JPH0653682B2 - ヒト免疫グロブリン結合抗腫瘍剤 - Google Patents
ヒト免疫グロブリン結合抗腫瘍剤Info
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- JPH0653682B2 JPH0653682B2 JP61265118A JP26511886A JPH0653682B2 JP H0653682 B2 JPH0653682 B2 JP H0653682B2 JP 61265118 A JP61265118 A JP 61265118A JP 26511886 A JP26511886 A JP 26511886A JP H0653682 B2 JPH0653682 B2 JP H0653682B2
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Description
【発明の詳細な説明】 本発明はヒト免疫グロブリン結合抗腫瘍剤に関する。
近年、免疫化学の発展にともない、多くの腫瘍関連抗原
が発見され、それに対して選択的に結合する腫瘍特異抗
体が開発されてきた。さらに、これらの腫瘍特異抗体に
抗腫瘍性物質を結合させ、腫瘍部位へのみ薬剤を集中移
行させようという試みがなされている。ここで腫瘍特異
抗体は、腫瘍細胞あるいは腫瘍関連抗原を家兎、馬、羊
等に免疫する手法を用いて作製し、動物血清から免疫グ
ロブリン画分を得て使用している。最近では、腫瘍細胞
あるいは腫瘍関連抗原をマウスに免疫した後、抗体産生
細胞を取り出し、NS−1等のマウスミエローマ細胞と
細胞融合させることによりモノクローンの抗腫瘍抗体細
胞を得て、そこから抗腫瘍抗体を取り出している。
が発見され、それに対して選択的に結合する腫瘍特異抗
体が開発されてきた。さらに、これらの腫瘍特異抗体に
抗腫瘍性物質を結合させ、腫瘍部位へのみ薬剤を集中移
行させようという試みがなされている。ここで腫瘍特異
抗体は、腫瘍細胞あるいは腫瘍関連抗原を家兎、馬、羊
等に免疫する手法を用いて作製し、動物血清から免疫グ
ロブリン画分を得て使用している。最近では、腫瘍細胞
あるいは腫瘍関連抗原をマウスに免疫した後、抗体産生
細胞を取り出し、NS−1等のマウスミエローマ細胞と
細胞融合させることによりモノクローンの抗腫瘍抗体細
胞を得て、そこから抗腫瘍抗体を取り出している。
これらの試みは、抗腫瘍抗体単独あるいはある種の細胞
毒性物質を抗腫瘍抗体に結合させた形で行なわれている
が、実用化には至っていない。その理由は、上記の抗腫
瘍抗体は、異種動物に免疫して作製している為に、人に
対しては異種蛋白となるからである。つまり異種動物か
ら得られる抗体をヒトに投与した場合、2回目以後の投
与ではアナフィラキシー等の血清病をさせることが出来
ない為に、1回しか使用出来ないからであり、これは最
大の欠点であった。これを解決するには同種抗体を用い
ることが必要であり、ヒトリンパ球を用いたモノクロー
ナル抗体は理想であるが、まだ研究途上である。
毒性物質を抗腫瘍抗体に結合させた形で行なわれている
が、実用化には至っていない。その理由は、上記の抗腫
瘍抗体は、異種動物に免疫して作製している為に、人に
対しては異種蛋白となるからである。つまり異種動物か
ら得られる抗体をヒトに投与した場合、2回目以後の投
与ではアナフィラキシー等の血清病をさせることが出来
ない為に、1回しか使用出来ないからであり、これは最
大の欠点であった。これを解決するには同種抗体を用い
ることが必要であり、ヒトリンパ球を用いたモノクロー
ナル抗体は理想であるが、まだ研究途上である。
そこで、これらの欠点を改善し、実用性に関する事項を
解決するには、同種抗体の中から腫瘍細胞に集まる抗体
を検索する必要があった。そこで、本発明者らは、鋭意
種々の抗体の125I−標識物の生体内分布の検討を行
なった。その結果、一般自然抗体が腫瘍部位に到達し、
しかも長く残留することを見出した。それら免疫グロブ
リンに抗腫瘍性物質を結合させて、これを担癌個体に投
与すれば薬剤は腫瘍部位に長く留り、抗腫瘍効果を示す
ことを知って、本発明を完成した。ヒト免疫グロブリン
結合抗腫瘍剤は、異種動物由来抗腫瘍抗体に比べて頻回
投与が可能になったという点又腫瘍部位に長くとどまる
点で最大の特色と利点を有している。したがって本発明
は、実用性の高いヒト免疫グロブリン結合抗腫瘍剤を含
有する新しいタイプの薬剤を提供するものである。本発
明は、クロラムブチル、メルファラン、ACNU、シク
ロホスファミドなどのアルキル化剤、マイトマイシン
C、塩酸ドキソルビシン、塩酸ダウノルビシン、ブレオ
マイシン、アクチノマイシンD、ネオカルチノスタチン
などの抗生物質、シタラビン、8−アザグアニン、5−
フルオロウラシル、メソトレキセート、アミノプテリン
ナトリウム、ロイケリンなどの代謝拮抗剤からなる群に
属する細胞毒性の高い抗腫瘍性物質を、極めて穏和な条
件下で、ヒト免疫グロブリンに結合させた新規な化合物
に基づく抗腫瘍剤であり、抗腫瘍効果にすぐれながら、
細胞毒性は原料の1つである抗腫瘍性物質に比べて格段
に低い抗腫瘍剤を提供することを目的とする。以下に本
発明を詳しく説明する。
解決するには、同種抗体の中から腫瘍細胞に集まる抗体
を検索する必要があった。そこで、本発明者らは、鋭意
種々の抗体の125I−標識物の生体内分布の検討を行
なった。その結果、一般自然抗体が腫瘍部位に到達し、
しかも長く残留することを見出した。それら免疫グロブ
リンに抗腫瘍性物質を結合させて、これを担癌個体に投
与すれば薬剤は腫瘍部位に長く留り、抗腫瘍効果を示す
ことを知って、本発明を完成した。ヒト免疫グロブリン
結合抗腫瘍剤は、異種動物由来抗腫瘍抗体に比べて頻回
投与が可能になったという点又腫瘍部位に長くとどまる
点で最大の特色と利点を有している。したがって本発明
は、実用性の高いヒト免疫グロブリン結合抗腫瘍剤を含
有する新しいタイプの薬剤を提供するものである。本発
明は、クロラムブチル、メルファラン、ACNU、シク
ロホスファミドなどのアルキル化剤、マイトマイシン
C、塩酸ドキソルビシン、塩酸ダウノルビシン、ブレオ
マイシン、アクチノマイシンD、ネオカルチノスタチン
などの抗生物質、シタラビン、8−アザグアニン、5−
フルオロウラシル、メソトレキセート、アミノプテリン
ナトリウム、ロイケリンなどの代謝拮抗剤からなる群に
属する細胞毒性の高い抗腫瘍性物質を、極めて穏和な条
件下で、ヒト免疫グロブリンに結合させた新規な化合物
に基づく抗腫瘍剤であり、抗腫瘍効果にすぐれながら、
細胞毒性は原料の1つである抗腫瘍性物質に比べて格段
に低い抗腫瘍剤を提供することを目的とする。以下に本
発明を詳しく説明する。
近年、種々の抗腫瘍剤が広く使用されており、ある程度
の効果をあげている。これらの抗腫瘍剤として、クロラ
ムブチル、メルファラン、ACNU、シクロホスファミ
ド、シタラビン、8−アザグアニン、5−フルオロウラ
シル、メソトレキセート、アミノプテリンナトリウム、
マイトマイシンC、塩酸ドキソルビシン、ブレオマイシ
ン、ダウノルビシン、アクチノマイシンD、ザルコマイ
シンのごときものが使用されているが、これらの物質
は、それ自体何れも高い細胞毒性を有していて、投与し
た後に、白血球減少、脱毛、胃腸障害等の副作用を呈す
ることが知られており、その為に、これらの薬剤の使用
に限度があるのが実情である。
の効果をあげている。これらの抗腫瘍剤として、クロラ
ムブチル、メルファラン、ACNU、シクロホスファミ
ド、シタラビン、8−アザグアニン、5−フルオロウラ
シル、メソトレキセート、アミノプテリンナトリウム、
マイトマイシンC、塩酸ドキソルビシン、ブレオマイシ
ン、ダウノルビシン、アクチノマイシンD、ザルコマイ
シンのごときものが使用されているが、これらの物質
は、それ自体何れも高い細胞毒性を有していて、投与し
た後に、白血球減少、脱毛、胃腸障害等の副作用を呈す
ることが知られており、その為に、これらの薬剤の使用
に限度があるのが実情である。
また従来から、腫瘍細胞あるいは腫瘍関連抗原に対する
抗体を製造または単離して、これをその腫瘍の治療に用
いる試みがなされているが、望ましい抗腫瘍効果は得ら
れていない。さらに、最近、抗腫瘍抗体に抗腫瘍性物質
を化学的に結合させて得られる新規な物質による抗腫瘍
効果を期待することが提案されているが、上記物質を得
るための化学反応の条件が過酷すぎるために、十分な成
果は得られていない。また、これらの実験で用いられる
抗体は、異種動物の抗体を使用していたために、血清病
等の副作用をさけることは出来なかった。
抗体を製造または単離して、これをその腫瘍の治療に用
いる試みがなされているが、望ましい抗腫瘍効果は得ら
れていない。さらに、最近、抗腫瘍抗体に抗腫瘍性物質
を化学的に結合させて得られる新規な物質による抗腫瘍
効果を期待することが提案されているが、上記物質を得
るための化学反応の条件が過酷すぎるために、十分な成
果は得られていない。また、これらの実験で用いられる
抗体は、異種動物の抗体を使用していたために、血清病
等の副作用をさけることは出来なかった。
そこで本発明者らは、異種動物から得られる抗腫瘍抗体
をアフィニティークロマトで精製を行なうという方法を
発明した(特願昭53−161388、昭54−142152、昭54−14
2153)。この方法を用いれば高度に抗体を精製すること
が可能であるが、頻回投与を行なうという点で問題が残
っている。
をアフィニティークロマトで精製を行なうという方法を
発明した(特願昭53−161388、昭54−142152、昭54−14
2153)。この方法を用いれば高度に抗体を精製すること
が可能であるが、頻回投与を行なうという点で問題が残
っている。
そこで各種の抗体を用いて腫瘍到達性を鋭意検討したと
ころ、自然抗体が高濃度で、腫瘍部位に移行し、その滞
留時間も他の臓器よりも長いことが判明した。この事実
に基づいて、クロラムブチル、メルファラン、ACN
U、シクロホスファミド、シタラビン、8−アザグアニ
ン、5−フルオロウラシル、メソトレキセート、アミノ
プテリンナトリウム、マイトマイシンC、塩酸ドキソル
ビシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、アクチノマ
イシンD、ザルコマイシンをヒト免疫グロブリンに結合
せしめたところ好ましい抗腫瘍効果が得られることが判
明した。さらにこの組合せの中でもメルファランとその
エステル類は合成的に容易に得られる抗腫瘍剤であり、
安定性も高いことから、ヒト免疫グロブリンとメルファ
ラン及びそのエステルとの結合体が最も好ましい。自然
抗体はヒト免疫グロブリン(Ig)及び低分子抗体(F
(ab′)2)を包含する。
ころ、自然抗体が高濃度で、腫瘍部位に移行し、その滞
留時間も他の臓器よりも長いことが判明した。この事実
に基づいて、クロラムブチル、メルファラン、ACN
U、シクロホスファミド、シタラビン、8−アザグアニ
ン、5−フルオロウラシル、メソトレキセート、アミノ
プテリンナトリウム、マイトマイシンC、塩酸ドキソル
ビシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、アクチノマ
イシンD、ザルコマイシンをヒト免疫グロブリンに結合
せしめたところ好ましい抗腫瘍効果が得られることが判
明した。さらにこの組合せの中でもメルファランとその
エステル類は合成的に容易に得られる抗腫瘍剤であり、
安定性も高いことから、ヒト免疫グロブリンとメルファ
ラン及びそのエステルとの結合体が最も好ましい。自然
抗体はヒト免疫グロブリン(Ig)及び低分子抗体(F
(ab′)2)を包含する。
ヒト免疫グロブリンと抗腫瘍性物質の結合は次の方法に
より製造される。
より製造される。
抗腫瘍性物質を水性溶媒に溶解せしめる。水性溶媒は酸
性水溶液、アルカリ性水溶液、中性水溶液、リン酸緩衝
液、ホウ酸ナトリウム等である。これに結合剤、例えば
カルボジイミド、デキストラン、グルタルアルデヒド、
ジエチルマロンイミデート、イソシアナート、ポリグル
タミン酸より選択されたものを加え、更にヒト免疫グロ
ブリン(F(ab′)2も含む)を加え反応させる。反
応温度は−30℃乃至50℃、好ましくは0℃乃至30℃あ
り、反応時間は1分乃至48時間、好ましくは10分乃至25
時間である。反応物を塩析、沈澱、再結晶、溶出、カラ
ム分別等の手段により精製し、結合体を得る。
性水溶液、アルカリ性水溶液、中性水溶液、リン酸緩衝
液、ホウ酸ナトリウム等である。これに結合剤、例えば
カルボジイミド、デキストラン、グルタルアルデヒド、
ジエチルマロンイミデート、イソシアナート、ポリグル
タミン酸より選択されたものを加え、更にヒト免疫グロ
ブリン(F(ab′)2も含む)を加え反応させる。反
応温度は−30℃乃至50℃、好ましくは0℃乃至30℃あ
り、反応時間は1分乃至48時間、好ましくは10分乃至25
時間である。反応物を塩析、沈澱、再結晶、溶出、カラ
ム分別等の手段により精製し、結合体を得る。
本発明のヒト免疫グロブリンと抗腫瘍性物質との結合体
(以下、本物質と略称する)の哺乳動物に対する急性毒
性をマウスに4000mg/kgの投与量で静脈注射して調べた
が、1週間の観察では死亡が認めれなかった。
(以下、本物質と略称する)の哺乳動物に対する急性毒
性をマウスに4000mg/kgの投与量で静脈注射して調べた
が、1週間の観察では死亡が認めれなかった。
さらに、ヒト免疫グロブリンをペプシン(Nison
off Scince 132 1770(197
0))、プラスミン(Sgouris Vox San
g 18 71(1967))、サーモライシン(特願
昭50−19871)、パパイン、トリプシン、キモトリプシ
ンで酵素水解して得られる低分子抗体についても、抗腫
瘍剤を結合せしめて検討を行なった。これらの物質例え
ばF(ab′)2でも毒性は4000mg/kg以上であった。
off Scince 132 1770(197
0))、プラスミン(Sgouris Vox San
g 18 71(1967))、サーモライシン(特願
昭50−19871)、パパイン、トリプシン、キモトリプシ
ンで酵素水解して得られる低分子抗体についても、抗腫
瘍剤を結合せしめて検討を行なった。これらの物質例え
ばF(ab′)2でも毒性は4000mg/kg以上であった。
したがって、本物質は、毒性が極めて低く、頻回投与も
可能でさらに各種の人癌に対して有効である。例えば、
急性白血病、悪性リンパ種、癌腫、肉腫、悪性繊毛上皮
腫、急性骨髄性白血病、メラノーマ、急性リンパ性白血
病、骨髄癌等に有効である。本物質を抗腫瘍剤として用
いる場合の製剤化法、および投与の方法としては、抗腫
瘍剤に関する公知の方法を適用し得る。投与方法として
は、経口、非経口たとえば注射または直腸投与があげら
れる。投与形態としては、粉末、顆粒、錠剤、カプセ
ル、または注射剤、座薬のいずれであってもよい。特に
錠剤あるいは注射による投与が好ましい。注射薬の製剤
には、生理的食塩水、減菌水、リンゲル液等の水溶性溶
剤、非水溶性溶剤、等張化剤、無痛化剤、安定剤、防腐
剤、懸濁化剤、緩衝剤、乳化剤等を任意に用いうる。
可能でさらに各種の人癌に対して有効である。例えば、
急性白血病、悪性リンパ種、癌腫、肉腫、悪性繊毛上皮
腫、急性骨髄性白血病、メラノーマ、急性リンパ性白血
病、骨髄癌等に有効である。本物質を抗腫瘍剤として用
いる場合の製剤化法、および投与の方法としては、抗腫
瘍剤に関する公知の方法を適用し得る。投与方法として
は、経口、非経口たとえば注射または直腸投与があげら
れる。投与形態としては、粉末、顆粒、錠剤、カプセ
ル、または注射剤、座薬のいずれであってもよい。特に
錠剤あるいは注射による投与が好ましい。注射薬の製剤
には、生理的食塩水、減菌水、リンゲル液等の水溶性溶
剤、非水溶性溶剤、等張化剤、無痛化剤、安定剤、防腐
剤、懸濁化剤、緩衝剤、乳化剤等を任意に用いうる。
その一例を示すと、本物質1gとマンニトール5gを蒸
留水に溶解して50mlとして常法で除菌した後、それを注
射用小瓶に分けたり、又はそのまま凍結乾燥して注射剤
とする。そして本剤は、使用に際し、生理的食塩水で希
釈して注射液とする。本物質は製剤化中一般に0.01〜90
%、好ましくは0.1〜60%含有することが出来る。
留水に溶解して50mlとして常法で除菌した後、それを注
射用小瓶に分けたり、又はそのまま凍結乾燥して注射剤
とする。そして本剤は、使用に際し、生理的食塩水で希
釈して注射液とする。本物質は製剤化中一般に0.01〜90
%、好ましくは0.1〜60%含有することが出来る。
本物質の投与量は主として症状に左右されるが成人1人
1日当り0.1〜10g、好ましくは1〜6gである。
1日当り0.1〜10g、好ましくは1〜6gである。
本発明によると、ヒト免疫グロブリンおよび酵素処理ヒ
ト免疫グロブリンの向腫瘍性ならびに、抗腫瘍性物質の
抗腫瘍性は失われることなく上記化合物に保たれている
ので、本物質は、投与されると効率よく目的とする腫瘍
部位に到達し、長期間残存し、抗腫瘍効果を発揮する。
ト免疫グロブリンの向腫瘍性ならびに、抗腫瘍性物質の
抗腫瘍性は失われることなく上記化合物に保たれている
ので、本物質は、投与されると効率よく目的とする腫瘍
部位に到達し、長期間残存し、抗腫瘍効果を発揮する。
本発明は、必ずしも抗体を抗腫瘍抗体から選ばなくても
すむために工業的には大変有利であると言える。
すむために工業的には大変有利であると言える。
以下に、本発明を実施例によって更に詳細に説明する。
実施例1 ヒト免疫グロブリンの分布 実用性のある抗体はいかなる抗体であるかを検索する為
に、抗S−180ウサギ免疫グロブリン、正常ICRマウ
ス免疫グロブリン、ヒト免疫グロブリンの生体内分布を
調べる為に各物質に125I−標識を行なった。
に、抗S−180ウサギ免疫グロブリン、正常ICRマウ
ス免疫グロブリン、ヒト免疫グロブリンの生体内分布を
調べる為に各物質に125I−標識を行なった。
すなわち、W.H.HurterらBiochem.
J.89 114(1963)の方法に従って免疫グロブリン
のタンパク質部分に125I−標識を行なった。方法は
いずれも同様であるので一例をあげる。マイトマイシン
C結合抗S−180抗体を5mg/mlの濃度になる様に0.
5Mのリン酸緩衝液(pH7.4)に溶かした。その0.
5mlをスピック管に入れ、そこに0.25mCiのNa
125Iを加える。さらに0.05Mのリン酸緩衝液200μ
lに溶かした0.7mgのクロラミンTを加えて0℃で15
分間反応させた。続いて0.05Mのリン酸緩衝液に溶かし
たピロ亜硫酸ナトリウム(1.75mg)とKI(10mg)
を加えて反応を停止した。反応液をSephadex
G−25(φ2.2cm×40cm)カラムを用いて、未反応の
放射性ヨード及び試薬を除去した。このようにして
125I−標識マイトマイシン結合抗S−180ウサギ免
疫グロブリンを得た。以下同様にして125I−標識正
常ICRマウス免疫グロブリン、125I−標識ヒト免
疫グロブリンを得た。これらを用いて生体内分布の検討
を行なった。
J.89 114(1963)の方法に従って免疫グロブリン
のタンパク質部分に125I−標識を行なった。方法は
いずれも同様であるので一例をあげる。マイトマイシン
C結合抗S−180抗体を5mg/mlの濃度になる様に0.
5Mのリン酸緩衝液(pH7.4)に溶かした。その0.
5mlをスピック管に入れ、そこに0.25mCiのNa
125Iを加える。さらに0.05Mのリン酸緩衝液200μ
lに溶かした0.7mgのクロラミンTを加えて0℃で15
分間反応させた。続いて0.05Mのリン酸緩衝液に溶かし
たピロ亜硫酸ナトリウム(1.75mg)とKI(10mg)
を加えて反応を停止した。反応液をSephadex
G−25(φ2.2cm×40cm)カラムを用いて、未反応の
放射性ヨード及び試薬を除去した。このようにして
125I−標識マイトマイシン結合抗S−180ウサギ免
疫グロブリンを得た。以下同様にして125I−標識正
常ICRマウス免疫グロブリン、125I−標識ヒト免
疫グロブリンを得た。これらを用いて生体内分布の検討
を行なった。
すなわち、S−180担癌ICRマウス(移植後2週間)
を用いて、静脈内に投与し、24時間後と144時間後に動
物を屠殺して、解剖し、血液S−180腫瘍部位、肝臓、
賢臓、脾臓、消化器等の各臓器を取り出してウエル型の
γ−カウンターでカウントを行ない、投与薬剤の各組織
重量当りの到達薬剤量という形で分布を以下のように表
示した(表−1)。
を用いて、静脈内に投与し、24時間後と144時間後に動
物を屠殺して、解剖し、血液S−180腫瘍部位、肝臓、
賢臓、脾臓、消化器等の各臓器を取り出してウエル型の
γ−カウンターでカウントを行ない、投与薬剤の各組織
重量当りの到達薬剤量という形で分布を以下のように表
示した(表−1)。
さらに144時間後における各臓器に残存する量の合計に
対する各臓器における量の率を残存率として表わすと下
記表−2ようになる。
対する各臓器における量の率を残存率として表わすと下
記表−2ようになる。
これらの結果は抗腫瘍抗原を異種動物に免疫して得られ
る異種抗体が優れた到達率を示すことを表わしている。
しかし、同種の自然抗体も特異抗体に比べて腫瘍到達率
は1/5〜1/10と落ちるが、他の臓器に比べると腫瘍部位
での残存率が高いということがここに判明した。このこ
とから自然抗体がキャリヤーとして実用性の高い抗体で
あることを知るに至った。
る異種抗体が優れた到達率を示すことを表わしている。
しかし、同種の自然抗体も特異抗体に比べて腫瘍到達率
は1/5〜1/10と落ちるが、他の臓器に比べると腫瘍部位
での残存率が高いということがここに判明した。このこ
とから自然抗体がキャリヤーとして実用性の高い抗体で
あることを知るに至った。
実施例2 ヒト免疫グロブリンの調製 ヒト正常人血清1000mlに対し1000mlの0.005Mリン酸緩
衝食塩水(以下、PBSと略)を加えて希釈する。この
希釈血清に2000mlの飽和硫安水溶液(pH7.2)を撹拌
しながら徐々に加える。4℃で60分放置すると塩析物が
析出沈澱してくるので8000rpmで30分間遠心分離を行な
い沈澱を集める。この沈澱をPBSに溶かし、全量を10
00mlとする。これに対し撹拌しながら、徐々に飽和硫安
の250mlを加え20%飽和とする。溶液が白濁し、沈澱を
生ずる場合はフィブリノーゲンであるので遠心除去を行
なう。この上清に飽和硫安の250mlを加え33%飽和とす
る。60分間放置した後8000rpmで30分間遠心分離を行な
い沈澱を集める。この沈澱を1000mlのPBSに溶解した
後、500mlの飽和硫安を加える。60分撹拌後8000rpmで30
分間遠心分離を行ない沈澱を集める。得られた沈澱を30
mlのPBSに溶かして、PBSに対して透析を行ない硫
安を除いた。さらに透析終了後、DEAE−セルロース
カラム(直径5cm×50cm)を用いて、0.005MpH8.0
です通りするフラクションを集めた。す通りの画分を蒸
溜水に対して透析して脱塩の後、凍結乾燥してヒト免疫
グロブリン12.5gを得た。
衝食塩水(以下、PBSと略)を加えて希釈する。この
希釈血清に2000mlの飽和硫安水溶液(pH7.2)を撹拌
しながら徐々に加える。4℃で60分放置すると塩析物が
析出沈澱してくるので8000rpmで30分間遠心分離を行な
い沈澱を集める。この沈澱をPBSに溶かし、全量を10
00mlとする。これに対し撹拌しながら、徐々に飽和硫安
の250mlを加え20%飽和とする。溶液が白濁し、沈澱を
生ずる場合はフィブリノーゲンであるので遠心除去を行
なう。この上清に飽和硫安の250mlを加え33%飽和とす
る。60分間放置した後8000rpmで30分間遠心分離を行な
い沈澱を集める。この沈澱を1000mlのPBSに溶解した
後、500mlの飽和硫安を加える。60分撹拌後8000rpmで30
分間遠心分離を行ない沈澱を集める。得られた沈澱を30
mlのPBSに溶かして、PBSに対して透析を行ない硫
安を除いた。さらに透析終了後、DEAE−セルロース
カラム(直径5cm×50cm)を用いて、0.005MpH8.0
です通りするフラクションを集めた。す通りの画分を蒸
溜水に対して透析して脱塩の後、凍結乾燥してヒト免疫
グロブリン12.5gを得た。
実施例3 正常人由来ヒト免疫グロブリンとマイトマイシンC、塩
酸ドキソルビシン、塩酸ダウノルビシン、ブレオマイシ
ン、アクチノマイシン、ザルコマイシンの各々とを反応
せしめて、ヒト免疫グロブリン結合抗生物質を合成し
た。以下に合成例を述べる。
酸ドキソルビシン、塩酸ダウノルビシン、ブレオマイシ
ン、アクチノマイシン、ザルコマイシンの各々とを反応
せしめて、ヒト免疫グロブリン結合抗生物質を合成し
た。以下に合成例を述べる。
3−1マイトマシンCの結合 1.0gのヒト免疫グロブリンを100mlの蒸溜水に溶解
する。そこに111.3mgのマイトマシンCを溶解させる。
1.0Nの塩酸水溶液でpHを5.5に調整しつつ、4
℃で262.6mgの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ
プロピル)−カルボジイミド塩酸塩を加て下記の時間反
応させ、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)5ml
の添加で反応を停止させた。次いで、反応液を限外ろ過
器を用いて10mlに濃縮脱塩を行なった。10mlの濃縮液を
セファデックスG−25(ファルマシア・ジャパン社)を
充填した直径5cm、高さ90cmのカラムを通して、反応液
中の高分子量物質及び低分子量物質を完全に分離した。
溶出液を超遠心分離で40,000g×60分遠心分離して得ら
れた上清液を0℃で凍結乾燥して製品たる本物質を得
た。ヒト免疫グロブリンに対する各反応時間におけるマ
イトマシンCの結合量を360nmの紫外線吸収を用いて
測定した結果は、表−3に示すごとくであった。
する。そこに111.3mgのマイトマシンCを溶解させる。
1.0Nの塩酸水溶液でpHを5.5に調整しつつ、4
℃で262.6mgの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ
プロピル)−カルボジイミド塩酸塩を加て下記の時間反
応させ、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)5ml
の添加で反応を停止させた。次いで、反応液を限外ろ過
器を用いて10mlに濃縮脱塩を行なった。10mlの濃縮液を
セファデックスG−25(ファルマシア・ジャパン社)を
充填した直径5cm、高さ90cmのカラムを通して、反応液
中の高分子量物質及び低分子量物質を完全に分離した。
溶出液を超遠心分離で40,000g×60分遠心分離して得ら
れた上清液を0℃で凍結乾燥して製品たる本物質を得
た。ヒト免疫グロブリンに対する各反応時間におけるマ
イトマシンCの結合量を360nmの紫外線吸収を用いて
測定した結果は、表−3に示すごとくであった。
3−2 上記の操作に準じてヒト免疫グロブリン1.0gと塩酸
ドキソルビシン、塩酸ダウノルビシン、ブレオマイシン
およびアクチノマイシンDのそれぞれと反応せしめて約
800mgの本物質を得た。塩酸ドキソルビシンのヒト免疫
グロブリン(mg)当りの結合量は反応時間60分、24時間
で夫々4.8μg,9.5μgであった。
ドキソルビシン、塩酸ダウノルビシン、ブレオマイシン
およびアクチノマイシンDのそれぞれと反応せしめて約
800mgの本物質を得た。塩酸ドキソルビシンのヒト免疫
グロブリン(mg)当りの結合量は反応時間60分、24時間
で夫々4.8μg,9.5μgであった。
実施例4 正常人由来ヒト免疫グロブリンとクロラムブチル、メル
ファラン(フェニルアラニンマスタード)ACNU、ウ
ラムスチン、シクロホスファミド、メルファランメチル
エステルの各々と反応せしめて、アミド結合によるそれ
ぞれの化合物を合成した。以下その合成例を述べる。
ファラン(フェニルアラニンマスタード)ACNU、ウ
ラムスチン、シクロホスファミド、メルファランメチル
エステルの各々と反応せしめて、アミド結合によるそれ
ぞれの化合物を合成した。以下その合成例を述べる。
4−1メルファランの結合 1.0gのヒト免疫グロブリンを100mlの蒸溜水に溶解
する。そこに100mgのメルファランを懸濁させる。1.
0Nの塩酸水溶液でpHを5.5に調節しつつ、4℃
で、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)
−カルボジイミド塩酸塩を加て24時間反応させ、酢酸−
酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)5mlの添加で反応を
停止させた。次いで、反応液を限外ろ過器を用いて10ml
に濃縮脱塩を行なった。10mlの濃縮液をセファデックス
G−25(ファルマシア・ジャパン社)を充填した直径5
cm、高さ90cmのカラムを通して、反応液中の高分子量物
質及び低分子量物質を完全に分離した。溶出液を超遠心
分離で40,000g×60分遠心分離して得られた上清液を0
℃で凍結乾燥して製品たる化合物を得た。この物質中の
タンパク含量はアルブミンを標準とした銅−フオリン法
により、アルキル化活性はEpsteinの方法(Ep
stein J.Anal.Chem.27 1423(19
55))でそれぞれ測定した。この結果ヒト免疫グロブリ
ン1mgに対してメルファランが6μg結合していること
がわかった。
する。そこに100mgのメルファランを懸濁させる。1.
0Nの塩酸水溶液でpHを5.5に調節しつつ、4℃
で、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)
−カルボジイミド塩酸塩を加て24時間反応させ、酢酸−
酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)5mlの添加で反応を
停止させた。次いで、反応液を限外ろ過器を用いて10ml
に濃縮脱塩を行なった。10mlの濃縮液をセファデックス
G−25(ファルマシア・ジャパン社)を充填した直径5
cm、高さ90cmのカラムを通して、反応液中の高分子量物
質及び低分子量物質を完全に分離した。溶出液を超遠心
分離で40,000g×60分遠心分離して得られた上清液を0
℃で凍結乾燥して製品たる化合物を得た。この物質中の
タンパク含量はアルブミンを標準とした銅−フオリン法
により、アルキル化活性はEpsteinの方法(Ep
stein J.Anal.Chem.27 1423(19
55))でそれぞれ測定した。この結果ヒト免疫グロブリ
ン1mgに対してメルファランが6μg結合していること
がわかった。
4−2 上記の操作に準じてヒト免疫グロブリン1.0gとクロ
ラムブチル、ACNU、ウラムスチンのそれぞれと反応
せしめて約900mgの本物質を得た。ヒト免疫グロブリン
(mg)当りのクロラムブチルの結合量は反応時間60分、
24時間で夫々5.1μg,11.7μgであった。
ラムブチル、ACNU、ウラムスチンのそれぞれと反応
せしめて約900mgの本物質を得た。ヒト免疫グロブリン
(mg)当りのクロラムブチルの結合量は反応時間60分、
24時間で夫々5.1μg,11.7μgであった。
4−3メルファランメチルエステルの結合 1.0gのヒト免疫グロブリンを100mlの蒸溜水に溶解
する。そこに100mgのメルファランメチルエステル塩酸
塩を溶解させる。1.0Nの塩酸水溶液でpHを5.5
に調節しつつ、4℃で、1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩を加て24時
間反応させ、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)
5mlの添加で反応を停止させた。次いで反応液を限外
過器を用いて10mlに濃縮脱塩を行なった。10mlの濃縮液
をセファデックスG−25(ファルマシア・ジャパン社)
を充填した直径5cm、高さ90cmのカラムを通して、反応
液中の高分子量物質及び低分子量物質を完全に分離し
た。溶出液を超遠心分離で40,000g×60分遠心分離して
得られた上清液を0℃で凍結乾燥して製品たる化合物を
得た。ヒト免疫グロブリンmgあたりの結合量は10μgで
あった。
する。そこに100mgのメルファランメチルエステル塩酸
塩を溶解させる。1.0Nの塩酸水溶液でpHを5.5
に調節しつつ、4℃で、1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩を加て24時
間反応させ、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)
5mlの添加で反応を停止させた。次いで反応液を限外
過器を用いて10mlに濃縮脱塩を行なった。10mlの濃縮液
をセファデックスG−25(ファルマシア・ジャパン社)
を充填した直径5cm、高さ90cmのカラムを通して、反応
液中の高分子量物質及び低分子量物質を完全に分離し
た。溶出液を超遠心分離で40,000g×60分遠心分離して
得られた上清液を0℃で凍結乾燥して製品たる化合物を
得た。ヒト免疫グロブリンmgあたりの結合量は10μgで
あった。
実施例5 正常人由来ヒト免疫グロブリンとシタラビン、8−アザ
グアニン、5−フルオロウラシル、メソトレキセートお
よびアミノプテリンナトリウムの各々と反応せしめて、
アミド結合によるそれぞれの化合物を合成した。以下に
その合成例を述べる。
グアニン、5−フルオロウラシル、メソトレキセートお
よびアミノプテリンナトリウムの各々と反応せしめて、
アミド結合によるそれぞれの化合物を合成した。以下に
その合成例を述べる。
5−1メソトレキセートの結合 1.0gのヒト免疫グロブリンを100mlの蒸溜水に溶解
する。そこに151.3mgのメソトレキセートを溶解させ
る。1.0Nの塩酸水溶液でpHを5.5に調節しつ
つ、4℃で1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)−カルボジイミド塩酸塩を加えて下記の時間反応
させ、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)5mlの
添加で反応を停止させた。次いで反応液を限外過器を
用いて10mlに濃縮し脱塩を行なった。10mlの濃縮液をセ
ファデックスG−25(ファルマシア・ジャパン社)を充
填した直径5cm、高さ90cmのカラムを通して、反応液中
の高分子量物質及び低分子量物質を完全に分離した。溶
出液を超遠心分離で40,000g×60分遠心分離して得られ
た上清液を0℃で凍結乾燥して製品たる化合物を得た。
ヒト免疫グロブリンに対するメソトレキセートの結合量
を305nmの吸収を用いて測定した結果はmgタンパク当
り8.3μgであった。
する。そこに151.3mgのメソトレキセートを溶解させ
る。1.0Nの塩酸水溶液でpHを5.5に調節しつ
つ、4℃で1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)−カルボジイミド塩酸塩を加えて下記の時間反応
させ、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)5mlの
添加で反応を停止させた。次いで反応液を限外過器を
用いて10mlに濃縮し脱塩を行なった。10mlの濃縮液をセ
ファデックスG−25(ファルマシア・ジャパン社)を充
填した直径5cm、高さ90cmのカラムを通して、反応液中
の高分子量物質及び低分子量物質を完全に分離した。溶
出液を超遠心分離で40,000g×60分遠心分離して得られ
た上清液を0℃で凍結乾燥して製品たる化合物を得た。
ヒト免疫グロブリンに対するメソトレキセートの結合量
を305nmの吸収を用いて測定した結果はmgタンパク当
り8.3μgであった。
5−2 上記の操作に準じてヒト免疫グロブリン1.0gとシタ
ラビン、8−アザグアニン、5−フルオロウラシル、ア
ミノプテリンナトリウムのそれぞれと反応せしめて約91
0mgの結合化合物を得た。ヒト免疫グロブリンmg当りの
シタラビン結合量は反応60分、24時間で夫々4.7μ
g、8.3μgであった。
ラビン、8−アザグアニン、5−フルオロウラシル、ア
ミノプテリンナトリウムのそれぞれと反応せしめて約91
0mgの結合化合物を得た。ヒト免疫グロブリンmg当りの
シタラビン結合量は反応60分、24時間で夫々4.7μ
g、8.3μgであった。
実施例6 ヒト免疫グロブリンF(ab′)2の調製 ヒト免疫グロブリンの1gを100mlの0.1N酢酸ナト
リウム緩衝液(pH4.5)に溶解させる。酵素と蛋白
質との比率を1/100(重量/重量)としてペプシンを加
え、37℃で16時間消化を行なう。その液に固体のトリス
塩酸塩を加えてpH8.0として反応を停止させる。反
応液を限外過器により濃縮して10mlとする。直径5cm
で高さ90cmのカラムにセファデックスG−150を充填
し、そこに濃縮液の5mlをチャージし、pH7のPBS
で溶出する。3つのピークに分離するが第1番目のピー
クをF(ab′)2として集める。この画分を透析チュ
ーブにつめて脱塩し凍結乾燥を行ないヒト免疫グロブリ
ンF(ab′)2を得た。
リウム緩衝液(pH4.5)に溶解させる。酵素と蛋白
質との比率を1/100(重量/重量)としてペプシンを加
え、37℃で16時間消化を行なう。その液に固体のトリス
塩酸塩を加えてpH8.0として反応を停止させる。反
応液を限外過器により濃縮して10mlとする。直径5cm
で高さ90cmのカラムにセファデックスG−150を充填
し、そこに濃縮液の5mlをチャージし、pH7のPBS
で溶出する。3つのピークに分離するが第1番目のピー
クをF(ab′)2として集める。この画分を透析チュ
ーブにつめて脱塩し凍結乾燥を行ないヒト免疫グロブリ
ンF(ab′)2を得た。
実施例7 ヒト免疫グロブリンF(ab′)2と抗腫瘍剤との結合 7−1 ヒト免疫グロブリンF(ab′)2の500mgを50mlの蒸
溜水に溶解する。そこに55.6mgのマイトマイシンCを溶
解させる。1.0Nの塩酸水溶液でpHを5.5に調整
しつつ4℃で131.3mgの1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩を加えて下
記の時間反応させ、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH
5.5)5mlの添加で反応を停止させた。次いで反応液
を限外過器を用いて5mlに濃縮液をセファデックスG
−25(ファルマシア・ジャパン社)を充填した直径5c
m、高さ90cmのカラムを通して反応液中の高分子量物質
及び低分子量物質を完全に分離した。溶出液を超遠心分
離で40,000×60分遠心分離して得られた上清液を0℃で
凍結乾燥して製品たる化合物を得た。ヒト免疫グロブリ
ンF(ab′)2に対する、各反応時賀におけるマイト
マイシンの結合量を360nmの紫外線吸収を用いて測定
した結果は表−4に示すごとくであった。
溜水に溶解する。そこに55.6mgのマイトマイシンCを溶
解させる。1.0Nの塩酸水溶液でpHを5.5に調整
しつつ4℃で131.3mgの1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩を加えて下
記の時間反応させ、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH
5.5)5mlの添加で反応を停止させた。次いで反応液
を限外過器を用いて5mlに濃縮液をセファデックスG
−25(ファルマシア・ジャパン社)を充填した直径5c
m、高さ90cmのカラムを通して反応液中の高分子量物質
及び低分子量物質を完全に分離した。溶出液を超遠心分
離で40,000×60分遠心分離して得られた上清液を0℃で
凍結乾燥して製品たる化合物を得た。ヒト免疫グロブリ
ンF(ab′)2に対する、各反応時賀におけるマイト
マイシンの結合量を360nmの紫外線吸収を用いて測定
した結果は表−4に示すごとくであった。
7−2 上記の操作に準じてヒト免疫グロブリンF(ab′)2
500mgと塩酸ドキソルビシン、塩酸ダウノルビシン、ブ
レオマイシンおよびアクチノマイシンDのそれぞれと反
応せしめて、約800mgの結合化合物を得た。塩酸ドキソ
ルビシンのヒト免疫グロブリンF(ab′)2mg当りの
結合量は反応時間60分、24時間で夫々8.5μg、19.6
μgであった。
500mgと塩酸ドキソルビシン、塩酸ダウノルビシン、ブ
レオマイシンおよびアクチノマイシンDのそれぞれと反
応せしめて、約800mgの結合化合物を得た。塩酸ドキソ
ルビシンのヒト免疫グロブリンF(ab′)2mg当りの
結合量は反応時間60分、24時間で夫々8.5μg、19.6
μgであった。
7−3 上記の操作に準じてヒト免疫グロブリンF(ab′)2
500mgとクロラムブチル、メルファラン、ACNU、ウ
ラムスチン、メルファランメチルエステル、シクロホス
ファミドの各々と反応せしめて約400mgの結合化合物を
得た。メルファランのヒト免疫グロブリンF(ab′)
2mg当りの結合量は反応時間90分、24時間で夫々8.1
μg、17.6μgであった。
500mgとクロラムブチル、メルファラン、ACNU、ウ
ラムスチン、メルファランメチルエステル、シクロホス
ファミドの各々と反応せしめて約400mgの結合化合物を
得た。メルファランのヒト免疫グロブリンF(ab′)
2mg当りの結合量は反応時間90分、24時間で夫々8.1
μg、17.6μgであった。
7−4 上記の操作に準じてヒト免疫グロブリンF(ab′)2
500mgとシタラビン、8−アザグアニン、5−フルオロ
ウラシル、メソトレキセート、アミノプテリンナトリウ
ムのそれぞれと反応せしめて約400mgの結合化合物を得
た。メソトレキセートのヒト免疫グロブリンF(a
b′)2mg当りの結合量は反応時間60分、24時間で夫々
7.5μg、17.3μgであった。
500mgとシタラビン、8−アザグアニン、5−フルオロ
ウラシル、メソトレキセート、アミノプテリンナトリウ
ムのそれぞれと反応せしめて約400mgの結合化合物を得
た。メソトレキセートのヒト免疫グロブリンF(a
b′)2mg当りの結合量は反応時間60分、24時間で夫々
7.5μg、17.3μgであった。
実施例8 ザルコーマ180固型腫瘍に対する抗腫瘍効果 ICRマウスを用いて継代培養したマウスザルコーマ18
0腫瘍細胞を10匹からなる群の各ICRマウス腋下部の
皮下に1×106個/匹移植し、移植の24時間後から各
種抗体、各市販抗腫瘍剤、ヒト免疫グロブリン、ヒト免
疫グロブリンF(ab′)2および各種抗腫瘍性物質と
の結合物のそれぞれの水溶液を1日置きに1回合計10回
各マウスの腹腔内に注射し、最後の注射の5日後にマウ
スを殺して腫瘍を摘出して秤量し10匹についての平均値
を求めた。この平均腫瘍重量(T)を、結合物水溶液の
代りに生理的食塩水を10回投与した対照群マウス10匹の
平均腫瘍重量(C)と比較することによって、本発明結
合物の腫瘍増殖抑制率を(1−T/C)×100(%)と
して表−5,6および7に示す。表−5はマイトマイシ
ンCとで合成した結合物、表−6はブレオマイシンとで
合成した化合物、表−7は塩酸ドキソルビシンとで合成
した化合物による結果である。
0腫瘍細胞を10匹からなる群の各ICRマウス腋下部の
皮下に1×106個/匹移植し、移植の24時間後から各
種抗体、各市販抗腫瘍剤、ヒト免疫グロブリン、ヒト免
疫グロブリンF(ab′)2および各種抗腫瘍性物質と
の結合物のそれぞれの水溶液を1日置きに1回合計10回
各マウスの腹腔内に注射し、最後の注射の5日後にマウ
スを殺して腫瘍を摘出して秤量し10匹についての平均値
を求めた。この平均腫瘍重量(T)を、結合物水溶液の
代りに生理的食塩水を10回投与した対照群マウス10匹の
平均腫瘍重量(C)と比較することによって、本発明結
合物の腫瘍増殖抑制率を(1−T/C)×100(%)と
して表−5,6および7に示す。表−5はマイトマイシ
ンCとで合成した結合物、表−6はブレオマイシンとで
合成した化合物、表−7は塩酸ドキソルビシンとで合成
した化合物による結果である。
実施例9 吉田肉腫に対する抗腫瘍効果 Donryuラットを用いて継代培養した吉田肉腫腹水
細胞を10匹からなる群の各Donryuラットの腹腔内
に1×106個/匹移植し、移植の24時間後からヒト免
疫グロブリン、ヒト免疫グロブリンF(ab′)2と各
種抗腫瘍剤、それぞれ単独およびヒト免疫グロブリン、
ヒト免疫グロブリンF(ab′)2と各種抗腫瘍性物質
との結合物のそれぞれの水溶液を1日置きに5回、合計
で5回、各々のラットの腹腔内に注射し、試料投与群の
平均生存日数(T)および対照群の平均生存日数(C)
を求め、延命率(T/C×100)を算出した。結果を表
−8乃至表−10に示す。
細胞を10匹からなる群の各Donryuラットの腹腔内
に1×106個/匹移植し、移植の24時間後からヒト免
疫グロブリン、ヒト免疫グロブリンF(ab′)2と各
種抗腫瘍剤、それぞれ単独およびヒト免疫グロブリン、
ヒト免疫グロブリンF(ab′)2と各種抗腫瘍性物質
との結合物のそれぞれの水溶液を1日置きに5回、合計
で5回、各々のラットの腹腔内に注射し、試料投与群の
平均生存日数(T)および対照群の平均生存日数(C)
を求め、延命率(T/C×100)を算出した。結果を表
−8乃至表−10に示す。
実施例10 マウス白血病P−388に対する抗腫瘍効果 DBA/2マウスを用いて継代培養したP−388腹水細
胞を10匹からなる群の各DBA/2マウスの腹腔内に1
×106個/匹移植し、移植の24時間後から各種抗腫瘍
剤、それぞれ単独およびヒト免疫グロブリン、ヒト免疫
グロブリンF(ab′)2と各種抗腫瘍性物質との結合
物のそれぞれの水溶液を1日1回5日間連続、合計で5
回各マウスの腹腔内に注射し、試料投与群の平均生存日
数(T)および対照群の平均生存日数(C)を求め、延
命率(T/C×100)を算出した。結果を表−11乃至表
−13に示す。
胞を10匹からなる群の各DBA/2マウスの腹腔内に1
×106個/匹移植し、移植の24時間後から各種抗腫瘍
剤、それぞれ単独およびヒト免疫グロブリン、ヒト免疫
グロブリンF(ab′)2と各種抗腫瘍性物質との結合
物のそれぞれの水溶液を1日1回5日間連続、合計で5
回各マウスの腹腔内に注射し、試料投与群の平均生存日
数(T)および対照群の平均生存日数(C)を求め、延
命率(T/C×100)を算出した。結果を表−11乃至表
−13に示す。
実施例11 11−1 500mgのデキストランを500mlの蒸溜水に溶解させ、pH
を1NのNaOHを加えて11とする。室温で、250mg
/mlに調整したBrCNのアセニトリル溶液を、すばや
く撹拌しながら加える。NaOHを加えてpHを10.8〜
11.0に調整する。BrCNを加え終った後10分pHを保
っておく。そこに、2.5mlの水に溶解した100mgのヘ
キサメチレンジアミンを加えてpHを1NのHClにて
9.0にあわせる。5分間、撹拌した後、250mgのメル
ファランを加えて、pHを6.5におとしpHを15分間
そのままに保つ。反応終了後4℃で反応液を10mlに濃縮
する。10mlの濃縮液をセファデックスG−25(ファルマ
シア・ジャパン社)を充填した直径5cm、高さ90cmのカ
ラムを通して反応液中の高分子量物質及び低分子量物質
を完全に分離した。溶出液を超遠心分離で40,000g×60
分、遠心分離して得られた上清液を0℃で凍結して製品
たる化合物を得た。この結合物はメルファラン−デキス
トラン結合体で1分子のデキストランあたり30分子〜50
分子のメルファランが結合していた。この結合体100mg
とヒト免疫グロブリンを100mgとをグルタルアルデヒド
を用いて結合体を作成した。同様にしてヒト免疫グロブ
リンF(ab′)2を用いて結合体を得た。
を1NのNaOHを加えて11とする。室温で、250mg
/mlに調整したBrCNのアセニトリル溶液を、すばや
く撹拌しながら加える。NaOHを加えてpHを10.8〜
11.0に調整する。BrCNを加え終った後10分pHを保
っておく。そこに、2.5mlの水に溶解した100mgのヘ
キサメチレンジアミンを加えてpHを1NのHClにて
9.0にあわせる。5分間、撹拌した後、250mgのメル
ファランを加えて、pHを6.5におとしpHを15分間
そのままに保つ。反応終了後4℃で反応液を10mlに濃縮
する。10mlの濃縮液をセファデックスG−25(ファルマ
シア・ジャパン社)を充填した直径5cm、高さ90cmのカ
ラムを通して反応液中の高分子量物質及び低分子量物質
を完全に分離した。溶出液を超遠心分離で40,000g×60
分、遠心分離して得られた上清液を0℃で凍結して製品
たる化合物を得た。この結合物はメルファラン−デキス
トラン結合体で1分子のデキストランあたり30分子〜50
分子のメルファランが結合していた。この結合体100mg
とヒト免疫グロブリンを100mgとをグルタルアルデヒド
を用いて結合体を作成した。同様にしてヒト免疫グロブ
リンF(ab′)2を用いて結合体を得た。
11−2 500mgのデキストランを500mlの蒸溜水に溶解させ、pH
を1NのNaOHを加えて11とする。室温で、250mg
/mlの濃度に調整したBrCNのアセニトリル溶液をす
ばやく撹拌しながら加える。NaOHを加えてpHを1
0.8〜11.0に調整する。BrCNを加え終った後10分間
pHを保っておく。そこに、2.5mlの水に溶解した10
0mgのヘキサメチレンジアミンを加えてpHを1NのH
Clにて9.0にあわせる。5分間撹拌した後、250mg
のマイトマシンCを加えてpHを6.5におとしpHを
15分間そのままに保つ。反応終了後、4℃で反応液を10
mlに濃縮する。10mlの濃縮液をセファデックスG−25
(ファルマシア・ジャパン社)を充填した直径5cm、高
さ90cmのカラムを通して反応液中の高分子量及び低分子
量物質を完全に分離した。溶出液を超遠心分離で40,000
g×60分遠心分離して得られた上清液を0℃で凍結乾燥
して製品たる化合物を得た。この結合物はマイトマイシ
ンC−デキストラン結合体で1分子のデキストランあた
り30分子〜50分子のマイトマイシンCが結合していた。
を1NのNaOHを加えて11とする。室温で、250mg
/mlの濃度に調整したBrCNのアセニトリル溶液をす
ばやく撹拌しながら加える。NaOHを加えてpHを1
0.8〜11.0に調整する。BrCNを加え終った後10分間
pHを保っておく。そこに、2.5mlの水に溶解した10
0mgのヘキサメチレンジアミンを加えてpHを1NのH
Clにて9.0にあわせる。5分間撹拌した後、250mg
のマイトマシンCを加えてpHを6.5におとしpHを
15分間そのままに保つ。反応終了後、4℃で反応液を10
mlに濃縮する。10mlの濃縮液をセファデックスG−25
(ファルマシア・ジャパン社)を充填した直径5cm、高
さ90cmのカラムを通して反応液中の高分子量及び低分子
量物質を完全に分離した。溶出液を超遠心分離で40,000
g×60分遠心分離して得られた上清液を0℃で凍結乾燥
して製品たる化合物を得た。この結合物はマイトマイシ
ンC−デキストラン結合体で1分子のデキストランあた
り30分子〜50分子のマイトマイシンCが結合していた。
この結合体100mgとヒト免疫グロブリンを100mgをグルタ
ルアルデヒド最終100μg/mlとなる濃度で加えて室温
で1時間反応を行ないヒト免疫グロブリン結合デキスト
ラン−マイトマイシンCを得た。
ルアルデヒド最終100μg/mlとなる濃度で加えて室温
で1時間反応を行ないヒト免疫グロブリン結合デキスト
ラン−マイトマイシンCを得た。
11−3 500mgのデキストランを500mlの蒸溜水に溶解させ、pH
を1NのNaOHを加えて11とする。室温で、250mg
/mlの濃度に調整したBrCNのアセトニトリル溶液を
すばやく撹拌しながら加える。NaOHを加えてpHを
10.8〜11.0に調整する。BrCNを加え終った後10分間
pHを保っておく。そこに2.5mlの水に溶解した100m
gのヘキサメチレンジアミンを加えてpHを1NのHC
lにて9.0にあわせる。5分間、撹拌した後、250mg
のメソトレキセートを加えてpHを6.5におとしてp
Hを15分間そのままに保つ。反応終了後、4℃で反応液
を10mlに濃縮する。10mlの濃縮液をセファデックスG−
25(ファルマシア・ジャパン社)を充填した直径5cm、
高さ90cmのカラムを通して反応液中の高分子量及び低分
子量物質を完全に分離した。溶出液を超遠心分離で40,0
00g×60分遠心分離して得られた上清液を0℃で凍結乾
燥して製品たる化合物を得た。この結合物はメソトレキ
セート−デキストラン結合体で1分子のデキストランあ
たり30分子〜50分子のメソトレキセートが結合してい
た。
を1NのNaOHを加えて11とする。室温で、250mg
/mlの濃度に調整したBrCNのアセトニトリル溶液を
すばやく撹拌しながら加える。NaOHを加えてpHを
10.8〜11.0に調整する。BrCNを加え終った後10分間
pHを保っておく。そこに2.5mlの水に溶解した100m
gのヘキサメチレンジアミンを加えてpHを1NのHC
lにて9.0にあわせる。5分間、撹拌した後、250mg
のメソトレキセートを加えてpHを6.5におとしてp
Hを15分間そのままに保つ。反応終了後、4℃で反応液
を10mlに濃縮する。10mlの濃縮液をセファデックスG−
25(ファルマシア・ジャパン社)を充填した直径5cm、
高さ90cmのカラムを通して反応液中の高分子量及び低分
子量物質を完全に分離した。溶出液を超遠心分離で40,0
00g×60分遠心分離して得られた上清液を0℃で凍結乾
燥して製品たる化合物を得た。この結合物はメソトレキ
セート−デキストラン結合体で1分子のデキストランあ
たり30分子〜50分子のメソトレキセートが結合してい
た。
この結合体100mgとヒト免疫グロブリンF(ab′)21
20mgをグルタルアルデヒドを最終100μg/mlとなる濃
度で加え結合体を作製した。
20mgをグルタルアルデヒドを最終100μg/mlとなる濃
度で加え結合体を作製した。
同様にしてヒト免疫グロブリンを用いて結合体を得た。
実施例12 12−1 マイトマイシンC11.3mgを0.01Mのリン酸緩衝液(pH
6.8)1mlに溶解させ、ここに1%のグルタルアルデ
ヒド水溶液20μlを加えて室温で8時間撹拌する。そこ
に100mgのヒト免疫グロブリンを20mlのリン酸緩衝液
(pH6.8)に溶解した液を加えてさらに2時間室温
で反応させる。反応終了後、セファデックスG−25(フ
ァルマシア・ジャパン社)を充填した直径5cm、高さ90
cmのカラムを通して反応液中の高分子量及び低分子量物
質を完全に分離した。溶出液を超遠心分離で40,000g×
60分遠心分離して得られた上清液を0℃で凍結乾燥して
製品たる化合物を得た。ヒト免疫グロブリンに対するマ
イトマシンCの結合量は蛋白mgあたり、9.6μgであ
った。
6.8)1mlに溶解させ、ここに1%のグルタルアルデ
ヒド水溶液20μlを加えて室温で8時間撹拌する。そこ
に100mgのヒト免疫グロブリンを20mlのリン酸緩衝液
(pH6.8)に溶解した液を加えてさらに2時間室温
で反応させる。反応終了後、セファデックスG−25(フ
ァルマシア・ジャパン社)を充填した直径5cm、高さ90
cmのカラムを通して反応液中の高分子量及び低分子量物
質を完全に分離した。溶出液を超遠心分離で40,000g×
60分遠心分離して得られた上清液を0℃で凍結乾燥して
製品たる化合物を得た。ヒト免疫グロブリンに対するマ
イトマシンCの結合量は蛋白mgあたり、9.6μgであ
った。
12−2 アドリアマイシン196mgを0.01Mのリン酸緩衝液(pH
6.8)に1mlに溶解させる。ここに1%のグルタルア
ルデヒド水溶液20μlを加えて室温で8時間撹拌する。
そこに100mgのヒト免疫グロブリンを20mlのリン酸緩衝
液(pH6.8)に溶解した液を加えて、さらに2時間
室温で反応させる。反応終了後、セファデックスG−25
(ファルマシア・ジャパン社)を充填した直径5cm、高
さ90cmのカラムを通して反応液中の高分子量及び低分子
量物質を完全に分離した。溶出液を超遠心分離で40,000
g×60分遠心分離して得られた上清液を0℃で凍結乾燥
して製品たる化合物を得た。ヒト免疫グロブリンに対す
るアドリアマイシンの結合量は蛋白mgあたり、5.6μ
gであった。
6.8)に1mlに溶解させる。ここに1%のグルタルア
ルデヒド水溶液20μlを加えて室温で8時間撹拌する。
そこに100mgのヒト免疫グロブリンを20mlのリン酸緩衝
液(pH6.8)に溶解した液を加えて、さらに2時間
室温で反応させる。反応終了後、セファデックスG−25
(ファルマシア・ジャパン社)を充填した直径5cm、高
さ90cmのカラムを通して反応液中の高分子量及び低分子
量物質を完全に分離した。溶出液を超遠心分離で40,000
g×60分遠心分離して得られた上清液を0℃で凍結乾燥
して製品たる化合物を得た。ヒト免疫グロブリンに対す
るアドリアマイシンの結合量は蛋白mgあたり、5.6μ
gであった。
同様にしてヒト免疫グロブリンF(ab′)2を用いて
結合体を得た。
結合体を得た。
12−3 メソトレキセート200mgを0.01Mのリン酸緩衝液(pH
6.8)1mlに溶解させる。ここに1%のグルタルアル
デヒド水溶液20μlを加えて室温で8時間撹拌する。そ
こに100mgのヒト免疫グロブリンF(ab′)2を20ml
のリン酸緩衝液(pH6.8)に溶解した液を加えて、
さらに2時間室温で反応させる。反応終了後、セファデ
ックスG−25(ファルマシア・ジャパン社)を充填した
直径5cm、高さ90cmのカラムを通して、反応液中の高分
子量及び低分子量物質を完全に分離した。溶出液を超遠
心分離で40,000g×60分遠心分離して得られた上清液を
0℃で凍結乾燥して製品たる化合物を得た。ヒト免疫グ
ロブリンF(ab′)2に対するメソトレキセートの結
合量は蛋白mgあたり、7.8μgであった。
6.8)1mlに溶解させる。ここに1%のグルタルアル
デヒド水溶液20μlを加えて室温で8時間撹拌する。そ
こに100mgのヒト免疫グロブリンF(ab′)2を20ml
のリン酸緩衝液(pH6.8)に溶解した液を加えて、
さらに2時間室温で反応させる。反応終了後、セファデ
ックスG−25(ファルマシア・ジャパン社)を充填した
直径5cm、高さ90cmのカラムを通して、反応液中の高分
子量及び低分子量物質を完全に分離した。溶出液を超遠
心分離で40,000g×60分遠心分離して得られた上清液を
0℃で凍結乾燥して製品たる化合物を得た。ヒト免疫グ
ロブリンF(ab′)2に対するメソトレキセートの結
合量は蛋白mgあたり、7.8μgであった。
実施例13 13−1 マイトマイシンC11.3mgとヒト免疫グロブリンの100mg
を0.2Mのホウ酸ナトリウム(pH9.3)の10mlに
溶解させる。そこに5mgのジエチルマロンイミデートを
加えて室温でpHを8.6に保ったまま、1時間撹拌さ
せる。さらに2.5mgのジエチルマロンイミデートを添加
して1時間撹拌を行なった、反応終了後、中性にpHを
もどした後、45%の飽和硫安を加えてヒト免疫グロブリ
ン−マイトマイシンC結合体を沈澱させた。7000rpmで1
5分間遠心分離を行ない沈澱を集めた。沈澱を5mMの
リン酸緩衝液5mlに溶解し、蒸溜水に対して透析を行な
い硫安が検出されなくなるまで(72hr)透析した。透
析終了後、セファデックスG−25(ファルマシア・ジャ
パン社)を充填した直径5cm、高さ90cmのカラムを通し
て反応液中の低分子量物質を完全にのぞいた。溶出液を
−20℃で凍結乾燥して製品たる化合物を得た。ヒト免疫
グロブリンmg当りの結合量は6.3μgであった。
を0.2Mのホウ酸ナトリウム(pH9.3)の10mlに
溶解させる。そこに5mgのジエチルマロンイミデートを
加えて室温でpHを8.6に保ったまま、1時間撹拌さ
せる。さらに2.5mgのジエチルマロンイミデートを添加
して1時間撹拌を行なった、反応終了後、中性にpHを
もどした後、45%の飽和硫安を加えてヒト免疫グロブリ
ン−マイトマイシンC結合体を沈澱させた。7000rpmで1
5分間遠心分離を行ない沈澱を集めた。沈澱を5mMの
リン酸緩衝液5mlに溶解し、蒸溜水に対して透析を行な
い硫安が検出されなくなるまで(72hr)透析した。透
析終了後、セファデックスG−25(ファルマシア・ジャ
パン社)を充填した直径5cm、高さ90cmのカラムを通し
て反応液中の低分子量物質を完全にのぞいた。溶出液を
−20℃で凍結乾燥して製品たる化合物を得た。ヒト免疫
グロブリンmg当りの結合量は6.3μgであった。
同様にしてヒト免疫グロブリンF(ab′)2を用いて
結合体を得た。
結合体を得た。
13−2 上記の操作に準じてヒト免疫グロブリン100mgとメルフ
ァラン、アミノプテリンナトリウムとの反応を行ない85
mgの結合化合物を得た。
ァラン、アミノプテリンナトリウムとの反応を行ない85
mgの結合化合物を得た。
実施例14 実施例11、実施例12、実施例13で合成した化合物
について実施例8,9,10の抗腫瘍試験を用いて効果
を調べた結果を表−14乃至表−16に示した。
について実施例8,9,10の抗腫瘍試験を用いて効果
を調べた結果を表−14乃至表−16に示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小口 義春 東京都練馬区練馬3−10−13 第一呉羽荘 22号 (72)発明者 吉汲 親雄 東京都国立市東2−19−46
Claims (12)
- 【請求項1】正常人由来の免疫グロブリンに、クロラム
ブチル、ACNU及びシクロホスファミドから成る群か
ら選択されるアルキル化剤を結合した化合物を有効成分
とする抗腫瘍剤。 - 【請求項2】免疫グロブリンがF(ab′)2であるこ
とを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の抗腫瘍
剤。 - 【請求項3】アルキル化剤がクロラムブチルであること
を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項4】水溶性カルボジイミドを用いて結合される
ことを特徴とする特許請求の範囲第1〜3項のいずれか
一項に記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項5】イソシアナート、ジエチルマロンイミデー
ト、グルタルアルデヒド、ポリグルタミン酸又はデキス
トランを用いて結合されることを特徴とする特許請求の
範囲第1〜3項のいずれか一項に記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項6】経口投与形態にあることを特徴とする特許
請求の範囲第1〜5項のいずれか一項に記載の抗腫瘍
剤。 - 【請求項7】経口投与形態が顆粒であることを特徴とす
る特許請求の範囲第6項に記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項8】経口投与形態が錠剤であることを特徴とす
る特許請求の範囲第6項に記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項9】経口投与形態がカプセルであることを特徴
とする特許請求の範囲第6項に記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項10】非経口投与形態であることを特徴とする
特許請求の範囲第1〜5項のいずれか一項に記載の抗腫
瘍剤。 - 【請求項11】非経口投与形態が座薬であることを特徴
とする特許請求の範囲第10項に記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項12】非経口投与形態が注射剤であることを特
徴とする特許請求の範囲第10項に記載の抗腫瘍剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61265118A JPH0653682B2 (ja) | 1983-04-08 | 1986-11-07 | ヒト免疫グロブリン結合抗腫瘍剤 |
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58061923A JPS59186924A (ja) | 1983-04-08 | 1983-04-08 | ヒト免疫グロブリン結合抗腫瘍剤 |
| JP61265118A JPH0653682B2 (ja) | 1983-04-08 | 1986-11-07 | ヒト免疫グロブリン結合抗腫瘍剤 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58061923A Division JPS59186924A (ja) | 1983-04-08 | 1983-04-08 | ヒト免疫グロブリン結合抗腫瘍剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62142123A JPS62142123A (ja) | 1987-06-25 |
| JPH0653682B2 true JPH0653682B2 (ja) | 1994-07-20 |
Family
ID=26403017
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61265118A Expired - Lifetime JPH0653682B2 (ja) | 1983-04-08 | 1986-11-07 | ヒト免疫グロブリン結合抗腫瘍剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0653682B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5665828A (en) * | 1979-11-02 | 1981-06-03 | Kureha Chem Ind Co Ltd | Antitumor agent |
| JPS59186924A (ja) * | 1983-04-08 | 1984-10-23 | Kureha Chem Ind Co Ltd | ヒト免疫グロブリン結合抗腫瘍剤 |
-
1986
- 1986-11-07 JP JP61265118A patent/JPH0653682B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62142123A (ja) | 1987-06-25 |
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