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JPH0764122A - 静電駆動装置、光学素子および表示板 - Google Patents

静電駆動装置、光学素子および表示板

Info

Publication number
JPH0764122A
JPH0764122A JP5207957A JP20795793A JPH0764122A JP H0764122 A JPH0764122 A JP H0764122A JP 5207957 A JP5207957 A JP 5207957A JP 20795793 A JP20795793 A JP 20795793A JP H0764122 A JPH0764122 A JP H0764122A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
optical element
driving
electrostatic
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5207957A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Yoshioka
正裕 吉岡
Kazuyoshi Okamoto
三宜 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP5207957A priority Critical patent/JPH0764122A/ja
Publication of JPH0764122A publication Critical patent/JPH0764122A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 静電気的な引力と反発力を利用した新しいタ
イプの静電駆動装置、およびそれを利用した縦型で使用
することに適した光学素子と、該光学素子を配列した透
過型あるいは反射型の縦型で使用することに適した表示
板を提供する。 【構成】 本発明の静電駆動装置は、シート状物からな
る駆動部1と、複数の帯状電極と絶縁体とからなる固定
部3とからなる静電駆動装置において、該駆動部1を収
納枠体2に収納することを特徴とするものである。ま
た、本発明の光学素子は、2枚のシート状物と、該シー
ト状物の少なくとも1枚を駆動する駆動手段とから構成
される光学素子において、該駆動手段として、上記静電
駆動装置を用いたことを特徴とするものである。また、
本発明の表示板は、かかる光学素子を複数配列してなる
ことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静電駆動装置、光学素子
および表示板に関するものであり、さらに詳しくは、静
電気的な引力と反発力を利用した静電駆動装置、および
それを利用した縦型(地面に垂直となる状態)で使用す
ることに適した光学素子と、該光学素子を配列した透過
型あるいは反射型の縦型で使用することに適した表示板
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】静電気的な引力と反発力を利用したフィ
ルムの駆動装置として、静電フィルムアクチュエータ
が、特開平2−285978号公報で提案されている。
静電フィルムアクチュエータは、絶縁性支持体に電極を
一定間隔で並べた固定子と抵抗体よりなる移動子からな
り、該移動子と該固定子とが接するように配置して構成
されており、静電気の作用により、該移動子を瞬間的に
浮上させて摩擦を防止しながら移動子を移動させるもの
である。
【0003】静電フィルムアクチュエータを利用した表
示装置として、7セグメント表示装置が特開平4−24
0890号公報で提案されている。特開平4−2408
90号公報では、7セグメント表示装置の7個の区画を
構成する透明な固定子と透明な移動子との間に生じる静
電気の作用により、該移動子が該固定子の表面上を前後
または左右に移動するときの、該移動子と該固定子の重
なり合いの変化による視覚的変化を表示原理にすること
が提案されている。
【0004】また、本特許の発明者により、静電フィル
ムアクチュエータを用いた2枚の光透過板からなる光学
素子、および該光学素子を複数配列したフラットパネル
ディスプレイに関する特許、ならびに静電気的な引力と
反発力を利用した繊維の集合体からなるシート状物を用
いた光学素子、および該光学素子を複数配列した表示板
に関する特許が出願されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平4−24089
0号公報で提案された静電フィルムアクチュエータを用
いた7セグメント表示装置は、移動子が固定子の表面上
を前後または左右に移動することによる視覚的変化を表
示原理としており、該7セグメント表示装置を縦型で使
用する場合には、該移動子を該固定子に移動可能なよう
に支持する必要がある。また、静電フィルムアクチュエ
ータを用いた2枚の光透過板からなる光学素子、および
該光学素子を複数配列したフラットパネルディスプレ
イ、ならびに静電気的な引力と反発力を利用した繊維の
集合体からなるシート状物を用いた光学素子、および該
光学素子を複数配列した表示板においては、駆動部の駆
動による光学的な変化を表示原理としているため、縦型
として使用する場合には、該駆動部を固定部に移動可能
なように支持する必要がある。
【0006】以上のように、静電気的な引力と反発力を
用いたこれまでの表示装置においては、縦型にした場
合、移動子あるいは駆動部の重力による落下を防止する
ため、移動子あるいは駆動部を固定部に移動可能なよう
に固定することが必要であり、表示装置を製造する上
で、非常に煩雑な作業が必要である。
【0007】本発明の目的は、上記のような煩雑な作業
を回避することであり、その目的を達成するため、新し
いタイプの静電駆動装置を提供し、さらにそれを利用し
た縦型で使用することに適した光学素子、該光学素子を
配列した透過型あるいは反射型の縦型で使用することに
適した表示板を提供せんとすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、次のような構成をとる。すなわち、本発明
の静電駆動装置は、シート状物からなる駆動部と、複数
の帯状電極と絶縁体とからなる固定部とからなる静電駆
動装置において、該駆動部を収納枠体に収納することを
特徴とするものである。また、本発明の光学素子は、2
枚のシート状物と、該シート状物の少なくとも1枚を駆
動する駆動手段とから構成される光学素子において、該
駆動手段として、上記静電駆動装置を用いたことを特徴
とするものである。また、本発明の表示板は、かかる光
学素子を複数配列してなることを特徴とするものであ
る。
【0009】本発明の静電駆動装置においては、駆動部
が収納枠体に収納されているため、縦型にした場合に
も、特別な支持装置を必要とすることなく、重力による
駆動部の落下の防止が可能となり、該静電駆動装置の構
造が単純なものとなる。
【0010】本発明の静電駆動装置においては、収納枠
体と駆動部との間の摩擦を避けるために、複数の帯状電
極と絶縁体とからなる固定部を、駆動部の両面に配置す
ることが好ましい。この場合、第一の固定部は、駆動部
の本来の駆動を行う役割を果たし、第二の固定部は、駆
動部と収納枠体との摩擦を避けるための駆動を行う。駆
動の原理と帯状電極の配置の関係については後述する
が、例えば、駆動部を円形とした場合、第一の固定部に
は帯状電極を放射状に配列し、第二の固定部には帯状電
極を並列状に配列すれば、第二の固定部により駆動部を
収納枠体から浮上させて、駆動部と収納枠体との摩擦を
回避した状態において、第一の固定部により駆動部を回
転させることができる。
【0011】以上のように、静電駆動装置において収納
枠体および駆動部の両面に固定部を配置することによ
り、本発明の目的である縦型にした場合にも特別な支持
装置を必要としない静電駆動装置を得ることができる。
【0012】次に、本発明の静電駆動装置におけるシー
ト状物の駆動手段について述べる。本発明の静電駆動装
置における駆動手段は、複数の帯状電極と絶縁体とから
なる固定部と駆動部とからなり、該帯状電極に電圧を印
加したときに、該固定部と該駆動部との間に生じる静電
気的な引力と反発力である。この手段をフィルムに応用
したものが、静電フィルムアクチュエータとして公知の
技術となっている。静電フィルムアクチュエータは、絶
縁性支持体に電極を一定間隔で並べた固定部と抵抗体よ
りなる移動部からなり、該移動部と該固定部とが接する
ように配置して構成されており、静電気の作用により、
該移動部を瞬間的に浮上させて摩擦を防止しながら移動
部を移動させるものである。その作動原理については、
特開平2−285978、平成元年度電気学会全国大会
講演予稿集6−191、日経メカニカル1989、5、
29、112〜113ページなどに詳細に述べられてい
るため、ここでは省略する。
【0013】本発明の静電駆動装置の駆動手段におい
て、固定部における帯状電極の配置を並列状とすれば、
駆動部は帯状電極の垂直方向に上下左右に移動し、該固
定部における帯状電極の配置を放射状とすれば、駆動部
は回転することになる。
【0014】次に、本発明の静電駆動装置の構成要素に
ついて説明する。
【0015】本発明の静電駆動装置におけるシート状物
からなる駆動部の材料については、絶縁性のものであれ
ば特に限定されず、繊維集合体、フィルム、ガラス、セ
ラミック、木材などを使用することができる。しかしな
がら、静電気的な引力と反発力による駆動を起こし易い
ことから、駆動部は軽量で薄膜状のものであることが要
求されるため、駆動部として繊維集合体あるいはフィル
ムを用いることが好ましい。また、帯電−駆動のサイク
ルを効率的に繰り返すため、駆動部は絶縁層と帯電防止
層からなることが好ましい。
【0016】ここで、帯電防止層としては、帯電と放電
のバランスが良好であるという点からみて、表面固有抵
抗が1012〜1015Ω/□の範囲であることが好まし
い。駆動部として繊維集合体を使用する場合、絶縁層と
しては、絶縁性の繊維を用いることができる。絶縁性の
繊維としては、レーヨンなどの再生繊維、アセテートな
どの半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、ポリビニル
アルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリウレタン、ポリアルキレンパラオキシベンゾエー
ト、フェノール系、フッ素繊維などの合成繊維、ガラス
繊維などの無機繊維、綿、麻などの植物繊維、羊毛、絹
などの動物繊維、アスベストなどの鉱物繊維などの一般
的な繊維を単独、あるいは複数を同時に用いることが可
能であり、静電駆動装置の目的と用途により適宜選択す
ることができる。
【0017】また、帯電防止層は、帯電防止効果の弱い
帯電防止剤のスプレー塗布などの方法により設けること
ができるが、帯電防止効果を長く保持できるという点か
らみて、低い導電性、あるいは制電性を有する繊維を使
用することが好ましい。この場合、低い導電性、あるい
は制電性を有する繊維としては、炭素繊維を単独で使用
することや、炭素繊維と他の繊維との複合繊維を用いる
ことできる。また、導電成分あるいは制電成分を含有す
る材料を一成分とする繊維を使用することも好ましい。
このとき、該導電成分あるいは該制電成分を含有するポ
リマを単独で、あるいは他のポリマと複合化して繊維化
したものを使用するできる。さらに、かかる導電成分あ
るいは制電成分を繊維化したものを、他の繊維と複合化
して用いることも可能である。
【0018】ここで、導電成分および制電成分とは、そ
の成分が有する導電性のため、繊維全体としても導電性
もしくは制電性が発現するものである。通常、該成分
は、糸状形成のためポリマ中にあらかじめ混合されて紡
糸に使用される。したがって、該成分の形状としてはポ
リマ中に均一に分散させるために微粉末もしくはウィス
カーといった形態が好ましく、その最大径または最大長
で5μ以下が好ましく、1μ以下がより好ましく、0.
3μ以下がさらにより好ましい。導電成分の具体的な材
料としては、カーボンブラックや各種金属粉、酸化錫、
酸化亜鉛、酸化銅、酸化インジウム、酸化ジルコニウ
ム、酸化タングステンなどの金属酸化物が使用できる。
また、非導電性粒子に上記金属酸化物被膜を付与した粒
子、さらには逆に、上記導電性粒子の表面に非導電性物
質をコーティングしたものなども使用できる。さらに
は、硫化銅、よう化第一銅、硫化亜鉛、硫化カドニウム
などの金属化合物や導電性層間化合物も使用できる。そ
の他、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェ
ン、ポリアニリンなどの有機導電性化合物であってもか
まわない。これらの中で、導電性、価格の点からカーボ
ンブラックが好ましい。
【0019】また、制電成分としては、親水成分を含有
するポリマなどを使用できる。親水成分としては、ポリ
アルキレンエーテル化合物を含有するポリマを使用する
ことが可能である。ポリアルキレンエーテル化合物と
は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重
合体などの未変性ポリアルキレンエーテル類およびトリ
メチロールプロパンエチレンオキサイド付加物、メトキ
シポリエチレングリコール、ノニルフェノールエチレン
オキサイド付加物などポリアルキレンエーテルの末端基
を変性したポリアルキレンエーテル類が挙げられる。ま
た、ポリアルキレンエーテルとポリアミドのブロック共
重合体を使用することも可能である。
【0020】また、繊維集合体の構造としては、織物、
編物、不織布の少なくとも一種からなるものを使用でき
るが、強度を保持した状態で駆動部を薄くできるという
点からみて、織物もしくは不織布を用いることが好まし
い。また、繊維集合体を薄く、平滑化し、シート保持性
を良好なものにするために、繊維集合体にヒートプレス
加工を施すことや、樹脂加工を施すことも好ましいこと
である。
【0021】駆動部として織物を用いる場合、織物の織
構造は、特に限定されず、通常に知られているものを使
用することができる。しかしながら、緯糸と経糸のそれ
ぞれの役割を顕著にするために、緯糸あるいは経糸のい
ずれかの繊維が織物表面を多く占めるようにした組織で
あることが好ましい。例としては、綾織、5枚や8枚の
朱子織などが挙げられ、織物表面における緯糸あるいは
経糸の占める割合は60%以上であることが好ましく、
より好ましくは70%以上であり、80%以上であるこ
とがさらに好ましい。また、織物の表面と裏面を構成す
る糸が異なるという点からみて、糸使いの異なる表組織
と裏組織を有する2重織、3重織などの多重織組織を使
用することも好ましい。例としては、経2重織、緯2重
織、心入緯2重織、緯2重裏付織、裏経糸接結2重織な
どの組織が挙げられる。
【0022】上記のように、織物の面により緯糸と経糸
の浮く状態に違いがある場合には、帯電−駆動のサイク
ルを速やかに繰り返すため、絶縁性の繊維が多く浮いて
いる面を固定部と接触させ、帯電防止効果を有する繊維
が多く浮いている面を固定部がある側の反対方向に位置
させることが好ましい。
【0023】また、駆動部を構成する繊維集合体として
不織布を用いる場合、不織布は、カード、クロスラッパ
を通した後、ニードルパンチあるいは流体処理法や、紡
糸直接製布法、紗紙法、フラッシュ紡糸法、メルトブロ
ー法、スパンボンド法などの通常用いられる方法により
製造したものを用いることができる。
【0024】本発明の静電駆動装置における固定部は、
絶縁体に帯状電極を配列したものである。絶縁体は、特
に限定されず、絶縁性を示すものであればガラス、ポリ
マ、セラミックなど任意のものを使用できる。しかしな
がら、静電駆動装置全体を薄くできるという点からみ
て、ガラス板、フィルムなどの薄膜状物を用いることが
好ましい。
【0025】帯状電極は、通常電極として用いられる材
料を使用することができる。静電駆動装置をコンパクト
にするためには、微細な電極を用いることが好ましく、
マスクを行った状態でのスッパタリング法、真空蒸着法
や、エッチング法などにより、電極パターンを形成する
ことが好ましい。そのため、該帯状電極の材料として
は、金、銀、銅、パラジウム、インジウム−錫、亜鉛、
アルミニウムなどの金属、酸化インジウム、酸化インジ
ウム−酸化錫、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなどの金属
酸化物を用いることができる。
【0026】また、固定部においては、帯状電極は絶縁
体の表面にあっても、絶縁体中に埋没されていてもどち
らでも良い。
【0027】また、絶縁体に帯状電極を形成する方法
は、ICなどの回路を形成する方法と同様の一般的な方
法を用いることができる。典型的な例を次に述べるが、
当然これに限定される訳ではない。まず、スパッタリン
グ法あるいは真空蒸着法により電極材料の薄膜を該絶縁
体に積層する。この薄膜の表面にバーコーター法、スピ
ンコーター法、ロールコーター法などにより、レジスト
層を形成する。つづいて、露光および現像を行い、パタ
ーンを形成する。このレジストパターンを利用してエッ
チングを行い、最後にレジストパターンを剥離溶液で除
去することにより、電極を形成できる。また、該電極を
該絶縁体に埋没する場合には、上記のようにして形成し
た電極の表面に透明な絶縁ペーストを塗布すればよい。
塗布方法は、レジスト層の形成と同様の各種塗布方法を
用いることができる。
【0028】本発明の静電駆動装置における収納枠体
は、駆動部を収納するものであり、その材料については
特に限定されない。しかしながら、固定部と駆動部の間
の静電気的な相互作用を妨げないという点からみて、絶
縁性あるいは帯電防止性の材料を使用することが好まし
く、また、外観状の見栄えが良好であるという点からみ
て、駆動部と同じ材料を使用することがより好ましい。
【0029】次に、本発明の光学素子について説明す
る。
【0030】本発明の光学素子は、2枚のシート状物
と、該シート状物の少なくとも1枚を駆動する駆動手段
とから構成される光学素子において、該駆動手段とし
て、これまで説明してきた本発明の静電駆動装置を用い
ることを特徴とするものである。したがって、本発明の
光学素子は、縦型にした場合にも、特別な支持装置を必
要とすることなく重力による駆動部の落下の防止が可能
となり、製造する場合に煩雑な作業が不要となる。
【0031】本発明の光学素子においては、2枚のシー
ト状物の重なり具合が、該シート状物の駆動により変化
し、その結果として2枚の該シート状物を透過、あるい
は2枚の該シート状物により反射する光の強度や色、明
度、彩度などの変化(光学的変化)が観察される。した
がって、該シート状物の駆動は、上下左右への移動であ
っても、回転であってもかまわない。しかしながら、該
シート状物が上下左右へ移動する場合には、該光学素子
が有効に機能する面積が、該光学素子の全面積の半分に
なってしまうのに対して、該シート状物が回転する場合
には、該シート状物の形を適当なものを選べば、該光学
素子の有効面積は常に一定となる。そのため、本発明の
光学素子においては、該シート状物を回転させるため
に、固定部での帯状電極の配置を放射状とすることが好
ましい。
【0032】このとき、該シート状物の形は、特に限定
されず、円形、多角形などのどのような形であってもか
まわないが、回転しても形が変化しないという点からみ
て円形もしくは正多角形であることが好ましく、90°
回転したときに同じ形であるという点からみて円形もし
くは正n角形(nは4の倍数)がより好ましい。
【0033】前述したように、本発明の光学素子におけ
る光学的変化は、2枚のシート状物の重なり具合の変化
によりもたらされる。したがって、そのような機能をも
つものであれば、2枚のシート状物は透明であっても、
着色していても、また、何らかの表示が施されていても
かまわない。具体的には、2枚のシート状物を着色し、
重なり具合の変化により2枚のシート状物を透過する光
の色を変化させるなどの例が挙げられるが、光のオン・
オフを行えること、また、光学素子の有効面積に変化が
ないことなどから考えた場合、2枚のシート状物として
偏光性を有するシート状物を用いることが好ましい。
【0034】偏光性とは、自然光を直線偏光に変化させ
る性質のことであり、偏光性を有する2枚のシート状物
を並べた場合、偏光方向が同一であれば、光は2枚のシ
ート状物を通過することができる。この状態から、1枚
のシート状物を回転すると通過する光の量は回転に伴っ
て減少し、90°回転したところで通過光量はゼロとな
る。本発明の光学素子において2枚のシート状物として
偏光性を有するシート状物を用いた場合は、この原理を
光のオン・オフに利用しているため、シート状物の形を
上記のように円形もしくは正n角形(nは4の倍数)に
すれば、光のオン状態とオフ状態における該光学素子の
表示面積に変化がなく、特開平4−240890で提案
された7セグメント表示装置に比べて無駄がない。
【0035】本発明の光学素子における2枚のシート状
物として、偏光性を有するシート状物を用いる場合、駆
動部を構成する第一のシート状物は、偏光性を有する繊
維集合体であり、第二のシート状物としては偏光板を用
いることが好ましい。
【0036】偏光性を有する繊維集合体を用いることが
好ましい理由としては、 (1)繊維は配向度が大きいため、高い偏光性が得ら
れ、その結果、コントラストの効いた光学素子が得られ
る。 (2)繊維により光の散乱が起こるため、光学素子があ
たかもすりガラスのように見え、眩しさが激減し、目に
優しいなど、感性が高い、の二点が挙げられる。 ここで、第一のシート状物である偏光性を有する繊維集
合体においては、偏光性の発現が容易であるという点か
らみて、繊維集合体が織物であることがより好ましい。
また、第二のシート状物である偏光板としては、自然光
を直線偏光に変える機能をもつものであれば特に限定さ
れず、ニコルプリズムのような偏光プリズムや、二色性
結晶を電場などで整列させて基盤にすくい上げたもの
や、偏光フィルムなどを用いることができる。しかしな
がら、光学素子を薄くできる点や、フレキシブルなもの
にできるという点から、偏光板として偏光フィルムを使
用することがより好ましい。偏光フィルムとしては、二
色性染料を吸着させたフィルムを延伸配向させたもの、
または、ポリビニルアルコールの配向フィルムにヨウ素
を吸着させたものなどを用いることができる。
【0037】偏光性を有する繊維集合体として織物を使
用する場合、該織物は、偏光性を有する絶縁性の繊維
と、帯電防止性の繊維とからなる織物であることが好ま
しい。偏光性を有する絶縁性の繊維としては、ヨウ素を
吸着したポリビニルアルコール繊維や、二色性染料を吸
着した絶縁性の繊維を延伸配向した繊維などを用いるこ
とが好ましい。絶縁性の繊維としては、レーヨンなどの
再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、ナイロン、ポ
リエステル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアルキレン
パラオキシベンゾエート、フェノール系、フッ素繊維な
どの合成繊維、ガラス繊維などの無機繊維、綿、麻など
の植物繊維、羊毛、絹などの動物繊維、アスベストなど
の鉱物繊維などの一般的な繊維を単独、あるいは複数を
同時に用いることが可能であり、光学素子の目的と用途
により適宜選択することができる。また、帯電防止性の
繊維は、前述したものを使用することが可能であり、ま
た、織組織についても前述のものを使用できる。
【0038】本発明の光学素子における偏光性を有する
織物は、偏光性を有する絶縁性の繊維と帯電防止効果を
有する繊維とを、それぞれ緯糸と経糸、あるいは経糸と
緯糸として用いることにより形成される。前述のよう
に、織組織として、綾織や朱子織、多重織など織物の面
により緯糸と経糸の浮く状態に違いがある場合には、帯
電−駆動のサイクルを速やかに繰り返すため、偏光性を
有する絶縁性の繊維が多く浮いている面を固定部と接触
させ、帯電防止効果を有する繊維が多く浮いている面を
固定部がある側の反対方向に位置させることが好まし
い。
【0039】また、これまで偏光性を有する織物とし
て、偏光性を有する絶縁性の繊維と帯電防止効果を有す
る繊維とからなるものについて述べてきたが、当然のこ
とながら、絶縁性の繊維と帯電防止効果を有する偏光性
の繊維とからなる織物を使用することも可能であり、こ
の場合には、先程と同様の理由で、絶縁性の繊維が多く
浮いている面を固定部と接触させ、帯電防止効果を有す
る偏光性の繊維が多く浮いている面を固定部がある側の
反対方向に位置させることが好ましい。
【0040】本発明の光学素子における固定部は、絶縁
体に帯状電極を並列状あるいは放射状に並べて構成され
る。該固定部は、光透過性を有していれば透明でも着色
していてもかまわないが、該光学素子のコントラストも
しくは色、明度、彩度の変化を大きくするためには、透
明であることが好ましい。そのため、該固定部は透明な
絶縁体に透明な電極を放射状に並べて構成されることが
好ましい。透明な絶縁体としては、ガラス板や、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリスチレン、アクリロニトリ
ル―スチレン共重合樹脂、透明ABS樹脂、スチレン―
ブタジエン共重合樹脂、スチレン―マレイン酸樹脂、メ
タクリル酸メチル―スチレン樹脂、メタクリル系樹脂、
ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルホン、ポ
リエーテルサルホン、ポリメチルペンテン、非晶質ポリ
アミド、非晶質ポリオレフィン、透明フッ素樹脂、フッ
素化ポリイミド、臭素化フェノキシ樹脂、透明ポリブチ
レンテレフタレートなどの透明プラスチックのフィルム
を用いることができるが、光学素子を薄くできる点や、
フレキシブルなものにできるという点から、フィルムを
用いることが好ましい。
【0041】また、透明な電極としては、透明な金属、
金属酸化物を用いることが好ましい。透明な金属として
は、金、銀、銅、パラジウム、インジウム−錫、亜鉛、
アルミニウムなどが挙げられ、透明な金属酸化物として
は、酸化インジウム、酸化インジウム−酸化錫、酸化亜
鉛、酸化アルミニウムなどが挙げられる。
【0042】透明な固定部においては、該電極は該絶縁
体の表面にあっても、該絶縁体中に埋没されていてもど
ちらでも良い。
【0043】また、該絶縁体に該電極を形成する方法
は、前述した方法をもちいることができる。
【0044】本発明の光学素子は、駆動部を構成する第
一のシート状物と、第二のシート状物、および固定部と
から構成される。しかしながら、該光学素子において
は、後者の駆動部ではない第二のシート状物を該固定部
とすることが、すなわち、2枚のシート状物を駆動部お
よび固定部とすることも可能であり、この場合、本発明
の光学素子は、より単純な構成となる。
【0045】以上のようにして得られた本発明の光学素
子は、電圧の印加に伴うシート状物の駆動により、光の
オン・オフもしくは色、明度、彩度などの変化を行うた
め、光のオン・オフ速度もしくは色、明度、彩度の変化
速度については劣るものの、ある特定の状態において、
電圧の印加を遮断してもそのままの状態を保つ性質、す
なわち記憶性をもつ光学素子となる。また、構成が非常
に単純であるため大型化することが容易であり、安価な
材料から製作することができるのでコスト面からみて有
利である。本発明の光学素子は、フレキシブルにするこ
とも可能であり、曲面においても使用できるなどの特徴
をもつ。さらに、本発明の目的である、縦型にした場合
にも特別な支持装置を必要としないという点をも達成し
ている。次に、本発明の表示板について説明する。
【0046】本発明の表示板は、これまで説明してきた
本発明の光学素子を複数配列してなることを特徴とする
ものである。該表示板においては、該光学素子1個が1
画素に対応することになる。
【0047】本発明の表示板における光学素子の配列方
法は特に限定されないが、ある一定の規則性を持って配
列していると、鮮明な像を表示することができるので好
ましい。具体的な配列方法としては、1個または数個の
光学素子の集合体を、表示板の形状が三角形、四角形等
の場合は各辺に平行に、円形、球形、楕円形等の場合は
放射状に、それぞれ等間隔に並べるのが良い。これらの
場合、間隔の広さや精度は、表示板の大きさ、使用の目
的に応じて適宜決定される。
【0048】また、本発明の表示板においては、表示板
を構成する複数の光学素子の2枚のシート状物のうち、
駆動部を構成する第一のシート状物に比べて、第二のシ
ート状物が大型であり、第二のシート状物が複数の第一
のシート状物に共通した状態になっていてもよい。これ
は、一枚の大型のシート状物に対して、駆動部となるそ
れより小さいシート状物を複数配列することにより、複
数の光学素子を形成し、それにより表示板を構成するこ
とを意味している。たとえば、100個の光学素子から
なる表示板を製造する場合、100個の駆動部に、10
0枚のシート状物を組合せて、100個の光学素子を製
造することと、100個の駆動部に、一枚の大型のシー
ト状物を組合せて、100個の光学素子を製造すること
とを比較すれば、後者の方が明らかに容易であり、後者
の方法を採用すれば、本発明の表示板の構成は単純とな
り、製造が容易となる。ここで、大型のシート状物の材
料としては、これまで述べてきたシート状物と同様のも
のを使用することができる。このとき、駆動手段を有す
るシート状物の配列方法については特に限定されない
が、ある一定の規則性を持って配列していると、鮮明な
像を表示することができるので好ましい。具体的な配列
方法としては、1個または数個の、駆動手段をもつシー
ト状物の集合体を、表示板の形状が三角形、四角形等の
場合は各辺に平行に、円形、球形、楕円形等の場合は放
射状に、それぞれ等間隔に並べるのが良い。これらの場
合、間隔の広さや精度は、表示板の大きさ、使用の目的
に応じて適宜決定される。
【0049】また、本発明の表示板においては、収納枠
体が、各光学素子に独立したものではなく、図4のよう
に、光学素子を構成する駆動部の複数に共通となってい
るものを使用することも可能である。たとえば、100
個の光学素子からなる表示板を製造する場合、100個
の駆動部を、100個の収納枠耐に収納し、さらにそれ
を配列して表示板を製造することと、100個の駆動部
を、1個の大型の収納枠体に収納し表示板を製造するこ
ととを比較すると、後者では、光学素子を配列する工程
が大幅に単純化されるため、後者の方法を採用すること
により、表示板の製造が非常に容易になる。ここで、収
納枠体の材料としては、前述のものを使用することがで
きる。
【0050】本発明の表示板には、光入射装置を使用す
ることができる。該光入射装置を使用した場合、本発明
の表示板は、透過型の表示板となる。本発明の表示板に
おける光入射装置は、通常バックライトと呼ばれる公知
のものを使用することができ、特に限定はされない。例
としては、放射型、反射型、屈折反射型などの光入射装
置を使用することができる。また、光源の色は特に限定
されず、白色光、単色光等任意のものが使用される。光
源の数についても特に限定されず、1個でも良いし、画
素1個または数個に1個用いても良い。また、プリズ
ム、レンズ等により、分光、集光、偏光等して用いても
良い。また、ELパネルのようなシート状物状の発光体
を用いれば、表示板全体をフレキシブルにすることも可
能である。本発明の光入射装置をもつ表示板において
は、該表示板の前面にカラーフィルターを配置すること
ができる。該カラーフィルターを使用することにより、
本発明の表示板は、透過型のカラー表示板となる。本発
明の表示板におけるカラーフィルターは、通常のカラー
LCDなどに用いられる公知のものを使用することがで
きる。シート状のカラーフィルターを用いれば、表示板
全体をフレキシブルにすることが可能である。
【0051】また、本発明の表示板において、光入射装
置としてブラックライトランプを用い、該表示板の前面
にブラックライトを吸収して蛍光を発する物質を含むシ
ート状物をフィルターとして配置すれば、本発明の表示
板は、非常に明確な蛍光を発する表示板として使用でき
る。
【0052】本発明の表示板においては、該表示板の背
後に光反射装置を配置することができる。該光反射装置
を使用した場合、本発明の表示板は、反射型の表示板と
なる。本発明の表示板における光反射装置は、鏡、金属
など光を反射する性質をもつものであれば特に限定され
ない。アルミニウムなどの金属箔、金属を蒸着したシー
ト状物、着色したシート状物、紙などを該光反射装置と
して用いれば、表示板全体をフレキシブルなものとする
ことが可能である。
【0053】また、本発明の表示板における光反射装置
として、3ないしは4原色をドット状に配列したものを
用いることができる。3原色は、特に限定されないが、
イエロー、シアン、マゼンダを用いることができる。ま
た、4原色についても特に限定されないが、上記の3原
色に黒を加えたものを使用できる。ドットの形は丸に限
定されるものではなく、三角や四角、あるいは多角形で
もよく、また、画素と同じ形でも、異なる形であっても
よい。ドットの大きさは表示板の一画素と同じ大きさで
あるか、もしくは複数の画素と同じ大きさであってよ
い。該光反射装置を使用した場合、本発明の表示板は、
反射型のカラー表示板となる。該光反射装置の材質につ
いては、特に限定されないが、シート状物、フィルム、
金属箔、紙などを用いれば、表示板全体をフレキシブル
なものとすることができる。
【0054】また、本発明の表示板において、光反射装
置としてブラックライトを吸収して蛍光を発する物質を
含むシート状物を用い、前面からブラックライトを照射
することにより、本発明の表示板は、非常に明確な蛍光
を発する表示板として使用できる。
【0055】本発明の表示板においては、該表示板の最
前面に視野角拡大装置を配置することができる。該視野
角拡大装置は、該表示板を斜め方向から見た場合にも、
正面から見たときと同様に、表示内容を読み取ることを
可能にするための装置である。本発明における表示板の
視野角拡大装置としては、該表示板の画素1個1個に対
応して凸レンズを有する凸レンズ配列板などを用いるこ
とができる。また、本発明の表示板における、前面側の
光透過板が凸レンズ構造を取っていてもよい。以上のよ
うにして得られた本発明の表示板においては、透過型お
よび反射型、単色およびカラーの表示様式を選択するこ
とが可能である。また、構成材料としてすべてシート状
のものを使用することができるため、薄膜状で折曲げた
り、丸めたりできるシート状のフレキシブルな表示板が
得られる。さらに、前述の光学素子の駆動原理から、電
圧印加を遮断しても表示内容を保持できる特徴をもち、
さらには、光学素子の構造が単純であることから、安価
な製造コストで表示板の大型化が可能である。
【0056】また、駆動部に繊維集合体を用いたことに
より、 (1)繊維の配向度は大きいので、偏光性の繊維を用い
た場合、高い偏光性が得られ、コントラストが効いた光
学素子が得られる。
【0057】(2)繊維により光の乱反射が起こるた
め、表示板があたかもすりガラスのように見え、眩しさ
が激減し目に優しい、などの効果が得られ、表示板を看
板、垂れ幕などの表示材料として用いることに適してい
る。さらに、本発明の目的である、縦型にした場合にも
特別な支持装置を必要としない。
【0058】などの利点をも達成し得たものである。
【0059】
【作用】次に、本発明の光学素子および表示板の例を図
面で説明するが、もちろんこれらに限定されない。
【0060】図1は、本発明の静電駆動装置の一例の組
立図である。本発明の静電駆動装置は、シート状物から
なる駆動部1を収納枠体2に収納し、2の両面に固定部
3を配置させることにより作製する。
【0061】図2は、図1のようにして作製した静電駆
動装置の側面断面図である。1は2に収納されており、
2の両面には、並列状の帯状電極4をもつ3と、放射状
の帯状電極5をもつ3とが導電ペースト6を介在して密
着している。この静電駆動装置を縦型、すなわち、図2
の矢印の方向を上にして使用した場合、電圧無印加の状
態では1と2が接しているため、5に正負の電圧を印加
しても1と2の間の摩擦のため、1の回転は起こりにく
い。しかしながら、4に正負の電圧を順次印加すると、
1は浮上し、そこで、5に正負の電圧を印加すると、1
は2と摩擦を回避した状態となっているため、1は容易
に回転する。
【0062】図3は、本発明の光学素子の一例の側面断
面図である。偏光性を有する繊維集合体7は2に収納さ
れており、2の両面には、4をもつ3と、5をもつ3と
が6を介在して密着しており、さらに、スペーサー8を
介在させて偏光板9を配置する。ここで、2、3、4、
5、6、8には、透明なものを使用している。9の後方
から光を照射しながら、4および5に正負の電圧を順次
印加すると、光学素子を縦型の状態にしていても、7は
容易に回転し、7の前面で観察される光に強弱が生じ
る。特に、最大光量が得られる状態から、偏光板を90
゜回転させる電圧を印加すると、光量はゼロとなり、明
確なコントラストが得られる。また、最大光量あるいは
光量ゼロの状態で、電圧印加を遮断すると、該光学素子
の記憶性により、そのままの状態が保たれる。さらに、
該光学素子を構成する1〜9には、全てシート状物状の
フレキシブルな材料を使用することができるため、該光
学素子は薄膜状のフレキシブルなものとすることが可能
である。また、本発明の光学素子は、駆動部として繊維
の集合体を使用しているため、偏光性が高くコントラス
トが効く、すりガラスのように見え、眩しさが激減する
など高い感性をもつ。図4は、本発明の表示板の一例の
図である。表示板10は、本発明の光学素子11を画素
として用い、11を複数配列することにより構成されて
いる。ここで、図4においては、便宜上、10を構成す
る11の一部分は、省略してある。また、10において
は、表示板を構成する11はすべて一つの大型収納枠体
12に収納されている。10を縦型の状態にしていて
も、画像制御部13により、10を構成する11の駆動
部の回転状態を容易に制御することが可能であり、回転
状態を画素毎に制御することにより、10上に任意の表
示が得られる。また、電圧印加を遮断しても、11の記
憶性により10の表示は保持される。10は、薄膜状で
フレキシブルな11から構成されるため、10自体も薄
膜状でフレキシブルな構造をとる。また、構成が単純で
あるため軽量で、大型化することも容易であり、また、
製作費も安価である。また、10は、背面に光入射装置
を配置することにより、透過型の表示板となり、背面に
光入射装置を、前面にカラーフィルターを配置すれば、
透過型のカラー表示板となる。さらに、10の背面に光
反射装置を配置すれば反射型の表示板となる。また、1
0の前面に視野角拡大装置を配置すれば、斜め方向から
見ても表示内容を読み取ることが可能である。
【0063】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されない。すなわ
ち、本発明の技術思想を知った者にとっては、さらに効
率の良い物に変更することは容易であろう。
【0064】実施例1 ポリエチレンテレフタレートフィルムにスパッタリング
法により酸化インジウム−酸化錫の導電層を形成した。
これに、レジスト膜を付与し、さらに、並列状および放
射状電極を得られるようなマスクを用いてレジスト膜を
露光した。つぎに、露光部分を除去した後、エッチング
を施し、残存レジストを完全に剥離した。得られた帯状
電極を並列状と放射状に配列した2枚の固定部に、駆動
部を収納した収納枠体を密着させた。ここで、該駆動部
は、緯糸にヨウ素を吸着した3d、36フィラメントの
ポリビニルアルコール繊維を用い、経糸にカーボンブラ
ックを30重量%含む単糸デニール5d、24フィラメ
ントのナイロン繊維を用い、織組織として打ち込み数、
緯107本/inch、経95本/inchとした5枚
朱子組織を用いた織物を使用し、また、収納枠体として
は、ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した。
さらに、該固定部にスペーサーをはさんで、市販の偏光
フィルムを配置した。このようにして得られた光学素子
の並列状および放射状の電極に正および負の電圧を印加
すると、縦型の状態においても該駆動部は容易に回転
し、該駆動部前面で観察される光に強弱が生じた。ま
た、最大光量が得られる状態から、偏光板を90゜回転
させる電圧を印加した場合、光量はゼロとなり、明確な
コントラストが得られた。さらに、最大光量あるいは光
量ゼロの状態で、電圧印加を遮断すると、そのままの状
態が保たれ、該光学素子の記憶性が確認できた。また、
該光学素子を構成する材料に、すべてフィルム状のフレ
キシブルなものを使用しているため、該光学素子は薄膜
状のフレキシブルなものであった。また、該光学素子
は、駆動部として織物を使用しているため、偏光性が高
い、すりガラスのように見えるなど表示材料、特に看
板、垂れ幕などに用いることに適しており、感性が高い
ことがわかった。
【0065】
【発明の効果】本発明は上述のごとく、静電気的な引力
と反発力を利用した新しいタイプの静電駆動装置、およ
びそれを利用した縦型で使用することに適した光学素子
と、該光学素子を配列した透過型あるいは反射型の縦型
で使用することに適した表示板が得られる。
【0066】本発明で得られる静電駆動装置、光学素子
および表示板は、次に示すような特徴をもつ。
【0067】(1) 駆動部を収納枠体に収納するた
め、縦型で使用しても、特別な支持装置を必要とせず、
重力による駆動部の落下を防止することができる。
【0068】(2) 構成材料をすべてシート状のもの
にすることが可能であるため、薄膜状の静電駆動装置、
光学素子、表示板が得られる。
【0069】(3) 構成材料をすべてシート状のもの
にすることが可能であるため、フレキシブルな静電駆動
装置、光学素子、表示板が得られる。
【0070】(4) 構成が単純であるため、製造が容
易である。
【0071】(5) 構造が単純であるため、安価なコ
ストで製造することが可能である。
【0072】また、本発明で得られる光学素子および表
示板は、次に示すような特徴をもつ。
【0073】(1) 簡単な装置によりシート状物が駆
動し、光学的な効果を発生するため、外観上意外性、驚
きを与え、光学素子、表示板物として高い効果をもつ。
【0074】(2) 駆動部として繊維集合体を使用す
れば、繊維の配向度は大きいので、偏光性の繊維を用い
た場合、高い偏光性が得られ、コントラストの効いた光
学素子、表示板が得られる。
【0075】(3) 駆動部として繊維集合体を使用す
れば、繊維により光の散乱が起こるため、光学素子、表
示板があたかも、すりガラスのように見えるなどの効果
が得られ、眩しさ激減し、目に優しいなど光学素子、表
示板としての感性が高い。
【0076】(4) 光のオン・オフ速度もしくは色、
明度、彩度の変化速度は遅いが、電圧印加に対して記憶
性をもつ。
【0077】また、本発明で得られる表示板は、画素と
して本発明の光学素子を用いているため、上述の光学素
子の特徴をすべて有しており、さらに、次に示すような
特徴をも合わせもつ。
【0078】(1) 透過型および反射型の表示板が得
られる。
【0079】(2) 単色およびカラーの表示板が得ら
れる。
【0080】(3) 電圧印加を遮断しても表示内容を
保持できる。
【0081】(4) 光学素子の構造が単純であること
から、安価な製造コストで表示板の大型化が可能であ
る。
【0082】(5) 収納枠体を光学素子に共通なもの
を使用すれば、該光学素子を配列する作業が大幅に単純
化され、表示板を製造する上で、非常に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の静電駆動装置の一例を示す組立図。
【図2】 本発明の静電駆動装置の一例を示す側面断面
図。
【図3】 本発明の光学素子の一例を示す側面断面図。
【図4】 本発明の表示板の一例を示す図。
【符号の説明】
1: 駆動部 2: 収納枠体 3: 固定部 4: 並列状の帯状電極 5: 放射状の帯状電極 6: 絶縁ペースト 7: 繊維集合体 8: スペーサー 9: 偏光板 10: 表示板 11: 光学素子 12: 大型収納枠体 13: 画像制御部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状物からなる駆動部と、複数の帯
    状電極と絶縁体とからなる固定部とで構成される静電駆
    動装置において、該駆動部を収納枠体に収納したことを
    特徴とする静電駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の静電駆動装置において、
    複数の帯状電極と絶縁体とからなる固定部を、駆動部の
    両面に配置したことを特徴とする静電駆動装置。
  3. 【請求項3】 2枚のシート状物と、該シート状物の少
    なくとも1枚を駆動する駆動手段とから構成される光学
    素子において、該駆動手段として、請求項1および2記
    載の静電駆動装置を用いたことを特徴とする光学素子。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の光学素子において、2枚
    のシート状物として偏光性を有するシート状物を用いた
    ことを特徴とする光学素子。
  5. 【請求項5】 請求項3および4記載の光学素子におい
    て、駆動手段により駆動するシート状物が、繊維集合体
    であることを特徴とする光学素子。
  6. 【請求項6】 請求項3、4および5記載の光学素子を
    複数配列してなることを特徴とする表示板。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の表示板において、該光学
    素子を構成する2枚のシート状物のうち、駆動手段によ
    り駆動する第一のシート状物に比べて、第二のシート状
    物が大型であり、第二のシート状物が複数の第一のシー
    ト状物に共通した状態になっていることを特徴とする表
    示板。
  8. 【請求項8】 請求項6および7記載の表示板におい
    て、収納枠体が、該光学素子を構成する駆動部の複数に
    共通した状態になっていることを特徴とする表示板。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009086687A (ja) * 1997-08-28 2009-04-23 E Ink Corp 電気泳動ディスプレイのための新規のアドレッシング方式

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