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JPH08292518A - X線用ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

X線用ハロゲン化銀写真感光材料

Info

Publication number
JPH08292518A
JPH08292518A JP9856095A JP9856095A JPH08292518A JP H08292518 A JPH08292518 A JP H08292518A JP 9856095 A JP9856095 A JP 9856095A JP 9856095 A JP9856095 A JP 9856095A JP H08292518 A JPH08292518 A JP H08292518A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver halide
sensitive material
layer
emulsion
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9856095A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuji Hasegawa
拓治 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP9856095A priority Critical patent/JPH08292518A/ja
Publication of JPH08292518A publication Critical patent/JPH08292518A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超迅速処理性に優れ、軽量で物性に優れたX
線用ハロゲン化銀写真感光材料を提供する。 【構成】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳
剤層を含む親水性コロイド層を有するハロゲン化銀写真
感光材料において、該支持体がシンジオタクチック構造
を有するスチレン重合体からなる延伸フィルムから成
り、該親水性コロイド層に、表面にゼラチンと架橋可能
な官能基を有し、主成分がアルミニウム酸化物及び珪素
酸化物から選ばれる微小粉末を含有することを特徴とす
るX線用ハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超迅速処理性に優れ、軽
量で物性に優れたX線用ハロゲン化銀写真感光材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料(以下、単に
「感光材料」とも称す)の支持体としては、従来よりポ
リエチレンテレフタレート(以下、PETと称す)ある
いはセルローストリアセテート(以下、TACと称す)
などが主に用いられている。このうちPETは医療用や
印刷用の感光材料に適しており、支持体の強度・剛性あ
るいは寸度安定性などの点で優れた支持体として使用さ
れてきた。しかし、PETは密度が高いため多量の感光
材料を扱う時、特に感光材料の保管や運搬などの面から
軽量化が望まれていた。
【0003】写真用の支持体として、シンジオタクチッ
ク構造を有するスチレン重合体(SPS)が特開平3-13
1843号に開示されている。SPSは密度が小さく軽量で
あり、上記課題を解決するには良い支持体であるが、湿
度膨張係数が小さく吸水による膨張がすくないため、現
像処理時に膨潤する乳剤層などの親水性コロイド層との
間で膜剥がれが生じる欠点があった。
【0004】一方、感光材料の迅速処理化ならびに処理
補充液の低減化が急速に進んでいる。現像処理の迅速化
では自動現像機による高温迅速処理が行われ、短時間で
処理されるための現像性に優れ、かつ水洗後、速やかに
乾燥する感光材料が要求される。この乾燥負荷を軽減す
るには、バインダー量の低減や、硬膜度を高め処理中の
含水量を抑える手段が用いられる。
【0005】しかし、バインダー量を低減すると、感光
材料の擦傷や折曲げによる黒化が増加し取扱い性が悪く
なる。これを防ぐため、珪素酸化物(シリカ)の微小粉
末を感光材料中に含有させる方法、又は特開平6-95300
号に記載の、表面にゼラチンと架橋可能な官能基を有
し、主成分がアルミニウム酸化物及び珪素酸化物から選
ばれる微小粉末を含有させる方法などが知られている
が、現像処理中の膜剥がれの防止に関しては全く知られ
ていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第1
の目的は軽量なX線用ハロゲン化銀写真感光材料を提供
することにあり、第2の目的は、湿度膨潤係数の小さい
支持体を用いた時の現像処理中の膜剥がれを軽減したX
線用ハロゲン化銀写真感光材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、支持体
上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含む親水性
コロイド層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
て、該支持体がシンジオタクチック構造を有するスチレ
ン重合体からなる延伸フィルムから成り、該親水性コロ
イド層に、表面にゼラチンと架橋可能な官能基を有し、
主成分がアルミニウム酸化物及び珪素酸化物から選ばれ
る微小粉末を含有するX線用ハロゲン化銀写真感光材料
によって達成された。
【0008】なお、迅速処理化の中でバインダー減量に
伴うゼラチンの減量や硬膜度を上げる手段は、赤外線ヒ
ーターを用いた自動現像機での高温乾燥(55℃以上)で
乾燥ムラが発生し易かったが、本発明の感光材料ではゼ
ラチンの減量に伴う乾燥ムラがない良好な写真画像が得
られるという効果も新たに見い出された。
【0009】以下、本発明をより具体的に説明する。
【0010】先ず、本発明に係るシンジオタクチック構
造を有するスチレン重合体について詳述する。
【0011】本発明でいうシンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体あるいはそれを含む組成物からな
る延伸フィルムからなる支持体(以下、SPSと略す)
とは、その構成単位が、シンジオタクチックな立体規則
性をもつSPS単位から構成されているホモポリマーを
指すが、少量例えば20モル%以下、好ましくは10モル%
以下、更に好ましくは5モル%以下の第2成分によって
改質されたSPSも含まれる。
【0012】改質されたSPSとは、例えばエチレン、
プロピレン、ブテン、ヘキセン等のオレフィンモノマ
ー、ブタジエン、イソプレン等のオレフィンモノマー、
環状オレフィンモノマー、環状ジエンモノマーやメタク
リル酸メチル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の
極性モノマー等で改質されたSPSである。
【0013】一般に有機金属触媒を使用してスチレン又
はその誘導体から適当な反応条件のもとに重合せしめる
ことによって製造される。シンジオタクチックポリスチ
レンとは、ラセミダイアッドでその75%以上、好ましく
は80%以上、又はラセミペンタッドで30%以上、好まし
くは50%以上の立体規則性を有するものである。その場
合、第2成分として一般のプラスチック可塑剤を曲げ弾
性率を劣化させない範囲で添加することができるし、こ
のようなことは適切な曲げ弾性率を得るために行われ
る。
【0014】SPSは、スチレン又はその誘導体をチタ
ン化合物及びトリアルキルアルミニウムの縮合生成物の
触媒の存在下で適当な反応温度で重合させることで合成
できる。これらは、特開昭62-187708号、特開平1-46912
号、特開平1-178505号等に記載された方法を参考にする
ことができる。SPSの重合度は特に制限はないが、1
万〜500万のものが好ましく使用できる。
【0015】SPSの曲げ弾性率を高くするには、最適
な延伸条件を選択する必要がある。未延伸フィルムのガ
ラス転移点より30℃±25℃の点、即ち、120℃±25℃で
先ず縦に3.3±0.3倍に延伸する。次に同じ温度条件で3.
6±0.6倍に横に延伸する。延伸後の熱処理は230±18℃
で行う。熱処理は1段だけでなく2段で熱処理すると良
い結果が得られる。かくして曲げ弾性率が350kg/mm2
上のSPSフィルムが製造される。
【0016】このような曲げ弾性率の高いフィルムは、
写真層をそのまま塗設して強固に接着させることは難し
い。しかし、その方法について多くの特許や文献がある
ことは、特開平3-54551号3〜4頁に記載してあり有効
である。
【0017】例えば、表面処理に関しては、コロナ放電
処理することや更に下塗層を塗設することが述べられて
いる。下塗層として、塩化ビニリデン、メタクリル酸、
アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等などが挙げ
られる。
【0018】支持体の厚みとしては、好ましくは50〜25
0μm、特に好ましくは70〜200μmである。
【0019】SPSフィルムを実際にXレイフィルムに
適用するには、支持体用の青色着色染料としてアントラ
キノン系染料が挙げられる。アントラキノン系染料は、
アントラキノンの1位から8位までの位置に任意の置換
基で置換することができる。好ましい置換基としては、
置換されてもよいアミノベンゼン、ヒドロキシル基、ニ
トロ基、アミノ基又は水素原子が挙げられる。これら置
換基をRと表し、Rの位置を付帯文字で対応させてR1
〜R8と表す。R1〜R8の少なくとも一つは、置換され
てもよいアミノベンゼンである。アミノベンゼン環上の
置換基をfで表し、ベンゼン環の1位から5位までの位
置に対応してf1〜f5で表す。f1,f2,f3,f4及び
5は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、置換さ
れてもよいアルキル基、アリールオキシ基、アラルコキ
シ基、ヒドロキシアルキル基、シクロヘキシルスルホン
アミド基等が挙げられる。
【0020】下記にアントラキノン系染料の具体例を挙
げるが、これらに限定されるものではない。
【0021】(1)1,4-ジ(フェニルアミノ)アントラキノ
ン (2)1,4-ビス(2,4,6-トリメチルフェニルアミノ)アント
ラキノン (3)1-メチルアミノ-4-(3-メチルフェニルアミノ)アン
トラキノン (4)1,4-ビス(2,6-ジエチル-4-メチルフェニルアミノ)
アントラキノン (5)1,4-ビス(2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキシルスル
ファモイルフェニルアミノ)アントラキノン (6)1,5-ビス(4-メトキシフェニルアミノ)-4,8-ジヒド
ロキシアントラキノン (7)1,4-ビス(2,4,6-トリプロピル-3-シクロヘキシルス
ルファモイルフェニル)アントラキノン (8)1-(4-エトキシフェニルアミノ)-5-(4-メトキシフェ
ニルアミノ)-4,8-ジ(ヒドロキシ)アントラキノン (9)1,4-ビス(2,4,6-トリメトキシフェニルアミノ)アン
トラキノン (10)1,4-ビス(2,4,6-トリエチルフェニルアミノ)アント
ラキノン (11)1,4-ビス(2,4-ジ-i-プロポキシ-6-メチルフェニル
アミノ)アントラキノン (12)1,4-ビス(2,4,6-トリクロロ-3-シクロヘキシルスル
ファモイルフェニルアミノ)アントラキノン (13)1,5-ビス(2,4,6-トリメトキシフェニルアミノ)-4,8
-ジヒドロキシアントラキノン (14)1,4-ビス(2,4,6-トリプロピル-3-シクロヘキシルス
ルファモイルフェニルアミノ)アントラキノン (15)1,5-ビス(4-メトキシフェニルアミノ)-4,8-ジヒド
ロキシアントラキノン 本発明に用いることの出来るハロゲン化銀乳剤のハロゲ
ン化銀組成としては、例えば臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭
化銀など何れのハロゲン化銀組成を用いてもよく、好ま
しいハロゲン化銀組成としては2.5モル%以下の沃化銀
を含む沃臭化銀乳剤である。ハロゲン化銀粒子は、本発
明の構成であればどのような結晶型のものでもよく、例
えば立方体、8面体、14面体などの単結晶であってもよ
く、種々の形状を有した多双晶粒子であってよい。
【0022】本発明の感光材料に用いられる乳剤は、例
えばT.H.James著“The Theory of the Photographic Pr
ocess”第4版 Macmillan社刊(1977年)38〜104頁に記載
の方法、G.F.Dauffin著「写真乳剤化学」“Photographi
c Emulsion Chemistry”Focal Press社刊(1966年)、P.G
lafkides著「写真の物理と化学」“Chimie et Physique
Photographique”Paul Montel社刊(1967年)、V.L.Zeli
kman他著「写真乳剤の製造と塗布」“Making and Coati
ng Photographic Emulsion”Focal Press社刊(1964年)
などに記載の方法により調製することができる。
【0023】即ち、酸性法、アンモニア法、中性法など
の溶液条件にて順混合法、逆混合法、ダブルジェット
法、コントロールド・ダブルジェット法などの混合条
件、コンバージョン法、コア/シェル法などの粒子調製
条件、及びこれらの組合わせ法を用いて製造することが
できる。
【0024】本発明の感光材料に用いられる乳剤の好ま
しい実施態様としては、沃化銀を粒子内部に局在させた
単分散乳剤が挙げられる。ここで言う単分散乳剤とは、
常法により平均粒子直径を測定した時、粒子数又は重量
で少なくとも95%の粒子が平均粒子径の±40%以内、好
ましくは±30%以内にあるハロゲン化銀粒子である。
【0025】ハロゲン化銀の粒径分布は、狭い分布を有
した単分散乳剤、あるいは広い分布を有した多分散乳剤
の何れであってもよい。ハロゲン化銀の結晶構造は内部
と外部が異なったハロゲン化銀組成から成ってもよく、
例えば高沃化銀のコア部分に低沃化銀のシェル層を被覆
して明確な2層構造を有したコア/シェル型単分散乳剤
であってもよい。
【0026】上記コア/シェル型乳剤の製造法は公知で
あり、例えばJ.Phot.Sci.24,198,(1976)、米国特許2,5
92,250号、同3,505,068号、同4,210,450号、同4,444,87
7号或いは特開昭60-143331号などに記載の方法を参考に
することができる。
【0027】上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成す
る表面潜像型、或いは粒子内部に潜像を形成する内部潜
像型、表面と内部の両方に潜像を形成する型の何れの乳
剤であってもよい。
【0028】本発明におけるハロゲン化銀乳剤は、ハロ
ゲン化銀粒子の投影面積の50%以上が、平均アスペクト
比が2.0以上のものが好ましく用いられる。粒子の円相
当直径は0.2〜30μmで、より好ましくは0.4〜10μmであ
る。さらに粒子の厚みは0.5μm以下が好ましく、より好
ましくは0.3μm以下である。平板状粒子は、分光増感効
率の向上や画像の粒状性及び鮮鋭性の改良などが得られ
るとして、例えば英国特許2,112,157号、米国特許4,41
4,310号、同4,434,226号などで開示されており、乳剤は
これら公報に記載の方法により容易に調製することがで
きる。
【0029】これらの乳剤は物理熟成、或いは粒子調製
の段階で、例えばカドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリウ
ム塩、イリジウム塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその
錯塩、鉄塩又はその錯塩などを用いてもよい。
【0030】乳剤は可溶性塩類を除去する(脱塩処理工
程)ためにヌーデル水洗法、フロキュレーション沈降法
などの水洗方法がなされてよい。好ましい水洗法として
は、例えば特公昭35-16086号記載のスルホ基を含む芳香
族炭化水素系アルデヒド樹脂を用いる方法、又は特開平
2-7037号記載の凝集高分子剤、例示G−3、G−8など
を用いる方法が特に好ましい脱塩法として挙げられる。
【0031】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工程で各種
の写真用添加剤を用いることができる。このような工程
で使用できる化合物としては、例えばリサーチディスク
ロージャー(RD)17643号,1978年12月,23頁III〜29
頁XXI、RD18716号,1979年11月,648右欄頁〜650頁右
欄及びRD308119号,1989年12月,996頁III〜1012頁XX
Iに記載されている各種の化合物が挙げられる。
【0032】本発明の感光材料の処理は、例えば前記R
D17643号の29頁XX,XXI、あるいは308119号の1011頁XX
〜1012頁XXI頁に記載されるような処理液による処理が
なされてよい。
【0033】白黒写真処理剤における処理剤としては、
ジヒドロキシベンゼン類(例えば、ハイドロキノン)、
3-ピラゾリドン類(例えば、1-フェニル-3-ピラゾリド
ン)、アミノフェノール類(例えば、N-メチル-アミノ
フェノール)などを単独又は組み合わせて用いることが
できる。なお、現像液には公知の、例えば保恒剤、アル
カリ剤、pH緩衝剤、カブリ防止剤、硬膜剤、現像促進
剤、界面活性剤、消泡剤、色調剤、硬水軟化剤、溶解助
剤、粘性付与剤などを必要に応じて用いてもよい。
【0034】定着液にはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩な
どの定着剤が用いられる。更に硬膜剤として水溶性アル
ミニウム塩、例えば硫酸アルミニウムあるいはカリ明礬
などを含んでもよい。その他保恒剤、pH調整剤、硬水
軟化剤などを含んでもよい。
【0035】本発明においては、全処理時間(Dry to D
ry)が60秒以下、より好ましくは40秒以下の超迅速処理
することができる。この時の現像時間は15秒以下、より
好ましくは10秒以下である。本発明における“現像工程
時間”又は“現像時間”とは、処理する感光材料の先端
が自動現像機(以下、自現機と称す)の現像タンク液に
浸漬してから次の定着液に浸漬する迄の時間、“定着時
間”とは、定着タンク液に浸漬してから次の水洗タンク
液(安定液)に浸漬する迄の時間、“水洗時間”とは、
水洗タンク液に浸漬している時間をいう。又、“乾燥時
間”とは、通常自動現像機には35〜100℃、好ましくは4
0〜80℃の熱風が吹き付けられる乾燥ゾーンが設置され
ており、その乾燥ゾーンに入っている時間をいう。
【0036】現像温度は25〜50℃が好ましく、30〜40℃
がより好ましい。定着温度及び時間は20〜50℃で2〜12
秒が好ましく、30〜40℃で2〜10秒がより好ましい。水
洗又は安定浴温度及び時間は0〜50℃で2〜15秒が好ま
しい。15〜40℃で2〜8秒が更に好ましい。
【0037】本発明の感光材料においては、ハロゲン化
銀乳剤層及びその他の親水性コロイド層は種々の塗布方
法により支持体上に塗布することができる。スライドホ
ッパー塗布法、カーテン塗布法、押し出し塗布法など、
詳しくは前出のRD17643号,27〜28頁の「Coating Pro
cedure」の項に記載されている方法を用いることができ
る。
【0038】次に、表面にゼラチンと架橋可能な官能基
を有し、主成分がアルミニウム酸化物及び珪素酸化物か
ら選ばれる微小粉末(以下、本発明の微小粉末と称す)
について詳述する。
【0039】本発明の微小粉末がその表面に有するゼラ
チンと架橋可能な官能基としては、アミノ基、エポキシ
基、カルボン酸基、ヒドロキシル基、ハロゲン化アルキ
ル基、ハロゲン化アリール基、ビニル基などがあるが、
好ましくは第1級アミノ基又はエポキシ基である。これ
らの官能基は単独、あるいは複数を組み合わせ、本発明
の微小粉末に有していてもよい。
【0040】本発明において、微小粉末の表面にゼラチ
ンと架橋可能な官能基を導入する方法としては、化学総
説No.44“表面の改質”(学会出版センター,1984年)
などに記載されているガラスなどの無機化合物の表面改
質に用いられる方法(特に化学的改質法)を用いればよ
い。特に好ましい方法としては、シランカップリング
剤、チタン化合物を用いる方法である。シランカップリ
ング剤、チタン化合物としては、特公昭48-3565号、特
開昭58-38950号、同59-42540号、同62-209452号などに
記載されているものなど、ゼラチンと架橋可能な官能基
を有している化合物ならば何れのものでもよいが、アミ
ノ基又は/及びエポキシ基を有するものが好ましい。以
下にシランカップリング剤、チタンカップリング剤の代
表例を示すが、本発明はこれらのものに限定されない。
【0041】
【化1】
【0042】
【化2】
【0043】
【化3】
【0044】
【化4】
【0045】
【化5】
【0046】本発明におけるシランカップリング剤、チ
タンカップリング剤は単独、あるいは複数の組合せの何
れを用いてもよい。本発明におけるシランカップリング
剤、チタンカップリング剤と微小粉末の反応方法として
は、予め水又は有機溶剤中で分散された微小粉末とシラ
ンカップリング剤、チタンカップリング剤を反応させる
方法が好ましい。即ち、かかる反応により微小粉末表面
にゼラチンと架橋可能な基を導入した後、該微小粉末を
ハロゲン化銀乳剤層、バッキング層の如き親水性コロイ
ド層の塗布液に添加するのが好ましい。
【0047】本発明の微小粉末を水、有機溶剤及び親水
性コロイドへ混和分散する際には、当該粉末の表面を分
散媒に混和分散し易いように改質して置くことが好まし
い。改質の方法としては、例えば水、親水性コロイドが
分散媒の時は、粉末の表面を親水性にすればよく、それ
には該表面の化学構造組成が親水部を有するようにする
手段とミセル層で表面処理された粉末を用いる手段の何
れかを用いるか、又は両者を併用することが好ましい。
【0048】又、本発明に用いる微小粉末の化学組成は
単一物質であっても、2種以上の化合物の混合物であっ
てもよく、又、一つの粒子の化学組成として内部、外部
あるいは表面といった部位で均一であっても2種以上の
化学組成の混合体であっても、粉末の主成分がアルミ酸
化物又は/及び珪素酸化物であればよい。又、粒子の安
定性を向上させるために粉末表面を他の金属あるいは金
属酸化物でコートしたものでもよい。
【0049】以下に本発明に用いることのできる市販の
微小粉末として容易に入手可能な具体例を挙げるが、本
発明の化合物はこれに限定されるものではない。このよ
うなものとしてはコロイド状シリカ、コロイド状アルミ
ナ、及び両者の混合物が挙げられ、更に詳細に挙げれば
E.I.Du Pont de Nemours Co.(米国)からLudoxAM, Lud
oxAS, LudoxTM, LudoxHS等の商品名で、日産化学社から
はスノーテックスC、スノーテックスN、スノーテック
スO等の商品名で市販されているもの等が挙げられる。
【0050】微小粉末は、安定剤として水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム等の塩基やテトラメチル-アンモニ
ウムイオン等の有機塩基を含めてもよい。pHが高い方
が安定であり、イオン強度が低いほど安定である点で安
定剤として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸
化アンモニウムが特に好ましい。
【0051】次に、微小粉末の粒径について述べる。こ
こで微小粉末の粒径とは、親水性コロイド層に含有され
た状態での粉末の粒子サイズを示し、粒子投影面積と等
しい面積の円の直径をいう。本発明においては粒径が1
〜500nmの範囲にある微小粉末であることが好ましく、
5〜100nmが特に好ましい。
【0052】微小粉末の使用量としては、ハロゲン化銀
乳剤及びバインダーの使用量、又、塗布方法等により左
右されるため一概には言えず、適当量を使用するのだ
が、一般的には0.01〜2.0g/m2が好ましく、0.05〜1.0
g/m2の範囲が特に好ましい。
【0053】又、該微小粉末添加層は、目的に応じて感
光材料を構成する何れかの層(表面保護層、乳剤層、中
間層、アンチハレーション層、下引層、フィルター層、
バッキング層など)でもよいが、耐圧性を改良するに
は、乳剤層及び乳剤層の表面保護層への添加が効果的で
あり、特に乳剤層への添加が好ましい。又、カール特性
を改良するには、乳剤層、乳剤層の表面保護層、バッキ
ング層及びバッキング層の表面保護層への添加が効果的
であり、特に乳剤層及びバッキング層へ添加が好まし
い。微小粉末の添加時期としては感光材料作製の如何な
る工程でもよいが、塗布直前が好ましい。
【0054】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが本
発明はこれらに限定されない。
【0055】実施例1 (SPSの合成)トルエン200重量部に、スチレン100重
量部、トリ-i-ブチルアルミニウム56g、ペンタメチル
シクロペンタジエニルチタントリメトキサイド234gを
加え、96℃で8時間反応を行った。水酸化ナトリウムの
メタノール溶液で触媒を分解除去した後、メタノールで
3回洗浄して目的物を34重量部得た。
【0056】(SPSフィルムの作成)得られたSPS
を330℃でTダイからフィルム状に熔融押出しを行い、
冷却ドラム上で急冷固化して未延伸フィルムを得た。こ
の時、冷却ドラムの引取り速度を2段階で行い、厚さ18
44μの未延伸フィルムを135℃で予熱し、縦延伸(3.1
倍)した後、130℃で横延伸(3.4倍)し、更に250℃で
熱固定を行った。その結果、支持体として、曲げ弾性率
450kg/mm2で厚さ175μの2軸延伸フィルムを得た。
【0057】なお、比較として用いたPET支持体の弾
性率は460kg/mm2であった。
【0058】(フィルムの下塗)下塗用ラテックス液
(グリシジルメタクリレート/メチルアクリレート/ブ
チルアクリレートの50/10/40wt%共重合体;固形分20
%)を、上記SPSフィルム及び比較PETフィルムに
乾燥膜厚が0.5μになるよう塗布・乾燥(120℃・1分)
した。なお、各支持体には塗布前に0.5KV・A・min/m2
のコロナ放電処理を施した。
【0059】(染料分散体の調製)500ccの水に5gの
乾燥済み染料を加え、特開平3-288842号の高速インペラ
ー分散機を用いて25℃・15,000rpmで8時間分散を行っ
た。分散体の平均粒径は0.2μ、粒子の分散度は変動係
数で20%以内であった(堀場製作所製:レーザー回折/
散乱式粒度分布測定装置LA-700による)。
【0060】(微小粉末の調製)Ludox AM(デュポン社
製)100ccに、3-アミノプロピルトリエトキシシラン
(本発明の例示化合物1)の0.4%水溶液100ccを撹拌し
ながらゆっくり添加し、更に1時間50℃で撹拌を続け
た。この処理を施したものを微小粉末溶液−Iとし、乳
剤塗布液に溶液のまま添加した。又、全く同じ方法でス
ノーテックスC(日産化学社製)100ccに同様の処理を
施し、微小粉末溶液−IIを得た。
【0061】比較として、微小粉末溶液の代わりにLudo
x AM、スノーテックスCをそのまま乳剤塗布液に添加し
た。
【0062】(感光材料試料の作製)以下のようにXレ
イ用オルソ感光材料を作製した。
【0063】特開平7-28180号実施例1に記載の乳剤D
−3の調製方法で調製したアスペクト比5.0の平板状沃
臭化銀乳剤(沃化銀1.5モル%、投影面積粒径0.96μ、
変動係数25%)に、金-硫黄増感を施し、増感色素SD
−1にて分光増感した。更に安定剤としてST−1を加
えて乳剤塗布液とした。
【0064】ブルーに着色したPET及びSPS支持体
(共に175μ厚)の両面に、下記組成になるよう横断光
遮断層、乳剤層及び保護層を塗布しX線用フィルム試料
1を作製した。
【0065】 第1層(横断光遮断層) g/m2 染料:F−1 0.084 モルダント:Mo−1 0.06 マット剤:ポリメチルメタクリレート(平均粒径2.5μ) 0.01 防黴剤:ベンゾチアゾール-3-オン 0.035 第2層(乳剤層) g/AgX1モル 増感剤:チオ硫酸ナトリウム 9.2 増感剤:チオシアン酸カリウム 0.263 増感剤:塩化金酸 0.0064 ハロゲン化銀乳剤(前記アスペクト比5.0のもの ) 1モル 増感色素:SD−1 0.700 安定剤:ST−1 4.4 ラテックス:L−1 27 粘度調整剤:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 2.0 アルカリ処理ゼラチン 80 銀が1.65g/m2(片面)となるよう塗布する。
【0066】 第3層(保護層) g/m アルカリ処理ゼラチン
1.2 デキストラン 0.5 ポリアクリル酸ナトリウム 0.01 界面活性剤:p-C8H17-C6H4-O(CH2CH2O)10(CH2CH[OH]CH2O)2H 0.03 界面活性剤:p-C8H17-C6H4-O(CH2CH2O)2CH2CH2SO3Na 0.01 界面活性剤:C8H17SO3K 0.002 界面活性剤:C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)10(CH2CH2CH2O)4H 0.002 マット剤:ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.5μ) 0.023 硬膜剤:H−1 0.033 F−1:1-(4-カルボキシフェニル)-3-シアノ-4-(5-ジ
メチルアミノ-2-フルフリデン)-2-ピラゾリン-5-オン Mo−1:ジビニルベンゼン/ジエチルアミノメチルス
チレン(1/9)共重合体ゼラチン SD−1:5,5′-ジクロロ-3,3′-ジ(3-スルホプロピ
ル)-9-エチルオキサカルボシアニン・ナトリウム ST−1:4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザ
インデン H−1:2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-s-トリアジン・ナ
トリウム L−1:ポリエチルアクリレート/アクリル酸(97/
3)共重合体 試料1と同様にして支持体と微小粉末の組合せを表1の
ように変化させた試料2〜12を作製した。
【0067】試料1〜12に露光を施し、以下に示す処理
剤を用い、ローラ型自現機SRX-503(コニカ社製)を改
良した自現機にて処理時間Dry to Dry30秒で現像処理し
た。
【0068】処理剤の組成は以下の通りである。
【0069】現像液(使用液1リットル分) 炭酸カリウム 40g ハイドロキノン 35g 1-フェニル-4-メチル-4-ヒドロキシメチル-3-ピラゾリドン 10g 1-フェニル-3-ピラゾリドン 5g ジエチレントリアミン五酢酸5ナトリウム 3g 5-メチルベンゾトリアゾール 0.2g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 0.15g 2-メルカプトヒポキサンチン 0.07g 亜硫酸ナトリウム 20g 亜硫酸カリウム 40g ジエチレングリコール 20g N-アセチル-D,L-ペニシラミン 0.5g HSCH2CH2SCH2CH2SH 0.3g グルタルアルデヒド 6g 800ccの純水に溶解し、水酸化カリウム水溶液でpH10.50に調整した後、純水 で1リットルに仕上げた。
【0070】定着液(使用液1リットル分) チオ硫酸ナトリウム 42.0g チオ硫酸カリウム 98.0g 亜硫酸ナトリウム 15.0g 硼酸 10.0g 炭酸水素ナトリウム 30.0g 400ccの純水に溶解し、使用液でpHが4.50となるよう硫酸を添加した後、純水 で500ccに仕上げ濃縮液を調製した。
【0071】処理済み各試料の膜剥がれと乾燥ムラを以
下の方法で評価した結果を表1に示す。
【0072】<膜剥がれの評価>フィルム試料を全黒化
になるよう露光し、前記の自動現像機で処理を行い、現
像槽からフィルムが出て来た時点でフィルムを取り出
し、鉄製の櫛で縦と横から1回ずつフィルム面を削り、
乳剤面の膜剥がれ状態を観察し3段階評価した。
【0073】1:削った部分以外の膜が格子状に完全に
残っている 2:削った部分以外の膜がやや丸みを帯びて残っている 3:削った部分以外の膜も剥がれている <乾燥ムラの評価>フィルム試料を全黒化になるよう露
光し、前記の自動現像機で処理を行い(乾燥温度は55
℃)、処理後の乾燥ムラを目視で3段階評価した。
【0074】1:乾燥ムラが全く見られない 2:若干の乾燥ムラが見られる 3:明確にムラが発生している
【0075】
【表1】
【0076】PET支持体を用いた試料に比べ、SPS
を用いた本発明の試料は約25%軽量化された。又、表の
結果から明らかなように、PET支持体を使用している
試料は膜剥がれは問題ないが、乾燥ムラが発生してい
る。これに本発明の微小粉末を加えても改良されない。
【0077】一方、SPS支持体を使用している試料は
膜剥がれ、乾燥ムラが発生しているが、本発明の微小粉
末を添加することにより膜剥がれ、乾燥ムラが共に抑え
られることが判る。
【0078】
【発明の効果】本発明により、軽量で物性に優れたX線
用ハロゲン化銀写真感光材料が得られる。該感光材料は
超迅速処理(Dry to Dry40秒以下)適性にも優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 1/95 G03C 1/95

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有するハロゲン化銀
    写真感光材料において、該支持体がシンジオタクチック
    構造を有するスチレン重合体からなる延伸フィルムから
    成り、該親水性コロイド層に、表面にゼラチンと架橋可
    能な官能基を有し、主成分がアルミニウム酸化物及び珪
    素酸化物から選ばれる微小粉末を含有することを特徴と
    するX線用ハロゲン化銀写真感光材料。
JP9856095A 1995-04-24 1995-04-24 X線用ハロゲン化銀写真感光材料 Pending JPH08292518A (ja)

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