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JPH075444A - 表示素子およびその製造方法 - Google Patents

表示素子およびその製造方法

Info

Publication number
JPH075444A
JPH075444A JP31078593A JP31078593A JPH075444A JP H075444 A JPH075444 A JP H075444A JP 31078593 A JP31078593 A JP 31078593A JP 31078593 A JP31078593 A JP 31078593A JP H075444 A JPH075444 A JP H075444A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
polymer precursor
polymer
display element
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31078593A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidekazu Kobayashi
英和 小林
Masayuki Yazaki
正幸 矢崎
Eiji Chino
英治 千野
Hideto Iizaka
英仁 飯坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP31078593A priority Critical patent/JPH075444A/ja
Publication of JPH075444A publication Critical patent/JPH075444A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子分散型液晶表示素子における表示の焼
き付き現象及びヒステリシス現象を解決する。 【構成】 液晶中に分散している粒子の形状を液晶層の
厚さに対して十分大きくする。また高分子粒子同士を連
結する。また高分子前駆体を重合した後に加熱処理す
る。またこうした構造を実現するために、粒子が高分子
から成る場合について高分子前駆体の含有量、重合時の
温度、重合時の紫外線強度、重合後の加熱処理条件を規
定した。 【効果】 従来見られた焼き付き現象及びヒステリシス
現象は解決されて、また簡便な方法により焼き付き現象
の無い表示素子を製造することができるようになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスプレイ、ライト
バルブ等に用いられる液晶と高分子を互いに配向分散し
た表示素子の構造およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年偏光板を用いない明るい表示素子と
して、液晶と高分子を互いに分散した表示素子(PDL
Cと略記)が注目されている。PDLCとしては電界印
加で透明、電界除去で散乱状態となるノーマルタイプの
NCAP(ファーガソン等の発明:特公昭58−501
631)、LCPC(旭硝子株式会社:アメリカ特許
4,818,070、ケント州立大学:アメリカ特許
4,685,771)、PNLCD(大日本インキ株式
会社:ヨーロッパ公開特許EPA313,053)等が
開発されている。 一方、電界印加で散乱、電界除去で
透明状態となるリバースタイプのPDLCも開発が盛ん
である(ケント州立大学:アメリカ特許4,994,2
04、セイコーエプソン株式会社:ヨーロッパ公開特許
EP0488116A2、フィリップス:ヨーロッパ公
開特許EP0451905A1)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のPDL
Cにおいては電界印加により、電界無印加時の表示状態
に戻りにくくなる、いわゆる焼き付き現象が存在すると
いう課題を有していた。例えばノーマルPDLCにおい
ては使っていると、電界を除去した後でも散乱状態の中
にわずかに透明状態の部分が出てきてコントラストが低
下する。リバースPDLCにおいては使っていると、電
界を除去した後でも透明状態の中にわずかに散乱状態の
部分がでてきてコントラストが低下する。粒子を液晶中
に分散したリバースPDLCにおける焼き付きの原因と
しては、粒子形状が液晶層厚に比べて小さく、また互い
に連結していないために、電界を印加すると液晶のみな
らず粒子までも動いてしまうために生じると考えられる
(図2参照)。
【0004】またどのようなモードにおいても多かれ少
かれヒステリシス現象が存在する課題を有する。ヒステ
リシスがあると表示において階調を出すことが困難にな
る。
【0005】本発明ではこのような課題を解決するため
に行われたものであり、その目的とするところは、リバ
ースPDLCにおいて焼き付き現象とヒステリシス現象
の極めて少ない表示素子及びその製造方法を提供すると
ころにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの概念は、
電極が形成されてもよい2枚の基板間に液晶と粒子を配
向分散した表示素子において、粒子の直径または粒子の
長軸での直径が液晶層の電界方向での厚さよりも長いこ
とを特徴とする。またその製造方法においては、液晶と
高分子前駆体の混合物を2枚の電極間に封入するに際し
て高分子前駆体の含有量を5%以上とするか、または重
合時の温度を、液晶と高分子前駆体の等方相と液晶相間
の転移温度と、その転移温度から40度低い温度との間
の温度とすることを特徴とする。さらに前記高分子前駆
体が可視光、紫外線、電子線などの光または熱により重
合することを特徴とする。
【0007】さらに本発明の他の1つの概念は、電極が
形成されてもよい2枚の基板間に液晶と高分子粒子が互
いに配向分散している表示素子において、少なくとも1
方の基板表面近傍の高分子粒子が互いに連結している構
造を有することを特徴とする。またその製造方法におい
ては、液晶と高分子前駆体を混合して電極が形成されて
もよい2枚の基板間に封入し、外部から重合に必要な光
または電子線刺激を与えることにより高分子前駆体を重
合して液晶と高分子粒子が互いに配向分散した構造を作
り込んだ表示素子の製造方法において、1mW/cm2
以上の強度を有する前記光または電子線を照射して高分
子前駆体を重合することを特徴とする。または前記光ま
たは電子線を表示素子の両面から照射して高分子前駆体
を重合することを特徴とする。
【0008】さらに本発明の他の1つの概念は、液晶と
高分子前駆体を混合して電極が形成されてもよい2枚の
基板間に封入し、外部から重合に必要な光または電子線
を照射することにより高分子前駆体を重合して液晶と高
分子粒子が互いに配向分散した構造を作り込んだ表示素
子の製造方法において、前記液晶中の高分子前駆体を配
向状態にて重合した後に、加熱処理を施すことを特徴と
する。
【0009】次に実施例により詳細を説明する。
【0010】
【実施例】まず本発明の1つの概念における焼き付き現
象緩和の原理を説明する。図1に本発明の実施例1、2
における表示素子の断面図、図2に従来の表示素子の断
面図を示した。従来の表示素子では、粒子が小さい場合
(図2)では、電界を印加する(図2(A))と、液晶
とともに高分子粒子までわずかに動いてしまい、電界を
除去した後も部分的に屈折率のミスマッチが生じ、散乱
状態が残る(図2(B))。本発明においては図1に示
すように、粒子の大きさが液晶層厚に対して十分大きい
ため、電界印加時にも粒子は動かず(図1(A))、当
然電界除去後も焼き付きはみられない(図1(B))の
である。次に具体的な実施例を示す。
【0011】(実施例1)まず重合時の温度を制御して
粒子径を制御した例を示す。
【0012】高分子前駆体としてターフェニルメタクリ
レートを7重量%、液晶としてBL032(メルク社
製)を88.5重量%、2色性色素S−344(三井東
圧染料社製)を2重量%、カイラル成分としてCB15
(メルク社製)を2.5重量%用い、これらを混合して
以下に示す空パネルに封入する。配向処理を施した2枚
の電極付き基板を間隙5μmを保って固定して空パネル
とした。一方の電極を反射性材料で形成した。この空パ
ネルに先の混合物を封入した。この混合物の等方相と液
晶相間の転移点は70℃であった。次に重合時の温度を
60℃、50℃、40℃、30℃、20℃、10℃とし
て、それぞれの温度について紫外線(300〜400n
mで2mW/cm2)を20分照射して表示素子を作製
した。
【0013】こうして得られた表示素子に、50℃にて
10V30Hzの矩形波を3時間印加して焼き付きを調
べてみると、表1に示した結果が得られた。すなわち、
光重合時の温度を転移点からの温度を尺度として変化さ
せてみたところ、転移点と転移点から40度低い温度と
の間の温度領域で重合させると、表示の焼き付きがない
かまたは軽微であることがわかった。この場合、電子顕
微鏡観察により、表示素子中の高分子粒子は長軸方向の
長さが5μm以上(液晶層の厚さより長い)であること
が分かり、転移点より40度以下の温度で重合した場
合、表示素子中の高分子粒子は長軸方向の長さがせいぜ
い2μm程度(液晶層の厚さよりも短い)であることが
分かった。ここでは液晶層の厚さが5μmである場合に
ついて実施例を示したが、液晶層の厚さに応じ、液晶中
に分散されている粒子の直径を重合温度を最適化して制
御する必要がある。
【0014】
【表1】
【0015】高分子前駆体としてはここに示したような
芳香環を含む光重合性、電子線重合性または熱重合性の
分子、例えばメタクリレート、アクリレート、エポキ
シ、クロトネート、シンナメート、芳香環を含むエポキ
シ系なども用いることができる。また重合性官能基の数
については、1つ以上であれば用いることができる。例
えば2官能性の化合物でも用いることができ、その際焼
き付きはかなり緩和される。また多成分混合系とする事
もできる。
【0016】液晶についてはどのようなものでも用いる
ことができるが、望ましくは屈折率異方性が大きいもの
がよい。またここでは2色性色素を混合したが、混合せ
ずとも同様の効果がえられた。
【0017】カイラル成分については、散乱特性を向上
させるために入れている。入れる量が少なくなると高分
子粒子の形状が細長くなり、結果として粒子長軸方向の
長さを長くでき、焼き付きも小さくできるのだが、散乱
特性が悪くなる。入れる量が多くなると高分子粒子の形
状が丸くなり、結果として粒子長軸方向の長さが短くな
り、焼き付きが大きくなるのだが、散乱特性は良好とな
る。従ってカイラル成分の材料及び含有量については、
用いるそのほかの材料および製造条件に合わせて最適化
する必要がある。
【0018】基板については、電極も含めて少なくとも
一方が透明であれば良い。材質は硝子に限らず、樹脂で
もよく、柔らかいフィルムのようなものでも良い。用い
る電極は、反射型表示素子として用いる場合には裏側基
板に用いる電極を反射性材料で形成すると表示の2重映
りを防止できる。基板と電極間にMIM素子またはTF
T素子などのアクティブ素子を形成することにより、大
容量表示を焼き付きなく行なうことができる。
【0019】またカラーフィルター、またはカラー反射
板を備えることによりカラー表示も可能である。表示素
子の基板表面にノングレア処理または無反射処理を施す
ことによりさらに見やすい表示とすることができる。
【0020】基板に施す配向処理については、配向膜を
形成してラビング処理してもよいし、配向膜を形成せず
にラビング処理しても良い。もちろん配向処理は一方の
基板だけでも良い。また配向処理を施さなくても表示素
子として十分機能する。
【0021】本実施例は、誘電異方性が負の液晶を用い
て基板表面に垂直配向処理を施した表示素子にも同様に
応用できる。
【0022】セル厚については、厚くなると焼き付きが
生じ易くなるので、そのセル厚に合わせて重合時の温
度、高分子前駆体の量、紫外線の強度などを最適化する
必要がある。
【0023】(実施例2)本実施例では高分子前駆体の
量を制御することにより、焼き付きを解決した例を示
す。
【0024】用いた材料、基板、条件は実施例1と同様
である。ただし高分子前駆体としてビフェニルメタクリ
レートを3重量%、5重量%、7重量%、10重量%、
15重量%、20重量%の6水準として、それぞれにつ
いて液晶(BL032に対して色素を2.5重量%、カ
イラル成分を2.5重量%加えたもの)を加えて100
%としてこれらの混合物を2枚の電極間に封入した。こ
れに重合時の温度20℃として紫外線を照射して表示素
子を作製した。
【0025】こうして得られた表示素子に、50℃にて
10V30Hzの矩形波を3時間印加して焼き付きを調
べてみると、
【0026】
【表2】
【0027】という結果が得られた。このように高分子
前駆体の量が増えると生成する高分子粒子は大きくな
り、表示状態の焼き付きは小さくなる。逆に高分子前駆
体の量が少なくなる(5%以下)と生成する高分子粒子
は小さくなり、液晶層の厚さよりも小さくなると表示状
態が焼き付き易くなる。
【0028】高分子前駆体としてはここに示したような
芳香環を含む光重合性または電子線重合性の分子の他、
芳香環を含むエポキシ系などの熱重合性分子も用いるこ
とができる。また重合性官能基の数については、1つ以
上であれば用いることができる。例えば2官能性の化合
物でも用いることができ、その際焼き付きはかなり緩和
される。また多成分混合系とする事もできる。
【0029】液晶についてはどのようなものでも用いる
ことができるが、望ましくは屈折率異方性が大きいもの
がよい。またここでは2色性色素を混合したが、混合せ
ずとも同様の効果が得られた。
【0030】カイラル成分については、散乱特性を向上
させるために入れている。入れる量が少なくなると高分
子粒子の形状が細長くなり、結果として粒子長軸方向の
長さを長くでき、焼き付きも小さくできるのだが、散乱
特性が悪くなる。入れる量が多くなると高分子粒子の形
状が丸くなり、結果として粒子長軸方向の長さが短くな
り、焼き付きが大きくなるのだが、散乱特性は良好とな
る。従ってカイラル成分の材料及び含有量については、
用いるそのほかの材料および製造条件に合わせて最適化
する必要がある。
【0031】基板については、電極も含めて少なくとも
一方が透明であれば良い。材質は硝子に限らず、樹脂で
もよく、柔らかいフィルムのようなものでも良い。
【0032】基板に施す配向処理については、配向膜を
形成してラビング処理してもよいし、配向膜を形成せず
にラビング処理しても良い。もちろん配向処理は一方の
基板だけでも良い。また配向処理を施さなくても表示素
子として十分機能するのだが、表示面の均一性が悪くな
る。本実施例は、誘電異方性が負の液晶を用いて基板表
面に垂直配向処理を施した表示素子にも同様に応用でき
る。
【0033】セル厚については、厚くなると焼き付きが
生じ易くなるので、そのセル厚に合わせて重合時の温
度、高分子前駆体の量、紫外線の強度などを最適化する
必要がある。
【0034】次にさきに挙げた本発明の2番目の概念に
よる焼き付き現象緩和の原理を説明する。これは極めて
簡単な原理であり、図3または図4に示したように液晶
中に分散する高分子粒子を互いに連結するする事により
電界により高分子粒子が動かないようにするというもの
である。以下、この構造を作り込む製造方法について説
明する。
【0035】(実施例3)本実施例では重合に用いる光
強度を1mW/cm2以上として、光を片面から照射し
た例を示す。図3に本発明の実施例1における表示素子
の簡単な断面図を示した。
【0036】表示素子の製造方法を示す。配向処理した
2枚の電極付き基板間に液晶混合物(MJ92786:
メルク社製と2色性色素S−344:三井東圧染料社
製、およびカイラル成分S−1011:メルク社製をそ
れぞれ97:2:1で混合したもの)と高分子前駆体ビ
フェニルメタクリレートの93:7混合物を封入した。
この製造中の素子の片面から光強度0.5mW/cm
2、1mW/cm2、3mW/cm2、6mW/cm
2、10mW/cm2の4水準の強度の紫外線を50℃
にて照射した。
【0037】こうして製造した表示素子に50℃にて矩
形波(±10V/1KHz)を30分印加した。そのと
きの表示状態の焼き付きの程度を表3に示した。同時に
電子顕微鏡により高分子粒子の構造を調べた際の結果を
示した。このように光強度を強めるという容易な製造方
法を用いることで高分子粒子が互いに連結した構造を作
り込むことができ、それにより表示状態の焼き付きを解
決することができた。
【0038】ここで用いる液晶については、通常液晶表
示素子に用いられているネマチックまたはコレステリッ
ク液晶であればどのようなものでも用いることができ
る。また強誘電性液晶を用いた場合にも同様に応用でき
る。カイラル成分については、含有量を減らすほど焼き
付き現象は生じ難くなるが、明るさが減ってしまうので
ある程度は入れる必要がある。カイラル成分を入れすぎ
ると、高分子粒子が小さくなりすぎて、焼き付きがひど
くなるのでS−1011を用いた場合でせいぜい3%程
度に止めるべきである。カイラル成分は液晶の配向をね
じる物で有ればどのようなものを用いてもかまわない。
2色性色素については用途に応じどのような色調または
性能のものを用いてもかまわない。加える量についても
用途に応じて決めれば良い。
【0039】
【表3】
【0040】ここで用いる高分子前駆体については、1
官能性のものの他2官能または多官能性の前駆体でも同
様に用いることができ、その際連結構造がより顕著にな
り焼き付きはさらに生じ難くなるが、駆動電圧が高くな
る。また重合部分については、メタクリレートの他アク
リレート、エポキシ、クロトネート、シンナメートなど
を用いることができる。ここでは光重合性の前駆体を用
いたが、熱重合性の前駆体を用いることができる。その
際加える温度で高分子粒子の構造を制御できる。
【0041】液晶と高分子の混合比率については、8:
2より高分子を増やすと駆動電圧が高くなり、98:2
より高分子を減らすとコントラストが低下し焼き付き現
象もひどくなる。
【0042】基板の配向処理については、ここでは水平
配向処理を用いたが、誘電異方性が負の液晶を用いる場
合には垂直配向処理すると良い。
【0043】基板については、ここでは硝子基板に透明
電極が付いたものを用いたが、一方の電極は反射性の電
極でも良い。またどちらかの基板に2端子素子または3
端子素子を形成することにより、大容量表示体を製造す
ることも可能である。またカラーフィルター、またはカ
ラー反射板を備えることによりカラー表示も可能であ
る。表示素子の基板表面にノングレア処理または無反射
処理を施すことによりさらに見やすい表示とすることが
できる。
【0044】基板間距離については、反射構造とする場
合には2〜10μm程度が良く、透過構造で用いる場合
には5μmから20μm程度が望ましい。
【0045】重合のための光を照射する際の温度につい
ては液晶相を示す温度でできるだけ高い温度が望まし
い。
【0046】(実施例4)本実施例では高分子前駆体を
重合させるための光を表示素子の両面から照射する場合
について示した。図4に本実施例の表示素子の簡単な断
面図を示す。用いる基板、液晶、高分子前駆体について
は実施例3を参照されたい。液晶と高分子前駆体の混合
物を基板間に封入した後、両面から実施例3に示したと
同水準の紫外線を照射した。
【0047】こうして製造した表示素子に50℃にて矩
形波(±10V/1KHz)を30分印加した。そのと
きの表示状態の焼き付きの程度を表4に示した。同時に
電子顕微鏡により高分子粒子の構造を調べた際の結果を
示した。
【0048】
【表4】
【0049】このように両側から光を照射するという容
易な製造方法を用いることにより、高分子粒子が素子の
内部にまで連結した構造を作り込むことができ、このこ
とにより表示状態の焼き付きを解決することができた。
【0050】表4に示したように紫外線強度が1mW/
cm2以下であっても両面照射することにより焼き付き
は緩和されている。
【0051】表示素子を作製する上での材料、製造条
件、応用は実施例3と同様である。
【0052】(実施例5)本実施例では加熱処理によ
り、焼き付き現象を緩和した例を示す。液晶として、メ
ルク社製TL202とBL007を7:3で混合した物
を用いた。高分子前駆体としてビフェニルメタクリレー
トを用い、液晶90重量%に対して10重量%混合し
た。これを実施例1などで示した空パネルに封入して強
度2mW/cm2、波長300〜400nmなる紫外線
を10分間照射した。
【0053】これに続いて50℃のオーブンで50時間
加熱処理して表示素子とした。
【0054】この表示素子の透過型としての電気光学特
性を以下の条件にて測定した。表示素子には平行光を垂
直に入射して、透過光を光電子増倍管で検出した。電圧
オフ時の光透過率をT100、電界を印加した時の最小
透過率をT0、コントラストをT100/T0と定義
し、またヒステリシス幅を、電圧上昇時と電圧降下時に
おける透過率が50%変化した時の電圧差と定義した場
合の特性を表5に示した。さらに焼き付き現象を評価す
るために50℃にて10V、1KHzなる矩形波を20
0時間印加した後の特性も表5に示した。これによれば
ほとんど特性に変化がないことがわかる。即ち後に示す
従来例に比べて大幅に焼き付き現象が緩和されているこ
とになる。またヒステリシスも減少していることがわか
る。
【0055】ここで用いる液晶、高分子前駆体について
は先に示した実施例の材料をそのまま用いることができ
る。またここでは添加していないが、先の実施例で示し
たカイラル成分、2色性色素を添加してもよい。また電
極を反射性材料で形成して反射型表示素子としてもよ
い。この反射性材料としてはアルミニウム、クロムなど
を用いることができる。透明電極としてはITO等を用
いることができる。もちろんアクティブ素子、カラーフ
ィルター、ノングレア処理、減反射処理と組み合わせる
ことも可能である。
【0056】加熱処理における加熱温度は、高分子分散
液晶中の液晶が配向状態を示す領域であることが望まし
く、更に望ましくはネマチック相−等方相の転移温度を
TNIとした時、TL(=TNI−50)からTH(=
TNI−5)の範囲がよい。
【0057】また加熱処理における加熱時間は温度及び
用いる材料によって変化し、1時間から長い場合には数
100時間を必要とする。
【0058】
【表5】
【0059】(実施例6)本実施例では加熱処理温度を
70℃、加熱時間5時間とした場合の例を示す。表示素
子は実施例5で示した加熱処理前の物を用いた。オーブ
ンにて70℃5時間加熱した後の特性および焼き付き現
象を評価するための電界および熱を200時間印加した
後の特性を表6に示した。
【0060】
【表6】
【0061】これによればほとんど特性に変化がないこ
とがわかる。即ち後に示す従来例に比べて大幅に焼き付
き現象とヒステリシス現象が緩和されていることにな
る。
【0062】(従来例)実施例5において、紫外線を照
射した後に、加熱処理を施さなかったこと以外は実施例
5と同様にして表示素子を得た。この表示素子の特性を
実施例5と同様にして測定した(表7)。
【0063】
【表7】
【0064】T100における通電前後での変化が大き
く、焼き付き現象が顕著であることがわかる。また加熱
処理を施さないとヒステリシスが大きいこともわかる。
【0065】(実施例7)本実施例では加熱処理によ
り、焼き付き現象を緩和した例を示す。
【0066】ここでは以下に示した4種類のサンプルに
ついて加熱処理を施してその効果を調べた。
【0067】
【表8】
【0068】以上のサンプルを50℃で50時間放置し
て、先の実施例での焼き付き現象の評価を行なったとこ
ろ、全てのサンプルにおいて焼き付き現象の緩和が観測
された。
【0069】加熱処理における加熱温度は、高分子分散
液晶中の液晶が配向状態を示す領域であることが望まし
く、更に望ましくはネマチック相−等方相の転移温度を
TNIとした時、TL(=TNI−50)からTH(=
TNI−5)の範囲がよい。
【0070】また加熱処理における加熱時間は温度及び
用いる材料によって変化し、1時間から長い場合には数
100時間を必要とする。
【0071】(実施例8)本実施例では実施例7におい
て加熱処理の温度を70℃、処理時間を5時間とした例
を示す。全てのサンプルにおいて焼き付き現象の緩和が
認められた。
【0072】このように加熱処理温度を高めに設定する
ことで処理時間を大幅に短縮することができる。
【0073】以上実施例を述べたが、本発明はリバース
PDLCのみならず、粒子分散型の液晶表示素子の焼き
付き対策およびヒステリシス対策として広く応用でき
る。
【0074】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、液晶と粒
子を分散した表示素子において、粒子の大きさを規定す
ること、また互いの高分子粒子を連結すること、また加
熱処理を施すことにより、焼き付き及びヒステリシスの
極めて少ない表示素子を作製することが可能となった。
これにより、信頼性の高い反射型ディスプレイ、プロジ
ェクター用ライトバルブなどを容易に作製することが可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1および実施例2における表
示素子の断面図である。(A)は電界印加時の表示素子
の断面図であり、(B)は電界除去後の表示素子の断面
図である。
【図2】 従来の表示素子の断面図である。(A)は電
界印加時の表示素子の断面図であり、(B)は電界除去
後の表示素子の断面図である。
【図3】 実施例3の表示素子の簡単な断面図を示す。
【図4】 実施例4の表示素子の簡単な断面図を示す。
【符号の説明】
1 基板 2 電極 3 配向層 4 液晶 5 粒子 6 配向層 7 電極 8 基板 9 色素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯坂 英仁 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極が形成されてもよい2枚の基板間に
    液晶と粒子が互いに配向分散している表示素子におい
    て、粒子の直径または粒子の長軸方向の直径が液晶層の
    電界方向での厚さよりも長いことを特徴とする表示素
    子。
  2. 【請求項2】 電極が形成されてもよい2枚の基板間に
    液晶と高分子粒子が互いに配向分散している表示素子の
    製造方法において、液晶と高分子前駆体の混合物を2枚
    の電極間に封入するに際して高分子前駆体の濃度を5重
    量%以上としたことを特徴とする表示素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 電極が形成されてもよい2枚の基板間に
    液晶と高分子粒子が互いに配向分散している表示素子の
    製造方法において、液晶と高分子前駆体の混合物を2枚
    の基板間に封入し、重合時の温度を、液晶と高分子前駆
    体の等方相と液晶相間の転移温度と、その転移温度から
    40度低い温度との間の温度として、高分子前駆体を重
    合することを特徴とする表示素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記高分子前駆体が可視光、紫外線、電
    子線などの光、または熱により重合することを特徴とす
    る請求項2または請求項3記載の表示素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 電極が形成されてもよい2枚の基板間に
    液晶と高分子粒子が互いに配向分散している表示素子に
    おいて、少なくとも1方の基板表面近傍の高分子粒子が
    互いに連結している構造を有することを特徴とする表示
    素子。
  6. 【請求項6】 液晶と高分子前駆体を混合して電極が形
    成されてもよい2枚の基板間に封入し、外部から重合に
    必要な光または電子線刺激を与えることにより高分子前
    駆体を重合して液晶と高分子粒子が互いに配向分散した
    構造を作り込んだ表示素子の製造方法において、1mW
    /cm2以上の強度を有する前記光または電子線を照射
    して高分子前駆体を重合することを特徴とする表示素子
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 液晶と高分子前駆体を混合して電極が形
    成されてもよい2枚の基板間に封入し、外部から重合に
    必要な光または電子線刺激を与えることにより高分子前
    駆体を重合して液晶と高分子粒子が互いに配向分散した
    構造を作り込んだ表示素子の製造方法において、前記光
    または電子線を表示素子の両面から照射して高分子前駆
    体を重合することを特徴とする表示素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 液晶と高分子前駆体を混合して電極が形
    成されてもよい2枚の基板間に封入し、外部から重合に
    必要な光または電子線を照射することにより高分子前駆
    体を重合して液晶と高分子粒子が互いに配向分散した構
    造を作り込んだ表示素子の製造方法において、前記液晶
    中の高分子前駆体を配向状態にて重合した後に、加熱処
    理を施すことを特徴とする表示素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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