JPH0764911B2 - 高分子量エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents
高分子量エポキシ樹脂の製造方法Info
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- JPH0764911B2 JPH0764911B2 JP2242239A JP24223990A JPH0764911B2 JP H0764911 B2 JPH0764911 B2 JP H0764911B2 JP 2242239 A JP2242239 A JP 2242239A JP 24223990 A JP24223990 A JP 24223990A JP H0764911 B2 JPH0764911 B2 JP H0764911B2
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Description
などに用いられる高分子量エポキシ樹脂の製造方法に関
する。
ル類を原料として高分子量エポキシ樹脂を製造する方法
は、一般に二段法と呼ばれ、この方法に関する最初の文
献は米国特許第2,615,008号明細書であり、日本国内に
おいては特公昭28−4494号公報である。この公報の記載
によれば重合触媒として水酸化ナトリウムを用い、無溶
媒下、150〜200℃で反応させることにより、エポキシ当
量が5,600の高分子量エポキシ樹脂を得ている。この樹
脂の平均分子量は、約11,000であると推定できる。これ
らの文献には、溶媒を使用した実施例はない。
特許第3,306,872号明細書、特開昭54−52200号公報、特
開昭60−118757号公報、特開昭60−144323号公報、特開
昭60−144324号公報などがある。これらの公報に記載さ
れている溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチル
エーテルなどである。これらの溶媒は、ケトン系及びエ
ーテル系(セロソルブ系)溶媒に分類される。
チルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエー
テルのいずれかを用いており、溶液の固形分濃度は20〜
60%である。触媒としてはアルカリ金属若しくはベンジ
ルトリメチルアンモニウムの水酸化物又はフェノラート
を用いている。重合反応温度を75〜150℃とし、生成し
た高分子量エポキシ樹脂の重量平均分子量が少なくとも
40,000以上になるまで反応を続けている。平均分子量は
粘度法によって求めており、50,000〜1,000,000と測定
されている。しかしながら、粘度法は算出時に用いるパ
ラメータの設定によって、算出値が大きく左右されるこ
とがわかっている。したがって必ずしも正確な分子量測
定法とは言えない。
脂が得られていると考えられる実施例としては、特開昭
54−52200号公報には溶媒としてエチレングリコールモ
ノエチルエーテルを用いて、平均分子量45,500の高分子
量エポキシ樹脂を得たことが、特開昭60−118757号公報
には溶媒にメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、エチレングリコールモノエチルエーテルを用いて、
平均分子量が最大31,000の高分子量エポキシ樹脂を得た
ことが、特開昭60−1443223号公報には溶媒にメチルエ
チルケトンを用いて、平均分子量53,200の高分子量エポ
キシ樹脂を得たことが、特開昭60−144324号公報には、
溶媒にメチルエチルケトンを用いて、平均分子量66,000
の高分子量エポキシ樹脂を得たことが記載されている。
上記4件の公報では、いずれもゲル浸透クロマトグラフ
ィーによって平均分子量を測定しているが、測定条件及
び算出方法等については記載されていない。ゲル浸透ク
ロマトグラフィーによって得た分子量は、使用した充填
剤の種類、溶離液の種類などの測定条件及び算出方法な
どによって大きく異なり、正確な値を得ることは困難で
ある。
キシ樹脂フィルム形成能を有するという趣旨の記載は見
当たらない。また、得られたエポキシ樹脂はアミド系以
外の溶媒に溶解することなどから、これらの文献に記載
の方法では十分な強度のフィルム形成能を有するまでに
直鎖状に高分子量化したいわゆる高分子量エポキシ樹脂
が得られていないことは明らかである。
造する際に一般的な重合反応溶媒を用いると、重合反応
時間がかなり長くなることが挙げられる。前記の特許の
実施例においても、ケトン系、エーテル系の溶媒を用い
た場合の反応時間は10〜24時間としてい例が多く、重合
反応時に溶媒を用いない場合の重合反応時間1.5〜10時
間と比較して著しく長くなっている。
ルム形成能を有するまでに直鎖状に高分子量化した超高
分子量エポキシ樹脂を、従来法に比較して著しく短い時
間で製造することのできる方法を提供することを目的と
する。
ポキシ樹脂と二官能フェノール類を触媒の存在下、重合
反応溶媒中で加熱して重合させ、高分子量エポキシ樹脂
を製造する方法において、二官能エポキシ樹脂と二官能
フェノール類との配合当量比を、エポキシ基/フェノー
ル性水酸基=1:0.9〜1.0とし、アミド系溶媒中、水素化
リチウム、水素化ナトリウム、ホウ水素化リチウム、ホ
ウ水素化ナトリウム触媒の中から選択された1種類以上
の触媒を用い、重合反応時の固形分濃度を30%以下にし
て重合することを特徴とする。
エポキシ基をもつ化合物であればどのようなものでもよ
く、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキ
シ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹
脂、その他、二官能フェノール類のジグリシジルエーテ
ル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化
物、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などがあ
る。これらの化合物の分子量はどのようなものでもよ
い。これらの化合物は何種類かを併用することができ
る。また二官能エポキシ樹脂以外の成分が、不純物とし
て含まれていても構わない。
ル性水酸基をもつ化合物であるばどのようなものでもよ
く、例えば、単環二官能フェノールであるヒドロキノ
ン、レゾルシノール、カテコール、多環二官能フェノー
ルであるビスフェノールAおよびこれらハロゲン化物、
アルキル基置換体などがある。これらの化合物の分子量
はどのようなものでもよい。これらの化合物は何種類か
を併用することができる。また二官能フェノール類以外
の成分が、不純物として含まれていても構わない。
金属ほう水素化物触媒は、エポキシ基とフェノール性水
酸基のエーテル化反応を促進させるような触媒能をもつ
化合物であり、水素化リチウム、水素化ナトリウム、ホ
ウ水素化リチウム、ホウ水素化ナトリウムなどがある。
これらの触媒は併用することができる。また、アミン化
合物、イミダゾール化合物などの触媒と併用しても構わ
ない。
ノール類を溶解するものでアミド系溶媒がよい。アミド
系溶媒としては、例えばホルムアミド、N−メチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミ
ド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N,N,N′,N′−テトラメチル尿素、2−ピロリド
ン、N−メチルピロリドン、カルバミド酸エステルなど
がある。これらのアミド系溶媒は併用することができ
る。また、ケトン系、エーテル系に代表される他の溶媒
と併用しても構わない。
と二官能フェノール類の配合当量比は、エポキシ基/フ
ェノール性水酸基=1:0.9〜1.1であることが望ましい。
0.9当量より少ないと、直鎖状に高分子量化せずに、副
反応が起きて架橋し、溶媒に不溶になる。1.1当量より
多いと高分子量化が進まない。
脂1モルに対して触媒は0.0001〜0.2モル程度である。
この範囲より少ないと高分子量化反応が著しく遅く、こ
の範囲より多いと副反応が多くなり直鎖状に高分子量化
しない。
し。60℃より低いと高分子量化反応が著しく遅く、150
℃より高いと副反応が多くなり直鎖状に高分子量化しな
い。製造時の合成反応における固形分濃度は、一般に
は、30%以下にすることが望ましい。この範囲より高濃
度の場合には、副反応が多くなり直鎖状に高分子量化し
ない。
有する超高分子量エポキシ樹脂であり、従来の高分子量
エポキシ樹脂に比較して、枝分かれが少なく、さらに高
分子量化が進んでいると考えられ、十分な強度のフィル
ム形成能を有するものである。
用して成形したフィルムでは実現が不可能な特性を有す
る。すなわち、強度が著しく大きく、伸びが著しく大き
い。
して、アルカリ金属水素化物やアルカリ金属ホウ水素化
物を選択することによって、他の触媒を用いた場合より
も重合反応が著しく速く進むことが挙げられる。
発明はこれに限定されるものではない。
樹脂(エポキシ当量:177.5)177.5g、二官能フェノール
類としてビスフェノールA(水酸基当量:115.5)115.5
g、エーテル化触媒として水素化リチウム0.24gをN,N−
ジメチルアセトアミド684.2gに溶解させ、反応系中の固
形分濃度を30%とした。これを機械的に攪拌しながら、
125℃のオイルバス中で反応系中の温度を120℃に保ち、
そのまま4時間保持した。その結果、粘度が7,850mPa・
sの高分子量エポキシ樹脂溶液が得られた。このエポキ
シ樹脂の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィ
ーによって測定した結果では128,000、光散乱法によっ
て測定した結果では92,000であった。また、この高分子
量エポキシ樹脂の稀薄溶液の還元粘度は(0.742dl/g)
であった。この高分子量エポキシ樹脂溶液をガラス板に
塗布し、200℃で1時間乾燥して、厚さ30μmのエポキ
シ樹脂フィルムを得た。このフィルムの引っ張の強度は
36.8MPa、伸びは52.0%、引っ張り弾性率は425MPaであ
った。またガラス転移温度は104℃、熱分解温度は345℃
であった。
樹脂(エポキシ当量:177.5)177.5g、二官能フェノール
類としてビスフェノールA(水酸基当量:115.5)115.5
g、エーテル化触媒としてホウ水素化リチウム0.65gをN,
N−ジメチルホルムアミド1,175gに溶解させ、反応系中
の固形分濃度を20%とした。これを機械的に攪拌なが
ら、125℃のオイルバス中で反応系中の温度を120℃に保
ち、そのまま4時間保持した。その結果、粘度が1,650m
Pa・sの高分子量エポキシ樹脂溶液が得られた。このエ
ポキシ樹脂の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラ
フィーによって測定した結果では115,000、光散乱法に
よって測定した結果では102,000であった。また、この
高分子量エポキシ樹脂の稀薄溶液の還元粘度は0.742(d
l/g)であった。この高分子量エポキシ樹脂溶液をガラ
ス板に塗布し、200℃で1時間乾燥して、厚さ27μmの
エポキシ樹脂フィルムを得た。このフィルムの引っ張り
強度は32.8MPa、伸びは42.5%、引っ張り弾性率は410MP
aであった。またガラス転移温度は102℃、熱分解温度は
340℃であった。
樹脂(エポキシ当量:177.5)177.5g、二官能フェノール
類としてビスフェノールA(水酸基当量:115.5)115.5
g、エーテル化触媒としてホウ水素化ナトリウム1.13gを
N−メチルピロリドン882.4gに溶解させ、反応系中の固
形分濃度を25%とした。これを機械的に攪拌しながら12
5℃のオイルバス中で反応系中の温度を120℃に保ち、そ
のまま4時間保持した。その結果、粘度が3,680mPa・s
の高分子量エポキシ樹脂溶液が得られた。このエポキシ
樹脂の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー
によって測定した結果では108,000、光散乱法によって
測定した結果では87,000であった。また、この高分子量
エポキシ樹脂の稀薄溶液の還元粘度は0.805(dl/g)で
あった。この高分子量エポキシ樹脂溶液をガラス板に塗
布し、200℃で1時間乾燥して、厚さ33μmのエポキシ
樹脂フィルムを得た。このフィルムの引っ張り強度は3
7.2MPa、伸びは55.0%、引っ張り弾性率は410MPaであっ
た。またガラス転移温度は103℃、熱分解温度は345℃で
あった。
樹脂(エポキシ当量:173.2)173.2g、二官能フェノール
類としてヒドロキノン(水酸基当量:55.3)55.3g、エー
テル化触媒として水素化リチウム0.24gをN−メチルピ
ロリドン915.0gに溶解させ、反応系中の固形分濃度を20
%とした。これを機械的に攪拌しながら、110℃のオイ
ルバス中で反応系中の温度を100℃に保ち、そのまま4
時間保持した。その結果、粘度が2,875mPa・sの高分子
量エポキシ樹脂溶液が得られた。このエポキシ樹脂の重
量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーによって
測定した結果では123,000、光散乱法によって測定した
結果では88,500であった。また、この高分子量エポキシ
樹脂の稀薄溶液の還元粘度は0.850(dl/g)であった。
この高分子量エポキシ樹脂溶液をガラス板に塗布し、20
0℃で1時間乾燥して、厚さ33μmのエポキシ樹脂フィ
ルムを得た。このフィルムの引っ張り強度は29.5MPa、
伸びは46.5%、引っ張り弾性率は395MPaであった。また
ガラス転移温度は82℃、熱分解温度は350℃であった。
樹脂(エポキシ当量:173.2)173.2g、二官能フェノール
類としてヒドロキノン(水酸基当量:55.3)55.3g、エー
テル化触媒としてホウ水素化リチウム0.65gをN,N−ジメ
チルアセトアミド687.5gに溶解させ、反応系中の固形分
濃度を25%とした。これを機械的に攪拌しながら、110
℃のオイルバス中で反応系中の温度を100℃に保ち、そ
のまま4時間保持した。その結果、粘度が4,080mPa・s
の高分子量エポキシ樹脂溶液が得られた。このエポキシ
樹脂の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー
によって測定した結果では106,000、光散乱法によって
測定した結果では88,000であった。また、この高分子量
エポキシ樹脂の稀薄溶液の還元粘度は0.790(dl/g)で
あった。この高分子量エポキシ樹脂溶液をガラス板に塗
布し、200℃で1時間乾燥して、厚さ32μmのエポキシ
樹脂フィルムを得た。このフィルムの引っ張り強度は3
8.3MPa、伸びは42.%、引っ張り弾性率は390MPaであっ
た。またガラス転移温度は82℃、熱分解温度は340℃で
あった。
樹脂(エポキシ当量:173.2)173.2g、二官能フェノール
類としてヒドロキノン(水酸基当量:55.3)55.30、エー
テル化触媒としてホウ水素化ナトリウム1.13gをN,N−ジ
メチルホルムアミド535.8gに溶解させ、反応系中の固形
分濃度を30%とした。これを機械的に攪拌しながら、11
0℃のオイルバス中で反応系中の温度を100℃に保ち、そ
のまま4時間保持した。その結果、粘度が6,890mPa・s
の高分子量エポキシ樹脂溶液が得られた。このエポキシ
樹脂の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー
によって測定した結果では96,700、光散乱法によって測
定した結果では82,500であった。また、この高分子量エ
ポキシ樹脂の稀薄溶液の還元粘度は0.825(dl/g)であ
った。この高分子量エポキシ樹脂溶液をガラス板に塗布
し、200℃で1時間乾燥して、厚さ33μmのエポキシ樹
脂フィルムを得た。このフィルムの引っ張り強度は38.3
MPa、伸びは45.8%、引っ張り弾性率は385MPaであっ
た。またガラス転移温度は82℃、熱分解温度は345℃で
あった。
樹脂(エポキシ当量:171.3)171.3g、二官能フェノール
類としてレゾルシノール(水酸基当量:55.4)55.4g、エ
ーテル化触媒として水素化リチウム1.13gをN,N−ジメチ
ルホルムアミド683.5gに溶解させ、反応系中の固形分濃
度を25%とした。これを機械的に攪拌しながら、115℃
のオイルバス中で反応系中の温度を110℃に保ち、その
まま4時間保持した。その結果、粘度が3,054mPa・sの
高分子量エポキシ樹脂溶液が得られた。このエポキシ樹
脂の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーに
よって測定した結果では114,000、光散乱法によって測
定した結果では84,600であつた。また、この高分子量エ
ポキシ樹脂の稀薄溶液の還元粘度は0.812(dl/g)であ
った。この高分子量エポキシ樹脂溶液をガラス板に塗布
し、200℃で1時間乾燥して、厚さ34μmのエポキシ樹
脂フィルムを得た。このフィルムの引っ張り強度は42.0
MPa、伸びは48.0%、引っ張り弾性率は370MPaであっ
た。またガラス転移温度は80℃、熱分解温度は345℃で
あった。
樹脂(エポキシ当量:171.3)171.3g、二官能フェノール
類としてレゾルシノール(水酸基5gをN−メチルピロリ
ドン530.5gに溶解させ、反応系中の固形分濃度を30%と
した。これを機械的に攪拌しながら、115℃のオイルバ
ス中で反応系中の温度を110℃に保ち、そのまま4時間
保持した。その結果、粘度が5,580mPa・sの高分子量エ
ポキシ樹脂溶液が得られた。このエポキシ樹脂の重量平
均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーによって測定
した結果では103,000、光散乱法によって測定した結果
では72,400であった。また、この高分子量エポキシ樹脂
の稀薄溶液の還元粘度は0.785(dl/g)であった。この
高分子量エポキシ樹脂溶液をガラス板に塗布し、200℃
で1時間乾燥して、厚さ32μmのエポキシ樹脂フィルム
を得た。このフィルムの引っ張り強度は32.6MPa.伸びは
40.0%、引っ張り弾性率は375MPaであった。またガラス
転移温度は80℃、熱分解温度は340℃であった。
樹脂(エポキシ当量:171.3)171.3g、二官能フェノール
類としてレゾルシノール(水酸基当量:55・4)55.4g、
エーテル化触媒として水素化ナトリウム0.72gをN−メ
チルピロリドン919.7gに溶解させ、反応系中の固形分濃
度を20%とした。これを機械的に攪拌しながら、115℃
のオイルバス中で反応系中の温度を110℃に保ち、その
まま4時間保持した。その結果、粘度が1.54mPa・sの
高分子量エポキシ樹脂溶液が得られた。このエポキシ樹
脂の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーに
よって測定した結果では108,000、光散乱法によって測
定した結果では92,400であった。また、この高分子量エ
ポキシ樹脂の稀薄溶液の還元粘度は0.752(dl/g)であ
った。この高分子量エポキシ樹脂溶液をガラス板に塗布
し、200℃で1時間乾燥して、厚さ29μmのエポキシ樹
脂フィルムを得た。このフィルムの引っ張り強度は36.3
MPa.伸びは41.5%、引っ張り弾性率は380MPaであった。
またガラス転移温度は79℃、熱分解温度は345℃であっ
た。
ポキシ樹脂に対して1.00当量)を80.9g(エポキシ樹脂
に対して0.70当量)に変え、N,N−ジメチルアセトアミ
ドの配合量686.5gを605.7gに変えた以外は、実施例1と
同様にして行った。その結果、1時間後にゲル化し、溶
媒に不溶になった。
ポキシ樹脂に対して1.00当量)を80.9g(エポキシ樹脂
に対して0.70当量)に変え、N,N−ジメチルアセトアミ
ドの配合量686.5gを605.7gに変えた以外は、実施例1と
同様にして行ったが、ゲル化する前に加熱を中止し、粘
度が890mPa・sの高分子量エポキシ樹脂溶液を得た。得
られた樹脂の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラ
フィーによって測定した結果では93,000、光散乱法によ
って測定した結果では68,000であった。また、この高分
子量エポキシ樹脂の稀薄溶液の還元粘度は0.490(dl/
g)であった。この高分子量エポキシ樹脂溶液をガラス
板に塗布し、200℃で1時間乾燥したが、取扱上十分な
強度の100μm以下のエポキシ樹脂フィルムは得られな
かった。
エチルケトンに変えた以外は、実施例1と同様にして行
ったが、加熱開始後8時間後の粘度は2.6mPa・sであっ
た。得られた樹脂の重量平均分子量は、ゲル透過クロマ
トグラフィーによって測定した結果では1,500であり、
光散乱法では測定できなかった。この高分子量エポキシ
樹脂溶液をガラス板に塗布し、200℃で1時間乾燥した
が、エポキシ樹脂フィルムは得られなかった。
ングリコールモノメチルエーテルに変えた以外は、実施
例1と同様にして行ったが、加熱開始後8時間後の粘度
は78.2mPa・sであった。得られた樹脂の重量平均分子
量はゲル透過クロマトグラフィーによって測定した結果
では29,300であり、光散乱法で測定した結果では23,000
であった。
0℃で1時間乾燥したが、取り扱い上十分な強度の100μ
m以下のエポキシ樹脂フィルムは得られなかった。
都化成)の平均分子量を測定した。ゲル浸透クロマトグ
ラフィーによるスチレン換算重量平均分子量は68,000、
光散乱法による平均分子量は77,000であった。この樹脂
はメチルエチルケトンに容易に溶解した。またN,N−ジ
メチルアセトアミド20%溶液粘度は206mPa・sであっ
た。この高分子量エポキシ樹脂溶液をガラス板上に塗布
し乾燥器中加熱乾燥してエポキシ樹脂フイルムを作製す
ることを試みたが、100μm以下の厚さのフイルムは得
られなかった。
に示す。フェノール配合当量は、エポキシ樹脂1.000当
量に対するフェノール類の配合当量である。粘度はEMD
型粘度計(東京計器)を用いて測定した。ゲル浸透クロ
マトグラフィー(GPC)に使用したカラムは、TSKge1G60
00+G5000+G4000+G3000+G2000である。溶離液には、
N,N−ジメチルアセトアミドを使用し、試料濃度は2%
とした。様々な分子量のスチレンを用いて分子量と溶出
時間との関係を求めた後、溶出時間から分子量を算出
し、スチレン換算重量平均分子量とした。光散乱光度計
は、大塚電子(株)製DLS−700を用いた。引張り強度、
伸び、引張り弾性率は、東洋ボールドウィン製テンシロ
ンを用いた。フィルム試料サイズは50×10mm、引張り速
度は5mm/minとした。ガラス転移温度(Tg)はデュポン
製910型示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。熱分
解温度は、真空埋工製の示唆熱天秤TGD/3000を用いて空
気中での減量開始温度を熱分解温度とした。
量を過剰にした場合には枝分かれが多いと考えられ、分
子量が90,000以上とかなり高分子量化しているにもかか
わらず、100μm以下のフィルムは成形できなかった。
型超高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂も、か
なり高分子量化しているにもかかわらず、メチルエチル
ケトンに溶解し、N,N−ジメチルアセトアミド20%溶液
の粘度は、本発明の超高分子量エポキシ樹脂溶液の粘度
に比べて著しく低かった。これらの樹脂についても100
μm以下のフィルムは成形できなかった。
低分子量のエポキシ樹脂を用いた場合には、フィルムは
成形できるが強度が著しく低かった。
時間として得られたエポキシ樹脂を用いて、厚さ100μ
m以下の十分な強度のエポキシ樹脂フィルムを得ること
ができる。
従来得られなかった強度にすぐれたフィルム形成能を有
する超高分子量エポキシ樹脂を、非常に短い反応時間で
得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類
を触媒の存在下、重合反応溶媒中で加熱して重合させ、
高分子量エポキシ樹脂を製造する方法において、二官能
エポキシ樹脂と二官能フェノール類との配合当量比を、
エポキシ基/フェノール性水酸基=1:0.9〜1.1とし、ア
ミド系溶媒中、水素化リチウム、水素化ナトリウム、ホ
ウ水素化リチウム、ホウ水素化ナトリウム触媒の中から
選択された1種類以上の触媒を用い、重合反応時の固形
分濃度を30%以下にして重合することを特徴とするメチ
ルエチルケトンに溶解せず、還元粘度が0.6dl/g(30
℃、N,N−ジメチルアセトアミド)以上である高分子量
エポキシ樹脂の製造方法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2242239A JPH0764911B2 (ja) | 1990-09-12 | 1990-09-12 | 高分子量エポキシ樹脂の製造方法 |
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