JPH0753349A - 浮遊型浴用剤及びその製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 浴用剤であって、浴槽において使用する際に
浴水に浮かせることができて、香料等を担持させること
が容易であり、かつ種々の形状に加工することができる
浮遊型浴用剤及びその製造法を提供することである。 【構成】 糖類、スターチ、ゼラチン並びに水からなる
原料を均質に混和して発泡混和体を調製する工程と、該
発泡混和体を成型するかまたはシート状の物とする工程
と、該成型物またはシート状物を乾燥して多孔質体と
し、該多孔質体に油性原料を吸着させる工程からなる浮
遊型浴用剤の製造法とその浴用剤である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、浮遊型浴用剤及びその
製造法に関するものであり、特に、糖類、スターチ、ゼ
ラチン等から製造される多孔質体に香料等を含ませたも
ので、浴水に浮かせることができる浴用剤及びその製造
法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】入浴には疲労の回復効果や、心身をリラ
ックスさせる心理的効果など、種々の効果がある。従来
から使用されている浴用剤は、温泉の湯の花等に類似し
た成分のものを化学的に再生したり、合成して混合した
ものがある。

【０００３】そして、近来は着色料や香料を添加して色
合いや香りを楽しむための浴用剤が製造され、さらに効
能や効果を高めるために炭酸ガスを発生させる炭酸浴等
も市販されている。これらのものは、硫酸ナトリウム、
重炭酸ナトリウム、スターチを主成分とするものであ
り、これに添加物としてクエン酸、ビタミン類、色素、
香料を加えてなるものである。さらに 近時においては
香りの発散を持続させるためにマイクロカプセル化され
た香料を含ませた浴用組成物、また軽石や発泡スチロー
ルなどの浴水に浮きやすい担体に浴用成分を含ませたも
の等が提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記の硫酸ナトリウム
や重炭酸ナトリウムを主成分とするものは、水の軟質化
や湯冷め防止の効果があるとされている。しかしなが
ら、浴槽で使用する場合に、いずれも比重が大きいので
底に沈み、効能成分や香料等がすぐに効果を発揮できな
い場合がある。さらに、浴水に浮きやすい担体に浴用成
分を含ませたものやその他の浴剤にしても、その商品形
態の体裁を得るために成型や打錠等により一定の形態に
するが、その製造工程は簡易なものではない。

【０００５】本発明は、上記の従来技術に係る浴用剤の
有する問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、
浴槽において使用する際に浴水に浮かせることができ
て、香料等の有効成分を担持させることが容易であり、
かつ種々の形状に加工することができる浮遊型浴用剤及
びその製造法を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段および作用】本発明は、上
記の課題の解決を図る具体的な手段として、糖類、スタ
ーチ、ゼラチン並びに水からなる原料を均質に混和して
発泡混和体を調製する工程と、該発泡混和体を成型する
かまたはシート状の物とする工程と、該成型物またはシ
ート状物を乾燥して多孔質体とし、該多孔質体に油性原
料を吸着させる工程からなる浮遊型浴用剤の製造法と、
糖類、スターチ、ゼラチン並びに水から製造される多孔
質体の成型物またはシート状物に油性原料を吸着させて
なる浮遊型浴用剤としたものである。

【０００７】本発明による浮遊型浴用剤の製造法の最初
の工程は、糖類、スターチ、ゼラチン並びに水からなる
原料を均質に混和して発泡混和体を調製する工程であ
る。この発泡混和体を調製する工程は、原料を攪拌混和
して空気を混入させることにより発泡混和体とするか、
空気、窒素ガス、炭酸ガス等を強制的に導入しながら混
和して発泡混和体とする方法などによる。

【０００８】そして次の工程は、この発泡混和体を適宜
の型、例えば適当な厚みのある梅の花、花びら、葉、キ
ャラクター物等の種々の形状のものに成型するか、また
はシート状のものとする工程である。さらにこの成型物
またはシート状物からなるものを乾燥して多孔質体とし
た後、この多孔質体に油性原料を吸着せしめて製品とす
るものである。この油性原料の吸着は、担体が多孔質体
であるから、油性のものであっても容易に吸着すること
ができる。なお、上記の乾燥工程は、温度８０〜１２０
℃で、８〜１２時間程度乾燥することが好ましい。

【０００９】本発明において原料として用いる糖類の例
を挙げれば、白糖（ショ糖）、黒砂糖、デキストリン、
水飴、蜂蜜、グルコース、フラクトース、マルトース、
ラクトース、エリスリット、ガラクトース、マルチット
等が挙げられる。そして、これらのものの１種または２
種以上を用いるものであるが、なかでも、ショ糖とグル
コースからなる組み合せか、水飴とグルコースの組み合
せのいずれかのものを用いることが好ましい。また、原
料となるスターチとしては、コーンスターチ、馬鈴薯澱
粉、甘藷澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉を挙げることがで
きる。

【００１０】次に、本発明において乾燥した多孔質体に
吸着させる油性原料としては、種々の香料、アーモンド
油、アボカド油、カカオ脂、カミツレ油、ココナツ油、
肝油、卵黄油、ミンク油、ビタミンＥ（トコフェロー
ル）、ビタミンＡ油、ツバキ油、小麦胚芽油、スクアラ
ン等が挙げられる。そして本発明においては、適宜に着
色して浮遊型浴用剤としての外観を美しくするために、
種々の着色料を添加することができるが、その添加は上
記の糖類等の原料または油性原料に混入することで添加
することができる。

【００１１】さらに、本発明の浮遊型浴用剤には、皮膚
湿潤剤としての水溶性原料を添加することが好ましい
が、その水溶性原料としては、ピロリドンカルボン酸、
アラントイン、アロエ・エキス、加水分解コラーゲン、
加水分解エラスチン、カゼイン、グリチルリチン酸、ア
ズレン等の１種または２種以上を上記の原料に添加する
ことが好ましい。

【００１２】本発明に係る浮遊型浴用剤は、軽い多孔質
体からなるものであるから浴水に浮かせることができ、
そこから発散する香りやその他の有効成分を利用するも
のであるが、しばらくの間浮いた後、湯の中に溶解する
性質のものである。従って、その浮かせたり溶解したり
する様子を見て楽しむことができる。そこで、この浮遊
型浴用剤の浮遊時間を維持し、浴水中への溶解速度を調
節するには、ポリビニールアルコールを上記の原料中に
適量添加したり、上記のスターチやゼラチンの混合割合
を調整することで可能である。

【００１３】上記のように、本発明による浮遊型浴用剤
は、溶解性のある多孔質体からなるものであるから、種
々の形状に加工したり着色したりすることが容易であ
り、浮かせたり溶解したりする様子を見て楽しむことが
できるし、香料等を容易に担持させることができて、か
つ香料その他の有用成分の効果を有効に発揮させること
ができる。

【００１４】

【実施例】以下に、本発明の浮遊型浴用剤の製造法の実
施例を説明する。白糖３０重量部、コーンスターチ１０
重量部、グルコース５重量部、ゼラチン０.８重量部、
精製水５２.８重量部を混合し、この混合物にピロリド
ンカルボン酸とポリビニールアルコールを適量、さらに
着色料を適量添加した後、これを攪拌しながら均質に混
和して空気を混入させて泡立たせ、発泡混和体を調製し
た。次に、この発泡混和体を成型して厚みのある梅の
花、シート状にしたものから花びら、葉の形に形成し
た。そして、この梅の花、花びら、葉の形にしたものを
１００℃で１０時間乾燥して多孔質体とした後、この多
孔質体に油性原料として香料を吸着させて浮上型浴用剤
を製造した。

【００１５】次に、本発明により製造した浮遊型浴用剤
と他の浴用剤の粉体製品、打錠による製品の性状を比較
して表１に示す。

【００１６】

【発明の効果】本発明は、糖類、スターチ、ゼラチン、
水からなる原料を均質に混和して発泡混和体を調製し、
この発泡混和体を成型するかまたはシート状の物とし、
さらにこの成型物またはシート状物を乾燥して多孔質体
とした後、この多孔質体に油性原料を吸着させることか
らなる浮遊型浴用剤とその製造法である。そして、本発
明による浴用剤は、担体が軽い多孔質体からなるもので
あるから、浴水に浮かせることができ、そこから発散す
る香りやその他の有効成分を利用して、しばらくの間浮
いた後、湯の中に溶解する性質のものである。従って、
浮かせたり溶解したりする様子を見て楽しむことができ
る。また、多孔質体であるから香料その他の有効成分を
容易に担持させることができて、かつ種々の形状に加工
したり、着色したりすることが容易である。さらに浮上
したり溶解したりする過程において、香料その他の有用
成分の効果を有効に発揮させることができる。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 糖類、スターチ、ゼラチン並びに水から
   なる原料を均質に混和して発泡混和体を調製する工程
   と、該発泡混和体を成型するかまたはシート状の物とす
   る工程と、該成型物またはシート状物を乾燥して多孔質
   体とし、該多孔質体に油性原料を吸着させる工程からな
   ることを特徴とする浮遊型浴用剤の製造法。
2. 【請求項２】 糖類が、ショ糖とグルコースからなる組
   み合せか、水飴とグルコースの組み合せのいずれかであ
   る請求項１に記載の浮遊型浴用剤の製造法。
3. 【請求項３】 原料に水溶性原料、ポリビニールアルコ
   ールの１種または２種以上を添加し、原料または油性原
   料に着色料を添加することからなる請求項１または２に
   記載の浮遊型浴用剤の製造法。
4. 【請求項４】 糖類、スターチ、ゼラチン並びに水から
   製造される多孔質体の成型物またはシート状物に油性原
   料を吸着させてなることを特徴とする浮遊型浴用剤。
5. 【請求項５】 水溶性原料、着色料、ポリビニールアル
   コールを添加したことからなる請求項４に記載の浮遊型
   浴用剤。