JPH08299A - 標的核酸に対する相補鎖核酸のハイブリダイゼーションの促進法及びこれを用いた核酸の検出法 - Google Patents
標的核酸に対する相補鎖核酸のハイブリダイゼーションの促進法及びこれを用いた核酸の検出法Info
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- JPH08299A JPH08299A JP13618994A JP13618994A JPH08299A JP H08299 A JPH08299 A JP H08299A JP 13618994 A JP13618994 A JP 13618994A JP 13618994 A JP13618994 A JP 13618994A JP H08299 A JPH08299 A JP H08299A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 標的核酸に相補的な配列を持つ第2プローブ
をハイブリダイズさせる工程において、該第2プローブ
の3’側に隣接する配列を持ち、かつ標的核酸と単独で
安定な2本鎖を形成することが可能な塩基数を備えた第
1プローブ及び/又は該第2プローブの5’側に隣接す
る配列を持ち、かつ標的核酸と単独で安定な2本鎖を形
成することが可能な塩基数を備えた第1プローブととも
にハイブリダイズさせることを特徴とする第2プローブ
のハイブリダイズ促進法、これを用いた核酸の検出法、
並びに該検出法に用いる試薬。 【効果】 ハイブリダイズしにくい小さなサイズのオリ
ゴヌクレオチドもハイブリダイズできる。プローブ法の
迅速化、高感度化が可能になり、またコンタミネーショ
ンの影響を受けにくくなる。
をハイブリダイズさせる工程において、該第2プローブ
の3’側に隣接する配列を持ち、かつ標的核酸と単独で
安定な2本鎖を形成することが可能な塩基数を備えた第
1プローブ及び/又は該第2プローブの5’側に隣接す
る配列を持ち、かつ標的核酸と単独で安定な2本鎖を形
成することが可能な塩基数を備えた第1プローブととも
にハイブリダイズさせることを特徴とする第2プローブ
のハイブリダイズ促進法、これを用いた核酸の検出法、
並びに該検出法に用いる試薬。 【効果】 ハイブリダイズしにくい小さなサイズのオリ
ゴヌクレオチドもハイブリダイズできる。プローブ法の
迅速化、高感度化が可能になり、またコンタミネーショ
ンの影響を受けにくくなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料中に存在する特定
の塩基配列を含む核酸(以下「標的核酸」という。)に
対する相補鎖核酸のハイブリダイゼーションの促進法及
びこれを用いた核酸の検出法に関する。
の塩基配列を含む核酸(以下「標的核酸」という。)に
対する相補鎖核酸のハイブリダイゼーションの促進法及
びこれを用いた核酸の検出法に関する。
【0002】
【従来の技術】核酸塩基配列の相補性に基づくプローブ
法は、遺伝的な特徴を直接的に分析することができるた
め、遺伝的疾患、癌化、微生物の識別等に有力な手段と
なっている。このプローブ法は核酸同士の水素結合によ
る2本鎖形成(ハイブリダイゼーション)能を利用した
技術である。即ち、DNA分子は塩基間の水素結合で結
ばれた二重らせん構造を有するが、これを水溶液中で加
熱していくと、ある温度で塩基間水素結合が切れて1本
ずつのポリヌクレオチド鎖に分かれる。この現象を変性
と呼び、また変性の開始温度と終了温度の中間点を融解
温度(Tm=MeltingTemperature )と呼んでいる。こ
のTmは2本鎖間の水素結合に依存するので、2本鎖部
分のサイズ及びG(グアニン)−C(シトシン)含量に
依存する。また、溶媒の媒質にも依存し、塩濃度が高い
とTmが高くなる傾向がある。この変性したDNA溶液
の温度をゆっくり下げてTmより少し低めの温度に保つ
と、一本鎖のDNAは再結合して二重らせん構造を形成
する。この過程をアニーリング又はハイブリダイゼーシ
ョンという。DNAプローブ法はこの核酸のアニーリン
グ/ハイブリダイゼーションを利用したものである。即
ち、検体中に目的の遺伝子が存在するか否かを見るため
に、検体より抽出した核酸(DNA又はRNA)と標識
したプローブDNAとを混合し、特異的にハイブリダイ
ズした標識体の量を測定することにより目的の遺伝子を
検出することが行われている。
法は、遺伝的な特徴を直接的に分析することができるた
め、遺伝的疾患、癌化、微生物の識別等に有力な手段と
なっている。このプローブ法は核酸同士の水素結合によ
る2本鎖形成(ハイブリダイゼーション)能を利用した
技術である。即ち、DNA分子は塩基間の水素結合で結
ばれた二重らせん構造を有するが、これを水溶液中で加
熱していくと、ある温度で塩基間水素結合が切れて1本
ずつのポリヌクレオチド鎖に分かれる。この現象を変性
と呼び、また変性の開始温度と終了温度の中間点を融解
温度(Tm=MeltingTemperature )と呼んでいる。こ
のTmは2本鎖間の水素結合に依存するので、2本鎖部
分のサイズ及びG(グアニン)−C(シトシン)含量に
依存する。また、溶媒の媒質にも依存し、塩濃度が高い
とTmが高くなる傾向がある。この変性したDNA溶液
の温度をゆっくり下げてTmより少し低めの温度に保つ
と、一本鎖のDNAは再結合して二重らせん構造を形成
する。この過程をアニーリング又はハイブリダイゼーシ
ョンという。DNAプローブ法はこの核酸のアニーリン
グ/ハイブリダイゼーションを利用したものである。即
ち、検体中に目的の遺伝子が存在するか否かを見るため
に、検体より抽出した核酸(DNA又はRNA)と標識
したプローブDNAとを混合し、特異的にハイブリダイ
ズした標識体の量を測定することにより目的の遺伝子を
検出することが行われている。
【0003】DNA等の核酸の検出技術において、現状
では次のような課題が指摘されている。即ち、第1にハ
イブリダイゼーション効率とバックグランドの問題であ
る。このオリゴヌクレオチドと標的DNAとのハイブリ
ダイゼーションを利用した技術は、プローブ法に留まら
ず核酸同士の分子認識を利用した非常に広い領域で利用
される基本技術となっている。しかし、ハイブリダイゼ
ーション反応には、温度を上げて2本鎖を変性させる操
作とそれに続いて温度を除々に下げてアニーリングさせ
る操作が必要であるため温度調節操作が必要で、精度を
高くするには高度の技術と設備が要求される。
では次のような課題が指摘されている。即ち、第1にハ
イブリダイゼーション効率とバックグランドの問題であ
る。このオリゴヌクレオチドと標的DNAとのハイブリ
ダイゼーションを利用した技術は、プローブ法に留まら
ず核酸同士の分子認識を利用した非常に広い領域で利用
される基本技術となっている。しかし、ハイブリダイゼ
ーション反応には、温度を上げて2本鎖を変性させる操
作とそれに続いて温度を除々に下げてアニーリングさせ
る操作が必要であるため温度調節操作が必要で、精度を
高くするには高度の技術と設備が要求される。
【0004】短いオリゴヌクレオチドを用いた場合は変
性に際してのTmを低くでき、更にホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド等の変性剤を添加することにより低い
温度でのハイブリダイゼーションが可能となる。しか
し、室温でのハイブリダイズは核酸同士の結合速度が遅
いため時間がかかること、非特異的なハイブリダイズが
起こり易くなる等の問題点がある。
性に際してのTmを低くでき、更にホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド等の変性剤を添加することにより低い
温度でのハイブリダイゼーションが可能となる。しか
し、室温でのハイブリダイズは核酸同士の結合速度が遅
いため時間がかかること、非特異的なハイブリダイズが
起こり易くなる等の問題点がある。
【0005】ハイブリダイゼーションを用いた方法で
は、一般にプローブ核酸を標的核酸に比べて大過剰量使
用する。そのため、プローブの分子内又は分子間の非特
異的なハイブリダイズが起こり易くなりバックグランド
が高くなる要素となっていた。これを解決する方法の一
つにプローブのサイズを短くすることが挙げられる。し
かし、サイズを短くすることによりハイブリダイゼーシ
ョンそのものの効率も低下するという問題点があった。
は、一般にプローブ核酸を標的核酸に比べて大過剰量使
用する。そのため、プローブの分子内又は分子間の非特
異的なハイブリダイズが起こり易くなりバックグランド
が高くなる要素となっていた。これを解決する方法の一
つにプローブのサイズを短くすることが挙げられる。し
かし、サイズを短くすることによりハイブリダイゼーシ
ョンそのものの効率も低下するという問題点があった。
【0006】第2に、遺伝子量の増幅技術に関する課題
がある。プローブDNAを用いた遺伝子診断法は遺伝的
疾患や感染症の診断に非常に有効な技術であるが、検体
中に目的の遺伝子量が少ない場合は、検出は容易ではな
かった。これを克服するため、標的遺伝子そのもの又は
検出シグナルを増幅する技術が開発されている。そのよ
うな標的遺伝子を増幅する方法の一つにPCR(Polyme
rase Chain Reaction )法が知られている。PCR法は
DNA鎖の特定部位のみを繰り返し複製する反応であ
り、複製連鎖反応ともいわれるものである。複製反応の
プライマーとしては増幅部両端の塩基配列を含む合成オ
リゴヌクレオチドを用いる。反応は1)DNA鎖の変
性、2)オリゴヌクレオチドとのアニーリング、3)耐
熱性のDNAポリメラーゼによる相補鎖合成、の3反応
の繰り返し(通常20〜30回)からなる。この結果、
微量のDNAを106 倍程度にまで増幅できるものであ
る。
がある。プローブDNAを用いた遺伝子診断法は遺伝的
疾患や感染症の診断に非常に有効な技術であるが、検体
中に目的の遺伝子量が少ない場合は、検出は容易ではな
かった。これを克服するため、標的遺伝子そのもの又は
検出シグナルを増幅する技術が開発されている。そのよ
うな標的遺伝子を増幅する方法の一つにPCR(Polyme
rase Chain Reaction )法が知られている。PCR法は
DNA鎖の特定部位のみを繰り返し複製する反応であ
り、複製連鎖反応ともいわれるものである。複製反応の
プライマーとしては増幅部両端の塩基配列を含む合成オ
リゴヌクレオチドを用いる。反応は1)DNA鎖の変
性、2)オリゴヌクレオチドとのアニーリング、3)耐
熱性のDNAポリメラーゼによる相補鎖合成、の3反応
の繰り返し(通常20〜30回)からなる。この結果、
微量のDNAを106 倍程度にまで増幅できるものであ
る。
【0007】このPCR法はin vitroにおける核酸の増
幅技術として最も一般的な方法であるが、反応に特別な
温度調節装置が必要なこと、増幅反応が対数的に進むこ
とから定量性がないこと、増幅した産物によるコンタミ
ネーションが起こり易いこと等の問題点がある。コンタ
ミネーションとは以前の反応で生じた増幅産物が次の反
応液に誤って混入することをいい、PCR法のようにD
NAを数百万倍にまで増幅させる反応では混入した微量
DNAも同様に増幅されるため誤った結果を与える。こ
れは特に多数の検体を同時に扱う場合には重大な問題と
なる。このコンタミネーションを防ぐため特別な密封容
器内で反応させること(特開平6−27119号公報)
や、DNA合成基質としてデオキシウラシル三リン酸を
用いたPCR反応の産物をウラシルグリコシラーゼ処理
する方法(特表平6−501612号公報)も考案され
ている。しかし、これらの方法も必ずしも有効とはいえ
ない場合が多い。
幅技術として最も一般的な方法であるが、反応に特別な
温度調節装置が必要なこと、増幅反応が対数的に進むこ
とから定量性がないこと、増幅した産物によるコンタミ
ネーションが起こり易いこと等の問題点がある。コンタ
ミネーションとは以前の反応で生じた増幅産物が次の反
応液に誤って混入することをいい、PCR法のようにD
NAを数百万倍にまで増幅させる反応では混入した微量
DNAも同様に増幅されるため誤った結果を与える。こ
れは特に多数の検体を同時に扱う場合には重大な問題と
なる。このコンタミネーションを防ぐため特別な密封容
器内で反応させること(特開平6−27119号公報)
や、DNA合成基質としてデオキシウラシル三リン酸を
用いたPCR反応の産物をウラシルグリコシラーゼ処理
する方法(特表平6−501612号公報)も考案され
ている。しかし、これらの方法も必ずしも有効とはいえ
ない場合が多い。
【0008】第3に、検出信号の増幅技術においても課
題が残されている。前述したようにPCR法を代表とし
た標的遺伝子を増幅する反応ではコンタミネーションの
問題がつきまとうが、この問題がない検出シグナルを増
幅する技術もある。本発明者らは、ハイブリダイズした
プローブDNAのみを分解し、かつ塩基配列によって限
定されないエクソヌクレアーゼIII を利用したシグナル
増幅法について検討を行ってきた。この方法は、オリゴ
ヌクレオチドプローブが相補的な配列とハイブリダイズ
して形成された2本鎖DNAにエクソヌクレアーゼIII
を作用させ、プローブDNAが2本鎖を維持できない程
度まで分解されると新たなプローブDNAと置き替わ
り、続いてこの新たなプローブも分解されることにより
サイクリング反応が起こるというものである。
題が残されている。前述したようにPCR法を代表とし
た標的遺伝子を増幅する反応ではコンタミネーションの
問題がつきまとうが、この問題がない検出シグナルを増
幅する技術もある。本発明者らは、ハイブリダイズした
プローブDNAのみを分解し、かつ塩基配列によって限
定されないエクソヌクレアーゼIII を利用したシグナル
増幅法について検討を行ってきた。この方法は、オリゴ
ヌクレオチドプローブが相補的な配列とハイブリダイズ
して形成された2本鎖DNAにエクソヌクレアーゼIII
を作用させ、プローブDNAが2本鎖を維持できない程
度まで分解されると新たなプローブDNAと置き替わ
り、続いてこの新たなプローブも分解されることにより
サイクリング反応が起こるというものである。
【0009】しかし、サイクル反応を行うためにはプロ
ーブを標的核酸に繰り返しハイブリダイズさせることが
必要であるが、これが反応全体の律速となるためサイク
ル数が必ずしも十分に起こらないという問題点があっ
た。本発明者らは、このハイブリダイズを繰り返し反応
の条件について研究を進め、ジメチルスルホキシド、エ
チレングリコール又はプロピレングリコールの存在下で
この繰り返し反応の効率が上がることを見出し、既に特
許出願を行った(特願平5−142745号)。
ーブを標的核酸に繰り返しハイブリダイズさせることが
必要であるが、これが反応全体の律速となるためサイク
ル数が必ずしも十分に起こらないという問題点があっ
た。本発明者らは、このハイブリダイズを繰り返し反応
の条件について研究を進め、ジメチルスルホキシド、エ
チレングリコール又はプロピレングリコールの存在下で
この繰り返し反応の効率が上がることを見出し、既に特
許出願を行った(特願平5−142745号)。
【0010】これ以外にも、プローブの分解と新たなプ
ローブが標的部位に結合する反応を繰り返し起こさせる
ことを利用したシグナル増幅法がいくつか開発されてい
る。例えば、2本鎖DNAを特異的に切断する酵素にλ
エクソヌクレアーゼを用いたサイクリングアッセイ法が
ある(BioTechniques, Vol.13, No.6, 882-892 (1992)
)。しかしこの方法では、λエクソヌクレアーゼが基
質として5’末端がリン酸化されたプローブDNAを要
求するので、プローブDNAの5’末端をリン酸化して
おく必要がある。
ローブが標的部位に結合する反応を繰り返し起こさせる
ことを利用したシグナル増幅法がいくつか開発されてい
る。例えば、2本鎖DNAを特異的に切断する酵素にλ
エクソヌクレアーゼを用いたサイクリングアッセイ法が
ある(BioTechniques, Vol.13, No.6, 882-892 (1992)
)。しかしこの方法では、λエクソヌクレアーゼが基
質として5’末端がリン酸化されたプローブDNAを要
求するので、プローブDNAの5’末端をリン酸化して
おく必要がある。
【0011】また、プローブとしてRNAを利用し、D
NA−RNAハイブリッドのRNAのみを切断するリボ
ヌクレアーゼHを利用した方法も開発されている(BioT
echniques, Vol.9, No.2, 142-147 (1990))。しかし、
RNAは分解されやすくプローブを作製することが難し
い等の難点がある。ハイブリダイズしたプローブDNA
を制限酵素処理し、切断されたプローブ断片を検出する
方法も開発されている(EP−0455517/A
1)。しかし、プローブDNA以外に反応が繰り返し起
こるようにするための特異的な配列を持つ第二のオリゴ
ヌクレオチドを共存させる必要がある、検出する部位に
制限酵素切断部位が必要であるために検出部位が制限さ
れる等の欠点がある。
NA−RNAハイブリッドのRNAのみを切断するリボ
ヌクレアーゼHを利用した方法も開発されている(BioT
echniques, Vol.9, No.2, 142-147 (1990))。しかし、
RNAは分解されやすくプローブを作製することが難し
い等の難点がある。ハイブリダイズしたプローブDNA
を制限酵素処理し、切断されたプローブ断片を検出する
方法も開発されている(EP−0455517/A
1)。しかし、プローブDNA以外に反応が繰り返し起
こるようにするための特異的な配列を持つ第二のオリゴ
ヌクレオチドを共存させる必要がある、検出する部位に
制限酵素切断部位が必要であるために検出部位が制限さ
れる等の欠点がある。
【0012】これらのシグナルを増幅する方法は、コン
タミネーションの問題がなく、定量性もあり、特別な装
置を必要としない等の利点があるので標的遺伝子の検出
手段として有用な系となると期待できる。しかし、サイ
クル反応を行うためにはプローブを標的核酸に繰り返し
ハイブリダイズさせることが必要であるが、これが反応
全体の律速となっており高感度化の妨げとなっていた。
タミネーションの問題がなく、定量性もあり、特別な装
置を必要としない等の利点があるので標的遺伝子の検出
手段として有用な系となると期待できる。しかし、サイ
クル反応を行うためにはプローブを標的核酸に繰り返し
ハイブリダイズさせることが必要であるが、これが反応
全体の律速となっており高感度化の妨げとなっていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたようにプロ
ーブ法及び核酸増幅法はすべて標的核酸とプローブ又は
プライマーと呼ばれるオリゴヌクレオチドのハイブリダ
イゼーションが基本となっている。従って、特異的かつ
高感度なプローブ法を開発するには、非特異的な反応を
防ぎながら高頻度でハイブリダイズさせることが必要で
ある。特に酵素を用いてシグナルを増幅する方法では、
酵素が高度な耐熱性を備えていない限り特定の温度条件
のもとでプローブを標的核酸に高頻度でハイブリダイズ
させることが必要である。高温では反応に関与する酵素
の活性を維持できないためである。
ーブ法及び核酸増幅法はすべて標的核酸とプローブ又は
プライマーと呼ばれるオリゴヌクレオチドのハイブリダ
イゼーションが基本となっている。従って、特異的かつ
高感度なプローブ法を開発するには、非特異的な反応を
防ぎながら高頻度でハイブリダイズさせることが必要で
ある。特に酵素を用いてシグナルを増幅する方法では、
酵素が高度な耐熱性を備えていない限り特定の温度条件
のもとでプローブを標的核酸に高頻度でハイブリダイズ
させることが必要である。高温では反応に関与する酵素
の活性を維持できないためである。
【0014】本発明の第1の目的は、標的核酸に対する
相補鎖核酸のハイブリダイゼーションを促進する方法を
提供することにあり、本発明の第2の目的は、前記促進
法を利用することによりプローブ法の迅速化、高感度化
を可能にした核酸の検出法を提供することにある。
相補鎖核酸のハイブリダイゼーションを促進する方法を
提供することにあり、本発明の第2の目的は、前記促進
法を利用することによりプローブ法の迅速化、高感度化
を可能にした核酸の検出法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】2つのオリゴヌクレオチ
ドが隣り合わせてギャップやミスマッチを作らずに当該
ヌクレオチドの相補鎖核酸とハイブリダイズしている場
合には、それぞれが形成するハイブリッドは相互に安定
化されて変性しにくくなることが報告されている(CS
H(Continuous Stacking Hybridization) : FEBS LETT
ERS, Vol.256,118-122 (1989), ; Proc. Natl. Acad. S
ci. USA, Vol.91, 3072-3076 (1994))。
ドが隣り合わせてギャップやミスマッチを作らずに当該
ヌクレオチドの相補鎖核酸とハイブリダイズしている場
合には、それぞれが形成するハイブリッドは相互に安定
化されて変性しにくくなることが報告されている(CS
H(Continuous Stacking Hybridization) : FEBS LETT
ERS, Vol.256,118-122 (1989), ; Proc. Natl. Acad. S
ci. USA, Vol.91, 3072-3076 (1994))。
【0016】一方、本発明者らは、標的核酸上で互いに
隣接した位置にハイブリダイズするように設定された2
つのオリゴヌクレオチドを用いてハイブリダイゼーショ
ンを行う場合、両者が隣接していない場合と比べてハイ
ブリダイゼーション効率が向上することを見出した。
隣接した位置にハイブリダイズするように設定された2
つのオリゴヌクレオチドを用いてハイブリダイゼーショ
ンを行う場合、両者が隣接していない場合と比べてハイ
ブリダイゼーション効率が向上することを見出した。
【0017】更に本発明者らは、この現象に着目し酵素
反応を利用したシグナル増幅法への応用についても検討
を行った。即ち、本発明は以下の発明を包含する。 (1)標的核酸に相補的な配列を持つ第2プローブをハ
イブリダイズさせる工程において、該第2プローブの
3’側に隣接する配列を持ち、かつ標的核酸と単独で安
定な2本鎖を形成することが可能な塩基数を備えた第1
プローブ及び/又は該第2プローブの5’側に隣接する
配列を持ち、かつ標的核酸と単独で安定な2本鎖を形成
することが可能な塩基数を備えた第1プローブとともに
ハイブリダイズさせることを特徴とする第2プローブの
ハイブリダイズ促進法。 (2)第1プローブとして標的核酸中において離れた位
置に存在する2つの配列に相当する配列を備えた2種の
オリゴヌクレオチドを用い、第2プローブとして前記2
種の第1プローブの間に位置し、かつ該第2プローブの
末端がそれぞれの第1プローブの末端に隣接する配列を
備えたオリゴヌクレオチドを用いることを特徴とする前
記(1)に記載の促進法。 (3)第2プローブが、単独では標的核酸と安定なハイ
ブリダイズを形成できないものであることを特徴とする
前記(1)に記載の促進法。 (4)第1プローブの塩基数が、10以上である前記
(1)に記載の促進法。 (5)以下の工程: (A)検出対象の標的核酸と単独で安定な2本鎖を形成
することが可能な塩基数を備えた第1プローブをハイブ
リダイズさせて2本鎖核酸を形成させる工程、(B)工
程(A)で形成される2本鎖核酸の2本鎖領域の3’側
及び/又は5’側に隣接するように、該標的核酸に相補
的な配列を持つ第2プローブをハイブリダイズさせて2
本鎖核酸を形成させる工程、及び(C)工程(B)でハ
イブリダイズしたプローブを検出する工程を含むことを
特徴とする核酸の検出法。 (6)第1プローブとして標的核酸中において離れた位
置に存在する2つの配列に相当する配列を備えた2種の
オリゴヌクレオチドを用い、第2プローブとして前記2
種の第1プローブの間に位置し、かつ該第2プローブの
末端がそれぞれの第1プローブの末端に隣接する配列を
備えたオリゴヌクレオチドを用いることを特徴とする前
記(5)に記載の検出法。 (7)第2プローブが、単独では標的核酸と安定なハイ
ブリダイズを形成できないものであることを特徴とする
前記(5)に記載の記載の検出法。 (8)標的核酸を含む検体と第1プローブ及び第2プロ
ーブとを混合して、工程(A)と工程(B)を並行して
行うことを特徴とする前記(5)に記載の検出法。 (9)標的核酸を含む検体と第1プローブを混合して工
程(A)を行った後、工程(B)を一定温度で行うこと
を特徴とする前記(5)に記載の検出法。 (10)工程(B)で形成された2本鎖核酸を特異的に認
識し分解する酵素を作用させて第2プローブを分解させ
る工程(B’)を行い、工程(B)及び工程(B’)を
繰り返すことによって蓄積されるプローブ核酸の分解産
物を検出することを特徴とする前記(9)に記載の検出
法。 (11)第1プローブが工程(B’)で使用する分解酵素
に耐性であることを特徴とする前記(10)に記載の検出
法。 (12)工程(B’)で使用する酵素が2本鎖核酸に特異
的でDNAの3’末端から分解するエクソヌクレアーゼ
III であることを特徴とする前記(10)に記載の検出
法。 (13)第1プローブの5’末端と第2プローブの3’末
端が隣合う配列からなる前記(12)に記載の検出法。 (14)第2プローブの5’末端がリン酸化されており、
工程(B’)で使用する酵素が2本鎖核酸に特異的でD
NAの5’末端から分解するλエクソヌクレアーゼであ
ることを特徴とする前記(10)に記載の検出法。 (15)第1プローブの3’末端と第2プローブの5’末
端が隣合う配列からなる前記(14)に記載の検出法。 (16)標的核酸がDNAであり、工程(B)で使用する
第2プローブがRNA又はRNAを一部に含むものであ
り、工程(B’)で使用する酵素がDNA−RNAハイ
ブリッドのRNA部分を特異的に分解するリボヌクレア
ーゼHであることを特徴とする前記(10)に記載の検出
法。 (17)工程(B)で形成された2本鎖核酸に核酸合成酵
素を作用させて第2プローブを延長させる工程(B”)
を行い、この産物を検出することを特徴とする前記
(8)又は(9)に記載の検出法。 (18)標的核酸がDNAであり、工程(B”)で使用す
る酵素がDNAポリメラーゼであることを特徴とする前
記(17)に記載の検出法。 (19)標的核酸がRNAであり、工程(B”)で使用す
る酵素が逆転写酵素であることを特徴とする前記(17)
に記載の検出法。 (20)第1プローブが工程(B”)で使用する合成酵素
のヌクレアーゼ活性に耐性であることを特徴とする前記
(17)に記載の検出法。 (21)第1プローブが工程(B”)で使用する合成酵素
のプライマーにはならないことを特徴とする前記(17)
に記載の検出法。 (22)第1プローブ及び第2プローブを予想される標的
核酸の量に対して等量以上用いることを特徴とする前記
(5)に記載の検出法。 (23)第2プローブを予想される標的核酸の量に対して
大過剰量用いることを特徴とする前記(22)に記載の検
出法。 (24)第2プローブが放射性同位元素、蛍光物質、発光
物質、ビオチン、酵素又はハプテンで標識されているこ
とを特徴とする前記(5)に記載の検出法。 (25)標的核酸に相補的な配列を持つ第2プローブ、並
びに、該第2プローブの3’側に隣接する配列を持ち、
かつ標的核酸と単独で安定な2本鎖を形成することが可
能な塩基数を備えた第1プローブ及び/又は該第2プロ
ーブの5’側に隣接する配列を持ち、かつ標的核酸と単
独で安定な2本鎖を形成することが可能な塩基数を備え
た第1プローブを含むことを特徴とする核酸検出用試
薬。 (26)以下の成分: (i) 標的核酸に相補的な配列を持つ第2プローブ、(i
i) 該第2プローブの3’側に隣接する配列を持ち、か
つ標的核酸と単独で安定な2本鎖を形成することが可能
な塩基数を備えた第1プローブ及び/又は該第2プロー
ブの5’側に隣接する配列を持ち、かつ標的核酸と単独
で安定な2本鎖を形成することが可能な塩基数を備えた
第1プローブ、並びに、(iii) 標的核酸とハイブリダイ
ズした該第2プローブを特異的に認識し分解する酵素又
は標的核酸とハイブリダイズした該第2プローブを特異
的に認識し延長させる核酸合成酵素を含むことを特徴と
する核酸検出用試薬。
反応を利用したシグナル増幅法への応用についても検討
を行った。即ち、本発明は以下の発明を包含する。 (1)標的核酸に相補的な配列を持つ第2プローブをハ
イブリダイズさせる工程において、該第2プローブの
3’側に隣接する配列を持ち、かつ標的核酸と単独で安
定な2本鎖を形成することが可能な塩基数を備えた第1
プローブ及び/又は該第2プローブの5’側に隣接する
配列を持ち、かつ標的核酸と単独で安定な2本鎖を形成
することが可能な塩基数を備えた第1プローブとともに
ハイブリダイズさせることを特徴とする第2プローブの
ハイブリダイズ促進法。 (2)第1プローブとして標的核酸中において離れた位
置に存在する2つの配列に相当する配列を備えた2種の
オリゴヌクレオチドを用い、第2プローブとして前記2
種の第1プローブの間に位置し、かつ該第2プローブの
末端がそれぞれの第1プローブの末端に隣接する配列を
備えたオリゴヌクレオチドを用いることを特徴とする前
記(1)に記載の促進法。 (3)第2プローブが、単独では標的核酸と安定なハイ
ブリダイズを形成できないものであることを特徴とする
前記(1)に記載の促進法。 (4)第1プローブの塩基数が、10以上である前記
(1)に記載の促進法。 (5)以下の工程: (A)検出対象の標的核酸と単独で安定な2本鎖を形成
することが可能な塩基数を備えた第1プローブをハイブ
リダイズさせて2本鎖核酸を形成させる工程、(B)工
程(A)で形成される2本鎖核酸の2本鎖領域の3’側
及び/又は5’側に隣接するように、該標的核酸に相補
的な配列を持つ第2プローブをハイブリダイズさせて2
本鎖核酸を形成させる工程、及び(C)工程(B)でハ
イブリダイズしたプローブを検出する工程を含むことを
特徴とする核酸の検出法。 (6)第1プローブとして標的核酸中において離れた位
置に存在する2つの配列に相当する配列を備えた2種の
オリゴヌクレオチドを用い、第2プローブとして前記2
種の第1プローブの間に位置し、かつ該第2プローブの
末端がそれぞれの第1プローブの末端に隣接する配列を
備えたオリゴヌクレオチドを用いることを特徴とする前
記(5)に記載の検出法。 (7)第2プローブが、単独では標的核酸と安定なハイ
ブリダイズを形成できないものであることを特徴とする
前記(5)に記載の記載の検出法。 (8)標的核酸を含む検体と第1プローブ及び第2プロ
ーブとを混合して、工程(A)と工程(B)を並行して
行うことを特徴とする前記(5)に記載の検出法。 (9)標的核酸を含む検体と第1プローブを混合して工
程(A)を行った後、工程(B)を一定温度で行うこと
を特徴とする前記(5)に記載の検出法。 (10)工程(B)で形成された2本鎖核酸を特異的に認
識し分解する酵素を作用させて第2プローブを分解させ
る工程(B’)を行い、工程(B)及び工程(B’)を
繰り返すことによって蓄積されるプローブ核酸の分解産
物を検出することを特徴とする前記(9)に記載の検出
法。 (11)第1プローブが工程(B’)で使用する分解酵素
に耐性であることを特徴とする前記(10)に記載の検出
法。 (12)工程(B’)で使用する酵素が2本鎖核酸に特異
的でDNAの3’末端から分解するエクソヌクレアーゼ
III であることを特徴とする前記(10)に記載の検出
法。 (13)第1プローブの5’末端と第2プローブの3’末
端が隣合う配列からなる前記(12)に記載の検出法。 (14)第2プローブの5’末端がリン酸化されており、
工程(B’)で使用する酵素が2本鎖核酸に特異的でD
NAの5’末端から分解するλエクソヌクレアーゼであ
ることを特徴とする前記(10)に記載の検出法。 (15)第1プローブの3’末端と第2プローブの5’末
端が隣合う配列からなる前記(14)に記載の検出法。 (16)標的核酸がDNAであり、工程(B)で使用する
第2プローブがRNA又はRNAを一部に含むものであ
り、工程(B’)で使用する酵素がDNA−RNAハイ
ブリッドのRNA部分を特異的に分解するリボヌクレア
ーゼHであることを特徴とする前記(10)に記載の検出
法。 (17)工程(B)で形成された2本鎖核酸に核酸合成酵
素を作用させて第2プローブを延長させる工程(B”)
を行い、この産物を検出することを特徴とする前記
(8)又は(9)に記載の検出法。 (18)標的核酸がDNAであり、工程(B”)で使用す
る酵素がDNAポリメラーゼであることを特徴とする前
記(17)に記載の検出法。 (19)標的核酸がRNAであり、工程(B”)で使用す
る酵素が逆転写酵素であることを特徴とする前記(17)
に記載の検出法。 (20)第1プローブが工程(B”)で使用する合成酵素
のヌクレアーゼ活性に耐性であることを特徴とする前記
(17)に記載の検出法。 (21)第1プローブが工程(B”)で使用する合成酵素
のプライマーにはならないことを特徴とする前記(17)
に記載の検出法。 (22)第1プローブ及び第2プローブを予想される標的
核酸の量に対して等量以上用いることを特徴とする前記
(5)に記載の検出法。 (23)第2プローブを予想される標的核酸の量に対して
大過剰量用いることを特徴とする前記(22)に記載の検
出法。 (24)第2プローブが放射性同位元素、蛍光物質、発光
物質、ビオチン、酵素又はハプテンで標識されているこ
とを特徴とする前記(5)に記載の検出法。 (25)標的核酸に相補的な配列を持つ第2プローブ、並
びに、該第2プローブの3’側に隣接する配列を持ち、
かつ標的核酸と単独で安定な2本鎖を形成することが可
能な塩基数を備えた第1プローブ及び/又は該第2プロ
ーブの5’側に隣接する配列を持ち、かつ標的核酸と単
独で安定な2本鎖を形成することが可能な塩基数を備え
た第1プローブを含むことを特徴とする核酸検出用試
薬。 (26)以下の成分: (i) 標的核酸に相補的な配列を持つ第2プローブ、(i
i) 該第2プローブの3’側に隣接する配列を持ち、か
つ標的核酸と単独で安定な2本鎖を形成することが可能
な塩基数を備えた第1プローブ及び/又は該第2プロー
ブの5’側に隣接する配列を持ち、かつ標的核酸と単独
で安定な2本鎖を形成することが可能な塩基数を備えた
第1プローブ、並びに、(iii) 標的核酸とハイブリダイ
ズした該第2プローブを特異的に認識し分解する酵素又
は標的核酸とハイブリダイズした該第2プローブを特異
的に認識し延長させる核酸合成酵素を含むことを特徴と
する核酸検出用試薬。
【0018】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
相補鎖核酸のハイブリダイゼーションの促進法は、互い
に相補的な配列を持つ2本の核酸をハイブリダイズさせ
る操作において広く応用することができる。特に有利な
態様としては、先に述べたリボヌクレアーゼHによるシ
グナル増幅法(BioTechniques, Vol.9, No.2, 142-147
(1990))や、特願平5−142745号のようなヌクレ
オチドの検出方法への応用を示すことができる。これら
のヌクレオチド配列の検出法においてはプローブのハイ
ブリダイズ効率が検出感度を左右するので、本発明の促
進法が感度の向上に貢献する。
相補鎖核酸のハイブリダイゼーションの促進法は、互い
に相補的な配列を持つ2本の核酸をハイブリダイズさせ
る操作において広く応用することができる。特に有利な
態様としては、先に述べたリボヌクレアーゼHによるシ
グナル増幅法(BioTechniques, Vol.9, No.2, 142-147
(1990))や、特願平5−142745号のようなヌクレ
オチドの検出方法への応用を示すことができる。これら
のヌクレオチド配列の検出法においてはプローブのハイ
ブリダイズ効率が検出感度を左右するので、本発明の促
進法が感度の向上に貢献する。
【0019】この他にも、本発明の促進法は分析対象と
なる核酸配列に特異的な配列を持つ核酸のハイブリダイ
ズによりその有無を確認する方法において利用できる。
また、ポリメラーゼを利用した鋳型配列に基づく相補配
列の合成においては、プライマーのハイブリダイズ工程
に本発明の促進法を応用することができる。これら従来
技術に本発明の促進法を応用することによって、プロー
ブやプライマーのハイブリダイズを迅速に行うことがで
きるようになる。また、本発明の促進法によれば、通常
の条件ではハイブリダイズしにくい短い配列をハイブリ
ダイズさせることが可能である。この特徴によって、例
えば互いに相同性(ホモロジー)の高い核酸配列をわず
かな配列の違いに基づいて識別することが可能となる。
構成塩基数の多い長い配列では多少の塩基配列の違いに
もかかわらず、完全に一致した場合と同じようにハイブ
リダイズしてしまう。ところが、本発明の促進法を応用
すれば、短鎖長の第2プローブを利用することができる
ためわずかな配列の相違によってハイブリダイズしない
反応系を構成することができるのである。
なる核酸配列に特異的な配列を持つ核酸のハイブリダイ
ズによりその有無を確認する方法において利用できる。
また、ポリメラーゼを利用した鋳型配列に基づく相補配
列の合成においては、プライマーのハイブリダイズ工程
に本発明の促進法を応用することができる。これら従来
技術に本発明の促進法を応用することによって、プロー
ブやプライマーのハイブリダイズを迅速に行うことがで
きるようになる。また、本発明の促進法によれば、通常
の条件ではハイブリダイズしにくい短い配列をハイブリ
ダイズさせることが可能である。この特徴によって、例
えば互いに相同性(ホモロジー)の高い核酸配列をわず
かな配列の違いに基づいて識別することが可能となる。
構成塩基数の多い長い配列では多少の塩基配列の違いに
もかかわらず、完全に一致した場合と同じようにハイブ
リダイズしてしまう。ところが、本発明の促進法を応用
すれば、短鎖長の第2プローブを利用することができる
ためわずかな配列の相違によってハイブリダイズしない
反応系を構成することができるのである。
【0020】このように本発明はヌクレオチド断片を小
さくした時に避けられなかったハイブリダイゼーション
効率の低下を効果的に抑制する技術を提供するものであ
る。本発明の対象となる標的核酸は、その塩基配列が既
知のポリヌクレオチドであり、動物、植物、細菌、酵
母、糸状菌、マイコプラズマ、リケッチア、ウイルス他
あらゆるものに由来する核酸を含む。また核酸として
は、ゲノミック核酸はもちろん、RNAウイルスやmR
NAから誘導されたcDNAを対象とすることも可能で
ある。
さくした時に避けられなかったハイブリダイゼーション
効率の低下を効果的に抑制する技術を提供するものであ
る。本発明の対象となる標的核酸は、その塩基配列が既
知のポリヌクレオチドであり、動物、植物、細菌、酵
母、糸状菌、マイコプラズマ、リケッチア、ウイルス他
あらゆるものに由来する核酸を含む。また核酸として
は、ゲノミック核酸はもちろん、RNAウイルスやmR
NAから誘導されたcDNAを対象とすることも可能で
ある。
【0021】本発明で第1、又は第2プローブとして採
用する配列は、両者がギャップのない状態で隣接してい
ること、そして少なくとも第1プローブは単独で標的核
酸と安定な2本鎖を形成することを満足すればその他の
制限はない。従って、例えば第1プローブと第2プロー
ブが、必ずしも同時に標的核酸の配列に対して特異的で
ある必要はない。両者が同時にハイブリダイズすること
によって、配列に対する特異性が得られるので、いずれ
か一方が標的配列中に特異的に存在する領域と相補的で
あればよいのである。
用する配列は、両者がギャップのない状態で隣接してい
ること、そして少なくとも第1プローブは単独で標的核
酸と安定な2本鎖を形成することを満足すればその他の
制限はない。従って、例えば第1プローブと第2プロー
ブが、必ずしも同時に標的核酸の配列に対して特異的で
ある必要はない。両者が同時にハイブリダイズすること
によって、配列に対する特異性が得られるので、いずれ
か一方が標的配列中に特異的に存在する領域と相補的で
あればよいのである。
【0022】本発明による検出法においては、第2プロ
ーブのハイブリダイズの有無を、第2プローブをプライ
マーとして利用しDNA合成の有無によって検出するこ
とが可能である。DNA合成は、合成産物を追跡する方
法の他、合成時に生成するピロリン酸を追跡することで
も検出できる。この場合は、試料中に存在するピロリン
酸が結果を見誤らせる可能性があるので予め除去してお
くのが好ましい。ピロリン酸の除去には、検出対象とな
る核酸を物理的に捕捉して分離してしまう方法や、ピロ
リン酸をピロフォスファターゼ等により予め酵素的に分
解除去する方法などが利用できる。
ーブのハイブリダイズの有無を、第2プローブをプライ
マーとして利用しDNA合成の有無によって検出するこ
とが可能である。DNA合成は、合成産物を追跡する方
法の他、合成時に生成するピロリン酸を追跡することで
も検出できる。この場合は、試料中に存在するピロリン
酸が結果を見誤らせる可能性があるので予め除去してお
くのが好ましい。ピロリン酸の除去には、検出対象とな
る核酸を物理的に捕捉して分離してしまう方法や、ピロ
リン酸をピロフォスファターゼ等により予め酵素的に分
解除去する方法などが利用できる。
【0023】従って、本発明においては増幅反応を行う
ためには可能な限り前記混入物を除去することが好まし
い。例えば、固相に結合した捕捉プローブ等を用いて標
的DNAを捕捉し、続いて洗浄により前記不純物を除去
し、その後に本発明を適用するとバックグランドのない
高感度の検出系が可能となる。このとき捕捉プローブを
5’末端又は3’末端で固相と結合しておけば(Eur.J.
Immunol., 23, 1895-1901(1993), H.Kohsaka et al.; N
ucleic Acids Research, 21, 3569-3472 (1993), H.Koh
saka et al. ) 、捕捉プローブそのものを第1プローブ
として本実験の方法を適用することも可能となる。
ためには可能な限り前記混入物を除去することが好まし
い。例えば、固相に結合した捕捉プローブ等を用いて標
的DNAを捕捉し、続いて洗浄により前記不純物を除去
し、その後に本発明を適用するとバックグランドのない
高感度の検出系が可能となる。このとき捕捉プローブを
5’末端又は3’末端で固相と結合しておけば(Eur.J.
Immunol., 23, 1895-1901(1993), H.Kohsaka et al.; N
ucleic Acids Research, 21, 3569-3472 (1993), H.Koh
saka et al. ) 、捕捉プローブそのものを第1プローブ
として本実験の方法を適用することも可能となる。
【0024】核酸合成酵素によりハイブリダイズした第
2プローブをプライマー(複製開始点)とする延長反応
(工程B" )に基づいて標的核酸を検出する場合には、
次のような条件とすることが好ましい。好ましい条件と
は、第1プローブのみがハイブリダイズした場合には核
酸合成酵素の基質となり得ないようにしておくことであ
る。最も簡単な方法は、第1プローブの末端付近を意図
的に標的配列に対して相補性を持たせず、当該末端部分
では2本鎖を形成しないようにしておくことである。
3’末端が2本鎖となっていなければ、核酸合成酵素は
3’末端の水酸基(−OH基)にデオキシリボヌクレオ
チド一リン酸を付加することができない。この原理を利
用する場合は、第2プローブを第1プローブの5’側に
ハイブリダイズするよう設定する(即ち、第2プローブ
の3’末端と第1プローブの5’末端が隣接する)とよ
い。この時、第1プローブの第2プローブと隣接する側
(5’末端)は2本鎖となるようにしておく必要があ
る。
2プローブをプライマー(複製開始点)とする延長反応
(工程B" )に基づいて標的核酸を検出する場合には、
次のような条件とすることが好ましい。好ましい条件と
は、第1プローブのみがハイブリダイズした場合には核
酸合成酵素の基質となり得ないようにしておくことであ
る。最も簡単な方法は、第1プローブの末端付近を意図
的に標的配列に対して相補性を持たせず、当該末端部分
では2本鎖を形成しないようにしておくことである。
3’末端が2本鎖となっていなければ、核酸合成酵素は
3’末端の水酸基(−OH基)にデオキシリボヌクレオ
チド一リン酸を付加することができない。この原理を利
用する場合は、第2プローブを第1プローブの5’側に
ハイブリダイズするよう設定する(即ち、第2プローブ
の3’末端と第1プローブの5’末端が隣接する)とよ
い。この時、第1プローブの第2プローブと隣接する側
(5’末端)は2本鎖となるようにしておく必要があ
る。
【0025】これらの条件を総合すれば、本発明の核酸
の検出法において利用しうる核酸合成反応の具体的な構
成としては、φ29ポリメラーゼや、大腸菌ポリメラー
ゼのクレノウ断片等の鎖置換型合成酵素による反応系が
挙げられる。即ち、第1プローブの3’側を2本鎖とな
らないように鋳型と相補性を持たない配列としておく。
一方、第1プローブの5’側は第2プローブのハイブリ
ダイズを促進するために2本鎖を構成できる配列とす
る。これによって第1プローブが標的核酸にハイブリダ
イズした場合には第2プローブのハイブリダイズが促進
され、続いてポリメラーゼにより第2プローブをプライ
マーとした核酸合成が開始される。このときφ29ポリ
メラーゼやクレノウ断片は2本鎖部分をはずしながら
5’→3’方向に相補鎖を合成するので、第1プローブ
は酵素的に外されて行くことになる。
の検出法において利用しうる核酸合成反応の具体的な構
成としては、φ29ポリメラーゼや、大腸菌ポリメラー
ゼのクレノウ断片等の鎖置換型合成酵素による反応系が
挙げられる。即ち、第1プローブの3’側を2本鎖とな
らないように鋳型と相補性を持たない配列としておく。
一方、第1プローブの5’側は第2プローブのハイブリ
ダイズを促進するために2本鎖を構成できる配列とす
る。これによって第1プローブが標的核酸にハイブリダ
イズした場合には第2プローブのハイブリダイズが促進
され、続いてポリメラーゼにより第2プローブをプライ
マーとした核酸合成が開始される。このときφ29ポリ
メラーゼやクレノウ断片は2本鎖部分をはずしながら
5’→3’方向に相補鎖を合成するので、第1プローブ
は酵素的に外されて行くことになる。
【0026】他方、第1プローブを核酸合成酵素の基質
(プライマー)とならないようにする手段として、化学
的に構造を変えてしまう方法を採用しても良い。即ち、
核酸合成酵素がプライマーの3’末端の「−OH基」に
対して次の塩基を結合していくことに着目し、この「−
OH基」を除いた修飾第1プライマーを利用するのであ
る。即ち、第1プローブの3’末端塩基の「−OH基」
をジデオキシ化して「−H」とした塩基とすることであ
る。ジデオキシ化第1プローブを利用すれば、第1プロ
ーブの3’側を鋳型核酸とは相補性を持たない配列にす
る必要はなく、第2プローブを第1プローブの5’側に
ハイブリダイズするよう設定する(即ち、第2プローブ
の3’末端と第1プローブの5’末端が隣接する)こと
もできるし、逆に第2プローブを第1プローブの3’側
にハイブリダイズするよう設定する(即ち、第2プロー
ブの5’末端と第1プローブの3’末端が隣接する)こ
とも可能である。第2プローブを第1プローブの5’側
にハイブリダイズするよう設定する場合には、φ29ポ
リメラーゼや、大腸菌ポリメラーゼのクレノウ断片等の
鎖置換型合成酵素が必要となるが、第2プローブを第1
プローブの3’側にハイブリダイズするよう設定する場
合には、鎖置換反応を行えない通常の核酸合成酵素も利
用できるようになる。
(プライマー)とならないようにする手段として、化学
的に構造を変えてしまう方法を採用しても良い。即ち、
核酸合成酵素がプライマーの3’末端の「−OH基」に
対して次の塩基を結合していくことに着目し、この「−
OH基」を除いた修飾第1プライマーを利用するのであ
る。即ち、第1プローブの3’末端塩基の「−OH基」
をジデオキシ化して「−H」とした塩基とすることであ
る。ジデオキシ化第1プローブを利用すれば、第1プロ
ーブの3’側を鋳型核酸とは相補性を持たない配列にす
る必要はなく、第2プローブを第1プローブの5’側に
ハイブリダイズするよう設定する(即ち、第2プローブ
の3’末端と第1プローブの5’末端が隣接する)こと
もできるし、逆に第2プローブを第1プローブの3’側
にハイブリダイズするよう設定する(即ち、第2プロー
ブの5’末端と第1プローブの3’末端が隣接する)こ
とも可能である。第2プローブを第1プローブの5’側
にハイブリダイズするよう設定する場合には、φ29ポ
リメラーゼや、大腸菌ポリメラーゼのクレノウ断片等の
鎖置換型合成酵素が必要となるが、第2プローブを第1
プローブの3’側にハイブリダイズするよう設定する場
合には、鎖置換反応を行えない通常の核酸合成酵素も利
用できるようになる。
【0027】第1プローブの3’末端を鋳型核酸と相補
性を持たないように設定する場合や、ジデオキシ化した
第1プローブを用いる場合であっても、第2プローブの
3’末端は鋳型核酸と水素結合していることが必要であ
る。これによって始めて第2プローブの3’末端からの
DNA合成が起こるようになる。即ち、第2プローブは
第1プローブによるハイブリダイズの促進効果を受ける
ために第1プローブの末端に隣接していることと、DN
A合成酵素により合成反応が起こるために3’末端が鋳
型核酸と水素結合していることが要求される。
性を持たないように設定する場合や、ジデオキシ化した
第1プローブを用いる場合であっても、第2プローブの
3’末端は鋳型核酸と水素結合していることが必要であ
る。これによって始めて第2プローブの3’末端からの
DNA合成が起こるようになる。即ち、第2プローブは
第1プローブによるハイブリダイズの促進効果を受ける
ために第1プローブの末端に隣接していることと、DN
A合成酵素により合成反応が起こるために3’末端が鋳
型核酸と水素結合していることが要求される。
【0028】このようにして、第1プローブのみではプ
ライマーとして機能することができず、第2プローブが
ハイブリダイズして始めて核酸合成酵素の基質とするこ
とが可能な系を提供することができる。本発明のハイブ
リダイゼーションの促進法は、前記の標的核酸に相補的
な配列を持つ第2プローブをハイブリダイズさせる工程
において、該第2プローブの3’側に隣接する配列を持
ち、かつ標的核酸と単独で安定な2本鎖を形成すること
が可能な塩基数を備えた第1プローブ及び/又は該第2
プローブの5’側に隣接する配列を持ち、かつ標的核酸
と単独で安定な2本鎖を形成することが可能な塩基数を
備えた第1プローブとともにハイブリダイズさせること
を特徴とするものである。
ライマーとして機能することができず、第2プローブが
ハイブリダイズして始めて核酸合成酵素の基質とするこ
とが可能な系を提供することができる。本発明のハイブ
リダイゼーションの促進法は、前記の標的核酸に相補的
な配列を持つ第2プローブをハイブリダイズさせる工程
において、該第2プローブの3’側に隣接する配列を持
ち、かつ標的核酸と単独で安定な2本鎖を形成すること
が可能な塩基数を備えた第1プローブ及び/又は該第2
プローブの5’側に隣接する配列を持ち、かつ標的核酸
と単独で安定な2本鎖を形成することが可能な塩基数を
備えた第1プローブとともにハイブリダイズさせること
を特徴とするものである。
【0029】ここで、第2プローブの3’側に隣接する
配列を持ち、かつ標的核酸と単独で安定な2本鎖を形成
することが可能な塩基数を備えた第1プローブ、及び第
2プローブの5’側に隣接する配列を持ち、かつ標的核
酸と単独で安定な2本鎖を形成することが可能な塩基数
を備えた第1プローブは促進用プローブであり、「単独
で安定な2本鎖を形成することが可能な塩基数」とは、
通常10塩基以上、好ましくは10〜100塩基、更に
好ましくは15〜30塩基である。
配列を持ち、かつ標的核酸と単独で安定な2本鎖を形成
することが可能な塩基数を備えた第1プローブ、及び第
2プローブの5’側に隣接する配列を持ち、かつ標的核
酸と単独で安定な2本鎖を形成することが可能な塩基数
を備えた第1プローブは促進用プローブであり、「単独
で安定な2本鎖を形成することが可能な塩基数」とは、
通常10塩基以上、好ましくは10〜100塩基、更に
好ましくは15〜30塩基である。
【0030】本発明において、「相補的」とは、塩基配
列が塩基対のワトソン・クリック則に従って、もう一方
の核酸と水素結合による二重鎖を形成し得る状態のこと
をいう。具体的には、アデニン(A)に対してはチミン
(T);グアニン(G)に対してはシトシン(C)が対
応する相補性を有する状態である。もちろんRNAにお
いては、Tに対してUが相補性を有する状態であること
はいうまでもない。なお、本発明に用いるプローブは、
標的となる核酸の塩基配列に対して完全に相補的である
必要はなく、少なくとも当該プローブが全体として前記
標的核酸に対してハイブリダイズすることが可能であれ
ば足りる。具体的には、プローブの3’末端の塩基が標
的核酸の塩基と100 %対応することを必須として、プロ
ーブの塩基全体の最低70%が前記の相補性を標的核酸と
の関係において有することが必要である。かかる相補性
が70%未満になると前記ハイブリダイズ自体が困難にな
るため好ましくない。但し、配列の選択にあたっては、
第1プローブと第2プローブとが隣接する末端部分の塩
基のみは完全に相補的になるように設定しなければなら
ない。末端が相補的でない時には、たとえ隣接する配列
であっても本発明によるハイブリダイゼーションの促進
効果は得にくくなる。更に、ヌクレアーゼによる分解工
程を含む本発明による検出法においては、末端が2本鎖
とならない時にはヌクレアーゼの分解作用が生じなくな
ってしまう。
列が塩基対のワトソン・クリック則に従って、もう一方
の核酸と水素結合による二重鎖を形成し得る状態のこと
をいう。具体的には、アデニン(A)に対してはチミン
(T);グアニン(G)に対してはシトシン(C)が対
応する相補性を有する状態である。もちろんRNAにお
いては、Tに対してUが相補性を有する状態であること
はいうまでもない。なお、本発明に用いるプローブは、
標的となる核酸の塩基配列に対して完全に相補的である
必要はなく、少なくとも当該プローブが全体として前記
標的核酸に対してハイブリダイズすることが可能であれ
ば足りる。具体的には、プローブの3’末端の塩基が標
的核酸の塩基と100 %対応することを必須として、プロ
ーブの塩基全体の最低70%が前記の相補性を標的核酸と
の関係において有することが必要である。かかる相補性
が70%未満になると前記ハイブリダイズ自体が困難にな
るため好ましくない。但し、配列の選択にあたっては、
第1プローブと第2プローブとが隣接する末端部分の塩
基のみは完全に相補的になるように設定しなければなら
ない。末端が相補的でない時には、たとえ隣接する配列
であっても本発明によるハイブリダイゼーションの促進
効果は得にくくなる。更に、ヌクレアーゼによる分解工
程を含む本発明による検出法においては、末端が2本鎖
とならない時にはヌクレアーゼの分解作用が生じなくな
ってしまう。
【0031】本発明に用いる第1プローブ(促進用プロ
ーブ)及び第2プローブは、核酸合成機を用いて化学的
に合成することができる。試薬としてヌクレアーゼを用
いる場合は、促進用プローブは該ヌクレアーゼに対して
耐性とすることが必要である。一方、試薬としてヌクレ
アーゼを用いない場合は、促進用プローブは必ずしもヌ
クレアーゼ耐性とする必要はないが、試料中に共存する
可能性のあるヌクレアーゼに対して耐性とするため、ヌ
クレアーゼ耐性とすることが好ましい。
ーブ)及び第2プローブは、核酸合成機を用いて化学的
に合成することができる。試薬としてヌクレアーゼを用
いる場合は、促進用プローブは該ヌクレアーゼに対して
耐性とすることが必要である。一方、試薬としてヌクレ
アーゼを用いない場合は、促進用プローブは必ずしもヌ
クレアーゼ耐性とする必要はないが、試料中に共存する
可能性のあるヌクレアーゼに対して耐性とするため、ヌ
クレアーゼ耐性とすることが好ましい。
【0032】促進用プローブをヌクレアーゼ耐性とする
手段としては、当該プローブが3’又は5’側から分解
されるのを防ぐため、ホスホロチオエート化等の修飾が
有効である。更に、メチルホスホエート化、ホスホロジ
チオエート化等様々な修飾も可能である。用いる酵素は
2本鎖を認識するものであるので、5’又は3’側を標
的核酸と非相補的な塩基配列とし、2本鎖を形成させな
くすることによりヌクレアーゼ耐性とすることも可能で
ある。5’又は3’側を固相に結合させることで、末端
から分解反応を行うヌクレアーゼ耐性とすることも可能
である。促進用プローブは繰り返しハイブリダイズ反応
をさせる必要がないので標的核酸と安定なハイブリッド
を形成するものが望ましい。
手段としては、当該プローブが3’又は5’側から分解
されるのを防ぐため、ホスホロチオエート化等の修飾が
有効である。更に、メチルホスホエート化、ホスホロジ
チオエート化等様々な修飾も可能である。用いる酵素は
2本鎖を認識するものであるので、5’又は3’側を標
的核酸と非相補的な塩基配列とし、2本鎖を形成させな
くすることによりヌクレアーゼ耐性とすることも可能で
ある。5’又は3’側を固相に結合させることで、末端
から分解反応を行うヌクレアーゼ耐性とすることも可能
である。促進用プローブは繰り返しハイブリダイズ反応
をさせる必要がないので標的核酸と安定なハイブリッド
を形成するものが望ましい。
【0033】本発明によれば、第2プローブは、構成塩
基数にかかわらずハイブリダイズが促進される。但し、
本発明の促進法をヌクレアーゼによる検出技術に応用す
る場合には、第2プローブについてはわずかな分解で容
易に標的核酸からはずれるようにするため、鎖長を短く
することが好ましい。即ち、第2プローブとしては鎖長
が短いためTmが低く通常の温度では2本鎖が形成され
ないが、促進用プローブにより形成された2本鎖部分の
存在により第2プローブがハイブリッドを形成できるよ
うになること、更に核酸の検出法に用いる場合にはヌク
レアーゼにて分解された後は速やかにハイブリッド形成
能が消失し、新たな第2プローブ(検出用プローブ)と
置き替わることが好ましい。そのためには塩基数が6〜
30であることが好ましく、6〜20であることが更に
好ましい。
基数にかかわらずハイブリダイズが促進される。但し、
本発明の促進法をヌクレアーゼによる検出技術に応用す
る場合には、第2プローブについてはわずかな分解で容
易に標的核酸からはずれるようにするため、鎖長を短く
することが好ましい。即ち、第2プローブとしては鎖長
が短いためTmが低く通常の温度では2本鎖が形成され
ないが、促進用プローブにより形成された2本鎖部分の
存在により第2プローブがハイブリッドを形成できるよ
うになること、更に核酸の検出法に用いる場合にはヌク
レアーゼにて分解された後は速やかにハイブリッド形成
能が消失し、新たな第2プローブ(検出用プローブ)と
置き替わることが好ましい。そのためには塩基数が6〜
30であることが好ましく、6〜20であることが更に
好ましい。
【0034】用いる第2プローブ(検出用プローブ)
は、λエクソヌクレアーゼを使用する場合は5’末端の
リン酸化が必要であるが、酵素がエクソヌクレアーゼII
I やリボヌクレアーゼHでは末端のリン酸化は不要であ
る。本発明においては、プローブ核酸の使用量も反応の
結果を左右する要素となる。促進用プローブは標的核酸
に完全にハイブリダイズしていることが望ましいので、
標的核酸よりやや過剰量を用いる。一方、第2プローブ
はハイブリダイズ/分解/再ハイブリダイズのサイクル
反応を起こさせるために、標的核酸に対してあまりにも
少量のプローブ核酸しか存在しない時には十分な感度を
得られなくなるおそれがある。標的核酸の量を予め予想
することは困難であるが、少なくとも希望する検出範囲
の標的核酸量に対して100倍以上の大過剰量で第2プ
ローブ核酸を用いることが高い感度を確保するうえで重
要な条件となる。
は、λエクソヌクレアーゼを使用する場合は5’末端の
リン酸化が必要であるが、酵素がエクソヌクレアーゼII
I やリボヌクレアーゼHでは末端のリン酸化は不要であ
る。本発明においては、プローブ核酸の使用量も反応の
結果を左右する要素となる。促進用プローブは標的核酸
に完全にハイブリダイズしていることが望ましいので、
標的核酸よりやや過剰量を用いる。一方、第2プローブ
はハイブリダイズ/分解/再ハイブリダイズのサイクル
反応を起こさせるために、標的核酸に対してあまりにも
少量のプローブ核酸しか存在しない時には十分な感度を
得られなくなるおそれがある。標的核酸の量を予め予想
することは困難であるが、少なくとも希望する検出範囲
の標的核酸量に対して100倍以上の大過剰量で第2プ
ローブ核酸を用いることが高い感度を確保するうえで重
要な条件となる。
【0035】以下、ハイブリダイズの条件について述べ
る。 A)塩濃度 塩濃度は通常0.1〜1.2M(一般的には、Na+ で
0.2M程度)である。但し、酵素を用いるときはその
至適条件に従う必要がある。以下に、本明細書中に例示
した酵素のうち、代表的なものについて、それぞれがど
のような条件を要求するのかを示す。これらの酵素を組
合せるときには、十分な酵素活性を発揮できる条件を与
えてやる必要がある。 <エクソヌクレアーゼIII > 至適pH:8付近 反応温度:37℃ 安定化剤:SH試薬 その他: Mg2+が必要、70℃20分で失活する。
る。 A)塩濃度 塩濃度は通常0.1〜1.2M(一般的には、Na+ で
0.2M程度)である。但し、酵素を用いるときはその
至適条件に従う必要がある。以下に、本明細書中に例示
した酵素のうち、代表的なものについて、それぞれがど
のような条件を要求するのかを示す。これらの酵素を組
合せるときには、十分な酵素活性を発揮できる条件を与
えてやる必要がある。 <エクソヌクレアーゼIII > 至適pH:8付近 反応温度:37℃ 安定化剤:SH試薬 その他: Mg2+が必要、70℃20分で失活する。
【0036】一般的な反応条件:50-60mM Tris-HCl(pH
8.0), 0.66-5mM MgCl2,1-10mM 2−メルカプトエタノー
ル 保存溶液:10-25mM Tris-HCl(pH8.0), 50-100mM KCl,
0.5-1mM DTT,50%グリセリン <λエクソヌクレアーゼ> 至適pH:9付近 反応温度:37℃ 安定化剤:SH試薬 その他:Mg2+が必要。
8.0), 0.66-5mM MgCl2,1-10mM 2−メルカプトエタノー
ル 保存溶液:10-25mM Tris-HCl(pH8.0), 50-100mM KCl,
0.5-1mM DTT,50%グリセリン <λエクソヌクレアーゼ> 至適pH:9付近 反応温度:37℃ 安定化剤:SH試薬 その他:Mg2+が必要。
【0037】一般的な反応条件:67mMグリシン-KOH(pH
9.3), 2.5mM MgCl2 保存溶液:10mM Tris-HCl(pH7.6), 10mM 2−メルカプ
トエタノール,200μg/ml BSA, 50%グリセリン <リボヌクレアーゼH> 至適pH:7〜8付近 反応温度:37℃ 安定化剤:SH試薬 その他: 分子量2.1万、 Mg2+又はMn2+により
活性化される。
9.3), 2.5mM MgCl2 保存溶液:10mM Tris-HCl(pH7.6), 10mM 2−メルカプ
トエタノール,200μg/ml BSA, 50%グリセリン <リボヌクレアーゼH> 至適pH:7〜8付近 反応温度:37℃ 安定化剤:SH試薬 その他: 分子量2.1万、 Mg2+又はMn2+により
活性化される。
【0038】一般的な反応条件:40mM Tris-HCl(pH7.
5), 4mM MgCl2, 1mM DTT,4%グリセリン, 0.003% BSA 保存溶液:25mM Tris-HCl(pH7.5), 30mM NaCl, 0.5mM E
DTA,5mM 2−メルカプトエタノール, 50%グリセリン <DNAポリメラーゼ Klenow fragment> 至適pH:7.5 付近 反応温度:37℃ その他:大腸菌のDNAポリメラーゼIから5’−3’
エクソヌクレアーゼ活性を除いたもの 一般的な反応条件:67mMリン酸カリウム(pH7.4), 6.7mM
MgCl2,1mM 2−メルカプトエタノール 保存溶液:50mMリン酸カリウム(pH6.5), 10mM 2−メル
カプトエタノール,50%グリセリン(又は50%エチレン
グリコール) <逆転写酵素> Rous associated virus(RAV-2)の起源のものについて
(avian myeloblastosisvirus由来のものもほぼ同じ) 至適pH:8付近 反応温度:37℃ 安定化剤:SH試薬 その他:リン酸イオンは反応を阻害する。
5), 4mM MgCl2, 1mM DTT,4%グリセリン, 0.003% BSA 保存溶液:25mM Tris-HCl(pH7.5), 30mM NaCl, 0.5mM E
DTA,5mM 2−メルカプトエタノール, 50%グリセリン <DNAポリメラーゼ Klenow fragment> 至適pH:7.5 付近 反応温度:37℃ その他:大腸菌のDNAポリメラーゼIから5’−3’
エクソヌクレアーゼ活性を除いたもの 一般的な反応条件:67mMリン酸カリウム(pH7.4), 6.7mM
MgCl2,1mM 2−メルカプトエタノール 保存溶液:50mMリン酸カリウム(pH6.5), 10mM 2−メル
カプトエタノール,50%グリセリン(又は50%エチレン
グリコール) <逆転写酵素> Rous associated virus(RAV-2)の起源のものについて
(avian myeloblastosisvirus由来のものもほぼ同じ) 至適pH:8付近 反応温度:37℃ 安定化剤:SH試薬 その他:リン酸イオンは反応を阻害する。
【0039】一般的な反応条件:50mM Tris-HCl(pH8.
3), 5mM KCl, 10mM MgCl2,3mM DTT, 0.1% Nonident P-4
0 保存溶液:200mM リン酸カリウム(pH7.2), 2mM DTT, 0.
2% Nonident P-40,50%グリセリン B)温度 反応温度は、Tmにより設定する。第1プローブのTm
は高く設定し(酵素サイクル反応では外れない温度)、
第2プローブは単独では酵素サイクル反応を起こさせる
条件(温度)ではハイブリダイズしにくく、第1プロー
ブの促進作用によって始めてハイブリダイズできるよう
なTmを持つものが望ましい。なお、ハイブリダイズの
至適温度はTmより5〜15℃低いので、反応温度より
5〜15℃高いTmが望ましい。
3), 5mM KCl, 10mM MgCl2,3mM DTT, 0.1% Nonident P-4
0 保存溶液:200mM リン酸カリウム(pH7.2), 2mM DTT, 0.
2% Nonident P-40,50%グリセリン B)温度 反応温度は、Tmにより設定する。第1プローブのTm
は高く設定し(酵素サイクル反応では外れない温度)、
第2プローブは単独では酵素サイクル反応を起こさせる
条件(温度)ではハイブリダイズしにくく、第1プロー
ブの促進作用によって始めてハイブリダイズできるよう
なTmを持つものが望ましい。なお、ハイブリダイズの
至適温度はTmより5〜15℃低いので、反応温度より
5〜15℃高いTmが望ましい。
【0040】このTmを規定する要因としては、主にハ
イブリダイズする核酸の種類(DNAかRNA か)、配列(ホ
モロジー)、及びTmに影響する共存物質の存在、の3
点を挙げることができる。 B−1)温度/核酸の種類の面から DNA同士のハイブリダイゼーションに対して、同じ配
列であっても核酸の種類を変えるとTmも変化する。即
ち、RNA−DNAハイブリッドでは、10〜15℃高
くなり、RNA−RNAハイブリッドでは、20〜25
℃高くなる。 B−2)温度/プローブの配列の面から 一般には、標的核酸とプローブ塩基間のホモロジーが1
%低下するとTmが約1.5℃低下する、といわれてい
る。従って、第1プローブ、第2プローブの標的配列に
対するホモロジーにより温度条件を考慮する必要があ
る。逆に、温度によって特異性が制御されるといえる。
即ち、Tmに近い温度を採用すれば特異性が高くなり、
Tmから離れた温度を採用すれば多少の配列の違いにか
かわらずハイブリダイズが進む。これを分析目的に合わ
せて採用するのが、現実的な方法である。
イブリダイズする核酸の種類(DNAかRNA か)、配列(ホ
モロジー)、及びTmに影響する共存物質の存在、の3
点を挙げることができる。 B−1)温度/核酸の種類の面から DNA同士のハイブリダイゼーションに対して、同じ配
列であっても核酸の種類を変えるとTmも変化する。即
ち、RNA−DNAハイブリッドでは、10〜15℃高
くなり、RNA−RNAハイブリッドでは、20〜25
℃高くなる。 B−2)温度/プローブの配列の面から 一般には、標的核酸とプローブ塩基間のホモロジーが1
%低下するとTmが約1.5℃低下する、といわれてい
る。従って、第1プローブ、第2プローブの標的配列に
対するホモロジーにより温度条件を考慮する必要があ
る。逆に、温度によって特異性が制御されるといえる。
即ち、Tmに近い温度を採用すれば特異性が高くなり、
Tmから離れた温度を採用すれば多少の配列の違いにか
かわらずハイブリダイズが進む。これを分析目的に合わ
せて採用するのが、現実的な方法である。
【0041】また、配列に含まれるGC対の数によっても
Tmは変動する。GC対がAT対よりも強く結合するためで
ある。14〜20塩基であれば、GC対の数とTmの間に
およそ次のような関係が成り立つといわれている("DNA
PROBES" p.15-16; GEROGE H.KELLER, MARK M. MAMAT/Ma
cmillan Publishers Ltd.) 。 Tm=4℃×GC対+2℃×AT対 B−3)温度/共存成分の面から Tmを低下させる物質として、ホルムアミドやジメチル
スルホキシド(DMSO)が知られている。特にDMS
Oは蛋白に対する変性作用が低いので、酵素と組合せる
ときには好ましいといえる。これらの物質を共存させれ
ば、Tmが下がり(即ちより低い温度で1本鎖⇔2本鎖
状態の変化が起きるようになる。本発明の検出法におい
ては、結果的に、ハイブリダイズ→分解→ハイブリダイ
ズ....サイクルを促進することになる。
Tmは変動する。GC対がAT対よりも強く結合するためで
ある。14〜20塩基であれば、GC対の数とTmの間に
およそ次のような関係が成り立つといわれている("DNA
PROBES" p.15-16; GEROGE H.KELLER, MARK M. MAMAT/Ma
cmillan Publishers Ltd.) 。 Tm=4℃×GC対+2℃×AT対 B−3)温度/共存成分の面から Tmを低下させる物質として、ホルムアミドやジメチル
スルホキシド(DMSO)が知られている。特にDMS
Oは蛋白に対する変性作用が低いので、酵素と組合せる
ときには好ましいといえる。これらの物質を共存させれ
ば、Tmが下がり(即ちより低い温度で1本鎖⇔2本鎖
状態の変化が起きるようになる。本発明の検出法におい
ては、結果的に、ハイブリダイズ→分解→ハイブリダイ
ズ....サイクルを促進することになる。
【0042】具体的な数値としては、DMSOを1%添
加するとTmが約0.6℃下がるという報告がある(Ana
lytical Biochemistry, 209, 284-290,1993) 。また、
ホルムアミドとTmの間には、プローブが20塩基程度
ならば次のような関係が成り立つといわれている("DNA
PROBES" p.15-16; GEROGE H. KELLER, MARK M. MAMAT/M
acmillan Publishers Ltd.) 。 Tm=「81.5℃+16.6logM+0.41(%
G+C)−500」/n−0.61(%ホルムアミド) M= [Na+] in moles/liter n = length in duplex 標的核酸が二本鎖状態である場合には、予め一本鎖に変
性する必要がある。かかる変性方法としては、通常公知
の変性方法、例えば加熱変性、酸変性、アルカリ変性等
を挙げることができるが、方法の簡便性と確実性に鑑み
れば、加熱変性(90℃〜100 ℃で5分以上加熱)を採用
するのが好ましい。
加するとTmが約0.6℃下がるという報告がある(Ana
lytical Biochemistry, 209, 284-290,1993) 。また、
ホルムアミドとTmの間には、プローブが20塩基程度
ならば次のような関係が成り立つといわれている("DNA
PROBES" p.15-16; GEROGE H. KELLER, MARK M. MAMAT/M
acmillan Publishers Ltd.) 。 Tm=「81.5℃+16.6logM+0.41(%
G+C)−500」/n−0.61(%ホルムアミド) M= [Na+] in moles/liter n = length in duplex 標的核酸が二本鎖状態である場合には、予め一本鎖に変
性する必要がある。かかる変性方法としては、通常公知
の変性方法、例えば加熱変性、酸変性、アルカリ変性等
を挙げることができるが、方法の簡便性と確実性に鑑み
れば、加熱変性(90℃〜100 ℃で5分以上加熱)を採用
するのが好ましい。
【0043】本発明の標的核酸に対する相補鎖核酸のハ
イブリダイゼーションの促進法においては、前述したよ
うに、標的核酸に相補的な配列を持つ第2プローブをハ
イブリダイズさせる工程において、該第2プローブの
3’側に隣接する配列を持ち、かつ標的核酸と単独で安
定な2本鎖を形成することが可能な塩基数を備えた第1
プローブ及び/又は該第2プローブの5’側に隣接する
配列を持ち、かつ標的核酸と単独で安定な2本鎖を形成
することが可能な塩基数を備えた第1プローブとともに
ハイブリダイズさせることにより、該第2プローブのハ
イブリダイゼーションの効率を促進することができる。
この方法によれば、ハイブリダイズしにくい小さなサイ
ズのオリゴヌクレオチドもハイブリダイズできるように
なる。
イブリダイゼーションの促進法においては、前述したよ
うに、標的核酸に相補的な配列を持つ第2プローブをハ
イブリダイズさせる工程において、該第2プローブの
3’側に隣接する配列を持ち、かつ標的核酸と単独で安
定な2本鎖を形成することが可能な塩基数を備えた第1
プローブ及び/又は該第2プローブの5’側に隣接する
配列を持ち、かつ標的核酸と単独で安定な2本鎖を形成
することが可能な塩基数を備えた第1プローブとともに
ハイブリダイズさせることにより、該第2プローブのハ
イブリダイゼーションの効率を促進することができる。
この方法によれば、ハイブリダイズしにくい小さなサイ
ズのオリゴヌクレオチドもハイブリダイズできるように
なる。
【0044】本発明において、第1プローブはTmが高
く一旦ハイブリダイズした後は外れにくい(変性しにく
い)し、また外す必要もない。このため、変性とハイブ
リダイズでは、第2プローブのときに比べ温度を高くす
る。その結果、ストリンジェンシー(Stringency)が強
い、特異性の高いハイブリダイゼーションとなり有利で
ある。
く一旦ハイブリダイズした後は外れにくい(変性しにく
い)し、また外す必要もない。このため、変性とハイブ
リダイズでは、第2プローブのときに比べ温度を高くす
る。その結果、ストリンジェンシー(Stringency)が強
い、特異性の高いハイブリダイゼーションとなり有利で
ある。
【0045】第1プローブと第2プローブを別々に加え
る方法は、分解酵素を用いた第2プローブの分解のサイ
クルを行うときに有利である。即ち、第1プローブを標
的核酸にハイブリダイズさせておき、反応終了時までハ
イブリダイズした「安定な2本鎖」状態を維持させる必
要があるが、その目的で、Tmを第2プローブより高く
設定することが可能である。
る方法は、分解酵素を用いた第2プローブの分解のサイ
クルを行うときに有利である。即ち、第1プローブを標
的核酸にハイブリダイズさせておき、反応終了時までハ
イブリダイズした「安定な2本鎖」状態を維持させる必
要があるが、その目的で、Tmを第2プローブより高く
設定することが可能である。
【0046】また、第2プローブのTmを低くしてある
のは、酵素反応が可能な温度でハイブリダイズを起こし
やすくさせるためであり、分解後は速やかに変性される
(即ち外れる)。なお、「変性」は、2本鎖を1本鎖に
する場合だけでなく、1本鎖の「もつれ」をほぐすこと
を目的として行うこともある(例えば実施例1)。長い
核酸配列では、1本鎖であったとしても自己のG−C間
で結合を持っており、そのままではプローブとのハイブ
リダイズに支障をきたす可能性がある。このG−C結合
を解いてきれいな1本鎖とするためにも変性操作が要求
される。
のは、酵素反応が可能な温度でハイブリダイズを起こし
やすくさせるためであり、分解後は速やかに変性される
(即ち外れる)。なお、「変性」は、2本鎖を1本鎖に
する場合だけでなく、1本鎖の「もつれ」をほぐすこと
を目的として行うこともある(例えば実施例1)。長い
核酸配列では、1本鎖であったとしても自己のG−C間
で結合を持っており、そのままではプローブとのハイブ
リダイズに支障をきたす可能性がある。このG−C結合
を解いてきれいな1本鎖とするためにも変性操作が要求
される。
【0047】本発明の核酸の検出法は、以上のようにし
てハイブリダイズさせた第2プローブ(検出用プロー
ブ)を検出することにより、標的核酸の検出を可能にす
るものであり、遺伝子疾患や感染症の診断に有効であ
る。本発明の核酸の検出法においては、検出を容易にす
るために予め検出用プローブを標識しておくことが好ま
しい。標識には、一般に核酸の標識技術として知られて
いる方法を利用することができる。具体的には、放射性
同位元素、蛍光物質、発光物質、ビオチン、酵素、ハプ
テン等を例示することができる。また、検出用プローブ
は必ずしも標識される必要はなく、例えばヌクレアーゼ
の作用で分解され反応系に蓄積する特定の鎖長の断片の
増加を追跡すれば標的核酸の検出は可能である。これら
の標識はプローブ核酸の任意の位置に導入することがで
きる。
てハイブリダイズさせた第2プローブ(検出用プロー
ブ)を検出することにより、標的核酸の検出を可能にす
るものであり、遺伝子疾患や感染症の診断に有効であ
る。本発明の核酸の検出法においては、検出を容易にす
るために予め検出用プローブを標識しておくことが好ま
しい。標識には、一般に核酸の標識技術として知られて
いる方法を利用することができる。具体的には、放射性
同位元素、蛍光物質、発光物質、ビオチン、酵素、ハプ
テン等を例示することができる。また、検出用プローブ
は必ずしも標識される必要はなく、例えばヌクレアーゼ
の作用で分解され反応系に蓄積する特定の鎖長の断片の
増加を追跡すれば標的核酸の検出は可能である。これら
の標識はプローブ核酸の任意の位置に導入することがで
きる。
【0048】標識の検出にあたっては、ヌクレアーゼの
作用を受けていない完全長のプローブ核酸に由来する標
識の信号と、ハイブリダイズ〜ヌクレアーゼによる分解
を受けた産物に由来する標識の信号とを区別する必要が
ある。もっとも単純な方法は、両者を分子量の差に基づ
いて物理的に分離してしまう方法である。具体的には、
液体クロマトグラフィーや電気泳動等の手法が応用でき
る。
作用を受けていない完全長のプローブ核酸に由来する標
識の信号と、ハイブリダイズ〜ヌクレアーゼによる分解
を受けた産物に由来する標識の信号とを区別する必要が
ある。もっとも単純な方法は、両者を分子量の差に基づ
いて物理的に分離してしまう方法である。具体的には、
液体クロマトグラフィーや電気泳動等の手法が応用でき
る。
【0049】ヌクレアーゼによって分解された第2プロ
ーブは、再び本発明のハイブリダイゼーション促進法を
利用して分離することができる。即ち、図6に示すよう
に第1プローブに1塩基を付加した配列(第1プローブ
+1)を備えた捕捉用プローブを固相上に予め2本鎖と
して用意しておく。この2本鎖核酸は、ヌクレアーゼに
よって分解されて1塩基を失った第2プローブ(第2プ
ローブ−1)に対して相補的な配列を1本鎖として備え
たものとしておく。(2本鎖とした捕捉用プローブの末
端より先に1本鎖部分が伸びた状態)。このような固相
を第2プローブ−1と接触させれば、捕捉用プローブ
(2本鎖とした第1プローブ+1)によってハイブリダ
イゼーションが促進され固相上に捕捉される。こうして
第2プローブ−1を、固相上に捕捉することが可能とな
る。なお、固相上で2本鎖を形成する第2プローブ−1
に対して更にヌクレアーゼが作用するのを防ぐために、
第2プローブの末端から1つ飛ばした部分の結合を少な
くとも1つ、好ましくは複数の塩基間に渡ってヌクレア
ーゼ耐性としておく必要がある。あるいは、捕捉用プロ
ーブとの反応をヌクレアーゼの作用し得ない条件下で行
ってもよい。
ーブは、再び本発明のハイブリダイゼーション促進法を
利用して分離することができる。即ち、図6に示すよう
に第1プローブに1塩基を付加した配列(第1プローブ
+1)を備えた捕捉用プローブを固相上に予め2本鎖と
して用意しておく。この2本鎖核酸は、ヌクレアーゼに
よって分解されて1塩基を失った第2プローブ(第2プ
ローブ−1)に対して相補的な配列を1本鎖として備え
たものとしておく。(2本鎖とした捕捉用プローブの末
端より先に1本鎖部分が伸びた状態)。このような固相
を第2プローブ−1と接触させれば、捕捉用プローブ
(2本鎖とした第1プローブ+1)によってハイブリダ
イゼーションが促進され固相上に捕捉される。こうして
第2プローブ−1を、固相上に捕捉することが可能とな
る。なお、固相上で2本鎖を形成する第2プローブ−1
に対して更にヌクレアーゼが作用するのを防ぐために、
第2プローブの末端から1つ飛ばした部分の結合を少な
くとも1つ、好ましくは複数の塩基間に渡ってヌクレア
ーゼ耐性としておく必要がある。あるいは、捕捉用プロ
ーブとの反応をヌクレアーゼの作用し得ない条件下で行
ってもよい。
【0050】この他にもアポ酵素で標識しておきプロー
ブ核酸がヌクレアーゼの作用で短くなったときにだけ立
体障害が除去されて液相中のホロ酵素と複合化し酵素活
性を発現するというCEDIA法(Clinica Chimica Ac
ta, 185, 231-240 (1989))等の検出系の応用も可能であ
る。標識の組み合せとしては、発光−消光標識の組み合
せ、蛍光−偏光標識の組み合せ等を例示することができ
る。このような標識の組み合せを利用すれば、両者の物
理的な距離の変化を信号の変化として追跡することがで
きるので、均一系での分析が可能となる。
ブ核酸がヌクレアーゼの作用で短くなったときにだけ立
体障害が除去されて液相中のホロ酵素と複合化し酵素活
性を発現するというCEDIA法(Clinica Chimica Ac
ta, 185, 231-240 (1989))等の検出系の応用も可能であ
る。標識の組み合せとしては、発光−消光標識の組み合
せ、蛍光−偏光標識の組み合せ等を例示することができ
る。このような標識の組み合せを利用すれば、両者の物
理的な距離の変化を信号の変化として追跡することがで
きるので、均一系での分析が可能となる。
【0051】本発明の検出法に必要な各種成分は、予め
組み合せた試薬の形で供給することができる。本発明の
核酸検出用試薬の構成を次に示す。以下に示す試薬に
は、更に標識の検出に必要な資材や反応液を構成する緩
衝剤、あるいは陰性や陽性の対照等の任意の成分を組み
合せてキットの形とすることもできる。塩基配列検出用
試薬の構成: 試薬キット(A) ・標的核酸に相補的な促進用プローブ ・検出用プローブ 試薬キット(B) ・標的核酸に相補的な促進用プローブ ・検出用プローブ ・ハイブリダイズした検出用プローブを特異的に認識し
分解する酵素又はハイブリダイズした検出用プローブを
プライマーとして伸長反応が可能な核酸合成酵素 前記試薬キット(B)を用いる場合、反応液に牛血清ア
ルブミンやグリセリン又はエチレングリコール等を添加
して、酵素を安定化することもできる。
組み合せた試薬の形で供給することができる。本発明の
核酸検出用試薬の構成を次に示す。以下に示す試薬に
は、更に標識の検出に必要な資材や反応液を構成する緩
衝剤、あるいは陰性や陽性の対照等の任意の成分を組み
合せてキットの形とすることもできる。塩基配列検出用
試薬の構成: 試薬キット(A) ・標的核酸に相補的な促進用プローブ ・検出用プローブ 試薬キット(B) ・標的核酸に相補的な促進用プローブ ・検出用プローブ ・ハイブリダイズした検出用プローブを特異的に認識し
分解する酵素又はハイブリダイズした検出用プローブを
プライマーとして伸長反応が可能な核酸合成酵素 前記試薬キット(B)を用いる場合、反応液に牛血清ア
ルブミンやグリセリン又はエチレングリコール等を添加
して、酵素を安定化することもできる。
【0052】本発明の検出法では、検出用プローブとし
てハイブリダイズしにくい小さなサイズのオリゴヌクレ
オチドも利用することができる。検出用プローブのサイ
ズが小さいことは溶液内での分子運動による標的核酸へ
の移動に有利であり、ハイブリダイズに必要な時間が短
縮できるのでプローブ法の迅速化に有用である。また、
プローブの調製が容易になるという利点もある。
てハイブリダイズしにくい小さなサイズのオリゴヌクレ
オチドも利用することができる。検出用プローブのサイ
ズが小さいことは溶液内での分子運動による標的核酸へ
の移動に有利であり、ハイブリダイズに必要な時間が短
縮できるのでプローブ法の迅速化に有用である。また、
プローブの調製が容易になるという利点もある。
【0053】また、本発明の検出法では、ハイブリダイ
ズしたプローブのみに作用する酵素を用いてシグナル増
幅ができるのでプローブ法を高感度にできる。更に、本
発明の検出法は特別な温度制御操作をすることなく塩基
配列の増幅と検出を行うことができるので自動化が容易
である。また、生成物の増加が直線的に進むので標的核
酸の定量性に優れる。
ズしたプローブのみに作用する酵素を用いてシグナル増
幅ができるのでプローブ法を高感度にできる。更に、本
発明の検出法は特別な温度制御操作をすることなく塩基
配列の増幅と検出を行うことができるので自動化が容易
である。また、生成物の増加が直線的に進むので標的核
酸の定量性に優れる。
【0054】更に、反応で生成した産物によるコンタミ
ネーションの影響を受け難いという利点もある。特にヌ
クレアーゼによって分解したプローブを検出する場合で
は、例え増幅後の核酸がコンタミネーションを起こして
も増幅につながるおそれはない。以上のように本発明の
検出法は種々の利点を有するものであり、遺伝子の分析
において有効な方法となることが期待できる。
ネーションの影響を受け難いという利点もある。特にヌ
クレアーゼによって分解したプローブを検出する場合で
は、例え増幅後の核酸がコンタミネーションを起こして
も増幅につながるおそれはない。以上のように本発明の
検出法は種々の利点を有するものであり、遺伝子の分析
において有効な方法となることが期待できる。
【0055】
【実施例】以下、調製例及び実施例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定され
るものではない。 (調製例1) プローブ核酸の調製 プローブ核酸として以下示す塩基配列を持つオリゴヌク
レオチドを化学合成して用いた。 (1)標的核酸配列 モデル実験の材料として、HBVウイルス核酸のe抗原
遺伝子の一部をM13mp18DNA上にクローニング
したものを用いた。以下に示す配列を含む1本鎖環状D
NAである(下段)。なお、()内に標的核酸と相補的
なプローブ配列を示した。
具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定され
るものではない。 (調製例1) プローブ核酸の調製 プローブ核酸として以下示す塩基配列を持つオリゴヌク
レオチドを化学合成して用いた。 (1)標的核酸配列 モデル実験の材料として、HBVウイルス核酸のe抗原
遺伝子の一部をM13mp18DNA上にクローニング
したものを用いた。以下に示す配列を含む1本鎖環状D
NAである(下段)。なお、()内に標的核酸と相補的
なプローブ配列を示した。
【0056】
【化1】
【0057】(2)3’側促進用プローブの塩基配列 検出用プローブに隣接した領域を2本鎖とするため、検
出用プローブの3’側の配列からなる25merを使用
した。 5’AATGCCCCTATCTTATCAACACT
TC−OH なお、エクソヌクレアーゼIII に耐性とするため、3’
末端のTCの間のホスホジエステル結合をホスホロチオ
エート結合とした。 (3)5’側促進用プローブの塩基配列 検出用プローブに隣接した領域を2本鎖とするため検出
用プローブの5’側の配列からなる25merを使用し
た。 5’GGAGTGTGGATTCGCACTCCTCC
TG−OH なお、エクソヌクレアーゼIII に耐性とするため、3’
末端のTGの間のホスホジエステル結合をホスホロチオ
エート結合とした。 (4)Xプローブ M13mp18のDNAシーケンス用プライマー(東洋
紡製 M13 primer P7)を用いた(24mer)。この配
列は検出用プローブから約670塩基離れた位置に存在
する。 5’CGCCAGGGTTTTCCCAGTCACGA
C (5)Yプローブ 無関係な配列で、M13mp18及びクローン化したH
BV DNA上には相補性がない。HCV由来の配列。
20mer。 5’TTCACGCAGAAAGCGTCTAG (6)検出用プローブの塩基配列 検出用プローブとしてM13上にあるHBV由来の相補
鎖DNA14塩基を用いた(14mer)。なお、13
merは14merの3’末端の1塩基(A)を欠失し
たものである。 14mer: 5’CTTACAGACCACCA−O
H 13mer: 5’CTTACAGACCACC−OH 前記のオリゴヌクレオチドは、β−シアノエチルアミダ
イト法(J. Am. Chem.Soc., 112, 1253-1254(1990))によ
り合成した。合成機としてCyclone plus DNAsynthesize
r(Milligen/ Bioserch製、登録商標)を用いた。ま
た、ホスホロチオエート結合は、S化試薬として、3H
−1,2−ベンゾジチオール−3−オン1,1−ジオキ
シド (Beaucage's reagent) を用いて導入した。合成し
たオリゴヌクレオチドは、常法に従いHPLC精製後、
使用した。
出用プローブの3’側の配列からなる25merを使用
した。 5’AATGCCCCTATCTTATCAACACT
TC−OH なお、エクソヌクレアーゼIII に耐性とするため、3’
末端のTCの間のホスホジエステル結合をホスホロチオ
エート結合とした。 (3)5’側促進用プローブの塩基配列 検出用プローブに隣接した領域を2本鎖とするため検出
用プローブの5’側の配列からなる25merを使用し
た。 5’GGAGTGTGGATTCGCACTCCTCC
TG−OH なお、エクソヌクレアーゼIII に耐性とするため、3’
末端のTGの間のホスホジエステル結合をホスホロチオ
エート結合とした。 (4)Xプローブ M13mp18のDNAシーケンス用プライマー(東洋
紡製 M13 primer P7)を用いた(24mer)。この配
列は検出用プローブから約670塩基離れた位置に存在
する。 5’CGCCAGGGTTTTCCCAGTCACGA
C (5)Yプローブ 無関係な配列で、M13mp18及びクローン化したH
BV DNA上には相補性がない。HCV由来の配列。
20mer。 5’TTCACGCAGAAAGCGTCTAG (6)検出用プローブの塩基配列 検出用プローブとしてM13上にあるHBV由来の相補
鎖DNA14塩基を用いた(14mer)。なお、13
merは14merの3’末端の1塩基(A)を欠失し
たものである。 14mer: 5’CTTACAGACCACCA−O
H 13mer: 5’CTTACAGACCACC−OH 前記のオリゴヌクレオチドは、β−シアノエチルアミダ
イト法(J. Am. Chem.Soc., 112, 1253-1254(1990))によ
り合成した。合成機としてCyclone plus DNAsynthesize
r(Milligen/ Bioserch製、登録商標)を用いた。ま
た、ホスホロチオエート結合は、S化試薬として、3H
−1,2−ベンゾジチオール−3−オン1,1−ジオキ
シド (Beaucage's reagent) を用いて導入した。合成し
たオリゴヌクレオチドは、常法に従いHPLC精製後、
使用した。
【0058】検出用プローブは、γ−32P ATPとT
4キナーゼを用いて5’末端を32P標識した。以下の実
験では、この標識オリゴヌクレオチドを未標識オリゴヌ
クレオチドと混合して用いた。なお、検出はオートラジ
オグラムにより行うのでその都合上32P標識オリゴヌク
レオチド量は一反応当たり約104 cpmになるように
添加した。
4キナーゼを用いて5’末端を32P標識した。以下の実
験では、この標識オリゴヌクレオチドを未標識オリゴヌ
クレオチドと混合して用いた。なお、検出はオートラジ
オグラムにより行うのでその都合上32P標識オリゴヌク
レオチド量は一反応当たり約104 cpmになるように
添加した。
【0059】(実施例1) ハイブリダイズの促進 2つのオリゴヌクレオチドが隣り合わせてハイブリダイ
ズしている場合には、それぞれが形成するハイブリッド
は相互に安定化されて2本鎖が解離しにくくなる。この
現象は隣合った領域が2本鎖を形成しているために、一
旦形成されている2本鎖が変性しにくくなることを示し
たものであるが、本発明者らはこの変性する過程とは逆
の2本鎖を形成する過程、即ちハイブリダイズする過程
にも促進効果があるかどうかを調べた。 <加熱処理後、アニーリング操作を行った場合>ハイブ
リダイゼーション反応には、温度を上げて2本鎖を変性
させる操作とそれに続いて温度を除々に下げてアニーリ
ングさせる操作が必要である。そこで、標的DNA、検
出するプローブに隣合った領域を2本鎖形成をさせるた
めのオリゴヌクレオチド(促進用プローブ)、及び検出
用プローブの3種を同時に予め混合し、変性とアニーリ
ング操作を行った。
ズしている場合には、それぞれが形成するハイブリッド
は相互に安定化されて2本鎖が解離しにくくなる。この
現象は隣合った領域が2本鎖を形成しているために、一
旦形成されている2本鎖が変性しにくくなることを示し
たものであるが、本発明者らはこの変性する過程とは逆
の2本鎖を形成する過程、即ちハイブリダイズする過程
にも促進効果があるかどうかを調べた。 <加熱処理後、アニーリング操作を行った場合>ハイブ
リダイゼーション反応には、温度を上げて2本鎖を変性
させる操作とそれに続いて温度を除々に下げてアニーリ
ングさせる操作が必要である。そこで、標的DNA、検
出するプローブに隣合った領域を2本鎖形成をさせるた
めのオリゴヌクレオチド(促進用プローブ)、及び検出
用プローブの3種を同時に予め混合し、変性とアニーリ
ング操作を行った。
【0060】反応条件を以下に示した。 ・標的DNA 1 pmol ・5’側及び/又は3’側促進用プローブ 0.5 pmol ・検出用プローブ(32P標識 104 cpm ) 0.01 pmol ・緩衝液(50mM Tris-HCl(pH7.6), 10mM MgCl2) ↓ 100 ℃ 5min, 65 ℃ 10min, 37℃ 10min ↓ 0.7%アガロースゲル電気泳動 (89mM Tris/Borate−2mM EDTA 緩衝液) 電気泳動後、オートラジオグラフィーによりハイブリダ
イズした核酸量を比較した。
イズした核酸量を比較した。
【0061】結果を図1に示した。レーン1〜7は検出
用プローブに14merを用いたものである。レーン8
〜12は検出用プローブに13merを用いたものであ
る。調製例1に示したように14merの検出用プロー
ブの3’末端は、3’側促進用プローブの5’末端に隣
接した配列からなる。また、13merの検出用プロー
ブの3’末端と3’側促進用プローブの5’末端は接し
ておらず1塩基のギャップがその間に存在する。レーン
1,8はプローブのみの対照である。レーン2〜7、9
〜12は反応を行ったものを示した。5’側促進用プロ
ーブは検出用プローブの5’側に位置する25mer
を、3’側促進用プローブは検出用プローブの3’側に
位置する25merを用いた。また、検出用プローブに
対する相補性の位置から670塩基離れた位置にハイブ
リダイズし2本鎖を形成するXプローブ、及び標的核酸
には相補性を持たないYプローブを対照に使用した。こ
れらのプローブの詳細は調製例1に記載した。 レーン1:検出用プローブ(14mer)のみ。 レーン2:反応液から促進用プローブのみを除いたも
の。 レーン3:5’側促進用プローブと検出用プローブを同
時に加えた。 レーン4:3’側促進用プローブと検出用プローブを同
時に加えた。 レーン5:5’側及び3’側促進用プローブと検出用プ
ローブを同時に加えた。 レーン6:Xプローブと検出用プローブを同時に加え
た。 レーン7:Yプローブと検出用プローブを同時に加え
た。 レーン8:検出用プローブ(13mer)のみ。 レーン9:反応液から促進用プローブのみを除いたも
の。 レーン10:3’側促進用プローブと検出用プローブを同
時に加えた。 レーン11:5’側促進用プローブと検出用プローブを同
時に加えた。 レーン12:5’側及び3’側促進用プローブと検出用プ
ローブを同時に加えた。
用プローブに14merを用いたものである。レーン8
〜12は検出用プローブに13merを用いたものであ
る。調製例1に示したように14merの検出用プロー
ブの3’末端は、3’側促進用プローブの5’末端に隣
接した配列からなる。また、13merの検出用プロー
ブの3’末端と3’側促進用プローブの5’末端は接し
ておらず1塩基のギャップがその間に存在する。レーン
1,8はプローブのみの対照である。レーン2〜7、9
〜12は反応を行ったものを示した。5’側促進用プロ
ーブは検出用プローブの5’側に位置する25mer
を、3’側促進用プローブは検出用プローブの3’側に
位置する25merを用いた。また、検出用プローブに
対する相補性の位置から670塩基離れた位置にハイブ
リダイズし2本鎖を形成するXプローブ、及び標的核酸
には相補性を持たないYプローブを対照に使用した。こ
れらのプローブの詳細は調製例1に記載した。 レーン1:検出用プローブ(14mer)のみ。 レーン2:反応液から促進用プローブのみを除いたも
の。 レーン3:5’側促進用プローブと検出用プローブを同
時に加えた。 レーン4:3’側促進用プローブと検出用プローブを同
時に加えた。 レーン5:5’側及び3’側促進用プローブと検出用プ
ローブを同時に加えた。 レーン6:Xプローブと検出用プローブを同時に加え
た。 レーン7:Yプローブと検出用プローブを同時に加え
た。 レーン8:検出用プローブ(13mer)のみ。 レーン9:反応液から促進用プローブのみを除いたも
の。 レーン10:3’側促進用プローブと検出用プローブを同
時に加えた。 レーン11:5’側促進用プローブと検出用プローブを同
時に加えた。 レーン12:5’側及び3’側促進用プローブと検出用プ
ローブを同時に加えた。
【0062】検出用プローブは、単独では標的核酸には
余りハイブリダイズできないが(レーン2) 、5’側又
は3’側促進用プローブが共存するとハイブリダイズの
効率が上がることがわかった(レーン3,4) 。更に、
5’側及び3’側促進用プローブが2種共存するとハイ
ブリダイズの効率が非常に促進されることがわかった
(レーン5) 。
余りハイブリダイズできないが(レーン2) 、5’側又
は3’側促進用プローブが共存するとハイブリダイズの
効率が上がることがわかった(レーン3,4) 。更に、
5’側及び3’側促進用プローブが2種共存するとハイ
ブリダイズの効率が非常に促進されることがわかった
(レーン5) 。
【0063】一方、検出用プローブがハイブリダイズし
うる相補的な位置から670塩基離れているものを用い
た場合にはその効果は認められなかった(レーン6)。
また標的DNAとは相補性を持たないものでも促進の効
果は見られなかった(レーン7) 。検出用プローブが促
進用プローブに隣接している場合は、検出用プローブの
ハイブリダイズは同様に促進されたが(レーン11) 、
検出用プローブが促進用プローブに隣接せず1塩基のギ
ャップがある場合では、その効率は非常に悪くなること
がわかった(レーン10) 。
うる相補的な位置から670塩基離れているものを用い
た場合にはその効果は認められなかった(レーン6)。
また標的DNAとは相補性を持たないものでも促進の効
果は見られなかった(レーン7) 。検出用プローブが促
進用プローブに隣接している場合は、検出用プローブの
ハイブリダイズは同様に促進されたが(レーン11) 、
検出用プローブが促進用プローブに隣接せず1塩基のギ
ャップがある場合では、その効率は非常に悪くなること
がわかった(レーン10) 。
【0064】以上の結果から、短いオリゴヌクレオチド
は2本鎖形成能(Tm値)が低いため通常のアニーリン
グ温度ではハイブリダイズでき難いものでも、そのオリ
ゴヌクレオチドに隣接する領域が2本鎖を形成している
場合にはハイブリダイズできるようになることがわかっ
た。更に、検出用プローブが2個の促進用プローブの間
に位置しかつそれぞれの促進用プローブに隣接する構造
をもつ場合はハイブリダイズの効率が非常に促進される
ことがわかった。
は2本鎖形成能(Tm値)が低いため通常のアニーリン
グ温度ではハイブリダイズでき難いものでも、そのオリ
ゴヌクレオチドに隣接する領域が2本鎖を形成している
場合にはハイブリダイズできるようになることがわかっ
た。更に、検出用プローブが2個の促進用プローブの間
に位置しかつそれぞれの促進用プローブに隣接する構造
をもつ場合はハイブリダイズの効率が非常に促進される
ことがわかった。
【0065】即ち、検出用プローブが標的核酸に相補的
な配列からなっており、かつ隣合った領域が2本鎖を形
成させるような領域からなる促進用プローブが共存する
と検出用プローブが標的核酸に効率よくハイブリダイズ
することが明らかとなった。
な配列からなっており、かつ隣合った領域が2本鎖を形
成させるような領域からなる促進用プローブが共存する
と検出用プローブが標的核酸に効率よくハイブリダイズ
することが明らかとなった。
【0066】(実施例2−a) 一定温度でハイブリダ
イズした場合の効果 実施例1に示したように、検出用プローブの隣合った領
域が2本鎖を形成している場合には、検出用プローブが
標的核酸に効率よくハイブリダイズすることがわかっ
た。これは検出用プローブと促進用プローブ及び標的核
酸を同時に混合して加熱処理後、アニーリング操作を行
った場合である。
イズした場合の効果 実施例1に示したように、検出用プローブの隣合った領
域が2本鎖を形成している場合には、検出用プローブが
標的核酸に効率よくハイブリダイズすることがわかっ
た。これは検出用プローブと促進用プローブ及び標的核
酸を同時に混合して加熱処理後、アニーリング操作を行
った場合である。
【0067】そこで、予め促進用プローブを標的核酸に
ハイブリダイズさせて部分的な2本鎖を形成させてお
き、次いで一定温度で検出用プローブを添加した場合に
ついての効果を調べた。反応条件を以下に示した。 (1) 検出用プローブの5’側又は3’側の領域に促進用
プローブを用いて2本鎖を形成させる。
ハイブリダイズさせて部分的な2本鎖を形成させてお
き、次いで一定温度で検出用プローブを添加した場合に
ついての効果を調べた。反応条件を以下に示した。 (1) 検出用プローブの5’側又は3’側の領域に促進用
プローブを用いて2本鎖を形成させる。
【0068】 ・標的DNA 1 pmol ・5’側及び/又は3’側促進用プローブ 0.5 pmol ・緩衝液(50mM Tris-HCl(pH7.6), 10mM MgCl2) ↓ 100℃ 5min, 65 ℃ 10min, 37℃ 10min (2) 検出用プローブの定温でのハイブリダイズ ・検出用プローブ(32P標識 104 cpm ) 0.01 pmol ↓37℃ 60min 0.7%アガロースゲル電気泳動 (89mM Tris/Borate−2mM EDTA 緩衝液)。
【0069】その結果、実施例1において図1に示した
ものと全く同じ実験結果を得ることができた。従って、
検出用プローブと促進用プローブ及び標的核酸を同時に
混合して加熱処理後、アニーリング操作を行った場合に
限らず、予め促進用プローブを標的核酸にハイブリダイ
ズさせて部分的な2本鎖を形成させておき、次いで一定
温度で検出用プローブを添加した場合も標的核酸に効率
よくハイブリダイズすることがわかった。
ものと全く同じ実験結果を得ることができた。従って、
検出用プローブと促進用プローブ及び標的核酸を同時に
混合して加熱処理後、アニーリング操作を行った場合に
限らず、予め促進用プローブを標的核酸にハイブリダイ
ズさせて部分的な2本鎖を形成させておき、次いで一定
温度で検出用プローブを添加した場合も標的核酸に効率
よくハイブリダイズすることがわかった。
【0070】(実施例2−b)実施例2−aは促進用プ
ローブ及び検出用プローブのモル比を実施例1と同様に
して行ったものである。次に、標的DNAに対しプロー
ブDNAを過剰量添加した場合について調べた。反応条
件を以下に示した。
ローブ及び検出用プローブのモル比を実施例1と同様に
して行ったものである。次に、標的DNAに対しプロー
ブDNAを過剰量添加した場合について調べた。反応条
件を以下に示した。
【0071】(1) 検出用プローブの5’側又は3’側の
領域に促進用プローブを用いて2本鎖を形成させる。 ・標的DNA 0.1 pmol ・5’側及び/又は3’側促進用プローブ 0.5 pmol ・緩衝液(50mM Tris-HCl(pH7.6), 10mM MgCl2) ↓ 100℃ 5min, 65 ℃ 10min, 37℃ 10min (2) 検出用プローブの定温でのハイブリダイズ ・検出用プローブ(32P標識 104 cpm ) 10 pmol ↓37℃ 60min 0.7%アガロースゲル電気泳動 (89mM Tris/Borate−2mM EDTA 緩衝液)。
領域に促進用プローブを用いて2本鎖を形成させる。 ・標的DNA 0.1 pmol ・5’側及び/又は3’側促進用プローブ 0.5 pmol ・緩衝液(50mM Tris-HCl(pH7.6), 10mM MgCl2) ↓ 100℃ 5min, 65 ℃ 10min, 37℃ 10min (2) 検出用プローブの定温でのハイブリダイズ ・検出用プローブ(32P標識 104 cpm ) 10 pmol ↓37℃ 60min 0.7%アガロースゲル電気泳動 (89mM Tris/Borate−2mM EDTA 緩衝液)。
【0072】電気泳動後、オートラジオグラフィーによ
りハイブリダイズしたプローブ核酸量を比較した。結果
を図2(1)に示した。 レーン1:3’側促進用プローブを加えて反応(1) を行
い2本鎖を形成後、検出用プローブを加えた。 レーン2:Xプローブを加えて反応(1) を行い2本鎖を
形成後、検出用プローブを加えた。 レーン3:Yプローブを加えて反応(1) を行った後、検
出用プローブを加えた。 レーン4:促進用プローブを加えずに反応(1) を行った
後、検出用プローブを加えた。 レーン5:検出用プローブのみの対照である。
りハイブリダイズしたプローブ核酸量を比較した。結果
を図2(1)に示した。 レーン1:3’側促進用プローブを加えて反応(1) を行
い2本鎖を形成後、検出用プローブを加えた。 レーン2:Xプローブを加えて反応(1) を行い2本鎖を
形成後、検出用プローブを加えた。 レーン3:Yプローブを加えて反応(1) を行った後、検
出用プローブを加えた。 レーン4:促進用プローブを加えずに反応(1) を行った
後、検出用プローブを加えた。 レーン5:検出用プローブのみの対照である。
【0073】検出用プローブは37℃の一定温度では標
的核酸には殆どハイブリダイズしなかったが(レーン
4)、促進用プローブによって隣接した領域が2本鎖を
形成している場合にはハイブリダイズの効率が上がるこ
とがわかった(レーン1) 。促進用プローブで形成され
た2本鎖部分が670塩基離れている場合にはその効果
は認められなかった(レーン2) 。更に、標的DNAと
相補性を持たないものを促進用プローブとしても促進効
果がないことがわかった(レーン3)。
的核酸には殆どハイブリダイズしなかったが(レーン
4)、促進用プローブによって隣接した領域が2本鎖を
形成している場合にはハイブリダイズの効率が上がるこ
とがわかった(レーン1) 。促進用プローブで形成され
た2本鎖部分が670塩基離れている場合にはその効果
は認められなかった(レーン2) 。更に、標的DNAと
相補性を持たないものを促進用プローブとしても促進効
果がないことがわかった(レーン3)。
【0074】(実施例2−c)実施例2−bの結果を確
認するため、検出用プローブに13mer(レーン1〜
3)又は14mer(レーン4−6)を用いて実験を行
った。反応条件は実施例2−bと同様である。結果を図
2(2)に示した。 レーン1:検出用プローブ(13mer)のみを加え
た。 レーン2:3’側促進用プローブを加えて反応(1) を行
い2本鎖を形成後、検出用プローブ(13mer)を加
えた。 レーン3:5’側促進用プローブを加えて反応(1) を行
い2本鎖を形成後、検出用プローブ(13mer)を加
えた。 レーン4:検出用プローブ(14mer)のみを加え
た。 レーン5:3’側促進用プローブを加えて反応(1) を行
い2本鎖を形成後、検出用プローブ(14mer)を加
えた。 レーン6:5’側促進用プローブを加えて反応(1) を行
い2本鎖を形成後、検出用プローブ(14mer)を加
えた。
認するため、検出用プローブに13mer(レーン1〜
3)又は14mer(レーン4−6)を用いて実験を行
った。反応条件は実施例2−bと同様である。結果を図
2(2)に示した。 レーン1:検出用プローブ(13mer)のみを加え
た。 レーン2:3’側促進用プローブを加えて反応(1) を行
い2本鎖を形成後、検出用プローブ(13mer)を加
えた。 レーン3:5’側促進用プローブを加えて反応(1) を行
い2本鎖を形成後、検出用プローブ(13mer)を加
えた。 レーン4:検出用プローブ(14mer)のみを加え
た。 レーン5:3’側促進用プローブを加えて反応(1) を行
い2本鎖を形成後、検出用プローブ(14mer)を加
えた。 レーン6:5’側促進用プローブを加えて反応(1) を行
い2本鎖を形成後、検出用プローブ(14mer)を加
えた。
【0075】37℃の一定温度では検出用プローブは殆
どハイブリダイズしなかった(レーン4)。検出用プロ
ーブの3’側又は5’側に隣接した領域を前もって促進
用プローブを用いてハイブリダイズさせて既に2本鎖を
形成させてある場合には、検出用プローブのハイブリダ
イズが促進されることがわかった(レーン5及び6)。
どハイブリダイズしなかった(レーン4)。検出用プロ
ーブの3’側又は5’側に隣接した領域を前もって促進
用プローブを用いてハイブリダイズさせて既に2本鎖を
形成させてある場合には、検出用プローブのハイブリダ
イズが促進されることがわかった(レーン5及び6)。
【0076】一方、13merの検出用プローブを用い
た場合では、3’側促進用プローブではハイブリダイズ
が促進されなかった(レーン2)のに対し、5’側を促
進用プローブとした場合には検出用プローブがハイブリ
ダイズした(レーン3)。以上の結果より、検出用プロ
ーブを促進用プローブと同時に混合して加熱処理後、標
的核酸とアニーリング操作を行った場合のみならず、予
め促進用プローブを標的核酸にハイブリダイズさせて部
分的な2本鎖を形成させておき、次いで一定温度で検出
用プローブを添加した場合にも同様のプローブのハイブ
リダイゼーションの促進効果が認められた。また、ハイ
ブリダイズの効率を上げる促進用プローブは、検出用プ
ローブの末端とギャップのない隣合った配列であること
が必要であることが確認できた。
た場合では、3’側促進用プローブではハイブリダイズ
が促進されなかった(レーン2)のに対し、5’側を促
進用プローブとした場合には検出用プローブがハイブリ
ダイズした(レーン3)。以上の結果より、検出用プロ
ーブを促進用プローブと同時に混合して加熱処理後、標
的核酸とアニーリング操作を行った場合のみならず、予
め促進用プローブを標的核酸にハイブリダイズさせて部
分的な2本鎖を形成させておき、次いで一定温度で検出
用プローブを添加した場合にも同様のプローブのハイブ
リダイゼーションの促進効果が認められた。また、ハイ
ブリダイズの効率を上げる促進用プローブは、検出用プ
ローブの末端とギャップのない隣合った配列であること
が必要であることが確認できた。
【0077】(実施例3) CSHを利用したシグナル
増幅法 実施例2に示したように促進用プローブで予め2本鎖を
形成させておけば、一定温度でも検出用プローブのハイ
ブリダイズを促進できることがわかった。このことから
一定の通常温度での酵素反応が可能と考えられる。そこ
で、この現象を基に1本鎖DNAには作用せずハイブリ
ダイズしたプローブ核酸のみを切断し、かつ塩基配列に
よって限定されないヌクレアーゼ活性を利用したシグナ
ル増幅法を開発した。
増幅法 実施例2に示したように促進用プローブで予め2本鎖を
形成させておけば、一定温度でも検出用プローブのハイ
ブリダイズを促進できることがわかった。このことから
一定の通常温度での酵素反応が可能と考えられる。そこ
で、この現象を基に1本鎖DNAには作用せずハイブリ
ダイズしたプローブ核酸のみを切断し、かつ塩基配列に
よって限定されないヌクレアーゼ活性を利用したシグナ
ル増幅法を開発した。
【0078】CSHとエクソヌクレアーゼIII を利用し
たシグナル増幅法の反応原理を図3に示す。 (1)標的核酸に相補性をもつ促進用プローブ(第1プ
ローブ)をハイブリダイズさせ、部分的な2本鎖領域を
形成させる。即ち、促進用プローブ(第1プローブ)を
標的核酸を含む検体と混合し、高温にて変性後、アニー
リング操作を行って2本鎖を形成させる。なお、促進用
プローブ(第1プローブ)はエクソヌクレアーゼIII (E
xoIII)に耐性とするため、3’末端をホスホロチオエー
ト結合とした。 (2)前記(1)で形成された2本鎖領域の5’側に近
接した領域に相補性をもつ検出用プローブ(第2プロー
ブ)を添加する。検出用プローブ(第2プローブ)の
3’末端と促進用プローブ(第1プローブ)の5’末端
がギャップのない隣合った配列とする。また、検出用プ
ローブ(第2プローブ)は以下の反応で消費されるの
で、添加量は標的核酸の大過剰とする。
たシグナル増幅法の反応原理を図3に示す。 (1)標的核酸に相補性をもつ促進用プローブ(第1プ
ローブ)をハイブリダイズさせ、部分的な2本鎖領域を
形成させる。即ち、促進用プローブ(第1プローブ)を
標的核酸を含む検体と混合し、高温にて変性後、アニー
リング操作を行って2本鎖を形成させる。なお、促進用
プローブ(第1プローブ)はエクソヌクレアーゼIII (E
xoIII)に耐性とするため、3’末端をホスホロチオエー
ト結合とした。 (2)前記(1)で形成された2本鎖領域の5’側に近
接した領域に相補性をもつ検出用プローブ(第2プロー
ブ)を添加する。検出用プローブ(第2プローブ)の
3’末端と促進用プローブ(第1プローブ)の5’末端
がギャップのない隣合った配列とする。また、検出用プ
ローブ(第2プローブ)は以下の反応で消費されるの
で、添加量は標的核酸の大過剰とする。
【0079】用いる検出用プローブ(第2プローブ)は
鎖長を調節することにより単独ではハイブリダイズしに
くいものが望ましい。即ち、検出用プローブはその鎖長
を短く(20塩基長以内)することにより通常の反応温
度(30〜55℃)においてはハイブリダイズしにくい
が、促進用プローブ(第1プローブ)によって形成され
た2本鎖領域がある場合にはハイブリダイズ形成が促進
されるものとしておく。 (3)この条件下でエクソヌクレアーゼIII (ExoIII)を
添加し、30〜55℃の一定温度で分解反応を開始させ
る。
鎖長を調節することにより単独ではハイブリダイズしに
くいものが望ましい。即ち、検出用プローブはその鎖長
を短く(20塩基長以内)することにより通常の反応温
度(30〜55℃)においてはハイブリダイズしにくい
が、促進用プローブ(第1プローブ)によって形成され
た2本鎖領域がある場合にはハイブリダイズ形成が促進
されるものとしておく。 (3)この条件下でエクソヌクレアーゼIII (ExoIII)を
添加し、30〜55℃の一定温度で分解反応を開始させ
る。
【0080】エクソヌクレアーゼIII による分解は3’
→5’方向へ進むので、検出用プローブの5’側に2本
鎖領域がある場合は、分解はプローブの外側から起こる
のに対し、検出用プローブの3’側に2本鎖領域がある
場合は、分解はプローブの内側から分解が起こることに
なる。即ち、前者の場合は2本鎖領域と検出用プローブ
が近接したままであるのに対し、後者では分解に伴って
両プローブの間隔が離れることになるので速やかにCS
Hによる安定化の効果が失われ、分解されたプローブが
離脱する。
→5’方向へ進むので、検出用プローブの5’側に2本
鎖領域がある場合は、分解はプローブの外側から起こる
のに対し、検出用プローブの3’側に2本鎖領域がある
場合は、分解はプローブの内側から分解が起こることに
なる。即ち、前者の場合は2本鎖領域と検出用プローブ
が近接したままであるのに対し、後者では分解に伴って
両プローブの間隔が離れることになるので速やかにCS
Hによる安定化の効果が失われ、分解されたプローブが
離脱する。
【0081】なお、用いたエクソヌクレアーゼIII は耐
熱性ではないので30〜55℃で行う。エクソヌクレア
ーゼIII は核酸の2本鎖部分の3’末端からしか作用で
きないので、標的核酸やハイブリダイズしていない遊離
のプローブ核酸はヌクレアーゼによる分解を受けない。
なお、図3及び本実施例では促進用プローブはこのヌク
レアーゼにて分解されることを防ぐためホスホロチオエ
ート化の修飾を行った。 (4)ヌクレアーゼによる検出用プローブの分解でCS
Hの効果が消失し、もはや2本鎖構造を維持できなくな
って標的核酸よりプローブが外れる。この結果、標的核
酸はもとの1本鎖にもどる。この結合部位に未反応の検
出用プローブ(第2プローブ)がハイブリダイズする。
他方、ヌクレアーゼの作用で断片化されたプローブ核酸
が反応液中に遊離し蓄積される。 (5)前記(2)〜(4)の反応が継続して起こり、検
出用プローブ(第2プローブ)の分解物が蓄積する。こ
の分解物の産生量を測定することにより標的核酸量を推
定する。
熱性ではないので30〜55℃で行う。エクソヌクレア
ーゼIII は核酸の2本鎖部分の3’末端からしか作用で
きないので、標的核酸やハイブリダイズしていない遊離
のプローブ核酸はヌクレアーゼによる分解を受けない。
なお、図3及び本実施例では促進用プローブはこのヌク
レアーゼにて分解されることを防ぐためホスホロチオエ
ート化の修飾を行った。 (4)ヌクレアーゼによる検出用プローブの分解でCS
Hの効果が消失し、もはや2本鎖構造を維持できなくな
って標的核酸よりプローブが外れる。この結果、標的核
酸はもとの1本鎖にもどる。この結合部位に未反応の検
出用プローブ(第2プローブ)がハイブリダイズする。
他方、ヌクレアーゼの作用で断片化されたプローブ核酸
が反応液中に遊離し蓄積される。 (5)前記(2)〜(4)の反応が継続して起こり、検
出用プローブ(第2プローブ)の分解物が蓄積する。こ
の分解物の産生量を測定することにより標的核酸量を推
定する。
【0082】次に、以上の原理が実際に進行するかどう
かを検討した。反応条件を以下に示した。 ・標的1本鎖核酸 0.1 pmol ・3’側促進用プローブ 0.5 pmol ・緩衝液(50mM Tris-HCl(pH7.6), 10mM MgCl2) ↓ 100℃ 5min, 65 ℃ 10min, 37℃ 10min ↓ ・検出用プローブ(32P標識 104 cpm ) 10 pmol ・エクソヌクレアーゼIII 1 unit ↓ 37℃ 60 分 19%アクリルアミドゲル電気泳動 (89mM Tris/Borate−2mM EDTA/ 8M urea 緩衝液) ↓ オートラジオグラフィーによりプローブの分解産物を検出した。
かを検討した。反応条件を以下に示した。 ・標的1本鎖核酸 0.1 pmol ・3’側促進用プローブ 0.5 pmol ・緩衝液(50mM Tris-HCl(pH7.6), 10mM MgCl2) ↓ 100℃ 5min, 65 ℃ 10min, 37℃ 10min ↓ ・検出用プローブ(32P標識 104 cpm ) 10 pmol ・エクソヌクレアーゼIII 1 unit ↓ 37℃ 60 分 19%アクリルアミドゲル電気泳動 (89mM Tris/Borate−2mM EDTA/ 8M urea 緩衝液) ↓ オートラジオグラフィーによりプローブの分解産物を検出した。
【0083】結果を図4(a)に示した。 レーン1:標的DNAのみを添加せず反応させた。 レーン2:標的DNA、促進用プローブ及び検出用プロ
ーブ全てを加えて反応させた。 レーン3:促進用プローブのみを添加せず反応させた。
ーブ全てを加えて反応させた。 レーン3:促進用プローブのみを添加せず反応させた。
【0084】標的DNA、促進用プローブ及び検出用プ
ローブ全てを加えて反応させた場合には分解産物が蓄積
するのに対し(レーン2)、促進用プローブを除いたも
のでは分解産物の蓄積する効率は低かった(レーン3)
ことから、図3に示した模式図のサイクル反応が起こる
ことが確認できた。また、標的DNAがない場合では殆
ど検出用プローブは分解されないことから(レーン
1)、標的DNAの存在に依存した反応であることが確
認できた。
ローブ全てを加えて反応させた場合には分解産物が蓄積
するのに対し(レーン2)、促進用プローブを除いたも
のでは分解産物の蓄積する効率は低かった(レーン3)
ことから、図3に示した模式図のサイクル反応が起こる
ことが確認できた。また、標的DNAがない場合では殆
ど検出用プローブは分解されないことから(レーン
1)、標的DNAの存在に依存した反応であることが確
認できた。
【0085】次いで、鋳型核酸の特異性を調べた。即
ち、標的核酸としてプローブが相補性を持たない配列か
らなるものを用い、反応の特異性を調べた。反応条件
は、図4(a)の場合と同様である。結果を図4(b)
に示した。 レーン1:促進用プローブ及び検出用プローブに相補性
をもつ配列を含む標的核酸(HBVの配列を持つM13
mp18)を用いて反応させた。 レーン2:促進用プローブ及び検出用プローブに相補性
をもたない核酸配列(M13mp18)を用いて反応さ
せた。 レーン3:鋳型を添加せず反応させた。
ち、標的核酸としてプローブが相補性を持たない配列か
らなるものを用い、反応の特異性を調べた。反応条件
は、図4(a)の場合と同様である。結果を図4(b)
に示した。 レーン1:促進用プローブ及び検出用プローブに相補性
をもつ配列を含む標的核酸(HBVの配列を持つM13
mp18)を用いて反応させた。 レーン2:促進用プローブ及び検出用プローブに相補性
をもたない核酸配列(M13mp18)を用いて反応さ
せた。 レーン3:鋳型を添加せず反応させた。
【0086】検出用プローブの分解は促進用及び検出用
プローブと相補性を持つ鋳型を用いたときにのみ起こる
こと(レーン1)から、この反応は配列に特異的なもの
であることが確認できた。標的核酸量を変化させ、検出
感度について検討した結果を図5に示した。反応条件は
図4(b)の場合と同様であるが、鋳型核酸の濃度を、
1 pmolから1 fmolまで変化させた。 レーン1:鋳型核酸を 1 pmol 用いた。 レーン2:鋳型核酸を 0.1 pmol 用いた。 レーン3:鋳型核酸を 10 fmol用いた。 レーン4:鋳型核酸を 1 fmol 用いた。 レーン5:鋳型核酸を添加しない(対照)。
プローブと相補性を持つ鋳型を用いたときにのみ起こる
こと(レーン1)から、この反応は配列に特異的なもの
であることが確認できた。標的核酸量を変化させ、検出
感度について検討した結果を図5に示した。反応条件は
図4(b)の場合と同様であるが、鋳型核酸の濃度を、
1 pmolから1 fmolまで変化させた。 レーン1:鋳型核酸を 1 pmol 用いた。 レーン2:鋳型核酸を 0.1 pmol 用いた。 レーン3:鋳型核酸を 10 fmol用いた。 レーン4:鋳型核酸を 1 fmol 用いた。 レーン5:鋳型核酸を添加しない(対照)。
【0087】この条件下では、鋳型核酸が 10 fmol以上
あれば検出できることが分かった(レーン3)。鋳型当
たりの検出用プローブの分解のターンオーバー数を計算
するため、各バンドを切り出し液体シンチレーションカ
ウンターによりそれぞれカウントを測定したところ、検
出用プローブの分解は促進用プローブがあると約10倍
に促進されていることが分かった。
あれば検出できることが分かった(レーン3)。鋳型当
たりの検出用プローブの分解のターンオーバー数を計算
するため、各バンドを切り出し液体シンチレーションカ
ウンターによりそれぞれカウントを測定したところ、検
出用プローブの分解は促進用プローブがあると約10倍
に促進されていることが分かった。
【0088】(実施例4) λエクソヌクレアーゼによ
る分解 実施例3から明らかなように、3’末端が促進用プロー
ブの5’側と隣接した検出用プローブを用い、プローブ
を分解する酵素としてエクソヌクレアーゼIIIを用いる
ことにより標的DNAに特異的なプローブの分解による
シグナル増幅が可能である。
る分解 実施例3から明らかなように、3’末端が促進用プロー
ブの5’側と隣接した検出用プローブを用い、プローブ
を分解する酵素としてエクソヌクレアーゼIIIを用いる
ことにより標的DNAに特異的なプローブの分解による
シグナル増幅が可能である。
【0089】実施例3で述べたのと同様に、エクソヌク
レアーゼIII の代わりに2本鎖DNAを特異的に分解す
る酵素としてλエクソヌクレアーゼを利用することがで
きる。即ち、標的核酸及び検出用プローブがDNAであ
る場合、2本鎖核酸に特異的でDNAの5’末端から分
解するλエクソヌクレアーゼを利用できる。検出用プロ
ーブは5’末端が促進用プローブの3’側と隣接したも
のを用いる。またλエクソヌクレアーゼはDNAの5’
末端がリン酸化されているものに作用するので、検出用
プローブの5’末端は前もってリン酸化しておく。この
ため、促進用プローブをλエクソヌクレアーゼに耐性に
するには5’末端を非リン酸化とするだけでもよい。
レアーゼIII の代わりに2本鎖DNAを特異的に分解す
る酵素としてλエクソヌクレアーゼを利用することがで
きる。即ち、標的核酸及び検出用プローブがDNAであ
る場合、2本鎖核酸に特異的でDNAの5’末端から分
解するλエクソヌクレアーゼを利用できる。検出用プロ
ーブは5’末端が促進用プローブの3’側と隣接したも
のを用いる。またλエクソヌクレアーゼはDNAの5’
末端がリン酸化されているものに作用するので、検出用
プローブの5’末端は前もってリン酸化しておく。この
ため、促進用プローブをλエクソヌクレアーゼに耐性に
するには5’末端を非リン酸化とするだけでもよい。
【0090】反応条件としては、67mMグリシン−KOH
(pH9.3) 、2.5mM 塩化マグネシウムを基本的な緩衝液と
して用い、その他の条件は実施例3と同様とすることが
できる。 (実施例5) リボヌクレアーゼHによる分解 プローブを分解する酵素としてリボヌクレアーゼHを用
いることもできる。即ち、標的核酸がDNAであり、検
出用プローブがRNA又はRNAを一部に含むものであ
り、酵素がDNA−RNAハイブリッドのRNA部分を
特異的に分解するリボヌクレアーゼHである場合にも応
用できる。リボヌクレアーゼHはRNAの途中をエンド
ヌクレアテックに分解するので、検出用プローブの位置
は促進用プローブに隣接しておればよく、5’又は3’
側どちらの位置でもよい。また促進用プローブを検出用
プローブに隣接した5’及び3’両側としてもよい。促
進用プローブをリボヌクレアーゼH耐性とするには、リ
ボヌクレアーゼHはDNAを分解できないのでDNAと
するだけでもよい。
(pH9.3) 、2.5mM 塩化マグネシウムを基本的な緩衝液と
して用い、その他の条件は実施例3と同様とすることが
できる。 (実施例5) リボヌクレアーゼHによる分解 プローブを分解する酵素としてリボヌクレアーゼHを用
いることもできる。即ち、標的核酸がDNAであり、検
出用プローブがRNA又はRNAを一部に含むものであ
り、酵素がDNA−RNAハイブリッドのRNA部分を
特異的に分解するリボヌクレアーゼHである場合にも応
用できる。リボヌクレアーゼHはRNAの途中をエンド
ヌクレアテックに分解するので、検出用プローブの位置
は促進用プローブに隣接しておればよく、5’又は3’
側どちらの位置でもよい。また促進用プローブを検出用
プローブに隣接した5’及び3’両側としてもよい。促
進用プローブをリボヌクレアーゼH耐性とするには、リ
ボヌクレアーゼHはDNAを分解できないのでDNAと
するだけでもよい。
【0091】一般にRNAは不安定であり、またコンタ
ミネーションしているリボヌクレアーゼにより容易に分
解される。このため、検出用プローブをDNA−RNA
−DNAの複合体にするとよい。反応条件としては、40
mM Tris-HCl(pH7.7)、 4mM塩化マグネシウム、1mM ジチ
オスレイトール、4%グリセリン、0.03%ウシ血清アル
ブミンを基本的な緩衝液として用い、その他の条件は実
施例3と同様とすることができる。
ミネーションしているリボヌクレアーゼにより容易に分
解される。このため、検出用プローブをDNA−RNA
−DNAの複合体にするとよい。反応条件としては、40
mM Tris-HCl(pH7.7)、 4mM塩化マグネシウム、1mM ジチ
オスレイトール、4%グリセリン、0.03%ウシ血清アル
ブミンを基本的な緩衝液として用い、その他の条件は実
施例3と同様とすることができる。
【0092】(実施例6) CSHを利用したプライマ
ー伸長法 (DNAポリメラーゼによる合成)CSHによるハイブ
リダイゼーションの促進を利用すれば、通常ではサイズ
が小さいためハイブリダイズできずDNA合成のプライ
マ−となれないものでも鋳型核酸と2本鎖を形成できる
のでプライマーとなりうる。従って、これを利用し標的
核酸をDNAとした以下の反応を行うことができる。例
えば、実施例3〜5で生じた短くなって、もはやハイブ
リダイズできないものでも検出することができるように
なる。
ー伸長法 (DNAポリメラーゼによる合成)CSHによるハイブ
リダイゼーションの促進を利用すれば、通常ではサイズ
が小さいためハイブリダイズできずDNA合成のプライ
マ−となれないものでも鋳型核酸と2本鎖を形成できる
のでプライマーとなりうる。従って、これを利用し標的
核酸をDNAとした以下の反応を行うことができる。例
えば、実施例3〜5で生じた短くなって、もはやハイブ
リダイズできないものでも検出することができるように
なる。
【0093】なお、検出用プローブのハイブリダイゼー
ションは繰り返し起こる必要がないので、検出用プロー
ブは予め標的DNAや促進用プローブと混合後、加熱処
理し、次いで温度を下げてアニーリングした後にポリメ
ラーゼを添加することもできる。促進用プローブはDN
A合成酵素に付随しているヌクレアーゼに耐性であるこ
とが望ましいので、促進用プローブの3’又は5’側を
修飾しておくとよい。また、促進用プローブからDNA
合成が起こらない方が望ましいので、促進用プローブの
3’末端をジデオキシ化又は鋳型とは相補性のない塩基
とすることにより促進用プローブからの合成が起こらな
いようにする。また、DNA合成酵素はKlenow(Exo-)や
φ29由来の鎖置換型のものを用いることにより、促進
用プローブがプライマーとなる検出用プローブの3’側
(DNA合成の下流)であっても合成反応が継続できる
ようになる。
ションは繰り返し起こる必要がないので、検出用プロー
ブは予め標的DNAや促進用プローブと混合後、加熱処
理し、次いで温度を下げてアニーリングした後にポリメ
ラーゼを添加することもできる。促進用プローブはDN
A合成酵素に付随しているヌクレアーゼに耐性であるこ
とが望ましいので、促進用プローブの3’又は5’側を
修飾しておくとよい。また、促進用プローブからDNA
合成が起こらない方が望ましいので、促進用プローブの
3’末端をジデオキシ化又は鋳型とは相補性のない塩基
とすることにより促進用プローブからの合成が起こらな
いようにする。また、DNA合成酵素はKlenow(Exo-)や
φ29由来の鎖置換型のものを用いることにより、促進
用プローブがプライマーとなる検出用プローブの3’側
(DNA合成の下流)であっても合成反応が継続できる
ようになる。
【0094】(逆転写酵素による合成)標的核酸がRN
Aである場合は逆転写酵素を用いることができる。即
ち、前述したDNAポリメラーゼによる合成と同様にC
SHによるハイブリダイゼーションの促進を利用すれ
ば、通常ではサイズが小さいためハイブリダイズできず
DNA合成のプライマ−となれないものでもプライマー
となりうる。従って、これを利用し標的核酸をRNAと
した反応を行うことができる。なお、検出用プローブの
ハイブリダイゼーションは繰り返し起こる必要がないの
で、検出用プローブは予め標的DNAや促進用プローブ
と混合した後、加熱処理し、温度を下げてアニーリング
した後、逆転写酵素を添加することもできる。
Aである場合は逆転写酵素を用いることができる。即
ち、前述したDNAポリメラーゼによる合成と同様にC
SHによるハイブリダイゼーションの促進を利用すれ
ば、通常ではサイズが小さいためハイブリダイズできず
DNA合成のプライマ−となれないものでもプライマー
となりうる。従って、これを利用し標的核酸をRNAと
した反応を行うことができる。なお、検出用プローブの
ハイブリダイゼーションは繰り返し起こる必要がないの
で、検出用プローブは予め標的DNAや促進用プローブ
と混合した後、加熱処理し、温度を下げてアニーリング
した後、逆転写酵素を添加することもできる。
【0095】促進用プローブは逆転写酵素に付随してい
るヌクレアーゼに耐性であることが望ましいので、促進
用プローブの3’及び5’側を修飾しておくとよい。ま
た、促進用プローブからDNA合成が起こらない方が望
ましいので、促進用プローブの3’末端をジデオキシ化
又は鋳型とは相補性のない塩基とすることにより促進用
プローブからの合成が起こらないようにする。逆転写酵
素は、Rous associated virus 2(RAV-2)由来の酵素をは
じめ各種の市販の酵素を用いることができる。
るヌクレアーゼに耐性であることが望ましいので、促進
用プローブの3’及び5’側を修飾しておくとよい。ま
た、促進用プローブからDNA合成が起こらない方が望
ましいので、促進用プローブの3’末端をジデオキシ化
又は鋳型とは相補性のない塩基とすることにより促進用
プローブからの合成が起こらないようにする。逆転写酵
素は、Rous associated virus 2(RAV-2)由来の酵素をは
じめ各種の市販の酵素を用いることができる。
【0096】
【発明の効果】本発明のハイブリダイゼーションの促進
法によれば、ハイブリダイズしにくい小さなサイズのオ
リゴヌクレオチドもハイブリダイズすることができる。
本発明の核酸の検出法によれば、プローブ法の迅速化、
高感度化が可能になり、またコンタミネーションの影響
を受けにくくなる。
法によれば、ハイブリダイズしにくい小さなサイズのオ
リゴヌクレオチドもハイブリダイズすることができる。
本発明の核酸の検出法によれば、プローブ法の迅速化、
高感度化が可能になり、またコンタミネーションの影響
を受けにくくなる。
【0097】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AATGCCCCTA TCTTATCAAC ACTTC 25
【0098】配列番号:2 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GGAGTGTGGA TTCGCACTCC TCCTG 25
【0099】配列番号:3 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CGCCAGGGTT TTCCCAGTCA CGAC 24
【0100】配列番号:4 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TTCACGCAGA AAGCGTCTAG 20
【0101】配列番号:5 配列の長さ:14 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CTTACAGACC ACCA 14
【0102】配列番号:6 配列の長さ:13 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CTTACAGACC ACC 13
【図1】促進用プローブを検出用プローブ及び標的DN
Aと共に混合し、加熱処理後、アニーリングさせた場合
のハイブリダイズに対する促進効果を示す図である。
Aと共に混合し、加熱処理後、アニーリングさせた場合
のハイブリダイズに対する促進効果を示す図である。
【図2】促進用プローブを標的DNAと混合して加熱処
理後、アニーリングさせた後、一定温度で検出用プロー
ブを添加した場合のハイブリダイズに対する促進効果を
示す図である。
理後、アニーリングさせた後、一定温度で検出用プロー
ブを添加した場合のハイブリダイズに対する促進効果を
示す図である。
【図3】CSHを利用したエクソヌクレアーゼIII (Exo
III)によるシグナル増幅の模式図である。
III)によるシグナル増幅の模式図である。
【図4】CSH/エクソヌクレアーゼIII によるシグナ
ル増幅への促進用プローブの効果と、鋳型特異性を示す
図である。
ル増幅への促進用プローブの効果と、鋳型特異性を示す
図である。
【図5】CSH/エクソヌクレアーゼIII によるシグナ
ル増幅の感度を示す図である。
ル増幅の感度を示す図である。
【図6】捕捉用プローブを示す図である。
Claims (26)
- 【請求項1】 標的核酸に相補的な配列を持つ第2プロ
ーブをハイブリダイズさせる工程において、該第2プロ
ーブの3’側に隣接する配列を持ち、かつ標的核酸と単
独で安定な2本鎖を形成することが可能な塩基数を備え
た第1プローブ及び/又は該第2プローブの5’側に隣
接する配列を持ち、かつ標的核酸と単独で安定な2本鎖
を形成することが可能な塩基数を備えた第1プローブと
ともにハイブリダイズさせることを特徴とする第2プロ
ーブのハイブリダイズ促進法。 - 【請求項2】 第1プローブとして標的核酸中において
離れた位置に存在する2つの配列に相当する配列を備え
た2種のオリゴヌクレオチドを用い、第2プローブとし
て前記2種の第1プローブの間に位置し、かつ該第2プ
ローブの末端がそれぞれの第1プローブの末端に隣接す
る配列を備えたオリゴヌクレオチドを用いることを特徴
とする請求項1記載の促進法。 - 【請求項3】 第2プローブが、単独では標的核酸と安
定なハイブリダイズを形成できないものであることを特
徴とする請求項1記載の促進法。 - 【請求項4】 第1プローブの塩基数が、10以上であ
る請求項1記載の促進法。 - 【請求項5】 以下の工程: (A)検出対象の標的核酸と単独で安定な2本鎖を形成
することが可能な塩基数を備えた第1プローブをハイブ
リダイズさせて2本鎖核酸を形成させる工程、(B)工
程(A)で形成される2本鎖核酸の2本鎖領域の3’側
及び/又は5’側に隣接するように、該標的核酸に相補
的な配列を持つ第2プローブをハイブリダイズさせて2
本鎖核酸を形成させる工程、及び(C)工程(B)でハ
イブリダイズしたプローブを検出する工程を含むことを
特徴とする核酸の検出法。 - 【請求項6】 第1プローブとして標的核酸中において
離れた位置に存在する2つの配列に相当する配列を備え
た2種のオリゴヌクレオチドを用い、第2プローブとし
て前記2種の第1プローブの間に位置し、かつ該第2プ
ローブの末端がそれぞれの第1プローブの末端に隣接す
る配列を備えたオリゴヌクレオチドを用いることを特徴
とする請求項5記載の検出法。 - 【請求項7】 第2プローブが、単独では標的核酸と安
定なハイブリダイズを形成できないものであることを特
徴とする請求項5記載の記載の検出法。 - 【請求項8】 標的核酸を含む検体と第1プローブ及び
第2プローブとを混合して、工程(A)と工程(B)を
並行して行うことを特徴とする請求項5記載の検出法。 - 【請求項9】 標的核酸を含む検体と第1プローブを混
合して工程(A)を行った後、工程(B)を一定温度で
行うことを特徴とする請求項5記載の検出法。 - 【請求項10】 工程(B)で形成された2本鎖核酸を
特異的に認識し分解する酵素を作用させて第2プローブ
を分解させる工程(B’)を行い、工程(B)及び工程
(B’)を繰り返すことによって蓄積されるプローブ核
酸の分解産物を検出することを特徴とする請求項9記載
の検出法。 - 【請求項11】 第1プローブが工程(B’)で使用す
る分解酵素に耐性であることを特徴とする請求項10記
載の検出法。 - 【請求項12】 工程(B’)で使用する酵素が2本鎖
核酸に特異的でDNAの3’末端から分解するエクソヌ
クレアーゼIII であることを特徴とする請求項10記載
の検出法。 - 【請求項13】 第1プローブの5’末端と第2プロー
ブの3’末端が隣合う配列からなる請求項12記載の検
出法。 - 【請求項14】 第2プローブの5’末端がリン酸化さ
れており、工程(B’)で使用する酵素が2本鎖核酸に
特異的でDNAの5’末端から分解するλエクソヌクレ
アーゼであることを特徴とする請求項10記載の検出
法。 - 【請求項15】 第1プローブの3’末端と第2プロー
ブの5’末端が隣合う配列からなる請求項14記載の検
出法。 - 【請求項16】 標的核酸がDNAであり、工程(B)
で使用する第2プローブがRNA又はRNAを一部に含
むものであり、工程(B’)で使用する酵素がDNA−
RNAハイブリッドのRNA部分を特異的に分解するリ
ボヌクレアーゼHであることを特徴とする請求項10記
載の検出法。 - 【請求項17】 工程(B)で形成された2本鎖核酸に
核酸合成酵素を作用させて第2プローブを延長させる工
程(B”)を行い、この産物を検出することを特徴とす
る請求項8又は9記載の検出法。 - 【請求項18】 標的核酸がDNAであり、工程
(B”)で使用する酵素がDNAポリメラーゼであるこ
とを特徴とする請求項17記載の検出法。 - 【請求項19】 標的核酸がRNAであり、工程
(B”)で使用する酵素が逆転写酵素であることを特徴
とする請求項17記載の検出法。 - 【請求項20】 第1プローブが工程(B”)で使用す
る合成酵素のヌクレアーゼ活性に耐性であることを特徴
とする請求項17記載の検出法。 - 【請求項21】 第1プローブが工程(B”)で使用す
る合成酵素のプライマーにはならないことを特徴とする
請求項17記載の検出法。 - 【請求項22】 第1プローブ及び第2プローブを予想
される標的核酸の量に対して等量以上用いることを特徴
とする請求項5記載の検出法。 - 【請求項23】 第2プローブを予想される標的核酸の
量に対して大過剰量用いることを特徴とする請求項22
記載の検出法。 - 【請求項24】 第2プローブが放射性同位元素、蛍光
物質、発光物質、ビオチン、酵素又はハプテンで標識さ
れていることを特徴とする請求項5記載の検出法。 - 【請求項25】 標的核酸に相補的な配列を持つ第2プ
ローブ、並びに、該第2プローブの3’側に隣接する配
列を持ち、かつ標的核酸と単独で安定な2本鎖を形成す
ることが可能な塩基数を備えた第1プローブ及び/又は
該第2プローブの5’側に隣接する配列を持ち、かつ標
的核酸と単独で安定な2本鎖を形成することが可能な塩
基数を備えた第1プローブを含むことを特徴とする核酸
検出用試薬。 - 【請求項26】 以下の成分: (i) 標的核酸に相補的な配列を持つ第2プローブ、(i
i) 該第2プローブの3’側に隣接する配列を持ち、か
つ標的核酸と単独で安定な2本鎖を形成することが可能
な塩基数を備えた第1プローブ及び/又は該第2プロー
ブの5’側に隣接する配列を持ち、かつ標的核酸と単独
で安定な2本鎖を形成することが可能な塩基数を備えた
第1プローブ、並びに、(iii) 標的核酸とハイブリダイ
ズした該第2プローブを特異的に認識し分解する酵素又
は標的核酸とハイブリダイズした該第2プローブを特異
的に認識し延長させる核酸合成酵素を含むことを特徴と
する核酸検出用試薬。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13618994A JPH08299A (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 標的核酸に対する相補鎖核酸のハイブリダイゼーションの促進法及びこれを用いた核酸の検出法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13618994A JPH08299A (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 標的核酸に対する相補鎖核酸のハイブリダイゼーションの促進法及びこれを用いた核酸の検出法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08299A true JPH08299A (ja) | 1996-01-09 |
Family
ID=15169433
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13618994A Pending JPH08299A (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 標的核酸に対する相補鎖核酸のハイブリダイゼーションの促進法及びこれを用いた核酸の検出法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08299A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7588891B2 (en) | 1996-01-24 | 2009-09-15 | Third Wave Technologies, Inc. | Invasive cleavage of nucleic acids |
| JP2021514646A (ja) * | 2018-03-02 | 2021-06-17 | エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft | 単一分子シーケンシングのための、二本鎖dna鋳型の作出 |
| US11976275B2 (en) | 2018-06-15 | 2024-05-07 | Kapa Biosystems, Inc. | Generation of double-stranded DNA templates for single molecule sequencing |
-
1994
- 1994-06-17 JP JP13618994A patent/JPH08299A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7588891B2 (en) | 1996-01-24 | 2009-09-15 | Third Wave Technologies, Inc. | Invasive cleavage of nucleic acids |
| JP2021514646A (ja) * | 2018-03-02 | 2021-06-17 | エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft | 単一分子シーケンシングのための、二本鎖dna鋳型の作出 |
| US11976275B2 (en) | 2018-06-15 | 2024-05-07 | Kapa Biosystems, Inc. | Generation of double-stranded DNA templates for single molecule sequencing |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040907 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050104 |