JPH05503706A - 極洋の魚類から単離および精製された熱ヒステリシスタンパク質 - Google Patents
極洋の魚類から単離および精製された熱ヒステリシスタンパク質Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
生体材料の生存を改善する組成物
発明の背景
発明の分野
本発明は、生体組織中の水の凍結プロセスを変えるのに有用な物質、例えば存機
分子の水性組成物に関するものである。特に、本発明は、不凍化タンパク質また
は糖タンパク質、例えば北氷洋および南氷洋の魚の体液または血清から得られた
ものを使用することに関するものである。好ましい不凍化化合物は天然の動物源
から得られたものに関係する。一層好ましいのは、多重の一アラニン−アラニン
−トレオニン−または−アラニンーアラニンーアラニンーセグメントを有するポ
リペプチドである。いくつかの例では、穂側基がトレオニン部分に共宵結合し不
凍化タンパク質溶液は、動物または植物の組織、動物の臓器または生きている動
物全体に潅流さぜる。次いで、組織、臓器、または植物あるいは動物を一〇、5
°Cより低い温度まで注意して冷凍し、この低い温度に保持する。氷は主として
氷の結晶のC軸に沿って形成し、氷の形成は氷の結晶のa軸(面)の方向で抑制
される。針状の氷の成長によって塩濃度か区画され、その結果隣接細胞は破壊し
ない、すなわち完全には脱水されない。組織、臓器または動物を注意して解凍す
ると、組織、臓器または動物は機能しており、生存能力を存する。保存臓器はヒ
トにおける移植療法に特に有用である。
また、本発明は、非生理熱的条件および非生理化学的条件に曝されたことによる
損傷から少くとも細胞膜を保護し、漏洩から細胞内容物を保護することにより、
正常な生理温度および生理雰囲気とは異なる温度および化学的雰囲気に曝された
生体材料、例えば微生物、動物および植物の細胞、組織、臓器および植物全体ま
たは動物全体における生存、機能性および/または構造保全性(structu
ral integrity)を改善するのに有用な物質、例えば有機分子から
成る組成物に関するものである。
関連技術の説明
生存能力を存する動物組織、動物臓器および生きている動物を保存することは、
最近の実験室および医学における集中的研究の主題である。現在、心臓、腎臓、
肺臓、肝臓などのヒトの臓器の移植か可能であるのは、外科技術が改善され、拒
絶反応防止薬が改善され、提供された臓器を直ちに使用できるからである。現在
では、提供者の臓器を提供者から取り呂し、冷却し、濡れた氷の上で凍結しない
ように貯蔵し、最高数時間以内に受容者の体内に外科的に入れている。
現在、動物組織、動物臓器および無傷で生存能力のある動物を低温で冷凍するこ
とにより保存するのは、数時間に限定されており、それは臓器内に氷が通常のよ
うに形成するため、局部的に濃縮された塩溶液が生成するからである。近くの細
胞から水が移動して、細胞は可逆的に脱水される。これらの結果は臓器構造を崩
壊させ、臓器は解凍しても元に戻らないことが、大きな問題である。
免疫抑制剤の開発における進歩、臓器移植技術における改善および凍結を利用す
る臓器の長期保存の成功は、凍結による生体臓器の長期保存方法に関する集中的
研究努力に動機を与えた。
最近、B、 Rubinsky 、米国特許第4.531.373号は、生体組
織における凍結プロセスの研究を容易にするために、方向凝固ステージおよび低
温走査電子顕微鏡法を使用する実験技術を開示している。
また、B、 RubinskY等、 ((1988) Proceedings
of the RoyalSociety London、 B、、 Vol
234. pp、 343−358 )は、生体組織および生体臓器における
凍結プロセスおよび損傷機構に関する実験結果および数学的モデルを記述してい
る。
入手できる後記の文献はいづれも凍結された組織、臓器または動物全体を長時間
保存するための組成物または方法を開示していない。
初期の実験結果は、単一で連続する氷の結晶は凍結組織の血管に沿って形成する
のか普通であることを示している。
B、 Rubinsky等、 (1988) Cryo−Letters、 V
ol、 8. p、 370 :B、 Rubinsky等、 (1988)
Rroc、 Royal Sac、 Lond、、 B234.343参照。凍
結組織の構造は冷凍中の冷却速度(すなわち、単位時間当りの温度変化)によっ
て左右される。肝臓のような組織を低い冷却速度(約1°C/分〜約10’C/
分)で冷凍した場合には、比較的細い血管(飼様血管)は、未凍結の常態の肝臓
組織の血管より膨張する。さらに、膨張した洞様血管に隣接する細胞(肝細胞)
は、細胞内に氷を形成することなく脱水される。しかし、冷却速度か比較的高い
場合には、細胞(肝細胞)に細胞内水が形成し、その結果洞様血管の膨張が小さ
くなる。
血管に沿って連続する氷の結晶の形成が観察されたこと、凍結血管の膨張および
比較的高い冷却速度での冷凍中における細胞内水の形成についての一つの説明は
、脈管系内に形成した氷か細胞膜または血管壁を通って拡がらないことである。
その代りに、氷は血管内で形成し、血管に沿って拡がり、血管には氷の結晶の成
長プロセスに対する障壁が存在しない。先ず、凍結血管を取り巻き、小容積に区
画されている細胞内の水は過冷却状態のままである。脈管内に氷が形成するにつ
れて、脈管腔内の溶液から水か除去されて、残りの溶液か高張溶液になる(塩濃
度か比較的高くなる)。この比較的高い溶質濃度は、水を周囲の細胞から半透過
性細胞膜を経て血管中に不可逆的に移動させて、化学的ポテンシャルの差を平衡
させる。この結果、血管を取り巻く細胞は脱水され、細胞から畠だ水は次に脈管
系内で凍結する。細胞から細胞膜を経て血管内に入る水の移送は律速プロセスで
あって、細胞膜の透過性によって左右される。従って、比較的高い(すなわち、
比較的速い)冷却速度を使用して比較的大きい臓器を冷凍する場合には、細胞の
完全脱水以前に分子内水か形成するのに十分な水か細胞内に残る。この説明を支
持する冷凍プロセスおよび数学的モデルの一層詳細な説明はRubinsky等
(1988)の上述の文献中に見い比される。また、この結果、凍結組織に対す
る可能性のある損傷モデルの一つは血管の膨張が観察されることであって、これ
か臓器の構造的(機械的)保全性の崩壊の原因となるという結論になる。この損
傷モデルか粁濁状態て凍結された細胞に影響を及ぼさないのは明らかであり、懸
濁状態の細胞か生存する条件と同し条件下に凍結しても臓器か生存しない理由を
、この損傷モデルによって説明することかできる。
氷の成長の極めて好ましい方向か六角柱の氷の結晶のa軸(角柱面)である通常
の氷形成パターンか、組織にεける冷凍プロセスを支配する。三次元の氷の結晶
のa軸の任意の六角形柱小面は同様に著しく好適であり、従って組織の冷凍中に
、氷の結晶か血管に沿って連続的に引続いて形成し、成長する。なお、上述のよ
うに、通常の凍結による氷の大きい結晶には、溶質か混入されない。このように
溶質か排除される結果、溶質濃度の増大、物質移動プロセスおよび局部細胞およ
び局部組織から開放脈管中への水の不可逆移動か生しる。この移動によって組織
および臓器の細胞の構造的保全性が崩壊する。
追加の背景情報は次の文献中に見い出すことかできる。
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この明細書で引用しだす・(ての文献、特許、論文、標準などは参考として記載
したものである。
植物または動物の細胞組織中の生体液の保存プロセスを変える組成物および方法
を持っていることは極めて存利である。凍結した組織、臓器、植物または動物を
注意して解凍すると、生存能力を有する細胞、組織、臓器、植物または動物か得
られる。
本発明はこのような保存用組成物および保存方法を提供するも本発明は、タンパ
ク質、脂質および少くとも細胞膜との相互作用によって、常態の生理温度より高
いか低い非生理温度または非生理化学的雰囲気を適用されたタンパク質、酵素、
脂質、細胞膜、動物または植物の細胞、微生物、組織、臓器、動物全体または植
物全体を包含する生体材料の生存、機能性、安定性および構造保全性にとって有
用な生体適合性物質、例えば不凍化ペプチドの組成物に関するものである。
また、他の面において、本発明は:
(a )タンパク質、酵素、脂質または少くとも植物または動物の細胞膜の直ぐ
近くの氷の結晶構造を変えることにより、(b)氷の結晶の数を減らし、大きさ
を小さくすることにより、あるいはタンパつ7質、酵素1、脂質まフ:、iよ少
くとも細胞膜の直ぐ近くの氷の結晶を完全に無くすことにより、(C)氷の結晶
(−二よ−〕て溶質か排除されるモートを変えて、タンパク質、酵素、脂質また
は少くとも細胞膜を取り巻く溶液の化学的組成を変えることに、より
氷の結晶の存在下に0゛Cより低い温度を適用されたタンパク質、酵素、脂質、
細胞膜、細胞(動物または植物)、微生物、組織、臓器、動物または植物を包含
する生体材料の生存、機能性、安定性および構造保全性を改善するのにを用な不
凍化タンパク質の組成物に関するものである。
また、本発明は、膜におけるイオン通路を閉塞してイオンのる漏洩を遅らせるか
阻止しく一般的に)かつ細胞膜を安定化する(一般的に)か、あるいはタンパク
質、脂質または少くとも細胞膜に他のマクロ分子を結合させるのに有用な組成物
に関するものである。
先にその有用性を説明した組成物は、少くとも1種の生体適合性不凍化物質、お
よび生体適合性水溶液を含有する。
一つの面において、生体適合性不凍化物質は、魚、両生類、虫(worm) 、
昆虫または爬虫類から選択された動物、好ましくは北氷洋、南氷洋、北温帯また
は南温帯からの魚から得られるマクロ分子であるか、あるいは上述の動物から誘
導されるマクロ分子と実質的に同しである。一層好ましいのは、南氷洋の魚、例
えばディー、マウノニ(D、 Mawsoni)種およびビー ホルクグレビン
キ(P、 borchgrevinki)種を包含するノトテニア科(Noto
t、heniidae)の南氷洋の魚、または南氷洋のゲンゲ科の魚であるリゴ
フィラ・デアルポル= (Rhigophila dearborni)、また
は南氷洋のカレイ類の魚からの体液(例えば、血液)からのタンパク質である。
これらの不凍化タンパク質はすべて既知であり、氷の結晶構造を変える共通の性
質を有する。
−例では、ポリペプチド、糖ペプチド、生体許容性担体に共有結合させたポリペ
プチド、担体に共有結合させた糖ポリペプチドまたはこれらの混合物から生体許
容性物質を選択する。
他の面にδいて、生体適合性物質は、氷の結晶のa軸に沿った氷の結晶の成長を
促進し、氷の結晶のa軸に沿った氷の結晶の成長を抑制する。他の例では、生体
適合性マクロ分子の少くとも1種は、文旦ζこ配列する疎水性区域および親水性
区域を育し、これらの区域はそれぞれ16〜17オングストロームまたは19〜
20オングストロームの間、好ましくはそれぞれ約16,5オングストロームま
たは約19.5オングストロームの間繰り返えされる。
−例では、水性組成物は、さらに、グリセリン、ジメチルスルホキシド、エチレ
ングリコール、ポリビニルピロリドン、グルコース、スクロース、プロパンジオ
ール、プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロース、またはこれらの化
合物の混合物から選択され、細胞および生体材料を凍傷から保護するかあるいは
ガラス化を促進させることが知られている追加の保存作用、保護作用またガラス
化作用を存する化合物を含有する。
膜を保護または安定化できるこれらの化合物の性質は、食品の保存:皮膚組織を
回復、保護または修復するための化粧品。
または細胞膜の不安定性と関連する疾病の治療法においても有用である。
イオン通路を閉塞できる性質は、細胞内または細胞外のイオン輸送の不均衡と関
連する疾病を治療するのに利用される。
細胞膜に結合し、植物膜と相互作用できる性質は、種々のマクロ分子を不凍化タ
ンパク質に結合させて、細胞膜に対するマクロ分子の結合を容易にするのに利用
される。
他の面において、本発明は、非生理温度または非生理化学的組成物におけるタン
パク質、酵母、脂質、細胞膜、細胞(動物または植物)、微生物、組織、臓器、
動物全体または植物全体を包含する生物材料の保存状懸、生存、機能性、安定性
および構造保全性を向上させる方法に関するもので、この方法では。
(a)保存しようとする部分を、タンパク質、脂質、細胞膜、細胞(動物または
植物)、微生物、組織、臓器、動物全体または植物全体のす・Nてと相互作用す
るのに十分な濃度の生体適合性物質と接触させ。
(b)非生理条件に曝し。
(C)随意に、先ずマクロ分子を除去し、。
(d) 油泥タンパク質、脂質、細胞膜、細胞(動物または植物)、微生物、組
織、臓器、動物または植物を生理温度および生理組成物に戻し、随意にこれと同
時にマクロ分子を除去し:あるいは随意に
(e)次いて、前記生体材料を生理温度および生理組成物に戻した後に、マクロ
分子を除去する。
−例では、この温度は低温、すなわち0°Cに近いか0°Cより低い低温であっ
て、タンパク質、脂質、細胞膜、細胞(動物または植物)、微生物、組織、臓器
、動物または植物を保存するのに使用される。例えば、ブタ卵母細胞は約4°C
において24時間以上このようにして保存される。ラフ1〜肝臓は4 ’Cにお
いて24時間以上この方法により保存される。
他の面に3いて、本発明は、0”Cより低く約4Kまでの温度において、タンパ
ク質、酵母、脂質、細胞膜、細胞(動物または植物)、微生物、組織、臓器、動
物または植物を保存する方法に関するもので、この方法では
(a>保存しようとする部分を、生体適合性物質(例えば、水溶液のみの存在に
おけるAFPまたはA F G P )と、あるいは生体適合性物質にグリセリ
ン、プロピレングリコールなとのような他の凍結防止化合物を添加したものと接
触させ。
(b)好ましく(二極低温まで(液体窒素のような手段により)冷却l152、
比較的高い濃度のブクビレングリコールまたはグリセリンのような追加の化合物
と、ガラス化および一層低い凍結温度をもたらす比較的高い冷却速度とを使用し
て、種々の濃度および冷却速度に従って系をガラス化または凍結させ(例えば、
40%v / vのプロピレングリコール/水を使用し、1.750°C/分の
冷却速度を使用してガラス化を達成する):(C)前記タンパク質、脂質、細胞
膜、細胞(動物または植物)、微生物、組織、臓器、動物または植物を、上述の
温度に24時間、7日、52週間または10年以上までの間維持し、(d)暖か
い流体またはマイクロ波加熱のような手段によって生理条件まで加温し:
(e)前記生体適合性物質、例えば不凍化糖タンパク質および他の化合物を除去
しく例えば、潅流またはフラノソング(f lashing)により、前記生体
適合性物質および前記池の化合物を生理適合性溶液と置き換えて生存能力のある
生体部分を再生させる。
例えば、12.5%V / Vのプロピレングリコール/水を使用して1.20
0°C/分の冷却速度において氷の結晶を形成させた。すへての場合に、−13
0″Cに数時間曝した後に生存能力のあるマウス胚およびブタ卵母細胞を得た。
この実験計画では、ブタ卵母細胞、ブタ胚およびマウス胚は、ノトテニア科の南
氷洋の魚からの不凍化糖タンパク質20mg/)の水性組成物中で生存していた
。
図面の簡単な説明
図IA、、IBおよび1. Cは、方向凝固ステージ(米国特許第4、531.
373号参照)において4°C/分の冷却速度で水溶液を凍結した場合の氷の結
晶(i)の透過光顕微鏡写真である。
図2A、2Bおよび2Cは、40mg/mlのAFGP (下記の定義を参照の
こと)を潅流させ、約4.000°C/分の冷却速度で冷凍した肝臓組織の走査
電子顕微鏡写真である。
図3A、3B、3C,3Dおよび3Eは凍結した肝臓組織の走査電子顕微鏡写真
である。
図4(図4A〜図4D)は未成熟ブタの卵母細胞を凍結保存したものを示す写真
である。
図5(図5A−図5B)は二細胞段階のブタ胚を凍結保存したものを示す写真で
ある。
図6(図6A、6Bおよび6C)は二細胞段階のマウス胚を凍結保存したものを
示す写真である。
図7(図7A、7Bおよび7C)はブタ卵母細胞を低温保存したものを示す写真
である。
図8はラットの肝臓組織(図7A)を約400倍の倍率で示す写真である。この
組織はAFGP処理せずに21.5°C/分において一35°Cに冷却した。
図9はラットの肝臓組織の約400倍の倍率における写真である。この肝臓組織
には20mg/mlのAFGPフラクション1〜8(表1)を含有するクレブス
(Krebs)溶液を37°Cで潅流させ、その後に21.5°C/分において
一35°Cまて冷却した。
図10はクレブス溶液およびAFGPを含有するクレブス溶液で処理したラット
の全肝臓からの胆汁生成量を時間の関数として示すグラフである(例7A参照)
。
図11はクレブス溶液およびAFGPを含有するクレブス溶液て処理したラット
の全肝臓からのLDHレベルを時間の関数として示すグラフである(例7A参照
)。
図12はAFGPの不存在下および種々の濃度のAFGPの存在下に4°Cにお
いて4時間低温に曝した後の正常膜電位を育する卵母細胞の百分率を示すグラフ
である。
図13はA、 F G Pの不存在下および種々の濃度のAFGPの存在下に4
°Cにおいて24時間低温に曝した後の正常膜電位を存する卵母細胞の百分率を
示すグラフである。
使用した用語は次のように定義する。
「異常な非生理化学的条件」とは、正常な生理条件とは異なる条件のことて、高
温または低温、凍結状態、過大または限定された二酸化炭素、過大または限定さ
れた酸素、過大または限定された無機塩、過大または限定された有機化合物、異
なるpH値、放射状態またはこれらの組合せを包含するが、これらに限定される
ものではない。
「不凍化タンパク質」または「不凍化ポリペプチド」(「AFPJ)または「不
凍化機タンパク質」または「不凍化糖ペプチドJ (rAFGP」)とは、直接
的相互作用によって水の相転移温度を非束−的に低下させ、前記相転移温度より
低い温度で形成する氷の結晶核の成長抑制を非束−的に低下させる一般に知られ
ている性質を育する若干の動物(例えは、冷血動物)の体液中に存在するマクロ
分子のことである。
また、不凍化化合物は「熱ヒステリシスタンパク質」として知られ、その理由は
、相転移温度は、冷凍中には分子の束−作用より著しく大きい程度まで明らかに
低下するか、融解中には分子の束−作用によって生じる範囲以外には低下しない
からである。本発明以前においては、これがこれらの不凍化化合物の唯一の既知
の性質であった。(不凍化ペプチド源(または不凍化タンパク質源)は後述の通
りである)。
「極低温」とは、0°Cより低く4に以下程度の低い温度までの低温生物学の範
囲の温度のことである。
「高温」とは、細胞、組織、臓器、植物または動物の正常な生理温度より高い温
度のことである。
「低温」とは、細胞、組織、臓器、植物または動物の正常な生理温度より低い温
度のことである。
「随意の」または「随意に」とは、本発明の範囲内において、成分か存在してい
ても存在していなくてもよい状況、あるいは工程を実施しても実施しなくてもよ
い状況のことである。
「角柱面」とは、氷の結晶上で成長する氷の形成を説明するために慣用的に使用
されている別の用語である。a軸に垂直な二次角柱面およびこれらの面から突出
する角錐面か存在する。
結晶学の用語では、これらの面を下記の角錐のミラー・ブラヘイスQti 1l
er−Bravais)インデックスで表わすニー次角柱面からの角錐面 (2
021)正常な雰囲気下では、氷の結晶成長はa軸に沿って進行する。
本発明に係るAFPまたはAFGPを使用して氷の結晶成長を変えてC軸方向を
選ぶようにする。
さらに詳しい情報については、Peter L Hobbs、(1974) r
cePhysics、 C1arendon Press、 0xford、
England、 Appendi:x A等。
p725以降を参照されたい。
「急冷」とは、極低温における細胞および生体臓器の長期保存のために開発され
た技術のことである。急冷は極めて小さし)無傷の氷の結晶を生成させるために
使用される。A Trounson。
(1986) Fertility anci 5terility、 Vol
−46,1−12を参照されたい。
「ガラス化」とは、極低温における細胞および生体臓器の長期保存のために開発
された技術のことである。この技術で(よ、束−的に水の相転移温度を低下させ
かつ水の温度を上昇させるグリセリン、ジメチルスルホキシド、プロピレングリ
コールなとのような種々の凍結防止化合物を生体材料中に導入する。次いで、全
細胞懸濁液または臓器を、凍結防止化合物の存在下(こ、生体材料中の水かガラ
ス形態において多形状態に留まり、力1つ無傷の氷の結晶か生成することを期待
して、急冷する。(Fahy。
G、M、等、 Cryobiology、 Vol、 21.407−426.
(1984) ; W、F、。
Ra1l and Rahy、 G、M、、Nature、 Vol、 313
.573−575. (1985)参照)
不凍化タンパク質源
不凍化タンパク質(AP、これはAFPおよびAFGPを包含する)は最初海洋
の硬骨前の低滲透圧体液中に見い出され、この魚は−0,7°Cの血清凍結点を
存し、種水の存在する水に棲息している(Scholander等、 J、 C
e1l Camp、 Physiol−、Vol。
49、5−24.1957) 。最初のAPはDeVries (Doctor
al Thesis。
5tanford、 1968)によって南氷洋のノトテニア科の魚に見い出さ
れた。2種の不凍化タンパク質、すなわち糖タンパク質およびペプチドが極間ま
たは温帯の魚から単離された。これらの2種を除く魚の研究では、不凍化化合物
は糖ペプチドである。
これらの不凍化糖ペプチド(糖タンパク質)は2.500〜34、000の範囲
にわたる8種の異なる分子量クラス中に存在する。
不凍化糖ペプチド(糖タンパク質)は、一般的に、トリペプチドであるアラニル
ーアラニルーレトオニルの繰返しからなるペプチド主鎖(小さい糖ペプチドでは
7位で始まるビロリンで若干のアラニンを置き換えることかできる)と、グリコ
シド結合を介して各トレオニンの水酸基側鎖に結合している三糖類てあるβ−〇
−ガラクトピラノシル=(1→3)−2−アセトアミ、ドー2−デオキシーα−
D−ガラクトピラノースとからなる(A、 DeVries、 5cience
、 Vol、 172.1152−1155.1971)。
これらのポリペプチドまたは糖ポリペプチドは多数の天然資源、例えば、爬虫類
(例えば、刀メ)、無を椎動物、昆虫、両生動物または魚の体液から入手できる
。北氷洋、南氷洋、北温帯または南温帯の魚の血清または体液からAFPを得る
のか好ましい。北氷洋または南氷洋の魚の血清および体液を使用するのか一層好
ましい。例えば、次の表1を参照されたい。
A、南氷洋のノトテニア科の魚 バゴテニア(Pagothenia) (トレ
マトムス(Trematomus) )・ボルクグレビンキから単離した不凍化
糖ペプチド
不凍化糖ペプチド 分子量(約)
2 28、800
3 21、500
4 17、000
5 10.500
13 7、900
次の構造式
%式%
を有するデイスソスティクス・マウソニ(Dissostichus maws
oni)からの糖ペプチド。
これらのフラクションの分子量は前記表1に示す分子量と本質的に同一である。
南氷洋のノトテニア科の魚の血液から単離したAFGPは、糖トリペプチド基本
単位の繰返し数によって少くとも8種の大きさで存在する(表1参照)。分子量
は2.600〜33.700の範囲である(DeVries等(1970) )
。AFGPは前記魚の血液の3〜4%を占め、AFGPは塩化ナトリウムと共
に魚の凍結、つを海水の凍結点より低くする。AFGPは氷の結晶に吸着するこ
とにより氷の結晶の成長を抑制する(Raymond等(1977)、 DeV
ries(1984,) )。吸着は氷の結晶の特定の面(−次角柱面(101
0))の上で起り、その結果これらの面の上における氷の成長か抑制される(D
eVries、 1984) oその結果、AFGP溶液中では、氷の結晶は、
主としてAFGPか吸着されていない基礎面(C軸に平行である)の上で成長し
、極めて小さい針様の氷の結晶の形態になる(Raymond等(1977)
: DeVries (1988) )。不凍化ペプチドは北温帯、北氷洋およ
び南氷洋のいくつかの魚に見い出されることかある。このようなペプチドは大き
さおよび組成か多様である。
これらのポリペプチドは、実質的に各トレオニンがグリコシド結合によって三糖
類:β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−2−デオキ
シ−α−ガラクトピラノースによって結合している長さの本質的に異なる繰り返
しトリペプチドニーアラニン−アラニン−トレオニン−である。
また、小さい糖ペプチドも7位、10位および13位に位置するプロリンを少量
育していることかあるか、他の点ては大きい糖ペプチドと構造上置しである。
一般的に、分子量が大きい程、例えば精製によって得られるような前記フラクシ
ョン1〜5のそれぞれまたは混合物におけるように、不凍化糖ペプチドのC軸に
沿った氷の結晶の成長を促進する効果は大きい。分子量の比較的小さいフラクシ
ョン6.7および8はそれぞれまたはグループとして保存効果が明らかに小さい
。
不凍化糖ペプチドはパゴテニア・ホルクグレンビンキ、トレマトミスーニコリア
(Trematomis N1colia) 、およびディスソスティクス・マ
ウソニを包含する南氷洋のノトテニア科のすへての魚において本質的に類似して
いる(J、T、 Eastman、 and A。
L、 DeVries、 A、L、 5cientific American
、 Vol、 254.1.06−114(1986) )。また、同じ8種の
糖ペプチドが北半球のタラ科の魚(gadid)、岩場に生息する魚(rock
cod) (ガデウス・オガク(Gadus ogac)およびタラ科(fa
mily Gadiae)に属する若干の他の北部のタラ(cod)から単離さ
れた(A、L、 DeVries、 Comp。
Biochem、 Physiol、、 Vol、 90B、 No、 3.
pp、611−621 (1988))。
従来単離されているAFGPはすべて構造の点て類似しているか、北部の種では
不凍化糖ペプチド8中のプロリンの占める位置のような比較的小さな変化かあり
、あるいは北部のタラでは大きさに差異かあるか、本質的に同し組成である(A
、L、 DeVries。
(1984) Ph11. Trans、 R,5oc1. Lond、、 V
ol、 B 304.575−588)。
魚に見い出される他の種類の不凍化タンパク質はポリペプチドである。不凍化粧
タンパク質は、Thr側鎖に三糖類か結合している糖トリペプチド単位: Al
a−Ala−Thrの一般的な重合体の形態をしているが、ペプチドは構造的に
全く異なり、大きさおよび組成も変化している。
カレイ類の魚(winter flounder) 、ブソイドブレウロネクテ
ス°アメリカヌス(Pseudopleuronectes american
us)からの不凍化タンパク質は、分子量の比較的大きい糖タンパク質と類似の
比活性(specific activity)を有しているか、全く糖を含有
しておらず、その代りに親水性アミノ基(特にトレオニンおよびAsp )を大
きい百分率で有し、かつ多量(約60モル%)のアラニンを保有している。カレ
イ類の魚のタンパク質の一次構造はアラニン配列によって分離された親水性アミ
ノ酸のクラスターを有する(DumanおよびDeVries、 (1976)
Comp、 Biochem。
Physiol、 Vol、 533.375−380)。
カレイ類の魚からのペプチド
Asp−Thr−Ala−5er−Asp−A 1. a−A Ia−A Ia
−A Ia−A 1a−A 1a−Leu−Thr−A 1.a−A 1a−A
s p−A 1a−A 1a−A 1a−A Ia−A 1a−A la、−L
e u−Thr−A l a−A l a−As p−Ala−Ala−Ala
−Ala−Ala−A1.a−Ala−Thr−Ala−Ala 0生体適合性
物質源。
南氷洋のゲンゲ科の魚(eel pout) (リゴフィラ・デアルホルニ(R
higophila dearborni) )からのベプチトペプチドNo、
分子量
1、 2. 3 (三成分> 6.900A 5n−1,ys−3er−Va
1−Va 1−A 1a−As n−G ln−Leu−(1e−Pr o−I
1 e−A s n|Thr−
A 1.a−Leu−Thr−Le u−11e−Me t−Lys −A 1
a−G 1u−Va 1−Va I −Thr−P ro−le t −
G l y−11e−Pro−A 1a−G 1u−As p−[1e−Pro
−Arg−r 1e−11e−G ly−Me t−G 1氏|
Va 1−Asn−Arg−A 1a−Va iP ro−Le u−G l
y−Thr−Ty r−Le u−Me t −P ro−`s p−
Met−Val−Lys−Asn−Tyr−Glu−0不凍化ペプチドを生成す
る他の魚、例えばアラスカのヒラメ、大西洋のカジカ科の魚(sculpin)
、カジカ科の小さい魚(GrubbySculpin) (D、S、C,Ya
ng、 Nature、 Vol、 333.232−237.1988)およ
び南氷洋のゲンゲ科の魚(リゴフィラ・デアルボルニ)が、A、L、 DeVr
ies、 Ph11. Proms、 R,Soc、 London、 Vol
、 304.575−588 (1984)に記載されている。また、前空の不
凍化タンパク質の最近の論評は(FeeneyおよびBurchan、 (19
86) Ann、 Rev。
Biophys、 Biophys、 Chem、、 Vol、 15.53−
78)および(Davies等、 (1988) Canadian J、 Z
ool、 Vol、 66、2611−2617 )中に見い出すことができる
。
また、V、S、 Ananthanarayanan、 Life Chemi
stry Reports。
Vol、 7. pp、 1−32 (1989)には、不凍化タンパク質源、
特にタイプ1. fflおよび■の不凍化タンパク質源か記載されている。
これらのAFP、AFGP (あるいはこれらのフラクションおよびその混合物
)およびその他のものは、申し込みに応じて叶、 Arthur DeVrie
s、 Department of Physiology、 Burrill
Hall、 407 S、 Goodwin、 Llniversity of
l1linois、 Urbana、 IL61801から入手できる。
また、本発明に係るこれらの不凍化タンパク質またはペプチドは合成手段によっ
て製造することができる。これらの手段としては、米国カルフォルニア州フォス
ター市所在のアプライド・バイオシステムス社のモデル430Aとして当業界で
商業的に入手できるペプチド合成装置の使用かある。このペプチド合成装置の操
作マニュアルが有用である。J、J、 Ne5tor等、米国特許第4.318
.905号およびR,B、 Merrifield、米国特許第3,531.2
58号の合成方法を特に参考としてここに記載する。これらの合成方法は上述の
Ala−Ala−Ttlr化合物およびAla−Ala−Ala化合物を製造す
るのに適している。ペプチドを生成した後に、トレオニン残基を三糖類に従来方
法によって随意に結合させる。
本発明に係る不凍化タンパク質は、タンパク質そのものまたは糖タンパク質、あ
るいは生体適合性抗体、ゼラチン、生体適合性重合体、ペプチド、糖または炭水
化物のような担体に共有結合させたタンパク質または糖タンパク質から独立的に
選択される。これらの不凍化物質の混合物は期待され、本発明の一部を構成する
。当業者に知られている方法によってタンパク質を担体に共有結合させることは
、例えばに、 Rubenstein等、米国特許第3.817.837号、ま
たはM、 Goodman等、米国特許第4.837、305号中に見い出され
、これらの米国特許を参考として特にここに記載する。
不凍化ポリペプチドの組換えDNAの製造また、本発明の範囲には、組換えDN
A技術によって製造したペプチドを含有する組成物を製造することも含まれる。
これらの遺伝子を暗号化するDAN配列は従来から説明されている。
例えば、A、L、 DeVries等、 (1971) J、 Biol、 C
hem、、 Vol、 246゜p、 305 ; Y、 Lin等、(197
2) Biochem、 Biophys、 Res、 Commun、。
Vol、 46. p、 87 : D、S、C,Yang等、 (1988)
Nature、 Vol、 333゜p、 232 ; Y、 Lin、(1
981) Proc、 Natl、 Acad、 Sci、 Ll−3,A、
Vol。
78、 p、 2825 ; P、L、 Davies等、(1982) J、
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79、 p、 335 : B、 Gourlie等、 (1984) J、
Biol、 Chem、、 Vol、’259、 p、 14960 : P、
L、 Davies等、J、 Biol、 Chem、、 p、9241 :G
、に、 5cott等、 (1986) Can、 J、 Fish、 Agu
at、 Sci、、 Vol、 43゜p、 1028 : G、に、 5co
tt等、(1988) J、 Mo1.、 Evol、、 Vol、 27.
p。
29を参照されたい。AFP遺伝子を他の種に微量注射することには成功してい
る。例えば、Z、 Zhu等、(1985)Angew、1chtoyol。
Vol、 1. p、 31 : Kexue Tongbao、 (1986
) Vol、 31. p、 988 :D、 C110urrout等、 (
1986) Aguaculture、 Vol、 51. p、 143 ;
R。
A、 Dunhan等、 (1987) Trans、 Am、 Fish、
Sac、、 Vol、 116. p。
87 : G、L、 Fletcher等、(1988) Can、 J、 F
ish、 Aguat、 Sci、。
Vol、 45. p、 352 : N、D、 Maclean等、(198
7) Bio Technology、Vol、 5. p、 257 ; G
、W、 5tuart等、 (1,988) DeveIopment、 Vo
l−1,03,p、 403 : T、 kicEvoy等、(1988) A
guaculture、 Vol、 68゜p、 27 ; K、 0zato
等、(1986) Ce1l Differ、、 Vol、19. p、 23
7 :T、T、 Chen等、(1989) [JCLA Symposium
on’Transgenic Animals丁T、 Chen等、(198
9) Aguaculture : P、 Zhang等、(1989) Mo
l。
Reprod、 Dev、; D、A、 Powers等、 (1989) N
rHSymposium onTransgenic Animalsを参照さ
れたい。タンパク質を生成するためのDNA配列の一般的な形成方法は次の米国
特許第4.237.224号二同第4.708.948号−同第4.376、0
71号:同第4.350.687号:同第4.444.760号、および同第4
.722.998号中に見い出される。
これらの方法はAFPを製造するのに適している。これらのすへての文献を参考
として特にここに加入する。
また、本発明において宵月である不凍化タンパク質(熱ヒステリシスタンパク質
)は最近多くの無を推動物中に見い出されている。これらの無を推動物のリスト
を文献と共に表2および表3に示す。文献はこれらの表のなかにこれらの表の直
ぐ後に示されている。
表2
熱ヒステリシスタンパク質を生成する無を推動物(Arcynopteryx−
compacta) Somme、 1987直翅目 バルコブラタ・ペンシル
バニヵ Duman、 1979(Parcoblata −pennsylv
anica)半翅目 オンコベルッス・ファスシ了ツス Paterson等、
I9g+(Boreus−westvoodi) Zacharissen、
1980鱗翅目 コリストネウラ・フミフェラナ Hew等(Chorist
oneura −fumiferana)し
Duman、1978
メラカンタ・コントラクタ Duman、 +977a(Meracantha
−contracta)つ07−イムブソサ Duman、 1979(ll
ama −impressa)
ブラチデ7FI Duman、 +979(Platydema sp)
コメノキムン科 アムベデウスーリネアソス Duman、 +979(Amp
edus 1inea+us)アムペデウス種 Duman、 1979(、A
mpedus sp)
レビトノス・ディスコイブウス Duman、 1979表 2 (つづき)
ヒラタムン科 ククジュス・クラビベス Duman、 1979(Cucuj
us clavipes)ピロクリダニ プントロイデス・カナデシンス Du
man、1979(Photinus sp)
チンドウムシ科 コクン不う・ノベムノタタ Duman等川982用Cocc
inel la −novemno+ata)キクイムノ科 イブス・アクミナ
ッス Gehrken、 +984([ps −acuminatus)
カミキリムシ科 ラギウム・イングイシトル Bremdalおよび(Rhag
ium ° inguisitor) Zachariassen。
C1非昆虫の節足動物
(Philodromus sp)
クルビオナ種(C1ubiona sp) Duman、+979ポリフアンテ
ス・インデクス Husbyεよび(Bolyphantes−index)
Zachariassen、 1980ムカデ類 リトビウス・フォルフィヵッ
ス Duma口等川98用(Li thobius −forf 1catus
) TursmanおよびDuman 、未発表
ダニ アラスコゼテス・アンタルクティ BlockδよびDuman。
クス(Alaskozetes−antarcticus) 1989D 他の
無腎椎動物
イガイ ミチルス・エデウリス Theede等−1976(Mytilus−
edulis)
表3
テネブリオ・モリトル(Tenebrio Mo1itor)ASX 11.3
7.3 5.3 9.5 14.3Thr 11.0 &6 2.3 6.0
17.2Ser 14.8 7.4 11.1 13.0 10.3GIX
15.3 8.9 12.4 1+、0 5.2Pro 5.9 5.9 0.
0 5.0 2.6cty 7.6 8,3 11.4 1.5.0 6.5A
la 9,6 14.3 5.0 8.0 8.41/2Cys O,00,0
28,06,0+5.9Val 7.2 11.5 2.3 3.0 1.7
’Met O,04,80,00,00,2rle 3.3 7.1 1.0
1.2 1.5Leu 3.9 0.0 2.2 6.5 1.9Lys 4.
8 6.8 15.4 3.1 3.4Arg 11 2.6 0.0 8.0
4.8Tyr 1−2 2.3 0.0 1.0 3.9Phe 1.5 3
.9 0.0 2.2 0.0His 1.5 1.9 3.1 0.0 !、
9親水性部分1% 58,3 40.0 46.5 50.6 55.2a P
attersonおよびDuman、1979b Tomchaney等、 1
982c pattersonおよびDuman、 1982d HeW等、
198+
e WuおよびDurnan、未発表
f ManavalanおよびPonnLswarny (1978)の分類に
従った親水性側鎖(ASX、 GIx、 Lys、 Arg、 Ser、 Th
r)を有するアミノ酸残基の百分率表2および表3に関する刊行物:
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p。
189゜
全般
水性不凍化タンパク質組成物を使用する本発明では、組織における氷生成凍結プ
ロセスが変り、組織に対する構造上の損傷は氷の結晶の成長パターンの変更によ
って減少または消滅する。
このような進歩は、新規な組成物、例えば北氷洋または南氷洋の魚あるいは他の
供給源からのペプチドまたは糖ペプチドを使用して、組織における氷の結晶の成
長パターンを変更させることによって達成される。水溶液における凍結パターン
に及はす不凍化タンパク質の作用は上述のように広く文献に記載されている。異
なる供給源からの異なる不凍化タンパク質は異なる結晶面に吸着するが、すべて
の不凍化タンパク質は熱力学的に好ましい成長方向であるa軸に平行な氷の結晶
の成長を抑制する。
どのような種類の不凍化タンパク質てあっても不凍化タンパク質の存在下に冷凍
すると、氷の結晶は常にC軸方向に形成する。
氷の結晶は針状体(スパイク様構造)の形態て成長する。これらの小さなミクロ
ンおよびサブミクロンスケールの針状構造は安定であり、氷の形成中に排除され
た溶質はこれらの構造の間に閉し込められる。
溶質の製造
AFP組成物またはAFGP組成物の水溶液はいくつかの方法で製造される。水
(通常無菌の水)をAFPまたはAFGPと接触させ、混合して水中に0.1〜
100 mg/mlの溶質が溶解している溶液を生成する。普通、不凍化タンパ
ク質は水中では約1000g/mlより大きい濃度で飽和状態になる。約1〜6
0mg、特に約20〜40mg/mlのAP溶液を生成するのが好ましい。また
、水相は、塩、糖、イオン栄養物(例えば、クレブス溶液)およびこれらの混合
物を、当業界で生体物質(biological agent)の保存に有用で
あることか知られている濃度で含有することかできる。また、水相は、組織、細
胞膜などの保存に有用な他の物質、例えばグリセリンを含有することができる。
臓器移植などに使用するには、無菌条件および無菌溶液を使用する必要がある。
無菌溶液は無菌材料および無菌条件を使用して製造することかできる。また、溶
液は当業界で知られている方法、例えばコバルト60の放射に短時間曝すことに
より無菌状態にすることかできる。
組織の保存
氷の結晶構造に対するAFPの作用を例示するために、本発明に関する初期の研
究からの実験結果を示す。この研究では、生理食塩水における凍結パターンを、
南氷洋のノトテニア科の魚(表1)からの不凍化機タンパク質を約1〜100
mg/ml、好ましくは約40mg/ml添加した生理溶液における凍結パター
ンと比較した。この比較実験では、方向凝固ステージにおいて制御された熱条件
下に試料を凍結させた。方向凝固ステージは米国特許第4.531.373号に
詳細に記載されており、このステージは溶液または組織試料を所定温度の間で一
様な速度て凍結することかてきる装置のことである。この装置を光学顕微鏡と併
用して、不凍化機タンパク質の存在下における針状体の成長を示す図IA、IB
およびIcに示されている結果を得た。
本発明の一例では、臓器の脈管構造を経て不凍化タンパク質を含有する溶液を潅
流させる。凍結した際に、形成する氷の結晶は小さく、針状てあり、存在する溶
質を閉じ込める。その結果、細胞は高い塩濃度に曝されず、損傷を生じる血管の
膨張か消滅する。この作用を、方向凝固ステージおよび走査電子顕微鏡を併用し
た詳細な実験結果として、図2A、2Bおよび2Cならびに図3A、3B、3C
,3Dおよび3Eに示す。
ガラス化
以前に、細胞、組織または臓器は、急冷または「見掛けのガラス化」によって凍
結が起ると、生存できないことかあることか観察されている。ここでは、「見掛
けのガラス化」という表現は、時として、極低温まで急冷した後でも溶液が透明
のままである場合に、溶液かガラス化したと考えられるという観察結果を記載す
るために使用する。しかし、透明であるという性質は、氷の結晶が小さすぎるか
少なすぎて光を反射しないこと、従ってガラス化は見掛けにすぎないことを示す
ものであるにすぎない。本発明の一つの面では、細胞(または臓器、組織、動物
)を含有する溶液を急冷または見掛けのガラス化によって凍結させる技術によっ
て保存された細胞(または臓器、組織、動物)は、核形成位置として役立つこと
のある極小の氷の結晶か細胞膜の上に選択的に形成することによって損なわれる
ことかあることか期待される。不凍化糖ペプチドおよび不凍化ペプチドは、氷の
針状構造の生成によって形成する氷の結晶の成長を抑制し、結晶の大きさを有意
に小さくする。従って、これらの生体適合性物質は、おそらく、細胞膜の上にお
ける氷の結晶の成長を阻止することにより、あるいはこれらの氷の結晶の大きさ
を小さくすることにより、低温保存効果を向上させるのてあ不凍化タンパク質の
(ガラス化における)効果を、急冷および「見掛けのガラス化」によって凍結さ
れた未成熟ブタの卵母細胞、ブタの二細胞段階の胚3よびマウスの二細胞段階の
胚について評価した。ブタ卵母細胞およびブタの二細胞段階の胚を選択したのは
、従来成功を収めなかった凍結保存に対して極めて魅力的なモデルを提供するか
らである。実際に、ブタ卵母細胞およびブタの初期段階の胚は、10°C程度の
高い温度に曝されると、たとえ短時間であっても生存できないのが普通である。
冷却中に氷の結晶核か形成する確率は、粘度および温度の逆関数であり、容積の
一次関数である(D、 Turnbull、 1969)。急冷による凍結保存
の際に、種々の凍結防止剤の濃度を大きくすることにより、溶液粘度を増大させ
、かつ相転移温度を低下させて核形成の確率を小さくすることか試みられている
。しかし、凍結防止剤濃度か大きくなると、生体材料を損傷する作用か生し、従
って、核形成を抑制するのに十分な高い濃度と、脆い細胞の損傷を回避するのに
十分な低い濃度との間に、適切なバランスを見い出す必要かある。
B、 Rubinsky 、米国特許第4.531.373号によって開発され
た特定の実験方法において、大きさおよび組成の異なる液滴を種々の冷却速度に
曝すことにより、これらの実験を行った。試料の急冷ならびに急激な加温は、特
定の方向ステージが取り付けられているライフ・ダイアプラン(Leitz D
iaplan) H微鏡を使用して行った(A、 Arav等、 1990 :
B、 Rubinsky、 1985 : B。
RubinSky等、 1985)。このステージでは、所定温度間の冷却およ
び加温の速度を、特に急冷によるガラス化および凍結に適、用した場合には、正
確に制御することかできる。ビデオカメラを顕微鏡と併用して細胞の形態および
溶液の物理的状態を評価した。
「見かけのガラス化溶液J (AVS)としては、17.5%のプロピレングリ
コール(スイス国フル力ケミカルス(Fl ukaChemicals)社、2
.5%のグリセリン(英国ビーディーエッチ・アナラー(BDHAnalar)
、20%のFC3(ウシ胎児血清)(英国スコツトランド、ギブコ(Gibc
o)社)およびPBS (ダルベツコ社のリン酸緩衝液に0.4m/vのBSA
(ウシ血清アルブミン) 、0.34 mMのピルビン酸塩(pyruvat
e)、5.5mMのグルコースおよび70Mg/mlのカナマイシンを加えたも
の)中の0゜05Mのスクロースを含有するものか有用であった。
この溶液はマウス胚、ブタ胚およびブタ卵母細胞と生理適合性である。AVS溶
液の0.1μIの液滴を1.700’C/分の速度(方向凝固ステージを使用し
た場合の最高速度)で−130’Cの温度(この溶液のガラス形成温度より低い
温度)まて冷却した場合に、氷の結晶は倍率340倍の顕微鏡によっても観察さ
れなかった。容積および溶質濃度の作用を説明するために、12.5%のプロピ
レングリコールおよび2.5%のグリセリンを含有するA、 V S溶液の液滴
かすべて0.5μlより大きい場合およびすへて0.1 μlである場合につい
て、1.700″C/分で冷却した場合の氷の結晶を観察した。見かけのガラス
化は観察されなかった(すなわち、12.5%のプロピレングリコールおよび2
.5%のグリセリンを含有するAVS溶液の液滴が0.5μlより大きい場合お
よびすべて0.1μlである場合について、1.700″C/分で冷却した場合
に、氷の結晶の形成か観察された)。見掛けのガラス化か生じない(すなわち、
氷の結晶か形成する)ことは、試、料を一130°Cに保持した場合に観察され
た。しかし、若干の試料において常温まで加温した際に1.700″C/分程度
の高い速度においても失透が観察された。AFGPまたはAFPを添加しても、
AVS溶液は「見かけのガラス化」の後のまれに起るランダムな失透の生起を妨
害しなかった。AVSは、使用した液滴か0.5mlより大きい場合および「見
かけのガラス化Jのための0.1mlの液滴である場合において、急冷した場合
の凍結作用を評価するために実験で使用した基本溶液である。ガラス化の研究で
は、失透を生じなかった溶液からの結果のみを評価した。
卵母細胞および胚におけるAFGPおよびA、FPの凍結防止特性の評価
A、 F G PおよびAFPの凍結防止特性を評価するために、未成熟ブタの
卵母細胞、ブタの二細胞段階の胚およびマウスの二細胞段階の胚を、AFGPま
たはAFPを含有するかあるいは含有しないAVSを急冷することにより凍結さ
せるために、ガラス化のための0.1mlの液滴または0.5mlより大きい液
滴のなかに導入した。これらの液滴を方向凝固ステージ上て顕微鏡による観察下
に1.700°C/分の速度で一130°Cまて冷却した。これらの温度におい
て15分後に、試料を1.700°C/分の速度で常温まで加温した。胚および
卵母細胞の生存を、インビトロ培養の後に形態および発育状態を解析することに
より評価した。対照実験は、冷却および加温を行わない点を除けば急冷実験と同
じ実験計画において胚および卵母細胞を種々の溶液に曝し、次いてこれらの生存
力を評価することより行った。この実験に使用した糖ペプチドはノトテニア科(
ディスソスティクス・マウソニ)(表1)に属する南氷洋の魚から得た。米国イ
リノイ大学のA、 DeVriesから得られるようなフラクション1〜5(高
分子量)1部とフラクション7および8(比較的低分子量)2部とから成る生理
組成物を使用した。フラクション1〜5は混合物として得、フラクション7〜8
も混合物として得た。実験は糖ペプチド濃度40mg/mlの溶液を使用して行
った。PBSは標準緩衝液である。この特定の値を選択した理由は、研究の結果
、不凍化タンパク質水溶液の凍結点の低下が濃度依存性であり、上述のような濃
度において前記水溶液か飽和に達することが分ったからである。A、L、 De
Vries、 (1988)。
AFGPの凍結防止特性を明確にした後に、マウスの二細胞段階の胚を使用して
パラメーターの検討を行って胚の生存に対する濃度の作用をめた。この動物モデ
ルをパラメーター実験のために選択したのは、糖ペプチドの作用に対して極めて
敏感であることか分ったからである。糖ペプチドの不存在下(糖ペプチド0%)
では胚の生存が達成されなかったが、糖ペプチドの存在下(糖ペプチド82.5
%、胚磐胞段階までインビトロ発育させた際)では胚の極めて高い生存か達成さ
れた。パラメーター検討の詳細を表4にまとめた。ブタ卵母細胞およびブタ胚に
ついての実験方法は下記の例4に記載され、マウス胚については例5に記載され
ている。
表4は、ブタ卵母細胞に次いてブタ胚を使用して已発する下記の例4およびマウ
ス胚を使用して出発する下記の例5の実験結果をまとめたものである。また、表
4には胚および卵母細胞を試験する際に使用した溶液を示す。
存在下では、急激に冷凍またはガラス化された細胞は表4に示細胞に適用した実
験計画は先に記載したもので、この実験計画では胚および卵母細胞を種々の溶液
中に導入し、胚および卵母細胞のうちのあるものには急冷を適用し、他のものは
冷却せずに溶液作用に対する対照として保持する。結果は、ブタ卵母細胞につい
ては、インビトロ成熟後にMI段階またはMI[段階に達した卵母細胞の数と、
実験計画を適用した卵母細胞の全数との比として示す。ブタ胚については、イン
ビトロ発育後に四細胞段階に達した胚の数と、実験計画を適用した胚の全数との
比である。マウス胚については、胚磐胞段階に達した胚の数と実験計画を適用し
た胚の全数との比である。括弧内の数値は百分率で示した上述の比を示す。
ブタ卵母細胞、ブタ胚およびマウス胚をA、 V S溶液に曝した実験は、この
溶液か損傷作用を有していないことを示した。しかし、胚および卵母細胞をAV
S溶液中で極低温まで急冷またはガラス化した場合には、1個の胚または卵母細
胞も生存しなかった。これらの結果は、これらの細胞に対する損傷か冷却および
極低温に曝された結果であることを示す。顕微鏡検査は、AVS溶液中ての急冷
による主な損傷位置か、卵母細胞の場合には卵細胞膜であり、胚の場合には卵割
球膜であり、卵細胞膜δよび卵割球膜は図面、特に図4B、5Aおよび6Bに示
すように保全性を保持しないことを示した。しかし、糖ペプチドのと相互作用さ
せ、また細胞膜の構造保全性を保護すると共に細すように生存力を保持していた
。
図12および13には、4°Cに4時間および24時間保持した卵母細胞につい
ての膜電位を示す。1〜40mg/mlのAFGP濃度において生存力を示す膜
電位か劇的に保持されていることか図13に示されている。図12および13の
数値は平均値士標準偏差の1倍である。各実験グループは5個の卵母細胞から成
り、nはグループ数を示す。
特に、実験3に記載されているように、細胞膜は糖ペプチドによって保護されて
いた。
有用性
上述の説明から明らかなように、本発明のAFPおよびAFGPの水性組成物は
、細胞の保存、膜の保存、組織の保存、臓器の保存、あるいは植物全体または動
物全体の保存に有用である。
一般的に、不凍化タンパク質は水溶液の見掛けの凍結点を非束−的に低下させる
性質を有し、その結果凍結温度か融解温度より低くなる。また、不凍化タンパク
質は、氷の結晶の種々の小面の上における成長を抑制または制限するか、C軸に
沿った成長を許容するという一般的性質を育する。今日まで、これらのタンパク
質を他のタンパク質、特に細胞膜表面のタンノ(り質胞膜を通る漏洩を止めかつ
イオン通路を閉塞するのにも使用できることは全く知られていない。これらの性
質およびその適用か観察され、発明の一部として記載されたのは、最初のことで
ある。
細胞膜におけるAFGPの効果
当初、氷の結晶成長の変化における不凍化タンパク質の効果は、氷結以下の温度
で細胞、組織、臓器および動物全体を保存する際にこの性質を利用する点に集中
されていた。しかし、細胞膜の形態を評価している上述の研究および例1および
4(または表4)のような実験では、不凍化タンパク質が膜の形態およびその構
造保全性を完全に保護することか一貫して明らかにされた。それ故、不凍化タン
パク質が細胞膜と直接に相互作用することにより、また不凍化タンパク質か細胞
膜に直接に接触することにより保護作用をするかどうかを明確にするために、手
順を開発した。
ブタ卵母細胞をこの研究における実験モートとして選択した。
なぜならば、こちらの卵母細胞はlOoCのような高さの低温に、すなわち、相
転移温度より高い温度にさらした際に生存てきないためである。それ故、細胞に
対するAFGPの効果を、相転移温度より高くしかも正常体温より低い温度で研
究する実験を計画した。AFGPの保護効果か確められた場合でも、この保護効
果は化合物か氷の結晶形態を変える性質または氷結晶の形成を抑制する性質とは
直接には関係していないと思われる。
卵母細胞をノトテニア科の魚からの不凍化機タンパク質(表1のフラクション1
〜5)を含む標準緩衝PBS溶液の種々の溶液に導入した。これらの溶液を定温
雰囲気内に種々の時間にわたって維持し、次いて膜電位を調べた。また、構造保
全性を顛微鏡評価により調へた。
無傷の卵細胞膜についての判定基準を確立するために、予備実験を卵母細胞の各
バッチについて行った。この際、新鮮な卵母細胞の膜電位を22°Cて測定した
。電位の平均値Uおよび標準偏差Vを各バッチについて計算した。平均値および
標準偏差を、緩衝溶液中、およびA、 DeVries、同上から得られるよう
な40mg/mlの不凍化糖ペプチドフラクション1〜8(表1)を含む緩衝溶
液中の新鮮な卵母細胞について測定した。
を要約したものである。表4は、40°CにおいてAFGPの異なる濃度および
異なる時間における各実験条件に用いた卵母細胞の数に対する無傷の卵細胞膜を
有すると思われる卵母細胞の数の割合を与える(カンコ内の数値は百分率で表わ
した割合である)。
比較すると、糖ペプチドか各卵母細胞の静止電位に対して小さい効果を有するこ
とが分かる。卵細胞膜の保全性をめるために、2つの統計的判定基準を一方か他
方よりきびしくならないように定めた。卵母細胞における卵細胞膜は、測定した
静止電位差の絶対値が: u + : V :または)u: :2V:のいずれ
かの絶対値より大きかった場合に、無傷であると考えた。
卵細胞膜の構造保全性の評価からの結果は電位測定と一致しており、これらの結
果を図7A、 7Bおよび7Cに示す。これらの結果は、膜が糖ペプチドの存在
下において形態学的に無傷に保存されることを明示している。さらに、低温にさ
らされている間の最も一般的な損傷の原因と思われるイオン漏洩は不凍化タンパ
ク質の存在下に有意に抑制される。これは、不凍化タンパク質が細胞膜を低温で
保護する能力およびイオン通路を閉塞する能力を有することを意味する。細胞お
よび臓器の低温保存にこの新規な技術を使用した結果は、後述の例6および7の
それぞれに与えられている。
この研究以前には、不凍化タンパク質か細胞膜を保存し、かつイオン通路を閉塞
する官用な特性を有することは全く知られ哺乳動物、例えはラットからの臓器全
体、例えば、肝臓の凍結保存を後述する例2,7および7Aに記載する。臓器は
外科的に摘出し、保存溶液中に20〜37°C1好ましくは24°Cて保持する
。
主血管にカニユーレを挿入する。周知のランゲンドルフ潅流システム(例えば、
クレブス溶液および1 mg/m1〜100mg/mlの不凍化ポリペプチドの
入っている第1ボトルを使用する)を用いる。例えば、D、 E、 Pegg等
(1986)、Cryobiology、Vol、23. pp、150〜16
0参照。
溶液の第2ボトルには、生理適合性食塩水および適当量のグリコール、ジメチル
スルホキシド、エチレングリコール、ポリビニルピロリドン、グルコースなど、
または生体臓器の細胞にとっての保護剤として知られているこれらの物質の混合
物を入れる。
溶液のこれらの2個のボトルを既知の調整可能な流量(例えば0.1〜10−7
分、好ましくは約5−7分)を育する混合弁および流量を正確に変えるコンピュ
ータに連結し、各ボトルの内容物を潅流直前に混合する。
ボトルlおよび2の溶液を用いる潅流は腎臓については上述するり、 E、 P
egg等(1988)の文献に記載され、心臓についてはG、 N。
れているように、当業界においてよく知られている。クレブス溶液は約20〜3
7°Cに保持された臓器を経て約4 ml/分の速度で潅流させる。
混合スイッチは、中間量のクレブス溶液およびグリセリン溶液を、コンピュータ
により制御された時間の長さ、例えば0.01秒のパルスで供給する。2種の溶
液は送出管または特定の混合室内で混合される。
不凍化タンパク質/クレブス溶液を初めに調節し、潅流プロセスの終りに1 m
g/ml〜40mg/mlの濃度を組織の血管腔内て達成する。大部分のAFP
は臓器の脈管腔(血管床)内に(肝臓または血管の細胞内ではない)見い出され
る。通常、AFP (rAFGPJ )は分子量が大きすぎて細胞膜を有意に貫
通することはない。次いで臓器、例えば肝臓を米国特許第4.531.313号
明細書に記載されているように冷却段階に置き、次いて全潅流臓器の温度を一3
2°Cまたは一70°Cまで、あるいは−150″Cに達するまて1°C/分の
速度で冷却する。次いで臓器を所要に応じて液体窒素を用いて一196°Cまて
冷却するかあるいは液体ヘリウム中で4Kまで冷却し、この温度に不定時間(例
えば72時間)保持する。次いで、凍結臓器を冷温の液体または温かい液体、例
えば水または食塩水中に浸すことにより、既知の技術を用いて最高37°Cまて
約0.1〜10″C/分(好ましくは約1°C/分)の速度て注意しなから解凍
する。あるいはまた、注意深く制御したマイクロ波加熱を用いて潅流臓器、例え
ば肝臓を解凍する。解凍臓器(肝II)が約O″Cに達した際に、クレブスの栄
養溶液を太いカニユーレ挿入血管を経て潅流させる。約20〜37°C1好まし
くは37°Cに加温された際に、解凍臓器は細胞機能を回復すると共に、臓器機
能を回復する。保存組織試料を所要に応じて採取する。
ラットの肝臓冷温貯蔵に対するAFGPの効果の系統的研究を行なって対照貯蔵
溶液とAFGP含有溶液とを比較した(例7A参照)。
得られた結果は異なる3種の貯蔵期間、すなわち6,12および24時間につい
て比較されている。機能試験は胆汁の生成および乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH
)の酵素活性を含んでいる。クレブス溶液を対照溶液として選定する。この選択
の理由は他の貯蔵溶液の保護特性とAFGPの効果とを別けるためである。
有用な補乳類の臓器は肝臓、腎臓、心臓、脳、肺、膵臓、膵臓、卵巣、胃などを
包含する。哺乳動物、例えばヒトの臓器か哺乳動物全体、例えばラットおよびヒ
トの低温保存は後述の例1. 2. 7および7Aから実施可能である。成熟し
た哺乳動物、例えばラットに麻酔をかげ、頚静脈(carotid vein)
または大動脈にカニユーレを挿入する。
コンピュータ制御混合スイッチは、コンピュータによって制御された時間の長さ
、例えば0.01秒〜0.1秒〜1秒の間ばっと開いて、中間量の溶液1 (グ
レブス溶液)および溶液2(グリセリン/塩溶液)を供給する。これらの2種の
溶液は送出管内あるいは随意に特別に設けた混合室内で混合される。
先ず、クレブス溶液を哺乳動物を経て短時間潅流させる。約1、000〜3.0
00単位のヘパリンを添加して凝血を抑制する。
細胞用の低温保存剤として知られている溶液、例えば食塩水中のグリセリンを、
ここに記載した混合スイッチ配置を使用して、臓器を経て潅流させる。
随意に、ライスコンシン大学溶液またはユーロコリンス(Euro−Colli
ns)溶液のような代用血液を潅流溶液に添加する。
次いて、ラットに不凍化ポリペプチド溶液(例えば、例1)を0.1〜10m1
/分の流量で20分間潅流させる。哺乳動物の体温は2°Cより低い温度まで低
下する。次いで、哺乳動物を外部から内部まで0.1〜lO°C/分の速度で冷
却する。
次いで、この哺乳動物を一18°Cまたは一150°Cまたは4Kまで冷却し、
この温度に不定期間、例えば7日間〜7ケ月間保持する。次いて、凍結しだ哺乳
動物を酸素/窒素(20/80 : v/v)の存在下に約O″Cまで約0.1
−1.0°C/分の速度で解凍する。栄養代用血液、例えばヘパリン(約1.0
00単位)を頚静脈を経て哺乳動物に潅流させ、この哺乳動物をその正常な生体
温度まで加温する。組織機能、臓器機能および動物全体の機能が回復さ凍結保存
を細胞、例えばヒト卵母細胞、ブタ卵母細胞、胚、ヒトまたは白血球、血小板、
例えば膵島、肝細胞、角膜、皮膚について説明する。例4および5参照。本質的
に、例3,4δよび5に記載したように、種々の凍結防止剤、例えばグリセリン
、プロピレングリコールを、不凍化タンパク質と共に細胞内に導入する。5Mプ
ロピレングリコールのような異なる凍結防止剤溶液を凍結またはガラス化のいず
れかが生じるように選択する。次いて、細胞または組織を、例えば1.750°
C/分の冷却速度または一130°Cから一180°Cまたは4にの温度にする
のに必要ようなような高い冷却速度で、凍結またはガラス化か生じるように急冷
し、これらの温度に不定期間保持する。次いて、細胞または組織を注意して解凍
する。細胞機能および組織機能か回復される。
急速な凍結またはガラス化による臓器の保存手順は全臓器保存セクションに記載
したと同しである。但し、凍結防止剤濃度を5Mプロピレングリコールのような
高いレヘルにし、かつ冷却速度を先願における低速凍結とは対照的に所望のよう
に急速な凍結またはガラス化か生しるのに十分な1.750”C/分のような早
い速度にする。不凍化タンパク質の使用はガラス化による臓器組織の保存を成功
させのに不可欠である。
急速な凍結またはガラス化による哺乳動物全体の保存この場合も、手順は低速凍
結により哺乳動物全体を保存する場合と実質的に同しである。但し、5Mプロピ
レングリコールのような高濃度の凍結防止剤および1750°C/分のような高
い冷却速度を使用する。不凍化タンパク質の潅流は保存に不可欠である。いくつ
かの例を後に記載する。
細胞の低温保存
肝臓の細胞を、先ずAFGP水溶液と接触させる以外は、例6の手順を繰り返し
行う。これらの細胞は冷却状態で生存し、生理温度に注意しながら加温し1こ際
に生存能力を有している。
冷温貯蔵における臓器の低温保存
臓器、例えば肝臓または心臓をAFGP水溶液と接触させる以外は、例6の手順
を繰り返す。この臓器は冷却状態て生存し、生理温度に注意しなから加温した際
に生存能力を有している。
連続潅流による臓器の低温保存
不凍化機タンパク質を含をする血液を臓器を経て連続的に潅流させる以外は、例
7の手順を繰り返す。
冷温貯蔵による哺乳動物全体の低温保存潅流を哺乳動物全体に適用する以外は、
例7または7Aの手順を繰り返す。
連続潅流による哺乳動物全体の低温保存この例は、不凍化タンパク質を含有する
代用血液も動物を経て連続的に潅流した以外は、上述の保存と本質的に同しであ
る。
細胞、組織、臓器、哺乳動物の低温保存不凍化タンパク質を、高温損傷がら保護
するのを望む細胞、組織、臓器、哺乳動物と接触させる以外は、例6を繰り返す
。
最適でない化学的環境からの細胞、組織(皮膚)、臓器 哺乳動物の保存
高濃度の二酸化炭素のような非生理化学的雰囲気を存在させる以外は、例6の条
件を繰り返す。
細胞膜の保存
細胞膜を不凍化タンパク質を含む生理適合性溶液と接触させる。
イオン通路の閉塞
細胞膜を不凍化タンパク質を含む生理適合性溶液と接触させる。通路において、
例えばナトリウムおよびカリウムが実質的に阻止されるのか見出される。
不凍化タンパク質による結合
種々のマクロ分子を不凍化タンパク質に人工的に結合させ、次いて細胞懸濁物、
組織、臓器または哺乳動物全体中に導入する。次いで、この不凍化タンパク質を
細胞膜に結合させ、これにより分子を細胞膜の付近にもたらす。
図面の簡単な説明
次に、図面を詳細に説明する:
図IA、 IBおよびIC
図IAは通常の凍結プロセスの開始時における生理食塩水中の凍結領域11(i
)および平坦な固−液界面を示す。[JIBは生理食塩水の凍結中における氷1
2(i)の最後の樹枝状、フィンガー状構造を示す。図ICは40mg/mlの
AFPを含む、生理食塩水の凍結中における氷結晶13(i)の針状構造を示す
。図IA、 1Bおよび1cに示す目盛棒14は50μmである。
図1.A、 IBおよびICは方向凝固ステージにおいて4°C/分の冷却速度
で凍結させた水溶液における氷の結晶形感を示す。図IAおよびIBは塩水の凍
結中に起るよく知られている逐次の結果を示す。塩水中において、氷は氷の結晶
の角柱面上で形成し、成長して、顕微鏡的に滑らかな広い表面を形成する(図I
A)。凍結中、氷は氷−水界面に蓄積する溶質を排除する。塩濃度が大きくなる
と、界面における相温度の変化に束−的な低下か生じ、過冷却による構造的不安
定性という周知の現象を経て平坦構造から図IBに示すような樹枝状構造への氷
の結晶形態の変移が生しる。しかし、図ICは、不凍化機タンパク質(40mg
/ml )の存在下では氷の結晶成長パターンが極めて異なることを示す。図1
0は図IBに示す樹枝状氷結晶より寸法の著しく小さい針状 (スパイク状)氷
結晶を示す。不凍化機タンパク質の存在下では、氷の構造は凍結プロセスの開始
時から針状である。偏光を用いると、針状氷結晶はC軸方向に成長していること
を示す。小さい針状氷結晶はこれらの結晶の間に溶液中のAFPおよび他の溶質
を取り込む。図IA、 IBおよびICは、溶質の取り込みかC軸に沿う針状水
の成長を安定化することを示す。不凍化機タンパク質の存在下では、氷の結晶が
極めて小さくなることが観察される。塩水はサブミクロンの大きさの氷針状体の
間に取り込まれる。それ故、塩水は化学ポテンシャルに存意な変化を生じさせる
はと有意には濃縮されない。この結果、水は臓器内では周囲の細胞から移動せず
、脱水されず、血管を拡張させず、かつこれらの細胞を崩壊させない。
図2.A、 2Bおよび2C
図2Aおよび2Bには黒い矢21および白い矢22か記載され、これらの矢は縦
横に区画された洞採血管23(s)に向けられ、洞様血管23(s)は針状氷結
晶の存在を示している。針状氷結晶はすべて同じ方向に向いている。構造的に無
傷の肝細胞は洞様血管を包囲している。丸い核が若干の細胞において明らかであ
り、これを白い点24て示す。丸い氷結晶かすべての細胞において観察される。
図20は太い血管25(bv)における針状木構造を拡大して示している。血管
の縁を黒い矢26で示す。隣接する細胞内の代表的な氷結晶を白い円27で示す
。図2A、 2Bおよび2Cに示す目盛棒28は図3Aは上述するように方向凝
固ステージにおいて4°C/分の冷却速度で凍結させた正常肝組織を示す。連続
する滑らかな氷結晶が拡張した洞採血管(S)の内側に観察される。隣接肝細胞
(h)は脱水されている。
図3Bおよび3Cは表1に示す不凍化機タンパク質に類似する不凍化機タンパク
質(40a+g/ml)を潅流させ、かつ方向凝固ステージにおいて4°C/分
の冷却速度で凍結させた肝臓を示す。太い血管31(by)の断面は血管33内
に閉じ込められた針状氷結晶31を示す(血管の表面は破壊中に形成される砕片
によって傷つけられる)。細胞膜に沿って破壊したボックス状肝細胞34(h)
の輪郭を矢35て示す。肝細胞の寸法および形状は正常肝細胞の代表的なもので
ある。
図3Dは不凍化糖タンパク質を潅流させ、方向凝固ステージにおいて4°C/分
の冷却速度で凍結させた肝組織を示す。破壊は細胞膜に沿って行われ、細胞は波
形に除去されて、階段状に配置された肝細胞36(h)の後方に残る。ボックス
状の正常な大きさの肝細胞の輪郭を黒い矢37て示す。
図3Eは約4000°C/分の冷却速度で凍結させ、かつ細胞膜に沿って破壊さ
れた正常肝組織を示す。細胞は波形に除去さ0て、矢て示すように、階段状に配
置された正常な大きさのボックス状肝細胞38(h)の後方に残る。胆管39(
bd) (カンナクルス(cannaculus)は無傷で保存されている。図
3A〜3Eに示す目盛棒40は10μmである。
図4A、 4Bおよび4C
図4は未成熟ブタの卵母細胞の凍結保存に関する写真である。
図4Aは一130°Cに冷却中の透明な液滴中の1個のブタ卵母細胞を示す。液
滴の暗色の環状縁か示されている。
図4BはAVS溶液中で一130°Cまて急冷し、次いて44時間インビトロ培
養し、染色した後のブタ卵母細胞を示す。細胞質は完全に退化し、膜(卵細胞膜
)は無傷(intact)てはない。
図48はAVS溶液中で急冷した後に生存能力かあるとは考えられなかった卵母
細胞の外観を示す。写真は膜(卵細胞膜)か無傷でなく、核細部か認められない
卵母細胞を示す。
図40はAFGPを含むAVS溶液中で極低温まで急冷しても生存し、この結果
として培養核成熟においてM2段階培養M2に達した卵母細胞を示す。これはブ
タ卵母細胞か極低温にさらされた後に生存し、インビトロ発育する条件下に開発
された最初の方法であることを強調する必要がある。
図40は一130°Cまで急冷した後にM2段階に達した卵母細胞の外観を示し
ている。核発育段階が明らかである。
図4Dは、44時間の温置後に正常形態を示すが核成熟(g、 v、段階)を示
さない表1に示されているような不凍化糖タンパク質(40mg/ml)を含む
AVS溶液中チー130°Cに急冷した後のブタ卵母細胞:無傷卵細胞膜、無傷
g、 v、膜、正常細胞質の形態を示す(写真の底部は若干の堆積(co+nn
+ulυS)細胞を示す)。図4の目盛棒は50μmである。
図4Dは40mg/mlのAFGPを含むAVS中で急冷された卵母細胞を示す
。この卵母細胞は核成熟を受けていない(g、 v、段階に留まっている)ため
に、生存能力かあるとは考えられない。それにもかかわらず、細胞は無傷の卵細
胞膜および無傷のg、 v、膜を有する正常形態を示している。図4Dにおける
卵細胞膜の無傷の外観は、AFGP溶液の存在下に冷却されたすべての卵母細胞
を代表するものであって、AFGPの不存在下(図4B)と対比してAFGPの
効果を説明するためのものである。この−組の実験はAFGPが凍結防止効果を
有することを明示しており、この効果は厳しい温度条件にさらされた後に細胞膜
の保全性が保持されていることに関連する。
図5Aおよび5B
図5は二細胞段階におけるブタ胚の凍結保存に関連する写真である。図5の目盛
棒は50μmである。
図5AはAVS溶液中で一130°Cまで急冷し、24時間温置した後の二細胞
胚を示す。膜の完全崩壊が明白である。
図5AはAVS溶液中で急冷した後に培養したブタ胚の外観を示す。細胞は明ら
かに生存能力かなく、制球膜の崩壊が完全である。
図5Bは一130°Cに急冷した後の二細胞段階胚から発育した正常な四細胞段
階胚を示す。写真の上部右手側は二細胞段階に留まっている胚を示す。発育に失
敗した胚においてさえ、膜の明らかな保全性か明白である。図5の目盛棒は50
μmである。
[N5BはAFGPを含むAVS溶液中で急冷した後およびインビトロ培養した
後の四細胞段階におけるブタ胚を示す。明らかに、図5Bに示す胚は極低温にさ
らされても生存し、インビトロで正常に発育した。これは二細胞段階におけるブ
タ胚の成功した凍結保存方法の最初のレポートである。
追加の重要な情報は図5Bに見ることができる。写真の上部右手側は二細胞段階
に留まっているブタ胚を示し、すなわち、我々の基準に従って急冷しても生存し
ていなかったことを示す。
それにもかかわらず、制球膜の明らかな保全性か認められ、これは図5Aにおけ
る崩壊した膜の外観に匹敵する。
図6A、 6Bおよび6C
図6は二細胞段階におけるマウス胚の凍結保存に関連する写真である。図6の目
盛棒は50μmである。
図6Aは72時間温置後にAVS溶液中−130°Cまでの冷却中における透明
液滴中の1組のマウス胚を示す。
図68は縮んだ制球を有する二細胞段階に留まっている胚の1個を示し、これは
膜の損傷を意味する。第2の胚では制球膜は完全に崩壊している。
図68はAVS溶液中で急冷した場合に生存しなかったマウス胚の外観を示す。
図6Bにおける1個の胚の制球は縮んでおり、これは膜の保全性が失われている
ことを意味する。膜の崩壊は写真に示されている他の胚の制球においてほぼ完全
である。急冷された卵母細胞および胚の生存は、50mg/mlのAPを基本の
AVS溶液に加えても、改善されなかった。細胞膜の保全性はいずれにおいても
改善されず、実際上、AVS溶液中またはAPを含むAVS溶液中で急冷された
胚と卵母細胞との間には生存および形態における差異は全く認められなかった。
図60はAFGPの存在下に一130°Cまで冷却した二細胞段階のマウス胚の
インビトロ培養で生成する胚盤胞の代表的な外観を示す。
40mg/mlのAFGPを含むAVS溶液中での冷却で生成する正常マウス胚
盤胞の代表的な外観を図60に示す。AFGPの存在下におけるマウス胚の高い
生存率82.5%は、AFGPの不存在下における0%の生存率と較へた際に、
AFGPの凍結防止特性を明示するものである。
これらの結果と同様に意味のあるのは生存に関する結果であり、同様に重要なの
はブタ卵母細胞における卵細胞膜およびブタ胚における制球膜の保全性がAFG
Pの存在下に冷却した場合に保持されていることを示す顕微鏡観察である。顕微
鏡による証明は、卵母細胞および胚をAFGPの存在下に極低温まで急冷した場
合に、45個のブタ卵母細胞のうち35個(82,2%)において、また23個
のブタ胚のうち23個(100%)の制球において膜か無傷であったことを示す
。二細胞段階のブタ胚の保全性は図5Bに関してすてに説明されている。
図5および6の結果は、40mg/mlのAFGPの添加かブタ卵母細胞および
ブタ胚のそれぞれについて24.5%および26%の生存率、およびマウス胚に
ついて82.5%の生存率のように、胚および卵母細胞の生存率を著しく改善す
ることを示している。
マウス胚か生存能力に対する明白な基準を与えるため、またAFGPの存在下に
おける生存率か高いため、この動物モデルは、パラメーターの研究に特に有用で
ある。また、AFGP濃度の効果についてのパラメーターの研究の結果は上記表
3に記載されており、20mg/mlより高いAFGP濃度における極めて高い
生存率と1.0mg/mlより低い濃度における極めて低いかゼロの生存率との
間で急激な変化を示している。
ここに示した結果は、AFGPが極低温における異なる動物モデルの生存を容易
にすることを明示している。また、この結果は、保護機構が、極低温にさらされ
ている間、細胞膜の保全性を維持するAFGPの能力に関連していることを示し
ている。AFGPに類似した形態の溶液中における凍結プロセスを変えるAFG
P化合物は、時として膜の構造保全性を維持する効果を育していないこ図7A、
7Bおよび7Cは、AFGPの不存在下(図7A)、および40mg/mlの
AFGPの存在下(図7Bおよび図7C)に4°Cて4時間保存したブタ卵母細
胞を示す。これらの図面は卵細胞膜かAFGPの不存在下に(図7A)損傷を受
けることを示す。生きていない細胞であってもAFGPの存在下では無傷のまま
であり、またM2段階への卵母細胞のインビトロ発育を容易にする(図7C)。
表4の結果は、不凍化糖タンパク質の添加が細胞膜を保護する際およびイオン通
路を閉塞する際に有用であることを示す。不凍化糖タンパク質1〜5および7〜
8(表4のフラクション)のそれぞれかイオン流れを保護しないという観察結果
、並びに不凍化タンパク質1〜5および7〜8を併用してもイオン流れを保護し
ないという観察結果は、各タンパク質が異なるタンパク質およびイオン通路の保
護に有効であること、すなわち、特異的であることを示す。それ故、A FGP
はすべて完全な保護に必要であり、また個別的にこれらのAFGPは部分的な保
護を行う。
図8および9
図8はクレブス溶液のみを潅流させ一35°Cまて冷却したラット肝臓の写真で
ある。
図9は南氷洋の魚から得られた20mg/mlのAFGPフラクション1〜8(
表1参照)を含む図8の場合と同じクレブス溶液を潅流させたラット肝臓の写真
である。
理論により拘束しようとするものではないか、AFGPの保護効果は分子の特別
な化学構造に関連すると思われる。極低温にさらされている間に細胞膜に与えら
れる保護は、膜タンパク質の親水性部とAFGPとの間に形成する結合の結果で
あると考えることかできる。AFGPにより与えられる保護は濃度に非直線的に
依存することが明らかにされており、この事は完全保護のためにはすへての結合
を細胞膜とAFGPとの間に形成させる必要があり、生存は細胞膜とAFGPと
の部分相互作用によっては不可能であることを示す。
次に示す例は本発明をさらに説明し、記述し、かつ明確にするためのものである
。これらの例はいがなる限定をも意味するリン酸緩衝液(PBS)は標準溶液で
あり、ここに示すように成分を補充することができる、例えば高分子量AFGP
1〜5は氷結晶構造を変化させるのに著しく関係と思われ、低分子量AFGP
の生物学的機能は不明のままである。これらは分子量の大きい糖ペプチドより凍
結点を抑制する効果が低く、しかもこれらは極めて高い濃度で血清中に存在して
いると思われる。
フラクション1〜8(表1)からの使用したAFGPは南氷洋の魚に見出される
ものと互いに実質的に同じ割合である。フラクション6は魚に微量存在し、次の
実験におけるフラクション6の存在または不存在(フラクション1〜8の濃度で
)は実験において無視てきる効果を有するものと仮定する。
本発明における水溶液中のAFPまたはAFGP、特に表1のフラクション1〜
8の好ましい濃度は約1〜50mg/mlの範囲である。
ある適用例では、20〜40mg/mlの範囲が好ましい。
観察できるように、氷の結晶形成は血管および周囲の細胞組織および細胞膜の主
な崩壊原因である。
明らかなように、細胞膜構造は最小の崩壊を示す。細胞組織は別々に維持されて
いると思われ、細胞膜は本質的に無傷に見え、血管は有意には拡張されていない
。
(a)年齢45〜50日の成熟した雌のスブラギューダウレイ(Sprague
−Dawley)ラットに外科処置の間エーテル麻酔をかけた。
腹部を正中線切開により開いて肝臓を露出させた。門脈を露出させ、カニユーレ
を挿入した。直ちに、1.000単位のへノ(リンを門脈に注入した。この処置
の次に、南氷洋の魚(デイスソスティリス マウソニ)(表1参照)からのフラ
クション1〜5および7. 5(25/75)の生理的組成を有する200mg
のAFGPを含有する5mlの生理食塩水を注入した。随意に、グリセリン/食
塩水を肝臓を経て潅流させた。AFGPは上記表1に示したものを用いた。ディ
スソスティクス マウソニからのAFGPと表1のAFGPとは互いに本質的に
同じ分子量および割合を有していた。
不凍化糖ペプチドNo、1〜5およびNo、6〜8の組合せはl/3W/Wの割
合で用いた。門脈は逆流を防ぐために直ちに締めつけた。2分間以内に、肝臓の
数個の方形試料(大きさ8X3X3mm)を、ローブ(lobe)の周縁から約
3mmの所で単一半径方向レザーカットで切断し、2個のNO61カバーグラス
上に縦に載置した。全部で4回の動物実験を行った。
最初のカバーグラスを直ちに、真空下に一213°Cに維持された窒素スラッシ
ュ(slush)中に投入した。沸騰は認められなかった。冷凍中の冷却速度は
約4.000℃/分とした。同時に、他のカバーグラスを上述した方向凝固ステ
ージに移した。試料を25°Cの当初温度から35°Cの最終温度まで4°C/
分の冷却速度で凍結させた。凍結時間は約15分であった。凍結後に、凍結試料
を直ちに液状窒素スラッシュ中に浸し、AMRAY 1000低温走査電子顕微
鏡(LTSEM)に移した。試料は顕微鏡の低温室内で破壊されて、ローブの外
面から約2mmの区域が露出し、金被覆され、凍結水和状態でLTSEMの冷凍
段階に移された。
LTSEMから得られた写真は不規則に破壊された三次元表面の二次元像である
。写真は200〜5.000倍に変動する倍率で撮った。
図2A、 2Bおよび2CはAFGPを潅流させ、窒素スラッシュ中で凍結させ
た肝組織からの結果を示す。これらの写真はAFGPが哺乳動物の組織における
凍結パターンを変化させることを示している。図2Aおよび2Bは1.000倍
の倍率で操った凍結組織を示す。
図2Aおよび2Bは凍結組織を僅かに放射エツチングした後に得られたもので、
氷結晶の輪郭を示している。個々の細胞が示されており、いくつかの細胞には核
も見られる。細胞中の氷結晶は血管中の氷結晶とは異なる。細胞の内側の氷結晶
は組織を液状窒素スラッシュに投入することにより形成した代表的な氷結晶に類
似している。これらの氷結晶は形状が丸く、ミクロン範囲の寸法を有し、細胞全
体にわたって均一に分布する。しかし、AFPを潅流させ血管中の氷結晶は著し
く異なる。氷の結晶構造はサブミクロン範囲の寸法を有する針状体である。また
、この構造はAFP水溶液の冷凍中に観察される構造と極めて類似している(図
IC参照)。図2A、 2Bおよび2Cは縦方向および横方向に破壊されたすべ
ての血管における氷の針状結晶を示しており、この氷の針状結晶は血管の相対的
方向とは無関係に同じ方向に配向している。
これらの結果は、AFGPの存在下に組織中に存在する水が、血管の方向には広
がらないで、安定なC軸方向に配向しておそらく温度勾配の方向に成長する氷結
晶を含有していることを示している。この事は、AFGP溶液中ての冷凍中に、
針状体間に閉じ込められた溶質か安定化し、氷結晶をC軸の方向のみに成長させ
ることを報告している初期の研究に一致している。それ故、結晶の成長はAFG
Pを含まない溶液を凍結させる場合とは異なりており、AFGPを含まない溶液
を凍結させる場合には氷結晶は氷結晶の六角柱小面の異なる配向方向に沿って成
長することができ、氷結晶が細胞境界のような障害に遭遇するときはいっても方
向を変えることができる。AFPの存在下では、C軸の方向における成長は極め
て安定しており、氷結晶が細胞境界に遭遇する場合には氷結晶の配向方向は変え
ることができない。すべての針状氷結晶は血管境界で終わる。また、血管中の氷
結晶は隣接細胞における水の核形成を生じさせない。
太い血管中の針状氷結晶の高倍率の顕微鏡写真を図20に示す。
血管中のサブミクロンの大きさの針状氷結晶と隣接細胞中のミクロンの大きさの
丸い氷結晶との間には有意な違いがあるのは明らかである。針状氷結晶の小さい
寸法はAFPの他の潜在的な適用を教示している。最近、本発明における冷却速
度より数倍大きい極めて高い冷却速度(例えば40.000−100.000℃
/分)が、顕微鏡法のための極めて小さい氷結晶を含有する組織試料の調製に用
いられている。本発明のAFPを潅流させた凍結組織は、実験的に容易に達成す
ることのできる低い冷却速度で組織中に小さい氷結晶を生成させるのに用いられ
る。
図3A、 3B、 3C,3Dおよび3Eは、低い冷却速度で凍結させ哺乳動物
組織の凍結パターンに対するAFPの効果を示す。AFPの存在下に4°C/分
の冷却速度で凍結させた肝組織の構造を図3B。
3Cおよび3Dに示す。これらの図面をAFPの不存在下に4°C/分の冷却速
度で凍結させた肝組織の構造を示す図3A、およびAFPの不存在下に約4.0
00″C/分の冷却速度で凍結させた肝組織の構造を示す図3Eと比較する。
(b)比較のために、図3AはAFPの不存在下に低い冷却速度で凍結させた肝
組織の代表的な構造を示す。血管を囲む完全脱水肝組織の洞採血管に沿う大きい
連続氷結晶が明示されている。
低い冷却速度で凍結させた肝組織では肝細胞か脱水されているために、組織は細
胞膜境界に沿って破壊せず、このために大きい氷結晶の全体にわたって破壊を示
す。
(C) AFPの存在下に低い冷却速度で凍結させた肝組織の形態は著しく異な
る。図3Bおよび3Cは100OXおよび2000 Xの倍率における太い血管
および隣接組織のそれぞれの断面を示す。代表的な例ではAFPを含む冷凍溶液
中に見い比されるサブミクロンの大きさの針状木構造(図IC)は血管中で明ら
かである。血管中のすへての氷結晶は同じ配向方向を有し、これらは血管境界に
おいて終わっている。図3Bおよび3Cにおける針状氷結晶の構造は、同じ冷却
速度であるがAFPの不存在下に凍結させた組織の血管中で観察された平滑な単
一氷結晶構造(図3A)とは著しく異なる。それぞれ4.000°C/分および
4°C/分の冷却速度の場合に得られた図2A、 2B、 2Cおよび3A、
3B、 3C,3Dおよび3Eは、哺乳動物組織を大きい冷却速度範囲にわたっ
て冷却する場合に、AFPが類似のサブミクロンの大きさの安定な針状氷結晶構
造を生成させることを示す。
(d)図3B、 3C,3Dおよび3Eにおける破壊は細胞膜に沿って生じ、こ
の場合に細胞は波形に除去され、階段状に配置された肝細胞の後ろに残る。顛微
鏡写真は、脱水されているとは見えず、実際に正常な形状を保持しているボック
ス様形状の肝細胞の輪郭を示している。図3B、 3Cおよび3Dを図3Aおよ
び3Eと比較すると、図3B、 3Cおよび3Dが細胞膜において破壊した代表
的な寸法を有する確認可能なボックス状肝細胞を示す図3Eと著しく多くの類似
点を有していることか分かる。脱水した肝細胞および膨張した洞様血管中の氷結
晶を示す図3Aは有意に異なっている。
驚くべき結果は、図3B、 3Cおよび3DかAFPを潅流させ、図3Aに用い
た冷却速度と類似している4°C/分の冷却速度で凍結させた試料から撮った写
真であるのに対し、図3EかAFPの存在下に約4.000°C/分の冷却速度
で液状窒素スラッシュ中で凍結させた肝組織の写真であることである。予想され
るように、これらの高い冷却速度で凍結させた場合には、肝細胞の正常な構造か
保持され、図3Eの細胞膜に沿って胆汁を生成する胆管か示されている。AFP
の存在下に低い冷却速度(4°C/分)で凍結させた場合には、脱水肝細胞を細
胞膜に沿って破壊することかてきず、これらの写真は常に氷結晶を示している。
AFPの存在下に4°C/分で凍結させた肝組織の構造は4000°C/分の冷
却速度で凍結させた組織の構造と似ていることが観察される。この結果は哺乳動
物組織での凍結パターンに対するAFPの有意な効果を(a)例1に記載したラ
ットからの全肝臓の凍結保存を臓器全体に適用した。ラットの肝臓を外科的に摘
出し、水溶液中で24°Cに保持した。門脈にカニユーレを挿入した。周知のラ
ンゲンドルフ潅流システム(クレブス溶液を含有する第1ボトルを使用する)を
用いた。手順は、例えば、D、 E、 Pegg等(1986)、Cryobj
ology 5Vo1.23、pp150−160を参照されたい。
第2のボトルの溶液には、塩溶液および適当量の細胞保護剤として知られている
グリセリン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ポリ塩化ビニル グ
ルコース、よたはこれらの物質の混合物を、濃度40mg/’mlの不凍化糖ペ
プチドと一緒に入れた。
コンピュータ制御混合スイッチは、コンピュータによって制御される時間の長さ
、例えば0.OI秒〜0.1秒〜1秒の間ばっと開いて、中間量の溶液1 (ク
レブス溶液)および溶液2(グリセリン/食塩水/AFGP溶液)を供給した。
これらの2種の溶液は特別に設けた混合室内で混合された。
生理的溶液のこれらの2個のボトルを既知の調整可能な流量(例えば約5 ml
/分)を有する混合弁およびコンピュータに連結して、流量を正確に変えかつ潅
流直前に各ボトルの内容物を混合させた。ボトル1および2の溶液を用いる潅流
はG、N、A11nk等(1976) 、Cryobiology 、Vol、
13 、 pp、 295〜304;(1977)Cryobiology
、 Vol、14、pp、 409〜417および399〜408:および(1
978)Cryobiology 、Vol、15、pp、44〜58、および
に、 E、 F、 Hobbs等(1969)、Cryobiology 、
Vol、6 、pp、239〜245に記載されているように周知である。クレ
ブス溶液は4m1/分の速度で24°Cに保持された肝臓を経て潅流させた。
潅流液中のグリセリン/塩類/AFGPの濃度は、約3モルのグリセリンおよび
40mg/mlのAFGPの濃度か潅流されるまで、o、 ootモル10.1
秒の速度で徐々に高めた。次いて、組織に追加の20分間にわたって3モルのグ
リセリン/塩類を潅流させた。次いて、溶液(ffl器中でAFGP O,OO
IM)で潅流された肝臓を冷却段階に置き(米国特許第4.531.373号明
細書)、次いて潅流肝臓全体の温度を一150°Cに達するまて1°C/分の速
度で冷却した。
次いて、この肝臓を液体窒素スラツシユを用いて一196°Cに冷却し、この温
度に72時間維持した。次いで、凍結肝臓を温流体による既知の技術を用いて約
0.1〜10°C/分(好ましくは約り℃/分)の範囲の速度で注意しながら解
凍した。あるいはまた、注意して制御したクイクロ波加熱を用いて潅流肝臓を解
凍した。
解凍肝臓が約0°Cに達した時に、クレブス栄養溶液を、カニユーレが挿入され
ている太い血管を経て潅流させた。37°Cに温められた時に、解凍肝臓は組織
機能と共に臓器機能を回復した。
臓器の生存可能性を凍結および注意深い解凍に続く胆汁の生成により調べた。
(b)上記(a)におけるラットの肝臓をラットの腎臓と置き換え、手順を繰り
返し、生存能力のある組織機能および回復した臓器機能を有する解凍腎臓を得た
。
(C)上記(a)におけるラットの肝臓をう・ノドの心臓と置き換えた場合に、
心室からの血液の直接除去を含む潅流を行うために心組織に特定のいくつかの追
加処理を行った。不凍化ポリペプチド潅流心臓を凍結させ、注意して解凍し、適
当な生物流体を潅流させた後に、生存能力のある組織機能および生存能力のある
臓器機能を有する再活性化心臓を得た。心臓の生存能力を、心筋の回復された収
縮を観察することにより調へた。
(a、)ラット全体の凍結保存を例1および2に記載したよう(こ行った。成熟
したラットに麻酔をかけ、頚静脈にカニユーレを挿入した。
コンピュータ制御混合スイッチは、コンピュータによって制御される時間の長さ
、例えば0.01秒〜0.1秒〜1秒の間ばっと開いて、中間量の溶液1 (ク
レブス溶液)および溶液2(グリセリン/食塩水/AFGP溶液)を供給した。
これらの2種または3種の溶液は送出管内あるいは随意に特別に設けた混合室内
で円滑に混合された。
先ず、クレブス溶液を哺乳動物を経て短時間潅流させた。
2、000単位のヘパリンを添加して凝血を抑制した。
細胞用の低温保存剤として知られている溶液、例えば40mg/−のAFGPを
含有する食塩水中の3モルのグリセリンを、ここに記載した混合スイッチ配置を
使用して、臓器を経て潅流させた。
随意に、食塩水および/または既知のフッ素化炭化水素のような代用血液を潅流
溶液に添加した。
次いでラットにグリセリン/食塩水/AFGP溶液(例えば、例1のもの)を1
0rrd!/分のパルス流量で20分間潅流させた。哺乳動物の体温は2°Cよ
り低い温度まて低下した。次いで、この哺乳動物を外部から内部まで1°C/分
の速度で冷却した。
次いて、このラットを一150°Cに冷却し、この温度に7日間保持した。次い
て、この凍結した動物を酸素/窒素(20/80. v/v)の存在下に0°C
まで107分の速度で注意深く解凍した。クレブス溶液、ユーロコリンス溶液、
ライスコンシン大学(UW)溶液のような栄養代用血液溶液を頚動脈血管を介し
てラットを経て潅流させ、凍結した動物をその正常生体温度(約37°C)まで
徐々に加温した。組織機能、臓器機能および生存能力のあるラット全体の機能か
回復した。
気工
未成熟ブタの卵母細胞およびブタ胚の凍結保存未成熟ブタの卵母細胞をMatt
ioli等(20)による手順により、屠殺後20°Cて20分してから、サク
イリック雌ブタ(cyclic sow)の選定された卵胞から分離した。二細
胞段階のブタ胚を思春期前の未経産雌ブタ(平均体重90Kg)から採取した。
発情誘導を12501、肌の妊娠雌鳥血清ゴナドビン(Pregnant Ma
re SerumGonadopin)(PMSG)(シグマ社、米国ミズーリ
州セントルイス)を投与し、次いて、56時間後に7501.0.のヒト紫膜ゴ
ナトロピン(Human Chorionic Gonadropin)(HC
G)(シグマ社、米国ミズーリ州セントルイス)を投与することにより行った。
2回の人工受精をHCG注射から34時間後および46時間後に行った。HCG
注射を用いる手術から60時間後に、全身麻酔下に中腹部開腹鏡を用いる手術に
より二細胞胚を動物から採取した。
低温にさらすための準備として、先ず胚および卵母細胞を、0.1Mのスクロー
スおよび20%のFe2を含む1mlのPBS中に22°Cて導入した。これに
次いで、Arav(21)により開発された手順により、5%のグリセリン、O
,IMのスクロースおよび35%のプロピレングリコールを含有する1mlのP
BSと3分間にわたり徐々に混合した。胚および卵母細胞を、AVSまたはAF
GPもしくはAFPを含有するAVSのいずれかの0.1μm液滴(液滴当り1
個の胚または卵母細胞)をつけたスライドに移した(実験の条件およびパラメー
タを表4に示す)。冷却前に、ブタの卵母細胞および胚をスライド上で6分間に
わたり22°Cで温度した。
別の実験において、卵母細胞および胚を含有する液滴に上述した冷却/加温計画
を適用した。冷却/加温プロセスを、120×および340×の倍率を有するラ
イフ ダイアプラン(LeitzDiaplan)顕微鏡に取付けた記録用ビデ
オカメラを用いて監視した。図4Aは1.700°C/分の速度で一130°C
まて冷却する間における透明液滴の内側のブタ卵母細胞の代表的な外観を示して
いる。すべての実験において、液滴は340×の倍率で透明てあり、これは肉眼
で見える氷結晶の不存在を示す。1.700°C/分で加温中に、透明な液滴は
図4Aおよび6Aに示す液滴と同じ外観を保有していた。顕微鏡による観察から
、胚および卵母細胞の形感が冷却中および加温中に変化しなかったことが分かっ
た。
加温後に、細胞培養において生存能力をアブセイする準備として、ブタの卵母細
胞および胚を、20%のFCSおよびIMのスクロースを含有する1[[11の
PBS中に室温(22°C)で3分間にわたって導入し、次いで22°Cで10
分間にわたり20%のFCSを含有するPBS中に移し、平衡させた。
細胞培養前に、すべての胚および卵母細胞を細胞培地中で3回洗浄した。ブタ卵
母細胞を、5μg/mlのヒツジの黄体形成ホルモン(NIH520) 、ブタ
の卵胞刺激ホルモン(LER441−2)および20mg/n+1のブタ プロ
ラクチン(LER2073)を含有するように変えたTCM−199培地で培養
した。ブタ胚をグルコースを含まないプリンスター(Brinster)培地て
培養した。細胞培地中で平衡させた後に、卵母細胞および胚を5%のCO2を含
有する空気下にブタ卵母細胞については44時間およびブタ胚については24時
間にわたり37°Cで温度した。
ブタ卵母細胞を酢酸アルコール(1: 3V/V)中て44時間温1した後に固
定し、ラクモイド・スティン(lacmoid 5tain)て染色した。未成
熟ブタの卵母細胞の生存能力を、位相差顕微鏡(20)を用いて、インビトロて
胚胎(germinal vesicularXg、v、)段階から第1中期幅
r)または第2中期Q!n)に発育して正常形態(細胞質緻密性、完全卵細胞膜
、可視核段階)を示す能力により評価した。二細胞段階のブタ胚の生存能力を、
培養の際に完全形態(細胞膜および細胞質)を維持しながら四細胞段階に発育す
る能力により評価した。インビトロ培養は四細胞段階で停止した。その理由は、
インビトロ培養した際にしばしば早期段階のブタ胚が四細胞閉塞(four−c
el、1 block)に遭遇するからである。それ故、さらに温!しても極低
温にさらされた後に胚の生存能力を評価する実験目標にとって有用でなかった。
以下に記載する変更を除いて、例4に記載した手順を繰り返した。
二細胞段階におけるマウス胚を、CBA/CaJ雄と一匹づつ1対にした4週間
生育したC、tBl/GJマウスから得た。雌には5〜7.51、Ll、のPM
SG(シグマ社、米国ミズーリ州セントルイス)に次いで、48時間後i::5
〜7.51.UJ) HCG (シグマ社、米国ミズーリ州セントルイス)を腹
腔内注射することによって、過剰排卵を誘発させた。受精後40時間してから、
卵管をマウスから摘出し、二細胞胚を洗浄し、生理食塩水(PBS)媒質中で貯
蔵した。
低温にさらすための準備として、マウス胚を例3に記載したように1mlのPB
SおよびFCS中に導入した(また、実験条件は表7に示した)。冷却前に、マ
ウス胚をスライド上で4°Cて12分間にわたり温度した。
図6Aは、1.700°C/分の速度て一130°Cまて冷却中の透明液滴の内
側のマウス胚の代表的な外観を示している。すへての実験において、液滴は34
0×の倍率で透明のままてあり、これは見える氷結晶が存在していないことを示
す。1.700°C/分で加温中に、透明液滴は図4Aおよび6Aにおけると同
じ外観を保持していた。胚および卵母細胞の形態は冷却および加温中に変化しな
かったことをか顕微鏡観察によって分かった。
加温後に、細胞培養で生存能力をアッセイする準備として、例3に記載したよう
に、マウス胚を20%のFCSおよび1!l(のスクロースを含む1mlのPB
Sに4°Cで3分間さらし、次いで20%のFCSを含有するPBSに移し、室
温(22°C)で12分間にわたり平衡させた(21)。細胞培養前に、すべて
の胚を細胞培地中で3回洗浄した。マウス胚をT6ホイツテインハム培地(Wh
ittinghammedium)(21)に入れた。
細胞培地で平衡させた後に、マウス胚を空気中5%のCO2の存在下に37°C
で72時間にわたり温度した。
極低温にさらした後にマウス胚の生存能力を、正常な膨張形態を示しなから胚磐
胞段階までインビトロ発育する能力により評価した。実験結果は先に説明した通
りて、表1に示されている。
ブタ卵母細胞をAFGPの存在下にガラス化させる実験中に、24%の卵母細胞
および26%のブタ胚のみか急冷にもかかわらず生存していることが分かった。
しかし驚くへきことには、100%近くの細胞膜が無傷のままであることが観察
された。他方AFGPの不存在下ては細胞膜は100%破壊された。ブタ卵母細
胞か+10°Cより低い温度で生存できないことが報告されているために、0“
Cより高い温度に2けるブタ卵母細胞に対するAFGPの効果を調べた。
未成熟のブタ卵母細胞を、Mattioli等による手順により、屠殺後20°
Cで20分してからサイクリリック雌ブタの選定した卵胞から得た。次いで、卵
母細胞を0.4w/vマイクロモル(microm)/m1のBSA (ウシ血
清アルブミン) 、0.34mMのピルビン酸塩、5.5mMのグルコースおよ
び70マイクロモル/[01のカナマイシンを補給した塩水中に異なる濃度のA
FGP (フラクション1〜8)を含む溶液を収容したビン中に導入した。この
実験に用いたAFGPはノトテニア科(ディスソステイクス マウソニ)に属す
る南氷洋の魚から得た。AFGPの生理的組成物としては、1重量部のAFGP
フラクション1〜5および3重量部のAFGPフラクション7および8 (A、
L、 Decries同上から入手できる)を含有する組成物を、大部分の実
験で用いた。また、AFGPフラクションl〜5およびAFGP 7〜8を別々
に使用して実験を行った。種々の実験パラメ−夕を表1に示す。AFGPの保護
効果を調べるために、卵母細胞を定温室内で4°Cの定温に4〜24時間さらし
た。卵母細胞を4℃の雰囲気から取り出した後に、卵母細胞の保全性をMatt
ioli等による手順により、室温22°Cで卵母細胞の静止膜電位を測定する
ことにより調べた。細胞内電圧の測定はホウケイ酸ガラス管から作った単一微小
電極を用いて行った(Hilgenberg、 FDR)。
(極を水平ブーりて引張り、2M KCIを充填した。電極の抵抗を10〜20
メガオーム(Mo)にした。膜電位を記録するために、微小電極の先端を、ノマ
ルスキー光学素子(Nomarski optics)を装着したライフ フル
オバー) (Leitz Fluovert)顕微鏡により400×の倍率にわ
たって割面できる極微操作装置を用いて細胞の表面に導いた。先端か細胞の表面
を丁度くぼませた時に、増幅器の容量補償を変えることにより誘導される電気的
振動を短時間生じさせることにより、最終貫入を達成した。電位の値は少なくと
も1〜2秒間一定であり、この値を記録した。静止膜電位は膜保全性についての
極めて敏感な基準である。さらに、実験を行って低温条件にさらされた後のある
卵母細胞の生存能力をめた。数個の卵母細胞を基本のPBS溶液中に40m(B
/mlのAFGP1〜8を存在させた溶液および存在させなかった溶液に4°C
て4時間さらし、5μg/mlのヒツジの黄体形成ホルモン(NIH520)、
ブタの卵胞刺激ホルモン(LER441−2)および20ng/mlのブタのプ
ロラクチン(LER2073)を含存するように変えたTCM−199培地中で
5%二酸化炭素の存在下に37°Cで44時間にわたって温室した。温室後に、
卵母細胞を酢酸/エチルアルコール(1:2V/V)に固定し、ラクモイド ス
ティンで染色した。未成熟ブタの卵母細胞の生存能力を、位相差顕微鏡を用いて
、インビトロで当初の胚胎(g、 v、 )段階から第1中期Mlまたは第2中
期M2に発育して正常形態(細胞質緻密性、完全卵細胞期、可視核段階)を示す
能力により、評価した。また顕微鏡観察により膜の構造保全性の定性的評価を行
うことができた。
各実験において、両基準についての結果を表4に示す。すべての測定値の平均値
は一31mVであり、標準偏差は4.5mVであった。これらの値はブタ卵母細
胞についての膜電位の正常範囲内であった。測定電位は極めて敏感であり、膜保
全性の評価手段として認められることが明確であった。表4から、組合せたAF
GPフラクション1〜8は、卵母細胞を低温条件にさらすことにより誘発される
損傷から卵母細胞を保護することか明らかである。氷結晶は4°Cでは存在しな
いから、保護は南氷洋の魚の糖タンパク質と卵細胞膜との間の相互作用によって
生じる筈である。°それ故、実験のこの部分はAFGPか膜を直接保護すること
を示しており、これは従来報告されたことかなかったAFGPの特性である。保
護レベルはAFGPa度の一次関数ではなく、潅流中に約1 mg/mlで飽和
に達し、0.1mg/mlの低い値に低下した。これはタンパク質−タンパク質
の相互作用の代表的な特性であって、この相互作用は糖ハンバク質が卵細胞膜上
の利用できる部位に結合することにより保護作用を提供することができ、またす
へての利用できる部位が占有された場合にのみ保護作用を提供することかできる
ことを示す。これらの利用できる部位は膜タンパク質である。また、表4はAF
GP 1〜8の全生理的組合せが保護に必要であること、およびAFGP 1〜
5とAFGF7. 8とが別々では膜を保護しないことを示している。この結果
が極めて驚くべきものであるのは、相転移温度を低下させかつ氷結晶形成を抑制
するAFGPの効果に関する研究から、AFGPフラクション1〜5がAFGP
フラクション1〜8の全組合せとほとんど同様に効果的に相転移温度を低下させ
ることが分かったからである。他方、AFGPフラクション1〜5は単独では細
胞を保護しないし、AFGPフラクション7および8も単独では細胞膜を保護し
ないことか明らかである。この現象の可能性のある説明は、長さの異なるすべて
の異なるタンパク質が膜の可能性のあるすべての部位への結合に必要であり、ま
た可能性のあるすべての漏洩部位およびイオン通路を閉塞するのに必要であるこ
とである。
4時間にわたり4°Cにさらし、44時間温1した卵母細胞を顕微鏡で評価して
、静止膜電位の測定によって得られた結果を確かめた。AFGPの不存在下に、
2〜20個の卵母細胞だけが完全な卵細胞膜を保持しく10%)、1個の卵母細
胞もインビトロで成熟しなかった(0%)。図7AはAFGPを含まないPBS
中で4°Cで保存した卵母細胞の外観を示す。卵細胞膜は明らかに完全でなく、
細胞質は退化していた。これに対して、40mg/mlのAFGPの存在下では
11〜18個の卵母細胞が完全な卵細胞膜を保持していた(61%)(図7B)
。この結果は、さらに、AFGFが損傷を与える低温条件ににさらされた細胞の
卵細胞膜を保護することを示し、この結果は静止電位の測定と一致している。2
5%近くの卵母細胞が生存し、図70に示すようにM2段階まで成熟した。
手順は例1に記載したものと本質的に同じである。
実験は年齢45〜50日の成熟した雌のスプラギューダウレイラットを使用して
行った。ラットに外科処置によりエーテル麻酔をかけた。腹部を正中線切開によ
り開いて肝臓を露出させた。
胆管を露出させ、カニユーレを挿入した。胆汁を集め、生存能力の基準として用
いた。門脈を露出させ、カニユーレを挿入した。直ちに、1.000単位のヘパ
リンを門脈に注入した。肝臓を摘出し、門脈を経て基本のクレブス溶液で洗浄し
た。その後に、あるモデルにおいては、20a+g/mlのAFGPフラクショ
ン1〜8(魚に見い出された生理的組成物中)(ノトテニア科ディスソスティク
ス マウソニに属する南氷洋の魚から得た)を含有する3mlのクレブス溶液を
門脈を経て注入した。次いて、この肝臓を4°Cの冷凍器内に6時間入れておい
た。その後に、この肝臓を取り出し、これに体温のクレブス溶液を潅流させ、体
温38°Cに維持したプレート上に保持した。胆汁の生成量を生存能力について
の基準として調べた。この試験は生存能力の最良の総括的表示を与えると考えら
れる十分に受け入れられている基準である。結果は、AFGPの存在下では胆汁
の生成速度か4°Cにおいて6時間後に当初レベルの約85%であることを示し
た。AFGPの不存在下では、胆汁の生成速度は正常レベルの約20%まで低下
した。3回の動物実験を対照およびAFGP含有溶液の両者につ年齢50〜55
日のスブラギューダウレイ ラットから肝臓を外科手術により摘出した。腹膜腔
をネアンブタール麻酔下に入れた。胆管にPE−30ポリエチレン製カテーテル
を挿入し、胆汁を外科処置の間10分間にわたって採取した。肝臓を隣接組織か
ら部分的に動かすことかできるようにした後に、16ゲージ「テフロン(TEF
LON)J (登録商標)製静脈用カテーテルを門脈内に導入し、3ml注射器
を用いて1.000単位のヘパリンを含有する3、0mlの潅流用緩衝液を速や
かに潅流させた。上大静脈の遠位を横に切開し、門脈カテーテルに、外科処置の
残りからのO″Cで02およびCO2の955混合物に予め平衡させたクレブス
溶液を潅流させた。上大静脈を腎静脈の上で縛り、隣接する腹膜後の組織から離
し、カテーテルを右肩を切開することによりPE −205ポリエチレンを上大
静脈内に取り付けた。この時に流出液の試料を採取した。次いで、肝臓全体を周
囲組織から注意しながら切り離し、温かい塩水で洗浄した。
貯蔵および単離臓器における潅流
肝臓を試験するために、「テフロン」の潅流線(perfusionline)
を取り外し、南氷洋のノトテニア科の魚(ディー・マウソニ)からの20mg/
muのAFGPフラクション1〜8を含むクレブス溶液3miをカテーテルを経
て注射した。次いで直ちに、肝臓全体を冷クレブス溶液を収容する容器内に入れ
、定温装置に戻した。この装置および肝臓を4°Cの一定温度に維持した。この
肝臓を6.12および24時間貯蔵した。
貯蔵プロセス後に、肝臓を取り呂し、20m1のクレブス溶液を周囲温度で注射
してAFGP溶液を除去した。この肝臓を95%酸素と5%二酸化炭素との混合
物と予め平衡させたクレブス溶液を含有するようにしたシングル バス ラーゲ
ンヅ(single passLargends)rfタイプ潅流回路に挿入し
た。次いて、肝臓およびカテーテルの位置に注意しながら流量を5m1/分から
25[D1/分まで増加させた。肝臓に50分間潅流を行った。肝臓からの流出
液を0〜5.5〜10および10〜25分の間隔て連続的に採取した。
さらに、胆汁を15分間隔て採取した。
対照
貯蔵した肝臓の対照研究のために、肝臓に3mlのクレブス溶液を注射した。次
いで、AFGPを加えないで上述した試験研究条件を使用して処理を行った。温
かい対照肝臓の場合、肝臓を直ちにシングル バス潅流回路に挿入し、必要とす
る流出液および胆汁試料を採取した。
各肝臓から採取した胆汁を調べ、表に記載した。採取した流出液を乳酸デヒドロ
ゲナーゼ(LDH)活性について試験した。LDHについての酵素アッセイを、
標準比色技術(シグマ社ディアクソスティクス・キット(Diagnostic
s KIT)500)を用いて行った。可視紫外用分光光度計を用いた。
実験は35匹のラットで行った。各実験点は3〜5回の動物実験を示す。
胆汁の流れは、肝臓をシングル バス潅流システムに連結した後、3〜5分以内
に始まった。胆汁の流れは5分間の潅流中良好に維持された。ラット肝臓は胆汁
酸塩を生成しないので、任意の摘出した肝臓からの胆汁の生成は約50分より長
く維持することはできなかった。胆汁の生成量は2回目の採取中に平坦域に達し
、潅流継続中このレベルを維持した。図1Oは二回目の採取からの胆汁生成量を
貯蔵時間6,12および24時間に対してプロットとしたグラフである。図1O
は、貯蔵時間が長くなるにつれて、胆汁生成量か次第に減少して行くことを示す
。右下ハツチングカラムはクレブス溶液中にAFGPを存在させて貯蔵した肝臓
からの胆汁生成量を示す。右上りハツチングカラムはクレブス溶液のみを用いて
貯蔵した肝臓を示す。AFGPを用いて貯蔵した肝臓からの胆汁生成量か全貯蔵
時間にわたって有意に増加した。胆汁の流れは24時間貯蔵後に有意に減少した
が、AFGPを用いた場合の胆汁生成量はクレブス溶液のみを用いて貯蔵した肝
臓より改善されていることを示した。
AFGPを用いた24時間貯蔵実験において、潅流プロセス中の代表的なLDH
活性は図1Oの右下りハツチングカラムによって示される。右上りハツチングカ
ラムは対照の肝臓潅流からの結果を示しており、クレブス溶液中に貯蔵した肝臓
は右上りハツチングカラムによって示されている。AFGP潅流貯蔵肝臓の場合
には、酵素の放圧は潅流の最初の5分間に最大となり、次いてその後に対照レベ
ル近くまで低下した。また、クレブス溶液貯蔵肝臓では潅流の最初の5分間に最
大に達した。しかし、その後の活性レベルの低下は対照レベルより有意に高いま
まであった。
酵素比色試験を用いた場合に、LDH活性からのこれらの結果はAFGPの膜保
護能力を示す。LDH活性の高レベルの減少は膜の損傷と関連して報告されてい
るから、この試験は肝細胞膜の保全性を示すものである。LDH試験の結果は、
AFGP中で貯蔵された肝臓の場合には、活性が有意に低下することを示してお
り、これは細胞膜に対する損傷か少ないとこを示す。これらの結果から、貯蔵プ
ロセス中AFGPか細胞膜を保護していることは明らかである。胆汁生成量が増
加することによって示されるように、AFGPによる膜の保護はクレブス溶液単
独に比へて良好な保存能力をもたらした。
成体のウサギ心臓を用いて予備実験および対照実験を並行して行った。
2匹の白色の実験用ウサギ(体重はそれぞれ2〜3 kg)に麻酔をかけた。各
心臓を外科的に摘出した。対照心臓にクレブス溶液を5°Cて30秒間潅流させ
、大動脈室(a、orta chamber)に5mlの標準クレブス溶液(5
°C)を注射した。他方の心臓にはクレブス溶液を5”Cで30秒間潅流さぜた
。大動脈室にを標準電気泳動により精製した20mg/mlのAFGPフラクシ
ョン1〜5および7〜8(表1 ) (25/75 w、w)を含有する標準ク
レブス溶液(5”C)を注射した。各心臓を直ちに5°Cのクレブス溶液を収容
する小さい試験管内に入れ、約0°Cの氷/水溶液中に入れた。
対照心臓(AFGPを使用せず)を0°Cに4時間にわたって保持し、次いでラ
ンゲンドルフ潅流システムに連結し、クレブス溶液(随意に若干のグルコースを
含有させる)を37°Cで1時間にわたって潅流させた。この1時間の間、大動
脈は弱く(あるいは早く不規則に)鼓動していた。37°C(生理的温度)で1
時間経過した時に、大動脈圧は約27mm水となり、大動脈の流れは無視でき、
心臓を通る流量は約2 cc/分てあった。この心臓は活発でなく、1分間に約
30回鼓動していた。視覚的に、心組織の諸部分は死んでいるように、または死
にかかっているように見えた。
また、実験用心臓(AFGP使用)を0°Cに4時間にわたって保持し、次いで
ランゲンドルフ潅流装置に連結し、37°Cてクレブス溶液(随意にグルコース
を含有させる)を潅流させた。37°Cで1時間経過した時に、大動脈圧は10
0mm水を越え、大動脈の流れは12cc/分となり、約47cc/分の心臓血
管流量か測定された。この心臓は活発て、1分間に約160回鼓動していた。視
覚的に、心臓は強壮に見え、これらの測定値は正常の心臓についての値に近かっ
た。
例8
二細胞段階におけるマウス胚を、40a+g/mlの不凍化糖ペプチドを含むT
、ホイッティンハム培地に導入し、5%CO□雰囲気の存在下に37°Cで72
時間温1した。偶然にも、CO□濃度は約8%に増加し、温度は変動はしたが大
部分の時間の間40°Cより高い温度であった。最適雰囲気ではない条件下に温
度した後に、不凍化タンパク質の存在下では80%に近いマウス胚が胚盤胞段階
まで発育したが、不凍化タンパク質の不存在では50%未満のものか胚盤胞段階
まで発育した。この結果は、低温および細胞と適合しない化学的雰囲気における
不凍化タンパク質の他の有用な性質を示すものである。
ここには本発明のいくつかの具体例のみを示しかつ記載したが、生存能力のある
植物または動物の細胞、あるいは解凍した際に細胞、組織、臓器または動物また
は動物が生存能力を持っている生存能力のある組織または生存能力のある臓器ま
たは生存能力のある植物または動物を保存する組成物および方法において、本発
明の思想および範囲を逸脱することなく種々の変更および変化を加えることかで
きることは、当業技術者にとって明らかである。次に記載する請求の範囲の範囲
内に入るすへてのこのような変更および変化を実施することかできる。
FIGURE V(
F二〇どR:8
瓢
(1,イb5Lヒさらし几イ【め正$月鍵11イが関するηF(ツ剰召月乞−肖
[レタrに要 約 書
本発明は低温および高温、または非生理化学的条件にされさられた生存能力のあ
る植物または動物の細胞膜および組織を保護および保存するのに有用であり、か
つ生物植物または動物の細胞または組織中の液体の凍結プロセスを変えるのに有
用である有機分子のような物質の水性組成物に関する。特に、本発明は例えば北
氷洋および南氷洋の魚の体液または血清から誘導した不凍化ポリペプチドまたは
不凍化糖ペプチドの使用に関する。
好ましい不凍化化合物は多重アラニン−アラニン−トレオニン−またはアラニン
−アラニン−アラニン−セグメントを有するポリペプチドに関連している。いく
つかの例において、ペンダント糖基は各トレオニン部分に共有結合している。ペ
プチドまたは糖ペプチドの水溶液を細胞:卵子、精液、卵母細胞、胚、組織、臓
器、またはすべての生存している植物または動物と接触させる。次いて、細胞、
組織、臓器たまは植物または動物を0°Cまたはこれ以下(ある場合には一19
6°Cまたは4K)に注意して冷却および/または凍結し、低い凍結(またはガ
ラス化)温度に維持する。氷が主としてC軸に沿って形成すると、その結果とし
て細胞膜は破壊されず、細胞は脱水されない。細胞、組織、植物または臓器また
は動物の全体を注意して解凍すると、これらのすべては生存能力かあることか認
められる。特に、保存臓器はヒトへの臓器移植に有用である。
PCT/υG91100351
Claims (46)
- 1.低温または高温の条件または非生理化学的条件に曝された生存能力のある植 物または動物の細胞膜を保護および保存するのに有用な組成物において、 少なくとも1種の生体適合性物質および生体適合性水溶液を含有することを特徴 とする生体材料の生存を改善する組成物。
- 2.前記生体適合性物質がガラス化する溶液中で急冷された細胞の生存力を向上 させる物質であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の組成物。
- 3.さらに、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジメチ ルスルホキシド、ポリビニルピロリドン、グルコース、プロパンジオール、カル ボキシメチルセルロース、またはこれらの化合物の混合物を含有することを特徴 とする請求の範囲第2項記載の組成物。
- 4.生存能力のある動物細胞膜は卵子、精液、胚、細胞、組識、臓器全体または 動物全体から選択されたものであることを特徴とする請求の範囲第1項記載の組 成物。
- 5.生存能力のある生体を再生するために低温または高温の条件または非生理化 学的条件に曝される細胞、卵子、精液、卵母細胞、胚、酵素、組織、臓器、また は植物全体または動物全体を生存能力を有する状態で保存する際;熱、放射、ま たは化学的条件によって損傷を受けた組織を医学的に処理する際;食品を保存す る際;皮膚組織を回復、保護または修復するのに使用する化粧品中;および細胞 におけるナトリウムーカリウムポンプの不均衡と関連する疾病を医学的に治療す る際に使用される不凍化糖ペプチドを含有することを特徴とする請求の範囲第1 項記載の組成物。
- 6.生体適合性物質は南氷洋のノトテニア科の魚からフラクション1〜5、6、 7および8としで得られた不凍化糖タンパク質と実質的に同じペプチドから選択 されたものであることを特徴とする請求の範囲第1項記載の組成物。
- 7.不凍化糖ペプチドの約25重量%がフラクション1〜5であり、約75重量 %がフラクション7および8であることを特徴とする請求の範囲第6項記載の組 成物。
- 8.ヒトの細胞、組織、または臓器の細胞膜、またはヒト全体を保存するのに使 用されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の組成物。
- 9.生存能力のある植物または動物の細胞膜を保護または保存するに当り、 前記生存能力のある植物または動物の細胞膜を、受け入れることのできる濃度の 請求の範囲第1項記載の組成物と接触させることを特徴とする細胞膜を保護また は保存する方法。
- 10.生体適合性物質を20〜50mg/mlの溶液として血管内に存在させる ことを特徴とする請求の範囲第9項記載の方法。
- 11.動物の体液の通常の生理的凍結点より高い温度または低い温度で、あるい は非生理化学的条件で、少なくとも1種の動物臓器または動物組織または動物全 体を保存するのに有用な組成物において、 氷の結晶のc軸に沿った氷の結晶成長を促進させ、かつ氷の結晶のa軸に沿った 氷の結晶成長を抑制する少なくとも1種の生体適合性物質、および生体適合性水 溶液を含有することを特徴とする生体材料の生存を改善する組成物。
- 12.少なくとも1種の生体適合性物質はポリペプチド、糖ポリペプチド、また は担体に共有結合しているポリペプチドまたは糖ポリペプチド、またはこれらの 混合物から成ることを特徴とする請求の範囲第11項記載の組成物。
- 13.ポリペプチドまたは糖ポリペプチドは天然の動物源から得られたものであ るか、あるいは天然の動物源から得られたポリペプチドまたは糖ペプチドと実質 的に同じものであることを特徴とする請求の範囲第12項記載の組成物。
- 14.ポリペプチドはーアラニン−アラニン−トレオニン−またはーアラニン− アラニン−アラニン−の多重領域を有し;糖ポリペプチドはーアラニン−アラニ ン−トレオニンの多重領域を有し、このトレオニン残基の実質的にすべてに二糖 類β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−2−デオキシ −α−D−ガラクトピラノースが共有結合していることを特徴とする請求の範囲 第13項記載の組成物。
- 15.ポリペプチドまたは糖ペプチドの分子量は2.000〜50.000ダル トンであることを特徴とする請求の範囲第14項記載の組成物。
- 16.さらに、独立的に、個々の細胞を凍結による損傷から保護することが知ら れているグリセリン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ポリビニル ピロリドン、グルコース、プロパンジオール、カルボキシメチルセルロースおよ びこれらの化合物の混合物からなる群から独立的に選択された化合物を含有する ことを特徴とする請求の範囲第14項記載の組成物。
- 17.動物の体液の通常の生理的凍結点より高い温度または低い温度で、あるい は非生理化学的条件で、動物細胞、動物組織少なくとも1種の動物臓器または動 物全体を保存するのに有用な組成物において、 交互に配列された疎水性領域および親水性領域を有し、これらの領域はそれぞれ 約16〜17オングストロームの間またはそれぞれ19〜20オングストローム の間繰り返えされている少なくとも1種の生体適合性マクロ分子を含有すること を特徴とする生体材料の生存を改善する組成物。
- 18.交互に配列された疎水性領域および親水性領域は、それぞれ約16.5オ ングストロームまたはそれぞれ約19.5オングストローム繰り返されているこ とを特徴とする請求の範囲第17項記載の組成物。
- 19.マクロ分子は魚、両生動物、鳥、無背惟動物、または爬虫類から得られた ものであることを特徴とする請求の範囲第17項記載の組成物。
- 20.組織、臓器、または動物全体はヒトからのもの、あるいはヒトそのもので あることを特徴とする請求の範囲第13項記載の組成物。
- 21.生体適合性マクロ分子は少なくとも1種の不凍化糖ペプチドから成ること を特徴とする請求の範囲第20項記載の組成物。
- 22.不凍化タンパク質はペプチド、糖ペプチド、または生体適合性担体に共有 結合しているペプチドから選択したものであることを特徴とする請求の範囲第2 1項記載の組成物。
- 23.不凍化糖ペプチドの分子量は約2.200〜40.000ダルトンである ことを特徴とする請求の範囲第22項記載の組成物。
- 24.不凍化ペプチドは両生動物、爬虫類、昆虫、虫、北氷洋の魚、または南氷 洋の魚から選択された血清または体液から得られたものまたは誘導されたものと 類似していることを特徴とする請求の範囲第23項記載の組成物。
- 25.生体適合性担体は抗体、ゼラチン、生体適合性重合体、ペプチド、糖また は炭水化物から選択されたものであることを特徴とする請求の範囲第22項記載 の組成物。
- 26.タンパク質、脂質または細胞膜と相互作用することにより、正常な生理湿 度より高いか低い非生理温度、または非生理化学的雰囲気に曝されたタンパク質 、脂質、酵素、細胞膜、動物または植物の細胞、微生物、組織、臓器、動物全体 、または植物全体を包含する生体材料の生存、機能性、安定性および構造保全性 に有用であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の組成物。
- 27.タンパク質、酵素、脂質または細胞膜の直ぐ近くで氷の結晶構造を変える ことにより、氷の存在下に0℃より低い温度に曝されたタンパク質、脂質、酵素 、細胞膜、動物または植物の細胞、微生物、組織、臓器、動物全体、または植物 全体を包含する生体材料の生存、機能性、安定性および構造保全性を改善するの に有用であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の組成物。
- 28.タンパク質、酵素、脂質または細胞膜の直ぐ近くで氷の結晶の数を減少さ せると共に大きさを小さくすることにより、あるいは氷の結晶を完全に消滅させ ることにより、氷の存在下に0℃より低い温度に曝されたタンパク質、脂質、酵 素、細胞膜、動物または植物の細胞、徴生物、組織、臓器、動物全体、または植 物全体を包含する生体材料の生存、機能性、安定性および構造保全性を改善する のに有用であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の組成物。
- 29.氷の形成によって溶質が排除されるモードを変えて、タンパク質、酵素、 脂質または細胞膜を取り巻く溶液の化学組成を変えることにより、氷の存在下に 0℃より低い温度に曝されたタンパク質、脂質、酵素、細胞膜、動物または植物 の細胞、微生物、組織、臓器、動物全体、または植物全体を包含する生体材料の 生存、機能性、安定性および構造保全性を改善するのに有用であることを特徴と する請求の範囲第1項記載の組成物。
- 30.膜におけるイオン通路を閉塞し、細胞膜を安定化するのに有用であること を特徴とする請求の範囲第1項記載の組成物。
- 31.他のマクロ分子を結合させるか、タンパク質、酵素、脂質、または細胞膜 に共役させるのに有用であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の組成物。
- 32.生体適合性物質は、魚、両生動物、無脊椎動物または爬虫類から得られた マクロ分子であるか、あるいは魚、両生動物、無脊椎動物または爬虫類から誘導 されたマクロ分子と実質的に同じであることを特徴とする請求の範囲第1項記載 の組成物。
- 33.生体適合性物質は、昆虫、両生動物、爬虫類、虫、または北氷洋、南氷洋 、北温帯または南温帯からの魚の体液から得られたか誘導されたものと類似の不 凍化タンパク質であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の組成物。
- 34.生理適合性物質は北氷洋または南氷洋の魚の体液からのものであることを 特徴とする請求の範囲第33項記載の組成物。
- 35.生体適合性物質は、ディー.マウソニ種、およびピー.ボルクグレビンキ 種を包含するノトテニア科の魚から選択された南氷洋の魚、または南氷洋のゲン ゲ科の魚であるリゴフイラ・デアルボルニ、または南氷洋のカレイ類の魚から得 られたか、誘導されたものと実質的に同じ不凍化タンパク質であるごとを特徴と する請求の範囲第1項記載の組成物。
- 36.生体許容性物質は、ポリペプチド、糖ペプチド、生体許容性担体に共有待 合しているポリペプチド、担体に共有結合している糖ポリペプチドまたはこれら の混合物から選択されたものであることを特徴とする請求の範囲第1項記載の組 成物。
- 37.生体適合性物質は、氷の結晶のc軸に沿った氷の結晶成長を促進そ、氷の 結晶のa軸に沿った氷の結晶成長を抑制する性質を有するものであることを特徴 とする請求の範囲第1項記載の組成物。
- 38.少なくとも1種の生体適合性マクロ分子は交互に配列された疎水性領域お よび親水性領域を有し、これらの領域はそれぞれ16〜17オングストロームの 間または19〜20オングストロームの間繰り返えされているか、あるいはそれ ぞれ16.5オンダストロームまたは19.5オングストローム繰り返えされて いることを特徴とする請求の範囲第1項記載の組成物。
- 39.さらに、細胞および生体材料を保護するかあるいはガラス化を促進するこ とが知られているグリセリン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ポ リビニルピロリドン、グルコース、スクロース、プロパンジオール、プロピレン グリコール、カルボキシメチルセルロース、またはこれらの物質の混合物から選 択された保存作用、保護作用またはガラス化作用を有する追加の化合物を含有す ることを特徴とする請求の範囲第1項記載の組成物。
- 40.生体適合性化合物は、南氷洋の魚からの特殊な不凍化糖タンパク質および 北氷洋の魚からの不凍化ペプチド、または昆虫または虫から誘導された不凍化タ ンパク質から選択されたものであり、非生理温度および非生理化学的雰囲気に曝 されるタンパク質、脂質、酵素、細胞膜、卵母細胞を含有する細胞、胚、微生物 、組織、臓器、または動物全体または植物全体を生存能力のある状態で保存する のに使用され、またこれらを保護するのに使用されることを特徴とする請求の範 囲第1項記載の組成物。
- 41.膜を保護し安定化するのに使用されるほかに、食品を保存する際;皮膚組 織を回復、保護または修復するための化粧品中;または細胞膜の不安定性に関連 する疾病にも使用されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の組成物。
- 42.細胞内−細胞外イオン輸送の不均衡と関連する疾病を治療する際にイオン 通路を閉塞するために使用されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の組成 物。
- 43.種々のマクロ分子または共役分子を不凍化タンパク質に結合させ、これら の分子と細胞膜との結合を容易にするために使用されることを特徴とする請求の 範囲第1項記載の組成物。
- 44.非生理温度または非生理化学的組成物中におけるタンパク質、酵母、脂質 、細胞膜、動物または植物の細胞、微生物、組織、臓器、動物全体または植物全 体を包含する生物材料の生存、保存状態、機能性、安定性および構造保全性を向 上させるに当り、 (a)タンパク質、脂質、細胞膜、動物または植物の細胞、微生物、組織、臓器 、動物全体または植物全体のすべてと相互作用するのに十分な濃度の請求の範囲 第1項記載の生体許容性物質と接触させ; (b)工程(a)の組み合わせを非生理条件に曝し;(c)マクロ分子を除去し 、前記タンパク質、脂質、細胞膜、動物又は植物の細胞、微生物、組織、臓器、 動物全体または植物全体を生理温度および生理組成物に戻すことを特徴とする生 体材料の生存を改善する方法。
- 45.非生理条件はタンパク質、酵母、脂質、細胞膜、動物または植物の細胞、 微生物、組織、臓器、動物全体または植物全体を保存するための約0℃の低温で あることを特徴とする請求の範囲第44項記載の方法。
- 46.0℃より低く約4Kまでの温度において、タンパク質、酵母、脂質、細胞 膜、動物または植物の細胞、微生物、組織、臓器、動物全体または植物全体を保 存するに当り、(a)請求の範囲第1項記載の生体適合性物質、またはこれに他 の凍結防止化合物を添加したものと接触させ;(b)冷却することにより極低温 まで冷却し、比較的高い濃度のプロピレングリコールまたはグリセリンのような 追加の化合物と、ガラス化および一層低い凍結温度をもたらす比較的高い冷却速 度とを使用して、種々の濃度および冷却速度に従って系をガラス化または凍結さ せ;(c)前記タンパク質、脂質、細胞膜、動物または植物の細胞、微生物、組 織、臓器、動物または植物を、上述の温度に10年までの間維持し; (d)暖かい流体またはマイクロ波加熱を包含する加温手段によって生理温度条 件まで加温し; (e)不凍化糖タンパク質および他の化合物を除去し、前記不凍化糖タンパク質 および前記他の化合物を生理適合性溶液と置き換える ことを特徴とする生体材料の生存を改善する方法。
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