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JPH07157472A - 2−ピペラジノン−1−酢酸誘導体およびその用途 - Google Patents

2−ピペラジノン−1−酢酸誘導体およびその用途

Info

Publication number
JPH07157472A
JPH07157472A JP13027594A JP13027594A JPH07157472A JP H07157472 A JPH07157472 A JP H07157472A JP 13027594 A JP13027594 A JP 13027594A JP 13027594 A JP13027594 A JP 13027594A JP H07157472 A JPH07157472 A JP H07157472A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
acetic acid
compound according
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP13027594A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirosada Sugihara
弘貞 杉原
Zenichi Terashita
善一 寺下
Hideto Fukushi
英人 福士
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP13027594A priority Critical patent/JPH07157472A/ja
Publication of JPH07157472A publication Critical patent/JPH07157472A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】下記式 〔式中、Aはアミジノ基又は置換されていてもよいアミ
ノエチル基、R10はニトロ基、ハロゲン原子,低級アル
ケニル基,低級アルキニル基,ヒドロキシメチル基な
ど,R12及びR13はそれぞれ水素原子、水酸基、低級ア
ルコキシ基又はハロゲン原子Xは水酸基、p−ヒドロキ
シフェニル基又はエステル化若しくはアミド化されてい
てもよいカルボキシル基、Yはエステル化またはアミド
化されていてもよいカルボキシル基、nは1または2を
示す。〕で表される化合物又はその塩及びこれらの化合
物を含有することを特徴とする細胞接着阻害剤。 【効果】上記化合物は持続性ある細胞接着阻害作用を有
し、経口投与可能な抗血栓剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は細胞接着阻害作用を有す
る新規な2−ピペラジノン−1−酢酸誘導体またはその
塩及びそれらを有効成分とする動物細胞の接着阻害剤に
関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】本発明は
一般に細胞接着を調節または阻害することにより各種疾
患に対する治療剤を提供することに関する。動物細胞の
細胞外基質に対する接着性に関与する因子として、フィ
ブロネクチン、ビトロネクチン、オステオポンチン、コ
ラーゲン、トロンボスポンジン、フィブリノーゲン、及
びフォンビレブラント(von Willebrand)因子などが知
られている。これらのタンパク質は、トリペプチドの−
Arg−Gly−Asp−を細胞認識部位として含む。このトリ
ペプチドは、二つの膜に結合したサブユニットからなる
ヘテロ二量体タンパク質である受容体インテグリン(in
tegrin)に属する少なくとも一つのタンパク質によって
認識される(E. Ruoslahti and M. D. Pierschbacher,
Science, 238,491(1987))。アミノ酸配
列−Arg−Gly−Asp−を認識する構造的に関連するイン
テグリン受容体は、血小板、内皮細胞、白血球、リンパ
球、単球、顆粒球の細胞外表面に発現していることが知
られている。アミノ酸配列−Arg−Gly−Asp−を有する
化合物は細胞接着因子が結合する被接着部位と競合的に
結合することにより、細胞接着因子が結合することを阻
害する。このような細胞接着阻害物質としては例えばH
−Gly−Arg−Gly−Asp−Ser−Pro−OH が知られてい
る。血管が障害を受けると、血管内皮下のコラーゲンな
どで血小板が活性化され、血小板へのフィブリノーゲン
の結合すなわち血小板凝集が生じ、血栓が形成される。
血小板とフィブリノーゲンの相互作用は GP IIb/II
Iaを介して起こり、これが血小板凝集の重要な特徴であ
る。細胞接着阻害物質はトロンビン、エピネフリン、A
DP、コラーゲンなどの血小板凝集惹起物質による血小
板凝集を阻害する事が出来る。また細胞接着阻害物質は
癌細胞の転移の抑制(転移先での接着固定化の阻止)の
ための薬剤として期待されている。従来公知の細胞接着
阻害物質として−Arg−Gly−Asp−(RGD)のアミノ酸配列
を含む線状ペプチドあるいは環状ペプチドが知られてい
る。それらの例としてジャーナル オブ バイオロジカ
ル ケミストリー(J. Biol. Chem.),262,172
94(1987),特開平2−174797などがあ
る。
【0003】上記の公知ペプチド誘導体は活性の強さに
おいても充分とは言えず、経口吸収性も満足されていな
い。またこれらペプチド誘導体はアミノペプチダーゼや
カルボキシペプチダーゼ、種々のエンドペプチダーゼ例
えばセリンプロテアーゼなどの酵素によって加水分解さ
れ、これらの酵素の存在する溶液中や生体内での安定性
が不充分で、医薬品として臨床適用するためには充分に
解決されるには至っていなかった。又、抗血栓作用を有
する非ペプチド化合物が特開平4−264068及びヨ
ーロッパ特許出願公開 No. 505868に記載されて
いる。それぞれピロリジン環等の4−7員環状アルキレ
ンイミノをもつ化合物及びピペリジン環等をもつ化合物
が記載されている。さらに細胞接着阻害作用を有するピ
ペリジノン環を有する化合物がヨーロッパ特許出願公開
No.529858に開示されている。これら公知の抗血
栓作用を有する化合物に比べより強くより持続性のある
活性を有する化合物が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は従来知ら
れている細胞接着阻害作用を有する化合物に比べ、低用
量でより強くかつより持続性のある細胞接着阻害作用を
有する化合物を提供することである。すなわち、本発明
は前記課題を解決した新規な2−ピペラジノン−1−酢
酸誘導体、およびそれを有効成分とする細胞接着阻害作
用を有する薬剤に関する。すなわち本発明は、式(I)
【化3】 〔式中、Aはアミジノ基又は置換されていてもよいアミ
ノエチル基を示し、R10はニトロ基、ハロゲン原子,低
級アルケニル基,低級アルキニル基,ヒドロキシメチル
基,ホルミル基,低級アルキルオキシカルボニル基及び
式−OR11(式中、R11は水素原子又はそれぞれ置換さ
れていてもよい低級アルキル、低級アルケニル,低級ア
ルキニル,低級アルカノイル,カルバモイル又はメタン
スルホニル基を示す。)で表される基から選ばれる一種
を示し、R12及びR13はそれぞれ水素原子、水酸基、低
級アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、Xは水酸基、
p−ヒドロキシフェニル基又はエステル化若しくはアミ
ド化されていてもよいカルボキシル基を示し、Yはエス
テル化またはアミド化されていてもよいカルボキシル基
を示し、nは1または2を示す。〕で表される化合物又
はその塩およびこれらの化合物を含有する細胞接着阻害
剤に関する。式(I)で表わされる化合物の代表的もの
として式(I′)
【0005】
【化4】 〔式中、R11は水素原子、置換されていてもよい低級ア
ルキル基,低級アルカノイル基,置換されていてもよい
カルバモイル基又はメタンスルホニル基を示し、R12
びR13はそれぞれ水素原子、水酸基、低級アルコキシ基
又はハロゲン原子を示し、Xは水酸基、p−ヒドロキシ
フェニル基又はエステル化若しくはアミド化されていて
もよいカルボキシル基を示し、Yはエステル化またはア
ミド化されていてもよいカルボキシル基を示し、nは1
または2を示す〕で表される化合物又はその塩があげら
れる。 Aはアミジノ基又は置換されていてもよいアミノエチル
基を示す。置換されたアミノエチル基としては、プロド
ラッグとして投与された後、生体内にて該置換基が離脱
し生理的に活性な遊離のアミノエチル基に変わり得る基
が好ましい。このような置換アミノエチル基のアミノ置
換基としては、例えばピバロイルオキシメチル,n−オ
クチルオキシカルボニル,n−ヘキシルオキシカルボニ
ル,n−オクチルアミノカルボニル,n−ヘキシルアミ
ノカルボニル,テトラヒドロフラン−2−イル,ピロリ
ジン−1−イルメチル,モルホリノメチル,N,N−ジ
メチルアミノメチルアミノカルボニルオキシメチル基等
があげられる。R10で表わされる基又は原子としては、
例えばニトロ基、ハロゲン原子、低級アルケニル基,ア
ルキニル基,ヒドロキシメチル基,ホルミル基,低級ア
ルキルオキシカルボニル基及び式−OR11で表わされる
Oを介して結合する基等が好ましい。R11としては水素
原子又はそれぞれ置換されていてもよい低級アルキル,
低級アルケニル,低級アルキニル,低級アルカノイル,
カルバモイル基若しくはメタンスルホニル基等が好まし
い。
【0006】すなわち、R10としてはニトロ基、ハロゲ
ン原子,低級アルケニル基,低級アルキニル基,ヒドロ
キシメチル基,ホルミル基,低級アルキルオキシカルボ
ニル基及び式OR11(式中、R11は水素原子又はそれぞ
れ置換されていてもよい低級アルキル、低級アルケニ
ル,低級アルキニル,低級アルカノイルされていてもよ
いカルバモイル若しくはメタンスルホニル基を示す。)
で表される基から選ばれる一種であることが好ましい。
より具体的にはR10としては、水酸基、C1-3アルコキ
シ基で置換されていてもよいC1-5アルコキシ基、C2-3
アルケニルオキシ基,C2-3アルキニルオキシ基,ニト
ロ基,ハロゲン原子,C1-3アルカノイルオキシ基,C
1-3アルキルオキシ基で置換されていてもよいカルバモ
イルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基,C2-3アル
ケニル基,C2-3アルキニル基及びヒドロキシメチル
基,ホルミル基,C1-3アルキルオキシカルボニル基か
ら選ばれる一種が好ましい。R11で表される低級アルキ
ル基としては、メチル,エチル,n−プロピル,i−プ
ロピル,n−ブチル,i−ブチル,sec−ブチル,tert
−ブチル,n−ペンチル,i−ペンチル等の直鎖状又は
分枝状の炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。とりわ
け直鎖状の炭素数C1-3のアルキル基が好ましい。
【0007】R11で表される置換されていてもよい低級
アルキル,低級アルケニル,低級アルキニル,低級アル
カノイル及びメタンスルホニル基の置換基としては、例
えば水酸基、低級(C1-3)アルコキシ基、アミノ基、
モノ低級(C1-3)アルキルアミノ基、ジ低級(C1-3
アルキルアミノ基、低級(C1-3)アルカノイル基、低
級(C1-3)アルカノイルオキシ基、低級(C1-3)アル
カノイルアミノ基、低級(C1-3)アルコキシカルボニ
ル基、低級(C1-3)アルキル基で置換されていてもよ
いカルバモイル基などがあげられる。これら置換基のう
ちでは、メトキシ,エトキシ,プロピルオキシ等の低級
(C1-3)アルコキシ基が特に好ましい。又、R11で表
される置換されていてもよいカルバモイル基の置換基と
しては、低級(C1-3)アルキルがあげられる。R12
びR13で表される低級アルコキシ基及び上記R11で表さ
れる置換されていてもよい低級アルキル,低級アルケニ
ル,低級アルキニル,低級アルカノイル及びメタンスル
ホニル基の置換基中に含まれる低級アルコキシ基として
は、メトキシ,エトキシ,n−プロピルオキシ等の炭素
数1〜3のアルコキシ基が好ましい。R11で表される低
級アルカノイル基及びR11で表される置換されていても
よい低級アルキル,低級アルケニル,低級アルキニル,
低級アルカノイル及びメタンスルホニル基の置換基中に
含まれる低級アルカノイル基としては、ホルミル,アセ
チル,プロピオニル等の炭素数1〜3のアルカノイル基
が好ましい。R10,R12及びR13で表されるハロゲン原
子としては、フッ素,塩素,臭素及びヨウ素があげられ
る。とりわけフッ素原子と塩素原子が好ましい。R11
表される置換されていてもよいカルバモイル基の置換基
の低級アルキル基、R10で表わされる低級アルキルオキ
シカルボニル基に含まれる低級アルキル基及びR11のそ
れぞれ置換されていてもよい低級アルキル,低級アルケ
ニル,低級アルキニル,低級アルカノイル及びメタンス
ルホニル基の置換基としての置換アミノ基及び置換カル
バモイル基の置換基としての低級アルキル基としてはメ
チル,エチル,n−プロピル,i−プロピル等の炭素数
1〜3の低級アルキル基が好ましい。
【0008】R10及びR11で表わされる低級アルケニル
基としては、ビニル,アリル,1−プロペニル等の炭素
数2〜3のアルケニル基が好ましい。R10及びR11で表
わされる低級アルキニル基としてはエチニル,プロパル
ギル等の炭素数2〜3のアルキニル基が好ましい。上記
化合物のうち、R10が水酸基又はメトキシ基である化合
物が最も好ましい。又、式(I)においてR10がエトキ
シ基,メトキシエトキシ基,プロポキシ基,プロパルギ
ルオキシ基,アリルオキシ基,フッ素原子又は塩素原子
である化合物も好ましく、これらのうちとりわけ、エト
キシ基,プロパルギルオキシ基,アリルオキシ基及びフ
ッ素原子が好ましい。R12及びR13に関してはともに水
素原子の化合物が特に好ましい。又、nに関しては、n
=1である化合物が好ましい。Aがアミジノ基であり、
10が水酸基又はメトキシ基であり、R12及びR13がと
もに水素原子であり、n=1である化合物が特に好まし
い。Aがアミジノ基であり、R10がエトキシ基、プロパ
ルギルオキシ基、アリルオキシ基又はフッ素原子であ
り、R12及びR13がともに水素原子であり、n=1であ
る化合物も好ましい。Aがアミノエチル基であり、R10
が水酸基又はメトキシ基であり、R12及びR13がともに
水素原子であり、n=1である化合物も、好ましい。さ
らにAがアミノエチル基であり、R10がエトキシ基、プ
ロパルギルオキシ基、アリルオキシ基又はフッ素原子で
あり、R12及びR13がともに水素原子であり、n=1で
ある化合物も好ましい。
【0009】XおよびYで表されるエステル化またはア
ミド化されていてもよいカルボキシル基としては、とり
わけ化合物(I)がプロドラッグとして投与され、生体
内で生理的に活性な化合物に変わり得る基が好ましいが
XおよびYは、それぞれ式
【化5】 で表せる。R1およびR2は通常、それぞれ同一または異
なって、ヒドロキシル基、炭素数1−8のアルコキシ基
(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ)、
低級アルケニルオキシ基としては例えば、アリルオキ
シ、ブテニルオキシなどの炭素数3−12のアルケニル
オキシ基、アラルキルオキシ基(例えばベンジルオキ
シ、フェネチルオキシ、3−フェニルプロピルオキシな
どの低級アルキル部が炭素数1−4程度のフェニル低級
アルキルオキシ基)を表わすか、またはそれぞれ−NR
34,−NR56であらわされる置換されていてもよい
アミノ基を表す。NR34及びNR56においてR3
4,R5とR6はそれぞれ同一または異なって、水素、
低級アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、
ヘキシルなどの炭素数1−6の低級アルキル基)、炭素
数3−8のアルケニル基(例、アリル(allyl)、2−
ブテニル、3−ペンテニル)、または炭素数6−12の
アラルキル基(例、ベンジル、フェネチル、フェニルプ
ロピル、ピリジルメチル)を示し、アラルキル基中のア
リール基は無置換であっても、又は1ないし2個の置換
基で置換されていてもよい。該置換基としてはニトロ、
ハロゲン(塩素、フッ素、臭素)、低級アルキル基(メ
チル、エチル、プロピル)、低級アルコキシ基(メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ)などが挙げられる。
【0010】又、本発明化合物(I)をプロドラッグタ
イプの経口剤にする場合には、上記R1,R2として、水
酸基、置換されていてもよいアミノ〔(例、アミノ,N
−低級(C1-4)アルキルアミノ,N,N−ジ低級(C
1-4)アルキルアミノなど)〕または置換されていても
よいアルコキシ基〔例、アルキル部分が水酸基,置換さ
れていてもよいアミノ(例、アミノ,ジメチルアミノ,
ジエチルアミノ,ピペリジノ,モルホリノなど),ハロ
ゲン,低級(C1-6)アルコキシ,低級(C1-6)アルキ
ルチオ,低級(C1-6)アルキルオキシカルボニル
(例、ブチルオキシカルボニル),プロピリデン,3−
フタリジリデン,置換されていてもよいアミノカルボニ
ルあるいは置換されていてもよいジオキソレニル(例、
5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−
イルなど)で置換されていてもよい低級(C1-6)アル
コキシ基〕、式−OCH(R7)OCOR8〔式中、R7
は水素,炭素数1−6の直鎖もしくは分枝状の低級アル
キル基(例、メチル,エチル,n−プロピル,イルプロ
ピル,n−ブチル,イソブチル,t−ブチル,n−ペン
チル,イソペンチル,ネオペンチルなど)、または炭素
数5−7のシクロアルキル基(例、シクロペンチル,シ
クロヘキシル,シクロヘプチルなど)を示し、R8は炭
素数1−6の直鎖もしくは分枝状の低級アルキル基
(例、メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,
n−ブチル,イソブチル,sec−ブチル,t−ブチル,
n−ペンチル,イソペンチル,ネオペンチルなど)、炭
素数2−8の低級アルケニル基(例、ビニル,プロペニ
ル,アリル,イソプロペニルなど)、炭素数5−7のシ
クロアルキル基(例、シクロペンチル,シクロヘキシ
ル,シクロヘプチルなど)、炭素数5−7のシクロアル
キル基(例、シクロペンチル,シクロヘキシル,シクロ
ヘプチルなど)もしくはフェニル基などのアリール基で
置換された炭素数1−3の低級アルキル基(例、ベンジ
ル,p−クロロベンジル,フェネチル,シクロペンチル
メチル,シクロヘキシルメチルなど)、炭素数5−7の
シクロアルキル基(例、シクロペンチル,シクロヘキシ
ル,シクロヘプチルなど)もしくはフェニル基などのア
リール基で置換された炭素数2−3の低級アルケニル基
(例、シンナミル等のビニル,プロペニル,アリル,イ
ソプロペニルなどのアルケニル部を持つものなど)、置
換されていてもよいフェニル基などのアリール基(例、
フェニル,p−トリル,ナフチルなど)、炭素数1−6
の直鎖もしくは分枝状の低級アルコキシ基(例、メトキ
シ,エトキシ,n−プロポキシ,イソプロポキシ,n−
ブトキシ、イソブトキシ,sec−ブトキシ,t−ブトキ
シ,n−ペンチルオキシ,イソペンチルオキシ,ネオペ
ンチルオキシなど)、炭素数2−8の直鎖もしくは分枝
状の低級アルケニロキシ基(例、アリロキシ,イソブテ
ロキシなど)、炭素数5−7のシクロアルキルオキシ基
(例、シクロペンチルオキシ,シクロヘキシルオキシ,
シクロヘプチルオキシなど)、炭素数5−7のシクロア
ルキル基(例、シクロペンチル,シクロヘキシル,シク
ロヘプチルなど)もしくは置換されていてもよいフェニ
ルなどのアリール基で置換された炭素数1−3の低級ア
ルコキシ基(例、ベンジロキシ,フェネチロキシ,シク
ロペンチルメチロキシ,シクロヘキシルメチロキシなど
のメトキシ,エトキシ,n−プロポキシ,イソプロポキ
シなどのアルコキシ部を持つものなど)、炭素数5−7
のシクロアルキル基(例、シクロペンチル,シクロヘキ
シル,シクロヘプチルなど)もしくは置換されていても
よいフェニルなどのアリール基で置換された炭素数2−
3の低級アルケニロキシ基(例、シンナミロキシ等のビ
ニロキシ,プロペニロキシ,アリロキシ,イソプロペニ
ロキシなどのアルケニロキシ部を持つものなど)、置換
されていてもよいフェノキシ基などのアリールオキシ基
(例、フェノキシ,p−ニトロフェノキシ,ナフトキシ
など)を示す〕で表される基などを導入するのが好まし
い。
【0011】とりわけ、プロドラッグとして用いる場合
のYで表されるエステル化されたカルボキシル基として
のエステル化されたカルボキシル基の好ましい基として
は−COOMe、−COOEt、−COOtBu、−COO
Pr、ピバロイロメトキシカルボニル、1−(シクロヘ
キシルオキシカルボニロキシ)エトキシカルボニル、5
−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イ
ルメトキシカルボニル、アセトキシメチルオキシカルボ
ニル、プロピオニロキシメトキシカルボニル、n−ブチ
リロキシメトキシカルボニル、イソブチリロキシメトキ
シカルボニル、1−(エトキシカルボニロキシ)エトキ
シカルボニル、1−(アセチロキシ)エトキシカルボニ
ル、1−(イソブチリロキシ)エトキシカルボニル、シ
クロヘキシルカルボニルオキシメトキシカルボニル、ベ
ンゾイロキシメトキシカルボニル、シンナミロキシカル
ボニル、シクロペンチルカルボニロキシメトキシカルボ
ニル、N,N−ジメチルアミノカルボニルメトキシ、2
−(イソブチリロキシカルボニル)−2−プロピリデン
エトキシカルボニル、(3−フタリジリデン)エトキシ
カルボニルなどが挙げられる。式(I)において、Xと
してはとりわけ−COOH、−COOCH3、−CON
2等が好ましい。又、Yとしては−COOH又は生体
内でカルボキシル基に変わり得る基が好ましい。式
(I)において、Xが−COOCH3,Yが−COOH又
は生体内でカルボキシル基に変わり得る基でかつ、A,
10,R12,R13及びnが上述の好ましい基である化合
物は、活性が特にすぐれている。
【0012】本発明化合物(I)は分子内に1ないしそ
れより多い不斉炭素を有するが、これら不斉炭素に関し
R配置、S配置のいずれも本発明に包含される。尚、化
合物(I)は水和物であってもよく、水和物も含め以下
化合物(I)と称する。化合物(I)の塩としては、例え
ば塩酸塩,臭化水素酸塩,硫酸塩,硝酸塩,燐酸塩など
の無機酸塩、例えば酢酸塩,酒石酸塩,クエン酸塩,フ
マール酸塩,マレイン酸塩,トルエンスルホン酸塩,メ
タンスルホン酸塩などの有機酸塩、たとえばナトリウム
塩,カリウム塩,カルシウム塩,アルミニウム塩などの
金属塩、たとえばトリエチルアミン塩,グアニジン塩,
アンモニウム塩,ヒドラジン塩,キニーネ塩,シンコニ
ン塩などの塩基との塩などの薬理学的に許容されうる塩
があげられる。
【0013】好ましい化合物としては具体的には、
(S)−4−(4−アミジノベンゾイル−L−チロシ
ル)−3−メトキシカルボニルメチル−2−オキソピペ
ラジン−1−酢酸,(S)−4−(4−アミジノベンゾ
イル−L−チロシル)−3−メトキシカルボニルメチル
−2−オキソピペラジン−1−酢酸 塩酸塩,(S)−
4−(4−アミジノベンゾイル−L−チロシル)−3−
メトキシカルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1
−酢酸 メタンスルホン酸塩,(S)−4−(4−アミ
ジノベンゾイル−O−メチル−L−チロシル)−3−メ
トキシカルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−
酢酸,(S)−4−(4−アミジノベンゾイル−O−エ
チル−L−チロシル)−3−メトキシカルボニルメチル
−2−オキソピペラジン−1−酢酸,(S)−4−(4
−アミノエチルベンゾイル−O−メチル−L−チロシ
ル)−3−メトキシカルボニルメチル−2−オキソピペ
ラジン−1−酢酸等が挙げられる。
【0014】本発明化合物(I)〔式(I′)の化合物
を含む〕はたとえば下記のような方法で製造することが
できる。以下の製法の説明において、原料化合物及び中
間体中に含まれる。R10,R12,R13はペプチド分野で
通常用いられている保護基を有していてもよく、以下の
説明ではこれら保護された基も含めていることを示す。
尚これら官能基の導入と脱離は慣用技術に従って行える
ことはいうまでもない。 a)式
【化6】 〔式中、各記号は前記と同意義〕で表される化合物を縮
合反応に付すか、 b)
【化7】 〔式中各記号は前記と同意義〕で表される化合物と式
【化8】 〔式中各記号は前記と同意義〕で表される化合物とを縮
合反応に付すことによって製造することができる。
【0015】本発明の化合物(I)の製造法としての
a)法およびb)法の縮合反応としては、通常のペプチ
ドにおけるアミド結合形成反応、例えば、活性エステル
または混合酸無水物または酸塩化物の方法によって実施
することができる。例えば、化合物(II)と化合物(II
I)または化合物(IV)と化合物(V)の縮合反応におい
て、化合物(II)または化合物(IV)と2,4,5−ト
リクロロフェノール、ペンタクロロフェノール、2−ニ
トロフェノール、または4−ニトロフェノール、などの
フェノール類またはN−ヒドロキシスクシニミド、N−
ヒドロキシ−5−ノルボルネン−エンド−2,3−ジカ
ルボキシイミド(HONB)、1−ヒドロキシベンズト
リアゾール(HOBT)、N−ヒドロキシピペリジンな
どのN−ヒドロキシ化合物をジシクロヘキシルカルボジ
イミドなどの触媒の存在下に縮合させ、活性エステル体
に変換した後、縮合させることによって行うことができ
る。化合物(II)または化合物(IV)をイソブチルクロ
ロホルメートと反応させることによって、混合酸無水物
を得た後、縮合させることもできる。
【0016】また、化合物(II)と化合物(III)また
は化合物(IV)と化合物(V)との該縮合反応はジシク
ロヘキシルカルボジイミド、N,N′−カルボニルジイ
ミダゾール、ジフェニルリン酸アジド、シアノリン酸ジ
エチルなどのペプチド形成試薬を単独で用いて縮合させ
ることも出来る。該縮合反応において、化合物(II),
(II′)または化合物(IV)の式中に存在するアミジノ
基は無機酸(例、塩化水素、硫酸、硝酸、臭化水素)の
塩として存在するか、tert−ブトキシカルボニル基又は
ベンジルオキシカルボニル基で保護されていることが好
ましい。該縮合反応は上記いずれの場合も、好ましくは
有機塩基(例、トリエチルアミン、N−メチルピペリジ
ン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン)又は無機塩
基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム)の添加によって反応を促進させることができる。反
応温度は通常−20〜+50℃であり、好ましくは0℃
〜室温付近であり、通常用いる溶媒としては例えば水、
ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ピ
リジン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、N−メチルピロリドン、クロロホルム、塩化
メチレンなどがあげられ、単独もしくは混合溶媒として
用いてもよい。
【0017】最終方法の生成物に含有されているカルボ
キシル基の保護基(一般式(I)中、X又はYのカルボ
キシル基の保護基であるベンジル基またはtert−ブチル
基)及び/又はフェノール性水酸基若しくはアルコール
性水酸基の保護基(一般式(I)中、R10,R12,R13
及びXの水酸基の保護基であるベンジル基またはtert−
ブチル基)は、それ自体公知の方法で除去することがで
きる。例えばベンジルエステル基またはベンジルエーテ
ル基を有する化合物はパラジウム、白金のような貴金属
触媒の存在下に水素添加することにより、カルボン酸誘
導体を得ることができるし、tert−ブチルエステル基ま
たはtert-ブチルエーテル基を有する化合物はトリフル
オロ酢酸、塩化水素のような酸による処理によりカルボ
ン酸誘導体を得ることができる。化合物(I)の塩は、
化合物(I)を製造する反応自体で得ることもできる
が、必要に応じ酸、アルカリ、塩基を加えて上述の如き
化合物(I)の塩を製造することもできる。
【0018】かくして得られる本発明の目的化合物
(I)は反応混合物から通常の分離精製手段、たとえば
抽出,濃縮,中和,濾過,再結晶,カラムクロマトグラ
フィー,薄層クロマトグラフィーなどの手段を用いるこ
とによって単離することができる。化合物(I)は少な
くとも2個の立体異性体が存在し得る。これら個々の異
性体およびこれら混合物のいずれも当然本発明の範囲に
包含されるものであり、所望によりこれらの異性体を個
別に製造することもできる。上記の式(III),(I
V),(V)で表される原料化合物、及び下記する式(I
X),(X),(XII),(XIII),(XIV)および(XV)
で表される原料化合物のそれぞれ単一の異性体を用いて
記載の反応を行うことにより、化合物(I)の単一の光
学異性体を得ることができるし、また生成物が二種類以
上の異性体混合物の場合にはこれを通常の分離方法、た
とえば光学活性酸(例、カンファースルホン酸,酒石
酸,ジベンゾイル酒石酸など)、光学活性塩基(例、シ
ンコニン,シンコニジン,キニーネ,キニジン,α−メ
チルベンジルアミン,デヒドロアビエチルアミンなど)
との塩を生成させる方法や、各種のクロマトグラフィ
ー,分別再結晶などの分離手段によって、それぞれの異
性体に分離することもできる。
【0019】本発明の原料化合物(II)および(II′)
は自体公知の化合物であり、式(III)、(IV)および
(V)で表される原料化合物は自体公知の方法に準じて
製造することができるが、たとえば次の反応式で示され
る方法によっても製造することができる。以下の記載に
おいて、式(III)の化合物を単に(III)と表すことが
ある。他の化合物も同様に記すことがある。
【0020】
【化9】
【化10】
【0021】上記反応式中、Rはアミノ酸のアミノ基の
保護基でありベンジルオキシカルボニル基若しくはtert
−ブトキシカルボニル基等を示す。R10,R12,R13
びXはフェノール性水酸基又はアルコール性水酸基の保
護基を有していてもよく、このような保護基としては例
えばtert−ブチル基,置換または非置換ベンジル基を示
す。X又はYのカルボキシル基、ベンジル基又はtert-
ブチル基等の保護基を有していてもよい。上記反応式で
示される化合物(III)の製造法について、さらに詳し
く説明すると、(VI)と(VII)を反応させて化合物(V
III)を得る反応はアミノ基に対する通常のアルキル化
反応であり、化合物(VI)と化合物(VII)を、塩基
(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウ
ム、フッ化セシウムなどの無機塩基または、トリエチル
アミン、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジ
ンなどの有機塩基)の存在下、通常0〜+100℃程度
の温度で反応させることにより製造することができる。
反応溶媒としてはたとえばアセトニトリル、N,N−ジ
メチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トルエン、
塩化メチレンなどの有機溶媒があげられる。ついで化合
物(VIII)とアミノ酸のN−保護誘導体(IX)の縮合反
応による化合物(X)の製造は通常のアミノ酸のペプチ
ド結合形成反応であり、化合物(II)と化合物(II
I)の縮合反応と同様の反応条件によって製造すること
ができる。
【0022】かくして得られた化合物(X)から環状化
合物(XI)への環化反応は、酸触媒による環化反応であ
り、たとえば触媒としては、p−トルエンスルホン酸、
カンファースルホン酸、メタンスルホン酸などの有機ス
ルホン酸を触媒として用いることができる。反応は通常
トルエン、ベンゼン、酢酸エチル、1,2−ジクロロエ
タンなどの溶媒中で化合物(X)を反応温度0〜+10
0℃、好ましくは+30〜+80℃で反応させることに
より化合物(XI)が得られる。ついで化合物(XI)から
化合物(XII)への還元反応は二重結合の還元反応であ
り、たとえば白金、パラジウム、ラネーニッケルなどの
金属やそれらと任意の担体との混合物を触媒とする接触
還元、たとえば水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化
ホウ素ナトリウムなどの金属水素化化合物による還元に
よって容易に製造することができる。上記反応は通常有
機溶媒(例、メタノール、エタノール、ジオキサン、酢
酸エチル)の存在下に行われ、反応温度は還元手段によ
って異なるが一般には−20〜+100℃程度が好まし
い。本反応は常圧で充分目的を達成することができる
が、都合によっては加圧下に反応を行ってもよい。また
本反応は、Rがベンジルオキシカルボニル基を示し、接
触還元反応によって還元反応を行った場合にはRの脱保
護反応も同時に進行し、化合物(V)を一挙に得ること
ができる。
【0023】(XII)→(V)および(XIV)→(III)の
脱保護反応は通常のペプチドのアミノ基の保護基を除去
反応であり、Rがベンジルオキシカルボニル基を表す場
合は、白金、パラジウム、ロジウムなどの金属を触媒と
する接触還元反応によって除去することができる。また
Rがtert−ブトキシカルボニル基を表すときは、メタノ
ール、エタノール、酢酸エチル、ジオキサンなどの有機
溶媒中、トリフルオロ酢酸、塩化水素などの酸によって
容易に除去することができる。化合物(V)とアミノ酸
誘導体(XIII)との縮合反応および化合物(II′)と化
合物(XV)との縮合反応はアミド結合形成反応であり、
化合物(II)と化合物(III)の縮合反応と同様の方法
によって製造することができる。式(XIII)で表される
原料化合物は、例えば J. Am. Chem. Soc., 77(19
55)に記載の方法に準じて製造することができる。さ
らに一般的にR10がそれぞれ置換されていてもよい低級
アルキルオキシ、低級アルケニルオキシ、低級アルキニ
ルオキシ、低級アルカノイルオキシ、カルバモイルオキ
シ、又はメタンスルホニルオキシ基である化合物(XII
I)はアミノ基をベンジルオキシカルボニル基若しくはt
ert−ブトキシカルボニル基で保護したチロシン若しく
は3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(DOPA)
と硫酸ジメチル、硫酸ジエチルなどのジアルキル硫酸、
若しくはハロゲン化アルケニル、ハロゲン化アルキニ
ル、アシルハライド、酸無水物、アルキルイソシアネー
ト、アルキルスルフォニルハライドなどを反応させるこ
とによって製造できる。反応は塩基(例、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、フッ化セシウムなどの無機塩
基又はトリエチルアミン、ピリジン、4−N,N−ジメ
チルアミノピリジンなどの有機塩基)の存在下、通常3
0〜100℃程度の温度で行うことができる。反応溶媒
としてはたとえば水、アセトニトリル、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トルエン、塩化
メチレンなどがあげられる。
【0024】またR10が低級アルキニル基、低級アルケ
ニル基、低級アルキルオキシカルボニル基である化合物
(XIII)はそれ自体公知の方法に準じて製造できる。例
えばJ. Chem. Soc., Chem. Commun., 904(198
7)、J. Am. Chem. Soc., 109,547(198
1)、J. Org. Chem., 48,3252(1983)に
記載の方法により製造できる。式(XIII)で表される化
合物のうちR10がニトロ基またはハロゲン原子でR12
13の水素原子の化合物は公知化合物で市販されている
ものが使用できる。また一般的に式(XIII)で表される
化合物はα−アミノ酸の合成法として用いられる方法に
よって製造することもできる。例えば J. Am. Chem. So
c., 70,1451(1948)、Proc. Chem. Soc.,
117(1962)、J. Am. Chem.Soc., 65,221
1(1943)に記載の方法に準じて製造することがで
きる。さらに式(XIII)で表される化合物のそれぞれの
光学異性体は文献公知の方法に準じて製造することがで
きる。例えばU.S.P.,3841966(194
6)に記載の方法に準じて製造することができる。
【0025】式(XIV)で表される化合物のうちR10
ホルミル基の化合物はR10がアリル基である式(XIV)
の化合物を四酸化ルテニウムで酸化することにより製造
することができる。式(XIV)で表される化合物のうち
10がヒドロキシメチル基の化合物はR10がホルミル基
である化合物(XIV)を水素化ホウ素ナトリウムで還元
することにより製造できる。式(XIV)で表される化合
物のうちYがプロドラックとして用いるエステル化され
たカルボキシル基である化合物は文献公知の方法に準じ
て製造することができる。すなわちChem.Pharm. Bul
l., 31,2698(1983),Chem. Pharm. Bul
l., 32,2241(1984),J. Antibiotics, 4
0,81(1987),J. Antibiotics, 45,135
8(1992)などに記載の方法に準じて製造すること
ができる。さらに一般的にはYがカルボキシル基である
化合物(XIV)をChem. Pharm. Bull., 31,2698
(1983),Chem. Pharm. Bull.,32,2241
(1984),J. Antibiotics, 40,81(198
7),J.Antibiotics. 45,1358(1992)な
どに記載の公知の有機ハロゲン化物と塩基(例、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、炭酸水素ナトリウム、フッ化セシウムなどの無
機塩基又はトリエチルアミン、ピリジン、4−N,N−
ジメチルアミノピリジンなどの有機塩基)の存在下通常
−20〜100℃の温度で反応させることにより製造で
きる。反応溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミ
ド、アセトニトリル、塩化メチレン、酢酸エチル、テト
ラヒドロフランなどがあげられる。上記の化合物(I)
およびその中間体の製造法において、反応に用いる化合
物は反応に支障のない限り、たとえば塩酸塩,臭化水素
酸塩,硫酸塩,硝酸塩,燐酸塩などの無機酸塩、たとえ
ば酢酸塩,酒石酸塩,クエン酸塩,フマール酸塩,マレ
イン酸塩,トルエンスルホン酸塩,メタンスルホン酸塩
などの有機酸塩、たとえばナトリウム塩,カリウム塩,
カルシウム塩,アルミニウム塩などの金属塩、たとえば
トリエチルアミン塩,グアニジン塩,アンモニウム塩,
ヒドラジン塩,キニーネ塩,シンコニン塩などの塩基と
の塩などの塩の形で用いられてもよい。上記製法により
化合物(I)が遊離体得られた場合は常法によりその塩
に変換し、又化合物(I)の塩で得られた場合はその塩
を化合物(I)に常法により変換することができる。
【0026】式(I)の化合物(その水和物を含む)
は、低毒性で安全な化合物であり、血小板のフィブリノ
ーゲンレセプター(糖蛋白質IIb/IIIa)に対するフィブ
リノーゲン、フィブロネクチンおよびフォンウィルブラ
ンド因子(von Willebrand factor)の結合、および様
々な型の細胞の表面上の相当するレセプターに対するそ
れらのおよびビトロネクチン、コラーゲンおよびラミニ
ンのような他の粘着性蛋白質の結合を阻害する。それ故
に、本発明の化合物は、細胞−細胞および細胞−マトリ
ックス相互作用に影響を与え、特に、該化合物は、血小
板トロンビンの育成を妨害するので、ヒトを含む哺乳動
物の末梢動脈閉塞、急性心筋梗塞(AMI)、深部静脈
血栓、肺塞栓、解離性動脈瘤、一過性脳虚血発作(TI
A)、脳卒中および他の閉塞関連障害、不安定狭心症、
汎発性血管内凝固(DIC)、敗血症、外科または感染
性ショック、術後および分娩後外傷、心肺バイパス外科
手術、不適合輸血、胎盤早期剥離、血栓性血小板減少性
紫斑病(TTP)、蛇毒および免疫病のごとき過剰凝集
による急性または慢性の腎疾患、炎症、動脈硬化、溶血
性尿毒症性症候群、対象性末梢性壊死、褥創の治療また
は予防に用いることができる。さらに本発明化合物
(I)は血栓溶解剤の作用増強と再閉塞防止、PTCA
後の再閉塞防止、透析による血小板減少症の防止、人工
血管および臓器による血栓防止に用いることができるほ
か、癌転移を阻害し抗腫瘍剤としても使用できる。
【0027】式(I)の化合物(その水和物およびその
塩を含む)を含有する医学的組成物は、例えば錠剤、ラ
ッカー処理錠剤、糖被覆錠剤、硬質および軟質ゼラチン
カプセル、溶液、乳濁液または懸濁液の形態で経口的
に、または、坐剤の形態で直腸的にまたはスプレーとし
て投与することができる。しかしながら、投与はまた、
例えば注射用溶液の形態で非経口的に行うこともでき
る。上記の各形態の製剤は、それぞれ常法に従い、必要
により賦形剤等を用いて製造することができる。錠剤、
ラッカー処理錠剤、糖被覆錠剤および硬質ゼラチンカプ
セルを製造するために、活性化合物を薬学的に不活性な
無機または有機賦形剤と混合することができる。錠剤、
糖被覆錠剤および硬質ゼラチンカプセルに対して使用す
ることのできるこのような賦形剤の代表例は、ラクトー
ス、とうもろこし澱粉またはその誘導体、タルク、ステ
アリン酸またはその塩である。軟質ゼラチンカプセルに
対する適当な賦形剤の例は、植物油、ワックス、脂肪、
半固体および液状のポリオールである。しかしながら、
活性化合物の特性が適当である場合は、軟質ゼラチンカ
プセルを使用する場合に、何れの賦形剤も必要でない。
【0028】溶液およびシロップの製造に対して適当な
賦形剤の例は、水、ポリオール、シュクロース、転化糖
およびグルコースである。注射用溶液に対する適当な例
は、水、アルコール、ポリオール、グリセロールおよび
植物油である。坐剤に対する適当な例は、天然または硬
化油、ワックス、脂肪および半液状または液状のポリオ
ールである。薬学的組成物は、更に、防腐剤、可溶化
剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、風味
料、浸透圧を変化する塩、緩衝剤、被覆剤または酸化防
止剤を含有することができる。前述した疾患を抑制また
は防止する活性化合物の投与量は、広範囲な限界内で変
化することができる。そして勿論それぞれの特定の場合
における個々の状況に適合するように調節しなければな
らない。一般に、1日につき約0.01〜20mg/kg、
好ましくは約0.1〜4mg/kgの投与量が成人に対する
経口投与において適当である。非経口の場合、通常成人
に対し1日につき約0.005〜1.0mg/kg、好まし
くは約0.01〜0.3mg/kgの投与が好ましい。
【0029】
【発明の効果】本発明は、細胞接着を調節または阻害す
ることにより各種疾患に対する予防、治療に有効な化合
物及び医薬を提供する。特に本発明化合物は、経口投与
により長時間に亘りADPによる血小板凝集抑制作用を
発揮することから公知の同作用物質に比べ、より強くし
かもより持続性のある抗血栓剤になり得る。
【0030】
【実施例】以下、試験例、参考例及び実施例により本発
明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。 試験例1 In vitro 結合実験
【方法】モルモットのクエン酸加血液より洗浄血小板を
調製し Hepes・Tyrode液(pH7.5)に浮遊させ血小
板数を50万/μlに調製した。この血小板浮遊液70
μlにADP溶液10μl(最終濃度:5×10-5M)を
添加し、室温で15分間放置した。被験薬溶液および
125I−fibrinogen 溶液(最終濃度:0.1μM)80
μlを添加し、室温で2時間放置した。反応液100μl
を20%ショ糖緩衝液に重層して3,000rpmで20分
間遠心分離を行い血小板結合性と非結合性の125I−fib
rinogen を分離した。血小板結合性125I−fibrinogen
の放射活性を測定し、対照群(緩衝液処理)の特異的結
合に対する被験薬処理群の値より結合阻害率を求めた。 実施例1の化合物の125I−fibrinogen のモルモット活
性化血小板への特異的結合に対する作用 IC50値:2.7×10-9M(n=3;ここでnは実験
対象動物個体数を示す。以下の試験例においてnは同
義)
【0031】試験例2 In vitro 血小板凝集の測定
【方法】ヒトの場合は2週間以上薬物を服用していない
健常男子の上腕静脈より、モルモットはペントバルビタ
ール麻酔下(20mg/kg,i.p.)、腹部大動脈からクエ
ン酸ナトリウムを抗凝固剤として(最終濃度:0.38
%,ヒト;0.315%,モルモット)採血した。クエ
ン酸加血液を950rpmで10分間および2,000rpm
で10分間それぞれ室温下で遠心分離を行い、多血小板
血漿(PRP)および乏血小板血漿(PPP)を得、P
RPをPPPで希釈して血小板数を500,000/μl
に調製した。血小板凝集はBornの方法(Nature 19
4:927,1962)に従い、アグリゴメーター(ヘ
マトレーサー 6,東亜医用電子)を用いて分光学的に
測定した。PRP(250μl)を37℃で2分間保温
後、被験薬溶液25μlを加え、その2分後に凝集惹起
剤25μlを加えた。被験薬の効果は対照群の最大凝集
率に対する被験薬処置群の最大凝集率の抑制率で示し
た。ADPは最大凝集の得られる最小濃度を用いた
(0.6−1μM)。 実施例化合物のADPによる血小板凝集に対する抑制作用 ────────────────────────────── 化合物の ADPによる血小板凝集抑制作用IC50値(M) 実施例番号 ヒト(n=3) モルモット(n=3) ────────────────────────────── 1 2.0×10-8 3.7×10-8 3 1.0×10-8 1.5×10-8 4 − 1.2×10-7 5 4.0×10-8 3.4×10-8 14 1.6×10-8 3.3×10-8 18 2.0×10-8 2.6×10-8 19 2.1×10-8 2.2×10-8 21 2.6×10-8 3.8×10-8 22 1.8×10-8 4.7×10-8 23 1.7×10-8 3.8×10-8 24 2.4×10-8 4.6×10-8 31 1.2×10-8 1.8×10-8 ────────────────────────────── (−未測定)
【0032】試験例3 Ex vivo 血小板凝集実験
【方法】一晩絶食させたモルモットに被験薬溶液を経口
投与(2ml/kg)して1,4および24時間後にペント
バルビタール麻酔下(20mg/kg,i.p.)に採血した。
上述の方法でPRPを調製し、ADPによる血小板凝集
を測定し対照群の凝集率に対する被験薬投与群の凝集率
から抑制率を求めた。被験薬は蒸留水に溶かして経口投
与した。 実施例1の化合物のモルモットでのADP凝集抑制作用 3mg/kg 経口投与 1時間後 抑制率:100%(n
=4) 3mg/kg 経口投与 4時間後 抑制率:100%(n
=4) 3mg/kg 経口投与24時間後 抑制率:100%(n
=3) 実施例3の化合物のモルモットでのADP凝集抑制作用 1mg/kg 経口投与 1時間後 抑制率: 95%(n
=6) 1mg/kg 経口投与 4時間後 抑制率:100%(n
=6)
【0033】参考例1 N−(2,2−ジメトキシエチル)グリシン tert−ブ
チルエステル 2,2−ジメトキシエチルアミン150g、無水炭酸カ
リウム200gおよびN,N−ジメチルホルムアミド
1.4リットルの混合物にクロロ酢酸 tert−ブチルエ
ステル100mlを20−25℃でかき混ぜながら加え
る。2時間かき混ぜた後、クロロ酢酸 tert−ブチルエ
ステル100mlを加え20−25℃で7時間かき混ぜ
る。反応液に氷水1.4リットルを加え、酢酸エチルで
抽出する。有機層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後減圧下に溶媒を留去する。残留物を減圧蒸
留に付し、沸点80−85℃(0.4mmHg)の画分を目
的物として得る。 収量 163g。 NMRスペクトル(CDCl3)δ:1.49(s,9H), 2.75
(d,J=5.4Hz,2H), 3.33(s,2H), 3.39(s,6H), 4.47(t,J=
5.4Hz,1H)
【0034】参考例2 3−メトキシカルボニルメチル−2−オキソピペラジン
−1−酢酸 tert−ブチルエステル しゅう酸塩 N−(2,2−ジメトキシエチル)グリシン tert−ブ
チルエステル44gおよびN−ベンジルオキシカルボニ
ル−L−アスパラギン酸 β−メチルエステル49.5
gを塩化メチレン400mlに溶解した溶液に1−エチル
−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
44gを氷冷下かき混ぜながら加える。10分間氷冷下
で、ついで室温で50分間かき混ぜる。反応液に水30
0mlおよび5%KHSO4水溶液100mlを加え振り混
ぜる。有機層を分離し、水層は塩化メチレン200mlで
抽出する。有機層を合わせ、水洗、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後減圧下に溶媒を留去する。得られる残留物(8
8g)をトルエン1リットルに溶解し、p−トルエンス
ルホン酸4.0gを加え70−75℃で4時間かき混ぜ
る。冷後反応液を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、無
水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧下に溶媒を留去する。残
留物をシリカゲル(600ml)のカラムクロマトグラフ
ィーに付し、溶出液(酢酸エチル−ヘキサン=1:1)
1リットルで溶出される画分を集め減圧濃縮する。得ら
れる残留物68gを酢酸エチル1.5リットルに溶解し
た溶液に10%パラジウム−炭素16gを加え、水素気
流中で3時間はげしくかき混ぜる。触媒をろ去したろ液
にしゅう酸2水和物20.2gをメタノール200mlに
溶解した溶液を加え放置する。析出する結晶をろ取し、
酢酸エチルで洗い乾燥すると目的化合物46.8gが得
られる。 融点 146−147℃ 比旋光度〔α〕D 23−26.0°(c=0.603,メタ
ノール) 元素分析値:C132225・C224として 計算値:C,47.87; H,6.43; N,7.44 実測値:C,47.79; H,6.20; N,7.42
【0035】参考例3 (S)−4−L−チロシル−3−メトキシカルボニルメ
チル−2−オキソピペラジン−1−酢酸 tert−ブチル
エステル 酢酸塩 (S)−3−メトキシカルボニルメチル−2−オキソピ
ペラジン−1−酢酸tert−ブチルエステル1.65g、
N−ベンジルオキシカルボニル−L−チロシン1.9g
をジクロルメタン15mlに溶解し、室温でかき混ぜなが
ら1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド塩酸塩1.44gを加え1時間かき混ぜ
る。反応液を減圧濃縮し、得られる油状物を酢酸エチル
に溶解し、有機層を5%硫酸水素カリウムで洗い、無水
硫酸マグネシウムで乾燥後減圧下に溶媒を留去する。得
られる残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー
(溶出液:酢酸エチル:ヘキサン=7:3)に付し、
(S)−4−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−チ
ロシル)−3−メトキシカルボニルメチル−2−オキソ
ピペラジン−1−酢酸 tert−ブチルエステルの無色油
状物2.0gを得る。 IRνmax cm-1: 3332, 2952, 1740, 1646, 1613, 151
4, 1444, 1367, 1227,1153. NMR(CDCl3)δ:1.46(9H,s), 2.30-2.53(1H,m),
2.72-3.13(5H,m), 3.50-3.72(2H,m), 3.63(3H,s), 3.8
5(1H,d,J=12Hz), 4.07(1H,d,J=12Hz), 4.70-4.90(1H,
m), 4.90-5.05(1H,m), 5.11(2H,s), 5.50-5.67(2H,m),
6.76(2H,d,J=8.2Hz), 7.03(2H,d,J=8.2Hz), 7.36(5H,
s). 得られた(S)−4−(N−ベンジルオキシカルボニル
−L−チロシル)−3−メトキシカルボニルメチル−2
−オキソピペラジン−1−酢酸 tert−ブチルエステル
1.3g、10%パラジウム−炭素300mg、酢酸18
0mgおよびメタノール20mlの混合物を水素気流中で3
0分間かき混ぜる。触媒をろ去し、ろ液を減圧下に濃縮
し、(S)−4−L−チロシル−3−メトキシカルボニ
ルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸 tert−ブ
チルエステル酢酸塩の無色油状物1.0gを得る。本品
は精製することなくつぎの反応に用いることができる。
【0036】実施例1 (S)−4−(4−アミジノベンゾイル−L−チロシ
ル)−3−メトキシカルボニルメチル−2−オキソピペ
ラジン−1−酢酸 塩酸塩 参考例3で得られた(S)−4−L−チロシル−3−メ
トキシカルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−
酢酸 tert−ブチルエステル1.0gおよび炭酸水素ナ
トリウム380mgを水20mlおよびジオキサン10mlの
混合液に溶解しはげしくかき混ぜながら4−アミジノベ
ンゾイルクロリド塩酸塩505mgを10分間にわたって
加える。1時間かき混ぜた後、反応液を減圧下に濃縮す
る。得られる残留物にトリフルオロ酢酸10mlを加え1
時間かき混ぜる。反応液を減圧下に濃縮乾固し、残留物
を1N塩酸5mlに溶かし、ワコーゲルLP−C18カラ
ム(溶出液:7.5%アセトニトリル水溶液)に付し、
目的物画分を集め凍結乾燥し目的化合物550mgを無色
粉末として得る。 比旋光度:〔α〕D 23+91°(c=0.2,H2O) 元素分析値:C262958・HCl(576.0)と
して 計算値:C,54.22; H,5.25; N,12.16 実測値:C,53.94; H,5.31; N,11.93.
【0037】参考例4 (S)−4−O−tブチル−L−チロシル−3−メトキ
シカルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸
tert−ブチルエステル 酢酸塩 (3)−メトキシカルボニルメチル−2−オキソピペラ
ジン−1−酢酸 tert−ブチルエステル1.87g、お
よびN−ベンジルオキシカルボニル−O−tブチル−L
−チロシン2.43gを参考例3と同様に処理し、
(S)−4−(N−ベンジルオキシカルボニル−O−t
ブチル−L−チロシル)−3−メトキシカルボニルメチ
ル−2−オキソピペラジン−1−酢酸 tert−ブチルエ
ステルの無色油状物3.2gが得られる。 IRνmax cm-1: 3300, 2980, 1740, 1655, 1505, 144
0, 1365, 1237, 1160. NMR(CDCl3)δ:1.31(9H,s), 1.46(9H,s), 2.35
-2.51(1H,m), 2.70-3.18(5H,m), 3.57-3.70(2H,m), 3.6
3(3H,s), 3.81(1H,d,J=17Hz), 4.02(1H,d,J=17Hz), 4.7
5-4.88(1H,m), 5.00(1H,t,J=5.2Hz), 5.10(2H,s), 5.65
(1H,d,J=8.8Hz),6.91(2H,d,J=8.4Hz), 7.10(2H,d,J=8.4
Hz), 7.35(5H,s). 得られた(S)−4−(N−ベンジルオキシカルボニル
−O−tブチル−L−チロシル)−3−メトキシカルボ
ニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸tert−ブ
チルエステル3.2g、10%パラジウム炭素1.0
g、酢酸300mgおよびメタノール50mlの混合物を水
素気流中で30分間かき混ぜる。触媒をろ去して除き、
ろ液を減圧濃縮し、目的物の無色油状物2.80gを得
る。本品はそのままつぎの反応に使用できる。
【0038】実施例2 (S)−4−(4−アミジノベンゾイル−L−チロシ
ル)−3−メトキシカルボニルメチル−2−オキソピペ
ラジン−1−酢酸 参考例4で得られた(S)−4−O−tブチル−L−チ
ロシル−3−メトキシカルボニルメチル−2−オキソピ
ペラジン−1−酢酸 酢酸塩2.80g、炭酸水素ナト
リウム840mgを水40mlおよびジオキサン20mlの混
合液に溶解し、激しくかき混ぜながら4−アミジノベン
ゾイルクロリド塩酸塩1.1gを20分間で加える。反
応液を減圧濃縮し、得られる粗生成物をトリフルオロ酢
酸30mlに溶かし、1時間放置後、減圧濃縮する。残留
物をMCI GEL CHP20Pカラム(10%アセ
トニトリル水溶液)で精製する。目的物画分を濃縮し、
得られる残留物を水−メタノールから再結晶すると目的
化合物の無色結晶1.9gが得られる。 融点 229−235℃ 比旋光度:〔α〕D 20+82°(c=1.0,H2O) 元素分析値:C262958・3/2H2O 計算値:C,55.12; H,5.69; N,12.36 実測値:C,55.38; H,5.66; N,12.40.
【0039】参考例5 (S)−4−O−メチル−L−チロシル−3−メトキシ
カルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸
tert−ブチルエステル 酢酸塩 参考例2で得た(S)−3−メトキシカルボニルメチル
−2−オキソピペラジン−1−酢酸 tert−ブチルエス
テルとN−ベンジルオキシカルボニル−O−メチル−L
−チロシンとを参考例3と同様の方法で縮合し、ついで
接触還元し(S)−4−O−メチル−L−チロシル−3
−メトキシカルボニルメチル−2−オキソピペラジン−
1−酢酸 tert−ブチルエステル 酢酸塩の無色油状物
を得る。収率85%。 同様の方法によって以下の参考例化合物6−9を無色油
状物として得た。
【表1】
【0040】参考例10 (S)−4−L−3,4−ジメトキシフェニルアラニル
−3−メトキシカルボニルメチル−2−オキソピペラジ
ン−1−酢酸 トリフルオロ酢酸塩 参考例2で得た(S)−3−メトキシカルボニルメチル
−2−オキソピペラジン−1−酢酸 tert−ブチルエス
テルとN−tert−ブトキシカルボニル−L−3,4−ジ
メトキシフェニルアラニンとを縮合させ、ついで塩化メ
チレン中トリフルオロ酢酸を反応させ、減圧下に溶媒を
留去し、目的化合物の無色油状物を得る。本品は精製す
ることなく次の反応に使用することができる。 参考例11 (S)−4−L−3,4−ジエトキシフェニルアラニル
−3−メトキシカルボニルメチル−2−オキソピペラジ
ン−1−酢酸 トリフルオロ酢酸塩 参考例10と同様の方法で(S)−3−メトキシカルボ
ニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸 tert−
ブチルエステルとN−tert−ブトキシカルボニル−L−
3,4−ジエトキシフェニルアラニンから製造すること
ができる。 参考例12 (S)−3−tert−ブトキシメチル−2−オキソピペラ
ジン−1−酢酸 tert−ブチルエステル シュウ酸塩 N−(2,2−ジメトキシエチル)グリシン tert−ブ
チルエステルとN−ベンジルオキシカルボニル−O−te
rt−ブチル−L−セリンとから参考例2と同様の方法で
合成した。 融点 178−180℃ 比旋光度〔α〕D 20−30.4°(c=1.0,DMS
O) 元素分析値 C152824・C224・0.5H2
として 計算値:C,51.12 ; H,7.82 ; N,7.01 実測値:C,51.40 ; H,7.71 ; N,6.94
【0041】参考例13 (S)−3−(4−tert−ブトキシベンジル)−2−オ
キソピペラジン−1−酢酸 tert−ブチルエステル N−(2,2−ジメトキシエチル)グリシンとN−ベン
ジルオキシカルボニル−O−tert−ブチル−L−チロシ
ンとから参考例2と同様の方法で合成した。 融点 124−126℃ 比旋光度〔α〕D 20−81.7°(c=0.97,CHCl
3) 元素分析値 C213224として 計算値:C,66.99 ; H,8.57 ; N,7.44 実測値:C,66.92 ; H,8.54 ; N,7.38 参考例12および参考例13で得られた化合物とN−ベ
ンジルオキシカルボニル−O−tert−ブチル−L−チロ
シンとを参考例3と同様の方法で縮合させ、ついで接触
還元することにより参考例14および15の化合物が得
られる。 参考例14 (S)−4−O−tert−ブチル−L−チロシル−3−te
rt−ブトキシメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸
tert−ブチルエステル 酢酸塩 参考例15 (S)−4−O−tert−ブチル−L−チロシル−3−
(4−tert−ブトキシベンジル)−2−オキソピペラジ
ン−1−酢酸 tert−ブチルエステル 酢酸塩
【0042】実施例3 (S)−4−(4−アミジノベンゾイル−O−メチル−
L−チロシル)−3−メトキシカルボニルメチル−2−
オキソピペラジン−1−酢酸 参考例5で得た(S)−4−O−メチル−L−チロシル
−3−メトキシカルボニルメチル−2−オキソピペラジ
ン−1−酢酸 tert−ブチルエステルと4−アミジノベ
ンゾイルクロリドとを実施例2と同様の方法で縮合さ
せ、ついでトリフルオロ酢酸で脱保護した後、MCI
GEL CHP20Pカラム(三菱化成)で精製(溶出
液 H2O→5%CH3CN→10%CH3CN)し、水
−エタノールから再結晶すると目的化合物の無色結晶が
得られる。収率66% 融点 208−212℃ 比旋光度〔α〕D 20−76.7°(c=1.035,DM
SO) 元素分析値 C273158・3H2Oとして 計算値:C,53.37 ; H,6.14 ; N,11.53 実測値:C,53.15 ; H,6.14 ; N,11.36 同様の方法で参考例5,6,7,8,9,10,11,
14,15で得た化合物と4−アミジノベンゾイルクロ
リドとを実施例3と同様の操作により以下の実施例4−
11の化合物を得た。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】参考例5と同様の方法によって参考例化合
物15−20を無色油状物として得た。
【0046】
【表4】 参考例10と同様の方法によって以下の参考例化合物2
1−26を無色油状物として得た。
【0047】
【表5】 参考例15、16、17、18、19、20で得た化合
物と4−アミジノベンゾイルクロリドとを実施例3と同
様の操作に付し以下の実施例12−17の化合物を得
た。
【0048】
【表6】 参考例21、22、23、24、25、26で得た化合
物と4−アミジノベンゾイルクロリドとを実施例2と同
様の操作に付し以下の実施例18−23の化合物を得
た。
【0049】
【表7】
【0050】実施例24 (S)−4−{4−アミジノベンゾイル−(3,4−ジ
ヒドロキシ)−DL−フェニルアラニル}−3−メトキ
シカルボニル−2−オキソピペラジン−1−酢酸 参考例2で得た(S)−tert−ブチル 3−メトキ
シカルボニルメチル−2−オキソピペラジン−酢酸 し
ゅう酸塩、N−ベンジルオキシカルボニル−3、4−ジ
(メトキシメチルオキシ)−DL−フェニルアラニン、
および4−アミジノベンゾイルクロリドを用いて参考例
5、実施例3と同様の操作により題記化合物を無色非晶
粉末として得た。 比旋光度 〔α〕D 20 64.2° (C=0.5, H2O) 元素分析値 : C262959・2H2O 計算値:C,52.79; H,5.62; N,11.84. 実測値:C,52.83; H,5.75; N,11.66. 実施例25 (S)−4−{4−アミジノベンゾイル−(4−クロ
ロ)−DL−フェニルアラニル}ー3−メトキシカルボ
ニル−2−オキソピペラジン−1−酢酸 参考例2で得た(S)−3−メトキシカルボニルメチル
−2−オキソピペラジン−1−酢酸 tert−ブチルエス
テル、N−ベンジルオキシカルボニル−4−クロロ−D
L−フェニルアラニン、および4−アミジノベンゾイル
クロリドを用いて参考例10、実施例2と同様の操作に
より題記化合物を無色非晶粉末として得た。 比旋光度 〔α〕D 20 56.8°(c=0.45, H
2O) 元素分析値 : C2628ClN57・H2O 計算値:C,54.22; H,5.25; N,12.16. 実測値:C,53.98; H,5.31; N,12.33.
【0051】参考例27 エチル N−tブトキシカルボニル−L−チロシネート エチル L−チロシネート塩酸塩25.0g、炭酸水素
ナトリウム9.41gを水125.0ml、 1,4−ジオキサ
ン125.0mlに溶解し、 室温撹拌下二炭酸ジ−tブチル
25.7mlを加えた。 1時間撹拌した後、 塩化メチレン
により分液抽出し、有機層を減圧濃縮した。 残渣を少量
の酢酸エチルに溶解し、石油エーテルにより結晶化さ
せ、 題記化合物29.0g(91.8%)を白色結晶として
得た。 融点 : 83−86℃ 比旋光度 〔α〕D 20 : +41.7°(C=1.0, CHC
l3) 元素分析値 : C1622NO5・0.1H2O 計算値 : C, 61.96; H, 7.21; N, 4.52 分析値 : C, 61.81; H, 7.41; N, 4.51 参考例28 エチル N−tブトキシカルボニル−4−トリフルオロ
メタンスルホニルオキシ−L−フェニルアラネート エチル N−tブトキシカルボニル−L−チロシネート
6.0g、 2,6−ルチジン3.40ml、 及び4−ジメチ
ルアミノピリジン0.48gを塩化メチレン97.3mlに
溶解させ、 −30℃で撹拌下トリフルオロメタンスルホ
ン酸無水物4.91mlをゆっくり滴下し、 その後室温に
て1時間撹拌した。 反応系に水を加え塩化メチレンにて
分液抽出し、 有機層を減圧濃縮した。 残渣をシリカゲル
クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)に
て粗精製し、(酢酸エチル/ペンタン)により結晶化さ
せ、 題記化合物4.9g(57.2%)を淡赤色結晶として
得た。 融点 : 49−50℃ 比旋光度 〔α〕D 20 : +32.3℃(C=1.0, CHC
l3) 元素分析値 : C17213NO7S 計算値 : C, 46.36; H, 4.81; N, 3.18 分析値 : C, 46.52; H, 5.07; N, 3.13
【0052】参考例29 エチル N−tブトキシカルボニル−4−ビニル−L−
フェニルアラネート エチル N−tブトキシカルボニル−4−トリフルオロ
ンメタンスルホニルオキシ−L−フェニルアラネート
2.89g、 塩化リチウム834mg、 ビス(トリフェニル
フォスフィン)パラジウム(II)クロリド92.1mg、 2,
6−ジ−tブチル−4−メチルフェノール145mg、 ビ
ニルトリブチルチン1.99mlをN,N−ジメチルホルム
アミド49.1mlに溶解し、 窒素雰囲気下90℃にて2
時間撹拌した。反応系にピリジン3.31ml、 ピリジニ
ウムフルオリド6.61ml(1.4Mテトラヒドロフラン
溶液)を加え、 さらに室温で18時間撹拌した。 反応系
に水を加え不溶物を濾過して除き、 酢酸エチルにより分
液抽出し有機層を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロ
マトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)にて精
製し、題記化合物1.65g(78.5%)を淡黄油状物と
して得た。 IRνmax cm-1:2978, 2932, 1738, 1713, 1510, 1444, 1
390, 1366, 1346, 1249,1168, 1095, 1056, 989, 906,
850, 828, 777 NMR(CDCl3) δ:1.24(t,J=7.2Hz,3H), 1.42(s,9H), 2.90
-3.21(m,2H), 4.17(q,J=7.2Hz,2H), 4.47-4.63(m,1H),
4.90-5.08(m,1H), 5.23(d,J=10.8Hz,1H), 5.72(d,J=17.
6Hz,1H), 6.69(dd,J=17.6Hz,J=11.0Hz,1H), 7.10(d,J=
8.0Hz,2H), 7.34(d,J=8.0Hz,2H)
【0053】参考例30 N−tブトキシカルボニル−4−ビニル−L−フェニル
アラニン エチル N−tブトキシカルボニル−4−ビニル−L−
フェニルアラネート1.65g及び水酸化リチウム・1
水和物0.24gをメタノール:水=10:1の混合溶
媒5.17mlに溶解し室温にて20分間撹拌した。反応
系を1N HCl水にてpH2−3とし、酢酸エチルによ
り分液抽出した。 有機層を減圧濃縮し題記化合物1.4
0g(92.7%)を無色油状物として得た。 IRνmax cm-1:3428, 2978, 1714, 1511, 1442, 1393, 1
366, 1249, 1164, 1055NMR(CDCl3) δ:1.42(s,9H), 2.9
9-3.28(m,2H), 4.53-4.70(m,1H), 4.83-5.04(m,1H), 5.
23(d,J=10.8Hz,1H), 5.73(d,J=17.6Hz,1H), 6.69(dd,J=
11.0Hz,J=17.6Hz,1H), 6.40-7.00(br,1H), 7.14(d,J=8.
2Hz,2H), 7.35(d,J=8.2Hz,2H) 参考例31 (S)−4−(N−tブトキシカルボニル−4−ビニル−L
−フェニルアラニル)−3−メトキシカルボニルメチル
−2−オキソピペラジン−1−酢酸tブチルエステル (S)−3−メトキシカルボニルメチル−2−オキソピペ
ラジン−1−酢酸tブチルエステル シュウ酸塩2.17
g、及びN−tブトキシカルボニル−4−ビニル−L−
フェニルアラニン1.40gを塩化メチレン21.7mlに
溶解させ、水冷しながら1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩1.38gを5
分間かけてゆっくりと加えた。 室温にて1時間撹拌した
後、塩化メチレンを減圧下に留去した。残渣を酢酸エチ
ルに溶解させ、 5%硫酸水素カリウム水, 飽和炭酸水素
ナトリウム水にて洗浄し、 有機層を無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥させた後減圧濃縮した。 残渣を(酢酸エチル/
石油エーテル)にて結晶化させ題記化合物2.04g(7
5.8%)を白色結晶として得た。 融点 : 148−152℃ 比旋光度 〔α〕D 20 : +94.3°(C=0.5%, CH
Cl3) 元素分析値 : C294138 計算値 : C, 62.24; H, 7.38; N, 7.51 分析値 : C, 62.01; H, 7.51; N, 7.47
【0054】実施例26 (S)−4−(4−アミジノベンゾイル−L−4−ビニル
フェニルアラニル)−3−メトキシカルボニルメチル−
2−オキソピペラジン−1−酢酸 (S)−4−(N−tブトキシカルボニル−4−ビニル−L
−フェニルアラニル)−3−メトキシカルボニルメチル
−2−オキソピペラジン−1−酢酸tブチルエステル0.
60gを塩化メチレン3.0ml、 トリフルオロ酢酸3.0
mlに溶解し、室温にて1時間撹拌した。 反応系を減圧濃
縮し、 トルエンにて数回共沸した。 本品をH2O 11.
1ml, 1,4−ジオキサン5.6mlの混合溶媒に溶解さ
せ、炭酸水素ナトリウム0.45gを室温で加えた後、
4−アミジノベンゾイルクロリド0.35gを室温で5
分間かけて加えた。 1時間撹拌後、 1N HCl 水にて
pH2−3にした後、 反応液を減圧濃縮した。残渣をC
HP−20カラム(H2O→5%CH3CN/H2O→10
%CH3CN/H2O→15%CH3CN/H2O→20%
CH3CN/H2O)にて精製し、 1N HCl水により塩
酸塩に変換して凍結乾燥し題記化合物0.39g(58.
4%) を無色非晶粉末として得た。 比旋光度 〔α〕D 20 : +84.9°(C=1.0%, H2
O) 元素分析値 : C283257Cl・2.0H2O 計算値 : C, 54.06; H, 5.83; N, 11.26 分析値 : C, 53.82; H, 5.52; N, 11.11
【0055】実施例27 (S)−4−(4−アミジノベンゾイル−L−4−エチニ
ルフェニルアラニル)−3−メトキシカルボニルメチル
−2−オキソピペラジン−1−酢酸 エチル N−tブトキシカルボニル−4−トリフルオロ
メタンスルホニルオキシ−L−フェニルアラネート2.
97g、塩化リチウム857mg、 ビス(トリフェニルフ
ォスフィン)パラジウム(II)クロリド94.6mg、 2,6
−ジ−tブチル−4−メチルフェノール149mg、 エチ
ニルトリブチルチン2.03mlをジメチルホルムアミド
50.5mlに溶解し窒素雰囲気下、 90℃にて2時間撹
拌した。 反応系にピリジン4.8ml、 ピリジニウムフル
オリド9.6ml(1.4Mテトラヒドロフラン溶液)を加
え、 さらに室温で18時間撹拌した。 反応系に水を加え
不溶物を濾過して除き、 酢酸エチルにより分液抽出し有
機層を減圧濃縮した。 残渣をシリカゲルクロマトグラフ
ィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)にて精製した。 本
品及び水酸化リチウム・1水和物34.3mgをメタノー
ル:水=10:1の混合溶媒0.74mlに溶解し、室温
にて45分間撹拌した。 反応系を1N HCl水にてpH
2−3にし、 酢酸エチルにより分液抽出した。 有機層を
減圧濃縮し、 N−tブトキシカルボニル−4−エチニル
−L−フェニルアラニンを無色油状物として得た。 本品
及び(S)−3−メトキシカルボニルメチル−2−オキソ
ピペラジン−1−酢酸tブチルエステルシュウ酸塩0.4
2gを塩化メチレン4.2mlに溶解させ、水冷しながら
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミド塩酸塩0.24gを5分間かけてゆっくりと加
えた。 室温にて1時間撹拌した後、塩化メチレンを減圧
下に留去した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、 5%硫酸
水素カリウム水, 飽和炭酸水素ナトリウム水にて洗浄
し、 有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後減圧
濃縮した。 残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキ
サン/酢酸エチル=2/3)にて精製し、 (S)4−(N−
tブトキシカルボニル−4−エチニル−L−フェニルア
ラニル)−3−メトキシカルボニルメチル−2−オキソ
ピペラジン−1−酢酸tブチルエステル370mgを無色
油状物として得た。本品を塩化メチレン1.9ml、トリ
フルオロ酢酸1.9mlに溶解し室温にて1時間撹拌した。
反応系を減圧濃縮しトルエンにて数回共沸した。 残渣
をH2O6.8ml, 1,4−ジオキサン3.4mlの混合溶媒
に溶解させ、 炭酸水素ナトリウム 0.28gを室温で加
えた後4−アミジノベンゾイルクロリド0.22gを室温
で5分間かけて加えた。 1時間撹拌後1N HCl水に
てpH2−3にした後反応液を減圧濃縮し、 残渣をCH
P−20カラム(H2O→5%CH3CN/H2O→10%
CH3CN/H2O→15%CH3CN/H2O→20%C
3CN/H2O)にて精製し、 1N HCl 水により塩
酸塩として凍結乾燥し、 題記化合物0.13g(3.0%)
を無色非晶粉末として得た。 比旋光度 〔α〕D 20 : +57.2°(C=1.0, H
2O) 元素分析値 : C283057Cl・3.0H2O 計算値 : C, 52.71; H, 5.69; N, 10.98 分析値 : C, 52.61; H, 5.51; N, 11.06
【0056】参考例32t ブチル N−ベンジルオキシカルボニル−L−チロシ
ネートt ブチル L−チロシネート5.0g、 炭酸水素ナトリウ
ム2.65gをH2O25.0ml、 1,4−ジオキサン2
5.0mlに溶解し、 室温撹拌下ベンジルオキシカルボニ
ルクロライド4.51mlを加えた。 15分間撹拌した後
酢酸エチルにより分液抽出した。 有機層を減圧濃縮し、
残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸
エチル=2/1)により精製し題記化合物7.79gを淡
黄油状物として得た。 IRνmax cm-1:3346, 2978, 1700, 1613, 1594, 1514, 1
452, 1366, 1227, 1153,1103, 1057, 842, 751, 696 NMR(CDCl3) δ:1.41(s,9H), 2.83-3.10(m,2H), 4.48(d
d,J=6.2Hz,J=14.4Hz,1H),5.08(s,2H), 5.31(d,J=8.2Hz,
1H), 6.22(s,1H), 6.69(d,J=8.4Hz,2H), 6.97(d,J=8.4H
z,2H), 7.32(s,5H) 参考例33t ブチル N−ベンジルオキシカルボニル−4−トリフ
ルオロンメタンスルホニルオキシ−L−フェニルアラネ
ートt ブチル N−ベンジルオキシカルボニル−L−チロシ
ネート15.6g、 2,6−ルチジン7.36ml、及び4
−ジメチルアミノピリジン1.03gを塩化メチレン2
10mlに溶解させ−30℃で撹拌下トリフルオロメタン
スルホン酸無水物10.6mlをゆっくり滴下し、 その後
室温にて1時間撹拌した。 反応液に水を加え塩化メチレ
ンにて分液抽出し、有機層を減圧濃縮した。 残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4
/1)にて精製し題記化合物11.39g(53.7%)を
得た。 IRνmax cm-1:3380, 1741, 1697, 1530, 1501, 1419, 1
369, 1348, 1249, 1226,1143, 1058, 1016, 892, 712,
696, 608, 498 NMR(CDCl3) δ:1.37(s,9H), 3.10(d,J=6.2Hz,2H), 4.52
(dd,J=6.4Hz,J=14.0Hz,1H), 5.09(dd,J=12.2Hz,J=14.0H
z,2H), 5.31(d,J=7.8Hz,1H), 7.10-7.28(m,4H),7.35(s,
5H)
【0057】参考例34t ブチル N−ベンジルオキシカルボニル−4−メトキ
シカルボニル−L−フェニルアラネート tブチル N−
ベンジルオキシカルボニル−4−トリフルオロメタンス
ルホニルオキシ−L−フェニルアラネート2.0g、1,
3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン164mg、
パラジウム(II)アセテート89.1mg、トリエチルアミン
1.11mlをメタノール15.0ml, ジメチルスルホキシ
ド20.0mlに溶解し5分間一酸化炭素をバブリングし、
さらに一酸化炭素雰囲気下、80℃にて2時間撹拌し
た。 反応液に水を加え酢酸エチルにより分液抽出し有機
層を減圧濃縮した。 残渣をシリカゲルクロマトグラフィ
ー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)にて精製し題記化合
物1.52g(92.7%)を無色油状物として得た。 IRνmax cm-1:3346, 2978, 2950, 1720, 1610, 1515, 1
452, 1434, 1367, 1351,1279, 1220, 1178, 1154, 110
7, 1056, 1020, 844, 751, 697 NMR(CDCl3) δ:1.39(s,9H), 3.00-3.25(m,2H), 3.90(s,
3H), 4.56(dd,J=7.0Hz,J=13.0Hz,1H), 5.09(dd,J=15.2H
z,J=17.0Hz,2H), 5.32(d,J=8.0Hz,1H), 7.23(d,J=8.0H
z,2H), 7.34(s,5H), 7.94(d,J=8.0Hz,2H) 参考例35 N−ベンジルオキシカルボニル−4-メトキシカルボニ
ル−L−フェニルアラニンt ブチル N−ベンジルオキシカルボニル−4−メトキ
シカルボニル−L−フェニルアラネート0.55gをト
リフルオロ酢酸2.75ml、 塩化メチレン2.75mlに溶
解し室温にて1.5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し
トルエン共沸を数回繰り返した。 残渣を少量の酢酸エチ
ルに溶解し石油エーテルにより結晶化させ題記化合物4
69mg(98.7mmol)を白色結晶として得た。 比旋光度 〔α〕D 20 : +58.6°(C=0.1, CHC
l3) 融点 :102−106℃ 元素分析値 : C1919NO6 計算値 : C, 63.89 ; H, 5.36 ; N, 3.92 分析値 : C, 63.70 ; H, 5.47 ; N, 3.95
【0058】参考例36 (S)−4-(N−ベンジルオキシカルボニル−4−メトキ
シカルボニル−L−フェニルアラニル)−3−メトキシ
カルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸t
ブチルエステル (S)−3−メトキシカルボニルメチル−2−オキソピペ
ラジン−1−酢酸tブチルエステル シュウ酸塩0.76
g、及びN−ベンジルオキシカルボニル−4−メトキシ
カルボニル−L−フェニルアラニン0.47gを塩化メ
チレン7.6mlに溶解させ、水冷しながら1−エチル−
3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド0.
44gを5分間かけてゆっくりと加えた。 室温にて1時
間撹拌した後、 塩化メチレンを減圧下に留去した。残渣
を酢酸エチルに溶解させ、 5%硫酸水素カリウム水、 飽
和炭酸水素ナトリウム水にて洗浄し有機層を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥させた後減圧濃縮した。 残渣をシリカ
ゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/
2)にて精製し題記化合物0.46g(51.1%)を無色
油状物として得た。 IRνmax cm-1:3322, 2980, 2952, 1719, 1649, 1525, 1
489, 1435, 1367, 1281,1152, 1104, 1020, 978, 846,
748, 699 NMR(CDCl3) δ:1,45(s,9H), 2.61-2.72(m,1H), 2.72-3.
25(m,5H), 3.63(s,3H),3.40-4.05(m,4H), 3.90(s,3H),
4.78-5.20(m,4H), 5.61(d,J=8.0Hz,1H), 7.16-7.46(m,7
H), 7.95(d,J=8.0Hz,2H)
【0059】実施例28 (S)−4−(4−アミジノベンゾイル−L−4−メトキ
シカルボニルフェニルアラニル)−3−メトキシカルボ
ニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸 (S)−4−(N−ベンジルオキシカルボニル−4−メト
キシカルボニル−L−フェニルアラニル)−3−メトキ
シカルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸
tブチルエステル0.46gを酢酸エチル4.6mlに溶解
させ、 10%パラジウム−炭素0.19gを加え水素下
で3時間撹拌した。触媒を濾過して除きろ液を濃縮して
無色の油状物を得た。 本品を塩化メチレン3.0ml、 ト
リフルオロ酢酸3.0mlに溶解し室温にて1時間撹拌し
た。 反応液を減圧濃縮し、 トルエンにて数回共沸した。
本品を水8.1ml, 1,4−ジオキサン4.0mlの混合溶
媒に溶解させ炭酸水素ナトリウム0.31gを室温で加
えた後、 4−アミジノベンゾイルクロリド0.24gを
室温で5分間かけて加えた。 1時間撹拌後、 1N HCl
水にてpH2−3にした後、 反応液を減圧濃縮し、 残渣
をCHP−20カラム(H2O→5%CH3CN/H2O→
10%CH3CN/H2O→15%CH3CN/H2O→2
0%CH3CN/H2O)にて精製した。 さらに1N H
Cl 水により塩酸塩とし凍結乾燥して題記化合物0.2
6g(53.0%)を無色非晶粉末として得た。 比旋光度 〔α〕D 20 : +57.1°(C=1.0%,H2
O) 元素分析値 : C283259・2.5H2O 計算値 : C, 50.72; H, 5.62; N, 10.56 分析値 : C, 50.68; H, 5.50; N, 10.48
【0060】参考例37 (S)−4−(N−tブトキシカルボニル−4−ホルミル−
L−フェニルアラニル)−3−メトキシカルボニルメチ
ル−2−オキソピペラジン−1−酢酸tブチルエステル (S)−4−(N−tブトキシカルボニル−4−ビニル−L
−フェニルアラニル)−3−メトキシカルボニルメチル
−2−オキソピペラジン−1−酢酸tブチルエステル2.
21g、メタ過ヨウ素酸ナトリウム3.46gを四塩化
炭素22.1ml、アセトニトリル22.1ml、 水33.2m
lに溶解させ、 塩化ルテニウム(III)n水和物16.4mgを
室温にて加え1時間撹拌した。 反応液に酢酸エチルを加
えて分液抽出し、 有機層を減圧濃縮した。 残渣をシリカ
ゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/
2)にて精製し題記化合物1.14g(51.4%)を無色
油状物として得た。 IRνmax cm-1:2978, 2934, 1740, 1702, 1654, 1605, 1
489, 1436, 1366, 1247,1228, 1157, 1047, 1016, 979,
848 NMR(CDCl3) δ:1.40(s,9H), 1.45(s,9H), 2.66-3.27(m,
6H), 3.42-3.93(m,6H),4.05-4.36(m,1H), 4.72-4.90(m,
1H), 4.98(t,J=5.0Hz,1H), 5.35(d,J=9.0Hz,1H), 7.34-
7.60(m,2H), 7.83(d,J=8.0Hz,2H), 9.98(s,1H)
【0061】実施例29 (S)−4−(4−アミジノベンゾイル−L−4−ホルミ
ルフェニルアラニル)−3−メトキシカルボニルメチル
−2−オキソピペラジン−1−酢酸 (S)−4−(N−tブトキシカルボニル−4−ホルミル−
L−フェニルアラニル)−3−メトキシカルボニルメチ
ル−2−オキソピペラジン−1−酢酸tブチルエステル
0.22gを塩化メチレン1.1ml、トリフルオロ酢酸
1.1mlに溶解し室温にて1時間撹拌した。 反応系を減
圧濃縮しトルエンにて数回共沸した。 本品を水4.1ml,
1,4−ジオキサン2.0mlの混合溶媒に溶解させ、炭
酸水素ナトリウム0.16gを室温で加えた後4−アミ
ジノベンゾイルクロリド0.13gを室温で5分間かけ
て加えた。 1時間撹拌後1N HCl 水にてpH2−3
にした後反応液を減圧濃縮し残渣をCHP−20 カラ
ム(H2O→5%CH3CN/H2O→10%CH3CN/
2O→15%CH3CN/H2O)にて精製し題記化合物
0.15g(64.9%)を白色凍結乾燥品として得た。 比旋光度 〔α〕D 20 : +28.6°(C=1.0, H
2O) 元素分析値 : C272958・3.0H2O 計算値 : C, 53.55; H, 5.83; N, 11.56 分析値 : C, 53.61; H, 5.74; N, 11.68
【0062】参考例38 (S)−4−(N−tブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ
メチル−L−フェニルアラニル)−3−メトキシカルボ
ニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸tブチル
エステル (S)−4−(N−tブトキシカルボニル−4−ホルミル−
L−フェニルアラニル)−3−メトキシカルボニルメチ
ル−2−オキソピペラジン−1−酢酸tブチルエステル
0.65gをメタノール13.0mlに溶解させ0℃撹拌下
水素化ホウ素ナトリウム21.9mgを加え室温にて1時
間撹拌した。反応液に水を加え塩化メチレンにて分液抽
出し有機層を減圧濃縮した。 残渣をシリカゲルクロマト
グラフィー(塩化メチレン/酢酸エチル=2/3)にて精
製し題記化合物0.56g(85.6%)を無色油状物とし
て得た。 IRνmax cm-1:3428, 2978, 2932, 1740, 1708, 1647, 1
489, 1437, 1366, 1248,1156, 1048, 1015 NMR(CDCl3) δ:1.44(s,9H), 1.45(s,9H), 2.18-2.40(m,
1H), 2.52-3.25(m,6H),3.63(s,3H), 3.40-4.02(m,3H),
4.30(d,J=16.0Hz,1H), 4.63(s,2H), 4.68-4.94(m,2H),
5.23-5.50(m,1H), 7.10-7.40(m,4H)
【0063】実施例30 (S)−4−(4−アミジノベンゾイル−L−4−ヒドロ
キシメチルフェニルアラニル)−3−メトキシカルボニ
ルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸 (S)−4−(N−tブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ
メチル−L−フェニルアラニル)−3−メトキシカルボ
ニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸tブチル
エステル0.26gを塩化メチレン2.0ml、トリフルオ
ロ酢酸2.0mlに溶解し室温にて1時間撹拌した。 反応
液を減圧濃縮し、トルエンにて数回共沸した。 本品を水
4.8ml, 1,4−ジオキサン2.4mlの混合溶媒に溶解
させ炭酸水素ナトリウム0.19gを室温で加えた後4
−アミジノベンゾイルクロリド0.15gを室温で5分
間かけて加えた。 1時間撹拌後、 1N HCl 水にてp
H2−3にした後反応液を減圧濃縮し残渣をCHP−2
0カラム(H2O→5%CH3CN/H2O→10%CH3
CN/H2O)にて精製し題記化合物0.17g(60.7
%)を無色凍結乾燥品として得た。 比旋光度 〔α〕D 20 : +62.5°(C=1.0, H
2O) 元素分析値 : C273158・3.0H2O 計算値 : C, 53.37; H, 6.14; N, 11.53 分析値 : C, 53.50; H, 5.94; N, 11.46
【0064】実施例31 (S)−4−{4−(2−アミノエチル)ベンゾイル−
O−メチル−L−チロシル}−3−メトキシカルボニル
−2−オキソピペラジン−1−酢酸 4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノエチル)安
息香酸400mgおよび1−ヒドロキシベンズトリアゾー
ル1水和物203mgをジクロルメタン5mlに溶解し1−
エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジ
イミド400mgを室温で加え1時間撹拌した。 本溶液に
トリエチルアミン300mgを加えた後、参考例5で得た
(S)−4−O−メチル−L−チロシルー3−メトキシ
カルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸
tert−ブチルエステル酢酸塩785mgを溶かしたジクロ
ルメタン溶液2mlを加え室温で2時間撹拌した。反応液
をジクロルメタンで希釈し飽和炭酸水素ナトリウム水お
よび5%硫酸水素カリウム水で洗浄後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥して減圧下に濃縮した。得られた粗生成物
をジクロルメタン3ml、 トリフルオロ酢酸3mlの混合物
に溶解し室温で1時間静置した後、減圧濃縮した。残渣
を MCI GEL CHP20P(三菱化成)で精製
(溶出液 H2O→15%CH3CN)した後凍結乾燥し
て題記化合物490mgを無色粉末として得た。 比旋光度 〔α〕D 20 68.4° (C=0.45, H2O) 元素分析値 :C283448・2H2O 計算値 : C, 56.95; H, 6.48; N, 9.49. 実測値 : C, 56.80; H, 6.61; N, 9.20.
【0065】参考例39 (S)−4−(N−ベンジルオキシカルボニル−O−メチ
ル−L−チロシル)−3−メトキシカルボニルメチル−
2−オキソピペラジン−1−酢酸 参考例2で得た(S)−3−メトキシカルボニル−2−オ
キソピペラジン−1−酢酸 tブチルエステル28.8
g、N−ベンジルオキシカルボニル−4−メトキシフェ
ニルアラニン23.0gを塩化メチレン202mlに溶解
させ、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル
カルボジイミド15.3gを加えた。室温にて2時間撹
拌後、反応系を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解さ
せ5%硫酸水素カリウム水、飽和炭酸水素ナトリウム水
にて洗浄した。有機層を減圧濃縮し、粗(S)−4−(N
−ベンジルオキシカルボニル−O−メチル−L−チロシ
ル)−3−メトキシカルボニルメチル−2−オキソピペ
ラジン−1−酢酸 tブチルエステル37.0gを得た。
本品を塩化メチレン74.0mlに溶解させ、トリフルオ
ロ酢酸74.0mlを加えた。室温にて1時間撹拌した
後、反応系を減圧濃縮した。残渣をトルエンにて数回共
沸し、題記化合物39.12gを無色油状物として得
た。 IRνmax cm-1:3422, 1720, 1643, 1512, 1438, 1299, 1
246, 1177, 1027, 980,823, 740, 696 NMR(CDCl3) δ:2.30−2.90(m,6H),
2.90−3.83(m,7H), 3.71(s,3
H), 3.90−4.15(m,1H), 4.50
−4.75(m,1H), 4.80−4.95(m,
1H), 4.96(s,2H), 6.81(d,J
=8.6Hz,2H), 7.10−7.40(m,7
H)
【0066】参考例40 (S)−4−(N−ベンジルオキシカルボニル−O−メチ
ル−L−チロシル)−3−メトキシカルボニルメチル−
2−オキソピペラジン−1−酢酸ジメチルアミノカルボ
ニルメチルエステル 参考例39で得た(S)−4−(N−ベンジルオキシカル
ボニル−O−メチル−L−チロシル)−3−メトキシカ
ルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸2.
0g、ヨウ化ナトリウム83.0mg,N,N−ジメチルア
ミノカルボニルメチルクロライド563μlをN,N−ジ
メチルホルムアミド7.39mlに溶解させ、室温撹拌下
トリエチルアミン772μlを加えた。6時間撹拌後反
応系内に水を加え酢酸エチルにて分液抽出し、有機層を
減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
(塩化メチレン/メタノール=13/1)にて精製し、題
記化合物1.57g(68.0%)を無色油状物として得
た。 IRνmax cm-1:2944, 1738, 1651, 1511, 1437, 1343, 1
246, 1202, 1028, 821,748, 697 NMR(CDCl3) δ:2.47-2.68(m,1H), 2.76-3.23(m,5H), 2.
95(s,3H), 2.96(s,3H),3.58-3.84(m,2H), 3.63(s,3H),
3.77(s,3H), 4.04(d,J=17.0Hz,1H), 4.34(d,J=17.0Hz,1
H), 4.72-4.89(m,3H), 4.92-5.06(m,1H), 5.09(s,2H),
5.54(d,J=10Hz,1H), 6.80(d,J=8.4Hz,2H),7.08(d,J=8.4
Hz,2H), 7.36(s,5H) 参考例40と同様の操作により以下の参考例番号41−
43の化合物を無色油状物として得た。
【0067】
【表8】
【0068】実施例32 (S)−4−(4−アミジノベンゾイル−O−メチル−L
−チロシル)−3−メトキシカルボニルメチル−2−オ
キソピペラジン−1−酢酸ジメチルアミノカルボニルメ
チルエステル 塩酸塩 参考例40で得た(S)−4−(N−ベンジルオキシカル
ボニル−O−メチル−L−チロシル)−3−メトキシカ
ルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸ジメ
チルアミノカルボニルメチルエステル1.50gをメタ
ノール15.0mlに溶解させ、10%パラジウム−炭素
6.0gを加えた。水素雰囲気下、室温にて1.5時間撹
拌した後、触媒を濾過して除き、ろ液を減圧濃縮した。
本品570mgを水11.4ml, 1,4−ジオキサン5.7m
lの混合溶媒に溶解させ、炭酸水素ナトリウム0.29g
を室温で加えた後、4−アミジノベンゾイルクロリド塩
酸塩0.38gを室温で5分間かけて加えた。1時間撹
拌後、1N塩酸水にてpH2−3にした後反応液を減圧
濃縮した。残渣をCHP−20カラム(H2O→5%CH
3CN/H2O→10%CH3CN/H2O→15%CH3
CN/H2O)、LH−20カラム(H2O)にて精製し、
題記化合物0.43g(50.8%)を白色凍結乾燥品とし
て得た。 比旋光度 〔α〕D 20 :+73.1°(C=0.71,H2
O) 元素分析値 : C313969Cl・3.0H2O(729.
183)として 計算値 : C, 51.06; H, 6.22; N, 11.53 分析値 : C, 51.15; H, 5.94; N, 11.54 参考例番号41、42、43の化合物を用いて実施例3
2と同様の操作により実施例番号33−35の化合物を
得た。
【0069】
【表9】
【0070】実施例36 (S)−4−{4−(2−アミノエチル)ベンゾイル−O−
メチル−L−チロシル})−3−メトキシカルボニルメ
チル−2−オキソピペラジン−1−酢酸ジメチルアミノ
カルボニルメチルエステル 塩酸塩 参考例40で得た(S)−4−(N−ベンジルオキシカル
ボニル−O−メチル−L−チロシル)−3−メトキシカ
ルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸ジメ
チルアミノカルボニルメチルエステル1.50gをメタ
ノール15.0mlに溶解させ、10%パラジウム−炭素
6.0gを加えた。水素雰囲気下、室温にて1.5時間撹
拌した後、触媒を濾過して除き、ろ液を減圧濃縮した。
本品570mg、4−(2−ベンジルオキシカルボニルア
ミノエチル)安息香酸0.42mgを塩化メチレン5.7ml
に溶解させ、水冷しながら1−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩0.29gを
5分間かけて加えた。2時間撹拌後、反応系を減圧濃縮
し、残渣を酢酸エチルに溶解させ、5%硫酸水素カリウ
ム水、飽和炭酸水素ナトリウム水にて洗浄し、有機層を
減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
(塩化メチレン/メタノール=13/1)にて粗精製し
た。本品をメタノール6.0ml、1N塩酸水853μlに
溶解させ、10%パラジウム−炭素180mgを加え、水
素雰囲気下室温にて40分撹拌した。触媒を濾過して除
き、ろ液を減圧濃縮し、残渣をCHP−20カラム(H2
O→5%CH3CN/H2O→10%CH3CN/H2O→
15%CH3CN/H2O)にて精製し、題記化合物0.3
9g(69.6%)を白色凍結乾燥品として得た。 比旋光度 〔α〕D 20 : (+73.8°,H2O) 元素分析値 : C324259Cl・2.5H2O (72
1.203)として 計算値 : C, 53.29; H, 6.57; N, 9.71 分析値 : C, 53.27; H, 6.35; N, 9.81 参考例番号41、42、43の化合物を用い実施例36
と同様の操作により実施例番号37−39の化合物を得
た。
【0071】
【表10】
【0072】参考例44 (S)−4−(N−tert−ブトキシカルボニル−O−メチ
ル−L−チロシル)−3−メトキシカルボニルメチル−
2−オキソピペラジン−1−酢酸 参考例39で得た(S)−4−(N−ベンジルオキシカル
ボニル−O−メチル−L−チロシル)−3−メトキシカ
ルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸19
gをメタノール300mlに溶解、10%パラジウム−炭
素2.5gを加え1.5時間水素雰囲気下で撹拌した。触
媒をろ去、ろ液を減圧濃縮し、残渣に水200ml及び
1,4−ジオキサン50mlを加え溶解、トリエチルアミ
ン7.36mlを加えた後、氷冷下に二炭酸ジブチル8.4
gを加え、5%硫酸水素カリウムでpH2とし酢酸エチ
ルで抽出、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。抽出液を減
圧濃縮し、粗題記化合物16.5gを無色粉末として得
た。 IR νmax cm-1: 3400, 2975, 1735, 1710, 1665, 1510,
1440, 1365, 1300, 1245, 1210, 1170, 1030. NMR (CDCl3)δ: 1.42(s,9H), 2.30-4.20(m,10H), 3.64
(s,3H), 3.76(s,3H), 4.76(m,1H),4.99(t,J=5.2Hz,1H),
5.12(d,J=8.4Hz,1H), 6.82(d,J=8.4Hz,2H), 7.09(d,J=
8.4Hz,2H).
【0073】参考例45 (S)−4-(N−tブトキシカルボニル−O−メチル−L
−チロシル)−3−メトキシカルボニルメチル−2−オ
キソピペラジン−1−酢酸 3−(フタリジリデン)エチ
ルエステル 参考例44で得た(S)−4−(N−tブトキシカルボニル
−O−メチル−L−チロシル)−3−メトキシカルボニ
ルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸2.2g、
炭酸水素カリウム1.52gをN,N−ジメチルホルムア
ミド8.66mlに溶解させ、0℃撹拌下(Z)−3−(2−
ブロモエチリデン)フタリド1.55gを加えた。室温に
て2時間撹拌後反応系内に水を加え酢酸エチルにて分液
抽出し、有機層を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロ
マトグラフィー(塩化メチレン/酢酸エチル=6/3.
5)にて精製し、題記化合物1.82g(63.2%)を無
色油状物として得た。 IRνmax cm-1: 2976, 2948, 1786, 1740, 1705, 1650,
1512, 1438, 1363, 1246, 1177, 978, 819, 764, 690,
635 NMR(CDCl3)δ: 1.43(s,9H), 2.37-2.58(m,1H), 2.76-3.
30(m,5H), 3.50-3.90(m,2H), 3.65(s,3H), 3.78(s,3H),
4.09(dd,J=17.0Hz, J=24.6Hz, 2H), 4.64-4.82(m,1H),
4.92-5.11(m,3H), 5.36(d,J=8.0Hz,1H), 5.75(t,J=7.4
Hz,1H), 6.83(d,J=8.4Hz,2H), 7.03-7.26(m,2H), 7.53-
7.83(m,3H), 7.92(d,J=8.2Hz,1H) 参考例45と同様の操作により参考例番号46、47の
化合物を無色油状物として得た。
【0074】
【表11】
【0075】実施例40 (S)−4−(4−アミジノベンゾイル−O−メチル−L
−チロシル)−3−メトキシカルボニルメチル−2−オ
キソピペラジン−1−酢酸(3−フタリジリデン)エチル
エステル 塩酸塩 参考例45で得た(S)−4−(N−tブトキシカルボニル
−4−メトキシ−L−フェニルアラニル)−3−メトキ
シカルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸
(3−フタリジリデン)エチルエステル1.71gを塩化メ
チレン5.1ml、トリフルオロ酢酸5.1mlに溶解させ、
室温にて1.0時間撹拌した。反応系を減圧濃縮し、ト
ルエンにて数回共沸した。本品850mgをH2O 17.
0ml, 1,4−ジオキサン8.5mlの混合溶媒に溶解さ
せ、炭酸水素ナトリウム0.53gを室温で加えた後、
4−アミジノベンゾイルクロリド塩酸塩0.41gを室
温で5分間かけて加えた。1時間撹拌後、1N塩酸水に
てpH2−3にした後、反応液を減圧濃縮した。残渣を
CHP−20カラム(H2O→5%CH3CN/H2O→1
0%CH3CN/H2O→15%CH3CN/H2O→20
%CH3CN/H2O→25%CH3CN/H2O→30%
CH3CN/H2O)、LH−20カラム(MeOH)、シリ
カゲルクロマトグラフィー(CH3CN/H2O=5/1)
にて精製し、題記化合物0.27g(26.0%)を白色凍
結乾燥品として得た。 比旋光度 〔α〕D 20 :+51.5°(C=0.77,H2
O) 元素分析値 : C3737510・0.7HCl・0.3C
3CO2H・3.5H2O(834.510)として 計算値 : C, 54.12; H, 5.43; N, 8.39 分析値 : C, 54.11; H, 5.21; N, 8.64 参考例番号46、47の化合物を用い実施例40と同様
の操作により実施例番号41、42の化合物を得た。
【0076】
【表12】
【0077】実施例43 (S)−{4−(2−アミノエチル)ベンゾイル−O−メチ
ル−L−チロシル})−3−メトキシカルボニルメチル
−2−オキソピペラジン−1−酢酸(3−フタリジリデ
ン)エチルエステル 塩酸塩 参考例45で得た(S)−4−(N−tブトキシカルボニル
−O−メチル−L−チロシル)−3−メトキシカルボニ
ルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸(3−フタ
リジリデン)エチルエステル1.71gを塩化メチレン
5.1ml、トリフルオロ酢酸5.1mlに溶解させ、室温に
て1.0時間撹拌した。反応系を減圧濃縮し、トルエン
にて数回共沸した。本品860mgおよびトリエチルアミ
ン531μlを塩化メチレン4.3mlに溶解させ、1−ヒ
ドロキシベンズトリアゾール0.2g、4−(2−tブト
キシカルボニルアミノエチル)安息香酸0.37g、1−
(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイ
ミド0.28gの塩化メチレン溶液に加えた。1時間撹
拌後、反応系を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解さ
せ、5%硫酸水素カリウム、飽和炭酸水素ナトリウム水
にて洗浄し、有機層を減圧濃縮した。残渣をシリカゲル
クロマトグラフィー(塩化メチレン/酢酸エチル=1/
4)にて粗精製した。本品を塩化メチレン2.64ml、ト
リフルオロ酢酸2.64mlに溶解させた。反応系を減圧
濃縮し、トルエンにて数回共沸し、1N塩酸水にて塩酸
塩とした後、残渣をCHP−20カラム(H2O→5%C
3CN/H2O→10%CH3CN/H2O→15%CH
3CN/H2O→20%CH3CN/H2O→25%CH3
CN/H2O→30%CH3CN/H2O)、LH−20カ
ラム(MeOH)にて精製し、題記化合物0.22g(24.
7%)を白色凍結乾燥品として得た。 比旋光度 〔α〕D 20 : 49.3°(C=0.31,H
2O) 元素分析値 : C3840410・0.7HCl・0.3C
3CO2H・2.0H2O(808.515)として 計算値 : C, 57.34; H, 5.61; N, 6.93 分析値 : C, 57.02; H, 5.35; N, 6.81 参考例番号46、47の化合物を用い実施例43と同様
の操作により実施例44、45の化合物を得た。
【0078】
【表13】
【0079】
【製剤例】本発明化合物(I)をたとえば血栓症治療剤
として使用する場合、たとえば次のような処方によって
用いることができる。 1.錠 剤 (1)(S)−4−(4−アミジノベンゾイル−L−チロシル)−3−メトキ シカルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸 10g (2)乳 糖 90g (3)トウモロコシ澱粉 29g (4)ステアリン酸マグネシウム 1g 130g 成分(1),(2)および17gの成分(3)を混和
し、7gの成分(3)から作ったペーストとともに顆粒
化し、この顆粒に5gの成分(3)と成分(4)を加え
て混和し、混合物を圧縮錠剤機で圧縮して錠剤1錠当り
成分(1)を10mg含有する直径7mmの錠剤1000個
を製造する。 2.注射剤 (1)(S)−4−(4−アミジノベンゾイル−L−チロシル)−3−メトキ シカルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸 10g (2)塩化ナトリウム 9g 成分(1)および(2)を蒸留水1000mlに溶解し、
褐色アンプル1000個に1mlずつ分注し、窒素ガスで
置換して封入する。全工程は無菌状態で行われる。
【0080】 3.錠剤 (1)(S)−4−(4−アミジノベンゾイル−O−メチル−L−チロシル) −3−メトキシカルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸 10g (2)塩化ナトリウム 9g 成分(1)および(2)を蒸留水1000mlに溶解し、
褐色アンプル1000個に1mlずつ分注し、窒素ガスで
置換して封入する。全工程は無菌状態で行われる。 4.注射剤 (1)(S)−4−(4−アミジノベンゾイル−O−メチル−L−チロシル) −3−メトキシカルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸 10g (2)塩化ナトリウム 9g 成分(1)および(2)を蒸留水1000mlに溶解し、
褐色アンプル1000個に1mlずつ分注し、窒素ガスで
置換して封入する。全工程は無菌状態で行われる。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 〔式中、Aはアミジノ基又は置換されていてもよいアミ
    ノエチル基を示し、R10はニトロ基、ハロゲン原子,低
    級アルケニル基,低級アルキニル基,ヒドロキシメチル
    基,ホルミル基,低級アルキルオキシカルボニル基及び
    式−OR11(式中、R11は水素原子又はそれぞれ置換さ
    れていてもよい低級アルキル、低級アルケニル,低級ア
    ルキニル,低級アルカノイル,カルバモイル又はメタン
    スルホニル基を示す。)で表される基から選ばれる一種
    を示し、R12及びR13はそれぞれ水素原子、水酸基、低
    級アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、Xは水酸基、
    p−ヒドロキシフェニル基又はエステル化若しくはアミ
    ド化されていてもよいカルボキシル基を示し、Yはエス
    テル化またはアミド化されていてもよいカルボキシル基
    を示し、nは1または2を示す。〕で表される化合物又
    はその塩。
  2. 【請求項2】R10が、水酸基、C1-3アルコキシ基で置
    換されていてもよいC1-5アルコキシ基、C2-3アルケニ
    ルオキシ基,C2-3アルキニルオキシ基,ニトロ基,ハ
    ロゲン原子,C1-3アルカノイルオキシ基,C1-3アルキ
    ル基で置換されていてもよいカルバモイルオキシ基、メ
    タンスルホニルオキシ基,C2-3アルケニル基,C2-3
    ルキニル基,ヒドロキシメチル基,ホルミル基及びC
    1-3アルキルオキシカルボニル基から選ばれる一種であ
    る請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】R10が水酸基又はメトキシ基である請求項
    1記載の化合物。
  4. 【請求項4】R10がエトキシ基、メトキシエトキシ基,
    プロポキシ基,プロパルギルオキシ基,アリルオキシ
    基,フッ素原子又は塩素原子である請求項1記載の化合
    物。
  5. 【請求項5】R12及びR13がともに水素原子である請求
    項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】n=1である請求項1記載の化合物。
  7. 【請求項7】Aがアミジノ基であり、R10が水酸基又は
    メトキシ基であり、R12及びR13がともに水素原子であ
    り、n=1である請求項1記載の化合物。
  8. 【請求項8】Aがアミジノ基であり、R10がエトキシ
    基、プロパルギルオキシ基、アリルオキシ基又はフッ素
    原子であり、R12及びR13がともに水素原子であり、n
    =1である請求項1記載の化合物。
  9. 【請求項9】Aがアミノエチル基であり、R10が水酸基
    又はメトキシ基であり、R12及びR13がともに水素原子
    であり、n=1である請求項1記載の化合物。
  10. 【請求項10】Aがアミノエチル基であり、R10がエト
    キシ基、プロパルギルオキシ基、アリルオキシ基又はフ
    ッ素原子であり、R12及びR13がともに水素原子であ
    り、n=1である請求項1記載の化合物。
  11. 【請求項11】Xが−COOCH3で、Yが−COOH
    又は生体内でカルボキシ基に変換し得る基である請求項
    7、8、9又は10に記載の化合物。
  12. 【請求項12】請求項1記載の化合物を含有することを
    特徴とする細胞接着阻害剤。
  13. 【請求項13】式 【化2】 〔式中、R11は水素原子、置換されていてもよい低級ア
    ルキル基,低級アルカノイル基,置換されていてもよい
    カルバモイル基又はメタンスルホニル基を示し、R12
    びR13はそれぞれ水素原子、水酸基、低級アルコキシ基
    又はハロゲン原子を示し、Xは水酸基、p−ヒドロキシ
    フェニル基又はエステル化若しくはアミド化されていて
    もよいカルボキシル基を示し、Yはエステル化またはア
    ミド化されていてもよいカルボキシル基を示し、nは1
    または2を示す〕で表される化合物。
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