JPH0864169A - 粒子分離装置 - Google Patents
粒子分離装置Info
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- JPH0864169A JPH0864169A JP6224312A JP22431294A JPH0864169A JP H0864169 A JPH0864169 A JP H0864169A JP 6224312 A JP6224312 A JP 6224312A JP 22431294 A JP22431294 A JP 22431294A JP H0864169 A JPH0864169 A JP H0864169A
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- ion
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 分析感度を低下させることなく、光や中性粒
子を確実に遮断してS/N比を向上させる。 【構成】 引出電極12と四重極質量フィルタ(QM
F)17との間に、直流電圧が印加された1対の湾曲電
極板14a、14bを設けてイオンを偏向させる一方、
光や中性粒子を直進させ、検出器18に入れない。ま
た、湾曲板電極によるイオン20のX、Y方向の集束性
の差異を四重極レンズ13で予め補償し、エミッタンス
をQMF17のアクセプタンスに適合させる。
子を確実に遮断してS/N比を向上させる。 【構成】 引出電極12と四重極質量フィルタ(QM
F)17との間に、直流電圧が印加された1対の湾曲電
極板14a、14bを設けてイオンを偏向させる一方、
光や中性粒子を直進させ、検出器18に入れない。ま
た、湾曲板電極によるイオン20のX、Y方向の集束性
の差異を四重極レンズ13で予め補償し、エミッタンス
をQMF17のアクセプタンスに適合させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオンを質量に応じて
分離する質量分析装置、及び、電子をそのエネルギ応じ
て分離するエネルギ分析装置(以下、これらをまとめて
粒子分離装置と呼ぶ)に関する。
分離する質量分析装置、及び、電子をそのエネルギ応じ
て分離するエネルギ分析装置(以下、これらをまとめて
粒子分離装置と呼ぶ)に関する。
【0002】
【従来の技術】質量分析装置は、イオン源から放出され
るイオンのうち、特定の質量(実際には質量数mを電荷
zで除した値m/z)を有するイオンのみを分離する。
また、エネルギ分析装置は、電子源から与えられる電子
ビームに含まれる電子をその運動エネルギに応じて分離
する。これら粒子分離装置では、一般に、分離されたイ
オンや電子等をターゲット物質に衝突させ、その際に放
出される電子を検出することにより、分離された粒子を
検出する。
るイオンのうち、特定の質量(実際には質量数mを電荷
zで除した値m/z)を有するイオンのみを分離する。
また、エネルギ分析装置は、電子源から与えられる電子
ビームに含まれる電子をその運動エネルギに応じて分離
する。これら粒子分離装置では、一般に、分離されたイ
オンや電子等をターゲット物質に衝突させ、その際に放
出される電子を検出することにより、分離された粒子を
検出する。
【0003】質量分析装置に入射するイオンを生成する
イオン源では、例えばプラズマイオン化装置等のよう
に、試料等をイオン化する際に同時に強い光も生成され
ることが多い。電子源についても同様である。また、イ
オン源の場合は、イオン化されなかった中性粒子が質量
分析装置に入射する。これらイオン源又は電子源からの
光や中性粒子が質量分析装置等の検出器に入り、ターゲ
ット物質に照射されると、ターゲット物質はこれらによ
っても電子を放出し、本来検出すべきイオンや電子等の
信号に重畳するノイズ信号を生成する。
イオン源では、例えばプラズマイオン化装置等のよう
に、試料等をイオン化する際に同時に強い光も生成され
ることが多い。電子源についても同様である。また、イ
オン源の場合は、イオン化されなかった中性粒子が質量
分析装置に入射する。これらイオン源又は電子源からの
光や中性粒子が質量分析装置等の検出器に入り、ターゲ
ット物質に照射されると、ターゲット物質はこれらによ
っても電子を放出し、本来検出すべきイオンや電子等の
信号に重畳するノイズ信号を生成する。
【0004】これを防止するため、従来は図6に示すよ
うな方法が用いられていた。図6(a)はベッセル箱と
呼ばれるものであり、イオン等の通路に遮光板51を配
置し、入射アパーチャ52からイオン等と一緒に入射し
た光又は中性粒子を遮光板51で遮断するものである。
イオン等は遮光板51に印加した電位により軌道を外周
側に曲げられ、周囲の電極53により再び中心側に曲げ
られて出射アパーチャ54から出射する。図6(b)
は、2対の平行平板56、57の間に直流電圧を印加す
ることによりイオン等を偏向させる一方、中性粒子等を
直進させて出射側アパーチャの遮蔽板58で遮蔽するも
のである。図6(c)は、円筒状の電極(アパーチャ電
極でもよい)60、61をイオン等の経路に対して中心
軸をずらせて配置することによりイオン等を偏向させる
一方、中性粒子等を直進させて出射アパーチャで遮蔽す
るものである。
うな方法が用いられていた。図6(a)はベッセル箱と
呼ばれるものであり、イオン等の通路に遮光板51を配
置し、入射アパーチャ52からイオン等と一緒に入射し
た光又は中性粒子を遮光板51で遮断するものである。
イオン等は遮光板51に印加した電位により軌道を外周
側に曲げられ、周囲の電極53により再び中心側に曲げ
られて出射アパーチャ54から出射する。図6(b)
は、2対の平行平板56、57の間に直流電圧を印加す
ることによりイオン等を偏向させる一方、中性粒子等を
直進させて出射側アパーチャの遮蔽板58で遮蔽するも
のである。図6(c)は、円筒状の電極(アパーチャ電
極でもよい)60、61をイオン等の経路に対して中心
軸をずらせて配置することによりイオン等を偏向させる
一方、中性粒子等を直進させて出射アパーチャで遮蔽す
るものである。
【0005】なお、図6において○の中に+を入れたも
のはプラスイオン、○の中にNを入れたものは中性粒子
又は光子を示す。これらの図ではプラスイオンの場合を
例示したが、マイナスイオン又は電子の場合には、各印
加電圧は逆符号となる。
のはプラスイオン、○の中にNを入れたものは中性粒子
又は光子を示す。これらの図ではプラスイオンの場合を
例示したが、マイナスイオン又は電子の場合には、各印
加電圧は逆符号となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】質量分析装置やエネル
ギ分析装置等の粒子分離装置では入射してくるイオンや
電子を質量やエネルギにより分離するために種々の方法
を用いるが、いずれの方法であれ、その装置がイオンや
電子を受け入れる側の所定の位置(入射位置)におい
て、アクセプタンスと呼ばれる装置特有の受入れ特性を
有する。アクセプタンスは図5に示すように、X−X'
平面及びY−Y'平面における範囲Acで表わされ、例え
ばX軸方向(図5(a))については入射イオンのX座
標が入射側の所定位置においてこの範囲Ac内に収まっ
ており、しかも、その入射の方向(X')がこの範囲Ac
内に収まっているときに、粒子分離装置が最も効率よく
粒子を分離することができ、入射粒子が最も効率よく検
出器により検出される、というものである。Y軸方向
(図5(b))についても同様である。
ギ分析装置等の粒子分離装置では入射してくるイオンや
電子を質量やエネルギにより分離するために種々の方法
を用いるが、いずれの方法であれ、その装置がイオンや
電子を受け入れる側の所定の位置(入射位置)におい
て、アクセプタンスと呼ばれる装置特有の受入れ特性を
有する。アクセプタンスは図5に示すように、X−X'
平面及びY−Y'平面における範囲Acで表わされ、例え
ばX軸方向(図5(a))については入射イオンのX座
標が入射側の所定位置においてこの範囲Ac内に収まっ
ており、しかも、その入射の方向(X')がこの範囲Ac
内に収まっているときに、粒子分離装置が最も効率よく
粒子を分離することができ、入射粒子が最も効率よく検
出器により検出される、というものである。Y軸方向
(図5(b))についても同様である。
【0007】上記従来の方法では、光や中性粒子が検出
器に入ることを防止することはできるものの、質量分析
装置等のアクセプタンスに対する考慮が全くなされてい
ないため、イオン等の検出感度が低下するという問題が
ある。
器に入ることを防止することはできるものの、質量分析
装置等のアクセプタンスに対する考慮が全くなされてい
ないため、イオン等の検出感度が低下するという問題が
ある。
【0008】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、分析感
度を低下させることなく、光や中性粒子を確実に遮断し
てS/N比を向上させた粒子分離装置を提供することに
ある。
成されたものであり、その目的とするところは、分析感
度を低下させることなく、光や中性粒子を確実に遮断し
てS/N比を向上させた粒子分離装置を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る粒子分離装置は、荷電粒子を受
け入れる入射口と、入射口から入射した荷電粒子をその
質量又はエネルギに応じて分離する粒子分離器との間
に、 a)四重極レンズと、 b)直流電圧が印加された1対の湾曲板電極から成る荷電
粒子偏向器と、 を備えることを特徴とするものである。なお、湾曲板の
形状としては、部分円筒状、部分球状、部分トロイダル
状のいずれであってもよい。
に成された本発明に係る粒子分離装置は、荷電粒子を受
け入れる入射口と、入射口から入射した荷電粒子をその
質量又はエネルギに応じて分離する粒子分離器との間
に、 a)四重極レンズと、 b)直流電圧が印加された1対の湾曲板電極から成る荷電
粒子偏向器と、 を備えることを特徴とするものである。なお、湾曲板の
形状としては、部分円筒状、部分球状、部分トロイダル
状のいずれであってもよい。
【0010】
【作用】入射口から入射した荷電粒子は荷電粒子偏向器
により偏向された後、粒子分離器に入る。一方、中性粒
子や光は荷電粒子偏向器によっては偏向されず、直進す
るため、粒子分離器及びその後に設けられた粒子検出器
には入らない。このため、粒子検出のS/N比が向上す
る。
により偏向された後、粒子分離器に入る。一方、中性粒
子や光は荷電粒子偏向器によっては偏向されず、直進す
るため、粒子分離器及びその後に設けられた粒子検出器
には入らない。このため、粒子検出のS/N比が向上す
る。
【0011】四重極レンズは荷電粒子偏向器の前に置く
ことが望ましい。四重極レンズは、湾曲板電極の両電極
板に垂直な方向に対向配置した1対の電極棒と、その方
向と荷電粒子の飛行方向の双方に垂直な方向に対向配置
した1対の電極棒から成り、各対の電極棒間に独立に直
流電圧を印加したものである。なお、電極棒の代わりに
電極板を使用してもよい。荷電粒子偏向器は1対の湾曲
板電極から成るため、入射した荷電粒子は湾曲板の壁面
に垂直な方向については規制される一方、それに垂直な
方向については入射時の運動方向を維持する。このた
め、荷電粒子偏向器を出射した荷電粒子の飛行範囲及び
運動方向(上記アクセプタンスに対応するもので、エミ
ッタンスと呼ぶ)は入射時とは異なったものとなる。そ
こで、荷電粒子偏向器の前に四重極レンズを設け、荷電
粒子偏向器に入射する荷電粒子に対して予め両方向につ
いて適切な集束性又は発散性を与えておくことにより、
荷電粒子偏向器を出射した荷電粒子のエミッタンスを粒
子分離器のアクセプタンスに適合させる。これにより、
荷電粒子の検出を高感度に行なうことができる。
ことが望ましい。四重極レンズは、湾曲板電極の両電極
板に垂直な方向に対向配置した1対の電極棒と、その方
向と荷電粒子の飛行方向の双方に垂直な方向に対向配置
した1対の電極棒から成り、各対の電極棒間に独立に直
流電圧を印加したものである。なお、電極棒の代わりに
電極板を使用してもよい。荷電粒子偏向器は1対の湾曲
板電極から成るため、入射した荷電粒子は湾曲板の壁面
に垂直な方向については規制される一方、それに垂直な
方向については入射時の運動方向を維持する。このた
め、荷電粒子偏向器を出射した荷電粒子の飛行範囲及び
運動方向(上記アクセプタンスに対応するもので、エミ
ッタンスと呼ぶ)は入射時とは異なったものとなる。そ
こで、荷電粒子偏向器の前に四重極レンズを設け、荷電
粒子偏向器に入射する荷電粒子に対して予め両方向につ
いて適切な集束性又は発散性を与えておくことにより、
荷電粒子偏向器を出射した荷電粒子のエミッタンスを粒
子分離器のアクセプタンスに適合させる。これにより、
荷電粒子の検出を高感度に行なうことができる。
【0012】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1に示す。本実施
例は四重極質量分析装置であり、四重極質量フィルタ1
7に交流及び直流を重畳させた電圧を印加することによ
り目的の質量を有するイオンのみを通過させ、イオン検
出器18で検出するものである。本実施例の四重極質量
分析装置では、イオン源11と四重極質量フィルタ17
との間に引出電極12、四重極レンズ13及び2組のイ
オン偏向器14、16を設けている。本実施例のイオン
偏向器14は図1(a)に示すように平面形状が円弧状
であり、図1(b)に示すように断面形状が平板状であ
る2枚の湾曲電極板14a、14bを平行に配置したも
のである。なお、湾曲電極板14a、14bは、このよ
うな部分円筒形状の他、部分球形状、部分トロイダル形
状のいずれであってもよい。他方のイオン偏向器16は
湾曲方向が逆となっているだけで、構成はイオン偏向器
14と同じである。両イオン偏向器14、16の入口、
出口及びそれらの間にはそれぞれアパーチャ15'、1
5、15''が設けられている。
例は四重極質量分析装置であり、四重極質量フィルタ1
7に交流及び直流を重畳させた電圧を印加することによ
り目的の質量を有するイオンのみを通過させ、イオン検
出器18で検出するものである。本実施例の四重極質量
分析装置では、イオン源11と四重極質量フィルタ17
との間に引出電極12、四重極レンズ13及び2組のイ
オン偏向器14、16を設けている。本実施例のイオン
偏向器14は図1(a)に示すように平面形状が円弧状
であり、図1(b)に示すように断面形状が平板状であ
る2枚の湾曲電極板14a、14bを平行に配置したも
のである。なお、湾曲電極板14a、14bは、このよ
うな部分円筒形状の他、部分球形状、部分トロイダル形
状のいずれであってもよい。他方のイオン偏向器16は
湾曲方向が逆となっているだけで、構成はイオン偏向器
14と同じである。両イオン偏向器14、16の入口、
出口及びそれらの間にはそれぞれアパーチャ15'、1
5、15''が設けられている。
【0013】四重極レンズ13は図3に示すように4本
の電極棒13a〜13dをイオンの飛行方向(これをZ
軸方向とする)に対して軸対称に、かつ、その軸に平行
に配置したもので、イオン偏向器14の湾曲電極板14
a、14bの入口における法線方向(X軸方向)の1対
の電極棒13b及び13dの間には直流電圧V1を、そ
れに垂直な方向(Y軸方向)の1対の電極棒13a及び
13cの間には直流電圧V2を印加する。
の電極棒13a〜13dをイオンの飛行方向(これをZ
軸方向とする)に対して軸対称に、かつ、その軸に平行
に配置したもので、イオン偏向器14の湾曲電極板14
a、14bの入口における法線方向(X軸方向)の1対
の電極棒13b及び13dの間には直流電圧V1を、そ
れに垂直な方向(Y軸方向)の1対の電極棒13a及び
13cの間には直流電圧V2を印加する。
【0014】本実施例の四重極質量分析装置の動作は次
の通りである。イオン源11で生成されたイオン20は
引出電極12により引き出され、加速されて四重極レン
ズ13を通過する。四重極レンズ13を通過する際のイ
オン20の動きについては後述する。四重極レンズ13
を通過したイオン20は第1イオン偏向器14に入り、
両湾曲電極板14a、14bの間を電極板の形状に沿っ
て偏向してゆく。それに対し、イオン源11から入射し
た光や中性粒子は直進するため、第1イオン偏向器14
の壁面に衝突し、そこで吸収され或いは散乱されるる。
なお、このような吸収及び散乱を促進するため、両湾曲
電極板14a、14b、16の内面には炭素粉を付着さ
せる等の吸光表面処理を施しておく。
の通りである。イオン源11で生成されたイオン20は
引出電極12により引き出され、加速されて四重極レン
ズ13を通過する。四重極レンズ13を通過する際のイ
オン20の動きについては後述する。四重極レンズ13
を通過したイオン20は第1イオン偏向器14に入り、
両湾曲電極板14a、14bの間を電極板の形状に沿っ
て偏向してゆく。それに対し、イオン源11から入射し
た光や中性粒子は直進するため、第1イオン偏向器14
の壁面に衝突し、そこで吸収され或いは散乱されるる。
なお、このような吸収及び散乱を促進するため、両湾曲
電極板14a、14b、16の内面には炭素粉を付着さ
せる等の吸光表面処理を施しておく。
【0015】第1イオン偏向器14を通過した時点でイ
オン20はアパーチャ15により規制され、アパーチャ
15の開口範囲内を飛行するイオン20のみが第2イオ
ン偏向器16に入射される。イオン20はそのエネルギ
により両湾曲電極板14a、14bで屈曲される際の半
径が異なるため、第1イオン偏向器14を出た時点でイ
オン20はエネルギによる広がりを生じている。従っ
て、アパーチャ15の開口の位置を調整し、広がったイ
オン20の特定の一部のみを通過させることにより、四
重極質量フィルタ17で分離しようとする目的のイオン
に近いエネルギのイオンのみを通過させ、四重極質量フ
ィルタ17における分解能を向上させることができる。
なお、四重極質量フィルタ17が十分な分解能を有する
場合は、アパーチャ15を設けなくてもよい。
オン20はアパーチャ15により規制され、アパーチャ
15の開口範囲内を飛行するイオン20のみが第2イオ
ン偏向器16に入射される。イオン20はそのエネルギ
により両湾曲電極板14a、14bで屈曲される際の半
径が異なるため、第1イオン偏向器14を出た時点でイ
オン20はエネルギによる広がりを生じている。従っ
て、アパーチャ15の開口の位置を調整し、広がったイ
オン20の特定の一部のみを通過させることにより、四
重極質量フィルタ17で分離しようとする目的のイオン
に近いエネルギのイオンのみを通過させ、四重極質量フ
ィルタ17における分解能を向上させることができる。
なお、四重極質量フィルタ17が十分な分解能を有する
場合は、アパーチャ15を設けなくてもよい。
【0016】第2イオン偏向器16ではイオン20は第
1イオン偏向器14とは逆方向に偏向し、最終的にはイ
オン源11から出射した方向と平行な方向に飛行するよ
うになり、四重極質量フィルタ17に入射する。なお、
第1イオン偏向器14の湾曲電極板14aの曲率半径r
1及び角度φ1と第2イオン偏向器16の湾曲電極板の曲
率半径r2及び角度φ2は同一としてもよいし、別個に設
定してもよい。
1イオン偏向器14とは逆方向に偏向し、最終的にはイ
オン源11から出射した方向と平行な方向に飛行するよ
うになり、四重極質量フィルタ17に入射する。なお、
第1イオン偏向器14の湾曲電極板14aの曲率半径r
1及び角度φ1と第2イオン偏向器16の湾曲電極板の曲
率半径r2及び角度φ2は同一としてもよいし、別個に設
定してもよい。
【0017】図1(b)に示すように、イオン20はイ
オン偏向器14において両湾曲電極板14a、14bに
よりX軸方向には収束作用を受けるが、Y方向にはその
ような作用を受けず、入射時の運動方向を維持して拡散
又は集束してゆく。すなわち、引出電極12により形成
されたイオンのエミッタンスは、イオン偏向器14及び
16によりX軸方向とY軸方向とで異なった変化を受
け、四重極質量フィルタ17のアクセプタンスとの整合
性が崩れる。そこで本実施例の四重極質量分析装置で
は、イオン偏向器14の前に四重極レンズ13を配置
し、これによりX、Y各軸方向に独立にイオン20に対
する規制を行なうことにより、エミッタンスとアクセプ
タンスとの整合を維持している。
オン偏向器14において両湾曲電極板14a、14bに
よりX軸方向には収束作用を受けるが、Y方向にはその
ような作用を受けず、入射時の運動方向を維持して拡散
又は集束してゆく。すなわち、引出電極12により形成
されたイオンのエミッタンスは、イオン偏向器14及び
16によりX軸方向とY軸方向とで異なった変化を受
け、四重極質量フィルタ17のアクセプタンスとの整合
性が崩れる。そこで本実施例の四重極質量分析装置で
は、イオン偏向器14の前に四重極レンズ13を配置
し、これによりX、Y各軸方向に独立にイオン20に対
する規制を行なうことにより、エミッタンスとアクセプ
タンスとの整合を維持している。
【0018】本発明の第2実施例を図2に示す。本実施
例の四重極質量分析装置は、2組の四重極レンズ21、
23を直列に配置したものである。それぞれの四重極レ
ンズ21及び23の構造は図3に示したものと同じであ
るが、各四重極レンズ21、32の印加電圧V1、V2は
互いに独立に設定することができる。本実施例の四重極
質量分析装置では第1の組の四重極レンズ21で主にX
軸方向のイオンの規制を行ない、第2の組の四重極レン
ズ23で主にY軸方向のイオンの規制を行なう(逆でも
よい)ことにより、イオンのエミッタンス形状の制御を
より精密に行なうことができる。なお、両四重極レンズ
21、23の間には、両四重極レンズ21、23の端縁
電場の影響を分離するための電極板22を設ける。
例の四重極質量分析装置は、2組の四重極レンズ21、
23を直列に配置したものである。それぞれの四重極レ
ンズ21及び23の構造は図3に示したものと同じであ
るが、各四重極レンズ21、32の印加電圧V1、V2は
互いに独立に設定することができる。本実施例の四重極
質量分析装置では第1の組の四重極レンズ21で主にX
軸方向のイオンの規制を行ない、第2の組の四重極レン
ズ23で主にY軸方向のイオンの規制を行なう(逆でも
よい)ことにより、イオンのエミッタンス形状の制御を
より精密に行なうことができる。なお、両四重極レンズ
21、23の間には、両四重極レンズ21、23の端縁
電場の影響を分離するための電極板22を設ける。
【0019】本発明の第3実施例を図4に示す。上記第
1、第2実施例の四重極質量分析装置では、2組のイオ
ン偏向器を用いることにより最終的なイオンの飛行方向
が入射時と平行になるようにして、装置全体を直線型と
したが、本実施例の四重極質量分析装置ではイオン偏向
器24を1組だけ使用し、最終的なイオンの飛行方向を
偏向したままとしたものである。アパーチャ25の機能
は上記と同じである。
1、第2実施例の四重極質量分析装置では、2組のイオ
ン偏向器を用いることにより最終的なイオンの飛行方向
が入射時と平行になるようにして、装置全体を直線型と
したが、本実施例の四重極質量分析装置ではイオン偏向
器24を1組だけ使用し、最終的なイオンの飛行方向を
偏向したままとしたものである。アパーチャ25の機能
は上記と同じである。
【0020】なお、上記実施例ではいずれもイオンを分
離する質量分析装置を示したが、電子を分離するエネル
ギ分析装置についても同様に本発明を適用することがで
きる。
離する質量分析装置を示したが、電子を分離するエネル
ギ分析装置についても同様に本発明を適用することがで
きる。
【0021】
【発明の効果】本発明に係る粒子分離装置では、荷電粒
子偏向器により中性粒子や光が粒子分離器(及び粒子検
出器)に入らないようにしてS/N比を向上させる一
方、四重極レンズにより荷電粒子のエミッタンスを粒子
分離器のアクセプタンスに適合させることにより、高感
度の荷電粒子検出を可能としている。
子偏向器により中性粒子や光が粒子分離器(及び粒子検
出器)に入らないようにしてS/N比を向上させる一
方、四重極レンズにより荷電粒子のエミッタンスを粒子
分離器のアクセプタンスに適合させることにより、高感
度の荷電粒子検出を可能としている。
【図1】 本発明の第1実施例である四重極質量分析装
置の全体構成図(a)とイオン偏向器14のb−b断面
図。
置の全体構成図(a)とイオン偏向器14のb−b断面
図。
【図2】 本発明の第2実施例である四重極質量分析装
置の全体構成図。
置の全体構成図。
【図3】 四重極レンズの斜視図。
【図4】 本発明の第3実施例である四重極質量分析装
置の全体構成図。
置の全体構成図。
【図5】 粒子分離器のアクセプタンスの説明図。
【図6】 従来のイオン偏向器の各種例を示す断面図及
び斜視図。
び斜視図。
11…イオン源 12…引出電極 13、21、23…四重極レンズ 14、16、24…イオン偏向器 14a、14b…湾曲電極板 15、15'、15''、25、25'…アパーチャ 17…四重極質量フィルタ 18…イオン検出器 20…イオン
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月31日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る粒子分離装置は、荷電粒子を受
け入れる入射口と、入射口から入射した荷電粒子をその
質量又はエネルギに応じて分離する粒子分離器との間
に、直流電圧が印加された1対の湾曲板電極から成る荷
電粒子偏向器を備えることを特徴とするものである。な
お、湾曲板の形状としては、部分円筒状、部分球状、部
分トロイダル状のいずれであってもよい。また、荷電粒
子偏向器の前又は後に四重極レンズを設けてもよい。
に成された本発明に係る粒子分離装置は、荷電粒子を受
け入れる入射口と、入射口から入射した荷電粒子をその
質量又はエネルギに応じて分離する粒子分離器との間
に、直流電圧が印加された1対の湾曲板電極から成る荷
電粒子偏向器を備えることを特徴とするものである。な
お、湾曲板の形状としては、部分円筒状、部分球状、部
分トロイダル状のいずれであってもよい。また、荷電粒
子偏向器の前又は後に四重極レンズを設けてもよい。
Claims (1)
- 【請求項1】 荷電粒子を受け入れる入射口と、入射口
から入射した荷電粒子をその質量又はエネルギに応じて
分離する粒子分離器との間に、 a)四重極レンズと、 b)直流電圧が印加された1対の湾曲板電極から成る荷電
粒子偏向器と、 を備えることを特徴とする粒子分離装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6224312A JPH0864169A (ja) | 1994-08-24 | 1994-08-24 | 粒子分離装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6224312A JPH0864169A (ja) | 1994-08-24 | 1994-08-24 | 粒子分離装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0864169A true JPH0864169A (ja) | 1996-03-08 |
Family
ID=16811791
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6224312A Pending JPH0864169A (ja) | 1994-08-24 | 1994-08-24 | 粒子分離装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0864169A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103630470A (zh) * | 2007-04-16 | 2014-03-12 | 通用医疗公司以马萨诸塞州通用医疗公司名义经营 | 使粒子在微通道中聚集的系统和方法 |
| CN107017150A (zh) * | 2016-01-27 | 2017-08-04 | 塞莫费雪科学(不来梅)有限公司 | 四极杆质谱仪 |
-
1994
- 1994-08-24 JP JP6224312A patent/JPH0864169A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103630470A (zh) * | 2007-04-16 | 2014-03-12 | 通用医疗公司以马萨诸塞州通用医疗公司名义经营 | 使粒子在微通道中聚集的系统和方法 |
| CN107017150A (zh) * | 2016-01-27 | 2017-08-04 | 塞莫费雪科学(不来梅)有限公司 | 四极杆质谱仪 |
| JP2017152368A (ja) * | 2016-01-27 | 2017-08-31 | サーモ フィッシャー サイエンティフィック (ブレーメン) ゲーエムベーハー | 四重極型質量分析計 |
| US9934954B2 (en) | 2016-01-27 | 2018-04-03 | Thermo Fisher Scientific (Bremen) Gmbh | Quadrupole mass spectrometer |
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