軽減することがで
きる。
【0074】(5) 貼付面積が小さくてすむため、貼
付操作を簡便化することができる。
【0075】(6) 膏体層が薬物含有層を兼ねていて
も、所望の薬効を発現し得るため、構造を単純化するこ
とができ、それ故、製造上の管理、貼付剤の保存・管理
を簡易化することができる。
【0076】(7) 膏体層中に揮散成分が含まれてい
ないために、貼付剤の保存・管理が容易である。
【0077】(8) さらに、貼付性改善剤を配合した
場合、貼着度を大幅に向上させ、皮膚への薬物移行性を
良好ならしめることができ、それ故、上記(1) 〜(
7) の効果を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Franzタイプの拡散セルを示す斜視図であ
る。
【図2】酢酸ノルエチステロンの経時的透過量を示すグ
ラフである。
【図3】酢酸ノルエチステロンの経時的透過量を示すグ
ラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  支持体の片面に薬物と粘着剤とを含む
    膏体層が設けられてなる貼付剤において、粘着剤が2−
    エチルヘキシルアクリレート45〜80モル%とN−ビ
    ニル−2−ピロリドン20〜55モル%との共重合体か
    らなるアクリル系粘着剤であり、薬物としてノルエチス
    テロンおよび/またはそのエステルを1〜20重量%含
    む経皮吸収貼付剤。
  2. 【請求項2】  膏体層に吸収促進剤として、炭素数2
    〜10のオキシカルボン酸およびそれらの塩、炭素数2
    〜10のジカルボン酸およびそれらの塩、ならびにN−
    アシルサルコシンおよびそれらの塩よりなる群から選ば
    れた化合物を含む請求項1記載の貼付剤。
  3. 【請求項3】  膏体層に貼付性改善剤として、炭素数
    10〜18の高級脂肪酸と炭素数1〜20のアルコール
    との高級脂肪酸エステルを含む請求項1または2記載の
    貼付剤。
JP13668991A 1991-06-07 1991-06-07 経皮吸収貼付剤 Pending JPH04360827A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13668991A JPH04360827A (ja) 1991-06-07 1991-06-07 経皮吸収貼付剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13668991A JPH04360827A (ja) 1991-06-07 1991-06-07 経皮吸収貼付剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04360827A true JPH04360827A (ja) 1992-12-14

Family

ID=15181174

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13668991A Pending JPH04360827A (ja) 1991-06-07 1991-06-07 経皮吸収貼付剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04360827A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996003131A1 (fr) * 1994-07-22 1996-02-08 Sekisui Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Preparation se pretant a une absorption percutanee
WO2009075258A1 (ja) * 2007-12-10 2009-06-18 Cosmed Pharmaceutical Co., Ltd. 経皮吸収製剤

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996003131A1 (fr) * 1994-07-22 1996-02-08 Sekisui Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Preparation se pretant a une absorption percutanee
US5811117A (en) * 1994-07-22 1998-09-22 Sekisui Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Percutaneously absorbable preparation containing cohesive strength improving agent
WO2009075258A1 (ja) * 2007-12-10 2009-06-18 Cosmed Pharmaceutical Co., Ltd. 経皮吸収製剤
JP5328672B2 (ja) * 2007-12-10 2013-10-30 コスメディ製薬株式会社 経皮吸収製剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2177311C2 (ru) Трансдермальный пластырь для введения 17-деацетилноргестимата отдельно или в сочетании с эстрогеном
EP0364211B1 (en) A percutaneous pharmaceutical preparation
EP0737477A1 (en) Percutaneously absorbable preparation
JP4841781B2 (ja) 改良された経皮的避妊薬送達系および方法
JPH04504109A (ja) エストロゲン/プロゲスチン経皮投与ユニット,そのシステムとプロセス
WO1989007951A1 (en) Transdermal estradiol delivery system
JP2000044904A (ja) アクリル系粘着テープおよび経皮吸収製剤
JPH03251534A (ja) 経皮吸収製剤
US4826686A (en) Therapeutic system
CA2041330C (en) Percutaneously absorbable eperisone or tolperisone preparation
JPH04342532A (ja) 経皮吸収貼付剤
JPH04360827A (ja) 経皮吸収貼付剤
JP3547774B2 (ja) 経皮吸収製剤
JP3055991B2 (ja) 外用医薬製剤
JP2552716B2 (ja) 経皮吸収貼付剤
JPH07101864A (ja) 経皮吸収貼付剤
JP2507068B2 (ja) 経皮吸収製剤
JPH04342531A (ja) 経皮吸収製剤
JPH0344326A (ja) 経皮吸収製剤
JPH02196714A (ja) 経皮吸収貼付剤
JPH0317018A (ja) 経皮吸収製剤
JPH02233617A (ja) 経皮吸収製剤
JP3226395B2 (ja) 経皮吸収貼付剤
JPH04360828A (ja) 経皮吸収製剤
JP3305101B2 (ja) 経皮吸収製剤