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JPH08334455A - 複合材の界面特性評価方法及び装置 - Google Patents

複合材の界面特性評価方法及び装置

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Publication number
JPH08334455A
JPH08334455A JP8331896A JP8331896A JPH08334455A JP H08334455 A JPH08334455 A JP H08334455A JP 8331896 A JP8331896 A JP 8331896A JP 8331896 A JP8331896 A JP 8331896A JP H08334455 A JPH08334455 A JP H08334455A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
fiber
holder
microdroplet
movement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8331896A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Morishita
均 森下
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Individual
Original Assignee
Individual
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Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP8331896A priority Critical patent/JPH08334455A/ja
Publication of JPH08334455A publication Critical patent/JPH08334455A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種複合材料の界面剥離強度、即ち界面剥離
時の剪断応力や繊維又は線材に対するマイクロドロップ
レットの接触角を、正確かつ簡単に求められるようにし
て、高弾性率繊維でも比較的簡便に、かつ熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂の両方、更にはコンクリートや低融点
の合金(例えば鉛を用いない将来的な非鉛半田等)にも
適用できる画期的な界面特性評価方法及び装置を提供す
る。 【解決手段】 一定長さの繊維又は線材13の両端を固
着すると共に水平方向に移動可能なホルダ2と、ホルダ
移動装置3と、ホルダ2に作用する荷重を記録する荷重
測定記録装置(ロードセル4)と、供試材料41を該繊
維又は線材13に付着させてマイクロドロップレット4
0を形成するように構成した供試材料用の容器5と、容
器上下駆動装置6と、ホルダ2及び容器5を加熱する加
熱炉8と、繊維又は線材14の移動を許容しマイクロド
ロップレット40の移動を阻止するブレード9とを備た
構成を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロドロップ
レット法による界面特性評価方法及び装置に係り、特に
先端技術としての各種複合材料の界面剥離強度、即ち界
面剥離時の剪断応力や繊維又は線材に対するマイクロド
ロップレットの接触角を、正確かつ簡単に求められるよ
うにして、マイクロドロップレット法が従来実施困難と
されていた問題をすべて解決し、とりわけ極細で高弾性
率又は超高弾性率の繊維でも比較的簡便に、かつ熱硬化
性樹脂、熱可塑性樹脂の両方、更にはコンクリートや低
融点の合金(例えば鉛と錫の合金である現在の半田及び
鉛を用いない将来的な半田等)にも適用できる画期的な
界面特性評価方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】先端技術としての複合材料の一例として
の繊維強化樹脂の特性は、繊維ー樹脂間の界面接着強度
により影響を受けることが知られており、種々の界面強
度の評価法が提案され、その一部が実用化されている。
炭素繊維ー樹脂間の評価方法は、大きく複合材物性を用
いる方法と単繊維による方法とに分けられるが、界面強
度(剪断強度τ)を正確に求めるためには、単繊維での
評価が必要である。
【0003】単繊維による方法としては、(1)破断繊
維長法、(2)単繊維引抜き法、(3)単繊維押込み法
及び(4)マイクロドロップレット(microdro
plet)法などがある。
【0004】一方、強化繊維とし最近では、弾性率50
0GPa以上の高弾性率炭素繊維の使用が増えている。
特に700GPa以上の超高弾性率炭素繊維はピッチ系
の適用例が多い。ピッチ系炭素繊維は、従来は繊維径1
0μmであったが、最近では7μm径のものが開発さ
れ、市販されている。このような高弾性率炭素繊維は破
断伸度が小さく、脆性である上、繊維径の小さい場合は
1本当りの破断荷重が小さい。またこのような繊維は、
繊維径や繊維強度が比較的変動する場合がある。単繊維
法による界面評価は元々繊維のハンドリングや試験片の
作製等が難しいが、上記理由から高弾性率繊維の試験は
更に困難であった。
【0005】例えば、(1)の破断繊維長法は、ゲージ
間隔が長いため、試験片の作製には熟練を要する。また
繊維径の実測が比較的難しく、繊維強度と繊維径両方の
ばらつきを考慮する必要があり、また透明の樹脂にしか
適用できない。更にはケリーチソン(Kelly Ty
son)の仮定が当てはまるかどうかの問題も残る。
【0006】(2)の単繊維引抜き法の場合、試験片の
作製及び試験実施が困難である。(3)の単繊維押込み
法は、押込み時に繊維が接触圧破壊すると考えられ、界
面破壊の応力状態の解釈にも問題が残ると考えられる。
また一般に単繊維法は、熱可塑性樹脂を用いる場合は特
別な手法が必要になる。
【0007】(4)のマイクロドロップレット法は、
(2)の単繊維引抜き法の欠点を改善しており、試験片
の作製や試験の実施及び繊維径実測が比較的容易になる
可能性はあるが、現状では、試験片の作製や試験の実施
になお困難な点があり、未だ実用化の段階には至ってい
ないのが現状である。
【0008】以上のことから、上記方法の中では、
(4)のマイクロドロップレット法は比較的優れた方法
であるが、なお高弾性率繊維への適用には問題があると
考えられる。このようなことから、従来は弾性率500
GPa以上の繊維のマイクロドロップレット法による測
定例はほとんど例がなかった。
【0009】一方、繊維強化樹脂(FRP)は、最近大
きな進歩・発展をなし、各種の容器、機械部品、建築資
材、車輛、船舶、航空機、宇宙ロケット等に使用され、
金属では得られない貴重な材料特性、例えば耐熱性、耐
薬品性、耐摩耗性、耐衝撃性、軽量性等を発揮し、今後
ますますその利用は増大するものと考えられる。しかし
その最大の欠点は、コストが高いことである。このコス
トが高い原因の一つは、本願発明の課題である複合材の
界面特性の評価方法及び装置が、優れた評価方法である
上記マイクロドロップレット法について工業的に確立さ
れておらず、特にこれが簡易に使用可能な装置として提
供されるに至っていないことにある。
【0010】マイクロドロップレット法を実施できる装
置が、工業的に利用できるレベルまで至っていないため
に、マイクロドロップレット法による各種複合材の界面
特性の評価が簡単にできず、多くの実験を重ねる必要が
あり、これに多大な研究費を要するために繊維強化樹脂
のコストは非常に高くついといるといっても過言ではな
い。
【0011】また阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)
において、高速道路の橋桁が折れて高速道路が倒壊した
事件において、鉄筋コンクリートを構成する、鉄筋とコ
ンクリートとの界面特性、即ち界面剥離強度(剪断応力
τ)を簡便に求める手法や装置が確立されていないこと
が鉄筋コンクリートの極限的な強度や経時的な強度を知
る上で大きな障害となっていることが判明した。いかに
頑強に見える鉄筋コンクリートでも、肝心な鉄筋とコン
クリートとの界面特性が明らかでなければ、その信頼性
は高いものとはならないのである。
【0012】このような鉄筋とコンクリートとの界面特
性をマイクロドロップレット法により簡易に評価できる
ようになれば、完成したあらゆる建築物の強度の信頼性
が高まり、より安全な建築物を建設できるようになる
が、上記のようにこのマイクロドロップレット法による
複合材の界面特性の評価方法及び装置が実用化されてい
ないために、建築物の耐震性について多くの問題が残さ
れているのである。
【0013】また各種の民生用、業務用の電子機器や電
気機械には、必ず錫と鉛の低融点の合金である半田が使
用されているが、周知のとおり鉛は、非常に毒性の高い
金属であるため、最近アメリカ合衆国を中心に、半田付
けされた各種機器の鉛中毒の危険性が叫ばれるようにな
って来ており、近い将来鉛を使用した半田が使用禁止に
なる可能性もある。このような観点から、鉛を使用しな
い低融点の合金、即ち非鉛半田を開発する必要が出て来
たが、金属線に対する現行の半田や非鉛半田の界面特性
を評価するためのマイクロドロップレット法による評価
方法及び装置が実用化されていないために、このような
新規な合金の開発も進み難いのが現状である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の欠点を除くためになされたものであって、その
目的とするところは、マイクロドロップレット法による
複合材の界面特性評価方法において、一定長さの繊維又
は線材の両端を水平方向に移動可能なホルダに固着し、
該繊維又は線材に溶融状態の供試材料を接近させて該供
試材料を該繊維又は線材に付着させてマイクロドロップ
レットを形成し、該マイクロドロップレットを固化させ
た後、繊維又は線材の該マイクロドロップレットの移動
方向前側に該繊維又は線材の移動を許容し該マイクロド
ロップレットの移動を阻止する隙間を有するブレードを
配設し、該ブレード及びホルダの一方を固定して他方を
移動させ、ブレードによりマイクロドロップレットを該
繊維又は線材から剥離させ、この移動中に作用する荷重
を記録することによりマイクロドロップレットの繊維又
は線材に対する界面剥離時の剪断応力を求めることによ
り、繊維又は線材のホルダからの脱落や繊維又は線材の
破断を防止し、繊維又は線材と各種樹脂、コンクリート
等の供試材料との界面特性のマイクロドロップレット法
による評価を工業的な実用化レベルで実現させることで
あり、またこれによって例えば熱硬化性樹脂、熱可塑性
樹脂の両方について、500GPa以上の高弾性率炭素
繊維や700GPa以上の超高弾性率炭素繊維にも比較
的簡便にマイクロドロップレット法が適用できるように
し、従来の最大の課題であった「試験片作製の困難さ」
及び「マイクロドロップレット法の実施の困難さ」をす
べて解決することである。
【0015】また他の目的は、マイクロドロップレット
法による複合材の界面特性評価方法において、一定長さ
の繊維又は線材の両端を水平方向に移動可能なホルダに
固着し、該繊維又は線材に溶融状態の供試材料を接近さ
せて該供試材料を該繊維又は線材に付着させてマイクロ
ドロップレットを形成し、該マイクロドロップレットを
固化させた後、繊維又は線材の該マイクロドロップレッ
トの移動方向前側に該繊維又は線材の移動を許容し該マ
イクロドロップレットの移動を阻止する隙間を有するブ
レードを配設し、該ブレード及びホルダの一方を固定し
て他方を移動させ、ブレードによりマイクロドロップレ
ットを該繊維又は線材から剥離させ、この移動中に作用
する荷重を記録することによりマイクロドロップレット
の繊維又は線材に対する界面剥離時の剪断応力を求める
と共に、すべての工程を不活性ガスの雰囲気中で行わせ
ることにより、繊維又は線材と供試材料との付着界面の
酸化及び吸湿を防止することであり、またこれによって
材料の酸化や吸湿による特性の変化を考慮することな
く、より客観的なマイクロドロップレット法による評価
結果が得られるようにすることである。
【0016】また他の目的は、マイクロドロップレット
法による複合材の界面特性評価方法において、一定長さ
の繊維又は線材の両端を水平方向に移動可能なホルダに
固着し、該ホルダを加熱炉の中に配置し、該ホルダの上
方に固形の供試材料を収容した容器を懸吊し、加熱炉に
より固形の供試材料を加熱して溶融させ、繊維又は線材
に溶融状態の供試材料を下降接近させて該供試材料を該
繊維又は線材に付着させてマイクロドロップレットを形
成し、加熱炉を低温にして該マイクロドロップレットを
固化させた後、繊維又は線材の該マイクロドロップレッ
トの移動方向前側に該繊維又は線材の移動を許容し該マ
イクロドロップレットの移動を阻止する隙間を有するブ
レードを固定し、ホルダを移動させて繊維又は線材を移
動させ、ブレードによりマイクロドロップレットを該繊
維又は線材から剥離させ、この移動中にホルダに作用す
る荷重を記録することによりマイクロドロップレットの
繊維又は線材に対する界面剥離時の剪断応力を求めるこ
とにより、常温において固体の供試材料をそのまま使用
してマイクロドロップレット法による複合材の界面特性
の評価をより簡便に行うことを可能とし、反復継続して
短時間に多数の評価試験をより工業的にかつ確実に実施
できるようにすることてあり、またこれによってマイク
ロドロップレット法の工業化レベルでの完全な実用化を
図ることである。
【0017】更に他の目的は、上記構成に加えてすべて
の工程を不活性ガスの雰囲気中で行わせることことによ
り加熱炉による繊維又は線材及び供試材料の加熱に伴う
酸化を防止し、繊維又は線材及び供試材料の化学的な特
性の変化がない状態で、より信頼性の高いマイクロドロ
ップレット法による複合材の界面特性の評価試験を行う
ことができるようにすることである。
【0018】また他の目的は、マイクロドロップレット
法による複合材の界面特性評価方法において、一定長さ
の繊維又は線材の両端を水平方向に移動可能なホルダに
固着し、該繊維又は線材に溶融状態の供試材料を接近さ
せて該供試材料を該繊維又は線材に付着させてマイクロ
ドロップレットを形成し、該マイクロドロップレットを
固化させた後、繊維又は線材の該マイクロドロップレッ
トの移動方向前側に該繊維又は線材の移動を許容し該マ
イクロドロップレットの移動を阻止する隙間を有するブ
レードを配設し、該ブレード及びホルダの一方を固定し
て他方を移動させ、ブレードによりマイクロドロップレ
ットを該繊維又は線材から剥離させ、この移動中に作用
する荷重を記録することによりマイクロドロップレット
の繊維又は線材に対する界面剥離時の剪断応力を求める
と共に、マイクロドロップレットを外部から映像に記録
し、該マイクロドロップレットの繊維又は線材に対する
接触角を該映像から求めることにより、複合材の界面特
性のうちマイクロドロップレットの剪断強度のみなら
ず、マイクロドロップレットの繊維又は線材に対する接
触角をも同時に、かつ容易に測定できるようにすること
であり、またこれによってマイクロドロップレット法の
より完全な実用化を図ることである。
【0019】更に他の目的は、低融点合金が付着可能な
金属板の中心部に空隙を設け、該空隙内に低融点合金を
充填しておき、該金属板の中心部に低融点合金が付着可
能な線材を挿通し、これらを加熱して低融点合金を溶融
させて金属板及び線材に溶着させ、金属板及び線材の一
方を固定して他方を移動させ、低融点合金と線材とを剥
離させ、この移動中に作用する荷重を記録することによ
り低融点合金の線材に対する界面剥離時の剪断応力を求
めることにより、線材の直径に対するマイクロドロップ
レットの長さの割合を小さくして、剥離までに要する荷
重をより小さくし、移動の際に線材が破断しないようす
ることであり、またこれによって現在の鉛半田の線材に
対する界面特性のマイクロドロップレット法による評価
のみならず、将来的に必要となる非鉛半田の実用化の際
に不可避となる線材に対する界面特性の評価試験を簡便
に行うことを可能とし、無害な非鉛半田の実現を容易化
することである。
【0020】また他の目的は、上記構成に加えて、上記
すべての工程を不活性ガスの雰囲気中で行わせることに
より半田の溶融に伴う酸化を防止して、溶融半田の線材
に対する付着を完全にし、より確実な界面特性の評価結
果が得られるようにすることである。
【0021】また他の目的は、マイクロドロップレット
法による複合材の界面特性評価装置において、一定長さ
の繊維又は線材の両端を固着すると共に水平方向に移動
可能なホルダと、該ホルダを水平方向に移動させるホル
ダ移動装置と、該ホルダ移動装置の作動中にホルダに作
用する荷重を記録する荷重測定記録装置と、繊維又は線
材に溶融状態の供試材料を接近させて該供試材料を該繊
維又は線材に付着させてマイクロドロップレットを形成
するように構成した供試材料用の容器と、該容器を上下
動させる容器上下駆動装置と、該ホルダ及び容器を収容
しこれらを加熱する加熱炉と、繊維又は線材の該マイク
ロドロップレットの移動方向前側に配設され該繊維又は
線材の移動を許容し該マイクロドロップレットの移動を
阻止する隙間を有するブレードとを備え、ホルダ移動装
置によりホルダを移動させて繊維又は線材を移動させ、
ブレードによりマイクロドロップレットを該繊維又は線
材から剥離させ、この移動中にホルダに作用する荷重を
荷重測定記録装置により記録することによりマイクロド
ロップレットの繊維又は線材に対する界面剥離時の剪断
応力を求めるように構成することによって、マイクロド
ロップレット法による複合材の界面特性の評価を迅速か
つ確実容易に、工業的に実施することができる評価装置
を提供することであり、またこれによって繊維強化樹脂
の信頼性の向上及びコストの低減を図り、また新たな繊
維強化樹脂の開発の容易化を図ることである。
【0022】更に他の目的は、上記構成に加えて、ホル
ダとホルダ移動装置と荷重測定記録装置の一部と容器と
容器上下駆動装置と加熱炉とブレードとを密閉状態で収
容し内部に不活性ガスが充填されるようにしたカバー
と、加熱炉の内部の繊維又は線材に形成されたマイクロ
ドロップレットを拡大して目視できるようにした顕微鏡
と、該顕微鏡によるマイクロドロップレットの映像を記
録するためのカメラとを備え、ホルダ移動装置によりホ
ルダを移動させて繊維又は線材を移動させ、ブレードに
よりマイクロドロップレットを該繊維又は線材から剥離
させ、この移動中にホルダに作用する荷重を荷重測定記
録装置により記録することによりマイクロドロップレッ
トの繊維又は線材に対する界面剥離時の剪断応力を求め
るように構成し、かつすべての工程を不活性ガスの雰囲
気中で行わせるように構成すると共に、顕微鏡及びカメ
ラによりマイクロドロップレットの映像を記録して該マ
イクロドロップレットの繊維又は線材に対する接触角を
求めるように構成することによって、より完全な形、即
ち界面の剪断強度の評価及びマイクロドロップレットの
接触角の測定が可能な形でのマイクロドロップレット法
による複合材の界面特性評価装置の実用化を図り、従来
困難とされていた「試験片作製の困難さ」及び「実施の
困難さ」を解決し、各種の先端技術としての複合材の開
発を飛躍的に容易化することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】要するに本発明方法(請
求項1)は、マイクロドロップレット法による複合材の
界面特性評価方法において、一定長さの繊維又は線材の
両端を水平方向に移動可能なホルダに固着し、該繊維又
は線材に溶融状態の供試材料を接近させて該供試材料を
該繊維又は線材に付着させてマイクロドロップレットを
形成し、該マイクロドロップレットを固化させた後、前
記繊維又は線材の該マイクロドロップレットの移動方向
前側に該繊維又は線材の移動を許容し該マイクロドロッ
プレットの移動を阻止するブレードを配設し、該ブレー
ド及び前記ホルダの一方を固定して他方を移動させ、前
記ブレードにより前記マイクロドロップレットを該繊維
又は線材から剥離させ、この移動中に作用する荷重を記
録することにより前記マイクロドロップレットの前記繊
維又は線材に対する界面剥離時の剪断応力を求めること
を特徴とするものである。
【0024】また本発明方法(請求項2)は、マイクロ
ドロップレット法による複合材の界面特性評価方法にお
いて、一定長さの繊維又は線材の両端を水平方向に移動
可能なホルダに固着し、該繊維又は線材に溶融状態の供
試材料を接近させて該供試材料を該繊維又は線材に付着
させてマイクロドロップレットを形成し、該マイクロド
ロップレットを固化させた後、前記繊維又は線材の該マ
イクロドロップレットの移動方向前側に該繊維又は線材
の移動を許容し該マイクロドロップレットの移動を阻止
するブレードを配設し、該ブレード及び前記ホルダの一
方を固定して他方を移動させ、前記ブレードにより前記
マイクロドロップレットを該繊維又は線材から剥離さ
せ、この移動中に作用する荷重を記録することにより前
記マイクロドロップレットの前記繊維又は線材に対する
界面剥離時の剪断応力を求めると共に、前記すべての工
程を不活性ガスの雰囲気中で行わせることを特徴とする
ものである。
【0025】また本発明方法(請求項3)は、マイクロ
ドロップレット法による複合材の界面特性評価方法にお
いて、一定長さの繊維又は線材の両端を水平方向に移動
可能なホルダに固着し、該ホルダを加熱炉の中に配置
し、該ホルダの上方に固形の供試材料を収容した容器を
懸吊し、前記加熱炉により前記固形の供試材料を加熱し
て溶融させ、前記繊維又は線材に溶融状態の供試材料を
下降接近させて該供試材料を該繊維又は線材に付着させ
てマイクロドロップレットを形成し、前記加熱炉の温度
を調整して該マイクロドロップレットを固化させた後、
前記繊維又は線材の該マイクロドロップレットの移動方
向前側に該繊維又は線材の移動を許容し該マイクロドロ
ップレットの移動を阻止するブレードを固定し、前記ホ
ルダを移動させて前記繊維又は線材を移動させ、前記ブ
レードにより前記マイクロドロップレットを該繊維又は
線材から剥離させ、この移動中に前記ホルダに作用する
荷重を記録することにより前記マイクロドロップレット
の前記繊維又は線材に対する界面剥離時の剪断応力を求
めることを特徴とするものである。
【0026】また本発明方法(請求項4)は、マイクロ
ドロップレット法による複合材の界面特性評価方法にお
いて、一定長さの繊維又は線材の両端を水平方向に移動
可能なホルダに固着し、該ホルダを加熱炉の中に配置
し、該ホルダの上方に固形の供試材料を収容した容器を
懸吊し、前記加熱炉により前記固形の供試材料を加熱し
て溶融させ、前記繊維又は線材に溶融状態の供試材料を
下降接近させて該供試材料を該繊維又は線材に付着させ
てマイクロドロップレットを形成し、前記加熱炉の温度
を調整して該マイクロドロップレットを固化させた後、
前記繊維又は線材の該マイクロドロップレットの移動方
向前側に該繊維又は線材の移動を許容し該マイクロドロ
ップレットの移動を阻止するブレードを固定し、前記ホ
ルダを移動させて前記繊維又は線材を移動させ、前記ブ
レードにより前記マイクロドロップレットを該繊維又は
線材から剥離させ、この移動中に前記ホルダに作用する
荷重を記録することにより前記マイクロドロップレット
の前記繊維又は線材に対する界面剥離時の剪断応力を求
めると共に、前記すべての工程を不活性ガスの雰囲気中
で行わせることを特徴とするものである。
【0027】また本発明方法(請求項5)は、マイクロ
ドロップレット法による複合材の界面特性評価方法にお
いて、一定長さの繊維又は線材の両端を水平方向に移動
可能なホルダに固着し、該繊維又は線材に溶融状態の供
試材料を接近させて該供試材料を該繊維又は線材に付着
させてマイクロドロップレットを形成し、該マイクロド
ロップレットを固化させた後、前記繊維又は線材の該マ
イクロドロップレットの移動方向前側に該繊維又は線材
の移動を許容し該マイクロドロップレットの移動を阻止
するブレードを配設し、該ブレード及び前記ホルダの一
方を固定して他方を移動させ、前記ブレードにより前記
マイクロドロップレットを該繊維又は線材から剥離さ
せ、この移動中に作用する荷重を記録することにより前
記マイクロドロップレットの前記繊維又は線材に対する
界面剥離時の剪断応力を求めると共に、前記マイクロド
ロップレットを外部から映像に記録し、該マイクロドロ
ップレットの前記繊維又は線材に対する接触角を該映像
から求めることを特徴とするものである。
【0028】また本発明方法(請求項6)は、低融点合
金が付着可能な金属板の一部に空隙を設け、該空隙内に
前記低融点合金を充填しておき、該金属板の前記一部に
前記低融点合金が付着可能な線材を挿通し、これらを加
熱して前記低融点合金を溶融させて前記金属板及び前記
線材に溶着させ、前記金属板及び前記線材の一方を固定
して他方を移動させ、前記低融点合金と前記線材とを剥
離させ、この移動中に作用する荷重を記録することによ
り前記低融点合金の前記線材に対する界面剥離時の剪断
応力を求めることを特徴とするものである。
【0029】また本発明方法(請求項7)は、低融点合
金が付着可能な金属板の一部に空隙を設け、該空隙内に
前記低融点合金を充填しておき、該金属板の前記一部に
前記低融点合金が付着可能な線材を挿通し、これらを加
熱して前記低融点合金を溶融させて前記金属板及び前記
線材に溶着させ、前記金属板及び前記線材の一方を固定
して他方を移動させ、前記低融点合金と前記線材とを剥
離させ、この移動中に作用する荷重を記録することによ
り前記低融点合金の前記線材に対する界面剥離時の剪断
応力を求めると共に、前記すべての工程を不活性ガスの
雰囲気中で行わせることを特徴とするものである。
【0030】また本発明装置(請求項8)は、マイクロ
ドロップレット法による複合材の界面特性評価装置にお
いて、一定長さの繊維又は線材の両端を固着すると共に
水平方向に移動可能なホルダと、該ホルダを水平方向に
移動させるホルダ移動装置と、該ホルダ移動装置の作動
中に前記ホルダに作用する荷重を記録する荷重測定記録
装置と、前記繊維又は線材に溶融状態の供試材料を接近
させて該供試材料を該繊維又は線材に付着させてマイク
ロドロップレットを形成するように構成した供試材料用
の容器と、該容器を上下動させる容器上下駆動装置と、
該ホルダ及び前記容器を収容しこれらを加熱する加熱炉
と、前記繊維又は線材の該マイクロドロップレットの移
動方向前側に配設され該繊維又は線材の移動を許容し該
マイクロドロップレットの移動を阻止するブレードとを
備え、前記ホルダ移動装置により前記ホルダを移動させ
て前記繊維又は線材を移動させ、前記ブレードにより前
記マイクロドロップレットを該繊維又は線材から剥離さ
せ、この移動中に前記ホルダに作用する荷重を前記荷重
測定記録装置により記録することにより前記マイクロド
ロップレットの前記繊維又は線材に対する界面剥離時の
剪断応力を求めるように構成したことを特徴とするもの
である。
【0031】また本発明装置(請求項9)は、マイクロ
ドロップレット法による複合材の界面特性評価装置にお
いて、一定長さの繊維又は線材の両端を固着すると共に
水平方向に移動可能なホルダと、該ホルダを水平方向に
移動させるホルダ移動装置と、該ホルダ移動装置の作動
中に前記ホルダに作用する荷重を記録する荷重測定記録
装置と、前記繊維又は線材に溶融状態の供試材料を接近
させて該供試材料を該繊維又は線材に付着させてマイク
ロドロップレットを形成するように構成した供試材料用
の容器と、該容器を上下動させる容器上下駆動装置と、
該ホルダ及び前記容器を収容しこれらを加熱する加熱炉
と、前記繊維又は線材の前記該マイクロドロップレット
の移動方向前側に配設され該繊維又は線材の移動を許容
し該マイクロドロップレットの移動を阻止するブレード
と、前記ホルダと前記ホルダ移動装置と前記荷重測定記
録装置の一部と前記容器と前記容器上下駆動装置と前記
加熱炉と前記ブレードとを密閉状態で収容し内部に不活
性ガスが充填されるようにしたカバーとを備え、前記ホ
ルダ移動装置により前記ホルダを移動させて前記繊維又
は線材を移動させ、前記ブレードにより前記マイクロド
ロップレットを該繊維又は線材から剥離させ、この移動
中に前記ホルダに作用する荷重を前記荷重測定記録装置
により記録することにより前記マイクロドロップレット
の前記繊維又は線材に対する界面剥離時の剪断応力を求
めると共に、前記すべての工程を前記カバー内において
不活性ガスの雰囲気中で行わせるように構成したことを
特徴とするものである。
【0032】また本発明装置(請求項10)は、マイク
ロドロップレット法による複合材の界面特性評価装置に
おいて、一定長さの繊維又は線材の両端を固着すると共
に水平方向に移動可能なホルダと、該ホルダを水平方向
に移動せさるホルダ移動装置と、該ホルダ移動装置の作
動中に前記ホルダに作用する荷重を記録する荷重測定記
録装置と、前記繊維又は線材に溶融状態の供試材料を接
近させて該供試材料を該繊維又は線材に付着させてマイ
クロドロップレットを形成するように構成した供試材料
用の容器と、該容器を上下動させる容器上下駆動装置
と、該ホルダ及び前記容器を収容しこれらを加熱する加
熱炉と、前記繊維又は線材の該マイクロドロップレット
の移動方向前側に配設され該繊維又は線材の移動を許容
し該マイクロドロップレットの移動を阻止するブレード
と、前記加熱炉の内部の前記繊維又は線材に形成された
前記マイクロドロップレットを拡大して目視できるよう
にした顕微鏡と、該顕微鏡による前記マイクロドロップ
レットの映像を記録するためのカメラとを備え、前記ホ
ルダ移動装置により前記ホルダを牽引して前記繊維又は
線材を移動させ、前記ブレードにより前記マイクロドロ
ップレットを該繊維又は線材から剥離させ、この移動中
に前記ホルダに作用する荷重を前記荷重測定記録装置に
より記録することにより前記マイクロドロップレットの
前記繊維又は線材に対する界面剥離時の剪断応力を求め
ると共に、前記顕微鏡及び前記カメラにより前記マイク
ロドロップレットの映像を記録して該マイクロドロップ
レットの前記繊維又は線材に対する接触角を求めるよう
に構成したことを特徴とするものである。
【0033】また本発明装置(請求項11)は、マイク
ロドロップレット法による複合材の界面特性評価装置に
おいて、一定長さの繊維又は線材の両端を固着すると共
に水平方向に移動可能なホルダと、該ホルダを水平方向
に移動せさるホルダ移動装置と、該ホルダ移動装置の作
動中に前記ホルダに作用する荷重を記録する荷重測定記
録装置と、前記繊維又は線材に溶融状態の供試材料を接
近させて該供試材料を該繊維又は線材に付着させてマイ
クロドロップレットを形成するように構成した供試材料
用の容器と、該容器を上下動させる容器上下駆動装置
と、該ホルダ及び前記容器を収容しこれらを加熱する加
熱炉と、前記繊維又は線材の該マイクロドロップレット
の移動方向前側に配設され該繊維又は線材の移動を許容
し該マイクロドロップレットの移動を阻止するブレード
と、前記ホルダと前記ホルダ移動装置と前記荷重測定記
録装置の一部と前記容器と前記容器上下駆動装置と前記
加熱炉と前記ブレードとを密閉状態で収容し内部に不活
性ガスが充填されるようにしたカバーと、前記加熱炉の
内部の前記繊維又は線材に形成された前記マイクロドロ
ップレットを拡大して目視できるようにした顕微鏡と、
該顕微鏡による前記マイクロドロップレットの映像を記
録するためのカメラとを備え、前記ホルダ移動装置によ
り前記ホルダを移動させて前記繊維又は線材を移動さ
せ、前記ブレードにより前記マイクロドロップレットを
該繊維又は線材から剥離させ、この移動中に前記ホルダ
に作用する荷重を前記荷重測定記録装置により記録する
ことにより前記マイクロドロップレットの前記繊維又は
線材に対する界面剥離時の剪断応力を求めるように構成
し、かつ前記すべての工程を不活性ガスの雰囲気中で行
わせるように構成すると共に、前記顕微鏡及び前記カメ
ラにより前記マイクロドロップレットの映像を記録して
該マイクロドロップレットの前記繊維又は線材に対する
接触角を求めるように構成したことを特徴とするもので
ある。
【0034】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示す実施例に
基いて説明する。まず図1から図12に示す本発明の第
1実施例について説明すると、本発明に係る複合材の界
面評価装置1は、ホルダ2と、ホルダ移動装置3と、荷
重測定記録装置の一例たるロードセル4と、供試材料用
の容器5と、容器上下駆動装置6と、加熱炉8と、ブレ
ード9と、カバー10と、顕微鏡11と、カメラ12と
を備えている。
【0035】ホルダ2は、図2及び図8に示すように、
一定長さの繊維又は線材13の両端、即ち一端13a及
び他端13bを接着剤14により固着すると共に水平方
向に移動可能に構成したものであって、厚紙、合成樹脂
板又はステンレス鋼等の金属板で上向きにコの字形に形
成され、ロードセル4に一端15aが連結されたアーム
15に2本のねじ16により着脱自在に取り付けられて
いる。このように繊維又は線材13の両端をホルダ2に
固着するようにしたのは、繊維又は線材13が、直径7
μmという極細で700GPa以上の超高弾性率炭素繊
維の場合でも引抜き中に該繊維が切断されないようにす
るためと、繊維又は線材13をホルダ移動装置3により
一定速度で安定して引抜きできるようにするためであ
る。
【0036】ホルダ移動装置3は、ホルダ2を水平方向
に牽引して一定速度で移動せさるようにしたものであっ
て、機枠18にスペーサ19を介してスライドベース2
0が固着され、該スライドベースにはスラドテーブル2
1が蟻溝を介して摺動自在に装着され、該スライドテー
ブルにはブラケット22を介してロードセル4が固着さ
れたブラケット23が固着されたブロック24,25が
固着されている。
【0037】図2において、スライドベース20にはね
じ軸26が挿通され、該ねじ軸はスライドテーブル21
に固着されたナット(図示せず)に螺合し、ねじ軸26
の回転により該ナットが移動してスライドテーブル21
が摺動するように構成され、ねじ軸26の一端には傘歯
車28が固着され、該傘歯車28は、機枠18にブラケ
ット29,30を介して固着されたモータ31の回転軸
32に継手33を介して連結されピローブロック34に
より支持された軸35に固着された傘歯車36と噛合し
ている。
【0038】そして図1に示す機枠18上に配置された
モータ駆動コントローラ38を操作することによりモー
タ駆動部39が作動してモータ30が回転することによ
って一対の傘歯車28,36を介してねじ軸26が回転
して、スライドテーブル21が摺動し、ロードセル4を
介してアーム16によりホルダ2を一定速度で静かに牽
引することができるように構成されている。
【0039】図2において、荷重測定記録装置の一例た
るロードセル4は、ホルダ移動装置3の作動中にホルダ
2に作用する荷重(張力)を記録するためのものであっ
て、アーム15に作用する牽引力により生ずる圧力を電
気信号に変換して電磁オシログラフ又はペン書きオシロ
グラフ等の機器(図示せず)に該電気信号を伝達して連
続的に荷重の変化を記録し、繊維又は線材13に付着し
たマイクロドロップレット40がブレード9により繊維
又は線材13から剥離するまでの荷重の変化を知ること
ができるように構成されている。
【0040】図2、図3、図7、図8、図9及び図11
において、供試材料用の容器5は、繊維又は線材13に
溶融状態の供試材料41を接近させて該供試材料を繊維
又は線材13に付着させてマイクロドロップレット40
を形成するように構成したものであって、実際にはこれ
に固形の供試材料41を収容して加熱炉8内における加
熱に耐え、供試材料41をその中で溶融させることがで
きるように、図示の実施例では、白金等の金属線5a
を、上方から下方に行くに従ってコイル径が小さくなる
ような竹の子ばね状に形成し、上端部5bを重り42に
固着された縦軸43に固着してあり、容器上下駆動装置
6により容器5が上下動可能に構成されている。
【0041】容器上下駆動装置6は、供試材料用の容器
5を手動操作により上下動させるためのものであって、
重り42にはチェーン44が連結され、該チェーンは、
機枠18に固着されたブラケット45に回動自在に装着
されたプーリ46,48,49に巻き掛けられて巻取り
軸50に連結されている。
【0042】巻取り軸50は、その上端に大径のフラン
ジ部50aが形成され、機枠に装着されたシール部材5
1を貫通して機枠18の下方に突出し、機枠18に固着
されたピローブロック52により回動自在に支持され、
下端には傘歯車53が固着され、該傘歯車は機枠18に
対して水平方向に、該機枠18と一体のピローブロック
57及び軸受54により回動自在に支持された軸55の
一端55aに固着された傘歯車56に噛合し、軸55の
他の一端55bには、容器昇降ハンドル58が固着さ
れ、該ハンドルにより巻取り軸50を回転させることに
よってチェーン44を該巻取り軸に巻き取り、重り42
を上昇させて容器5を上昇させ、また巻取り軸50を逆
方向に回転させてチェーン44を繰り出すことによって
容器5を下降させることができるように構成されてい
る。
【0043】加熱炉8は、図1から図3、図7及び図9
に示すように、ホルダ2及び容器5を収容して供試材料
41及びマイクロドロップレット40等を加熱するため
のものであって、電気ヒータ(図示せず)内蔵の電気炉
であり、図3における幅方向の中央部の垂直面内で2分
割されており、図中右半分8aがブラケット61により
機枠18に固着され、左半分8bが底面に装着されたヒ
ンジ60により開閉自在に構成され、更に図3における
紙面直角方向には、ホルダ2、供試材料用の容器5及び
ブレード9を収容し得る大きな丸穴8cが貫通形成さ
れ、これと直角方向かつ加熱炉8の縦及び横方向の中央
には、顕微鏡11やカメラ12による撮影用の子穴8d
が貫通形成され、照明用の光源62が該子穴の内部を通
して繊維又は線材13に付着したマイクロドロップレッ
ト40の部分を明るく照明できる位置にブラケット63
により機枠18に取り付けられている。また図1に示す
ように、機枠18の前面には、加熱炉8用の温度調節器
64及び電源コントローラ65が配置されている。
【0044】ブレード9は、繊維又は線材13のマイク
ロドロップレット40の移動方向前側に配設され該繊維
又は線材13の移動を許容し該マイクロドロップレット
40の移動を阻止する隙間を有するもので、この隙間は
図示の実施例では、一対のブレード9を設けて、該一対
のブレードを開閉自在とする構成、即ちブレード開閉装
置66を備えている。
【0045】ブレード開閉装置66について説明する
と、図4から図6において、一対のブレード9は、上側
のブレード9Aと、下側のブレード9Bとからなり、上
側のブレード9Aは、一対のブレード支持アーム68の
うちの上側のブレード支持アーム68Aに固着され、下
側のブレード9Bは、下側のブレード支持アーム68B
に固着されている。
【0046】一対のブレード支持アーム68は、垂直方
向に配設されたスライドベース69に蟻溝を介して摺動
自在に装着されている。該一対の支持アーム68は、ス
ライドベース69に固着されたブラケット70により該
スライドベース69に回動自在に装着され上半分に左ね
じが、下半分に右ねじが夫々切られた送りねじ71に螺
合するように、ブレード支持アーム68Aには雌ねじの
左ねじが、ブレード支持アーム68Bには雌ねじの右ね
じが夫々切られて、図5に示すように組み立てられてお
り、送りねじ71が一方向に回転しても、一対のブレー
ド支持アーム68は反対方向に上下動して、一対のブレ
ード9が上下に開閉するように構成されている。
【0047】送りねじ71の下端71aには、自在継手
72が取り付けられ、その下端72aには内部に六角穴
(図示せず)が形成され、該六角穴に六角シャフト73
が摺動自在に嵌挿され、該六角シャフト73の下端73
aは自在継手74の上端74aに形成された六角穴(図
示せず)に摺動自在に嵌挿され、該自在継手74の下端
74bは、機枠18に固着されたピローブロック75及
び機枠18の内部に配設されたシール部材76により回
動自在に支持され下端に傘歯車77が固着された軸78
の上端に取り付けられている。
【0048】傘歯車77は、軸67の一端67aに固着
された傘歯車79と噛合し、該軸67の他の一端67b
には傘歯車59が固着され、該傘歯車59は機枠18と
一体のプレート79に固着されたピローブロック(図示
せず)及び軸受80により回動自在に支持され軸67と
は直角方向に配置された軸81の一端81aに固着され
た傘歯車82と噛合し、該軸81の他の一端にはブレー
ド開閉ハンドル83が固着されており、該ブレード開閉
ハンドルを回転させることにより、一対のブレード9を
開閉させてその隙間を任意に調整することができるよう
になっている。
【0049】次に、ブレード高さ調整装置87について
説明すると、スライドベース69は、2箇所に設けられ
たブロック69a,69bのすり割りによりねじ84に
よって、垂直に配設された支柱85に夫々締め付け固定
されており、該支柱85はボルト86によりブラケット
88に固着され、該ブラケット88は、機枠18に固着
されたブラケット89に固着され内部に雌ねじの右ねじ
90aが切られたブレード高さ調整用のブロック90に
固着されており、該ブロックの雌ねじ90aに螺合する
送りねじ91は、機枠18に固着された一対のピローブ
ロック92,93により回動自在に支持され、その下端
には傘歯車94が固着され、該傘歯車94は、プレート
79と一体のピローブロック97及び軸受(図示せず)
により回動自在に支持された軸95の一端95aに固着
された傘歯車96と噛合し、該軸95の他の一端95b
にはブレード高さ調整ハンドル98が固着され、該ハン
ドルを回転させることにより、一対のブレード9全体を
上下させてその高さを最適位置に調整することができる
ようになっている。
【0050】カバー10は、ホルダ2とホルダ移動装置
3と荷重測定記録装置の一例たるロードセル4と容器5
と容器上下駆動装置6と加熱炉8とブレード9とを密閉
状態で収容し内部に不活性ガスが充填されるようにした
ものであって、図1から図3、図7及び図9に示すよう
に、その本体10aは透明のアクリル樹脂で製作され、
撮影用の窓部10bは、フランジ状に突出して形成さ
れ、その内部には石英ガラス99が嵌め込まれており、
カバー10が使用された場合でも内部の映像が鮮明に目
視できたり撮影できるように構成され、シール部材10
0を介して機枠18に対して複数のボルト(図示せず)
により締め付け固定されている。またカバー内部に位置
する機枠18には不活性ガス(例えば窒素ガス)をカバ
ー内部に導入するためのホース101及び内部の空気を
排出するためのホース102が接続され、ホース101
は不活性ガスボンベ等の不活性ガス供給源(図示せず)
に接続されている。そしてカバー10を使用してその内
部に不活性ガスを充満させれば、不活性ガス雰囲気中で
マイクロドロップレット法による複合材の界面特性評価
を行うことができ、より確実な評価結果を得ることがで
きるようになっている。
【0051】顕微鏡11は、加熱炉8の内部の繊維又は
線材13に形成されたマイクロドロップレット40を拡
大して目視できるようにしたものであって、倍率10倍
程度の接眼レンズ103及び倍率4.5倍程度の対物レ
ンズ(図示せず)を備え、総合倍率45倍程度のものが
採用されるが、写真撮影用に、カメラ取付け部11aが
設けられている。
【0052】図1において、顕微鏡11は、ブラケット
104により加熱炉8に対して前後方向に動くスライド
テーブル105に固着され、該スライドテーブルは蟻溝
を介してスライドベース106に摺動自在に装着され、
該スライドベース106は、機枠18に固着されたスラ
イドベース108に蟻溝を介して摺動自在に装着され加
熱炉8に対して左右方向に動くスライドテーブル109
に固着されており、またスライドベース106には前後
位置調整用のハンドル110が、スライドベース108
には左右位置調整用のハンドル111が夫々装着され、
これらのハンドル110,111を操作することで顕微
鏡11を、加熱炉8に対して前後及び左右方向に自由に
動かすことができるように構成されている。
【0053】カメラ12は、顕微鏡11によるマイクロ
ドロップレット40の映像を記録するためのものであっ
て、例えばインスタントカメラが使用され、このカメラ
により撮影された映像を元にして、マイクロドロップレ
ット40の繊維又は線材13に対する接触角θ(図9及
び図12(d))を求めることができるようになってい
る。
【0054】次に、図13から図17により本発明の第
2実施例について説明する。この実施例では、低融点合
金121が付着可能な金属板120の一部の一例たる中
心部120aに空隙120bを設け、該空隙120b内
に低融点合金121を充填しておき、金属板120の中
心部120a内に低融点合金121が付着可能な線材1
13を挿通し、これらをヒータ122(第1実施例の加
熱炉8内に内蔵)により加熱して低融点合金121を溶
融させて金属板120及び線材113に溶着させ、金属
板120及び線材113の一方を固定して他方を移動さ
せ、低融点合金121と線材113とを剥離させ、この
牽引中に作用する荷重を記録することにより低融点合金
121の線材113に対する界面剥離時の剪断応力を求
めるようにしている。このように構成することにより、
金属板120の幅の範囲内でしか低融点合金121が線
材113に付着しないため、これをマイクロドロップレ
ットとすればその付着長さLが短くて済むことになり、
低融点合金121の剥離強度を、線材113の破断強度
よりも小さくして、評価試験が可能となるのである。
【0055】このため、この第2実施例は、完全なマイ
クロドロップレット法ではないが、その原理は同一であ
る。このように構成にしたのは、半田と線材との剥離強
度は繊維と合成樹脂との剥離強度に比べて非常に大き
く、通常のマイクロドロップレット法によるマイクロド
ロップレット40を半田により形成した場合に、マイク
ロドロップレット40を第1実施例におけるようなブレ
ード9で剥離させるように線材113を牽引すると、マ
イクロドロップレット40が剥離する前に線材113が
切断されてしまう。またこれを防止しようとして、線材
113をより太くすることが考えられるが、線材113
を太くした分だけマイクロドロップレット40の付着長
さLが長くなり、剥離強度が更に大きくなって、結局線
材113がマイクロドロップレット40の剥離前に切断
されてしまうことに変わりがなく、評価試験を行うこと
ができなくなるためである。
【0056】またこれらのすべての工程を不活性ガスの
雰囲気中で行わせることにより低融点合金121や線材
113の酸化を防止して、より完全な評価試験を行うこ
とができる。
【0057】これらの第2実施例に係る評価試験を行う
装置としては、第1実施例の複合材の界面特性評価装置
1がそのまま使用できる。即ち、線材113をホルダ2
に同様に固着し、金属板120をブレード支持アーム6
8に取り付け、加熱炉8内で低融点合金121を加熱し
て溶融させればよいのである。
【0058】そして本発明方法(請求項1)は、マイク
ロドロップレット法による複合材の界面特性評価方法に
おいて、一定長さの繊維又は線材13の両端(13a,
13b)を水平方向に移動可能なホルダ2に固着し、繊
維又は線材13に溶融状態の供試材料41を接近させて
該供試材料41を該繊維又は線材13に付着させてマイ
クロドロップレット40を形成し、該マイクロドロップ
レット40を固化させた後、繊維又は線材13のマイク
ロドロップレット40の移動方向前側に該繊維又は線材
13の移動を許容しマイクロドロップレット40の移動
を阻止するブレード9を配設し、該ブレード9及びホル
ダ2の一方を固定して他方を移動させ、ブレード9によ
りマイクロドロップレット40を繊維又は線材13から
剥離させ、この移動中に作用する荷重を記録することに
よりマイクロドロップレット40の繊維又は線材13に
対する界面剥離時の剪断応力を求める方法である。
【0059】また本発明方法(請求項2)は、上記発明
(請求項1)の方法のすべての工程を不活性ガスの雰囲
気中で行わせる方法である。また本発明方法(請求項
3)は、マイクロドロップレット法による複合材の界面
特性評価方法において、一定長さの繊維又は線材13の
両端(13a,13b)を水平方向に移動可能なホルダ
2に固着し、該ホルダ2を加熱炉8の中に配置し、ホル
ダ2の上方に固形の供試材料41を収容した容器5を懸
吊し、加熱炉8により固形の供試材料41を加熱して溶
融させ、繊維又は線材13に溶融状態の供試材料41を
下降接近させて該供試材料41を該繊維又は線材13に
付着させてマイクロドロップレット40を形成し、加熱
炉8の温度を調整してマイクロドロップレット40を固
化させた後、繊維又は線材13のマイクロドロップレッ
ト40の移動方向前側に繊維又は線材13の移動を許容
しマイクロドロップレット40の移動を阻止するブレー
ド9を固定し、ホルダ2を移動させて繊維又は線材13
を移動させ、ブレード9によりマイクロドロップレット
40を繊維又は線材13から剥離させ、この移動中にホ
ルダ13に作用する荷重を記録することによりマイクロ
ドロップレット40の繊維又は線材13に対する界面剥
離時の剪断応力を求める方法である。また本発明方法
(請求項4)は、上記発明(請求項3)のすべての工程
を不活性ガスの雰囲気中で行わせる方法である。
【0060】また本発明方法(請求項5)は、マイクロ
ドロップレット法による複合材の界面特性評価方法にお
いて、一定長さの繊維又は線材13の両端(13a,1
3b)を水平方向に移動可能なホルダ2に固着し、該繊
維又は線材13に溶融状態の供試材料41を接近させて
該供試材料41を繊維又は線材13に付着させてマイク
ロドロップレット40を形成し、該マイクロドロップレ
ット40を固化させた後、繊維又は線材13のマイクロ
ドロップレット40の移動方向前側に繊維又は線材13
の移動を許容しマイクロドロップレット40の移動を阻
止するブレード9を配設し、該ブレード9及びホルダ2
の一方を固定して他方を移動させ、ブレード9によりマ
イクロドロップレット40を繊維又は線材13から剥離
させ、この移動中に作用する荷重を記録することにより
マイクロドロップレット40の繊維又は線材13に対す
る界面剥離時の剪断応力を求めると共に、マイクロドロ
ップレット40を外部から映像に記録し、該マイクロド
ロップレット40の繊維又は線材13に対する接触角θ
を該映像から求める方法である。また本発明方法(請求
項6)は、低融点合金121が付着可能な金属板120
の中心部120aに空隙120bを設け、該空隙120
b内に低融点合金121を充填しておき、金属板120
の中心部120aに低融点合金121が付着可能な線材
113を挿通し、これらを加熱して低融点合金121を
溶融させて金属板120及び線材113に溶着させ、金
属板120及び線材113の一方を固定して他方を移動
させ、低融点合金121と線材113とを剥離させ、こ
の移動中に作用する荷重を記録することにより低融点合
金121の線材113に対する界面剥離時の剪断応力を
求める方法である。
【0061】また本発明方法(請求項7)は、上記本発
明(請求項6)のすべての工程を不活性ガスの雰囲気中
で行わせる方法である。
【0062】本発明は、上記のように構成されており、
以下その作用について説明する。まず図1から図12に
示す本発明の第1実施例についてその作用を説明する
と、大気中において評価試験を行う場合には、カバー1
0を取り外し、図3に示すように、図中左半分のカバー
8bをヒンジ60により仮想線の如く倒して開き、容器
昇降ハンドル58を図1及び図2において時計方向に回
転させて巻取り軸50にチェーン44を巻き取り、重り
42及び縦軸43を上昇させて容器5を適宜な高さまで
上昇させ、該容器内に固形の供試材料41(マトリック
ス樹脂)を入れ(図11(a))、一方、繊維又は線材
13は、例えば直径d=7μm、500GPa乃至70
0GPa又はそれ以上の高弾性率又は超高弾性率の炭素
繊維の単線を用い、その一端13a及び他端13bをホ
ルダ2に接着剤14により固着し、該ホルダ2は2本の
ねじ16によりアーム15に取り付け、加熱炉8を閉じ
て、図1における電源コントローラ65により装置の電
源を投入して、温度設定器64により加熱炉8内の希望
温度を設定し、加熱炉8の電源を投入する。
【0063】これによって、加熱炉8内の温度は、室温
から最高400℃まで上昇し、所定の温度となり、例え
ば供試材料41が熱可塑性又は熱硬化性の樹脂であって
も、適宜溶融し、流動状となる。そこで容器昇降ハンド
ル58を上記とは逆に図1及び図2において反時計方向
に回転させて、容器5を矢印Aの如く静かに下降させて
溶融状態の供試材料41が繊維又は線材13に接するよ
うにして停止させると、供試材料41は容器5から出て
繊維又は線材13に付着する(図11(b))。
【0064】その後容器5を矢印Bの如く上昇させる
と、繊維又は線材13にマイクロドロップレット40が
形成される(図11(c))。そして加熱炉8の丸穴8
c内の温度を温度設定器64により調整して、例えば8
0℃で30分間保つことにより、マイクロドロップレッ
ト40(例えばエポキシ樹脂)を硬化させることができ
る。
【0065】そこで図11(d)に示すように、ブレー
ド開閉装置66を操作して一対のブレード9、即ち上側
のブレード9A、下側のブレード9Bを矢印C,Dの如
く接近させて繊維又は線材13の周囲に接する位の小さ
な隙間を形成し、マイクロドロップレット40を繊維又
は線材13から引き抜いて剥離させる準備を行う。
【0066】即ち、ブレード開閉ハンドル83を図1及
び図5において反時計方向に回転させると、軸81及び
傘歯車82が同方向に回転し、傘歯車59、軸67、傘
歯車79が図5において左から見て反時計方向に回転
し、この結果傘歯車77、軸78、自在継手74、六角
シャフト73、自在継手72及び送りねじ71が図5に
おいて下から見て反時計方向に回転し、上側のブレード
支持アーム9Aは下降し、下側のブレード支持アーム9
Bは上昇し、一対のブレード9A,9Bは互いに接近
し、繊維又は線材13の太さに応じてわずかの隙間が該
繊維又は線材13の周囲にできるように調整する。
【0067】もしこのとき一対のブレード9A,9Bの
中心が繊維又は線材13の直径の中心と一致していない
場合は、ブレード高さ調整装置87を操作して、これを
一致させる。即ち、ブレード高さ調整ハンドル98をい
ずれかの方向に回転させると、軸95、傘歯車96が回
転し、傘歯車94を介して送りねじ91が回転し、ブロ
ック90が上昇又は下降し、この結果ブラケット88を
介してスライドベース69が上昇又は下降し、一対のブ
レード9全体が上昇又は下降して該ブレードの上下位置
を調整することができ、その中心を繊維又は線材13の
直径の中心に一致させることができる。この場合、自在
継手72は六角シャフト73に対して摺動自在であるた
め送りねじ71及びブレード9の上下動が許容されるの
である。以上の操作により、マイクロドロップレット法
による繊維又は線材13に付着したマイクロドロップレ
ット40の界面特性の評価を行う準備が完了する。
【0068】ここで顕微鏡11による観察やカメラ12
による繊維又は線材13及びマイクロドロップレット4
0の映像の記録をとる場合には、光源62の電源を投入
して、これを点灯させ、加熱炉8の子穴8dを通してマ
イクロドロップレット40を明るく照明し、顕微鏡11
やカメラ12から見やすくして撮影する。カメラは例え
ばインスタントカメラを使用するため、撮影の直後にお
いてマイクロドロップレット40の横から見た映像を見
て確認することができる。そしてこの映像から、図8に
示すようなマイクロドロップレット40の繊維又は線材
13に対する接触角θ、マイクロドロップレット40の
長さL、太さw及び繊維又は線材13の直径dを求める
ことができる。
【0069】即ち、接触角θは、協和界面化学の方法に
よれば、図12(d)において、楕円に近い近似のマイ
クロドロップレット40に関して、θ=2θ1 =2ta
-1(w/L)の式により求めることができる。
【0070】また実際のマイクロドロップレット40の
繊維又は線材13に対する接触角θは、図12の
(a)、(b)、(c)に示すような形状から測定する
わけであるが、この場合には、マイクロドロップレット
40の両端が繊維又は線材13に実際に接している接触
部分のメニスカスの角度を測定するが、この方法も写真
より行うことができる。そしてこの接触角θが小さい程
マイクロドロップレット40の繊維又は線材13に対す
る濡れ性が良好で、剥離強度が大きいということにな
る。
【0071】図12の(a)に示すものは、マイクロド
ロップレット40が半田等の金属で、繊維又は線材13
は錫めっき線等の金属線であり、(b)に示すものは、
マイクロドロップレット40が熱硬化性又は熱可塑性の
樹脂で、繊維又は線材13は炭素繊維等の単繊維であ
り、(c)に示すものは、マイクロドロップレット40
がコンクリートで、繊維又は線材13は鉄筋と同等の材
質及び表面処理をした鉄線であり、これら各種の供試材
料41について、マイクロドロップレット40を繊維又
は線材13に付着させてマイクロドロップレット法によ
る界面特性評価を行うことができる。ただしマイクロド
ロップレット40がコンクリートの場合は、加熱炉8に
よる供試材料41の加熱は必ずしも必要ではなく、常温
で形成して常温で固化させてもよい。
【0072】次に、引抜き試験を行う場合について説明
する。図1において、モータ駆動コントローラ38を操
作して、モータ駆動部39を動作状態とし、モータ31
の電源を投入して、図2及び図10に示すモータ31を
始動させる。モータ31は、図2及び図10において下
から見て反時計方向にゆっくりと回転し、傘歯車36に
より傘歯車28を回転させ、送りねじ26を図2及び図
10において右から見て反時計方向に回転させる。これ
によってスライドベース21は矢印E方向に静かに一定
速度で移動を開始し、ブラケット30及びロードセル4
を介してアーム16によりホルダ2が同方向に移動し、
これと一体的に繊維又は線材13が矢印E方向に動くの
で、マイクロドロップレット40は次第に一対のブレー
ド9に接近し、ついに該ブレードに当接してそれ以上動
けなくなる。しかしそれ以上にホルダ2が矢印E方向に
移動するため、ブレード9がマイクロドロップレット4
0を矢印F方向に押圧することとなり、ロードセル4に
は次第に大きな力が作用するようになり、マイクロドロ
ップレット40が繊維又は線材13から剥離するまでこ
の牽引に伴う荷重(張力)は増大し続ける。そしてマイ
クロドロップレット40が繊維又は線材13から剥離す
ると、この荷重は急激に減少し、ある一定の荷重におい
て安定する。この安定した荷重は、剥離したマイクロド
ロップレット40と繊維又は線材13ちの摩擦力による
ものである。
【0073】このようにして、マイクロドロップレット
40が繊維又は線材13から剥離するまでの荷重の変化
を電磁オシログラフ又はペン書きオシログラフにより紙
等に記録することにより、マイクロドロップレット40
を繊維又は線材13から剥離させるための最大荷重を測
定することができる。この引抜け時の最大荷重をP、繊
維又は線材13の直径をd、マイクロドロップレット4
0の長さをLとすると、界面剪断応力(界面剪断強度又
は界面剥離強度)τは、τ=P/(πd・L)の式によ
り求めることができる。
【0074】引抜き試験が終了したら、加熱炉8のうち
の図3における左半分8bを開いて、ねじ16を弛めて
ホルダ2をアーム16から取り外し、別の試験片のもの
を新たに取り付ける。このようにして、マイクロドロッ
プレット法による界面特性評価試験を簡単にかつ迅速に
繰り返し行うことができる。従って、繊維又は線材13
の表面処理を各種変化させて数多くの試験を行う場合で
も、短時間で試験を終了させることができる。
【0075】また繊維又は線材13が一定の速度で静か
に牽引されて移動するため、繊維又は線材13に無理な
力がかからず、例えば直径7μmという極細の、700
GPa以上の超高弾性率炭素繊維の単繊維についても、
本発明方法及び装置によりマイクロドロップレット法に
よる界面特性評価試験を何ら問題なく行うことができ
る。
【0076】次に、カバー10を用いて評価試験を不活
性ガス雰囲気中で行う場合について説明する。上記と同
様にして、引抜き試験を行う準備が完了した段階で、カ
バー10を、図1、図2、図3に示すように被せ、シー
ル部材100を介して機枠18に密着させ、複数のボル
ト(図示せず)により締め付け固定する。
【0077】そして不活性ガス供給源(図示せず)から
不活性ガスをホース101により矢印Gの如くカバー1
0内に導入し、内部の空気を矢印Hの如くホース102
により外部に排出して両方のホース101,102を閉
じる。これによって、カバー10の内部は不活性ガスで
満たされ、無酸素状態となる。この状態で上記と全く同
様にして、マイクロドロップレット法による界面特性評
価試験を行うことができる。
【0078】また顕微鏡11やカメラ12を用いて記録
や撮影を行う場合も、顕微鏡11の対物レンズをカバー
10に嵌め込まれた石英ガラス99に接近させて内部を
見ることにより鮮明な状態で内部の観察を行うことがで
き、また映像として記録することも十分に可能である。
【0079】このように、マイクロドロップレット法に
よる評価試験を、不活性ガス中で行うことにより、溶融
状態の金属や樹脂、加熱された線材等が酸化することが
なくなるので、酸化による評価の外乱を防止して、信頼
できる評価結果を得ることができる。
【0080】次に、図13から図17に示す本発明の第
2実施例についてその作用を説明すると、これは低融点
合金121の線材113に対する界面剪断応力(界面剪
断強度又は界面剥離強度)τを測定するに際し、線材1
13が牽引中に切断されないようにしたものであり、金
属板120の中心部120aに形成された空隙120b
に予め低融点合金121を充填しておき、これを線材1
13に挿通する。このときはまだ図16に示すように、
空隙120bは空いており、線材113との間に隙間が
存在している。そして空隙120bは、図中金属板12
0の右側から座ぐり状に凹陥して形成されている。
【0081】この状態で線材113を第1実施例の複合
材の界面特性評価装置1のホルダ2に固着し、該ホルダ
をねじ16によりアーム15に取り付け、金属板120
をブレード9に固着し、加熱炉8により加熱して低融点
合金121を溶融させる。すると、溶融した低融点合金
121は、空いていた空隙121b内にも毛細管現象に
より入り込むため、座ぐり状の空隙内にあった固形の低
融点合金121はその総量が一定であるため、金属板1
20内において、溶融状態では、図14、図15及び図
17に示すように、その幅が少し狭くなるようにして線
材113に付着することになる。
【0082】このため、マイクロドロップレット40に
相当する低融点合金121の付着塊の長さLは、線材1
13を太くしても、その直径dには関係なく、金属板1
20の厚さ(厚さ=長さL)により制限され、太くて牽
引により切断のおそれがない線材113を使用しても、
付着塊の長さLが一定値以上にはならず、線材113を
全く破断させないで、図17において線材113を矢印
Eの如く牽引することにより、引抜き試験を行うことが
できる。
【0083】これによって、例えば鉛を含まない将来的
な非鉛半田を開発するような場合でも、非常に多くの界
面特性の評価試験が必要になるが、このような多くの試
験をも短時間に容易かつ正確に行うことができるので、
本発明によれば新規な低融点合金の開発にも非常に有効
な界面特性評価方法及び装置を提供することができる。
【0084】
【発明の効果】本発明は、上記のようにマイクロドロッ
プレット法による複合材の界面特性評価方法において、
一定長さの繊維又は線材の両端を水平方向に移動可能な
ホルダに固着し、該繊維又は線材に溶融状態の供試材料
を接近させて該供試材料を該繊維又は線材に付着させて
マイクロドロップレットを形成し、該マイクロドロップ
レットを固化させた後、繊維又は線材の該マイクロドロ
ップレットの移動方向前側に該繊維又は線材の移動を許
容し該マイクロドロップレットの移動を阻止するブレー
ドを配設し、該ブレード及びホルダの一方を固定して他
方を移動させ、ブレードによりマイクロドロップレット
を該繊維又は線材から剥離させ、この移動中に作用する
荷重を記録してマイクロドロップレットの繊維又は線材
に対する界面剥離時の剪断応力を求めるようにしたの
で、繊維又は線材のホルダからの脱落や繊維又は線材の
破断を防止し得、繊維又は線材と各種樹脂、コンクリー
ト等の供試材料との界面特性のマイクロドロップレット
法による評価を工業的な実用化レベルで実現させること
ができる効果があり、またこの結果例えば熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂の両方について、直径7μmという極
細の、500GPa以上の高弾性率炭素繊維や700G
Pa以上の超高弾性率炭素繊維にも比較的簡便にマイク
ロドロップレット法が適用できることとなり、従来の最
大の課題であった「試験片作製の困難さ」及び「マイク
ロドロップレット法の実施の困難さ」をすべて解決する
ことができるという画期的な効果が得られる。
【0085】またマイクロドロップレット法による複合
材の界面特性評価方法において、一定長さの繊維又は線
材の両端を水平方向に移動可能なホルダに固着し、該繊
維又は線材に溶融状態の供試材料を接近させて該供試材
料を該繊維又は線材に付着させてマイクロドロップレッ
トを形成し、該マイクロドロップレットを固化させた
後、繊維又は線材の該マイクロドロップレットの移動方
向前側に該繊維又は線材の移動を許容し該マイクロドロ
ップレットの移動を阻止するブレードを配設し、該ブレ
ード及びホルダの一方を固定して他方を移動させ、ブレ
ードによりマイクロドロップレットを該繊維又は線材か
ら剥離させ、この移動中に作用する荷重を記録すること
によりマイクロドロップレットの繊維又は線材に対する
界面剥離時の剪断応力を求めると共に、すべての工程を
不活性ガスの雰囲気中で行わせるようにしたので、繊維
又は線材と供試材料との付着界面の酸化及び吸湿を防止
することができ、またこの結果材料の酸化や吸湿による
特性の変化を考慮することなく、より客観的なマイクロ
ドロップレット法による評価結果が得られるという効果
がある。
【0086】またマイクロドロップレット法による複合
材の界面特性評価方法において、一定長さの繊維又は線
材の両端を水平方向に移動可能なホルダに固着し、該ホ
ルダを加熱炉の中に配置し、該ホルダの上方に固形の供
試材料を収容した容器を懸吊し、加熱炉により固形の供
試材料を加熱して溶融させ、繊維又は線材に溶融状態の
供試材料を下降接近させて該供試材料を該繊維又は線材
に付着させてマイクロドロップレットを形成し、加熱炉
を低温にして該マイクロドロップレットを固化させた
後、繊維又は線材の該マイクロドロップレットの移動方
向前側に該繊維又は線材の移動を許容し該マイクロドロ
ップレットの移動を阻止するブレードを固定し、ホルダ
を繊維又は線材を移動させ、ブレードによりマイクロド
ロップレットを該繊維又は線材から剥離させ、この移動
中にホルダに作用する荷重を記録することによりマイク
ロドロップレットの繊維又は線材に対する界面剥離時の
剪断応力を求めるようにしたので、常温において固体の
供試材料をそのまま使用してマイクロドロップレット法
による複合材の界面特性の評価をより簡便に行うことが
可能となり、反復継続して短時間に多数の評価試験をよ
り工業的にかつ確実に実施できる効果が得られ、またこ
の結果マイクロドロップレット法の工業化レベルでの完
全な実用化を図ることができる効果がある。
【0087】更には、上記構成に加えてすべての工程を
不活性ガスの雰囲気中で行わせるようにしたので、加熱
炉による繊維又は線材及び供試材料の加熱に伴う酸化を
防止し得、繊維又は線材及び供試材料の化学的な特性の
変化がない状態で、より信頼性の高いマイクロドロップ
レット法による複合材の界面特性の評価試験を行うこと
ができる効果がある。
【0088】またマイクロドロップレット法による複合
材の界面特性評価方法において、一定長さの繊維又は線
材の両端を水平方向に移動可能なホルダに固着し、該繊
維又は線材に溶融状態の供試材料を接近させて該供試材
料を該繊維又は線材に付着させてマイクロドロップレッ
トを形成し、該マイクロドロップレットを固化させた
後、繊維又は線材の該マイクロドロップレットの移動方
向前側に該繊維又は線材の移動を許容し該マイクロドロ
ップレットの移動を阻止するブレードを配設し、該ブレ
ード及びホルダの一方を固定して他方を移動させ、ブレ
ードによりマイクロドロップレットを該繊維又は線材か
ら剥離させ、この移動中に作用する荷重を記録すること
によりマイクロドロップレットの繊維又は線材に対する
界面剥離時の剪断応力を求めると共に、マイクロドロッ
プレットを外部から映像に記録し、該マイクロドロップ
レットの繊維又は線材に対する接触角を該映像から求め
るようにしたので、複合材の界面特性のうちマイクロド
ロップレットの剪断強度のみならず、マイクロドロップ
レットの繊維又は線材に対する接触角をも同時に、かつ
容易に測定できる効果があり、またこの結果マイクロド
ロップレット法のより完全な実用化を図ることができる
効果がある。
【0089】更には、低融点合金が付着可能な金属板の
一部に空隙を設け、該空隙内に低融点合金を充填してお
き、該金属板の一部に低融点合金が付着可能な線材を挿
通し、これらを加熱して低融点合金を溶融させて金属板
及び線材に溶着させ、金属板及び線材の一方を固定して
他方を移動させ、低融点合金と線材とを剥離させ、この
移動中に作用する荷重を記録することにより低融点合金
の線材に対する界面剥離時の剪断応力を求めるようにし
たので、線材の直径に対するマイクロドロップレットの
長さの割合を小さくして、剥離までに要する荷重をより
小さくし、引抜きの際に線材が破断しないようすること
ができる効果があり、またこの結果現在の鉛半田の線材
に対する界面特性のマイクロドロップレット法による評
価のみならず、将来的に必要となる非鉛半田の実用化の
際に不可避となる線材に対する界面特性の評価試験を簡
便に行うことが可能となり、無害な非鉛半田の実現を容
易化することができる。
【0090】また上記構成に加えて、上記すべての工程
を不活性ガスの雰囲気中で行わせるようにしたので、半
田の溶融に伴う酸化を防止でき、溶融半田の線材に対す
る付着を完全にし得、より確実な界面特性の評価結果が
得られるという効果がある。
【0091】またマイクロドロップレット法による複合
材の界面特性評価装置において、一定長さの繊維又は線
材の両端を固着すると共に水平方向に移動可能なホルダ
と、該ホルダを水平方向に移動させるホルダ移動装置
と、該ホルダ移動装置の作動中にホルダに作用する荷重
を記録する荷重測定記録装置と、繊維又は線材に溶融状
態の供試材料を接近させて該供試材料を該繊維又は線材
に付着させてマイクロドロップレットを形成するように
構成した供試材料用の容器と、該容器を上下動させる容
器上下駆動装置と、該ホルダ及び容器を収容しこれらを
加熱する加熱炉と、繊維又は線材の該マイクロドロップ
レットの移動方向前側に配設され該繊維又は線材の移動
を許容し該マイクロドロップレットの移動を阻止するブ
レードとを備え、ホルダ移動装置によりホルダを移動さ
せて繊維又は線材を移動させ、ブレードによりマイクロ
ドロップレットを該繊維又は線材から剥離させ、この移
動中にホルダに作用する荷重を荷重測定記録装置により
記録することによりマイクロドロップレットの繊維又は
線材に対する界面剥離時の剪断応力を求めるように構成
したので、マイクロドロップレット法による複合材の界
面特性の評価を迅速かつ確実容易に、工業的に実施する
ことができる評価装置を提供でき、またこの結果繊維強
化樹脂の信頼性の向上及びコストの低減を図り、また新
たな繊維強化樹脂の開発の容易化を図ることができる効
果がある。
【0092】更には、上記構成に加えて、ホルダとホル
ダ移動装置と荷重測定記録装置の一部と容器と容器上下
駆動装置と加熱炉とブレードとを密閉状態で収容し内部
に不活性ガスが充填されるようにしたカバーと、加熱炉
の内部の繊維又は線材に形成されたマイクロドロップレ
ットを拡大して目視できるようにした顕微鏡と、該顕微
鏡によるマイクロドロップレットの映像を記録するため
のカメラとを備え、ホルダ移動装置によりホルダを移動
させて繊維又は線材を移動させ、ブレードによりマイク
ロドロップレットを該繊維又は線材から剥離させ、この
移動中にホルダに作用する荷重を荷重測定記録装置によ
り記録することによりマイクロドロップレットの繊維又
は線材に対する界面剥離時の剪断応力を求めるように構
成し、かつすべての工程を不活性ガスの雰囲気中で行わ
せるように構成すると共に、顕微鏡及びカメラによりマ
イクロドロップレットの映像を記録して該マイクロドロ
ップレットの繊維又は線材に対する接触角を求めるよう
に構成したので、より完全な形、即ち界面の剪断強度の
評価及びマイクロドロップレットの接触角の測定が可能
な形でのマイクロドロップレット法による複合材の界面
特性評価装置の実用化を図ることができ、従来困難とさ
れていた「試験片作製の困難さ」及び「実施の困難さ」
を解決し、各種の先端技術としての複合材の開発を飛躍
的に容易化することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1から図12は本発明の第1実施例に係り、
図1は複合材の界面特性評価装置の斜視図である。
【図2】複合材の界面特性評価装置の正面縦断面図であ
る。
【図3】複合材の界面特性評価装置の側面縦断面図であ
る。
【図4】ブレード高さ調整装置の平面図である。
【図5】ブレード開閉装置及びブレード高さ調整装置の
部分縦断面正面図である。
【図6】ブレード開閉装置及びブレード高さ調整装置の
部分縦断面側面図である。
【図7】複合材の界面特性評価装置の部分破断要部斜視
図である。
【図8】供試材料の容器とホルダの繊維又は線材に付着
形成されたマイクロドロップレットを示す概略正面図で
ある。
【図9】加熱炉内に収容されたホルダをカバーで被い、
不活性ガスを充満させてマイクロドロップレットを形成
した状態を示す概略縦断面図である。
【図10】マイクロドロップレット法による引抜き試験
を行っている状態を示す概略正面図である。
【図11】供試材料用の容器内に収容した固形の供試材
料を加熱して溶融させてホルダの繊維又は線材にマイク
ロドロップレットを付着形成させる状態を示す正面図で
ある。
【図12】繊維又は線材に付着形成された各種のマイク
ロドロップレット及び接触角の求め方を示すための疑似
マイクロドロップレットの縦断面図である。
【図13】図13から図17は本発明の第2実施例に係
り、図13は低融点合金の溶融前の状態を示す線材及び
金属板の部分破断斜視図である。
【図14】低融点合金の溶融後の状態を示す線材及び金
属板の部分破断斜視図である。
【図15】低融点合金の溶融後の状態を示す線材及び金
属板の縦断面図である。
【図16】低融点合金の溶融前の状態における線材、金
属板及びヒータを示す縦断面図である。
【図17】低融点合金の溶融後の状態における線材、金
属板及びヒータを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 複合材の界面評価装置 2 ホルダ 3 ホルダ移動装置 4 荷重測定記録装置の一例たるロードセル 5 供試材料用の容器 6 容器上下駆動装置 8 加熱炉 9 ブレード 9A 上側のブレード 9B 下側のブレード 10 カバー 11 顕微鏡 12 カメラ 13 繊維又は線材 13a 一端 13b 他の一端 40 マイクロドロップレット 41 供試材料 113 線材 120 金属板 120a 一部の一例たる中心部 120b 空隙 121 低融点合金 d 繊維又は線材の直径 L マイクロドロップレットの長さ w マイクロドロップレットの直径 θ マイクロドロップレットの接触角

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロドロップレット法による複合材
    の界面特性評価方法において、一定長さの繊維又は線材
    の両端を水平方向に移動可能なホルダに固着し、該繊維
    又は線材に溶融状態の供試材料を接近させて該供試材料
    を該繊維又は線材に付着させてマイクロドロップレット
    を形成し、該マイクロドロップレットを固化させた後、
    前記繊維又は線材の該マイクロドロップレットの移動方
    向前側に該繊維又は線材の移動を許容し該マイクロドロ
    ップレットの移動を阻止するブレードを配設し、該ブレ
    ード及び前記ホルダの一方を固定して他方を移動させ、
    前記ブレードにより前記マイクロドロップレットを該繊
    維又は線材から剥離させ、この移動中に作用する荷重を
    記録することにより前記マイクロドロップレットの前記
    繊維又は線材に対する界面剥離時の剪断応力を求めるこ
    とを特徴とする複合材の界面特性評価方法。
  2. 【請求項2】 マイクロドロップレット法による複合材
    の界面特性評価方法において、一定長さの繊維又は線材
    の両端を水平方向に移動可能なホルダに固着し、該繊維
    又は線材に溶融状態の供試材料を接近させて該供試材料
    を該繊維又は線材に付着させてマイクロドロップレット
    を形成し、該マイクロドロップレットを固化させた後、
    前記繊維又は線材の該マイクロドロップレットの移動方
    向前側に該繊維又は線材の移動を許容し該マイクロドロ
    ップレットの移動を阻止するブレードを配設し、該ブレ
    ード及び前記ホルダの一方を固定して他方を移動させ、
    前記ブレードにより前記マイクロドロップレットを該繊
    維又は線材から剥離させ、この移動中に作用する荷重を
    記録することにより前記マイクロドロップレットの前記
    繊維又は線材に対する界面剥離時の剪断応力を求めると
    共に、前記すべての工程を不活性ガスの雰囲気中で行わ
    せることを特徴とする複合材の界面特性評価方法。
  3. 【請求項3】 マイクロドロップレット法による複合材
    の界面特性評価方法において、一定長さの繊維又は線材
    の両端を水平方向に移動可能なホルダに固着し、該ホル
    ダを加熱炉の中に配置し、該ホルダの上方に固形の供試
    材料を収容した容器を懸吊し、前記加熱炉により前記固
    形の供試材料を加熱して溶融させ、前記繊維又は線材に
    溶融状態の供試材料を下降接近させて該供試材料を該繊
    維又は線材に付着させてマイクロドロップレットを形成
    し、前記加熱炉の温度を調整して該マイクロドロップレ
    ットを固化させた後、前記繊維又は線材の該マイクロド
    ロップレットの移動方向前側に該繊維又は線材の移動を
    許容し該マイクロドロップレットの移動を阻止するブレ
    ードを固定し、前記ホルダを移動させて前記繊維又は線
    材を移動させ、前記ブレードにより前記マイクロドロッ
    プレットを該繊維又は線材から剥離させ、この移動中に
    前記ホルダに作用する荷重を記録することにより前記マ
    イクロドロップレットの前記繊維又は線材に対する界面
    剥離時の剪断応力を求めることを特徴とする複合材の界
    面特性評価方法。
  4. 【請求項4】 マイクロドロップレット法による複合材
    の界面特性評価方法において、一定長さの繊維又は線材
    の両端を水平方向に移動可能なホルダに固着し、該ホル
    ダを加熱炉の中に配置し、該ホルダの上方に固形の供試
    材料を収容した容器を懸吊し、前記加熱炉により前記固
    形の供試材料を加熱して溶融させ、前記繊維又は線材に
    溶融状態の供試材料を下降接近させて該供試材料を該繊
    維又は線材に付着させてマイクロドロップレットを形成
    し、前記加熱炉の温度を調整して該マイクロドロップレ
    ットを固化させた後、前記繊維又は線材の該マイクロド
    ロップレットの移動方向前側に該繊維又は線材の移動を
    許容し該マイクロドロップレットの移動を阻止するブレ
    ードを固定し、前記ホルダを移動させて前記繊維又は線
    材を移動させ、前記ブレードにより前記マイクロドロッ
    プレットを該繊維又は線材から剥離させ、この移動中に
    前記ホルダに作用する荷重を記録することにより前記マ
    イクロドロップレットの前記繊維又は線材に対する界面
    剥離時の剪断応力を求めると共に、前記すべての工程を
    不活性ガスの雰囲気中で行わせることを特徴とする複合
    材の界面特性評価方法。
  5. 【請求項5】 マイクロドロップレット法による複合材
    の界面特性評価方法において、一定長さの繊維又は線材
    の両端を水平方向に移動可能なホルダに固着し、該繊維
    又は線材に溶融状態の供試材料を接近させて該供試材料
    を該繊維又は線材に付着させてマイクロドロップレット
    を形成し、該マイクロドロップレットを固化させた後、
    前記繊維又は線材の該マイクロドロップレットの移動方
    向前側に該繊維又は線材の移動を許容し該マイクロドロ
    ップレットの移動を阻止するブレードを配設し、該ブレ
    ード及び前記ホルダの一方を固定して他方を移動させ、
    前記ブレードにより前記マイクロドロップレットを該繊
    維又は線材から剥離させ、この移動中に作用する荷重を
    記録することにより前記マイクロドロップレットの前記
    繊維又は線材に対する界面剥離時の剪断応力を求めると
    共に、前記マイクロドロップレットを外部から映像に記
    録し、該マイクロドロップレットの前記繊維又は線材に
    対する接触角を該映像から求めることを特徴とする複合
    材の界面特性評価方法。
  6. 【請求項6】 低融点合金が付着可能な金属板の一部に
    空隙を設け、該空隙内に前記低融点合金を充填してお
    き、該金属板の前記一部に前記低融点合金が付着可能な
    線材を挿通し、これらを加熱して前記低融点合金を溶融
    させて前記金属板及び前記線材に溶着させ、前記金属板
    及び前記線材の一方を固定して他方を移動させ、前記低
    融点合金と前記線材とを剥離させ、この移動中に作用す
    る荷重を記録することにより前記低融点合金の前記線材
    に対する界面剥離時の剪断応力を求めることを特徴とす
    る複合材の界面特性評価方法。
  7. 【請求項7】 低融点合金が付着可能な金属板の一部に
    空隙を設け、該空隙内に前記低融点合金を充填してお
    き、該金属板の前記一部に前記低融点合金が付着可能な
    線材を挿通し、これらを加熱して前記低融点合金を溶融
    させて前記金属板及び前記線材に溶着させ、前記金属板
    及び前記線材の一方を固定して他方を移動させ、前記低
    融点合金と前記線材とを剥離させ、この移動中に作用す
    る荷重を記録することにより前記低融点合金の前記線材
    に対する界面剥離時の剪断応力を求めると共に、前記す
    べての工程を不活性ガスの雰囲気中で行わせることを特
    徴とする複合材の界面特性評価方法。
  8. 【請求項8】 マイクロドロップレット法による複合材
    の界面特性評価装置において、一定長さの繊維又は線材
    の両端を固着すると共に水平方向に移動可能なホルダ
    と、該ホルダを水平方向に移動させるホルダ移動装置
    と、該ホルダ移動装置の作動中に前記ホルダに作用する
    荷重を記録する荷重測定記録装置と、前記繊維又は線材
    に溶融状態の供試材料を接近させて該供試材料を該繊維
    又は線材に付着させてマイクロドロップレットを形成す
    るように構成した供試材料用の容器と、該容器を上下動
    させる容器上下駆動装置と、該ホルダ及び前記容器を収
    容しこれらを加熱する加熱炉と、前記繊維又は線材の該
    マイクロドロップレットの移動方向前側に配設され該繊
    維又は線材の移動を許容し該マイクロドロップレットの
    移動を阻止するブレードとを備え、前記ホルダ移動装置
    により前記ホルダを移動させて前記繊維又は線材を移動
    させ、前記ブレードにより前記マイクロドロップレット
    を該繊維又は線材から剥離させ、この移動中に前記ホル
    ダに作用する荷重を前記荷重測定記録装置により記録す
    ることにより前記マイクロドロップレットの前記繊維又
    は線材に対する界面剥離時の剪断応力を求めるように構
    成したことを特徴とする複合材の界面特性評価装置。
  9. 【請求項9】 マイクロドロップレット法による複合材
    の界面特性評価装置において、一定長さの繊維又は線材
    の両端を固着すると共に水平方向に移動可能なホルダ
    と、該ホルダを水平方向に移動させるホルダ移動装置
    と、該ホルダ移動装置の作動中に前記ホルダに作用する
    荷重を記録する荷重測定記録装置と、前記繊維又は線材
    に溶融状態の供試材料を接近させて該供試材料を該繊維
    又は線材に付着させてマイクロドロップレットを形成す
    るように構成した供試材料用の容器と、該容器を上下動
    させる容器上下駆動装置と、該ホルダ及び前記容器を収
    容しこれらを加熱する加熱炉と、前記繊維又は線材の前
    記該マイクロドロップレットの移動方向前側に配設され
    該繊維又は線材の移動を許容し該マイクロドロップレッ
    トの移動を阻止するブレードと、前記ホルダと前記ホル
    ダ移動装置と前記荷重測定記録装置の一部と前記容器と
    前記容器上下駆動装置と前記加熱炉と前記ブレードとを
    密閉状態で収容し内部に不活性ガスが充填されるように
    したカバーとを備え、前記ホルダ移動装置により前記ホ
    ルダを移動させて前記繊維又は線材を移動させ、前記ブ
    レードにより前記マイクロドロップレットを該繊維又は
    線材から剥離させ、この移動中に前記ホルダに作用する
    荷重を前記荷重測定記録装置により記録することにより
    前記マイクロドロップレットの前記繊維又は線材に対す
    る界面剥離時の剪断応力を求めると共に、前記すべての
    工程を前記カバー内において不活性ガスの雰囲気中で行
    わせるように構成したことを特徴とする複合材の界面特
    性評価装置。
  10. 【請求項10】 マイクロドロップレット法による複合
    材の界面特性評価装置において、一定長さの繊維又は線
    材の両端を固着すると共に水平方向に移動可能なホルダ
    と、該ホルダを水平方向に移動せさるホルダ移動装置
    と、該ホルダ移動装置の作動中に前記ホルダに作用する
    荷重を記録する荷重測定記録装置と、前記繊維又は線材
    に溶融状態の供試材料を接近させて該供試材料を該繊維
    又は線材に付着させてマイクロドロップレットを形成す
    るように構成した供試材料用の容器と、該容器を上下動
    させる容器上下駆動装置と、該ホルダ及び前記容器を収
    容しこれらを加熱する加熱炉と、前記繊維又は線材の該
    マイクロドロップレットの移動方向前側に配設され該繊
    維又は線材の移動を許容し該マイクロドロップレットの
    移動を阻止するブレードと、前記加熱炉の内部の前記繊
    維又は線材に形成された前記マイクロドロップレットを
    拡大して目視できるようにした顕微鏡と、該顕微鏡によ
    る前記マイクロドロップレットの映像を記録するための
    カメラとを備え、前記ホルダ移動装置により前記ホルダ
    を牽引して前記繊維又は線材を移動させ、前記ブレード
    により前記マイクロドロップレットを該繊維又は線材か
    ら剥離させ、この移動中に前記ホルダに作用する荷重を
    前記荷重測定記録装置により記録することにより前記マ
    イクロドロップレットの前記繊維又は線材に対する界面
    剥離時の剪断応力を求めると共に、前記顕微鏡及び前記
    カメラにより前記マイクロドロップレットの映像を記録
    して該マイクロドロップレットの前記繊維又は線材に対
    する接触角を求めるように構成したことを特徴とする複
    合材の界面特性評価装置。
  11. 【請求項11】 マイクロドロップレット法による複合
    材の界面特性評価装置において、一定長さの繊維又は線
    材の両端を固着すると共に水平方向に移動可能なホルダ
    と、該ホルダを水平方向に移動せさるホルダ移動装置
    と、該ホルダ移動装置の作動中に前記ホルダに作用する
    荷重を記録する荷重測定記録装置と、前記繊維又は線材
    に溶融状態の供試材料を接近させて該供試材料を該繊維
    又は線材に付着させてマイクロドロップレットを形成す
    るように構成した供試材料用の容器と、該容器を上下動
    させる容器上下駆動装置と、該ホルダ及び前記容器を収
    容しこれらを加熱する加熱炉と、前記繊維又は線材の該
    マイクロドロップレットの移動方向前側に配設され該繊
    維又は線材の移動を許容し該マイクロドロップレットの
    移動を阻止するブレードと、前記ホルダと前記ホルダ移
    動装置と前記荷重測定記録装置の一部と前記容器と前記
    容器上下駆動装置と前記加熱炉と前記ブレードとを密閉
    状態で収容し内部に不活性ガスが充填されるようにした
    カバーと、前記加熱炉の内部の前記繊維又は線材に形成
    された前記マイクロドロップレットを拡大して目視でき
    るようにした顕微鏡と、該顕微鏡による前記マイクロド
    ロップレットの映像を記録するためのカメラとを備え、
    前記ホルダ移動装置により前記ホルダを移動させて前記
    繊維又は線材を移動させ、前記ブレードにより前記マイ
    クロドロップレットを該繊維又は線材から剥離させ、こ
    の移動中に前記ホルダに作用する荷重を前記荷重測定記
    録装置により記録することにより前記マイクロドロップ
    レットの前記繊維又は線材に対する界面剥離時の剪断応
    力を求めるように構成し、かつ前記すべての工程を不活
    性ガスの雰囲気中で行わせるように構成すると共に、前
    記顕微鏡及び前記カメラにより前記マイクロドロップレ
    ットの映像を記録して該マイクロドロップレットの前記
    繊維又は線材に対する接触角を求めるように構成したこ
    とを特徴とする複合材の界面特性評価装置。
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