JPH07311182A - 光熱変位計測による試料評価方法 - Google Patents
光熱変位計測による試料評価方法Info
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- JPH07311182A JPH07311182A JP7003721A JP372195A JPH07311182A JP H07311182 A JPH07311182 A JP H07311182A JP 7003721 A JP7003721 A JP 7003721A JP 372195 A JP372195 A JP 372195A JP H07311182 A JPH07311182 A JP H07311182A
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- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N21/00—Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
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- G01N21/17—Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 複雑な信号処理を行うことなく高精度かつ安
定に光熱変位の計測を行うことのできる光熱変位計測に
よる試料評価方法。 【構成】 本方法による装置A1は,レーザ1などによ
り,励起光であるビーム1′,1″と測定光であるビー
ム3,4とをそれぞれ発生させ,ビーム1′,1″を音
響光学変調器4により互いに逆位相で強度変調し,それ
ぞれを試料8の異なる位置に照射し,ビーム3,4を音
響光学変調器10,11により互いに異なる振動周波数
に設定し,上記ビーム1′,1″のそれぞれの照射位置
に上記ビーム3,4のそれぞれを照射し,上記ビーム
3,4の試料8からの反射光を干渉させ,この干渉光の
位相に基づいて試料8を評価するように構成されてい
る。上記構成により複雑な信号処理を行うことなく高精
度かつ安定に光熱変位を計測することができる。
定に光熱変位の計測を行うことのできる光熱変位計測に
よる試料評価方法。 【構成】 本方法による装置A1は,レーザ1などによ
り,励起光であるビーム1′,1″と測定光であるビー
ム3,4とをそれぞれ発生させ,ビーム1′,1″を音
響光学変調器4により互いに逆位相で強度変調し,それ
ぞれを試料8の異なる位置に照射し,ビーム3,4を音
響光学変調器10,11により互いに異なる振動周波数
に設定し,上記ビーム1′,1″のそれぞれの照射位置
に上記ビーム3,4のそれぞれを照射し,上記ビーム
3,4の試料8からの反射光を干渉させ,この干渉光の
位相に基づいて試料8を評価するように構成されてい
る。上記構成により複雑な信号処理を行うことなく高精
度かつ安定に光熱変位を計測することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は試料に周期的に強度変調
された励起光が照射され,これにより生じる試料表面の
熱膨張振動が測定されて試料の欠陥等が評価される試料
評価方法に関する。
された励起光が照射され,これにより生じる試料表面の
熱膨張振動が測定されて試料の欠陥等が評価される試料
評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】試料に周期的に強度変調された光(励起
光)が照射されると,試料はこの光の吸収により発熱
し,これにより熱膨張が生じる。照射光は周期的に強度
変調されているため,発熱による試料の温度変化は周期
的となり,試料は熱膨張振動をおこす。この熱応答が計
測されることにより試料が評価される手法は光熱変位計
測技術として知られている。図5はマイケルソン型レー
ザ光干渉法により試料の熱膨張振動が計測される手法に
よる装置A01の概略構成を示したものである(Mirand
a,APPLID OPTICS Vo122,No18,P2882(1983) )。ここに
61は被測定試料,62は試料に熱膨張振動を与えるた
めの励起光源であり,チョッパ63により励起光源62
からの光が強度変調され,試料61に照射される。この
熱膨張振動(光熱変位)がレーザ光干渉法により計測さ
れる。そのために測定用レーザ64からの光が半透鏡6
5で二分され,一方が試料の熱膨張測定点に,他方が空
間的に固定された鏡66に照射され,これらからの反射
光が干渉させられて光電変換器67で受光される。光電
変換器67からの電気出力Eは次式で表される。 E=C1 +C2 ・cos(P(t)+φ) …(1′) ここで,C1 ,C2 及びφは試料61や干渉計の構成や
光電変換係数等に依存する定数,P(t)は励起光照射
による熱膨張振動による試料の表面変位に伴う位相変化
であり,信号処理回路68を用いてこの計測が行われる
ことにより試料の熱膨張振動が計測され,試料の熱弾性
的性質が評価される。
光)が照射されると,試料はこの光の吸収により発熱
し,これにより熱膨張が生じる。照射光は周期的に強度
変調されているため,発熱による試料の温度変化は周期
的となり,試料は熱膨張振動をおこす。この熱応答が計
測されることにより試料が評価される手法は光熱変位計
測技術として知られている。図5はマイケルソン型レー
ザ光干渉法により試料の熱膨張振動が計測される手法に
よる装置A01の概略構成を示したものである(Mirand
a,APPLID OPTICS Vo122,No18,P2882(1983) )。ここに
61は被測定試料,62は試料に熱膨張振動を与えるた
めの励起光源であり,チョッパ63により励起光源62
からの光が強度変調され,試料61に照射される。この
熱膨張振動(光熱変位)がレーザ光干渉法により計測さ
れる。そのために測定用レーザ64からの光が半透鏡6
5で二分され,一方が試料の熱膨張測定点に,他方が空
間的に固定された鏡66に照射され,これらからの反射
光が干渉させられて光電変換器67で受光される。光電
変換器67からの電気出力Eは次式で表される。 E=C1 +C2 ・cos(P(t)+φ) …(1′) ここで,C1 ,C2 及びφは試料61や干渉計の構成や
光電変換係数等に依存する定数,P(t)は励起光照射
による熱膨張振動による試料の表面変位に伴う位相変化
であり,信号処理回路68を用いてこの計測が行われる
ことにより試料の熱膨張振動が計測され,試料の熱弾性
的性質が評価される。
【0003】図6は本発明者らにより開発された測定光
に励起光を用いた手法による装置A02の概略部分構成
を示したものである(特願平5−172948号)。励
起光源72からの励起光が音響光学変調器73により強
度変調され,その回折光と非回折光とがビームスプリッ
タ74を介して試料71に照射される。このとき,回折
光と非回折光とではその照射位置は異なる。各照射位置
からの反射光は再びビームスプリッタ74を通る。そし
て,この反射光は及びミラーMとビームスプリッタ77
とからなる干渉計が用られて干渉させられる。干渉光は
光電変換器78により受光される。このときの光電変換
器78の出力Eは次式で表される。 E=C3 +C4 ・A(t)・cos{2πFbt +P(t)+φ} …(2′) ここで,C3 ,C4 及びφは試料71や干渉計の構成や
光電変換係数等に依存する定数,A(t)は音響光学変
調器73による強度変化度合いに依存する因子,Fbは
音響光学変調器73の搬送波の周波数,P(t)は励起
光照射による試料の光熱変位による位相変化である。信
号処理回路79が用られてこの位相変化の計測が行われ
ることにより試料の熱膨張振動が計測され,試料の熱弾
性的性質が評価される。この従来装置A02では上記回
折光と非回折光とは,互いに逆位相で強度変調されてい
るため,これらの試料71からの反射光の光熱変位によ
る位相差は,上記従来装置A01の2倍になり,光熱変
位計測の計測精度が高められうる。
に励起光を用いた手法による装置A02の概略部分構成
を示したものである(特願平5−172948号)。励
起光源72からの励起光が音響光学変調器73により強
度変調され,その回折光と非回折光とがビームスプリッ
タ74を介して試料71に照射される。このとき,回折
光と非回折光とではその照射位置は異なる。各照射位置
からの反射光は再びビームスプリッタ74を通る。そし
て,この反射光は及びミラーMとビームスプリッタ77
とからなる干渉計が用られて干渉させられる。干渉光は
光電変換器78により受光される。このときの光電変換
器78の出力Eは次式で表される。 E=C3 +C4 ・A(t)・cos{2πFbt +P(t)+φ} …(2′) ここで,C3 ,C4 及びφは試料71や干渉計の構成や
光電変換係数等に依存する定数,A(t)は音響光学変
調器73による強度変化度合いに依存する因子,Fbは
音響光学変調器73の搬送波の周波数,P(t)は励起
光照射による試料の光熱変位による位相変化である。信
号処理回路79が用られてこの位相変化の計測が行われ
ることにより試料の熱膨張振動が計測され,試料の熱弾
性的性質が評価される。この従来装置A02では上記回
折光と非回折光とは,互いに逆位相で強度変調されてい
るため,これらの試料71からの反射光の光熱変位によ
る位相差は,上記従来装置A01の2倍になり,光熱変
位計測の計測精度が高められうる。
【0004】図7は本発明者らにより上記従来装置A0
2に先立って開発された測定に励起光を用いた手法によ
る装置A03の概略構成を示したものである(特開平3
−269346号公報)。励起光源81からの励起光は
音響光学変調器82により強度変調される。この強度変
調された光から周波数シフタ83により互いに直交し,
周波数差がFb なるビーム1,ビーム2が生成される。
これらのビームはビームスプリッタ84により2分割さ
れる。この内ビーム1は試料85にレンズ86を介して
照射される。一方,ビーム2はミラー87に照射されて
参照光とされる。試料85からの反射光と参照光とはビ
ームスプリッタ84及び偏光板88を介して互いに干渉
させられた上で,光電変換器89により受光される。こ
のときの光電変換器89の出力Eも上記(2′)式で表
され,励起光照射による試料の光熱変位による位相変化
P(t)が含まれている。信号処理回路90によりこの
位相変化の計測が行われることにより熱膨張振動が計測
され,試料の熱弾性的性質が評価される。
2に先立って開発された測定に励起光を用いた手法によ
る装置A03の概略構成を示したものである(特開平3
−269346号公報)。励起光源81からの励起光は
音響光学変調器82により強度変調される。この強度変
調された光から周波数シフタ83により互いに直交し,
周波数差がFb なるビーム1,ビーム2が生成される。
これらのビームはビームスプリッタ84により2分割さ
れる。この内ビーム1は試料85にレンズ86を介して
照射される。一方,ビーム2はミラー87に照射されて
参照光とされる。試料85からの反射光と参照光とはビ
ームスプリッタ84及び偏光板88を介して互いに干渉
させられた上で,光電変換器89により受光される。こ
のときの光電変換器89の出力Eも上記(2′)式で表
され,励起光照射による試料の光熱変位による位相変化
P(t)が含まれている。信号処理回路90によりこの
位相変化の計測が行われることにより熱膨張振動が計測
され,試料の熱弾性的性質が評価される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の光熱変位計
測による試料評価方法では,以下のような問題点があっ
た。 (1)従来装置A01による場合,励起光の照射位置に
測定光が照射される必要がある。しかし,これら光の照
射位置のずれにより光熱変位の測定値に変動がもたらさ
れるため,安定かつ精度良く光熱変位が計測されえな
い。また,光熱変位が小さいときには,干渉計測により
検出される位相変化が小さくなる。これによっても,計
測精度が劣化する。 (2)従来装置A02及びA03では,測定光に励起光
が用いられるため,従来装置A01における光の照射位
置の問題が解消される。さらにA02では光熱変位が小
さいときであっても前述の如く計測精度が高められう
る。しかし,A02,A03ではいずれも,音響光学変
調器におけるレーザ光の強度変調によるレーザ光の位相
変化や光電変換器,増幅器等における信号レベル変化に
よる電気信号の位相変化が生じる。そして,これらの位
相変化が,光熱変位による位相変化に重畳されてノイズ
となる。従って,安定した光熱変位が計測されるため
に,ノイズ補償を行うための複雑な信号処理が必要とさ
れる。本発明では,このような従来の技術における課題
を解決するために,光熱変位計測による試料評価方法が
改良され,複雑な信号処理を行うことなく,高精度かつ
安定に計測が行われ得る光熱変位計測による試料評価方
法が提供されることが目的とされるものである。
測による試料評価方法では,以下のような問題点があっ
た。 (1)従来装置A01による場合,励起光の照射位置に
測定光が照射される必要がある。しかし,これら光の照
射位置のずれにより光熱変位の測定値に変動がもたらさ
れるため,安定かつ精度良く光熱変位が計測されえな
い。また,光熱変位が小さいときには,干渉計測により
検出される位相変化が小さくなる。これによっても,計
測精度が劣化する。 (2)従来装置A02及びA03では,測定光に励起光
が用いられるため,従来装置A01における光の照射位
置の問題が解消される。さらにA02では光熱変位が小
さいときであっても前述の如く計測精度が高められう
る。しかし,A02,A03ではいずれも,音響光学変
調器におけるレーザ光の強度変調によるレーザ光の位相
変化や光電変換器,増幅器等における信号レベル変化に
よる電気信号の位相変化が生じる。そして,これらの位
相変化が,光熱変位による位相変化に重畳されてノイズ
となる。従って,安定した光熱変位が計測されるため
に,ノイズ補償を行うための複雑な信号処理が必要とさ
れる。本発明では,このような従来の技術における課題
を解決するために,光熱変位計測による試料評価方法が
改良され,複雑な信号処理を行うことなく,高精度かつ
安定に計測が行われ得る光熱変位計測による試料評価方
法が提供されることが目的とされるものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は,試料に励起光を照射し,該励起光によ
る試料の光熱変位を測定光を用いて計測することにより
試料を評価する方法において,2つの励起光と2つの測
定光とをそれぞれ発生させ,上記2つの励起光を互いに
異なる位相で強度変調し,それぞれを上記試料の異なる
位置に照射し,上記2つの測定光を互いに異なる振動周
波数に設定し,上記2つの励起光のそれぞれの照射位置
に上記2つの測定光のそれぞれを照射し,上記2つの測
定光の試料からの反射光を干渉させ,該干渉光の位相に
基づいて上記試料を評価することを特徴とする光熱変位
計測による試料評価方法である。さらには,上記2つの
励起光を互いに逆位相で強度変調する光熱変位計測によ
る試料評価方法である。さらには,上記励起光の振動周
波数が上記測定光の振動周波数と異なる光熱変位計測に
よる試料評価方法である。さらには,上記2つの励起光
に該励起光を音響光学変調器により強度変調したときの
回折光と非回折光とを用いる光熱変位計測による試料評
価方法である。さらには,上記干渉光の光電変換出力に
含まれ,上記2つの測定光の振動周波数差の成分を有す
るビート信号の位相変化から上記試料の光熱変位を計測
する光熱変位計測による試料評価方法である。
に第1の発明は,試料に励起光を照射し,該励起光によ
る試料の光熱変位を測定光を用いて計測することにより
試料を評価する方法において,2つの励起光と2つの測
定光とをそれぞれ発生させ,上記2つの励起光を互いに
異なる位相で強度変調し,それぞれを上記試料の異なる
位置に照射し,上記2つの測定光を互いに異なる振動周
波数に設定し,上記2つの励起光のそれぞれの照射位置
に上記2つの測定光のそれぞれを照射し,上記2つの測
定光の試料からの反射光を干渉させ,該干渉光の位相に
基づいて上記試料を評価することを特徴とする光熱変位
計測による試料評価方法である。さらには,上記2つの
励起光を互いに逆位相で強度変調する光熱変位計測によ
る試料評価方法である。さらには,上記励起光の振動周
波数が上記測定光の振動周波数と異なる光熱変位計測に
よる試料評価方法である。さらには,上記2つの励起光
に該励起光を音響光学変調器により強度変調したときの
回折光と非回折光とを用いる光熱変位計測による試料評
価方法である。さらには,上記干渉光の光電変換出力に
含まれ,上記2つの測定光の振動周波数差の成分を有す
るビート信号の位相変化から上記試料の光熱変位を計測
する光熱変位計測による試料評価方法である。
【0007】さらには,上記励起光の光源が波長可変型
光源である光熱変位計測による試料評価方法である。第
2の発明は,試料に光を照射し,それによる試料の光熱
変位を計測することにより試料を評価する方法におい
て,強度変調した光を2分割し,一方の光を試料に照射
し,その反射光の位相を他方の光の位相を基準に計測
し,該計測された反射光の位相に基づいて上記光熱変位
を計測してなることを特徴とする光熱変位計測による試
料評価方法である。さらには,上記2分割した光とは光
周波数の異なる光を発生させ,その光を上記反射光及び
他方の光とそれぞれ別個に干渉させた時の両干渉光の位
相差に基づいて上記光熱変位を計測してなることを特徴
とする光熱変位計測による試料計測方法である。さらに
は,上記両干渉光のそれぞれを別個の光電変換器により
受光したときの両光電変換器の出力信号の位相差に基づ
いて上記光熱変位を計測してなる光熱変位計測による試
料計測方法である。
光源である光熱変位計測による試料評価方法である。第
2の発明は,試料に光を照射し,それによる試料の光熱
変位を計測することにより試料を評価する方法におい
て,強度変調した光を2分割し,一方の光を試料に照射
し,その反射光の位相を他方の光の位相を基準に計測
し,該計測された反射光の位相に基づいて上記光熱変位
を計測してなることを特徴とする光熱変位計測による試
料評価方法である。さらには,上記2分割した光とは光
周波数の異なる光を発生させ,その光を上記反射光及び
他方の光とそれぞれ別個に干渉させた時の両干渉光の位
相差に基づいて上記光熱変位を計測してなることを特徴
とする光熱変位計測による試料計測方法である。さらに
は,上記両干渉光のそれぞれを別個の光電変換器により
受光したときの両光電変換器の出力信号の位相差に基づ
いて上記光熱変位を計測してなる光熱変位計測による試
料計測方法である。
【0008】
【作用】第1の発明によれば,試料に励起光が照射さ
れ,該励起光による試料の光熱変位が測定光を用いて計
測されることにより試料が評価されるに際し,まず2つ
の励起光と2つの測定光とがそれぞれ発生させられる。
上記2つの励起光が互いに異なる位相で強度変調され,
それぞれが上記試料の異なる位置に照射される。上記2
つの測定光が互いに異なる振動周波数に設定される。上
記2つの励起光のそれぞれの照射位置に上記2つの測定
光のそれぞれが照射される。上記2つの測定光の試料か
らの反射光が干渉させられ,該干渉光の位相に基づいて
上記試料が評価される。従って,互いに異なる位相で強
度変調された励起光が試料に照射されたことにより,各
励起部の光熱変位による測定光の位相差が従来例装置A
01における単独励起よりも大きくなるため,光熱変位
の検出感度が高くなる。また,光熱変位を計測するため
の光は従来例装置A02におけるような音響光学変調器
による強度変調が行われないため,上記変調器による位
相ノイズはなくなる。これにより安定に光熱変位が計測
されうる。さらに,上記2つの励起光が互いに逆位相で
強度変調されるようにしてもよい。その場合,上記2つ
の測定光の試料からの反射光の位相差は,単独励起の2
倍になるため,光熱変位の検出感度が高められる。よっ
て,計測精度が高められうる。
れ,該励起光による試料の光熱変位が測定光を用いて計
測されることにより試料が評価されるに際し,まず2つ
の励起光と2つの測定光とがそれぞれ発生させられる。
上記2つの励起光が互いに異なる位相で強度変調され,
それぞれが上記試料の異なる位置に照射される。上記2
つの測定光が互いに異なる振動周波数に設定される。上
記2つの励起光のそれぞれの照射位置に上記2つの測定
光のそれぞれが照射される。上記2つの測定光の試料か
らの反射光が干渉させられ,該干渉光の位相に基づいて
上記試料が評価される。従って,互いに異なる位相で強
度変調された励起光が試料に照射されたことにより,各
励起部の光熱変位による測定光の位相差が従来例装置A
01における単独励起よりも大きくなるため,光熱変位
の検出感度が高くなる。また,光熱変位を計測するため
の光は従来例装置A02におけるような音響光学変調器
による強度変調が行われないため,上記変調器による位
相ノイズはなくなる。これにより安定に光熱変位が計測
されうる。さらに,上記2つの励起光が互いに逆位相で
強度変調されるようにしてもよい。その場合,上記2つ
の測定光の試料からの反射光の位相差は,単独励起の2
倍になるため,光熱変位の検出感度が高められる。よっ
て,計測精度が高められうる。
【0009】さらに,上記励起光の振動周波数が上記測
定光の振動周波数と異なるものとされてもよい。その場
合,上記反射光から試料の光熱変位による位相変化成分
が確実に抽出される。これにより,計測精度が高められ
うる。さらに,上記2つの励起光に,該励起光を音響光
学変調器により強度変調したときの回折光と非回折光と
が用いられてもよい。これにより,上記互いに逆位相で
強度変調された2つの励起光がえられるため,光熱変位
の検出感度が最も高められる。よって,計測精度が高め
られうる。さらに,上記干渉光の光電変換出力に含ま
れ,上記2つの測定光の振動周波数差の成分を有するビ
ート信号の位相変化から上記試料の光熱変位が計測され
てもよい。これにより,上記位相変化成分の確実な抽出
がなされるため,計測精度が高められうる。さらに,上
記励起光の光源が波長可変型光源とされてもよく,その
場合,試料の分光的評価も可能になる。第2の発明によ
れば,試料に光が照射され,それによる試料の光熱変位
が計測されることにより試料が評価されるに際し,まず
強度変調された光が2分割される。一方の光が試料に照
射される。その反射光の位相が他方の光の位相を基準に
計測される。該計測された反射光の位相に基づいて上記
光熱変位が計測される。
定光の振動周波数と異なるものとされてもよい。その場
合,上記反射光から試料の光熱変位による位相変化成分
が確実に抽出される。これにより,計測精度が高められ
うる。さらに,上記2つの励起光に,該励起光を音響光
学変調器により強度変調したときの回折光と非回折光と
が用いられてもよい。これにより,上記互いに逆位相で
強度変調された2つの励起光がえられるため,光熱変位
の検出感度が最も高められる。よって,計測精度が高め
られうる。さらに,上記干渉光の光電変換出力に含ま
れ,上記2つの測定光の振動周波数差の成分を有するビ
ート信号の位相変化から上記試料の光熱変位が計測され
てもよい。これにより,上記位相変化成分の確実な抽出
がなされるため,計測精度が高められうる。さらに,上
記励起光の光源が波長可変型光源とされてもよく,その
場合,試料の分光的評価も可能になる。第2の発明によ
れば,試料に光が照射され,それによる試料の光熱変位
が計測されることにより試料が評価されるに際し,まず
強度変調された光が2分割される。一方の光が試料に照
射される。その反射光の位相が他方の光の位相を基準に
計測される。該計測された反射光の位相に基づいて上記
光熱変位が計測される。
【0010】従って,光の強度変調による位相変化は相
殺されて,従来例装置A02,A03におけるような音
響光学変調器による位相ノイズはなくなる。これにより
安定した光熱変位が計測されうる。さらに,上記2分割
された光とは光周波数の異なる光が発生させられ,その
光が上記反射光及び他方の光とそれぞれ別個に干渉させ
られたときの両干渉光の位相差に基づいて上記光熱変位
が計測されるようにしてもよい。この場合,上記反射光
及び他方の光の光周波数が,これらの光とは光周波数の
異なる光を用いてビートダウン(低下)されるため,上
記位相差の計測精度が確保される。さらに,上記両干渉
光のそれぞれが別個の光電変換器により受光されたとき
の両光電変換器の出力信号の位相差に基づいて上記光熱
変位が計測されるようにしてもよい。このように上記ビ
ートダウンされた光が交流電気信号に変換され,この信
号の位相差が計測されることにより,上記位相差の計測
精度が確保される。その結果,複雑な信号処理を行うこ
となく高精度かつ安定に光熱変位が計測されうる。
殺されて,従来例装置A02,A03におけるような音
響光学変調器による位相ノイズはなくなる。これにより
安定した光熱変位が計測されうる。さらに,上記2分割
された光とは光周波数の異なる光が発生させられ,その
光が上記反射光及び他方の光とそれぞれ別個に干渉させ
られたときの両干渉光の位相差に基づいて上記光熱変位
が計測されるようにしてもよい。この場合,上記反射光
及び他方の光の光周波数が,これらの光とは光周波数の
異なる光を用いてビートダウン(低下)されるため,上
記位相差の計測精度が確保される。さらに,上記両干渉
光のそれぞれが別個の光電変換器により受光されたとき
の両光電変換器の出力信号の位相差に基づいて上記光熱
変位が計測されるようにしてもよい。このように上記ビ
ートダウンされた光が交流電気信号に変換され,この信
号の位相差が計測されることにより,上記位相差の計測
精度が確保される。その結果,複雑な信号処理を行うこ
となく高精度かつ安定に光熱変位が計測されうる。
【0011】
【実施例】以下添付図面を参照して,本発明を具体化し
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発
明の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここ
に,図1は第1の発明の一実施例(第1の実施例)に係
る光熱変位計測による試料評価装置A1の概略構成を示
す模式図,図2は第1の発明の他の実施例(第2の実施
例)に係る光熱変位計測による試料評価装置A2の概略
部分構成を示す模式図,図3は第1の発明の他の実施例
(第3の実施例)に係る光熱変位計測による試料評価装
置A3の概略部分構成を示す模式図,図4は第2の発明
の一実施例(第4の実施例)に係る光熱変位計測による
試料評価装置A4の概略構成を示す模式図である。第1
の発明に係る光熱変位計測による試料評価方法は,試料
に励起光が照射され,この励起光による試料の光熱変位
が測定光を用いて計測されることにより試料が評価され
る点で従来例(装置A01,A02)と同様である。し
かし,第1の発明では,2つの励起光と2つの測定光と
がそれぞれ発生させられ,上記2つの励起光が互いに異
なる位相で強度変調され,それぞれが試料の異なる位置
に照射され,上記2つの測定光が互いに異なる振動周波
数に設定され,上記2つの励起光のそれぞれの照射位置
に上記2つの測定光のそれぞれが照射され,上記2つの
測定光の試料からの反射光が干渉させられ,この干渉光
の位相に基づいて上記試料が評価される点で従来例と異
なる。
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発
明の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここ
に,図1は第1の発明の一実施例(第1の実施例)に係
る光熱変位計測による試料評価装置A1の概略構成を示
す模式図,図2は第1の発明の他の実施例(第2の実施
例)に係る光熱変位計測による試料評価装置A2の概略
部分構成を示す模式図,図3は第1の発明の他の実施例
(第3の実施例)に係る光熱変位計測による試料評価装
置A3の概略部分構成を示す模式図,図4は第2の発明
の一実施例(第4の実施例)に係る光熱変位計測による
試料評価装置A4の概略構成を示す模式図である。第1
の発明に係る光熱変位計測による試料評価方法は,試料
に励起光が照射され,この励起光による試料の光熱変位
が測定光を用いて計測されることにより試料が評価され
る点で従来例(装置A01,A02)と同様である。し
かし,第1の発明では,2つの励起光と2つの測定光と
がそれぞれ発生させられ,上記2つの励起光が互いに異
なる位相で強度変調され,それぞれが試料の異なる位置
に照射され,上記2つの測定光が互いに異なる振動周波
数に設定され,上記2つの励起光のそれぞれの照射位置
に上記2つの測定光のそれぞれが照射され,上記2つの
測定光の試料からの反射光が干渉させられ,この干渉光
の位相に基づいて上記試料が評価される点で従来例と異
なる。
【0012】以下本方法による第1の実施例に係る装置
A1を用いて本方法が具現化されると共に,その基本原
理が概略説明される。この装置A1では,図1に示され
るように,レーザ(YAGレーザ)1からの直線偏光レ
ーザ光が半波長板2及び偏光ビームスプリッタ3により
適当な分配比にてビーム1とビーム2とに分岐される。
ビーム1が励起光とされて,音響光学変調器4により周
波数Fにて周期的強度変調が行われる。音響光学変調器
4からの出射光,ここでは,回折光(1次回折光)及び
非回折光(0次回折光)が,ミラーM,偏光ビームスプ
リッタ5,ビームスプリッタ6,レンズ7を介して試料
8に集光されて照射される。試料8上での,0次および
1次回折光の照射位置は,レンズ7に照射するこれら0
次および1次回折光のビームの角度及びレンズ7の焦点
距離に依存する。ここでは,試料8上の0次および1次
回折光の間隔が約100μmとされる。また,0次回折
光と1次回折光との強度変調の位相は,逆位相であるた
め,これら励起光による光熱変位も互いに逆位相とな
る。
A1を用いて本方法が具現化されると共に,その基本原
理が概略説明される。この装置A1では,図1に示され
るように,レーザ(YAGレーザ)1からの直線偏光レ
ーザ光が半波長板2及び偏光ビームスプリッタ3により
適当な分配比にてビーム1とビーム2とに分岐される。
ビーム1が励起光とされて,音響光学変調器4により周
波数Fにて周期的強度変調が行われる。音響光学変調器
4からの出射光,ここでは,回折光(1次回折光)及び
非回折光(0次回折光)が,ミラーM,偏光ビームスプ
リッタ5,ビームスプリッタ6,レンズ7を介して試料
8に集光されて照射される。試料8上での,0次および
1次回折光の照射位置は,レンズ7に照射するこれら0
次および1次回折光のビームの角度及びレンズ7の焦点
距離に依存する。ここでは,試料8上の0次および1次
回折光の間隔が約100μmとされる。また,0次回折
光と1次回折光との強度変調の位相は,逆位相であるた
め,これら励起光による光熱変位も互いに逆位相とな
る。
【0013】この光熱変位が上記偏光ビームスプリッタ
3により先に分岐されたビーム2により計測される。す
なわち,ビーム2がビームスプリッタ9で二分され,そ
れぞれが周波数F1およびF2の搬送波で定常駆動され
る音響光学変調器10,11により周波数シフトされ
る。これらの音響光学変調器10,11からの出射回折
光の光周波数は,その入射光に対して,それぞれ周波数
F1及びF2だけそれぞれシフトされている。これら2
ビーム(ビーム3,4)のそれぞれが測定光とされて,
偏光ビームスプリッタ5に先の0次および1次回折光で
あるビーム1′,1″のそれぞれと同軸方向になるよう
に導光されることにより,それぞれ試料8上の照射位置
(光熱変位測定位置)に照射される。ビーム3,4の試
料8からの反射光が再びレンズ7およびビームスプリッ
タ6を経由させられた後,両反射光はミラーMおよびビ
ームスプリッタ12により合成され,干渉させられる。
そして,この干渉光が光電変換器13により受光され
る。光電変換器13の出力におけるビーム3,4の干渉
信号成分V(周波数F1−F2成分)が,フィルタ14
により取り出される。この取り出された信号のレベルが
リミッタアンプ15により一定化(定振幅化)される。
この出力Vは次式で示される。 V=C・sin(2π(F1−F2)t+4πL0/λ−4πL1/λ+P) …(1)
3により先に分岐されたビーム2により計測される。す
なわち,ビーム2がビームスプリッタ9で二分され,そ
れぞれが周波数F1およびF2の搬送波で定常駆動され
る音響光学変調器10,11により周波数シフトされ
る。これらの音響光学変調器10,11からの出射回折
光の光周波数は,その入射光に対して,それぞれ周波数
F1及びF2だけそれぞれシフトされている。これら2
ビーム(ビーム3,4)のそれぞれが測定光とされて,
偏光ビームスプリッタ5に先の0次および1次回折光で
あるビーム1′,1″のそれぞれと同軸方向になるよう
に導光されることにより,それぞれ試料8上の照射位置
(光熱変位測定位置)に照射される。ビーム3,4の試
料8からの反射光が再びレンズ7およびビームスプリッ
タ6を経由させられた後,両反射光はミラーMおよびビ
ームスプリッタ12により合成され,干渉させられる。
そして,この干渉光が光電変換器13により受光され
る。光電変換器13の出力におけるビーム3,4の干渉
信号成分V(周波数F1−F2成分)が,フィルタ14
により取り出される。この取り出された信号のレベルが
リミッタアンプ15により一定化(定振幅化)される。
この出力Vは次式で示される。 V=C・sin(2π(F1−F2)t+4πL0/λ−4πL1/λ+P) …(1)
【0014】ここで,CおよびPは定数,λはビーム
3,4の波長,L0,L1はそれぞれビーム1′,1″
による光熱変位であり,ビーム1′,1″の強度が等し
く,また,強度変化が前述のごとく逆位相のとき出力V
は次式で表される。 V=C・sin(2π(F1−F2)t+2・4πL0/λ+P) …(2) 光熱変位は,後段のFM復調回路16による出力Vの位
相検出により求められる。上記(2)式からわかるよう
に,光熱変位による干渉信号の位相変化は,単独励起
(0次回折光のみ,あるいは1次回折光のみの照射の場
合)の2倍になることから,微弱な光熱変位であっても
この場合は感度よく計測されうる。実際には,上記2つ
の励起光(ビーム1′,1″)の位相は必ずしも互いに
逆位相とされる必要はなく,少なくとも互いに異なる位
相とされれば足りる。ただし,逆位相とされた場合が最
も感度が高くなることはいうまでもない。
3,4の波長,L0,L1はそれぞれビーム1′,1″
による光熱変位であり,ビーム1′,1″の強度が等し
く,また,強度変化が前述のごとく逆位相のとき出力V
は次式で表される。 V=C・sin(2π(F1−F2)t+2・4πL0/λ+P) …(2) 光熱変位は,後段のFM復調回路16による出力Vの位
相検出により求められる。上記(2)式からわかるよう
に,光熱変位による干渉信号の位相変化は,単独励起
(0次回折光のみ,あるいは1次回折光のみの照射の場
合)の2倍になることから,微弱な光熱変位であっても
この場合は感度よく計測されうる。実際には,上記2つ
の励起光(ビーム1′,1″)の位相は必ずしも互いに
逆位相とされる必要はなく,少なくとも互いに異なる位
相とされれば足りる。ただし,逆位相とされた場合が最
も感度が高くなることはいうまでもない。
【0015】ここで,音響光学変調器4,10,11に
おける各搬送波の周波数は出力Vに励起光ノイズが入ら
ないように,設定される必要がある。本実施例では,励
起光であるビーム1′(0次回折光)の光周波数はF
P,もう1つの励起光であるビーム1″(1次回折光)
の光周波数はFP−120MHz,測定光であるビーム
3の光周波数はFP+120MHz,もう1つの測定光
であるビーム4の光周波数はFP+200MHzになる
ように各ビームはそれぞれ設定された。このとき,ビー
ム3,4の干渉信号のビートの周波数は120MHz,
200MHz,240MHzおよび320MHzとなる
が,これらはすべて電気的フィルタであるフィルタ14
で容易に除去されうる。これにより,ビーム3,4の干
渉信号成分である80MHzのみが確実に抽出されう
る。むろん,これ以外の設定も可能であるが,少なくと
も励起光(ビーム1′,1″)の振動周波数が測定光
(ビーム3,4)の振動周波数と異なるものとすれば上
記ビーム信号成分の抽出が容易となる。
おける各搬送波の周波数は出力Vに励起光ノイズが入ら
ないように,設定される必要がある。本実施例では,励
起光であるビーム1′(0次回折光)の光周波数はF
P,もう1つの励起光であるビーム1″(1次回折光)
の光周波数はFP−120MHz,測定光であるビーム
3の光周波数はFP+120MHz,もう1つの測定光
であるビーム4の光周波数はFP+200MHzになる
ように各ビームはそれぞれ設定された。このとき,ビー
ム3,4の干渉信号のビートの周波数は120MHz,
200MHz,240MHzおよび320MHzとなる
が,これらはすべて電気的フィルタであるフィルタ14
で容易に除去されうる。これにより,ビーム3,4の干
渉信号成分である80MHzのみが確実に抽出されう
る。むろん,これ以外の設定も可能であるが,少なくと
も励起光(ビーム1′,1″)の振動周波数が測定光
(ビーム3,4)の振動周波数と異なるものとすれば上
記ビーム信号成分の抽出が容易となる。
【0016】また,試料8上の2つの励起光(ビーム
1′,1″)の照射位置間隔は,本実施例では約100
μmとされたが,これ以外の値としてもよい。ただし完
全に差動的な光熱変位が発生するように試料8の熱拡散
長程度以上に設定される必要がある。これは,上記照射
位置間隔が小さい程,試料評価における優れた分解能が
期待できるからである。この点,本実施例では励起光及
び測定光にいずれもレーザ光を用いることとしているこ
とから,上記照射位置間隔が最も小さくされうる。上記
第1の実施例では,励起光と測定光との生成に同一の光
源であるレーザ1を用いた場合が示されたが,励起光源
と測定光源とに異なるレーザが適用されることも考えら
れる。第2の実施例はこの点に着目してなされたもので
あり,以下述べる。図2に示されるごとく,第2の実施
例に係る光熱変位計測による試料評価装置A2では,励
起光源18に例えば波長可変型光源(色素レーザ等)が
用いられる。測定光源17には上記第1の実施例と同様
のYAGレーザが用いられる。その他の構成は上記第1
の実施例の装置A1と同様である。これにより波長の異
なる励起光による光熱変位が得られ,これを基に試料8
の分光的評価が可能となる。上記第1,第2の実施例で
は,各レーザ光はいずれも空間を伝搬しているが,光フ
ァイバによる導光を行うことが考えられる。第3の実施
例はこの点に着目してなされたたものであり,以下述べ
る。
1′,1″)の照射位置間隔は,本実施例では約100
μmとされたが,これ以外の値としてもよい。ただし完
全に差動的な光熱変位が発生するように試料8の熱拡散
長程度以上に設定される必要がある。これは,上記照射
位置間隔が小さい程,試料評価における優れた分解能が
期待できるからである。この点,本実施例では励起光及
び測定光にいずれもレーザ光を用いることとしているこ
とから,上記照射位置間隔が最も小さくされうる。上記
第1の実施例では,励起光と測定光との生成に同一の光
源であるレーザ1を用いた場合が示されたが,励起光源
と測定光源とに異なるレーザが適用されることも考えら
れる。第2の実施例はこの点に着目してなされたもので
あり,以下述べる。図2に示されるごとく,第2の実施
例に係る光熱変位計測による試料評価装置A2では,励
起光源18に例えば波長可変型光源(色素レーザ等)が
用いられる。測定光源17には上記第1の実施例と同様
のYAGレーザが用いられる。その他の構成は上記第1
の実施例の装置A1と同様である。これにより波長の異
なる励起光による光熱変位が得られ,これを基に試料8
の分光的評価が可能となる。上記第1,第2の実施例で
は,各レーザ光はいずれも空間を伝搬しているが,光フ
ァイバによる導光を行うことが考えられる。第3の実施
例はこの点に着目してなされたたものであり,以下述べ
る。
【0017】図3に示されるごとく,第3の実施例に係
る光熱変位計測による試料評価装置A3では,YAGレ
ーザ1より発射したレーザ光がコリメートレンズ21に
より光ファイバ19に集められ,多チャンネル音響光学
変調器22に導かれる。ここで,励起光であるビーム
1′,1″と測定光であるビーム3,4とが生成され
る。これらのビームは光ファイバ19′により導光さ
れ,ファイバ結合器20にてビーム1′とビーム4と
が,またビーム1″とビーム3とがそれぞれ合成され
る。そして,これらのビームはそれぞれコリメートレン
ズ21′を介して光路空間に放射される。またこれらの
ビームはそれぞれビームスプリッタ6,レンズ7を介し
て試料8に照射される。試料8からの反射光はコリメー
トレンズ21″により光ファイバ19″に集められる。
これらの集められたビームはファイバ結合器20′によ
り合成され,干渉されて光電変換器13にて受光され
る。以降の構成は,装置A1と全く同様である。この場
合には,光路空間の大半が光ファイバにて置き換えられ
ているため,外乱光の影響を受けることが殆どなくな
る。その結果,計測精度の向上が図られる。
る光熱変位計測による試料評価装置A3では,YAGレ
ーザ1より発射したレーザ光がコリメートレンズ21に
より光ファイバ19に集められ,多チャンネル音響光学
変調器22に導かれる。ここで,励起光であるビーム
1′,1″と測定光であるビーム3,4とが生成され
る。これらのビームは光ファイバ19′により導光さ
れ,ファイバ結合器20にてビーム1′とビーム4と
が,またビーム1″とビーム3とがそれぞれ合成され
る。そして,これらのビームはそれぞれコリメートレン
ズ21′を介して光路空間に放射される。またこれらの
ビームはそれぞれビームスプリッタ6,レンズ7を介し
て試料8に照射される。試料8からの反射光はコリメー
トレンズ21″により光ファイバ19″に集められる。
これらの集められたビームはファイバ結合器20′によ
り合成され,干渉されて光電変換器13にて受光され
る。以降の構成は,装置A1と全く同様である。この場
合には,光路空間の大半が光ファイバにて置き換えられ
ているため,外乱光の影響を受けることが殆どなくな
る。その結果,計測精度の向上が図られる。
【0018】尚,上記第1〜第3の実施例では,上記干
渉光の光電変換出力に含まれ2つの測定光の振動周波数
差の成分を有するビート信号の位相変化から試料の光熱
変位が計測されているが,実使用に際しては側波帯の検
知によってもよい。その場合,スペクトラムアナライザ
を用いて精度よく計測されうる。以上のように,本第1
〜第3の実施例によれば,いずれも互いに異なる位相で
強度変調された励起光が試料に照射されたことにより,
各励起部の光熱変位による測定光の位相差が従来例装置
A01における単独励起よりも大きくなるため,光熱変
位の検出感度が高くなる。また,光熱変位が計測される
ための光は従来例装置A02におけるような音響光学変
調器による強度変調が行われないため,上記変調器によ
る位相ノイズはなくなる。これにより安定に光熱変位が
計測されうる。その結果,複雑な信号処理を行うことな
く高精度かつ安定に光熱変位が計測されうる。
渉光の光電変換出力に含まれ2つの測定光の振動周波数
差の成分を有するビート信号の位相変化から試料の光熱
変位が計測されているが,実使用に際しては側波帯の検
知によってもよい。その場合,スペクトラムアナライザ
を用いて精度よく計測されうる。以上のように,本第1
〜第3の実施例によれば,いずれも互いに異なる位相で
強度変調された励起光が試料に照射されたことにより,
各励起部の光熱変位による測定光の位相差が従来例装置
A01における単独励起よりも大きくなるため,光熱変
位の検出感度が高くなる。また,光熱変位が計測される
ための光は従来例装置A02におけるような音響光学変
調器による強度変調が行われないため,上記変調器によ
る位相ノイズはなくなる。これにより安定に光熱変位が
計測されうる。その結果,複雑な信号処理を行うことな
く高精度かつ安定に光熱変位が計測されうる。
【0019】上記第1〜第3の実施例では,いずれも光
が分割されて,一方の光が励起光として強度変調され,
他方の光が測定光として強度変調されずに周波数シフト
された後両光が合成されて試料に照射されるため,光学
系が若干複雑化している。これを簡略化すべくなされた
のが次に示される第2の発明である。以下述べる。第2
の発明に係る光熱変位計測による試料計測方法は,試料
に光が照射され,それによる試料の光熱変位が計測され
ることにより試料が評価される点では,従来例(装置A
01,A02,A03)と同様である。しかし,本第4
の実施例では,強度変調された光が2分割され,一方の
光が試料に照射され,その反射光の位相が他方の光の位
相を基準に計測され,該計測された反射光の位相に基づ
いて上記光熱変位が計測される点で従来例と異なる。ま
た,上記2分割された光とは光高周数の異なる光が発生
させられ,その光が上記反射光及び他方の光とそれぞれ
別個に干渉させられたときの両干渉光の位相差に基づい
て上記光熱変位が計測されるようにしてもよく,その点
でも従来例と異なる。但し,上記光周波の異なる光を用
いることなく,反射光の位相及び他方の光の位相は高周
波数域で直接計測されることとしてもよい。
が分割されて,一方の光が励起光として強度変調され,
他方の光が測定光として強度変調されずに周波数シフト
された後両光が合成されて試料に照射されるため,光学
系が若干複雑化している。これを簡略化すべくなされた
のが次に示される第2の発明である。以下述べる。第2
の発明に係る光熱変位計測による試料計測方法は,試料
に光が照射され,それによる試料の光熱変位が計測され
ることにより試料が評価される点では,従来例(装置A
01,A02,A03)と同様である。しかし,本第4
の実施例では,強度変調された光が2分割され,一方の
光が試料に照射され,その反射光の位相が他方の光の位
相を基準に計測され,該計測された反射光の位相に基づ
いて上記光熱変位が計測される点で従来例と異なる。ま
た,上記2分割された光とは光高周数の異なる光が発生
させられ,その光が上記反射光及び他方の光とそれぞれ
別個に干渉させられたときの両干渉光の位相差に基づい
て上記光熱変位が計測されるようにしてもよく,その点
でも従来例と異なる。但し,上記光周波の異なる光を用
いることなく,反射光の位相及び他方の光の位相は高周
波数域で直接計測されることとしてもよい。
【0020】以下,本第2の発明の方法による第4の実
施例に係る装置A4を用いて本方法が具現化されると共
に,その基本原理を概略説明される。この装置A4で
は,図4に示されるように,光周波数がFpのYAGレ
ーザ31からレーザ光は,搬送周波数Fbでドライブさ
れた音響光学変調器32により強度変調される。この変
調光(音響光学変調器32からの回折光)はビームスプ
リッタ33により,ビーム1およびビーム2に分割され
る。これらのビーム1,2をなす各光波は,次式で表さ
れる。 ビーム1:S1=A・M(t)exp{i(2π(Fp+Fb)t+φ)} …(3) ビーム2:S2=B・M(t)exp{i(2π(Fp+Fb)t+φ)} …(4)
施例に係る装置A4を用いて本方法が具現化されると共
に,その基本原理を概略説明される。この装置A4で
は,図4に示されるように,光周波数がFpのYAGレ
ーザ31からレーザ光は,搬送周波数Fbでドライブさ
れた音響光学変調器32により強度変調される。この変
調光(音響光学変調器32からの回折光)はビームスプ
リッタ33により,ビーム1およびビーム2に分割され
る。これらのビーム1,2をなす各光波は,次式で表さ
れる。 ビーム1:S1=A・M(t)exp{i(2π(Fp+Fb)t+φ)} …(3) ビーム2:S2=B・M(t)exp{i(2π(Fp+Fb)t+φ)} …(4)
【0021】ここで,A,Bは,光波振幅を示す定数で
あるが,ビーム1は励起用に用いられるためAはBより
大きくなるように設定されている。φは光学系の構成,
強度変化による変化し得る値,M(t)は強度変調度合
いを表す因子である。本第4の実施例では,元のレーザ
光が周波数Fで正弦波状に強度変調されているため,M
(t)は,次式で表される。 M(t)=1+m・cos(2πFt+q) …(5) ここで,m(0<m<1)は変調率,qは定数である。
ビーム1が試料34に照射されたとき,その反射光の光
波Srは,励起光でもあるビーム1自身の強度変化によ
る光熱変位に対する位相変化Pを含むため次式で表され
る。 Sr=R・M(t)・exp{i(2π(Fp+Fb)t+φ+φr+P)} …(6) ここでRは試料34の反射率,光学系の透過率に依存す
る値,φrは光路長に対する位相変化である。
あるが,ビーム1は励起用に用いられるためAはBより
大きくなるように設定されている。φは光学系の構成,
強度変化による変化し得る値,M(t)は強度変調度合
いを表す因子である。本第4の実施例では,元のレーザ
光が周波数Fで正弦波状に強度変調されているため,M
(t)は,次式で表される。 M(t)=1+m・cos(2πFt+q) …(5) ここで,m(0<m<1)は変調率,qは定数である。
ビーム1が試料34に照射されたとき,その反射光の光
波Srは,励起光でもあるビーム1自身の強度変化によ
る光熱変位に対する位相変化Pを含むため次式で表され
る。 Sr=R・M(t)・exp{i(2π(Fp+Fb)t+φ+φr+P)} …(6) ここでRは試料34の反射率,光学系の透過率に依存す
る値,φrは光路長に対する位相変化である。
【0022】レーザ出射口にてビームサンプラ35によ
り次式で示される光波振幅を持つレーザ光(ビーム3)
が取り出され,ビームスプリッタ36により分割されて
ビーム3′,3″となる。 T=C・exp{i(2πFpt+φc)} …(7) ここで,C,φcはいずれも定数である。このビーム
3′と試料34からの反射光とはビームスプリッタ37
により干渉させられ,光電変換器38により受光され
る。光電変換器38の出力P1は次式で表される。 P1=D・|Sr+T|2 =D・{|Sr|2 +|C|2 +2・R・M(t)・C・cos(2πF bt+φ+φ1+P)} …(8) ここで,Dは定数,φ1は光路長に対する位相変化であ
る。
り次式で示される光波振幅を持つレーザ光(ビーム3)
が取り出され,ビームスプリッタ36により分割されて
ビーム3′,3″となる。 T=C・exp{i(2πFpt+φc)} …(7) ここで,C,φcはいずれも定数である。このビーム
3′と試料34からの反射光とはビームスプリッタ37
により干渉させられ,光電変換器38により受光され
る。光電変換器38の出力P1は次式で表される。 P1=D・|Sr+T|2 =D・{|Sr|2 +|C|2 +2・R・M(t)・C・cos(2πF bt+φ+φ1+P)} …(8) ここで,Dは定数,φ1は光路長に対する位相変化であ
る。
【0023】さらに,ビーム2もビーム3″とビームス
プリッタ33を通して干渉させられ,光電変換器39に
より受光される。光電変換器39の出力P2は次式で表
される。 P2=E・|S2+T|2 =E・{|S2|2 +|C|2 +2・B・M(t)・C・cos(2πF bt+φ+φ2)} …(9) ここで,Eは定数,φ2は光路長に対する位相変化であ
る。この2つの信号の位相差を検出する具体的手法を以
下に示す。出力P1のビート周波数成分がフィルタ40
により取り出された後,リミッタアンプ41により定振
幅化されて信号V1が生成される。信号V1は次式で表
される。 V1=F1・cos(2πFbt+φ+φ1+φ1e+P)} …(10) ここで,F1は定数,φ1eは本電気回路で生じる位相
変化に依存する値である。
プリッタ33を通して干渉させられ,光電変換器39に
より受光される。光電変換器39の出力P2は次式で表
される。 P2=E・|S2+T|2 =E・{|S2|2 +|C|2 +2・B・M(t)・C・cos(2πF bt+φ+φ2)} …(9) ここで,Eは定数,φ2は光路長に対する位相変化であ
る。この2つの信号の位相差を検出する具体的手法を以
下に示す。出力P1のビート周波数成分がフィルタ40
により取り出された後,リミッタアンプ41により定振
幅化されて信号V1が生成される。信号V1は次式で表
される。 V1=F1・cos(2πFbt+φ+φ1+φ1e+P)} …(10) ここで,F1は定数,φ1eは本電気回路で生じる位相
変化に依存する値である。
【0024】同様に出力P2のビート周波数成分がフィ
ルタ42により取り出された後,リミッタアンプ43に
より定振幅化され,位相シフタ44を経て信号V2が生
成される。信号V2は次式で表される。 V2=F2・cos(2πFbt+φ+φ2+φ2e+q)} …(11) ここで,F2は定数,φ2eは本電気回路で生じる位相
変化に依存する値である。また,qは位相シフタ44に
よる位相変化である。出力P1,P2の上記各処理にお
いて,同特性のフィルタやアンプが適用され,信号レベ
ルも同レベルで処理されることにより,上記出力P1及
びP2の各処理での位相変化は等しくされる(φ1e=
φ2e)。次に,信号V1とV2とが乗算器45により
ミキシングされる。ミキング出力V3の低周波成分(ロ
ーパスフィルタ46により周波数2Fb帯がカットされ
た残りの成分)の信号VLは,次式で表される。 VL=G・cos(P+φ1−φ2−q)} …(12) ここで,Gは定数である。位相変化φ1,φ2はローパ
スフィルタ47によるVLのDCレベルで検知される。
このDCレベルが零になるように位相シフタ44により
位相qが制御される(φ1−φ2−q=π/2+2nπ
(n=1,2,…))。
ルタ42により取り出された後,リミッタアンプ43に
より定振幅化され,位相シフタ44を経て信号V2が生
成される。信号V2は次式で表される。 V2=F2・cos(2πFbt+φ+φ2+φ2e+q)} …(11) ここで,F2は定数,φ2eは本電気回路で生じる位相
変化に依存する値である。また,qは位相シフタ44に
よる位相変化である。出力P1,P2の上記各処理にお
いて,同特性のフィルタやアンプが適用され,信号レベ
ルも同レベルで処理されることにより,上記出力P1及
びP2の各処理での位相変化は等しくされる(φ1e=
φ2e)。次に,信号V1とV2とが乗算器45により
ミキシングされる。ミキング出力V3の低周波成分(ロ
ーパスフィルタ46により周波数2Fb帯がカットされ
た残りの成分)の信号VLは,次式で表される。 VL=G・cos(P+φ1−φ2−q)} …(12) ここで,Gは定数である。位相変化φ1,φ2はローパ
スフィルタ47によるVLのDCレベルで検知される。
このDCレベルが零になるように位相シフタ44により
位相qが制御される(φ1−φ2−q=π/2+2nπ
(n=1,2,…))。
【0025】このとき,信号VLは次式で表される。 VL=G・sin(P)〜GP …(13) この信号VLから光熱変位による位相変化Pが検出され
る。この位相変化Pより光熱変位Lは,次式で表され
る。 L=Pλ/4π …(14) ここで,λはレーザの波長である。この光熱変位Lよ
り,試料34の特性(熱弾性特性,光吸収特性等)が評
価される。上記位相変化Pの検出,光熱変位Lの演算及
び試料34の特性評価は本装置A4の最後段に設けられ
たロックインアンプ,コンピュータ等からなるデータ処
理装置48によってなされる。尚,上記第4の実施例で
は,各レーザ光は,空間に伝搬されているが,前記第3
の実施例と同様,光ファイバによる導光や,光の合成,
干渉にファイバ結合器の利用が可能である。以上のよう
に本第4の実施例は,励起光の試料からの反射光の位相
を基に光熱変位が計測される手法であるから,光熱変位
を測定するために別のレーザ光が光熱変位測定点に照射
される必要がない。従って,従来例装置A01で生じる
励起光と測定光の照射位置のずれに関する問題はない。
る。この位相変化Pより光熱変位Lは,次式で表され
る。 L=Pλ/4π …(14) ここで,λはレーザの波長である。この光熱変位Lよ
り,試料34の特性(熱弾性特性,光吸収特性等)が評
価される。上記位相変化Pの検出,光熱変位Lの演算及
び試料34の特性評価は本装置A4の最後段に設けられ
たロックインアンプ,コンピュータ等からなるデータ処
理装置48によってなされる。尚,上記第4の実施例で
は,各レーザ光は,空間に伝搬されているが,前記第3
の実施例と同様,光ファイバによる導光や,光の合成,
干渉にファイバ結合器の利用が可能である。以上のよう
に本第4の実施例は,励起光の試料からの反射光の位相
を基に光熱変位が計測される手法であるから,光熱変位
を測定するために別のレーザ光が光熱変位測定点に照射
される必要がない。従って,従来例装置A01で生じる
励起光と測定光の照射位置のずれに関する問題はない。
【0026】また,ビーム1の光の位相は,強度変調に
より変化するが,この位相変化はビーム2でも生じてい
る。従って,ビーム2を基準にビーム1の試料からの反
射光の位相が測定されることにより,強度変調による位
相変化は相殺され,ビーム1の試料からの反射光におけ
る光熱変位による位相差だけが計測される。従って,従
来例装置A02,A03で生じるノイズに関する問題点
はない。さらに,上記位相測定では,光干渉法にて,試
料からの反射光及びビーム2の光周波数がビートダウン
(低下)され,交流電気信号に変換され,この信号の位
相が計測される。この手法は高周波数域で計測される場
合に比べて精度が確保されやすいため現実的である。そ
の結果,複雑な信号処理を行うことなく高精度かつ安定
に光熱変位が計測されうる。
より変化するが,この位相変化はビーム2でも生じてい
る。従って,ビーム2を基準にビーム1の試料からの反
射光の位相が測定されることにより,強度変調による位
相変化は相殺され,ビーム1の試料からの反射光におけ
る光熱変位による位相差だけが計測される。従って,従
来例装置A02,A03で生じるノイズに関する問題点
はない。さらに,上記位相測定では,光干渉法にて,試
料からの反射光及びビーム2の光周波数がビートダウン
(低下)され,交流電気信号に変換され,この信号の位
相が計測される。この手法は高周波数域で計測される場
合に比べて精度が確保されやすいため現実的である。そ
の結果,複雑な信号処理を行うことなく高精度かつ安定
に光熱変位が計測されうる。
【0027】
【発明の効果】第1の発明に係る光熱変位計測による試
料評価方法は,上記したように構成されているため,互
いに異なる位相で強度変調された励起光が試料に照射さ
れたことにより,各励起部の光熱変位による測定光の位
相差が従来例装置A01における単独励起よりも大きく
なるため,光熱変位の検出感度が高くなる。また,光熱
変位を計測するための光は従来例装置A02におけるよ
うな音響光学変調器による強度変調が行われないため,
上記変調器による位相ノイズはなくなる。これにより安
定に光熱変位が計測されうる。さらに,上記2つの励起
光が互いに逆位相で強度変調される場合,上記2つの測
定光の試料からの反射光の位相差は,単独励起の2倍に
なるため,光熱変位の検出感度が高められる。よって,
計測精度が高められうる。さらに,上記励起光の振動周
波数が上記測定光の振動周波数と異なるものとされる場
合,上記反射光から試料の光熱変位による位相変化成分
が確実に抽出される。これにより,計測精度が高められ
うる。さらに,上記2つの励起光に,該励起光が音響光
学変調器により強度変調されたときの回折光と非回折光
とが用いられる場合上記互いに逆位相で強度変調された
2つの励起光がえられるため,光熱変位の検出感度が最
も高められうる。よって計測精度が高められうる。
料評価方法は,上記したように構成されているため,互
いに異なる位相で強度変調された励起光が試料に照射さ
れたことにより,各励起部の光熱変位による測定光の位
相差が従来例装置A01における単独励起よりも大きく
なるため,光熱変位の検出感度が高くなる。また,光熱
変位を計測するための光は従来例装置A02におけるよ
うな音響光学変調器による強度変調が行われないため,
上記変調器による位相ノイズはなくなる。これにより安
定に光熱変位が計測されうる。さらに,上記2つの励起
光が互いに逆位相で強度変調される場合,上記2つの測
定光の試料からの反射光の位相差は,単独励起の2倍に
なるため,光熱変位の検出感度が高められる。よって,
計測精度が高められうる。さらに,上記励起光の振動周
波数が上記測定光の振動周波数と異なるものとされる場
合,上記反射光から試料の光熱変位による位相変化成分
が確実に抽出される。これにより,計測精度が高められ
うる。さらに,上記2つの励起光に,該励起光が音響光
学変調器により強度変調されたときの回折光と非回折光
とが用いられる場合上記互いに逆位相で強度変調された
2つの励起光がえられるため,光熱変位の検出感度が最
も高められうる。よって計測精度が高められうる。
【0028】さらに,上記干渉光の光電変換出力に含ま
れ,上記2つの測定光の振動周波数差の成分を有するビ
ート信号の位相変化から上記試料の光熱変位が計測され
る場合,上記位相変化成分の確実な抽出がなされるた
め,計測精度が高められうる。さらに,上記励起光の光
源が波長可変型光源とされる場合,試料の分光的評価も
可能になる。また,第2の発明に係る光熱変位計測によ
る試料評価方法では,光の強度変調による位相変化は相
殺されて,従来例装置A02,A03におけるような音
響光学変調器による位相ノイズはなくなる。これにより
安定した光熱変位が計測されうる。さらに,上記2分割
された光とは光周波数の異なる光が発生させられ,その
光が上記反射光及び他方の光とそれぞれ別個に干渉させ
られたときの両干渉光の位相差に基づいて上記光熱変位
が計測される場合,上記反射光及び他方の光の光周波数
が,これらの光とは光周波数の異なる光を用いてビート
ダウン(低下)されるため,上記位相差の計測精度が確
保される。さらに,上記両干渉光のそれぞれが別個の光
電変換により受光されたときの両光電変換器の出力信号
の位相差に基づいて上記光熱変位が計測される場合,上
記ビートダウンされた光が交流電気信号に変換されこの
信号の位相差が計測されることにより,上記位相差の計
測精度が確保される。その結果,複雑な信号処理を行う
ことなく高精度かつ安定に光熱変位が計測されうる。
れ,上記2つの測定光の振動周波数差の成分を有するビ
ート信号の位相変化から上記試料の光熱変位が計測され
る場合,上記位相変化成分の確実な抽出がなされるた
め,計測精度が高められうる。さらに,上記励起光の光
源が波長可変型光源とされる場合,試料の分光的評価も
可能になる。また,第2の発明に係る光熱変位計測によ
る試料評価方法では,光の強度変調による位相変化は相
殺されて,従来例装置A02,A03におけるような音
響光学変調器による位相ノイズはなくなる。これにより
安定した光熱変位が計測されうる。さらに,上記2分割
された光とは光周波数の異なる光が発生させられ,その
光が上記反射光及び他方の光とそれぞれ別個に干渉させ
られたときの両干渉光の位相差に基づいて上記光熱変位
が計測される場合,上記反射光及び他方の光の光周波数
が,これらの光とは光周波数の異なる光を用いてビート
ダウン(低下)されるため,上記位相差の計測精度が確
保される。さらに,上記両干渉光のそれぞれが別個の光
電変換により受光されたときの両光電変換器の出力信号
の位相差に基づいて上記光熱変位が計測される場合,上
記ビートダウンされた光が交流電気信号に変換されこの
信号の位相差が計測されることにより,上記位相差の計
測精度が確保される。その結果,複雑な信号処理を行う
ことなく高精度かつ安定に光熱変位が計測されうる。
【図1】 第1の発明の一実施例(第1の実施例)に係
る光熱変位計測による試料評価装置A1の概略構成を示
す模式図。
る光熱変位計測による試料評価装置A1の概略構成を示
す模式図。
【図2】 第1の発明の他の実施例(第2の実施例)に
係る光熱変位計測による試料評価装置A2の概略部分構
成を示す模式図。
係る光熱変位計測による試料評価装置A2の概略部分構
成を示す模式図。
【図3】 第1の発明の他の実施例(第3の実施例)に
係る光熱変位計測による試料評価装置A3の概略部分構
成を示す模式図。
係る光熱変位計測による試料評価装置A3の概略部分構
成を示す模式図。
【図4】 第2の発明の一実施例(第4の実施例)に係
る光熱変位計測による試料評価装置A4の概略構成を示
す模式図。
る光熱変位計測による試料評価装置A4の概略構成を示
す模式図。
【図5】 従来の光熱変位計測による試料評価装置の第
1例A01における概略構成を示す模式図。
1例A01における概略構成を示す模式図。
【図6】 従来の光熱変位計測による試料評価装置の第
2例A02における概略構成を示す模式図。
2例A02における概略構成を示す模式図。
【図7】 従来の光熱変位計測による試料評価装置の第
3例A03における概略構成を示す模式図。
3例A03における概略構成を示す模式図。
A1〜A3…光熱変位計測装置 1…レーザ 4,10,11…音響光学変調器 8…試料 A4…光熱変位計測装置 31…レーザ 32…音響光学変調器 34…試料
フロントページの続き (72)発明者 森本 勉 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内
Claims (9)
- 【請求項1】 試料に励起光を照射し,該励起光による
試料の光熱変位を測定光を用いて計測することにより試
料を評価する方法において,2つの励起光と2つの測定
光とをそれぞれ発生させ,上記2つの励起光を互いに異
なる位相で強度変調し,それぞれを上記試料の異なる位
置に照射し,上記2つの測定光を互いに異なる振動周波
数に設定し,上記2つの励起光のそれぞれの照射位置に
上記2つの測定光のそれぞれを照射し,上記2つの測定
光の試料からの反射光を干渉させ,該干渉光の位相に基
づいて上記試料を評価することを特徴とする光熱変位計
測による試料評価方法。 - 【請求項2】 上記2つの励起光を互いに逆位相で強度
変調する請求項1記載の光熱変位計測による試料評価方
法。 - 【請求項3】 上記励起光の振動周波数が上記測定光の
振動周波数と異なる請求項1又は2記載の光熱変位計測
による試料評価方法。 - 【請求項4】 上記2つの励起光に該励起光を音響光学
変調器により強度変調したときの回折光と非回折光とを
用いる請求項1〜3のいずれかに記載の光熱変位計測に
よる試料評価方法。 - 【請求項5】 上記干渉光の光電変換出力に含まれ,上
記2つの測定光の振動周波数差の成分を有するビート信
号の位相変化から上記試料の光熱変位を計測する請求項
1〜4のいずれかに記載の光熱変位計測による試料評価
方法。 - 【請求項6】 上記励起光の光源が波長可変型光源であ
る請求項1〜5のいずれかに記載の光熱変位計測による
試料評価方法。 - 【請求項7】 試料に光を照射し,それによる試料の光
熱変位を計測することにより試料を評価する方法におい
て,強度変調した光を2分割し,一方の光を試料に照射
し,その反射光の位相を他方の光の位相を基準に計測
し,該計測された反射光の位相に基づいて上記光熱変位
を計測してなることを特徴とする光熱変位計測による試
料評価方法。 - 【請求項8】 上記2分割した光とは光周波数の異なる
光を発生させ,その光を上記反射光及び他方の光とそれ
ぞれ別個に干渉させた時の両干渉光の位相差に基づいて
上記光熱変位を計測してなることを特徴とする請求項7
記載の光熱変位計測による試料計測方法。 - 【請求項9】 上記両干渉光のそれぞれを別個の光電変
換器により受光したときの両光電変換器の出力信号の位
相差に基づいて上記光熱変位を計測してなる請求項8記
載の光熱変位計測による試料計測方法。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7003721A JPH07311182A (ja) | 1994-03-25 | 1995-01-13 | 光熱変位計測による試料評価方法 |
| KR1019950006341A KR0163627B1 (ko) | 1994-03-25 | 1995-03-24 | 광열변위계측에 의한 시료평가방법 |
| US08/409,670 US5619326A (en) | 1994-03-25 | 1995-03-24 | Method of sample valuation based on the measurement of photothermal displacement |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5535794 | 1994-03-25 | ||
| JP6-55357 | 1994-03-25 | ||
| JP7003721A JPH07311182A (ja) | 1994-03-25 | 1995-01-13 | 光熱変位計測による試料評価方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07311182A true JPH07311182A (ja) | 1995-11-28 |
Family
ID=26337357
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7003721A Pending JPH07311182A (ja) | 1994-03-25 | 1995-01-13 | 光熱変位計測による試料評価方法 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5619326A (ja) |
| JP (1) | JPH07311182A (ja) |
| KR (1) | KR0163627B1 (ja) |
Families Citing this family (28)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6552803B1 (en) | 1998-02-24 | 2003-04-22 | Kla-Tencor Corporation | Detection of film thickness through induced acoustic pulse-echos |
| US6108087A (en) * | 1998-02-24 | 2000-08-22 | Kla-Tencor Corporation | Non-contact system for measuring film thickness |
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