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JPH07159761A - 液晶表示膜 - Google Patents

液晶表示膜

Info

Publication number
JPH07159761A
JPH07159761A JP30283593A JP30283593A JPH07159761A JP H07159761 A JPH07159761 A JP H07159761A JP 30283593 A JP30283593 A JP 30283593A JP 30283593 A JP30283593 A JP 30283593A JP H07159761 A JPH07159761 A JP H07159761A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
display film
crystal display
polymer
crystal layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30283593A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Igarashi
聡 五十嵐
Toshiaki Yatabe
俊明 谷田部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP30283593A priority Critical patent/JPH07159761A/ja
Publication of JPH07159761A publication Critical patent/JPH07159761A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】構造が容易、光散乱性が良好、かつ低電圧駆動
可能な高分子分散型の液晶表示膜を得る。 【構成】少なくとも一方が透明な2枚の電極層の間に挟
持された液晶層を備え、液晶層は高分子形成性モノマー
混合液と重合開始剤および液晶とを少なくとも含有する
混合液を硬化させて、高分子樹脂中に液晶相を滴状ある
いは3次元網目状に分散させた高分子分散型の液晶層で
あり、電極層に印加する電圧に応じて液晶層中で光が散
乱する状態と透過する状態とが変化する液晶表示膜にお
いて、高分子形成性モノマー混合液に含有させる重合性
多官能モノマーを単独で硬化させた硬化物表面上での、
カイラル液晶の面内方向の表面配向力を表すパラメータ
ーを、液晶分子の配向のねじれ角Ψ(rad )と、カイラ
ル液晶ピッチの4分の1の長さd(μm)とによって、
(π−2Ψ)/(d・sin Ψ)として表した場合に、
(π−2Ψ)/(d・sin Ψ)≦1μm-1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示膜に関し、さ
らに詳しくは、高分子中に液晶相を滴状あるいは3次元
網目状に分散させた高分子分散型の液晶層を、2つの電
極層で挟んだ構造を持ち、電極層への電圧の印加に応じ
て液晶層が透明、不透明に変化しうる液晶表示膜に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液晶分子をマイクロカプセル化した後、
該カプセルを液晶滴として樹脂膜中に分散させた液晶膜
において、その液晶滴による光の散乱による不透明性
と、電場印加による液晶滴内の液晶分子の配向による透
明性とを利用した液晶構成体は、既にファーガソンらに
より提案され(米国特許明細書第4435047号)、
あるものは実用に供されている。しかしながら、この方
法においては、マイクロカプセル化する行程を含むため
生産行程上煩雑となる。
【0003】一方、ケント大学においては、特表昭61
−502128号公報および特表昭63−501512
号公報において示されたような、熱硬化性樹脂と液晶分
子の混合液からの相分離によって液晶微小滴を熱硬化性
樹脂マトリックス中に分散させて高分子分散型の液晶層
を形成する技術が提案されている。
【0004】こうした高分子分散型の液晶表示膜では、
電圧無印加時にはその中の液晶滴によって光が散乱され
て不透明性が生じ、一方電圧印加持には液晶滴内の液晶
分子の配向によって透明性が生じる。これを利用して、
情報の表示が可能な液晶表示膜を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の高分子分散型の
液晶表示膜では、液晶を配向させるために100V程度
の交流電圧を必要としている。こうした印加電圧が高い
という点は、表示素子用途にとっては重大な欠点であ
る。そして表示素子として用いるときには、その駆動回
路の設計や表示画質向上のためにも、低電圧で駆動でき
る液晶構成体が望まれている。
【0006】本発明はかかる課題を解決して、構造が容
易で、0Vのときの光散乱性が良好で、かつ30V以下
の低電圧で駆動できる高分子分散型の液晶表示膜を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる液晶表示
膜は、少なくとも一方が透明な2枚の電極層の間に挟持
された液晶層を備え、液晶層は高分子形成性モノマー混
合液と重合開始剤および液晶とを少なくとも含有する混
合液を硬化させて、高分子樹脂中に液晶相を滴状あるい
は3次元網目状に分散させた高分子分散型の液晶層であ
り、電極層に印加する電圧に応じて液晶層中で光が散乱
する状態と透過する状態とが変化する液晶表示膜におい
て、高分子形成性モノマー混合液に含有させる重合性多
官能モノマーを単独で硬化させた硬化物表面上での、カ
イラル液晶の面内方向の表面配向力を表すパラメーター
を、単独で硬化させた重合性多官能モノマーによって挟
持された液晶分子の配向のねじれ角Ψ(rad )と、カイ
ラル液晶ピッチの4分の1の長さd(μm)とによっ
て、(π−2Ψ)/(d・sin Ψ)として表した場合
に、(π−2Ψ)/(d・sin Ψ)≦1μm-1であるこ
とを特徴としている。
【0008】ここで高分子形成性モノマー混合物の1成
分として用いる、重合性多官能モノマーを単独で硬化さ
せた硬化物表面上でのカイラル液晶の面内方向の表面配
向力を表わすパラメーターの(π−2Ψ)/(d・sin
Ψ)は、Japanese Journal Applied Phsics Volume 31
(1992) L579-L581で示されているように、液晶の表面配
向力Aを液晶のねじれ弾性定数K22で除した値A/K
22をも示す。
【0009】ただし、この値はラビング条件によって変
わる。すなわち、ラビングに用いる布の種類、ラビング
を行った回数などによって決まる。そこで本発明では、
毛の長さが2mm、太さが30μmのナイロン布を巻つ
けた44mm径のローラーを用い、ローラー回転数75
0回/分、ロール移動速度0. 6m/分、ラビング布接
触長4. 5mm、ラビング回数112回という条件で行
った値を用いる。
【0010】なお液晶表面配向力パラメーター値として
は、前記Japanese Journal AppliedPhsics Volume 31
(1992) L579-L581に示されている方法を用いる。すなわ
ち、まず表面上を前記一定の条件で一定の方向にラビン
グ処理した重合性多官能モノマー硬化物薄膜が付いたガ
ラス基板を2枚用いて、硬化物面が互いに向き合うよう
に、かつラビング方向が平行になるように、かつセルギ
ャップが場所により変化するように作製したクサビ型セ
ルを用意する。
【0011】そしてそのクサビ型セルで最大となるセル
ギャップの4倍よりもカイラルピッチが小さくなるよう
に、かつ最小となるセルギャップの4倍よりもカイラル
ピッチが大きくなるように、カイラル剤を適当量混合
し、カイラルピッチを調整したカイラル液晶を注入し、
熱処理により液晶配向を均一化したものを表面配向力パ
ラメーター測定サンプルとする。
【0012】このときのカイラル液晶は、液晶表示膜に
用いる液晶をホスト液晶とする。そして、最小セルギャ
ップの位置から数えて1番目に現われるディスクリネー
ションラインの、60μm最小セルギャップ側の位置で
の液晶分子の配向のねじれ角を、偏光顕微鏡を用いて視
野範囲の直径を40μmにして25℃で測定した値が、
本発明における表面配向力パラメーターを求めるための
液晶分子の配向のねじれ角Ψ(rad )となる。
【0013】このような測定条件では、(π−2Ψ)/
(d・sin Ψ)の値は液晶が強く配向することが知られ
ているポリイミド上で30μm-1程度を示す。また、下
限として、通常ラビング回数を112回から1回に減ら
しても、0. 001μm-1以上の値を示す。
【0014】このような範囲に値を示す(π−2Ψ)/
(d・sin Ψ)について、硬化物上で液晶が、(π−2
Ψ)/(d・sin Ψ)>1μm-1の値を示す重合性多官
能モノマーを組成分として用いる場合、液晶表示膜中の
液晶分子は高分子形成性モノマー混合物の硬化物表面上
に強く配向してしまい、電場による液晶分子の配向変化
挙動を鈍くしてしまう。これによって液晶表示膜の駆動
電圧は上昇してしまう。
【0015】このような点から、低駆動電圧用の液晶表
示膜に使用する重合性多官能モノマーには面内方向の表
面配向力パラメーターが(π−2Ψ)/(d・sin Ψ)
≦1μm-1という特性が必要である。そして、この値は
0μm-1に近いほど低駆動電圧化を示す。
【0016】ところで液晶表示膜は、樹脂中に分散した
微小な液晶相による光の散乱と液晶分子のランダムな配
向によって不透明状態を出現させるため、液晶滴の平均
的大きさは可視光の波長より大きな0. 8μm以上の平
均直径を有することが好ましい。ここで述べる液晶滴と
は樹脂中に孤立した液晶滴はもちろん、数個ないし数1
0個の液晶滴が互いにその一部で連結し液晶相が連続し
たもの、あるいは3次元網目構造の液晶相も含む。
【0017】多官能モノマーを組成分として用いなかっ
た場合、あるいは(π−2Ψ)/(d・sin Ψ)>1μ
-1の値を示すような重合性多官能モノマーを、(π−
2Ψ)/(d・sin Ψ)≦1μm-1の値を示すような重
合性多官能モノマーを用いるときと同様な駆動電圧を示
すように多官能モノマー量を低減させた割合で用いる場
合、液晶表示膜の耐久性が低く、かつ、液晶層中の液晶
滴の微小構造が安定に存在しづらくなり、電圧を印加し
なかったときの光散乱性が低くなってしまう。また、
(π−2Ψ)/(d・sin Ψ)≦1μm-1の値を示すよ
うな重合性多官能モノマーを用いる場合でも、高分子形
成性モノマー混合液総量に対して0. 1重量%以下で用
いる場合でも、同様に耐久性、光散乱性が低くなる。
【0018】重合性多官能モノマー添加量が30重量%
を超えると液晶層中の液晶滴の平均直径は0. 8μmよ
りも小さくなってしまい、良好な光散乱性を示し、か
つ、低い駆動電圧で作動するような液晶表示膜が得られ
なくなる。
【0019】これらを鑑みて、重合性多官能モノマーの
使用量は高分子形成性モノマー混合液総量に対して、通
常0. 1から30重量%程度が好ましい。
【0020】さらにはこの高分子形成性モノマー混合物
の他種成分として、硬化物の表面配向力パラメーターが
多官能モノマーよりも低く0μm-1に近い、単官能のア
ルキル(メタ)アクリレートおよび/または単官能のア
ルコキシオリゴアルキレンオキサイド(メタ)アクリレ
ートおよび/または単官能の(アルキル)フェノキシオ
リゴアルキレンオキサイド(メタ)アクリレートを含有
することがより好ましい。
【0021】ここでアルキル(メタ)アクリレート、ア
ルコキシオリゴアルキレンオキサイド(メタ)アクリレ
ート、(アルキル)フェノキシオリゴアルキレンオキサ
イド(メタ)アクリレートは、それぞれ下記一般式
(a)〜(c)
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】(ただし式中のR1 、R3 、R6 は、水素
原子またはメチル基を示す。さらにOR4 , OR7 はR
4 、R7 が炭素数1から4のアルキルを示すアルキレン
オキサイドを示す。n 、mは1から18の整数を示
す。R2 、R5 は炭素数1から20のアルキル基を示
す。R8 は水素原子あるいは炭素数1から20のアルキ
ル基を示す。)で示される(メタ)アクリロイル基を分
子中に1つ持つモノマーである。
【0026】ここで、アルキル(メタ)アクリレートを
用いる場合は、アルコキシオリゴアルキレンオキサイド
(メタ)アクリレートおよび/または(アルキル)フェ
ノキシオリゴアルキレンオキサイド(メタ)アクリレー
トを使用しなくても構わないし、アルコキシオリゴアル
キレンオキサイド(メタ)アクリレートを使用する場合
には、アルキル(メタ)アクリレートおよび/または
(アルキル)フェノキシオリゴアルキレンオキサイド
(メタ)アクリレートを使用しなくても構わないし、
(アルキル)フェノキシオリゴアルキレンオキサイド
(メタ)アクリレートを用いる場合は、アルコキシオリ
ゴアルキレンオキサイド(メタ)アクリレートおよび/
またはアルコキシオリゴアルキレンオキサイド(メタ)
アクリレートを使用しなくても構わないが、いずれも混
合して高分子形成性モノマー混合物の組成分としてもよ
い。
【0027】もちろんこれらに限定されることはなくま
た、これ以外の重合性モノマーである、樹脂の屈折率を
液晶とマッチングさせるためのフッ素系重合性モノマー
や、芳香族系重合性モノマーなどを適量混合して、該高
分子形成性モノマー混合液としてもよい。
【0028】前記高分子形成性モノマー混合液を活性光
線例えば紫外線を照射して硬化するための重合開始剤と
しては、例えばアセトフェノン系やベンゾイン系等の光
重合開始剤(メルク社製の商品名「ダロキュア117
3」あるいはチバガイギー社製の商品名「イルガキュア
651」「イルガキュアー907」など)が挙げられ
る。また、加熱して硬化するための重合開始剤として
は、例えばパーオキシエステル系やパーオキシカーボネ
ート系等の熱重合開始剤(日本油脂社製の商品名「パー
ブチルPV」や「パーロイルTCP」など)が挙げられ
る。
【0029】こうした重合開始剤の使用量は、高分子形
成性モノマー混合液総量に対して、通常0. 1〜5重量
%程度が望ましい。またさらに、増感剤、連鎖移動剤、
染料等を添加する事もできる。
【0030】液晶分子配向のランダムさから不透明性を
得るためには通常光屈折率と異常光屈折率の屈折率差が
大きいほど良い。更に低電圧での液晶配向を促すために
は、液晶の正の誘電率異方性が大きいほど良い。かかる
点を考慮して、液晶相を構成する液晶成分としては、正
の誘電異方性が高く、かつ通常光屈折率と異常光屈折率
の屈折率差が0. 2以上のシアノビフェニル系の液晶成
分が好適に使用される。もちろん、これに限定されるも
のではなくハロゲン系液晶をはじめ、トラン系やピリミ
ジン系、フェニルシクロヘキサン系などの液晶も用途に
応じて選択される。
【0031】このような、本発明において高分子樹脂中
に分散される液晶としては、下記一般式(d)や一般式
(e)で表わされるシアノビフェニル系化合物を含む液
晶が好ましい。
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】ただし式中、Xは水素あるいはF、Cl、B
r、Iのハロゲン等を示す。またYは炭素数1〜12の
アルキルまたはアルコキシ基を示す。これらの化合物
は、2種以上を組み合わせて使用しても良い。こうした
液晶としては、例えばE−8液晶、BL007液晶(メ
ルク社)を挙げることができる。
【0035】本発明の液晶表示膜中の液晶相は、高分子
に対して液晶化合物50重量%以上、かつ90重量%以
下好ましくは50重量%以上、かつ80重量%以下にな
ることで、0. 8μm以上の平均直径を有する液晶相と
して得ることができる。
【0036】液晶成分が50重量%未満では、高分子中
に液晶分子が溶解することによって、形成される液晶滴
の径が小さく、かつ密度も低く、そのため良好な光散乱
性、すなわち遮光性が得られない欠点がある。
【0037】また80重量%を越えると、液晶成分が溶
解しきれずに、硬化前から液晶ドメインを形成し、硬化
によって良好な光散乱性を示す液晶滴を形成することが
できないことがあり好ましくない。また透明導電性基板
との密着性の低下もすることがあり好ましくない。
【0038】なおここで述べる光散乱性は、He−Neレー
ザーを光源としたときに該液晶表示膜面から受光部に達
する測定光の開口角が6°になるよう3mm径のフォト
ダイオードを設置し、透過率として測定して得られる値
で示される。
【0039】このようにして得られる液晶表示膜は、製
造が容易で、優れたON−OFF 特性、すなわち30V印加
時の透過率が70%以上の透明性を示し、電圧無印加時
の透過率が10%以下の値を示す。すなわち透明−不透
明の差が大きく、低電圧で駆動でき、表示素子として好
適に利用できる。
【0040】
【実施例1】図1は、本発明の一実施例を示す液晶表示
膜の断面概略図である。図中、11と12は透明な基
板、21と22は基板11と12上に形成した透明な電
極層、30はは液晶分子を分散させた透明樹脂からなる
液晶層である。液晶層30は、電極層21と22を形成
した基板11と12によって挟持されている。
【0041】ここで液晶表示膜作製方法としては、液晶
と光重合性モノマーを均一に溶解した液晶/モノマー混
合液を、電極が対向する様に配置された2枚の透明電極
基板間に挟んだ後、紫外光照射によってモノマーが重合
して液晶層が相分離析出する、光重合による相分離析出
法を用いた。
【0042】その際に、2枚の透明電極基板間に液晶/
モノマー混合液を挟む手段としては、スペーサーによっ
て対向する電極間が均一な間隔にコントロールされたガ
ラスセル中に、液晶/モノマー混合液を注入する方法を
とった。その際にガラスセルとしては、基板厚さ0. 7
mm、電極面積1cm□、セルギャップ10μmである
EHC 社製の商品名KSSZ―10/B107NINSS
を用いた。
【0043】そして実施例1では高分子形成性モノマー
混合液として、n−ブトキシエチルアクリレート60重
量%、フェノキシエチルアクリレート20重量%、3,
3―ビス(アクリロイルオキシメチル)―n―ヘプタン
を20重量%混合したものを用いた。
【0044】この高分子形成性モノマー混合液に対し
て、重合開始剤としてはベンジルジメチルケタールを
1. 0重量%添加混合した。さらにこの混合液に、液晶
成分が70重量%になるようにシアノビフェニル系化合
物を含んだ液晶を混合した。ここで液晶としてはメルク
社製の商品名BL007を使用した。
【0045】こうして得た混合液をよく撹拌し、脱気し
て液晶/モノマー混合液とした。そして前述のガラスセ
ル中にこの液晶/モノマー混合液を注入した後、25℃
に温度コントロールして、高圧水銀ランプを光源とする
紫外線照射装置を用いて40mW/平方cmの紫外光を
約1分間照射した。紫外光により液晶/モノマー混合液
は、2つの透明電極層間で硬化し、約10μmの液晶表
示膜を形成した。
【0046】この結果、偏光顕微鏡観察で液晶滴の径が
1〜3μmの範囲に集中した液晶表示膜ができた。そし
てさらに、得られた液晶表示膜の印加電圧駆動特性を次
のようにして測定した。まず、液晶表示膜の2つの電極
間に0Vから60Vの電圧を印加した。そしてその時の
透過率を前記透過率測定用光学系を用いて測定してグラ
フ化した。そして、0Vの時の透過率を遮光性T0、電
圧印加で最高に飽和したときの透過率をT100、T1
00の90%に達するときの電圧を駆動電圧V90と定
義した。その結果、この液晶表示膜についてT0=0.
6%、T100=90. 4%、V90=15. 7Vとい
う値を得た。
【0047】また一方、使用した多官能モノマーの硬化
物上での液晶表面配向力パラメーターを前記条件で作製
した表面配向力パラメーター測定サンプルを用いて、前
記測定方法で測定した。
【0048】実施例1では以下のように液晶表面配向力
パラメーター測定サンプルを作製した。そのために先ず
は、3,3―ビス(アクリロイルオキシメチル)―n―
ヘプタン中に光重合開始剤としてベンジルジメチルケタ
ールを2. 0重量%添加混合した混合物が、20重量%
となるようにイソホロンに溶解し、表面配向力パラメー
ター測定用の基板作製のための溶液とした。
【0049】そして、3cm×4cm、3mm厚のガラ
ス基板上にこの溶液を充分量滴下し、2500回転/
分、15秒の条件でスピンコートした後、窒素雰囲気下
で10mW/平方cm、3分、25℃の条件で紫外光を
照射し、150℃、30分の熱処理を行うことで、10
0〜400nmの膜厚を有する重合性多官能モノマー硬
化物の薄膜をガラス基板上に設けた。次いで、この硬化
物つきガラス基板に前記条件のラビング処理を施した。
ラビングはEHC社製ラビング装置RM−50を用い
た。
【0050】このような処理を施したガラス基板を2枚
用意し、ラビング方向が平行になるように対向させ、ラ
ビング方向と平行な1辺にポリエチレンテレフタレート
のフィルムテープを挟み込むことで、セルギャップ最小
値0〜3μm、最大値10〜20μmのくさび型ガラス
セルを作製した。
【0051】このくさび型ガラスセルに、メルク社製カ
イラル剤である商品名CB15を液晶表示膜作製に用い
た液晶に0. 53%添加し均一混合したカイラル液晶を
注入した後、110℃、30分の熱処理を行い、液晶分
子の配向をそろえた。
【0052】このように作製した試料の液晶分子の配向
のねじれ角を測定し、表面配向力パラメーター値を求め
た結果は0. 79μm-1であった。
【0053】
【実施例2】実施例1において、高分子形成性モノマー
混合液および表面配向力パラメーター測定試量として用
いた、重合性多官能モノマーである3,3―ビス(アク
リロイルオキシメチル)―n―ヘプタンの代わりに、
2,2,2―トリ(プロピオニルオキシメチル)エチル
―2’,2’,2’―トリ(アクリロイルオキシメチ
ル)エチルエーテルを用いた。また、高分子形成性モノ
マー混合物に対して添加する重合開始剤、ベンジルメチ
ルケタールの量を0. 7重量%と変更した。その他、組
成、作製条件、評価手段は同一とした。
【0054】この結果、偏光顕微鏡観察で液晶滴の径が
1〜3μmの範囲に集中した液晶表示膜ができた。得ら
れた液晶表示膜についてT0=1. 1%、T100=8
2.9%、V90=14. 5Vという値が得られた。ま
た、表面配向力パラメーター値は0. 22μm-1であっ
た。
【0055】
【比較例1】実施例1において、高分子形成性モノマー
混合液および表面配向力パラメーター測定試量として用
いた、重合性多官能モノマーである3,3―ビス(アク
リロイルオキシメチル)―n―ヘプタンの代わりに、n
−ノニルジオールジアクリレートを用いた。また、高分
子形成性モノマー混合物に対して添加する重合開始剤、
ベンジルメチルケタールの量を0. 5重量%と変更し
た。その他、組成、作製条件、評価手段は同一とした。
【0056】この結果、偏光顕微鏡観察で液晶滴の径が
1〜3μmの範囲に集中した液晶表示膜ができた。得ら
れた液晶表示膜についてT0=0. 8%、T100=7
9.0%、V90=36. 5Vという値が得られた。ま
た、表面配向力パラメーター値は2. 51μm-1であっ
た。
【0057】
【発明の効果】本発明は以上詳述したように、容易に製
造でき、0Vのときの光散乱性が良好で、かつ30V以
下の低電圧で駆動できる高分子分散型の液晶表示膜を得
ることができる。そして本発明の液晶表示膜は、液晶シ
ヤッター、調光材または表示材などに広く利用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示膜の断面模式図
【符号の説明】
11、12 基板 21、22 電極層 30 液晶層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明な2枚の電極層の
    間に挟持された液晶層を備え、液晶層は高分子形成性モ
    ノマー混合液と重合開始剤および液晶とを少なくとも含
    有する混合液を硬化させて、高分子樹脂中に液晶相を滴
    状あるいは3次元網目状に分散させた高分子分散型の液
    晶層であり、電極層に印加する電圧に応じて液晶層中で
    光が散乱する状態と透過する状態とが変化する液晶表示
    膜において、高分子形成性モノマー混合液に含有させる
    重合性多官能モノマーを単独で硬化させた硬化物表面上
    での、カイラル液晶の面内方向の表面配向力を表すパラ
    メーターを、液晶分子の配向のねじれ角Ψ(rad )と、
    カイラル液晶ピッチの4分の1の長さd(μm)とによ
    って、(π−2Ψ)/(d・sin Ψ)として表した場合
    に、(π−2Ψ)/(d・sin Ψ)≦1μm-1であるこ
    とを特徴とする液晶表示膜。
  2. 【請求項2】 液晶層に含まれる液晶成分の割合が、液
    晶層全体の重量に対して50〜80重量%の範囲であ
    り、かつ高分子形成性モノマー混合物中に含まれる重合
    性多官能モノマーの割合は0.1〜30重量%であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の液晶表示膜。
  3. 【請求項3】 高分子形成性モノマー混合物は、下記一
    般式(a)〜(c) 【化1】 【化2】 【化3】 (ただし式中のR1 、R3 、R6 は、水素原子またはメ
    チル基を示す。さらにOR4 , OR7 はR4 、R7 が炭
    素数1から4のアルキルを示すアルキレンオキサイドを
    示す。n 、mは1から18の整数を示す。R2 、R5
    は炭素数1から20のアルキル基を示す。R8 は水素原
    子あるいは炭素数1から20のアルキル基を示す。)で
    示される(メタ)アクリロイル基を分子中に1つ持つモ
    ノマーの少なくともいずれかを、20〜99重量%含有
    することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の
    液晶表示膜。
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