JPH0680739U - ベンチュリ管式粉体空気圧送ポンプのベンチュリスロート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベンチュリ管式粉体圧送ポンプ即ちエアエジ
ェクトポンプ内のベンチュリスロートの、摩耗による使
用寿命を延長せしめることである。 【構成】 短管状ベンチュリスロートの両端部に、ベル
マウス状の開口部をそれぞれ設けたものである。使用に
より１方側の開口部が摩耗した場合には、直ちにそのス
ロートの前後を差し換えて、他方側の新しい開口部を使
用する。即ち１本のスロートで、高価な弗素樹脂製の寿
命を、２倍延ばすことができるのである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ベンチュリ管式粉体空気圧送ポンプ即ちエアエジェクトポンプ内に 取付けられるベンチュリスロートに係わるものである。

【０００２】

【従来の技術】

粉体空気圧送ポンプ即ちエアエジェクトポンプの一般的使用例の一つを図３に 示す。同図は粉体塗布装置であって、流動床式タンク（１０）の上蓋上に粉体空 気圧送ポンプの取付けられたものである。同装置の作動を簡単に説明すると、コ ンプレッサ（１８）より高圧空気（Ａｃ）が、配管（１９）を通して粉体空気圧 送ポンプ（１１）内に供給される。高圧空気（Ａｃ）がベンチュリノズル（１５ ）より高速噴出即ちエジェクトし、棒状に噴出すると、その噴出流（Ａｆ）によ り噴出室（１６）内は負圧となる。同室内には吸込管（１７）が接続されており 、該管の先端部は粉体の流動層（ＦＢ）内に開口されているので、流動床式タン ク（１０）内の粉体（Ｐｄ）が、上記負圧の作用により吸引されて上記噴出室（ １６）内に入り、上記加圧空気の噴出流（Ａｆ）に吸い込まれ、ベンチュリスロ ート（１２）のベルマウスの曲面に沿ってスロート内に流入し、空気と共に配管 （２１）を通って粉体塗布ガン（２２）内に圧送されて、外部に粉体塗布される のである。

【０００３】 上記ベンチュリスロート（１２）の形状は、図４に実線で示すように短管であ り、その入口即ち流入する端部は、外径側より内径側に向かってテーパーと曲率 半径Ｒとをもって漸次絞られている。一般にいうベルマウス状をなしているもの である。理由はいうまでもなく、上記噴出流（Ａｅ）を衝突することなく効率よ くスムーズに受け入れるためである。

【０００４】 一般には、ベンチュリスロートは金属製であるが、粉体を対象とする場合には プラスチック製を使用する場合が多い。理由は、金属製であると、粉体が金属製 スロート内部を通過する際、それらの摩擦によって発熱し、その熱によって粉体 が溶融し、図５に見られるように、互いに融着（Ｐｍ）し、結果的にスロート口 径を狭めることになるからである。

【０００５】 上記融着を防止するために、より摩擦係数の小なる、そして耐摩耗性の大なる ものが望ましく、種々のプラスチック製のものをテストしたが、結局は弗素樹脂 製のものが好結果を得た。しかし、あるケースの場合には、また問題が発生した 。それは白色顔料の混入された粉体を取り扱う場合である。同顔料の主成分は酸 化チタンであり、また同チタンは超硬金属であり、これらが弗素樹脂の摩耗を、 より早めるのである。具体的に述べると、３０ないし４０時間（顔料粉体のベン チュリスロートを通過する量を重量に換算して約３５０Ｋｇ）にて摩耗せしめ、 使用不可能ならしめるのである。３０時間毎の高価な部品の交換は、いうまでも なく、コストアップにつながるものである。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、上述の如く、比較的耐摩耗性の大なるかつ摩擦係数の小なる 高価なる弗素樹脂製のベンチュリスロートの消費量を、より減少せしめることで ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案の要旨は、従来の弗素樹脂製のベンチュリスロートの両端部をベルマウ ス状とすることである。図１を参照されたい。即ちベンチュリスロートの流入口 を両端部に設けられたものである。先ず初めに一方側の流入口（ＢＭ）を使用す る。そしてある時間作業し、摩耗して、使用不可能となった時点において、該ベ ンチュリスロートを外ずして、その向きを差し換えて再び取り付け、他端の未使 用の流入口（ＢＭ₁ ）を新しい流入口として使用するものである。その作用は全 く同じであるので、その１本のスロートを２度使うことになり、２倍の寿命延長 をはかることができるのである。

【０００８】

【作用】

ベンチュリスロート（１２）の両端部にそれぞれベルマウスを設けたものを粉 体空気圧送ポンプ（１）内に取り付けた場合、図２に示す如くなり、その入口部 （ＭＢ）においては、前述した如く、その作用は従来と全く同様であり、エジェ クトエア（Ａｅ）流の受入れをスムースに行い、全く問題はない。しかし同ベン チュリスロート（１２）の出口部のベルマウス（ＢＭ₁ ）においては、同マウス と接続具（３）内孔の接続部との間には、欠虚部（４）ができる。これが実際上 、如何なる支障を来たすか、例えば気体粉体混合流の乱流が生じて、ノズルから の吐出時に、息をつくとか、粉体の凝集化が起こるとか、種々懸念されたが、実 験上は、気体粉体混合体流（ＰＡ）に対し、全く支障を来たさないことが確認さ れている。

【０００９】

【考案の効果】

ベンチュリ式粉体空気圧送ポンプにおけるベンチュリスロートの両端部を流入 口であるベルマウス状とすることにより、先ず一方側の流入口のを使用し、それ が摩耗した時には、該スロートの向きを反対にして再度取り付け、この１本のベ ンチュリスロートを２度使用することにより、その寿命を２倍に延長することが できるのである。比較的高価なる弗素樹脂系ベンチュリスロートの寿命を極めて 容易な手段により倍加せしめるということは、コスト低減上、極めて有効な手段 であるということができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のベンチュリスロートの側断面図。

【図２】上記ベンチュリスロートを、ベンチュリ管式粉
体空気圧送ポンプ内に組込んだものの、側断面図。

【図３】従来のベンチュリ管式粉体空気圧送ポンプを、
流動床式粉体タンク上に取り付けた場合の、側断面図。

【図４】上記粉体空気圧送ポンプ内に組込まれた、ベン
チュリスロートの側断面図。

【図５】上記ベンチュリスロートの入口部に、粉体の融
着した場合の状態説明図。

【符号の説明】

２ ベンチュリスロート ５ ベンチュリノズル ６ 噴出室

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高耐摩耗性合成樹脂製短管（２）の両端
   部にベルマウス状の開口部（ＢＭ，ＢＭ₁ ）の設けられ
   ることを特徴とするベンチュリ管式粉体空気圧送ポンプ
   のベンチュリスロート。