JPH08336931A - 金属箔を含むポリオレフィン被覆鋼材 - Google Patents
金属箔を含むポリオレフィン被覆鋼材Info
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- JPH08336931A JPH08336931A JP14577195A JP14577195A JPH08336931A JP H08336931 A JPH08336931 A JP H08336931A JP 14577195 A JP14577195 A JP 14577195A JP 14577195 A JP14577195 A JP 14577195A JP H08336931 A JPH08336931 A JP H08336931A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】高温腐食環境下で長期間にわたり使用に耐える
耐陰極電解剥離性と耐水性に優れたポリオレフィン被覆
鋼材を提供する。 【構成】表面に、ポリオレフィン樹脂の被覆層3をもつ
鋼材であって、上記被覆層の中に金属箔Mが金属箔層と
して埋め込まれていることを特徴とするポリオレフィン
被覆鋼材。鋼表面とポリオレフィン樹脂の被覆層との間
に化成処理層1およびエポキシプライマ−層2を設けて
もよい。さらにポリオレフィン樹脂層は2層以上であっ
てもよい。 【効果】金属箔が水等の透過を遮断するので、安定に耐
食性を維持することができる。とくに重質油を加熱して
輸送するラインパイプ用鋼材として好適である。
耐陰極電解剥離性と耐水性に優れたポリオレフィン被覆
鋼材を提供する。 【構成】表面に、ポリオレフィン樹脂の被覆層3をもつ
鋼材であって、上記被覆層の中に金属箔Mが金属箔層と
して埋め込まれていることを特徴とするポリオレフィン
被覆鋼材。鋼表面とポリオレフィン樹脂の被覆層との間
に化成処理層1およびエポキシプライマ−層2を設けて
もよい。さらにポリオレフィン樹脂層は2層以上であっ
てもよい。 【効果】金属箔が水等の透過を遮断するので、安定に耐
食性を維持することができる。とくに重質油を加熱して
輸送するラインパイプ用鋼材として好適である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温腐食環境下で長期
間使用に耐えるポリオレフィン被覆鋼材に関する。本発
明の鋼材は、例えば、重質油を低粘度化するために加熱
して輸送するラインパイプ用鋼材として好適である。
間使用に耐えるポリオレフィン被覆鋼材に関する。本発
明の鋼材は、例えば、重質油を低粘度化するために加熱
して輸送するラインパイプ用鋼材として好適である。
【0002】
【従来の技術】海水の浸潤や氷塊の衝突などがくりかえ
される厳しい環境で使用される鋼材は、高耐食性と強度
を備えたポリオレフィン樹脂で被覆されることが多い。
図3は従来のポリオレフィン被覆鋼材の厚み方向断面を
模式的に示す図である。図示のように、通常は、まず鋼
材Sの表面に化成処理層1とエポキシプライマ−層2と
を施し、その上にポリオレフィン被覆層3を施す。この
ポリオレフィン被覆層3は接着層3−1と保護層3−2
からなる。このような4層の被覆を行った場合、通常の
使用条件では長期間にわたり高耐食性を維持するが、以
下に述べる使用条件では、耐剥離性が不足する。
される厳しい環境で使用される鋼材は、高耐食性と強度
を備えたポリオレフィン樹脂で被覆されることが多い。
図3は従来のポリオレフィン被覆鋼材の厚み方向断面を
模式的に示す図である。図示のように、通常は、まず鋼
材Sの表面に化成処理層1とエポキシプライマ−層2と
を施し、その上にポリオレフィン被覆層3を施す。この
ポリオレフィン被覆層3は接着層3−1と保護層3−2
からなる。このような4層の被覆を行った場合、通常の
使用条件では長期間にわたり高耐食性を維持するが、以
下に述べる使用条件では、耐剥離性が不足する。
【0003】まず、電気防食を行うことにより剥離が促
進される。パイプラインの場合、数十年以上の長期にわ
たり補修なしで使用されるため、腐食対策としてポリオ
レフィン被覆と併用して電気防食がおこなわれる。とこ
ろが施工時等に被覆を貫通して鋼面にまで達する疵がつ
いた場合、疵部の鋼面が陰極となるので、鋼材は電気防
食によって防食されるが、防食に付随する電流によって
アルカリが生じる。このアルカリによってポリオレフィ
ン樹脂の剥離が促進される。いわゆる陰極電解剥離であ
る。
進される。パイプラインの場合、数十年以上の長期にわ
たり補修なしで使用されるため、腐食対策としてポリオ
レフィン被覆と併用して電気防食がおこなわれる。とこ
ろが施工時等に被覆を貫通して鋼面にまで達する疵がつ
いた場合、疵部の鋼面が陰極となるので、鋼材は電気防
食によって防食されるが、防食に付随する電流によって
アルカリが生じる。このアルカリによってポリオレフィ
ン樹脂の剥離が促進される。いわゆる陰極電解剥離であ
る。
【0004】つぎに、この問題が大きく取り上げられる
契機となった以下の使用条件の変化がある。近年、重質
油の輸送能率向上のために、重質油を加熱し低粘度化し
てラインパイプ中を輸送する方法が採用される傾向にあ
る。この方法の採用にともない、ラインパイプの外面を
被覆するポリオレフィン被覆の剥離が多発することとな
った。ここに、高温での耐陰極電解剥離性および耐水性
の向上がきわめて重要な課題となった。
契機となった以下の使用条件の変化がある。近年、重質
油の輸送能率向上のために、重質油を加熱し低粘度化し
てラインパイプ中を輸送する方法が採用される傾向にあ
る。この方法の採用にともない、ラインパイプの外面を
被覆するポリオレフィン被覆の剥離が多発することとな
った。ここに、高温での耐陰極電解剥離性および耐水性
の向上がきわめて重要な課題となった。
【0005】この対策として、先に述べた4層からなる
被覆に対して、いくつかの改良がなされてきた。特開平
3−234527号公報は化成処理層1の改良を示す。
シリカ系微粒子およびシランカップリング剤をふくむ、
部分的に還元されたリン酸および無水クロム酸混合液を
用いることにより、熱塩水の浸透をうけにくいクロメ−
ト処理層(化成処理層)が形成されるという。
被覆に対して、いくつかの改良がなされてきた。特開平
3−234527号公報は化成処理層1の改良を示す。
シリカ系微粒子およびシランカップリング剤をふくむ、
部分的に還元されたリン酸および無水クロム酸混合液を
用いることにより、熱塩水の浸透をうけにくいクロメ−
ト処理層(化成処理層)が形成されるという。
【0006】特開平3−126550号公報は、同じく
4層からなる被覆のうちのエポキシプライマ−層2にた
いする改良である。フェノ−ルノボラック型のグリシジ
ルエ−テルを含有するエポキシ樹脂、ジシアンジアミド
系硬化剤、イミダゾ−ル系硬化剤および無機顔料からな
るプライマ−材を用いることにより、熱塩水に対する耐
剥離性が向上するという。
4層からなる被覆のうちのエポキシプライマ−層2にた
いする改良である。フェノ−ルノボラック型のグリシジ
ルエ−テルを含有するエポキシ樹脂、ジシアンジアミド
系硬化剤、イミダゾ−ル系硬化剤および無機顔料からな
るプライマ−材を用いることにより、熱塩水に対する耐
剥離性が向上するという。
【0007】しかしながら、このような対策では、高温
での耐陰極電解剥離性は未だ不十分である。
での耐陰極電解剥離性は未だ不十分である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、下地処理層
に対してでなく、ポリオレフィン被覆層に改良を加える
ことによって、高温での耐陰極電解剥離性および耐水性
を飛躍的に向上させることを目的とする。
に対してでなく、ポリオレフィン被覆層に改良を加える
ことによって、高温での耐陰極電解剥離性および耐水性
を飛躍的に向上させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】ポリオレフィン樹脂は常
温ではきわめて小さな吸水性および透水性をもつので、
鋼材の被覆に適した樹脂として知られている。しかし、
高温になるにしたがいポリオレフィン被覆層の表面から
水またはイオンが微量ではあるが浸透する。本発明者ら
は、この水またはイオンが耐陰極電解剥離性を著しく低
下させることを確認した。そこで、図1および図2に示
すように、金属箔が埋め込まれたポリオレフィン被覆層
3を施したところ、高温での耐陰極電解剥離性が著しく
向上するという知見を得た。
温ではきわめて小さな吸水性および透水性をもつので、
鋼材の被覆に適した樹脂として知られている。しかし、
高温になるにしたがいポリオレフィン被覆層の表面から
水またはイオンが微量ではあるが浸透する。本発明者ら
は、この水またはイオンが耐陰極電解剥離性を著しく低
下させることを確認した。そこで、図1および図2に示
すように、金属箔が埋め込まれたポリオレフィン被覆層
3を施したところ、高温での耐陰極電解剥離性が著しく
向上するという知見を得た。
【0010】ここに本発明は下記のポリオレフィン被覆
鋼材を要旨とする(図1および2を参照)。
鋼材を要旨とする(図1および2を参照)。
【0011】表面にポリオレフィン樹脂の被覆層をもつ
鋼材であって、被覆層のうちに金属箔Mが金属箔層とし
て埋め込まれていることを特徴とするポリオレフィン被
覆鋼材。
鋼材であって、被覆層のうちに金属箔Mが金属箔層とし
て埋め込まれていることを特徴とするポリオレフィン被
覆鋼材。
【0012】なお、化成処理層1およびエポキシプライ
マ−層2は必ずしも必要ない。しかし、これらの層を施
すことによりポリオレフィン被覆層3と鋼材Sとの接着
力が高くなるので、接着力を高くする場合にはこれらの
層を施す。また、ポリオレフィン被覆層3は図1に示す
金属箔が埋め込まれた接着層のみでもよいし、また図2
に示すように接着層3−1と保護層3−2とからなる場
合もある。いずれの場合も金属箔は接着層にのみ埋め込
まれる。
マ−層2は必ずしも必要ない。しかし、これらの層を施
すことによりポリオレフィン被覆層3と鋼材Sとの接着
力が高くなるので、接着力を高くする場合にはこれらの
層を施す。また、ポリオレフィン被覆層3は図1に示す
金属箔が埋め込まれた接着層のみでもよいし、また図2
に示すように接着層3−1と保護層3−2とからなる場
合もある。いずれの場合も金属箔は接着層にのみ埋め込
まれる。
【0013】
【作用】ポリオレフィン被覆層に埋め込まれた金属箔M
は水またはイオンの透過を遮断する。金属箔Mとして
は、水またはイオンの透過を遮断できるものであればよ
い。一般的であるのはアルミ箔であり、安価で好まし
い。膜厚は10μm以上1000μm以下の範囲が好ま
しい。膜厚が10μm未満となると、施工時に破損等が
発生する危険性があり、1000μmを超えると、成形
性が低下するので好ましくない。また、金属箔の表面は
公知の表面処理が施されているものが使用でき、好適で
ある。表面処理としては、例えばアルミ箔の場合、M
BV法(Modifizierte Bauer Vogel:JIS H 0201-503)
またはEW法(Erft Werk:JIS H 0201-504)等のアルカ
リ・クロム酸塩系処理、アロヂン法によるクロム酸塩
系処理、燐酸・クロム酸塩系処理、燐酸亜鉛系処
理、塗布型クロム酸塩系処理またはベ−マイト法
(JIS H 0201-502)による酸化被膜系処理がある。
は水またはイオンの透過を遮断する。金属箔Mとして
は、水またはイオンの透過を遮断できるものであればよ
い。一般的であるのはアルミ箔であり、安価で好まし
い。膜厚は10μm以上1000μm以下の範囲が好ま
しい。膜厚が10μm未満となると、施工時に破損等が
発生する危険性があり、1000μmを超えると、成形
性が低下するので好ましくない。また、金属箔の表面は
公知の表面処理が施されているものが使用でき、好適で
ある。表面処理としては、例えばアルミ箔の場合、M
BV法(Modifizierte Bauer Vogel:JIS H 0201-503)
またはEW法(Erft Werk:JIS H 0201-504)等のアルカ
リ・クロム酸塩系処理、アロヂン法によるクロム酸塩
系処理、燐酸・クロム酸塩系処理、燐酸亜鉛系処
理、塗布型クロム酸塩系処理またはベ−マイト法
(JIS H 0201-502)による酸化被膜系処理がある。
【0014】金属箔Mが埋め込まれたポリオレフィン被
覆層3の樹脂は、極性をもつポリオレフィン樹脂であれ
ばよい。極性をもたないと金属箔と樹脂の界面が十分接
着せず、空隙が発生し、成形性を阻害するからである。
覆層3の樹脂は、極性をもつポリオレフィン樹脂であれ
ばよい。極性をもたないと金属箔と樹脂の界面が十分接
着せず、空隙が発生し、成形性を阻害するからである。
【0015】ここで極性をもつポリオレフィン樹脂を有
極性ポリオレフィン樹脂と定義する。有極性ポリオレフ
ィン樹脂の代表的なものは変性ポリオレフィン樹脂であ
り、これ以外の実用的ものは、現在、存在しない。保護
層に使用する通常のポリオレフィン樹脂は極性をもたな
い。
極性ポリオレフィン樹脂と定義する。有極性ポリオレフ
ィン樹脂の代表的なものは変性ポリオレフィン樹脂であ
り、これ以外の実用的ものは、現在、存在しない。保護
層に使用する通常のポリオレフィン樹脂は極性をもたな
い。
【0016】変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィ
ン樹脂にアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸等の不飽和カルボン酸またはこれらの無水物を加
えてできる。これらの混合物を押し出し機中でラジカル
発生剤の存在下で溶融混練して得られるものである。こ
のうち、無水マレイン酸変性ポリオレフィンは初期密着
力が大きくかつ長期の接着耐久性をもつので、ポリオレ
フィン被覆層3に用いるのに適している。
ン樹脂にアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸等の不飽和カルボン酸またはこれらの無水物を加
えてできる。これらの混合物を押し出し機中でラジカル
発生剤の存在下で溶融混練して得られるものである。こ
のうち、無水マレイン酸変性ポリオレフィンは初期密着
力が大きくかつ長期の接着耐久性をもつので、ポリオレ
フィン被覆層3に用いるのに適している。
【0017】金属箔層が埋め込まれたポリオレフィン被
覆層3において、金属箔に接する両側(あるいは、上
下)の樹脂は、異なった種類の有極性ポリオレフィン樹
脂であってもよく、また同じものでもよい。また、カ−
ボンブラックや着色顔料を添加することもでき、さらに
公知の紫外線吸収剤または酸化防止剤を添加することが
可能であり、むしろ好適である。また、金属箔に接する
両側の有極性ポリオレフィン樹脂のそれぞれの膜厚は特
に限定しないが、金属箔を除いた上下の有極性ポリオレ
フィン樹脂の総膜厚で2.0mm以下とするのが好まし
い。
覆層3において、金属箔に接する両側(あるいは、上
下)の樹脂は、異なった種類の有極性ポリオレフィン樹
脂であってもよく、また同じものでもよい。また、カ−
ボンブラックや着色顔料を添加することもでき、さらに
公知の紫外線吸収剤または酸化防止剤を添加することが
可能であり、むしろ好適である。また、金属箔に接する
両側の有極性ポリオレフィン樹脂のそれぞれの膜厚は特
に限定しないが、金属箔を除いた上下の有極性ポリオレ
フィン樹脂の総膜厚で2.0mm以下とするのが好まし
い。
【0018】変性ポリオレフィン樹脂は極性をもつため
に接着力が強い。通常、その上にポリオレフィン保護層
を被覆するために接着層として用いられる。しかし、図
1に示すようにそのまま最外層を形成し、防食の機能を
果たすこともある。
に接着力が強い。通常、その上にポリオレフィン保護層
を被覆するために接着層として用いられる。しかし、図
1に示すようにそのまま最外層を形成し、防食の機能を
果たすこともある。
【0019】氷塊の衝突などが無視できない環境では、
図2に示すように、金属箔が埋め込まれたポリオレフィ
ン被覆層3−1を接着層として、その上にポリオレフィ
ン保護層3−2を施す被覆が好ましい。ポリオレフィン
保護層3−2は、低密度、中密度または高密度ポリエチ
レン等のいずれでもよい。また、少量の他のオレフィン
またはビニルモノマ−(例えば、プロピレン、酢酸ビニ
ル、またはアクリル酸エステル等)が共重合されていて
もよい。特にポリプロピレン被覆の場合、エチレン成分
を10〜50%含有しているポリプロピレンが好まし
い。その中でもエチレン成分をブロック共重合させたも
のがさらに好ましい。エチレンの共重合効果によりポリ
プロピレンの靭性が著しく改善されるからである。ポリ
オレフィン保護層4を被覆することによって、高い機械
的強度(例えば落重衝撃強度等)が得られ、運搬時や施
工時に生じる鋭利な固体との衝突にたいして被覆が保護
される。ポリオレフィン保護層4を構成する樹脂は極性
をもたないので金属箔を埋め込むことはできない。ポリ
オレフィン保護層の厚みは、特に限定されないが、強度
を確保するために0.5mm以上必要であり、経済的な
制約から5mm以下にすることが妥当である。
図2に示すように、金属箔が埋め込まれたポリオレフィ
ン被覆層3−1を接着層として、その上にポリオレフィ
ン保護層3−2を施す被覆が好ましい。ポリオレフィン
保護層3−2は、低密度、中密度または高密度ポリエチ
レン等のいずれでもよい。また、少量の他のオレフィン
またはビニルモノマ−(例えば、プロピレン、酢酸ビニ
ル、またはアクリル酸エステル等)が共重合されていて
もよい。特にポリプロピレン被覆の場合、エチレン成分
を10〜50%含有しているポリプロピレンが好まし
い。その中でもエチレン成分をブロック共重合させたも
のがさらに好ましい。エチレンの共重合効果によりポリ
プロピレンの靭性が著しく改善されるからである。ポリ
オレフィン保護層4を被覆することによって、高い機械
的強度(例えば落重衝撃強度等)が得られ、運搬時や施
工時に生じる鋭利な固体との衝突にたいして被覆が保護
される。ポリオレフィン保護層4を構成する樹脂は極性
をもたないので金属箔を埋め込むことはできない。ポリ
オレフィン保護層の厚みは、特に限定されないが、強度
を確保するために0.5mm以上必要であり、経済的な
制約から5mm以下にすることが妥当である。
【0020】以上に述べたように、本発明のポリオレフ
ィン被覆鋼材は必ずしも化成処理層およびエポキシプラ
イマ−層は必要ではない。使用環境が比較的低温(例え
ば60℃以下)では、化成処理層およびエポキシプライ
マ−層を省くことが可能であり、従来と同等の性能を維
持しながら、製造コストを下げることが可能である。
ィン被覆鋼材は必ずしも化成処理層およびエポキシプラ
イマ−層は必要ではない。使用環境が比較的低温(例え
ば60℃以下)では、化成処理層およびエポキシプライ
マ−層を省くことが可能であり、従来と同等の性能を維
持しながら、製造コストを下げることが可能である。
【0021】しかし、これら下地処理を施すことにより
ポリオレフィン被覆層と鋼材との密着力が増すので過酷
な環境で使用する場合には下地処理を施す。図1および
図2はその例を示すものである。下地処理を施す場合、
鋼材表面の清浄化処理は、公知のショットブラスト、グ
リッドブラストおよびサンドブラストなどの物理的手
段、または酸洗、アルカリ脱脂などの化学的手段により
行われる。
ポリオレフィン被覆層と鋼材との密着力が増すので過酷
な環境で使用する場合には下地処理を施す。図1および
図2はその例を示すものである。下地処理を施す場合、
鋼材表面の清浄化処理は、公知のショットブラスト、グ
リッドブラストおよびサンドブラストなどの物理的手
段、または酸洗、アルカリ脱脂などの化学的手段により
行われる。
【0022】化成処理層1はクロム酸系の処理による。
シリカ系塗布型クロメ−トが作業性にも優れ、一次密着
力も高いため好ましい。化成処理は有機還元剤を用いた
高還元クロメ−ト処理が施されたものでもよく、耐陰極
電解剥離性の向上にはむしろ好適である。これらクロメ
−ト処理層は、全クロム量として50〜1000mg/
m2 を含むことが好ましい。クロム付着量が50mg/
m2 未満では高温耐水性及び耐高温陰極電解剥離性が劣
り、一方、1000mg/m2 を超えると、クロメ−ト
処理層が厚くなり、耐冷熱サイクル特性および一次密着
力が低下する。
シリカ系塗布型クロメ−トが作業性にも優れ、一次密着
力も高いため好ましい。化成処理は有機還元剤を用いた
高還元クロメ−ト処理が施されたものでもよく、耐陰極
電解剥離性の向上にはむしろ好適である。これらクロメ
−ト処理層は、全クロム量として50〜1000mg/
m2 を含むことが好ましい。クロム付着量が50mg/
m2 未満では高温耐水性及び耐高温陰極電解剥離性が劣
り、一方、1000mg/m2 を超えると、クロメ−ト
処理層が厚くなり、耐冷熱サイクル特性および一次密着
力が低下する。
【0023】エポキシプライマ−層2は、公知のエポキ
シ樹脂および硬化剤を主成分とし、顔料を添加すること
もあるし、また添加しなくてもよい。代表的なエポキシ
樹脂として、ビスフェノ−ルAまたはフェノ−ルノボラ
ックタイプ等が、また硬化剤として、アミン系硬化剤、
ジシアンジアミド系硬化剤またはイミダゾ−ル硬化剤が
挙げられる。二液硬化型プライマ−、または硬化剤をマ
イクロカプセル化した潜在硬化性一液型熱硬化プライマ
ーも使用できる。
シ樹脂および硬化剤を主成分とし、顔料を添加すること
もあるし、また添加しなくてもよい。代表的なエポキシ
樹脂として、ビスフェノ−ルAまたはフェノ−ルノボラ
ックタイプ等が、また硬化剤として、アミン系硬化剤、
ジシアンジアミド系硬化剤またはイミダゾ−ル硬化剤が
挙げられる。二液硬化型プライマ−、または硬化剤をマ
イクロカプセル化した潜在硬化性一液型熱硬化プライマ
ーも使用できる。
【0024】金属箔が埋め込まれたポリオレフィン樹脂
層3は、それが一体として別に製造されてもよいし、ま
た、鋼材表面を、まず有極性ポリオレフィン樹脂で被覆
し、ついで金属箔で覆い、さらにその上を有極性ポリオ
レフィン樹脂が被覆する手順を踏んでもよい。後者の場
合、一枚の金属箔で足りる場合は問題ないが、不足する
場合は、複数枚の金属箔で被覆する。このとき、接合部
は互いに接触することが必要であり、かつ最低5mm程
度の重複をさせることが望ましい。そうすることによっ
て水またはイオンの透過を実質的に遮断することができ
る。
層3は、それが一体として別に製造されてもよいし、ま
た、鋼材表面を、まず有極性ポリオレフィン樹脂で被覆
し、ついで金属箔で覆い、さらにその上を有極性ポリオ
レフィン樹脂が被覆する手順を踏んでもよい。後者の場
合、一枚の金属箔で足りる場合は問題ないが、不足する
場合は、複数枚の金属箔で被覆する。このとき、接合部
は互いに接触することが必要であり、かつ最低5mm程
度の重複をさせることが望ましい。そうすることによっ
て水またはイオンの透過を実質的に遮断することができ
る。
【0025】
【実施例1】直径609.6mmの配管用ア−ク溶接炭
素鋼鋼管(JIS G 3457)をグリッドブラスト
により除錆度Sa3(ISO 8501−1)に調整
後、移動速度3m/minで搬送ロ−ルにより移動させ
ながら、誘導加熱装置により150℃に加熱した。表1
に示すように(a)無水マレイン酸変性ポリエチレン
(三井石油化学製、アドマ−NE060)、(b)アル
ミ箔および(c)無水マレイン酸変性ポリエチレン
((a)と同じもの)を被覆し、外面ポリエチレン被覆
鋼管を得た。(a)および(c)は被覆した時点ではい
ずれも融点以上の粘性の高い溶融状態のものを被覆し
た。
素鋼鋼管(JIS G 3457)をグリッドブラスト
により除錆度Sa3(ISO 8501−1)に調整
後、移動速度3m/minで搬送ロ−ルにより移動させ
ながら、誘導加熱装置により150℃に加熱した。表1
に示すように(a)無水マレイン酸変性ポリエチレン
(三井石油化学製、アドマ−NE060)、(b)アル
ミ箔および(c)無水マレイン酸変性ポリエチレン
((a)と同じもの)を被覆し、外面ポリエチレン被覆
鋼管を得た。(a)および(c)は被覆した時点ではい
ずれも融点以上の粘性の高い溶融状態のものを被覆し
た。
【0026】被覆方法としては、(a)を従来から行わ
れているTダイ方式の押し出し機によって螺旋状に被覆
し、(a)を被覆した直後に溶融状態の(a)の上にア
ルミ箔を螺旋状にラッピングし、さらに(c)をTダイ
方式の押し出し機によって被覆した。
れているTダイ方式の押し出し機によって螺旋状に被覆
し、(a)を被覆した直後に溶融状態の(a)の上にア
ルミ箔を螺旋状にラッピングし、さらに(c)をTダイ
方式の押し出し機によって被覆した。
【0027】以下に示すいずれの実施例および比較例に
おいても、変性ポリオレフィン樹脂を被覆するときは同
様の方法により行った。(a)、(b)および(c)
は、図1の金属箔が埋め込まれたポリオレフィン被覆層
3を構成する。本例は、図1において化成処理層1およ
びエポキシプライマ−層2がなく、金属箔が埋め込まれ
たポリオレフィン被覆層3のみがある場合である。
おいても、変性ポリオレフィン樹脂を被覆するときは同
様の方法により行った。(a)、(b)および(c)
は、図1の金属箔が埋め込まれたポリオレフィン被覆層
3を構成する。本例は、図1において化成処理層1およ
びエポキシプライマ−層2がなく、金属箔が埋め込まれ
たポリオレフィン被覆層3のみがある場合である。
【0028】
【表1】
【0029】
【実施例2】直径609.6mmの配管用炭素鋼鋼管
(JIS G 3457)をグリッドブラストにより表
面を除錆度Sa3(ISO 8501−1)に調整後、
移動速度3m/minで搬送ロ−ルにより移動しながら
60℃に誘導加熱装置により加熱した。化成処理とし
て、全クロム付着量が250mg/m2 になるようにク
ロメ−ト処理を施した。クロメ−トは、(a)コスマ−
100(関西ペイント製)を水で希釈したものを用い
た。その後、プライマ−として、(b)二液型アミン硬
化エポキシプライマ−(日本ペイント製No66プライ
マ−)を膜厚20μmになるように塗布し、誘導加熱装
置を用いて加熱硬化させた。このように下地処理を行っ
た鋼管に、表1に示すように(c)無水マレイン酸変性
ポリエチレン(三井石油化学製、アドマ−NE060)
と(d)アルミ箔および(e)無水マレイン酸変性ポリ
エチレン((c)と同じもの)を被覆し、外面ポリエチ
レン被覆鋼管を得た。図1において、上記の(a)は化
成処理層1(クロメ−ト処理層)を、(b)はエポキシ
プライマ−層2を、また(c)、(d)および(e)は
金属箔Mが埋め込まれたポリオレフィン樹脂層3を構成
する。
(JIS G 3457)をグリッドブラストにより表
面を除錆度Sa3(ISO 8501−1)に調整後、
移動速度3m/minで搬送ロ−ルにより移動しながら
60℃に誘導加熱装置により加熱した。化成処理とし
て、全クロム付着量が250mg/m2 になるようにク
ロメ−ト処理を施した。クロメ−トは、(a)コスマ−
100(関西ペイント製)を水で希釈したものを用い
た。その後、プライマ−として、(b)二液型アミン硬
化エポキシプライマ−(日本ペイント製No66プライ
マ−)を膜厚20μmになるように塗布し、誘導加熱装
置を用いて加熱硬化させた。このように下地処理を行っ
た鋼管に、表1に示すように(c)無水マレイン酸変性
ポリエチレン(三井石油化学製、アドマ−NE060)
と(d)アルミ箔および(e)無水マレイン酸変性ポリ
エチレン((c)と同じもの)を被覆し、外面ポリエチ
レン被覆鋼管を得た。図1において、上記の(a)は化
成処理層1(クロメ−ト処理層)を、(b)はエポキシ
プライマ−層2を、また(c)、(d)および(e)は
金属箔Mが埋め込まれたポリオレフィン樹脂層3を構成
する。
【0030】
【実施例3】直径609.6mmの配管用炭素鋼鋼管
(JIS G 3457)をグリッドブラストにより表
面を除錆度Sa3(ISO 8501−1)に調整後、
管移動速度3m/minで搬送ロ−ルにより移動させな
がら、誘導加熱装置により150℃に加熱した。表1に
示すように(a)無水マレイン酸変性ポリエチレン(三
井石油化学製、アドマ−NE060)と(b)アルミ箔
および(c)無水マレイン酸変性ポリエチレン((c)
と同じもの)を介して(d)ポリエチレン保護層(昭和
電工製、S4002EX)を被覆し、外面ポリエチレン
被覆鋼管を得た。
(JIS G 3457)をグリッドブラストにより表
面を除錆度Sa3(ISO 8501−1)に調整後、
管移動速度3m/minで搬送ロ−ルにより移動させな
がら、誘導加熱装置により150℃に加熱した。表1に
示すように(a)無水マレイン酸変性ポリエチレン(三
井石油化学製、アドマ−NE060)と(b)アルミ箔
および(c)無水マレイン酸変性ポリエチレン((c)
と同じもの)を介して(d)ポリエチレン保護層(昭和
電工製、S4002EX)を被覆し、外面ポリエチレン
被覆鋼管を得た。
【0031】(a)、(b)および(c)は図2の金属
箔が埋め込まれたポリオレフィン樹脂層3−1を、また
(d)はポリオレフィン保護層3−2を構成する。本例
は、図2において化成処理層1およびエポキシプライマ
−層2がなく、金属箔を埋め込んだポリオレフィン樹脂
層3−1およびポリオレフィン保護層3−2がある場合
である。
箔が埋め込まれたポリオレフィン樹脂層3−1を、また
(d)はポリオレフィン保護層3−2を構成する。本例
は、図2において化成処理層1およびエポキシプライマ
−層2がなく、金属箔を埋め込んだポリオレフィン樹脂
層3−1およびポリオレフィン保護層3−2がある場合
である。
【0032】
【実施例4】直径609.6mmの配管用炭素鋼鋼管
(JIS G 3457)をグリッドブラストにより表
面を除錆度Sa3(ISO 8501−1)に調整し、
移動速度3m/minで搬送ロ−ルにより移動しなが
ら、60℃に誘導加熱装置により加熱した。化成処理と
して、全クロム付着量が250mg/m2 になるように
クロメ−ト処理を施した。用いたクロメ−トは、(a)
コスマ−100(関西ペイント製)を水で希釈したもの
を用いた。その後、プライマ−として、(b)二液型ア
ミン硬化エポキシプライマ−(日本ペイント製No66
プライマ−)を膜厚20μmになるように塗布し、誘導
加熱装置により加熱硬化させた。このように下地処理を
行った鋼管に、表1に示すように(c)無水マレイン酸
変性ポリエチレン(三井石油化学製、アドマ−NE06
0)と(d)アルミ箔および(e)無水マレイン酸変性
ポリエチレンを介して(f)ポリエチレン樹脂(昭和電
工製S4002EX)を保護層として被覆し、ポリエチ
レン被覆鋼管を得た。図2において、(a)は化成処理
層1(クロメ−ト処理層)を、(b)はエポキシプライ
マ−層2を、(c)、(d)および(e)は金属箔が埋
め込まれたポリオレフィン樹脂層3−1を、また(f)
はポリオレフィン保護層3−2をそれぞれ構成する。
(JIS G 3457)をグリッドブラストにより表
面を除錆度Sa3(ISO 8501−1)に調整し、
移動速度3m/minで搬送ロ−ルにより移動しなが
ら、60℃に誘導加熱装置により加熱した。化成処理と
して、全クロム付着量が250mg/m2 になるように
クロメ−ト処理を施した。用いたクロメ−トは、(a)
コスマ−100(関西ペイント製)を水で希釈したもの
を用いた。その後、プライマ−として、(b)二液型ア
ミン硬化エポキシプライマ−(日本ペイント製No66
プライマ−)を膜厚20μmになるように塗布し、誘導
加熱装置により加熱硬化させた。このように下地処理を
行った鋼管に、表1に示すように(c)無水マレイン酸
変性ポリエチレン(三井石油化学製、アドマ−NE06
0)と(d)アルミ箔および(e)無水マレイン酸変性
ポリエチレンを介して(f)ポリエチレン樹脂(昭和電
工製S4002EX)を保護層として被覆し、ポリエチ
レン被覆鋼管を得た。図2において、(a)は化成処理
層1(クロメ−ト処理層)を、(b)はエポキシプライ
マ−層2を、(c)、(d)および(e)は金属箔が埋
め込まれたポリオレフィン樹脂層3−1を、また(f)
はポリオレフィン保護層3−2をそれぞれ構成する。
【0033】比較すべきものとして、表1に示す比較例
1および2を作製した。直径609.6mmの配管用炭
素鋼鋼管(JIS G 3457)をグリッドブラスト
により表面を除錆度Sa3(ISO 8501−1)に
調整後、管移動速度3m/minで搬送ロ−ルにより移
動しながら60℃に誘導加熱装置により加熱した。化成
処理として、全クロム付着量が250mg/m2 になる
ようにクロメ−ト処理を施した。用いたクロメ−トは、
(a)コスマ−100(関西ペイント製)を水で希釈し
たものを用いた。プライマ−として、(b)二液型アミ
ン硬化エポキシプライマ−(日本ペイント製No66プ
ライマ−)を膜厚20μmになるように塗布し、誘導加
熱装置により加熱硬化させた。このように下地処理を行
った鋼管に、表1に示すように(c)無水マレイン酸変
性ポリエチレン(三井石油化学製、アドマ−NE06
0)を介して(d)ポリエチレン樹脂(昭和電工製、S
4002EX)を被覆し、外面ポリエチレン被覆鋼管を
得た。これは図3において、(a)は化成処理層1(ク
ロメ−ト処理層)を、(b)はエポキシプライマ−層2
を、(c)はポリオレフィン樹脂層(接着層)3−1
を、また(d)はポリオレフィン保護層3−2をそれぞ
れ構成する。
1および2を作製した。直径609.6mmの配管用炭
素鋼鋼管(JIS G 3457)をグリッドブラスト
により表面を除錆度Sa3(ISO 8501−1)に
調整後、管移動速度3m/minで搬送ロ−ルにより移
動しながら60℃に誘導加熱装置により加熱した。化成
処理として、全クロム付着量が250mg/m2 になる
ようにクロメ−ト処理を施した。用いたクロメ−トは、
(a)コスマ−100(関西ペイント製)を水で希釈し
たものを用いた。プライマ−として、(b)二液型アミ
ン硬化エポキシプライマ−(日本ペイント製No66プ
ライマ−)を膜厚20μmになるように塗布し、誘導加
熱装置により加熱硬化させた。このように下地処理を行
った鋼管に、表1に示すように(c)無水マレイン酸変
性ポリエチレン(三井石油化学製、アドマ−NE06
0)を介して(d)ポリエチレン樹脂(昭和電工製、S
4002EX)を被覆し、外面ポリエチレン被覆鋼管を
得た。これは図3において、(a)は化成処理層1(ク
ロメ−ト処理層)を、(b)はエポキシプライマ−層2
を、(c)はポリオレフィン樹脂層(接着層)3−1
を、また(d)はポリオレフィン保護層3−2をそれぞ
れ構成する。
【0034】上記の各種のポリエチレン被覆鋼管から試
験材を150mm×70mmに切りだし、機械的強度と
して落重衝撃強度(ASTM G14)を測定した。
験材を150mm×70mmに切りだし、機械的強度と
して落重衝撃強度(ASTM G14)を測定した。
【0035】また、被覆に直径5mmの人工疵を鋼面に
達するまで設け、これを80℃に保った3%NaCl食
塩水に接液させ、飽和カロメル電極に対して−1.5V
の電位として60日間保持した。人工疵からの剥離距離
を測定し、これを陰極剥離長さとして評価した。試験結
果を表1に併せて示す。
達するまで設け、これを80℃に保った3%NaCl食
塩水に接液させ、飽和カロメル電極に対して−1.5V
の電位として60日間保持した。人工疵からの剥離距離
を測定し、これを陰極剥離長さとして評価した。試験結
果を表1に併せて示す。
【0036】実施例1に示すように、下地処理がなくポ
リオレフィン樹脂層3のみがある場合(図1において下
地処理がない場合)においても、優れた耐陰極電解剥離
性を発揮することがわかる。それに加えて鋼表面の清浄
化、クロメ−ト処理層1およびエポキシプライマ−層2
を施した場合(図1の場合)、一段と耐陰極電解剥離性
が優れることがわかる。さらに実施例3に示すように、
下地処理がなくポリオレフィン樹脂層3−1およびポリ
エチレン保護層3−2を施した場合(図2において下地
処理がない場合)、耐陰極電解剥離性が良好な上にさら
に機械的性質が優れることが分かる。実施例4の如く、
清浄化、化成処理層1(クロメ−ト処理層)およびエポ
キシプライマ−層2を施した後に、金属箔が埋め込まれ
たポリオレフィン樹脂層3−1およびポリオレフィン保
護層3−2を施すと(図2の場合)、良好な耐陰極電解
剥離性および機械的性質を兼備し、とりわけ耐陰極電解
剥離性が著しく優れる。
リオレフィン樹脂層3のみがある場合(図1において下
地処理がない場合)においても、優れた耐陰極電解剥離
性を発揮することがわかる。それに加えて鋼表面の清浄
化、クロメ−ト処理層1およびエポキシプライマ−層2
を施した場合(図1の場合)、一段と耐陰極電解剥離性
が優れることがわかる。さらに実施例3に示すように、
下地処理がなくポリオレフィン樹脂層3−1およびポリ
エチレン保護層3−2を施した場合(図2において下地
処理がない場合)、耐陰極電解剥離性が良好な上にさら
に機械的性質が優れることが分かる。実施例4の如く、
清浄化、化成処理層1(クロメ−ト処理層)およびエポ
キシプライマ−層2を施した後に、金属箔が埋め込まれ
たポリオレフィン樹脂層3−1およびポリオレフィン保
護層3−2を施すと(図2の場合)、良好な耐陰極電解
剥離性および機械的性質を兼備し、とりわけ耐陰極電解
剥離性が著しく優れる。
【0037】一方、比較例1および2に示すように、金
属箔が無い場合は、陰極電解剥離長さは15mm以上と
なる。
属箔が無い場合は、陰極電解剥離長さは15mm以上と
なる。
【0038】
【発明の効果】本発明に係るポリオレフィン被覆鋼材
は、ポリオレフィン樹脂の中に埋め込まれた金属箔によ
り、高温で起きる水またはイオンのポリオレフィン樹脂
での透過を遮断する。その結果、化成処理層およびエポ
キシプライマ−層を施さなくても良好な高温耐陰極電解
剥離性が得られ、製造コストを下げることができる。ま
たこれら下地処理を施すことによってさらに優れた高温
耐陰極電解剥離性および耐水性を長期間にわたって維持
するポリオレフィン被覆鋼材の提供が可能である。
は、ポリオレフィン樹脂の中に埋め込まれた金属箔によ
り、高温で起きる水またはイオンのポリオレフィン樹脂
での透過を遮断する。その結果、化成処理層およびエポ
キシプライマ−層を施さなくても良好な高温耐陰極電解
剥離性が得られ、製造コストを下げることができる。ま
たこれら下地処理を施すことによってさらに優れた高温
耐陰極電解剥離性および耐水性を長期間にわたって維持
するポリオレフィン被覆鋼材の提供が可能である。
【図1】図1は本発明の一例であるポリオレフィン被覆
鋼材の断面を模式的に表した図面である。
鋼材の断面を模式的に表した図面である。
【図2】図2は本発明の一例であるポリオレフィン被覆
鋼材の断面を模式的に表した図面である。
鋼材の断面を模式的に表した図面である。
【図3】図3は従来技術にみられるポリオレフィン被覆
鋼材の断面を模式的に表した図面である。
鋼材の断面を模式的に表した図面である。
Claims (2)
- 【請求項1】表面にポリオレフィン樹脂の被覆層をもつ
鋼材であって、被覆層の中に金属箔が金属箔層として埋
め込まれていることを特徴とするポリオレフィン被覆鋼
材。 - 【請求項2】鋼表面とポリオレフィン樹脂の被覆層との
間に化成処理層およびエポキシプライマ−層をもつ請求
項1に記載のポリオレフィン被覆鋼材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14577195A JPH08336931A (ja) | 1995-06-13 | 1995-06-13 | 金属箔を含むポリオレフィン被覆鋼材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14577195A JPH08336931A (ja) | 1995-06-13 | 1995-06-13 | 金属箔を含むポリオレフィン被覆鋼材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08336931A true JPH08336931A (ja) | 1996-12-24 |
Family
ID=15392793
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14577195A Pending JPH08336931A (ja) | 1995-06-13 | 1995-06-13 | 金属箔を含むポリオレフィン被覆鋼材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08336931A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002054766A (ja) * | 2000-08-09 | 2002-02-20 | Nittetsu Corrosion Prevention Co Ltd | 高耐食性金属被覆鋼管およびその製造方法 |
-
1995
- 1995-06-13 JP JP14577195A patent/JPH08336931A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002054766A (ja) * | 2000-08-09 | 2002-02-20 | Nittetsu Corrosion Prevention Co Ltd | 高耐食性金属被覆鋼管およびその製造方法 |
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